JP6474442B2 - 容器詰飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、容器詰飲料に関する。
ヘスペリジンは、柑橘類に多く含まれるフラボノイドの一種であり、毛細血管の強化、出血予防、血中中性脂肪の分解等の生理作用を有することが報告されており、食品、医薬品への利用が期待されている。しかし、ヘスペリジンは、水に難溶であるため、水への溶解性を改善する技術が検討され、例えば、ヘスペリジンに更にグルコースを付加したヘスペリジン糖付加物が開発されている。
一方、非重合体カテキン類は、茶に多く含まれるポリフェノールの一種であり、コレステロール上昇作用やアミラーゼ活性阻害作用などが報告されており、これらを強化した非重合体カテキン類含有容器詰飲料が開発されている。
近年、高濃度の非重合体カテキン類を含有する容器詰飲料の苦味を低減するために、高濃度の非重合体カテキン類に対し、フラバノン類を0.001〜1.0質量%含有させ、非重合体カテキン類と総ポリフェノールとの質量比、及びフラバノン類と総ポリフェノールとの質量比を特定範囲内に制御することが提案されている(特許文献1)。
特開2009−55905号公報
本発明者らは、ヘスペリジン糖付加物の飲料への応用を検討したところ、ヘスペリジン及びヘスペリジン糖付加物から選択される少なくとも1種(以下、「ヘスペリジン糖付加物等」とも称する)がある程度高濃度であり、且つ、Brixが低い飲料であると、飲用直後に舌先に刺激感を呈するという課題があることを見出した。
本発明の課題は、高濃度のヘスペリジン糖付加物等を含有し、且つ、Brixが低い容器詰飲料であって、飲用直後の舌先の刺激感が抑制された容器詰飲料を提供することにある。
本発明者らは詳細に検討した結果、高濃度にヘスペリジン糖付加物等を含み、かつ低Brixの容器詰飲料に対し、非エピ率が特定範囲内に制御された非重合体カテキン類を特定量含有させ、該非重合体カテキン類とヘスペリジン糖付加物等との量比及びpHを特定範囲内に制御することにより、飲用直後の舌先の刺激感を抑制できるだけでなく、渋味の余韻や、茶の香りに優れた容器詰飲料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B);
(A)ヘスペリジン及びヘスペリジン糖付加物から選択される少なくとも1種 0.01〜0.27質量%、及び、
(B)非エピ率が30〜70質量%である非重合体カテキン類
を含有し、
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.1〜3であり、
Brixが3%以下であり、かつ
pH5.5〜7である、
容器詰飲料を提供するものである。
本発明によれば、飲用直後の舌先の刺激感を抑制できるだけでなく、渋味の余韻、茶の香りに優れた容器詰飲料を提供することができる。
本発明の容器詰飲料は、成分(A)としてヘスペリジン及びヘスペリジン糖付加物から選択される少なくとも1種を含有する。
ヘスペリジンとは、ヘスペレチンをアグリコンとし、これに糖が結合した配糖体であり、ヘスペリジン糖付加物とは、このヘスペリジンのルチノース単位中のグルコース残基にα−1,4結合により1個以上のグルコースが付加した化合物である。ヘスペリジン糖付加物は、グルコースの付加数(n)が分布を持っていてもよい。ヘスペリジン1モルに対するグルコースの付加数(n)は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜5が更に好ましく、1〜3がより更に好ましく、1がより更に好ましい。
ヘスペリジン糖付加物は、例えば、ヘスペリジンにグルコース源(糖供与体)の存在下、糖転移酵素を作用させる方法等の公知の方法により得ることができる。グルコース源としては、例えば、アミロース、デキストリン、シクロデキストリン、マルトオリゴ糖等の澱粉部分加水分解物、液化澱粉、糊化澱粉等を挙げることができる。糖転移酵素は、例えば、α−グリコシダーゼ(EC 3.2.1.20)、シクロマルトデキストリン グルカノトランスフェラーゼ(EC 2.4.1.19)、α−アミラーゼ(EC 3.2.1.1)等を、グルコース源に応じて適宜選択して使用することができる。具体的な製造方法は、例えば、特許第3060227号明細書等の記載を参照することができる。
成分(A)としては商業的に入手したものを使用してもよく、例えば、ヘスペリジンS、αGヘスペリジンH、αGヘスペリジンPA−T等を挙げることができる。
本発明の容器詰飲料中の成分(A)の含有量は0.01〜0.27質量%であるが、生理活性、渋味の余韻及び茶の香りの観点から、0.02質量%以上が好ましく、0.04質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましく、また飲用直後の舌先の刺激感抑制、渋味の余韻及び茶の香りの観点から、0.24質量%以下が好ましく、0.2質量%以下がより好ましく、0.15質量%以下が更に好ましい。かかる成分(A)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰飲料中に、好ましくは0.02〜0.24質量%であり、より好ましくは0.04〜0.2質量%であり、更に好ましくは0.05〜0.15質量%である。なお、成分(A)の含有量は、グルコースの付加数(n)が分布を持つヘスペリジン糖付加物及びヘスペリジンの合計量である。また、容器詰飲料中の成分(A)の含有量は、通常知られている分析法のうち測定試料の状況に適した 分析法、例えば、液体クロマトグラフィーで分析することが可能であり、例えば、後掲の実施例に記載の方法により分析することができる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の容器詰飲料は、成分(B)として非エピ率が30〜70質量%である非重合体カテキン類を含有する。ここで、本明細書において「非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類、並びにエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を併せての総称であり、また「非エピ率」とは、上記8種の非重合体カテキン類に対する上記4種の非エピ体の割合である。非重合体カテキン類の含有量は、上記8種の合計量に基づいて定義され、また非重合体カテキン類の非エピ体の含有量は上記4種の合計量に基づいて定義される。なお、非エピ体は本来自然界に殆ど存在せず、熱変性によりエピ体から生成する。
本発明の容器詰飲料における非重合体カテキン類中の非エピ体の割合は30〜70質量%であるが、飲用直後の舌先の刺激感抑制の観点から、35質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、45質量%以上が更に好ましく、50質量%以上がより更に好ましく、53.5質量%以上がより更に好ましく、そして68質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましく、63質量%以下が更に好ましく、60質量%以下がより更に好ましく、55.5質量%以下がより更に好ましい。かかる非エピ率の範囲としては、好ましくは35〜68質量%であり、より好ましくは40〜65質量%であり、更に好ましくは45〜63質量%であり、より更に好ましくは50〜60質量%であり、より更に好ましくは53.5〜55.5質量%である。
本発明の容器詰飲料中の成分(B)の含有量は飲用直後の舌先の刺激感抑制、渋味の余韻及び茶の香りの観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.025質量%以上が更に好ましく、0.035質量%以上が殊更に好ましく、0.04質量%以上がより更に好ましく、そして0.25質量%以下が好ましく、0.2質量%以下がより好ましく、0.15質量%以下が更に好ましく、0.09質量%以下が殊更に好ましく、0.07質量%以下がより更に好ましい。かかる成分(B)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰飲料中に、好ましくは0.01〜0.25質量%であり、好ましくは0.02〜0.2質量%であり、より好ましくは0.025〜0.15質量%であり、更に好ましくは0.035〜0.09質量%であり、更に好ましくは0.04〜0.07質量%である。なお、容器詰飲料中の成分(B)の含有量は、通常知られている分析法のうち測定試料の状況に適した分析法、例えば、液体クロマトグラフィーで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法により分析することができる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
また、本発明の容器詰飲料は、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.1〜3であるが、飲用直後の舌先の刺激感抑制、渋味の余韻及び茶の香りの観点から、0.15以上であることが好ましく、0.2以上がより好ましく、0.5以上が更に好ましく、0.6以上が殊更に好ましく、そして2.8以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、1.35以下が更に好ましく、1以下が殊更に好ましい。かかる質量比[(B)/(A)]の範囲としては、本発明の容器詰飲料中に、好ましくは0.15〜2.8であり、より好ましくは0.2〜2.5であり、更に好ましくは0.5〜1.35であり、殊更に好ましくは0.6〜1である。
本発明の容器詰飲料は、成分(C)として抹茶を含有することができる。ここで、本明細書において「抹茶」とは、緑茶を粉砕して粉末化したものをいう。したがって、成分(C)としては、碾茶に限らず、煎茶、玉露等の緑茶を粉末化したものであれば、特に限定されない。
本発明の容器詰飲料中の成分(C)の含有量は、飲用直後の舌先の刺激感抑制、茶の香り付与の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.015質量%以上が更に好ましく、そして0.3質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0.05質量%以下が更に好ましい。かかる成分(C)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰飲料中に、好ましくは0.001〜0.3質量%であり、より好ましくは0.005〜0.1質量%であり、更に好ましくは0.015〜0.05質量%である。
本発明の容器詰飲料は、清澄度の高い飲料の提供の観点から、濁度(20℃)が800NTU以下であることが好ましく、500NTU以下であることがより好ましく、300NTU以下が更に好ましく、250NTU以下が殊更に好ましく、また飲用直後の舌先の刺激感抑制の観点から、0.1NTU以上が好ましく、1NTU以上がより好ましく、5NTU以上が更に好ましく、40NTU以上が更に好ましく、60NTU以上が更に好ましい。かかる濁度の範囲としては、好ましくは0.1〜800NTUであり、より好ましくは1〜500NTUであり、更に好ましくは5〜300NTUであり、殊更に好ましくは40〜250NTUであり、殊更に好ましくは60〜250NTUである。ここで、「濁度」とは、後掲の実施例に記載の方法により測定したものをいう。なお「NTU」とは、ホルマジン濁度標準を使用したホルマジン濁度の測定単位である。
本発明の容器詰飲料は、成分(D)としてカフェインを含有することができる。
本発明の容器詰飲料中の成分(D)の含有量は、飲用直後の舌先の刺激感抑制、渋味の余韻、及び茶の香り付与の観点から、0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.005質量%以上が更に好ましく、0.008質量%以上が殊更に好ましく、そして0.05質量%以下が好ましく、0.03質量%以下がより好ましく、0.017質量%以下が更に好ましく、0.013質量%以下が殊更に好ましい。かかる成分(D)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰飲料中に、好ましくは0.0001〜0.05質量%であり、より好ましくは0.001〜0.03質量%であり、更に好ましくは0.005〜0.017質量%であり、殊更に好ましくは0.008〜0.013質量%である。
また、本発明の容器詰飲料は、成分(A)と成分(D)との質量比[(D)/(A)]が飲用直後の舌先の刺激感抑制、渋味の余韻及び茶の香りの観点から、0.0008以上であることが好ましく、0.001以上がより好ましく、0.007以上が更に好ましく、0.02以上が殊更に好ましく、そして0.8以下が好ましく、0.6以下がより好ましく、0.4以下が更に好ましく、0.3以下が殊更に好ましい。かかる質量比[(D)/(A)]の範囲としては、本発明の容器詰飲料中に、好ましくは0.0008〜0.8であり、より好ましくは0.001〜0.6であり、更に好ましくは0.007〜0.4であり、殊更に好ましくは0.02〜0.3である。
本発明の容器詰飲料は、pH(20℃)が5.5〜7であるが、飲用直後の舌先の刺激感抑制の観点から、5.6以上が好ましく、5.7以上がより好ましく、5.9以上が更に好ましく、そして6.9以下が好ましく、6.8以下がより好ましく、6.7下が更に好ましい。かかるpH(20℃)の範囲としては、好ましくは5.6〜6.9であり、より好ましくは5.7〜6.8であり、更に好ましくは5.9〜6.7である。
本発明の容器詰飲料のpH調整には、pH調整剤を使用することができる。pH調整剤としては、例えば、無機酸、有機酸、炭酸塩、炭酸水素塩等を1種又は2種以上使用することができる。無機酸としては、例えば、塩酸、リン酸等が挙げられ、有機酸としては、例えば、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、リン酸、フィチン酸、酢酸、アスコルビン酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上を挙げることができる。なお、塩としては、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属塩を挙げることができる。また、炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩が挙げられる。炭酸水素塩としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩、炭酸水素カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸水素塩を挙げることができる。なお、pH調整剤の使用量は、その種類に応じて所望のpHになるように適宜決定することができる。
本発明の容器詰飲料は、Brix(20℃)が3%以下であるが、生理機能の観点から、1.5%以下が好ましく、1%以下がより好ましく、0.8%以下が更に好ましく、0.6%以下が殊更に好ましく、またコク付与の観点から、0.01%以上が好ましく、0.05%以上がより好ましく、0.1%以上が更に好ましく、0.35%以上が殊更に好ましい。かかるBrix(20℃)の範囲としては、好ましくは0.01〜1.5%であり、より好ましくは0.05〜1%であり、更に好ましくは0.1〜0.8%であり、殊更に好ましくは0.35〜0.6%である。ここで、本明細書において「Brix」とは、糖用屈折計を利用して測定した値であり、20℃のショ糖水溶液の質量百分率に相当する値である。また、20℃におけるショ糖水溶液の屈折率を基準として、試料の屈折率より算出される可溶性固形分濃度を意味する。具体的には後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の容器詰飲料は、所望により香料、ビタミン、ミネラル、エステル、色素、酸化防止剤、乳化剤、甘味料、保存料、調味料、果汁エキス、野菜エキス、花蜜エキス、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を含有することができる。これら添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができる。
本発明の容器詰飲料は、例えば、成分(A)及び(B)、所望により他の成分を配合し、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の含有量、質量比[(B) /(A) ]、質量比[(D) /(A) ]、非エピ率、Brix並びにpHを特定範囲内に調整することにより製造することができる。
成分(B)は、例えば、緑茶葉、烏龍茶葉、紅茶葉に含まれているが、中でも、非重合体カテキン類を豊富に含む点で、緑茶葉由来のものが好ましい。成分(B)は、例えば、緑茶抽出物の形態で含有させることができる。緑茶葉としては、例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等が挙げられる。緑茶葉は、1種又は2種以上を使用することが可能であり、また火入れ加工が施されていてもよい。中でも、非エピ体率の制御のしやすさから、緑茶葉中でも弱め火入れ加工煎茶と焙じ茶との組み合わせが好ましい。
抽出方法としては、ニーダー抽出、攪拌抽出(バッチ抽出)、向流抽出(ドリップ抽出)、カラム抽出等の公知の方法を採用することができる。また、緑茶抽出物として、市販品を使用してもよく、三井農林社製の「ポリフェノン」、伊藤園社製の「テアフラン」、太陽化学社製の「サンフェノン」等を挙げることができる。更に、緑茶抽出物として、緑茶抽出物の濃縮物や精製物を使用することもできる。ここで、茶抽出物の濃縮物とは、茶抽出物から溶媒の一部を除去して非重合体カテキン類濃度を高めたものであり、濃縮方法として、例えば、常圧濃縮、減圧濃縮、膜濃縮等を挙げることができる。また、茶抽出物の精製物とは、茶抽出物又はその濃縮物を精製して非重合体カテキン類の純度を高めたものであり、例えば、特開2004−147508号公報、特開2004−149416号公報、特開2006−160656号公報、特開2007−282568号公報、特開2008−079609号公報等に記載の方法を採用することができる。
また、本発明の容器詰飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填することができる。
本発明の容器詰飲料は、加熱殺菌されていてもよい。加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されるものではない。例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)等を挙げることができる。また、容器詰飲料の容器の種類に応じて加熱殺菌法を適宜選択することも可能であり、例えば、金属缶のように、飲料を容器に充填後、容器ごと加熱殺菌できる場合にあってはレトルト殺菌を採用することができる。また、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、飲料をあらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えば65〜130℃で0.1秒〜30分間加熱殺菌し、無菌環境下で殺菌処理した容器に充填するアセプティック充填や、ホットパック充填等を採用することができる。
1.ヘスペリジン及びヘスペリジン糖付加物の分析
純水で溶解希釈し、メンブランフィルターにてろ過した試料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式CBM−20A)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(CADENZA CD‐C18、4.6mm、φ×250mm:Imtakt社製)を装着し、カラム温度40℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.05mol/L含有する蒸留水溶液、B液はアセトニトリルとし、流速は1mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。なお、グラジエント条件は以下の通りである。
濃度勾配条件(体積%)
時間 溶離液A 溶離液B
0分 85% 15%
20分 80% 20%
35分 10% 90%
50分 10% 90%
50.1分 85% 15%
60分 85% 15%
2.非重合体カテキン類及びカフェインの分析
純水で溶解希釈した試料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式CBM−20A)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相C液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、D液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、流速は1mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。なお、グラジエント条件は以下の通りである。
濃度勾配条件(体積%)
時間 C液濃度 D液濃度
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
60分 97% 3%
3.Brixの測定
20℃における試料のBrixを、糖用屈折計(Atago RX-5000、Atago社製)を用いて測定した。
4.濁度の測定
20℃において均一混合直後の試料の濁度を、濁度計(Turbidimeter/TN-100 EUTECH INSTRUMENTS社製)を用いて、波長範囲850nm、90°透過散乱比較方式で測定した。
5.非エピ率の計算
2.にて測定した、8種類の非重合体カテキン類の各含有量に基づき、下記式により計算した。
非エピ率(質量%)= X/Y×100
(式中、Xはカテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレートの総量(質量%)であり、Yはカテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートの総量(質量%)である。)
6.官能評価
各容器詰飲料の「飲用直後の舌先の刺激感」、「渋味の余韻」及び「茶の香り」について、3名の専門パネルが下記の基準により評価し、その後協議により最終評点を決定した。なお、表3においては、「異味」についても下記の基準により評価し、その後協議により最終評点を決定した。
1)飲用直後の舌先の刺激感の評価基準
4:弱い
3:やや弱い
2:やや強い
1:強い
2)渋味の余韻の評価基準
4:良い
3:やや良い
2:やや悪い
1:悪い
3)茶の香りの評価基準
4:強い
3:やや強い
2:やや弱い
1:弱い
4)異味の評価基準
4:弱い
3:やや弱い
2:やや強い
1:強い
調製例1
緑茶抽出物Aの製造
弱め火入れ加工煎茶及び焙じ茶を20:80でブレンドした原料茶葉30gを70℃のイオン交換水900gで5分間、攪拌抽出し、その後金網により濾過して、茶殻を取り除いた後、さらに、この抽出液を2号ろ紙で吸引濾過して、緑茶抽出物Aを得た。緑茶抽出物Aは、非重合体カテキン類の含有量が0.223質量%であり、カフェインの含有量が0.055質量%であった。
調製例2
緑茶抽出物Bの製造
弱め火入れ加工煎茶及び焙じ茶を65:35でブレンドした原料茶葉30gを70℃のイオン交換水900gで4分間、攪拌抽出し、その後金網により濾過して、茶殻を取り除いた後、さらに、この抽出液を2号ろ紙で吸引濾過して、緑茶抽出物Bを得た。緑茶抽出物Bは、非重合体カテキン類の含有量が0.114質量%であり、カフェインの含有量が0.040質量%であった。
調製例3
緑茶抽出物Cの製造
弱め火入れ加工煎茶及び焙じ茶を73:27でブレンドした原料茶葉30gを70℃のイオン交換水900gで4分間、攪拌抽出し、その後金網により濾過して、茶殻を取り除いた後、さらに、この抽出液を2号ろ紙で吸引濾過して、緑茶抽出物Cを得た。緑茶抽出物Cは、非重合体カテキン類の含有量が0.094質量%であり、カフェインの含有量が0.037質量%であった。
実施例1〜8及び比較例1〜2
表1に示す各成分を計り取り、イオン交換水に混合溶解し、次いで重曹でpHを表1に示す数値に調製し、イオン交換水で100gに調製して、UHT殺菌しPETボトルに充填した。得られた容器詰飲料の分析結果、評価結果を表1に示す。
比較例3
表1に示す各成分を計り取り、イオン交換水に混合溶解し、次いで重曹でpHを表1に示す数値に調製し、イオン交換水で100gに調製して、PETボトルに充填した。得られた容器詰飲料の分析結果、評価結果を表1に示す。
Figure 0006474442
実施例9及10
表2に示す各成分を計り取り、イオン交換水に混合溶解し、次いで重曹でpHを表2に示す数値に調製し、イオン交換水で100gに調製して、UHT殺菌しPETボトルに充填した。得られた容器詰飲料の分析結果、評価結果を、実施例6の結果とともに表2に示す。
Figure 0006474442
比較例4
表3に示す各成分を計り取り、イオン交換水に混合溶解し、次いで重曹でpHを6に調製し、イオン交換水で100gに調製して、UHT殺菌し、その後クエン酸でpHを表3に示す数値に調製し、PETボトルに充填した。得られた容器詰飲料の分析結果、評価結果を、実施例2、3の結果とともに表3に示す。
比較例5
表3に示す各成分を計り取り、イオン交換水に混合溶解し、次いで重曹でpHを表3に示す数値に調製し、イオン交換水で100gに調製して、UHT殺菌しPETボトルに充填した。得られた容器詰飲料の分析結果、評価結果を、実施例2、3の結果とともに表3に示す。
Figure 0006474442
表1〜3から、高濃度のヘスペリジン糖付加物等を含み、かつ低Brixの容器詰飲料に対し、非エピ率が特定範囲内に制御された非重合体カテキン類を特定量含有させ、該非重合体カテキン類とヘスペリジン糖付加物等との量比及びpHを特定範囲内に制御することにより、飲用直後の舌先の刺激感を抑制できるだけでなく、渋味の余韻、茶の香りに優れた容器詰飲料が得られることがわかる。

Claims (6)

  1. 緑茶抽出物を含む容器詰飲料であって、
    次の成分(A)及び(B);
    (A)ヘスペリジン及びヘスペリジン糖付加物から選択される少なくとも1種 0.01〜0.27質量%、及び、
    (B)非エピ率が30〜60質量%である非重合体カテキン類 0.01〜0.15質量%
    を含有し、
    成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.1〜2.5であり、
    Brixが3%以下であり、かつ
    pH5.5〜7である、容器詰飲料。
  2. 更に成分(D)としてカフェインを含有する、請求項1記載の容器詰飲料。
  3. 成分(D)の含有量が0.0001〜0.05質量%である、請求項2記載の容器詰飲料。
  4. 成分(A)と成分(D)との質量比[(D)/(A)]が0.0008〜0.8である、請求項2又は3記載の容器詰飲料。
  5. 濁度が800NTU以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
  6. 更にpH調整剤を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
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