JP2008258137A - 非水系二次電池用集電体、並びにそれを使用した非水系二次電池用電極板および非水系二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極板を作製するときの集電体の強度を確保するとともに、集電体の突起の上に活物質を効率良く担持させることができる非水系二次電池用集電体、並びにそれを使用した非水系二次電池用電極板および非水系二次電池を提供する。
【解決手段】集電体10は、金属箔1の少なくとも一方の面に所定の配列パターンで少なくとも頂部が圧縮されていない突起2を形成して構成されている。上記配列パターンは、突起2が等しいピッチで直線状に並ぶ行方向Xと、行方向Xに並ぶ一群の突起2からなる行単位4が互いに平行に所定間隔で配置される列方向Yとにより構成されている。行単位4を構成する一群の突起2のそれぞれは、列方向Yにおいて隣り合う他の行単位4の突起2と行方向Xの位置が相違している。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に代表される非水系二次電池用集電体、並びにそれを使用した非水系二次電池用電極板および非水系二次電池に関するものである。
近年、携帯用電子機器の電源としての利用が広がっているリチウムイオン二次電池(以下、単にリチウム二次電池という)は、負極にリチウムの吸蔵および放出が可能な炭素質材料等を用い、正極にLiCoO2(コバルト酸リチウム)等の遷移金属とリチウムとの複合酸化物を活物質として用いている。これによって、高電位かつ高放電容量の二次電池が実現されている。
しかしながら、近年の電子機器および通信機器の多機能化に伴って、リチウム二次電池には、更なる性能の向上が望まれており、特に充放電サイクルに伴う特性劣化の改善が望まれている。
一般的に、リチウム二次電池の発電要素である電極板は、集電体の片面もしくは両面に、正極活物質または負極活物質、結着材としてのバインダー、並びに必要に応じて導電材を分散媒に混錬分散した合剤塗料を塗布し、乾燥したものをプレスして、正極合剤層または負極合剤層を形成するようにして構成されている。
ここで、充放電サイクルに伴う特性劣化の要因の一つとして、集電体上に塗布された正極合剤層または負極合剤層と集電体との結着力の低下が挙げられる。これは、充放電に伴う電極板の膨張および収縮により集電体の界面での結着力が弱まり、正極合剤層または負極合剤層が脱落するためである。
そこで、正極合剤層または負極合剤層と集電体との結着力を高めるために、集電体の界面の接触面積を増大させることが行われている。この場合、一般的には電解により集電体の表面をエッチングする方法、あるいは電着により表面に構成金属を析出させる方法により集電体の表面を粗面化している。
また、集電体の表面を粗面化する別の方法として、例えば被処理材である圧延銅箔の表面に微粒子を高速で衝突させ表面に微小な凹凸を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、金属箔にレーザ光を照射して表面粗さが10点平均粗さで0.5から10μmの凹凸を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、図27に示すように、出力密度を向上させるために電極合剤層の塗布厚を薄くするとエネルギ密度が低下するというジレンマがあり、これを避けるために、集電体の表面積を増やして電極合剤層と集電体との接触面積を増大させることが提案されている。図示例では、金属箔からなる集電体61を一対のガイドローラ62,63に挟み込んでその表面を凹凸状としている(例えば、特許文献3参照)。
また、活物質の担持性と電気伝導性とに優れたリチウム二次電池用の集電体を得るために、図28に示すように、金属箔の片側の面が窪んでいるとき反対側の面が突出した形状とするように、例えば金属箔を山部および谷部を有する波板状とすることが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
さらに、容量、出力等のばらつきが少なく出力特性に優れしかも低価格で長寿命なリチウム二次電池を得るために、図29に示すように、エンボス加工によって凹突起を形成し、この凹部に活物質を充填し突起は表面が露出した状態または活物質が付着した状態とする方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
一方、リチウム二次電池の電極板を作製する別の方法として、集電体の上に電解メッキ法や真空蒸着法等により活物質の薄膜を形成する方法が知られている。この方法においても、集電体と活物質との結着力が安定した電池を得るために重要である。例えば放電容量が大きくかつ充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池用電極板を得ることを目的として、リチウムと合金化しない金属からなる集電体上に(活物質薄膜の表面粗さRa)−(集電体の表面粗さRa)の値を0.1μm以下とする方法が提案されている(例えば、特許文献6参照)。
特開2002−79466号公報 特開2003−258182号公報 特開平8−195202号公報 特開2002−270186号公報 特開2005−32642号公報 特開2002−279972号公報
特許文献1記載の表面粗化方法では、局所的にはランダムな凹突起を有する集電体は形成できるものの、ノズルから噴射させる微粒子に速度分布が生じるため、集電体の幅方向、長手方向に均一に凹突起を形成することは難しい。
特許文献2記載の金属箔粗化方法によれば、金属箔にレーザを照射することで局部的に加熱し金属を蒸発させることで凹部を形成し、照射を連続的に行うことで金属箔の全面に凹突起を形成することは可能である。しかしながら、レーザを線上に走査するため局所的に金属融点以上の熱がかかることによる金属箔への波打ち、シワ、ソリ発生を防止することは困難である。さらに、リチウム二次電池の集電体のような20μm以下の厚みの金属箔にレーザ加工する際には、レーザの出力バラツキにより金属箔に穴が開く不具合を引き起こす場合がある。
特許文献3および特許文献4の集電体の製造方法は、金属箔の表面が凹部とすると対向する裏面は必ず突起となるために、凹凸形成時に金属箔に波打ち、シワ、ソリ等が発生するのを防止することが困難である。
特許文献5記載の電極の製造方法では、開口率20%以下のパンチングメタルにエンボス加工により凹突起を形成するため、集電体の強度が低下し、電極板が切れる不具合を引き起こす場合がある。
特許文献6記載の二次電池用電極では、リチウムと合金化しない金属からなる集電体上において、(活物質薄膜の表面粗さRa)−(集電体の表面粗さRa)の値を0.1μm以下とすることにより、集電体と活物質薄膜との結着力は安定する。しかしながら、リチウムがインターカレーションすると活物質薄膜の膨張率が大きくなる金属においては、集電体と活物質薄膜との結着力が弱くなり、電極板にシワが発生し、充放電サイクル特性が劣化する不具合を引き起こす場合がある。
また、上記特許文献1〜6は、突起を形成した集電体を使用して電極板(正極板、負極板)を作製した後、セパレータを介してこれらの電極板を巻回して電極群を作製する際の課題に関しては何ら言及していない。しかしながら、図30に示すように、正極板70および負極板72は、セパレータ74,75を介して渦巻状に巻回されて電極群を構成している。この電極群の内周側と外周側とでは、正極板70および負極板72の曲率が異なる。このため、正極の集電体69または負極の集電体71の表面に突起を等ピッチで形成すると、突起先端のピッチが内周側では広くなり、外周側では狭くなる。
さらに、上掲のようにして電極群を構成すると、正極板および負極板は湾曲するが、図31に示すように、集電体75表面の突起76先端のピッチは外側面で広く、内側面で狭くなる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、電極板を作製するときの集電体の強度を確保するとともに、集電体の突起の上に活物質を効率良く担持させることができる非水系二次電池用集電体、並びにそれを使用した非水系二次電池用電極板および非水系二次電池を提供することを目的としている。
また、本発明は、正極および負極の電極板を渦巻状に巻回して電極群を作製するときに、その外周側と内周側との曲率の違い、並びに電極板の外側面と内側面との曲率の違いによる集電体強度への悪影響を抑制するとともに、集電体上に活物質を効率良く担持させることができる非水系二次電池用集電体、並びにそれを使用した非水系二次電池用電極板および非水系二次電池を提供することを目的としている。
また、本発明は、金属箔からなる集電体の両面に突起が形成される場合に、対応する位置における突起の配置を調整できるようにして、集電体に突起を形成するときに、波打ち、シワ、ソリ等の発生を防止することにより信頼性の高い非水系二次電池用集電体、並びにそれを使用した非水系二次電池用電極板および非水系二次電池を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の非水系二次電池用集電体は、少なくとも正極活物質または負極活物質を担持させる金属箔からなる非水系二次電池用集電体であって、
少なくとも一方の面に突起が所定の配列パターンで形成されており、
前記突起は、少なくとも頂部は圧縮されずに形成され、
前記配列パターンは、前記突起が等しいピッチで直線状に並ぶ行方向と、前記行方向に並ぶ一群の突起からなる行単位が互いに平行に所定間隔で配置される列方向とにより構成され、
前記行単位を構成する一群の突起のそれぞれは、前記列方向において隣り合う他の行単位の突起と行方向の位置が相違していることを特徴とする。
また、本発明の非水系二次電池用集電体は、少なくとも正極活物質または負極活物質を担持させる金属箔からなる非水系二次電池用集電体であって、
少なくとも一方の面に突起が所定の配列パターンで形成されており、
前記突起は、少なくとも頂部は圧縮されずに形成され、
前記配列パターンは、前記突起が等しいピッチで千鳥状に並ぶ行方向と、前記行方向に並ぶ一群の突起からなる行単位が互いに平行に所定間隔で配置される列方向とにより構成され、
前記突起のそれぞれは、当該突起と隣り合う他の突起の全てとの間隔が等しくなっていることを特徴とする。
ここで、前記集電体は長尺帯状であり、前記集電体の長手方向は前記列方向と一致するとともに前記集電体の幅方向は前記行方向と一致し、
前記集電体の長手方向の一端側から他端側に向かって、前記行単位の配置される間隔が順次短くなっているのが好ましい。
また、前記突起が前記金属箔の両面に形成され、
前記金属箔の一方の面の前記突起は、前記金属箔の他方の面の前記突起と、設けられる位相が行方向で相違しているのも好ましい。
前記突起が前記金属箔の両面に形成され、
前記金属箔の一方の面で前記列方向に前記行単位が配置される間隔は、前記金属箔の他方の面で前記行単位が配置される間隔よりも大きくなっているのも好ましい。
前記金属箔は、一方の面に前記突起が前記配列パターンで形成され且つ他方の面は平滑面とされ、
2枚以上の前記金属箔の前記平滑面同士を接合して構成されているのも好ましい。
前記金属箔は、一方の面に前記突起が前記配列パターンで形成され且つ他方の面は平滑面とされ、
前記金属箔を所定箇所で折り曲げるとともに、その折り曲げられた金属箔の前記平滑面同士を接合して構成されているのも好ましい。
本発明の非水系二次電池用集電体によれば、少なくとも頂部は圧縮されずに形成された突起が所定の配列パターンで形成されているために、耐久性に富み、集電体の表面に突起を形成する工程、並びにこの突起の上に活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。同時に、集電体の突起の上に活物質を担持させる工程、並びにその後に所定の幅にスリッタ加工する等の後工程においても活物質の脱落を抑止することができる。このため、これを使用して信頼性の高い非水系二次電池を作製することができる。
また、本発明の非水系二次電池によれば、非水系二次電池の電極群を作製するときの内周側と外周側との電極板の曲率の相違に起因した、電極板にかかる曲げ応力の差を緩和することができる。また、電極板の外側面および内側面における電極板の曲率の相違に起因した、電極板にかかる曲げ応力の差を緩和することができる。これにより、電極板を渦巻状に巻回して電極群を作製する工程での巻きズレや活物質の脱落を抑止することができる。したがって、その電極板を使用して信頼性の高い非水系二次電池を作製することができる。
また、本発明の非水系二次電池用電極板によれば、電極板の構成要素である集電体で、一方の面に未圧縮加工の突起を多数形成し、かつ他方の面は平滑面とし、その平滑面同士を接合して集電体を作製するものとすることによって、集電体の一方の面と他方の面の突起の位相を任意に調整することができる。これにより、電極板の強度特性を活物質の特性と適合させることができる。また、集電体の一方の面と他方の面の突起の位相を相違させることで、大きな耐久応力を得ることができるために、集電体の表面側に突起を形成する工程、並びに集電体の突起に活物質を担持させる工程での集電体の局所的な波打ち、シワ、ソリ等を防止することができる。また、集電体の一方の面と他方の面の突起の位相を一致させることで、電極板の柔軟性を高めることができ、電極板を巻回して作製される電池群において、活物質の剥離を防止することができる。
本発明は、少なくとも正極活物質または負極活物質を担持させる金属箔からなる非水系二次電池用集電体であって、少なくとも正極活物質または負極活物質を担持させる金属箔からなる非水系二次電池用集電体であって、少なくとも一方の面に突起が所定の配列パターンで形成されており、突起は、少なくとも頂部は圧縮されずに形成され、配列パターンは、突起が等しいピッチで直線状に並ぶ行方向と、行方向に並ぶ一群の突起からなる行単位が互いに平行に所定間隔で配置される列方向とにより構成され、行単位を構成する一群の突起のそれぞれは、列方向において隣り合う他の行単位の突起と行方向の位置が相違している非水系二次電池用集電体に関する。ここで、突起の形状は少なくとも頂部を略円形とすることができる。
また、後述するように、上記突起は、それに対応する凹部が設けられたローラまたは金型により金属箔を圧縮加工して形成される。このとき、凹部が形成されていない部分と対向する金属箔の領域が圧縮されて、凹部が設けられた部分と対向する金属箔の領域が上に盛り上がるようにして塑性変形を起こす。これにより、突起が形成される。ここで、突起は、その先端部(頂部)が凹部の底面にも触れないように形成されるので、少なくとも頂部は圧縮されない状態となっている。
上掲した突起の配列パターンにより、大きな耐久応力が発揮され、集電体の表面に突起を形成する工程、並びに集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。同時に、集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程、並びにその後に所定の幅にスリット加工する等の後工程においても電極活物質の脱落を抑止することができる。
ここで、集電体は長尺帯状であり、集電体の長手方向は列方向と一致するとともに集電体の幅方向は行方向と一致し、突起は、少なくとも頂部が略楕円形であり、その楕円形の長軸が集電体の幅方向と一致しているものとすることができる。この結果、その突起の配列パターンによって発揮される大きな耐久応力により、集電体の表面に突起を形成する工程、並びに集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。また、楕円形の長軸を集電体の幅方向と一致させたことにより、集電体の長手方向に向かって集電体の突起の上に電極活物質を担持させる際に効率良く担持させることができる。さらには、集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程、並びにその後に所定の幅にスリット加工する等の後工程においても電極活物質の脱落を抑止することができる。
また、集電体は長尺帯状であり、集電体の長手方向は列方向と一致するとともに集電体の幅方向は行方向と一致し、突起は、少なくとも頂部が略長方形であり、その長方形の長手方向が集電体の幅方向と一致しているものとすることができる。この結果、その突起の配列パターンによって発揮される大きな耐久応力により、集電体の表面に突起を形成する工程、並びに集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。同時に、長方形の長手方向を集電体の幅方向と一致させたことにより、集電体の長手方向に向かって集電体の突起の上に電極活物質を担持させる際に効率良く担持させることができる。さらには、集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程、並びにその後に所定の幅にスリット加工する等の後工程においても電極活物質の脱落を抑止することができる。
また、集電体は長尺帯状であり、集電体の長手方向は列方向と一致するとともに集電体の幅方向は行方向と一致し、突起は、少なくとも頂部が略菱形であり、その菱形の長い方の対角線が集電体の幅方向と一致しているものとすることができる。この結果、その突起の配列パターンによって発揮される大きな耐久応力により、集電体の表面に突起を形成する工程、並びに集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。同時に、菱形の長軸を集電体の幅方向と一致させたことにより、集電体の長手方向に向かって集電体の突起の上に電極活物質を担持させる際に効率良く担持させることができる。さらには、集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程、並びにその後に所定の幅にスリット加工する等の後工程においても電極活物質の脱落を抑止することができる。
また、集電体は長尺帯状であり、集電体の長手方向は列方向と一致するとともに集電体の幅方向は行方向と一致し、突起は、少なくとも頂部が略正方形であり、その正方形の1つの対角線が集電体の幅方向と一致しているものとすることができる。この結果、その突起の配列パターンによって発揮される大きな耐久応力により、集電体の表面に突起を形成する工程、並びに集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。同時に、正方形の1つの対角線を集電体の幅方向と一致させたことにより、集電体の長手方向に向かって集電体の突起の上に電極活物質を担持させる際に効率良く担持させることができる。さらには、集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程、並びにその後に所定の幅にスリット加工する等の後工程においても電極活物質の脱落を抑止することができる。
また、集電体は長尺帯状であり、集電体の長手方向は列方向と一致するとともに集電体の幅方向は行方向と一致し、突起は、少なくとも頂部が略正六角形であり、その正六角形の1組の対辺が集電体の幅方向と垂直であるものとすることができる。この結果、突起の配列パターンは略正六角形が最密充填したハニカム形状の配列となるために、集電体の強度が向上するとともに、集電体の変形に対する大きな耐久応力を発揮させることができる。これにより、集電体の表面に突起を形成する工程、並びに集電体の突起の上に活物質薄膜を堆積形成する工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。同時に、正方形の1つの対角線を集電体の幅方向と一致させたことにより、集電体の長手方向に向かって集電体の突起の上に電極活物質を担持させる際に効率良く担持させることができる。さらには、集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程、並びにその後に所定の幅にスリット加工する等の後工程においても電極活物質の脱落を抑止することができる。
また、本発明は、上記いずれかの非水系二次電池用集電体の上に、少なくとも正極活物質または負極活物質を担持させてなる非水系二次電池用電極板に関する。この構成により、上記突起の配列パターンにより発揮される大きな耐久応力により、集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。同時に、集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程、並びにその後に所定の幅にスリット加工する等の後工程においても電極活物質の脱落を抑止することができる。
また、本発明は、上記非水系二次電池用電極板による正極板と負極板とを、間にセパレータを介在させて巻回または積層して電極群を構成し、その電極群を非水系電解液とともに電池ケースに封入して構成した非水系二次電池に関する。この構成より、非水系二次電池の充放電に伴う、リチウムを吸蔵したときの電極活物質の膨張、並びにリチウムを放出したときの電極活物質の収縮による体積変化を緩和することができる。これにより、充放電による電極板切れ、並びに電極活物質層の脱落などの不具合が発生しない高容量で信頼性の高い非水系二次電池を得ることができる。
また、本発明は、少なくとも正極活物質または負極活物質を担持させる金属箔からなる非水系二次電池用集電体であって、少なくとも一方の面に突起が所定の配列パターンで形成されており、突起は、少なくとも頂部は圧縮されずに形成され、配列パターンは、突起が等しいピッチで千鳥状に並ぶ行方向と、前記行方向に並ぶ一群の突起からなる行単位が互いに平行に所定間隔で配置される列方向とにより構成され、突起のそれぞれは、当該突起と隣り合う他の突起の全てとの間隔が等しくなっている非水系二次電池用集電体に関する。ここで、突起の形状は少なくとも頂部を略円形とすることができる。
上掲した突起の配列パターンにより、列方向に引張応力が加わった場合、その応力は千鳥状に並ぶ各突起に加わり、かつ突起のそれぞれとこれと隣り合う全ての突起の距離が等しいために各突起にかかる応力が均等になる。このため、例えば集電体が長尺帯状であり、その長手方向と上記列方向とを一致させて集電体を構成した場合に、集電体を切断する力が低下され、集電体の強度を向上させることが可能となる。したがって、集電体の表面に突起を形成する工程、並びに集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。同時に、集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程、並びにその後に所定の幅にスリット加工する等の後工程においても電極活物質の脱落を抑止することができる。
また、集電体は長尺帯状であり、集電体の長手方向は列方向と一致するとともに集電体の幅方向は行方向と一致し、突起は、少なくとも頂部が略正方形であり、その正方形の1組の対辺が集電体の幅方向と垂直であるものとすることができる。この結果、集電体の長手方向に引張応力が加わった場合、その応力は千鳥状に並ぶ各突起に加わり、突起の配列が集電体の幅方向に一列の場合に比べて、各突起にかかる応力が分散される。このため、集電体を切断する力が低下され、集電体の強度を向上させることが可能となる。したがって、集電体の表面に突起を形成する工程、並びに集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。同時に、集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程、並びにその後に所定の幅にスリット加工する等の後工程においても電極活物質の脱落を抑止することができる。
また、集電体は長尺帯状であり、集電体の長手方向は列方向と一致するとともに集電体の幅方向は行方向と一致し、突起は、少なくとも頂部が略正方形であり、その正方形の1つの対角線が集電体の幅方向と一致しているものとすることができる。この結果、集電体の長手方向に引張応力が加わった場合、その応力は千鳥状に並ぶ各突起に加わり、突起の配列が集電体の幅方向に一列の場合に比べて、各突起にかかる応力が分散される。このため、集電体を切断する力が低下され、集電体の強度を向上させることが可能となる。したがって、集電体の表面に突起を形成する工程、並びに集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。同時に、集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程、並びにその後に所定の幅にスリット加工する等の後工程においても電極活物質の脱落を抑止することができる。
また、集電体は長尺帯状であり、集電体の長手方向は列方向と一致するとともに集電体の幅方向は行方向と一致し、突起は、少なくとも頂部が略正六角形であり、その正六角形の最長の対角線の1つが集電体の幅方向と一致しているものとすることができる。また、集電体は長尺帯状であり、集電体の長手方向は列方向と一致するとともに集電体の幅方向は行方向と一致し、突起は、少なくとも頂部が8以上のいずれかの偶数の角を有する略正多角形であり、その正多角形の最長の対角線の1つが集電体の幅方向と一致しているものとすることができる。
この構成により、集電体に長手方向に引張応力が加わった場合、その応力は千鳥状に並ぶ各突起に加わり、かつ突起のそれぞれとこれと隣り合う全ての突起の距離が等しいために各突起にかかる応力が均等になる。このため、集電体を切断する力が低下され、集電体の強度を向上させることが可能となる。したがって、集電体の表面に突起を形成する工程、並びに集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。同時に、集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程、並びにその後に所定の幅にスリット加工する等の後工程においても電極活物質の脱落を抑止することができる。
また、集電体は長尺帯状であり、集電体の長手方向は列方向と一致するとともに集電体の幅方向は行方向と一致し、突起は、少なくとも頂部が略正六角形であり、その正六角形の1組の対辺が集電体の幅方向と垂直であるものとすることができる。また、集電体は長尺帯状であり、集電体の長手方向は列方向と一致するとともに集電体の幅方向は行方向と一致し、突起は、少なくとも頂部が8以上のいずれかの偶数の角を有する略正多角形であり、その正多角形の1組の対辺が集電体の幅方向と垂直であるものとすることができる。
この構成により、集電体に長手方向に引張応力が加わった場合、その応力は千鳥状に並ぶ各突起に加わり、かつ突起のそれぞれとこれと隣り合う全ての突起の距離が等しいために各突起にかかる応力が均等になる。このため、集電体を切断する力が低下され、集電体の強度を向上させることが可能となる。したがって、集電体の表面に突起を形成する工程、並びに集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。同時に、集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程、並びにその後に所定の幅にスリット加工する等の後工程においても電極活物質の脱落を抑止することができる。
また、本発明は、上記いずれかの非水系二次電池用集電体の上に、少なくとも正極活物質または負極活物質を担持させてなる非水系二次電池用電極板に関する。この構成により、上記突起の配列パターンにより発揮される大きな耐久応力により、集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。同時に、集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程、並びにその後に所定の幅にスリット加工する等の後工程においても電極活物質の脱落を抑止することができる。
また、本発明は、上記非水系二次電池用電極板による正極板と負極板とを、間にセパレータを介在させて巻回または積層して電極群を構成し、その電極群を非水系電解液とともに電池ケースに封入して構成した非水系二次電池に関する。この構成より、非水系二次電池の充放電に伴う、リチウムを吸蔵したときの電極活物質の膨張、並びにリチウムを放出したときの電極活物質の収縮による体積変化を緩和することができる。これにより、充放電による電極板切れ、並びに電極活物質層の脱落などの不具合が発生しない高容量で信頼性の高い非水系二次電池を得ることができる。
また、集電体は長尺帯状であり、集電体の長手方向は列方向と一致するとともに集電体の幅方向は前記行方向と一致し、集電体の長手方向の一端側から他端側に向かって、行単位の配置される間隔が順次短くなっているものとすることができる。この結果、上記集電体を使用した電極板を渦巻状に巻回するときに、行単位の間隔が大きくなっている方を内周側とすることで、内周側と外周側とで曲率が相違することによる悪影響を緩和することができる。すなわち、突起の頂部のピッチが内周側では狭く、外周側では広くなることで生じる電極板にかかる曲げ応力の差を緩和することができる。これにより、上記集電体を使用した電極板から電極群を作製する工程での巻きズレや電極活物質の脱落を抑止することができる。
また、突起が金属箔の両面に形成されており、金属箔の一方の面の突起は、金属箔の他方の面の突起と、設けられる位相が一致しているものとすることができる。この結果、同じ総厚みを有する両面に突起を形成した集電体で比較すると、集電体をより柔軟性の高いものとすることができる。このため、これを使用した電極板を巻回して電極群を作製する際に、巻きズレ等の不具合を発生せず均一な電極群を作製することができる。
また、突起が金属箔の両面に形成されており、金属箔の一方の面の突起は、金属箔の他方の面の突起と、設けられる位相が行方向において相違しているものとすることができる。この結果、同じ総厚みを有する両面に突起を形成した集電体で比較すると、突起の位相が一致している場合よりも集電体の強度を向上させることができる。集電体の表面に突起を形成する工程、並びに集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止する効果をより発揮することができる。
また、突起が前記金属箔の両面に形成されており、金属箔の一方の面で列方向に行単位が配置される間隔は、金属箔の他方の面で行単位が配置される間隔よりも大きくなっているものとすることができる。この結果、上記集電体を使用した電極板を渦巻状に巻回して電極群を作製するときに、電極板の外側面と内側面とでは曲率が異なることによる悪影響を緩和することができる。すなわち、突起頂部のピッチが外側面では広く、内側面では狭いことで生じる、電極板にかかる曲げ応力の差を緩和することができる。このため、電極板を巻回して電極群を作製するときの巻きズレや電極活物質の脱落をより確実に抑止することができる。
また、金属箔は、一方の面に突起が上記配列パターンで形成され且つ他方の面は平滑面とされ、集電体は2枚以上の金属箔の平滑面同士を接合して構成されているものとすることができる。この結果、集電体の一方の面の突起と他方の面の突起とを任意の位相差で設けることが可能となる。これにより、上記集電体を使用した電極板を他の電池構成要素と巻回して電極群を作製するときに様々な曲率で曲げられることによる応力に容易に対応させることができる。すなわち、上記曲率に応じて上記位相を調整することで、集電体としての強度特性と柔軟性とを備えつつ、求められた極板の機能に対応させることができる。また、1つの電極群の中でも部分的に上記位相を調整することができ、曲率が大きく大きな応力がかかる集電体の局部的な領域を補強することができる。さらに、金属箔の片面のみに突起を形成するので、金属箔の両面に突起を形成する場合と比較して、より高い突起をより薄い金属箔に形成することができる。また、上記集電体を使用した非水系二次電池用電極板は、正極活物質または負極活物質の体積比率を自由に変えることができ、電極板を巻回してなる電極群の内周側および外周側の電気化学的反応の効率を良くし、電池容量を大きくすることができる。
また、集電体の一方の面の突起と他方の面の突起の位相が相違するように上記2枚以上の金属箔を接合すると、突起の幅の一部が両面で重なっている領域では電極板の巻回によって発生する応力を緩和しながら受けることができる。一方、両面に突起が形成されていない領域は応力を受けると柔軟に曲がる。これにより、対久応力と柔軟性のバランスを任意の状態に変えることができる。したがって、電極板および集電体の亀裂を防止することができる。
また、集電体の一方の面の突起と他方の面の突起の位相が一致するように上記2枚以上の金属箔を接合すると、両面に突起が形成されている領域では巻回によって発生する応力を受けることができる。一方、両面に突起が形成されていない領域は応力を受けると柔軟に曲がる。これにより、角形電池等の、電極板の曲率が部分的に大きくなるような電極群を有する電池において、優れた電極板の柔軟性により活物質の剥離を防止することができる。
また、上記集電体は2枚以上の上記金属箔の平滑面同士を接合して構成されるため、一方の面の突起と他方の面の突起の位相を自在に調整することができる。また、製造工程も簡素化できる。
また、金属箔は、一方の面に突起が上記配列パターンで形成され且つ他方の面は平滑面とされ、集電体は、金属箔を所定箇所で折り曲げるとともに、その折り曲げられた金属箔の平滑面同士を接合して構成されているものとすることができる。この結果、集電体を切断する必要がなく、切断によるバリの発生を抑止できる。また、1枚の金属箔の折り曲げ箇所を任意に変えることで金属箔の両面の突起の位相を調整することができるので、2枚以上の金属箔による場合に必要とされる切断してから接合の位置合わせを行う工程が簡素化できる。これにより、位置合わせ工程の製造コストを削減できるとともに、集電体の歩留まりを向上させることができ、生産能力を向上させることができる。
また、上記正極板と負極板とを、間にセパレータを介在させて巻回または積層して電極群を構成し、その電極群を非水系電解液とともに電池ケースに封入して非水系二次電池を構成することにより、上記突起の配列パターンによって発揮される大きな耐久応力により、集電体の表面に突起を形成する工程、並びに集電体の突起の上に電極活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。
なお、以下の各実施の形態および各実施例では、本発明が非水系二次電池用集電体、並びにそれを使用した二次電池用電極板および二次電池に適用される場合を説明するが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、非水系および非水系以外の一次電池用集電体、並びにそれを使用した一次電池用電極板および一次電池に本発明を適用することも可能であるし、非水系以外の二次電池用集電体、並びにそれを使用した二次電池用電極板および二次電池に適用することも可能である。
〈実施の形態1〉
以下、本発明の実施の形態1について図1〜図4を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る非水系二次電池用集電体の概略構成を示す平面図である。
図1の集電体10は、非水系二次電池の一例であるリチウムイオン二次電池(以下、単にリチウム二次電池ともいう)の電極板に使用される集電体である。この集電体10は、金属箔1の少なくとも一方の表面に、頂部および横断面が略円形である柱状の多数の突起2を所定の配列パターンで形成して構成されている。ここで、突起2は、少なくとも頂部は圧縮されずに形成されている。
図1の配列パターンにおいては、突起2は行方向Xに等しいピッチP1で、破線3により示す1つの直線上に各突起2の中心が位置するように並んでおり、この行方向Xに並ぶ一群の突起2が行単位4を構成している。行単位4は、行方向Xと垂直な方向である列方向Yに互いに平行に等しいピッチP2で並んでいる。また、行単位4を構成する一群の突起2のそれぞれは、列方向Yにおいて隣り合う他の行単位4の突起2と行方向Xにおける位置が、ピッチP1の2分の1に相当するピッチP3だけ相違している。なお、その相違するピッチは、ピッチP1の2分の1に相当するものに限られるものではなく、適宜増減することが可能である。
図2に、集電体10に突起2を形成するために用いられるローラの斜視図(a)、および同ローラの表面を拡大した斜視図(b)を示す。
図2のローラ20は、金属製のローラ素材5の表面6にCrO,WC,TiN等のセラミックをコーティングした後、レーザ加工等により、突起2と対応する凹部7を上記配列パターンと対応する配列パターンで形成したものである。
すなわち、凹部7はローラ20の軸方向にピッチP1と等しいピッチP1’で直線状に並んで行単位を構成するとともに、その行単位がローラ20の周方向にピッチP2と等しいピッチP2’で互いに平行に並んでいる。
また、ローラ20の周方向において隣り合う各行単位の凹部7は、それぞれローラ20の軸方向の位置がピッチP3と等しいピッチP3’だけ相違している。なお、その相違するピッチは、ピッチP1’の2分の1に相当するものに限られるものではなく、適宜増減することが可能である。
図3に、ローラ20を使用して集電体10の表面に突起2を形成するときの加工法の一例を示す。
図示例では、一対のローラ20を、所定の間隙をおいて上下に配置し、両ローラ20により金属箔1の両面を押圧するように、長尺の金属箔1を上記間隙に通すことで、金属箔1の両面に上記配列パターンで多数の突起2を形成している。これにより、ローラ20表面の凹部7が形成されていない部分と対向する金属箔1の領域が圧縮されて、凹部7が設けられた部分と対向する金属箔1の領域が上に盛り上がるようにして塑性変形を起こす。これにより、突起2が形成される。ここで、後述の各実施例で示すように、突起2は、その先端部(頂部)が凹部7の底面にも触れないように形成されるので、少なくとも頂部は圧縮されない状態となっている。
なお、金属箔1の表面に突起2を形成する方法は、上述の方法に限定されるものではない。例えば、ローラ20の代わりに金型等を用いて金属箔1を上型と下型との間に挟んで圧縮加工するようにして、金属箔1の両面に突起2を形成することも可能である。
以下、集電体10を使用した電極板(正極板および負極板の総称である)について説明する。正極板および負極板は、突起2が形成された集電体10の表面に電極活物質(正極活物質および負極活物質の総称である。以下、単に活物質という)を担持させて構成される。
集電体10の表面に活物質を担持させる1つの方法として、活物質を含有した塗料(正極合剤塗料または負極合剤塗料)を集電体に塗着させる方法がある。
正極合剤塗料は、正極活物質、導電材、結着材を適切な分散媒中に入れ、プラネタリーミキサー等の分散機により混合分散し、集電体10への塗布に最適な粘度に調整しながら混練を行って作製する。
ここで、正極活物質としては、コバルト酸リチウムおよびその変性体(コバルト酸リチウムにアルミニウムやマグネシウムを固溶させたものなど)、ニッケル酸リチウムおよびその変性体(一部ニッケルをコバルト置換させたものなど)、並びにマンガン酸リチウムおよびその変性体等の複合酸化物を用いることができる。
正極用の導電材としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、およびサーマルブラック等のカーボンブラック、または各種グラファイトを単独、あるいは組み合わせて用いても良い。
正極用の結着材としては、ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride, PVDF)、ポリフッ化ビニリデンの変性体、ポリテトラフルオロエチレン(Poly Tetra Fluoro Ethylene, PTFE)、およびアクリレート単位を有するゴム粒子結着材等を用いることができ、これに反応性官能基を導入したアクリレートモノマー、またはアクリレートオリゴマーを結着材中に混入させることも可能である。
上記のようにして作製した正極合剤塗料を例えばアルミニウム箔からなる金属箔1の上にダイコーターを用いて塗布した後に乾燥し、所定厚みまで圧縮するようにプレスした後、規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の正極板が得られる。このとき、上記列方向Yが長尺帯状の正極板の長手方向と一致するようにスリッタ加工される。
また、負極合剤塗料は、負極活物質、結着材を適切な分散媒中に入れ、プラネタリーミキサー等の分散機により混合分散し、集電体10への塗布に最適な粘度に調整しながら混練を行って作製する。
ここで、負極用活物質としては、各種天然黒鉛および人造黒鉛、シリサイドなどのシリコン系複合材料、並びに各種合金組成材料を用いることができる。
負極用の結着材としては、ポリフッ化ビニリデンおよびその変性体を用いることができる。しかしながら、リチウムイオンの受入れ性を向上させるという観点からは、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子(SBR)またはその変性体とカルボキシメチルセルロース(carboxymethylcellulose, CMC)をはじめとするセルロース系樹脂等とを併用したものや、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子またはその変性体に上記セルロース系樹脂を少量添加したものを使用するのが好ましい。
上記のようにして作製した負極合剤塗料を例えば銅箔からなる金属箔1の上にダイコーターを用いて塗布した後乾燥し、所定厚みまで圧縮するようにプレスした後、規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の正極板が得られる。このとき、上記列方向Yが長尺帯状の正極板の長手方向と一致するようにスリッタ加工される。
また、集電体10の上に正極活物質または負極活物質を担持させる別の方法として、正極活物質または負極活物質を集電体の特定部位に選択的に担持させることを可能とする真空プロセスを用いることができる。真空プロセスによる場合は、正極活物質または負極活物質は主として突起2の圧縮されていない頂部に柱状に形成するのが好ましい。
これは、突起2の頂部は、圧縮されていない状態であるが故に加工歪などの影響を受けることなく初期の平面精度を維持しているために、精度良く活物質の薄膜を形成することができるからである。しかも、活物質を各突起2の頂部に柱状に形成し、柱状の各活物質を横方向に連続させるようにして薄膜を形成することで、リチウムを吸蔵した際における活物質の薄膜の体積膨張を緩和する効果も期待できるからである。このとき、活物質の薄膜の厚みとしては、作製する非水系二次電池の要求特性によっても異なるが、概ね5〜30μmの範囲が好ましく、さらに10〜25μmの範囲であることが、上記体積膨張を緩和する効果を最大限に発揮する上でより好ましい。
ここで、上記真空プロセスとして、蒸着法、スッパッタリング法、およびCVD法(CVD: Chemical Vapor Deposition(化学気相蒸着))等のドライプロセスを用いることができる。ドライプロセスによる場合、負極活物質として、Si,Sn,Ge,Alおよびこれらの合金、SiOxおよびSnOx等の酸化物、並びにSiSxおよびSnS等を用いることができる。また、ドライプロセスによる場合、負極活物質は、非晶質または低結晶性であることが好ましい。
以下、上記正極板および負極板を使用した非水系二次電池について説明する。図4に、非水系二次電池の一例としてのリチウム二次電池を縦に切断した斜視図により示す。
図4のリチウム二次電池30においては、複合リチウム酸化物を活物質とする正極板31とリチウムを保持しうる材料を活物質とする負極板32とをセパレータ33を介して渦巻状に巻回して電極群34が作製される。
電極群34は、有底円筒形の電池ケース35の内部に、絶縁板36により電池ケース35とは絶縁されて収容される一方、電極群34の下部より導出した負極リード37が電池ケース35の底部に接続されるとともに、電極群34の上部より導出した正極リード38が封口板39に接続される。
また、電池ケース35は、所定量の非水溶媒からなる電解液(図示せず)が注液された後、開口部に封口ガスケット40を周縁に取り付けた封口板39を挿入し、電池ケース35の開口部を内方向に折り曲げ、かしめ封口される。
ここで、セパレータ33は、非水系二次電池の使用範囲に耐えうる組成であればよいが、特にポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の微多孔フィルムを、単一あるいは複合して用いるのが好ましい。セパレータの厚みは、10〜25μmとするのが良い。
電解液は、電解質塩としてLiPF6およびLIBF4などの各種リチウム化合物を用いることができる。また溶媒としてエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)を単独および組み合わせて用いることができる。また正極板または負極板上に良好な皮膜を形成させるため、および過充電時の安定性を保証するために、ビニレンカーボネート(VC)およびシクロヘキシルベンゼン(CHB)、並びにその変性体を用いるのが好ましい。
〈実施の形態2〉
以下、本発明の実施の形態2について図5を参照して説明する。図5は、本発明の実施の形態2に係る非水系二次電池用集電体の概略構成を示す平面図である。
図5に示すように、実施の形態2の集電体10Aは、金属箔1に形成される突起2Aの形状が上記実施の形態1とは異なっており、その頂部および横断面が略楕円形となっている。突起2Aが金属箔1の表面に形成される配列パターンは実施の形態1と同様である。
すなわち、突起2Aは行方向Xに等しいピッチP4で直線状に並んでおり、この行方向Xに並ぶ一群の突起2Aにより構成される行単位が、列方向Yに互いに平行に等しいピッチP5で並んでいる。また、上記行単位を構成する一群の突起2Aのそれぞれは、列方向Yにおいて隣り合う他の行単位の突起2Aと行方向Xにおける位置が、ピッチP1の2分の1に相当するピッチP6だけ相違している。なお、その相違するピッチは、ピッチP4の2分の1に相当するものに限られるものではなく、適宜増減することが可能である。
加えて、本実施の形態の配列パターンにおいては、頂部および横断面が略楕円形である突起2Aは、その楕円形の長軸が行方向Xと一致するように配設されている。
集電体10Aの表面に突起2Aを形成するときの加工法は、実施の形態1の図3におけると同様である。また、ローラの代わりに金型等を用いて突起2Aを形成できることも同様である。集電体10Aを使用して電極板を作製する方法も実施の形態1と同様である。また、上記作製された電極板を使用して非水系二次電池を作製する方法も実施の形態1の図4におけると同様である。
〈実施の形態3〉
以下、本発明の実施の形態3について図6を参照して説明する。図6は、本発明の実施の形態3に係る非水系二次電池用集電体の概略構成を示す平面図である。
図6に示すように、実施の形態3の集電体10Bは、金属箔1に形成される突起2Bの形状が、上記実施の形態1とは異なっており、その頂部および横断面が略長方形となっている。突起2Bが金属箔1の表面に形成される配列パターンは実施の形態1と同様である。
すなわち、突起2Bは行方向Xに等しいピッチP7で直線状に並んでおり、この行方向Xに並ぶ一群の突起2Bにより構成される行単位が、列方向Yに互いに平行に等しいピッチP8で並んでいる。また、上記行単位を構成する一群の突起2Bのそれぞれは、列方向Yにおいて隣り合う他の行単位の突起2Bと行方向Xにおける位置が、ピッチP7の2分の1に相当するピッチP9だけ相違している。なお、その相違するピッチは、ピッチP7の2分の1に相当するものに限られるものではなく、適宜増減することが可能である。
加えて、本実施の形態の配列パターンにおいては、頂部および横断面が略長方形である突起2Bは、その長方形の長手方向が行方向Xと一致するように配設されている。
集電体10Bの表面に突起2Bを形成するときの加工法は、実施の形態1の図3におけると同様である。また、ローラの代わりに金型等を用いて突起2Bを形成できることも同様である。集電体10Bを使用して電極板を作製する方法も実施の形態1と同様である。また、上記作製された電極板を使用して非水系二次電池を作製する方法も実施の形態1の図4におけると同様である。
〈実施の形態4〉
以下、本発明の実施の形態4について図7を参照して説明する。図7は、本発明の実施の形態4に係る非水系二次電池用集電体の概略構成を示す平面図である。
図7に示すように、実施の形態4の集電体10Cは、金属箔1に形成される突起2Cの形状が、上記実施の形態1とは異なっており、その頂部および横断面が略菱形となっている。突起2Cが金属箔1の表面に形成される配列パターンは実施の形態1と同様である。
すなわち、突起2Cは行方向Xに等しいピッチP10で直線状に並んでおり、この行方向Xに並ぶ一群の突起2Cにより構成される行単位が、列方向Yに互いに平行に等しいピッチP11で並んでいる。また、上記行単位を構成する一群の突起2Cのそれぞれは、列方向Yにおいて隣り合う他の行単位の突起2Cと行方向Xにおける位置が、ピッチP10の2分の1に相当するピッチP12だけ相違している。なお、その相違するピッチは、ピッチP10の2分の1に相当するものに限られるものではなく、適宜増減することが可能である。
加えて、本実施の形態の配列パターンにおいては、頂部および横断面が略菱形である突起2Cは、その菱形の長い方の対角線が行方向Xと一致するように配設されている。
集電体10Cの表面に突起2Cを形成するときの加工法は、実施の形態1の図3におけると同様である。また、ローラの代わりに金型等を用いて突起2Cを形成できることも同様である。集電体10Cを使用して電極板を作製する方法も実施の形態1と同様である。また、上記作製された電極板を使用して非水系二次電池を作製する方法も実施の形態1の図4におけると同様である。
〈実施の形態5〉
以下、本発明の実施の形態5について図8を参照して説明する。図8は、本発明の実施の形態5に係る非水系二次電池用集電体の概略構成を示す平面図である。
図8に示すように、実施の形態5の集電体10Dは、金属箔1に形成される突起2Dの形状が、上記実施の形態1とは異なっており、その頂部および横断面が略正方形となっている。突起2Dが金属箔1の表面に形成される配列パターンは実施の形態1と同様である。
すなわち、突起2Dは行方向Xに等しいピッチP13で直線状に並んでおり、この行方向Xに並ぶ一群の突起2Dにより構成される行単位が、列方向Yに互いに平行に等しいピッチP14で並んでいる。また、上記行単位を構成する一群の突起2Dのそれぞれは、列方向Yにおいて隣り合う他の行単位の突起2Dと行方向Xにおける位置が、ピッチP13の2分の1に相当するピッチP15だけ相違している。なお、その相違するピッチは、ピッチP13の2分の1に相当するものに限られるものではなく、適宜増減することが可能である。
加えて、本実施の形態の配列パターンにおいては、頂部および横断面が略正方形である突起2Dは、その正方形の1つの対角線が行方向Xと一致するように配設されている。
集電体10Dの表面に突起2Dを形成するときの加工法は、実施の形態1の図3におけると同様である。また、ローラの代わりに金型等を用いて突起2Dを形成できることも同様である。集電体10Dを使用して電極板を作製する方法も実施の形態1と同様である。また、上記作製された電極板を使用して非水系二次電池を作製する方法も実施の形態1の図4におけると同様である。
〈実施の形態6〉
以下、本発明の実施の形態6について図9を参照して説明する。図9は、本発明の実施の形態6に係る非水系二次電池用集電体の概略構成を示す平面図である。
図9に示すように、実施の形態6の集電体10Eは、金属箔1に形成される突起2Eの形状が、上記実施の形態1とは異なっており、その頂部および横断面が略正六角形となっている。突起2Eが金属箔1の表面に形成される配列パターンは実施の形態1と同様である。
すなわち、突起2Eは行方向Xに等しいピッチP16で直線状に並んでおり、この行方向Xに並ぶ一群の突起2Eにより構成される行単位が、列方向Yに互いに平行に等しいピッチP17で並んでいる。また、上記行単位を構成する一群の突起2Eのそれぞれは、列方向Yにおいて隣り合う他の行単位の突起2Eと行方向Xにおける位置が、ピッチP16の2分の1に相当するピッチP18だけ相違している。なお、その相違するピッチは、ピッチP16の2分の1に相当するものに限られるものではなく、適宜増減することが可能である。
加えて、本実施の形態の配列パターンにおいては、頂部および横断面が略正六角形である突起2Eは、その正六角形の1つの対辺に垂直な直線が行方向Xと一致するように配設されている。
また、突起の形状は略正六角形に限らず、8以上の任意の偶数の角を有する略正多角形の突起を、本実施の形態と同様の配列パターンで集電体上に形成することが可能である。
集電体10Eの表面に突起2Eを形成するときの加工法は、実施の形態1の図3におけると同様である。また、ローラの代わりに金型等を用いて突起2Eを形成できることも同様である。集電体10Eを使用して電極板を作製する方法も実施の形態1と同様である。また、上記作製された電極板を使用して非水系二次電池を作製する方法も実施の形態1の図4におけると同様である。
以下に、本発明の実施例を説明する。実施例1〜6に本発明の電極板の実施例を示し、実施例7に本発明の非水系二次電池の実施例を示す。
本発明の正極板の集電体として厚さ15μmのアルミニウム箔を用いた。このアルミニウム箔の表面に、上記実施の形態1の図1に対応する、頂部および横断面の形状が略円形である多数の突起を上記配列パターンで形成するために、上記突起に対応する形状の凹部(深さ4μm)が上記配列パターンで表面に形成された一対のローラ(セラミックローラ)を作製した。ここで、上記ピッチP3は上記ピッチP1の2分の1に相当するピッチとした。そして、上記アルミニウム箔を、上記一対のローラの間を加圧しながら通過させた。このようにして、両面に高さ3μmの突起を有する総厚18μmの正極板用の集電体を作製した。
次いで、正極活物質としてコバルトの一部をニッケルおよびマンガンで置換したコバルト酸リチウムを100重量部と、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデンを活物質100重量部に対して2重量部とを、適量のN−メチル−2−ピロリドンとともに双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を作製した。この正極合剤塗料を上記作成された集電体の両面に塗布して乾燥し、プレスした後、その集電体を規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の正極板を作製した。このとき、上記列方向Yが正極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが正極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
上掲のようにして作製された集電体は、略円形の突起が最密充填される配列パターンで形成されるために、集電体および正極板の製造時に集電体ないしは正極板の長手方向(上記列方向Y)に加わる引張応力に対して大きな耐久応力が発揮される。このため、集電体上に正極合剤層を形成して正極板を製造するとき、あるいは正極板を上記スリッタ加工するときに、集電体に局部的な変形や撓みが生じるのを防止すると同時に正極合剤層の脱落を抑止することができた。
本発明の負極板の集電体として厚さ20μmの銅箔を用いた。この銅箔の表面に、上記実施の形態2の図5に対応する、頂部および横断面の形状が略楕円形である多数の突起を上記配列パターンで形成するために、上記突起に対応する形状の凹部(深さ13μm)が上記配列パターンで表面に形成された一対のローラ(セラミックローラ)を作製した。ここで、上記ピッチP6は上記ピッチP4の2分の1に相当するピッチとした。そして、上記銅箔を、上記一対のローラの間を加圧しながら通過させた。このようにして、両面に高さ9μmの突起を有する総厚29μmの負極板用の集電体を作製した。
次いで、負極活物質としての純度99.9999%の珪素をスパッタリングターゲットとして用い、電子ビーム加熱手段を具備した蒸着装置により上記作製された集電体の両面に純度99.7%の酸素を導入しながら蒸着を行い、突起上に膜厚23μmのSiO0.5を形成した後、規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の負極板を作製した。このとき、上記列方向Yが負極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが負極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
上掲のようにして作製された集電体は、実施の形態2に記載したように、略楕円形の突起の長軸が集電体の幅方向(行方向X)と一致するように形成されるために、集電体の長手方向(列方向Y)に向かって負極活物質を蒸着する際に、活物質を突起の上に効率良く付着させることができ、しかも集電体の長手方向に加わる引張応力に対して大きな耐久応力を発揮させることができる。このため、集電体の上に負極合剤層を蒸着して負極板を製造するとき、あるいは負極板を上記スリッタ加工するときに、集電体に局部的な変形や撓みが生じるのを防止すると同時に負極合剤層の脱落を抑止することができた。
本発明の負極板の集電体として厚さ15μmの銅箔を用いた。この銅箔の表面に、上記実施の形態3の図6に対応する、頂部および横断面の形状が略長方形である多数の突起を上記配列パターンで形成するために、上記突起に対応する形状の凹部(深さ7μm)が上記配列パターンで表面に形成された一対のローラ(セラミックローラ)を作製した。ここで、上記ピッチP9は上記ピッチP7の2分の1に相当するピッチとした。そして、上記銅箔を、上記一対のローラの間を加圧しながら通過させた。このようにして、両面に高さ5μmの突起を有する総厚20μmの負極板用の集電体を作製した。
次いで、負極活物質としての純度99.9999%の珪素をスパッタリングターゲットとして用い、電子ビーム加熱手段を具備した蒸着装置により上記作製された集電体の両面に純度99.7%の酸素を導入しながら蒸着を行い、突起上に膜厚15μmのSiO0.5を形成した後、規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の負極板を作製した。このとき、上記列方向Yが負極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが負極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
上掲のようにして作製された集電体は、実施の形態3に記載したように、略長方形の突起の長手方向が集電体の幅方向(行方向X)と一致するように形成されるために、集電体の長手方向(列方向Y)に向かって負極活物質を蒸着する際に、活物質を突起の上に効率良く付着させることができ、しかも集電体の長手方向に加わる引張応力に対して大きな耐久応力を発揮させることができる。このため、集電体の上に負極合剤層を蒸着して負極板を製造するとき、あるいは負極板を上記スリッタ加工するときに、集電体に局部的な変形や撓みが生じるのを防止すると同時に負極合剤層の脱落を抑止することができた。
本発明の負極板の集電体として厚さ18μmの銅箔を用いた。この銅箔の表面に、上記実施の形態4の図7に対応する、頂部および横断面の形状が略菱形である多数の突起を上記配列パターンで形成するために、上記突起に対応する形状の凹部(深さ10μm)が上記配列パターンで表面に形成された一対のローラ(セラミックローラ)を作製した。ここで、上記ピッチP12は上記ピッチP10の2分の1に相当するピッチとした。そして、上記銅箔を、上記一対のローラの間を加圧しながら通過させた。このようにして、両面に高さ8μmの突起を有する総厚26μmの負極板用の集電体を作製した。
次いで、負極活物質としての純度99.9999%の珪素をスパッタリングターゲットとして用い、電子ビーム加熱手段を具備した蒸着装置により上記作製された集電体の両面に純度99.7%の酸素を導入しながら蒸着を行い、突起上に膜厚20μmのSiO0.5を形成した後、規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の負極板を作製した。このとき、上記列方向Yが負極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが負極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
上掲のようにして作製された集電体は、実施の形態4に記載したように、略菱形の突起の長い方の対角線が集電体の幅方向(行方向X)と一致するように形成されるために、集電体の長手方向(列方向Y)に向かって負極活物質を蒸着する際に、活物質を突起の上に効率良く付着させることができ、しかも集電体の長手方向に加わる引張応力に対して大きな耐久応力を発揮させることができる。このため、集電体の上に負極合剤層を蒸着して負極板を製造するとき、あるいは負極板を上記スリッタ加工するときに、集電体に局部的な変形や撓みが生じるのを防止すると同時に負極合剤層の脱落を抑止することができた。
本発明の負極板の集電体として厚さ10μmの銅箔を用いた。この銅箔の表面に、上記実施の形態5の図8に対応する、頂部および横断面の形状が略正方形である多数の突起を上記配列パターンで形成するために、上記突起に対応する形状の凹部(深さ3μm)が上記配列パターンで表面に形成された一対のローラ(セラミックローラ)を作製した。ここで、上記ピッチP15は上記ピッチP13の2分の1に相当するピッチとした。そして、上記銅箔を、上記一対のローラの間を加圧しながら通過させた。このようにして、両面に高さ2μmの突起を有する総厚12μmの負極板用の集電体を作製した。
次いで、負極活物質として人造黒鉛を100重量部と、結着材としてスチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子分散体(固形分40重量%)を活物質100重量部に対して2.5重量部(結着材の固形分換算で1重量部)と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを活物質100重量部に対して1重量部とを、適量の水とともに双腕式練合機にて攪拌して、負極合剤塗料を作製した。この負極合剤塗料を上記作成された集電体の両面に塗布して乾燥し、プレスした後、その集電体を規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の負極板を作製した。このとき、上記列方向Yが正極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが負極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
上掲のようにして作製された集電体は、略正方形の突起が最密充填される配列パターンで形成されるために、集電体および負極板の製造時に集電体ないしは負極板の長手方向(上記列方向Y)に加わる引張応力に対して大きな耐久応力が発揮される。このため、集電体上に負極合剤層を形成して負極板を製造するとき、あるいは負極板を上記スリッタ加工するときに、集電体に局部的な変形や撓みが生じるのを防止すると同時に負極合剤層の脱落を抑止することができた。
本発明の正極板の集電体として厚さ12μmのアルミニウム箔を用いた。このアルミニウム箔の表面に、上記実施の形態6の図9に対応する、頂部および横断面の形状が略正六角形である多数の突起を上記配列パターンで形成するために、上記突起に対応する形状の凹部(深さ3μm)が上記配列パターンで表面に形成された一対のローラ(セラミックローラ)を作製した。ここで、上記ピッチP18は上記ピッチP16の2分の1に相当するピッチとした。そして、上記アルミニウム箔を、上記一対のローラの間を加圧しながら通過させた。このようにして、両面に高さ2μmの突起を有する総厚14μmの正極板用の集電体を作製した。
次いで、正極活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部と、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデンを活物質100重量部に対して2重量部とを、適量のN−メチル−2−ピロリドンとともに双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を作製した。この正極合剤塗料を上記作成された集電体の両面に塗布して乾燥し、プレスした後、その集電体を規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の正極板を作製した。このとき、上記列方向Yが正極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが正極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
上掲のようにして作製された集電体は、略正六角形の突起がハニカム状に最密充填される配列パターンで形成されるために、集電体および正極板の製造時に集電体ないしは正極板の長手方向(上記列方向Y)に加わる引張応力に対して大きな耐久応力が発揮される。このため、集電体上に正極合剤層を形成して正極板を製造するとき、あるいは正極板を上記スリッタ加工するときに、集電体に局部的な変形や撓みが生じるのを防止すると同時に正極合剤層の脱落を抑止することができた。
本発明の非水系二次電池を作製するために、実施例1と同様にして、両面に高さ3μmの突起が上記配列パターンで形成された総厚18μmの正極集電体を作製した。
次いで、正極活物質としてコバルトの一部をニッケルおよびマンガンで置換したコバルト酸リチウムを100重量部と、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデンを活物質100重量部に対して2重量部とを、適量のN−メチル−2−ピロリドンとともに双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を作製した。この正極合剤塗料を上記作成された集電体の両面に塗布して乾燥し、プレスした後、その集電体を規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の正極板を作製した。このとき、上記列方向Yが正極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが正極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。このようにして、片面の厚みが57μmである正極合剤層を上記正極集電体の両面に形成して、総厚が126μmである正極板を作製した。
また、実施例4と同様にして、両面に高さ8μmの突起が上記配列パターンで形成された総厚26μmの負極集電体を作製した。
次いで、負極活物質としての純度99.9999%の珪素をスパッタリングターゲットとして用い、電子ビーム加熱手段を具備した蒸着装置により上記作製された集電体の両面に純度99.7%の酸素を導入しながら蒸着を行い、ここでは突起の頂部に柱状に負極活物質を積層し、これを横方向に連続させて25μm厚のSiO0.5の薄膜を形成した後、規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の負極板を作製した。このとき、上記列方向Yが負極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが負極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
以上のようにして作製した正極板と負極板とを用いて、図4に示すようなリチウムイオン二次電池を作製した。より具体的には、正極板と負極板とをセパレータを介して渦巻状に巻回した電極群を作製した。この電極群を有底円筒形の電池ケースの内部に絶縁板と共に収容し、電極群の下部より導出した負極リードを電池ケースの底部に接続した。次いで、電極群の上部より導出した正極リードを封口板に接続し、電池ケースに所定量の非水溶媒からなる電解液(図示せず)を注液した。その後、電池ケースの開口部に封口ガスケットを周縁に取り付けた封口板を挿入し、電池ケースの開口部を内方向に折り曲げて、かしめ封口することによりリチウムイオン二次電池を作製した。
上記リチウムイオン二次電池において、渦巻状に巻回した電極群を作製後に、この電極群を解体して観察したところ正極板、負極板ともに電極板切れや活物質層の脱落などの不具合は認められなかった。さらに、このリチウムイオン二次電池の充放電を300サイクル繰り返したが、サイクル劣化は生じなかった。また、充放電を300サイクル繰り返した後にリチウムイオン二次電池および電極群を解体したところ、リチウム析出や活物質層の脱落などの不具合は認められなかった。これは圧縮されていない突起の頂部に活物質の柱状に形成して薄膜を形成することで、リチウムを吸蔵した際における活物質の薄膜の膨張およびリチウムを放出した際における活物質の薄膜の収縮による体積変化を緩和することができたために、良好な電池特性を維持できたものと考えられる。
以上、実施例1〜6により示したように、本発明の非水系二次電池用電極板は集電体の表面に少なくとも頂部が圧縮されていない突起を上記配列パターンで形成したことにより、この突起の配列パターンによって大きな耐久応力が発揮される。したがって、集電体の表面に突起を形成する工程、並びに集電体の突起の上に活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。同時に、集電体の突起の上に活物質を担持する工程、並びにその後に所定の幅および長さにスリッタ加工する等の後工程においても活物質の脱落を抑止することができる。
さらに、集電体における突起の頂部は圧縮されていない状態であるが故に加工を施したことによる加工歪が残留せず、突起の平面の表面精度が良好であるために、均一な薄膜形成が可能である。また、圧縮加工が施されることで表面粗さが小さくなることもなく、初期の表面粗さを維持しているために、薄膜に形成された活物質との密着力を高めることができる。この観点からすれば、突起の平面と活物質との密着力をさらに高めるためには、加工前の集電体の表面をあらかじめ粗くしておくことは非常に有効である。なお、実施例1〜6における突起の配列パターンは、列方向に隣接する行単位の突起のそれぞれの位置が、行単位のピッチの2分の1だけずれたものとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、突起の位置をずらす間隔は任意に設定することが可能である。
また実施例7により示したように、活物質は主として突起における圧縮されていない頂部に柱状に形成するのが好ましい。これにより、非水系二次電池の充放電に伴ったリチウムを吸蔵した際における活物質の膨張およびリチウムを放出した際における活物質の収縮による体積変化を緩和することで充放電による電極板切れや活物質層の脱落などの不具合が発生しない高容量で信頼性の高い非水系二次電池を得ることができる。
〈実施の形態7〉
以下、本発明の実施の形態7について図10および図11を参照して説明する。図10は、本発明の実施の形態7に係る非水系二次電池用集電体の概略構成を示す平面図である。
図10の集電体10Fは、非水系二次電池の一例であるリチウムイオン二次電池(以下、単にリチウム二次電池ともいう)の電極板に使用される集電体である。この集電体10Fは、金属箔1の少なくとも一方の表面に、頂部および横断面が略円形である柱状の多数の突起2Fを所定の配列パターンで形成して構成されている。ここで、突起2Fは、少なくとも頂部は圧縮されずに形成されている。
図10の配列パターンにおいては、突起2Fは行方向Xに、破線の折れ線9により示すように、等ピッチで千鳥状に配設されており、この行方向Xに千鳥状に配設された一群の突起2Fが行単位4Aを構成している。行単位4Aは、行方向Xと垂直な方向である列方向Yに互いに平行に等ピッチで並んでいる。また、行単位4Aを構成する一群の突起2Fのそれぞれは、列方向Yにおいて隣り合う他の行単位4Aの突起2Fと行方向Xにおける位置が一致している。また、任意の突起2Fは、これと隣接する他の全ての突起2Fとの間隔L11、L12、L13、L14、L15、L16が等しくなるように配設されている。
図11に、集電体に突起を形成するために用いられるローラの表面を拡大した斜視図を示す。
図11のローラは、金属製のローラ素材の表面にCrO,WC,TiN等のセラミックをコーティングした後、レーザ加工等により、突起2Fと対応する凹部7Aを上記配列パターンと対応する配列パターンで形成したものである。
すなわち、凹部7Aはローラの軸方向に、破線の折れ線9Aにより示すように、等ピッチで千鳥状に並んで行単位を構成するとともに、その行単位がローラの周方向に等ピッチで互いに平行に並んでいる。
また、ローラの周方向において隣り合う各行単位の凹部7Aは、それぞれローラの軸方向の位置が一致している。また、任意の凹部7Aは、これと隣接する他の全ての凹部7Aとの間隔が等しくなるように配設されている。
図11のローラを使用して集電体10Fの表面に突起2Fを形成するときの加工法は、実施の形態1の図3におけると同様である。また、ローラの代わりに金型等を用いて突起2Fを形成できることも同様である。また、集電体10Fを使用して電極板を作製する方法も実施の形態1と同様である。また、上記作製された電極板を使用して非水系二次電池を作製する方法も実施の形態1の図4におけると同様である。
〈実施の形態8〉
以下、本発明の実施の形態8について図12を参照して説明する。図12は、本発明の実施の形態8に係る非水系二次電池用集電体の概略構成を示す平面図である。
図12に示すように、実施の形態8の集電体10Gは、金属箔1に形成される突起2Gの配列パターンは実施の形態7と同様であるが、突起2Gの形状が上記実施の形態7とは異なり、その頂部および横断面が略正方形となっている。
すなわち、突起2Gは行方向Xに等ピッチで折れ線9Bにより示すように千鳥状に並んでおり、この行方向Xに千鳥状に並ぶ一群の突起2Gにより構成される行単位が、列方向Yに互いに平行に等ピッチで並んでいる。また、行単位を構成する一群の突起2Gのそれぞれは、列方向Yにおいて隣り合う他の行単位の突起2Gと行方向Xにおける位置が一致し、且つ任意の突起2Gは、これと隣接する他の全ての突起2Gとの間隔が等しくなっている。
加えて、本実施の形態の配列パターンにおいては、頂部および横断面が略正方形である突起2Gは、その正方形の1組の対辺に垂直な直線が行方向Xと一致するように配設されている。
集電体10Gの表面に突起2Gを形成するときの加工法は、実施の形態1の図3におけると同様である。また、ローラの代わりに金型等を用いて突起2Gを形成できることも同様である。集電体10Gを使用して電極板を作製する方法も実施の形態1と同様である。また、上記作製された電極板を使用して非水系二次電池を作製する方法も実施の形態1の図4におけると同様である。
〈実施の形態9〉
以下、本発明の実施の形態9について図13を参照して説明する。図13は、本発明の実施の形態9に係る非水系二次電池用集電体の概略構成を示す平面図である。
図13に示すように、実施の形態9の集電体10Hは、金属箔1に形成される突起2Hの配列パターンは実施の形態7と同様であり、且つ突起2Hの形状は実施の形態8と同様の略正方形であるが、突起2Hの姿勢が実施形態8とは異なっている。
すなわち、突起2Hは行方向Xに等ピッチで折れ線9Cにより示すように千鳥状に並んでおり、この行方向Xに千鳥状に並ぶ一群の突起2Hにより構成される行単位が、列方向Yに互いに平行に等ピッチで並んでいる。また、行単位を構成する一群の突起2Hのそれぞれは、列方向Yにおいて隣り合う他の行単位の突起2Hと行方向Xにおける位置が一致し、且つ任意の突起2Hは、これと隣接する他の全ての突起2Hとの間隔が等しくなっている。
加えて、本実施の形態の配列パターンにおいては、頂部および横断面が略正方形である突起2Gは、その正方形の1つの対角線が行方向Xと一致するように配設されている。
集電体10Hの表面に突起2Hを形成するときの加工法は、実施の形態1の図3におけると同様である。また、ローラの代わりに金型等を用いて突起2Hを形成できることも同様である。集電体10Hを使用して電極板を作製する方法も実施の形態1と同様である。また、上記作製された電極板を使用して非水系二次電池を作製する方法も実施の形態1の図4におけると同様である。
〈実施の形態10〉
以下、本発明の実施の形態10について図14を参照して説明する。図14は、本発明の実施の形態10に係る非水系二次電池用集電体の概略構成を示す平面図である。
図14に示すように、実施の形態10の集電体10Iは、金属箔1に形成される突起2Iの配列パターンは実施の形態7と同様であるが、突起2Iの形状が上記実施の形態7とは異なり、その頂部および横断面が略正六角形となっている。
すなわち、突起2Iは行方向Xに等ピッチで折れ線9Dにより示すように千鳥状に並んでおり、この行方向Xに千鳥状に並ぶ一群の突起2Iにより構成される行単位が、列方向Yに互いに平行に等ピッチで並んでいる。また、行単位を構成する一群の突起2Iのそれぞれは、列方向Yにおいて隣り合う他の行単位の突起2Iと行方向Xにおける位置が一致し、且つ任意の突起2Iは、これと隣り合う他の全ての突起2Iとの間隔が等しくなっている。
加えて、本実施の形態の配列パターンにおいては、頂部および横断面が略正六角形である突起2Iは、その正六角形の1つの対角線が行方向Xと一致するように配設されている。
集電体10Iの表面に突起2Iを形成するときの加工法は、実施の形態1の図3におけると同様である。また、ローラの代わりに金型等を用いて突起2Iを形成できることも同様である。集電体10Iを使用して電極板を作製する方法も実施の形態1と同様である。また、上記作製された電極板を使用して非水系二次電池を作製する方法も実施の形態1の図4におけると同様である。
なお、図14では、突起2Iの形状は略正六角形となっているが、これに限らず、突起の形状を略正N角形(ただし、N:Nは6以上の偶数)とすることも可能である。この場合にも、正N角形の最長の対角線の1つが行方向Xと一致し、且つ任意の突起と、これと隣り合う他の突起との間隔が全て等しくなるように各突起は形成される。
〈実施の形態11〉
以下、本発明の実施の形態11について図15を参照して説明する。図15は、本発明の実施の形態11に係る非水系二次電池用集電体の概略構成を示す平面図である。
図15に示すように、実施の形態11の集電体10Jは、金属箔1に形成される突起2Jの配列パターンは実施の形態7と同様であり、且つ突起2Jの形状は実施の形態10と同様の正六角形であるが、突起2Jの姿勢が実施形態10とは異なっている。
すなわち、突起2Jは行方向Xに等ピッチで折れ線9Eにより示すように千鳥状に並んでおり、この行方向Xに千鳥状に並ぶ一群の突起2Jにより構成される行単位が、列方向Yに互いに平行に等ピッチで並んでいる。また、行単位を構成する一群の突起2Jのそれぞれは、列方向Yにおいて隣り合う他の行単位の突起2Jと行方向Xにおける位置が一致し、且つ任意の突起2Jは、これと隣接する他の全ての突起2Jとの間隔が等しくなっている。
加えて、本実施の形態の配列パターンにおいては、頂部および横断面が略正六角形である突起2Jは、その正六角形の1組の対辺に垂直な直線が行方向Xと一致するように配設されている。
集電体10Jの表面に突起2Jを形成するときの加工法は、実施の形態1の図3におけると同様である。また、ローラの代わりに金型等を用いて突起2Jを形成できることも同様である。集電体10Jを使用して電極板を作製する方法も実施の形態1と同様である。また、上記作製された電極板を使用して非水系二次電池を作製する方法も実施の形態1の図4におけると同様である。
なお、図15では、突起2Jの形状は略正六角形となっているが、これに限らず、突起の形状を略正N角形(ただし、N:Nは6以上の偶数)とすることも可能である。この場合にも、正N角形の1組の対辺と垂直な直線が行方向Xと一致し、且つ任意の突起と、これと隣り合う他の突起との間隔が全て等しくなるように各突起は形成される。
負極板の集電体として厚さ20μmの銅箔を用いた。この銅箔の表面に、上記実施の形態7の図10に対応する、頂部および横断面の形状が略円形である多数の突起を上記配列パターンで形成するために、上記突起に対応する形状の凹部(深さ13μm)が上記配列パターンで表面に形成された一対のローラ(セラミックローラ)を作製した。そして、上記銅箔を、上記一対のローラの間を加圧しながら通過させた。このようにして、両面に高さ9μmの突起を有する総厚29μmの負極板用の集電体を作製した。
次いで、負極活物質としての純度99.9999%の珪素をスパッタリングターゲットとして用い、電子ビーム加熱手段を具備した蒸着装置により上記作製された集電体の両面に純度99.7%の酸素を導入しながら蒸着を行い、突起の上に膜厚23μmのSiO0.5を形成した後、規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の負極板を作製した。このとき、上記列方向Yが負極板ないしは集電体の長手方向と一致し、上記行方向Xが負極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
上掲のようにして作製された集電体は、突起が、幅方向(行方向X)に等ピッチで千鳥状に並べられて行単位を構成するとともに、任意の突起と、これに隣り合う他のすべての突起との間隔が等しくなるように配設されている。これにより、集電体の長手方向(列方向Y)に向かって負極活物質を蒸着する際に、負極活物質を突起の上に効率良く付着させることができ、しかも集電体の長手方向に加わる引張応力に対して大きな耐久応力を発揮させることができる。このため、集電体上に負極合剤層を蒸着して負極板を製造するとき、あるいは負極板を上記スリッタ加工するときに、集電体に局部的な変形や撓みが生じるのを防止すると同時に負極合剤層の脱落を抑止することができた。
負極板の集電体として厚さ15μmの銅箔を用いた。この銅箔の表面に、上記実施の形態8の図12に対応する、頂部および横断面の形状が略正方形である多数の突起を上記配列パターンで形成するために、上記突起に対応する形状の凹部(深さ7μm)が上記配列パターンで表面に形成された一対のローラ(セラミックローラ)を作製した。そして、上記銅箔を、上記一対のローラの間を加圧しながら通過させた。このようにして、両面に高さ5μmの突起を有する総厚20μmの負極板用の集電体を作製した。
次いで、負極活物質としての純度99.9999%の珪素をスパッタリングターゲットとして用い、電子ビーム加熱手段を具備した蒸着装置により上記作製された集電体の両面に純度99.7%の酸素を導入しながら蒸着を行い、突起の上に膜厚15μmのSiO0.5を形成した後、規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の負極板を作製した。このとき、上記列方向Yが負極板ないしは集電体の長手方向と一致し、上記行方向Xが負極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
上掲のようにして作製された集電体は、突起が、幅方向(行方向X)に等ピッチで千鳥状に並べられて行単位を構成するとともに、任意の突起と、これに隣り合う他のすべての突起との間隔が等しくなるように配設されている。これにより、集電体の長手方向(列方向Y)に向かって負極活物質を蒸着する際に、負極活物質を突起の上に効率良く付着させることができ、しかも集電体の長手方向に加わる引張応力に対して大きな耐久応力を発揮させることができる。このため、集電体上に負極合剤層を蒸着して負極板を製造するとき、あるいは負極板を上記スリッタ加工するときに、集電体に局部的な変形や撓みが生じるのを防止すると同時に負極合剤層の脱落を抑止することができた。
負極板の集電体として厚さ18μmの銅箔を用いた。この銅箔の表面に、上記実施の形態9の図13に対応する、頂部および横断面の形状が略円形である多数の突起を上記配列パターンで形成するために、上記突起に対応する形状の凹部(深さ10μm)が上記配列パターンで表面に形成された一対のローラ(セラミックローラ)を作製した。そして、上記銅箔を、上記一対のローラの間を加圧しながら通過させた。このようにして、両面に高さ8μmの突起を有する総厚26μmの負極板用の集電体を作製した。
次いで、負極活物質としての純度99.9999%の珪素をスパッタリングターゲットとして用い、電子ビーム加熱手段を具備した蒸着装置により上記作製された集電体の両面に純度99.7%の酸素を導入しながら蒸着を行い、突起の上に膜厚20μmのSiO0.5を形成した後、規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の負極板を作製した。このとき、上記列方向Yが負極板ないしは集電体の長手方向と一致し、上記行方向Xが負極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
上掲のようにして作製された集電体は、略正方形の突起が対角線を集電体の幅方向(行方向X)と一致させるようにして設けられている。このため、集電体の長手方向(列方向Y)に向かって負極活物質を蒸着する際に、活物質を突起の上に効率良く付着させることができ、しかも集電体の長手方向に加わる引張応力に対して大きな耐久応力を発揮させることができる。このため、集電体上に負極合剤層を蒸着して負極板を製造するとき、あるいは負極板を上記スリッタ加工するときに、集電体に局部的な変形や撓みが生じるのを防止すると同時に負極合剤層の脱落を抑止することができた。
負極板の集電体として厚さ10μmの銅箔を用いた。この銅箔の表面に、上記実施の形態10の図14に対応する、頂部および横断面の形状が略正六角形である多数の突起を上記配列パターンで形成するために、上記突起に対応する形状の凹部(深さ3μm)が上記配列パターンで表面に形成された一対のローラ(セラミックローラ)を作製した。そして、上記銅箔を、上記一対のローラの間を加圧しながら通過させた。このようにして、両面に高さ2μmの突起を有する総厚12μmの負極板用の集電体を作製した。
次いで、負極の活物質として人造黒鉛を100重量部と、結着材としてスチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子分散体(固形分40重量%)を活物質100重量部に対して2.5重量部(結着材の固形分換算で1重量部)と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを活物質100重量部に対して1重量部とを、適量の水とともに双腕式練合機にて攪拌して、負極合剤塗料を作製した。この負極合剤塗料を上記作成された集電体の両面に塗布して乾燥し、プレスした後、その集電体を規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の負極板を作製した。このとき、上記列方向Yが負極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが負極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
上掲のようにして作製された集電体は、略正六角形の突起が最長の対角線の1つを集電体の幅方向(行方向X)と一致させるようにして設けられている。このため、集電体および負極板の製造時に集電体の長手方向に加わる引張応力に対して大きな耐久応力を発揮させることができる。このため、集電体上に負極合剤層を形成して負極板を製造するとき、あるいは負極板を上記スリッタ加工するときに、集電体に局部的な変形や撓みが生じるのを防止すると同時に負極合剤層の脱落を抑止することができた。
正極板の集電体として厚さ12μmのアルミニウム箔を用いた。このアルミニウム箔の表面に、上記実施の形態11の図15に対応する、頂部および横断面の形状が略正六角形である多数の突起を上記配列パターンで形成するために、上記突起に対応する形状の凹部(深さ3μm)が上記配列パターンで表面に形成された一対のローラ(セラミックローラ)を作製した。そして、上記アルミニウム箔を、上記一対のローラの間を加圧しながら通過させた。このようにして、両面に高さ2μmの突起を有する総厚14μmの正極板用の集電体を作製した。
次いで、正極活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部と、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデンを活物質100重量部に対して2重量部とを、適量のN−メチル−2−ピロリドンとともに双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を作製した。この正極合剤塗料を上記作成された集電体の両面に塗布して乾燥し、プレスした後、その集電体を規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の正極板を作製した。このとき、上記列方向Yが正極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが正極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
上掲のようにして作製された集電体は、略正六角形の1組の対辺に垂直な直線が集電体の幅方向(行方向X)と一致させるようにして設けられている。このため、集電体および正極板の製造時に集電体の長手方向に加わる引張応力に対して大きな耐久応力を発揮させることができる。このため、集電体上に正極合剤層を形成して正極板を製造するとき、あるいは正極板を上記スリッタ加工するときに、集電体に局部的な変形や撓みが生じるのを防止すると同時に正極合剤層の脱落を抑止することができた。
本発明の非水系二次電池を作製するために、実施例1と同様にして、両面に高さ3μmの突起が上記配列パターンで形成された総厚18μmの正極集電体を作製した。
次いで、正極活物質としてコバルトの一部をニッケルおよびマンガンで置換したコバルト酸リチウムを100重量部と、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデンを活物質100重量部に対して2重量部とを、適量のN−メチル−2−ピロリドンとともに双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を作製した。この正極合剤塗料を上記作成された集電体の両面に塗布して乾燥し、プレスした後、その集電体を規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の正極板を作製した。このとき、上記列方向Yが正極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが正極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。このようにして、片面の厚みが57μmである正極合剤層を上記正極集電体の両面に形成して、総厚が126μmである正極板を作製した。
また、実施例4と同様にして、両面に高さ8μmの突起が上記配列パターンで形成された総厚26μmの負極集電体を作製した。
次いで、負極活物質としての純度99.9999%の珪素をスパッタリングターゲットとして用い、電子ビーム加熱手段を具備した蒸着装置により上記作製された集電体の両面に純度99.7%の酸素を導入しながら蒸着を行い、ここでは突起の頂部に柱状に活物質を積層し、これを横方向に連続させて25μm厚のSiO0.5の薄膜を形成した後、規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の負極板を作製した。このとき、上記列方向Yが負極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが負極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
以上のようにして作製した正極板と負極板とを用いて、図4に示すようなリチウムイオン二次電池を作製した。より具体的には、正極板と負極板とをセパレータを介して渦巻状に巻回した電極群を作製した。この電極群を有底円筒形の電池ケースの内部に絶縁板と共に収容し、電極群の下部より導出した負極リードを電池ケースの底部に接続した。次いで、電極群の上部より導出した正極リードを封口板に接続し、電池ケースに所定量の非水溶媒からなる電解液(図示せず)を注液した。その後、電池ケースの開口部に封口ガスケットを周縁に取り付けた封口板を挿入し、電池ケースの開口部を内方向に折り曲げて、かしめ封口することによりリチウムイオン二次電池を作製した。
上記リチウムイオン二次電池において、渦巻状に巻回した電極群を作製後に、この電極群を解体して観察したところ正極板、負極板ともに電極板切れや活物質層の脱落などの不具合は認められなかった。さらに、このリチウムイオン二次電池の充放電を300サイクル繰り返したが、サイクル劣化は生じなかった。また、充放電を300サイクル繰り返した後にリチウムイオン二次電池および電極群を解体したところ、リチウム析出や活物質層の脱落などの不具合は認められなかった。これは、突起の圧縮されていない頂部に活物質を柱状に形成して薄膜を形成することで、リチウムを吸蔵した際における活物質の薄膜の膨張およびリチウムを放出した際における活物質の薄膜の収縮による体積変化を緩和することができたために、良好な電池特性を維持できたものと考えられる。
以上、実施例8〜12により示したように、本発明の非水系二次電池用電極板は集電体の表面に少なくとも頂部が圧縮されていない突起を上記配列パターンで形成したことにより、この突起の配列パターンによって大きな耐久応力が発揮される。したがって、集電体の表面に突起を形成する工程、並びに集電体の突起の上に活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。同時に、集電体の突起に活物質を担持する工程、並びにその後に所定の幅および長さにスリッタ加工する等の後工程においても活物質の脱落を抑止することができる。
さらに、集電体における突起の頂部は圧縮されていない状態であるが故に加工を施したことによる加工歪が残留せず、突起の平面の表面精度が良好であるために、均一な薄膜形成が可能である。また、圧縮加工が施されることで表面粗さが小さくなることもなく、初期の表面粗さを維持しているために、薄膜に形成された活物質との密着力を高めることができる。この観点からすれば、突起の平面と活物質との密着力をさらに高めるためには、加工前の集電体の表面をあらかじめ粗くしておくことは非常に有効である。
また、実施例13により示したように、活物質は主として突起における圧縮されていない頂部に柱状に形成するのが好ましい。これにより、非水系二次電池の充放電に伴ったリチウムを吸蔵した際における活物質の膨張およびリチウムを放出した際における活物質の収縮による体積変化を緩和することで充放電による電極板切れや活物質層の脱落などの不具合が発生しない高容量で信頼性の高い非水系二次電池を得ることができる。
〈実施の形態12〉
以下、本発明の実施の形態12について図16および図17を参照して説明する。図16は、本発明の実施の形態12に係る非水系二次電池用集電体の概略構成を示す平面図(a)およびそのZ−Z断面図(b)である。
図16の集電体10Kは、非水系二次電池の一例であるリチウムイオン二次電池(以下、単にリチウム二次電池ともいう)の電極板に使用される集電体である。この集電体10Kは、金属箔1の少なくとも一方の表面に、頂部および横断面が略円形である柱状の多数の突起2Kを所定の配列パターンで形成して構成されている。ここで、突起2Kは少なくとも頂部が圧縮されずに形成されている。また、突起2Kの形状は略円形である必要はなく、例えば略楕円形、略長方形、略菱形、略正方形および略正N角形(ただし、N:Nは6以上の偶数)としてもよい。
図16の配列パターンにおいては、突起2Kは行方向Xに等しいピッチP19で直線状に並んでおり、この行方向Xに並ぶ一群の突起2Kが行単位を構成している。その行単位は、行方向Xと垂直な方向である列方向Yに、互いに平行に所定のピッチP20、P21、P22、P23、P24、・・・で並んでいる。また、上記行単位を構成する一群の突起2Kのそれぞれは、列方向Yにおいて隣り合う他の行単位の突起2Kと行方向Xにおける位置が、ピッチP19の2分の1に相当するピッチだけ相違している。なお、その相違するピッチは、ピッチP19の2分の1に相当するものに限られるものではなく、適宜増減できる。
また、図16(b)に示すように、集電体10Kの一方の面と他方の面とで、行方向Xにおいて突起2Kが設けられる位相は一致している。
ここで、上記行単位が列方向Yに並ぶピッチP20、P21、・・・は、例えば下記不等式1を満たすように設定される。つまり、集電体10Kにおける突起2Kの配列パターンにおいては、図4に示したように渦巻状に巻回されて電極群34を構成する長尺帯状の正極板31および負極板32について、その長手方向に相当する列方向Yのピッチが変えられている。このとき、最大のピッチP20が電極群34の最内に位置し、それから順次ピッチが小さくなり、電極群34の最外でピッチが最小となるように、正極板31、負極板32および電極群34は作製される。
P20>P21>P22>P23>P24>・・・ (1)
図17に、集電体10Kに突起2Kを形成するために用いられるローラ表面を拡大した斜視図を示す。
図17のローラは、金属製のローラ素材の表面にCrO,WC,TiN等のセラミックをコーティングした後、レーザ加工等により、突起2Kと対応する凹部7Bを上記配列パターンと対応する配列パターンで形成したものである。
すなわち、凹部7Bは上記ローラの軸方向にピッチP19と等しいピッチP19’で直線状に並んで行単位を構成するとともに、その行単位が上記ローラの周方向に上記所定のピッチP20、P21、・・・と等しいピッチP20’、P21’、・・・で互いに平行に並んでいる。
また、上記ローラの周方向において隣り合う各行単位の凹部7Bは、それぞれ上記ローラの軸方向の位置がP19’の2分の1に相当するピッチだけ相違している。なお、その相違するピッチは、ピッチP19’の2分の1に相当するものに限られるものではなく、適宜増減することが可能である。
図17のローラを使用して集電体10Kの表面に突起2Kを形成するときの加工法は、実施の形態1の図3におけると同様である。また、ローラの代わりに金型等を用いて突起2Kを形成できることも同様である。また、集電体10Kを使用して電極板を作製する方法も実施の形態1と同様である。また、上記作製された電極板を使用して非水系二次電池を作製する方法も実施の形態1の図4におけるものと同様である。
〈実施の形態13〉
以下、本発明の実施の形態13について図18を参照して説明する。図18は、本発明の実施の形態13に係る非水系二次電池用集電体の概略構成を示す平面図(a)およびそのZ1−Z1断面図である。
図18に示すように、実施の形態13の集電体10Lは、実施の形態12と同様の配列パターンで両面に突起2Lが形成されたものであるが、集電体10Lの一方の面と他方の面とで突起2Lの設けられる位相が一致していない点で実施の形態12とは異なっている。
すなわち、図18の集電体10Lにおいては、略円形である突起2Lが行方向Xに等しいピッチP25で直線状に並んで行単位を構成するとともに、その行単位が列方向Yに順次小さくなる所定のピッチP26、P27、・・・で互いに平行に並んでいる。また、列方向Yにおいて隣り合う各行単位の突起2Lは、それぞれ行方向Xの位置がピッチP25の2分の1に相当するピッチだけ相違している。ここで、突起2Lの形状は略円形である必要はなく、例えば略楕円形、略長方形、略菱形、略正方形および略正N角形(ただし、N:Nは6以上の偶数)としてもよい。また、突起2Lの行方向Xの位置が相違するピッチは、ピッチP25の2分の1に相当するピッチでなくてもよく、適宜増減することが可能である。
そして、集電体10Lにおいては、一方の面と他方の面とに突起2Lの設けられる行方向Xの位相が180°相違している。ここで、位相の相違は180°である必要はなく、適宜増減することが可能である。
なお、集電体10Lの表面に突起2Lを形成するときの加工法は、実施の形態1の図3におけると同様である。また、ローラの代わりに金型等を用いて突起2Lを形成できることも同様である。集電体10Lを使用して電極板を作製する方法も実施の形態1と同様である。また、上記作製された電極板を使用して非水系二次電池を作製する方法も実施の形態1の図4におけるものと同様である。
〈実施の形態14〉
以下、本発明の実施の形態14について図19を参照して説明する。図19は、本発明の実施の形態14に係る非水系二次電池用集電体の概略構成を示す平面図(a)およびそのZ2−Z2断面図である。
図19に示すように、実施の形態14の集電体10Mは、実施の形態12と同様の配列パターンで両面に突起2Mが形成されたものであるが、集電体10Mの一方の面と他方の面とで突起2Mの設けられるピッチが異なる点で実施の形態12とは異なっている。
すなわち、図19の集電体10Mの各面においては、略円形である突起2Mが行方向Xに等しいピッチP61で直線状に並んで行単位を構成するとともに、その行単位が列方向Yに順次小さくなる所定のピッチP62、P63、・・・で互いに平行に並んでいる。また、列方向Yにおいて隣り合う各行単位の突起2Mは、それぞれ行方向Xの位置がピッチP61の2分の1に相当するピッチだけ相違している。ここで、突起2Mの形状は略円形である必要はなく、例えば略楕円形、略長方形、略菱形、略正方形および略正N角形(ただし、N:Nは6以上の偶数)としてもよい。また、突起2Mの行方向Xの位置が相違するピッチは、ピッチP61の2分の1に相当するピッチでなくてもよく、適宜増減することが可能である。
そして、集電体10Mにおいては、一方の面(図の上側の面)における列方向Yの上記行単位のピッチP32、P33、P34、P35、P36と、他方の面(図の下側の面)における列方向Yの上記行単位のピッチP37、P38、P39、P40、P41とが相違している。すなわち、下記不等式2に示すように、他方の面のピッチが一方の面のピッチよりも大きくなっている。ここで、上記一方の面は、図4の電極群34の外周側の面に相当し、上記他方の面は電極群34の内周側の面に相当する。これにより、電極群34の外周側の面と内周側の面との曲率の差による影響を緩和することができる。
P41>P36,P40>P35,P39>P34,P38>P33,P37>P32
(2)
ここで、集電体10Mの表面に突起2Mを形成するときの加工法は、実施の形態1の図3におけると同様である。また、ローラの代わりに金型等を用いて突起2Mを形成できることも同様である。集電体10Mを使用して電極板を作製する方法も実施の形態1と同様である。また、上記作製された電極板を使用して非水系二次電池を作製する方法も実施の形態1の図4におけると同様である。
〈実施の形態15〉
以下、本発明の実施の形態15について図20を参照して説明する。図20は、本発明の実施の形態15に係る非水系二次電池用集電体の概略構成を示す平面図(a)およびそのZ3−Z3断面図である。
図20に示すように、実施の形態15の集電体10Nは、実施の形態14と同様の配列パターンで両面に突起2Nが形成されたものであるが、突起の形状が実施の形態14とは異なっている。
すなわち、図20の集電体10Nの各面においては、略菱形である突起2Nが行方向Xに等しいピッチP42で直線状に並んで行単位を構成するとともに、その行単位が列方向Yに順次小さくなる所定のピッチP43、P44、・・・で互いに平行に並んでいる。また、列方向Yにおいて隣り合う各行単位の突起2Nは、それぞれ行方向Xの位置がピッチP42の2分の1に相当するピッチだけ相違している。ここで、突起2Nの行方向Xの位置が相違するピッチは、ピッチP42の2分の1に相当するピッチでなくてもよく、適宜増減することが可能である。
そして、集電体10Nにおいては、一方の面(図の上側の面)における列方向Yの上記行単位のピッチP48、P49、P50、P51、P52と、他方の面(図の下側の面)における列方向Yの上記行単位のピッチP53、P54、P55、P56、P57とが相違している。すなわち、下記不等式3に示すように、他方の面のピッチが一方の面のピッチよりも大きくなっている。ここで、上記一方の面は、図4の電極群34の外周側の面に相当し、上記他方の面は電極群34の内周側の面に相当する。これにより、電極群34の外周側の面と内周側の面との曲率の差による影響を緩和することができる。
P57>P52,P56>P51,P55>P50,P54>P49,P53>P48
(3)
ここで、集電体10Nの表面に突起2Nを形成するときの加工法は、実施の形態1の図3におけると同様である。また、ローラの代わりに金型等を用いて突起2Nを形成できることも同様である。集電体10Nを使用して電極板を作製する方法も実施の形態1と同様である。また、上記作製された電極板を使用して非水系二次電池を作製する方法も実施の形態1の図4におけると同様である。
正極板の集電体として厚さ15μmのアルミニウム箔を用いた。このアルミニウム箔の表面に、上記実施の形態12の図16に対応する、頂部および横断面の形状が略円形である多数の突起を上記配列パターンで形成するために、上記突起に対応する形状の凹部(深さ4μm)が上記配列パターンで表面に形成された一対のローラ(セラミックローラ)を作製した。そして、上記アルミニウム箔を、上記一対のローラの間を加圧しながら通過させた。このようにして、両面に高さ3μmの突起を有する総厚18μmの正極板用の集電体を作製した。
次いで、正極活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部と、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデンを活物質100重量部に対して2重量部とを、適量のN−メチル−2−ピロリドンとともに双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を作製した。この正極合剤塗料を上記作成された集電体の両面に塗布して乾燥し、プレスした後、その集電体を規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の正極板を作製した。このとき、上記列方向Yが正極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが正極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
上掲のようにして作製された集電体は、略円形の突起が最密充填される配列パターンで形成されるために、集電体および正極板の製造時に集電体ないしは正極板の長手方向(上記列方向Y)に加わる引張応力に対して大きな耐久応力が発揮される。このため、集電体上に正極合剤層を形成して正極板を製造するとき、あるいは正極板を上記スリッタ加工するときに、集電体に局部的な変形や撓みが生じるのを防止すると同時に正極合剤層の脱落を抑止することができた。
負極板の集電体として厚さ10μmの銅箔を用いた。この銅箔の表面に、上記実施の形態13の図18に対応する、頂部および横断面の形状が略円形である多数の突起を上記配列パターンで形成するために、上記突起に対応する形状の凹部(深さ3μm)が上記配列パターンで表面に形成された一対のローラ(セラミックローラ)を作製した。そして、上記銅箔を、上記一対のローラの間を加圧しながら通過させた。このようにして、両面に高さ2μmの突起を有する総厚12μmの負極板用の集電体を作製した。
次いで、負極の活物質として人造黒鉛を100重量部と、結着材としてスチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子分散体(固形分40重量%)を活物質100重量部に対して2.5重量部(結着材の固形分換算で1重量部)と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを活物質100重量部に対して1重量部とを、適量の水とともに双腕式練合機にて攪拌して、負極合剤塗料を作製した。この負極合剤塗料を上記作成された集電体の両面に塗布して乾燥し、プレスした後、その集電体を規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の負極板を作製した。このとき、上記列方向Yが負極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが負極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
上掲のようにして作製された集電体は、略円形の突起が最密充填される配列パターンで形成されるために、集電体および負極板の製造時に集電体ないしは負極板の長手方向(上記列方向Y)に加わる引張応力に対して大きな耐久応力が発揮される。このため、集電体上に負極合剤層を形成して正極板を製造するとき、あるいは負極板を上記スリッタ加工するときに、集電体に局部的な変形や撓みが生じるのを防止すると同時に負極合剤層の脱落を抑止することができた。
負極板の集電体として厚さ15μmの銅箔を用いた。この銅箔の表面に、実施の形態14の図19に対応する、頂部および横断面の形状が略円形である多数の突起を上記配列パターンで形成するために、上記突起に対応する形状の凹部(深さ8μm)が上記配列パターンで表面に形成された一対のローラ(セラミックローラ)を作製した。そして、上記銅箔を、上記一対のローラの間を加圧しながら通過させた。このようにして、両面に高さ6μmの突起を有する総厚21μmの負極板用の集電体を作製した。
次いで、負極活物質としての純度99.9999%の珪素をスパッタリングターゲットとして用い、電子ビーム加熱手段を具備した蒸着装置により上記作製された集電体の両面に純度99.7%の酸素を導入しながら蒸着を行い、突起上に膜厚18μmのSiO0.5を形成した後、規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の負極板を作製した。このとき、上記列方向Yが負極板ないしは集電体の長手方向と一致し、上記行方向Xが負極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
上掲のようにして作製された集電体は、略円形の突起が最密充填される配列パターンで形成されるために、集電体の長手方向(列方向Y)に向かって負極活物質を蒸着する際に、活物質を突起の上に効率良く付着させることができ、しかも集電体の長手方向に加わる引張応力に対して大きな耐久応力を発揮させることができる。このため、集電体上に負極合剤層を蒸着して負極板を製造するとき、あるいは負極板を上記スリッタ加工するときに、集電体に局部的な変形や撓みが生じるのを防止すると同時に負極合剤層の脱落を抑止することができた。
本発明の非水系二次電池を作製するために、図16の実施例14と同様にして、両面に高さ3μmの突起が上記配列パターンで形成された総厚18μmの正極集電体を作製した。
次いで、正極活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部と、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデンを活物質100重量部に対して2重量部とを、適量のN−メチル−2−ピロリドンとともに双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を作製した。この正極合剤塗料を上記作成された集電体の両面に塗布して乾燥し、プレスした後、その集電体を規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の正極板を作製した。このとき、上記列方向Yが正極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが正極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
また、図19の実施例16と同様にして、両面に高さ6μmの突起が上記配列パターンで形成された総厚21μmの負極集電体を作製した。
次いで、負極活物質としての純度99.9999%の珪素をスパッタリングターゲットとして用い、電子ビーム加熱手段を具備した蒸着装置により上記作製された集電体の両面に純度99.7%の酸素を導入しながら蒸着を行い、ここでは突起の頂部に柱状に負極活物質を積層し、これを横方向に連続させて25μm厚のSiO0.5の薄膜を形成した後、規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の負極板を作製した。このとき、上記列方向Yが負極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが負極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
以上のようにして作製した正極板と負極板とを用いて、図4に示す電極群34を作製した(また、図28参照)。より具体的には、正極板と負極板とをセパレータを介して渦巻状に巻回して円筒形の電極群を作製した。このとき、集電体の長手方向(列方向Y)のピッチの広い側(図の上側)が電極群の内周側となり、ピッチの狭い側(図の下側)が電極群の外周側となるように両極板を巻回した。
上掲のようにして作製された電極群においては、電極群の巻きズレおよび電極群を巻回している間の正極活物質および負極活物質の脱落は認められなかった。また電極群を作製した後に、この電極群を解体して正極板および負極板を観察したところ正極合剤層および負極合剤層の脱落等の不具合はなかった。
さらに、図4に示すように、この電極群を有底円筒形の電池ケースの内部に絶縁板とともに収容し、電極群の下部より導出した負極リードを電池ケースの底部に接続した。次いで、電極群の上部より導出した正極リードを封口板に接続し、電池ケースに所定量の非水溶媒からなる電解液(図示せず)を注液した。その後、電池ケース80の開口部に封口ガスケットを周縁に取り付けた封口板を挿入し、電池ケースの開口部を内方向に折り曲げてかしめ封口して、非水系二次電池としてのリチウム二次電池を作製した。
このリチウム二次電池の充放電を500サイクル繰り返した後に、電極群を取り出して解体したところ、リチウム析出、並びに正極合剤層および負極合剤層の脱落等の不具合は認められなかった。
負極板の集電体として厚さ18μmの銅箔を用いた。この銅箔の表面に、図20の実施の形態15に対応する、頂部および横断面の形状が略菱形である多数の突起を上記配列パターンで形成するために、上記突起に対応する形状の凹部(深さ10μm)が上記配列パターンで表面に形成された一対のローラ(セラミックローラ)を作製した。そして、上記銅箔を、上記一対のローラの間を加圧しながら通過させた。このようにして、両面に高さ8μmの突起を有する総厚26μmの負極板用の集電体を作製した。
次いで、負極活物質としての純度99.9999%の珪素をスパッタリングターゲットとして用い、電子ビーム加熱手段を具備した蒸着装置により上記作製された集電体の両面に純度99.7%の酸素を導入しながら蒸着を行い、突起上に膜厚25μmのSiO0.5を形成した後、規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の負極板を作製した。このとき、上記列方向Yが負極板ないしは集電体の長手方向と一致し、上記行方向Xが負極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
上掲のようにして作製された集電体は、略円形の突起が最密充填される配列パターンで形成されるために、集電体の長手方向(列方向Y)に向かって負極活物質を蒸着する際に、活物質を突起の上に効率良く付着させることができ、しかも集電体の長手方向に加わる引張応力に対して大きな耐久応力を発揮させることができる。このため、集電体上に負極合剤層を蒸着して負極板を製造するとき、あるいは負極板を上記スリッタ加工するときに、集電体に局部的な変形や撓みが生じるのを防止すると同時に負極合剤層の脱落を抑止することができた。
本発明の非水系二次電池を作製するために、図16の実施例14と同様にして、両面に高さ3μmの突起が上記配列パターンで形成された総厚18μmの正極集電体を作製した。
次いで、正極活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部と、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデンを活物質100重量部に対して2重量部とを、適量のN−メチル−2−ピロリドンとともに双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を作製した。この正極合剤塗料を上記作成された集電体の両面に塗布して乾燥し、プレスした後、その集電体を規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の正極板を作製した。このとき、上記列方向Yが正極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが正極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
また、図20の実施例18と同様にして、両面に高さ8μmの突起が上記配列パターンで形成された総厚26μmの負極集電体を作製した。
次いで、負極活物質としての純度99.9999%の珪素をスパッタリングターゲットとして用い、電子ビーム加熱手段を具備した蒸着装置により上記作製された集電体の両面に純度99.7%の酸素を導入しながら蒸着を行い、ここでは突起の頂部に柱状に活物質を積層し、これを横方向に連続させて25μm厚のSiO0.5の薄膜を形成した後、規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の負極板を作製した。このとき、上記列方向Yが負極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが負極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
以上のようにして作製した正極板と負極板とを用いて、図4に示す電極群34を作製した(また、図28参照)。より具体的には、正極板と負極板とをセパレータを介して渦巻状に巻回して円筒形の電極群を作製した。このとき、集電体の長手方向(列方向Y)のピッチの広い側(図の上側)が電極群の内周側となり、ピッチの狭い側(図の下側)が電極群の外周側となるように両極板を巻回した。
上掲のようにして作製された電極群においては、電極群の巻きズレおよび電極群を巻回している間の正極合剤層および負極合剤層の脱落は認められなかった。また電極群を作製した後に、この電極群を解体して正極板および負極板を観察したところ正極合剤層および負極合剤層の脱落等の不具合はなかった。
さらに、図4に示すように、この電極群を有底円筒形の電池ケースの内部に絶縁板とともに収容し、電極群の下部より導出した負極リードを電池ケースの底部に接続した。次いで、電極群の上部より導出した正極リードを封口板に接続し、電池ケースに所定量の非水溶媒からなる電解液(図示せず)を注液した。その後、電池ケース80の開口部に封口ガスケットを周縁に取り付けた封口板を挿入し、電池ケースの開口部を内方向に折り曲げてかしめ封口して、非水系二次電池としてのリチウム二次電池を作製した。
このリチウム二次電池の充放電を500サイクル繰り返した後に、電極群を取り出して解体したところ、リチウム析出、並びに正極合剤層および負極合剤層の脱落等の不具合は認められなかった。
以上、実施例14〜16、18により示したように、本発明の非水系二次電池用電極板は集電体の表面に少なくとも頂部が圧縮されていない突起を上記配列パターンで形成したことにより、この突起の配列パターンによって大きな耐久応力が発揮される。したがって、集電体の表面に突起を形成する工程、並びに集電体の突起の上に活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。同時に、集電体の突起の上に活物質を担持する工程、並びにその後に所定の幅および長さにスリッタ加工する等の後工程においても活物質の脱落を抑止することができる。
また、実施例17、19により示したように、電極群を作製する際の内外周の曲率の違い、および内周側の面と外周側の面の曲率の違いに起因した電極板に加わる曲げ応力の違いを緩和することができる。また、非水系二次電池の充放電に伴ったリチウムを吸蔵した際における活物質の膨張およびリチウムを放出した際における活物質の収縮による体積変化を緩和することで充放電による電極板切れや活物質層の脱落などの不具合が発生しない高容量で信頼性の高い非水系二次電池を得ることができる。
〈実施の形態16〉
以下、本発明の実施の形態16について図21および図22を参照して説明する。図21は、本発明の実施の形態16に係る非水系二次電池用集電体の概略構成を示す、3通りの断面図(a)、(b)、(c)および平面図(d)である。
図21の集電体10Pは、非水系二次電池の一例であるリチウムイオン二次電池(以下、単にリチウム二次電池ともいう)の電極板に使用される集電体である。この集電体10Pは、金属箔1の一方の表面に、頂部および横断面が略円形である柱状の多数の少なくとも頂部が圧縮されていない突起2Pを所定の配列パターンで形成し、金属箔1の他方の表面を平滑面とするとともに、2枚の金属箔1の平滑面同士を接合して構成されている。
図21(d)の配列パターンにおいては、突起2Pは行方向Xに等ピッチで直線状に並んでおり、この行方向Xに並ぶ一群の突起2Pが行単位を構成している。行単位は、行方向Xと垂直な方向である列方向Yに互いに平行に等ピッチで並んでいる。また、行単位を構成する一群の突起2Pのそれぞれは、列方向Yにおいて隣り合う他の行単位の突起2Pと行方向Xにおける位置が相違している。
そして、図21(a)、(b)、(c)に示すように、集電体10Pは、突起2Pの位相を様々にずらすように2枚の金属箔1の平滑面同士を接合して構成されている。すなわち、図21(a)では、突起2Pの径の2分の1に相当する長さL1だけ行方向Xまたは列方向Yに突起2Pの位相がずらされている。図21(b)では、突起2Pの径の3分の1に相当する長さL2だけ位相がずらされている。図21(c)では、突起2Pの径の4分の1に相当する長さL3だけ位相がずらされている。
図22に、集電体に突起を形成するために用いられるローラの表面を拡大した斜視図を示す。
図22のローラは、金属製のローラ素材の表面にCrO,WC,TiN等のセラミックをコーティングした後、レーザ加工等により、突起2Pと対応する凹部7Dを上記配列パターンと対応する配列パターンで形成したものである。
すなわち、凹部7Dはローラの軸方向に等ピッチP58で直線状に並んで行単位を構成するとともに、その行単位がローラの周方向に等ピッチP59で互いに平行に並んでいる。
また、ローラの周方向において隣り合う各行単位の凹部7は、それぞれローラの軸方向の位置がピッチP58の2分の1に相当するピッチP60だけ相違している。なお、その相違するピッチは、ピッチP58の2分の1に相当するものに限られるものではなく、適宜増減することが可能である。
そして、図22の配列パターンで表面に凹部7Dを形成したローラと、表面粗さRa(中心線平均粗さ)が25μm以下である平滑なローラとを、所定の間隙をおいて上下に配置し、両ローラにより金属箔1の両面を押圧するようにして、長尺の金属箔1を上記間隙に通す。これにより、金属箔1の一方の面に上記配列パターンで多数の突起2Pを形成するとともに、金属箔1の他方の面を平滑面として、集電体10Pを作製している。
ここで、集電体10Pを作製する方法は、上述の方法に限定されるものではない。例えば、ローラの代わりに金型等を用いて金属箔1を上記配列パターンで凹部7Dが形成された上型と平滑面である下型との間に挟んで圧縮加工するようにして、集電体10Pを作製することも可能である。また、2枚の金属箔1の平滑面同士の接合は、高温ロール圧接、超音波溶接、拡散接合、ろう付け、および導電性接着などで行うことが可能である。このとき、金属箔1の温度を350℃とし、400MPa以上の面圧をかけて接合を行う。
ここで、集電体10Pを使用して電極板を作製する方法は実施の形態1と同様である。また、上記作製された電極板を使用して非水系二次電池を作製する方法も実施の形態1の図4におけると同様である。
〈実施の形態17〉
以下、本発明の実施の形態17について図23を参照して説明する。図23は、本発明の実施の形態17に係る非水系二次電池用集電体の概略構成を示す断面図(a)および平面図(b)である。
図23に示すように、実施の形態17の集電体10Qは、実施の形態16の集電体10Pと同様にして作製されたものであるが、集電体10Qの両面に設けられた突起2Qの位相が一致している点で実施の形態16とは異なっている。
ここで、金属箔1の平滑面同士の接合方法は、実施の形態16と同様である。集電体10Qの表面に突起2Qを形成するときの加工法も、実施の形態16におけると同様である。また、ローラの代わりに金型等を用いて突起2Qを形成できることも同様である。集電体10Qを使用して電極板を作製する方法は実施の形態1と同様である。また、上記作製された電極板を使用して非水系二次電池を作製する方法も実施の形態1の図4におけると同様である。
〈実施の形態18〉
以下、本発明の実施の形態18について図24を参照して説明する。図24は、本発明の実施の形態18に係る非水系二次電池用集電体の概略構成を示す、作製途中の断面図(a)および作製終了時の断面図(b)である。
図24に示すように、実施の形態18の集電体10Rは、突起が形成された一方の面と、平滑面とされた他方の面とを有する金属箔1により構成されている点で実施の形態16と同様であるが、1枚の金属箔1を折り曲げ、その平滑面同士を接合して構成されている点で実施の形態16とは異なっている。
図示例では、集電体10Rの両面の突起2Rの位相は一致しているが、金属箔1の折り曲げ位置を調整することで、実施の形態16の図21(a)、(b)、(c)と同様に、集電体10Rの両面の突起2Rの位相を異ならせることが可能である。
しかしながら、図24に示すように、金属箔1の折り目端部に突起2Rを位置させることにより、折り目端部に亀裂が生じるのを防止して、集電体10Rの強度を向上させることができる。
ここで、金属箔1の平滑面同士の接合方法は、実施の形態16と同様である。集電体10Qの表面に突起2Qを形成するときの加工法も、実施の形態16におけると同様である。また、ローラの代わりに金型等を用いて突起2Qを形成できることも同様である。集電体10Qを使用して電極板を作製する方法は実施の形態1と同様である。また、上記作製された電極板を使用して非水系二次電池を作製する方法も実施の形態1の図4におけると同様である。
正極板集電体として厚さ7.5μmのアルミニウム箔を用いた。このアルミニウム箔の表面に、実施の形態16の図21(d)に示す、頂部および横断面の形状が略円形である多数の突起を上記配列パターンで形成するために、上記突起に対応する形状の凹部(深さ4μm)が上記配列パターンで表面に形成されたローラ(セラミックローラ)を作製した。そして、上記アルミニウム箔を、上記表面に突起が形成されたローラと、表面粗さRa(中心線平均粗さ)が25μm以下である平滑なローラとの間を加圧しながら通過させた。このようにして、金属箔1の一方の面に高さ3μmの突起を形成し、その金属箔1を所定箇所で折り曲げて金属箔1の平滑面同士を接合して、図21(a),(b),(c)に対応する3種類の、両面に高さ3μmの突起を有する総厚18μmの正極板用の集電体を作製した。
次いで、活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部と、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデンを活物質100重量部に対して2重量部とを、適量のN−メチル−2−ピロリドンとともに双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を作製した。この正極合剤塗料を上記作成された集電体の両面に塗布して乾燥し、プレスした後、その集電体を規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の正極板を作製した。このとき、上記列方向Yが正極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが正極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
実施例20により作製された集電体を使用して電極群を作製した結果、一方の面および他方の面の突起が重なって断面積の大きい領域では電極板の巻回によって発生する応力を受け、それ以外の領域では柔軟に曲がり、集電体の浪打ち、シワ、ソリを防止することができた。
上記集電体を使用した正極板を評価するために、図25(a)に示すように、正極板31Aが蛇行するようにローラ20Aを配置して、正極板の製造工程におけるローラの巻き付けを想定した走行テストを行った。ここで、正極板31Aはローラ20Aに8箇所巻きかけ、20m/分の速度で走行させた。そして、図25(b)に示すように、集電体10Pに担持された正極合剤層79から脱落した正極合剤層80の重量で、正極合剤層の集電体からの脱落状態を比較した。
その結果、実施例20により作製された集電体を使用した正極板は、両面の表面粗さが100μm以下である平滑な集電体に正極合剤層を担持させた正極板と比較すると、正極合剤層の脱落量が5%以下であり、集電体と正極合剤層の密着力が優れていることがわかった。
また、十分な耐久応力により集電体の表面に突起11を形成する工程やこの集電体の突起11に活物質を担持する工程やその後に所定の幅にスリッタ加工する等の後工程においても、突起の表面2〜4μmで再結晶を伴う加工硬化が表面に生じるため、集電体の表面の結晶粒径は微細化され局所的な変形や撓みを30%以上軽減することができ、正極合剤層の脱落を低減し、上記従来の正極板より正極合剤層の脱落量は8%以下に抑止することができた。
また、集電体の両面に菱形形状の突起を30μmのピッチで形成した後、突起の頂部に活物質層を蒸着にて形成して極板を製造する方法では、集電体の表面とある角度をつけて部分的に蒸着する場合、突起の影によって蒸着されない表面を故意に作り出し、隣り合う活物質層との接触をさけることができた。充放電を繰り返すなかで活物質が膨張収縮しても、隣り合う活物質同士の接触を防止し、集電体の変形や撓み亀裂を防止することができ、これにより正極合剤層の脱落量を12%以下に抑止することができた。
さらに、上記集電体を用いた電極板とこれを巻回するサイズとの関係を調査した。径が18mm以下である円筒形の二次電池で上記電極板を使用する場合、図21(a)に示す位相のずれが2分の1の集電体を用いた電極板が正極合剤層の脱落量を最も抑止することができた。径が18mm〜32mmの円筒形の二次電池では図21(b)の位相のずれが3分の1の集電体を用いた電極板が正極合剤層の脱落量を最も抑止することができた。径が32mm以上である円筒形の二次電池で上記電極板を使用する場合、図21(c)に示す位相のずれが4分の1の集電体を用いた電極板が正極合剤層の脱落量を最も抑止することができた。
また、図26に示すように、角形電池の電極群34Bは電極板の曲率が大きい2つの端部81、82を有する構造となっており、全てのサイズの角形電池において各端部81、82の正極合剤層の脱落量が最も大きい。そこで、図23に示す両面の突起の位相が一致していることにより、柔軟性に優れた集電体43を使用することで正極合剤層の脱落量を抑制することができ、図21(a)の位相が2分の1ずれた集電体の場合と比較して約26%正極合剤層の脱落量を減らすことができた。
負極板の集電体として厚さ10μmの銅箔を用いた。この銅箔の表面に、実施の形態16の図21(d)に示す、頂部および横断面の形状が略円形である多数の突起を上記配列パターンで形成するために、上記突起に対応する形状の凹部(深さ13μm)が上記配列パターンで表面に形成されたローラ(セラミックローラ)を作製した。そして、上記銅箔を、上記表面に突起が形成されたローラと表面が平滑なローラとの間を加圧しながら通過させた。このようにして、金属箔1の一方の面に高さ9μmの突起を形成し、その金属箔1を所定箇所で折り曲げて金属箔1の平滑面同士を接合して、図23に対応する突起の位相のずれがない高さ9μmの突起を両面に有する総厚29μmの正極板用の集電体を作製した。
次いで、負極活物質としての純度99.9999%の珪素をスパッタリングターゲットとして用い、電子ビーム加熱手段を具備した蒸着装置により上記作製された集電体の両面に純度99.7%の酸素を導入しながら蒸着を行い、突起上に膜厚23μmのSiO0.5を形成した後、規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の負極板を作製した。このとき、上記列方向Yが負極板ないしは集電体の長手方向と一致し、上記行方向Xが負極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
上掲のようにして作製された集電体は、略円形の突起が最密充填される配列パターンで形成されるために、集電体の長手方向(列方向Y)に向かって負極活物質を蒸着する際に、活物質を突起の上に効率良く付着させることができた。
また、圧縮加工した金属箔1のベース面1aおよび突起11の表面2〜4μmで加工硬化が表面側と裏面側の対称位置で生じるため、集電体の長手方向(列方向Y)に加わる引張応力に対して、金属箔1の両面に均等な耐久応力を発揮させることができた。そのため、集電体上に負極合剤層を蒸着し負極板を製造するとき、あるいは負極板を所定の幅にスリッタ加工するときに集電体に局部的な変形や撓みが生じるのを防止すると同時に負極合剤層の脱落を抑止することができた。
また、図26に示すように、電極群34Bがストレート部83を有する角形電池において、充放電を500回繰り返した後、電極群34Bを電池ケースから取り出し、電極板の巻回を開放し電極板を伸ばした。
その結果、負極板のストレート部83では長手方向(列方向Y)に加わる引張応力を受けても、負極板を構成する集電体の伸びは、厚みの薄い圧縮加工したベース面1a同士のエリアに集中する。このため、集電体の伸びによる集電体と負極合剤層との界面のせん断応力を圧縮加工したベース面1aのみに集中させることができた。そのため、集電体の突起と負極合剤層との界面でせん断応力を緩和させる作用があり、負極板の全面積の約半分のせん断応力を緩和でき、集電体と負極合剤層との界面剥離を抑制することができた。
また、集電体の長手方向(列方向Y)に加わる引張応力に対して十分な耐久応力を発揮させることができ、集電体の表面に突起11を形成する工程やこの集電体の突起11に負極活物質を担持する工程やその後に所定の幅にスリッタ加工する等の後工程においても局所的な波打ち、シワ、ソリ等の変形や撓みを防止することができた。
本発明の非水系二次電池を作製するために、負極板の集電体として厚さ8μmの銅箔を用いた。この銅箔の表面に、図21(d)に示す、頂部および横断面の形状が略円形である多数の突起を上記配列パターンで形成するために、上記突起に対応する形状の凹部(深さ13μm)が上記配列パターンで表面に形成されたローラ(セラミックローラ)を作製した。そして、上記銅箔を、上記表面に突起が形成されたローラと、表面粗さRa(中心線平均粗さ)が25μm以下である平滑なローラとの間を加圧しながら通過させた。このようにして、金属箔1の一方の面に高さ4μmの突起を形成するとともに、他方の面は表面粗さRaを6.3μmとした。その金属箔1を所定箇所で折り曲げて金属箔1の平滑面同士を接合して、図21(a)に対応する突起の位相のずれが2分の1である高さ4μmの突起を両面に有する総厚18μmの負極板用の集電体を作製した。
次いで、負極活物質としての純度99.9999%の珪素をスパッタリングターゲットとして用い、電子ビーム加熱手段を具備した蒸着装置により上記作製された集電体の両面に純度99.7%の酸素を導入しながら蒸着を行い、突起上に膜厚23μmのSiO0.5を形成した後、規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の負極板を作製した。このとき、上記列方向Yが負極板ないしは集電体の長手方向と一致し、上記行方向Xが負極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。
また、正極板集電体として、実施例1と同様にして、両面に高さ3μmの突起が上記配列パターンで形成された総厚18μmの正極集電体を作製した。
次いで、正極活物質としてコバルトの一部をニッケルおよびマンガンで置換したコバルト酸リチウムを100重量部と、導電材としてアセチレンブラックを活物質100重量部に対して2重量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデンを活物質100重量部に対して2重量部とを、適量のN−メチル−2−ピロリドンとともに双腕式練合機にて攪拌し混練することで、正極合剤塗料を作製した。この正極合剤塗料を上記作成された集電体の両面に塗布して乾燥し、プレスした後、その集電体を規定の幅および長さにスリッタ加工して長尺帯状の正極板を作製した。このとき、上記列方向Yが正極板の長手方向と一致し、上記行方向Xが正極板の幅方向と一致するようにスリッタ加工した。このようにして、片面の厚みが57μmである正極合剤層を上記正極集電体の両面に形成して、総厚が126μmである正極板を作製した。
以上のようにして作製した正極板と負極板とを用いて、図4に示すようなリチウムイオン二次電池を作製した。より具体的には、正極板と負極板とをセパレータを介して渦巻状に巻回した電極群を作製した。この電極群を有底円筒形の電池ケースの内部に絶縁板と共に収容し、電極群の下部より導出した負極リードを電池ケースの底部に接続した。次いで、電極群の上部より導出した正極リードを封口板に接続し、電池ケースに所定量の非水溶媒からなる電解液(図示せず)を注液した。その後、電池ケースの開口部に封口ガスケットを周縁に取り付けた封口板を挿入し、電池ケースの開口部を内方向に折り曲げて、かしめ封口することによりリチウムイオン二次電池を作製した。
上記リチウムイオン二次電池において、渦巻状に巻回した電極群を作製後に、この電極群を解体して観察したところ正極板、負極板ともに電極板切れや活物質層の脱落などの不具合は認められなかった。さらに、このリチウムイオン二次電池の充放電を300サイクル繰り返したが、サイクル劣化は生じなかった。また、充放電を300サイクル繰り返した後にリチウムイオン二次電池および電極群を解体したところ、リチウム析出や活物質層の脱落などの不具合は認められなかった。これは、少なくとも頂部が圧縮されていない突起の上面に活物質の柱状に形成して薄膜を形成することで、リチウムを吸蔵した際における活物質の薄膜の膨張およびリチウムを放出した際における活物質の薄膜の収縮による体積変化を緩和することができたために、良好な電池特性を維持できたものと考えられる。
以上、実施例22〜23により示したように、本発明の非水系二次電池用電極板は集電体の表面に少なくとも頂部が圧縮されていない突起を上記配列パターンで形成したことにより、この突起の配列パターンによって大きな耐久応力が発揮される。したがって、集電体の表面に突起を形成する工程、並びに集電体の突起に活物質を担持させる工程での集電体の局所的な変形や撓みを防止することができる。同時に、集電体の突起に活物質を担持する工程、並びにその後に所定の幅および長さにスリッタ加工する等の後工程においても活物質の脱落を抑止することができる。
さらに、集電体における突起の頂部は圧縮されていない状態であるが故に加工を施したことによる加工歪が残留せず、突起の平面の表面精度が良好であるために、均一な薄膜形成が可能である。また、圧縮加工が施されることで表面粗さが小さくなることもなく、初期の表面粗さを維持しているために、薄膜に形成された活物質との密着力を高めることができる。この観点からすれば、突起の平面と活物質との密着力をさらに高めるためには、加工前の集電体の表面をあらかじめ粗くしておくことは非常に有効である。なお、実施例1〜6における突起の配列パターンは、列方向に隣接する行単位の突起のそれぞれの位置が、行単位のピッチの2分の1だけずれたものとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、突起の位置をずらす間隔は任意に設定することが可能である。
また実施例23により示したように、活物質は主として突起における圧縮されていない頂部に柱状に形成するのが好ましい。これにより、非水系二次電池の充放電に伴ったリチウムを吸蔵した際における活物質の膨張およびリチウムを放出した際における活物質の収縮による体積変化を緩和することで充放電による電極板の切れや活物質層の脱落などの不具合が発生しない高容量で信頼性の高い非水系二次電池を得ることができる。
本発明に係る非水系二次電池用集電体、並びには並びにそれを使用した非水系二次電池用電極板および非水系二次電池は、電子機器および通信機器の多機能化に伴って高容量化が望まれている携帯用電源等として有用である。
本発明の実施の形態1に係る集電体の概略構成を示す平面図である。 図1の集電体を作製するために用いられるローラの斜視図(a)およびその表面を拡大した斜視図(b)である。 図2のローラにより集電体を加工する加工方法の一例を示す斜視図である。 図1の集電体を使用して作製された非水系二次電池の構造を示す一部切断図である。 本発明の実施の形態2に係る集電体の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態3に係る集電体の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態4に係る集電体の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態5に係る集電体の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態6に係る集電体の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態7に係る集電体の概略構成を示す平面図である。 図10の集電体を作製するために用いられるローラの表面を拡大した斜視図である。 本発明の実施の形態8に係る集電体の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態9に係る集電体の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態10に係る集電体の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態11に係る集電体の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態12に係る集電体の概略構成を示す平面図である。 図16の集電体を作製するために用いられるローラの表面を拡大した斜視図である。 本発明の実施の形態13に係る集電体の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態14に係る集電体の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態15に係る集電体の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態16に係る集電体の概略構成を示す平面図である。 図21の集電体を作製するために用いられるローラの表面を拡大した斜視図である。 本発明の実施の形態17に係る集電体の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態18に係る集電体の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施例20に係る集電体を使用した正極板を評価するための装置の概略図(a)およびその評価結果の斜視図(b)である。 本発明の非水系二次電池の一例である角形電池の電極群の概略構成を示す正面図である。 特許文献3による従来の集電体の製造装置の模式図である。 特許文献4による従来の集電体の概略構成を示す斜視図である。 特許文献5による従来の集電体の概略構成を示す断面図である。 従来の集電体の問題点を説明するために参照する電極群の横断面図である。 従来の集電体の別の問題点を説明するために参照する集電体の断面図である。
符号の説明
1 金属箔
2 突起
4 行単位
7 凹部
10 集電体
20 ローラ
30 非水系二次電池
31 正極板
32 負極板
33 セパレータ
34 電極群

Claims (20)

  1. 少なくとも正極活物質または負極活物質を担持させる金属箔からなる非水系二次電池用集電体であって、
    少なくとも一方の面に突起が所定の配列パターンで形成されており、
    前記突起は、少なくとも頂部は圧縮されずに形成され、
    前記配列パターンは、前記突起が等しいピッチで直線状に並ぶ行方向と、前記行方向に並ぶ一群の突起からなる行単位が互いに平行に所定間隔で配置される列方向とにより構成され、
    前記行単位を構成する一群の突起のそれぞれは、前記列方向において隣り合う他の行単位の突起と行方向の位置が相違している非水系二次電池用集電体。
  2. 少なくとも正極活物質または負極活物質を担持させる金属箔からなる非水系二次電池用集電体であって、
    少なくとも一方の面に突起が所定の配列パターンで形成されており、
    前記突起は、少なくとも頂部は圧縮されずに形成され、
    前記配列パターンは、前記突起が等しいピッチで千鳥状に並ぶ行方向と、前記行方向に並ぶ一群の突起からなる行単位が互いに平行に所定間隔で配置される列方向とにより構成され、
    前記突起のそれぞれは、当該突起と隣り合う他の突起の全てとの間隔が等しくなっている非水系二次電池用集電体。
  3. 前記集電体は長尺帯状であり、前記集電体の長手方向は前記列方向と一致するとともに前記集電体の幅方向は前記行方向と一致し、
    前記集電体の長手方向の一端側から他端側に向かって、前記行単位の配置される間隔が順次短くなっている請求項1記載の非水系二次電池用集電体。
  4. 前記突起が前記金属箔の両面に形成されており、
    前記金属箔の一方の面の前記突起は、前記金属箔の他方の面の前記突起と、設けられる位相が一致している請求項3記載の非水系二次電池用集電体。
  5. 前記突起が前記金属箔の両面に形成されており、
    前記金属箔の一方の面の前記突起は、前記金属箔の他方の面の前記突起と、設けられる位相が行方向で相違している請求項3記載の非水系二次電池用集電体。
  6. 前記突起が前記金属箔の両面に形成されており、
    前記金属箔の一方の面で前記列方向に前記行単位が配置される間隔は、前記金属箔の他方の面で前記行単位が配置される間隔よりも大きくなっている請求項3〜5のいずれかに記載の非水系二次電池用集電体。
  7. 前記金属箔は、一方の面に前記突起が前記配列パターンで形成され且つ他方の面は平滑面とされ、
    2枚以上の前記金属箔の前記平滑面同士を接合して構成されている請求項1〜6のいずれかに記載の非水系二次電池用集電体。
  8. 前記金属箔は、一方の面に前記突起が前記配列パターンで形成され且つ他方の面は平滑面とされ、
    前記金属箔を所定箇所で折り曲げるとともに、その折り曲げられた金属箔の前記平滑面同士を接合して構成されている請求項1〜6のいずれかに記載の非水系二次電池用集電体。
  9. 前記突起は、少なくとも頂部が略円形である請求項1〜8のいずれかに記載の非水系二次電池用集電体。
  10. 前記集電体は長尺帯状であり、前記集電体の長手方向は前記列方向と一致するとともに前記集電体の幅方向は前記行方向と一致し、
    前記突起は、少なくとも頂部が略楕円形であり、その楕円形の長軸が前記集電体の幅方向と一致している請求項1〜8のいずれかに記載の非水系二次電池用集電体。
  11. 前記集電体は長尺帯状であり、前記集電体の長手方向は前記列方向と一致するとともに前記集電体の幅方向は前記行方向と一致し、
    前記突起は、少なくとも頂部が略長方形であり、その長方形の長手方向が前記集電体の幅方向と致している請求項1〜8のいずれかに記載の非水系二次電池用集電体。
  12. 前記集電体は長尺帯状であり、前記集電体の長手方向は前記列方向と一致するとともに前記集電体の幅方向は前記行方向と一致し、
    前記突起は、少なくとも頂部が略菱形であり、その菱形の長い方の対角線が前記集電体の幅方向と一致している請求項1〜8のいずれかに記載の非水系二次電池用集電体。
  13. 前記集電体は長尺帯状であり、前記集電体の長手方向は前記列方向と一致するとともに前記集電体の幅方向は前記行方向と一致し、
    前記突起は、少なくとも頂部が略正方形であり、その正方形の1つの対角線が前記集電体の幅方向と一致している請求項1〜8のいずれかに記載の非水系二次電池用集電体。
  14. 前記集電体は長尺帯状であり、前記集電体の長手方向は前記列方向と一致するとともに前記集電体の幅方向は前記行方向と一致し、
    前記突起は、少なくとも頂部が略正方形であり、その正方形の1組の対辺が前記集電体の幅方向と垂直である請求項1〜8のいずれかに記載の非水系二次電池用集電体。
  15. 前記集電体は長尺帯状であり、前記集電体の長手方向は前記列方向と一致するとともに前記集電体の幅方向は前記行方向と一致し、
    前記突起は、少なくとも頂部が略正六角形であり、その正六角形の最長の対角線の1つが前記集電体の幅方向と一致している請求項1〜8のいずれかに記載の非水系二次電池用集電体。
  16. 前記集電体は長尺帯状であり、前記集電体の長手方向は前記列方向と一致するとともに前記集電体の幅方向は前記行方向と一致し、
    前記突起は、少なくとも頂部が略正六角形であり、その正六角形の1組の対辺が前記集電体の幅方向と垂直である請求項1〜8のいずれかに記載の非水系二次電池用集電体。
  17. 前記集電体は長尺帯状であり、前記集電体の長手方向は前記列方向と一致するとともに前記集電体の幅方向は前記行方向と一致し、
    前記突起は、少なくとも頂部が8以上のいずれかの偶数の角を有する略正多角形であり、その正多角形の最長の対角線の1つが前記集電体の幅方向と一致している請求項1〜8のいずれかに記載の非水系二次電池用集電体。
  18. 前記集電体は長尺帯状であり、前記集電体の長手方向は前記列方向と一致するとともに前記集電体の幅方向は前記行方向と一致し、
    前記突起は、少なくとも頂部が8以上のいずれかの偶数の角を有する略正多角形であり、その正多角形の1組の対辺が前記集電体の幅方向と垂直である請求項1〜8のいずれかに記載の非水系二次電池用集電体。
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載の非水系二次電池用集電体の上に、少なくとも正極活物質または負極活物質を担持させてなる非水系二次電池用電極板。
  20. 請求項19記載の非水系二次電池用電極板による正極板と負極板とを、間にセパレータを介在させて巻回または積層して電極群を構成し、その電極群を非水系電解液とともに電池ケースに封入して構成した非水系二次電池。
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