JP2006206483A - 非重合体カテキン類組成物の製造方法 - Google Patents

非重合体カテキン類組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 緑茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物を非重合体カテキン類の精製処理前の組成を損うことなくカフェイン量を低減し、色相が改善された非重合体カテキン類組成物の製造法を提供する。
【解決手段】 緑茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物に0.01〜1.0重量%の水溶性の酸性物質を添加してpHを2.0〜5.5に低下させた後、合成吸着剤を充填したカラムに合成吸着剤に対する通液倍数として0.5〜20[v/v]で吸着させ、合成吸着剤に対する通液倍数として1〜10[v/v]の水で洗浄し、次いで10〜95vol%のエタノール水溶液を合成吸着剤の充填体積量当り0.5〜20[v/v]量通液して溶出させることを特徴とする非重合体カテキン類組成物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は緑茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物を非重合体カテキン類の精製処理前の組成を損うことなくカフェイン量を低減し、色相が改善された非重合体カテキン類組成物の製造法に関する。
カテキン類の効果としてはαアミラーゼ活性阻害作用などが報告されている(例えば、特許文献1参照)。このような生理効果を発現させるためには、成人一日あたり4〜5杯のお茶を飲むことが必要であることから、より簡便に大量のカテキン類を摂取するため、飲料にカテキン類を高濃度配合する技術が望まれていた。
この方法の一つとして、緑茶抽出物の濃縮物などの水溶性組成物を利用して、カテキン類を飲料に溶解状態で添加する方法が用いられている。しかしながら、カテキン類を高濃度に配合する対象となる飲料の種類によっては、例えば紅茶抽出液や炭酸飲料にカテキン類を添加する場合など、カフェイン及び緑茶由来の風味の残存が飲料の商品価値を大きく損ねることがわかっている。
そこでこの課題を解決する為に高純度に精製された非重合体カテキン類組成物を添加する方法を用いることとなるが、従来の精製法のいずれもが水溶性組成物の精製前後における非重合体カテキン類の組成維持に対しての考慮がなされておらず、精製前の水溶性組成物で検証された生理効果が精製による組成変化後においては保証できないという問題があった。またカフェイン低減においてもクロロホルム処理などの更なる処理が必要となる問題があった。
このような背景の中、従来の精製法の中でも、緑茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物を、吸着剤に一旦吸着させ、その後溶剤等で脱着回収するという従来技術は多数試みられている(例えば、特許文献2〜6参照)。しかしながら、特許文献2は、ハイドロキシルプロピル化デキストランゲル又は親水性ビニルポリマーゲルを用いて精製する方法であるが、脱着に使用される有機溶媒濃度が常に20%以上と高い為に、精製後のカフェイン量が多くなるという問題があった。また特許文献3は、スチレン-ジビニルベンゼン或いはメタアクリル酸エステルを用いて精製する方法であるが脱着に使用される有機溶媒濃度が最終的に60%程度である為に、カラム処理後に別途クロロホルム処理による脱カフェイン処理を行う必要があった。同様に特許文献3、4及び5においても30%、40%以上あるいは50%以上の濃度の有機溶媒である為に同様の精製状態となっていた。
更に、原料の不発酵茶葉を製造する際、特に火入れ時に生成するアミノ酸類と糖類とのメイラード反応物質やアミノ酸類と重合体カテキン類組成物との褐変物質も同時に取り込んでしまい、得られる非重合体カテキン類組成物が着色してしまう問題もあり、風味上好ましくない褐変臭が残存する場合があった(非特許文献1)。
またこれらのいずれの方法においても処理前後の組成維持及び色調の改善という概念は見受けられない。
特開平3-133928号公報 特開平1-175978号公報 特開平2-311474号公報 特開平10-67771号公報 特開平4-182479号公報 特開平6-9607号公報 野菜・茶業試験場研究報告 B(茶業)4:25〜91(1991)
本発明の課題は緑茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物を非重合体カテキン類の精製処理前の組成を損なうことなくカフェイン量を低減し、かつ、色相と風味が改善された非重合体カテキン類組成物の製造法を提供することにある。
本発明者は、緑茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物を非重合体カテキン類の精製処理前の組成を損なうことなくカフェイン量を低減し、かつ色相を改善すべく検討した結果、緑茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物中に水溶性の酸性物質を添加して液を酸性に調整した後、特定の合成吸着剤に非重合体カテキン類を吸着・溶出させる工程において、溶出に使用するエタノール水溶液のエタノール濃度を制御することにより、従来よりもカフェイン含量が低く、処理前後での組成変化の小さい、緑茶風味が低減し、かつ色相が改善された非重合体カテキン類組成物を高収率で得られることを見出した。
すなわち、本発明は、緑茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物に0.01〜1.0重量%の水溶性の酸性物質を添加してpHを2.0〜5.5に低下させた後、合成吸着剤を充填したカラムに合成吸着剤に対する通液倍数として0.5〜20[v/v]で吸着させ、合成吸着剤に対する通液倍数として1〜10[v/v]の水で洗浄し、次いで10〜95vol%のエタノール水溶液を合成吸着剤の充填体積量当り0.5〜20[v/v]量通液して溶出させることを特徴とする非重合体カテキン類組成物の製造方法を提供するものである。
本発明により、従来よりも、カフェイン含量が低く、処理前後での組成変化が小さく、緑茶風味の低減され、かつ、色相と風味が改善された非重合体カテキン類組成物を高収率で得ることができる。
本発明で非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレートなどの非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどのエピ体カテキン類をあわせての総称である。
本発明で非重合体カテキンガレート体類とは、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどをあわせての総称である。また非重合体ガロ体類とは、ガロカテキン、ガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレートなどをあわせての総称である。
本発明に使用する緑茶葉としては、Camellia属、例えばC. sinensis、C. assamica及びやぶきた種、又はそれらの雑種から得られる茶葉から製茶された茶葉が挙げられる。当該製茶された茶葉は不発酵茶であれば全て利用できるが、釜入り茶以外の製茶葉、例えば普通煎茶、深蒸し煎茶、玉露、かぶせ茶、玉緑茶、番茶などの蒸し製茶葉が好ましい。
本発明で使用する水溶性組成物は、水を用いて通常の緑茶抽出条件で製造される。緑茶葉からの抽出時の温度は非重合体カテキン類の抽出効率を高くする観点から70℃〜沸騰水、更に好ましくは80℃〜沸騰水を使っても差し支えない。緑茶葉からの抽出時の水の量は、緑茶葉に対して5〜60重量倍、特に5〜40重量倍が好ましい。緑茶葉からの抽出時間は1〜60分が好ましく、より好ましくは1〜40分、更に好ましくは1〜30分である。抽出時間は短すぎると非重合体カテキン類の溶出が不十分であり、長すぎると非重合体カテキン類の熱変性異性化反応が進行してしまう。
本発明に用いる水溶性組成物は、いわゆる緑茶抽出物を濃縮したものであって、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報、特開2003−304811、特開2003−219800などに詳細に例示されている方法で調製したものを使用しても良い。市販品としては、三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」などが挙げられる。そのほか、カラム精製品及び化学合成品でも使用できる。ここでいう茶抽出物の濃縮物の形態としては、固体、水溶液、スラリー状など種々のものが挙げられるが、本発明の処理においては事前に水溶液の状態に調整する。
本発明で用いる水溶性組成物のBrixは2〜25、好ましくは2〜10、更に好ましくは2〜5の範囲にすることで、非重合体カテキン類の回収率が高まり、脱カフェイン効率も改善され、更に、色相と風味が改善を併せて改善される。ここで前記緑茶抽出物の濃縮物を使用する場合、そのBrixは10〜25、更に15〜25が好ましい。
本発明においては、合成吸着剤を充填する前に、水溶性組成物に0.01〜1.0重量%の水溶性酸性物質を添加してpHを2.0〜5.5に低下させる。
本発明に用いる水溶性の酸性物質としては、食品添加物として使用が認められているものが好ましい。更に水溶性であり、茶抽出液から得られる水溶性組成物の酸性を増加させ、pHを下げる効果のあるものが好ましい。具体的には、クエン酸、アスコルビン酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、酢酸、グルコン酸、コハク酸、リン酸及び天然成分から抽出した果汁等が挙げられ、これらのうち2種以上を併用することもできる。飲料としての風味の観点から、クエン酸、アスコルビン酸が特に好ましい。
これらの水溶性の酸性物質の効果として、重合カテキン類の色相を赤色から黄色に変化させることができるため、本発明で得られる非重合カテキン類組成物中に含まれる重合カテキン類の着色を低減することができる。
更に、アミノ酸類と糖類とのメイラード反応物質やアミノ酸類と重合体カテキン類組成物との褐変物質の等電点が弱酸性〜中性付近であると推定されるので、本発明の酸性物質を添加することによりpHを低下させ、着色物質の合成吸着剤に対する保持力を弱めることにより、吸着時や水洗時に非重合カテキン類を保持しながら着色物質を除去することが可能であることを見出した。
本発明に用いる水溶性の酸性物質の添加量は、茶抽出液から得られる水溶性組成物に対して0.01〜1.0重量%添加することが好ましい。0.01重量%未満であると酸性を上げることができず、1.0重量%を超えると得られる非重合体カテキン類組成物に酸味が残り風味上好ましくない。その時のpHは5.5付近から1.0重量%添加時のpH2.0までの範囲となる。
本発明に用いる合成吸着剤としては、スチレン−ジビニルベンゼン、修飾スチレン−ジビニルベンゼン又はメタクリル酸メチルを母体とするものが挙げられる。スチレン−ジビニルベンゼン系の合成吸着剤の例としては、三菱化学社製の商品名ダイヤイオンHP−20、HP−21、セパビーズSP70、SP700、SP825、SP−825やオルガノ社(供給元:米国ローム&ハース社)のアンバーライトXAD4、XAD16HP、XAD1180、XAD2000、住友化学(供給元:米国ローム&ハース社)のデュオライトS874、S876等が挙げられる。臭素原子を核置換して吸着力を強めた修飾スチレン−ジビニルベンゼン系の合成吸着剤の例としては、三菱化学社製の商品名セパビーズSP205、SP206、SP207等が挙げられる。メタクリル酸メチル系の合成吸着剤の例としては、三菱化学社製のセパビーズHP1MG、HP2MGやオルガノ社のXAD7HP、住友化学のデュオライトS877等が挙げられる。
合成吸着剤の中でも特に、特に修飾ポリスチレン系合成吸着剤及びメタクリル酸メチル系合成吸着剤が好ましい。前者はポリスチレン系合成吸着剤に比べ吸着容量が高く、また高比重である為に精製プロセスの中でアップフロー通液が可能となって好ましい。また後者は吸着量が少ないものの高極性有機物の吸着に有利な点が挙げられる。
本発明に用いる合成吸着剤は具体的には、SP207などの修飾ポリスチレン系合成吸着剤(三菱化学社製)、HP2MGなどのメタクリル系合成吸着剤(三菱化学社製)が挙げられるが、前述の理由からSP207、HP2MGが好ましく、SP207がより好ましい。
本発明においては、酸性物質添加後の水溶性組成物を合成吸着剤が充填されたカラムに通液するが、予めSV(空間速度)=1〜10[h-1]、合成吸着剤に対する通液倍数として2〜10[v/v] の通液条件で95vol%エタノール水溶液による洗浄を行い、合成吸着剤の原料モノマーや原料モノマー中の不純物等を除去するのが好ましい。そして、その後SV=1〜10[h-1]、合成吸着剤に対する通液倍数として1〜10[v/v] の通液条件により水洗を行い、エタノールを除去して合成吸着剤の含液を水系に置換する方法により非重合体カテキン類の吸着能が向上する。
酸性物質を添加した後の水溶性組成物を、合成吸着剤を充填したカラムに通液する条件としては、合成吸着剤に対する通液倍数として0.5〜20[v/v]が好ましいからこのときの通液速度はSV(空間速度)=0.5〜10[h-1]が好ましい。10[h-1]以上の通液速度や20[v/v]以上の通液量であると非重合体カテキン類の吸着が不充分となる場合がある。
更に、水溶性組成物を合成吸着剤に吸着させた後に、合成吸着剤に対する通液倍数として1〜10[v/v]で、水洗浄を行うが、このときの通液速度はSV=0.5〜10 [h-1]が好ましい。この水洗により、合成吸着剤に付着した没食子酸や不純物が除去される。10[h-1]以上の通液速度や10[v/v]以上の水洗量で水洗浄すると非重合体カテキン類が溶出する場合があり、1[v/v]以下の水洗量であると風味上好ましくない没食子酸の除去が不充分である。
酸性物質添加後の水溶性組成物をカラムに吸着・水洗後、エタノール水溶液によって溶出する条件としては、10〜95vol%のエタノール水溶液を合成吸着剤の充填体積当り0.5〜20倍量通液するのが、非重合体カテキン類の効率的な溶出及び精製ができる点で好ましい。更に、溶出するエタノール水溶液の濃度を10〜50vol%で行った場合、カフェインと非重合体カテキン類比率を低減できる点で好ましく、特に好ましくは10〜30vol%である。
ここで、10vol%未満のエタノール水溶液で溶出する場合、カフェインと非重合体カテキン類比率は下がるものの、合成吸着剤に対する通液倍数が20倍量を超えてしまい、多量の溶出液を要し、かつ非重合体カテキン類の回収率が低くなってしまう。一方、95vol%以上のエタノール水溶液で溶出する場合、カフェインと非重合体カテキン類の分離が悪くなり、エタノールを回収する際の蒸留操作が煩雑になる。
本発明で使用される合成吸着剤は精製処理後に所定の方法を用いることにより再使用できる。具体的には、NaOHのようなアルカリ水溶液を通液・洗浄し、合成吸着剤上に残存する水溶液組成物成分をすべて脱着させる。
本発明により得られる非重合体カテキン類組成物は、非重合体カテキン類濃度を0.175%[w/v]に調整した水溶液の色相であるL値(明るさ)が90〜100未満、b値(黄色)が0から20、450nmの吸光度が0〜0.2であり、色相が大幅に改善されることがわかる。
本発明で得られた非重合体カテキン類組成物はそのままで使用しても良く、減圧濃縮、薄膜濃縮などの方法によりエタノールを除去してもよい。通常飲料への配合に使用する場合、エタノールを完全に除去した方が好ましい。また非重合体カテキン類組成物の製品形態として粉体が望ましい場合は、噴霧乾燥や凍結乾燥等の方法によって粉体化できる。
本発明で得られた非重合体カテキン類組成物は容器詰飲料に配合できる。使用される容器は一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶などの通常の形態で提供することができる。ここでいう容器詰飲料とは希釈せずに飲用できるものをいう。
また上記の容器詰飲料は、例えば、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で製造される。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用される。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。
(カテキン類の測定法)
フィルター(0.8μm)で濾過し、次いで蒸留水で希釈した容器詰めされた飲料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により行った。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
(色相の測定法)
各実施例で得られた非重合体カテキン類組成物をカテキン含有率が0.175%[w/v]となるように脱イオン水で希釈し、L値(明るさ)とb値(黄色)を色差計(color Meter ZE2000、NIPPON DENSHOKU社製)で測定した。又、UV−VISスペクトロメーター(UV MINI1240)を用い、450nmの吸光度を測定した(OD450)。
(Brixの測定法)
測定試料をイオン交換水によってゼロ点調節したBrix計(RX-5000α(ATAGO社製))により、測定を行った。
(殺菌後の風味評価)
各実施例で得られた非重合体カテキン類組成物をカテキン含有率が0.175%[w/v]となるように脱イオン水で希釈し、その40mLを50mLの耐圧製ガラス容器に入れた。そこにアスコルビン酸Naを0.1重量%添加し、5%重炭酸Na水溶液でpHを6.4に調整し、窒素置換を行い、オートクレーブで121℃、10分間加熱滅菌した。その後、評価パネラー5名によって緑茶由来の異味・異臭の確認を行った。
(沈殿の評価方法)
耐圧製ガラス容器に入っている評価サンプルを、55℃の恒温槽に入れて、濁りの発生状況を確認した。イルミネーター上で内容物の状態を観察し、澱の観察された時点を澱生成日とした。
実施例1
ケニア産CTC緑茶1,200gを95℃の脱イオン水24,000gで10分間抽出、冷却、搾汁後、金網によりろ過し、Brix2.8、pH5.46の抽出液19、120gを得た。抽出液中の非重合体カテキン類の濃度は817.4mg/100mL、ガレート体率53.1%、ガロ体率76.3%であった。又、カフェイン濃度は138.6mg/100mLであり、カフェイン/非重合体カテキン類比は、0.170(−)であった。
この抽出液に191g(1.0重量%)のクエン酸を添加した。pHは2.8であった。その後、20℃を保持しながら、ラバル型遠心分離機にて微粒分を除去した。
次いで、ステンレスカラム(内径72.3mm×高さ1,600mm、容積5,745mL)に充填した合成吸着剤セパビーズSP−207(三菱化学(株)製)5,192mLを、予めSV=6.9(h-1)で95%(v/v)エタノール25,960mLによる洗浄を行い、次いでSV=6.9(h-1)で25,960mLの水で洗浄した。
クエン酸添加液全量(4.3倍容積対合成吸着剤)をSV=4.6(h-1)で通液し通過液は廃棄した。通過液のpHは2.8であり、クエン酸は殆ど吸着されず、非重合体カテキン類を0.7g含んでおり、殆どの非重合体カテキン類は合成吸着剤に吸着された。
次いでSV=6.9(h-1)で20,760mL(4倍容積対合成吸着剤)の水で洗浄した。洗浄液には、非重合体カテキン類2.0gが含まれており、水洗による非重合体カテキン類の溶出は殆どなかった。
水洗後、20%(v/v)エタノール水をSV=4.6(h-1)で29,320mLを通液した(5.65倍容積対合成吸着剤)。カラム内の残留水3,000mLを端切り後、溶出液25,320mLを回収し、減圧濃縮してエタノールを除去し、非重合体カテキン類組成物を得た。この濃縮液中には非重合体カテキン類7.6[%w/v]が含まれており、抽出液からの非重合体カテキン類の回収率は74.3重量%、非重合体カテキン類組成物のガレート体率は44.9重量%、非重合体カテキン類中のガロ体率は82.3重量%であった。又、カフェイン0.45[%w/v]を含んでおり、カフェイン/非重合体カテキン類重量比は0.059(−)であった。
実施例2
クエン酸の変わりにL−アスコルビン酸を添加した以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の非重合体カテキン類組成物を得た。
参考例1
宮崎産緑茶2番茶100gを85℃の脱イオン水1,500gで30分間抽出、冷却、搾汁後、2号ろ紙によりろ過し、Brix3.4の抽出液1,200gを得た。
比較例1
クエン酸を添加せずに実施例1と全く同様の操作を行った。
表1に分析並びに評価結果を示す。
Figure 2006206483
また、実施例1、2のいずれにおいても比較例1に比べて色相が改善され、処理前後における非重合体カテキン類の回収率が高く、非重合体カテキンガレート率と非重合体カテキンガロ体率の変化が少なく、カフェインが低減した非重合体カテキン類組成物を得ることができた。また容器詰飲料をモデル系とした殺菌後の風味評価において緑茶由来の異味・異臭が感じられず、55℃保存後の澱生成もみられなかった。

Claims (3)

  1. 緑茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物に0.01〜1.0重量%の水溶性の酸性物質を添加してpHを2.0〜5.5に低下させた後、合成吸着剤を充填したカラムに合成吸着剤に対する通液倍数として0.5〜20[v/v]で吸着させ、合成吸着剤に対する通液倍数として1〜10[v/v]の水で洗浄し、次いで10〜95vol%のエタノール水溶液を合成吸着剤の充填体積量当り0.5〜20[v/v]量通液して溶出させることを特徴とする非重合体カテキン類組成物の製造方法。
  2. 水溶性の酸性物質が、クエン酸、アスコルビン酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、酢酸、グルコン酸、コハク酸、リン酸及び天然成分から抽出した果汁類から選ばれる1種又は2種以上から選ばれるものである請求項1記載の非重合体カテキン類組成物の製造方法。
  3. 得られる非重合体カテキン類組成物が、非重合体カテキン類濃度を0.175%[w/v]に調整した水溶液の色相であるL値(明るさ)が90〜100未満、b値(黄色)が0から20、450nmの吸光度が0〜0.2である請求項1又は2記載の非重合体カテキン類組成物の製造方法。
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