JP5854752B2 - クロロゲン酸類含有飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、クロロゲン酸類含有飲料に関する。
クロロゲン酸類製剤は、例えば、抗酸化作用や血圧降下作用が報告されており、例えば、高血圧治療剤、高血圧予防食品として、清涼飲料水、粉末食品、錠菓、ゼリー食品、チュアブル錠剤等に応用されている(特許文献1)。
特開2002−87977号公報
このような生理効果を十分に発現するには、例えば、より多くのクロロゲン酸類を継続摂取することが有効である。例えば、生コーヒー豆にはクロロゲン酸類が豊富に含まれているが、生コーヒー豆を焙煎すると、生コーヒー豆中に存在するクロロゲン酸類の相当量が分解してしまう。生コーヒー豆中のクロロゲン酸類を最大限に利用するには、生コーヒー豆抽出物を使用して飲料とすることが有利であるが、生コーヒー豆や浅焙煎コーヒー豆抽出物は、通常の焙煎コーヒー豆抽出物とは異なり、青臭みが強いため、そのまま継続摂取するのは困難である。
したがって、本発明の課題は、青臭みの抑制されたクロロゲン酸類含有飲料を提供することにある。
そこで、本発明者は、上記課題に鑑み種々研究した結果、飲料中の特定成分の含有割合を制御し、かつpHを特定範囲内に調整することで、青臭みの抑制されたクロロゲン酸類含有飲料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B);
(A)クロロゲン酸類:0.05〜0.9質量%、及び
(B)カリウム
を含み、成分(A)と成分(B)との含有質量比[(B)/(A)]が0.1以下であり、かつpHが1.5〜4である、クロロゲン酸類含有飲料を提供するものである。
本発明によれば、青臭みの抑制されたクロロゲン酸類含有飲料を提供することができる。したがって、本発明のクロロゲン酸類含有飲料は、継続摂取可能であるから、生理効果を十分期待できる。
本発明のクロロゲン酸類含有飲料は、(A)クロロゲン酸類を0.05〜0.9質量%含有するが、生理活性及び青臭み抑制の観点から、上限は0.7質量%、更に0.6質量%、更に0.5質量%、更に0.4質量%であることが好ましく、他方下限は0.1質量%、更に0.12質量%、更に0.15質量%であることが好ましい。なお、クロロゲン酸類量の測定は、後掲の実施例に記載の「クロロゲン酸類の分析」にしたがうものとする。ここで、本明細書において「クロロゲン酸類」とは、3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸と、3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸のジカフェオイルキナ酸を併せての総称であり、クロロゲン酸類の含有量は上記9種の合計量に基づいて定義される。
また、本発明のクロロゲン酸類含有飲料は、(B)カリウムを含有するが、青臭みを抑制するために、(A)クロロゲン酸類に対する(B)カリウムの含有割合を特定値以下に制御する。具体的には、飲料中の(A)クロロゲン酸類と、(B)カリウムとの含有質量比[(B)/(A)]は0.1以下であるが、より一層の青臭み抑制の観点から、0.08以下、更に0.06以下、更に0.04以下であることが好ましい。なお、下限は特に限定されず、0であってもよいが、生産効率の観点から、0.0001、更に0.001、更に0.003であることが好ましい。また、カリウム量の測定は、後掲の実施例に記載の「カリウムの分析」にしたがうものとする。
本発明のクロロゲン酸含有飲料中の(B)カリウム含有量は、上記の(A)クロロゲン酸類との質量比を満たす量であれば良いが、0.06質量%以下であることが好ましく、更に0.03質量%以下、更に0.02質量%以下であることが好ましい。なお、成分(B)の下限値は、生産効率の観点から0.00001質量%であることが好ましい。
本発明のクロロゲン酸類含有飲料は液性が酸性であり、pH(20℃)は1.5〜4であるが、より一層の青臭み抑制の観点から、上限は3.7、更に3.5、更に3.3であることが好ましい。一方、下限は飲み易さの点から2であることが好ましい。
このようなクロロゲン酸類含有飲料は、クロロゲン酸類製剤を用いて製造することが可能であるが、クロロゲン酸類製剤は精製工程において予め特定の処理を施したものを使用することが好ましい。例えば、原料クロロゲン酸類製剤を有機溶媒と水の質量比が9/1〜1/9の混合溶液に溶解し、カチオン交換樹脂と接触させて得られた精製クロロゲン酸類製剤を、必要によりpH調整して製造することができる。pH調整には、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類等を使用することが可能である。
原料クロロゲン酸類製剤としては、クロロゲン酸類が含まれていれば特に限定されないが、クロロゲン酸類を含む植物の抽出物を使用することができる。このような植物抽出物としては、例えば、ヒマワリ種子、リンゴ未熟果、生コーヒー豆、シモン葉、マツ科植物の球果、マツ科植物の種子殻、サトウキビ南天の葉、ゴボウ、ナスの皮、ウメの果実、フキタンポポ、ブドウ科植物等から抽出されたものが挙げられる。中でも、クロロゲン酸類含量等の点から、コーヒー豆の抽出物が好ましい。また、抽出に使用するコーヒー豆は、クロロゲン酸類含量等の点から、生コーヒー豆、浅焙煎コーヒー豆が好ましい。これらは、混合して使用してもよい。浅焙煎コーヒー豆のL値は、27以上、更に29以上が好ましく、他方L値の上限は62未満、更に60以下、更に55以下が好ましい。ここで、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、また白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。
生コーヒー豆抽出物として市販品を使用してもよく、例えば、長谷川香料(株)の「フレーバーホルダーRC−30R」、オリザ油化(株)の「生コーヒー豆エキスP」、東洋発酵(株)の「OXCH100」等が挙げられる。なお、クロロゲン酸類製剤の形態には、液体、固体、溶液、スラリー等の種々のものがある。
抽出に使用するコーヒー豆の種類としては、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種及びアラブスタ種のいずれでもよい。なお、抽出方法及び抽出条件は特に限定されないが、例えば、特開昭58−138347号公報、特開昭59−51763号公報、特開昭62−111671号公報、特開平5−236918号公報等に記載の方法を採用することができる。
有機溶媒と水の混合溶液の調製に使用する有機溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール等のアルコール、アセトン等のケトン、酢酸エチル等のエステルが挙げられる。中でも、アルコール、ケトン等の親水性有機溶媒が好ましく、食品への使用を考慮すると、アルコールがより好ましく、エタノールが更に好ましい。
混合溶液中の有機溶媒と水の質量比は9/1〜1/9が好ましく、精製効率の観点から、より好ましくは9/1〜5/5、更に好ましくは8/2〜6/4である。
原料クロロゲン酸類製剤を混合溶液に溶解する方法は特に制限されず、原料クロロゲン酸類製剤と予め濃度調整された混合溶液とを有機溶媒と水の質量比が上記範囲内となるように任意の順序で配合してもよい。また、原料クロロゲン酸類製剤を水に溶解後、有機溶媒を添加して有機溶媒と水の質量比を上記範囲内に調整しても、原料クロロゲン酸類製剤を有機溶媒に懸濁させた後、徐々に水を添加して有機溶媒と水の質量比を上記範囲内に調整してもよい。
原料クロロゲン酸類製剤と混合溶液との配合量は、原料クロロゲン酸類製剤を混合溶液100質量部に対して30〜70質量部、更に40〜60質量部とすることが、精製効率の観点から好ましい。
カチオン交換樹脂としては、プロトン(H)型のカチオン交換樹脂を用いることが好ましい。これにより、カリウム等の金属イオンの除去とpH調整を同時に行うことができる。カチオン交換樹脂としては、具体的には、アンバーライト200CT、IR120B、IR124、IR118(以上、オルガノ社製)、ダイヤイオンSK1B、SK1BH、SK102、PK208、PK212(以上、三菱化学社製)等を用いることができる。
カチオン交換樹脂との接触は、例えば、バッチ方式、カラム方式等を採用することができる。
バッチ方式を採用する場合、カチオン交換樹脂と、原料クロロゲン酸類製剤との接触時間は適宜決定することが可能であるが、0.5〜10時間、更に1〜5時間であることが好ましい。
一方、カラム方式を採用する場合、原料クロロゲン酸類製剤の清澄液の通液条件は、空塔速度(SV)1〜60/hr、更に3〜30/hrであることが好ましい。
カチオン交換樹脂の使用量は、原料クロロゲン酸類製剤の溶液100質量部に対して1〜15質量部、更に1〜10質量部、更に1〜8質量部、更に1.5〜7.5質量部、更に2〜7質量部であることが、カリウム含有量を低減させる点から好ましい。
カチオン交換樹脂の処理により得られる精製クロロゲン酸類製剤は、その固形分中にカリウムを0.05〜5質量%含有することが青臭み抑制の観点から好ましく、更に0.1〜3質量%、更に0.15〜2質量%含有することが好ましい。また、青臭みを抑制するために、(A)クロロゲン酸類に対する(B)カリウムの含有割合を特定値以下であることが好ましい。具体的には、精製クロロゲン酸類製剤中の(A)クロロゲン酸類と、(B)カリウムとの含有質量比[(B)/(A)]が0.1以下であることが好ましく、更に0.08以下、更に0.06以下、殊更に0.04以下であることが好ましい。なお、下限は0であってもよいが、生産効率の観点から、0.0001、更に0.001、更に0.003であることが好ましい。
また、本発明においては、原料クロロゲン酸類製剤をカチオン交換樹脂と接触させる前に、風味向上の点から活性炭と接触させることが好ましい。また、カフェインを低減させる点から活性白土又は酸性白土と接触させることが好ましい。
活性炭を用いる場合には、一般に工業的に使用されているものであれば特に制限されず、例えば、ZN−50(北越炭素社製)、クラレコールGLC、クラレコールPK−D、クラレコールPW−D(クラレケミカル社製)、白鷲AW50、白鷲A、白鷲M、白鷲C、白鷺WH2C(日本エンバイロケミカルズ社製)等の市販品を用いることができる。
活性炭の細孔容積は、0.01〜0.8mL/gが好ましく、更に0.1〜0.7mL/gが好ましい。また、活性炭の比表面積は、800〜1300m2/g、更に900〜1200m2/gが、精製効率、風味向上の観点から好ましい。なお、これらの物性値は窒素吸着法に基づく値である。
活性炭は、原料クロロゲン酸類製剤の溶液100質量部に対して0.5〜10質量部、更に0.5〜8質量部、更に0.5〜5質量部、更に0.5〜3質量部添加することが、精製効率、風味向上の観点から好ましい。
酸性白土及び/又は活性白土を用いる場合には、ともに一般的な化学成分として、SiO2、Al23、Fe23、CaO、MgO等を含有するものであるが、SiO2/Al23質量比が3〜12、更に4〜9であるものが、精製効率、カフェイン低減の観点から好ましい。また、Fe23を2〜5質量%、CaOを0〜1.5質量%、MgOを1〜7質量%含有する組成のものが、精製効率、カフェイン低減の観点から好ましい。
活性白土は天然に産出する酸性白土(モンモリロナイト系粘土)を硫酸などの鉱酸で処理したものであり、大きい比表面積と吸着能を有する多孔質構造をもった化合物である。
酸性白土及び活性白土の比表面積は、酸処理の程度等により異なるが、50〜350m2/gであることが好ましく、pH(5%サスペンジョン、20℃)は2.5〜8、更に3.6〜7であることが、精製効率、カフェイン低減の観点から好ましい。例えば、酸性白土として、ミズカエース#600(水澤化学社製)等の市販品を用いることができる。
酸性白土又は活性白土は、原料クロロゲン酸類製剤の固形分100質量部に対して40〜80質量部、更に45〜70質量部添加することが、精製効率、カフェイン低減の観点から好ましい。
また、活性炭と、酸性白土又は活性白土とを併用する場合、活性炭と、酸性白土又は活性白土の割合は、活性炭1質量部に対して酸性白土又は活性白土が1〜10質量部、更に1〜6質量部であることが、精製効率、カフェイン低減の観点から好ましい。
活性炭と、酸性白土又は活性白土を用いた接触処理は公知の方法を採用することができるが、例えば、バッチ方式、カラムによる連続方式が挙げられる。
バッチ方式を採用する場合、原料クロロゲン酸類製剤と、吸着剤の接触時間は適宜決定することが可能であるが、0.5〜10時間、更に1〜5時間であることが、精製効率、カフェイン低減の観点から好ましい。
一方、カラム方式を採用する場合、原料クロロゲン酸類製剤の通液条件は、空塔速度(SV)1〜60/hr、更に3〜30/hrであることが、精製効率の観点から好ましい。
活性炭と、酸性白土又は活性白土を用いて接触処理した後、処理液を固液分離し、クロロゲン酸類製剤の清澄液を得る。固液分離の方法としては、例えば、遠心分離、精密濾過、又は珪藻土濾過が挙げられる。
遠心分離に用いる遠心分離機としては、分離板型、円筒型、デカンター型などの一般的な機器が好ましい。遠心分離条件としては、析出した濁り成分の除去の点から、温度が5〜70℃、更に10〜40℃であることが好ましく、回転数と時間は、例えば、分離板型の場合、3,000〜10,000r/min、更に5,000〜9,000r/min、更に6,000〜8,000r/minの回転数で、0.2〜30分、更に0.3〜20分、更に0.4〜15分であることが好ましい。
精密濾過膜による処理条件としては、析出した濁り成分の除去の点から、一般的な濾過条件で処理することができ、孔径は0.1〜30μmが好ましい。
このようにして、本発明の飲料に使用するのに好ましい精製クロロゲン酸類製剤を得ることができる。精製クロロゲン酸類製剤の製品形態としては液体でも固体でもよく、固体が望ましい場合は、噴霧乾燥や凍結乾燥等の公知の方法により粉体化することができる。
また、本発明のクロロゲン酸類含有飲料には、必要により、甘味料、苦味抑制剤、酸化防止剤、香料、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、品質安定剤等の添加剤の1種又は2種以上を配合してもよい。なお、これら添加剤の配合量は、本発明の目的を阻害しない範囲内で適宜決定することが可能である。
本発明のクロロゲン酸類含有飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填して提供することができる。
また、クロロゲン酸類含有飲料は、例えば、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で製造できる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。
(クロロゲン酸類の分析)
クロロゲン酸類の分析法は次の通りである。分析機器はHPLCを使用した。
装置の構成ユニットの型番は次の通り。
UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ)、
カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ)、
ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ)、
オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)、
カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))。
分析条件は次の通りである。
サンプル注入量:10μL、
流量:1.0mL/min、
UV−VIS検出器設定波長:325nm、
カラムオーブン設定温度:35℃、
溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液、
溶離液B:アセトニトリル。
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
HPLCでは、試料1gを精秤後、溶離液Aにて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
クロロゲン酸類の保持時間(単位:分)9種のクロロゲン酸類
(A1)モノカフェオイルキナ酸:5.3、8.8、11.6の計3点
(A2)モノフェルラキナ酸:13.0、19.9、21.0の計3点
(A3)ジカフェオイルキナ酸:36.6、37.4、44.2の計3点。
ここで求めた9種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、質量%を求めた。
(カリウムの分析)
本発明において、飲料のカリウム(K)の含有量は、原子吸光光度計(Z−6100形日立偏光ゼーマン原子吸光光度計)により測定した。
(官能試験)
各飲料の青臭みについて、パネラー4名が下記の基準に基づいて評価し、その後協議により最終スコアを決定した。
評価基準
5:青臭みを感じない。
4:青臭みをあまり感じない。
3:青臭みが弱い。
2:青臭みがやや強い。
1:青臭みが強い。
製造例1
精製クロロゲン酸製剤Aの製造
ロブスタ種の生コーヒー豆を、熱水で抽出して原料クロロゲン酸類製剤を得た。原料クロロゲン酸類製剤は、クロロゲン酸類含量が26.7質量%、カフェイン含量が5.88質量%、カフェイン/クロロゲン酸類の質量比が0.220、固形分中のクロロゲン酸類含量が45.2質量%であった。
原料クロロゲン酸類製剤190.5gを、エタノール濃度70.3質量%のエタノール水溶液367.6g、酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)55.8g、ろ過助剤(ソルカフロック、新日鉱プロキュアメント社製)6.3gと混合することにより「クロロゲン酸類含有スラリー」545.5gを得た。「クロロゲン酸類含有スラリー」のpHは5.8であった。なお、原料クロロゲン酸類製剤の使用量は、有機溶媒水溶液100質量部に対し52質量部であった。また、原料クロロゲン酸類製剤の固形分100質量部に対する酸性白土の使用量は、50質量部であった。
次に、得られた「クロロゲン酸類含有スラリー」545.5gと、エタノール濃度60質量%のエタノール水溶液111.6gを、プレコート剤として珪藻土を堆積させた2号濾紙にてろ過し、「ろ過液」619.3gを回収した。
次に、活性炭(白鷺WH2C、日本エンバイロケミカルズ社製)を52mL充填したカラムと、H型カチオン交換樹脂(SK1BH、三菱化学社製)を31mL充填したカラムに、「ろ過液」302gとエタノール濃度60質量%の有機溶媒水溶液83.9gを順に通液して「カラム処理液」330.9gを回収した。なお、活性炭の使用量は、「ろ過液」100質量部に対して7.3質量部であった。また、H型カチオン交換樹脂の使用量は、「ろ過液」100質量部に対して7.5質量部であった。
次に、「カラム処理液」315.9gを0.2μmメンブランフィルターにてろ過した後、ロータリーエバポレーターにてエタノールを留去してクロロゲン酸類含有組成物の溶液を86.7g得た。以下、この溶液を「精製クロロゲン酸類製剤A」と称する。
「精製クロロゲン酸類製剤A」中の固形分濃度は41質量%であった。また、当該固形分中のクロロゲン酸類含量は52質量%、カリウム含有量は1.87質量%であった。
製造例2
精製クロロゲン酸製剤Bの製造
製造例1と同様の操作により、原料クロロゲン酸類製剤を得た。原料クロロゲン酸類製剤は、クロロゲン酸類含量が26.7質量%、カフェイン含量が5.88質量%、カフェイン/クロロゲン酸類の質量比が0.220、固形分中のクロロゲン酸類含量が45.2質量%であった。
原料クロロゲン酸類製剤80.1gを、エタノール濃度70.3質量%のエタノール水溶液164.7g、酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)29.0g、ろ過助剤(ソルカフロック、新日鉱プロキュアメント社製)2.7gと混合することにより「クロロゲン酸類含有スラリー」230gを得た。「クロロゲン酸類含有スラリー」のpHは5.8であった。なお、原料クロロゲン酸類製剤の使用量は、有機溶媒水溶液100質量部に対し52質量部であった。また、原料クロロゲン酸類製剤の固形分100質量部に対する酸性白土の使用量は、61.8質量部であった。
次に、得られた「クロロゲン酸類含有スラリー」230gと、エタノール濃度60質量%のエタノール水溶液47.0gを、プレコート剤として珪藻土を堆積させた2号濾紙にてろ過し、「ろ過液」263.2gを回収した。
次に、活性炭(白鷺WH2C、日本エンバイロケミカルズ社製)を39mL充填したカラムと、H型カチオン交換樹脂(SK1BH、三菱化学社製)を34.9mL充填したカラムに、「ろ過液」260.8gとエタノール濃度60質量%の有機溶媒水溶液71.3gを通液して「カラム処理液」258.7gを回収した。なお、活性炭の使用量は、「ろ過液」100質量部に対して6.3質量部であった。また、H型カチオン交換樹脂の使用量は、「ろ過液」100質量部に対して9.8質量部であった。
次に、「カラム処理液」249.6gを0.2μmメンブランフィルターにてろ過した後、ロータリーエバポレーターにてエタノールを留去してクロロゲン酸類含有組成物の溶液を64.5g得た。以下、この溶液を「精製クロロゲン酸類製剤B」と称する。
「精製クロロゲン酸類製剤B」中の固形分濃度は40.4質量%であった。また、当該固形分中のクロロゲン酸類含量は54質量%、カリウム含有量は0.16質量%であった。
製造例3
クロロゲン酸製剤Cの製造
ベトナム産ロブスタ種の生コーヒー豆500gを、熱水で抽出し、冷却後、固液分離を行った。得られたコーヒー抽出液を、固形分濃度が20w/v%になるまで40℃にて減圧濃縮を行った後、噴霧乾燥することによりクロロゲン酸製剤Cを得た。固形分中のクロロゲン酸類含量は32質量%、カリウム含有量は6.46質量%であった。
製造例4
精製クロロゲン酸製剤Dの製造
L値30となるまで焙煎したベトナム産ロブスタ種焙煎豆を、熱水で抽出して原料クロロゲン酸類製剤を得た。原料クロロゲン酸類製剤は、クロロゲン酸類含量が2.4質量%、カフェイン含量が1.05質量%、カフェイン/クロロゲン酸類の質量比が0.439、固形分中のクロロゲン酸類含量が21質量%であった。
原料クロロゲン酸類製剤260.4gを、エタノール濃度80.1質量%のエタノール水溶液389.5g、酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)65.0g、ろ過助剤(ソルカフロック、新日鉱プロキュアメント社製)7.3gと混合することにより「クロロゲン酸類含有スラリー」693.4gを得た。「クロロゲン酸類含有スラリー」のpHは5.7であった。なお、原料クロロゲン酸類製剤の使用量は、有機溶媒水溶液100質量部に対し52質量部であった。また、原料クロロゲン酸類製剤の固形分100質量部に対する酸性白土の使用量は、50質量部であった。
次に、得られた「クロロゲン酸類含有スラリー」693.4gと、エタノール濃度60質量%のエタノール水溶液130gを、プレコート剤として珪藻土を堆積させた2号濾紙にてろ過し、「ろ過液」664.5gを回収した。
次に、活性炭(白鷺WH2C、日本エンバイロケミカルズ社製)を116mL充填したカラムと、H型カチオン交換樹脂(SK1BH、三菱化学社製)を69.2mL充填したカラムに、「ろ過液」645gとエタノール濃度60質量%の有機溶媒水溶液165.9gを順に通液して「カラム処理液」692.1gを回収した。なお、活性炭の使用量は、「ろ過液」100質量部に対して7.6質量部であった。また、H型カチオン交換樹脂の使用量は、「ろ過液」100質量部に対して7.9質量部であった。
次に、「カラム処理液」681.8gを0.2μmメンブランフィルターにてろ過した後、ロータリーエバポレーターにてエタノールを留去してクロロゲン酸類含有組成物の溶液を129g得た。
次に、「クロロゲン酸類含有組成物の溶液」中のクロロゲン酸類濃度を、蒸留水にて6質量%に調整した後、15℃にて1時間攪拌して「クロロゲン酸類含有組成物の溶液の濃度調整液」を得た。
次に、得られた「クロロゲン酸類含有組成物の溶液の濃度調整液」196gを遠心管にサンプリングした後、6000rpm、15℃、30分の条件にて遠心分離を行い、その上澄み液193.7gを得た。その後、ロータリーエバポレーターにて水を留去して「精製クロロゲン酸類含有製剤」77gを得た。以下、この溶液を「精製クロロゲン酸類製剤D」と称する。
「精製クロロゲン酸類製剤D」中の固形分濃度は52質量%であった。また、当該固形分中のクロロゲン酸類含量は26質量%、カリウム含有量は0.64質量%であった。
製造例5
クロロゲン酸製剤Eの製造
L値30となるまで焙煎したベトナム産ロブスタ種焙煎豆を熱水で抽出して、クロロゲン酸製剤Eを得た。
クロロゲン酸製剤Eは、クロロゲン酸類含量が2.4質量%、カフェイン含有量が1.05質量%、カフェイン/クロロゲン酸類の質量比が0.439であった。また、固形分中のクロロゲン酸類含量が21質量%、カリウム含有量が6.47質量%であった。
製造例6
精製クロロゲン酸製剤Fの製造
製造製1で得られた精製クロロゲン酸製剤Aを73質量%、製造製3で得られた精製クロロゲン酸製剤Cを27質量%の割合で混合し、精製クロロゲン酸製剤Fを得た。
精製クロロゲン酸製剤Fは、クロロゲン酸類含量が24質量%、カフェイン含有量が2.4質量%、カフェイン/クロロゲン酸類の質量比が0.098であった。また、固形分中のクロロゲン酸類含量は42質量%、カリウム含有量は4.0質量%であった。
実施例1〜9及び比較例1〜4
表1に示す割合の各成分を配合して飲料を調製し、得られた飲料の分析及び官能評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0005854752
表1から、飲料中のクロロゲン酸類とカリウムの含有割合を制御し、かつpHを1.5〜4に調整することで、青臭みの抑制されたクロロゲン酸類含有飲料が得られることが確認された。

Claims (4)

  1. 生コーヒー豆抽出物を配合してなるクロロゲン酸類含有飲料であって、
    次の成分(A)及び(B);
    (A)クロロゲン酸類:0.1〜0.5質量%、及び
    (B)カリウム
    を含み、
    成分(A)と成分(B)との含有質量比[(B)/(A)]が0.06以下であり、かつ
    pHが1.5〜4である、クロロゲン酸類含有飲料。
  2. 成分(B)の含有量が0.02質量%以下である、請求項1記載のクロロゲン酸類含有飲料。
  3. 成分(A)と成分(B)との含有質量比[(B)/(A)]が0.04以下である、請求項1又は2記載のクロロゲン酸類含有飲料。
  4. pHが1.5〜3.5である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクロロゲン酸類含有飲料。
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