JP2008270153A - 非水電解質二次電池用集電体の製造方法、非水電解質二次電池用電極の製造方法および非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用集電体の製造方法、非水電解質二次電池用電極の製造方法および非水電解質二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2008270153A
JP2008270153A JP2007296872A JP2007296872A JP2008270153A JP 2008270153 A JP2008270153 A JP 2008270153A JP 2007296872 A JP2007296872 A JP 2007296872A JP 2007296872 A JP2007296872 A JP 2007296872A JP 2008270153 A JP2008270153 A JP 2008270153A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current collector
roller
secondary battery
metal foil
active material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007296872A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Nonoshita
孝 野々下
Takahiro Nishimura
卓寛 西村
Hitoshi Katayama
仁 片山
Masanori Sumihara
正則 住原
Seiichi Kato
誠一 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to PCT/JP2007/072221 priority Critical patent/WO2008059937A1/ja
Priority to US12/447,230 priority patent/US20100003599A1/en
Priority to CN2007800419422A priority patent/CN101536223B/zh
Priority to JP2007296872A priority patent/JP2008270153A/ja
Priority to KR1020097010044A priority patent/KR101139639B1/ko
Publication of JP2008270153A publication Critical patent/JP2008270153A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/64Carriers or collectors
    • H01M4/66Selection of materials
    • H01M4/661Metal or alloys, e.g. alloy coatings
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/64Carriers or collectors
    • H01M4/66Selection of materials
    • H01M4/665Composites
    • H01M4/667Composites in the form of layers, e.g. coatings
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/64Carriers or collectors
    • H01M4/70Carriers or collectors characterised by shape or form
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • H01M10/052Li-accumulators
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/49Method of mechanical manufacture
    • Y10T29/49002Electrical device making
    • Y10T29/49108Electric battery cell making

Abstract

【課題】非水電解質二次電池用集電体の機械的強度ひいては耐用性を向上させ、集電体表面に活物質層を効率良くかつ高い密着力で担持させる。
【解決手段】 周面に凹部4aが形成されたローラ4と、周面が平坦なローラ5とを圧接させて圧接ニップ部6を形成し、この圧接ニップ部6に集電体用金属箔10を通過させて圧縮加工を行い、圧縮加工が施された基材部2と圧縮加工を受けないで形成された凸部3とからなる集電体1を作製する。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池用集電体の製造方法、非水電解質二次電池用電極の製造方法および非水電解質二次電池に関する。より詳しくは、本発明は、主に、非水電解質二次電池用集電体の改良に関する。
リチウム二次電池は、高電位および高容量を有し、小型化および軽量化が比較的容易なことから、最近では主に携帯用電子機器の電源としてその利用が顕著に増加している。代表的なリチウム二次電池は、負極活物質としてリチウムの吸蔵および放出が可能な炭素質材料等を用い、かつ正極活物質としてLiCoO2等の遷移金属とリチウムの複合酸化物を用いることにより、高電位および高容量を実現している。しかしながら、携帯用電子機器の多機能化ひいては消費電力の増大が進むと共に、電源として使用されるリチウム二次電池にも、充放電サイクルに伴う特性劣化の改善が望まれている。
リチウム二次電池の発電要素である電極は、集電体と、活物質層とを含む。活物質層は、一般に、集電体の片面または両面に合剤スラリーを塗布し、乾燥させた後、プレス成形を行うことにより形成される。合剤スラリーは、正極活物質または負極活物質、結着材および必要に応じて導電材を分散媒に混合分散することにより調製される。
ここで、充放電サイクルに伴う特性劣化の要因の一つとして、集電体表面に形成された活物質層と集電体との結着力の低下が挙げられる。リチウム二次電池では、充放電サイクルに伴って電極が膨張および収縮することより、集電体と活物質層との界面での両者の結着力が弱まり、活物質層の集電体からの脱落が起こり、特性が劣化する。
集電体と活物質層との結着力を高めるためには、集電体と活物質層との界面において、両者の接触面積を増大させることが有効である。このために、集電体表面を粗面化する方法、集電体表面に凹凸を形成する方法などが提案されている。
集電体表面の粗面化方法としては、例えば、集電体の表面を電解によりエッチングする方法、集電体表面に電着により集電体に含まれるのと同じ金属を析出させる方法などが挙げられる。
集電体表面に凹凸を形成する方法としては、例えば、集電体である圧延銅箔の表面に微粒子を高速で衝突させ、表面に微小な凹凸を形成する方法(例えば、特許文献1参照)が提案されている。特許文献1では、局所的にはランダムな凹凸を有する集電体を形成できるものの、ノズルから噴射させる微粒子に速度分布が生じるため、集電体の幅方向、長手方向に均一に凹凸を形成することは難しい。
また、金属箔にレーザ光を照射して表面粗さが10点平均粗さで0.5〜10μmの凹凸を形成する方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。特許文献2では、レーザ光を照射して金属箔を局部的に加熱し、金属を蒸発させることで凹部を形成している。そして、レーザ光の照射を連続的に行なうことで、金属箔の全面に凹凸を形成することは可能である。しかしながら、レーザ光を線状に走査するため、金属箔が局所的に金属箔の融点以上の高温に加熱されることにより、金属箔の波打ち、しわ、反りなどが発生するのを防止することは困難である。さらに、リチウム二次電池の集電体のような厚み20μm以下の金属箔にレーザ加工する際は、レーザの出力バラツキにより金属箔に穴が開く不具合を引き起こす場合がある。
また、表面に凹凸が形成されたローラと、表面に硬質ゴム層が設けられたローラとを、それぞれの軸線が平行になるように接触させ、この接触部分に集電体を通過させて、集電体に凹凸を形成する方法が挙げられる(例えば、特許文献3参照)。特許文献3では、活物質層の厚みを薄くすることなく、リチウム二次電池の出力密度を向上させるために、集電体に凹凸を形成している。特許文献3では、表面に硬質ゴム層が設けられたローラを使用するため、ローラとローラとの接触部分に集電体を通過させても、塑性変形が起こり難い。
また、集電体と活物質層との結着力および電気伝導性を向上させるために、特定の凹凸を有する集電体が提案されている(例えば、特許文献4参照)。図20(a)〜(e)は、特許文献4の集電体の構成を模式的に示す斜視図である。特許文献4の集電体は、金属箔の一方の表面における局所部分が窪んでいるとき、他方の表面における前記局所部分に対応する部分が、他方の表面から外方に突出するような凹凸が規則的に形成されたものである。このような集電体は十分な機械的強度を有していない。さらに、このような集電体に活物質層を形成すると、活物質層の厚みが不均一になり易く、結果として電池性能に悪影響を及ぼす。
さらに、特許文献1〜4では、金属箔の一方の表面に凹部を形成すると、他方の表面における前記凹部に対応する部分は必ず凸部になることが避けられず、凹凸を形成する際に、金属箔に波打ち、しわ、反り等が発生するのを防止することは困難である。
また、エンボス加工によって凹凸が形成された開孔度20%以下のパンチメタルからなる集電体と、集電体の凹部に充填された活物質層とを含み、集電体の凸部が露出するかまたは凸部に活物質が付着した電極が提案されている(例えば、特許文献5参照)。図21は、特許文献5の電極101〜103の構成を模式的に示す縦断面図である。図21(a)に示す電極101は、凹凸が形成された集電体110と、集電体110の凹部110bに充填された活物質層111とを含み、集電体110の凸部30a表面にも活物質層111が付着している。図21(b)および(c)に示す電極102、103では、集電体120、130の凸部120a、130aはそれぞれ露出している。特許文献5では、開孔度20%以下のパンチメタルにエンボス加工を施して凹凸を形成するので、得られる集電体が十分な機械的強度を有していない。このため、電極が切れるといった不都合を引き起こす場合がある。
また、集電体および活物質層を含み、(活物質層の表面粗さRa)−(集電体の表面粗さRa)の値が0.1μm以上である電極が提案されている(例えば、特許文献6参照)。通常、集電体表面に真空蒸着法などによって活物質の薄膜を形成すると、集電体表面とほぼ同じ表面粗さを有する薄膜が得られる。一方、特許文献6では、通常の方法で形成された薄膜に、サンドブラスト、表面研磨などの処理を施すことによって、薄膜の表面粗さが前記特定の値になるように調整している。これによって、活物質の膨張応力を緩和しようとしている。特許文献6の技術は、活物質の割れを防止する点ではある程度有効であるものの、集電体表面の全面に活物質の薄膜が形成されているので、薄膜の集電体からの剥離、電極の変形などが起こり易くなる。その結果、充放電サイクル特性が劣化する。
特開2002−79466号公報 特開2003−258182号公報 特開平8−195202号公報 特開2002−270186号公報 特開2005−32642号公報 特開2002−279972号公報
本発明の目的は、少なくとも一方の表面に、活物質層を効率良く担持できる複数の凸部が圧縮加工を受けることなく形成されかつ機械的強度が高い非水電解質二次電池用集電体の製造方法、前記非水電解質二次電池用集電体と活物質層とを含む非水電解質二次電池用電極の製造方法、および前記非水電解質二次電池用電極の製造方法により製造される電極を含む非水電解質二次電池を提供することである。
本発明は、表面が互いに圧接してシート状物が通過可能な圧接ニップ部を形成するように設けられかつ少なくとも一方の表面に複数の凹部が形成された一対の加工手段を用い、集電体用金属箔を加工手段の圧接ニップ部に通過させて圧縮加工を行い、集電体用金属箔の少なくとも一方の表面に複数の凸部を形成する非水電解質二次電池用集電体の製造方法に係る。
凸部の先端表面の表面粗さは、圧縮加工前の集電体用金属箔の表面粗さとほぼ同じであることが好ましい。
凹部の加工手段表面に垂直な方向の断面は、該断面の加工手段表面に平行な方向の幅が加工手段表面から凹部底面に向けて徐々に小さくなるテーパ形状を有していることが好ましい。
凸部の体積は、凹部の内部空間の体積以下になるように圧縮加工することが好ましい。
凸部の体積は、凹部の内部空間の体積の85%以下になるように圧縮加工することが好ましい。
表面に複数の凹部が形成された加工手段において、凹部と加工手段の表面との境界が曲面であることが好ましい。
凹部と加工手段の表面との境界の曲面が、凹部をレーザ加工にて形成し、レーザ加工により生じる、凹部と加工手段の表面との境界の隆起を除去することにより形成されることが好ましい。
平均粒径30μm以上、53μm未満のダイヤモンド粒子で研磨することにより、隆起を除去することが好ましい。
凹部と加工手段の表面との境界に幅1μm以下、深さ1μm以下の溝が複数形成されていることが好ましい。
平均粒径5μm以下のダイヤモンド粒子で研磨することにより、溝を形成することが好ましい。
一対の加工手段が一対のローラであり、少なくとも一方のローラの表面に凹部が形成されていることが好ましい。
凹部が形成されているローラの表面および凹部の内部空間を臨む表面に、超硬合金、合金工具鋼または酸化クロムを含有する表面被覆層が形成されていることが好ましい。
表面被覆層の表面に、非晶質炭素材料を含有する保護層が形成されていることが好ましい。
表面被覆層および保護層が、スパッタリングを利用する物理的気相成長法、イオン注入を利用する物理的気相成長法、熱蒸着を利用する化学的気相成長法およびプラズマ蒸着を利用する化学的気相成長法よりなる群から選ばれる少なくとも1つの気相成長法により形成されることが好ましい。
少なくとも一方のローラが、表面にセラミック層を設けたローラであり、セラミック層の表面に凹部が形成されていることが好ましい。
ローラまたは集電体用金属箔の表面に潤滑剤を塗布し、乾燥させていることが好ましい。
潤滑剤が脂肪酸を含有することが好ましい。
また本発明は、集電体用金属箔からなる基材部と、基材部の少なくとも一方の表面から基材部の外方に延びるように形成される複数の凸部とを含み、基材部表面と凸部との境界が曲面である非水電解質二次電池用集電体に係る。
また本発明は、前記のいずれか1つの非水電解質二次電池用集電体の製造方法により製造される非水電解質二次電池用集電体または前記の非水電解質二次電池用集電体の表面に、正極活物質または負極活物質を担持させる非水電解質二次電池用電極の製造方法に係る。
非水電解質二次電池用集電体の凸部表面に、正極活物質または負極活物質を担持させることが好ましい。
また本発明は、正極、負極、セパレータおよび非水電解質を含有する非水電解質二次電池であって、
正極および負極の少なくとも一方が、前記の非水電解質二次電池用電極の製造方法により製造された電極である非水電解質二次電池に係る。
本発明の非水系二次電池用集電体の製造方法によれば、凸部は圧縮加工を受けることなく形成されるため、機械的強度が向上し、耐久性に富む集電体が得られる。
また、凸部が圧縮加工を受けることなく塑性変形により形成されている。また、凸部の先端表面は圧縮加工およびそれに伴う塑性変形の影響をほとんど受けることなく形成されているため、圧縮加工前の集電体用金属箔とほぼ同じ表面粗さを有している。このような凸部を有する集電体は、機械的強度ひいては耐久性が一層向上するとともに、活物質層を担持させる場合に、活物質層との密着力が非常に強い。
また、基材部と、基材部の少なくとも一方の表面から基材部の外方に延びるように形成される複数の凸部とを含む集電体において、基材部表面と凸部との境界部分を曲面にすることによって、集電体の機械的強度および耐久性が一層向上する。さらに、圧縮加工の際により低い圧力で凸部を形成できるとともに、圧縮加工後における集電体の加工手段からの離型性を向上させ得る。
本発明の非水系二次電池用集電体の製造方法によれば、集電体用金属箔の表面に凸部を形成する工程、集電体の凸部に電極活物質を担持する工程などにおいて、集電体用金属箔および集電体に局所的な変形、撓み、反り、切れなどが発生するのを防止できる。それとともに、集電体の凸部に電極活物質を担持させて電極を作製する工程、電極を所定の幅にスリット加工する工程などにおいても、集電体からの電極活物質の脱落を抑制できる。したがって、最終的には、信頼性の高い非水電解質二次電池が得られる。
[非水電解質二次電池用集電体の製造方法]
本発明の非水電解質二次電池用集電体の製造方法(以下単に「集電体の製造方法」とする)は、集電体用金属箔を一対の加工手段の圧接ニップ部に通過させて圧縮加工を行うことを特徴とする。より具体的には、前記構成を採り、集電体用金属箔表面に部分的な塑性変形を発生させることにより、先端表面が圧縮加工および塑性変形の影響をほとんど受けない凸部を形成することを特徴としている。
ここで、一対の加工手段とは、表面が互いに圧接してシート状物が通過可能な圧接ニップ部を形成するように設けられ、かつ少なくとも一方の表面に複数の凹部が形成された一対の加工手段である。一対の加工手段としては、一対のローラが好ましい。一対のローラは、少なくとも一方の表面に複数の凹部が形成されている。本発明の圧縮加工は、たとえば、一対のローラの圧接ニップ部に集電体用金属箔を通過させ、集電体用金属箔を機械的にプレス加工し、集電体用金属箔を部分的に塑性変形させることにより行われる。一対のローラを用いて圧縮加工を行い、表面に凸部を有する集電体を作製すると、凸部の集電体からの剥落をほぼ確実に防止できる。また、表面に凸部を有する集電体を低コストで生産性良く製造できる。
本発明の集電体の製造方法によれば、厚み方向の一方の表面に、複数の凸部が形成された非水電解質二次電池用集電体(以下単に「集電体」とする)が得られる。
図1は、本発明の実施形態の1つである集電体用金属箔10の圧縮加工を模式的に示す縦断面図である。図2は、圧縮加工に伴う集電体用金属箔10の塑性変形を模式的に説明する縦断面図である。図3集電体製造装置35の構成を模式的に示す側面図である。図4は図3に示す集電体製造装置35の要部(加工手段37)の構成を拡大して示す斜視図である。図5は圧縮加工に用いられるローラ4の構成を示す図面である。図5(a)はローラ4の外観を示す斜視図である。図5(b)は図5(a)に示すローラ4の表面領域4xを拡大して示す斜視図である。
本発明の集電体の製造方法は、たとえば、図3に示す集電体製造装置35を用いて行われる。集電体製造装置35は、金属箔供給手段36、加工手段37および集電体巻取り手段38を含む。
金属箔供給手段36は、具体的には、金属箔供給ローラである。金属箔供給ローラは、図示しない支持手段により軸線回りに回転可能に軸支されている。金属箔供給ローラの周面には、集電体用金属箔10が捲回されている。この集電体用金属箔10は、加工手段37の圧接ニップ部6に供給される。
集電体用金属箔10は、リチウムと電気化学反応を起こさない金属材料からなる金属箔である。集電体用金属箔10から負極用の集電体1を作製する場合には、集電体用金属箔10としては、たとえば、銅、ニッケル、鉄、これらの少なくとも1つを含有する合金などからなる金属箔などを使用できる。これらの中でも、銅または銅合金からなる金属箔が好ましい。銅合金としては、たとえば、亜鉛含有銅、スズ含有銅、銀含有銅、ジルコニウム含有銅、クロム銅、テルル銅、チタン銅、ベリリウム銅、鉄含有銅、リン含有銅、アルミニウム銅などの析出硬化型合金、これらの2種以上の複合合金などが挙げられる。銅および銅合金の金属箔としては、たとえば、電解銅箔、電解銅合金箔、圧延銅箔、銅合金箔、圧延銅合金箔、これらに粗面化処理を施した箔などが挙げられる。負極集電体用金属箔の厚みは特に制限されないが、好ましくは5〜100μm程度である。
集電体用金属箔10から正極用の集電体1を作製する場合には、集電体用金属箔10としては、たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、チタンなどからなる金属箔などを使用できる。正極集電体用金属箔の厚みは特に制限されないが、好ましくは5〜100μm程度である。もちろん、これらの金属箔にも粗面化処理を施してもよい。
加工手段37は、図3および図4に示すように、ローラ4、5を含んでいる。ローラ4、5は、互いの軸線が平行になるように圧接され、圧接ニップ部6を形成している。圧接ニップ部6は、集電体用金属箔10などのシート状物が通過可能である。また、ローラ4、5は、それぞれ、図示しない支持手段により回転可能に軸支され、図示しない駆動手段により軸線回りに回転駆動可能に設けられている。ローラ4、5は両方を駆動ローラとしてもよく、または一方を駆動ローラとし、他方を駆動ローラの回転に伴って回転する従動ローラとしてもよい。ローラ4、5の回転駆動により、集電体用金属箔10が圧接ニップ部6の入口から出口へと導かれ、集電体用金属箔10に圧縮加工が施され、図1(c)に示す集電体1が得られる。
集電体1は、基材部2および複数の凸部3を含む。基材部2は、集電体用金属箔10が厚み方向に圧縮された板状部分である。凸部3は、基材部2の一方の表面2aから、基材部2の外方に延びるように形成されている突出部分である。凸部3は、圧縮加工を受けずに形成される。
ローラ4は、周面に複数の凹部4aが形成されたローラである。ローラ4は、たとえば、各種の金属および合金よりなる群から選ばれる1種または2種以上の金属材料、好ましくはステンレス鋼、鉄焼入れ鋼などからなる凹部形成用ローラに、凹部4aを形成することにより作製できる。
凹部形成用ローラの周面には、超硬合金または合金工具鋼を含有する被覆層を設けてもよい。このような被覆層の形成により、最終的に得られるローラ4の表面硬度が一層高くなるので、集電体用金属箔10を圧縮加工する際に、形成される凸部3の形状がばらつくのを抑制できる。
また、凹部形成用ローラの周面に、超硬合金または酸化クロムを含有する被覆層を設けてもよい。このような被覆層は加圧下での摩擦力、応力などの抵抗を緩和する効果を有している。したがって、このような被覆層を設けた凹部形成用ローラから作製されるローラ4を用いると、圧縮加工時にローラ4と集電体用金属箔10との間に発生する抵抗が緩和される。その結果、圧縮加工後に、集電体1のローラ4からの離型性が向上し、工程管理が容易になり、不良品率が低下し、工業的に有利である。なお、このような被覆層は、凹部形成用ローラと強固に接合しているので、繰返し使用しても、被覆層が剥離することは非常に少なく、この点でも工業的に有利である。
また、超硬合金または酸化クロムを含有する被覆層の表面に、非晶質炭素材料を含有する保護層を設けてもよい。これにより、最終的に得られるローラ4の表面硬度がさらに向上し、圧縮加工時にローラ4と集電体用金属箔10との間に発生する抵抗の緩和、および、圧縮加工後における集電体1のローラ4からの離型性の向上が一層顕著になる。
上記した各種被覆層および保護層は、たとえば、スパッタリングを利用する物理的気相成長法、イオン注入を利用する物理的気相成長法、熱蒸着を利用する化学的気相成長法、プラズマ蒸着を利用する化学的気相成長法などの気相成長法により形成するのが好ましい。これにより、圧縮加工後における集電体1のローラ4からの離型性の向上を図り得る。
さらに凹部形成用ローラの周面には、炭化タングステン(WC)、窒化チタン(TiN)などのセラミックからなる被覆層を設けてもよい。これにより、最終的に得られるローラ4の表面硬度を高め、圧縮加工を受けることなく塑性変形により形成される凸部3の形状がばらつくのを抑制できる。
本発明では、上記した各種被覆層または保護層に凹部4aを形成してもよい。
凹部4aは、たとえば、エッチング、サンドブラスト、放電加工、レーザ加工などにより形成できる。これらの中でも、レーザ加工が好ましい。レーザ加工によれば、数μmオーダーの寸法を有する微細な凹部4aおよび凹部4aの配列パターンを、ほぼ精確に形成できる。レーザ加工に用いるレーザとしては、たとえば、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、エキシマレーザなどが挙げられる。これらの中でも、YAGレーザが好ましい。なお、レーザ加工を行うと、ローラ4周面における凹部4aの開口部分の縁が隆起する。ローラ4の隆起を除去することなくそのまま用いても、集電体1が得られる。また、ローラ4の隆起を研磨加工などにより除去した後に、用いても良い。
また、ローラ4周面における凹部4aの配列パターンは、本実施の形態では次のようになる。図5(b)に示すように、ローラ4の長手方向に複数の凹部4aがピッチPaで連なった列を1つの行単位7とする。複数の行単位7は、ローラ4の円周方向にピッチPbで配列されている。ピッチPaおよびピッチPbは、任意に設定できる。なお、ローラ4の円周方向において、1つの行単位7と、それに隣り合う行単位7とは、凹部4aがローラ4の長手方向にずれるように配列されている。本実施の形態では、凹部4aの長手方向のずれは0.5Paであるが、これに限定されず、任意の設定が可能である。また、本実施の形態では、ローラ4周面における凹部4aの開口部分の形状は、ほぼ円形であるが、これに限定されず、たとえば、ほぼ楕円形、ほぼ長方形、ほぼ菱形、ほぼ正方形、ほぼ正六角形、ほぼ正八角形などでもよい。
また、凹部4aのローラ4周面に垂直な方向の断面は、該断面のローラ4周面に平行な方向の幅がローラ4周面から凹部4aの底部に向けて徐々に小さくなるテーパ形状を有していることが好ましい。これにより、圧縮加工終了後における、集電体1のローラ4からの離型性が向上する。
ローラ4の周面および凹部4aの内部空間を臨む表面には、超硬合金を含有する被覆層、合金工具鋼を含有する被覆層、酸化クロムを含有する被覆層、非晶質炭素材料を含有する保護層などの1または2以上を形成してもよい。これにより、凹部形成用ローラにこれらの被覆層および保護層を形成するのと同様の効果が得られる。また、これらの被覆層および保護層を、上記したのと同様の物理的気相成長法、化学的気相成長法などで形成することにより、上記と同様の効果が得られる。これらの気相成長法によれば、凹部4aの内部空間を臨む表面にも、被覆層および保護層を均一に形成できる。また、超硬合金などの材料には結着材としてコバルトが含まれており、集電体用金属箔10が銅を含有する場合は、コバルトと銅との親和性が高いため、銅のローラ4周面や凹部4aの内部表面への凝着を防止するのに有効である。
また、ローラ4の周面および凹部4aの内部空間を臨む表面には、炭化タングステン(WC)、窒化チタン(TiN)などのセラミックスからなる被覆層を形成してもよい。これにより、ローラ4の表面硬度が向上し、圧縮加工に伴う塑性変形による凸部3の形状のばらつきが非常に少なくなる。
また、ローラ5としては、周面が平滑または平坦なローラ、好ましくは周面が平滑または平坦な金属製ローラを使用できる。
また、ローラ4、5の圧接圧は特に制限されないが、好ましくは、集電体用金属箔10の1cm当たり8kN〜15kN程度である。
さらに、加工手段37による集電体用金属箔10の圧縮加工に際し、ローラ4および集電体用金属箔10の少なくとも一方に、潤滑剤を塗布してもよい。潤滑剤は、ローラ4周面または集電体用金属箔10の表面に塗布され、乾燥される。これにより、圧縮加工時にローラ4と集電体用金属箔10との間に発生する抵抗力を低減化でき、集電体1のローラ4からの離型性がより一層向上する。さらに、潤滑剤は脂肪酸を含有することが好ましい。脂肪酸の中でも、飽和脂肪酸が好ましく、ミリスチン酸が特に好ましい。脂肪酸は溶液の形態で用いるのが好ましい。脂肪酸を溶解させる溶媒としては、脂肪酸を溶解できかつ乾燥により容易に揮発するものが好ましく、たとえば、メタノール、エタノールなどの低沸点溶媒などを使用できる。脂肪酸を塗布および乾燥することにより、圧縮加工時に発生する抵抗力、特に摩擦力が一層低減化され、集電体用金属箔10の長手方向の伸びが抑制され、元の集電体用金属箔10の結晶構造をほぼ保持する凸部3が安定的に形成される。その結果、凸部3の基材部2からの剥落が顕著に抑制される。
加工手段37による集電体用金属箔10の部分的な塑性変形を、図1および図2に基づいて説明する。図1(a)は、集電体用金属箔10が加工手段37の圧接ニップ部6に供給された直後の状態を示す縦断面図である。図1(b)は、圧接ニップ部6において、集電体用金属箔10の一方の表面において塑性変形が進行している状態を示す縦断面図である。図1(c)は、圧接ニップ部6を通過した後の、集電体1の縦断面図である。
また、図2は、図1(b)に示す塑性変形の進行を3段階に分けて示している。
図1(a)に示す工程では、集電体用金属箔10は、圧接ニップ部6の入口では膜厚t0を有している。この集電体用金属箔10は、ローラ4、5の表面と接触して加圧される。
図1(b)に示す工程では、集電体用金属箔10は、厚み方向に加圧される。集電体用金属箔10の表面は、ローラ4の凹部4aに対向する非接触面4bと、非接触面4bの周囲に存在し、かつローラ4の周面の平坦部分に接触する接触面4cとに分かれる。接触面4cは厚み方向に圧縮加工され、基材部2が形成される。基材部2の厚みはt1になる。t1はt0よりも小さい。一方、非接触面4bは加圧を受けないので、接触面4cが圧縮されるのに伴って塑性変形が起こる。その結果、非接触面4bは凹部4aの空間内で凹部4aの底部に向けて盛り上がり、凸部3が形成される。すなわち、凸部3は加圧による圧縮加工を受けず、圧縮加工に伴う塑性変形により形成される。また、非接触面4bが凸部3の先端表面になる。凸部3の先端表面は、圧縮加工が全く施されないので、元の集電体用金属箔10表面とほぼ同じ表面粗さを有している。
図1(b)に示す工程における塑性変形の進行を、図2に基づいてさらに詳しく説明する。
図2(a)に示す工程では、集電体用金属箔10が圧接ニップ部6に供給される。このとき、集電体用金属箔10は厚みt0を有している。集電体用金属箔10のローラ4の凹部4aへの対向部分4bでは、矢符11a、11bの方向、すなわち集電体用金属箔10の内部から凹部4aに向けて応力が付加される。これにより、対向部分4aにおいて、塑性変形が起こり始める。
図2(b)に示す工程では、非接触面4bの塑性変形が進行し、非接触面4bが凹部4aの底部に向けて隆起し、凸部3xが形成される。凸部3xの体積は、凹部4a内部の空間体積の約50%を占めている。凸部3xの先端表面は、圧縮加工が施されていないので、元の集電体用金属箔10とほぼ同じ表面状態を有している。凸部3xには、凸部3xをさらに凹部4aの底部に向けて押し上げる応力12a、12bが付加されている。これにより、凹部4aの内壁面に沿って、塑性変形がさらに進行する。
図2(c)に示す工程では、対向部分4bの塑性変形が、凹部4a内部の空間体積の限界値まで進行し、凸部3が形成され、集電体1が得られている。
なお、凹部4aの内部には空気が存在している。したがって、対向部分4bの塑性変形が進むと、空気が逃げ場を失って圧縮されることで、凸部3に対して矢符13a、13b、14の方向への応力が付加されることになる。このような応力が大きくなると、基材部2が変形して集電体1にしわ、反りなどが発生するおそれがある。また、凸部3の形状、大きさなどが不均一になるおそれがある。
このため、圧縮加工は、凸部3の体積が好ましくは凹部4a内部の空間体積以下、さらに好ましくは凹部4a内部の空間体積の85%以下になるように行うのがよい。これにより、しわ、反り、切れなどの不具合の発生を抑制しながら、集電体1を効率良く作製できる。さらに、凸部3の体積が凹部4a内部の空間体積の85%以下になるように圧縮加工を行うことにより、凸部3の先端表面が、元の集電体用金属箔10表面とほぼ同じ表面粗さを有するように、凸部3を形成できるという付随的な効果が得られる。これにより、凸部3表面に活物質層を担持させて電極を作製する工程、電極を所定幅にスリット加工する工程などにおいて、活物質の集電体1からの剥落を抑制できる。
ここで、図1に基づく説明に戻る。図1(c)に示す工程では、凸部3は圧縮加工を受けることなく形成されている。したがって、凸部3の延びる方向において、凸部3の先端表面は、加工歪などが発生せず、集電体用金属箔10の表面状態(表面粗さ)および面精度をそのまま維持している。凸部3の側面も、集電体用金属箔10に近い表面状態を有している。一方、隣り合う凸部3の間に存在する凹部2aは、圧縮加工を受けているので、集電体用金属箔10とは異なった表面状態を有している。また、集電体1の最大厚みt2は、集電体1の厚み方向において、凸部3が形成されていない方の表面から、凸部3の先端表面までの長さである。集電体1の最大厚みt2は、集電体用金属箔10の厚みt0よりも大きくなっている。なお、厚みt0と最大厚みt2との関係は、たとえば、圧接ニップ部6における加圧力を適宜選択することにより調整可能である。
ローラ加工法で得られる集電体1においては、基材部2と凸部3との間に界面が存在せず、ほぼ同じ結晶状態を有しかつ基材部2から凸部3にかけて連続する領域が少なくとも1つ存在している。この集電体1の厚み方向の断面を電子顕微鏡で観察すると、該断面の少なくとも一部分に、ほぼ同じ結晶状態を有する領域が存在し、該領域は基材部2および凸部3の両方にまたがってかつ途中で途切れずに繋がっている。電子顕微鏡で観察する限り、この領域には接合部を示すような結晶状態が認められない。このような構成を採ることによって、凸部3の基材部2からの剥落、さらには活物質層の凸部3からの剥離を顕著に防止できる。
ここで、図3に基づく説明に戻る。集電体巻取り手段38は、具体的には、集電体巻取りローラである。集電体巻取りローラは、図示しない支持手段により軸線回りに回転可能に軸支されている。また、集電体巻取りローラは、図示しない駆動手段により回転駆動される。集電体巻取りローラは、回転しながら、加工手段37により形成された集電体1をその周面に巻き取る。
集電体製造装置35によれば、集電体用金属箔10を圧縮加工し、部分的に塑性変形を発生させ、基材2と、複数の凸部3とを含む集電体1が製造される。
また、上記のような構成を有する集電体製造装置35を用いて圧縮加工することにより、集電体用金属箔10表面に対して、線状でかつ非常に少ない面積に加圧できるので、加圧能力が比較的小さくても十分な圧縮加工を施すことが可能になる。したがって、集電体製造装置35の小型化が可能になる。また、集電体製造装置35を用いることにより、帯状の集電体用金属箔10の表面に、凸部3を連続的に形成することが可能になり、工業的に有利である。
図6は、本発明の実施形態の1つである別形態の集電体の製造方法を模式的に示す縦断面図である。図6(a)は、集電体用金属箔10が圧接ニップ部6に供給された直後の状態を示す縦断面図である。図6(b)は、圧接ニップ部6において集電体用金属箔10表面の塑性変形が進行している状態を示す縦断面図である。図6(c)は、圧接ニップ部6通過後の集電体1の縦断面図である。図6に示す集電体15の製造方法は、図1に示す集電体1の製造方法に類似し、対応する部分については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
図6に示す集電体15の製造方法は、一対の加工手段として、両方の加工手段の表面に凹部が形成されたものを用いることを特徴とし、それ以外は、図1に示す集電体1の製造方法と同様に実施できる。
集電体15の製造方法は、たとえば、図3に示す集電体製造装置35において、ローラ5に代えてローラ4を装着した集電体製造装置を用いて行われる。図6に基づいて、集電体15の製造方法を説明する。
図6(a)に示す工程では、集電体用金属箔10は、圧接ニップ部6の入口では膜厚t0を有している。この集電体用金属箔10は、2つのローラ4の周面と接触して加圧される。集電体用金属箔10の厚み方向の両面が、ローラ4の凹部4aに対向しかつローラ4の周面に接触しない非接触面4bと、ローラ4周面に接触する接触面4cとに分かれる。接触面4cは、非接触面4bの周囲に存在している。なお、2つのローラ4は、周面に成形された複数の凹部4aが対向するよう、配置され、圧接されている。
図6(b)に示す工程では、接触面4cは圧縮され、基材部16が形成される。基材部16の厚みはt3である。t3はt0よりも小さい。これに対し、非接触面4bは加圧を受けないので、接触面4cが圧縮されるのに伴って塑性変形が起こる。その結果、非接触面4bは凹部4aの空間内で凹部4aの底部に向けて盛り上がり、凸部17x、17yが形成される。すなわち、凸部17x、17yは加圧による圧縮加工を受けず、それに伴う塑性変形によって形成される。非接触面4bは、圧縮加工および塑性変形の影響をほとんど受けることなく凸部17x、17yの先端表面になり、集電体用金属箔10とほぼ同じ表面粗さを有している。
図6(c)に示す工程では、集電体15が得られている。凸部17x、17yは圧縮加工を受けることなく形成されている。したがって、凸部17x、17yの延びる方向において、凸部17x、17yの先端表面は、加工歪などがなく、集電体用金属箔10の表面粗さおよび面精度をほぼ維持している。凸部17x、17yの側面は、圧縮加工が施されていないが、塑性変形の影響を受けているので、集電体用金属箔10に近い表面粗さを有している。一方、隣り合う凸部17x、17yの間に存在する基材部16の表面は、圧縮加工を受けているので、集電体用金属箔10とは異なった表面状態を有している。また、集電体1の最大厚みt4は、集電体1の厚み方向の両面に形成された凸部17x、17yの先端部平面間の長さである。集電体1の最大厚みt4は、元の集電体用金属箔10の厚みt0よりも大きくなっている。なお、厚みt0と最大厚みt4との関係は、たとえば、圧接ニップ部6における加圧力を適宜選択することにより調整可能である。
[非水電解質二次電池用集電体]
図7は、本発明の別の実施形態である非水電解質二次電池用集電体20の構成を模式的に示す縦断面図である。図8は、図7に示す非水電解質二次電池用集電体20の製造方法を模式的に示す縦断面図である。図8(a)は、集電体用金属箔10が圧接ニップ部8に供給された直後の状態を示す縦断面図である。図8(b)は、圧接ニップ部8において集電体用金属箔10表面の塑性変形が進行している状態を示す縦断面図である。図8(c)は、圧接ニップ部8通過後の集電体20の縦断面図である。図9は、図8に示す製造方法において用いられるローラ28の構成を模式的に示す図面である。図9(a)はローラ28の外観を示す斜視図である。図9(b)はローラ28の表面領域28aを拡大して示す斜視図である。図9(c)はローラ28周面に形成された凹部29の構成を拡大して示す斜視図である。
集電体20は、基材部21および複数個の凸部22を含む。
集電体20は、集電体1と同様に、集電体用金属箔10を一対の加工手段により圧縮加工し、部分的な塑性変形を発生させることにより製造できる。圧縮加工は、集電体用金属箔10の片面に施される。圧縮加工の詳細については、後記する。
集電体20を負極集電体として用いる場合、集電体20は、集電体1を負極集電体として用いる場合における集電体用金属箔10と同様の材料で構成される。また、集電体20を正極集電体として用いる場合、集電体20は、集電体1を正極集電体として用いる場合における集電体用金属箔10と同様の材料で構成される。
基材部21はシート状に形成され、厚み方向の断面形状はほぼ長方形である。基材部21の厚みはt5である。厚みはt5特に制限されないが、好ましくは5μm〜100μm、さらに好ましくは8〜35μmである。基材部21の厚みが5μm未満では、集電体20の機械的強度が不十分になる場合があり、電極製造時における集電体20の取り扱い性の低下、電池充電時における電極の破断などが起こり易くなる。一方、基材部21の厚みが100μmを超えると、集電体20の機械的強度は確保されるが、電極全体に占める集電体20の体積が大きくなり、電池の高容量化を十分に達成できない場合がある。
基材部21の表面21aは、後記するように、圧縮加工を受けているので、元の集電体用金属箔10とは異なる表面粗さを有している。
複数個の凸部22は、基材部21における厚み方向の一方の表面に形成されている。また、凸部22は、基材部21の表面から基材部21の外方に向けて延びるように形成されている。凸部22は、たとえば、その表面の少なくとも一部に活物質層を担持する機能を有している。
凸部22は圧縮加工を受けることなく、基材部21の圧縮加工に伴う塑性変形により形成されている。また、凸部22の先端表面は圧縮加工および塑性変形の影響をほとんど受けていない。したがって、凸部22の先端表面は、元の集電体用金属箔10表面とほぼ同等の表面粗さを有している。凸部22の先端表面とは、凸部22が延びる方向または突出する方向において、凸部22の基材部21から最も離れた部分にある平面である。
また、隣り合う2つの凸部22は、間隙を有して離隔するように形成されている。したがって、図7に示す集電体20の厚み方向の断面において、隣り合う2つの凸部22の間には、基材部21の表面21aが凹部として存在することになる。
また、凸部22は、集電体20の厚み方向の断面(以下単に「凸部22の断面」とする)がテーパ状形状を有している。より詳しくは、凸部22の断面は、基材部21表面から凸部22の延びる方向に向かって、基材部21表面に平行な方向の幅(以下単に「凸部22の断面幅」とする)が徐々にまたは連続的に小さくなるテーパ状形状を有している。本実施の形態では、凸部22の断面はほぼ台形状である。凸部22がテーパ状形状を有していることにより、圧縮加工終了後において、集電体20のローラ28からの離型性が向上し、凸部22の変形が防止され、凸部22の形状のばらつきを最小限にできる。
また、本実施の形態では、凸部22の形状は円錐台であるが、凸部22の断面がテーパ状形状を有していれば、凸部22の形状は特に制限されない。また、本実施の形態では、凸部22の延びる方向において、凸部22の先端表面は、基材部21表面にほぼ平行な平面になっているが、それに限定されない。たとえば、基材部21表面に平行でない平面、凹凸を有する面半球状、ドーム状などでもよい。これらの形状であれば、凸部22と活物質層との接合強度を高めるのに有効である。
図7において、凸部22の先端表面を示す直線上の一点から、基材部21の凸部22が形成されていない表面を示す直線まで降ろした垂線の長さがt6である。t6が、元の集電体用金属箔10の厚みt0よりも大きくなるように、凸部22が形成されている。なお、t6は、集電体20の最大厚みとも定義できる。
また、基材部21の表面21aにおける、基材部21と凸部22との境界22aは、曲面で構成されている。ここで、境界22aは、境界22aの近傍部分をも包含している。境界22aを曲面にすることによって、凸部22に力が作用しても、応力分散することが可能になり、集電体20の機械的強度が増加する。その結果、凸部22を形成する工程、凸部22に活物質を担持させて電極を作製する工程などにおいて、集電体20に局所的な撓み、変形などが発生するのを防止できる。また、電極作製後に電極を所定幅にスリット加工する工程などにおいて、活物質層の集電体20からの剥離、部分的な脱落などを抑止できる。
図8は、上記したように、集電体20の製造方法を説明するための縦断面図である。
図8(a)に示す工程では、たとえば、図5に示す集電体製造装置35において、ローラ4に代えて図9に示すローラ28を用いる以外は同様の構成を要する集電体製造装置を用いて、集電体用金属箔10の圧縮加工が行われる。
ローラ28は、図9(a)および図9(b)に示すように、その周面に、複数の凹部29が形成されている。凹部29は、図9(c)に示すように、凹部29のローラ28周面における開口縁29aが曲面で構成され、該曲面には複数の溝29xが形成されている。溝29xは、ローラ28の周面から凹部29の底部に向かう方向に線状に形成されている。溝29xの幅は特に制限されないが、好ましくは1μm以下である。また、溝29xの深さは特に制限されないが、好ましくは1μm以下である。なお、溝29xの深さとは、開口縁29aの表面からローラ28の軸線に向かう方向の長さである。
開口縁29aが曲面で構成される凹部29が形成されたローラ28を用いることにより、集電体用金属箔10の圧縮加工時に、集電体用金属箔10とローラ28との表面に発生する抵抗力、摩擦力などの応力を低減化し、圧縮加工終了後における集電体20のローラ28からの離型性を向上させる。また、集電体用金属箔10を部分的に塑性変形させる応力が、緩やかにかつ確実に付加されるので、凸部22を確実に形成することが可能になり、加工性が向上する。その結果、集電体20に局所的な撓み、変形などが発生するのを防止するとともに、凸部22の形状、高さなどのばらつきが顕著に少なくなり、凸部22を変形させることなく、形状や高さなどの寸法が揃った凸部22を形成できる。
また、開口縁29aに複数の溝29xを形成することにより、圧縮加工時に、凹部29の内部空間に残留する雰囲気、ローラ29の周面および/または集電体用金属箔10の表面に塗布された潤滑剤などが溝29xを介して、凹部29の内部空間から外部に排出される。これにより、凹部29の内部空間において、凸部22の塑性変形を阻害しようとする内部抵抗が低減化される。その結果、凸部22の塑性変形が円滑に進行し、凸部22の形状、寸法などのばらつきが少なくなり、得られる集電体20の機械的強度の局所的なばらつきが少なくなる。この効果は、溝29xの幅を1μm以下、深さを1μm以下にした場合に、特に顕著である。溝29xの幅または深さが大きすぎると、残留雰囲気、潤滑剤などの抜けは良くなるが、凸部22の塑性変形が十分に進行しないおそれがある。
また、ローラ28周面における凹部29の配列パターンは、本実施の形態では次のようになる。図9(b)に示すように、ローラ28の長手方向に複数の凹部29がピッチPcで連なった列を1つの行単位33とする。複数の行単位33は、ローラ28の円周方向にピッチPdで配列されている。ピッチPcおよびピッチPdは、任意に設定できる。なお、ローラ28の円周方向において、1つの行単位33と、それに隣り合う行単位33とは、凹部29がローラ28の長手方向にずれるように配列されている。本実施の形態では、凹部29の長手方向のずれは0.5Pcであるが、これに限定されず、任意の設定が可能である。また、本実施の形態では、ローラ28周面における凹部29の開口部分の形状は、ほぼ円形であるが、これに限定されず、たとえば、ほぼ楕円形、ほぼ長方形、ほぼ菱形、ほぼ正方形、ほぼ正六角形、ほぼ正八角形などでもよい。
ローラ28は、たとえば、ローラ4を製造するのに用いられる凹部形成用ローラを、エッチング、サンドブラスト、放電加工、レーザ加工などで加工することにより作製できる。レーザ加工には、ローラ4を形成する場合と同様の方法が利用される。
凹部形成用ローラ周面にレーザ加工により凹部を形成すると、凹部形成用ローラ周面における開口縁29aに図示しない隆起が発生する。この隆起を除去することにより、開口縁29aが曲面で構成された凹部29が形成され、ローラ28が得られる。隆起の除去は、好ましくはダイヤモンド粒子を用いる研磨により行われる。ダイヤモンド粒子としては、凹部29の最小サイズよりも大きいものを用いるのが好ましい。さらに好ましくは、ダイヤモンド粒子の平均粒径が30μm以上、35μm未満である。ここで、凹部29のサイズとは、ローラ28周面における凹部29の開口径を意味する。このような平均粒径のダイヤモンド粒子を用いることにより、開口縁29aが曲率半径の大きな曲面で構成され、凸部22の基材部21からの剥離などを一層顕著に防止できる。また、ダイヤモンド粒子の凹部29内部への埋没が防止される。
なお、ダイヤモンド粒子を用いる研磨は、砥粒または研磨粒としてダイヤモンド粒子を用いる以外は、一般的な研磨方法と同様に実施できる。通常は、研磨面にダイヤモンド粒子を載置し、水などの媒体を供給しながら、研磨パッドを有する研磨機により実施される。
開口縁29a表面における溝29xの形成は、好ましくは、平均粒径5μm以下のダイヤモンド粒子で研磨することにより行われる。これにより、幅1μm以下、深さ1μm以下の溝29xを容易に形成できる。溝29xの形成は、隆起の研磨除去後に行ってもよく、または隆起の研磨除去と同時に行ってもよい。なお、ここで用いられるダイヤモンド粒子は、粒径が非常に小さいため、凹部29内部には埋没し難く、溝29x形成後に洗浄を行うことによって容易に除去できる。
このようにして得られるローラ28の周面および凹部29の内部空間を臨む表面には、ローラ4と同様に、超硬合金を含有する被覆層、合金工具鋼を含有する被覆層、酸化クロムを含有する被覆層、非晶質炭素材料を含有する保護層、セラミックスからなる被覆層などの1または2以上を形成してもよい。これにより、ローラ4においてこれらの被覆層および保護層を形成するのと同様の効果が得られる。
ローラ28は、その周面がローラ5の周面に圧接しかつその軸線がローラ5の軸線と平行になるように配置され、圧接ニップ部34を形成する。
図8(a)に示す工程では、集電体用金属箔10が圧接ニップ部34に供給され、集電体用金属箔10の厚み方向における加圧力30a、30bが付加される。
図8(b)に示す工程では、集電体用金属箔10のローラ28周面に対向する表面のうち、ローラ28周面に接する接触面は加圧力30a、30bにより圧縮加工を施され、ローラ28周面に接することなくかつ凹部29を臨む非接触面は圧縮加工を受けない。非接触面の周囲に接触面が存在する。すなわち、接触面は圧縮加工を施されることにより、接触面における厚みが集電体用金属箔10の厚みよりも小さくなり、基材部21の原型になる隆起部21xが形成される。一方、非接触面は、接触面への加圧に伴って、非接触面の周囲から、凹部29の内部空間を臨む表面に沿って凹部29の底部に向かう応力31a、31bが付加される。これにより、非接触面の塑性変形が起こり始め、凹部29の底部に向けて隆起し、凸部22xが形成される。それとともに、隆起部21xと凸部22xとの境界が、凹部29の開口縁29aに沿って、曲面形状に成形される。この時点では、凸部22xの体積は、凹部29の内部空間の体積の50%未満であるため、さらに加圧が続けられる。
図8(c)に示す工程では、集電体20が得られている。集電体20において、基材部21と凸部22との境界部分22aは、曲面で構成されている。ローラ28とローラ5とによる加圧は、好ましくは、基材部21の厚みt5が集電体用金属箔10の厚みt0よりも小さく、かつ集電体20の最大厚みt6が集電体用金属箔10の厚みt0よりも大きくなるまで行われる。前記加圧は、さらに好ましくは、凸部22の体積が、凹部29の内部空間の体積の50%以上、好ましくは50〜85%になるまで行われる。50%未満では、凸部29の高さが不十分になり、活物質の担持を円滑に実施できないおそれがある。さらに、活物質担持後に、活物質が集電体20から剥落する可能性が大きくなるおそれがある。一方、85%を超えると、凹部29の内部に残留する空気、潤滑剤の蒸気などが圧縮されて内部圧力が高まり、凸部22の円滑な塑性変形を阻害し、凸部22に形状のばらつきが生じるおそれがある。
集電体20において、基材部21の凸部22が形成されない面21aは、圧縮加工が施されているので、集電体用金属箔10とは異なる表面粗さを有している。凸部22の先端表面は圧縮加工が施されず、塑性変形の影響も非常少ないので、集電体用金属箔10とほぼ同じ表面粗さを有している。また、凸部22の側面は圧縮加工が施されていないが、塑性変形の影響を受けているので、集電体用金属箔10に近い表面粗さを有している。したがって、凸部22の表面、好ましくは先端表面に活物質層を担持させることにより、充放電サイクルにおける活物質層の集電体20からの剥落などが一層防止される。
図10は、別形態の非水電解質二次電池用集電体23の構成を模式的に示す縦断面図である。図11は、図10に示す集電体23の製造方法を模式的に示す縦断面図である。図11(a)は、集電体用金属箔10が圧接ニップ部34aに供給された直後の状態を示す縦断面図である。図11(b)は、圧接ニップ部34aにおいて集電体用金属箔10表面の塑性変形が進行している状態を示す縦断面図である。図11(c)は、圧接ニップ部34aにおいて集電体23が形成された直後の状態を示す縦断面図である。
集電体23は、基材部24の厚み方向における両方の表面に、複数の凸部25x、25yが形成されている以外は、集電体20と同じ構成を有している。すなわち、基材部24は基材部21と同様の構成である。凸部25x、25yは、凸部22と同様の構成である。凸部25xは、基材部24の厚み方向における一方の表面から基材部24の外方に向けて延びるようにまたは突出するように形成されている。凸部25yは、基材部24の厚み方向における他方の表面から基材部24の外方に向けて延びるようにまたは突出するように形成されている。凸部25xの延びる方向と、凸部25yの延びる方向は逆方向である。
また、集電体23において、基材部24と凸部25x、25yとの境界部分25aは曲面で構成されている。これにより、集電体20における境界部分22aが曲面で構成されているのと同様の効果が得られる。
また、集電体23の厚み方向の断面において、凸部25x、25yの先端表面を示す線は、基材部24の表面24aを示す線とほぼ平行になっている。凸部25x、25yの先端表面は、ほぼ平坦な面であり、圧縮加工を受けていないので、原料になる集電体用金属箔10とほぼ同じ表面粗さを有している。凸部25x、25yの側面は圧縮加工が施されてないが、塑性変形の影響を受けているので、集電体用金属箔10に近い表面粗さを有している。したがって、凸部22の表面、好ましくは先端表面に活物質層を担持させることにより、充放電サイクルにおける活物質層の集電体20からの剥落などが一層防止される。
また、集電体23において、基材部24の厚みt7は、原料になる集電体用金属箔10の厚みt0よりも小さくなるように形成されている。また、凸部25xの先端表面から凸部27yの先端表面までの厚みt8は、集電体用金属箔10の厚みt0よりも大きくなるように形成されている。厚みt8は、集電体23の最大厚みとも定義できる。このように構成することにより、集電体23の機械的強度が高くなり、耐用性が増す。
集電体23は、たとえば、図5に示す集電体製造装置35において、ローラ4、5に代えて2つのローラ28を用いる以外は同様の構成を要する集電体製造装置を用いて、作製できる。
図11は、上記したように、集電体23の製造方法を説明するための縦断面図である。
図11(a)に示す工程では、2つのローラ28を、互いの周面が圧接しかつ互いの軸線が平行になるように配置することにより形成される圧接ニップ部34aに、集電体用金属箔10を供給する。集電体用金属箔10は、その厚み方向の加圧力30a、30bを付加される。
図11(b)に示す工程では、集電体用金属箔10のローラ28周面に対向する表面のうち、ローラ28周面に接する接触面は加圧力30a、30bにより圧縮加工を施される。一方、ローラ28周面に接することなくかつ凹部29を臨む非接触面には、圧縮加工は施されないが、接触面の圧縮加工に伴って塑性変形が起こる。非接触面の周囲に接触面が存在する。すなわち、接触面は圧縮加工を施されることにより、接触面における厚みが集電体用金属箔10の厚みよりも小さくなり、基材部24の原型になる隆起部24xが形成される。一方、非接触面は、接触面への加圧に伴って、非接触面の周囲から、凹部29の内部空間を臨む表面に沿って凹部29の底部に向かう応力31a、31b、31x、31yが付加される。これにより、非接触面内部の塑性変形が進行し、凹部29の底部に向けて隆起し、凸部32x、32yが形成される。それとともに、隆起部24xと凸部32x、32yとの境界が、凹部29の開口縁29aに沿って、曲面形状に成形される。この時点では、凸部32x、32yの体積は、凹部29の内部空間の体積の50%未満であるため、さらに加圧が続けられる。
図11(c)に示す工程では、集電体23が得られている。集電体20において、基材部24と凸部25x、25yとの境界部分25aは、曲面で構成されている。2つのローラ28による加圧は、好ましくは、基材部24の厚みt7が集電体用金属箔10の厚みt0よりも小さく、かつ集電体23の最大厚みt8が集電体用金属箔10の厚みt0よりも大きくなるまで行われる。前記加圧は、さらに好ましくは、凸部25x、25yの体積が、凹部29の内部空間の体積の50%以上、、好ましくは50〜85%になるまで、行われる。50%未満では、凸部29の高さが不十分になり、活物質の担持を円滑に実施できないおそれがある。さらに、活物質担持後に、活物質が集電体20から剥落する可能性が大きくなるおそれがある。一方、85%を超えると、凹部29の内部に残留する空気、潤滑剤の蒸気などが圧縮されて内部圧力が高まり、凸部25x、25yに形状のばらつきが生じるおそれがある。
なお、本実施の形態では、本発明の集電体1、15、20、23を製造するに当たり、図5に示す集電体製造装置35またはこれに類似の集電体製造装置を用いているが、それに限定されるものではない。たとえば、凸部に対応する形状を有する凹部を形成したダイセット金型などの金型を用い、この金型により集電体金属箔10をその厚み方向の両面から挟持し、加圧することにより、集電体用金属箔10に本発明の圧縮加工を施すことが可能になる。これによっても、本発明の集電体1、15、20、23を製造できる。
本発明の製造方法により得られる集電体は、非水電解質二次電池用の集電体として好適に使用できるが、それに限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池、リチウム一次電池などの一次電池の集電体としても使用できる。
[非水電解質二次電池用電極の製造方法]
本発明の非水電解質二次電池用電極の製造方法は、集電体として、本発明の製造方法により製造された集電体を用いる以外は、従来の集電体の製造方法と同様に実施できる。たとえば、本発明の製造方法により製造された集電体の表面に、電極合剤スラリーを塗布し、乾燥させることにより、集電体表面に活物質層を担持させることができる。また、集電体表面に薄膜状の活物質層を形成してもよい。
本発明の製造方法で得られる集電体の凸部は、圧縮加工を受けることなく形成されている。また、凸部表面は圧縮加工の影響を受けず、特に凸部の先端表面は塑性変形の影響をもほとんど受けることなく形成されているので、加工歪みなどが残らない。したがって、本発明の製造方法で得られる集電体の表面に活物質層の薄膜を形成すると、精度良くかつ均一な厚みを有する薄膜を形成できる。また、凸部表面、特に凸部の先端表面が加工前の金属箔の表面粗さを保持しているため、活物質層である薄膜と集電体表面との密着力が向上する。なお、この効果は、基材部と凸部との境界部分が曲面で構成される集電体に活物質層を形成する場合に、特に顕著になる。
電極合剤スラリーには、正極合剤スラリーと負極合剤スラリーとがある。まず、正極合剤スラリーを用いる正極の製造について説明する。正極合剤スラリーは、正極活物質および溶媒を含有し、さらに必要に応じて、正極用結着材、導電材などを含んでいる。
正極活物質としては、非水電解質二次電池の分野で常用されるものを使用でき、例えば、コバルト酸リチウムおよびその変性体(コバルト酸リチウムにアルミニウムやマグネシウムを固溶させたものなど)、ニッケル酸リチウムおよびその変性体(ニッケルの一部をコバルトで置換したものなど)、マンガン酸リチウムおよびその変性体などの複合酸化物が挙げられる。正極活物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
正極用結着材としては、非水電解質二次電池の分野で常用されるものを使用でき、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデンの変性体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリレート単位を有するゴム粒子結着材などが挙げられる。このような正極用結着材とともに、反応性官能基を導入したアクリレートモノマーまたはアクリレートオリゴマー用いても良い。正極用結着材は1種を単独で使用できまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
導電材としては、非水電解質二次電池の分野で常用されるものを使用でき、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、各種グラファイトなどが挙げられる。導電材は1種を単独で使用でき、または2種以上を組み合わせて使用できる。
正極合剤スラリーは、たとえば、正極活物質および必要に応じて正極用結着材、導電材などを適当な分散媒に分散させ、必要に応じて集電体への塗布に適する粘度に調整することにより作製される。分散媒としては、水、2−メチル−N−ピロリドンなどの有機溶媒などを使用できる。正極活物質などの固形分の溶媒への分散には、たとえば、プラネタリーミキサーなどの一般的な分散機を使用できる。
この正極合剤スラリーを正極集電体の一方または両方の表面に塗布し、乾燥させ、必要に応じてプレス成形を行って所定の厚みに調整することにより、正極板が得られる。正極集電体の厚みは特に制限されないが、好ましくは5〜30μmである。正極合剤スラリーの正極集電体への塗布には、たとえば、ダイコータなどの一般的な塗布装置を使用できる。また、乾燥温度は、主に、溶媒の種類に応じて適宜選択される。
次に、負極合剤スラリーを用いる負極の製造について説明する。負極合剤スラリーは、負極活物質および分散媒を含有し、さらに必要に応じて、負極用結着材、導電材などを含んでいる。
負極用活物質としては、非水電解質二次電池の分野で常用されるものを使用でき、例えば、各種天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛材料、シリサイドなどのシリコン系複合材料、各種合金材料などを使用できる。負極活物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
負極用結着材としては、非水電解質二次電池の分野で常用されるものを使用でき、例えば、PVDFおよびその変性体、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)粒子およびその変性体に、カルボキシメチルセルロース(CMC)などのセルロース系樹脂などが挙げられる。負極用結着材は1種を単独で使用できまたは2種以上を組み合わせて使用できる。特に、SBR粒子とセルロース系樹脂との混合物、SBR粒子に少量のセルロース系樹脂を添加した混合物などが好ましい。このような混合物を用いると、たとえば、リチウムイオン受け入れ性などが向上する。
導電材としては、正極に用いられるのと同様のものを使用できる。
負極合剤スラリーの調製は、正極合剤スラリーの調製と同様に実施できる。なお、負極活物質を分散させる分散媒としては、たとえば、水、2−メチル−N−ピロリドンなどの有機溶媒などを使用できる。
この負極合剤スラリーを負極用集電体の一方または両方の表面に塗布し、乾燥させ、必要に応じてプレス成形を行って所定の厚みに調整することにより、負極板が得られる。負極集電体の厚みは特に制限されないが、好ましくは5〜25μmである。負極合剤スラリーの集電体への塗布には、たとえば、ダイコータなどの一般的な塗布装置を使用できる。また、乾燥温度は、主に、溶媒の種類に応じて適宜選択される。
また、集電体表面に薄膜状活物質層を形成するには、真空プロセスを好適に利用でき、それらの中でも、蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)などが好ましい。たとえば、集電体表面への活物質の蒸着は、たとえば、一般的な蒸着装置を用いて行われる。真空蒸着プロセスによれば、活物質層を集電体の所定の部位に選択的に形成できる。蒸着装置としては特に限定されないが、電子ビーム加熱手段を備え、電子ビーム加熱手段により活物質を加熱して蒸気化し、この蒸気を集電体表面に付着させる方式の真空蒸着装置が好ましい。このような真空蒸着装置は、たとえば、(株)アルバックから市販されている。蒸着を行う場合には、主に、活物質のみが蒸着される。
蒸着を行う場合、活物質としては負極活物質が好ましい。負極活物質としては、たとえば、Si、Sn、Ge、Al、これらの1種以上を含有する合金、SiOx、SnOxなどの酸化物、SiSx、SnSなどの硫化物などを使用できる。負極活物質層は、負極集電体表面、好ましくは負極集電体の凸部先端表面に柱状に形成するのがよい。負極活物質層は、非晶質または低結晶性の負極活物質を含有するのが好ましい。
集電体表面、好ましくは凸部表面、さらに好ましくは凸部先端表面に形成する活物質層の厚みは、活物質の種類、活物質層の形成方法、最終的に得られる非水電解質二次電池に要求される特性、該電池の用途などの各種条件に応じて適宜選択できるが、好ましくは5〜30μm、さらに好ましくは10〜25μmである。
[非水電解質二次電池]
本発明の非水電解質二次電池は、本発明の電極、その対極およびリチウムイオン伝導性の非水電解質を含む。すなわち本発明の非水電解質二次電池は、非水電解質リチウム二次電池である。本発明の非水電解質二次電池が、本発明の電極を負極として含む場合、正極の構造は特に制限されない。また、本発明の非水電解質二次電池が、本発明の電極を正極として含む場合、負極の構造は特に制限されない。なお、本発明の電極は、好ましくは負極として用いられる。
図12は、本発明の実施形態の一つである非水電解質二次電池40の構成を模式的に示す部分分解斜視図である。非水電解質二次電池40は、電極群41、正極リード42、図示しない負極リード、絶縁板44、封口板45、ガスケット46および電池ケース47を含む。
電極群41は、正極50、負極51およびセパレータ52を含み、正極50、セパレータ52、負極51およびセパレータ52をこの順番で重ね合わせて捲回し、渦巻状に形成したものである。電極群41は、図示しない電解質を含んでいる。
正極50は本発明の電極であるか、または負極51が本発明の電極である場合は、図示しない正極集電体と正極活物質層とを含む。
正極集電体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、チタンなどからなる箔、不織布などが挙げられる。正極集電体の厚みは特に制限されないが、好ましくは5μm〜30μmである。
正極活物質層は、正極集電体の厚み方向の一方の面または両方の面に形成され、正極活物質を含有し、必要に応じて導電材および結着材を含む。正極活物質としては、上記に例示したリチウム含有遷移金属酸化物、MnO2などのリチウムを含有しない金属酸化物などを使用できる。
導電材としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、たとえば、天然黒鉛、人造黒鉛のグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、フッ化カーボン、アルミニウムなどの金属粉末類、酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、フェニレン誘導体などの有機導電性材料などが挙げられる。
結着材としては、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリアクリル酸ヘキシルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸ヘキシルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ヘキサフルオロポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、アクリレート単位を含有するゴム粒子結着材などが挙げられる。また、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ペンタフルオロプロピレン、フルオロメチルビニルエーテル、アクリル酸、ヘキサジエン、反応性官能基を含有するアクリレートモノマー、反応性官能基を含有するアクリレートオリゴマーなどから選ばれる2種以上のモノマー化合物からなる共重合体を結着材として用いてもよい。
正極50は、たとえば、次のようにして製造される。まず、正極活物質および必要に応じて導電材、結着材などを分散媒に混合および分散させて正極合剤スラリーを調製する。分散媒には、たとえば、N−メチル−2−ピロリドンなどのこの分野で常用される分散媒を使用できる。正極活物質などの分散媒への混合および分散には、たとえば、プラネタリーミキサーなどの一般的な分散機を使用できる。こうして得られる正極合剤スラリーを正極集電体の片面または両面に塗布し、乾燥し、所定の厚さに圧延することにより、正極活物質層が形成され、正極50が得られる。
負極51は本発明の電極であるか、または正極50が本発明の電極である場合は、図示しない負極集電体と負極活物質層とを含む。
負極集電体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、銅、ニッケル、鉄、これらの少なくとも1つを含有する合金などからなる金属箔、金属フィルムなどが挙げられる。これらの中でも、銅または銅合金からなる金属箔、金属フィルムなどが好ましい。銅合金としては、本明細書で先に例示したように銅合金を使用できる。銅および銅合金の金属箔を例に採ると、たとえば、電解銅箔、電解銅合金箔、圧延銅箔、銅合金箔、圧延銅合金箔、これらに粗面化処理を施した箔などが挙げられる。粗面化処理を施す箔としては、電解銅箔、圧延銅箔、銅合金箔などが好ましい。
負極集電体の厚みは特に制限されないが、好ましくは5μm〜100μm、さらに好ましくは8〜35μmである。負極集電体の厚みが5μm未満では、負極集電体の機械的強度が不十分になる場合があり、電極製造時における取り扱い性が低下する。また、電池充電時における電極の破断などが起こり易くなる。一方、負極集電体の厚みが100μmを超えると、機械的強度は確保されるが、電極全体に占める負極集電体の体積が大きくなり、電池の高容量化を十分に達成できない場合がある。
負極活物質層は、負極集電体の厚み方向の一方の面または両方の面に形成され、負極活物質を含有し、必要に応じて導電材、結着材、増粘剤などを含む。負極活物質としては、たとえば、各種天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛材料、シリサイドなどのシリコン系複合材料、合金系負極活物質などを使用できる。導電材としては、正極活物質層に添加されるのと同様のものを使用できる。結着材としても、正極活物質層に添加されるのと同様のものを使用できる。さらに、リチウムイオン受入れ性向上の観点から、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子(SBR)およびその変性体などを結着材として使用できる。
増粘剤としては、この分野で常用されるものを使用できる。その中でも、水溶性を有しかつ水溶液の形態で粘性を有するものが好ましく、たとえば、カルボキシメチルセルロース(CMC)などのセルロース系樹脂およびその変性体、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリビニルアルコール(PVA)などが挙げられる。これらの中でも、後記する負極合剤スラリーの分散性、増粘性などの観点から、セルロース系樹脂およびその変性体が特に好ましい。
負極51は、負極活物質および必要に応じて導電材、結着材、増粘剤などを分散媒に混合および分散させて負極合剤スラリーを調製する以外は、正極50と同様にして製造できる。
セパレータ52としては、非水電解質二次電池の分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンの微多孔フィルムを、単一またはあるいは複合して用いるのが一般的でありまた態様として好ましい。さらに具体的には、セパレータ52としては、合成樹脂からなる多孔質膜が挙げられる。合成樹脂としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、アラミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミドなどが挙げられる。多孔質膜には、たとえば、微多孔膜、不織布などがある。
また、セパレータ52は、その内部または表面に、アルミナ、マグネシア、シリカ、チタニアなどの耐熱性フィラーを含んでもよい。また、セパレータ52の厚み方向の両面または片面に耐熱層を設けてもよい。耐熱層は、たとえば、前記耐熱性フィラーと結着材とを含んでいる。結着材は、正極活物質層に用いられるのと同じものを使用できる。また、セパレータ17の厚みは特に限定されないが、好ましくは10μm〜30μm、さらに好ましくは10〜25μmである。
非水電解質としては、溶質を有機溶媒に溶解した電解質溶液、溶質および有機溶媒を含み、高分子化合物で非流動化されたポリマー電解質または固体電解質などを使用できる。電解質溶液を用いる場合には、セパレータ17に電解質溶液を含浸させるのが好ましい。なお、非水電解質は、溶質、有機溶媒および高分子化合物以外に、添加剤を含んでいてもよい。
溶質は、活物質の酸化還元電位などに基づいて選択される。具体的に、溶質としては、リチウム電池の分野で常用される溶質を使用でき、たとえば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCF3SO3、LiN(CF3CO2)、LiN(CF3SO22、LiAsF6、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiF、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、ビス(1,2−ベンゼンジオレート(2−)−O,O')ホウ酸リチウム、ビス(2,3−ナフタレンジオレート(2−)−O,O')ホウ酸リチウム、ビス(2,2'−ビフェニルジオレート(2−)−O,O')ホウ酸リチウム、ビス(5−フルオロ−2−オレート−1−ベンゼンスルホン酸−O,O')ホウ酸リチウムなどのホウ酸塩類、(CF3SO22NLi、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、(C25SO22NLi、テトラフェニルホウ酸リチウムなどが挙げられる。溶質は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。
有機溶媒としては、リチウム電池の分野で常用される有機溶媒を使用でき、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、ジメトキシメタン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、トリメトキシメタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのテトラヒドロフラン誘導体、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソランなどのジオキソラン誘導体、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、スルホラン、3−メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、エチルエーテル、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、フルオロベンゼンなどが挙げられる。有機溶媒は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。
添加剤としては、たとえば、ビニレンカーボネート、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ビニルエチレンカーボネート、ジビニルエチレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、ジアリルカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、カテコールカーボネート、酢酸ビニル、エチレンサルファイト、プロパンサルトン、トリフルオロプロピレンカーボネート、ジベンゾフラン、2,4−ジフルオロアニソール、o−ターフェニル、m−ターフェニルなどの添加剤を含んでいてもよい。添加剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。
なお、非水電解質は、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリホスファゼン、ポリアジリジン、ポリエチレンスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンなどの高分子材料の1種または2種以上の混合物などに上記溶質を混合して、固体電解質として用いてもよい。また、上記有機溶媒と混合してゲル状で用いてもよい。さらに、リチウム窒化物、リチウムハロゲン化物、リチウム酸素酸塩、Li4SiO4、Li4SiO4−LiI−LiOH、Li3PO4−Li4SiO4、Li2SiS3、Li3PO4−Li2S−SiS2、硫化リン化合物などの無機材料を固体電解質として用いてもよい。固体電解質またはゲル状電解質を用いる場合、これらセパレータ17の代わりに正極50と負極51との間に配置してもよい。または、ゲル状電解質を、セパレータ52に隣接するように配置してもよい。
正極リード42、負極リード、絶縁板44、封口板45、ガスケット46および電池ケース47については、非水電解質二次電池の分野で常用されるものをいずれも使用できる。なお、封口板45の中央部には、正極端子53が設けられている。
本発明の非水電解質二次電池40は、たとえば、次のようにして製造される。正極リード42および負極リードは、それぞれ、その一端が正極50の正極集電体および負極51の負極集電体に電気的に接続される。電極群41は、絶縁板44とともに、有底円筒形の電池ケース47の内部に収容される。電極群41の下部より導出した負極リードの他端を電池ケース47の底部に接続し、次いで電極群41の上部より導出した正極リード42を封口板45に接続し、電池ケース47に所定量の図示しない非水電解質を注液する。次いで、電池ケース47の開口部に、周縁にガスケット46を取り付けた封口板45を挿入し、電池ケース47の開口部を内方向に折り曲げてかしめ封口することにより、非水電解質二次電池40が得られる。
図13は、本発明の実施形態の一つである積層形電池55の構成を模式的に示す断面図である。積層形電池55は、正極56、負極57、セパレータ58、電池ケース59、正極リード60、負極リード61および封止樹脂62を含む。正極56は、正極集電体56aおよび正極集電体56aの厚み方向の一方の表面に形成される正極活物質層56bを含む。負極57は、負極集電体57aおよび負極集電体57aの厚み方向の一方の表面に形成される負極活物質層57bを含む。正極56および負極57は、セパレータ58を介して対向するように設けられる。すなわち、積層形電池55では、正極56、セパレータ58および負極57をこの順番で重ね合わせて積層し、平板状の電極群を形成している。正極56、負極57およびセパレータ58は、それぞれ、非水電解質二次電池40における正極50、負極51およびセパレータ52と同様の構成を有している。
電池ケース59は、2つの開口を有する容器状部材であり、その内部空間に電極群を収容している。電池ケース59の2つの開口は、それぞれ、封止樹脂62を介して封口されている。正極リード60は、一端が正極集電体66aに電気的に接続され、他端が電池ケース59の一方の開口から電池55の外部に導出されている。負極リード61は、一端が負極集電体57aに電気的に接続され、他端が電池ケース59の他方の開口から電池55の外部に導出されている。また、積層形電池55においても、非水電解質二次電池40におけるのと同様の非水電解質を使用できる。
このように本発明の非水電解質二次電池は、たとえば、渦巻状に巻回した電極群を有する角型電池、渦巻状に巻回した電極群を有する円筒形電池、積層形の電極群を有する積層形電池など、種々の形態を採ることができる。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
(負極用集電体の作製)
図3に示す集電体製造装置35を用い、次のようにして、本発明の負極用集電体1を作製した。ローラ4は径50mmの超硬合金製ローラであり、その周面には図5(a)に示す配列パターンで凹部4aを形成した。凹部4aの開口径は10μm、深さは8μmであった。凹部4aをレーザ加工により形成すると、凹部4aの開口の縁に隆起部分が出来るが、これは研磨加工により除去した。ローラ5は周面が平坦な、径50mmの鉄製ローラであった。ローラ4とローラ5との圧接ニップ部6における圧接圧は線圧で10kNであった。
厚さt0が18μmである集電体用銅箔を、金属箔供給ローラ36に捲回し、図3に示す集電体製造装置35に装着した。この集電体用銅箔を加工手段7の圧接ニップ部6に供給し、銅箔に部分的な非圧縮加工を施し、基材部2と凸部3とからなる図1(c)に示す集電体1を作製し、巻取りローラ38に巻き取った。t1は17μm、t2は21μmであった。すなわち、t2>t0>t1である。
なお、集電体1において、ローラ4周面の凹部4aに対向した面は、他の部分の圧縮加工に伴って塑性変形が起こり、凸部3が形成されていた。一方、周面が平坦なローラ5に対向した面は、凸部は形成されず、平坦な面になった。
ここで得られた集電体1の厚み方向の断面を、走査型電子顕微鏡で観察した。図18は、集電体1の断面の電子顕微鏡写真である。図18から、集電体1には、波打ち、反り、しわなどの不具合が発生していないことが明らかである。
(負極の作製)
電子ビーム加熱手段を備える真空蒸着装置の内部に、上記で得られた集電体1を装着した。ターゲットとして純度99.9999%の珪素を用い、純度99.7%の酸素を導入しながら蒸着を行い、集電体1の凸部3の表面に膜厚20μmのSiO0.5層を形成した。このものを所定の幅にスリッタ加工して負極板を作製した。
(実施例2)
ローラ4の周面に凹部4aを形成する際に生じる隆起部分を研磨加工により除去することなくそのまま使用する以外は、実施例1と同様にして、負極用集電体1を作製した。t1は17μm、t2は21μmであった。すなわち、t2>t0>t1である。得られた負極集電体1の断面を、実施例1と同様にして顕微鏡観察したところ、波打ち、反り、しわなどの不具合の発生は認められなかった。この負極用集電体1の凸部3表面に、実施例1と同様にして、膜厚20μmのSiO0.5層を形成した。このものを所定の幅にスリッタ加工して負極板を作製した。
実施例1および2で得られた負極集電体1は、銅箔の一方の表面に本発明の圧縮加工を施すことにより、凸部3が形成されていた。このような負極用集電体1は、凸部3の表面に負極活物質を効率良く蒸着させることができた。しかも、負極用集電体1の長手方向に加わる引張応力に対して十分な耐久性を有していた。このため、負極用集電体1上に負極活物質を蒸着する際、負極活物質の蒸着後に所定の幅にスリットする際などに、負極用集電体1に局部的な変形、撓みなどが生じるのが防止される。それとともに、負極活物質層の脱落を抑止することができた。
(実施例3)
集電体製造装置35において、ローラ5をローラ4に変更する以外は、実施例1と同様にして、基材部16の厚み方向の両面に凸部17x、17yが形成された図6(c)に示す負極用集電体15を作製した。t3は16μm、t4は25μmであった。すなわち、t4>t0>t3である。得られた負極集電体15の断面を、実施例1と同様にして顕微鏡観察したところ、波打ち、反り、しわなどの不具合の発生は認められなかった。この負極用集電体15の凸部17x、17y表面に、実施例1と同様にして、膜厚20μmのSiO0.5層を形成した。このものを所定の幅にスリッタ加工して負極板を作製した。
(実施例4)
集電体製造装置35において、ローラ5をローラ4に変更する以外は、実施例2と同様にして、基材部16の厚み方向の両面に凸部17x、17yが形成された図6(c)に示す負極用集電体15を作製した。t3は16μm、t4は25μmであった。すなわち、t4>t0>t3である。得られた負極集電体15の断面を、実施例1と同様にして顕微鏡観察したところ、波打ち、反り、しわなどの不具合の発生は認められなかった。この負極用集電体15の凸部17x、17y表面に、実施例1と同様にして、膜厚20μmのSiO0.5層を形成した。このものを所定の幅にスリッタ加工して負極板を作製した。
実施例3および4で得られた負極用集電体15は、銅箔両面に本発明の圧縮加工を施すことにより、部分的な塑性変形が起こり、凸部17x、17yが形成されていた。このような負極集電体15は、凸部17x、17yの表面に負極活物質を効率良く蒸着させることができた。しかも、負極用集電体1の長手方向に加わる引張応力に対して十分な耐久性を有していた。このため、負極用集電体1上に負極活物質を蒸着する際、負極活物質の蒸着後に所定の幅にスリットする際などに、負極用集電体1に局部的な変形、撓みなどが生じるのが防止される。それとともに、負極活物質層の脱落を抑止することができた。
(比較例1)
周面が平坦である径50mmの超硬合金製ローラの周面に、図20(a)に示す表面形状の加工を施した。このローラを集電体製造装置35におけるローラ4に代えて使用する以外は、実施例1と同様にして、集電体用銅箔(厚み18μm)の加工を行った。加工後の銅箔の切断面を走査型電子顕微鏡で観察した。図19は比較例1で得られた集電体90の断面の電子顕微鏡写真である。図19から、比較例1の集電体には、浪打ちが発生していることが明らかである。また、集電体製造装置35において、さらにローラ5をゴムローラに代えて使用し、集電体用銅箔の加工を行ったが、波打ちを無くすことはできなかった。
以上の結果から、本発明の製造方法により得られた集電体は、圧縮加工に伴う部分的な塑性変形によりその表面に複数の凸部が形成され、凸部が十分な耐久性を発揮することが明らかである。したがって、金属箔表面に凸部を形成する工程、集電体の凸部に電極活物質を担持する工程などにおいて、集電体の局所的な変形や撓みを防止する。また、集電体の凸部に電極活物質を担持する工程、所定の幅にスリット加工する工程などにおいても、電極活物質の脱落を抑止することができる。
また本発明の製造方法により得られた電極は、集電体の凸部先端表面が圧縮加工および塑性変形の影響をほとんど受けていないので、凸部先端表面には加工歪が残留せず、その表面精度が良好である。したがって、均一な薄膜形成が可能である。また、凸部先端表面は圧縮加工が施されることに起因する表面粗さの減少もなく、初期の表面粗さを維持しているため、薄膜状の活物質層との密着力を高め得るものと考えられる。この観点からすれば、凸部平面と活物質との密着力をさらに高めるためには、加工前の集電体の表面を予め一層粗な状態にしておくことは非常に有効であると考えられる。
(実施例5)
開口の形状がほぼ円形であり、深さ10μm、開口径10μmの凹部4aを複数形成したセラミックローラを、図3に示す集電体製造装置35におけるローラ4、5として装着した。集電体用金属箔10である厚さ15μmの帯状アルミニウム箔を、集電体製造装置35の圧接ニップ部6に線圧として10kN加圧下で通過させて部分的な非圧縮加工を行い、図14に示す正極用集電体70を作製した。図14は、本発明の実施形態の一つである集電体70の構成を模式的に示す図面である。図14(a)は集電体70の斜視図である。図14(b)は集電体70の縦断面図、すなわち厚み方向の断面図である。
得られた集電体70は、アルミニウムからなる基材部71と、基材部71の厚み方向の両面に規則的に形成される高さ4μmのほぼ円形の凸部72x、72y(以下「凸部72」とする)とを含み、その基材部71の厚みt3が12μm、最大厚みt4が20μmである帯状の集電体であった。幅方向(長手方向)Xにおいては、凸部72がピッチP1で一列に配列された行単位73が形成されている。短手方向Yにおいては、行単位73がピッチP2で平行に配列されている。さらに、行単位73と、それに隣り合う行単位73とでは、各凸部72が幅方向Xにおいて0.5P1分だけずれるように配置されている。このような凸部72の配列パターンは、最密充填配列である。
次に、長さ1000mm、厚さ15μmのアルミニウム箔を用い、かつ圧接ニップ部6における加圧力を調整して凸部72の体積比率を表1に示すように変更する以外は、上記と同様にして、凹部4aの内部空間体積に対して体積比率の異なる凸部72を形成し、集電体70を作製し、その表面状態を評価した。評価は、1000個の集電体70について、目視により、しわ、反り、切れの発生個数を調べ、発生率を求めた。結果を表1に示す。
なお、表1において、凸部の体積比率とは、凹部4aの内部空間体積に対する凸部72の体積の百分率である。以下、同様とする。
集電体70を作製する際に、集電体70の長手方向Xに引張応力が加わる。集電体70に引張応力に対する耐久性がないと、集電体70にしわ、反り、切れなどの不具合が発生する。ところが、表1から明らかなように、凸部72の体積比率が85%以下の場合には、ほぼ円形の凸部72が最密充填配列で形成されていることも相俟って、集電体70が長手方向Xに加わる引張応力に対して十分な耐久性を有し、前記のような不具合の発生を抑止できた。なお、本実施例においては、凸部72の体積比率が55%までの実施例しか記載していないが、55%以下の場合には、加圧力がさらに低くなるためで、前記のような不具合を発生することなく、集電体70の作製が可能であった。
一方、凸部72の体積比率が85%より大きくなると、基材部71の表面71aの強度が不足し、しわ、反り、切れなどの不良が局所的に発生した。
また、凸部72の体積比率を85%以下である正極用集電体70の表面粗さを表面粗さ計で測定したところ、基材部71の表面71aの表面粗さは、加工前のアルミニウム箔の表面粗さよりも小さくなっていた。基材部71の表面71aの表面粗さは、セラミックローラ周面の表面粗さとほぼ同等であった。
一方、凸部72の先端表面の表面粗さは、加工前のアルミニウム箔の表面粗さとほぼ同等であった。また、凸部72の先端表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、加工前のアルミニウム箔表面で観察されたものと同様の細かなスレ傷が認められた。
さらに、集電体70について、後方散乱電子回折像(EBSP)法による結晶方位解析を行ったところ、基材部71の表面71aおよび凸部72の内部は、加工前のアルミニウム箔に比べて結晶粒が細かくなっているのが観察された。また、集電体70の引張強度を測定したところ、基材部71の厚みが加工前のアルミニウム箔の厚みよりも薄くなっているにもかかわらず、引張強度の低下が認められなかった。基材部71は圧縮加工を受けているので、圧縮加工による加工硬化により引張強度が向上したものと推測される。
以上の解析結果から、アルミニウム箔に上記の加工を施したことで、凸部72の部分には圧縮加工が施されず、基材部71の表面71aには圧縮加工が施され、集電体70が得られたものと考えられる。
(実施例6)
開口の形状がほぼ菱形であり、深さ10μm、開口径20μm(菱形の長い方の対角線の長さ)の凹部4aを複数形成したセラミックローラを、図3に示す集電体製造装置35におけるローラ4、5として装着した。集電体用金属箔10である厚さ12μmの帯状銅箔を、集電体製造装置35の圧接ニップ部6に線圧10kN加圧下で通過させて部分的な非圧縮加工を行い、図15に示す正極用集電体75を作製した。図15は、本発明の実施形態の一つである集電体75の構成を模式的に示す図面である。図15(a)は集電体75の斜視図である。図15(b)は集電体75の縦断面図である。
得られた集電体75は、銅からなる基材部76と、基材部76の厚み方向の両面に規則的に形成される高さ4μmのほぼ菱形の凸部77x、77y(以下「凸部77」とする)とを含み、その基材部71の厚みt3が10μm、最大厚みt4が18μmである帯状の集電体であった。幅方向(長手方向)Xにおいては、凸部77がピッチP3で一列に配列された行単位78が形成されている。短手方向Yにおいては、行単位78がピッチP4で平行に配列されている。さらに、行単位78と、それに隣り合う行単位78とでは、各凸部77が幅方向Xにおいて0.5P3分だけずれるように配置されている。このような凸部77の配列パターンは、最密充填配列である。
次に、長さ1000mm、厚み12μmの銅箔を用い、かつ圧接ニップ部6における加圧力を調整して凸部77の体積比率を表2に示すように変更する以外は、上記と同様にして、凹部4aの内部空間体積に対して体積比率の異なる凸部77を形成し、集電体75を作製し、その表面状態を評価した。評価は、1000個の集電体75について、目視により、しわ、反り、切れの発生個数を調べ、それぞれの発生率を求めた。結果を表2に示す。
なお、表2において、凸部の体積比率とは、凹部4aの内部空間体積に対する凸部77の体積の百分率である。以下、同様とする。
集電体75を作製する際に、集電体75の長手方向Xに引張応力が加わる。集電体75に引張応力に対する耐久性がないと、集電体75にしわ、反り、切れなどの不具合が発生する。ところが、表1から明らかなように、凸部77の体積比率が85%以下の場合には、ほぼ円形の凸部77が最密充填配列で形成されていることと相俟って、集電体75が長手方向Xに加わる引張応力に対して十分な耐久性を有し、前記のような不具合の発生を抑止できた。なお、本実施例においては、凸部77の体積比率が55%までの実施例しか記載していないが、55%以下の場合には、加圧力がさらに低くなるためで、前記のような不具合を発生することなく、集電体75の作製が可能であった。
一方、凸部77の体積比率が85%より大きくなると、基材部76の表面76aの強度が不足し、しわ、反り、切れなどの不良が局所的に発生した。
また、凸部77の体積比率が85%以下である正極用集電体75の表面粗さを表面粗さ計で測定したところ、基材部76の表面76aの表面粗さは、加工前のアルミニウム箔の表面粗さよりも小さくなっていた。基材部76の表面76aの表面粗さは、セラミックローラ周面の表面粗さとほぼ同等であった。
一方、凸部77の先端表面の表面粗さは、加工前のアルミニウム箔の表面粗さとほぼ同等であった。また、凸部77の先端表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、加工前のアルミニウム箔表面で観察されたものと同様の細かなスレ傷が認められた。
さらに、集電体75について、後方散乱電子回折像(EBSP)法による結晶方位解析を行ったところ、基材部76の表面76aおよび凸部77の内部は、加工前のアルミニウム箔に比べて結晶粒が細かくなっているのが観察された。また、集電体75の引張強度を測定したところ、基材部76の厚みが加工前のアルミニウム箔の厚みよりも薄くなっているにもかかわらず、引張強度の低下が認められなかった。基材部76は圧縮加工を受けているので、圧縮加工による加工硬化により引張強度が向上したものと推測される。
以上の解析結果から、アルミニウム箔に上記の加工を施したことで、凸部77の部分には圧縮加工が施されず、基材部76の表面76aには圧縮加工が施され、集電体75が得られたものと考えられる。
(実施例7)
厚さ12μmの銅箔に代えて厚さ18μmの銅箔を用い、凸部77の体積比率が80%になるように圧接ニップ部6における加圧力を調整する以外は、実施例6と同様にして、帯状の集電体75を作製した。集電体75は、ほぼ菱形の凸部77が最密充填形状で配列されているので、長手方向Xに加わる引張応力に対して十分な耐久性を有していた。このため、集電体75に加工を施す際に、集電体75に局部的な変形や撓みが生じるのを防止することができ、さらに活物質の集電体75からの剥落を抑止できた。集電体75の加工とは、集電体75表面への活物質の担持、集電体75表面に活物質を担持させて得られる電極のスリット加工などである。
電子ビーム加熱手段を備える真空蒸着装置の内部に、上記で得られた集電体75を装着した。ターゲットとして純度99.9999%の珪素を用い、純度99.7%の酸素を導入しながら蒸着を行い、集電体75の凸部77の表面に膜厚25μmの柱状のSiO0.5層を形成した。このものを円筒形非水電解質二次電池における所定の幅にスリッタ加工して負極板を作製した。なお、集電体75では、ほぼ菱形の凸部77が最密充填形状で配列されているので、短手方向Yに向かって負極活物質を蒸着する際に、凸部77表面に効率良く付着させることができた。
実施例5〜7の本発明の製造方法によれば、周面に複数の凹部が形成されたセラミックローラを用いることによって、集電体用金属箔表面に部分的な塑性変形を発生させ、凸部を形成する。また、凸部の体積を凹部の内部空間体積以下にすることによって、凸部の形状、大きさなどのばらつきをなくす。その結果、得られる集電体の機械的強度ひいては耐久性を向上させることができる。さらに、凸部の配列パターンを選択することによって、集電体の耐久性は一層向上する。したがって、集電体用金属箔表面に凸部を形成して集電体を作製する工程、集電体表面に活物質を担持させて電極を作製する工程などにおいて、集電体に変形、撓みなどが局所的に発生するのを顕著に防止できる。また、集電体表面に活物質を担持させて電極を作製する工程、電極を所定幅にスリット加工する工程などにおいて、活物質が集電体から剥離するのを防止できる。
また、本発明の製造方法によれば、集電体の凸部が圧縮加工に伴う塑性変形により形成され、凸部の先端表面は塑性変形の影響をもほとんど受けていないため、凸部の先端表面には加工歪みがほとんど発生していない。したがって、凸部の先端表面の表面精度が良好であり、該先端表面に均一な薄膜状の活物質層を形成することが可能になる。また、凸部の先端表面は、圧縮加工を受けていないので、表面粗さが小さくなることはなく、集電体用金属箔の表面粗さを維持している。したがって、活物質層との密着力が一層高くなるものと考えられる。この観点からすれば、凸部の平面と電極活物質との密着力をさらに高めるためには、加工前の集電体の表面を予め粗の状態しておくことは非常に有効であると考えられる。
(実施例8)
図9に示すローラ28を次のようにして作製した。径50mmの超硬合金製凹部形成ローラの周面に、YAGレーザを利用するレーザ加工により、開口形状が直径約10μmのほぼ円形であり、深さが約8μmである凹部を形成した。レーザ加工のレーザ周波数は1KHzである。
上記で形成した凹部の開口の縁には、バリや盛り上がりからなる隆起が形成され、ローラの表面粗さが部分的に大きくなった。このため、研磨粒として平均粒径8μmのダイヤモンド粒子を用い、水を供給しながら、研磨パッドを備える研磨機で研磨を行った。研磨はローラ周面の平均表面粗さが0.4aになるまで行った。これにより、隆起が除去され、開口の縁29aが曲面で構成される凹部29を形成し、ローラ28を作製した。
ローラ28の表面粗さは、原材料である金属箔の表面粗さと同程度である。したがって、圧縮加工後に得られる集電体において、凸部の先端表面は元の金属箔の表面粗さを維持し、基材部の表面はローラ28による圧縮加工を受けて、ローラ28の表面粗さとほぼ同じ表面粗さを有している。すなわち、集電体の表面全面がほぼ同じ表面粗さを有することになる。このような集電体を用いると、集電体と活物質層との密着性を一層向上させることができる。
なお、研磨加工を施さないローラを用いて、金属箔に圧縮加工を行うと、凹部の開口縁の隆起部分に応力が集中し、ローラ周面における亀裂の起点になり、ローラ寿命が低下するおそれがある。
(実施例9)
平均粒径8μmのダイヤモンド粒子に代えて、平均粒径30μmのダイヤモンド粒子を用いる以外は、実施例8と同様にして、ローラ28を作製した。
(実施例10)
平均粒径8μmのダイヤモンド粒子に代えて、平均粒径53μmのダイヤモンド粒子を用いる以外は、実施例8と同様にして、ローラ28を作製した。
(実施例11)
平均粒径8μmのダイヤモンド粒子に代えて、平均粒径74μmのダイヤモンド粒子を用いる以外は、実施例8と同様にして、ローラ28を作製した。なお、この時は、ローラ28の平均表面粗さは0.8aよりも小さくすることはできなかった。
実施例8〜11で得られたローラ28について、ダイヤモンド研磨後の、ローラ28周面における研磨粒子(ダイヤモンド粒子)の残留状態、ローラ28周面の平均表面粗さおよび集電体作製後のローラ28周面の破損状態を判定した。なお、残留状態および破損状態は電子顕微鏡観察により判定した。結果を表3に示す。
表3から、平均粒径8μmのダイヤモンド粒子を用いて研磨を行うと、凹部29の開口縁29aの隆起は除去され、開口縁29aは曲面化されるが、凹部29にダイヤモンド粒子が残留することが明らかである。凹部29内部に残留するダイヤモンド粒子は、超音波洗浄を行っても、完全に除去することが出来なかった。また、凹部29にダイヤモンド粒子が残留したままで集電体を作製すると、凸部の形成が不十分になることもあった。
また、平均粒径74μmのダイヤモンド粒子を用いると、ローラ28周面の平均表面粗さは平均粗さ0.8μmまでの仕上げにとどまり、隆起が除去されない部分が認められた。さらに、平均粒径30μmおよび53μmのダイヤモンド粒子を用いると、凹部29の開口縁29aが曲面化されるとともに、ダイヤモンド粒子の残留がなく、周面の平均表面粗さが0.4aまたはそれ以下のローラ28が得られた。
さらに、実施例9および実施例10のローラ28について、凹部29の開口縁29aに、研磨材として平均粒径5μmのダイヤモンド粒子を用い、水を供給しながら、研磨パッドを備える研磨機により研磨を行い、幅約1μm、深さ約1μmの溝29xを形成した。平均粒径5μmのダイヤモンド粒子は、粒度分布のばらつきを制御可能な市販品の中での最小の粒子である。
このような溝29xを形成することにより、凸部形成時に凹部内に残留する空気などが凹部の外部に円滑に排出される。これにより、凹部内部に残留する空気が圧縮され、その圧力によって凸部の円滑な塑性変形が阻害され、凸部の形状、高さなどが不均一になるのが防止される。
なお、集電体において、凸部の基材部表面からの高さは、最終的に得ようとする電極の特性の他に、ローラ28の寿命などを考慮して決定される。ローラ28の耐用寿命を高めるためには、圧接ニップ部における加圧力を小さくすることが望ましい。したがって、加圧力を小さくして、必要な高さの凸部を形成するように調整することが望ましい。
溝29yが形成されたローラ28を用い、厚み26μmの銅箔の搬送方向に垂直な方向の長さを80mm、圧接ニップ部における加圧力を80kNとして圧縮加工を行い、部分的な塑性変形を発生させると、基材部表面からの高さが平均5.1μmである凸部が形成された。
一方、溝29yが形成されていない実施例9および10のローラ28を用いる以外は、上記と同様にして銅箔の圧縮加工を行ったところ、基材部表面からの高さが平均3.4μmである凸部が形成された。離形性や磨耗・潤滑のために固形潤滑材または液状潤滑材を使用すると、凸部の高さが一層大きくなり、形状が均一になることがわかった。
(実施例12)
径25mmのセラミック製凹部形成ローラの周面に、実施例9と同様にして、凹部29を形成し、ローラ28を作製した。このローラ28を、図3に示す集電体製造装置35におけるローラ4として装着し、圧接ニップ部34を形成した。厚み18μm、搬送方向に垂直な方向の幅80mm、長さ100mの銅箔を圧接ニップ部34に供給し、80kNの加圧下に圧縮加工を施し、部分的な塑性変形を発生させ、図8に示す集電体20を作製した。
(実施例13)
凹部形成用ローラのローラ径を50mmに変更する以外は、実施例12と同様にして、集電体20を作製した。
(実施例14)
凹部形成用ローラのローラ径を100mmに変更する以外は、実施例12と同様にして、集電体20を作製した。
(実施例15)
凹部形成用ローラのローラ径を150mmに変更する以外は、実施例12と同様にして、集電体20を作製した。
実施例12〜15で得られた集電体20について、凸部22の平均高さおよび凸部22の最大値と最小値との差を電子顕微鏡観察により求めた。凸部平均高さは、100個の凸部22の平均値である。さらに、集電体20作製後のローラ28について、凹部29の損傷状態を目視により観察した。なお、凸部20の高さは、図7に示す断面図において、基材部21の表面21aに垂直な方向の、表面21aから凸部20の先端表面までの長さである。結果を表4に示す。
表2から明らかなように、ローラ径25mmでは、凸部22の平均高さは8μmであった。しかしながら、ローラ28自体にも比較的大きな撓みが発生し、凸部22高さのばらつきが大きかった。また、ローラ28の回転にむらがあり、連続的な加工は困難であると推測された。
ローラ径50mmでは、凸部22の平均高さは7.4μmであるが、ローラ28のたわみが少なからず認められ、凸部22の高さのばらつきは±1μm程度であった。また、集電体20作製後にローラ28の凹部29の観察をしたところ、多数の亀裂が発生していた。これらのことから、ローラ径がローラ28の寿命に大きな影響を及ぼすものと推測される。
ローラ径100mmでは、凸部22の平均高さは4.1μmであり、凸部22の高さのばらつきは±1μm以下であった。また、集電体20作製後にローラ28の凹部29の観察をしたところ、亀裂は認められなかった。さらに集電体20を500mおよび1000mを作製したが、やはり凹部29には亀裂は認められなかった。
ローラ径150mmでは、凸部22の平均高さは2.1μmであり、凸部22の高さのばらつきは±1μm以下であった。集電体20作製後にローラ28の凹部29の観察をしたところ、亀裂は認められなかった。さらに集電体20を1000mを作製したが、やはり凹部29には亀裂は認められなかった。ただし、十分な高さを有する凸部22を得るためには、加圧力を非常に大きくする必要があり、そのためには設備サイズの大型化が必要であることがわかった。
表3および表4に示す結果に基づいて、実施例14で作製したローラ28が好適に使用できることがわかった。ローラ28の作製には、研磨工程では平均粒径30μmのダイヤモンド粒子を用い、凹部29の開口縁29aには溝29xを形成し、ローラ周面の平均表面粗さを0.4aとし、ロール径を100mmとした。
また、実施例11〜14で作製された集電体20では、基材部21と凸部22との境界部分22aが曲面から構成され、かつ図7に示す凸部22の断面が、テーパ形状を有している。これによって、圧縮加工時の加工性および集電体20のローラ28からの離型性が向上し、ローラ28の凹部29に凸部22がきつく嵌合し、集電体20から剥離するのを防止できた。
剥離し易い凸部22が多くある集電体20に正極活物質を担持した正極板で電極群を構成すると、充放電を繰り返す過程で前記集電体20が正極板のしわ発生の起点となり、正極活物質が剥離してしまうことがわかった。これは、集電体20の機械的強度のばらつきが原因であると考えられる。
このように、一対のローラを用いて加工することにより、非常に少ない接触面積での加圧が可能になり、加圧力を大きくすることができる。これにより、集電体製造装置35の小型化が可能になる。
(実施例16)
凹部29の開口形状がほぼ菱形である以外は、図9に示すローラ28と同じ構成を有するローラ28Aを次のようにして作製した。径50mmの超硬合金製凹部形成ローラの周面に、YAGレーザを利用するレーザ加工により、開口形状がほぼ菱形であり、菱形の長い方の対角線の長さが20μm、深さが約10μmである凹部を形成した。レーザ加工は、レーザ周波数を1kHzとして行った。
上記で形成した凹部の開口の縁には、バリや盛り上がりからなる隆起が形成され、ローラの表面粗さが部分的に大きくなった。特に、凹部の開口形状が菱形である場合、バリや盛り上がりには方向性が生じ、表面形状が全体的に悪化した。このため、研磨粒として平均粒径8μmのダイヤモンド粒子を用い、水を供給しながら、研磨パッドを備える研磨機で研磨を行った。研磨はローラ周面の平均表面粗さが0.4aになるまで行った。これにより、隆起が除去され、開口の縁29aが曲面で構成される凹部29を形成し、ローラ28Aを作製した。
ローラ28Aの表面粗さは、原材料である金属箔の表面粗さと同程度である。したがって、圧縮加工後に得られる集電体において、凸部の先端表面は元の金属箔の表面粗さを維持し、基材部の表面はローラ28Aによる圧縮加工を受けて、ローラ28Aの表面粗さとほぼ同じ表面粗さを有している。すなわち、集電体の表面全面がほぼ同じ表面粗さを有することになる。このような集電体を用いると、集電体と活物質層との密着性を一層向上させることができる。
なお、研磨加工を施さないローラを用いて、金属箔に本発明の圧縮加工を行うと、凹部の開口縁の隆起部分に応力が集中し、ローラ周面における亀裂の起点になり、ローラ寿命が低下するおそれがある。特に、開口形状がほぼ菱形の場合は、2つの鋭角部はその形状故に応力集中を受けやすく、ローラ28A周面における亀裂の起点になり、隣り合う凹部29の間の亀裂の伝播経路にもなることから、ローラ寿命を大幅に低下させてしまうことがわかった。
(実施例17)
平均粒径8μmのダイヤモンド粒子に代えて平均粒径30μmのダイヤモンド粒子を使用する以外は、実施例16と同様にして、ローラ28Aを作製した。
(実施例18)
平均粒径8μmのダイヤモンド粒子に代えて平均粒径53μmのダイヤモンド粒子を使用する以外は、実施例16と同様にして、ローラ28Aを作製した。
(実施例19)
平均粒径8μmのダイヤモンド粒子に代えて平均粒径74μmのダイヤモンド粒子を使用する以外は、実施例16と同様にして、ローラ28Aを作製した。なお、この時は、ローラ28Aの平均表面粗さは0.8aよりも小さくすることはできなかった。
実施例16〜19で得られたローラ28Aについて、ダイヤモンド研磨後の、ローラ28A周面における研磨粒子(ダイヤモンド粒子)の残留状態、ローラ28A周面の平均表面粗さおよび集電体作製後のローラ28A周面の破損状態を判定した。なお、残留状態および破損状態は電子顕微鏡観察により判定した。結果を表5に示す。
表5から、平均粒径8μmのダイヤモンド粒子を用いて研磨を行うと、凹部29の開口縁29aの隆起は除去され、開口縁29aは曲面化されるが、凹部29にダイヤモンド粒子が残留することが明らかである。凹部29内部に残留するダイヤモンド粒子は、超音波洗浄を行っても、完全に除去することが出来なかった。また、凹部29にダイヤモンド粒子が残留したままで集電体を作製すると、凸部の形成が不十分になることもあった。
また、平均粒径74μmのダイヤモンド粒子を用いると、ローラ28A周面の平均表面粗さは平均粗さ0.8μmまでの仕上げにとどまり、隆起が除去されない部分が認められた。さらに、平均粒径30μmおよび53μmのダイヤモンド粒子を用いると、凹部29の開口縁29aが曲面化されるとともに、ダイヤモンド粒子の残留がなく、周面の平均表面粗さが0.4aまたはそれ以下のローラ28Aが得られた。
さらに、実施例17および18のローラ28Aについて、凹部29の開口縁29aに、研磨材として平均粒径5μmのダイヤモンド粒子を用い、水を供給しながら、研磨パッドを備える研磨機により研磨を行い、幅約1μm、深さ約1μmの溝29xを形成した。平均粒径5μmのダイヤモンド粒子は、粒度分布のばらつきを制御可能な市販品の中での最小の粒子である。
このような溝29xを形成することにより、凸部形成時に凹部内に残留する空気などが凹部の外部に円滑に排出される。これにより、凹部内部に残留する空気が圧縮され、その圧力によって凸部の円滑な塑性変形が阻害され、凸部の形状、高さなどが不均一になるのが防止される。
なお、集電体において、凸部の基材部表面からの高さは、最終的に得ようとする電極の特性の他に、ローラ28Aの寿命などを考慮して決定される。ローラ28Aの耐用寿命を高めるためには、圧接ニップ部における加圧力を小さくすることが望ましい。したがって、加圧力を小さくして、必要な高さの凸部を形成するように調整することが望ましい。特に、開口形状がほぼ菱形である場合は、十分な高さを得るためには、開口形状がほぼ円形である場合よりも高い加圧力が必要になる。また、平面から投影した同じ面積をもつほぼ円形に同じ条件で加圧しても約15%〜23%高さが低くなることがわかった。これは菱形の長軸断面からの肉の変動が断面形状の狭さからくる抵抗力によるものと推測される。
溝29yが形成されたローラ28Aを用い、厚み18μmの銅箔の搬送方向に垂直な方向の長さを80mm、圧接ニップ部における加圧力を80kNとして圧縮加工を行い、部分的な塑性変形を発生させると、基材部表面からの高さが平均7.1μmである凸部が形成された。
一方、溝29yが形成されていないローラ28Aを用いる以外は、上記と同様にして圧縮加工を行ったところ、基材部表面からの高さが平均5.5μmである凸部が形成された。離形性や磨耗・潤滑のために固形潤滑材または液状潤滑材を使用すると、凸部の高さが一層大きくなり、形状が均一になることがわかった。
(実施例20)
径25mmのセラミック製凹部形成用ローラの周面に、実施例17と同様にして、凹部29を形成し、ローラ28Aを作製した。このローラ28Aを、図3に示す集電体製造装置35におけるローラ4、5として装着し、圧接ニップ部34aを形成した。厚み26μm、搬送方向に垂直な方向の幅80mm、長さ100mの銅箔を圧接ニップ部34aに供給し、80kNの加圧下に圧縮加工を施し、部分的に塑性変形を発生させて、図10に示す集電体23を作製した。
(実施例21)
凹部形成用ローラのローラ径を50mmに変更する以外は、実施例20と同様にして、集電体23を作製した。
(実施例22)
凹部形成用ローラのローラ径を100mmに変更する以外は、実施例20と同様にして、集電体23を作製した。
(実施例23)
凹部形成用ローラのローラ径を150mmに変更する以外は、実施例20と同様にして、集電体23を作製した。
実施例20〜23で得られた集電体23について、凸部25x、25y(以下「凸部25」とする)の平均高さおよび凸部25の最大値と最小値との差を電子顕微鏡観察により求めた。凸部平均高さは、100個の凸部25の平均値である。さらに、集電体23作製後のローラ28Aについて、凹部29の損傷状態を目視により観察した。なお、凸部25の高さは、図8に示す断面図において、基材部24の表面24aに垂直な方向の、表面24aから凸部25の先端表面までの長さである。結果を表6に示す。
表6から明らかなように、ローラ径25mmでは、凸部25の平均高さは10μmであった。しかしながら、ローラ28A自体にも比較的大きな撓みが発生し、凸部25高さのばらつきが大きかった。また、ローラ28Aの回転にむらがあり、連続的な加工は困難であると推測された。
ローラ径50mmでは、凸部25の平均高さは8.2μmであるが、ローラ28Aのたわみが少なからず認められ、凸部25の高さのばらつきは±1μm程度であった。また、集電体23作製後にローラ28Aの凹部29の観察をしたところ、多数の亀裂が発生していた。これらのことから、ローラ径がローラ28の寿命に大きな影響を及ぼすものと推測される。
ローラ径100mmでは、凸部25の平均高さは7.1μmであり、凸部25の高さのばらつきは±1μm以下であった。また、集電体23作製後にローラ28Aの凹部29の観察をしたところ、亀裂は認められなかった。さらに集電体23を500mおよび1000mを作製したが、やはり凹部29には亀裂は認められなかった。
ローラ径150mmでは、凸部25の平均高さは4.3μmであり、凸部25の高さのばらつきは±1μm以下であった。集電体23作製後にローラ28Aの凹部29の観察をしたところ、亀裂は認められなかった。さらに集電体23を1000m作製したが、やはり凹部29には亀裂は認められなかった。ただし、十分な高さを有する凸部25を得るためには、加圧力を非常に大きくする必要があり、そのためには設備サイズが大型化が必要であることがわかった。
表5および表6に示す結果に基づいて、実施例22で作製したローラ28Aが好適に使用できることがわかった。ローラ28Aの作製には、研磨工程では平均粒径30μmのダイヤモンド粒子を用い、凹部29の開口縁29aには溝29xを形成し、ローラ周面の平均表面粗さを0.4aとし、ロール径を100mmとした。
また、実施例20〜23で作製された集電体23では、基材部24と凸部25との境界部分25aが曲面から構成され、かつ図10に示す凸部25の断面が、テーパ形状を有している。これによって、圧縮加工時の加工性および集電体23のローラ28Aからの離型性が向上し、ローラ28Aの凹部29に凸部25がきつく嵌合し、集電体23から剥離するのを防止できた。
剥離し易い凸部25が多くある集電体23に負極活物質を担持した負極板で電極群を構成すると、充放電を繰り返す過程で前記集電体23が負極板のしわ発生の起点となり、負極活物質が剥離してしまうことがわかった。これは、集電体23の機械的強度のばらつきが原因であると考えられる。
このように、一対のローラを用いて加工することにより、非常に少ない接触面積での加圧が可能になり、加圧力を大きくすることができる。これにより、集電体製造装置35の小型化が可能になる。
(実施例24)
開口の形状がほぼ円形であり、深さ8μm、開口径10μmの凹部29を複数形成した図9に示すセラミックローラ28を、図3に示す集電体製造装置35におけるローラ4、5として装着した。集電体用金属箔10である厚さ15μmの帯状アルミニウム箔を、集電体製造装置35の圧接ニップ部34a(図11)に線圧10kN加圧下で通過させて部分的な非圧縮加工を行い、図16に示す正極用集電体80を作製した。図16は、本発明の実施形態の一つである集電体80の構成を模式的に示す図面である。図16(a)は集電体80の斜視図である。図16(b)は集電体80の縦断面図である。
得られた集電体80は、アルミニウムからなる基材部81と、基材部81の厚み方向の両面に規則的に形成される高さ5μmのほぼ円形の凸部82x、82y(以下「凸部82」とする)とを含み、その基材部81の厚みt7が12μm、最大厚みt8が20μmである帯状の集電体であった。幅方向(長手方向)Xにおいては、凸部82がピッチP5で一列に配列された行単位83が形成されている。短手方向Yにおいては、行単位83がピッチP6で平行に配列されている。さらに、行単位83と、それに隣り合う行単位83とでは、各凸部82が幅方向Xにおいて0.5P5分だけずれるように配置されている。このような凸部82の配列パターンは、最密充填配列である。
集電体80において、基材部81と凸部82との境界部分82aは曲面で構成されていた。これにより、圧縮加工時の加工性および集電体80のローラ28からの離型性が向上する。それと共に、ほぼ円形の凸部82が最密充填配列されているので、集電体80は、長手方向Xに加わる引張応力に対して十分な耐久性を有している。このため、集電体80の製造時、集電体80の加工時などに、集電体80に変形や撓みが局部的に生じるのを防止することができた。
また、集電体80の表面粗さを表面粗さ計で測定したところ、基材部81の表面81aは、加工前のアルミニウム箔よりも表面粗さが小さくなっていた。基材部81の表面81aの表面粗さは、セラミックローラ28の表面粗さとほぼ同じであった。
一方、凸部82の先端表面の表面粗さは、加工前のアルミニウム箔とほぼ同じであった。また、凸部82の先端表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、加工前のアルミニウム箔に観察されたのと同様の細かな擦れ傷が認められた。
さらに、集電体80について、後方散乱電子回折像(EBSP)法による結晶方位解析を行ったところ、基材部81の表面81aおよび凸部82の内部は、加工前のアルミニウム箔に比べて結晶粒が細かくなっていることが判った。また、集電体80の引張強度を測定した結果、基材部81の厚みが加工前のアルミニウム箔よりも薄くなっているにも関わらず、引張強度の低下は認められず、圧縮加工による加工硬化により引張強度が向上したものと推測される。
以上の解析結果から、アルミニウム箔に上記の加工を施したことで、凸部82の部分には圧縮加工が施されず、基材部81の表面81aには圧縮加工が施され、集電体80が得られたものと考えられる。
上記で得られた集電体80の両面に、正極合剤スラリーを塗布し、乾燥させ、総厚が126μmになるようにプレスし、片面の正極活物質層の厚みが58μmである正極を作製した。このものを所定の幅にスリッタ加工し、正極板を作製した。
正極合剤スラリーは、コバルトの一部をニッケルおよびマンガンで置換したコバルト酸リチウム100重量部、アセチレンブラック(導電材)2重量部、ポリフッ化ビニリデン(結着材)を活物質2重量部および適量のN−メチル−2−ピロリドンを双腕式練合機にて攪拌し混練することで調製した。
集電体80は、図16に示すように、ほぼ円形の凸部82が最密充填配列され、基板部81と凸部82との境界部分82aが曲面で構成されているので、長手方向Xに加わる引張応力に対して十分な耐久性を有していた。したがって、集電体80に正極合剤スラリーを塗布し、乾燥およびプレスして正極を作製する工程、正極を所定幅にスリット加工する工程などにおいて、集電体80に局部的な変形や撓みが生じるのを防止すると同時に、正極活物質層の脱落を抑止することができた。
(実施例25)
開口の形状がほぼ菱形であり、深さ10μm、菱形の長い方の対角線20μmの凹部29を複数形成した図9に示すセラミックローラ28Aを、図3に示す集電体製造装置35におけるローラ4、5として装着した。集電体用金属箔10である厚さ12μmの帯状銅箔を、集電体製造装置35の圧接ニップ部34a(図11)に線圧10kNの加圧下で通過させて圧縮加工を行い、部分的に塑性変形を発生させて、図17に示す負極用集電体85を作製した。図17は、本発明の実施形態の一つである集電体85の構成を模式的に示す図面である。図17(a)は集電体85の斜視図である。図17(b)は集電体85の縦断面図である。
得られた集電体85は、銅からなる基材部86と、基材部86の厚み方向の両面に規則的に形成される高さ6μmのほぼ菱形の凸部87x、87y(以下「凸部87」とする)とを含み、その基材部86の厚みt9が6μm、最大厚みt10が18μmである帯状の集電体であった。幅方向(長手方向)Xにおいては、凸部86がピッチP7で一列に配列された行単位88が形成されている。短手方向Yにおいては、行単位88がピッチP8で平行に配列されている。さらに、行単位88と、それに隣り合う行単位88とでは、各凸部87が幅方向Xにおいて0.5P7分だけずれるように配置されている。このような凸部87の配列パターンは、最密充填配列である。
集電体85において、基材部86と凸部87との境界部分86aは曲面で構成されていた。これにより、圧縮加工時の加工性および集電体85のローラ28からの離型性が向上する。それと共に、ほぼ菱形の凸部87が最密充填配列されているので、集電体85は、長手方向Xに加わる引張応力に対して十分な耐久性を有している。このため、集電体85の製造時、集電体85の加工時などに、集電体85に変形や撓みが局部的に生じるのを防止することができた。
また、集電体85の表面粗さを表面粗さ計で測定したところ、基材部86の表面86aは、加工前の銅箔よりも表面粗さが小さくなっていた。基材部86の表面86aの表面粗さは、セラミックローラ28の表面粗さとほぼ同じであった。
一方、凸部87の先端表面の表面粗さは、加工前の銅箔とほぼ同じであった。また、凸部87の先端表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、加工前の銅箔に観察されたのと同様の細かな擦れ傷が認められた。
さらに、集電体85について、後方散乱電子回折像(EBSP)法による結晶方位解析を行ったところ、基材部86の表面86aおよび凸部87の内部は、加工前の銅箔に比べて結晶粒が細かくなっていることが判った。また、集電体85の引張強度を測定した結果、基材部86の厚みが加工前の銅箔よりも薄くなっているにも関わらず、引張強度の低下は認められず、圧縮加工による加工硬化により引張強度が向上したものと推測される。
以上の解析結果から、銅箔に上記の加工を施したことで、凸部87の部分では圧縮加工に伴う塑性変形が起こり、基材部86の表面86aには圧縮加工が施され、集電体85が得られたものと考えられる。
電子ビーム加熱手段を備える真空蒸着装置の内部に、上記で得られた集電体85を装着した。ターゲットとして純度99.9999%の珪素を用い、純度99.7%の酸素を導入しながら蒸着を行い、集電体85の両面の凸部87表面に膜厚20μmのSiO0.5層を柱状に形成した。このものを所定の幅にスリッタ加工して負極板を作製した。
集電体85は、図17(a)に示すように、その両面にほぼ菱形の凸部87が最密充填配列で形成され、かつ基材部86と凸部87との境界部分87aが曲面で構成されている。このため、集電体85の長手方向Xに向かって負極活物質を蒸着する際に、凸部87表面に効率良く付着させることができる。
また、集電体85の長手方向Xに加わる引張応力に対して十分な耐久性を有している。このため、帯状の集電体85を作製する工程、集電体85表面に負極活物質を蒸着して負極板を作製する工程、負極板を所定の幅にスリットする工程などにおいて、集電体85に局部的な変形や撓みが生じるのが防止される。それと同時に、負極活物質の脱落を抑止することができた。
(実施例26)
開口の形状がほぼ円形であり、深さ10μm、開口径10μmの凹部29を複数形成した図9に示すセラミックローラ28を、図3に示す集電体製造装置35におけるローラ4、5として装着した。集電体用金属箔10である厚さ18μmの帯状銅箔を、集電体製造装置35の圧接ニップ部34a(図11)に線圧10kNの加圧下で通過させて圧縮加工を行い、部分的に塑性変形を発生させて、図16に示す負極用集電体80を作製した。
得られた集電体80は、銅からなる基材部81と、基材部81の厚み方向の両面に規則的に形成される高さ8μmのほぼ円形の凸部82x、82y(以下「凸部82」とする)とを含み、その基材部81の厚みt7が10μm、最大厚みt8が26μmである帯状の集電体であった。幅方向(長手方向)Xにおいては、凸部82がピッチP5で一列に配列された行単位83が形成されている。短手方向Yにおいては、行単位83がピッチP6で平行に配列されている。さらに、行単位83と、それに隣り合う行単位83とでは、各凸部82が幅方向Xにおいて0.5P5分だけずれるように配置されている。このような凸部82の配列パターンは、最密充填配列である。
集電体80において、基材部81と凸部82との境界部分82aは曲面で構成されていた。これにより、圧縮加工時の加工性および集電体80のローラ28からの離型性が向上する。それと共に、ほぼ円形の凸部82が最密充填配列されているので、集電体80は、長手方向Xに加わる引張応力に対して十分な耐久性を有している。このため、集電体80の製造時、集電体80の加工時などに、集電体80に変形や撓みが局部的に生じるのを防止することができた。
また、集電体80の表面粗さを表面粗さ計で測定したところ、基材部81の表面81aは、加工前の銅箔よりも表面粗さが小さくなっていた。基材部81の表面81aの表面粗さは、セラミックローラ28の表面粗さとほぼ同じであった。
一方、凸部82の先端表面の表面粗さは、加工前の銅箔とほぼ同じであった。また、凸部82の先端表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、加工前の銅箔に観察されたのと同様の細かな擦れ傷が認められた。
さらに、集電体80について、後方散乱電子回折像(EBSP)法による結晶方位解析を行ったところ、基材部81の表面81aおよび凸部82の内部は、加工前の銅箔に比べて結晶粒が細かくなっていることが判った。また、集電体80の引張強度を測定した結果、基材部81の厚みが加工前の銅箔よりも薄くなっているにも関わらず、引張強度の低下は認められず、圧縮加工による加工硬化により引張強度が向上したものと推測される。
以上の解析結果から、銅箔に上記の加工を施したことで、凸部82の部分には圧縮加工に伴って塑性変形が起こり、基材部81の表面81aには圧縮加工が施され、集電体80が得られたものと考えられる。
電子ビーム加熱手段を備える真空蒸着装置の内部に、上記で得られた集電体85を装着した。ターゲットとして純度99.9999%の珪素を用い、純度99.7%の酸素を導入しながら蒸着を行い、集電体85の両面の凸部87表面に膜厚25μmのSiO0.5層を柱状に形成した。このものを所定の幅にスリッタ加工して負極板を作製した。
集電体80は、図16(a)に示すように、その両面にほぼ円形の凸部82が最密充填配列で形成され、かつ基材部81と凸部82との境界部分82aが曲面で構成されている。このため、集電体80の長手方向Xに向かって負極活物質を蒸着する際に、凸部82表面に効率良く付着させることができる。
また、集電体80の長手方向Xに加わる引張応力に対して十分な耐久性を有している。このため、帯状の集電体80を作製する工程、集電体80表面に負極活物質を蒸着して負極板を作製する工程、負極板を所定の幅にスリットする工程などにおいて、集電体85に局部的な変形や撓みが生じるのが防止される。それと同時に、負極活物質の脱落を抑止することができた。
実施例24で得られた正極板および上記で得られた負極板を用い、図12に示す円筒型非水電解質二次電池40を作製した。まず、正極板50、セパレータ52、負極板51およびセパレータ52をこの順番で重ね合わせ、渦巻き状に捲回して電極群41を作製した。さらに、図9に示したように正極板15と負極板17とをセパレータ19を介して渦巻状に巻回した電極群14を作製した。この電極群41を有底円筒形の電池ケース47の内部に絶縁板44と共に収容した。電極群41の下部より導出した図示しない負極リードを電池ケース47の底部に接続し、次いで電極群41の上部より導出した正極リード42を封口板45に接続し、電池ケース47に所定量の非水溶媒からなる電解液(図示せず)を注液した。その後、電池ケース47の開口部に封口ガスケット46を周縁に取り付けた封口板45を挿入し電池ケース47の開口部を内方向に折り曲げてかしめ封口することにより、本発明の非水系二次電池40を作製した。
上記非水系二次電池40において渦巻状に巻回した電極群41を作製した後に、この電極群41を解体して観察したところ正極板50、負極板51ともに電極板切れや活物質層の脱落などの不具合は認められなかった。さらに、この非水系二次電池40を300サイクル充放電させたが、サイクル劣化もなく300サイクル後に非水系二次電池40および電極群41を解体したところ、リチウム析出、活物質層の脱落などの不具合は認められなかった。
これは、圧縮加工が施されていない凸部表面に活物質層の薄膜を柱状に形成することで、リチウム吸蔵時における活物質層の薄膜の膨張およびリチウム放出時における活物質層の薄膜の収縮による体積変化を緩和する効果により、良好な電池特性を維持できたものと考えられる。
以上の実施例で述べてきたように、本発明の非水系二次電池用電極板は集電体の基材部と凸部との間の境界部分が曲面で構成されることで、圧縮加工時の加工性および集電体の離型性が良好である。また、集電体の凸部の先端表面は圧縮加工が施されていないが故に、加工を施したことによる加工歪が残留せず、凸部先端表面の面精度が良好であるため、均一な薄膜状活物質層の形成が可能である。また、凸部が圧縮加工に伴う塑性変形により形成されるので、凸部先端表面は表面粗さが小さくなることもなく、初期の表面粗さを維持している。したがって、薄膜状の活物質層との密着力が高いものと考えられる。
この観点からすれば、凸部平面と電極活物質合剤層との密着力をさらに高めるためには、加工前の集電体の表面をあらかじめさらに粗な状態しておくことは非常に有効であると考えられる。
また、本発明の非水系二次電池における活物質層は凸部先端表面に柱状に形成するのが好ましい。これにより、非水系二次電池の充放電に伴ったリチウム吸蔵時における活物質層の膨張およびリチウム放出時における活物質層の収縮による体積変化を緩和される。その結果、充放電による電極板切れや活物質層の脱落などの不具合が一層発生し難く、高容量で信頼性の高い非水系二次電池が得られる。
本発明に係る非水系二次電池用の集電体および電極板の製造方法によると、電極板を作製するための集電体の強度を確保すると共に、集電体上に形成した凸部の上に電極活物質を効率良く担持することができ、信頼性の高い非水系二次電池が得られるため、電子機器および通信機器の多機能化に伴って、高容量化が望まれている携帯用電子機器類の電源などとして有用である。
本発明の実施形態の1つである集電体の製造方法を模式的に示す縦断面図である。 圧縮加工に伴う集電体用金属箔の塑性変形を模式的に説明する縦断面図である。 集電体製造装置の構成を模式的に示す側面図である。 図3に示す集電体製造装置の要部の構成を拡大して示す斜視図である。 圧縮加工に用いられるローラの構成を示す図面である。図5(a)はローラの外観を示す斜視図である。図5(b)は図5(a)に示すローラの表面領域を拡大して示す斜視図である。 本発明の実施形態の1つである別形態の集電体の製造方法を模式的に示す縦断面図である。 本発明の非水電解質二次電池用集電体の製造方法により得られる集電体の構成を模式的に示す縦断面図である。 図7に示す集電体の製造方法を模式的に示す縦断面図である。 圧縮加工に用いられる別形態のローラの構成を示す図面である。図8(a)はローラの外観を示す斜視図である。図8(b)は図8(a)に示すローラの表面領域を拡大して示す斜視図である。図8(c)は図8(b)に示すローラ周面に形成された凹部を拡大して示す斜視図である。 本発明の非水電解質二次電池用集電体の製造方法により得られる別形態の集電体の構成を模式的に示す縦断面図である。 図10に示す集電体の製造方法を模式的に示す縦断面図である。
本発明の実施形態の一つである捲回型非水電解質二次電池の構成を模式的に示す部分分解斜視図である。 本発明の実施形態の一つである積層形非水電解質二次電池の構成を模式的に示す縦断面図である。 実施例5で得られる集電体の構成を模式的に示す図面である。図14(a)は斜視図である。図14(b)は縦断面図である。 実施例6で得られる集電体の構成を模式的に示す図面である。図15(a)斜視図である。図15(b)は縦断面図である。 実施例24で得られる集電体の構成を模式的に示す図面である。図16(a)斜視図である。図16(b)は縦断面図である。 実施例25で得られる集電体の構成を模式的に示す図面である。図17(a)斜視図である。図17(b)は縦断面図である。 実施例1で得られる集電体の断面の電子顕微鏡写真である。 比較例1で得られる集電体の断面の電子顕微鏡写真である。 従来技術の集電体の構成を模式的に示す斜視図である。 従来技術の電極の構成を模式的に示す縦断面図である。
符号の説明
1,15,20,23,70,75,80,85 集電体
2,16,21,24,71,76,81,86 基材部
3,17x,17y,22,25x,25y,72x、72y、77x、77y、82x、82y,87x,87y 凸部
4,5,28 ローラ
4a,29 凹部
6,34,34a 圧接ニップ部
10 集電体用金属箔
29a 境界部分
29x 溝
35 集電体製造装置
36 金属箔供給手段
37 加工手段
38 集電体巻取り手段
40 非水電解質二次電池
55 積層形電池

Claims (21)

  1. 表面が互いに圧接してシート状物が通過可能な圧接ニップ部を形成するように設けられかつ少なくとも一方の表面に複数の凹部が形成された一対の加工手段を用い、集電体用金属箔を加工手段の圧接ニップ部に通過させて圧縮加工を行い、集電体用金属箔の少なくとも一方の表面に複数の凸部を形成する非水電解質二次電池用集電体の製造方法。
  2. 凸部の先端表面の表面粗さが圧縮加工前の集電体用金属箔の表面粗さとほぼ同じである請求項1に記載の製造方法。
  3. 凹部の加工手段表面に垂直な方向の断面は、該断面の加工手段表面に平行な方向の幅が加工手段表面から凹部底面に向けて徐々に小さくなるテーパ形状を有している請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 凸部の体積が、凹部の内部空間の体積以下になるように圧縮加工する請求項1〜3のいずれか1つに記載の製造方法。
  5. 凸部の体積が、凹部の内部空間の体積の85%以下になるように圧縮加工する請求項1〜4のいずれか1つに記載の製造方法。
  6. 表面に複数の凹部が形成された加工手段において、凹部と加工手段の表面との境界が曲面である請求項1〜5のいずれか1つに記載の製造方法。
  7. 凹部と加工手段の表面との境界の曲面形状が、凹部をレーザ加工にて形成し、レーザ加工により生じる、凹部と加工手段の表面との境界の隆起を除去することにより形成される請求項6に記載の製造方法。
  8. 平均粒径30μm以上、53μm未満のダイヤモンド粒子で研磨することにより、隆起を除去する請求項7に記載の製造方法。
  9. 凹部と加工手段の表面との境界に幅1μm以下、深さ1μm以下の溝が複数形成されている請求項6〜8のいずれか1つに記載の製造方法。
  10. 平均粒径5μm以下のダイヤモンド粒子で研磨することにより、溝を形成する請求項9に記載の製造方法。
  11. 一対の加工手段が一対のローラであり、少なくとも一方のローラの表面に凹部が形成されている請求項1〜10のいずれか1つに記載の製造方法。
  12. 凹部が形成されているローラの表面および凹部の内部空間を臨む表面に、超硬合金、合金工具鋼または酸化クロムを含有する表面被覆層が形成されている請求項11に記載の製造方法。
  13. 表面被覆層の表面に、非晶質炭素材料を含有する保護層が形成されている請求項12に記載の製造方法。
  14. 表面被覆層および保護層が、スパッタリングを利用する物理的気相成長法、イオン注入を利用する物理的気相成長法、熱蒸着を利用する化学的気相成長法およびプラズマ蒸着を利用する化学的気相成長法よりなる群から選ばれる少なくとも1つの気相成長法により形成される請求項12または13に記載の製造方法。
  15. 少なくとも一方のローラが、表面にセラミック層を設けたローラであり、セラミック層の表面に凹部が形成されている請求項1〜10のいずれか1つに記載の製造方法。
  16. ローラまたは集電体用金属箔の表面に潤滑剤を塗布し、乾燥させている請求項1〜10のいずれか1つに記載の製造方法。
  17. 潤滑剤が脂肪酸を含有する請求項16に記載の製造方法。
  18. 集電体用金属箔からなる基材部と、基材部の少なくとも一方の表面から基材部の外方に延びるように形成される複数の凸部とを含み、基材部表面と凸部との境界が曲面である非水電解質二次電池用集電体。
  19. 請求項1〜17のいずれか1つに記載の非水電解質二次電池用集電体の製造方法により製造される非水電解質二次電池用集電体または請求項18の非水電解質二次電池用集電体の表面に、正極活物質または負極活物質を担持させる非水電解質二次電池用電極の製造方法。
  20. 非水電解質二次電池用集電体の凸部表面に、正極活物質または負極活物質を担持させる請求項19に記載の非水電解質二次電池用電極の製造方法。
  21. 正極、負極、セパレータおよび非水電解質を含有する非水電解質二次電池であって、
    正極および負極の少なくとも一方が、請求項19または請求項20の非水電解質二次電池用電極の製造方法により製造された電極である非水電解質二次電池。
JP2007296872A 2006-11-15 2007-11-15 非水電解質二次電池用集電体の製造方法、非水電解質二次電池用電極の製造方法および非水電解質二次電池 Withdrawn JP2008270153A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2007/072221 WO2008059937A1 (fr) 2006-11-15 2007-11-15 Procédé de fabrication d'un collecteur pour un accumulateur non aqueux, procédé de fabrication d'une électrode pour un accumulateur non aqueux et accumulateur non aqueux
US12/447,230 US20100003599A1 (en) 2006-11-15 2007-11-15 Method for producing current collector for non-aqueous electrolyte secondary battery, method for producing electrode for non-aqueous electrolyte secondary battery, and non-aqueous electrolyte secondary battery
CN2007800419422A CN101536223B (zh) 2006-11-15 2007-11-15 非水电解质二次电池用集电体及其制造方法、电极的制造方法以及非水电解质二次电池
JP2007296872A JP2008270153A (ja) 2006-11-15 2007-11-15 非水電解質二次電池用集電体の製造方法、非水電解質二次電池用電極の製造方法および非水電解質二次電池
KR1020097010044A KR101139639B1 (ko) 2006-11-15 2007-11-15 비수전해질 이차전지용 집전체의 제조방법, 비수전해질 이차전지용 전극의 제조방법 및 비수전해질 이차전지

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006308774 2006-11-15
JP2006321495 2006-11-29
JP2006321496 2006-11-29
JP2007059443 2007-03-09
JP2007083733 2007-03-28
JP2007296872A JP2008270153A (ja) 2006-11-15 2007-11-15 非水電解質二次電池用集電体の製造方法、非水電解質二次電池用電極の製造方法および非水電解質二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008270153A true JP2008270153A (ja) 2008-11-06

Family

ID=40049369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007296872A Withdrawn JP2008270153A (ja) 2006-11-15 2007-11-15 非水電解質二次電池用集電体の製造方法、非水電解質二次電池用電極の製造方法および非水電解質二次電池

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20100003599A1 (ja)
JP (1) JP2008270153A (ja)
CN (1) CN101536223B (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012127563A1 (ja) * 2011-03-18 2012-09-27 アロイ工業株式会社 リチウムイオン電池とその電極
JP2012227067A (ja) * 2011-04-21 2012-11-15 Sony Corp 非水電解質電池、巻回電極体用集電体、積層電極体用集電体および非水電解質電池用集電体の製造方法
KR101592812B1 (ko) * 2015-01-30 2016-02-05 현대자동차주식회사 2차 전지 및 그 제작방법
JPWO2014024991A1 (ja) * 2012-08-10 2016-07-25 日本ゼオン株式会社 リチウムイオン二次電池用多孔膜組成物、リチウムイオン二次電池用セパレータ、リチウムイオン二次電池用電極、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法及びリチウムイオン二次電池用電極の製造方法
KR20190006210A (ko) * 2017-07-10 2019-01-18 주식회사 엘지화학 리튬 금속 전극용 3d 패턴 타발기
CN113560129A (zh) * 2021-06-09 2021-10-29 上海兰钧新能源科技有限公司 一种锂电池基材涂布系统及方法
CN115094383A (zh) * 2022-07-01 2022-09-23 江阴纳力新材料科技有限公司 一种基于蒸镀的复合正极集流体制备装置及方法

Families Citing this family (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010080272A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Panasonic Corp 電池用極板の製造方法
US8927156B2 (en) * 2009-02-19 2015-01-06 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Power storage device
JP2010239122A (ja) * 2009-03-09 2010-10-21 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 蓄電デバイス
JP5446612B2 (ja) * 2009-08-28 2014-03-19 Tdk株式会社 リチウムイオン二次電池
CN102292850B (zh) * 2010-04-12 2013-11-06 丰田自动车株式会社 电池用电极的制造方法
US8962190B1 (en) * 2010-12-17 2015-02-24 Hrl Laboratories, Llc Three-dimensional electrodes with conductive foam for electron and lithium-ion transport
DE102011003722A1 (de) * 2011-02-07 2012-08-09 Robert Bosch Gmbh Strukturierter Ableiter für Batteriezellen
DE102011100607A1 (de) * 2011-05-05 2012-11-08 Li-Tec Battery Gmbh Elektrochemische Zelle
JP6095961B2 (ja) 2011-12-06 2017-03-15 株式会社半導体エネルギー研究所 角形リチウム二次電池
JP6181948B2 (ja) * 2012-03-21 2017-08-16 株式会社半導体エネルギー研究所 蓄電装置及び電気機器
AU2013363982A1 (en) * 2012-12-20 2015-08-06 Rajiv Bhushan Anti-plaque oral compositions
DE102015200325A1 (de) 2015-01-13 2016-07-14 Robert Bosch Gmbh Elektrode für eine Batteriezelle und Batteriezelle
US20180019476A1 (en) * 2015-01-30 2018-01-18 The Regents Of The University Of California Modified charge collectors and cell cases for enhanced battery-cell robustness
HUE064385T2 (hu) * 2016-06-21 2024-03-28 Zeon Corp Összetétel nemvizes akkumulátor funkciós réteghez, funkcionális réteg nemvizes akkumulátorhoz és nemvizes akkumulátor
KR102109832B1 (ko) * 2017-02-23 2020-05-12 주식회사 엘지화학 이차전지용 플라즈마 발생장치 및 그를 포함하는 라미네이션 시스템
KR102208515B1 (ko) 2017-06-27 2021-01-26 주식회사 엘지화학 전극 조립체 및 그를 포함하는 리튬 이차전지
WO2019189821A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 富士フイルム株式会社 固体電解質シート、全固体二次電池用負極シート及び全固体二次電池の製造方法
CN108789611A (zh) * 2018-08-16 2018-11-13 无锡臻致精工科技有限公司 微孔箔制造方法及微孔箔制造装置
CN111276668B (zh) * 2018-12-05 2023-03-10 丰田自动车株式会社 全固体电池用电极层叠体及其制造方法
CN113036233B (zh) * 2019-12-09 2022-10-04 中国科学院大连化学物理研究所 一种锌基单电池电极结构及应用
KR20210085283A (ko) * 2019-12-30 2021-07-08 삼성전자주식회사 활물질 구조체, 활물질 구조체를 포함하는 전극 구조체, 활물질 구조체를 포함하는 이차 전지, 및 활물질 구조체의 제조 방법
CN111834601A (zh) 2020-08-27 2020-10-27 中航锂电技术研究院有限公司 极耳及包含该极耳的电池
CN112599780A (zh) * 2020-12-14 2021-04-02 中国科学院过程工程研究所 一种锂浆料电池集流体表面改性处理的方法
JP7208277B2 (ja) * 2021-01-27 2023-01-18 プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社 電極製造装置および電極製造方法
JP7208281B2 (ja) * 2021-02-22 2023-01-18 プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社 二次電池用電極の製造方法
WO2022180737A1 (ja) * 2021-02-25 2022-09-01 株式会社 東芝 電池及び電池の製造方法
KR20220125929A (ko) * 2021-03-08 2022-09-15 현대자동차주식회사 전고체전지용 전극의 제조방법, 및 이에 따라 제조된 전고체전지용 전극
CN114914455B (zh) * 2022-05-16 2024-04-16 荣烯新材(北京)科技有限公司 一种集流体箔片表面微造型装置以及方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5264306A (en) * 1988-11-14 1993-11-23 Mixon, Inc. Lead-acid storage cell grid
JP3446206B2 (ja) * 1992-12-28 2003-09-16 株式会社ユアサコーポレーション エキスパンド網,エキスパンド網の製造方法,及び鉛蓄電池用極板
JPH07335208A (ja) * 1994-06-10 1995-12-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電池用塗着式電極およびその製造方法
CN1170249A (zh) * 1996-05-17 1998-01-14 片山特殊工业株式会社 电池电极基板用金属片材及使用该金属片材的电池电极
JP4352623B2 (ja) * 2001-03-09 2009-10-28 パナソニック株式会社 二次電池集電体用ニッケル箔の製造方法
JP4027255B2 (ja) * 2003-03-28 2007-12-26 三洋電機株式会社 リチウム二次電池用負極及びその製造方法
JP2004342519A (ja) * 2003-05-16 2004-12-02 M & G Eco Battery Institute Co Ltd ペースト式薄型電極を用いた電池とその製造方法
US7678034B2 (en) * 2003-12-30 2010-03-16 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Embossing roll and embossed substrate
CN100420526C (zh) * 2004-08-10 2008-09-24 日立金属株式会社 板轧制用超硬合金制复合辊及其耐热龟裂性的评价方法
CN2765904Y (zh) * 2004-12-12 2006-03-22 范兴宽 陶瓷复合压辊
JP2006172773A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Ngk Spark Plug Co Ltd 薄型電池
JP5181413B2 (ja) * 2005-09-13 2013-04-10 日立電線株式会社 電気化学装置用電極、固体電解質/電極接合体及びその製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012127563A1 (ja) * 2011-03-18 2012-09-27 アロイ工業株式会社 リチウムイオン電池とその電極
JP2012227067A (ja) * 2011-04-21 2012-11-15 Sony Corp 非水電解質電池、巻回電極体用集電体、積層電極体用集電体および非水電解質電池用集電体の製造方法
JPWO2014024991A1 (ja) * 2012-08-10 2016-07-25 日本ゼオン株式会社 リチウムイオン二次電池用多孔膜組成物、リチウムイオン二次電池用セパレータ、リチウムイオン二次電池用電極、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池用セパレータの製造方法及びリチウムイオン二次電池用電極の製造方法
KR101592812B1 (ko) * 2015-01-30 2016-02-05 현대자동차주식회사 2차 전지 및 그 제작방법
KR20190006210A (ko) * 2017-07-10 2019-01-18 주식회사 엘지화학 리튬 금속 전극용 3d 패턴 타발기
KR102246631B1 (ko) 2017-07-10 2021-04-30 주식회사 엘지화학 리튬 금속 전극용 3d 패턴 타발기
CN113560129A (zh) * 2021-06-09 2021-10-29 上海兰钧新能源科技有限公司 一种锂电池基材涂布系统及方法
CN115094383A (zh) * 2022-07-01 2022-09-23 江阴纳力新材料科技有限公司 一种基于蒸镀的复合正极集流体制备装置及方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20100003599A1 (en) 2010-01-07
CN101536223A (zh) 2009-09-16
CN101536223B (zh) 2012-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008270153A (ja) 非水電解質二次電池用集電体の製造方法、非水電解質二次電池用電極の製造方法および非水電解質二次電池
JP4364298B2 (ja) 集電体、電極および非水電解質二次電池
JP5153734B2 (ja) 非水電解質二次電池用集電体
JP4831075B2 (ja) 非水電解質二次電池
KR101128632B1 (ko) 리튬 2차 전지
JP5210162B2 (ja) 非水電解質二次電池用負極とその製造法および非水電解質二次電池
US20080248386A1 (en) Electrodes with raised patterns
JP4362544B2 (ja) 二次電池およびその製造方法
JP2010080432A5 (ja)
JP2010262860A (ja) リチウムイオン電池
US20210408608A1 (en) Electrode assembly and manufacturing method therefor
JP2008300255A (ja) 電気化学素子用電極とそれを用いた電気化学素子
WO2020059711A1 (ja) リチウムイオン二次電池、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池用正極
JP2005190787A (ja) 非水電解質二次電池用電極板およびその製造方法
JP2008277255A (ja) 電気化学素子用電極とそれを用いた電気化学素子
US20220149340A1 (en) Anode having high top layer sphericity
KR101139639B1 (ko) 비수전해질 이차전지용 집전체의 제조방법, 비수전해질 이차전지용 전극의 제조방법 및 비수전해질 이차전지
JP2009199973A (ja) 非水系二次電池用集電体およびこれを用いた非水系二次電池用電極板と非水系二次電池
JP2008123939A (ja) 非水系二次電池用電極板およびこれを用いた非水系二次電池
JP2014160540A (ja) リチウムイオン二次電池用負極とその製造法、およびその負極を用いたリチウムイオン二次電池
JP3969189B2 (ja) 角形電池およびその製造法
JP2008010419A (ja) 電気化学素子用電極およびこれを含む電気化学素子の製造方法
JP6699351B2 (ja) 電極の製造方法および電極の検査方法
JP7177210B2 (ja) リチウムイオン二次電池用電極、及びリチウムイオン二次電池
JP2006172808A (ja) 電池の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20081107

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101006

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20130108