JP2022177801A - 荷電粒子ビーム描画方法、荷電粒子ビーム描画装置及びプログラム - Google Patents

荷電粒子ビーム描画方法、荷電粒子ビーム描画装置及びプログラム Download PDF

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【課題】ビーム照射位置を精度良く補正し、描画精度の低下を防止する。【解決手段】荷電粒子ビーム描画方法は、荷電粒子ビームを偏向器により偏向させ、基板に前記荷電粒子ビームを照射してパターンを描画する荷電粒子ビーム描画方法であって、前記荷電粒子ビームを照射した直後の前記基板上のビーム照射領域の帯電量と、前記基板における電荷の拡散係数と、に基づいて帯電量分布を算出し、前記帯電分布に基づいて、前記基板上の前記荷電粒子ビームの位置ずれ量分布を算出し、前記位置ずれ量分布に基づいて、前記荷電粒子ビームの照射位置を補正する。【選択図】図1

Description

本発明は、荷電粒子ビーム描画方法、荷電粒子ビーム描画装置及びプログラムに関する。
LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。半導体デバイスへ所望の回路パターンを形成するためには、縮小投影型露光装置を用いて、石英上に形成された高精度の原画パターン(マスク、或いは特にステッパやスキャナで用いられるものはレチクルともいう。)をウェーハ上に縮小転写する手法が採用されている。高精度の原画パターンは、電子ビーム描画装置によって描画され、所謂、電子ビームリソグラフィ技術が用いられている。
マスク等の基板に電子ビームを照射する場合、過去に照射した電子ビームにより照射位置やその周囲が帯電し、照射位置がずれる。従来、このビーム照射位置ずれを無くす方法の1つとして、基板上に帯電防止膜を形成して、基板表面の帯電を防止する方法が知られている。しかし、この帯電防止膜は、基板上に塗布された化学増幅型レジストに影響を及ぼし、パターン欠陥となったり、パターン寸法の均一性に影響を与えたりすることがあり、レジストとの相性によって使用できる帯電防止膜が制限されることがあった。
帯電防止膜の種類によっては、十分な除電効果が得られず、除電しきれなかった帯電による帯電効果に起因してビーム照射位置がずれるという問題があった。
特開2014-183098号公報 特開2002-158167号公報 特開2010-250286号公報
本発明は、ビーム照射位置を精度良く補正し、描画精度の低下を防止できる荷電粒子ビーム描画方法、荷電粒子ビーム描画装置及びプログラムを提供することを課題とする。
本発明の一態様による荷電粒子ビーム描画方法は、荷電粒子ビームを偏向器により偏向させ、基板に前記荷電粒子ビームを照射してパターンを描画する荷電粒子ビーム描画方法であって、前記荷電粒子ビームを照射した直後の前記基板上のビーム照射領域の帯電量と、前記基板における電荷の拡散係数と、に基づいて帯電量分布を算出し、前記帯電分布に基づいて、前記基板上の前記荷電粒子ビームの位置ずれ量分布を算出し、前記位置ずれ量分布に基づいて、前記荷電粒子ビームの照射位置を補正するものである。
本発明の一態様による荷電粒子ビーム描画装置は、荷電粒子ビームを放出する放出部と、放出された前記荷電粒子ビームを偏向する偏向器と、前記荷電粒子ビームが照射され、パターンが描画される基板を載置するステージと、前記荷電粒子ビームを照射した直後の前記基板のビーム照射領域の帯電量を算出し、前記帯電量と、前記基板における電荷の拡散係数と、に基づいて、帯電量分布を算出する帯電量算出部と、前記帯電量分布に基づいて、前記基板上の前記荷電粒子ビームの位置ずれ量分布を算出する位置ずれ量算出部と、前記位置ずれ量分布に基づいて、前記荷電粒子ビームの照射位置を補正する補正部と、を備えるものである。
本発明の一態様によるプログラムは、荷電粒子ビームを偏向器により偏向させ、基板に前記荷電粒子ビームを照射してパターンを描画する荷電粒子ビーム描画装置を制御するコンピュータに、前記荷電粒子ビームを照射した直後の帯電量と、前記基板における電荷の拡散係数と、に基づいて帯電量分布を算出するステップと、前記帯電量分布に基づいて、前記基板上の前記荷電粒子ビームの位置ずれ量分布を算出するステップと、前記位置ずれ量分布に基づいて、前記荷電粒子ビームの照射位置を補正するステップと、を実行させるものである。
本発明によれば、ビーム照射位置を精度良く補正し、描画精度の低下を防止できる。
本発明の実施形態に係る描画装置の概略図である。 ステージ移動の様子を説明する図である。 基板表面での平面方向への電荷の拡散を示す模式図である。 描画レイアウトの例を示す図である。 図4のレイアウトを描画した場合の位置ずれ量の評価結果を示す図である。 位置精度と拡散係数との関係を示すグラフである。 点電荷による位置ずれ量を示すグラフである。 位置ずれ量の測定結果を示す図である。 位置ずれ量のシミュレーション結果を示す図である。 位置ずれ量の測定結果と、拡散係数毎の位置ずれ量シミュレーション結果との相関をとった残差を示すグラフである。 照射量毎の最適な拡散係数を示すグラフである。 照射量と、照射直後の帯電量との関係を示すグラフである。 同実施形態に係る描画方法を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは電子ビームに限るものでなく、イオンビーム等でもよい。
図1は、実施形態に係る描画装置の概略構成図である。図1に示す描画装置100は、描画部W及び制御部Cを備えている。描画装置100は、電子ビーム描画装置の一例である。描画部Wは、電子鏡筒1と描画室14を有している。電子鏡筒1内には、電子銃5、照明レンズ7、第1アパーチャプレート8、投影レンズ9、成形偏向器10、第2アパーチャプレート11、対物レンズ12、対物偏向器13、及び静電レンズ15が配置される。
描画室14内には、XYステージ3が配置される。XYステージ3上には、描画対象となる基板2が配置される。基板2には、半導体製造の露光に用いるフォトマスクや半導体装置を形成する半導体ウェーハ等が含まれる。また、描画されるフォトマスクには、まだ何も描画されていないマスクブランクスが含まれる。例えば、基板2は、石英と、石英上に設けられたクロム膜と、クロム膜上に設けられたレジスト層と、レジスト層上に設けられた帯電防止膜とを有する。XYステージ3上には、基板2が配置される位置とは異なる位置に、ステージ位置測定用のミラー4が配置される。
XYステージ3上には、基板2が配置される位置とは異なる位置に、キャリブレーション用のマークMが設けられている。例えば、マークMは金属製の十字形状であり、マークMを電子ビームでスキャンし、マークMからの反射電子を検出器(図示略)で検出して、フォーカス調整、位置調整、偏向形状補正係数の調整などを行う。
制御部Cは、制御計算機110,120、ステージ位置検出部45、ステージ制御部46、偏向制御回路130、メモリ142、磁気ディスク装置等の記憶装置21,140等を有している。偏向制御回路130は、成形偏向器10及び対物偏向器13に接続されている。
制御計算機110は、装置全体の制御を行う描画制御部30、パターン密度分布算出部32、ドーズ量分布算出部34、帯電量分布算出部36及び位置ずれ量分布算出部38の機能を有する。制御計算機110の各部は、電気回路、CPUを有するコンピュータ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等を含むハードウェアで構成されていてもよいし、ソフトウェアで構成されていてもよい。制御計算機110の各部の入力データや演算結果は、メモリ142に格納される。
制御計算機120は、ショットデータ生成部41および位置ずれ補正部42の機能を有する。ショットデータ生成部41及び位置ずれ補正部42は、ソフトウェアで構成されてもよいし、ハードウェアで構成されてもよい。
偏向制御回路130は、成形偏向器制御部43及び対物偏向器制御部44の機能を有する。成形偏向器制御部43及び対物偏向器制御部44は、ソフトウェアで構成されてもよいし、ハードウェアで構成されてもよい。
記憶装置140には、描画される複数の図形パターンが定義される描画データ(レイアウトデータ)が格納される。
電子銃5(放出部)から放出された電子ビーム6は、照明レンズ7により矩形の穴を持つ第1アパーチャプレート8全体を照明する。ここで、電子ビーム6をまず矩形に成形する。第1アパーチャプレート8を通過した第1アパーチャ像の電子ビーム6は、投影レンズ9により第2アパーチャプレート11上に投影される。第2アパーチャプレート11上での第1アパーチャ像の位置は、成形偏向器制御部43により制御された成形偏向器10によって偏向され、ビーム形状と寸法を変化させることができる(可変成形)。
第2アパーチャプレート11を通過した第2アパーチャ像の電子ビーム6は、対物レンズ12により焦点を合わせ、対物偏向器制御部44により制御された例えば静電型の偏向器(対物偏向器13)により偏向され、移動可能に配置されたXYステージ3上の基板2の所望する位置に照射される。XYステージ3はステージ制御部46によって駆動制御される。XYステージ3の位置は、ステージ位置検出部45によって検出される。ステージ位置検出部45には、例えば、ミラー4にレーザを照射して、入射光と反射光との干渉に基づいて位置を測定するレーザ測長装置が含まれる。静電レンズ15は、基板2面の凹凸に対応して、電子ビーム6の焦点位置を動的に補正する(ダイナミックフォーカス)。
図2は、ステージ移動の様子を説明するための図である。基板2に描画する場合、XYステージ3を例えばX方向に連続移動させる。描画領域が電子ビーム6の偏向可能幅で複数の短冊状のストライプ領域(SR)に仮想分割される。描画処理は、ストライプ領域単位で行われる。XYステージ3のX方向の移動は、例えば連続移動とし、同時に電子ビーム6のショット位置もステージ移動に追従させる。連続移動させることで描画時間を短縮させることができる。
1つのストライプ領域を描画し終わったら、XYステージ3をY方向にステップ送りしてX方向(逆向き)に次のストライプ領域の描画動作を行う。各ストライプ領域の描画動作を蛇行させるように進めることでXYステージ3の移動時間を短縮することができる。
描画装置100では、レイアウトデータ(描画データ)を処理するにあたり、描画領域を短冊状の複数のフレーム領域に仮想分割し、フレーム領域毎にデータ処理が行われる。多重露光を行わない場合、通常、フレーム領域とストライプ領域とが同じ領域となる。多重露光を行う場合は、多重度に応じてフレーム領域とストライプ領域とがずれることになる。このように、基板2の描画領域は、複数の描画単位領域となるフレーム領域(ストライプ領域)に仮想分割され、描画部Wは、フレーム領域(ストライプ領域)毎に描画する。
基板2に電子ビームが照射されると、レジスト帯電効果により、ビーム照射位置がずれることが知られている。従来、帯電効果補正により、パターンデータからレジスト帯電効果による位置ずれを予測し、補正していた。しかし、基板2に設けられた帯電防止膜の種類によっては、位置ずれを十分に補正できず、条件によってはビーム照射位置精度を悪化させることもあった。
図3に示すように、電子ビームが基板に照射されると、表面電荷は帯電防止膜上を平面方向に拡散する。本発明者らは、帯電防止膜のシート抵抗が十分に低いものでない場合、電荷の拡散が描画の進行速度に対して有意に遅く、帯電防止膜に溜まった電荷がビームを偏向し、ビーム照射位置に影響を与えることを見出した。
本実施形態では、時間に依存した平面方向の電荷の拡散を考慮して帯電量分布を算出し、帯電量分布に基づいて電子ビームの位置ずれ量分布を算出し、ビーム照射位置を補正する。
図4は、電荷の拡散係数の違いによる位置精度の違いを評価するための描画レイアウトの例である。寸法0.5μm、大きさ8μmの十字状の位置測定用のグリッドパターンが140mm×140mmの領域に5mmピッチで29か所×29か所配置されている。また、表面帯電効果を評価するためにレイアウト中央の100mm×120mm領域に100%面積密度の高照射量領域が配置されている。高照射領域内では、位置測定グリッドと高照射領域パターンの図形が重ならないように、高照射領域に比べて十分小さい、例えば16μm×16μmの領域がくりぬかれて、枠状の位置測定用のグリッドパタ-ンが配置されている。描画順としては、レイアウトの-Y方向の端のグリッドパターンから順に+Y方向に進み、高密照射量領域パターンとグリッドパターンは同じフレーム領域の中で描画され、マージされている。
図5は、図4のレイアウトの高照射量領域をドーズ量30μC/cm、ステージ速度50mm/sec、ストライプ領域幅81μmで描画した場合の、グリッドパターンの位置ずれ量の、異なる拡散係数における評価結果例を示す。それぞれの結果において、ビームを照射した直後(照射直後:所定の照射量でのビーム照射が完了した時点)の帯電量は同じだが、拡散係数が0.1mm/sec、0.3mm/sec、0.5mm/sec、1.0mm/secと異なっている。また、これらの評価結果例から得られた位置精度3sと拡散係数との関係を図6に示す。これらの例に示すように、拡散係数が大きければ良い位置精度が得られるが、拡散係数が小さいと除電残りにより位置誤差が大きくなることがわかる。
帯電量分布を算出するにあたり、本実施形態では、事前に、ビーム照射直後の照射領域の帯電量Qと照射量dとの関係を示す帯電量情報Q(d)、及び電荷(電子)の拡散係数Dを求める。
帯電量情報及び電荷の拡散係数を求めるにあたり、まず、テストレイアウトを描画する。たとえば、図4のレイアウトと同様な図形配置で、高照射領域パターンのビーム照射量の異なる複数のレイアウトを描画し、それぞれの位置誤差を求める。ビーム照射強度をレイアウトごとに変えるには、例えば高照射領域のパターン密度を3%、5%、10%、15%、20%、25%、50%、75%、100%などに変えたレイアウトとすればよい。それぞれのレイアウトの描画結果のグリッドパタ-ンの設計位置からのずれを位置測定器で測定し、位置ずれ量分布Pmeas(x,y,Q(d);Dunknown)が得られる。iはテストレイアウトの各グリッド上のボックスアレイに割り当てた番号である。また、Dunknownは基板に特有の拡散係数であり、後述する手順によって決定される。
次に、このテストレイアウトの描画データに対して、拡散係数Dを複数の値に変動させて、各時刻tにおける帯電量分布C(x,y,t)をシミュレーションする。描画領域をあるメッシュサイズLの描画区画で区切る。0~j番目の描画区画が描画された後の帯電量は、2次元の拡散方程式の解析解として以下の式(1)~(3)のように求まる。下記式において、tはk番目の描画区間が描画された時刻であり、(x,y)はk番目の描画区間の位置である。
Figure 2022177801000002
計算された各時刻のテストレイアウトの帯電量分布に対して、帯電量分布から位置ずれ量を計算するために仮定する応答関数r(x,y)を畳み込み、拡散係数Dによるテストレイアウトの位置ずれ量分布シミュレーション結果Psim(x,y,Q(d);D)を算出する。応答関数r(x,y)は、例えば図7に示すような、点電荷から所望の描画地点までの距離と位置ずれ量との関係を表す関数である。
図8は、測定結果Pmeas(x,y,Q(d);Dunknown)の一例を示す。また、図9は、ある拡散係数におけるQ=1(nC/cm)でのシミュレーション結果Psim(x,y,Q=1nC/cm,D=0.5mm/sec)を示す。
これらのテストレイアウトの描画結果から求まる位置ずれ量分布Pmeas(x,y,Q(d);Dunknown)と、シミュレーション結果Psim(x,y,Q=1,D)との相関をとり、残差が最も小さくなる拡散係数Dを最適な拡散係数として決定する。また、その時の相関の傾き(相関係数)Qより、照射直後の帯電量を決定する。例えば、Q=1[nC/cm]とした位置ずれシミュレーション結果を基準として、描画結果の位置ずれがその何倍となっているかを確認することで、帯電量が決定できる。相関係数が3の場合、照射直後の帯電量は3[nC/cm]となる。
図10は、位置ずれ量分布Pmeas(x,y,Q(d);Dunknown)と、シミュレーション結果Psim(x,y,Q=1,D)との相関をとった残差の例を示す。この例では、拡散係数が0.5の時に最適な拡散係数となる。また、この時のPmeas=Q・Psimを満たす相関係数Qにより照射が描画直後の帯電量が求められる。
上述の解析を、テストレイアウト描画時の複数の照射量条件の描画結果から求まる位置ずれ量分布Pmeas(x,y,Q(d);Dunknown)の各々に対して同様に実施する。図11に示すように、各照射量条件について、拡散係数Dが求まる。例えば、それらの平均を最適拡散係数Doptとして求める。この最適拡散係数Doptを、拡散係数Dとして記憶装置21に記憶する。
また、図12に示すように、各照射量条件について、照射直後の帯電量Q(d)が求まる。この照射量条件と帯電量Q(d)との対応関係を示す情報を帯電量情報として記憶装置21に登録する。
帯電量情報及び拡散係数が記憶装置21に記憶された描画装置を用いた描画方法を、図13に示すフローチャートに沿って説明する。この描画方法は、パターン面積密度分布算出工程(ステップS100)と、ドーズ量分布算出工程(ステップS102)と、帯電量分布算出工程(ステップS104)と、位置ずれ量分布算出工程(ステップS106)と、偏向位置補正工程(ステップS108)と、描画工程(ステップS110)とを有する。
パターン面積密度分布算出工程(ステップS100)では、パターン密度分布算出部32が、記憶装置140から描画データを読み出し、描画領域(或いはフレーム領域)を所定寸法(グリッド寸法)でメッシュ状に仮想分割し、メッシュ領域毎に、描画データに定義される図形パターンの配置割合を示すパターン密度を演算する。そして、メッシュ領域毎のパターン密度pの分布を作成する。
ドーズ量分布算出工程(ステップS102)では、ドーズ量分布算出部34(照射量演算部)が、パターン密度分布を用いて、メッシュ領域毎のドーズ量dの分布を算出する。ドーズ量dは下記式(4)で算出できる。下記式において、ηは後方散乱係数、d100は基準ドーズ量(パターン密度100%の時のドーズ量)である。そして、ドーズ量とパターン密度との積を計算することで照射量が求まる。
d=d100*{(1/2+η)/(1/2+η*p)} ・・・(4)
帯電量分布算出工程(ステップS104)では、帯電量分布算出部36が、記憶装置21から帯電量情報及び拡散係数Dを読み出し、帯電量情報を参照して、ステップS102で算出した照射量から、照射直後の照射領域の帯電量Qを算出する。そして、帯電量分布算出部36は、算出した帯電量Qと読み出した拡散係数Dより、上記式(1)~(3)を用いて、メッシュ領域毎の帯電量を求めることで帯電量分布を算出する。
位置ずれ量分布算出工程(ステップS106)では、位置ずれ量分布算出部38(位置ずれ量演算部)が、帯電量分布に基づく位置ずれ量を算出する。具体的には、位置ずれ量分布算出部38が、ステップS104で算出した帯電量分布に応答関数r(x,y)を畳み込み積分することにより、帯電量分布の各位置の帯電量に起因した描画位置の位置ずれ量を演算する。(x,y)は、現在、データ処理を行っている該当するフレーム領域のビーム照射位置を示す。
そして、位置ずれ量分布算出部38は、該当するフレーム領域の描画しようとする各位置(x,y)の位置ずれ量から位置ずれ量分布を作成する。作成された位置ずれ量分布は、制御計算機120に出力される
制御計算機120内では、ショットデータ生成部41が、記憶装置140から描画データを読み出し、複数段のデータ変換処理を行って、描画装置100固有のフォーマットのショットデータを生成する。描画データに定義される図形パターンのサイズは、通常、描画装置100が1回のショットで形成できるショットサイズよりも大きい。そのため、描画装置100内では、描画装置100が1回のショットで形成可能なサイズになるように、各図形パターンを複数のショット図形に分割する(ショット分割)。そして、ショット図形毎に、図形種を示す図形コード、座標、及びサイズといったデータをショットデータとして定義する。
偏向位置補正工程(ステップS108)(位置ずれ補正工程)では、位置ずれ補正部42が、ステップS106で算出した位置ずれ量を用いて、照射位置を補正する。ここでは、各位置のショットデータを補正する。具体的には、ショットデータの各位置(x,y)に位置ずれ量分布が示す位置ずれ量を補正する補正値を加算する。補正値は、例えば、位置ずれ量分布が示す位置ずれ量の正負の符号を逆にした値を用いると好適である。これにより、電子ビーム6が照射される場合に、その照射先の座標が補正されるので、対物偏向器13によって偏向される偏向位置が補正されることになる。ショットデータはショット順に並ぶようにデータファイルに定義される。
描画工程(ステップS110)において、偏向制御回路130内では、ショット順に、成形偏向器制御部43が、ショット図形毎に、ショットデータに定義された図形種及びサイズから電子ビーム6を可変成形するための成形偏向器10の偏向量を演算する。また、対物偏向器制御部44が、当該ショット図形を照射する基板2上の位置に偏向するための対物偏向器13の偏向量を演算する。言い換えれば、対物偏向器制御部44(偏向量演算部)が、補正された照射位置に電子ビームを偏向する偏向量を演算する。そして、電子鏡筒1内に配置された対物偏向器13が、演算された偏向量に応じて電子ビームを偏向することで、補正された照射位置に電子ビームを照射する。これにより、描画部Wは、基板2の帯電補正された位置にパターンを描画する。
このように、本実施形態では、基板表面を低速に拡散する電子の帯電分布からビーム照射位置のずれ量を計算するため、ビーム照射位置を精度良く補正できる。
図3に示すように、基板に電子ビームを照射すると、2次電子が放出されることに起因して発生したホール(正孔)がレジスト層に溜まり、遮光膜に吸収されて徐々に減衰する。レジスト層は絶縁体であるため、ホールは平面方向には移動せず、ビーム照射箇所で帯電が生じる。このようなビーム照射箇所における直接帯電分布をさらに考慮して、照射位置の補正を行ってもよい。
また、帯電防止膜の組成によっては、2次電子が放出されることに起因して発生したホール(正孔)は、一般的に絶縁体とみなせるレジスト層へ導電せず、電子と同様に帯電防止膜上を拡散して移動する場合がある。その場合、さらにホールの拡散も考慮して、帯電量分布の予測、および照射位置の補正を行ってもよく、上記の数式(1)~(3)は、以下のように、2つの異なる拡散係数Dn、Dpを持つ拡散方程式の解析解を用いた式(5)~(9)に置き換えられる。
下記の式において、Dnは帯電防止膜上での電子の拡散係数、Dpは帯電防止膜上でのホールの拡散係数、Qnはビーム照射による電子に起因する照射直後の帯電量、Qpはビーム照射によるホールの生成に起因する照射直後の帯電量を表す。
Figure 2022177801000003
このような2つ以上の拡散を考慮した帯電量の予測、および照射位置の補正を行ってもよい。
なお、このような拡散係数を考慮した帯電分布に基づく照射位置の補正の効果は、「描画の進行速度」と、拡散係数Dとの大小関係に依存する。「描画の進行速度」は、「描画領域の面積」を「描画時間」で除したもの、例えば「描画領域の総面積」を「総描画時間」で除したもので定義することができる。
拡散係数Dが描画の進行速度より十分小さいと、描画中の電荷の拡散現象は無視することができ、拡散係数Dを考慮した補正は不要となる。一方、拡散係数Dが描画の進行速度より十分大きいと、除電残り等による電荷による位置誤差が小さくなるため、帯電効果を考慮した補正そのものが不要となる。すなわち、補正の効果を鑑みると、本実施形態は、拡散係数Dが描画の進行速度に対して所定の範囲となるものに適用されることが好適であり、その範囲は、例えば描画の進行速度の1%以上、1000%以下とすることができる。
帯電現象に起因した照射位置のずれは、電子ビーム描画装置に限るものではない。本発明は、電子ビーム等の荷電粒子ビームでパターンを検査する検査装置等、狙った位置に荷電粒子ビームを照射することで得られる結果を用いる荷電粒子ビーム装置に適応できる。
上記実施形態では、描画室内で散乱した電子が基板に降り注ぐかぶり帯電の影響を低減するために、対物レンズ12(対物光学系)の下面に正の電位を印加し、基板表面に2次電子を戻さないようにしてもよい。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 電子鏡筒
2 基板
3 XYステージ
4 ミラー
5 電子銃
6 電子ビーム
7 照明レンズ
8 第1アパーチャプレート
9 投影レンズ
10 偏向器
11 第2アパーチャプレート
12 対物レンズ
13 偏向器
14 描画室
15 静電レンズ
21,140 記憶装置
30 描画制御部
32 パターン密度分布算出部
34 ドーズ量分布算出部
36 帯電量分布算出部
38 位置ずれ量分布算出部
41 ショットデータ生成部
42 位置ずれ補正部
43 成形偏向器制御部
44 対物偏向器制御部
45 ステージ位置検出部
46 ステージ制御部
100 描画装置

Claims (5)

  1. 荷電粒子ビームを偏向器により偏向させ、基板に前記荷電粒子ビームを照射してパターンを描画する荷電粒子ビーム描画方法であって、
    前記荷電粒子ビームを照射した直後の前記基板上のビーム照射領域の帯電量と、前記基板における電荷の拡散係数と、に基づいて帯電量分布を算出し、
    前記帯電分布に基づいて、前記基板上の前記荷電粒子ビームの位置ずれ量分布を算出し、
    前記位置ずれ量分布に基づいて、前記荷電粒子ビームの照射位置を補正する、荷電粒子ビーム描画方法。
  2. 前記拡散係数は、事前描画結果から求められる位置ずれ量と、拡散係数を変動させて算出された前記帯電量分布に対して得られた位置ずれ量と、の相関に基づいて求められることを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビーム描画方法。
  3. 前記基板の描画領域を所定のメッシュサイズの区間に仮想分割し、各区間に照射された直後の帯電量と、予め求められた前記拡散係数より、前記区間毎の帯電量を拡散方程式の解として求め、前記帯電量分布を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の荷電粒子ビーム描画方法。
  4. 荷電粒子ビームを放出する放出部と、
    放出された前記荷電粒子ビームを偏向する偏向器と、
    前記荷電粒子ビームが照射され、パターンが描画される基板を載置するステージと、
    前記荷電粒子ビームを照射した直後の前記基板のビーム照射領域の帯電量を算出し、前記帯電量と、前記基板における電荷の拡散係数と、に基づいて、帯電量分布を算出する帯電量算出部と、
    前記帯電量分布に基づいて、前記基板上の前記荷電粒子ビームの位置ずれ量分布を算出する位置ずれ量算出部と、
    前記位置ずれ量分布に基づいて、前記荷電粒子ビームの照射位置を補正する補正部と、
    を備える荷電粒子ビーム描画装置。
  5. 荷電粒子ビームを偏向器により偏向させ、基板に前記荷電粒子ビームを照射してパターンを描画する荷電粒子ビーム描画装置を制御するコンピュータに、
    前記荷電粒子ビームを照射した直後の帯電量と、前記基板における電荷の拡散係数と、に基づいて帯電量分布を算出するステップと、
    前記帯電量分布に基づいて、前記基板上の前記荷電粒子ビームの位置ずれ量分布を算出するステップと、
    前記位置ずれ量分布に基づいて、前記荷電粒子ビームの照射位置を補正するステップと、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
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