JP5621010B2 - ヘスペリジン含有飲料及びその製造方法、並びにヘスペリジン含有飲料の香味劣化防止方法 - Google Patents
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Description
また、これらの目的を複数兼ね備えた複合的な飲料も存在し、飲料の原材料についても、コーヒー、茶葉の他、果汁、野菜汁、及び乳由来成分等、様々な素材、成分が用いられている。
また、近年においては、所定の機能性成分を含有し、継続的に飲用することによって、当該成分が有する生理活性機能が発揮され得る機能性飲料も多種上市されており、これに対する注目度も高まっている。
ヘスペリジンは、温州みかんなどの柑橘系果実類に多く含まれるフラボノイドの一種であり、ビタミン類とは異なる物質ではあるが、ビタミンに近い挙動をとることから、所謂ビタミン様物質と称されている物質の一つであり、慣用的にはビタミンPと称されることもある。
ヘスペリジンの生理活性機能としては、継続摂取によって中性脂肪の低下作用、毛細血管の強化作用、抗酸化作用、及び血圧降下作用などの多数の機能を有することが知られており、近年においては食品へ添加する機能強化剤としての活用が期待されている。
従来、ヘスペリジンを飲料等に添加する場合の課題として、水への難溶解性があったが、近年、ヘスペリジンにブドウ糖を結合させた糖転移ヘスペリジン(所謂水溶性ヘスペリジン)が開発され、水への溶解度を格段に高めることが可能となった。
上記水溶性ヘスペリジンは、通常のヘスペリジンと比較して水への溶解性が極めて高く、且つヘスペリジンの生理活性を保持していることから、飲食品への添加が容易であるという特徴を有している。
この問題を解決するため、例えば特許文献1においては、飲料中にクエン酸、又はクエン酸含有素材を配合することによって、柑橘類由来のフラボノイド類の不快味(苦味等)を軽減した飲食料が開示されている。
また、特許文献2には、シクロデキストリン及び/又はペプチドを配合することにより、茶の抽出液の苦味を抑制することが開示されている。
更に、特許文献3において、ヘスペリジンと共に所定の割合でリンゴ酸を含有させることによって、水溶性ヘスペリジン特有の不快味(苦味)が低減されたヘスペリジン含有飲料が開示されている。
しかしながら、ヘスペリジン含有飲料には、夏場等、高温の環境下で保管した場合に、絆創膏様の異味・異臭の発生により、品質劣化が懸念されるという別途の問題を有していた。
水溶性ヘスペリジンを含有する飲料であって、飲料中における水溶性ヘスペリジン含有量[H](mg/L)とラクトン類の合計含有量[L](mg/L)の比、[L]/[H]が0.0008〜0.0061であることを特徴とするヘスペリジン含有飲料(発明1)。
(2)
前記水溶性ヘスペリジンの含有量[H](mg/L)が、390〜1900であることを特徴とする1のヘスペリジン含有飲料(発明2)。
(3)
前記水溶性ヘスペリジンが、モノグルコシルヘスペリジンであることを特徴とする1又は2いずれかのヘスペリジン含有飲料(発明3)
(4)
前記ラクトン類の含有量[L](mg/L)が、0.5〜4.7であることを特徴とする1〜3いずれかのヘスペリジン含有飲料(発明4)。
(5)
前記ラクトン類合計含有量は、γ−デカラクトン、δ−デカラクトン、及びγ−ウンデカラクトンの含有量合計量であることを特徴とする1〜4いずれかのヘスペリジン含有飲料(発明5)。
(6)
前記ラクトン類がウメ香料由来であることを特徴とする1〜5いずれかのヘスペリジン含有飲料(発明6)。
(7)
容器詰飲料であることを特徴とする1〜6いずれかのヘスペリジン含有飲料(発明7)。
(8)
炭酸飲料であることを特徴とする1〜7いずれかのヘスペリジン含有飲料(発明8)。
(9)
加温販売が可能であることを特徴とする1〜8いずれかのヘスペリジン含有飲料(発明9)。
(10)
ヘスペリジン含有飲料の製造方法であって、飲料中における水溶性ヘスペリジン含有量[H](mg/L)とラクトン類の合計含有量[L](mg/L)の比、[L]/[H]が0.0008〜0.0061となるように調整することを特徴とするヘスペリジン含有飲料の製造方法(発明10)。
(11)
前記ラクトン類合計含有量は、γ−デカラクトン、δ−デカラクトン、及びγ−ウンデカラクトンの含有量合計量であることを特徴とする10のヘスペリジン含有飲料の製造方法(発明11)。
(12)
ヘスペリジン含有飲料の香味劣化防止方法であって、飲料中における水溶性ヘスペリジン含有量[H](mg/L)とラクトン類の合計含有量[L](mg/L)の比、[L]/[H]が0.0008〜0.0061となるように調整することを特徴とするヘスペリジン含有飲料の香味劣化防止方法(発明12)。
(13)
前記ラクトン類合計含有量は、γ−デカラクトン、δ−デカラクトン、及びγ−ウンデカラクトンの含有量合計量であることを特徴とする13のヘスペリジン含有飲料の香味劣化防止方法(発明13)。
なお、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲で、他の形態を取ることも可能である。
ヘスペリジンは、アグリコンであるヘスペレチンに、糖部分としてルチノースが結合したフラボン配糖体(フラボノイド)である。
上述の通り、ヘスペリジンは、ほとんど水には溶解しないことから、そのまま飲料に添加することは難しいため、本願においては水への溶解度を高めた水溶性ヘスペリジンを用いる。
本実施形態で用いた水溶性ヘスペリジンとしては、主に柑橘類から抽出精製したヘスペリジンを、糖転移酵素処理することによって水溶性を高めた糖転移ヘスペリジンを用いることができる。
糖転移ヘスペリジンは、ヘスペリジンの糖部分(ルチノース部分)の水酸基に作用する加水分解酵素によって、別の糖類を結合させた構造を有し、本実施形態における糖転移ヘスペリジンは、結合させる別の糖類として、例えばグルコース等を付加したもの等であってもよい。
本発明で用いられる水溶性ヘスペリジンは、水溶性の高さの観点から、グルコシルヘスペリジンであることが好ましく、モノグルコシルへスペリジンであることがより好ましい。
このような水溶性ヘスペリジンとしては、市販の水溶性ヘスペリジン精剤を使用することが可能であり、例えば、株式会社林原から販売されている商品名「ヘスペリジンS」を使用することができる。
水溶性ヘスペリジン含有量が1900mg/Lを超過した場合、ラクトン類の添加による香味調整が難しくなり、390mg/L未満となった場合、本願に係る異味・異臭発生の効果は得られるものの、ヘスペリジンの生理活性機能が十分ではなくなる虞がある。
また、本実施形態においては、ラクトン類の添加は、香料であるウメ香料の添加によって行うことができる。
なお、ウメ香料については市販の香料を適宜選択することが可能であり、具体的には、ラクトン類の含有量が異なる複数種の市販品を準備し、これらを用いて、適宜添加量を変化させることによって、飲料中の各ラクトン類の含有量(mg/L)を調整することができる。
なお、上記成分を含有する香料であれば、ウメ香料以外であっても、同様の香気成分を有する、例えば、ピーチ等の香料を利用することもできる。
本実施形態において、ラクトン類の含有量(mg/L)については、後述の水溶性ヘスペリジンの含有量との比率要件を満たす限り特に制約はないが、γ−デカラクトン、δ−デカラクトン、及びγ−ウンデカラクトンの含有量合計が0.5〜4.7の範囲であることが望ましく、0.65〜4.65の範囲であることがより望ましく、0.7〜3.3であることが更に望ましく、0.85〜3.3であることが更に望ましい。0.5未満ではラクトン類による異味・異臭発生の抑制効果が十分に得られない虞があり、4.7を超えると、ヘスペリジンの高温環境下での保管による絆創膏様の異味・異臭とは別に苦味の発生による劣化が生じ易くなる。
比率が0.0008未満の場合、ラクトン類による異味・異臭発生の抑制効果が十分に得られず、0.0061を超過した場合には、絆創膏様の異味・異臭とは別に苦味の発生による劣化が生じる。
また、本実施形態においては、ヘスペリジン含有飲料に、本願発明の作用効果を阻害しない範囲において、通常、飲料に使用される他の配合物を添加することもできる。例えば、糖類、アセスルファムカリウムやスクラロース等の高甘味度甘味料、果汁、野菜汁、酸味料、香料、ビタミン類、ミネラル類、薬効成分、ハーブ成分等を配合することができる。
その中で、前述したヘスペリジンの生理活性機能を発揮させる機能性飲料に特に好適である。
本実施形態において、水溶性ヘスペリジンとしてモノグルコシルヘスペリジンを使用した場合の、モノグルコシルヘスペリジン含有量の測定方法を説明する。
測定対象試料を水/アセトニトリル/酢酸混液(80:20:0.01)で適宜希釈し試料溶液とした。定量には乾燥したモノグルコシルヘスペリジン標準品を水/アセトニトリル/酢酸混液(80:20:0.01)で溶解し、標準溶液とした。
試料溶液と標準溶液を、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過し、10μLを次の条件で液体クロマトグラフィーを行った。
[HPLC条件]
・検出:測定波長280nmの紫外吸光光度計
・カラム:CapcellpakC18UG120 4.6 mm×250 mm(資生堂製)を用いた。
・カラム温度:40℃
・移動相:水/アセトニトリル/酢酸混液(80:20:0.01)
・流速:1mL/min
本実施形態におけるラクトン類の含有量の測定方法を説明する。
試料の調整は、サンプルに対して同量のアセトンを加え、さらに飽和量の塩化ナトリウムを加え、攪拌後分離したアセトン層中の香気成分を測定した。
香気成分の測定は、GC−MS(ガスクロマトグラフ質量分析装置((AgilentTechnologies5975C))によって行った。
[GC−MS条件]
・カラム:DB-WAX30m×0.25mm×0.25μm
・オーブン温度:50℃(1min)−10℃/min−240℃(4min)
・注入口:250℃、スプリットレスモード
・キャリアガス:1.6mL/min(ヘリウム)
また、本実施形態にあっては、ヘスペリジン含有飲料を炭酸飲料とすることもできる。
この場合、添加する二酸化炭素のガスボリュームは、1.0以上4.0未満が望ましく、1.5〜3.3がより望ましく、2.2〜3.3が更に望ましい。
本実施形態におけるガスボリュームとは、1気圧15.6℃において、炭酸飲料中に溶解している炭酸ガスの体積を炭酸飲料の体積で割ったものをいう。ボリュームが前記範囲内であることで、炭酸ガスによる適度な清涼感や爽快感等を得ることができる。
ガスボリュームの調製は、常法に従ってカーボネーターにて炭酸を一定量封入することによって達成することができる。
本実施形態に係るヘスペリジン含有飲料のpHは6.5以下であるのが好ましく、2.0〜4.5であるのがより好ましく、3.0〜4.0であるのが更に好ましい。飲料のpHが前記範囲であれば、香味を損なうことなくほどよい酸味を与えることができる。pHの調製は、pH調整剤の添加等、公知の方法を用いて行うことが可能である。
本実施形態に係るヘスペリジン含有飲料は、容器に充填した形態で提供することができる。当該容器としては、例えば、金属缶、PETボトル、ガラスビン等が挙げられる。
(比較例試料1、及び実施例試料1、2の製造)
イオン交換水に、水溶性ヘスペリジンとしてヘスペリジンS(株式会社林原製)、クエン酸(扶桑化学工業株式会社製)、果糖ぶどう糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製)を、各成分の最終含有量が、夫々表1に示す値となるように添加し、その上で、香料非添加の試料を比較例試料1ウメ香料Aを適宜添加したものを夫々実施例試料1、実施例試料2とした。
得られた試料は、95℃に達するまで加熱殺菌し、200mLのPET容器に充填した後に冷却した。
まず、製造直後、以下の評点基準に従い、ヘスペリジン特有の異味・異臭につき4段階で香味評価を実施し、その後、各試料を、45℃恒温槽、及び60℃恒温槽に入れ、夫々の温度環境下において2週間保管後、保管温度毎に絆創膏様の異味・異臭の発生について、以下の評価項目に基づいて香味評価を行った。
なお、香味評価は、7人のパネラーによって実施し、最も多い評価を採用した。
(1)製造直後による香気評価
(評点)
◎:ヘスペリジン特有の異味・異臭が認められず、極めて香味良好である。
○:ヘスペリジン特有の異味・異臭がほとんどなく、香味良好である。
△:ヘスペリジン特有の異味・異臭がやや感じられる。
×:ヘスペリジン特有の異味・異臭が感じられ、飲用に適さない。
(2)高温の環境下の保管後の香気評価
◎:高温環境下の保管による劣化が認められない。
○:絆創膏様の異味・異臭がほとんどなく、良好な香味が維持されている。
△:絆創膏様の異味・異臭がわずかに感じられるが、飲用に問題はない。
×:絆創膏様の異味・異臭が感じられ、飲用に適さない。
上記の評価結果を表1に示す。
ウメ香料非添加の比較例試料1では、45℃2週間保管、及び60℃2週間保管とも、著しい香味劣化が認められ、飲用に適さない状態となった。
一方、実施例試料1、2においては香味劣化が認められなかった。このことから、ラクトン類が、高温の環境下での保管によって発生する水溶性ヘスペリジンの絆創膏様の異味・異臭を抑制する効果を有していることが確認された。
(比較例試料1〜5、及び実施例試料1〜7の調整)
ウメ香料A〜Fを用いて、各成分の最終含有量が表2の含有量となるようにして、それぞれ比較例試料1〜5及び実施例試料1〜7を調整した。
得られた試料は、95℃に達するまで加熱殺菌し、200mLのPET容器に充填した後に冷却した。
まず、製造直後、試験1と同様の評価項目により香味評価を実施し、その後、各試料を、60℃恒温槽に入れて2週間保管後、絆創膏様の異味・異臭の発生について香味評価を行った。
尚、各試料において、香料の添加量以外の調製については、試験1と同様の方法により行った。また、評価基準についても試験1同様である。
なお、以後、既述の試料番号と同一の番号の比較例試料、及び実施例試料は、同一の試料であることを示している。
上記の評価結果を表2に示す。
香料非添加の比較例試料1では、60℃2週間保管により、著しい香味劣化が認められ、飲用に適さなくなった。
一方、ラクトン含有量(3種計)が0.62〜4.69 mg/Lの範囲にある、実施例試料1〜7は、高温の環境下の保管によって発生する、絆創膏様の異味・異臭が抑制されていた。
また、ラクトン類が含まれていない比較例試料5は比較例試料1と同様に、著しい香味劣化が認められた。
一方、ラクトン含有量(3種計)が6.98mg/L以上である比較例試料2〜4では、60℃2週間の保管により、絆創膏様の異味・異臭とは異なる劣化(苦味の発生)が認められ、飲用に適さなくなった。
以上の結果から、モノグルコシルヘスペリジン含有量が770mg/Lの飲料においては、ラクトン類の含有量(3種計)を0.62〜4.69に調整することで、高温の環境下の保管により発生する絆創膏様の異味・異臭を抑制できることが明らかとなった。
(比較例試料1、6〜7及び実施例試料8の製造)
レモン香料G、ピーチ香料Hを用いて、各成分の最終含有量が表3の含有量となるようにして、比較例試料6〜7及び実施例試料8を調整した。
得られた試料は、95℃に達するまで加熱殺菌し、200mLのPET容器に充填した後に冷却した。
まず、製造直後、試験1と同様の評価項目により香味評価を実施し、その後、各試料を、60℃恒温槽に入れて2週間保管後、絆創膏様の異味・異臭の発生について香味評価を行った。
尚、各試料において、香料の添加量以外の調製については、試験1と同様の方法により行った。また、評価基準についても試験1同様である。
上記の評価結果を表3に示す。
一方で、ラクトン含有量(3種計)が上記の範囲外である比較例6、7では、60℃2週間保管によって、香味が劣化して飲用に適さなくなった。
このことより、水溶性ヘスペリジン含有量とラクトン含有量の比、及びラクトン類の含有量等が本願発明の要件を満たしていれば、ウメ香料以外の香料においても、同様の異味・異臭抑制効果が得られることが確認された。
従って、ウメフレーバー以外のフレーバー展開も可能である。
(実施例試料9の製造)
水溶性ヘスペリジンとしてヘスペリジンS(株式会社林原製)、クエン酸(扶桑化学工業株式会社製)、高甘味度甘味料であるアセスルファムカリウム(株式会社アグロケミ製)、及びスクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)、ウメ香料Aを用いて、各成分の最終含有量が表4の含有量となるように調整して、実施例試料9を製造した。
得られた試料は、95℃に達するまで加熱殺菌し、200mLのPET容器に充填した後に冷却した。
まず、製造直後、試験1と同様の評価項目により香味評価を実施し、その後、各試料を、60℃恒温槽に入れて2週間保管後、絆創膏様の異味・異臭の発生について香味評価を行った。
尚、実施例試料9において、上述以外の調製については、試験1と同様の方法により行った。また、評価基準についても試験1同様である。
上記の評価結果を表4に示す。
実施例試料9は、果糖ブドウ糖等の天然甘味料の代わりに、高甘味度甘味料を使用したノンカロリーの試料であるが、他の実施例と同様、水溶性ヘスペリジン及びラクトン類の含有量が本願発明の要件を満たすことによって高温の環境下の保管による絆創膏様の異味・異臭を抑制できることが確認された。
従って、本願発明は、ノンカロリー飲料にも広く適用が可能である。
(比較例試料8及び実施例試料10〜13の製造)
ウメ香料Aを用いて、各成分の最終含有量が表5の含有量となるようにして、比較例試料8及び実施例試料10〜13を調整した。
得られた試料は、95℃に達するまで加熱殺菌し、200mLのPET容器に充填した後に冷却した。
まず、製造直後、試験1と同様の評価項目により香味評価を実施し、その後、各試料を、60℃恒温槽に入れて2週間保管後、絆創膏様の異味・異臭の発生について香味評価を行った。
尚、各試料において、香料の添加量以外の調製については、試験1と同様の方法により行った。また、評価基準についても試験1同様である。
上記の評価結果を表5に示す。
水溶性ヘスペリジンであるモノグルコシルヘスペリジン含有量が1844mg/L以下である実施例試料10〜13は、ラクトン類の含有量(3種計)は1.3〜1.9(mg/Lであり、本願発明の要件を満たしており、高温の環境下の保管により生じる絆創膏様の異味・異臭の抑制効果が得られることが確認された。
一方、モノグルコシルヘスペリジン含有量及びラクトン類の含有量との比が夫々本願発明の要件から逸脱している比較例試料8については、ラクトン類による水溶性ヘスペリジンの異味・異臭の抑制効果が認められなかった。
なお、モノグルコシルヘスペリジン含有量が396mg/L未満においては、水溶性ヘスペリジンの異味・異臭の抑制効果は得られるものの、水溶性ヘスペリジンの十分な生理機能が得られない可能性があることから、本実施例においてはモノグルコシルヘスペリジン含有量は、390〜1900mg/L程度に調整することが望ましいと確認された。
(比較例試料9及び実施例試料14〜17の製造)
飲料中の終含有量が表6に示す含有量となるように、ヘスペリジンS(株式会社林原製)、クエン酸(扶桑化学工業株式会社製)、果糖ぶどう糖液糖(日本コーンスターチ株式会社製)(比較例試料9及び実施例試料14〜15、17)、アセスルファムカリウム(株式会社アグロケミ)(実施例試料16)、スクラロース(三栄源)(実施例試料16)、ウメ香料A(実施例試料14〜16、ピーチ香料H(実施例試料17)を純水に溶解させた水溶液を、98℃約5秒の殺菌を行い、その後5℃まで冷却した。
得られた飲料原液に対して、後殺菌後に炭酸ガスボリュームが約2.7になるよう、無添加炭酸水によって規定量にメスアップし、洗浄殺菌済みの280mL容PETボトルに充填し、その後、コールドスポットで65℃10分が確保できる後殺菌を行った。
上記以外の調製方法と香味評価方法、及び評価基準は試験1と同様に行った。
まず、製造直後、試験1と同様の評価項目により香味評価を実施し、その後、各試料を、45℃恒温槽で2週間保管し、水溶性ヘスペリジンの劣化による絆創膏様の異味・異臭の香味評価を行った。
上記の評価結果を表6に示す。
飲料を炭酸飲料とした場合であっても、試験1〜5で得られた非炭酸飲料の試験結果と同様に、添加したラクトン類が、高温の環境下の保管によって生じる、水溶性ヘスペリジンの絆創膏様の異味・異臭を抑制することが確認された。
従って、本実施例は、飲料が炭酸飲料である場合であっても好適である。
Claims (10)
- 水溶性ヘスペリジンを含有する飲料であって、
飲料中における水溶性ヘスペリジン含有量[H](mg/L)に対するγ−デカラクトン、δ−デカラクトン、及びγ−ウンデカラクトンの含有量合計量[L](mg/L)の比 [L]/[H]が0.0008〜0.0061であることを特徴とするヘスペリジン含有飲料。 - 前記水溶性ヘスペリジンの含有量[H](mg/L)が、390〜1900あることを特徴とする請求項1に記載のヘスペリジン含有飲料。
- 前記水溶性ヘスペリジンが、モノグルコシルヘスペリジンであることを特徴とする請求項1又は2いずれか1項に記載のヘスペリジン含有飲料。
- 前記γ−デカラクトン、δ−デカラクトン、及びγ−ウンデカラクトンの含有量合計量[L](mg/L)が、0.5〜4.7であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のヘスペリジン含有飲料。
- 前記γ−デカラクトン、δ−デカラクトン、及びγ−ウンデカラクトンがウメ香料由来であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のヘスペリジン含有飲料。
- 容器詰飲料であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のヘスペリジン含有飲料。
- 炭酸飲料であることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載のヘスペリジン含有飲料。
- 加温販売が可能であることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載のヘスペリジン含有飲料。
- ヘスペリジン含有飲料の製造方法であって、
飲料中における水溶性ヘスペリジン含有量[H](mg/L)に対するγ−デカラクトン、δ−デカラクトン、及びγ−ウンデカラクトンの含有量合計量[L](mg/L)の比 [L]/[H]が0.0008〜0.0061となるように調整することを特徴とするヘスペリジン含有飲料の製造方法。 - ヘスペリジン含有飲料の香味劣化防止方法であって、
飲料中における水溶性ヘスペリジン含有量[H](mg/L)に対するγ−デカラクトン、δ−デカラクトン、及びγ−ウンデカラクトンの含有量合計量[L](mg/L)の比 [L]/[H]が0.0008〜0.0061となるように調整することを特徴とするヘスペリジン含有飲料の香味劣化防止方法。
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