JP2018000192A - 非重合体カテキン類含有飲料 - Google Patents

非重合体カテキン類含有飲料 Download PDF

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Abstract

【課題】高濃度の非重合体カテキン類を含有するにも拘わらず、渋味の抑制された非重合体カテキン類含有飲料の提供。【解決手段】(A)ガレート型非重合体カテキン類0.001〜0.8質量%及び(B)バラ科植物果実果汁を含有する、ガレート型非重合体カテキン類含有飲料。バラ科植物がサクラ亜科であることが好ましい前記ガレート型非重合体カテキン類含有飲料。更にガス容量で1〜3v/vの炭酸ガスを含有し、pHが2〜7であることが好ましい前記ガレート型非重合体カテキン類含有飲料。成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.7〜500であり、成分(B)の含有量が0.01〜20質量%であることが好ましい前記ガレート型非重合体カテキン類含有飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、非重合体カテキン類含有飲料、中でもガレート型非重合体カテキン類を含有する飲料に関する。
非重合体カテキン類はポリフェノールの一種であり、抗酸化作用を始め様々な生理作用を有することが知られている。しかしながら、高濃度の非重合体カテキン類を含有する飲料は、非重合体カテキン類由来の渋味が強過ぎて不快感ないし嫌悪感を伴うことがある。ここで、渋味とは、味覚受容体で知覚される苦味とは異なり、味蕾や味細胞以外の、口腔内全体の粘膜の収縮によって知覚される口中がしびれるような感覚であり、「味覚」には含まれない感覚である。そして、渋味は、渋味物質を連続的に経口摂取すると、口腔中の渋味の感覚が蓄積して強くなっていく。一方、苦味は、苦味物質を連続的に経口摂取しても、このような蓄積は起こらない。このように、渋味と苦味が全く異なる感覚であることは当業者にとっては通常知られていることである。
従来、不快な渋味を抑制する手段について種々検討されており、例えば、リンゴポリフェノール由来の渋味の抑制には、グレープフルーツ果汁又はライム果汁が有効であり、洋ナシ果汁では効果がないとの報告がある(特許文献1)。
特開2002−95450号公報
本発明の課題は、高濃度の非重合体カテキン類を含有するにも拘わらず、渋味の抑制された非重合体カテキン類含有飲料を提供することにある。
本発明者らは、非重合体カテキン類の渋味の抑制について検討を行った。その結果、ガレート型非重合体カテキン類の渋味の抑制には、バラ科植物果実果汁が有効であることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の成分(A)及び(B)を含有する、ガレート型非重合体カテキン類含有飲料を提供するものである。
(A)ガレート型非重合体カテキン類 0.001〜0.8質量%
(B)バラ科植物果実果汁
本発明はまた、0.001〜0.8質量%の(A)ガレート型非重合体カテキン類に、(B)バラ科植物果実果汁を添加する、ガレート型非重合体カテキン類の渋味抑制方法を提供するものである。
本発明は更に、バラ科植物果実果汁を有効成分とする、ガレート型非重合体カテキン類の渋味抑制剤を提供するものである。
本発明は更にまた、(B)バラ科植物果実果汁を、該果汁の味が知覚されない量且つ渋味を抑制するための有効量にて、(A)ガレート型非重合体カテキン類を含有する経口製品へ配合することを特徴とする、ガレート型非重合体カテキン類の渋味の抑制された経口製品の製造方法を提供するものである。
本発明はまた更に、(B)バラ科植物果実果汁を、該果汁の味が知覚されない量且つ渋味を抑制するための有効量にて、(A)ガレート型非重合体カテキン類を含有する経口製品へ配合することを特徴とする、経口製品の渋味抑制方法を提供するものである。
本発明はまた、(B)バラ科植物果実果汁を有効成分とし、該果汁の味が知覚されない量且つ渋味を抑制するための有効量にて、(A)ガレート型非重合体カテキン類を含有する経口製品へ配合するための、渋味抑制剤を提供するものである。
本発明によれば、高濃度のガレート型非重合体カテキン類を含有するにも拘わらず、渋味の抑制された飲料や経口製品を提供することができる。したがって、本発明はガレート型非重合体カテキン類を長期に亘って継続して摂取するのに適しており、種々の生理効果を十分に期待できる。
〔ガレート型非重合体カテキン類含有飲料〕
本発明の飲料は、成分(A)としてガレート型非重合体カテキン類を含有する。ここで、本明細書において「ガレート型非重合体カテキン類」とは、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートを併せての総称である。本発明においては、上記4種のガレート型非重合体カテキン類のうち少なくとも1種を含有すればよい。
本発明の飲料中の成分(A)の含有量は0.001〜0.8質量%であるが、ガレート型非重合体カテキン類の高濃度化や生理効果の観点から、0.005質量%以上が好ましく、0.008質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上が更に好ましく、またより一層の渋味抑制の観点から、0.7質量%以下が好ましく、0.6質量%以下がより好ましく、0.4質量%以下が更に好ましい。成分(A)の含有量の範囲としては、本発明の飲料中に、好ましくは0.005〜0.7質量%であり、より好ましくは0.008〜0.6質量%であり、更に好ましくは0.03〜0.4質量%である。なお、成分(A)の含有量は、上記4種のガレート型非重合体カテキン類の合計量に基づいて定義され、例えば、液体クロマトグラフィーで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
また、本発明の飲料は、ガレート型非重合体カテキン類の渋味を抑制するために、成分(B)としてバラ科植物果実果汁を含有する。
バラ科植物果実としては、例えば、洋梨、和梨、梅、桃、林檎、杏、スモモ、カリン、枇杷、イチゴ、木イチゴ、蛇イチゴ、プルーン等が挙げられる。バラ科植物果実は、1種又は2種以上使用することが可能であり、2種以上を使用する場合、その配合割合は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜選択することができる。中でも、バラ科植物果実としては、ガレート型非重合体カテキン類の渋味抑制の観点から、サクラ亜科であることが好ましく、例えば、洋梨、和梨、梅、桃、杏、スモモ、プルーン、枇杷、リンゴ及びカリンから選択される1種又は2種以上が好ましく、とりわけナシ属、ビワ属、リンゴ属及びカリン属から選択される1種又は2種以上であることが好ましく、例えば、洋梨、和梨、枇杷、リンゴ及びカリンから選択される1種又は2種以上が好ましく、中でもナシ属であることが好ましく、例えば、洋梨及び和梨から選択される少なくとも1種が更に好ましい。
バラ科植物果実果汁は、常法により製造されたものであれば特に限定されず、バラ科植物果実を、例えば、磨砕器、ミキサー、搾汁器、おろし器、2軸式エクストルダー等の装置を用いて破砕又は圧搾し搾汁として得ても、裏ごしにより皮、種子等を除去して得てもよい。また、市販のバラ科植物果実果汁を用いても構わない。バラ科植物果実果汁は、常法により製造されたものを、そのまま使用しても、濃縮又は水希釈して使用してもよく、また遠心分離、濾過等の手段により清澄果汁としてもよい。
本発明の飲料中の成分(B)の含有量は、ガレート型非重合体カテキン類の渋味抑制の観点から、ストレート換算で0.01質量以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、また風味バランスの観点から、20質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましく、1.5質量%以下が殊更に好ましく、0.8質量%以下が殊更に好ましい。成分(B)の含有量の範囲としては、本発明の飲料中に、ストレート換算で、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.05〜12質量%であり、更に好ましくは0.1〜5質量%であり、殊更に好ましくは0.1〜1.5質量%であり、殊更に好ましくは0.1〜0.8質量%である。この範囲であれば、バラ科植物果実果汁の風味はさほど呈されることなく、ガレート型非重合体カテキン類の渋味を抑制することができる。
ここで、本明細書において「ストレート換算」とは、濃縮も、希釈も行っていない状態に換算した値を意味し、例えば、バラ科植物果実果汁を2倍に濃縮した濃縮物50質量部をストレート換算すると100質量部となる。
本発明の飲料は、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が、ガレート型非重合体カテキン類の渋味抑制の観点から、0.7以上が好ましく、3以上がより好ましく、10以上が更に好ましく、20以上が殊更に好ましく、また風味バランスの観点から、500以下が好ましく、300以下がより好ましく、200以下が更に好ましく、100以下が更に好ましい。かかる質量比[(B)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.7〜500であり、より好ましくは3〜300であり、更に好ましくは10〜200であり、殊更に好ましくは20〜100である。この範囲であれば、バラ科植物果実果汁の風味は呈されることなく、ガレート型非重合体カテキン類の渋味を抑制することができる。
更に、本発明の飲料は、ガレート型非重合体カテキン類の渋味抑制、風味バランスの観点から、成分(C)として有機酸、無機酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上を含有することができる。成分(C)としては、飲食品に使用されるものであれば特に限定されないが、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、乳酸、フマル酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、リン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、アスコルビン酸、リン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、リン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上が更に好ましい。なお、有機酸及び無機酸の塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩を挙げることができる。
本発明の飲料中の成分(C)の含有量は、ガレート型非重合体カテキン類の渋味抑制、風味バランスの観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、そして2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。かかる成分(C)の含有量の範囲としては、本発明の飲料中に、好ましくは0.001〜2質量%であり、より好ましくは0.005〜1質量%であり、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。なお、成分(C)が塩の形態である場合、成分(C)の含有量はその遊離酸量に換算した値とする。成分(C)の分析は、例えば、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、後掲の実施例に記載の有機酸の分析法を挙げることができる。
本発明の飲料は、茶飲料でも、非茶系飲料であってもよい。茶飲料としては、例えば、緑茶飲料、烏龍茶飲料、紅茶飲料が挙げられる。また、非茶系飲料としては、例えば、炭酸飲料、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、栄養ドリンク剤、美容ドリンク剤等の非アルコール飲料や、ビール、ワイン、清酒、梅酒、発泡酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ラム、ジン、リキュール類等のアルコール飲料が挙げられる。なお、飲料の形態は特に限定されず、摂取しやすい形態であれば、液体、ゲル状、スラリー状等のいずれであってもよい。
更に、本発明の飲料は、成分(D)として炭酸ガスを含有することができる。圧入する炭酸ガスは、ガレート型非重合体カテキン類の渋味抑制、風味バランスの観点から、本発明の飲料中に、ガス容量(GV)で1v/v以上が好ましく、1.4v/v以上がより好ましく、1.5v/v以上が更に好ましく、そして3v/v以下が好ましく、2.8v/v以下が好ましく、2.6v/v以下が更に好ましい。本発明の飲料中の成分(D)の含有量の範囲としては、ガス容量比で、好ましくは1〜3v/vであり、より好ましくは1.4〜2.8v/vであり、更に好ましくは1.5〜2.6v/vである。
ここで、本明細書において「ガス容量(GV)」とは、1気圧、0℃における飲料中に溶解している炭酸ガスの容積と飲料の容積比を表す。成分(D)の分析は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
また、本発明の飲料は、テアフラビンを含有していても良いが、本発明においては、飲料中のテアフラビンの含有量が低いことが好ましく、例えば、1ppm未満であると好ましく、100ppb未満であるとより好ましく、10ppb未満であると更に好ましい。なお、テアフラビンは、茶葉の発酵工程等における酸化酵素の働きによって、茶葉に含まれるカテキン類が酸化されることにより生成する成分であり、紅茶飲料や烏龍茶飲料に多く含むとされている。テアフラビンの含有量は、液体クロマトグラフィーで分析することが可能であり、例えば、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の飲料のpHは、ガレート型非重合体カテキン類の渋味抑制、風味バランスの観点から、2以上が好ましく、2.5以上がより好ましく、3以上が更に好ましく、またガレート型非重合体カテキン類の渋味抑制の観点から、7以下が好ましく、6以下がより好ましく、5.5以下が更に好ましい。かかるpHの範囲としては、好ましくは2〜7、より好ましくは2.5〜6、更に好ましくは3〜6、より更に好ましくは3〜5.5である。なお、pHは、20℃に温度調整しpHメータにより測定するものとする。また、飲料中に炭酸ガスが含まれる場合は、飲料約100mLを300mLのビーカーに測りとり、スターラーピースを入れてスターラーで20分間攪拌して、炭酸ガスを取り除いた後、20℃に温度調整をして測定するものとする。
また、本発明の飲料は、所望により、甘味料、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、泡安定剤、エステル、色素、乳化剤、保存料、調味料、香料、野菜エキス、花蜜エキス、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を含有してもよい。なお、添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜選択することができる。
本発明の飲料は、容器詰飲料とすることができる。容器としては通常の包装容器であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等が挙げられる。
更に、本発明の飲料は、加熱殺菌済でもよい。加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されるものではない。例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)、充填後殺菌法(パストリゼーション)等を挙げることができる。
また、加熱殺菌法を適宜選択することも可能であり、例えば、金属缶、瓶のように、飲料を容器に充填後、容器ごと加熱殺菌(例えば60〜140℃、1〜60分)できる場合にあってはレトルト殺菌や充填後殺菌法(パストリゼーション)を採用することができる。充填後殺菌法(パストリゼーション)の場合、例えば65℃で1〜60分間、好ましくは65℃で5〜30分間、更に好ましくは65℃で10〜20分間で加熱殺菌することができる。
また、PETボトルのようにレトルト殺菌できないものについては、飲料をあらかじめ上記と同等の殺菌条件(例えば65〜140℃で0.1秒〜30分間、好ましくは70〜125℃で1秒〜25分間、更に好ましくは75〜120℃で10秒〜20分間)で加熱殺菌し、無菌環境下で殺菌処理した容器に充填するアセプティック充填や、ホットパック充填等を採用することができる。
本発明の飲料は、例えば、(A)ガレート型非重合体カテキン類及び(B)バラ科植物果実果汁、必要により他の成分を配合することにより製造することができる。
(A)ガレート型非重合体カテキン類は、Camellia属の茶葉抽出物の形態で含有させることができる。茶葉としては、例えばC. sinensis var.sinensis(やぶきた種を含む)、C. sinensis var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶葉(Camellia sinensis)が挙げられ、加工方法により、不発酵茶葉、半発酵茶葉、発酵茶葉に分類することができる。不発酵茶葉としては、例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶葉が挙げられる。また、半発酵茶葉としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶葉が挙げられる。更に、発酵茶葉としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶葉が挙げられる。なお、茶葉は1種又は2種以上を用いることができる。中でも、Camellia属の茶葉抽出物としては、ガレート型非重合体カテキン類を豊富に含む点で、緑茶抽出物が好ましい。緑茶抽出物は、常法により製造されたものであれば特に制限はなく、三井農林社製の「ポリフェノン」、伊藤園社製の「テアフラン」、太陽化学社製の「サンフェノン」等の市販品を用いることもできる。緑茶抽出物は、常法により製造されたもの又は市販品を、そのまま使用しても、濃縮又は水希釈して使用してもよく、更に精製して非重合体カテキン類の純度を高めたものを使用しても構わない。精製方法としては、例えば、特開2004−147508号公報、特開2004−149416号公報、特開2007−282568号公報等に記載の方法を挙げることができる。
また、(A)ガレート型非重合体カテキン類は、Camellia属の茶葉抽出物以外に、化学合成品でも、市販品でもよい。(A)ガレート型カテキン類の市販品としては、例えば、テアビゴ(DSMニュートリション社製)等を挙げることができる。
〔渋味抑制方法、渋味抑制剤及び経口製品の製造方法〕
本発明の渋味抑制方法及び渋味抑制剤は、(B)バラ科植物果実果汁を有効成分として含有するものであり、(A)ガレート型非重合体カテキン類を含有する経口製品に適用することができる。また、本発明の渋味の抑制された経口製品の製造方法は、(B)バラ科植物果実果汁を、(A)ガレート型非重合体カテキン類を含有する経口製品へ配合するものである。本発明の渋味抑制としては、成分(A)を連続的に経口摂取したときの渋味の蓄積の抑制に有効である。なお、(A)ガレート型非重合体カテキン類及び(B)バラ科植物果実果汁の具体的構成は、上記において説明したとおりである。
経口製品としては、(A)ガレート型非重合体カテキン類を含有し、かつ経口摂取可能なものであれば特に限定されず、液状でも、固体状でもよい。例えば、(A)ガレート型非重合体カテキン類を含有する、医薬品、医薬部外品又は飲食品等を挙げることができる。
医薬品及び医薬部外品の剤型は特に限定されず、例えば、経口投与用製剤が挙げられ、例えば、カプセル剤、顆粒剤、錠剤、トローチ剤、シロップ剤等の公知の剤型を採用することができる。また、製剤化の際は、賦形剤等の公知の添加剤を配合することができる。なお、医薬品及び医薬部外品は、常法にしたがって製造することができる。
飲食品としては、例えば、(A)ガレート型非重合体カテキン類を含有する飲料、(A)ガレート型非重合体カテキン類が添加された食品を挙げることができる。なお、飲食品は、飲食品の種類に応じて、常法にしたがって製造することができる。
(B)バラ科植物果実果汁の使用量は、果汁の味が知覚されない量であり且つ渋味を抑制するための有効量であるが、渋味物質の種類や渋味強度に応じて適宜設定することができる。
例えば、0.001〜0.8質量%の(A)ガレート型非重合体カテキン類を含有する経口製品(例えば、飲料)において、(B)バラ科植物果実果汁の使用量は、(A)ガレート型非重合体カテキン類に対する質量比[(B)/(A)]として、0.7以上が好ましく、3以上がより好ましく、10以上が更に好ましく、20以上が殊更に好ましく、また風味バランスの観点から、500以下が好ましく、300以下がより好ましく、200以下が更に好ましく、100以下が更に好ましい。かかる質量比[(B)/(A)]の範囲としては、好ましくは0.7〜500であり、より好ましくは3〜300であり、更に好ましくは10〜200であり、殊更に好ましくは20〜100である。
また、かかる(A)ガレート型非重合体カテキン類を含有する経口製品における(B)バラ科植物果実果汁の使用量は、ストレート換算で0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、また風味バランスの観点から、20質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましく、1.5質量%以下が殊更に好ましく、0.8質量%以下が殊更に好ましい。成分(B)の使用量の範囲としては、ストレート換算で、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.05〜12質量%であり、更に好ましくは0.1〜5質量%であり、殊更に好ましくは0.1〜1.5質量%であり、殊更に好ましくは0.1〜0.8質量%である。この範囲であれば、バラ科植物果実果汁の味が知覚されずに、ガレート型非重合体カテキン類の渋味を抑制することができる。ここで、本明細書において「ストレート換算」とは、濃縮も、希釈も行っていない状態に換算した値を意味し、例えば、バラ科植物果実果汁を2倍に濃縮した濃縮物50質量部をストレート換算すると100質量部となる。
なお、経口製品中の(A)ガレート型非重合体カテキン類の含有量は、ガレート型非重合体カテキン類の高濃度化や生理効果の観点から、0.005質量%以上が好ましく、0.008質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上が更に好ましく、またより一層の渋味抑制の観点から、0.7質量%以下が好ましく、0.6質量%以下がより好ましく、0.4質量%以下が更に好ましい。かかる(A)ガレート型非重合体カテキン類の含有量の範囲としては、経口製品中に、好ましくは0.005〜0.7質量%であり、より好ましくは0.008〜0.6質量%であり、更に好ましくは0.03〜0.4質量%である。
また、経口製品中には(A)ガレート型非重合体カテキン類及び(B)バラ科植物果実果汁以外の他の成分が本発明の効果を毀損しない範囲において含まれていてもよく、例えば、テアフラビン及び添加剤の具体的構成は、上記において説明したとおりである。
上記実施形態に関し、本発明は更に以下の飲料、方法及び剤を開示する。
<1>
下記の成分(A)及び(B)を含有する、ガレート型非重合体カテキン類含有飲料。
(A)ガレート型非重合体カテキン類 0.001〜0.8質量%
(B)バラ科植物果実果汁
<2>
0.001〜0.8質量%の(A)ガレート型非重合体カテキン類に、(B)バラ科植物果実果汁を添加する、ガレート型非重合体カテキン類の渋味抑制方法。
<3>
バラ科植物果実果汁を有効成分とする、ガレート型非重合体カテキン類の渋味抑制剤。
<4>
ガレート型非重合体カテキン類が、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートから選択される1種又は2種以上である、前記<1>記載のガレート型非重合体カテキン類含有飲料、前記<2>記載の渋味抑制方法、又は前記<3>記載の渋味抑制剤(以下、「ガレート型非重合体カテキン類含有飲料、渋味抑制方法、又は渋味抑制剤」を「飲料等」と称する。)。
<5>
(A)ガレート型非重合体カテキン類の含有量が、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.008質量%以上、更に好ましくは0.03質量%以上であって、好ましくは0.7質量%以下、より好ましくは0.6質量%以下、更に好ましくは0.4質量%以下である、前記<1>〜<4>のいずれか一に記載の飲料等。
<6>
(A)ガレート型非重合体カテキン類の含有量が、好ましくは0.005〜0.7質量%であり、より好ましくは0.008〜0.6質量%であり、更に好ましくは0.03〜0.4質量%である、前記<1>〜<5>のいずれか一に記載の飲料等。
<7>
バラ科植物果実が、好ましくはサクラ亜科であり、更に好ましくはナシ属である、前記<1>〜<6>のいずれか一に記載の飲料等。
<8>
バラ科植物果実が、好ましくは洋梨、和梨、梅、桃、林檎、杏、スモモ、カリン、枇杷、イチゴ、木イチゴ、蛇イチゴ、プルーンから選択される1種又は2種以上であり、より好ましくは洋梨、和梨、梅、桃、杏、スモモ、プルーン、枇杷、リンゴ及びカリンから選択される1種又は2種以上であり、更に好ましくは洋梨及び和梨から選択される少なくとも1種である、前記<1>〜<7>のいずれか一に記載の飲料等。
<9>
バラ科植物果実果汁が、好ましくは磨砕器、ミキサー、搾汁器、おろし器又は2軸式エクストルダーを用いて破砕又は圧搾し搾汁としたもの、裏ごしにより皮、種子を除去したもの、これらを濃縮又は水希釈したもの、あるいはこれらを遠心分離又は濾過により清澄果汁としたものである、前記<1>〜<8>のいずれか一に記載の飲料等。
<10>
(B)バラ科植物果実果汁の含有量が、ストレート換算で、好ましくは0.01質量以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であって、好ましくは20質量%以下、より好ましくは12質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは1.5質量%以下、殊更に好ましくは0.8質量%以下である、前記<1>〜<9>のいずれか一に記載の飲料等。
<11>
(B)バラ科植物果実果汁の含有量が、ストレート換算で、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.05〜12質量%であり、更に好ましくは0.1〜5質量%であり、殊更に好ましくは0.1〜1.5質量%であり、殊更に好ましくは0.1〜0.8質量%である、前記<1>〜<10>のいずれか一に記載の飲料等。
<12>
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が、好ましくは0.7以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは20以上であって、好ましくは500以下、より好ましくは300以下、更に好ましくは200以下、より更に好ましくは100以下である、前記<1>〜<11>のいずれか一に記載の飲料等。
<13>
成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が、好ましくは0.7〜500であり、より好ましくは3〜300であり、更に好ましくは10〜200であり、殊更に好ましくは20〜100である、前記<1>〜<12>のいずれか一に記載の飲料等。
<14>
好ましくは成分(C)として有機酸、無機酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上を更に含有する、前記<1>〜<13>のいずれか一に記載の飲料等。
<15>
成分(C)が、好ましくはクエン酸、グルコン酸、コハク酸、乳酸、フマル酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、リン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはクエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、アスコルビン酸、リン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上であり、更に好ましくはクエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、リン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上である、前記<14>記載の飲料等。
<16>
有機酸又は無機酸の塩が、好ましくはアルカリ金属塩であり、更に好ましくはナトリウム塩、又はカリウム塩である、前記<14>又は<15>記載の飲料等。
<17>
成分(C)の含有量が、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上であって、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である、前記<14>〜<16>のいずれか一に記載の飲料等。
<18>
成分(C)の含有量が、好ましくは0.001〜2質量%であり、より好ましくは0.005〜1質量%であり、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である、前記<14>〜<17>のいずれか一に記載の飲料等。
<19>
飲料が、好ましくは茶飲料又は非茶系飲料である、前記<1>〜<18>のいずれか一に記載の飲料等。
<20>
茶飲料が、好ましくは緑茶飲料、烏龍茶飲料、又は紅茶飲料であり、非茶系飲料が、炭酸飲料、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、栄養ドリンク剤、及び美容ドリンク剤から選択される非アルコール飲料、又はビール、ワイン、清酒、梅酒、発泡酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ラム、ジン、及びリキュール類から選択されるアルコール飲料である、前記<19>記載の飲料等。
<21>
好ましくは成分(D)として炭酸ガスを更に含有する、前記<1>〜<20>のいずれか一に記載の飲料等。
<22>
成分(D)の含有量が、ガス容量(GV)で、好ましくは1v/v以上、より好ましくは1.4v/v以上、更に好ましくは1.5v/v以上であって、好ましくは3v/v以下、より好ましくは2.8v/v以下、更に好ましくは2.6v/v以下である、前記<21>記載の飲料等。
<23>
成分(D)の含有量が、ガス容量(GV)で、好ましくは1〜3v/vであり、より好ましくは1.4〜2.8v/vであり、更に好ましくは1.5〜2.6v/vである、前記<21>又は<22>記載の飲料等。
<24>
好ましくはテアフラビンを含有する、前記<1>〜<23>のいずれか一に記載の飲料等。
<25>
テアフラビンの含有量が、好ましくは1ppm未満、より好ましくは100ppb未満、更に好ましくは10ppb未満である、前記<24>記載の飲料等。
<26>
pHが、好ましくは2以上、より好ましくは2.5以上、更に好ましくは3以上であって、好ましくは7以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは5.5以下である、前記<1>〜<25>のいずれか一に記載の飲料等。
<27>
pHが、好ましくは2〜7、より好ましくは2.5〜6、更に好ましくは3〜6、より更に好ましくは3〜5.5である、前記<1>〜<26>のいずれか一に記載の飲料等。
<28>
好ましくは甘味料、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、泡安定剤、エステル、色素、乳化剤、保存料、調味料、香料、野菜エキス、花蜜エキス、及び品質安定剤から選択される添加剤を1種又は2種以上含有する、前記<1>〜<27>のいずれか一に記載の飲料等。
<29>
好ましくは容器詰飲料である、前記<1>〜<28>のいずれか一に記載の飲料等。
<30>
容器が、好ましくはポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、又は瓶である、前記<29>記載の飲料等。
<31>
好ましくは加熱殺菌済である、前記<1>〜<30>のいずれか一に記載の飲料等。
<32>
加熱殺菌が、好ましくは適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するもの、更に好ましくはレトルト殺菌、高温短時間殺菌(HTST)、超高温殺菌(UHT)、又は充填後殺菌(パストリゼーション)である、前記<31>記載の飲料等。
<33>
好ましくは容器に充填後、容器ごと60〜140℃で1〜60分間加熱殺菌するか、好ましくは65℃で1〜60分間、より好ましくは65℃で5〜30分間、更に好ましくは65℃で10〜20分間充填後殺菌(パストリゼーション)する、前記<31>又は<32>記載の飲料等。
<34>
飲料を、好ましくは65〜140℃で0.1秒〜30分間、より好ましくは70〜125℃で1秒〜25分間、更に好ましくは75〜120℃で10秒〜20分間加熱殺菌した後、無菌環境下で殺菌処理した容器に充填する(アセプティック充填、ホットパック充填)、前記<31>又は<32>記載の飲料等。
<35>
(A)ガレート型非重合体カテキン類を、Camellia属の茶葉抽出物の形態で含有するものであり、更に好ましくは緑茶抽出物の形態で含有するものである、前記<1>〜<34>のいずれか一に記載の飲料等。
<36>
茶葉が、好ましくはC. sinensis var.sinensis(やぶきた種を含む)、C. sinensis var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶葉(Camellia sinensis)であり、より好ましくは不発酵茶葉、半発酵茶葉、及び発酵茶葉から選択される1種又は2種以上である、前記<35>記載の飲料等。
<37>
不発酵茶葉が、好ましくは煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、及び芽茶から選択される緑茶葉であり、半発酵茶葉が、好ましくは鉄観音、色種、黄金桂、及び武夷岩茶から選択される烏龍茶葉であり、発酵茶葉が、好ましくはダージリン、アッサム、及びスリランカから選択される紅茶葉である、前記<36>記載の飲料等。
1.ガレート型非重合体カテキン類の分析
純水で溶解希釈した試料を、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、流速は1mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。なお、グラジエント条件は以下の通りである。
濃度勾配条件(体積%)
時間 A液濃度 B液濃度
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
60分 97% 3%
2.テアフラビンの分析
アセトンで溶解希釈した試料を、高速液体クロマトグラフ(型式Nexera、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(Cadenza CD−C18、4.6mmφ×250mm:Imtakt製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相C液はリン酸を50mmol/L含有する蒸留水溶液、D液はアセトニトリル溶液とし、流速は0.8mL/分、試料注入量は10μL、UV検出器波長は455nmの条件で行った。なお、グラジエント条件は以下の通りである。
濃度勾配条件(体積%)
時間 C液濃度 D液濃度
0分 96% 4%
10分 96% 4%
54分 70% 30%
55分 0% 100%
60分 0% 100%
3.有機酸の分析
試料10gに5%過塩酸5mLを加え、水で50mLに定容する。これを必要に応じて 各種有機酸の検量線の範囲内に入るように水で希釈したものを試験溶液とする。試験溶液を高速液体クロマトグラフに注入し、電気伝導度を測定し、各種有機酸を検量線より算出する。
・分離カラム:Shim-pack SCR-102H(島津製作所製)
・移動相:5mmol/L p−トルエンスルホン酸
・検出試薬:5mmol/L p−トルエンスルホン酸、 100μmol/L EDTA、 20mmol/L Bis−Tris緩衝液
・注入量:10μL
・流量:0.8mL/分
・電気伝導度検出器:CDD−10AVP(島津製作所製)
・温度:40℃
4.pHの測定
pHメータ(HORIBA コンパクトpHメータ、堀場製作所製)を用いて、20℃に温度調整をして測定した。なお、飲料中に炭酸ガスが含まれる場合は、飲料約100mLを300mLのビーカーに測りとり、スターラーピースを入れてスターラーで20分間攪拌して、炭酸ガスを取り除いた後、温度調整をして測定した。
5.炭酸ガスの分析
「最新・ソフトドリンクス(最新・ソフトドリンクス編集委員会、株式会社光琳、平成15年9月30日発行)」の第VI編 3−1−2ガス内圧力の検査に記載の方法を用いた。具体的には、以下のとおりである。
1)測定前に製品を恒温槽にて20℃まで温め、液温を均一にした。
2)ガスボリュームを測定機にかけ、スニフト(スニフトバルブを開放し、大気圧までゲージを戻す)を行った。スニフト操作を行うことによりヘッドスペース中のエアーを抜いた。
3)次に激しく振動させゲージ圧が一定値を示したら、その値を読み、製品の温度を測定し、表(スニフト用ガスボリュームチャート)よりガスボリュームを求めた。
6.渋味強度の測定
被験飲料中のガレート型非重合体カテキン類の含有量を基準に、ガレート型非重合体カテキン類の試薬(テアビゴ、DSMニュートリション社製)又は製造例1で得られた緑茶抽出物を用いて等間隔で10段階に予め濃度調整した標準水溶液を作製した。そして、専門パネラーが標準水溶液の中から被験飲料と同等の渋味の強さと認識された標準水溶液の渋味強度を決定し、その数値の平均値を求めた。各実施例において渋味強度の測定に用いた標準水溶液を下記の表1〜5に示す。
Figure 2018000192
Figure 2018000192
Figure 2018000192
Figure 2018000192
Figure 2018000192
製造例1
緑茶抽出物の製造
市販の緑茶抽出物の濃縮物であるポリフェノンG(三井農林社製)200gを、25℃にて250r/min攪拌条件下の95質量%エタノール水溶液800g中に分散させ、酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)100gを投入後、約10分間攪拌を続けた。次に、2号ろ紙で濾過した後、濾液に活性炭16gを添加し、再び2号ろ紙で濾過した。次に0.2μmメンブランフィルターで再濾過した。次に、40℃、減圧下にて濾液からエタノールを留去し、イオン交換水で非重合体カテキン類濃度を15質量%に調整して、緑茶抽出物を得た。得られた緑茶抽出物は、ガレート型非重合体カテキン類の含有量が55質量%であり、テアフラビンの含有量が1ppm未満であった。
製造例2
洋梨果汁の製造
果実の搾汁を酵素処理してろ過した後、濃縮操作を行うことで6倍濃縮洋梨果汁を得た。
製造例3
和梨果汁の製造
果実の搾汁を酵素処理して遠心分離した後、酵素を失活させてろ過を行った。さらに活性炭処理をして濃縮操作を行うことで5倍濃縮和梨果汁を得た。
製造例4
梅果汁の製造
果実の搾汁を酵素処理して遠心分離した後、酵素を失活させて濃縮操作を行うことで5倍濃縮梅果汁を得た。
製造例5
桃果汁の製造
果実の搾汁を酵素処理してろ過した後、濃縮することで5倍濃縮桃果汁を得た。
製造例6
イチゴ果汁の製造
果実の搾汁を酵素処理してろ過した後、濃縮することで7倍濃縮イチゴ果汁を得た。
製造例7
グレープフルーツ果汁の製造
果実の搾汁を酵素処理してUF膜処理を行った後、濃縮してろ過することで5倍濃縮グレープフルーツ果汁を得た。
実施例1〜3及び比較例1〜5
表6に示す各成分を配合して飲料を調製した後、容量200mLのPETボトルに充填し加熱殺菌した(ポストミックス方式)。殺菌条件は、65℃、20分で行った。得られた容器詰飲料の分析結果及び官能評価の結果を表6に併せて示す。
Figure 2018000192
実施例4
表7に示す成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料の分析結果及び官能評価の結果を、実施例2及び比較例2の結果とともに表7に併せて示す。
Figure 2018000192
実施例5〜9及び11
表8に示す成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料の分析結果及び官能評価の結果を表8に併せて示す。
実施例10
表8に示す成分をイオン交換水に混合溶解した後、4℃に冷却したGV=3.1v/vの炭酸水で全量を調製した。次に、この飲料を200mL容PETボトルに充填した後、パストリゼーションにて加熱殺菌した。殺菌は、65℃で20分間行った。得られた容器詰炭酸飲料の分析結果及び官能評価の結果を表8に併せて示す。
Figure 2018000192
実施例12及び比較例6
表9に示す成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料の分析結果及び官能評価の結果を表9に併せて示す。
Figure 2018000192
実施例13〜16及び比較例7
表10に示す成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により容器詰飲料を得た。得られた容器詰飲料の分析結果及び官能評価の結果を、実施例2及び比較例2の結果とともに表10に併せて示す。
Figure 2018000192
表6〜10から、高濃度のガレート型非重合体カテキン類の渋味がバラ科植物果実果汁により抑制されることが分かる。なお、成分(B)を15質量%配合した実施例4の容器詰飲料は、バラ科植物果実果汁の風味が少々呈されるものであった。

Claims (18)

  1. 下記の成分(A)及び(B)を含有する、ガレート型非重合体カテキン類含有飲料。
    (A)ガレート型非重合体カテキン類 0.001〜0.8質量%
    (B)バラ科植物果実果汁
  2. バラ科植物がサクラ亜科である、請求項1記載の飲料。
  3. 更に成分(D)炭酸ガスを含有し、該成分(D)の含有量がガス容量(GV)で1〜3v/vである、請求項1又は2記載の飲料。
  4. pHが2〜7である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料。
  5. 成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.7〜500である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の飲料。
  6. 成分(B)の含有量が0.01〜20質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の飲料。
  7. 0.001〜0.8質量%の(A)ガレート型非重合体カテキン類に、(B)バラ科植物果実果汁を添加する、ガレート型非重合体カテキン類の渋味抑制方法。
  8. バラ科植物果実果汁を有効成分とする、ガレート型非重合体カテキン類の渋味抑制剤。
  9. (B)バラ科植物果実果汁を、該果汁の味が知覚されない量且つ渋味を抑制するための有効量にて、(A)ガレート型非重合体カテキン類を含有する経口製品へ配合することを特徴とする、ガレート型非重合体カテキン類の渋味の抑制された経口製品の製造方法。
  10. ガレート型非重合体カテキン類の渋味の蓄積が抑制された経口製品の製造方法である、請求項9記載の経口製品の製造方法。
  11. 経口製品中の(A)ガレート型非重合体カテキン類の含有量が0.001〜0.8質量%である、請求項9又は10記載の経口製品の製造方法。
  12. (B)バラ科植物果実果汁を、(A)ガレート型非重合体カテキン類に対する質量比[(B)/(A)]として0.7〜500となるように配合する、請求項9〜11のいずれか1項に記載の経口製品の製造方法。
  13. (B)バラ科植物果実果汁を、該果汁の味が知覚されない量且つ渋味を抑制するための有効量にて、(A)ガレート型非重合体カテキン類を含有する経口製品へ配合することを特徴とする、経口製品の渋味抑制方法。
  14. ガレート型非重合体カテキン類の渋味の蓄積の抑制方法である、請求項13記載の渋味抑制方法。
  15. 経口製品中の(A)ガレート型非重合体カテキン類の含有量が0.001〜0.8質量%である、請求項14記載の渋味抑制方法。
  16. (B)バラ科植物果実果汁を有効成分とし、該果汁の味が知覚されない量且つ渋味を抑制するための有効量にて、(A)ガレート型非重合体カテキン類を含有する経口製品へ配合するための、渋味抑制剤。
  17. ガレート型非重合体カテキン類の渋味の蓄積の抑制剤である、請求項16記載の渋味抑制剤。
  18. 経口製品中の(A)ガレート型非重合体カテキン類の含有量が0.001〜0.8質量%である、請求項16又は17記載の渋味抑制剤。
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