JP5410179B2 - 苦味抑制剤 - Google Patents

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本発明は、苦味抑制剤に関する。
苦味を有する飲食品として、例えば、コーヒー、緑茶等の飲料、大豆、小豆等の豆類、ピーマン等の野菜類、グレープフルーツ等の柑橘類が知られている。これら飲食品には、苦味成分として、例えば、カフェイン、カテキン、サポニン、フラボノイド、リモニン又はナリンギンが含まれている。
ところで、苦味は味覚の一種であり、ほのかな苦味は嗜好性を高める上で有効であるが、苦味が強過ぎると不快感ないし嫌悪感を伴うようになる。
このような不快な苦味を抑制する手段として、ポリ−γ−グルタミン酸、その分解物及びその塩類から選ばれた1種以上を有効成分とする苦味抑制剤(特許文献1)、あるいはホスファチジン酸及びホスファチジルイノシトールを一定の割合で含有する苦味抑制剤(特許文献2)等が提案されている。
近年、天然の乳由来成分である乳清から得られた乳清ペプチドが、生体内で速やかに効率的に消化吸収されて血流に取り込まれるため、質の高い蛋白源として医薬品や飲食品の分野で注目されている。しかしながら、乳清ペプチドが苦味の抑制に有効であるとの報告はない。
国際公開第00/21390パンフレット 特開2007−129936号公報
したがって、本発明の課題は、苦味を有する組成物の苦味抑制に有効な苦味抑制剤を提供することにある。
本発明者らは、苦味を有する組成物の苦味抑制に有効な物質について検討したところ、数多くの種類の乳清ペプチドが存在する中で、特定の平均分子量を有する乳清ペプチドが苦味の抑制に有効であることを見出した。
すなわち、本発明は、平均分子量が550〜5000である乳清ペプチドを有効成分として含有する、苦味抑制剤を提供することにある。
本発明はまた、苦味を有する組成物に、上記苦味抑制剤を添加する、苦味を有する組成物の苦味抑制方法を提供することにある。
本発明は更に、0.05〜0.8質量%の苦味成分(A)、及び上記苦味抑制剤(B)を含有する、飲料を提供することにある。
本発明によれば、より少ない添加量で苦味を有する組成物の苦味を有効に抑制することの可能な苦味抑制剤が提供される。本発明の苦味抑制剤は、天然の乳由来成分である乳清から得られたペプチドを有効成分とするものであり、水溶解性が良好で安全性が高いため、飲食品、医薬品、医薬部外品の分野で使用することが可能である。
(苦味抑制剤)
本発明の苦味抑制剤は、平均分子量が550〜5000である乳清ペプチドを有効成分として含有するものである。
本発明で使用する乳清ペプチドは、平均分子量が550〜5000であるが、より一層の苦味抑制の観点から、平均分子量の下限は600、更に650、特に700であることが好ましく、他方上限は4500、更に4000、より更に3500、より更に3000、より更に2500、より更に2000、より更に1500、特に1000であることが好ましい。なお、本明細書において「平均分子量」とは、後掲の実施例に記載の方法により測定されるものをいい、平均分子量が上記範囲内にあれば、その分布は特に限定されない。
また、本発明で使用する乳清ペプチドは、天然の乳由来成分である乳清から得られるものであるが、乳清としては、例えば、チーズホエイ(酸ホエイ)、スイートホエイ、脱乳糖ホエイ、脱塩ホエイ等が例示される。また、乳由来であれば、ホエイプロテインコンセントレート(WPC)、ホエイプロテインアイソレート(WPI)、β―ラクトグロブリン、α−ラクトアルブミン、ラクトフェリン等を原料として用いてもよい。中でも、苦味抑制効果の点から、チーズホエイが好ましい。
なお、天然の乳由来成分としてカゼインがあるが、カゼインから得られたペプチドを使用すると、たとえ平均分子量が上記範囲内であったとしても苦味抑制効果が不十分となる(比較例3〜6参照)。
乳清ペプチドは、公知の方法を適用して製造することが可能である。例えば、乳清から蛋白成分を分離し、得られた乳清蛋白を酵素で加水分解する方法が例示されるが、所望の平均分子量の乳清ペプチドを得るために必要により分画を行ってもよい。蛋白成分の分離方法としては、例えば、精密濾過(MF)、限界濾過(UF)、クロス・フロー精密濾過(CFM)、イオン交換法等が例示される。また、酵素として、プロテアーゼ、ペプチターゼ等を使用することができる。分画操作は公知の方法を採用することが可能であり、例えば、イオンクロマトグラフィー、分子ふるいクロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー等の各種クロマトグラフィーや、ペプチドの分離手段として通常使用されている膜分離処理を、単独で又は任意の順序で組み合わせて行うことができる。
本発明においては、乳清ペプチドとして市販品を使用してもよく、例えば、W800、W1600、W2900(以上、森永乳業(株))等が例示される。
本発明の苦味抑制剤は、硫酸キニーネの標準溶液を基準とする苦味強度が7以下、特に6以下である苦味に対して好ましく適用される。なお、苦味強度の下限は特に限定されないが、3、特に4であることが好ましい。ここで、本明細書において「硫酸キニーネの標準溶液を基準とする苦味強度」とは、硫酸キニーネを用いて苦味の強さを等間隔で10段階に予め調整した標準溶液(実施例の表1参照、Indow, T, Perception & Psychophysics, Vol.5(1969),pp.347-351)を基準とする官能試験において、被験者により硫酸キニーネの標準溶液の中から被験物質と同等の苦味の強さと認識された標準溶液の苦味強度をいう。具体的には、次の手順で苦味強度が決定される。先ず正常な味覚を有する健常人5名を被験者とし、各被験者が硫酸キニーネの標準溶液を低濃度から順に口に含み苦味の強さを記憶する。次いで、各被験者が被験物質を口に含み苦味の程度を認識し、硫酸キニーネの標準溶液の中から最も苦味レベルの近いものを決定する。そして、各被験者が決定した苦味強度の数値を平均化して被験物質の苦味強度とする。なお、苦味強度が小さいほど、苦味が弱いことを意味する。
本発明の苦味抑制剤は、使用条件に応じて公知の調製法に従い、粉末状、顆粒状又は粒子状の固形物とすることができる。また、本発明の苦味抑制剤には、酸化を防止して保存安定性を高めるために抗酸化剤を添加してもよい。
(苦味抑制方法)
本発明の苦味抑制方法は、苦味を有する組成物に、上記苦味抑制剤を添加することを特徴とする。
苦味を有する組成物としては、例えば、苦味を有する医薬品、医薬部外品又は飲食品等が例示される。本発明においては、硫酸キニーネの標準溶液を基準とする苦味強度が7以下、特に6以下の苦味を有する組成物の苦味抑制に特に有効である。なお、苦味強度の下限は特に限定されないが、3、特に4であることが好ましい。
医薬品中の苦味成分としては、例えば、ストリキネーネ、キニーネ、パパベリン、ベルベリン、ブロメタジン、ブルシン、プロプラノロール、クロルプロマジン等が例示される。薬物は酸付加塩であってもよく、酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、炭酸塩等の鉱酸塩及び有機酸塩が例示される。
医薬部外品としては、例えば、歯磨き、マウスウオッシュ、マウスリンス等が例示される。医薬部外品中の苦味成分としては、例えば、アルキル硫酸ナトリウム、モノアルキルリン酸ナトリウム等の界面活性剤、メントール、リナロール、フェニルエチルアルコール、ゲラニオール等の香料、メチルパラベン、プロピルパラベン等の殺菌剤等が例示される。なお、医薬品及び医薬部外品の剤型は特に限定されず、公知の剤型を採用することができる。
苦味を有する飲食品としては、次のものが例示される。
グレープフルーツ、オレンジ、レモン等の柑橘果実又はこれら果実から得られる果汁;トマト、ピーマン、セロリ、ウリ、ニンジン、ジャガイモ、アスパラガス等の野菜又はこれら野菜から得られる野菜汁若しくは野菜ジュース;ソース、醤油、味噌、唐辛子、うま味調味料等の調味料;豆乳等の大豆食品;クリーム、ドレッシング、マヨネーズ、マーガリン等の乳化食品;魚肉、すり身、魚卵等の水産加工食品;ピーナツ等のナッツ;納豆等の発酵食品;食肉又はその加工食品;ビール、コーヒー、ココア、緑茶、紅茶、烏龍茶、清涼飲料、機能性飲料等の飲料;漬物;めん;粉末スープを含むスープ;チーズ、牛乳等の乳製品;パン・ケーキ;スナック、ビスケット、米菓、チューインガム、チョコレート、キャンディー等の菓子。
これら飲食品中の苦味成分としては、例えば、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン等のアミノ酸、ペプチド、サポニン、タンニン、リモニン、ナリンギン、非重合体カテキン類、カフェイン、クロロゲン、フラボノイド、オリゴ糖等が例示される。
本発明の苦味抑制剤の添加量は苦味成分の種類により適宜選択することが可能であるが、例えば、硫酸キニーネの標準溶液を基準とする苦味強度が3〜7である苦味を有する組成物の場合、当該組成物中に苦味抑制剤を0.005〜1.0質量%、更に0.01〜0.08質量%、特に0.02〜0.07質量%添加することが、苦味抑制効果、飲食品等の風味等に影響を与えない点で好ましい。
(飲料)
本発明の飲料は、0.05〜0.8質量%の苦味成分(A)と、上記苦味抑制剤(B)を含有することを特徴とするものである。
苦味成分(A)としては、カフェイン、非重合体カテキン類、サポニン、フラボノイド、リモニン、ナリンギンが好適である。ここで、本明細書において「(A1)非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類と、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を合わせての総称であり、非重合体カテキン類の濃度は、上記8種の合計量に基づいて定義される。
本発明の飲料中の苦味成分(A)の濃度は0.05〜0.8質量%であるが、より一層の苦味抑制の観点から、0.08〜0.75質量%、更に0.1〜0.65質量%、特に0.12〜0.6質量%であることが好ましい。
本発明の飲料は公知の方法により調製することが可能であるが、例えば、上記濃度の非重合体カテキン類を含有する飲料は、例えば、茶抽出物を配合して非重合体カテキン類濃度を調整して得ることができる。
茶抽出物としては、例えば、茶から得られた抽出物が例示される。使用する茶としては、例えば、Camellia属、例えば、C.var.sinensis(やぶきた種を含む)、C.var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶樹が好適に使用される。その加工方法により、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に大別することができる。
不発酵茶としては、例えば、茎茶、棒茶、芽茶、番茶、碾茶、釜入り茶等の緑茶が例示される。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が例示される。更に、発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が例示される。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、中でも緑茶が好適である。
茶を抽出する方法としては、例えば、攪拌抽出、カラム法、ドリップ抽出等の従来の方法を採用することができる。また、抽出用水にあらかじめアスコルビン酸ナトリウムなどの有機酸又は有機酸塩類を添加してもよい。このようにして得られた抽出物は、そのままでも、乾燥、濃縮しても本発明に使用できる。茶抽出物の形態としては、例えば、液体、スラリー、半固体、固体等が例示される。
また、茶抽出物として、茶から抽出した抽出物の代わりに、茶抽出物の濃縮物又は精製物を使用してもよく、また茶から抽出した抽出物と、茶抽出物の濃縮物又は精製物を併用してもよい。ここで、茶抽出物の濃縮物とは、茶から水及び/又は水溶性有機溶媒により抽出された抽出物を濃縮したものであり、例えば、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報等に記載の方法により調製することができる。茶抽出物の濃縮物として市販品を使用してもよく、例えば、三井農林社製の「ポリフェノン」、伊藤園社製の「テアフラン」、太陽化学社製の「サンフェノン」等の緑茶抽出物の濃縮物が例示される。
また、茶抽出物の精製物とは、溶剤やカラムを用いて茶抽出物又はその濃縮物から沈殿物等を除去したものをいい、必要によりタンナーゼ処理しても(例えば、特開2004−321105号公報)、タンナーゼ処理後に更に活性炭、酸性白土及び活性白土から選ばれる少なくとも1種で処理してもよい(例えば、特公開2007−282568号公報)。
なお、本発明の飲料に使用される苦味抑制剤(B)については、上記において説明したとおりである。また、上記苦味成分は、硫酸キニーネの標準溶液を基準とする苦味強度は通常3〜7の範囲内にあるため、本発明の飲料中に苦味抑制剤(B)を上記と同量配合することができる。具体的には、苦味抑制効果、飲料の風味等に影響を与えない点から、飲料中の苦味抑制剤(B)の含有量は、0.005〜1.0質量%、更に0.005〜0.08質量%、特に0.005〜0.07質量%であることが好ましい。
本発明の飲料は、茶飲料でも、非茶系飲料であってもよい。茶飲料としては、例えば、緑茶飲料、烏龍茶飲料、紅茶飲料が例示される。また、非茶系飲料としては、例えば、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、栄養ドリンク剤、美容ドリンク剤等の非アルコール飲料、ビール、ワイン、清酒、梅酒、発泡酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ラム、ジン、リキュール類等のアルコール飲料が例示される。
本発明の飲料には、酸化防止剤、香料、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、ガム、油、ビタミン、アミノ酸、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を単独で又は併用して配合してもよい。
本発明の飲料のpH(25℃)は、呈味及び非重合体カテキン類の安定性の観点から、2〜7、特に3〜6.5であることが好ましい。
また、本発明の飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填した容器詰飲料として提供することができる。
また、容器詰飲料は、例えば、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で製造できる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。
1.乳清ペプチドの平均分子量の測定
試料を、ゲル濾過カラム(TSK−GEL G2000SWXL、東ソー社製、内径7.8mm、長さ300mm)を用いて、0.1%トリフルオロ酢酸を含む45%アセトニトリルの移動相により流速0.5mL/分で溶出した。検出器は、紫外分光光度計を用いて、210nmの吸光度で検出した。データ解析は、GPCソフトウエア(島津製作所製)を使用した。分子量マーカーとしてβ―ラクトグロブリン、α―ラクトアルブミン、ヒトインシュリン、バシトラシン、グルタチオン及びグリシンの分子量(対数目盛)と溶出時間から得られた分子量分布の検量線から、分子量10,000、5,000、1,000、500及び100に相当する溶出時間を求めた。
2.非重合体カテキン類の測定
試料溶液をフィルター(0.45μm)で濾過し、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着した高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用いて、カラム温度35℃でグラジエント法により分析した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
3.苦味の評価
5名のパネラーが下記表1記載の硫酸キニーネの標準溶液を基準として各試験液の苦味レベルを官能試験し、各パネラーの評点の平均値を求めた。
Figure 0005410179
4.溶解性
試料の外観を目視により観察し、苦味抑制剤の溶解性について優、良、不良(不溶)の3段階で評価した。
実施例1
市販のカテキン類製剤(ポリフェノン70S、三井農林(株)製)と、表2に示す割合の苦味抑制剤を用いて、非重合体カテキン類濃度が0.15質量%の飲料(硫酸キニーネの標準溶液を基準とする苦味強度6)を調製した。次いで、得られた飲料の苦味抑制剤の溶解性について観察した後、苦味について官能試験を行った。それらの評価結果を表2に併せて示す。
実施例2
苦味抑制剤を平均分子量2300の乳清ペプチドに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて飲料を調製した。次いで、得られた飲料の苦味抑制剤の溶解性について観察した後、苦味について官能試験を行った。それらの評価結果を表2に併せて示す。
実施例3
苦味抑制剤を平均分子量3200の乳清ペプチドに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて飲料を調製した。次いで、得られた飲料の苦味抑制剤の溶解性について観察した後、苦味について官能試験を行った。それらの評価結果を表2に併せて示す。
比較例1
苦味抑制剤を平均分子量5500の乳清ペプチドに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて飲料を調製した。次いで、得られた飲料の苦味抑制剤の溶解性について観察した後、苦味について官能試験を行った。それらの評価結果を表2に併せて示す。
比較例2
苦味抑制剤を平均分子量15800の乳清ペプチドに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて飲料を調製した。次いで、得られた飲料の苦味抑制剤の溶解性について観察した後、苦味について官能試験を行った。それらの評価結果を表2に併せて示す。
比較例3
苦味抑制剤を平均分子量550のカゼインペプチドに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて飲料を調製した。次いで、得られた飲料の苦味抑制剤の溶解性について観察した後、苦味について官能試験を行った。それらの評価結果を表2に併せて示す。
比較例4
苦味抑制剤を平均分子量1000のカゼインペプチドに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて飲料を調製した。次いで、得られた飲料の苦味抑制剤の溶解性について観察した後、苦味について官能試験を行った。それらの評価結果を表2に併せて示す。
比較例5
苦味抑制剤を平均分子量157500のカゼインペプチドに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて飲料を調製した。次いで、得られた飲料の苦味抑制剤の溶解性について観察した後、苦味について官能試験を行った。それらの評価結果を表2に併せて示す。
比較例6
苦味抑制剤を平均分子量6000のカゼインペプチドに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作にて飲料を調製した。次いで、得られた飲料の苦味抑制剤の溶解性について観察した後、苦味について官能試験を行った。それらの評価結果を表2に併せて示す。
Figure 0005410179
実施例4
0.00230Mの硫酸キニーネの標準溶液(苦味強度5)に、表3に示す割合の苦味抑制剤を配合して試験液を調製した後、苦味について官能試験を行った。その結果を表3に併せて示す。
実施例5
苦味抑制剤の配合量を変更したこと以外は、実施例4と同様の操作にて試験液を調製した。次いで、試験液の苦味について官能試験を行った。その結果を表3に併せて示す。
比較例7
苦味抑制剤を表3に示す割合のβ−環状デキストリンに変更したこと以外は、実施例4と同様の操作にて試験液を調製した。次いで、得られた試験液の苦味について官能試験を行った。その結果を表3に併せて示す。
比較例8
苦味抑制剤を表3に示す割合の環状オリゴ糖に変更したこと以外は、実施例4と同様の操作にて試験液を調製した。次いで、得られた試験液の苦味について官能試験を行った。その結果を表3に併せて示す。
比較例9
苦味抑制剤を表3に示す割合の環状オリゴ糖に変更したこと以外は、実施例4と同様の操作にて試験液を調製した。次いで、得られた試験液の苦味について官能試験を行った。その結果を表3に併せて示す。
比較例10
苦味抑制剤を表3に示す割合の環状オリゴ糖に変更したこと以外は、実施例4と同様の操作にて試験液を調製した。次いで、得られた試験液の苦味について官能試験を行った。その結果を表3に併せて示す。
Figure 0005410179
実施例6
0.05質量%のナリンギンを含有する溶液(硫酸キニーネの標準溶液を基準とする苦味強度4.5)に、表4に示す割合の苦味抑制剤を配合して試験液を調製した後、苦味について官能試験を行った。その結果を表4に併せて示す。
比較例11
苦味抑制剤を表4に示す割合のβ−環状デキストリンに変更したこと以外は、実施例6と同様の操作にて試験液を調製した。次いで、得られた試験液の苦味について官能試験を行った。その結果を表4に併せて示す。
比較例12
苦味抑制剤を表4に示す割合の環状オリゴ糖に変更したこと以外は、実施例6と同様の操作にて試験液を調製した。次いで、得られた試験液の苦味について官能試験を行った。その結果を表4に併せて示す。
比較例13
苦味抑制剤を表4に示す割合の環状オリゴ糖に変更したこと以外は、実施例6と同様の操作にて試験液を調製した。次いで、得られた試験液の苦味について官能試験を行った。その結果を表4に併せて示す。
比較例14
苦味抑制剤を表4に示す割合の環状オリゴ糖に変更したこと以外は、実施例6と同様の操作にて試験液を調製した。次いで、得られた試験液の苦味について官能試験を行った。その結果を表4に併せて示す。
Figure 0005410179
表2〜4から、所定の平均分子量を有する乳清ペプチドを有効成分とする苦味抑制剤を含有せしめることで、苦味が顕著に抑制されることが確認された。また、実施例5と比較例10との対比、及び実施例6と比較例14との対比から、本願発明の苦味抑制剤は、従来の苦味抑制剤に比べて、極めて少ない添加量で苦味を十分抑制できることがわかった。

Claims (6)

  1. 乳清蛋白を酵素で加水分解して得られる乳清ペプチドであって、平均分子量が550〜5000である乳清ペプチドを有効成分として含有する、非重合体カテキン類を0.05〜0.8質量%含有する組成物の苦味抑制剤。
  2. 前記乳清がチーズホエイである、請求項1記載の苦味抑制剤。
  3. 前記有効成分の含有量が0.005〜1.0質量%である、請求項1又は2記載の苦味抑制剤。
  4. 非重合体カテキン類を0.05〜0.8質量%含有する組成物の苦味抑制方法であって、請求項1〜3のいずれか一項に記載の苦味抑制剤を0.005〜1.0質量%添加する、苦味抑制方法。
  5. (A)非重合体カテキン類:0.05〜0.8質量%、及び
    (B)乳清蛋白を酵素で加水分解して得られる乳清ペプチドであって、平均分子量が550〜5000である乳清ペプチド:0.005〜1.0質量%
    を含有する、飲料。
  6. 前記乳清がチーズホエイである、請求項5記載の飲料。
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