JP3839831B2 - コーヒー飲料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、血圧降下作用を有するコーヒー飲料組成物に関する。
高血圧症の治療薬としては、神経因子による調節系に作用する各種神経遮断薬、液性因子に関わる調節系に作用するACE阻害薬、AT受容体拮抗薬、血管内皮由来物質による調節系に関わるCa拮抗薬、腎臓での体液調節系に関わる降圧利尿薬などの医薬品が挙げられ、これらは主として医療機関において、重症の高血圧患者に使用される。しかし、現状において高血圧症対策の目的で使用される医薬品は、有効性に関しては満足できる反面少なからず存在する副作用のため患者にかかる負担は大きい。
また食餌療法、運動療法、飲酒・喫煙の制限などの生活改善による一般療法が、軽症を含む正常高値高血圧症者から重症な高血圧症者に広く適用されている。一般療法の重要性の認識の高まりに伴い、特に食生活の改善が重要であるといわれ続けている。血圧降下作用を有する食品は、数多く、従来から食品由来の降圧素材の探索がさかんに行われ、その有効成分の分離・同定が数多く行われている。
このうち、コーヒー等の食品に含まれているクロロゲン酸、カフェ酸、フェルラ酸等が優れた血圧降下作用を示すことが報告されている(特許文献1〜3)。しかしながら、クロロゲン酸類を多量に含むことが知られているコーヒー飲料では、明確な血圧降下作用が認められず、逆に血圧を上昇させるという報告もある(非特許文献1)。
特開2002−363075号公報 特開2002−22062号公報 特開2002−53464号公報 Eur. J. Clin. Nutr., 53(11), 831(1999)
本発明の目的は、優れた高血圧改善作用を有し、通常摂取できる飲食品を提供することにある。
そこで本発明者は、コーヒー飲料がクロロゲン酸を含んでいるにもかかわらず、十分な血圧降下作用を示さないことに着目し、血圧降下作用とコーヒー飲料成分との関係について種々検討した結果、コーヒー飲料に含まれているヒドロキシヒドロキノンがクロロゲン酸類の血圧降下作用を阻害していることを見出した。そして、更に検討した結果、コーヒー飲料中のクロロゲン酸類量を一定範囲に保持し、ヒドロキシヒドロキノン含量を通常含まれる量より十分少ない一定量以下に低下させれば、優れた血圧降下作用を有するコーヒー飲料組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B)、
(A)クロロゲン酸類 0.01〜1質量%、
(B)ヒドロキシヒドロキノン クロロゲン酸類量の0.1質量%未満
を含有するコーヒー飲料組成物を提供するものである。
また、本発明は、次の成分(A)及び(B)、
(A)クロロゲン酸類 0.1〜10質量%、
(B)ヒドロキシヒドロキノン クロロゲン酸類量の0.1質量%未満
を含有するソリュブルコーヒー組成物を提供するものである。
また、本発明は、 次の成分(A)及び(B)、
(A)クロロゲン酸類 0.01〜1質量%、
(B)ヒドロキシヒドロキノン クロロゲン酸類量の0.1質量%未満
を含有するコーヒー飲料組成物を充填した容器詰飲料を提供するものである。
本発明のコーヒー飲料組成物は、優れた高血圧改善作用、すなわち血圧降下作用又は血圧上昇抑制作用を有し、かつ長期摂取可能である。従って、本発明のコーヒー飲料組成物は、高血圧改善用の医薬として、更には血圧降下のために、又は、血圧上昇抑制のために用いられる旨、又は血圧が高めの方にと表示された食品として有用である。
本発明のコーヒー飲料組成物は、血圧降下作用、血圧上昇抑制作用、及び味の点で、(A)クロロゲン酸類を0.01〜1質量%含有するが、好ましくは0.05〜1質量%、更に好ましくは0.1〜1質量%含有する。また本発明のソリュブルコーヒー組成物にはクロロゲン酸類は0.1〜10質量%含有するが、好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜10質量%含有する。(A)当該クロロゲン酸類としては(A1)モノカフェオイルキナ酸、(A2)フェルラキナ酸、(A3)ジカフェオイルキナ酸の三種を含有する。ここで(A1)モノカフェオイルキナ酸としては3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸から選ばれる1種以上が挙げられる。また(A2)フェルラキナ酸としては、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸から選ばれる1種以上が挙げられる。(A3)ジカフェオイルキナ酸としては3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸から選ばれる1種以上が挙げられる。当該クロロゲン酸類の含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定することができる。HPLCにおける検出手段としては、UV検出が一般的であるが、CL(化学発光)検出、EC(電気化学)検出、LC−Mass検出等により更に高感度で検出することもできる。
本発明のコーヒー飲料組成物又はソリュブルコーヒー組成物は、クロロゲン酸類量に対してヒドロキシヒドロキノン(B)を0.1質量%未満含有する。クロロゲン酸類量に対してヒドロキシヒドロキノン量が0.1質量%未満であれば、クロロゲン酸類の血圧降下作用が十分に発揮される。より好ましくは0.03質量%以下、特に好ましくは0.01質量%以下である。クロロゲン酸類量に対してヒドロキシヒドロキノン量が0.01質量%以下であればクロロゲン酸の血圧降下作用はまったく抑制されない。ここで、本発明組成物中のヒドロキシヒドロキノン含量は0であってもよい。
当該ヒドロキシヒドロキノン含量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定することができる。HPLCにおける検出手段としては、UV検出が一般的であるが、CL(化学発光)検出、EC(電気化学)検出、LC−Mass検出等により更に高感度で検出することもできる。なお、HPLCによるヒドロキシヒドロキノン含量の測定にあたっては、コーヒー飲料を濃縮した後に測定することもできる。
更にヒドロキシヒドロキノン含量は、HPLCで直接測定することもできるが、コーヒー飲料組成物又はソリュブルコーヒー飲料組成物から、各種クロマトグラフィーによりヒドロキシヒドロキノンを濃縮して、その濃縮画分の量を測定することによっても定量できる。なお、クロロゲン酸類量及びヒドロキシヒドロキノン量の測定にあたっては、容器詰飲料の場合には開封後直ちに、例えば0.1N(規定)となるように塩酸を加えて、又は、0.1Nの塩酸/水酸化ナトリウムバッファー系で測定するのが好ましい。
本発明のコーヒー飲料組成物及びソリュブルコーヒー組成物は、ヒドロキシヒドロキノン含有量を低減させる以外は、通常のコーヒー成分をそのまま含有しているのが好ましい。
本発明コーヒー飲料組成物は、コーヒー飲料組成物100gを基準とした場合に、カリウムを30〜300mg/100g、更に40〜250mg/100g、特に50〜200mg/100g含むのが好ましい。また本発明のソリュブルコーヒー組成物には、ソリュブルコーヒー組成物1gを基準として、カリウムを20〜200mg/1g、更に30〜180mg/1g、特に40〜150mg/1g含むのがコーヒー本来の風味の点で好ましい。カリウム量を上記範囲にするためには、コーヒー飲料組成物の製造過程で、カリウムを積極的に除去する等の操作を行わないのが好ましい。
また、本発明のコーヒー飲料組成物は、コーヒー飲料組成物100gを基準とした場合に、灰分の量が280mg以下、更には250mg以下、より更には220mg以下、特に200mg以下であることがコーヒー本来の風味の点で好ましい。灰分の測定は、四訂日本食品標準成分表(昭和57年発行、科学技術庁資源調査委員会編集、28頁)記載の方法に準拠し、550℃で加熱し残存炭素がなくなり恒量となるまで灰化する方法を用いて測定することができる。灰分の量を上記範囲にするためには、コーヒー飲料組成物の製造過程で、強アルカリで処理した後に酸を用いて中性領域に戻すなどの、灰分の量が多くなる操作を行わないのが好ましい。
また本発明のコーヒー飲料組成物は、H22(過酸化水素)の含有量が1ppm以下、更に0.1ppm以下、特に0.01ppm以下であるのがコーヒー本来の風味の点で好ましい。過酸化水素の測定は通常用いられる過酸化水素計を用いて行うことができ、例えば、セントラル科学社製の高感度過酸化水素計スーパーオリテクターモデル5(SUPER ORITECTOR MODEL5)等を用いることができる。
本発明のコーヒー飲料組成物に用いるコーヒー豆の種類は、特に限定されないが、例えばブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ等が挙げられる。コーヒー種としては、アラビカ種、ロブスタ種などがある。コーヒー豆は1種でもよいし、複数種をブレンドして用いてもよい。焙煎コーヒー豆の焙煎方法については特に制限はなく、焙煎温度、焙煎環境についても何ら制限はなく、通常の方法を採用できる。更にその豆からの抽出方法についても何ら制限はなく、例えば焙煎コーヒー豆又はその粉砕物から水〜熱水(0〜100℃)を用いて10秒〜30分抽出する方法が挙げられる。抽出方法は、ボイリング式、エスプレッソ式、サイホン式、ドリップ式(ペーパー、ネル等)等が挙げられる。
本発明のコーヒー飲料組成物は、100gあたりコーヒー豆を生豆換算で1g以上使用したものをいう。好ましくはコーヒー豆を2.5g以上使用しているものである。更に好ましくはコーヒー豆を5g以上使用しているものである。本発明のコーヒー飲料組成物を容器詰飲料とする場合には、シングルストレングスであることが好ましい。ここでシングルストレングスとは、容器詰飲料を開封した後、常態として薄めずにそのまま飲めるものをいう。
本発明のコーヒー飲料組成物又はソリュブルコーヒー組成物は、焙煎コーヒー豆抽出物を吸着剤処理してヒドロキシヒドロキノン含量を低減させることにより得られる。吸着剤としては、活性炭、逆相担体などが挙げられる。より具体的には、焙煎コーヒー豆抽出液又は焙煎コーヒー豆抽出液の乾燥品の水溶液に、吸着剤を加え0〜100℃で10分〜5時間撹拌した後、吸着剤を除去すればよい。ここで、吸着剤は、焙煎コーヒー豆重量に対して活性炭の場合は0.02〜1.0倍、逆相担体の場合は2〜100倍用いるのが好ましい。活性炭としては、ミクロ孔領域における平均細孔半径が5オングストローム(Å)以下、更には、2〜5オングストロームの範囲であることが好ましく、特に3〜5オングストロームの範囲であることが好ましい。本発明におけるミクロ孔領域における平均細孔径は、文献(Colloid and Interface Sc., 26, 46(1968))記載のMP法(住化分析センター、東レリサーチセンターにて採用されている方法である)によって測定することができる。また、活性炭の種類としては、ヤシ殻活性炭が好ましく、更に水蒸気賦活化ヤシ殻活性炭が好ましい。活性炭の市販品としては、白鷺WH2c(日本エンバイロケミカルズ)、太閣CW(二村化学)、クラレコールGW(クラレケミカル)等を用いることができる。逆相担体としては、YMC・ODS−A(YMC)、C18(GLサイエンス)等が挙げられる。
これらの吸着剤処理法のうち、活性炭を用いた吸着剤処理法はクロロゲン酸類量を低下させることなく選択的にヒドロキシヒドロキノン含量を低減させることができるだけでなく、工業的にも有利であり、更にカリウム含量を低下させない(質量比で1/5以上、特に1/2以上保持)点からも好ましい。
また、本発明のコーヒー飲料組成物又はソリュブルコーヒー組成物中のヒドロキシヒドロキノン量は、高速液体クロマトグラフィーによりガリックアシッドを標準物質とした場合のガリックアシッドに対する相対保持時間が0.54〜0.61の時間領域のピークとして検出することができる。従って、本発明のコーヒー飲料組成物は、クロロゲン酸類を0.01〜1質量%含有するコーヒー飲料組成物であって、高速液体クロマトグラフィーによる分析において、ガリックアシッドを標準物質とした場合のガリックアシッドに対する相対保持時間が0.54〜0.61の時間領域に、実質的にピークを有しないことを特徴とするコーヒー飲料組成物と規定できる。また、本発明のソリュブルコーヒー組成物は、クロロゲン酸類を0.1〜10質量%含有するソリュブルコーヒー組成物であって、高速液体クロマトグラフィーによる分析において、ガリックアシッドを標準物質とした場合のガリックアシッドに対する相対保持時間が0.54〜0.61の時間領域に、実質的にピークを有しないことを特徴とするソリュブルコーヒー組成物と規定できる。尚、この規定における高速液体クロマトグラフィーの分析条件は、後述の分析条件Bによるものである。
本発明におけるコーヒー組成物が、高速液体クロマトグラフィーによる分析における、ガリックアシッドを標準物質とした場合のガリックアシッドに対する相対保持時間が0.54〜0.61の時間領域に実質的にピークを有しないことを確認するには、一般的なHPLCを使用することができ、例えば溶離液として0.05M酢酸水溶液と0.05M酢酸100%アセトニトリル溶液のグラジエントを用い、ODSカラムを用いて、紫外線吸光光度計等により検出することで確認することができる。
本発明においてガリックアシッドに対する相対保持時間が0.54〜0.61の時間領域に実質的にピークを有しないとは、ガリックアシッドの1ppm溶液を分析時の面積値をS1とし、同条件でコーヒー飲料組成物を分析した時の前記特定の領域に溶出する成分に由来するピーク面積の総和をS2としたとき、S2/S1<0.01であることを意味する。
本発明のコーヒー飲料組成物には、所望により、ショ糖、グルコース、フルクトース、キシロース、果糖ブドウ糖液、糖アルコール等の糖分、乳成分、抗酸化剤、pH調整剤、乳化剤、香料等を添加することができる。乳成分としては、生乳、牛乳、全粉乳、脱脂粉乳、生クリーム、濃縮乳、脱脂乳、部分脱脂乳、れん乳等が挙げられる。本発明のコーヒー飲料組成物のpHとしては、3〜7.5、更に4〜7、特に5〜7が飲料の安定性の面で好ましい。
ソリュブルコーヒー組成物とは粉体状のインスタントコーヒー粉体等の粉体食品のことである。インスタントコーヒー粉体は、常法にしたがって製造することができる。例えばコーヒー抽出液をノズルからスプレーし、約210〜310℃の熱風中を落下させることにより、多孔質、水可溶性のコーヒー粉末にする噴霧乾燥(スプレードライ);あるいはコーヒー抽出物を液体窒素や冷凍庫等で凍結し、粉砕し、篩別したのち真空で水分を昇華させて、水分を3%以下にする凍結乾燥(フリーズドライ)等により乾燥粉体を得ることができる。
本発明のコーヒー飲料組成物又はソリュブルコーヒーはPETボトル、缶(アルミニウム、スチール)、紙、レトルトパウチ、瓶(ガラス)等の容器に詰めて容器詰飲料とすることができる。この場合、本発明のコーヒー飲料組成物はそのまま容器に詰めて50〜2500mLの容器詰飲料とすることができる。容器詰飲料のpHとしては5〜7.5が好ましく、特に5.4〜7が好ましい。容器詰飲料中のモノカフェオイルキナ酸の構成比としては、4−カフェオイルキナ酸/3−カフェオイルキナ酸質量比が0.6〜1.2であり、5−カフェオイルキナ酸/3−カフェオイルキナ酸質量比が0.01〜3であることがこのましい。容器としては、コーヒー中の成分の変化を防止する観点から、酸素非透過性の容器が好ましく、例えば、アルミニウムや、スチールなどの缶、ガラス製のビン等を用いるのが良い。缶やビンの場合、リキャップ可能な、リシール型のものも含まれる。ここで酸素非透過性とは、20℃、相対湿度50%の環境下で測定した酸素透過度(cc・mm/m2・day・atm)が5以下であることをいうが、更に3以下、特に1以下であればより好ましい。
また本発明のソリュブルコーヒーは1gあたり25〜500mLの水又はお湯に溶解して飲むことができる。
容器詰飲料にする場合、通常殺菌処理が行われるが、当該殺菌処理は、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で行われる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ食品衛生法に定められた条件と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器で高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用される。また無菌下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻すことや、中性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻す等の操作も可能である。
本発明のコーヒー飲料組成物及びソリュブルコーヒー飲料組成物は、高血圧改善作用を有するクロロゲン酸類を有効量含有しており、かつクロロゲン酸類の高血圧改善作用を阻害しているヒドロキシヒドロキノン量が低減されていることから、血圧降下用、又は血圧上昇抑制医薬組成物、血圧降下用飲料、血圧上昇抑制飲料として有用である。また、血圧降下のために、又は、血圧上昇抑制のために用いられる旨の表示が付された飲料や血圧が高めの方にと表示された飲料としても有用である。
実施例1
(a)本発明のコーヒー飲料組成物は次のように製造した。インスタントコーヒー(ネスカフェ(登録商標)カフェインレス)2.5gをODS充填剤(オクタデシルシリル化シリカゲル)(YMC GEL ODS−A 細孔径6nm 粒子径150μm)500gを充填したカラムにアプライし、0.5%酢酸水6Lでヒドロキシヒドロキノンを含む画分を溶出し、クロロゲン酸類その他の成分を含む画分はメタノール6Lで溶出した。クロロゲン酸類その他の成分を含む画分Aは凍結乾燥法によりメタノールを完全に除去した。インスタントコーヒー2.5gから画分Aは0.933g得られた。
(b)コーヒー飲料組成物のクロロゲン酸類及びヒドロキシヒドロキノンの分析法は次の通りである。以下の分析条件を分析条件Aとする。分析機器はHPLC(島津製作所(株))を使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通り。ディテクター:SPD−M10A、オーブン:CTO−10AC、ポンプ:LC−10AD、オートサンプラー:SIL−10AD、カラム:Inertsil OD
S−2 内径4.6mm×長さ250mm。
分析条件は次の通り。サンプル注入量:10μL、流量:1.0mL/min、紫外線吸光光度計検出波長:325nm(クロロゲン酸類)、290nm(ヒドロキシヒドロキノン)、溶離液A:0.05M酢酸3%アセトニトリル溶液、溶離液B:0.05M酢酸100%アセトニトリル溶液
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0分 100% 0%
20分 80% 20%
35分 80% 20%
45分 0% 100%
60分 0% 100%
70分 100% 0%
120分 100% 0%
クロロゲン酸類の保持時間(単位:分)(A1)モノカフェオイルキナ酸:17.9、20.4、22.0の計3点(A2)フェルラキナ酸:22.8、25.8、27.0の計3点(A3)ジカフェオイルキナ酸:32.3、33.0、35.8の計3点ここで求めたエリアから5―カフェオイルキナ酸を標準物質とし、質量%を求めた。
ヒドロキシヒドロキノンの保持時間:5.5分、ここで求めたエリアからヒドロキシヒドロキノンを標準物質とし、質量%を求めた。
また、コーヒー組成物中のヒドロキシヒドロキノンは以下の分析法によっても測定できる。以下の分析条件を分析条件Bとする。分析機器はHPLC(日立製作所(株))を使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通り。ディテクター:L−7455、オーブン:L−7300、ポンプ:L−7100、オートサンプラー:L−7200、カラム:Inertsil ODS−2 内径4.6mm×長さ250mm。
分析条件は次の通り。サンプル注入量:10μL、流量:1.0mL/min、紫外線吸光光度計検出波長:258又は288nm、溶離液A:0.05M酢酸水溶液、溶離液B:0.05M酢酸100%アセトニトリル溶液
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0分 100% 0%
15分 100% 0%
15.1分 0% 100%
25分 0% 100%
25.1分 100% 0%
30分 100% 0%
ヒドロキシヒドロキノンの保持時間:6.8分。ここで求めたエリアからヒドロキシヒドロキノンを標準物質とし、質量%を求めた。同様に測定したガリックアシッドの保持時間は11.5分であった。
インスタントコーヒーと上記実施例1(a)で製造した画分Aの総クロロゲン酸量及びヒドロキシヒドロキノン量は表1に示すものであった。
Figure 0003839831
尚、本発明のコーヒー飲料組成物中の過酸化水素量を高感度過酸化水素計を用いて測定したところ、過酸化水素量は検出限界以下であり検出されなかった。過酸化水素の分析法は次の通りである。測定は、高感度過酸化水素計SUPER ORITECTOR MODEL 5(セントラル科学(株))にて行った。試料2mLをホールピペットにて精秤し、装置本体の反応セルに注入した。反応セルを密栓した後、測定レンジを選択し、測定用スイッチを押して測定を開始した。測定準備が整ったことを知らせる発信音を確認後、速やかにオリテクター用カタラーゼ20μLをマイクロシリンジにて注入し、出力値を読み取った。
装置の校正は、0.1、1、及び5mg/Lの過酸化水素標準液にて行った。
過酸化水素標準液の調製は、過酸化水素(30%水溶液、特級、和光純薬工業(株))を、イオン交換水にて1,000mg/Lに希釈したものを原液として使用した。原液を抽出用溶液にて希釈し、過酸化水素標準液 5mg/Lを調製した。更に、過酸化水素標準液 5mg/L溶液を抽出用溶液にて希釈し、1mg/L及び0.1mg/Lを調製した。
抽出用溶液(0.5%臭素酸カリウム含有0.2Mリン酸緩衝液、pH7.0)は、リン酸ニ水素カリウム(特級)11.0g、リン酸水素ニナトリウム12水和物(特級)44.8g、及び臭素酸カリウム(特級)5.0gをイオン交換水に溶解した後、1Lに定容して調製した。使用時は、あらかじめ氷冷下で1時間以上窒素ガスを通気した。
実施例2
血圧降下評価
i)実験材料及び方法
(a)12週齢の雄性自然発症高血圧ラット(SHR)を予備的に5日間連続で市販のラット用非観血式血圧測定装置(ソフトロン社製)を用いて血圧測定することにより、ラットを血圧操作に十分慣れさせた後、評価試験を測定した。ラットはすべて温度25±1℃、相対湿度55±10%、照明時間12時間(午前7時〜午後7時)の条件下(ラット区域内飼育室)で飼育した。
(b)投与方法及び投与量;試験群ではインスタントコーヒからヒドロキシヒドロキノンを除去した画分Aを投与材料とした。対照群はインスタントコーヒーを使用した。画分Aインスタントコーヒーをそれぞれ生理食塩水に溶解し、総クロロゲン酸量として200mg/kgの投与量となるように作製した。投与方法は経口用ゾンデを用いて、経口投与を行った。投与量は5mL/匹とした。
(c)試験方法;SHRを1群3−6匹使用した。経口投与前と12時間後の尾静脈の収縮期血圧を測定し、投与前血圧から12時間後の血圧変化率を算出した。
(d)統計学処理方法;得られた測定結果は、平均値及び標準誤差を表してStudent's t-testを行い、有意水準は5%とした。
ii)結果
表2から明らかなように、本発明のコーヒー飲料組成物を摂取することにより、通常のインスタントコーヒーを摂取した場合に比較して、著明な血圧降下を認めた。
Figure 0003839831
実施例3
血圧降下評価
i)実験材料及び方法
(a)12週齢の雄性自然発症高血圧ラット(SHR)を実施例2と同様に予備飼育した。
(b)投与方法及び投与量;対照群では生理食塩水を経口投与した。比較群ではクロロゲン酸が主成分である生コーヒー豆抽出物(フレーバーホルダーFH1041:長谷川香料(株)製)を使用した。投与量は総クロロゲン酸量として300mg/kgの投与量となるように作製した。試験群1ではFH1041を総クロロゲン酸量として300mg/kg、ヒドロキシヒドロキノンを0.03mg/kg(総クロロゲン酸量に対して0.01%)の投与量となるように作製した。以下試験群2では、FH1041を総クロロゲン酸量として300mg/kg、ヒドロキシヒドロキノンを0.3mg/kg(総クロロゲン酸量に対して0.1%)、試験群3では、FH1041を総クロロゲン酸量として300mg/kg、ヒドロキシヒドロキノンを3mg/kg(総クロロゲン酸量に対して1%)の投与量となるように作製した。投与方法は経口用ゾンデを用いて、経口投与を行った。投与量は5mL/匹とした。
(c)試験方法;SHRを1群3匹使用した。経口投与前と12時間後の尾静脈の収縮期血圧を測定し、投与前血圧から12時間後の血圧変化率を算出した。
(d)統計学処理方法;得られた測定結果は、平均値及び標準誤差を表して多群検定(Scheffe)を行い、有意水準は5%とした。
ii)結果
表3から明らかなように、クロロゲン酸にヒドロキシヒドロキノンを添加することにより、クロロゲン酸の血圧降下が阻害された。
Figure 0003839831
実施例4
(実施例1で得た画分Aを用いた缶コーヒーの製造)
画分A 0.75gを140mLの水に溶解し、缶に充填、巻締めを行った後、レトルト殺菌(121℃で10分間)を施し、缶コーヒーを得た。
実施例5
(実施例1で得た画分Aを用いた粉末コーヒーの製造)
画分Aを粉砕することにより粉末コーヒーを得た。
実施例6
本発明品のコーヒー飲料組成物は次の方法でも製造した。
活性炭処理コーヒーの製造
市販インスタントコーヒー(ネスカフェ(登録商標)ゴールドブレンド赤ラベル)20gを、蒸留水1400mLに溶解したのち(このコーヒーをコーヒーPという)、活性炭白鷺WH2c 28/42(平均細孔径4.2オングストローム、日本エンバイロケミカルズ)を30g加え、1時間攪拌したのち、メンブレンフィルター(0.45μm)を用いてろ過し、ろ液を得た(このコーヒーをコーヒーQという)。得られたろ液を、凍結乾燥し、褐色粉末15.8gを得た。この褐色粉末を蒸留水に溶解し、実施例1と同様にしてHPLC分析により、クロロゲン酸及びHHQの定量を行なったところ、クロロゲン酸は4.12質量%含まれ、HHQは検出限界以下(分析条件Bによる)であった。また、ICP発光分光分析法でカリウム含量を測定したところ、原料インスタントコーヒー及び活性炭処理コーヒーのいずれも約4.2質量%であった。コーヒーP、コーヒーQ及びガリックアシッドをHPLCを用いて分析すると、図1及び図2に示すチャートが得られた。コーヒーQにおいては保持時間6.8分付近のピークが消失し、実質的にピークを有していない。図1におけるaはコーヒーPのチャートを、bはコーヒーQのチャートを、cはガリックアシッドのチャートを示す。図2におけるbはコーヒーPのチャートを、cはコーヒーQのチャートを、aはガリックアシッドのチャートを示す。
また、本発明のコーヒー飲料組成物中のヒドロキシヒドロキノン(HHQ)量の測定は以下の方法でも行った。
ヒドロキシヒドロキノンの測定
コーヒー飲料組成物のヒドロキシヒドロキノンの分析法は次の通りである。分析機器はHPLC−電気化学検出器(クーロメトリック型)であるクーロアレイシステム(モデル5600A、開発・製造:米国ESA社、輸入・販売:エム・シー・メディカル(株))を使用した。装置の構成ユニットの名称・型番は次の通りである。
アナリティカルセル:モデル5010、クーロアレイオーガナイザー、クーロアレイエレクトロニクスモジュール・ソフトウエア:モデル5600A、溶媒送液モジュール:モデル582、グラジエントミキサー、オートサンプラー:モデル542、パルスダンパー、デガッサー:Degasys Ultimate DU3003、カラムオーブン:505。カラム:CAPCELL PAK C18 AQ 内径4.6mm×長さ250mm 粒子径5μm((株)資生堂)。
分析条件は次の通りである。
サンプル注入量:10μL、流量:1.0mL/min、電気化学検出器の印加電圧:0mV、カラムオーブン設定温度:40℃、溶離液A:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、5(V/V)%メタノール溶液、溶離液B:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、50(V/V)%メタノール溶液。
溶離液A及びBの調製には、高速液体クロマトグラフィー用蒸留水(関東化学(株))、高速液体クロマトグラフィー用メタノール(関東化学(株))、リン酸(特級、和光純薬工業(株))、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(60%水溶液、東京化成工業(株))を用いた。
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
10.1分 0% 100%
20.0分 0% 100%
20.1分 100% 0%
50.0分 100% 0%
分析試料の調製は、試料2gを精秤後、溶離液Aにて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(HLC−DISK25溶媒系、孔径0.45μm、高速液体クロマトグラフィー用、関東化学(株))にて濾過した。得られた濾液約2.5mLについて、ボンドエルートSCX(固相充填量:500mg、リザーバ容量:3mL、ジーエルサイエンス(株))に通液し、初通過液約0.5mLを除いた通過液を、速やかに分析に供した。
上記の条件における分析において、ヒドロキシヒドロキノンの保持時間は、6.38分であった。得られたピークの面積値から、ヒドロキシヒドロキノン(和光純薬工業(株))を標準物質とし、質量%を求めた。
尚、本発明の発明のコーヒー飲料組成物中の過酸化水素量を高感度過酸化水素計を用いて測定したところ、過酸化水素量は検出限界以下であり検出されなかった。また、コーヒーPの灰分量は、前述の測定法により測定したところ、コーヒー飲料100gあたりの量で表すと、186mg/100gであり、コーヒーQの灰分量は176mg/100gであった。
実施例7
市販インスタントコーヒー(ネスカフェ(登録商標)ゴールドブレンド赤ラベル)20gを、蒸留水1400mLに溶解したのち(このコーヒーをコーヒーPという)、活性炭クラレコールGW−H 48/100(平均細孔径3.9オングストローム)を10g加え、1時間攪拌したのち、メンブレンフィルター(0.45μm)を用いてろ過し、ろ液を得た(このコーヒーをコーヒーQという)。得られたろ液を、凍結乾燥し、褐色粉末16.5gを得た。この褐色粉末を蒸留水に溶解し、実施例1と同様にしてHPLC分析により、クロロゲン酸及びHHQの定量を行なったところ、クロロゲン酸は4.31質量%含まれ、HHQは検出限界以下(分析条件Bによる)であった。また、ICP発光分光分析法でカリウム含量を測定したところ、原料インスタントコーヒー及び活性炭処理コーヒーのいずれも約4.2質量%であった。
実施例8
実施例6で作製したコーヒー飲料組成物の血圧降下評価
実験材料及び方法
(a)13−14週齢の雄性自然発症高血圧ラット(SHR)を予備的に5日間連続で市販のラット用非観血式血圧測定装置(ソフトロン社製)を用いて血圧測定することにより、ラットを血圧操作に十分慣れさせた後、評価試験を測定した。ラットはすべて温度25±1℃、相対湿度55±10%、照明時間12時間(午前7時〜午後7時)の条件下(ラット区域内飼育室)で飼育した。
(b)投与方法及び投与量;試験群では実施例6で作製したコーヒー飲料組成物(活性炭処理コーヒー)を用いた。対照群は市販のインスタントコーヒーを使用した。活性炭処理コーヒーとインスタントコーヒーをそれぞれ生理食塩水に溶解し、総クロロゲン酸量として200mg/kgの投与量となるように作製した。投与方法は経口用ゾンデを用いて、経口投与を行った。投与量は5mL/kgとした。
(c)試験方法;SHRを1群4−6匹使用した。経口投与前と12時間後の尾静脈の収縮期血圧を測定し、投与前血圧から12時間後の血圧変化率を算出した。
(d)統計学処理方法;得られた測定結果は、平均値及び標準誤差を表してStudent's t-testを行い、有意水準は5%とした。
結果;表4から明らかなように、本発明のコーヒー飲料組成物を摂取することにより、通常のインスタントコーヒーを摂取した場合に比較して、著明な血圧降下を認めた。
Figure 0003839831
実施例6で作製したコーヒー飲料組成物の血圧降下評価
(ラットにおける血圧上昇抑制評価)
実験材料及び方法
(a)使用動物;6週齢の雄性自然発症高血圧ラット(SHR)を、予備的に7日間連続で市販のラット用非観式血圧測定装置(ソフトロン社製)を用いて血圧測定することにより、ラットを血圧測定操作に十分慣れさせたのち、評価試験を開始した。ラットはすべて温度25±1℃、湿度55±10%、照明時間12時間(午前7時〜午後7時)の条件下(ラット区域内飼育室)で飼育した。
(b)投与方法及び投与量;試験区1〜2と対照区を用意した。投与方法は経口投与とし、金属製胃ゾンデを用いて強制的に投与した。投与量は10mL/kg/dayとし、週5日で4週間投与した。
(c)試験方法;7週齢SHRを1群6−9匹使用し、試験開始前と開始後7週間における尾動脈の収縮期血圧を毎週測定した。
(d)統計学的処理方法;得られた試験成績は平均値及び標準誤差で表してStudent's t-testを行い、有意水準は5%以下とした。
結果;グラフに、試験開始前及び開始後7週間における収縮期血圧(SBP)を示した。図3から明らかなように、対照区に及び試験区1と比較してHHQ除去コーヒーである試験区2は有意に血圧上昇を抑制した。
血圧降下評価用サンプルを以下のようにして製造し、血圧降下試験に供した。
プラセボ(P):一般的抽出機に中煎り(L=22)・粉砕(中挽き)デカフェコロンビア豆を400g投入後、95℃の湯を加え3200gの抽出液を得る。その抽出液にイオン交換水及び重曹をpH6.3になる様に加え調合液を得、その調合液を190g容金属缶に充填・密封後、118.1℃にて10分のレトルト殺菌を行い、プラセボ用試験飲料を得た。殺菌後のpHは5.8であった。
サンプル(S):一般的抽出機に中煎り(L=22)・粉砕(中挽き)デカフェコロンビア豆を400g投入後、95℃の湯を加え3200gの抽出液を得る。その抽出液の固形量に対し、50%(w/w)の活性炭WH2c(日本エンバイロケミカル社製)を添加し、30分間攪拌後、遠心ろ過を行い活性炭除去し、脱HHQコーヒー抽出液を得る。その脱HHQコーヒー抽出液にイオン交換水及び重曹をpH6.3になる様に加え調合液を得る。その調合液を190g容金属缶に充填・密封後、118.1℃にて10分のレトルト殺菌を行い、サンプル用試験飲料を得た。殺菌後のpHは5.8であった。
(健常人の血圧降下試験)
試験飲料(一缶190mL)
(P)Placebo クロロゲン酸433mg/缶 カフェイン194mg/缶 HHQ3.0ppm
(S)Sample クロロゲン酸448mg/缶 カフェイン142mg/缶 HHQ0.1ppm以下
試験方法
30−40才代男性9名によるHHQ除去コーヒー飲料を用いた血圧降下性能の評価を4週間毎の交叉試験により実施した。
1)活性炭処理によりHHQを除去した缶コーヒー飲料(S)と通常缶コーヒー(P)2種類のコーヒー飲料を調製し、香味的に同等であることを確認した。内容物についてのブラインドを保ち、毎日1本(190mL)、好きな時に飲用する条件にて、(P)を4週間、(S)を4週間、計8週間の飲用期間にて継続して飲用した。
2)血圧測定血圧測定には、オムロン社血圧計を用いた。飲用開始前及び飲用後4週間、毎週定時時間帯に、血圧測定前に10分間の安静を保たせた後に血圧測定を行った。なお、試験前の平均血圧値は、138mmHg(収縮期)であった。尚、試験期間中は他のコーヒー飲料の摂取を禁止した。
飲用後の収縮期血圧降下値を図4に、抗張期血圧降下値を図5に示すが、本発明のHHQ除去コーヒー飲料に血圧降下作用が認められた。
実施例9
実施例6で得られた活性炭処理コーヒー2gを140mLの水に溶解し、缶に充填、巻き締めを行った後、レトルト殺菌(121℃で10分間)を施し、缶コーヒーを得た。
実施例10
実施例6で得られた凍結乾燥品をそのまま粉末コーヒーとした。
実施例11〜13
コーヒー抽出物の製造及び容器詰飲料の製造と飲用評価
多段式抽出機において、焙煎(中煎り、L=22)・粉砕されたガテマラコーヒー豆に120℃・熱水を加え冷却後コーヒー抽出液(エキス)を得た。仕込み豆量に対し30%の固形を回収した。得られた抽出液の固形量に対し50%(w/w)の活性炭WH2c(日本エンバイロケミカル社製)を添加し、30分間攪拌後、遠心ろ過を行い活性炭を除去し、脱HHQコーヒー抽出液を得た。次いで、抽出液にイオン交換水及び重曹をpH6.3になる様に加え調合液を得、調合液を85℃に加温後、190g容量の金属缶に充填し、ヘッドスペースをN2ガスにて置換後、巻き締め密封し、得られた密封容器を118.1℃にて10分間のレトルト殺菌し、容器詰飲料を得た。殺菌後のpHは5.8であった。得られた容器詰飲料の分析値及び評価を表5に示した。
Figure 0003839831
コーヒーQのHPLCチャート(検出波長258nm)を示す図である。 コーヒーQのHPLCチャート(検出波長288nm)を示す図である。 SHRに対する連続投与による、HHQ除去コーヒー飲料組成物(HHQ(−)C)の血圧降下作用を示す図である。HHQ(+)Cは、クロロゲン酸類非除去コーヒー投与群である。 ヒトに対するHHQ除去コーヒー飲料組成物(Sample)の血圧降下作用(収縮期血圧)を示す図である。 ヒトに対するHHQ除去コーヒー飲料組成物(Sample)の血圧降下作用(拡張期血圧)を示す図である。

Claims (10)

  1. 次の成分(A)及び(B)、
    (A)クロロゲン酸類 0.01〜1質量%、
    (B)ヒドロキシヒドロキノン クロロゲン酸類量の0.1質量%未満
    を含有するコーヒー飲料組成物。
  2. 速液体クロマトグラフィーによる分析において、ガリックアシッドを標準物質とした場合のガリックアシッドに対する相対保持時間が0.54〜0.61の時間領域に、実質的にピークを有しないものである請求項1記載のコーヒー飲料組成物。
  3. 高血圧改善用組成物である請求項1又は2記載のコーヒー飲料組成物。
  4. 次の成分(A)及び(B)、
    (A)クロロゲン酸類 0.1〜10質量%、
    (B)ヒドロキシヒドロキノン クロロゲン酸類量の0.1質量%未満
    を含有するソリュブルコーヒー組成物。
  5. 速液体クロマトグラフィーによる分析において、ガリックアシッドを標準物質とした場合のガリックアシッドに対する相対保持時間が0.54〜0.61の時間領域に、実質的にピークを有しないものである請求項4記載のソリュブルコーヒー組成物。
  6. 高血圧改善用組成物である請求項又は記載のソリュブルコーヒー組成物。
  7. 次の成分(A)及び(B)、
    (A)クロロゲン酸類 0.01〜1質量%、
    (B)ヒドロキシヒドロキノン クロロゲン酸類量の0.1質量%未満
    を含有するコーヒー飲料組成物を充填した容器詰飲料。
  8. 高血圧改善用組成物である請求項記載の容器詰飲料。
  9. シングルストレングスである請求項7又は8記載の容器詰飲料。
  10. 容器が酸素非透過性である請求項7〜9のいずれか1項記載の容器詰飲料。
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