JP2008276184A - 半導体装置の製造方法及び露光用マスクへのパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】補正手順は、露光用マスクのパターン作成領域から仮想分割されたメッシュ状の複数のマス目領域のマス目領域毎に含まれるパターンの面積と、かかるパターンの外周の辺の長さの総和とを用いてCD寸法誤差を補正する補正量を算出する工程(S102〜S108)を、マスク形成工程は、補正量が補正された寸法のパターンをレジスト膜が塗布された基板に露光する工程(S202)と、露光後に、レジスト膜を現像する工程(S204)と、現像後のレジストパターンを用いて、前記基板を加工する工程(S206〜S210)と、を備える。
【選択図】図1
Description
LSIにおける1層分のパターン形成でも、上記のようなさまざまな行程を経る。このような行程を経て出来上がったLSIパターンで、見出される問題のひとつは、“局所的に見ると各パターンは、ほぼ均一に仕上がっている(局所的には、設計寸法との差がほぼ同一)が、レチクル全体あるいは、ウェハ内に形成されたチップの内部全体でみるとパターン寸法が徐々に変化する(設計寸法との差がチップ内部でゆるやかに変化する)”というものである。
まず、特許文献1に従い、グローバルCDエラーの定式化について説明する。LSIパターンをグローバルCDエラーが及ぶ距離よりも充分小さな領域(メッシュ)に区分する。この各メッシュの大きさをΔL×ΔLとする。i番目のメッシュの中心座標をxi=(xi,yi)とした時、そのメッシュの中に存在する図形の寸法がGCDエラーによって大きくなる量δl(xi)は以下の式(1)で表される。以下、明細書中では、座標xi=(xi,yi)として記載する。或いは座標x=(x,y)として記載する。
。
また、式(1)及び式(2)では、マスク面内位置に依存するCDエラーを「γp×f(x,y)」とした。f(x、y)は最大値1と規格化した関数とする。このように定義すれば、γpは位置のみに依存するGCD誤差の最大の誤差に相当する。また、Σは小さな領域毎で和をとる。
従来の方法、例えば、特許文献1に記される方法は、場所(xi,yi)での図形寸法を下記に示す式(7)におけるL0(xi,yi)だけ小さくする方法である。
露光用マスクのパターン作成領域から仮想分割されたメッシュ状の複数のマス目領域のマス目領域毎に含まれるパターンの面積と、前記パターンの外周の辺の長さの総和とを用いて前記パターンに生じる寸法誤差を補正する補正量を算出する工程と、
前記補正量が補正された寸法のパターンを、レジスト膜が塗布された基板に露光する工程と、
露光後に、前記レジスト膜を現像する工程と、
現像後のレジストパターンを用いて、前記基板を加工する工程と、
を備えたことを特徴とする。
露光用マスク上に形成されるパターンと同種のパターンを露光用マスクのパターンの周辺に仮想配置する工程と、
周辺のパターンを含めて、メッシュ状の複数のマス目領域に仮想分割する工程と、
仮想分割されたマス目領域毎に、周囲のマス目領域を影響範囲に含めて半導体基板上に加工される製造工程で生じるパターンの寸法誤差を補正する補正量を算出する工程と、
補正量が補正された寸法のパターンを露光用マスク上に形成する工程と、
を備えたことを特徴とする。
半導体装置の一層分の回路を形成する露光工程を含む、パターンの寸法誤差が生じる複数の製造工程のうち、より後段側の製造工程から順に、後段の製造工程が存在する場合には後段の製造工程で生じる寸法誤差を補正する補正量で順に補正された寸法から、存在しない場合には設計寸法からの寸法誤差を補正する補正量を算出する工程と、
露光工程までの補正量が補正された寸法のパターンを露光用マスク上に形成する工程と、
を備えたことを特徴とする。
半導体装置の一層分の回路を形成する露光工程を含む、パターンの寸法誤差が生じる複数の製造工程のうち、より後段側の製造工程から順に、後段の製造工程が存在する場合には後段の製造工程で生じる寸法誤差を補正する補正量で順に補正された寸法から、存在しない場合には設計寸法からの寸法誤差を補正する補正量を算出する工程と、
前記露光工程までの補正量が補正された寸法のパターンが形成された露光用マスクを用いて、レジスト膜が塗布された基板に露光する工程と、
露光後に、前記レジスト膜を現像する工程と、
現像後のレジストパターンを用いて、前記基板を加工する工程と、
を備えたことを特徴とする。
まず、マスクの製造工程とLSIの製造工程を図に示す。
図1は、実施の形態1におけるマスクの製造工程とLSIの製造工程の要部工程を示す図である。
LSI等の半導体装置の製造は10層〜数10層のパターンをシリコンウェハ上に形成して行われるが、ここでは1層分の形成例について示す。ここでは、一例として、配線用コンタクト形成後にダマシン法により銅(Cu)等の金属配線を形成する場合について説明する。その手順は大きく次の6つの工程が実施される。まず、露光するためのパターンを描画してマスクを形成する工程(S201)、光を利用してウェハ上のレジスト膜にマスク上のパターンを転写(露光)する工程(S202)、露光後に、レジスト膜を現像する現像する工程(S204)、現像後に、レジストパターンをマスクとして下層の絶縁膜をドライエッチングして開口部を形成する工程(S206)、開口部及びウェハ表面に金属膜を堆積する薄膜形成工程(S208)、そして、金属膜を堆積後に、表面を研磨して余分な金属部分をCMPで除去する工程(S210)という一連の工程を実施する。このような工程を経て製造される半導体装置の寸法を精度よく製造するために、実施の形態1では、後段の工程側から溯って順にGCD寸法誤差を補正していく。そして、1層分の全工程におけるGCD寸法誤差を補正したマスクを形成する。補正方法は、CMPによって生じるGCD寸法誤差を補正する工程(S102)、エッチングによって生じるGCD寸法誤差を補正する工程(S104)、露光によって生じるGCD寸法誤差を補正する工程(S106)、及びマスク形成によって生じるGCD寸法誤差を補正する工程(S108)という一連の工程を実施する。
図2には、設計パターンとなる元の図形42(パターンB)とGCD補正のために片側Δl(x)/2ずつ両側合せてΔl(x)だけ縮めた補正後の図形44(パターンA)とかかる縮めた分の差分の図形46(パターンC)とを示している。補正後の図形44のパターン密度ρ(xj)、元の図形42のパターン密度ρ0(xj)、及び差分図形46のパターン密度ρ*(xj)の間には以下の式(11)の関係が成り立つ。
図3の例から差分図形46の面積は、元の図形42を用いて以下の式(12)で表されることがわかる。
方程式(19)は次のような線形の方程式(20)となる。
以下で、式(19)の代わりにそれをより一般化した以下のD(x)に関する以下の積分方程式(29)の解法についてまず説明する。方程式(29)で、ρ1(x)、ρ2(x)、f(x)は、既知の関数であり、D(x)は解くべき未知の関数である。 そして、この解法を利用して、寸法補正量Δl(x)を解く。
(仮定1)LSIパターン内に存在する図形の最小の辺の長さを発生するGCD誤差よりも充分小さい。この仮定のもとで、ξをγd/Lminと定義すると、ξは微小量となり、以下の式(62)に示す大きさになる。
図5は、実施の形態1における補正誤差測定用のパターンの一例を示す図である。
2次元平面となる描画領域72の右半分に市松模様(チェストボードパタン)を形成する。そして、個々の矩形サイズはw×wとした。この場合、パターン密度ρ(x,y)は以下の式(64)で示すことができる。
ここでは、一例として、パターンの面積のみを考慮し、辺や頂点の寄与を無視した場合を示す。図6に示すように、辺や頂点の寄与を無視したため、位置によって大きく補正残差が残ることがわかる。
括弧内の数字は、計算回数を示している。ここでは、辺と頂点の寄与を考慮した。そして、計算回数を増やすことにより補正残差を0.1nm以内に抑えることができる。ここで、マスクのエッチング時に生じるローディング効果を補正する場合を考える。ITRS2005によると、HP45nm及びHP32nm世代のマスクに要求される寸法均一性(dense pattern)は、それぞれ、3.8nm及び2.7nmである。マスク製造で生じる誤差要因は数多く存在することを考慮に入れ、上記見積もり結果とITRSの予想を比較する。すると、近い将来、面積のみを考慮するような方法のみでは精度が不十分となることがわかる。これに対し、ケース1〜2の各解法により、将来のLSIの精度を満たすことが可能となる。特に、ケース2のように、辺の寄与、頂点の寄与までを考慮する補正によって、より高精度に補正することが可能となる。
図9は、実施の形態1におけるマスクに形成されたパターンがシリコンウェハ上に露光される場合の配置状況の一例を示す図である。
マスク20上に形成された1チップ分のLSIパターン26は、図9に示すように、ウェハ22上に繰り返し転写され、空間的にしきつめられる。ここではマスク20上にパターン26が2つ配置された例を示している。また、ウェハ22に転写される領域24の4隅には、例えば、マーク28が配置される。ウェハ22に転写される領域24のサイズはマスク20上で約10×10cm、ウェハ22上では2.5×2.5cm程度となる。一方、例えば、ウェハ22上のレジストを露光し現像した後に行われるドライエッチング工程では、パターン密度に依存する寸法変動は、あるパターンが存在する位置から数cm程度に及ぶ。そのため、1回の転写で露光され現像された領域24に含まれるパターンは、周辺のパターンの寸法に影響を与えることになる。その寸法変動量は、エッチング装置、ガス、エッチングの対象物によって変わるが、2〜10nmに及ぶ。
図11は、実施の形態1におけるGCD誤差のパターン位置依存性を調べるための評価用パターンの一例を示す図である。このパターン36は、測定用に、縦横1mmのピッチで配置される。そして、このパターン36は、縦横0.1mm程度の領域内に幅2μmの十字の図形で構成される。
図12は、実施の形態1におけるGCD誤差のパターン密度依存性を調べるための評価用パターンの一例を示す図である。測定用に、やはり縦横1mmのピッチでパターン36が配置される。パターン36は、図11と同様、縦横0.1mm程度の領域内に幅2μmの十字の図形で構成される。ここでは、パターン36に加えて中央部には、ライン&スペースのパターン37が配置される。このライン&スペースは、1mm:1mmの比率(密度50%)とする。
図13は、実施の形態1における評価用ウェハを示す図である。
図13では、位置依存性測定用マスク38を用いて、マスク36上のパターンをウェハ全面に転写(露光)する。このようにして転写されたウェハを位置依存性測定用ウェハ23と呼ぶ。同様に密度依存性測定用マスク39を用いて、パターンをウェハに転写し、そのウェハを密度依存性測定用ウェハ25と呼ぶ。装置は、半導体装置を製造するための装置であり、発生するGCD誤差を補正するターゲットのスキャナである。例えば倍率(1/4)の、波長193nmエキシマレーザスキャナを利用すると好適である。そして、転写後、現像を行う。その後、得られた十字パターンのレジストの寸法を、位置依存測定用ウェハ38と密度依存測定用ウェハ39について測定する。前者のウェハ38のi番目の十字図形の寸法をFpiとし、後者のそれをFdiとする。ここで、Fpi−Mpi/4が、スキャナによる転写(露光)から現像にいたるまでに生じるGCD誤差の位置依存性であり、これをfpiと記すこととする。ここで1/4はマスク上のパターンがウェハ上に、1/4で縮小転写されることによる。同様に、Fdi―Mdi/4がスキャナによる転写から現像にいたるまでに生じるGCD誤差の密度依存性である。これをfdiと記すことにする。各位置について求めたfpi、fdiからスキャナによる転写から現像にいたるまでのGCD誤差の関数特性を調べることができる。また、例えば、最小二乗法を利用して近似して、例えば、密度依存関数g(x、y)を式(5−1)或いは式(5−2)のガウシャンの式とした場合の影響範囲σ、及び式(1)或いは式(2)における係数γの最適値を求めることができる。また、同様に、式(1)或いは式(2)における位置依存関数γpf(x、y)の関数形を求めることができる。
(1)マスク製造工程
密度依存性 gm(x)、σm、γdm
位置依存性 fpm(x)、γpm
(2)露光から現像
密度依存性 gl(x)、σl、γl
(3)エッチング
密度依存性 ge(x)、σe、γe
(4)CMP
密度依存性 gd(x)、σd、γd
図14は、実施の形態1における寸法補正の一例を示す図である。
図14(a)に示す2つの図形が、補正によって図14(b)に示すように拡大する場合、メッシュの境界では図14(c)に示すように図形同士が重なってしまう場合がある。その場合には、図14(d)に示すようにCADシステムの機能を利用して重なりを除去する。
図15は、実施の形態1における寸法補正の他の一例を示す図である。
図15(a)に示す2つの図形が、補正によって図15(b)に示すように縮小する場合、メッシュの境界では図15(c)に示すように図形同士にすきまが生じてしまう場合がある。その場合には、図15(d)に示すようにCADシステムの機能を利用してギャップを埋めればよい。
図1のS201において、まず、上述したように補正された寸法のパターンを用いて、マスクを製造する。ここでは、寸法そのものをリサイズすることで形成するが、後述するようにパターンを描画する際の照射量を制御することで寸法を補正しても構わない。
図16(a)では、配線用コンタクトが形成された状態を示している。ここでは、シリコンウェハを用いた基板300にチャネル301を形成後、ゲート酸化膜302とゲート303が形成される。そして、チャネル301には、コンタクト304が形成される。ゲート酸化膜302とゲート303とコンタクト304は、層間絶縁膜305内に形成される。
実施の形態2では、補正量算出の他の例について以下に説明する。実施の形態1では、各工程でCADシステムを利用しながら、面積や辺の長さを計算し、後段側から工程毎にパターンを補正した。しかし、CADシステムの利用回数は、抑えることができる。実施の形態2では、以下にその例を説明する。その他は、実施の形態1と同様であり、例えば、プロセスの後工程から前工程へと逆に補正量を求めることによって、最終的な全工程の補正量を算出する。まず、式(19)は、以下の式(70)のように変形することができる。
実施の形態3では、マスク製造工程からダマシン工程までで発生するGCD誤差を一度で取り扱う形態について説明する。実際には、プロセス相互の順番による影響が存在するので、一度で取り扱う場合にはその分精度が落ちるが、実施の形態1,2よりも短時間で補正の処理を実現することができる。計算手法及びCADシステムの利用の仕方以外は、実施の形態1と同様である。
上述した各実施の形態では、パターンをマスクに描画する前に、設計パターンのパターン寸法CD0をGCD寸法誤差が補正された描画するためのパターン寸法CDdに予め補正(リサイズ)しておく構成について説明した。しかしながら、GCD寸法誤差を補正する手法はこれに限るものではない。パターン自身には変更を加えず、算出された寸法補正を利用して照射量を調節しながらパターンを描画することで、マスク上のパターンに寸法の補正を加えることもできる。例えば、パターン自身には変更を加えず、レーザ光を利用したマスク描画装置(以下ではレーザ描画装置を略す)で寸法を場所によって変更しても良い。これは、次のように行うことができる。レーザ描画装置では、レーザ光の照射量、すなわち照射時間の長短により、マスク製造における現像エッチング後のパターン寸法が制御できる。この相関をあらかじめ調べておき、上記のように得られた場所によって制御すべき寸法を制御する場合、制御すべき寸法とこの相関から照射時間を求める。そして、この照射時間でパターンを描画する。以上のように構成すれば、CADシステムでパターンを直接補正せず、レーザ描画装置で、上記のように得られた寸法補正を実現しながら、マスク上にパターンを描画することができる。
レーザ描画装置400では、以下のようにしてマスク412にパターンを描画する。まず、レーザ光源で発生したレーザ光401は、ビームスプリッタ402で複数(例えば10本)のビームに分解される。各ビームは音響光学素子404に入射する。この音響光学素子404は、ビームの通過、非通過の制御のための素子であり、これによって、ビーム強度、あるいはビームon(マスク412までビームが届く状態)の時間を調整することが可能となる。すなわち、この音響光学素子404の制御により場所によって照射量を変えることができる。照射量を変えることで寸法を制御して、GCD補正を行うようマスク上のパターン寸法を調整することができる。音響光学素子404を通過したレーザ光401はポリゴンミラー406の1面で反射されレンズ408で縮小される。そして、ステージ410上に配置されたマスク412上のレジストを露光する。ここで、ポリゴンミラー406を回転させることにより、ビームの反射角が変わり、ビームがマスク412上をスキャンすることになる。ステージ410はビームのスキャン方向と垂直方向に連続移動する機構とスキャン方向にステップ移動する機能を備えている。
実施の形態4ではレーザ描画装置を利用する方法を説明したが、電子線を利用する描画装置(以下、電子ビーム描画装置と略す)を用いて、GCD補正が実現するように、パターン寸法を制御することもできる。以下、電子ビーム描画装置でパターン寸法を制御する構成について説明する。レーザ描画装置の場合と同様、電子ビーム描画装置でも照射量、或いは照射時間を調整してパターン寸法を制御することができる。ただし、電子ビーム描画装置では、GCD寸法誤差の他に、近接効果という現象があり、近接効果の補正も同時に行なうことが望ましい。
図20において、このモデルは、“パターンの寸法Wは、電子線によってレジストに与えられたエネルギー分布をしきい値Ethが横切る位置で決まる”とするものである。図20におけるp,qを用いて、次の量fをf=q/(p+q)で定義する。そして、エネルギー分布の上部の幅をW0とし、底部から上部までの立ち上がりに必要な幅をΔRとする。その場合、寸法W=W0+2ΔR・fで求めることができる。よって、寸法Wはfによって決まる。ここで、小領域毎にΔl(xi)だけ寸法を変化させるためには、領域毎にこの量fをΔl(xi)に依存して変化させる必要がある。これをf(Δl(xi))として表現する。例えば、Δl(xi)=0、すなわち、設計通りの場合、f=1/2となるので、f(0)=1/2となる。実施の形態5では、照射量を制御して、Δl(xi)だけ寸法を変化させ、しかもこれを小領域内部に存在するすべてのパターンについて成立させなければならない。よって、式(72)を修正した以下の式(79)に示す近接効果補正の方程式が成立しなければならない。
図21は、実施の形態5におけるGCD補正用の小領域と近接効果補正のための小領域との一例を示す図である。
図21に示すように、GCD補正用のメッシュ状の小領域Lに加えて、近接効果補正のためのメッシュ状の小領域Pを導入する。これは、LSIの全領域を区分するものであり、領域PのサイズΔpは近接効果の広がりσbよりも充分小さなものとする(ex.1μm)。そして、式(79)を成立させる最適照射量は、図形毎に計算するのではなく、領域P毎に計算するものとする。ここで、照射量D(x)を以下の式(80)のように表現する。
図22において、荷電粒子ビーム描画装置の一例として可変成形型電子線描画装置である描画装置100を示す。描画装置100は、試料101上にパターンを描画する。描画装置100は、描画部150と制御系を備えている。描画部150は、電子鏡筒102、及び描画室103を有している。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、ブランキング(BLK)偏向器212、ブランキング(BLK)アパーチャ214、第1の成形アパーチャ203、投影レンズ204、成形偏向器205、第2の成形アパーチャ206、対物レンズ207、及び対物偏向器208が配置されている。描画室103内には、XYステージ105が配置される。XYステージ105には、レーザ測長用の反射ミラー209が配置されている。また、XYステージ105上に試料101が載置される。試料101には、上述した露光用マスクが含まれる。一方、制御系は、コンピュータとなる制御計算機(CPU)120、メモリ122、偏向制御回路112、レーザ測長系132、駆動回路114、偏向アンプ142、デジタル/アナログ変換器(DAC)152、バッファメモリ162、偏向アンプ144、DAC154、バッファメモリ164、偏向アンプ146、DAC156、バッファメモリ166、記憶装置123、プロセス補正用データ格納メモリ126、近接効果補正量格納用メモリ127、及び近接効果補正部128を有している。
パターンの描画は、XYステージ105を連続移動させながら行う。LSIパターンを図23に示すように、1回のステージ連続移動でパターンを描画できる領域(ストライプ)80に区分しておく。XYステージ105を連続移動させながら、ビームの形状、サイズ、位置や照射時間を制御しながら、ストライプ80内のパターン82を描画し、1つのストライプ80について処理が終わったのちは、次のストライプ80内のパターンを同様にして描画する。そして、全ストライプを処理して、所望のLSIパターンを描画する。
上述した各実施の形態では、GCD寸法誤差を補正する場合について説明した。そして、例えば、エッチング時に生じるローディング効果に起因するGCD誤差は、影響範囲σがcmオーダ程度となるので、計算に用いるメッシュサイズは1mm程度が適当となる。また、フレアに起因するGCD誤差は、影響範囲σが4〜16μm程度となるので、メッシュサイズは400〜1600nm程度が適当となる。すなわち、GCD誤差を補正するには、メッシュサイズが10mm〜100nmの範囲にあることが好適となる。このようなサイズは、通常、複数の図形が含まれる程度の大きさのサイズである。したがって、上述した各実施の形態では、通常、複数の図形が含まれるメッシュ領域毎に計算が行なわれる場合が多い。
図24は、実施の形態6における補正誤差測定用のパターンの一例を示す図である。
2次元平面となる描画領域72の右半分に矩形の図形76、例えば、コンタクトホールパタンを形成する。そして、個々の矩形サイズはw×wとした。そして、このパターンのマイクロローディング効果等のローカルCD誤差を計算するためのメッシュ領域74を×ΔL×ΔLのサイズで分割した。ここではメッシュサイズΔLを50nmに設定した。また、影響範囲σLを250nmに、補正係数γdを−10nm程度に設定した。
ここでは、一例として、パターンの面積(或いは密度)のみを考慮し、辺や頂点の寄与を無視した場合を示す。図25に示すように、辺や頂点の寄与を無視したため、位置によって大きく補正残差が残ることがわかる。
括弧内の数字は、計算回数を示している。ここでは、辺と頂点の寄与を考慮した。そして、計算回数を増やすことにより補正残差を0.1nm以内に抑えることができる。
図28は、実施の形態6におけるパターンの一例を示す図である。
メッシュサイズを小さくしていくと、図28に示すように、メッシュ領域74内には、図形79の一部ずつしか含まれなくなる。このような場合には、それぞれのメッシュ領域74,75内に含まれる部分図形77,78を別々に計算する。そして、それぞれのメッシュ領域毎に寸法補正量Δl(x)を求める。ここでは、メッシュ領域75内に含まれる部分図形77の寸法補正量Δl1(x)とメッシュ領域74内に含まれる部分図形78の寸法補正量Δl2(x)を求める。そして、それぞれ寸法補正すればよい。
図29に示すように、補正しない場合、位置によって大きく補正残差が残ることがわかる。
ここでは、一例として、パターンの面積(密度)のみを考慮し、辺や頂点の寄与を無視した場合を示す。図30に示すように、プロセス手順の影響や辺や頂点の寄与を無視したため、位置によって大きく補正残差が残ることがわかる。
面積の他に辺や頂点の寄与を考慮したため、補正残差は図30に比べてある程度小さくなったが、プロセス手順の影響を無視しているため、まだ、補正残差が残っている。
面積や辺や頂点の寄与とさらにプロセス手順の影響を考慮したため、補正残差を0.1nm以内に抑えることができる。
上述した各実施の形態では、各製造工程の後段から順にCD寸法誤差を補正していく場合に、最も小さいメッシュサイズΔLと影響範囲σLとにすべての工程での計算を合わせて行なうことを前提にしていた。しかし、それでは計算回数が膨大な数になってしまう。そこで、実施の形態7では、高速計算が可能な演算方法について説明する。
補正計算の過程で、あるプロセスの補正を計算する工程を考える。図33(a)に示すように、このプロセスでのσkは小領域Lとなる小領域74のサイズよりも桁違いに大きいものとする。ここで、図33(b)に示すように、寸法補正量Δl(x)を算出する小領域74とは異なるもうひとつの小領域84(小領域M)を定義し導入する。この小領域84の大きさをΔM×ΔMとする。ΔMのサイズは、σkよりも充分小さいが、小領域74のサイズΔL×ΔLよりも充分大きいものとする。例えば、ΔL=50nm、σmin=250nm、ΔM=1μm、σk=10μmとする。ここで、理解しやすくするため、位置依存の関数fk(x)は、gk(x)よりもゆっくりと値が変化する関数であるとする。この場合、式(90)と式(91)から、Δdk(x)は、σk程度の距離で、値がゆっくりと変化する関数であることがわかる。なぜなら、式(90)と式(91)の中でΔdk(x)以外は、そのような特徴を持つ関数だからである。例えば、式(90)の第2項は、密度(σk程度の距離で、値がゆっくりと変化する関数)をgk(x)で畳み込み計算したものであるからである。よって、σkよりも充分小さな小領域84の中では、Δdk(x)の値は、ほぼ一定であり、場所によって変化しないと考えて良い。そのため、例えば、Δdk(x)の値は、小領域84の中心でのみ算出し、(1)その値をその小領域84の中にあるすべての小領域74で利用する。(2)或いは、ある点でのΔdk(x)の値を算出する場合、周辺の小領域84の中心で算出したこのΔdk(x)を利用して内挿して算出するという方法を行っても致命的に大きな誤差は発生しないことになる。これによって、小領域84内のすべての小領域74について畳み込み計算をする必要がなくなるので、計算時間を大幅に短縮することができる。
22,23,25 ウェハ
24,32,34 領域
26,36,37,82 パターン
28 マーク
38,39 マスク
42,44,46 図形
72 描画領域
80 ストライプ
100 描画装置
101 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
112 偏向制御回路
114 駆動回路
120 CPU
122 メモリ
123 記憶装置
124 パターンデータ
125 プロセス補正用データ
126 プロセス補正用データ格納メモリ
127 近接効果補正量格納用メモリ
128 近接効果補正部
132 レーザ測長系
142,144,146 偏向アンプ
152,154,156 DAC
162,164,166 バッファメモリ
150 描画部
201 電子銃
202 照明レンズ
203 第1の成形アパーチャ
204 投影レンズ
205 成形偏向器
206 第2の成形アパーチャ
207 対物レンズ
208 対物偏向器
209 反射ミラー
212 BLK偏向器
214 BLKアパーチャ
300 基板
301 チャネル
302 ゲート酸化膜
303 ゲート
304 コンタクト
305 層間絶縁膜
306 絶縁膜
307 レジスト膜
308 紫外光
310 開口部
312 金属膜
400 レーザ描画装置
401 レーザ光
402 ビームスプリッタ
404 音響光学素子
406 ポリゴンミラー
408 レンズ
410 ステージ
412 マスク
Claims (12)
- 露光用マスクのパターン作成領域から仮想分割されたメッシュ状の複数のマス目領域のマス目領域毎に含まれるパターンの面積と、前記パターンの外周の辺の長さの総和とを用いて前記パターンに生じる寸法誤差を補正する補正量を算出する工程と、
前記補正量が補正された寸法のパターンを、レジスト膜が塗布された基板に露光する工程と、
露光後に、前記レジスト膜を現像する工程と、
現像後のレジストパターンを用いて、前記基板を加工する工程と、
備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記レジスト膜は、第1の膜上に塗布されており、
前記基板を加工する際に、
現像後に、前記第1の膜をエッチングすることにより開口部が形成され、
前記開口部及び前記基板表面に第2の膜が堆積させられ、
堆積後に、前記第2の膜の表面が研磨されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。 - 前記マス目領域のサイズは、1つの図形と前記図形の一部との一方だけを含むことが可能なサイズであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 前記マス目領域のサイズは、1辺が100nmより小さいことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 前記マス目領域のサイズは、複数の図形を含むことが可能なサイズであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 前記マス目領域のサイズは、1辺が10mm〜100nmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 露光用マスク上に形成されるパターンと同種のパターンを前記露光用マスクのパターンの周辺に仮想配置する工程と、
周辺のパターンを含めて、メッシュ状の複数のマス目領域に仮想分割する工程と、
仮想分割されたマス目領域毎に、周囲のマス目領域を影響範囲に含めて半導体基板上に加工される製造工程で生じるパターンの寸法誤差を補正する補正量を算出する工程と、
前記補正量が補正された寸法のパターンを前記露光用マスク上に形成する工程と、
を備えたことを特徴とする露光用マスクへのパターン形成方法。 - 前記補正量を算出する際に、マス目領域毎に含まれるパターンの面積と、前記パターンの外周の辺の長さの総和とが用いられることを特徴とする請求項7記載の露光用マスクへのパターン形成方法。
- 半導体装置の一層分の回路を形成する露光工程を含む、パターンの寸法誤差が生じる複数の製造工程のうち、より後段側の製造工程から順に、後段の製造工程が存在する場合には後段の製造工程で生じる寸法誤差を補正する補正量で順に補正された寸法から、存在しない場合には設計寸法からの寸法誤差を補正する補正量を算出する工程と、
前記露光工程までの補正量が補正された寸法のパターンを露光用マスク上に形成する工程と、
を備えたことを特徴とする露光用マスクへのパターン形成方法。 - 各製造工程での補正量を算出する際に、所定のサイズのメッシュ状の複数のマス目領域に仮想分割されたマス目領域毎に含まれるパターンの面積と、前記パターンの外周の辺の長さの総和とが用いられることを特徴とする請求項9記載の露光用マスクへのパターン形成方法。
- 前記製造工程毎に前記マス目領域のサイズを変えて製造工程間の補正量の差分が求められ、前記差分を用いて前記所定のサイズのマス目領域毎の前記補正量が算出されることを特徴とする請求項10記載の露光用マスクへのパターン形成方法。
- 半導体装置の一層分の回路を形成する露光工程を含む、パターンの寸法誤差が生じる複数の製造工程のうち、より後段側の製造工程から順に、後段の製造工程が存在する場合には後段の製造工程で生じる寸法誤差を補正する補正量で順に補正された寸法から、存在しない場合には設計寸法からの寸法誤差を補正する補正量を算出する工程と、
前記露光工程までの補正量が補正された寸法のパターンが形成された露光用マスクを用いて、レジスト膜が塗布された基板に露光する工程と、
露光後に、前記レジスト膜を現像する工程と、
現像後のレジストパターンを用いて、前記基板を加工する工程と、
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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