JP2014124102A - クロロゲン酸類の安定化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】クロロゲン酸類の残存率が高く、かつ色相変化の抑制可能なクロロゲン酸類の安定化方法を提供する。
【解決手段】クロロゲン酸類含有水溶液にエタノールを添加混合し、抗酸化作用や血圧降下作用等の生理活性を有することが知られているクロロゲン酸類の安定化を計り、クロロゲン酸類を含量を低下させずに、簡便に摂取できる形態の飲料とする。
【選択図】なし
【解決手段】クロロゲン酸類含有水溶液にエタノールを添加混合し、抗酸化作用や血圧降下作用等の生理活性を有することが知られているクロロゲン酸類の安定化を計り、クロロゲン酸類を含量を低下させずに、簡便に摂取できる形態の飲料とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、クロロゲン酸類の安定化方法に関する。
クロロゲン酸類は、抗酸化作用や血圧降下作用等の生理活性を有することが知られている。これらの生理作用をより効果的に発現させるためには、クロロゲン酸類をより多く継続して摂取することが有効であり、多量のクロロゲン酸類を簡便に摂取できる形態として飲料がある。しかしながら、クロロゲン酸類を含有する飲料は、保存時においてクロロゲン酸類の含有量が徐々に低下してしまう。
従来、コーヒー抽出液由来の特定のポリフェノール画分が、クロロゲン酸類の経時変化に伴うクロロゲン酸類の含有量の低下抑制に有効であるという報告がある(特許文献1)。また、ポリフェノールの一種である非重合体カテキン類を含有する茶飲料について、サイクロデキストリンと、アスコルビン酸又はアスコルビン酸塩との混合物が、濁り、褐変、風味劣化等の製品の品質劣化を抑制できるとの報告もある(特許文献2)。
前記特許文献1には、クロロゲン酸類の残存率を高められることが記載されているものの、クロロゲン酸類を含有する飲料の外観変化の抑制については何ら記載されていない。一方、前記特許文献2は、非重合体カテキン類に関するものであるが、それを含有する茶飲料の品質劣化の抑制について記載されているだけで、クロロゲン酸類についての記載はない。
本発明の課題は、クロロゲン酸類の残存率が高く、かつ色相変化の抑制可能な、クロロゲン酸類の安定化方法、並びにクロロゲン酸類含有飲料及びその製造方法を提供することにある。
本発明の課題は、クロロゲン酸類の残存率が高く、かつ色相変化の抑制可能な、クロロゲン酸類の安定化方法、並びにクロロゲン酸類含有飲料及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題に鑑み種々検討した結果、クロロゲン酸類を含有する水溶液に極微量のエタノールを添加することで、クロロゲン酸類の残存率が高められるともに色相変化も抑制できることを見出した。
すなわち、本発明は、クロロゲン酸類含有水溶液とエタノールとを混合する、クロロゲン酸類の安定化方法を提供するものである。
また、本発明は、エタノールを10〜18,000質量ppm含有するクロロゲン酸類含有飲料を提供するものである。
更に、本発明は、(B)クロロゲン酸類中の(G)5−カフェオイルキナ酸に対し0.002〜20質量倍の(A)エタノールを添加する、クロロゲン酸類含有飲料の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、クロロゲン酸類の残存率が高く、かつ色相変化の抑制可能なクロロゲン酸類の安定化方法が提供される。また、本発明によれば、クロロゲン酸類が安定化されたクロロゲン酸類含有飲料及びその製造方法を提供することができる。
(クロロゲン酸類の安定化方法)
本発明のクロロゲン酸類の安定化方法は、クロロゲン酸類含有水溶液とエタノールとを混合するものである。
ここで、本明細書において「(B)クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸と、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸のジカフェオイルキナ酸を併せての総称である。本発明においては、上記9種のクロロゲン酸類のうち少なくとも1種を含有すればよい。中でも、(B)クロロゲン酸類として、モノカフェオイルキナ酸を含有することが好ましく、5−カフェオイルキナ酸を含有することが更に好ましい。
本発明のクロロゲン酸類の安定化方法は、クロロゲン酸類含有水溶液とエタノールとを混合するものである。
ここで、本明細書において「(B)クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸と、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸のジカフェオイルキナ酸を併せての総称である。本発明においては、上記9種のクロロゲン酸類のうち少なくとも1種を含有すればよい。中でも、(B)クロロゲン酸類として、モノカフェオイルキナ酸を含有することが好ましく、5−カフェオイルキナ酸を含有することが更に好ましい。
クロロゲン酸類として、市販の試薬を1種又は2種以上用いることができる。また、前記9種のクロロゲン酸類は、通常、コーヒー豆に含まれているため、コーヒー豆から得られる抽出物を使用することもできる。
抽出に使用するコーヒー豆種としては、例えば、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種を挙げることができる。コーヒー豆の産地は特に限定されないが、例えば、ブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジェロ、マンデリン、ブルーマウンテン等が挙げられる。また、コーヒー豆は、1種でもよいし、複数種をブレンドして用いてもよい。
抽出に使用するコーヒー豆の焙煎度は適宜選択可能であるが、クロロゲン酸類の含有量の観点から、生コーヒー豆であることが好ましい。
本発明で使用するコーヒー抽出物は、当該コーヒー抽出物100g当たりコーヒー豆を生豆換算で1g以上、更に2.5g以上、特に5g以上使用しているものが好ましい。なお、抽出方法及び抽出条件は特に限定されず、公知の方法及び条件で行うことが可能であり、例えば、特開2009−153451号公報に記載の方法及び条件を採用することができる。
コーヒー抽出物を用いる場合、2種以上のコーヒー抽出物を併用しても、市販の試薬を混合して使用してもよい。市販の試薬として、例えば、5−カフェオイルキナ酸をCAYMAN CHEMICAL COMPANY社から商業的に入手することが可能である。
また、コーヒー抽出物を用いる場合、活性炭、酸性白土、活性白土等の吸着剤、イオン交換樹脂、合成吸着剤等を用いて精製したものを用いることができる。さらに、分画等により純品まで精製したものを用いることもできる。なお、活性炭、酸性白土、活性白土等の吸着剤を用いた精製方法として、例えば、特開2006−174746号公報に記載の方法及び条件を採用することができる。また、イオン交換樹脂、合成吸着剤等を用いた精製方法として、例えば、特開2008−94758号公報に記載の方法及び条件を採用することができる。
また、コーヒー抽出物を用いる場合、活性炭、酸性白土、活性白土等の吸着剤、イオン交換樹脂、合成吸着剤等を用いて精製したものを用いることができる。さらに、分画等により純品まで精製したものを用いることもできる。なお、活性炭、酸性白土、活性白土等の吸着剤を用いた精製方法として、例えば、特開2006−174746号公報に記載の方法及び条件を採用することができる。また、イオン交換樹脂、合成吸着剤等を用いた精製方法として、例えば、特開2008−94758号公報に記載の方法及び条件を採用することができる。
本発明においては、(B)クロロゲン酸類を水溶液の形態で使用する。例えば、クロロゲン酸類として市販の試薬を1種又は2種以上用いる場合、水で希釈すればよい。また、コーヒー抽出物又はその精製物を用いる場合、コーヒー抽出物の溶媒が水溶液であれば、そのまま使用しても、必要により濃縮又は水希釈して使用してもよい。一方、コーヒー抽出物の溶媒として有機溶媒が含まれている場合、当該有機溶媒を蒸留等により除去した後、必要により溶媒を水に置換すればよい。
(B)クロロゲン酸類を含有する水溶液は、当該水溶液中の(B)クロロゲン酸類の含有量が、0.02質量%以上が好ましく、0.04質量%以上がより好ましく、0.06質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.12質量%以上が更に好ましく、そして、3質量%以下が好ましく、2.5質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましい。かかる(B)クロロゲン酸類の含有量の範囲としては、好ましくは0.02〜3質量%、より好ましくは0.04〜2.5質量%、より好ましくは0.06〜2質量%、より好ましくは0.1〜2質量%、更に好ましくは0.12〜2質量%である。
クロロゲン酸類含有水溶液と(A)エタノールとの混合方法としては、一方を他方に添加し混合しても、両者を同時に添加し混合してもよい。
(A)エタノールの添加量は、クロロゲン酸類の劣化及び色相変化の抑制の観点から、(G)5−カフェオイルキナ酸に対して、0.002質量倍以上が好ましく、0.01質量倍以上がより好ましく、0.05質量倍以上がより好ましく、0.1質量倍以上がより好ましく、0.5質量倍以上がより好ましく、1質量倍以上がより好ましく、3質量倍以上がより好ましく、5質量倍以上が更に好ましく、そして、20質量倍以下が好ましく、15質量倍以下がより好ましく、10質量倍以下が更に好ましい。かかる(A)エタノールの添加量の範囲としては、(G)5−カフェオイルキナ酸に対して、好ましくは0.002〜20質量倍、より好ましくは0.01〜15質量倍、更に好ましくは0.05〜10質量倍、より好ましくは0.1〜10質量倍、より好ましくは0.5〜10質量倍、より好ましくは1〜10質量倍、より好ましくは3〜10質量倍、更に好ましくは5〜10質量倍である。
(A)エタノールの添加量は、クロロゲン酸類の劣化及び色相変化の抑制の観点から、(G)5−カフェオイルキナ酸に対して、0.002質量倍以上が好ましく、0.01質量倍以上がより好ましく、0.05質量倍以上がより好ましく、0.1質量倍以上がより好ましく、0.5質量倍以上がより好ましく、1質量倍以上がより好ましく、3質量倍以上がより好ましく、5質量倍以上が更に好ましく、そして、20質量倍以下が好ましく、15質量倍以下がより好ましく、10質量倍以下が更に好ましい。かかる(A)エタノールの添加量の範囲としては、(G)5−カフェオイルキナ酸に対して、好ましくは0.002〜20質量倍、より好ましくは0.01〜15質量倍、更に好ましくは0.05〜10質量倍、より好ましくは0.1〜10質量倍、より好ましくは0.5〜10質量倍、より好ましくは1〜10質量倍、より好ましくは3〜10質量倍、更に好ましくは5〜10質量倍である。
また、本発明においては、混合後の溶液を高圧ホモジナイザー処理してもよい。これにより、エタノールの分散性が高められ、クロロゲン酸類の安定性をより一層向上させることができる。
ここで、本明細書において「高圧ホモジナイザー処理」とは、微細な隙間から液を高圧下に高速で噴出することにより発生するせん断力、キャビテーション等により、溶液中に含まれる成分の粒子径を微細化させる処理をいう。
高圧ホモジナイザー処理に用いる装置としては、溶液に対して強力な剪断力を作用し得る機構のものであれば特に限定されないが、例えば、圧力式ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、ナノマイザー、アルティマイザー等を挙げることができる。
圧力は、クロロゲン酸類のより一層の安定性向上の観点から、10MPa以上が好ましく、50MPa以上がより好ましく、100MPa以上が更に好ましく、そして、500MPa以下が好ましく、400MPa以下がより好ましく、300MPa以下が更に好ましい。かかる圧力の範囲としては、好ましくは10〜500MPa、より好ましくは50〜400MPa、更に好ましくは100〜300MPaである。
また、処理回数は、1回でも、複数回以上でもよく、好ましくは複数回以上であり、更に好ましくは2〜5回である。
ここで、本明細書において「高圧ホモジナイザー処理」とは、微細な隙間から液を高圧下に高速で噴出することにより発生するせん断力、キャビテーション等により、溶液中に含まれる成分の粒子径を微細化させる処理をいう。
高圧ホモジナイザー処理に用いる装置としては、溶液に対して強力な剪断力を作用し得る機構のものであれば特に限定されないが、例えば、圧力式ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、ナノマイザー、アルティマイザー等を挙げることができる。
圧力は、クロロゲン酸類のより一層の安定性向上の観点から、10MPa以上が好ましく、50MPa以上がより好ましく、100MPa以上が更に好ましく、そして、500MPa以下が好ましく、400MPa以下がより好ましく、300MPa以下が更に好ましい。かかる圧力の範囲としては、好ましくは10〜500MPa、より好ましくは50〜400MPa、更に好ましくは100〜300MPaである。
また、処理回数は、1回でも、複数回以上でもよく、好ましくは複数回以上であり、更に好ましくは2〜5回である。
また、本発明においては、クロロゲン酸類の劣化及び色相変化の抑制の観点から、成分(C)としてL−アスコルビン酸及びその塩から選ばれる少なくとも1種を添加することができる。L−アスコルビン酸の塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩が更に好ましい。
成分(C)の添加量は、クロロゲン酸類の劣化及び色相変化の抑制の観点から、(G)5−カフェオイルキナ酸に対する質量比[(C)/(G)]として、0.05以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.2以上が更に好ましく、そして、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、2以下が更に好ましい。かかる質量比〔(C)/(G)〕の範囲としては、好ましくは0.05〜10、より好ましくは0.1〜5、更に好ましくは0.2〜2である。
成分(C)の添加量は、クロロゲン酸類の劣化及び色相変化の抑制の観点から、(G)5−カフェオイルキナ酸に対する質量比[(C)/(G)]として、0.05以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.2以上が更に好ましく、そして、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、2以下が更に好ましい。かかる質量比〔(C)/(G)〕の範囲としては、好ましくは0.05〜10、より好ましくは0.1〜5、更に好ましくは0.2〜2である。
更に、本発明においては、クロロゲン酸類の劣化及び色相変化の抑制の観点から、成分(D)として環状デキストリンを添加してもよく、前述の成分(C)と併用することも可能である。
成分(D)としては、6、7又は8個のグルコースがα−1,4結合で環状につながった構造を有するオリゴ糖が挙げられる。このような環状デキストリンとして、具体的には、α−環状デキストリン、β−環状デキストリン、γ−環状デキストリンが挙げられ、これらの2種以上の混合物も使用することができる。中でも、β−環状デキストリン及びγ−環状デキストリンから選ばれる少なくとも1種が好ましく、γ−環状デキストリンが更に好ましい。
成分(D)としては、6、7又は8個のグルコースがα−1,4結合で環状につながった構造を有するオリゴ糖が挙げられる。このような環状デキストリンとして、具体的には、α−環状デキストリン、β−環状デキストリン、γ−環状デキストリンが挙げられ、これらの2種以上の混合物も使用することができる。中でも、β−環状デキストリン及びγ−環状デキストリンから選ばれる少なくとも1種が好ましく、γ−環状デキストリンが更に好ましい。
成分(D)の添加量は、クロロゲン酸類の劣化及び色相変化の抑制の観点から、(G)5−カフェオイルキナ酸に対する質量比[(D)/(G)]として、0.1以上が好ましく、0.3以上がより好ましく、0.5以上が更に好ましく、そして、20以下が好ましく、12以下がより好ましく、8以下が更に好ましい。かかる質量比〔(D)/(G)〕の範囲としては、好ましくは0.1〜20、より好ましくは0.3〜12、更に好ましくは0.5〜8である。
(クロロゲン酸類含有飲料)
本発明のクロロゲン酸類含有飲料は、エタノールを含有するものである。
本発明のクロロゲン酸類含有飲料中の(A)エタノールの含有量は10〜18,000質量ppmであるが、クロロゲン酸類の劣化及び外観変化をより一層抑制する観点から、30質量ppm以上が好ましく、50質量ppm以上がより好ましく、100質量ppm以上がより好ましく、500質量ppm以上がより好ましく、1,000質量ppm以上がより好ましく、3,000質量ppm以上がより好ましく、5,000質量ppm以上がより好ましく、そして、10,000質量ppm以下が好ましく、8,500質量ppm以下がより好ましく、7,500質量ppm以下が更に好ましい。かかる(A)エタノールの含有量の範囲としては、好ましくは30〜10,000質量ppm、より好ましくは50〜8,500質量ppm、より好ましくは100〜7,500質量ppm、より好ましくは500〜7,500質量ppm、より好ましくは1,000〜7,500質量ppm、より好ましくは3,000〜7,500質量ppm、更に好ましくは5,000〜7,500質量ppmである。
本発明のクロロゲン酸類含有飲料は、エタノールを含有するものである。
本発明のクロロゲン酸類含有飲料中の(A)エタノールの含有量は10〜18,000質量ppmであるが、クロロゲン酸類の劣化及び外観変化をより一層抑制する観点から、30質量ppm以上が好ましく、50質量ppm以上がより好ましく、100質量ppm以上がより好ましく、500質量ppm以上がより好ましく、1,000質量ppm以上がより好ましく、3,000質量ppm以上がより好ましく、5,000質量ppm以上がより好ましく、そして、10,000質量ppm以下が好ましく、8,500質量ppm以下がより好ましく、7,500質量ppm以下が更に好ましい。かかる(A)エタノールの含有量の範囲としては、好ましくは30〜10,000質量ppm、より好ましくは50〜8,500質量ppm、より好ましくは100〜7,500質量ppm、より好ましくは500〜7,500質量ppm、より好ましくは1,000〜7,500質量ppm、より好ましくは3,000〜7,500質量ppm、更に好ましくは5,000〜7,500質量ppmである。
また、(A)エタノールの含有量は、(G)5−カフェオイルキナ酸に対して、0.002質量倍以上が好ましく、0.01質量倍以上がより好ましく、0.05質量倍以上がより好ましく、0.1質量倍以上がより好ましく、0.5質量倍以上がより好ましく、1質量倍以上がより好ましく、3質量倍以上がより好ましく、5質量倍以上が更に好ましく、そして、20質量倍以下が好ましく、15質量倍以下がより好ましく、10質量倍以下が更に好ましい。かかる(A)エタノールの含有量の範囲としては、(G)5−カフェオイルキナ酸に対して、好ましくは0.002〜20質量倍、より好ましくは0.01〜15質量倍、より好ましくは0.05〜10質量倍、より好ましくは0.1〜10質量倍、より好ましくは0.5〜10質量倍、より好ましくは1〜10質量倍、より好ましくは3〜10質量倍、更に好ましくは5〜10質量倍である。
(B)クロロゲン酸類の含有量は、本発明のクロロゲン酸類含有飲料中に0.02質量%以上が好ましく、0.04質量%以上がより好ましく、0.06質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.12質量%以上が更に好ましく、そして、3質量%以下が好ましく、2.5質量%以下がより好ましく、2質量%以下が更に好ましい。かかる(B)クロロゲン酸類の含有量の範囲としては、好ましくは0.02〜3質量%、より好ましくは0.04〜2.5質量%、より好ましくは0.06〜2質量%、より好ましくは0.1〜2質量%、更に好ましくは0.12〜2質量%である。
また、本発明においては、より一層のクロロゲン酸類の劣化及び色相変化の抑制の観点から、成分(C)としてL−アスコルビン酸及びその塩から選ばれる少なくとも1種を含有することができる。L−アスコルビン酸の塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩が更に好ましい。
成分(C)の含有量は、より一層のクロロゲン酸類の劣化及び色相変化の抑制の観点から、(G)5−カフェオイルキナ酸に対する質量比[(C)/(G)]として、0.05以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.2以上が更に好ましく、そして、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、2以下が更に好ましい。かかる質量比〔(C)/(G)〕の範囲としては、好ましくは0.05〜10、より好ましくは0.1〜5、更に好ましくは0.2〜2である。
更に、本発明においては、より一層のクロロゲン酸類の劣化及び色相変化の抑制の観点から、成分(D)として環状デキストリンを添加してもよく、前述の成分(C)と併用することも可能である。なお、環状デキストリンの具体的構成は、前述の安定化方法において説明したとおりであるが、環状デキストリンとしては、β−環状デキストリン及びγ−環状デキストリンから選ばれる少なくとも1種が好ましく、γ−環状デキストリンが更に好ましい。
成分(D)の含有量は、クロロゲン酸類の劣化及び色相変化の抑制の観点から、(G)5−カフェオイルキナ酸に対する質量比[(D)/(G)]として、0.1以上が好ましく、0.3以上がより好ましく、0.5以上が更に好ましく、そして、20以下が好ましく、12以下がより好ましく、8以下が更に好ましい。かかる質量比〔(D)/(G)〕の範囲としては、好ましくは0.1〜20、より好ましくは0.3〜12、更に好ましくは0.5〜8である。
本発明のクロロゲン酸類含有飲料は、所望により、酸味料(L−アスコルビン酸又はその塩を除く)、甘味料、炭酸ガス、ビタミン、ミネラル、起泡剤、泡安定剤、各種エステル類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、野菜エキス類、花蜜エキス類、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を組み合わせて含有することができる。なお、添加剤の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定可能である。
本発明のクロロゲン酸類含有飲料のpH(20℃)は、クロロゲン酸類の劣化及び外観変化の抑制の観点から、2〜7が好ましく、3〜6.5がより好ましく、4〜6が更に好ましい。
本発明のクロロゲン酸類含有飲料は、(B)クロロゲン酸類中の(G)5−カフェオイルキナ酸に対し0.002〜20質量倍の(A)エタノールを添加することにより製造することができる。また、エタノール添加後、前述の高圧ホモジナイザー処理に供することも可能であり、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸の塩、及び環状デキストリンから選ばれる1種又は2種以上を添加することもできる。なお、高圧ホモジナイザー処理、L−アスコルビン酸及びその塩、並びに環状デキストリンの具体的構成は、前述の安定化方法において説明したとおりである。
また、本発明のクロロゲン酸含有飲料は容器詰飲料としてもよく、使用できる容器としては、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器が挙げられる。
更に、容器に充填後、例えば、金属缶のような加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件で殺菌することができる。他方、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。
更に、容器に充填後、例えば、金属缶のような加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件で殺菌することができる。他方、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。
1)クロロゲン酸類の定量
試料を蒸留水で希釈し、メンブランフィルター(孔径0.45μm)でろ過後、高速液体クロマトグラフ(日立製作所(株)製)を使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通り。
・送液ユニット(デガッサ内蔵):L−2130
・オートサンプラ(クーラー付):L−2200
・カラムオーブン:L−2300
・分離カラム:Cadenza CD−C18、Size:4.6mm i.d.×150mm、3μm(インタクト株式会社)
・検出器(紫外可視吸光光度計):L−2420
試料を蒸留水で希釈し、メンブランフィルター(孔径0.45μm)でろ過後、高速液体クロマトグラフ(日立製作所(株)製)を使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通り。
・送液ユニット(デガッサ内蔵):L−2130
・オートサンプラ(クーラー付):L−2200
・カラムオーブン:L−2300
・分離カラム:Cadenza CD−C18、Size:4.6mm i.d.×150mm、3μm(インタクト株式会社)
・検出器(紫外可視吸光光度計):L−2420
カラム温度35℃で、A液及びB液を用いたグラジエント法により測定した。移動相A液は0.05mol/L酢酸、0.01mol/L酢酸ナトリウム、及び0.1mmol/L HEDPO(1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸)を含有する5%アセトニトリルを、B液はアセトニトリルとし、試料注入量は10μL、UV検出器波長は325nmの条件で行った。なお、グラジエントの条件は以下の通りである。
(クロロゲン酸類のリテンションタイム)
3−カフェオイルキナ酸(3−CQA):5.2min、
5−カフェオイルキナ酸(5−CQA):8.7min、
4−カフェオイルキナ酸(4−CQA):11.2min、
3−フェルラキナ酸(3−FQA):12.6min、
5−フェルラキナ酸(5−FQA):19.1min、
4−フェルラキナ酸(4−FQA):20.9min、
3,5−ジカフェオイルキナ酸(3,5−diCQA):37.0min、
3,4−ジカフェオイルキナ酸(3,4−diCQA):37.5min、
4,5−ジカフェオイルキナ酸(4,5−diCQA):44.8min
ここで求めた面積百分率から5−CQAを標準物質とし、クロロゲン酸類を定量した。
3−カフェオイルキナ酸(3−CQA):5.2min、
5−カフェオイルキナ酸(5−CQA):8.7min、
4−カフェオイルキナ酸(4−CQA):11.2min、
3−フェルラキナ酸(3−FQA):12.6min、
5−フェルラキナ酸(5−FQA):19.1min、
4−フェルラキナ酸(4−FQA):20.9min、
3,5−ジカフェオイルキナ酸(3,5−diCQA):37.0min、
3,4−ジカフェオイルキナ酸(3,4−diCQA):37.5min、
4,5−ジカフェオイルキナ酸(4,5−diCQA):44.8min
ここで求めた面積百分率から5−CQAを標準物質とし、クロロゲン酸類を定量した。
2)クロロゲン酸類の残存率の算出方法
クロロゲン酸類の残存率は、下記式にしたがって算出した。
クロロゲン酸類の残存率(%)=(55℃で1週間保存後のクロロゲン酸類量/製造直後のクロロゲン酸類量)×100
クロロゲン酸類の残存率は、下記式にしたがって算出した。
クロロゲン酸類の残存率(%)=(55℃で1週間保存後のクロロゲン酸類量/製造直後のクロロゲン酸類量)×100
3)色相変化の算出方法
分光色差計(SE−2000、日本電色工業製)にて透過測定を行い、b*の値を色相の代表値として採用した。なお、製造直後のb*値と55℃1週間保存後のb*値の差分より色相変化:Δb*を算出した。なお、「b*値」とは、色をL*a*b*表色系で表
現したときに色相、彩度を表す座標値の一つであって、黄色方向の彩度を示す座標値である。L*a*b*表色系には、明度を示すL*と、赤色方向の彩度を示す座標値であるa*もあるが、本発明においては、色相変化したときに最も顕在化しやすいb*について規定するものである。
分光色差計(SE−2000、日本電色工業製)にて透過測定を行い、b*の値を色相の代表値として採用した。なお、製造直後のb*値と55℃1週間保存後のb*値の差分より色相変化:Δb*を算出した。なお、「b*値」とは、色をL*a*b*表色系で表
現したときに色相、彩度を表す座標値の一つであって、黄色方向の彩度を示す座標値である。L*a*b*表色系には、明度を示すL*と、赤色方向の彩度を示す座標値であるa*もあるが、本発明においては、色相変化したときに最も顕在化しやすいb*について規定するものである。
製造例1
混合クロロゲン酸類製剤の製造
ロブスタ種の生コーヒー豆を、熱水で抽出して原料のクロロゲン酸類含有組成物を得た。クロロゲン酸類含有組成物中のエタノール濃度は5.0質量%、固形物含量は58.6質量%、クロロゲン酸類含量は31.4質量%、カフェイン含量は6.4質量%、カフェイン含量/クロロゲン類含量の比が0.20であった。
クロロゲン酸類含有組成物239.0gを、エタノール濃度70.3質量%のエタノール水溶液461.0g、酸性白土(ミズカエース#600)70.0g、ろ過助剤(ソルカフロック)7.9gと混合することにより「クロロゲン酸類含有スラリー」777.9gを得た。なお、クロロゲン酸類含有組成物中の固形物含量は有機溶媒水溶液100質量部に対し25質量部である。また、クロロゲン酸類含有組成物中の固形分100質量部に対する酸性白土の使用量は50質量部である。また、「クロロゲン酸類含有スラリー」中のエタノール水溶液中のエタノール濃度は60質量%である。
次に、「クロロゲン酸類含有スラリー」749.7gと、エタノール濃度60質量%のエタノール水溶液140.0gを、プレコート剤を堆積させた2号濾紙にてろ過し、「ろ過液」768.4gを回収した。
次に、活性炭(白鷺WH2C、日本エンバイロケミカルズ社製)を124mL充填したカラム、及びカチオン交換樹脂(SK1BH、三菱化学社製)を74mL充填したカラムに、「ろ過液」734.9gとエタノール濃度60質量%の有機溶媒水溶液169.5gを通液して「カラム処理液」779.3gを回収した。
次に、「カラム処理液」769.3gを0.2μmメンブランフィルターにてろ過した後、ロータリーエバポレーターにてエタノールを留去してクロロゲン酸類含有組成物の溶液を229.1g得た。以下、この溶液を「クロロゲン酸類含有組成物の溶液」と称する。
「クロロゲン酸類含有組成物の溶液」中のクロロゲン酸類含量は24.0質量%、カフェイン含量は0.30質量%、カフェイン/クロロゲン酸類の比は0.012、エタノール濃度は0質量%であった。
次に、「クロロゲン酸類含有組成物の溶液」中のクロロゲン酸類濃度を、蒸留水にて6質量%に調整して「クロロゲン酸類含有組成物の濃度調整液」を得た。
次に、得られた「クロロゲン酸類含有組成物の濃度調整液」10gを遠心管にサンプリングした後、6000rpm、15℃、30分の条件にて遠心分離を行い「クロロゲン酸類含有組成物の遠心分離処理液」を得た。
次に、「クロロゲン酸類含有組成物の遠心分離処理液」中のクロロゲン酸類濃度が19.23質量%になるまで、ロータリーエバポレーターにて濃縮して「混合クロロゲン酸類製剤」を得た。混合クロロゲン酸類製剤中の5−CQA含量は30質量%であった。
混合クロロゲン酸類製剤の製造
ロブスタ種の生コーヒー豆を、熱水で抽出して原料のクロロゲン酸類含有組成物を得た。クロロゲン酸類含有組成物中のエタノール濃度は5.0質量%、固形物含量は58.6質量%、クロロゲン酸類含量は31.4質量%、カフェイン含量は6.4質量%、カフェイン含量/クロロゲン類含量の比が0.20であった。
クロロゲン酸類含有組成物239.0gを、エタノール濃度70.3質量%のエタノール水溶液461.0g、酸性白土(ミズカエース#600)70.0g、ろ過助剤(ソルカフロック)7.9gと混合することにより「クロロゲン酸類含有スラリー」777.9gを得た。なお、クロロゲン酸類含有組成物中の固形物含量は有機溶媒水溶液100質量部に対し25質量部である。また、クロロゲン酸類含有組成物中の固形分100質量部に対する酸性白土の使用量は50質量部である。また、「クロロゲン酸類含有スラリー」中のエタノール水溶液中のエタノール濃度は60質量%である。
次に、「クロロゲン酸類含有スラリー」749.7gと、エタノール濃度60質量%のエタノール水溶液140.0gを、プレコート剤を堆積させた2号濾紙にてろ過し、「ろ過液」768.4gを回収した。
次に、活性炭(白鷺WH2C、日本エンバイロケミカルズ社製)を124mL充填したカラム、及びカチオン交換樹脂(SK1BH、三菱化学社製)を74mL充填したカラムに、「ろ過液」734.9gとエタノール濃度60質量%の有機溶媒水溶液169.5gを通液して「カラム処理液」779.3gを回収した。
次に、「カラム処理液」769.3gを0.2μmメンブランフィルターにてろ過した後、ロータリーエバポレーターにてエタノールを留去してクロロゲン酸類含有組成物の溶液を229.1g得た。以下、この溶液を「クロロゲン酸類含有組成物の溶液」と称する。
「クロロゲン酸類含有組成物の溶液」中のクロロゲン酸類含量は24.0質量%、カフェイン含量は0.30質量%、カフェイン/クロロゲン酸類の比は0.012、エタノール濃度は0質量%であった。
次に、「クロロゲン酸類含有組成物の溶液」中のクロロゲン酸類濃度を、蒸留水にて6質量%に調整して「クロロゲン酸類含有組成物の濃度調整液」を得た。
次に、得られた「クロロゲン酸類含有組成物の濃度調整液」10gを遠心管にサンプリングした後、6000rpm、15℃、30分の条件にて遠心分離を行い「クロロゲン酸類含有組成物の遠心分離処理液」を得た。
次に、「クロロゲン酸類含有組成物の遠心分離処理液」中のクロロゲン酸類濃度が19.23質量%になるまで、ロータリーエバポレーターにて濃縮して「混合クロロゲン酸類製剤」を得た。混合クロロゲン酸類製剤中の5−CQA含量は30質量%であった。
実施例1
市販の5−カフェオイルキナ酸試薬(以下「5−CQA試薬」と称する、CAYMAN CHEMICAL COMPANY製)0.9gに水を加えて混合・溶解し、その後、エタノール(純度99.5%)を0.018g添加・混合し全量を1000mLに調整することでクロロゲン酸含有飲料を調製した。pHは5であった。次いで、クロロゲン酸類含有飲料をPETボトルに充填し、得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料を55℃で1週間保存した後、「クロロゲン酸類の残存率」と「色相変化」について評価を行った。評価結果を表2に示す。
市販の5−カフェオイルキナ酸試薬(以下「5−CQA試薬」と称する、CAYMAN CHEMICAL COMPANY製)0.9gに水を加えて混合・溶解し、その後、エタノール(純度99.5%)を0.018g添加・混合し全量を1000mLに調整することでクロロゲン酸含有飲料を調製した。pHは5であった。次いで、クロロゲン酸類含有飲料をPETボトルに充填し、得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料を55℃で1週間保存した後、「クロロゲン酸類の残存率」と「色相変化」について評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例2、3及び5〜7
エタノール添加量を表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表2に示す。
エタノール添加量を表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表2に示す。
実施例4
実施例3と同様にしてクロロゲン酸類含有飲料を調製し、さらに圧力式ホモジナイザー(LAB2000、エスエムテー社製)を用いて圧力150MPaで3回処理した後、PETボトルに充填し、容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表2に示す。
実施例3と同様にしてクロロゲン酸類含有飲料を調製し、さらに圧力式ホモジナイザー(LAB2000、エスエムテー社製)を用いて圧力150MPaで3回処理した後、PETボトルに充填し、容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表2に示す。
比較例1
エタノールを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表2に示す。
エタノールを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表2に示す。
表2から、クロロゲン酸類含有水溶液とエタノールとを混合することで、クロロゲン酸類の残存率が高められるとともに、色相変化も抑制されることがわかった。
実施例8
市販の5−CQA試薬(CAYMAN CHEMICAL COMPANY製)0.9gに水を加えて混合・溶解した後、エタノールを0.12g添加・混合し、さらにL−アスコルビン酸0.5gを加えて混合・溶解、全量を1000mLに調整することでカテキン含有飲料を調製した。次いで、クロロゲン酸類含有飲料をPETボトルに充填し、容器詰クロロゲン酸類含有飲料を55℃1週間保存した後、「クロロゲン酸残存率」と「色相変化」について評価を行った。評価結果を表3に示す。
市販の5−CQA試薬(CAYMAN CHEMICAL COMPANY製)0.9gに水を加えて混合・溶解した後、エタノールを0.12g添加・混合し、さらにL−アスコルビン酸0.5gを加えて混合・溶解、全量を1000mLに調整することでカテキン含有飲料を調製した。次いで、クロロゲン酸類含有飲料をPETボトルに充填し、容器詰クロロゲン酸類含有飲料を55℃1週間保存した後、「クロロゲン酸残存率」と「色相変化」について評価を行った。評価結果を表3に示す。
実施例9
L−アスコルビン酸の代わりに環状デキストリン〔CAVAMAX W8 FOOD(γ−環状デキストリン含有量98.5質量%)、シクロケム社製〕3gを加えたこと以外は、実施例8と同様の操作により容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表3に示す。
L−アスコルビン酸の代わりに環状デキストリン〔CAVAMAX W8 FOOD(γ−環状デキストリン含有量98.5質量%)、シクロケム社製〕3gを加えたこと以外は、実施例8と同様の操作により容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表3に示す。
実施例10
さらにL−アスコルビン酸0.5gを加えたこと以外は、実施例9と同様の操作により容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表3に示す。
さらにL−アスコルビン酸0.5gを加えたこと以外は、実施例9と同様の操作により容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表3に示す。
実施例11
実施例10と同様にしてクロロゲン酸類含有飲料を調製し、さらに圧力式ホモジナイザー(LAB2000、エスエムテー社製)を用いて圧力150MPaで3回処理した後、PETボトルに充填し、容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表3に示す。
実施例10と同様にしてクロロゲン酸類含有飲料を調製し、さらに圧力式ホモジナイザー(LAB2000、エスエムテー社製)を用いて圧力150MPaで3回処理した後、PETボトルに充填し、容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表3に示す。
表3から、クロロゲン酸類含有水溶液に対してエタノールとともにアスコルビン酸及び環状デキストリンから選ばれる少なくとも1種を混合するか、クロロゲン酸類含有水溶液とエタノールを混合後、高圧ホモジナイザー処理することで、クロロゲン酸類の残存率が格段に高められるとともに、色相変化もより一層抑制されることがわかった。
実施例12
市販の5−CQA試薬の代わりに、製造例1で得られた混合クロロゲン酸類の製剤を用いたこと以外は、実施例3と同様の操作により容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表4に示す。
市販の5−CQA試薬の代わりに、製造例1で得られた混合クロロゲン酸類の製剤を用いたこと以外は、実施例3と同様の操作により容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表4に示す。
実施例13
さらにL−アスコルビン酸を0.5g加えたこと以外は、実施例12と同様の操作により容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表4に示す。
さらにL−アスコルビン酸を0.5g加えたこと以外は、実施例12と同様の操作により容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表4に示す。
実施例14
さらに環状デキストリン0.7gを加えたこと以外は、実施例12と同様の操作により容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表4に示す。
さらに環状デキストリン0.7gを加えたこと以外は、実施例12と同様の操作により容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表4に示す。
実施例15
さらにL−アスコルビン酸を0.5g加えたこと以外は、実施例14と同様の操作により容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表4に示す。
さらにL−アスコルビン酸を0.5g加えたこと以外は、実施例14と同様の操作により容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表4に示す。
比較例2
エタノールを添加しなかったこと以外は、実施例12と同様にして容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表4に示す。
エタノールを添加しなかったこと以外は、実施例12と同様にして容器詰クロロゲン酸類含有飲料を得た。得られた容器詰クロロゲン酸類含有飲料の評価結果を表4に示す。
表4から、クロロゲン酸類9種の混合物についても、5−カフェオイルキナ酸と同様にクロロゲン酸類の残存率が高められるとともに、色相変化も抑制されることがわかった。
Claims (17)
- クロロゲン酸類含有水溶液と(A)エタノールとを混合する、クロロゲン酸類の安定化方法。
- (B)クロロゲン酸類中の(G)5−カフェオイルキナ酸に対し0.002〜20質量倍の(A)エタノールを添加する、請求項1記載のクロロゲン酸類の安定化方法。
- クロロゲン酸類含有水溶液中の(B)クロロゲン酸類の含有量が0.02〜3質量%である、請求項1又は2記載のクロロゲン酸類の安定化方法。
- さらに成分(C)としてL−アスコルビン酸及びその塩から選ばれる少なくとも1種を添加する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のクロロゲン酸類の安定化方法。
- 成分(C)を、(G)5−カフェオイルキナ酸に対する質量比[(C)/(G)]が0.05〜10となるように添加する、請求項4記載のクロロゲン酸類の安定化方法。
- さらに成分(D)として環状デキストリンを添加する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のクロロゲン酸類の安定化方法。
- 成分(D)を、(G)5−カフェオイルキナ酸に対する質量比[(D)/(G)]が0.1〜20となるように添加する、請求項6記載のクロロゲン酸類の安定化方法。
- 混合後の溶液を、高圧ホモジナイザー処理する、請求項1〜7のいずれか1項記載のクロロゲン酸類の安定化方法。
- エタノールを10〜18,000質量ppm含有するクロロゲン酸類含有飲料。
- クロロゲン酸類の含有量が0.02〜3質量%である、請求項9記載のクロロゲン酸類含有飲料。
- クロロゲン酸類中の(G)5−カフェオイルキナ酸に対する(A)エタノールの質量比[(A)/(G)]が0.002〜20である、請求項9又は10記載のクロロゲン酸類含有飲料。
- さらに成分(C)としてL−アスコルビン酸及びその塩から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項9〜11のいずれか一項に記載のクロロゲン酸類含有飲料。
- (G)5−カフェオイルキナ酸に対する成分(C)の質量比[(C)/(G)]が0.05〜10である、請求項12記載のクロロゲン酸類含有飲料。
- さらに成分(D)として環状デキストリンを含有する、請求項9〜13のいずれか一項に記載のクロロゲン酸類含有飲料。
- (G)5−カフェオイルキナ酸に対する成分(D)の質量比[(D)/(G)]が0.1〜20である、請求項14記載のクロロゲン酸類含有飲料。
- (B)クロロゲン酸類中の(G)5−カフェオイルキナ酸に対し0.002〜20質量倍の(A)エタノールを添加する、クロロゲン酸類含有飲料の製造方法。
- 添加後の溶液を、高圧ホモジナイザー処理する、請求項16記載のクロロゲン酸類含有飲料の製造方法。
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JP2012280926A JP2014124102A (ja) | 2012-12-25 | 2012-12-25 | クロロゲン酸類の安定化方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016042634A1 (ja) * | 2014-09-18 | 2016-03-24 | 花王株式会社 | 5-カフェイオルキナ酸含有容器詰飲料 |
JP2017141202A (ja) * | 2016-02-12 | 2017-08-17 | 花王株式会社 | 精製クロロゲン酸類含有組成物の製造方法 |
WO2018025504A1 (ja) * | 2016-08-04 | 2018-02-08 | 花王株式会社 | 容器詰飲料 |
-
2012
- 2012-12-25 JP JP2012280926A patent/JP2014124102A/ja active Pending
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JP2017141202A (ja) * | 2016-02-12 | 2017-08-17 | 花王株式会社 | 精製クロロゲン酸類含有組成物の製造方法 |
WO2018025504A1 (ja) * | 2016-08-04 | 2018-02-08 | 花王株式会社 | 容器詰飲料 |
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