JP6001031B2 - 香味変調剤 - Google Patents

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Description

本発明は雑味のない良質な苦みを有し、冷涼感および清涼感が抑えられたメントール誘導体を有効成分とする香味変調剤に関する。
人は食により、エネルギー源を摂取することのほか、食による体調の維持、食のおいしさや食感による満足感を受けるなど、食は人に重要な機能をはたしている。食のおいしさは、飲食品の炭水化物、脂肪などの栄養成分に由来するとともに、その飲食品の味と香りが重要な要素であると言われている。口で知覚される味覚と、鼻で知覚される嗅覚は独立した感覚ではあるが、近年の研究により、飲食時に味覚と嗅覚は脳内で統合され、食のおいしさと食の満足感として認知されると言われている。
飲食品の香気は鼻から吸い込んだ香気が鼻粘膜で感知するオルソネーザル(たち香)も重要であるが、飲食品が口で味覚を刺激し、喉から鼻に抜ける香気を感知するレトロネーザル(あと香)が最も重要であると言われている。
従来から匂い物質として嗅覚を刺激し、同時に味覚に対しても刺激を与える化合物が知られている。このような化合物の代表的な例として知られているメントールは強力な清涼香と粘膜に配する刺激感を有し、様々な飲食品、香粧品に広く用いられている。同時に、味覚に関しては特有の苦味を有することが知られている。メントールを使用する場合、対象となる飲食品、香粧品に対してこの性質が有利に働く場合と、不利に働く場合がある。
例えば、メントールの清涼感を目的として飲食品に使用する場合は、揮発性が高い性質のため、清涼感が持続しないこと、および、その特有の苦味が不利な点として指摘されている。このメントールに存在する欠点である苦味を克服するためのマスキング方法が多数考案されている。一例を挙げると、香料として使用するグリシド酸エステルが苦味のマスキング剤となることが開示されている(特許文献1)。
一方、メントールの清涼感を持続させ、同時に苦味を抑制する目的でメントールの化学構造を変更する試みも広く行われ、有用な誘導体が合成されている。この目的で開発された化合物は、メントールの水酸基を利用したエステル誘導体、メントールの構成炭素骨格にカルボン酸を導入した、パラメンタンカルボン酸誘導体が合成されている。より具体的な化合物として、3−ヒドロキシ酪酸メンチル、メントールグリセリンエーテル(Coolact 10、高砂香料社登録商標、特許文献2)、乳酸メンチル(Frescolate ML、Symrise AG社登録商標)、コハク酸モノメンチル(Physcool、V.Mane fils社登録商標)、N−エチル−p−メンタンカルボン酸アミド(WS−3)、エチル 2−[(5−メチル−2−プロパン−2−イルシクロヘキサンカルボニル)アミノ]アセテート(WS−5)、N−(4−メトキシフェニル)−p−メンタンカルボン酸アミド(WS−12)、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタン酸アミド(WS−23)などが知られている(特許文献3)。これらの化合物はさわやかな香気を有し、清涼感持続作用を有し、苦味がないことを特徴として、化合物単体で、あるいはメントールと併用することで様々な製品に利用されている。
一方、苦味は食品の特徴を表現する重要な構成要素であり、苦味成分としては渋柿・ワインなどに含まれるタンニン、茶に含まれるカテキン、コーヒーに含まれるクロロゲン酸、ホップに含まれ、ビールの苦味を特徴づけるアルファ酸などがある。これらの成分はそれぞれ特有な苦味を有し、これらを含む飲食品を構成する上で重要な化合物と認識されている(非特許文献1)。しかしながら、天然由来の苦味素材は、特有な苦味に加え、原料に由来する天然物特有の香味を有するため一般的な飲食品への応用が限られている。そこで、苦味素材のように原料素材に由来する天然物特有の香気がなく、良質な苦味を有する化合物の開発が望まれている。
メントール特有の刺激と苦味を応用した例は少なく、薬物の乱用を阻止する目的でメントールを添加した例が開示されているのみである(特許文献4)。メントールは、強力な清涼香を有するために、従来、苦味を付与する目的で一般的な飲食品に配合することは困難であった。この欠点を克服すため、メントール特有の苦味を良質な苦味として追求し、同時に強力な清涼香を抑制する目的でメントール誘導体を検索する試みは知られていない。
特許第5198533号公報 特開昭58−88334号公報 特開昭47−16648号公報 特表2005−500364号公報
山田恭正、「New Food Industry」2002年、44巻、2号、49〜55頁
本発明の目的は雑味のない苦みを有し、冷涼感および清涼感が抑えられたメントール誘導体を有効成分とする香味変調剤を提供することにある。また、この香味変調剤を有効成分とする香料組成物および、香味変調剤または香料組成物を含有する飲食品を提供することにある。
本発明者らは、強烈な清涼香を有するメントールを原料として、様々な誘導体を合成し、香気の強度と持続性および味との相関関係について研究を行った。その結果、式(1)で示されるメントキシエーテルが雑味のない良質な苦みを有し、冷涼感および清涼感が顕著に抑えられたことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明でメントキシエーテルとして開示する4−メンチルオキシ−2−ブタノンは有機化学研究の中で合成された化合物であるが、その香味に関する特性は何ら記載がなく、その誘導体についても報告は見出されない(Tetrahedron Lett., 47,2905(2006))。
本発明は式(1)で示されるメンチルエーテルを有効成分とする香味変調剤を提供する。
Figure 0006001031
[式(1)でXは部分構造式(1−a)もしくは(1−b)を示し、R1およびR2はメチル基を示す。]
また、前記の香味変調剤を添加した香料組成物を提供する、また、この香味変調剤または香料組成物を添加した飲食品を提供する。
また、式(2)で示される2−メチル−4−メンチルオキシ−2−ブタノールを提供する。
Figure 0006001031
本発明のメントキシエーテルは冷涼感および清涼感が抑えられ、雑味のない良質な苦みを有し、その苦味が持続する特徴がある。これら本発明の化合物を香味変調剤として香料組成物、飲食品に配合することにより、良質な苦味と香気を利用してこれまでに知られていなかった新しい香味を有する飲食品の開発が可能となり、新たな応用範囲に拡げることが可能である。
本発明のメントキシエーテルは式(1)で表されるが、具体的には式(3)で表される4−メンチルオキシアルキルケトン、例えば、4−メンチルオキシ−2−ブタノンを例示することができる。また、式(4)で表されるアルキル−4−メンチルオキシアルカノール、例えば、2−メチル−4−メンチルオキシ−2−ブタノール(2)などを例示することができるが、この限りではない。
本発明の化合物である、式(1)で表されるメントキシエーテルは以下に示す反応式1に従って工程(1)により式(3)で表される4−メンチルオキシアルキルケトンを合成し、さらに工程(2)により式(4)で表されるアルキル−4−メンチルオキシアルカノールを合成することができる。
Figure 0006001031
反応式1:[RおよびRはメチル基、エチル基、プロピル基またはイソプロピル基を示す。MはLiもしくはMgXを表し、Xはハロゲン原子を表す。]
反応式1の各工程を概説すると、工程(1)としてメントールを触媒の存在下、アルキルビニルケトンにマイケル型付加反応を行い、4−メンチルオキシアルキルケトン(3)を合成する。工程(2)として、工程(1)で得られた4−メンチルオキシアルキルケトン(3)に対して、アルキル金属試薬を反応させることによりアルキル−4−メンチルオキシアルカノール(4)を合成することができる。
以下、詳細に工程(1)および工程(2)を説明する。工程(1)の原料として用いるメントール(2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサノール)は8種類の異性体が存在するが、優れた香気を有する天然型のl−メントールの使用が望ましいがこの限りではない。一方の反応ブロックであるアルキルビニルケトンは3−ブテン−2−オン(メチルビニルケトン)または1−ペンテン−3−オン(エチルビニルケトン)、1−ヘキセン−3−オン(プロピルビニルケトン)または4−メチル−1−ペンテン−3−オン(イソプロピルビニルケトン)は市場より調達も可能であるが、既知の方法に従って合成して使用することも可能である。
反応に使用するアルキルビニルケトンはメントールに対して当量以上であれば特に制約はないが、経済的な観点から1.5当量から5当量、好ましくは2当量から4等量を挙げることができる。
マイケル型付加反応には触媒の利用が効果的であり、酸性型または塩基性型の触媒が利用可能である。酸性型触媒は、例えば、ブレンステッド酸触媒として硫酸、塩酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸などを挙げることができ、パラトルエンスルホン酸の使用が好ましい。また、ルイス酸触媒である三フッ化ホウ素エーテル錯体、四塩化チタン、三塩化アルミニウムなどを挙げることができ、三フッ化ホウ素エーテル錯体の使用が好ましい。塩基性型の触媒も使用可能であり、三級アミン類、水酸化四級アルキルアミン類を用いることも可能である。
反応は無溶媒でも進行するが、溶媒を使用することも可能であり、反応原料のメントール、アルキルビニルケトンおよび使用する触媒に不活性な性質を有する溶媒が好ましく、トルエン、ヘプタン、ヘキサンなどの炭化水素溶媒、ジエチルエーテルなどのエーテル系触媒、塩化メチレンなどの塩素系溶媒の使用が好ましく、さらに好ましくは塩化メチレンなどの塩素系溶媒の使用が好ましい。
反応温度は使用する触媒の使用量・活性、使用する溶媒に影響を受けるが、−78℃〜50℃が好ましく、さらに好ましくは0℃〜30℃の温度条件を挙げることができる。また、反応時間は使用する触媒の使用量・活性、使用する溶媒に影響を受けるが、特に制限はなく数時間から数日を挙げることができる。反応時間は、反応の進行をガスクロマトグラフィーや薄層クロマトグラフィーなどでモニタリングしながら反応時間を決定することができる。工程(1)で得た4−メンチルオキシアルキルケトン(3)は必要に応じてカラムクロマトグラフィー、減圧蒸留等の手段を用いて精製することができる。
工程(2)では4−メンチルオキシアルキルケトン(3)のカルボニル基にアルキル金属化合物を付加反応することによりアルキル−4−メンチルオキシアルカノール(4)を合成する。式(3)と反応するアルカリ金属化合物はメチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウムなどのアルキルリチウムまたは塩化メチルマグネシウム、臭化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウムなどのアルキルグリニャール試薬を使用することができる。これらのアルキル金属試薬は市場より調達したものでも、対応する金属とハロゲン化アルキルから調製した試薬も使用できる。反応に使用するアルキル金属化合物は、4−メンチルオキシアルキルケトン(3)に対して等モルから2倍モル、特に1.05倍モルから1.5倍モルの使用が好ましい。
使用する反応溶媒は使用するアルキル金属試薬の性質に依存するが、一般的にアルキル金属試薬に不活性でアルキル金属試薬を溶媒に分散し、反応基質である4−メンチルオキシアルキルケトン(3)を溶解する溶媒であれば特に制限はない、例えば、ジエチルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンの使用が好ましい。
反応条件は使用するアルキル金属化合物の性質に影響を受けるが、一般的に、カルボニル化合物とアルキル金属化合物の反応は発熱反応であること、溶媒中の水分、雰囲気中または溶媒に溶存している酸素の影響を受けることからこれらを回避する反応条件下で行うことが好ましく、窒素雰囲気下、脱水した溶媒などの使用が好ましい。
反応温度は使用するアルキル金属化合物の種類、使用する溶媒に影響を受けるが、−78℃〜40℃が好ましく、さらに0℃〜30℃の温度条件が好ましい。また、反応時間は使用するアルキル金属化合物の種類、使用する溶媒に影響を受けるが、数時間で反応が終了する。反応の進行をガスクロマトグラフィーや薄層クロマトグラフィーなどでモニタリングしながら反応時間を決定することが好ましい。工程(2)で得たアルキル−4−メンチルオキシアルカノール(4)は必要に応じてカラムクロマト、減圧蒸留等の手段を用いて精製することが好ましい。
本発明の式(1)で表されるメントキシエーテルを2種以上任意の割合で混合して用いること、特に他の清涼感持続剤との併用で、清涼感の持続とメントールの苦みを改質する効果を発揮できる。
また、メントキシエーテルを香味変調剤として他の香料成分と混合して柑橘系、果実系、ミント系、スパイス系、ナッツ系、ミート系、ミルク系、水産物系、野菜系、茶・コーヒー系、バニラ系等の香料組成物を調製することにより効果を発揮できる。
さらに、本発明の化合物である、式(1)で表されるメントキシエーテルは、雑味のない良質な苦みを有し、冷涼感および清涼感が抑えられた特徴を利用して、香味変調剤としてそのまま飲食品に、また、メントキシエーテルを配合した香料組成物として飲食品に配合し、特徴的な香味を付与することができる。
メントキシエーテルと共に含有しうる清涼感持続剤としては3−ヒドロキシ酪酸メンチル、メントールグリセリンエーテル(Coolact 10、高砂香料社登録商標)、乳酸メンチル(Frescolate ML、Symrise AG社登録商標)、コハク酸モノメンチル(Physcool、V.Mane fils社登録商標)、N−エチル−p−メンタンカルボン酸アミド(WS−3)、エチル 2−[(5−メチル−2−プロパン−2−イルシクロヘキサンカルボニル)アミノ]アセテート(WS−5)、N−(4−メトキシフェニル)−p−メンタンカルボン酸アミド(WS−12)、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタン酸アミド(WS−23)などを挙げることができる。
メントキシエーテルと共に含有しうる他の香料成分としては「特許庁、周知慣用技術集(香料)第II部食品香料、頁8−87、平成12年1月14日発行」に記載されている合成香料、天然精油、天然香料、動植物エキス等を挙げることができる。
例えば、炭化水素化合物としてα−ピネン、β−ピネン、ミルセン、カンフェン、リモネンなどのモノテルペン、バレンセン、セドレン、カリオフィレン、ロンギフォレンなどのセスキテルペン、1,3,5−ウンデカトリエンなどが挙げられる。
アルコール化合物としてブタノール、ペンタノール、イソアミルアルコール、ヘキサノールなどの直鎖・飽和アルカノール、プレノール、(Z)−3−ヘキセン−1−オール、2,6−ノナジエノールなどの直鎖・不飽和アルコール、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、テトラヒドロミルセノール、ファルネソール、ネロリドール、セドロールなどのテルペンアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フルフリルアルコールなどの芳香族アルコールが挙げられる。
アルデヒド化合物としてアセトアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ヘキサナール、オクタナール、ノナナール、デカナールなどの脂肪族飽和アルデヒド、(E)−2−ヘキセナール、2,4−オクタジエナールなどの脂肪族不飽和アルデヒド、シトロネラール、シトラールなどのテルペンアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナミルアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、フルフラール、ヘリオトロピンなどの芳香族アルデヒドが挙げられる。
ケトン化合物として2−ヘプタノン、2−ウンデカノン、1−オクテン−3−オンなどの直鎖・飽和および不飽和ケトン、アセトイン、ジアセチル、2,3−ペンタンジオン、マルトール、エチルマルトール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノンなどの直鎖および環状ジケトンおよびヒドロキシケトン、カルボン、メントン、ヌートカトンなどのテルペンケトン、α−イオノン、β−イオノン、β−ダマセノンなどのテルペン分解物に由来するケトン、ラズベリーケトンなどの芳香族ケトンが挙げられる。
フラン・エーテル化合物としてローズオキシド、リナロールオキシド、メントフラン、テアスピランなどの環状エーテル類、メチルチャビコール、アネトールなどの芳香族エーテル類が挙げられる。
エステル化合物として酢酸エチル、酢酸イソアミルなどの脂肪族アルコールの酢酸エステル、酢酸リナリル、酢酸ゲラニル、酢酸ラバンジュリルなどのテルペンアルコールの酢酸エステル、酪酸エチル、カプロン酸エチルなどの脂肪酸と低級アルコールとのエステル、酢酸ベンジル、サリチル酸メチルなどの芳香族エステルが挙げられる。ラクトン化合物としてγ−デカラクトン、γ−ドデカラクトン、δ−デカラクトン、δ−ドデカラクトンなどの飽和ラクトン、7−デセン−4−オリド、2−デセン−5−オリドなどの不飽和ラクトンが挙げられる。
酸化合物として酪酸、4−メチル−3−ペンテン酸、オクタン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの飽和・不飽和脂肪酸が挙げられる。
含窒素化合物としてインドール、スカトール、ピリジン、アルキル置換ピラジン、アントラニル酸メチルなどが挙げられる。含硫化合物としてメタンチオール、フルフリルメルカプタン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジフルフリルジスルフィド、アリルイソチオシアネートなどが挙げられる。
天然精油としてはスイートオレンジ、ビターオレンジ、プチグレン、レモン、グレープフルーツ、ライム、ベルガモット、マンダリン、ネロリ、ペパーミント、スペアミント、ラベンダー、カモミール、ローズマリー、ユーカリ、セージ、バジル、ローズ、ゼラニウム、ジャスミン、イランイラン、アニス、フェンネル、スターアニス、クローブ、シナモン、ジンジャー、ナツメグ、カルダモン、ホップ、スギ、ヒノキ、ベチバー、パチョリ、ラブダナムなどが挙げられる。
また、各種のエキスとしてハーブ・スパイス抽出物、コーヒー・緑茶・紅茶・ウーロン茶抽出物、乳または乳加工品およびこれらのリパーゼ・プロテアーゼなどの酵素分解物も挙げられる。
本発明のメントキシエーテルを含有する香料組成物には、必要に応じて、香料組成物において通常使用されている、水、エタノールなどの溶剤、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、グリセリン、ベンジルベンゾエート、トリエチルシトレート、脂肪酸トリグリセライド、脂肪酸ジグリセリドなどの香料保留剤を含有することができる。
本発明のメントキシエーテルを含有させた香料組成物によって香味を付与または改良・増強することができる飲食品の具体例として、コーラ飲料、果汁入り炭酸飲料、乳類入り炭酸飲料などの炭酸飲料類;果汁飲料、野菜飲料、スポーツドリンク、ハチミツ飲料、豆乳、ビタミン補給飲料、ミネラル補給飲料、栄養ドリンク、滋養ドリンク、乳酸菌飲料、乳飲料などのソフト飲料類;緑茶、紅茶、ウーロン茶、ハーブティー、ミルクティー、コーヒー飲料などの嗜好飲料類;チューハイ、カクテルドリンク、発泡酒、果実酒、薬味酒などのアルコール飲料類;バター、チーズ、ミルク、ヨーグルトなどの乳製品;アイスクリーム、ラクトアイス、氷菓、ヨーグルト、プリン、ゼリー、デイリーデザートなどのデザート類及びそれらを製造するためのミックス類;キャラメル、キャンディー、錠菓、クラッカー、ビスケット、クッキー、パイ、チョコレート、スナックなどの菓子類及びそれらを製造するためのケーキミックスなどのミックス類;パン、スープ、各種インスタント食品などの一般食品類、歯磨きなどの口腔用組成物を挙げることができるが何ら限定されるものではない。
本発明の香料組成物へのメントキシエーテルの添加量は、香料組成物中でメントキシエーテルが有効成分として機能を発揮できる量であれば特に限定はないが、例えば、香料組成物中に質量を基準として0.01%(1.0×10ppm)〜10%(1.0×10ppm)、好ましくは0.1%(1.0×10ppm)〜5.0%(5.0×10ppm)の範囲を例示することができる。
飲食品への本発明の香味変調剤の添加量は使用目的あるいは対象の種類によっても異なるが、飲食品の全体量に対して質量を基準にメントキシエーテルとして0.1ppm〜1×10ppm、好ましくは、1ppm〜1000ppmの範囲を例示することができる。これらの範囲内では、飲食品に対しては、さわやかで特徴的なハーブの香気、および、雑味のない苦味を付与または増強する優れた効果を有する。以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例において反応粗製物、精製物の測定は次の分析機器を用いて行なった。
GC測定:GC−2014(島津製作所社製)およびクロマトパックC−R8A(島津製作所社製)
GC測定用GCカラム:ジーエルサイエンス社製TC−1(長さ30m、内径0.53mm、液層膜厚1.50マイクロメータ)、ジーエルサイエンス社製TC−1701(長さ30m、内径0.53mm、液層膜厚1.00マイクロメータ)
GC/MS測定:5973N(Agilent社製)
GC/MS測定用GCカラム:ジーエルサイエンス社製TC−1701(長さ30m、内径0.25mm、液層膜厚0.25マイクロメータ)
NMR測定:ECX−400A(JEOL RESONANCE社製)。
実施例1:4−メンチルオキシ−2−ブタノン
窒素置換した100mLフラスコにl−メントール(7.81g,50mmol)、ジクロロメタン(50.0g)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.71g,5mmol)を加えて撹拌混合した後、そこにメチルビニルケトン(10.51g,150mmol)を加え、そのまま20℃で4日間撹拌した。反応液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液(30.0g)に注入して反応を停止させた。有機層を分離した後、水層をジクロロメタン(15.0g)で2回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。吸引濾過して硫酸マグネシウムを除いた後、ロータリーエヴァポレーターで溶媒を留去した。得られた粗生成物12.99gを減圧蒸留することで4−メンチルオキシ−2−ブタノン(収量7.28g,収率64.3%,純度99.1%)を得た。ここで得られた4−メンチルオキシ−2−ブタノンを本発明品1とする。
4−メンチルオキシ−2−ブタノン(本発明品1)の物性データ
沸点:85〜88℃/0.1kPa
H NMR(CDCl,400MHz) δ 0.74(d,3H,J=7.2Hz),0.81(m,1H),0.85(d,3H,J=7.2Hz),0.89(d,3H,J=6.4Hz),0.95(m,1H),1.16(m,1H),1.32(m,1H),1.60(m,2H),2.09(m,2H),2.16(s,3H),2.64(m,2H),3.01(dt,1H,J=4.0,6.4Hz),3.54(ddd,1H,J=9.6,6.8,6.0Hz),3.84(dt,1H,J=9.2,6.0Hz).
13C NMR(CDCl,100MHz) δ 16.30,20.97,22.39,23.41,25.66,30.57,31.55,34.60,40.29,44.24,48.24,63.51,79.58,207.69。
MS(EI,70eV) m/z 41(29),43(96),55(44),71(100),81(44),83(26),87(23),95(39),123(18),138(30),141(40),155(25),169(1),211(1),226(M+,0.2).
[α](20℃、D線、c=2.04 in CHCl)=−80.8。
実施例2:2−メチル−4−メンチルオキシ−2−ブタノール
温度計、滴下漏斗を装着した200mLフラスコを窒素置換した後、テトラヒドロフラン(モレキュラーシーブス5Aにて乾燥、50mL)と塩化メチルマグネシウムの3.0Mテトラヒドロフラン溶液(21.7mL,65mmol)を注入し、水浴にて冷却した。そこに4−メンチルオキシ−2−ブタノン(11.32g,50mmol)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶かした溶液を滴下漏斗から内温が30℃以下を保つ速度で滴下した。滴下終了後、そのまま室温で3時間撹拌した後、反応液を25%塩化アンモニウム水溶液(100g)に注入し、分液漏斗で有機相と水相を分離した。水相をt−ブチルメチルエーテル(30g)で2回抽出した後、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ロータリーエヴァポレーターで溶媒を留去した。得られた粗生成物12.54gに炭酸ナトリウムを少量添加して減圧蒸留することで2−メチル−4−メンチルオキシ−2−ブタノール(収量10.25g,収率84.6%,純度98.2%)を得た。ここで得られた2−メチル−4−メンチルオキシ−2−ブタノールを本発明品2とする。
2−メチル−4−メンチルオキシ−2−ブタノール(本発明品2)の物性データ
沸点:87℃/0.1kPa
H NMR(CDCl,400MHz) δ 0.76(d,3H,J=6.8Hz),0.79−0.88(m,2H),0.86(d,3H,J=6.8Hz),0.90(d,3H,J=6.8Hz),0.96(m,1H),1.18(m,1H),1.22(s,3H),1.22(s,3H),1.33(m,1H),1.61(m,2H),1.69(ddd,1H,J=14.4,6.8,4.4Hz),1.77(ddd,1H,J=14.4,7.6,4.4Hz),2.13(m,2H),3.03(dt,1H,J=4.4,10.8Hz),3.50(ddd,1H,J=9.2,6.8,4.4Hz),3.68(s,1H),3.89(ddd,1H,J=9.2,7.6,4.4Hz)。
13C NMR(CDCl,100MHz) δ 16.13,21.03,22.37,23.25,25.77,29.07,29.44,31.57,34.53,40.10,41.68,48.23,65.71,70.49,79.89。
MS(EI,70eV) m/z 41(63),43(59),55(73),57(49),59(55),67(20),69(100),71(90),81(50),83(96),87(21),89(23),95(37),97(22),101(23),123(17),138(39),139(55),155(17),157(22),167(1),181(1),224(1),227(1),242(M+,0.1)。
[α](20℃、D線、c=2.05 in CHCl)=−85.4。
実施例3:香味評価
本発明品は特徴ある香気を有すると共に、さわやかな苦味を有する特徴がある。香気評価においては鼻から感じる香気(オルトネーザル香気)を評価する。香味評価においては飲食で感じる香気(レトロネーザル香気)と飲食中に感じる苦味とを総合して評価を行った。また、以下の実施例では対象となる食品に特徴的な評価項目を設定し、香気評価と香味評価は熟練したパネラー5名を選定し、基準を説明したうえで実施した。
本発明品1および本発明品2の0.1%エタノール溶液(1000ppm含有溶液)を香気評価液として調製した。香気評価液をサンプル瓶に用意し、瓶口からの香気評価および香気評価液を含浸させたにおい紙により香気評価を行った。結果を表1および表2に示す。
Figure 0006001031
次に、香気評価液(本発明品を1000ppm含有)を純水にて表2に示した倍率で、本発明品の含有量が0.5ppmから1000ppm(希釈せず)までの希釈液を調製した。香味評価液をそのまま口に入れた時、さらに飲み下した時の香味を総合して評価した。苦味を以下の基準(苦味が感じられない=−点、苦味が明確に感じられない=+/−点、苦味を感じる=+点、苦味を強く感じる=++点、苦味が強すぎる=+++点)で、飲食で感じる香味を以下の基準(香味が全く感じられない=−点、香味が感じられない=+/−点、香味を感じる=+点、香味を強く感じる=++点、香味が強すぎる=+++点)として評価を行った。
Figure 0006001031
本発明品1はレトロネーザルで感じる香気は20ppm〜500ppmの範囲で程よい香味を付与し、苦味は5ppm〜200ppmの範囲でさわやかな苦味を呈すると評価された。本発明品2についてはレトロネーザルで感じる香気は20ppm〜500ppmの範囲で程よい香味を付与し、苦味は1ppm〜100ppmの範囲でさわやかな苦味を呈すると評価された。
実施例4:ビールテイスト飲料に対する添加効果
次に、市販のビールテイスト飲料への本発明品1および本発明品2の添加効果を評価した。本発明品1を1%含有する水溶液を調製し、評価液1とした。同様に、本発明品2を1%含有する水溶液を調製し、評価液2とした。本発明品1の添加濃度が1000ppmから0.5ppmとなるよう市販のビールテイスト飲料90重量部と所定量の評価液1に水を加え10質量部とした希釈液を混合したビールテイスト飲料を調製し濃度による添加効果を評価した。本発明品2についても同様に添加濃度が1000ppmから0.5ppmとなるビールテイスト飲料を調製し濃度による添加効果を評価した。
評価は熟練したパネル5名を選定し、市販のビールテイスト飲料を比較品1とし、本発明品1の添加濃度と香味評価を表3に示した。また、本発明品2の添加濃度と香味評価を表4に示した。香味評価はビールテイスト飲料の苦味、飲みごたえ、喉越し、味のきれ、後味について評価した。苦味は本発明品無添加の比較品1の苦味をコントロールとして、本発明品に由来する苦味を相対評価し、以下の基準(比較品1と同等=+/−点、比較品1より苦味を感じる=+点、比較品1より苦味を強く感じる=++点、苦味が強すぎる=+++点)として、飲みごたえ、喉越し、味のきれ、後味についても比較品1との相対的な香味について、以下の基準(比較品1に劣る=−点、比較品1と同等=+/−点、比較品1より感じる=+点、比較品1より強く感じる=++点)として評価を行った。
Figure 0006001031
Figure 0006001031
本発明品1をビールテイスト飲料に添加した場合、添加量が5ppm〜500ppmの範囲で良好な苦味が感じられ、喉越し、味のきれに関して比較品1に比べて顕著な効果が感じられた。添加濃度が1000ppmでは苦みが強く感じられ、喉越し、味のきれ、後味に悪影響を与える。また、添加濃度が1ppm以下では顕著な効果は感じられなかった。
本発明品2をビールテイスト飲料に添加した場合、添加量が1ppm〜200ppmの範囲で良好な苦味が感じられ、喉越し、味のきれに関して比較品1に比べて顕著な効果が感じられた。添加濃度が500ppm以上では苦みが強く感じられ、喉越し、味のきれ、後味に悪影響を与える。また、添加濃度が0.5ppm以下では顕著な効果は感じられなかった。
本発明品1および本発明品2をビールテイスト飲料に添加した場合、添加量が1ppm〜20ppmの範囲で良好な軽い苦味が後味へのプラス効果として感じられた。本発明品1および本発明品2はビールテイスト飲料に対する飲みごたえ感への寄与はないと評価された。
実施例5:オレンジフレーバーに対する添加効果
表5に従って本発明品無添加のオレンジフレーバー(比較品2)、本発明品1を2質量%含む本発明品3および本発明品2を2質量%含む本発明品4を調製した。
Figure 0006001031
香気評価は熟練したパネラー5名を選定し、各オレンジフレーバーのサンプル瓶口からの評価、および、各オレンジフレーバーを含浸させた「におい紙」により比較品2との差異についての香気評価を行った。香気評価を表6に示す。
Figure 0006001031
熟練したパネラー5名を選定し、比較品2、本発明品3および本発明品4を純水にて1000倍希釈液を調製し香味評価を実施した。香味評価は、オレンジフレーバー希釈液の香味評価項目として果肉感、新鮮感、果皮感、完熟感および苦味について評価した。評価は本発明品1および2を含まない比較品2の苦味をコントロールとして、本発明品に由来する苦味を相対評価で、希釈液を口に入れた時、さらに飲み下した時の香味を総合して評価した。苦味を以下の基準(苦味が全く感じられない=−点、苦味が明確に感じられない=+/−点、苦味を感じる=+点、苦味を強く感じる=++点、苦味が強すぎる=+++点)として、果肉感、新鮮感、果皮感、完熟感について以下の基準(感じられない=−点、明確に感じられない=+/−点、感じる=+点とし、強く感じる=++点)として評価を行った。香味評価を表7に示す。
Figure 0006001031
表7に示した通り、本発明品1および本発明品2が20ppm添加されたオレンジフレーバー希釈液はオレンジの果皮感が賦与され、新鮮な生のオレンジを食した時を連想させる香味が強調されているとの評価であった。
実施例6:オレンジフレーバーのオレンジジュースに対する添加効果
実施例5で得られたオレンジフレーバー(本発明品3、本発明品4および比較品2)を下記表8に示した処方の飲料基材に添加しオレンジ果汁飲料を調製した。
Figure 0006001031
香味評価は熟練したパネラー5名を選定し、比較品3、本発明品5および本発明品6を飲食した時の苦味と香味評価項目としてオレンジ果汁飲料の果肉感、新鮮感、果皮感、完熟感について評価した。評価は本発明品無添加の比較品3の香味を基準として、果汁飲料をそのまま口に入れた時、さらに飲み下した時の香味を総合して評価した。苦味は以下の基準(苦味が全く感じられない=−点、苦味が明確に感じられない=+/−点、苦味を感じる=+点、苦味を強く感じる=++点、苦味が強すぎる=+++点)として、飲食時の香味評価として、果肉感、新鮮感、果皮感、完熟感については以下の基準(感じられない=−点、明確に感じられない=+/−点、感じる=+点、強く感じる=++点)として評価を行った。香味評価を表9に示す。
Figure 0006001031
表9に示すとおり、本発明品が添加されたオレンジ果汁飲料である本発明品5および本発明品6は、実施例5でオレンジフレーバーを評価した時と同様の風味が飲料中でもそのまま再現されていた。すなわち、オレンジの果皮感が賦与され、新鮮な生のオレンジを食した時を連想させる香味が強調されているとの評価であった。
実施例7:ミントフレーバーに対する添加効果
表10に従って本発明品無添加のミントフレーバー(比較品4)および本発明品1を2質量%含む本発明品7、本発明品2を2質量%含む本発明品8を調製した。
Figure 0006001031
香気評価は熟練したパネラー5名を選定し、各ミントフレーバーのサンプル瓶口からの評価、および、各ミントフレーバーを含浸させた「におい紙」により比較品4との差異についての香気評価を行ったが、本発明品7および本発明品8は明確な差は感じられないとの評価であった。
熟練したパネラー5名を選定し、比較品4、本発明品7および本発明品8を純水にて1000倍希釈液を調製し香味評価を実施した。香味評価は、苦味、清涼感、ハーブ感、天然感、薬品感について評価した。評価は本発明品を含まない比較品4を基準として、希釈液をそのまま口に入れた時、さらに飲み下した時の香味を総合して評価した。苦味は以下の基準(苦味が全く感じられない=−点、苦味が明確に感じられない=+/−点、苦味を感じる=+点、苦味を強く感じる=++点、苦味が強すぎる=+++点)として、飲食時の香味評価として、清涼感、ハーブ感、天然感、薬品感については以下の基準(感じられない=−点、明確に感じられない=+/−点、感じる=+点、強く感じる=++点)として評価を行った。香味評価を表11に示す。
Figure 0006001031
表11に示した通り、本発明品1および本発明品2を20ppm添加されたミントフレーバー希釈液である本発明品7および本発明品8はメントールの苦味が抑制され、良好な苦味が持続し、ミント風味が際立った香味が強調されているとの評価であった。
実施例8:ミントガムに対する添加効果
実施例7で得られたミントフレーバー(本発明品7、本発明品8および比較品4)を下記表12に示した処方のガム基材に添加しミントガムを調製した。
Figure 0006001031
香味評価は熟練したパネラー5名を選定し、比較品5、本発明品9および本発明品10を咀嚼した時の香味評価項目としてミントガムの苦味、清涼感、ハーブ感、天然感、薬品感について評価した。評価は本発明品無添加の比較品5を基準として、ミントガムを噛み始めた時、さらに10分間咀嚼した時の香味を総合して評価した。苦味は以下の基準(苦味が全く感じられない=−点、苦味が明確に感じられない=+/−点、苦味を感じる=+点、苦味を強く感じる=++点、苦味が強すぎる=+++点)として、咀嚼時の香味評価として、清涼感、ハーブ感、天然感、薬品感については以下の基準(感じられない=−点、明確に感じられない=+/−点、感じる=+点、強く感じる=++点)として評価を行った。香味評価を表13に示す。
Figure 0006001031
表13に示すとおり、本発明品を添加したミントガムである本発明品9および本発明品10は、実施例7でミントフレーバーを評価した時と同様の風味がミントガム咀嚼時でもそのまま再現されていた。すなわち、本発明品の特性のさわやかな苦味がミントの清涼感と一体化し、天然感が賦与され、比較品5で感じられた薬品感が抑制されているとの評価であった。

Claims (5)

  1. 式(1)で示されるメンチルエーテルを有効成分とする香味変調剤。
    Figure 0006001031
    [式(1)でXは部分構造式(1−a)もしくは(1−b)を示し、RおよびRはメチル基を示す。]
  2. 請求項1に記載の香味変調剤を添加した香料組成物。
  3. 請求項1に記載の香味変調剤を添加した飲食品。
  4. 請求項2に記載の香料組成物を添加した飲食品。
  5. 式(2)で示される2−メチル−4−メンチルオキシ−2−ブタノール。
    Figure 0006001031
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