JP5185780B2 - 精製茶抽出物 - Google Patents

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Description

本発明は、カフェイン量を低減した精製茶抽出物に関する。
飲料にカテキン類を高濃度に配合する技術として、緑茶抽出物の濃縮物等の茶抽出物(特許文献1〜3)を利用し、カテキン類を飲料に溶解状態で添加する方法が知られている。しかしながら、カテキン類を高濃度に配合する対象となる飲料の種類、例えば、茶系飲料や、炭酸飲料等の非茶系飲料等にカテキン類を添加する場合等において、カフェイン及び緑茶由来の苦渋味が残存し、飲料の商品価値を大きく損ねることがある。
特開2002−142677号公報 特開平8−298930号公報 特開平8−109178号公報
そこで、本発明者は、カフェイン含量を低減した精製茶抽出物の開発を意図し、カフェイン含量を低減した精製緑茶抽出物を用いてスポーツ飲料等の非茶系飲料を調製したところ、非茶系飲料に求められるすっきりとした喉越し(キレ)が感じられないという全く予期し得ない問題が生じた。
本発明者は、カフェイン含量を低減した精製緑茶抽出物を配合した非茶系飲料において後味のキレが感じられなくなる要因を究明すべく検討したところ、緑茶独特のまろやかさが増強されると後味のキレが弱められることがわかった。また、カフェイン含量を低減した精製緑茶抽出物を一定量のカフェインと共に配合して非茶系飲料を調製したところ、後味のキレが改善された。この結果から、精製茶抽出物中のカフェイン量の低減が、後味のキレに影響を与えていることが確認された。そして、本発明者は、カフェイン含量を低減した精製茶抽出物にグリセリン脂肪酸エステルを配合することで、後味のキレが良く、かつ風味の良好な精製茶抽出物が得られることを見出した。なお、本発明において「後味」とは、JIS Z 8144:2004に記載の「口内に残る感覚」をいう。
すなわち、本発明は、(A)非重合体カテキン類、(B)カフェイン及び(C)グリセリン脂肪酸エステルを含有し、
(A)非重合体カテキン類と、(B)カフェインとの含有質量比[(B)/(A)]が0.01以下である、精製茶抽出物を提供することにある。
本発明はまた、上記精製茶抽出物を配合してなる飲食品を提供することにある。
本発明によれば、カフェイン含量を低減したにも拘らず、後味のキレが良く、かつ風味の良好な高濃度非重合体カテキン類含有精製茶抽出物を提供することが可能になる。また、本発明の精製茶抽出物を用いることで、口に含んだ時の風味が良好で、しかもすっきりとした喉越しの飲食品を提供することができる。
(精製茶抽出物)
本発明において「(A)非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類と、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を併せての総称であり、非重合体カテキン類の濃度は、上記8種の合計量に基づいて定義される。
本発明において「非重合体カテキン類のガレート体」とは、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートを併せての総称である。また、「非重合体カテキン類中のガレート体率」とは、これら4種の非重合体カテキン類のガレート体の総和質量を、非重合体カテキン類8種の総和質量に対する百分率で表した数値である。
本発明の精製茶抽出物は、カフェイン量が顕著に低減されていることを特徴するものである。具体的には、(B)カフェインの含有量は、(A)非重合体カテキン類に対する質量比[(B)/(A)]で0.01以下であるが、0.008以下、更に0.005以下、特に0.003以下であることが好ましい。なお、本発明の精製緑茶抽出物は、実質的にカフェインを含有しなくてもよく、質量比[(B)/(A)]が0であってもよい。ここで、本発明において「実質的に含有しない」とは、後掲の実施例の「カフェインの測定」においてカフェイン量が検出限界以下であることをいう。
本発明の精製茶抽出物は、非重合体カテキン類による生理効果発現の観点から、固形分中の(A)非重合体カテキン類の濃度が60〜90質量%、更に70〜85質量%、特に75〜80質量%であることが好ましい。
本発明の精製茶抽出物は、非重合体カテキン類中のガレート体率が0.001〜70質量%であることが好ましく、非重合体カテキン類による生理効果発現及び苦味低減の点から、10〜60質量%、更に10〜40質量%、特に20〜30質量%であることが好ましい。
また、本発明の精製茶抽出物は、後味のキレを増強するために、(C)グリセリン脂肪酸エステルを含有する。
本発明の精製茶抽出物中の(C)グリセリン脂肪酸エステルの含有量は、(A)非重合体カテキン類に対する質量比[(C)/(A)]で0.01〜0.8であることが好ましく、0.02〜0.5、更に0.03〜0.2、特に0.04〜0.1であることが好ましい。これにより、より一層キレの良い精製茶抽出物とすることができる。
(C)グリセリン脂肪酸エステルには、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、 トリアシルグリセロールが存在するが、キレの良い後味にする観点から、モノアシルグリセロール、トリアシルグリセロールを含有することが好ましい。なお、グリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸は、直鎖でも分岐でも、また飽和でも不飽和であってもよいが、直鎖又は分岐の飽和脂肪族カルボン酸であることが好ましい。
また、(C)グリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸の炭素数は、2〜18が好ましく、より一層キレの良い後味にする観点から、2〜10、特に2〜4であることが好ましい。(C)グリセリン脂肪酸エステルがトリアシルグリセロールである場合、構成脂肪酸の炭素数が2であるグリセリン三酢酸エステルが特に好ましい。また、グリセリン脂肪酸エステルがモノアシルグリセロールである場合には、モノカプリン酸グリセリルが好ましい。
なお、質量比(B)/(A)が上記範囲内にある精製茶抽出物とするには、カフェインの絶対量を低減する必要がある。その方法として、例えば、下記(i)〜(iii)の精製方法が挙げられる。
(i)茶抽出物をタンナーゼ処理し、更に活性炭及び/又は酸性白土若しくは活性白土で処理する方法(例えば、特開2007−282568号公報)
(ii)茶抽出物を合成吸着剤に吸着させた後、エタノール水溶液で溶出する方法(例えば、特開2006−160656号公報)
(iii)茶抽出物を合成吸着剤に吸着させ、有機溶媒水溶液又は塩基性水溶液で溶出して得られた溶出液を活性炭処理する方法(例えば、特開2008−079609号公報)
精製に使用する茶抽出物としては、茶葉から得られた抽出物が挙げられる。その他のカフェイン含有植物抽出物、例えばコーヒー等のカフェイン含有抽出物や、それと茶抽出物との混合物等も用いることができる。使用する茶葉としては、Camellia属、例えばC.sinensis及びC.assamica、やぶきた種又はそれらの雑種等から得られる茶葉から製茶された茶葉が挙げられる。製茶された茶葉には、煎茶、番茶、玉露、てん茶、釜炒り茶等の緑茶類、烏龍茶に代表される半発酵茶、紅茶に代表される発酵茶がある。また、超臨界状態の二酸化炭素接触処理を施した茶葉を用いてもよい。
本発明で用いる茶抽出物としては、非重合体カテキン類の含有量の点から緑茶抽出物が好ましい。
抽出方法としては、攪拌抽出、ドリップ抽出等の従来の方法を採用することができる。このようにして得られた茶抽出物は、そのまま、乾燥又は濃縮して上記(i)〜(iii)の精製に使用できる。茶抽出物の形態としては、例えば、液体、スラリー、半固体、固体等が挙げられる。
また、茶抽出物として、茶葉から抽出した抽出物の代わりに、茶抽出物の濃縮物を水又は有機溶媒に溶解又は希釈したものを使用してもよい。ここで、茶抽出物の濃縮物とは、茶葉から水及び/又は水溶性有機溶媒により抽出された抽出物を濃縮したものであり、例えば、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報等に記載の方法により調製することができる。茶抽出物の濃縮物としては市販品を使用してもよく、例えば、東京フードテクノ社製の「ポリフェノン」、伊藤園社製の「テアフラン」、太陽化学社製の「サンフェノン」等の緑茶抽出物の濃縮物が挙げられる。
また、質量比(B)/(A)及び(C)/(A)が上記範囲内にある精製茶抽出物とするには、上記(i)〜(iii)の方法により得られた茶抽出物に、質量比(C)/(A)が上記範囲内になるように(C)グリセリン脂肪酸エステルを配合するか、あるいは質量比(C)/(A)が上記範囲内になるように(C)グリセリン脂肪酸エステルを配合した茶抽出物を、上記(i)〜(iv)の方法により精製する方法が挙げられる。
(飲食品)
本発明の精製茶抽出物は、喉越しが爽快で後味のキレが良く、かつ風味が良好であるため、そのまま飲食品に配合して使用することができる。その場合、減圧濃縮、薄膜濃縮などの方法により溶媒を除去してもよい。また、精製緑茶抽出物の製品形態として粉体が望ましい場合は、噴霧乾燥や凍結乾燥等の方法により粉体化することができる。
飲食品中における本発明の精製茶抽出物の含有量はその種類により適宜選択することが可能であるが、一般的には0.1〜20質量%、特に0.1〜10質量%であることが好ましい。
本発明の飲料としては、例えば、茶飲料、非茶系飲料が挙げられる。茶飲料としては、例えば、緑茶飲料、烏龍茶飲料、紅茶飲料が挙げられる。また、非茶系飲料としては、清涼飲料(例えば、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料)、コーヒー飲料、栄養ドリンク剤、美容ドリンク剤等の非アルコール飲料、ビール、ワイン、清酒、梅酒、発泡酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ラム、ジン、リキュール類等のアルコール飲料が挙げられる。
また、食品としては、例えば、菓子類(例えば、パン、ケーキ、クッキー、ビスケット等の焼菓子、チューインガム、チョコレート、キャンデー)、デザート類(例えば、ゼリー、ヨーグルト、アイスクリーム)、レトルト食品、調味料(例えば、ソース、スープ、ドレッシング、マヨネーズ、クリーム)が挙げられる。なお、飲食品の形態は特に限定されず、摂取しやすい形態であれば、固形、粉末、液体、ゲル状、スラリー状等のいずれであってもよい。中でも、本発明の飲食品としては、特に飲料が好ましい。
本発明の飲料には、酸化防止剤、香料、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、ガム、油、ビタミン、アミノ酸、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を単独で、あるいは併用して配合してもよい。
本発明の飲料のpH(25℃)は2〜7、特に2〜6.5とすることが呈味及び非重合体カテキン類の安定性の点で好ましい。
また、本発明の飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填した容器詰飲料として提供される。
また、容器詰飲料は、例えば、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で製造することができる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度まで冷却して容器に充填する等の方法が採用される。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。
(1)非重合体カテキン類、カフェインの測定
試料溶液をフィルター(0.45μm)で濾過し、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラムL−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により分析した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
(2)グリセリン脂肪酸エステルの測定
ガスクロマトグラフ(Agilent Technologies社製,6890N)を用いてガスクロマトグラフィー法にて測定した。
(3)精製茶抽出物の後味の評価
各実施例及び比較例で得られた精製茶抽出物40mLを50mLの耐圧製ガラス容器に入れた。そこにアスコルビン酸ナトリウムを0.1質量%添加し、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液でpHを6.4に調整し、窒素置換を行い、オートクレーブで121℃、10分間加熱滅菌した。その後、専門パネラー4名による官能試験を行った。官能試験は、下記の基準で飲用直後の後味のキレを評価し、平均化した結果を用いた。
評点5:後味にキレを強く感じる。
4:後味にキレを感じる。
3:後味にキレをやや弱く感じる。
2:後味にキレを弱く感じる。
1:後味にキレがない。
実施例1
緑茶葉(ケニア産、大葉種)3kgに88℃の熱水45kgを添加し、60分間攪拌バッチ抽出したのち、100メッシュ金網で粗ろ過後、抽出液中の微粉を除去するために遠心分離操作を行い、「緑茶抽出液」37.2kg(pH5.4)を得た。得られた緑茶抽出液は、非重合体カテキン類濃度が0.89質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が52.3質量%、カフェイン濃度が0.17質量%であった。
この緑茶抽出液を温度15℃に保持し、タンナーゼ(キッコーマン社製、タンナーゼKTFH、500U/g)を緑茶抽出液に対して430ppmとなる濃度で添加し、55分間保持し、ガレート体率が30.5質量%になったところで、90℃に溶液を加熱して、2分間保持し酵素を失活させ、反応を止めた(pH5.1)。次いで、70℃、6.7kpaの条件下で、減圧濃縮でBrix濃度20%まで濃縮処理を行い、更に噴霧乾燥して粉末状の「タンナーゼ処理した緑茶抽出物」0.9kgを得た。得られた緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度が27.8質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が30.3質量%、カフェイン濃度が6.74質量%であった。「タンナーゼ処理した緑茶抽出物」285gを、イオン交換水8550gに25℃で30分間攪拌溶解した(タンナーゼ処理液)。
次いで、ステンレスカラム1(内径110mm×高さ230mm、容積2185mL)に合成吸着剤(セパビーズSP−70、三菱化学(株)製)を2209mL充填した。ステンレスカラム2(内径38mm×高さ770mm、容積877.4mL)にイオン交換樹脂(ダイアイオンSK1BH、三菱化学(株)製)を852mL充填した。予め両カラム共にSV=5(h-1)で95%(v/v)エタノールを4倍容積量(対充填樹脂)通液後、水を10倍容積量(対充填樹脂)通液して洗浄した。その後、得られたタンナーゼ処理液8835g(4倍容積対合成吸着剤)をSV=1(h-1)でカラム1に通液し透過液を廃棄した。次いで、SV=2(h-1)で2209mL(1倍容積対合成吸着剤)の水で洗浄した。水洗後、0.1質量%水酸化ナトリウム水溶液(pH12.4)をSV=5(h-1)で13256mL通液した(6倍容積対合成吸着剤)。溶出液は連続でカラム2に通液して、脱イオンを行い、緑茶抽出物13080g(pH3.3)を得た。この緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度が0.38質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が28.6質量%、カフェイン濃度が0質量%であった。茶抽出物の固形分中の非重合体カテキン類濃度が69.0質量%であった。更に40℃、2.6kPa条件で減圧濃縮して非重合体カテキン類濃度6質量%(濁度208NTU)まで濃縮した。次いで、0.8μmのセルロースアセテート膜(ADVANTEC:C080A090C)を通過させ、懸濁物と固液分離して「樹脂処理品1」(濁度1.5NTU)を得た。
次いで、ステンレスカラム3(内径22mm×高さ145mm、容積55.1mL)に粒状活性炭(太閤SGP、フタムラ化学(株)製)を6.5g充填した。「樹脂処理品1」を非重合体カテキン類濃度4質量%で且つエタノール濃度20質量%となるように調製し、その267gをSV=2(h-1)でカラム3に通液した(活性炭の量は非重合体カテキン類の量に対して0.6)。続けて0.2μmメンブランフィルターによってろ過を行った。最後にイオン交換水50gを添加して、40℃、2.7kPaの条件でエタノールを留去し、その後、水分量を調整して緑茶抽出物(2.1NTU)を得た。この精製処理後の緑茶抽出物は、非重合体カテキン類濃度が13.7質量%、非重合体カテキン類中のガレート体率が23.5質量%、カフェイン濃度が0質量%、固形分中の非重合体カテキン類濃度が79.6質量%であった。この緑茶抽出物を非重合体カテキン類Aとする。
次いで、非重合体カテキン類Aの非重合体カテキン類濃度が0.175質量%となるようにイオン交換水で希釈した。次に、この溶液に質量比(C)/(A)が表1に示す割合になるようにグリセリン三酢酸エステルを添加した。そして、得られた精製緑茶抽出物の後味のキレについて評価した。その結果を表1に示す。
実施例2、3
グリセリン三酢酸エステルの添加量を変更した以外は、実施例1と同様の操作により精製緑茶抽出物を調製した。そして、得られた精製緑茶抽出物の後味のキレについて評価した。その結果を表1に示す。
実施例4
グリセリン三酢酸エステルをモノカプリン酸グリセリルに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により精製緑茶抽出物を調製した。そして、得られた精製緑茶抽出物の後味のキレについて評価した。その結果を表1に示す。
実施例5
緑茶抽出物の濃縮物としてポリフェノンHG(三井農林(株)製)100gを95.0質量%エタノール900gに分散させ、30分熟成し、2号濾紙及び孔径0.2μmの濾紙で濾過し、イオン交換水200mLを加えて減圧濃縮を行った。このうち75.0gをステンレス容器に投入し、イオン交換水で全量を1,000gとし、5質量%重曹水溶液3.0gを添加してpH5.5に調整した。次いで、22℃、150r/minの攪拌条件下で、イオン交換水1.07g中にタンナーゼ(タンナーゼKTFH、Industrial Grade、500U/g以上、キッコーマン社製)0.27g(非重合体カテキン類に対して2.4%)を溶解した液を添加し、55分後にpHが4.24に低下した時点で酵素反応を終了した。次いで95℃の温浴にステンレス容器を浸漬し、90℃、10分間保持して酵素活性を完全に失活した後、25℃まで冷却した後に濃縮処理を行い緑茶抽出物を得た。精製処理後の緑茶抽出物は、非重合体カテキン類が15.0質量%、カフェイン/非重合体カテキン類が0.017。ガレート体率が44%、固形分中の非重合体カテキン類濃度が61.6質量%であった。この緑茶抽出物を非重合体カテキン類Bとする。
次いで、非重合体カテキン類Bと、非重合体カテキン類Aを非重合体カテキン類濃度がそれぞれ0.0875質量%となるように混合し、イオン交換水で希釈した。次に、この溶液に質量比(C)/(A)が表1に示す割合になるようにグリセリン三酢酸エステルを添加した。そして、得られた精製緑茶抽出物の後味のキレについて評価した。その結果を表1に示す。
比較例1
実施例1における精製緑茶抽出物Aの非重合体カテキン類濃度が0.175質量%となるようにイオン交換水で希釈し、得られた精製緑茶抽出物の後味のキレについて評価した。その結果を表1に示す。
比較例2、3
グリセリン三酢酸エステルをβ−シクロデキストリンに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により精製緑茶抽出物を調製した。そして、得られた精製緑茶抽出物の後味のキレについて評価した。その結果を表1に示す。
参考例
グリセリン三酢酸エステルをカフェインに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により精製緑茶抽出物を調製した。そして、得られた精製緑茶抽出物の後味のキレについて評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0005185780
表1から、非重合体カテキン類Aの後味のキレが感じられなくなる要因がカフェイン含量の低減に起因することが確認された(比較例1及び参考例)。そして、カフェイン含量を低減した精製茶抽出物に、苦味抑制剤であるβ−シクロデキストリンを増量して配合しても後味のキレは全く改善されないが(比較例2及び3)、グリセリン脂肪酸エステル、特にトリアシルグリセロールを配合することで後味のキレが顕著に改善されることがわかった(実施例1〜3)。
実施例6
実施例2の精製茶抽出物を用いて、表2に記載の処方にしたがって飲料を調製した。この飲料を食品衛生法に基づく殺菌処理及びホットパック充填を行って容器詰飲料とした。得られた容器詰飲料の後味のキレについて評価した。その結果を表2に示す。
比較例4
実施例2の精製茶抽出物に代えて、非重合体カテキン類Aを配合したこと以外は、実施例6と同様に容器詰飲料を調製し、後味のキレについて評価した。その結果を表2に示す。
Figure 0005185780
実施例6で得られた容器詰飲料は、外観が良好で、後味のキレのある風味の良い飲みやすいものであった。また、表2から、カフェイン含量を低減した非重合体カテキン類Aを酸性飲料にすると、後味のキレが若干改善されるが(比較例5)、この飲料にグリセリン三酢酸エステルを配合すると、後味のキレが格段に良くなることがわかった(実施例6)。

Claims (6)

  1. (A)非重合体カテキン類、
    (B)カフェイン及び
    (C)グリセリン脂肪酸エステルとして、構成脂肪酸の炭素数が2〜10であるモノアシルグリセロール又はトリアシルグリセロール
    を含有し、
    (A)非重合体カテキン類と、(B)カフェインとの含有質量比[(B)/(A)]が0.01以下であり、
    (A)非重合体カテキン類と、(C)グリセリン脂肪酸エステルとの含有質量比[(C)/(A)]が0.03〜0.2である
    精製茶抽出物。
  2. トリアシルグリセロールがグリセリン三酢酸エステルである、請求項記載の精製茶抽出物。
  3. モノアシルグリセロールがモノカプリン酸グリセリルである、請求項1又は2記載の精製茶抽出物。
  4. 固形分中の(A)非重合体カテキン類濃度が60〜90質量%である、請求項1〜のいずれか1項に記載の精製茶抽出物。
  5. 精製緑茶抽出物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の精製茶抽出物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の精製茶抽出物を配合してなる飲食品。
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