JP2005046056A - 茶系フレーバー - Google Patents

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Tetsuya Takahashi
哲也 高橋
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Abstract

【課題】 本発明は特に緑茶飲料に効果的な茶系フレーバーを提供することを目的とする。
【解決手段】4−エトキシ−2−メチル2−ブタンチオールを有効成分として含有することを特徴とする茶系フレーバー。特に0.1〜10ppbの範囲で添加することによりナチュラルで嗜好性の高い香味を持つ緑茶飲料を得ることが出来る。

Description

本発明は嗜好性の高い茶系フレーバー、特に緑茶フレーバーに関するものである。
4−エトキシ−2−メチル−2−ブタンチオールは、その製法および香料への用途が知られている(特許文献1)。しかしながら、その用途は花様の香気を賦与するか、もしくはフルーツ系のフレーバーで、フルーティなイメージを強調したり、完熟感を賦与するなどの可能性が示唆されているに過ぎない。
また茶飲料用添加剤として4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオールが知られているが(特許文献2)、食品以外を想起させる香りが強く、保留性に乏しいという問題があった。
仏国特許出願公開第2653766号公報 特開2000−342178号公報
本発明はより効果的な茶飲料用添加剤を提供することを目的とする。
本発明は、4−エトキシ−2−メチル−2−ブタンチオールを有効成分として含有することを特徴とする茶系フレーバーであり、特に緑茶フレーバーに好適に使用される。
さらには、前記茶系フレーバーを飲食品に添加することにより嗜好性の高い茶系フレーバーを有する飲食品を得ることができる。特に緑茶飲料に添加することにより良質な香味を有する緑茶飲料が得られる。
本発明4−エトキシ−2−メチル−2−ブタンチオールを含有する茶系フレーバーを添加することにより、茶類の風味を増強し、もしくは改善し、嗜好性を高めることができる。特に緑茶フレーバーに適用することにより、よりナチュラルで嗜好性の高い香味をもつ茶飲料を提供することができる。
本発明の茶系フレーバーは、4−エトキシ−2−メチル−2−ブタンチオールを含有することを特徴とする。
本発明の4−エトキシ−2−メチル−2−ブタンチオールは公知の化合物であり、公知の方法によって得ることができる。たとえば、仏国特許出願公開第2653766号公報に記載されている様に、フェニルメタンチオールとジメチルアクリル酸メチルエステルを反応させ、3−ベンジルチオ−3−メチル酪酸メチルエステルとした後、水素化アルミニウムリチウムによる還元、ハロゲン化エチルとの反応によるエトキシ化の後、液体アンモニア中で金属ナトリウムの存在下、脱ベンジル化反応を行う方法で合成することができる。
本発明によれば、4−エトキシ−2−メチル−2−ブタンチオールを単独、または他の香料成分と配合して茶系フレーバーとすることができる。これらの茶系フレーバーは、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンなど食品に使用可能な溶剤で希釈してもよい。また、4−エトキシ−2−メチル−2−ブタンチオールは、他の素材に比して一般に配合量が少ないため、取り扱いを容易にする目的で該化合物を前記のごとき溶剤で希釈した後、他の素材と配合することもできる。
本発明の茶系フレーバーは、4−エトキシ−2−メチル−2−ブタンチオールの他に、シス−3−ヘキセノール、ベンジルアルコール、ヘキサナール、リナロールオキサイド、フルフラール、β−イオノン、インドールなど、従来茶系フレーバーに使用される公知の香料化合物や、茶エキストラクト、茶類の回収フレーバーなど公知の天然香料と適宜組み合わせて茶系香料を製造することができる。
本発明の緑茶フレーバーは、添加する飲食品によって異なるが、たとえば、緑茶飲料の場合、4−エトキシ−2−メチル−2−ブタンチオールを0.1〜10ppb含有することを好ましい態様として例示することができる。
本発明の茶系フレーバーは、緑茶、紅茶、ウーロン茶などの茶類のフレーバー、特に緑茶フレーバーに使用することで、コク味を補強し、全体に柔らかい風味を賦与することができる。また、緑茶フレーバーにおいて、グリーンリーフィな香気以外の特徴を賦与することができ、より天然感を有するフレーバー組成物を得ることができる。これらのフレーバーは、茶飲料、菓子、冷菓のごとき食品に好適に用いられる。特に緑茶飲料に用いることにより、従来にないよりナチュラルな緑茶様香味を有する飲料を得ることができる。
以下の処方で基礎緑茶フレーバーを試作した。
成 分 質量%
――――――――――――――――――――――――――――――
アミルアルコール 0.5
ベンジルアルコール 2
シス−3−へキセノール 0.05
フルフラール 1
γ−ヘキサラクトン 0.3
ゲラニオール 0.01
インドール 0.01
リナロールオキサイド 1
マルトール 0.02
メチルサリシレート 0.01
緑茶ベース 5
99%エタノール 残量
――――――――――――――――――――――――――――――――
計 100
上記の基礎緑茶フレーバーに、4−エトキシ−2−メチル−2−ブタンチオールの1質量%エタノール溶液を0.1質量%添加したもの、同様に4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオールを添加したもの、および無添加の緑茶フレーバーとで香気を4名の専門パネラーにより比較した。比較は前記フレーバーを匂い紙に付けたものの香気、水に質量比で0.1%を添加したものを試飲することにより行った。
その結果、4−エトキシ−2−メチル−2−ブタンチオールを添加したものは、無添加のものに対して、コク味があり、全体に香味が柔らかく、より緑茶らしい香気であった。また4−メトキシ−2−メチル−2−ブタンチオールを添加したものに対して、トップの香気に持続性があり好ましいと評価された。
本発明により、効果の高い茶飲料用添加剤、およびより嗜好性の高い緑茶風味を有する飲食品を得ることが出来る。

Claims (4)

  1. 4−エトキシ−2−メチル−2−ブタンチオールを有効成分として含有することを特徴とする茶系フレーバー。
  2. 4−エトキシ−2−メチル−2−ブタンチオールを有効成分として含有することを特徴とする緑茶フレーバー。
  3. 請求項1または2に記載の茶系フレーバーを含有する飲食品。
  4. 4−エトキシ−2−メチル−2−ブタンチオールを0.1〜10ppbの範囲で添加することを特徴とする緑茶飲料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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