JP5820681B2 - 苦味抑制剤 - Google Patents

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Description

本発明は、苦味抑制剤に関する。
苦味を有する飲食品として、例えば、コーヒー、緑茶等の飲料、大豆、小豆等の豆類、ピーマン等の野菜類、グレープフルーツ等の柑橘類が知られている。これら飲食品には、苦味成分として、例えば、カフェイン、カテキン、サポニン、フラボノイド、リモニン又はナリンギンが含まれている。
ところで、苦味は味覚の一種であり、ほのかな苦味は嗜好性を高める上で有効であるが、苦味が強過ぎると不快感ないし嫌悪感を伴うようになる。
このような不快な苦味を抑制する手段として、例えば、プロタミン及び/又はその塩を添加する方法(特許文献1)、糖アルコール類を一定量添加する方法(特許文献2及び3)、サイクロデキストリンを一定量含有せしめる方法(特許文献4)、甘蔗由来の抽出物を含有せしめる方法(特許文献5)などが提案されている。
特開平6−153875号公報 特開平7−274829号公報 特開平11−253102号公報 特開平10−4919号公報 特開2002−34471号公報
近年、消費者の嗜好の多様化や健康志向の高揚により、天然由来成分であって、不快な苦味を有効に抑制し得る苦味抑制剤の開発が望まれている。
したがって、本発明の課題は、不快な苦味を有効に抑制し得る苦味抑制剤を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み種々検討した結果、メチルサリシレートが不快な苦味の抑制に有効であることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の〔1〕〜〔3〕を提供するものである。
〔1〕メチルサリシレートを有効成分として含有する苦味抑制剤。
〔2〕苦味を有する組成物に、上記苦味抑制剤を配合する、苦味抑制方法。
〔3〕苦味成分及びメチルサリシレートを0.05〜10質量ppm含有する飲料。
本発明によれば、不快な苦味を有効に抑制することができる。また、本発明の苦渋味抑制剤は、安全性が高いため、飲食品、医薬品、医薬部外品の分野で使用することが可能である。
(苦味抑制剤)
本発明の苦味抑制剤は、有効成分としてメチルサリシレート(Methyl-salicylate)を含有するものである。
メチルサリシレートは、カバノキ科のカバノキ属(アズサ等)、ツツジ科のシラタマノキ、イチヤクソウ科等の植物に多量に含まれ、古くから外用の鎮痛・消炎薬として知られており、またメントール様の清涼感のある香気を有することから香料としても用いられているが、従来メチルサリシレートの苦味抑制作用について報告はなく、全く予期し得ないところであった。
メチルサリシレートは、メチルサリシレートを含有する植物から抽出後、カラムクロマトグラフィー等により分離した天然由来品でも、化学合成品でもよく、更に市販品であってもよい。
抽出方法としては、公知の方法を採用することが可能であるが、例えば、水、有機溶媒又は有機溶媒水溶液で抽出する方法、水蒸気蒸留で抽出する方法、超臨界抽出で抽出する方法が挙げられる。なお、有機溶媒としては、例えば、エタノール等のアルコール、アセトン等のケトン、酢酸エチル等のエステル、テトラヒドロフラン等のエーテル、ポリエチレングリコール等のポリエーテル、トルエン、石油エーテル等の炭化水素が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
抽出に使用する植物の部位は特に限定されず、花、葉、茎、根及び全草等のいずれの部位も適宜選択して使用することができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することも可能である。また、抽出する際には、植物を粉砕、切断、乾燥等の前処理をしてもよい。
本発明の苦味抑制剤は、苦味成分を含有するものであれば特に限定なく適用可能であるが、硫酸キニーネ標準溶液を基準とする苦味強度が7以下の苦味を有する組成物に好ましく適用される。ここで、本明細書において「硫酸キニーネの標準溶液を基準とする苦味強度」とは、硫酸キニーネを用いて苦味の強さを等間隔で10段階に予め調整した標準溶液(実施例の表1参照、Indow, T, Perception & Psychophysics, Vol.5(1969),pp.347-351)を基準とする官能試験において、被験者により硫酸キニーネの標準溶液の中から被験物質と同等の苦味の強さと認識された標準溶液の苦味強度をいう。具体的には、次の手順で苦味強度が決定される。先ず正常な味覚を有する健常人5名を被験者とし、各被験者が硫酸キニーネの標準溶液を低濃度から順に口に含み苦味の強さを記憶する。次いで、各被験者が被験物質を口に含み苦味の程度を認識し、硫酸キニーネの標準溶液の中から最も苦味レベルの近いものを決定する。そして、各被験者が決定した苦味強度の数値を平均化して被験物質の苦味強度とする。なお、苦味強度が小さいほど、苦味が弱いことを意味する。
本発明においては、苦味を有する組成物の苦味強度は、硫酸キニーネの標準溶液を基準として7以下であることが好ましく、更に6以下であることが好ましい。なお、苦味強度の下限は特に限定されないが、3、更に4であることが好ましい。
このような苦味を有する組成物としては、例えば、苦味を有する経口医薬品、経口医薬部外品又は飲食品等が例示される。
経口医薬品中の苦味成分としては、例えば、ストリキニーネ、キニーネ、パパベリン、ベルベリン、ブロメタジン、ブルシン、プロプラノロール、クロルプロマジン等が例示される。薬物は酸付加塩であってもよく、酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩等の鉱酸塩、酢酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩が例示される。
経口医薬部外品としては、例えば、歯磨き、マウスウオッシュ、マウスリンス等が例示される。経口医薬部外品中の苦味成分としては、例えば、アルキル硫酸ナトリウム、モノアルキルリン酸ナトリウム等の界面活性剤、メントール、リナロール、フェニルエチルアルコール、ゲラニオール等の香料、メチルパラベン、プロピルパラベン等の殺菌剤等が例示される。なお、経口医薬品及び経口医薬部外品の剤型は特に限定されず、公知の剤型を採用することができる。
苦味を有する飲食品としては、次のものが例示される。
グレープフルーツ、オレンジ、レモン等の柑橘果実又はこれら果実から得られる果汁;トマト、ピーマン、セロリ、ウリ、ニンジン、ジャガイモ、アスパラガス等の野菜又はこれら野菜から得られる野菜汁若しくは野菜ジュース;ソース、醤油、味噌、唐辛子、うま味調味料等の調味料;豆乳等の大豆食品;クリーム、ドレッシング、マヨネーズ、マーガリン等の乳化食品;魚肉、すり身、魚卵等の水産加工食品;ピーナツ等のナッツ;納豆等の発酵食品;食肉又はその加工食品;ビール、コーヒー、ココア、緑茶、紅茶、烏龍茶、清涼飲料、機能性飲料等の飲料;漬物;めん;粉末スープを含むスープ;チーズ、牛乳等の乳製品;パン・ケーキ;スナック、ビスケット、米菓、チューインガム、チョコレート、キャンディー等の菓子。
これら飲食品中の苦味成分としては、例えば、アミノ酸、ポリフェノール類、カフェイン、ペプチド、サポニン、リモニン、ナリンギン、オリゴ糖等が例示される。
アミノ酸としては、例えば、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン等が例示される。
ポリフェノール類としては、その代表例としてフラボノイド、クロロゲン酸類等が例示される。フラボノイドとしては、非重合体カテキン類、タンニン等が例示される。なお、タンニンの含有量は、酒石酸鉄法により、標準液として没食子酸エチルを用い、没食子酸の換算量として求めることができる。また、「クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸と、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸のジカフェオイルキナ酸を併せての総称である。クロロゲン酸類の含有量は、上記9種の合計量に基づいて定義され、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりUV−VIS検出器を用いて測定することができる。
これら苦味成分を含有する飲食品は、概ね苦味強度が7以下である。中でも、苦味成分を含有する飲料(例えば、緑茶飲料、烏龍茶飲料、紅茶飲料)が好ましい。また、苦味成分としては、ポリフェノール類、とりわけ非重合体カテキン類を0.03〜0.6質量%含有するものであることが好ましい。
本発明の苦味抑制剤の使用量は、苦味成分の種類、苦味強度により適宜選択することが可能であるが、例えば、硫酸キニーネの標準溶液を基準とする苦味強度が7以下である苦味を有する組成物であれば、その全質量に対し、有効成分量として0.05質量ppm以上、更に0.1質量ppm以上、更に0.2質量ppm以上、殊更0.3質量ppm以上含有させることが、苦味抑制効果の点で好ましい。なお、上限は、風味等に影響を与えない点から、苦味を有する組成物の全質量に対し、有効成分量として10質量ppm、更に5質量ppm、更に2質量ppmであることが好ましい。
なお、有効成分としてのメチルサリシレートは、ガスクロマトグラフ質量分析法により、次の手順にて定量することができる。
試料を4g秤量し水で20mLにメスアップする。ジエチルエーテル10mL及び塩化ナトリウム8gを加えて振とうし、回収したジエチルエーテル層を次の操作条件で分析に供する。
・ガスクロマトグラフ-質量分析計:6890N/5975B inertXL(Agilent Technologies社製)
・カラム:DB−WAX(Agilent Technologies社製、φ0.25mm×30m、膜圧0.25μm)
・導入系:スプリットレス
・温度:試料注入口220℃/カラム60℃(5min保持)→10℃/min昇温→220℃
・ガス流量:ヘリウム(キャリヤーガス)1mL/min
・イオン源温度:230℃
・イオン化法:EI
・設定質量数:m/z=120、152
(飲料)
本発明の飲料は、(A)非重合体カテキン類と、(B)メチルサリシレートを含有するものである。ここで、本明細書において「非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレートの非エピ体カテキン類と、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートのエピ体カテキン類を併せての総称であり、本発明においてはこれらのうち少なくとも1種を含有すればよい。なお、非重合体カテキン類の含有量は、上記8種の合計量に基づいて定義され、その測定方法は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
本発明の飲料中の(A)非重合体カテキン類の含有量は0.03〜0.6質量%であるが、より一層の苦味抑制の観点から、0.05〜0.3質量%、更に0.1〜0.2質量%含有することが好ましい。
一方、本発明の飲料中の(B)メチルサリシレートの含有量は0.05〜10質量ppmであるが、下限は、より一層の苦味抑制の観点から、0.1質量ppm、更に0.2質量ppm、更に0.3質量ppmであることが好ましく、他方上限は、風味等に影響を与えない点から、7質量ppm、更に5質量ppm、更に2質量ppmであることが好ましい。
また、(A)非重合体カテキン類と、(B)メチルサリシレートとの含有質量比[(B)/(A)]は、より一層の苦味抑制の観点から、下限が0.4×10-5、更に0.9×10-5、更に1.5×10-5、殊更に1.8×10-5であることが好ましい。他方、上限は、風味等に影響を与えない点から、0.001、更に0.0007、更に0.0004であることが好ましい。
本発明の飲料は、茶飲料でも、非茶系飲料であってもよい。茶飲料としては、例えば、緑茶飲料、烏龍茶飲料、紅茶飲料が例示される。また、非茶系飲料としては、例えば、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、栄養ドリンク剤、美容ドリンク剤等の非アルコール飲料、ビール、ワイン、清酒、梅酒、発泡酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ラム、ジン、リキュール類等のアルコール飲料が例示される。
本発明の飲料には、所望により、甘味料、酸味料、酸化防止剤、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、環状オリゴ糖、色素類、乳化剤、保存料、調味料、ガム、油、ビタミン、果汁、野菜エキス、花蜜エキス、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を単独で又は2種以上を組み合わせて配合してもよい。これら添加剤の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲内で、適宜設定することができる。
本発明の飲料は、呈味及び非重合体カテキン類の安定性の観点から、pH(20℃)が2〜7.5、更に2.5〜7、更に3〜6.5であることが好ましい。
本発明の飲料は、例えば、カテキン製剤及び精製カテキン製剤から選ばれる少なくとも1種と、メチルサリシレートを配合し、(A)非重合体カテキン類及び(B)メチルサリシレートの各濃度を調整して製造することができる。
本発明の飲料の製造に使用する「カテキン製剤」としては、例えば、不発酵茶、半発酵茶及び発酵茶から選択される茶葉から熱水又は水溶性有機溶媒を用いてニーダー抽出やカラム抽出等により得られる抽出液が挙げられる。また、当該抽出液から溶媒の一部を除去して非重合体カテキン類濃度を高めた濃縮物を用いてもよい。カテキン製剤の形態としては、固体、水溶液、スラリー状等の種々のものが挙げられる。カテキン製剤として市販品を使用してもよく、例えば、三井農林(株)の「ポリフェノン」、伊藤園(株)の「テアフラン」、太陽化学(株)の「サンフェノン」等が挙げられる。なお、不発酵茶としては、例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶が例示され、また半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が例示され、更に発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が例示される。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明の飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填して提供することができる。更に、本発明の飲料は、例えば、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で製造できる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。更に、酸性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻すことや、中性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻すなどの操作も可能である。
〔苦味の評価〕
被験者5名が下記表1記載の硫酸キニーネの標準溶液を基準として各試験液の苦味レベルを官能試験し、各被験者の評点の平均値を求めた。
Figure 0005820681
実施例1〜3
0.00230g/100mLの硫酸キニーネの標準溶液(苦味強度5)に、表2に示す割合の苦味抑制剤を配合して試験液を調製した後、官能試験を行った。なお、苦味抑制剤として、市販のメチルサリシレート(Methyl salicylate Sigma Ultra、SIGMA−ALDRICH社製)を使用した。
比較例1
メチルサリシレートの換わりに、表2に示す割合のβ−環状オリゴ糖を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作にて試験液を調製し、官能試験を行った。その結果を表2に示す。
比較例2
メチルサリシレートの換わりに、表2に示す割合の環状オリゴ糖を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作にて試験液を調製し、官能試験を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0005820681
実施例4〜6
0.00370g/100mLの硫酸キニーネの標準溶液(苦味強度6)に、表3に示す割合の苦味抑制剤を配合して試験液を調製した後、官能試験を行った。その結果を表3に示す。なお、苦味抑制剤として、市販のメチルサリシレート(Methyl salicylate Sigma Ultra、SIGMA−ALDRICH社製)を使用した。
Figure 0005820681
実施例7〜9
市販のカテキン類製剤(TEAVIGO、DSM Nutritional Products GmbH社製、EGCg純度90%)0.09質量%を含有する水溶液に、表4に示す割合の苦味抑制剤を配合して試験液を調製した後、官能試験を行った。なお、苦味抑制剤として、実施例1〜3と同じ市販のメチルサリシレートを使用した。
比較例3
苦渋味抑制剤を配合しなかったこと以外は、実施例7と同様の操作にて試験液を調製し、官能試験を行った。その結果を表4に示す。
比較例4
メチルサリシレートの換わりに、表4に示す割合のβ−環状オリゴ糖を配合したこと以外は、実施例7と同様の操作にて試験液を調製し、官能試験を行った。その結果を表4に示す。
比較例5
メチルサリシレートの換わりに、表4に示す割合の環状オリゴ糖を配合したこと以外は、実施例7と同様の操作にて試験液を調製し、官能試験を行った。その結果を表4に示す。
Figure 0005820681
表2〜4から、メチルサリシレートを有効成分とする苦味抑制剤を含有せしめることで、本来の風味を損なうことなく、苦味を有効に抑制できることが確認された。また、実施例1と比較例1〜2、実施例7と比較例4との対比から、本願発明の苦味抑制剤は、従来の苦味抑制剤に比べて、極めて少ない添加量で苦味を十分抑制できることがわかった。
製造例1
精製カテキン製剤の製造
市販のカテキン製剤(ポリフェノンHG、三井農林社製)1,000gを、25℃、200r/minの攪拌条件下で、95質量%エタノール水溶液9,000g中に懸濁させ、活性炭(クラレコールGLC、クラレケミカル社製)200gと酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)500gを投入後、約10分間攪拌を続けた。次いで、25℃のまま約30分間の攪拌処理を続けた。次いで、2号濾紙で活性炭、酸性白土、及び沈殿物を濾過した後、0.2μmのメンブランフィルターによって再濾過を行った。最後にイオン交換水200gを濾過液に添加し、40℃、3.3kPaでエタノールを留去し、減圧濃縮を行った。このうち750gをステンレス容器に投入し、イオン交換水で全量を10,000gとし、5質量%重炭酸ナトリウム水溶液30gを添加してpH5.5に調整した。次いで、22℃、150r/minの攪拌条件下で、イオン交換水10.7g中にタンナーゼKTFH(Industrial Grade、500U/g以上、キッコーマン社製)2.7gを溶解した液を添加し、30分後にpHが4.24に低下した時点で酵素反応を終了した。次いで、95℃の温浴にステンレス容器を浸漬し、90℃、10分間保持して酵素活性を完全に失活させた。次いで、25℃まで冷却した後に濃縮処理を行い、精製カテキン製剤を得た。精製カテキン製剤中の非重合体カテキン類の含有量は15質量%であり、また非重合体カテキン類中のガレート体の割合は46質量%であった。
製造例2
紅茶抽出物の製造
90℃のイオン交換水を用いてケニア産CTC紅茶を浴比60で90秒間抽出し、冷却後、金網によりろ過した。更に、2号ろ紙にて濾過を行い、紅茶抽出物を得た。紅茶抽出物中の非重合体カテキン類の含有量は0.011質量%であり、また非重合体カテキン類中のガレート体の割合は60質量%であった。また、紅茶抽出物中の固形分は0.53質量%であった。
〔非重合体カテキン類の測定〕
試料をフィルター(0.8μm)で濾過し、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着した高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用いて、カラム温度35℃でグラジエント法により分析した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
実施例10〜17及び比較例6〜11
表5に示す割合の各成分を配合して茶飲料を得た。この茶飲料を食品衛生法に基づく殺菌条件(96℃、76秒)にて殺菌しPETボトルに充填して容器詰茶飲料を得た。得られた容器詰茶飲料について官能試験を行った。なお、官能試験において、非重合体カテキン類の含有量が同一の容器詰飲料について、各容器詰飲料の苦味強度と、(B)メチルサリシレートのみを含まない比較例の容器詰飲料の苦味強度との差を求めて「苦味抑制度(Δ)」とし、苦味抑制の効果を示す指標とした(以下の実施例にて同じ)。その結果を表5に示す。
Figure 0005820681
実施例18〜20及び比較例12〜14
表6に示す割合の各成分を配合して紅茶飲料を得た。この紅茶飲料を食品衛生法に基づく殺菌条件(96℃、76秒)にて殺菌しPETボトルに充填して容器詰紅茶飲料を得た。得られた容器詰紅茶飲料について官能試験を行った。その結果を表6に示す。
Figure 0005820681
表5〜6から、飲料中の(A)非重合体カテキン類及び(B)メチルサリシレートの各濃度を特定範囲内に制御することで、高濃度の非重合体カテキン類を含有するにも拘わらず、苦味の抑制された容器詰飲料が得られることが確認された。

Claims (4)

  1. 非重合体カテキン類を0.03〜0.3質量%含有する飲料に、5〜10質量ppmのメチルサリシレートを含有させる、非重合体カテキン類含有飲料の苦味抑制方法。
  2. 前記非重合体カテキン類と、前記メチルサリシレートとの含有質量比[(B)/(A)]が0.4×10-5〜0.001である、請求項1記載の苦味抑制方法。
  3. 前記飲料が紅茶飲料である、請求項1又は2に記載の苦味抑制方法。
  4. 前記飲料のpHが2〜7.5である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の苦味抑制方法。
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