JP3973676B2 - 容器詰ミルクコーヒー飲料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、血圧降下作用を有する容器詰ミルクコーヒー飲料の製造方法に関する。
高血圧症の治療薬としては、神経因子による調節系に作用する各種神経遮断薬、液性因子に関わる調節系に作用するACE阻害薬、AT受容体拮抗薬、血管内皮由来物質による調節系に関わるCa拮抗薬、腎臓での体液調節系に関わる降圧利尿薬などの医薬品が挙げられ、これらは主として医療機関において、重症の高血圧患者に使用される。しかし、現状において高血圧症対策の目的で使用される医薬品は、有効性に関しては満足できる反面少なからず存在する副作用のため患者にかかる負担は大きい。
このため食餌療法、運動療法、飲酒・喫煙の制限などの生活改善による一般療法が、軽症を含む正常高値高血圧症者から重症な高血圧症者に広く適用されている。一般療法の重要性の認識の高まりに伴い、特に食生活の改善が重要であるといわれ続けている。そして血圧降下作用を有する食品から食品由来の降圧素材の探索がさかんに行われ、その有効成分の分離・同定が数多く行われている。
このうち、コーヒー等の食品に含まれているクロロゲン酸、カフェ酸、フェルラ酸等が優れた血圧降下作用を示すことが報告されている(特許文献1〜3)。しかしながら、クロロゲン酸類を多量に含むことが知られているコーヒー飲料では、明確な血圧降下作用が認められず、逆に血圧を上昇させるという報告もある(非特許文献1)。
特開2002−363075号公報 特開2002−22062号公報 特開2002−53464号公報 Eur.J.Clin.Nutr.,53(11),831(1999)
本発明の目的は、優れた高血圧改善作用を有し、通常摂取できる容器詰ミルクコーヒー飲料を提供することにある。
本発明者は、コーヒー飲料がクロロゲン酸を含んでいるにもかかわらず、十分な血圧降下作用を示さないことに着目し、血圧降下作用とコーヒー飲料成分との関係について種々検討した結果、コーヒー飲料に含まれているヒドロキシヒドロキノンがクロロゲン酸類の血圧降下作用を阻害していることを見出した。そして、クロロゲン酸類量を一定範囲に保持し、ヒドロキシヒドロキノン含量を通常含まれる量より十分少ない一定量以下に低下させれば、優れた血圧降下作用を有するコーヒー組成物が得られることを見出した。
しかし、このコーヒー組成物に乳成分を配合して容器詰ミルクコーヒー飲料とした場合、ヒドロキシヒドロキノン含量を低下させても、加熱殺菌処理工程でヒドロキシヒドロキノンが再生成してしまうことが判明した。そこで更に検討した結果、殺菌条件を限定することで、加熱殺菌処理によるヒドロキシヒドロキノンの生成を抑制でき、優れた血圧降下作用を有する容器詰ミルクコーヒー飲料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、下記条件(A)及び(B):
(A)クロロゲン酸類 0.01〜1質量%、
(B)ヒドロキシヒドロキノン クロロゲン酸類量の0.1質量%未満
を満たす乳成分を含有するコーヒー組成物を、殺菌温度123℃以上、殺菌時間20分以内で加熱殺菌処理することを特徴とする、ヒドロキシヒドロキノン含有量が0〜0.000085質量%であり、ヒドロキシヒドロキノン量がクロロゲン酸類量の0.1質量%未満である容器詰ミルクコーヒー飲料の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、優れた高血圧改善作用、すなわち血圧降下作用又は血圧上昇抑制作用を有し、かつ長期摂取可能である容器詰ミルクコーヒー飲料を得ることができる。従って、本発明の容器詰ミルクコーヒー飲料は、高血圧改善用の医薬として、更には血圧降下のために、又は、血圧上昇抑制のために用いられる旨、又は血圧が高めの方にと表示された飲料として有用である。
本発明方法に用いられるコーヒー組成物は、血圧降下作用、血圧上昇抑制作用、及び味の点で、(A)クロロゲン酸類を0.01〜1質量%含有するが、好ましくは0.05〜0.8質量%、より好ましくは0.1〜0.6質量%、更に好ましくは0.13〜0.5質量%、特に好ましくは0.15〜0.4質量%含有する。(A)当該クロロゲン酸類としては(A1)モノカフェオイルキナ酸、(A2)フェルラキナ酸、(A3)ジカフェオイルキナ酸の三種を含有する。ここで(A1)モノカフェオイルキナ酸としては3−カフェオイルキナ酸、4−カフェオイルキナ酸及び5−カフェオイルキナ酸から選ばれる1種以上が挙げられる。また(A2)フェルラキナ酸としては、3−フェルラキナ酸、4−フェルラキナ酸及び5−フェルラキナ酸から選ばれる1種以上が挙げられる。(A3)ジカフェオイルキナ酸としては3,4−ジカフェオイルキナ酸、3,5−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸から選ばれる1種以上が挙げられる。当該クロロゲン酸類の含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定することができる。HPLCにおける検出手段としては、UV検出が一般的であるが、CL(化学発光)検出、EC(電気化学)検出、LC−Mass検出等により更に高感度で検出することもできる。
また、本発明方法に用いられるコーヒー組成物は、ヒドロキシヒドロキノン(B)の含量がクロロゲン酸類量に対して0.1質量%未満である。クロロゲン酸類量に対してヒドロキシヒドロキノン量が0.1質量%未満であれば、クロロゲン酸類の血圧降下作用が発揮される。好ましくは0.001〜0.085質量%、より好ましくは0.001〜0.07質量%、更に好ましくは0.002〜0.05質量%、特に好ましくは0.003〜0.03質量%、最も好ましくは0.004〜0.02質量%である。クロロゲン酸類量に対してヒドロキシヒドロキノン量が0.05質量%以下であればクロロゲン酸の血圧降下作用はさらに顕著となる。ここで、組成物中のヒドロキシヒドロキノン含量は0であってもよい。
当該ヒドロキシヒドロキノン含量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定することができる。HPLCにおける検出手段としては、UV検出が一般的であるが、CL(化学発光)検出、EC(電気化学)検出、LC−Mass検出等により更に高感度で検出でき、特にEC(電気化学)検出が極微量のヒドロキシヒドロキノンを測定できる点で好ましい。なお、HPLCによるヒドロキシヒドロキノン含量の測定にあたっては、容器詰ミルクコーヒー飲料又はコーヒー組成物を濃縮した後に測定することもできる。
更にヒドロキシヒドロキノン含量は、HPLCで直接測定することもできるが、本発明により得られた容器詰ミルクコーヒー飲料又はコーヒー組成物から、各種クロマトグラフィーによりヒドロキシヒドロキノンを濃縮して、その濃縮画分の量を測定することによっても定量できる。なお、クロロゲン酸類量の測定にあたっては、容器詰ミルクコーヒー飲料を開封後直ちに、例えば50mM酢酸、10mM酢酸ナトリウム、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸を含有する5%アセトニトリル溶液にて10倍に希釈した溶液、又は、40〜50mM酢酸、9〜10mM酢酸ナトリウム、0.09〜0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸を含有する4〜5(V/V)%アセトニトリル溶液系で測定するのが好ましい。さらに、ヒドロキシヒドロキノンの測定にあたっては、容器詰ミルクコーヒー飲料を開封後直ちに、0.5(W/V)%リン酸、0.5mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸を含有する5(V/V)%メタノール溶液にて2倍に希釈した溶液、又は、0.25〜0.5(W/V)%リン酸、0.25〜0.5mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸を含有する2.5〜5(V/V)%メタノール溶液系で測定するのが好ましい。
本発明方法に用いられるコーヒー組成物は、ヒドロキシヒドロキノン含量を低減させる以外は、通常のコーヒー成分をそのまま含有しているのが好ましい。
また本発明の容器詰ミルクコーヒー飲料又はミルクコーヒー組成物は、H22(過酸化水素)の含有量が1ppm以下、より好ましくは0.1ppm以下、更に0.05ppm以下、特に0.01ppm以下であるのがコーヒー本来の風味の点で好ましい。過酸化水素の測定は通常用いられる過酸化水素計を用いて行うことができ、例えば、セントラル科学社製の高感度過酸化水素計スーパーオリテクターモデル5(SUPER ORITECTOR MODEL5)等を用いることができる。特に、H22は開缶前は殺菌処理により失われているものの、開缶によって空気に触れると時間経過と共に徐々に増加する傾向があることから、特許文献3732782号、3706339号に記載の測定条件に則り、開缶後迅速かつ速やかに分析する。
本発明方法に用いられるコーヒー組成物は、コーヒー豆からの抽出物、インスタントコーヒーの水溶液、液体コーヒーエキスなどから調製することができる。
本発明において、コーヒー組成物を得るのに用いるコーヒー豆の種類は、特に限定されないが、例えばブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジェロ、マンデリン、ブルーマウンテン等が挙げられる。コーヒー豆種としては、アラビカ種、ロブスタ種などがある。コーヒー豆は1種でもよいし、複数種をブレンドして用いてもよい。コーヒー豆を焙煎により焙煎コーヒー豆とする方法については、特に制限はなく、焙煎温度、焙煎環境についても何ら制限はないが、好ましい焙煎温度は通常100〜300℃、更に好ましくは150〜250℃である。好ましい焙煎方法としては直火式又は熱風式、半熱風式があり、回転ドラムを有している形式が更に好ましい。また風味の観点より焙煎後1時間以内に0〜100℃まで冷却することが好ましく、更に好ましくは10〜60℃である。焙煎コーヒー豆の焙煎度としては、ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンがあり、ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティが好ましい。焙煎度を色差計で測定したL値としては、通常10から30、好ましくは15から25である。尚、焙煎度の違うコーヒー豆を混合しても良い。
コーヒー豆からの抽出方法についても何ら制限はなく、例えば焙煎コーヒー豆又はその粉砕物から水〜熱水(0〜100℃)などの抽出溶媒を用いて10秒〜30分抽出する方法が挙げられる。粉砕度合いは、極細挽き(0.250−0.500μm)、細挽き(0.300−0.650μm)、中細挽き(0.530−1.000μm)、中挽き(0.650−1.500μm)、中粗挽き、粗挽き(0.850−2.100μm)、極粗挽き(1.000−2.500μm)や平均粒径3mmや同5mm、同10mm程度のカット品が挙げられる。抽出方法は、ボイリング式、エスプレッソ式、サイホン式、ドリップ式(ペーパー、ネル等)等が挙げられる。
抽出溶媒としては、水、アルコール含有水、ミルク、炭酸水などが挙げられる。抽出溶媒のpHは通常4−10であり、風味の観点からは5−7が好ましい。尚、抽出溶媒の中にpH調整剤、例えば重炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸、L−アルコルビン酸Naを含有させ、pHを適宜調整しても良い。
抽出器としては、ペーパードリップ、不織布ドリップ、サイフォン、ネルドリップ、エスプレッソマシン、コーヒーマシン、パーコレーター、コーヒープレス、イブリック、ウォータードリップ、ボイリング、コーヒーカップへ実質的に懸架可能なペーパー又は不織布の袋状構造体、上部にスプレーノズル下部に実質的にコーヒー豆の固液分離可能な構造体(メッシュやパンチングメタルなど)を有するドリップ抽出器、上部及び下部に実質的にコーヒー豆の固液分離可能な構造体(メッシュやパンチングメタルなど)を有するカラム抽出器等が挙げられる。抽出器に加熱又は冷却可能な構造(例えば、電気ヒーター、温水や蒸気、冷水が通液可能なジャケット)を有していても良い。
抽出方法としてはバッチ式抽出法、半バッチ式抽出法、連続式抽出法が挙げられる。バッチ式抽出法又は半バッチ式抽出法の抽出時間は10秒〜120分である。風味の観点より、30秒から30分が好ましい。
また、本発明方法に用いられるコーヒー組成物は乳成分を含有する。乳成分としては、例えば生乳、牛乳、全粉乳、脱脂粉乳、生クリーム、濃縮乳、脱脂乳、部分脱脂乳、練乳、植物油等が挙げられる。これらの乳成分は、合計でコーヒー飲料組成物中に乳固形分換算で0.1〜10質量%、さらに0.5〜6質量%、特に1〜4質量%含有するのが好ましい。
本発明方法により製造される容器詰ミルクコーヒー飲料は、飲料100gあたりコーヒー豆を生豆換算で1g以上、好ましくはコーヒー豆を2.5g以上、更に好ましくはコーヒー豆を5g以上使用しているものである。
本発明方法に用いられるコーヒー組成物は、コーヒー抽出液を含む液を吸着剤処理してヒドロキシヒドロキノン量を低減させる方法(吸着剤処理法)、コーヒー抽出液を含む液中の酵素処理によりヒドロキシヒドロキノン含量を低減させることにより得られる方法などによりヒドロキシヒドロキノン量を調整することができる。
吸着剤処理法に用いる吸着剤としては、活性炭、逆相クロマトグラフ担体、白土(活性白土、酸性白土)などが挙げられ、これら2種以上の混合物であってもよい。吸着剤の平均粒径は、通常1μm〜20mmが好ましく、さらに好ましくは50μm〜5mmである。吸着剤処理方法は、バッチ法であってもカラム通液方法であっても良い。
バッチ法としては、例えばコーヒー抽出液を含む液に吸着剤を加え−10〜100℃で0.5分〜5時間撹拌した後、吸着剤を除去すればよい。処理時の雰囲気としては、空気下、不活性ガス下(窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素、炭酸ガス)が挙げられるが、風味の観点より不活性ガス下が好ましい。
カラム通液法としては、例えば吸着カラム内に吸着剤を充填し、コーヒー抽出液を含む液をカラム下部又は上部から通液させ、他方から排出させる。吸着剤のカラム内への充填量は、通液前に吸着カラムに充填できる量であれば良い。吸着カラムの上段又は下段の少なくとも1つにメッシュ(網)又はパンチングメタルなど有し実質的に吸着剤が漏れ出さない分離構造体を有していれば良い。
吸着剤量は、コーヒー抽出液中のコーヒー豆由来可溶性固形分に対して、0.01〜100倍である。風味の観点より、活性炭の場合は、0.02〜1.0倍、逆相クロマトグラフ担体の場合は2〜100倍用いるのが好ましい。
活性炭としては、ミクロ孔領域における平均細孔半径が5オングストローム(Å)以下、更には、2〜5オングストロームの範囲であることが好ましく、特に3〜5オングストロームの範囲であることが好ましい。本発明におけるミクロ孔領域とは、10オングストローム以下を示し、平均細孔半径は、MP法により測定して得た細孔分布曲線のピークト
ップを示す細孔半径の値とした。MP法とは、文献(Colloid and Interface Science,26,46(1968))に記載の細孔測定法であり、株式会社住化分析センター、株式会社東レリサーチセンター等にて採用されている方法である。
また、活性炭の種類としては、ヤシ殻活性炭が好ましく、更に水蒸気賦活化ヤシ殻活性炭が好ましい。活性炭の市販品としては、白鷺WH2C、WH2CL、W2CL、W2C、EH(日本エンバイロケミカルズ)、太閣CW(二村化学)、クラレコールGW(クラレケミカル)等を用いることができる。
白土は、5%のサスペンジョンのpHが5〜10である酸性白土が好ましい。酸性白土の市販品としては、ミズカエース等を用いることができる。
逆相クロマトグラフ担体としては、YMC・ODS−A(YMC)、C18(GLサイエンス)等が挙げられる。
これらの吸着剤処理法のうち、活性炭を用いた吸着剤処理法はクロロゲン酸類量を低下させることなく選択的にヒドロキシヒドロキノン含量を低減させることができるだけでなく、風味も良く工業的にも有利であり、更にカリウム含量を低下させない(質量比で1/5以上、特に1/2以上保持)方がコーヒー本来の風味の点からも好ましい。
尚、吸着剤処理工程は、コーヒー抽出液のみで処理をおこなうのが好適であるが、乳や乳製品、副原料を混合し処理をおこなっても良い。
本発明方法に用いられるコーヒー組成物は、高速液体クロマトグラフィーによる分析における、没食子酸を標準物質とした場合の没食子酸に対する相対保持時間が0.54〜0.61の時間領域にヒドロキシヒドロキノンのピークを有しないことが好ましい。当該時間領域に実質的にピークを有しないことを確認するには、一般的なHPLCを使用することができ、例えば溶離液として0.05M酢酸水溶液と0.05M酢酸100%アセトニトリル溶液のグラジエントを用い、ODSカラムを用いて、紫外線吸光光度計等により検出することで確認することができる。
本発明において没食子酸に対する相対保持時間が0.54〜0.61の時間領域に実質的にピークを有しないとは、没食子酸の1ppm溶液を分析時の面積値をS1とし、同条件でコーヒー飲料組成物を分析した時の前記特定の領域に溶出する成分に由来するピーク面積の総和をS2としたとき、S2/S1<0.01であることを意味する。
本発明方法に用いられるコーヒー組成物には、所望により、ショ糖、グルコース、フルクトース、キシロース、果糖ブドウ糖液、糖アルコール等の糖分、抗酸化剤、pH調整剤、乳化剤、香料等を添加することができる。コーヒー組成物のpHとしては、飲料の安定性の面から5〜7、更に5.4〜6.5、特に5.5〜6.2が好ましい。
本発明方法により製造される容器詰ミルクコーヒー飲料は、優れた血圧降下作用を有する。特に、参考例2に示すように雄性自然発症高血圧ラット(SHR)に総クロロゲン酸量として200mg/kg経口投与した場合に12時間後の血圧変化率が7%以上低下するものが好ましく、さらに好ましくは8.5%以上低下するものである。このためには加熱殺菌処理後、ヒドロキシヒドロキノン含有量が0〜0.000085質量%であり、且つクロロゲン酸類量に対してヒドロキシヒドロキノン量が0.1質量%未満であることが必要である。ヒドロキシヒドロキノン含有量が0〜0.000085質量%であり、且つクロロゲン酸類量に対してヒドロキシヒドロキノン量が0.1質量%未満であれば、クロロゲン酸類の血圧降下作用が発揮される。ヒドロキシヒドロキノン含有量は、好ましくは0〜0.00008質量%、より好ましくは0〜0.000065質量%、更に好ましくは0〜0.000045質量%である。クロロゲン酸類量に対してヒドロキシヒドロキノン量が、好ましくは0.001〜0.08質量%、より好ましくは0.002〜0.07質量%、更に好ましくは0.003〜0.06質量%、特に好ましくは0.004〜0.05質量%である。ここで、組成物中のヒドロキシヒドロキノン含量は0であっても良い。
本発明方法により製造される容器詰ミルクコーヒー飲料は、コーヒー組成物と乳成分をPETボトル、缶(アルミニウム、スチール)、紙、レトルトパウチ、瓶(ガラス)等の容器に詰めて製造することができる。この場合、コーヒー組成物と乳成分を容器に詰めて50〜2500mLの容器詰ミルクコーヒー飲料とすることができる。容器詰ミルクコーヒー飲料は、シングルストレングスであることが好ましい。ここでシングルストレングスとは、容器詰飲料を開封した後、常態として薄めずにそのまま飲めるものをいう。容器詰ミルクコーヒー飲料のpHとしては5〜7が好ましく、更に5.5〜6.8が好ましく、特に5.5〜6.5が好ましい。また、本発明により得られる容器詰ミルクコーヒー飲料中のモノカフェオイルキナ酸の構成比としては、4−カフェオイルキナ酸/3−カフェオイルキナ酸質量比が0.6〜1.2であり、5−カフェオイルキナ酸/3−カフェオイルキナ酸質量比が0.01〜3であることが好ましい。
容器としては、コーヒー中の成分の変化を防止する観点から、酸素透過度の低い容器が好ましく、例えば、アルミニウムや、スチールなどの缶、ガラス製のビン等を用いるのが良い。缶やビンの場合、リキャップ可能な、リシール型のものも含まれる。ここで酸素透過性とは、容器・フィルム酸素透過率測定器で20℃、相対湿度50%の環境下で測定した酸素透過度(cc・mm/m2・day・atm)であり、酸素透過度が5以下が好ましく、更に3以下、特に1以下が好ましい。
本発明において、殺菌時間は、ヒドロキシヒドロキノンの再生成を効果的に抑制する点及び風味の点で、20分以内であり、好ましくは1秒〜20分、より好ましくは3秒〜17分、さらに好ましくは15秒〜15分である。バッチ式殺菌機においての殺菌時間は、風味の観点より好ましくは2〜20分、更に好ましくは3〜15分である。連続式殺菌機においての殺菌時間は、風味の観点より好ましくは10〜90秒、更に好ましくは20〜80秒である。
また、殺菌温度は、微生物学的安定性の点で123℃以上であり、更に125〜150℃、特に126〜145℃が好ましい。バッチ式殺菌機においての殺菌温度は、風味の観点より123〜135℃が好ましく、比較的短時間で殺菌可能である連続式殺菌機においての殺菌温度は、風味の観点より130〜150℃が好ましい。
殺菌器はバッチ式殺菌機又は連続式殺菌機が使用可能である。バッチ式殺菌機としては、レトルト釜がある。連続式殺菌機としては、チューブ式殺菌機、プレート式殺菌機、HTSTプレート式殺菌装置、UHT殺菌機などがある(改訂版ソフトドリンクス、頁546−558、頁633−638、監修:全国清涼飲料工業会、発行:光琳)。風味の観点より、連続殺菌機が好ましく。特に、連続加熱殺菌後無菌下で充填する技術が好ましい。
また、殺菌時間及び殺菌温度はF0値を管理することにより行うのが好ましい。F0値は、微生物学的安定性、ヒドロキシヒドロキノンの再生成を効果的に抑制する点及び風味の点で、25以上であり、好ましくは30〜60、より好ましくは30〜50、更に好ましくは37〜45である。ここで、F0値とは、容器詰ミルクコーヒー飲料を加熱殺菌した場合の加熱殺菌効果を評価する値で、基準温度(121.1℃)における加熱時間(分)を示す。F0値は、容器内温度に対する致死率(121.1℃で1)に、加熱時間(分)を乗じて算出される。致死率は致死率表(藤巻正生ら、「食品工業」、恒星社厚生閣、1985年、1049頁)から求めることができる。F0値を算出するには、一般的に用いられる面積計算法、公式法等を採用することができる(例えば谷川ら《缶詰製造学》頁220、厚生閣 参照)。
本発明において、F0値を所定の値になるよう設定するには、例えば、予め得た致死率曲線から、適当な加熱温度・加熱時間を決定すればよい。
当該加熱殺菌処理は、上記条件の他、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で行われる。PETボトルや紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ食品衛生法に定められた条件と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器で高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用される。また無菌下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻すことや、中性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻す等の操作も可能である。
かくして得られる容器詰ミルクコーヒー飲料は、高血圧改善作用を有するクロロゲン酸類を有効量含有しており、かつ加熱殺菌処理後もクロロゲン酸類の高血圧改善作用を阻害しているヒドロキシヒドロキノン量が低減されていることから、血圧降下用、又は血圧上昇抑制医薬組成物、血圧降下用飲料、血圧上昇抑制飲料として有用である。
クロロゲン酸類及びヒドロキシヒドロキノンの分析法は次の通りである。
クロロゲン酸類の分析方法
コーヒー組成物又は容器詰ミルクコーヒー飲料のクロロゲン酸類の分析法は次の通りである。分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通り。UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ)、カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ)、ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ)、オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)、カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))。
分析条件は次の通りである。サンプル注入量:10μL、流量:1.0mL/min、UV−VIS検出器設定波長:325nm、カラムオーブン設定温度:35℃、溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液、溶離液B:アセトニトリル。
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
HPLCでは、試料1gを精秤後、溶離液Aにて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
クロロゲン酸類の保持時間(単位:分)
(A1)モノカフェオイルキナ酸:5.3、8.8、11.6の計3点(A2)フェルラキナ酸:13.0、19.9、21.0の計3点(A3)ジカフェオイルキナ酸:36.6、37.4、44.2の計3点。ここで求めた9種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、質量%を求めた。
HPLC−電気化学検出器によるヒドロキシヒドロキノンの分析方法
コーヒー飲料のヒドロキシヒドロキノンの分析法は次の通りである。分析機器はHPLC−電気化学検出器(クーロメトリック型)であるクーロアレイシステム(モデル5600A、開発・製造:米国ESA社、輸入・販売:エム・シー・メディカル(株))を使用した。装置の構成ユニットの名称・型番は次の通りである。
アナリティカルセル:モデル5010、クーロアレイオーガナイザー、クーロアレイエレクトロニクスモジュール・ソフトウエア:モデル5600A、溶媒送液モジュール:モデル582、グラジエントミキサー、オートサンプラー:モデル542、パルスダンパー、デガッサー:Degasys Ultimate DU3003、カラムオーブン:505、カラム:CAPCELL PAK C18 AQ 内径4.6mm×長さ250mm 粒子径5μm((株)資生堂)。
分析条件は次の通りである。
サンプル注入量:10μL、流量:1.0mL/min、電気化学検出器の印加電圧:0mV、カラムオーブン設定温度:40℃、溶離液A:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、5(V/V)%メタノール溶液、溶離液B:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、50(V/V)%メタノール溶液。
溶離液A及びBの調製には、高速液体クロマトグラフィー用蒸留水(関東化学(株))、高速液体クロマトグラフィー用メタノール(関東化学(株))、リン酸(特級、和光純薬工業(株))、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(60%水溶液、東京化成工業(株))を用いた。
濃度勾配条件
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
10.1分 0% 100%
20.0分 0% 100%
20.1分 100% 0%
50.0分 100% 0%
分析試料の調製は、試料5gを精秤後、0.5(W/V)%リン酸、0.5mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、5(V/V)%メタノール溶液にて10mLにメスアップし、この溶液について遠心分離を行い上清を得た。この上清について、ボンドエルートSCX(固相充填量:500mg、リザーバ容量:3mL、ジーエルサイエンス(株))に通液し、初通過液約0.5mLを除いて通過液を得た。この通過液について、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過し、速やかに分析に供した。
HPLC−電気化学検出器の上記の条件における分析において、ヒドロキシヒドロキノンの保持時間は、6.38分であった。得られたピークの面積値から、ヒドロキシヒドロキノン(和光純薬工業(株))を標準物質とし、質量%を求めた。
実施例1
中焙煎度のコーヒー豆に対して8倍量のイオン交換水(95℃)で抽出し、コーヒー抽出液を得た。次に本コーヒー抽出液中のBrixを測定し、Brixに対して50重量%の量の活性炭(白鷺WH2C)を充填したカラム(内径45mm、長さ150mm)を準備した。その後、活性炭を充填したカラムに温度25℃、SV8[1/容量[m3]/流量[m3/hr]]の条件下でコーヒー抽出液を通液し、活性炭処理してヒドロキシヒドロキノンを除去したコーヒー組成物を得た。
こうして得られたヒドロキシヒドロキノンを除去したコーヒー組成物中のCGA量を測定し、イオン交換水で希釈し、牛乳を11.5質量%になる様に配合し、加熱殺菌処理後のpH値が表1に示す値になるよう重曹にてpH調整を行った。加熱殺菌前のヒドロキシヒドロキノンは、検出限界以下であった(HPLC−電気化学検出器によるヒドロキシヒドロキノンの分析方法)。次にこうして得られたコーヒー組成物を190g缶に充填後、密封し、表1に示す殺菌条件に従いレトルト殺菌処理を施し、容器詰ミルクコーヒー飲料を得た。また加熱殺菌後のヒドロキシヒドロキノンは、HPLC−電気化学検出器によるヒドロキシヒドロキノンの分析方法を用いた。
実施例2、3、及び比較例1、2
表1に示す殺菌条件(F0値、殺菌時間および殺菌温度)にそれぞれ制御した以外は、実施例1と同様に容器詰ミルクコーヒー飲料を製造した。
比較例3
中焙煎度のコーヒー豆に対して8倍量のイオン交換水(95℃)で抽出し、コーヒー抽出液を得た。活性炭処理を実施しないこと以外は実施例1と同様の操作で、pH調整を行い、表1の示す殺菌条件に従い、容器詰ミルクコーヒー飲料を製造した。
実施例4
中焙煎度のコーヒーエキスのBrixに対して、50重量%の活性炭(白鷺WH2C)を充填したカラム(内径45mm、長さ150mm)に、温度25℃、SV8[1/容量[m3]/流量[m3/hr]]の条件下で、前記コーヒーエキスを通液した。
予め乳化剤、カゼインNa、脱脂粉乳を溶解した溶液に、牛乳、砂糖水溶液、及び上記活性炭処理コーヒーエキスを混合し、重曹を溶解した水溶液を用いてpH調整を行った後、クロロゲン酸類量が170mg/100gとなるようにイオン交換水で希釈した。
得られたコーヒー組成物を190g缶に充填後、密封し、135℃で100秒間のレトルト殺菌処理を施し、容器詰ミルクコーヒー飲料を製造した。
実施例5
中焙煎度、及び低焙煎度のコーヒー混合エキスのBrixに対して、50重量%の活性炭(白鷺WH2C)を充填したカラム(内径45mm、長さ150mm)に、温度25℃,SV8[1/容量[m3]/流量[m3/hr]]の条件下で、前記コーヒー混合エキスを通液した。
予め乳化剤、カゼインNa、脱脂粉乳を溶解した溶液に、牛乳、砂糖水溶液、及び上記活性炭処理コーヒーエキスを混合し、重曹を溶解した水溶液を用いてpH調整を行った後、クロロゲン酸類量が350mg/100gとなるようにイオン交換水で希釈した。
得られたコーヒー組成物を190g缶に充填後、密封し、135℃で100秒間のレトルト殺菌処理を施し、容器詰ミルクコーヒー飲料を製造した。
結果
表1及び表2に示したように、F0値を設定し、殺菌時間及び温度を制御することで加熱殺菌後のヒドロキシヒドロキノンの再生成が抑制されることが判った。
<クロロゲン酸の測定前処理の具体例>
容器詰ミルクコーヒーを開缶後、直ちに1gを精秤後、溶離液A(50mM酢酸、10mM酢酸ナトリウム、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸を含有する5(V/V)%アセトニトリル溶液)にて10mLにメスアップし、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過後、分析に供した。
<ヒドロキシヒドロキノンの測定前処理の具体例>
容器詰ミルクコーヒーを開缶後、直ちに5gを精秤後、0.5(W/V)%リン酸、0.5mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸を含有する5(V/V)%メタノール溶液にて10mLにメスアップし、この溶液について遠心分離を行い上清を得た。この上清について、ボンドエルートJR SCX(固相充填量:500mg、ジーエルサイエンス(株))に通液し、初通過液約1.0mLを除いて、通過液を得た。この通過液について、メンブレンフィルター(GLクロマトディスク25A,孔径0.45μm,ジーエルサイエンス(株))にて濾過し、速やかに分析に供した。
<過酸化水素の測定具体例>
過酸化水素分析計SUPER ORITECTOR MODEL 5(セントラル科学(株))を使用し、標準校正液(過酸化水素1ppm)で校正した後、分析計測定セル内に、0.5%臭素酸カリウム配合の0.2Mリン酸バッファー(pH7.0)を1mL入れる。窒素送付によりセル内の溶存酸素がゼロになった時点で30℃恒温槽に静置しておいた市販缶コーヒーならびに試験サンプルを開缶し1mLを速やかに抜き取り、測定セル内に加える。後は、装置の測定手順に従い、発生した酸素濃度をプリンターから読み取る。尚、外そうする場合には、以後、15分毎に測定し、得られた1時間後までのデータを用いて最小二乗法で直線を引き、求める。ここでMODEL5の検出限界は0.1mg/kgであった。
Figure 0003973676
Figure 0003973676
参考例1
コーヒー組成物Qを次の方法で製造した。
活性炭処理コーヒーの製造
市販インスタントコーヒー(ネスカフェ(登録商標)ゴールドブレンド赤ラベル)20gを、蒸留水1400mLに溶解したのち(このコーヒーをコーヒー組成物Pという)、活性炭白鷺WH2C 28/42(日本エンバイロケミカルズ)を30g加え、1時間攪拌したのち、メンブレンフィルター(0.45μm)を用いてろ過し、ろ液を得た(このコーヒーをコーヒー組成物Qという)。得られたろ液を、凍結乾燥し、褐色粉末15.8gを得た。この褐色粉末を蒸留水に溶解し、HPLC分析により、クロロゲン酸類及びヒドロキシヒドロキノンの定量を行なったところ、クロロゲン酸類は4.12質量%含まれ、ヒドロキシヒドロキノンは検出限界以下であった。また、ICP発光分光分析法でカリウム含量を測定したところ、原料インスタントコーヒー及び活性炭処理コーヒーのいずれも約4.2質量%であった。
参考例2
参考例1で作製したコーヒー組成物Qの血圧降下評価
実験材料及び方法
(a)13−14週齢の雄性自然発症高血圧ラット(SHR)を予備的に5日間連続で市販のラット用非観血式血圧測定装置(ソフトロン社製)を用いて血圧測定することにより、ラットを血圧操作に十分慣れさせた後、評価試験を測定した。ラットはすべて温度25±1℃、相対湿度55±10%、照明時間12時間(午前7時〜午後7時)の条件下(ラット区域内飼育室)で飼育した。
(b)投与方法及び投与量;試験群では参考例1で作製したコーヒー組成物Q(活性炭処理コーヒー)を用いた。対照群は市販のインスタントコーヒーを使用した。活性炭処理コーヒーとインスタントコーヒーをそれぞれ生理食塩水に溶解し、総クロロゲン酸量として200mg/kgの投与量となるように作製した。投与方法は経口用ゾンデを用いて、経口投与を行った。投与量は5mL/kgとした。
(c)試験方法;SHRを1群4−6匹使用した。経口投与前と12時間後の尾静脈の収縮期血圧を測定し、投与前血圧から12時間後の血圧変化率を算出した。
(d)統計学処理方法;得られた測定結果は、平均値及び標準誤差を表してStudent’s t−testを行い、有意水準は5%とした。
結果;表3から明らかなように、コーヒー組成物Qを摂取することにより、通常のインスタントコーヒーを摂取した場合に比較して、著明な血圧降下を認めた。
Figure 0003973676

Claims (3)

  1. 下記条件(A)及び(B):
    (A)クロロゲン酸類 0.01〜1質量%、
    (B)ヒドロキシヒドロキノン クロロゲン酸類量の0.1質量%未満
    を満たす乳成分を含有するコーヒー組成物を、殺菌温度123℃以上、殺菌時間20分以内で加熱殺菌処理することを特徴とする、ヒドロキシヒドロキノン含有量が0〜0.000085質量%であり、ヒドロキシヒドロキノン量がクロロゲン酸類量の0.1質量%未満である容器詰ミルクコーヒー飲料の製造方法。
  2. 容器の酸素透過度が5(cc・mm/m2・day・atm)以下である請求項1記載の容器詰ミルクコーヒー飲料の製造方法。
  3. pHが5.5〜6.8である請求項1又は2項記載の容器詰ミルクコーヒー飲料の製造方法。
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