JP4838999B2 - 非重合体カテキン類組成物の製造方法 - Google Patents

非重合体カテキン類組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、釜炒り製法により製造された緑茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物中の非重合体カテキン類を精製処理する際に、非重合体カテキン類の組成変化がなく、釜炒り茶特有の加熱香を除去することにより精製処理された非重合体カテキン類組成物の製造法に関する。
カテキン類の効果としてはαアミラーゼ活性阻害作用などが報告されている(例えば、特許文献1参照)。このような生理効果を発現させるためには、成人一日あたり4〜5杯のお茶を飲むことが必要であることから、より簡便に大量のカテキン類を摂取するため、飲料にカテキン類を高濃度配合する技術が望まれていた。
この方法の一つとして、緑茶抽出物の濃縮物などの水溶性組成物を利用して、カテキンを飲料に溶解状態で添加する方法が用いられている。しかしながら、カテキンを高濃度に配合する対象の飲料によっては、例えば紅茶抽出液や炭酸飲料にカテキンを添加する場合など、カフェイン及び緑茶由来の風味の残存、重合ポリフェノールの残存及び茶抽出液中に含有するアミノ酸類と糖類との褐変反応による焦げ臭により飲料の商品価値を大きく損ねることがわかっている。特に釜炒り茶葉から製造された非重合体カテキン類組成物は蒸し茶葉から製造された非重合体カテキン類組成物よりも高温で加熱されており、発生する煙臭を取り除くことが困難であった。
この課題を解決する為に高純度に精製された非重合体カテキン類組成物を添加する方法があるが、従来の精製方法であるクロロホルム処理や酢酸エチルによる精製などの処理法では、得られる非重合体カテキン類組成物から溶剤を完全に除去することが困難である為、飲料用に配合できるものではなかった。
このような背景の中、従来の精製法の中でも、緑茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物を吸着剤に一旦吸着させ、その後溶剤等で溶出回収するという手段は多数試みられている(例えば、特許文献2〜7参照)。しかしながら、いずれも非重合体カテキン類組成物を溶出させる際に、テアニン等の加熱由来のピラジン類、ピロール類由来(非特許文献1参照)とされる煙香を完全に除去することは困難であった。
さらに、特に釜炒り茶のように殺生時の温度が高い(350℃程度)製造法である場合は、火入れ時に生成するアミノ酸類と糖類とのメイラード反応物質やアミノ酸類と重合体カテキン類組成物との褐変物質も多く発生し、得られる非重合体カテキン類組成物が着色し、風味上好ましくない褐変臭も発生する場合があった(非特許文献2参照)。
特開平3−133928号公報 特開平1−175978号公報 特開平2−311474号公報 特開平10−67771号公報 特開平4−182479号公報 特開平6−9607号公報 特開2003−33157公報 野菜・茶業試験場研究報告B(茶業)4:25〜91(1991) 野菜・茶業試験場研究報告B(金谷)1:45〜53(1987)
本発明の課題は、釜炒り製法により製造された緑茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物中の非重合体カテキン類の精製処理を行う際に、過度の加熱により発生する釜炒り茶独特のこうばしい香りを除去し、かつ、非重合体カテキン類組成物の色相と風味を改善する精製処理された非重合体カテキン類組成物の製造法を提供することにある。
本発明者らは、釜炒り製法により製造された緑茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物の精製処理を検討した結果、特定の合成吸着剤に非重合体カテキン類を吸着・脱着させ、使用するエタノール水溶液のエタノール濃度を制御することで、従来の釜炒り緑茶葉から製造された非重合体カテキン類組成物よりも釜炒り風味が低減された非重合体カテキン類を高収率で得られることを見出した。
また釜炒り茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物中の非重合体カテキン類を精製処理した結果、水溶性の酸性物質を添加して液の酸性に調整する工程を追加することにより、さらに色相と風味が改善され、かつ、組成が変わることなく、高収率で非重合体カテキン類組成物が得られることを見出した。
本発明は、釜炒り製法により製造された緑茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物を、合成吸着剤が充填されたカラムに合成吸着剤に対する通液倍数として0.5〜20[v/v] を吸着させ、合成吸着剤に対する通液倍数として1〜10[v/v]の水で洗浄し、次いで10〜95vol%エタノール水溶液を合成吸着剤の充填体積量当り0.5〜20[v/v]量通液して溶出させる非重合体カテキン類組成物の製造方法、及びかくして得られる非重合体カテキン類組成物を提供するものである。
本発明により、従来の釜炒り緑茶葉から製造された非重合体カテキン類組成物よりも釜炒り香が低減するため風味が改善され、水溶性の酸性物質を添加して液を酸性に調整する工程を追加することによりさらに色相が改善され、非重合体カテキン類の組成が変わることなく、カフェイン含量が低く、高収率で高純度の非重合体カテキン類組成物が得られる。
本発明で非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレートなどの非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどのエピ体カテキン類をあわせての総称である。
本発明で非重合体カテキンガレート体類とは、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどをあわせての総称である。また非重合体ガロ体類とは、ガロカテキン、ガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレートなどをあわせての総称である。
本発明に使用する緑茶葉としては、Camellia属、例えばC. sinensis、C. assamica及びやぶきた種、又はそれらの雑種から得られる茶葉から釜炒り法で製茶された茶葉が挙げられる。本発明で使用する茶葉は釜炒り製で、特に300℃以上で殺生された茶葉が使用できる。主に中国で製造されている緑茶が挙げられるが、本発明では産地に限定されることなく、日本国産の釜炒り茶も使用できる。
本発明で使用する水溶性組成物の製造法は通常の緑茶抽出条件で行われる。緑茶葉からの抽出時の温度は非重合体カテキン類の抽出効率を高くする観点から70℃〜沸騰水、さらに好ましくは80℃〜沸騰水を使っても差し支えない。緑茶葉から抽出する際の水の量は、緑茶葉に対して5〜60重量倍、特に5〜40重量倍が好ましい。緑茶葉からの抽出時間は1〜60分が好ましく、より好ましくは1〜40分、さらに好ましくは1〜30分である。抽出時間は短すぎると非重合体カテキン類の溶出が不十分であり、長すぎると非重合体カテキン類の熱変性異性化反応が進行してしまう。
本発明に用いる水溶性組成物は、いわゆる釜炒り緑茶抽出物を濃縮したものであって、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報、特開2003−304811号公報、特開2003−219800号公報などに詳細に例示されている方法で調製したものを使用しても良い。又、市販品としては、釜炒り茶葉を原料とした非重合体カテキン製剤を使用することができる。ここでいう釜炒り茶抽出物の濃縮物の形態としては、固体、水溶液、スラリー状など種々挙げられるが、本発明の処理においては事前に水溶液の状態に調整する。
本発明で用いる水溶性組成物のBrixは2〜25、より好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜5の範囲にすることで、非重合体カテキン類の回収率が高まり、脱カフェイン効率も改善される。
本発明に用いる合成吸着剤としては、スチレン−ジビニルベンゼン、修飾スチレン−ジビニルベンゼン又はメタクリル酸メチルを母体とするものが挙げられる。スチレン−ジビニルベンゼン系の合成吸着剤の例としては、三菱化学社製の商品名ダイヤイオンHP−20、HP−21、セパビーズSP70、SP700、SP825、SP−825やオルガノ社(供給元:米国ローム&ハース社)のアンバーライトXAD4、XAD16HP、XAD1180、XAD2000、住友化学(供給元:米国ローム&ハース社)のデュオライトS874、S876等が挙げられる。臭素原子を核置換して吸着力を強めた修飾スチレン−ジビニルベンゼン系の合成吸着剤の例としては、三菱化学社製の商品名セパビーズSP205、SP206、SP207等が挙げられる。メタクリル酸メチル系の合成吸着剤の例としては、三菱化学社製のセパビーズHP1MG、HP2MGやオルガノ社のXAD7HP、住友化学のデュオライトS877等が挙げられる。
合成吸着剤の中でも特に、特に修飾ポリスチレン系合成吸着剤及びメタクリル酸メチル系合成吸着剤が好ましい。前者はポリスチレン系合成吸着剤に比べ吸着容量が高く、また高比重である為に精製プロセスの中でアップフロー通液が可能となって好ましい。また後者は吸着量が少ないものの高極性有機物の吸着に有利な点が挙げられる。
本発明に用いる合成吸着剤は具体的には、SP207などの修飾ポリスチレン系合成吸着剤(三菱化学社製)、HP2MGなどのメタクリル系合成吸着剤(三菱化学社製)が挙げられるが、前述の理由からSP207、HP2MGが好ましく、SP207がより好ましい。
本発明において水溶性組成物は、0.001〜1.0重量%の水溶性の酸性物質を添加してpHを2.0〜5.5に低下させるが、水溶性酸性物質を添加する時期は抽出後であればどの工程間でも良く、本発明の合成吸着剤に抽出液を通液する前後いずれの時期に添加しても色相が改善できる。
本発明に用いる水溶性の酸性物質の添加量は、茶抽出液から得られる水溶性組成物に対して0.001〜1.0重量%添加することが好ましい。0.001重量%以下であると酸性を上げられないため色相の改善が十分でなく、1.0重量%以上であると得られる非重合体カテキン類組成物に酸味が残り風味上好ましくない。その時のpHは5.5付近から1.0重量%添加時のpH2.0までの範囲となる。
本発明に用いる水溶性の酸性物質としては、食品添加物として使用が認められていることが好ましい。さらに水溶性であり、茶抽出液から得られる水溶性組成物の酸性を増加させ、pHを下げる効果のあるものが好ましい。具体的には、クエン酸、アスコルビン酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、酢酸、グルコン酸、コハク酸、リン酸及び天然成分から抽出した果汁等が挙げられ、これらの2種以上を併用することもできる。飲料としての風味の観点から、クエン酸、アスコルビン酸が特に好ましい。
本発明に用いる水溶性の酸性物質の効果として、重合カテキン類の色相を赤色から黄色に変化させることができるため、本発明で得られる非重合カテキン類中に含まれる重合カテキン類の着色を低減することができる。
さらに、アミノ酸類と糖類とのメイラード反応物質やアミノ酸類と重合体カテキン類組成物との褐変物質の等電点が弱酸性〜中性付近であると推定されるので、本発明の酸性物質を添加することによりpHを低下させ、着色物質の合成吸着剤に対する保持力を弱めて、吸着時や水洗時に非重合カテキン類を保持しながら着色物質を除去することが可能であることを見出した。
本発明においては、まず水溶性組成物を合成吸着剤が充填されたカラムに通液するが、予めSV(空間速度)=1〜5[h-1]、合成吸着剤に対する通液倍数として2〜5[v/v] の通液条件で95vol%エタノール水溶液による洗浄を行い、合成吸着剤の原料モノマーや原料モノマー中の不純物等を除去するのが良い。そして、その後SV(空間速度)=1〜5[h-1]、合成吸着剤に対する通液倍数として1〜5[v/v]の通液条件により水洗し、エタノールを除去して合成吸着剤の含液を水系に置換する方法により非重合体カテキン類の吸着能が向上する。
水溶性組成物を、合成吸着剤を充填したカラムに通液する条件としては、合成吸着剤に対する通液倍数として0.5〜20[v/v]が好ましい。さらにはSV(空間速度)=0.5〜10[h-1]の通液速度で、合成吸着剤に対する通液倍数として0.5〜10[v/v] で通液するのが好ましい。特に、SV=1〜5[h-1]の通液速度で、合成吸着剤に対する通液倍数として1〜8[v/v] で通液するのが好ましい。
本発明においては、さらに合成吸着剤に対する通液倍数として1〜10[v/v]の水で洗浄する。この洗浄により色相改善効果が向上するが、非重合体カテキン類はほとんど溶出しない。
水溶性組成物をカラムに吸着後、エタノール水溶液により脱着する条件としては、10〜95vol%のエタノール水溶液を合成吸着剤の充填体積当り0.5〜20倍量通液するのが、非重合体カテキン類の効率的な溶出及び精製ができる点で好ましい。さらに、溶出するエタノール水溶液の濃度を10〜50vol%で行った場合、カフェインと非重合体カテキン類比率を低減できる点で好ましく、特に好ましくは10〜30vol%である。
ここで、10vol%未満のエタノール水溶液で溶出する場合、カフェインと非重合体カテキン類比率は下がるものの、合成吸着剤に対する通液倍数が20倍量を超えてしまい、多量の溶出液を要し、かつ非重合体カテキン類の回収率が低くなってしまう。一方、95vol%以上のエタノール水溶液で溶出する場合、カフェインと非重合体カテキン類の分離が悪くなり、エタノールを回収する際の蒸留操作が煩雑になる。
本発明で使用される合成吸着剤は精製処理後に所定の方法を用いることにより再使用できる。具体的には、90〜99.5vol%エタノール水溶液を通液し吸着剤上に残存するカフェインを主成分とする水溶液組成物成分をすべて脱着させる。
本発明により得られる非重合体カテキン類組成物は、(A)カフェイン/非重合体カテキン類(重量比)が1/10未満であり、(B)緑茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物の非重合体カテキン類中の非重合体カテキンガレート体類率を1とした時のカテキンガレート体類率が0.80〜1.20、(C)緑茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物の非重合体カテキン類中の非重合体ガロ体類率を1として時の非重合体カテキン類中の非重合体ガロ体類率が0.85〜1.15であり、カフェインが低減し非重合体カテキン類の組成変化が少ない。
また得られた非重合体カテキン類組成物は、非重合体カテキン類濃度を0.175%[w/v]に調整した水溶液の色相であるL値(明るさ)が90〜100未満、b値(黄色)が0から20、450nmの吸光度が0〜0.2であり、色相が良好である。
本発明で得られた非重合体カテキン類組成物はそのままで使用しても良く、減圧濃縮、薄膜濃縮などの方法によりエタノールを除去しても構わない。通常飲料への配合に使用する場合、エタノールを完全に除去した方が好ましい。また非重合体カテキン類組成物の製品形態として粉体が望ましい場合は、噴霧乾燥や凍結乾燥等の方法により粉体化できる。
本発明で得られた非重合体カテキン類組成物は容器詰飲料に配合できる。使用される容器は一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶などの通常の形態で提供することができる。ここでいう容器詰飲料とは希釈せずに飲用できるものをいう。
また上記の容器詰飲料は、例えば、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で製造される。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用される。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。
(カテキン類、カフェインの測定法)
フィルター(0.8μm)で濾過し、次いで蒸留水で希釈した容器詰めされた飲料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL-10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により行った。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
(色相の測定法)
各実施例で得られた非重合体カテキン類組成物をカテキン含有率が0.175%[w/v]となるように脱イオン水で希釈し、L値(明るさ)とb値(黄色)を色差計(color Meter ZE2000、NIPPON DENSHOKU社製)で測定した。又、UV−VISスペクトロメーター(UV MINI1240)を用い、450nmの吸光度を測定した(OD450)。
(殺菌後の風味評価)
各実施例で得られた非重合体カテキン類組成物をカテキン含有率が0.175%[w/v]となるように脱イオン水で希釈し、その40mLを50mLの耐圧製ガラス容器に入れた。そこにL−アスコルビン酸Naを0.1重量%添加し、5%重炭酸Na水溶液でpHを6.4に調整し、窒素置換を行い、オートクレーブで121℃、10分間加熱滅菌した。その後、評価パネラー5名によって緑茶由来の異味・異臭が感じられないか確認を行った。
(沈殿の評価方法)
耐圧製ガラス容器に入っている評価サンプルを、55℃の恒温槽に入れて、濁りの発生状況を確認した。イルミネーター上で内容物の状態を観察し、澱の観察された時点を澱生成日とした。
実施例1
中国雲南省産釜炒り緑茶1,200gを95℃の脱イオン水24,000gで10分間抽出、冷却、搾汁後、金網によりろ過し、pH5.43の抽出液19,630gを得た。抽出液中の非重合体カテキン類の濃度は709.1mg/100mLであり、139.2gの非重合体カテキン類が含まれ、ガレート体率63.5%、ガロ体率66.0%であった。又、カフェイン濃度は136.2mg/100mLであり、26.6gのカフェインが含まれ、カフェイン/非重合体カテキン類比は、0.191(−)であった。
その後、20℃の温度を保持しながら、ラバル型遠心分離機にて微粒分を除去した。
次いで、ステンレスカラム(内径72.3mm×高さ1、600mm、容積5,745mL)に充填した合成吸着剤セパビーズSP−207(三菱化学(株)製)5,192mLを、予めSV=6.9(h-1)で95%(v/v)エタノール25,960mLによる洗浄を行い、次いでSV=6.9(h-1)で25、960mLの水で洗浄した。
得られた抽出液全量(3.8倍容積対合成吸着剤)をSV=4.6(h-1)で通液し通過液には非重合体カテキン類を0.7g含んでおり、殆どの非重合体カテキン類は合成吸着剤に吸着された。
次いでSV=6.9(h-1)で20,760mL(4.0倍容積対合成吸着剤)の水で洗浄した。洗浄液には、非重合体カテキン類0.8gが含まれており、水洗による非重合体カテキン類の溶出は殆どなかった。
水洗後、20%(v/v)エタノール水をSV=4.6(h-1)で21,000mLを通液した(4.0倍容積対合成吸着剤)。カラム内の残留水3,000mLを端切り後、溶出液18,000mLを回収し、減圧濃縮してエタノールを除去し噴霧乾燥を行った後、本発明の非重合体カテキン類組成物147.7gを得た。この紛体中には非重合体カテキン類103.4gが含まれており、抽出液からの非重合体カテキン類の回収率は74.3%、非重合体カテキン類組成物のガレート体率は54.2%、非重合体カテキン類中のガロ体率は73.5%であった。又、カフェイン6.6gを含んでおり、カフェイン/非重合体カテキン類比は0.064(−)であった。
実施例2
実施例1と同様の操作で得られた抽出液に19.6g(0.1重量%)のクエン酸を添加してpHを4.12にした後、合成吸着剤に通液した以外は実施例1と同様の操作を行い、本発明の非重合体カテキン類組成物を得た。
実施例3
実施例1と同様の操作で得られた抽出液に196.0g(1.0重量%)のクエン酸を添加してpHを2.80にした後、合成吸着剤に通液した以外は実施例1と同様の操作を行い、本発明の非重合体カテキン類組成物を得た。
実施例4
実施例1と同様の操作で得られた20%エタノール溶出液に4.9g(0.025重量%)のL−アスコルビン酸を添加してpHを5.23にした後、減圧濃縮、噴霧乾燥を行った以外は実施例1と同様の操作を行い、本発明の非重合体カテキン類組成物を得た。
比較例1
実施例1と同様の抽出操作を行い、合成吸着剤への通液及び溶出は行わなかった。
比較例2
中国雲南省産蒸し緑茶を使用した以外は、実施例1と全く同様に行った。
表1に分析並びに評価結果を示す。
Figure 0004838999
本発明方法により、処理前後における非重合体カテキン類の回収率が高く、非重合体カテキンガレート率及び非重合体カテキンガロ体率の変化が少なく、カフェイン濃度の低い非重合体カテキン類組成物を得ることができた。さらに、本発明品の実施例1〜4は、比較例1に対し釜炒り香が低減することにより風味が改善され、特に酸性化合物であるクエン酸を添加した時に色相が大幅に改善され、比較例2の蒸し茶葉からの製造品に対してもほぼ同等の風味が得られた。また容器詰飲料をモデル系とした殺菌後の風味評価において緑茶由来の異味・異臭が感じられず、55℃保存後の澱生成もみられなかった。

Claims (4)

  1. 釜炒り製法により製造された緑茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物を、スチレン−ジビニルベンゼン又は修飾スチレン−ジビニルベンゼンを母体とする合成吸着剤が充填されたカラムに合成吸着剤に対する通液倍数として0.5〜20[v/v]で吸着させ、合成吸着剤に対する通液倍数として1〜10[v/v]の水で洗浄し、次いで10〜30vol%のエタノール水溶液を合成吸着剤の充填体積量当り0.5〜20[v/v]量通液して溶出させる非重合体カテキン類組成物の製造方法。
  2. 釜炒り製法により製造された緑茶葉から水を用いて抽出した水溶性組成物に、0.001〜1.0重量%の水溶性の酸性物質を添加してpHを2.0〜5.5に調整する請求項1記載の非重合体カテキン類組成物の製造方法。
  3. 水溶性の酸性物質が、クエン酸、アスコルビン酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、酢酸、グルコン酸、コハク酸、リン酸及び天然成分から抽出した果汁類から選ばれる1種又は2種以上である請求項2記載の非重合体カテキン類組成物の製造方法。
  4. 釜炒り温度が300℃以上で製造された釜炒り茶を原料とする請求項1〜3のいずれか1項記載の非重合体カテキン類組成物の製造方法。
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