JP2008238812A - 固体基板に染色昇華画像を連続的に形成する装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】その上に形成された画像を持つ染料キャリアで、染料昇華画像を基板内に形成する方法を提供する。
【解決手段】染料キャリアの画像は、基板の第1表面に対して置かれる。基板および染料キャリアは第1部分および第2部分を持つ経路に沿って搬送される。連続的な圧力が経路の第1部分および第2部分において基板の第1表面に対して与えられる。染料キャリアは、経路の第1部分において昇華温度まで加熱される。染料キャリアはそれから経路の第2部分において除圧温度まで冷却される。
【選択図】図1D

Description

本発明は、プラスチックの固体シート内の画像形成に関する。より具体的には本発明は、染料昇華または染料転写画像をプラスチックの固体シート内に連続的に形成する装置に関する。
プラスチックが現れてから、その使用者および製造者は、プラスチック上に印刷する、つまり画像を形成する実現可能な手段を探してきた。他の材料、例えば金属、木材などに用いる従来の画像技術は、プラスチック上に永久画像を形成するのに用いるときは、一般には成功をおさめてきていない。そのような従来の画像技術の例としては、これらに限定されないが、塗料、デカール、ラッカー、および染料がある。一般に従来の画像またはマーキング技術を利用するのに付随する問題は、プラスチックが一般に持つある種の化学的および物理的特性による。
プラスチックの大きな優位性のうちの一つは、それらが本質的に非常に滑らかな表面を持つ複雑な形に形成されえることである。これはそのようなプラスチック物体の製造者には優位性だが、きわめて滑らかでしばしば化学的に耐性のあるプラスチック表面の性質は、その塗料などへの応用を不満足なものにしている。エナメルのような多くの塗料はプラスチックに塗布されると、プラスチックが曲げられたり、または摩擦または温度変化など画像が物理的なストレスを受けるときに、薄片になったり、またははがれ落ちる傾向にある。
永久的な摩擦に強い画像をシートプラスチックに形成する方法を求めて、この分野の技術者は、プラスチックは、「染料昇華」として知られる染料プロセスを利用して画像形成されるある種の繊維と分子的に似る傾向にあると指摘している。既知の染料昇華プロセスによれば、例えば装飾デザインのような画像は、染料キャリア上に昇華印刷インクで形成され、これは転写紙または補助キャリアと呼ばれることもある。染料キャリアは、これだけではないが、しばしば紙で作られる。染料キャリア上の画像を印刷することは、これらに限定はされないが、オフセットまたはロータリー印刷方法など、いくつかの既知の印刷方法によって実行される。染料キャリア上の印刷画像は、染料キャリアから、そのデザインで装飾されるべき繊維または布へ繊維昇華によって転写され、これは転写印刷とも呼ばれる。
染料昇華印刷技術に用いる適切な既知の染料はいくつか存在する。実際に用いられる染料または染料キャリアは、その染料が昇華できる限り、本発明の原理にとって重要ではない。すなわち染料は、熱を加えられると直接に固体状態から蒸気状態に昇華する。昇華印刷に適した印刷インクのあるタイプは、昇華可能染料をバインダおよび酸化添加物を利用して準備する。「昇華可能」という語はここで昇華が可能であることを意味する。
現在、染料昇華画像を繊維に形成するためには、印刷される染料キャリアはその色が印刷される側を印刷されるべき繊維表面に置いて、その後、加熱される。染料が約170〜220℃に達すると、それらの染料は繊維に昇華し、所望の画像がそれによってその繊維中に形成される。
上述の議論から、染料昇華印刷の優位性の一つには、画像が印刷される繊維、または基板中の構造内に実際に形成されることがある。これは多くの印刷技術とはまったく対照的であり、それらにおいて画像は単に基板の表面上に形成されるだけである。表面上に形成された画像は、多くの応用例には完全に適しているが、他のものについて最適ではない。例として、繊維中に形成された染料昇華画像の前述の議論において、もし繊維がカーペットのように実質的な摩耗に曝されるなら、そのカーペットの表面上だけに、または個々のカーペット繊維の表面上だけに形成された画像は、速く摩耗する傾向にあることが理解されよう。
表面画像を形成するのに適したほとんどのインクは不透明である傾向があることがさらに理解されよう。再び、これは多くの応用例には適している。しかし結果としてできる物が光沢または半透明の特性を持つことが望ましい場合には、そのような不透明なインクを用いると所望の半透明画像が得られなくなってしまう。
Dybvigの米国特許第3,649,332号は、プラスチックへの転写印刷の初期の試みを開示する。332号特許によれば、その上に形成された画像を持つ感光性染料キャリアが、真空プラテン上で多孔性紙の仮受容シートに対して置かれ、2つのシートが密着し、固定位置を保つように充分な真空が確立される。転写シートは、受容シートに接触する表面上に染料コーティングを持ち、外側表面上に感光性酸化亜鉛コーティングを持つ。外側表面は、ポジの色原画から色分離光画像に曝されることによって潜像を与える。
伝導性放射光吸収トナー粒子を持つ高電位の伝導性ローラが、露出された表面を通り、トナーを光の当たっていない領域に堆積させる。表面はそれから短時間、強い赤外放射光に曝され、染料が赤外吸収の色が付けられた領域に転写されることを引き起こす。真空がそれから取り除かれ、感光性シートが除去され、第2染料を持つ第2感光性シートと置き換えられ、プロセスは適当な色分離フィルタを用いて繰り返される。このプロセスは、第3フィルタおよび感光性シートを用いて再び繰り返され、完全な3色の中間体を作る。
中間体の一つ以上の部分がそれからシートから切り取られる。これらの部分は透明な受容フィルムに対して所望の配置で置かれ、それらの上には前述の青色染料コーティングを持ち、転写シートの感光性コーティングを持たない紙染料源シートが置かれる。3つのレイヤは互いに押し付けられ、短時間、加熱される。その後、フィルムは除去され、鮮明に透明でフルカラーの複写を同様に透明で青色の背景の上に保持できることが見いだされる。
Haighまたは故Haighの米国特許第4,059,471、4,202,663、および4,465,728号は、染料転写画像をプラスチック表面、特に薄膜に形成する方法を詳細に記載する。これらのいくつかの特許は、1975年1月13日に出願された米国特許出願第540,383号から直接に由来するか、またはその分割または一部継続出願である。これらの特許のそれぞれは、例えばポリオレフィンキャリアウェブのようなキャリアウェブを染料受容体プラスチックウェブと分散された染料を含有する転写ウェブとの間に置くことによって、染料パターンを染料受容体プラスチックウェブ、特に2〜20ミルの厚さの薄膜の上に形成する染料転写プロセスを利用する。その後、いくつかのウェブが密着するように押し合わせられ、染料に適した昇華温度に加熱され、いくつかのウェブは、染料の大部分が昇華し、転写ウェブからポリオレフィンウェブを通して染料受容体ウェブに転写されるまでのあいだ、転写昇華温度で維持される。その後、それらいくつかのウェブは染料受容体ウェブの軟化温度より下に冷却され、染料受容体ウェブは他のウェブから分離される。
Gloverの米国特許第4,242,092号は、カーペットまたは瓦のような通気性のあるシート構造上への昇華印刷の方法を教示する。092号特許によると、通気性シート構造は、一方の側に昇華染料を保持する通気性プリント箔を、通気性シート構造と、面と面が向かい合う関係に密着させて置くことによって印刷される。その上に印刷される染料を持つ箔の側は、通気性シート構造と接触して置かれ、箔は染料を気化させるのに適した温度および時間で加熱される。同時に、気体または蒸気圧差が加えられて箔上方の空間から箔およびシート構造の間を通るエアの流れを作り、それにより染料蒸気がシート構造の中を通り、その中に画像を形成させる。
Sumiらの米国特許第4,662,966号は、例えばタイプライタのキーのように、平面上を列状に保持され加熱される複数の物に転写印刷をする装置を教示する。966特許は、この装置がさらに複数の物を加熱口に運ぶコンベヤを含み、この加熱口は、内側に備えられた赤外放射ヒータを有することを開示する。この装置は、物品ホルダについて一定の位置に物品を保持する保持装置をさらに含む。他のホルダは、転写シートを第2の所定位置に保持するよう設計される。転写シートは、その上に温度拡散可能な染料のパターンレイヤを有する。転写シートを物品に押し付け、パターンが物品上に転写印刷されるようにする手段と、複数の物品を持つ物品ホルダを加熱装置およびさまざまな保持装置を通して運ぶコンベヤとがさらに提供される。
Krajecらの米国特許第4,664,672号は、染料転写プロセス中に薄い染料キャリアを印刷面に押し付けることによって、プラスチックでできた、またはプラスチック表面コーティングを持つ物体へ転写印刷する方法を教示する。これは超大気圧手段によって達成され、ここで表面は、プラスチック物体の熱可塑性範囲以下の温度を維持する。672特許によって教示される方法によれば、例えば紙染料キャリアである染料キャリアは、インクの昇華温度より低く予め乾燥される。染料キャリアは、例えばメガネ型フレームにクランプされ、印刷される表面に接触しないように近接して位置させられる。その後、加圧されたガスがキャリアの後ろ側に供給され、ガスがわずかに超大気圧の状態で直接または間接に染料キャリアの後ろ側に吹き付けられ、キャリアを物体に押し付ける。その後、加熱源、例えば熱ラジエータが置かれ、その放射が染料キャリアの後ろ側に向けられる。
Claveauの米国特許第5,308,426号は、伸縮可能で通気性があり、物体の形状に沿う材料でできた「インクサポート」を形成することによって、はっきりと不規則な非平面物体に昇華画像を形成するプロセスを教示する。このインクサポートは、物体を包むために用いられ、物体はそれから真空装置中に置かれる。真空装置は、インクサポートを内に置き、それから加熱された空間に入れられ、装飾されるべき物体の表面全体にわたって装飾の転写を行う。426特許の発明で利用されるインクキャリアとして適した伸縮可能な通気性材料の例には、織られた布、編まれた布、および不織材料が含まれる。
Zaherの米国特許第5,997,677号は、キャリアを加熱し、エアサクションによってキャリアを基板と接触するように置き、キャリアおよび基板の間に負圧が生じるようにすることで、プラスチック基板上にデザインされた色の付けられた装飾を施す方法を教示する。その後、赤外放射への不均質な曝露がキャリアに向けられ、染料のうち流行色の部分に放射が行われる。
固体プラスチックへ適用される多くの既知の染料昇華印刷方法は、圧力、温度、染料ロット、基板ロット、および多の製造条件に対してあまりに敏感なので、少なくとも一人の発明者は、その発明の努力を純粋に染料昇華印刷のためのプラスチック基板の条件設定だけに傾注した。この条件設定は、Johnstonの米国特許第5,580,410号において教示され、説明される。
正確で、鮮やかで、耐久性のある画像を固体プラスチックシートに形成することが長いあいだ求められているプラスチック画像産業のゴールであるとして、それならなぜ現在もこの方法を利用して印刷され、商品に形成可能なプラスチックの平面固体シートが存在しないのか。他の発明者がこの分野で成功しえなかったことは、多くは、前述の特許に開示された発明が理論的には実現可能であるが、実際にはそれらの使用は、画像付きの平面プラスチックシートを商業的に受け入れられるコスト、または商業的に受け入れられる量で提供しえなかったという事実による。成功例が存在しないことにはいくつかの理由がある。
多くの既知のプロセスが商業的に成功した画像付き物品を生まなかった第1の理由は、それらが遅いことである。うまく画像を形成するにはより長い時間を必要とする、または効果を出すために多くの複雑で微妙なステップを必要とする画像プロセスは、うまく画像付きの平面プラスチックシートを生むかもしれないが、それは商業的に生き残れないほど効果な画像となってしまう。さらに以前の画像プロセスは、あまりに温度変化に敏感で、ほんのわずかな処理温度の変化も受け入れられない画像または廃棄された基板につながる。
これら多くの既知のプロセスが所望の結果を産むのに失敗した第2の理由は、前述のこれらのプロセス変数のいくつかに密接に関係する。多くの従来の染料昇華画像プロセスの一つの特に悪い欠点は、染料昇華画像を固体プラスチック基板に形成するために、基板はその温度をその熱可塑性限界より上にしなければいけないことである。多くの場合、これは実質的に基板を液化させ、それに付随して染料キャリアが液化して粘つく基板に不必要に付着することとなる。これはもちろん、少なくとも一部の染料キャリアがしばしば永久に付着した基板を生む。その付着した染料キャリアを冷却された基板から剥がすことが可能であるとしても、この剥がすことは表面仕上げを損なうだけでなく、実行するためのさらなるマン・アワーについて多大な費用を必要とする。
染料キャリアが粘着性の基板に不必要に付着することを避けるために、いくつかの前述の発明は、ある種の材料を基板および染料キャリアの間に置くことに依存する。これらの材料の例としは、タルカムまたは通気性ウェブのような離型剤を含む。そのような離型剤または分離材料は、場合によっては、染料キャリアが基板に不必要に付着することを防ぐが、これは画像付き製品の質を大きく下げる。これらの方法は、表面仕上げ、画像解像度、または基板への画像位置合わせにおいて低品質化をきたす。
最後に、最も重要なことは、固体プラスチックシートに適用されると、既知の染料昇華画像プロセスは、このシートを収縮させ、そらせ、歪ませる傾向にある。収縮、ソリ、および歪みの程度は、プロセスによって、基板によって変化するが、既知の染料昇華画像技術で遭遇されるこれらの欠陥は、中程度にシワができた表面から、ポテトチップの平坦さに相当する大きく歪んだシートにまで及ぶ。固体プラスチックシートの染料昇華画像の目的は、シート内に画像を形成し、一方でその実質的な平坦さを収縮せずに、そらずに、歪みのない状態で維持することにあり、既知のプロセスは完全に成功しているとは言い難い。さらに他の染料昇華プロセスによってプラスチックシートに画像化させる技術的パフォーマンス仕様の一つ以上は、シートをプロセスに供するとしばしば満足されない。これらの技術パフォーマンス仕様は、これらに限定されないが、収縮、耐衝撃性、寸法の正確さ、および機械的強度を含む。
明らかに必要なのは、収縮せず、そらず、歪みのない、元々のプラスチックシートの技術パフォーマンス仕様を全て維持するプラスチックシートを生む染料昇華プロセス手段によって、耐久性のある、明瞭で、鋭い画像を、固体の平坦なプラスチックシートに形成する方法である。
したがって最終的に求められるのは、染料転写画像を固体基板内に連続的に形成する少なくとも一つの方法、およびそのような方法を行うことができる装置である。
本発明は、昇華型染料の形成された画像を持つ染料キャリアで基板内に染料昇華画像を形成する方法を提供する。染料キャリアの画像は、基板の第1表面に対して置かれる。基板および染料キャリアは第1部分および第2部分を持つ経路に沿って運搬される。経路の第1部分および第2部分の中で、およびその間では、基板の第1表面に対して連続的な圧力が与えられる。染料キャリアは、経路の第1部分において昇華温度まで加熱される。染料キャリアはそれから、経路の第2部分において除圧温度まで冷却される。
代替として、昇華型染料の形成された画像を持つ染料キャリアで基板の第1表面内に染料昇華画像を形成する装置が提供される。基板および染料キャリアを第1部分および第2部分を持つ経路に沿って運搬するコンベヤが備えられる。連続圧力システムは、染料キャリア上に形成された画像を基板の第1表面に対して押し付ける。ここで連続圧力システムは、加熱および冷却、およびそれらのあいだに連続的な圧力を基板の第1表面に対して印加する。基板および染料キャリアが経路の第1部分にあるときに、染料キャリアを昇華温度まで加熱するヒータが設けられる。基板および染料キャリアが経路の第2部分にあるときに、染料キャリアを除圧温度まで冷却する冷却機が設けられる。ここで連続的な圧力は、染料キャリアが加熱される以前から、染料キャリアが冷却される以降まで連続的に印加される。
さらに昇華された画像を持つ形成された物体を形成する方法が提供される。画像を持つ染料キャリアが設けられる。染料キャリアの画像は基板の第1表面に対して置かれる。連続的な処理機械内において、染料キャリアは昇華温度まで加熱される。連続的な処理機械内において、染料キャリアは除圧温度まで冷却される。染料キャリアは基板から取り外される。画像は基板の前記第1表面に昇華される。基板は加熱される。基板は形成された物体へ熱形成される。形成された物体は冷却される。
さらに、昇華された画像をプラスチック基板上に生成する方法が提供される。コンピュータ上でディジタル画像が選択される。コンピュータプリンタを用いて選択されたディジタル画像が染料キャリア上に染料昇華インクで印刷される。染料キャリアの画像が基板の第1表面に対して置かれる。連続的な処理機械内において、染料キャリアは昇華温度まで加熱される。連続的な処理機械内において、染料キャリアは除圧温度まで冷却される。染料キャリアは基板から取り外される。画像は基板の第1表面に昇華される。
さらに積層された基板中に昇華された画像を形成する方法が提供される。フィルムの第1の側上に画像を持つフィルムが与えられる。フィルムの第1の側が基板に積層される。画像は基板内に昇華される。
さらに形成された昇華された画像を持つ積層された基板が提供される。フィルムの第1の側上に画像を持つフィルムが与えられる。フィルムの第1の側が基板に積層される。画像が基板内に昇華させられる。
本発明のこれら、および他の優位性は、以下の詳細な説明を読み、図面中のさまざまな図を吟味することによって明らかになろう。
参照番号は、図面のいくつかの図にわたり本発明の同一または等価な部分を参照する。
以下の議論は、多くの要素によって実現される本発明の一つ以上の好ましい実施形態を中心にしている。ここで説明された実施形態がある種の商業的に入手可能な要素を特定する場合、これらは例示のためであることが当業者には理解されよう。本発明の原理は、さまざまな構成で実現可能であり、これらの原理は具体的にそのような実施形態の全てを想定する。
以下の議論は、プラスチックシートのようなものへの染料昇華画像形成に向けられるが、本発明の原理は、さまざまな人工および天然にできるシート材料基板の染料昇華画像形成に優位に適用されえ、そのような基板はこれらに限定されないが、金属、石、木、ロウ、ポリマー、モノマー、樹脂、繊維、布、ガラス、鉱物、革、およびそれらの合成物である。本発明の原理は、具体的にこのような応用例を想定する。
図1A〜1Hをここで参照すれば、本発明によって教示される染料昇華画像を基板、特に固体プラスチック基板に形成する方法が示される。図1Aには、プラテン10が示され、これにはその上に受動冷却装置12が重ねて置かれている。本発明の原理は具体的に、能動的または受動的、およびその両方の冷却装置を利用することを後述するように想定している。本発明のある実施形態においてプラテン10は、複数の真空オリフィス14が貫通する平坦なアルミ板である。真空オリフィス14は、さらに真空システム240に接続される。受動冷却装置12の上に置かれるのは、染料昇華画像をその上に形成されるための基板1である。染料昇華画像を形成するために、前述の染料昇華インクを利用してその上に画像5が印刷された染料キャリア3が基板1の上に置かれる。
本発明のこの実施形態の受動冷却装置12は、非常に低い熱容量を持つパネルを備え、その理由は後述される。本発明のある実施形態は、ガラス繊維強化されたプラスチックの上部および下部表面を持つ、六角形ハニカムの(hex-cell)アルミニウムコアの複合サンドイッチパネルの利用を想定する。受動冷却装置12としての実現に適したそのようなパネルの一つは、カンザス州、ウィチタ、Burnham Compositesから入手可能なFiber-Lok、No.2330サンドイッチパネルである。本発明のこの実施形態によれば、受動冷却装置12は、プラテン10よりもより小さい表面範囲しか持たず、しかし少なくともその上で処理される基板よりは広い表面範囲を持つ。これは後述するように、隔膜16のために真空経路を形成するために利用できる少なくともいくつかのオリフィス14が存在するようにするためである。
次に図1Bを参照して、隔膜(membrane)16が、冷却装置12、基板1、および染料キャリア3を含む積層体の上に配置される。隔膜16はさらにプラテン10の少なくとも一部と重なる。隔膜16は取り扱いを簡単にするために、この図では示されない眼鏡状フレーム(spectacle frame)に嵌められえる。隔膜16は、基板ー染料キャリアの積層体が密着するようクランプする目的で実質的に気密封止を形成する。隔膜16はまた、温度変化のあいだに基板1が反る(warp)こと防ぐために充分な強度を持たなければならない。この温度変化は、一つの染料昇華サイクルを構成し、後述するようにこれにより染料昇華画像形成および染料キャリア除去が可能になる。
隔膜16の他の望ましい特性は、基板1および染料キャリア3に刷り込まれた(imprinted)昇華染料と実質的に化学的に相容性がある(compatible)だけでなく、染料昇華画像形成中に基板1または染料キャリア3からガス化してできた副産物とも相容性がある。
本発明のある実施形態においては、隔膜16のより低い表面は、わずかに表面模様が付けられることで連続的な真空チャネルが隔膜16および染料キャリア3の間の境界面にわたって生じるようになっており、隔膜および染料キャリアの間には気泡が形成されることはない。これらの気泡は、染料キャリア3を基板1にクランプすることすら不可能にしえる。この表面模様はまた、クランプが必要ではなくなったときに真空リリース(vacuum release)としても働き、真空をなくすための空気抜きとしても働く。
さらに滑らかに型に入れ、プラテン10とともに、冷却装置−基板ー染料キャリアの積層体のいくつか要素にわたって流れるように、隔膜16は、可撓性のある材料で形成されることが望ましい。垂直方向にかなり厚い、例えば約1インチの厚さよりも大きい染料キャリアー基板ー冷却装置の積層体上で用いられるとき、より滑らかにこれらのいくつかの要素上に成形し、流れるように、隔膜は弾性材料で形成されることがさらに望ましい。ここで教示される画像形成プロセスは、600°Fまで達する温度を持続する期間とともに、急激な温度変化を利用するので、隔膜は耐熱性を有するだけでなく、高温および低温間の繰り返される温度サイクルにも硬化したり、ひび割れたり、構造的な完全性を失ったり、または前述の特性のうちの任意のものを失ったりすることなく耐えることができる必要もある。
前述の議論から、多くの材料が隔膜16に適することが理解されよう。そのような材料の例としては、これらに限定されないが、加硫ゴム、シリコーン、ブチルゴム、ポリマー、クロロポリマー、フルオロポリマー、および他の自然または人工弾性シートが含まれる。隔膜16は実質的に連続的に染料キャリア3と接触し、それまでは受動冷却装置12によって覆われなかった真空オリフィス14の実質的に全てを覆う。
図1Cをここで参照し、本発明のある実施形態のクランプステップが説明される。少なくとも一つの、好ましくは複数の真空オリフィス14を含むプラテン10の少なくとも一部とともに染料キャリアー基板ー冷却装置の積層体上にすでに配置されている隔膜16は、ここで20で示されるように大気圧クランプ圧を及ぼす。ここで用いられる語「大気クランプ圧力(atmospheric clamping pressure)」とは、基板および染料キャリアをクランプするために、周囲圧力と、隔膜の下の圧力との圧力差を用いることを意味する。この大気クランプ圧力は、真空、空気圧、またはこれら2つの組み合わせによって実現できる。
議論している実施形態においては、大気クランプ圧力20は、複数の真空オリフィス14のうちの少なくとも一つを真空システム240に接続し、それによって18に示す真空を隔膜16の下側に与える。真空システム240は、図1A〜BおよびD〜Hでは図面の簡潔さのために省略されていることに注意されたい。海面レベルで実質的に完全な真空が得られる場合、これは理論的には、染料キャリアー基板積層体の全体表面にわたってほぼ14.7psiのクランプ力を生むことになる。実際には完全な真空というのはめったに得られず、いずれにしても一般には必要ない。完全な真空に満たない場合に生じる14psiに等しいクランプ力は、他の方法によって得られる染料転写画像よりもはるかに優れた画像を生むことがわかっている。基板の機械的特性、染料転写温度、および本発明の原理の応用例で生じさせられる温度イベントの性質に依存して、より低いクランプ力も利用されえる。
上述の実施形態は真空クランプを利用するが、代替実施形態は、真空クランプによって可能な非常に均一なクランプ力を得る他の手段を利用する。これら代替手段としてはこれらに限定されないが、圧力均一化レイヤ、例えばスポンジゴムまたは犠牲硬質スポンジシートを組み込んだ機械的クランプパッドの使用、および空気圧クランプ、例えばバッグプレス(bag press)の使用が含まれる。
また前述の真空クランプ圧力を含むクランプ力は処理制御変数としても働くことに注意されたい。ある種の基板におけるある種の画像形成ルーチンについては、上述の定格の1気圧クランプ圧力(nominal one atmospheric clamping pressure)より上、または下にクランプ力を変更することが有利かもしれない。1気圧よりも低いクランプ力は、真空レギュレータを利用して実現および維持されえる。1気圧よりも高いクランプ力は、追加のクランプ力で真空クランプ圧力を増強することによって実現されえる。この後者のオプションを達成する方法は、隔膜上に重ねられたバッグプレス(bag press)によるものである。バッグプレスの膨張したときの力は、隔膜だけで得られる真空クランプを補う。
図1Dをこんどは参照して、染料昇華画像を形成するための第1の、つまり加熱温度イベントが隔膜ー染料キャリアー基板積層体上に以下のように適用される。すなわち熱エネルギーが隔膜16および染料キャリア3を通して基板1に加えられる。本発明のこの実施形態においては、製造効率の点だけでなく、後に染料キャリア3を基板1から取り除く有効性の点からも、熱エネルギー22はなるべく急激に基板1に与えられることが有利であることがわかっている。熱エネルギー22は、隔膜16にダメージを与えない当業者に知られる実質的に任意の方法で隔膜16を通して与えられえる。前に与えられた大気クランプ力はこのステップを通して維持される。
適用可能な熱転写方法の例としてはこれらに限定されないが、電気抵抗加熱、例えば隔膜16に組み込まれた、または隔膜16の上または下に設けられた電気抵抗ワイヤによるもの、蒸気、炎、または加熱された液体を含む加熱ガスの流れの隔膜16の上面への適用によるもの、または隔膜16の上部への放射エネルギーを与えることによるものがある。そのような放射エネルギーの例としてはこれらに限定されないが、赤外ランプによって加えられる赤外エネルギー、または紫外放射、またはマイクロ波放射がある。熱エネルギー22を加える他の代替方法は、隔膜16の上部表面に伝導性の加熱源、例えば加熱されたプレートを提供することがある。再び、このプレートは、プレート内部の空間に加熱された液体または気体の流体を導入することを含む、既述の任意の既知の加熱方法によって加熱されえる。
プラスチック、例えば熱成形プラスチックは、それらの内部温度に依存して特に異なる物理的属性を有する。室温では多くの商業的に利用可能な熱成形プラスチックは実質的に硬く、例えば硬質シート状である。温度スペクトラムの一方の端においては、熱成形プラスチックを実質的にその成形温度より上に加熱すると、プラスチックの実質的な液化が起こり、それに付随してプラスチックが液化するにしたがいプラスチックによって形成された構造が壊れる。これらの2つの両極端の中間には、プラスチックが軟化し、しかしまだ完全には液化しない温度が存在する。本発明の染料昇華プロセスが行われるのは、これらの中間温度においてである。
画像形成染料を固体から蒸気状態に昇華させるのとともに、同時に基板1を機械的および化学的に染料の導入に適するようにするために、基板の温度、よって染料キャリアの温度は、プラスチックの硬く、一般に不浸透性の状態からプラスチックが軟化し始め昇華染料が蒸気化する温度を超えて上げられなければならない。プラスチックの構造的な完全性を保持するため、またプラスチックの機械的パフォーマンス仕様(technical performance specifications)を維持するために、プラスチックが液化する点まで加熱されてはいけない。もちろん理想の温度は、応用例に特定であり、プラスチックシートのタイプおよび厚さに依存するだけでなく、画像形成染料の性質にも依存する。
基板1および染料キャリア3の内部温度を上げるための熱エネルギー22の印加は、本発明の第1温度イベントを含む。第1温度イベントの持続期間は、再び、応用例に特定であり、経験的に決定される。第1温度イベントの持続期間を決定する基準の一つは、プラスチック中に画像がどの程度、浸透することが望ましいかである。
図1Eをこんどは参照して、実際には基板1の染料昇華画像形成が行われる第1温度イベントに続いて、第2の、つまり冷却温度イベントが行われ、ここで基板および染料キャリアは真空クランプ力を受けたまま保たれる。再び、以前に印加された真空18は、24において熱エネルギーの除去を含むこの第2温度イベント中も維持される。真空クランプ圧力下における第2の急速冷却温度イベントは、従来の染料昇華画像形成技術に対して優位性を呈することがわかっている。
このステップから得られる第1の優位性は、従来の方法によるそれと比べ、染料キャリア3を基板1から離すのが非常に改善されることである。実際、急速冷却第2温度イベントと合わせ、第1温度イベントの温度および持続期間を注意深く調節することによって、染料キャリア3が基板1に不必要に付着することを完全になくせる。理論に拘るのをよしとはしないが、第2温度イベントによって行われる急速冷却は、染料キャリア3および基板1の間に温度または機械的ショックをある程度、及ぼし、これはこれら2つの要素が分離するように働く。これは、他の方法によって必要とされた特別な中間染料転写ウェブまたは時間のかかる予備画像形成状態設定プロセスを必要としない。
このステップによって得られる第2の優位性は、基板表面全体にわたって強く均一に印加されたクランプ力を利用することなしに加熱および冷却することによって生じた基板の不必要な歪みの前述した問題に関する。再び理論に拘るのをよしとはしないが、従来の染料昇華技術は、基板の加熱および冷却を起こすことによって、制限の加えられない基板内で内力を開放し、これが冷却中には基板をねじり、収縮させ、かつ反らせると信じられている。強固であるが弾力性のある隔膜16を含む大気クランプ方法、例えば前述の大気クランプ技術を利用することによって、本発明は、染料昇華画像形成プロセスのいくつかの温度イベントを通してシートの実質的に平坦な形状を保持することを強制的に行うことで実質的にこの問題を防ぐ。
図1F〜1Hをこんどは参照して、第2冷却温度イベントの終了において、26で真空が解かれ、隔膜16は染料キャリアー基板積層体から28で離される。その後、染料キャリア3および基板1は、受動冷却装置12から持ち上げられる。この時点で、染料キャリア3によって保持された画像は、基板1内に形成されている。染料のプラスチック内での浸透度は、いくつかのファクターに依存する。これらには、昇華温度、クランプ力、および熱エネルギーおよびクランプ圧力の印加持続期間が含まれる。
本発明による方法を実施する第1の装置は、図2A〜2Cおよび3を参照して開示される。染料転写装置200は、テーブルアセンブリ202、少なくとも一つのプラテンアセンブリ204、熱画像形成ユニット206、および真空システム240を含む。テーブルアセンブリ202は、熱画像形成ユニット206およびプラテンアセンブリ204を支持する。後述するように、複数のプラテンアセンブリ204を利用することは、製造効率の点で優位性を呈する。したがってこの装置のある好ましい実施形態においては、プラテンアセンブリ204および204’の対が提供され、これらは実質的に同一である。テーブルアセンブリ202は好ましくは、プラテンアセンブリ204および204’が熱画像形成ユニット206内に回転して収められるように構成される。プラテンアセンブリ204および204’のこの挿入を実現するために、ローラまたはスライドのシステムが用いられえる。これらのローラは好ましくは、テーブルアセンブリ202上の一連のローラ群220として形成され、これらを横切ってプラテンアセンブリ204および204’がスライドする。代わりに、ローラまたはスライドは、プラテンアセンブリ204および204’の下の側に設けられてもよい。エアクッション、磨いた金属のスライド、およびPTFEスライドを含む他のスライドー摩擦軽減方法ももちろん用いられえる。
装置200は、真空システム240もさらに備えられる。真空システム240は、真空源、例えば真空ポンプ242およびオプションとして真空溜め244を含み、これは真空ポンプ242への配管245に接続される。この真空源はそれから可撓性配管246および真空バルブ248によってプラテンアセンブリ204、より具体的には、その真空オリフィス14に接続される。配管および真空バルブの同様の組み、246’および248’は、真空源をプラテンアセンブリ204’に接続する。真空バルブ248および248’の駆動は、手動、遠隔操作、または自動のいずれでもよい。本装置の好ましい実施形態においては、真空バルブ248および248’は、制御ステーション300から電気的に制御される。
図2Bをこんどは参照し、熱画像形成ユニット206およびプラテンアセンブリ204の詳細が示される。プラテンアセンブリ204は、穿孔されたアルミニウムプラテン10を含み、その上には受動冷却装置12が配置される。フレーム、ここで「眼鏡型フレーム」とも言及されるものが片側においてプラテン10にヒンジ208によって蝶番式に付けられている。フレーム216は、それにマウントされた前述の弾性隔膜16を有し、この隔膜はフレームによって形成される開口を覆う。本発明のこの実施形態においては、隔膜16は、デュポン社のViton(商標)の表面模様が付けられたシートの形をとる。
この実施形態における熱画像形成ユニット206は、実質的に空洞の箱形のシャーシ207であり、このシャーシはその上に熱源をマウントされる。この熱源は、実質的に任意の前述の加熱方法を実現すればよく、本発明のこの実施形態においては、少なくとも一つの、好ましくは複数の赤外電球209を含む。シャーシ207は、ヒンジ210によってテーブルアセンブリ202にヒンジ式で取り付けられ、閉じられて、シャーシ207がプラテンアセンブリ204上に下げられると、熱画像形成ユニット206がプラテンアセンブリ204の上に面一で位置する。
装置200の動作は図2B〜Cを参照してさらに説明される。ある画像形成サイクルの始めにおいては、フレーム216は、図2Bの左側で示されるように開かれており、プラスチック基板1のシートが冷却装置12の上に挿入される。その後、その上に印刷された染料画像5を保持する染料キャリア3が、染料画像5が基板1に直接に接触するように配置される。実質的に既知の染料昇華染料材料を利用した画像を染料キャリア3上に印刷することによって、染料画像5は有利に形成されえる。その後、図2Bの右側に示されるようにフレーム216は、染料キャリアー基板ー冷却装置積層体上で実質的に閉じられる。その後、真空バルブ248が開かれ、真空システム240に隔膜16下の領域を真空排気させる。この真空排気は、隔膜16をプラテン10および前述の積層体に封止し、染料転写プロセスを実現するための大気クランプ力を印加する。これはまた、染料キャリア3の位置決めを基板1に対して維持し、新規なやりかたで前述のように基板1の不要な歪みを防ぐ。
いったん適切な真空クランプ力が得られるとプラテンアセンブリ204はスライドされて熱画像形成ユニット206のシャーシ207の下に配置され、シャーシ207はプラテンアセンブリ204の上に配置される。熱画像形成ユニット206のシャーシ207、およびプラテンアセンブリ204のフレーム216がヒンジで上げられたり、下げられたりすることは、手動で行われてもよく、または当業者に既知の任意の持ち上げ方法によって有利に行われえることに注意されたい。これらの持ち上げ方法にはこれらに限定されないが、空気圧シリンダ、油圧シリンダ、サーボモータ、スプリング装置、カウンタウェイト、スクリューまたはギア装置、および当業者に既知である全ての他の持ち上げおよび降下方法が含まれる。
シャーシ207がプラテンアセンブリ204上に下げられた後、赤外電球209が点灯され、これにより隔膜16、染料キャリア3および基板1の加熱22が行われ、一方で、染料キャリア3および基板1は前述のクランプする真空に引かれたままを保つ。隔膜16の下の温度は、受動冷却装置12および隔膜16の間に位置する熱電対212によってモニタされえる。もちろん当業者に既知の代替の温度モニタリング方法も用いられえる。赤外電球209は、基板、昇華染料、および所望の染料転写画像形成に最適であると経験的に決定された特定の時間のあいだ点灯されたままを保つ。
いったん特定の熱画像形成時間が経つと、赤外電球209は消灯され、シャーシ207は持ち上げられ、プラテンアセンブリ204はシャーシ207の下から除去され、真空は隔膜16の下で維持される。2つのプラテンアセンブリ204および204’を持つこの装置の実施形態の優位性がここで示される。24においてプラテンアセンブリ204は真空クランプの下で冷却される一方、すでにロードされ真空クランプされているプラテンアセンブリ204’は熱画像形成ユニット206のシャーシ207の下に配置される。シャーシ207はそれからプラテンアセンブリ204’のフレーム216の上に下げられ、熱源、例えば赤外電球209が再び点灯される。したがってプラテンアセンブリ204および204’のうちの一つが冷却されるときに、他方は加熱され、そのときそれらの各々の基板/染料キャリア積層体はクランプ力を印加されたまま保たれる。
受動冷却装置を用いる本発明のこの実施形態においては、冷却24は、プラテンアセンブリ204を周囲空気温度に曝すことで得られる。この曝露は、プラテンアセンブリ204の表面にわたって、特に隔膜16にわたって、ファンまたは他の空気流発生装置によって周囲空気の流れを作ることによって増強されえる。受動冷却装置12は、基板1、染料キャリア3および隔膜16の少なくとも一部を以下のように受動的に冷却する。すなわち非常に小さな熱容量であって、受動冷却装置は少ししか不要な熱を蓄えない。いったん第1の温度イベントが完了し、第2の温度イベントが始まると、受動冷却装置12は、追加のオーバヘッドを少ししか必要とせずに隔膜およびその下の要素を急速に冷却することを可能にする。
再び、基板1が歪みなくその硬い状態に戻るのに充分に冷たい温度に達するまで、隔膜16の下の温度は熱電対212によってモニタされる。その後、真空バルブ248が駆動され、隔膜16の下の真空を放ち、それによって基板1および染料キャリア3へのクランプ力を開放する。いったんクランプ圧力が開放されると、基板1および染料キャリア3は、そこからフレーム216を持ち上げた後、プラテンアセンブリ204から除去されえる。2つのプラテンアセンブリ、例えば204および204’を用いて、このように基板を交互に加熱および冷却することによって、画像形成スループットはほとんど2倍になる。
本発明のこの実施形態のある応用例においては、80ミルのアクリルシートが基板1として用いられた。アクリルシートは、それを受動冷却装置12上に位置づけし、それから染料キャリア3を図示するようにその上に重ねることによって画像形成された。眼鏡型フレーム216はそれからアクリルシートおよび染料キャリア3上に降ろされ、隔膜16で覆われた。この実施形態においては、シリコーンラバーシートが隔膜16として用いられた。隔膜16の下の空間の排気の後で、この実施形態について前述のように処理が進む。この場合、アクリルシートは10分間、350°Fの温度で処理された。この第1温度イベントの後、前述のように冷却が進められた。
前述のように本発明のある実施形態は放射加熱を用い、他の実施形態は伝導加熱を利用する。そのような伝導加熱装置は図4A〜4Cおよび6を参照して示される。この実施形態は、前述の装置の多くの特徴を併せ持つが、大きな違い一つある。すなわち、前述の装置が放射加熱を用いたのに対して、この実施形態は伝導加熱板(conductive heating plate)402を利用することである。テーブル202および真空システム240は前述のようであり、プラテンアセンブリ204および204’も同様である。しかしこの実施形態においては、熱画像形成ユニット400は、その中を通る水平トンネル450を規定する。
伝導加熱板402は、熱画像形成ユニット400の一部の中に横たわるトンネル450に引き込み可能に(retractably)マウントされる。この実施形態の伝導加熱板402は、典型的には、引き込み機、この実施形態では一つ以上のテンションスプリングによって上に引き込まれる。これらに限定されないが、カウンタウェイト、空気圧シリンダ、真空シリンダ、チェーン、バッグプレス、ケーブル、油圧シリンダ、および電気機械的装置のような当業者に既知の代替の引き込み装置が同様の機能をもって用いられる。
伝導加熱板402の上部表面403と熱画像形成ユニット400の内部表面401との間には、クランプまたは押圧装置があり、これはテンションスプリング406とは逆に働き、伝導加熱板402を隔膜16と接触するように押圧する。ここで示された実施形態においては、この押圧装置はバッグプレス404の形をとる。バッグプレス404は、制御可能な圧縮されたガス源または空気源に不図示の配管およびバルブで接続され、加熱板402を隔膜16と接触するように押圧する。もちろん当業者に既知の代替のクランプまたは押圧装置を用いてこの機能を達成してもよい。そのような非限定的な例としては、油圧シリンダ、空気圧シリンダ、電磁押圧装置を含む磁気押圧装置、カムシャフト、クランクシャフト、ウェッジ、および当業者に既知の実質的に直線運動を与える他の方法が含まれる。
熱画像形成ユニット400を通して切り取り内部を示す図4B〜4Cおよび10をこんどは参照して、この実施形態の動作が説明される。図4Aにおいて、プラテンアセンブリ204は、熱画像形成ユニット400からちょうど取り除かれたところである。プラテンアセンブリ204’は、前のように基板1および染料キャリア3が装填されている。この時点で、プラテンアセンブリ204および204’は、真空バルブ248および248’が真空システム240へと開放されることで、真空クランプ圧力下に保持される。伝導加熱板402は、テンションスプリング406によって上に引き込まれ、プラテンアセンブリ204’が熱画像形成ユニットユニット400内へトンネル450によってスライドして挿入されるようになっていることが理解されよう。
伝導加熱板402は、これらに限定されないが、電気抵抗ワイヤリング、加熱された気体または液体を伝導加熱板402の内部の空洞部403への導入、伝導加熱板の放射または対流加熱、一つ以上のガスジェットを含む裸火、および制御可能に伝導金属板を加熱するための実質的に任意の方法を含む当業者に既知である任意の手段によって加熱されえる。参照された図面で示される実施形態においては、伝導加熱板402は平らなアルミニウム板の形をとり、少なくとも一つの迷路状通路が形成されることによって部分的に空洞になっている。この図に示される実施形態においては、伝導加熱板402は、配管およびバルブによってオイル循環ポンプを含むオイルヒータに接続される。オイルヒータはよって、それが板を加熱したいときには、制御可能な加熱されたオイルの流れを伝導加熱板402の内部迷路状通路を通して供給する。加熱されたオイルの流れは、高温オイルバルブおよび高温オイル配管562によって温度調節するよう制御されて、伝導加熱板402を所望の温度に維持し、または所望の温度範囲内に維持する。
図4Cにおいて、プラテンアセンブリ204’は、スライド可能にトンネル450を通って熱画像形成ユニット400内に挿入され、伝導加熱板402はバッグプレス404によって隔膜16’の上部表面と密着する。この押圧は、圧縮空気バルブ452および圧縮空気配管450によって圧縮されたガス、または空気の制御された流れをバッグプレス404の内部に導くことによって実現される。伝導加熱板402は、基板1および染料キャリア3を所望の昇華温度に設定するだけ充分な温度に加熱され、基板を所望の期間だけ隔膜16を通して加熱する。この第1温度イベントがこのように行われる一方で、すでに熱画像形成ユニット400から取り除かれたプラテンアセンブリ204は前述のように24において冷却される。
バッグプレス404はまた、真空クランプだけによって得られる定格の1大気圧クランプ圧力(nominal one atmosphere clamping pressure)を超えて染料キャリア3および基板1に印加されるクランプ圧力を増すのに用いられる。本発明のこの実施形態においては、バッグプレスに加圧することによって得られる補助クランプ力は、さらにクランプ力を20気圧追加することを可能にし、その場合基板/昇華染料の組み合わせはそのように上げられたクランプ力を保証する。
いったん基板1の温度が所望の温度まで所望の期間上げられると、再び圧縮空気バルブ452および圧縮空気配管450によってバッグプレス404内の圧力は取り除かれる。伝導加熱板402はそれから、図4Bに示される位置にテンションスプリング406によって引き込まれる。その後、プラテンアセンブリ204’は、熱画像形成ユニット400から図4Aで示される位置へと除去され、プラテンアセンブリ204は、そのすでに印刷された基板の冷却に続いて、再装填がなされており、熱画像形成ユニット400へ挿入される準備ができている。
本発明のこの実施形態のある応用例においては、80ミルのSintra(登録商標)シートが基板1として用いられる。Sintra(登録商標)シートは、それを受動冷却装置12上に配置させ、それから示されるように染料キャリア3をその上に重ねることによって画像形成がなされた。眼鏡状フレーム216がそれからSintra(登録商標)シートおよび染料キャリア3上に降ろされ、それらを隔膜16によって覆う。この実施形態においては、Viton(登録商標)フルオロエラストマシートが隔膜16として用いられた。隔膜16の下の空間の排気の後、この実施形態についての処理が前述のように進められる。この場合、Sintra(登録商標)シートは、5〜7分間、温度285°Fにおいて処理された。この第1温度イベントに続いて、前述のように冷却が行われた。
前に開示された本発明の実施形態は、プラテンアセンブリ204がスライド可能に熱画像形成ヘッドの下に配置されるようにするために、例えば220のようにローラのシステムを利用するが、本発明の原理は、プラテンアセンブリ204および204’を熱画像形成ユニット400の下に配置する代替の方法も想定する。これらの方法にはこれらに限定されないが、一つ以上のプラテンアセンブリ204を熱画像形成ユニット400に対して垂直に位置付けること、およびそのようなプラテンアセンブリ204を熱画像形成ユニット400の下に回転可能に位置付けることも含まれる。さらにプラテンアセンブリ204は手動で熱画像形成ユニット400に対して位置付けられてもよいが、本発明の原理はさらに不図示の位置付け部材を用いて、プラテンアセンブリ204のスライド可能な位置付けをも想定する。そのような位置付け部材の例としてはこれらに限定されないが、空気シリンダ、油圧シリンダ、ギア、ネジ駆動部、ギア駆動部、ケーブル、チェーン、電気コイル、電気機械的装置、および当業者に既知の他の位置付け方法が含まれる。
図5A〜5B、6、および7を参照して、能動冷却システムを用いる本発明の実施形態がさらに開示される。再び、テーブル202、熱画像形成ユニット400、および真空システム240は、実質的に前述の通りである。しかしこの実施形態は、前述の受動冷却装置12の代わりに能動冷却要素550を導入している。本発明のある実施形態によれば、能動冷却要素550は、熱伝導性平板、例えばアルミニウム板を備え、この平板は、その中に少なくとも一つの内部空洞551を規定し、それは冷却システム520に接続される。冷却システム520は、能動冷却剤要素550を冷却源522に接続する配管524およびバルブ526を備える。
冷却源522は、当業者に既知の実質的に任意の冷却または冷凍方法を用いえる。例示としてであって限定ではなく、そのような方法はこれらに限定されないが、冷却された液体および気体の流れ、空洞551への過冷却された液体、例えば液体窒素の供給、および小さなオリフィスによる空洞551からの膨張する気体の流れであって結果として要素550を冷却するものが含まれる。
ここで開示された方法の実現は、この実施形態を以下のように利用して行われる。いったんプラテンアセンブリ204が熱画像形成ユニット500に入れられ、伝導加熱要素502に対してアラインされると、圧縮された気体、例えば空気の流れがバルブ452および加圧配管450を通ってバッグプレス404の内部へと導かれ、バッグプレス404を膨張させ、伝導加熱要素502を下に押し下げて隔膜16と密着するようにする。バッグプレス404内の圧力を維持することによって、伝導加熱要素502は、隔膜16と密着したまま保持される。この圧力は不図示の圧力レギュレータによって維持または調節される。
伝導加熱要素502はこの実施形態においては、オイルヒータ560から伝導加熱要素502の内部503へと加熱オイル配管562を通して導かれた加熱されたオイルの制御された流れによって加熱される。加熱されたオイルの流れは、高温オイルバルブによって制御される。不図示のオイル還流ラインは、冷却されたオイルを伝導加熱要素502からオイルヒータ560へ戻す。熱電対212は、隔膜16下の温度を測定する。
いったん隔膜16下の温度が所望の昇華温度に到達すると、第1つまり加熱温度イベントの持続期間のあいだ加熱されたオイルの連続的な流れによって、温度はその温度に維持される。その後、圧力がバッグプレス404からバルブ452によって解かれ、テンションスプリング406は伝導加熱要素502を上に引き込み、バッグプレス404を圧縮する。それから冷やされた水の制御された流れが冷却板550の内部空洞551に冷却水配管524および冷却水バルブ526によって冷却源522から導かれ、第2の、つまり急速冷却温度イベントを起こす。不図示の水還流ラインは、暖められた水を冷却源522に再冷却のために戻す。再び、基板1の温度は、熱電対212によって測定され、基板1がその実質的に硬い状態に戻ると、能動冷却板550への冷やされた水の流れは、冷却水バルブ526によって止められる。これで第2の、つまり冷却の温度イベントが終わる。
この点でプラテンアセンブリ204は、熱画像形成ユニット500からトンネル450を通ってスライド可能に引き込まれ、基板1および染料キャリア3上へのクランプ圧力を維持していた真空は、真空バルブ248および真空配管246によって解放される。その後、フレーム216はプラテン10から引き上げられ、所望の画像をいまや保持する染料キャリア3および基板1の両方が能動冷却板550の上から除去される。その後、プラテンアセンブリ204’は熱画像形成ユニット500の中に導かれ、前述のように処理が繰り返される。プラテンアセンブリ204は、他のブランク基板1および染料キャリア3を再び装填し、プラテンアセンブリ204はそれから、前述の真空クランププロセスに続いて、熱画像形成ユニット500の中に挿入される準備ができる。
他の代替物が図8を参照して提示される。この実施形態は、図7に示された実施形態と類似であるが、この差異がある。すなわち能動冷却板550はこの環境では用いられず、加熱および能動冷却は熱板802によって行われる。熱板802は、図7に示す伝導加熱板502と類似であり、それが隔膜16を通して加熱および能動冷却を基板1および染料キャリア3に施す点が異なる。これは次のようにして達成される。すなわち熱板802を加熱するためには、加熱された流体、例えば50%のエチレングリコールと水との混合物の制御された流れが、高温水バルブ806によって制御され、高温水配管804によってその内部空洞803に導かれ、ここでこの混合物は「水」とも呼ばれる。
この加熱された流体は、炉、ボイラ、または当業者に既知の他の流体加熱手段で加熱されえる。さらにこの加熱された流体を沸騰させることなく実質的に上昇された温度を得るために、本発明の原理は、加熱された流体を沸騰させないために、加熱システム内の圧力を上げることを想定する。処理は、第1温度イベントに達する前述の所望の持続期間まで、進められる。この時点で、高温水配管804を通る高温水の流れは、高温水バルブ806によって止められる。その後、冷却剤の流れ、例えば冷やされた水の流れがそれから熱板802の内部空洞803に、冷却水バルブ526によって制御され冷却水配管524によって導かれる。この冷却水はこの実施形態においては、前述の水およびエチレングリコールの混合物を含むことが理解されよう。これは熱板802を急速に冷却し、このユニットを冷却板に変える効果を持つ。今一度、基板1および染料キャリア3に対してこんどは冷やされた熱板802によって冷却が行われ、これは基板1がその実質的に硬い状態に戻るときまで続けられる。その後、処理は前述のように続く。
本発明のこの実施形態のある応用例においては、60ミルのKydex(登録商標)シートが基板1として用いられた。Kydex(登録商標)シートは、それをプラテン10上に配置させ、それから示されるように染料キャリア3をその上に重ねることによって画像形成がなされた。眼鏡状フレーム216がそれからKydex(登録商標)シートおよび染料キャリア3上に降ろされ、それらを隔膜16によって覆う。この実施形態においては、ブチルゴムで覆われたキャンバスシートが隔膜16として用いられた。隔膜16の下の空間の排気の後、この実施形態についての処理が前述のように進められる。この場合、Kydex(登録商標)シートは、5〜10分間、温度335〜370°Fにおいて処理された。この第1温度イベントに続いて、冷やされた流体が熱板802の内部803に導かれ、Kydex(登録商標)シートを実質的に室温まで冷却した。
この実施形態の代替形態は、別個の加熱板および冷却板を利用することを想定しており、それらは同じ熱画像形成ユニット内にあっても、別個の加熱ユニットおよび冷却ユニット内にあってもよい。これらのユニットは実質的に同一でありえて、唯一の異なる点は、採用される板が加熱か冷却かのタイプである。
さらに他の実施形態が図9を参照して示される。図9に示される装置は、実質的に前述の図8に示されたものと同一であり、さらに受動冷却装置12が追加されている。したがってこの実施形態は、能動冷却および受動冷却の両方を採用することが理解されよう。熱板802に追加して受動冷却装置12を利用することは、第1温度イベントによってプラテン10に伝達された不要な熱が受動冷却装置12の利用によって最小化されるという優位性を持つ。
本発明の他の実施形態は、図11A〜F、12、および13を参照して開示される。この実施形態は、前述のプラテンアセンブリのうちの少なくとも一つに類似するプラテンアセンブリ1000を利用する。しかしプラテンアセンブリ1000は、基板積層体1003として構成される複数の基板ー染料シートの対を受け入れるように設計される。図11Aにおいては、基板1、および前に開示されたように染料昇華インクを利用してその上に画像5が印刷されている染料キャリア3は、前述のように装填される。その後、基板1および染料キャリア3が交互に重なる層群は、所望の厚さを持つ基板積層体1003が形成されるまで、図11Bに示すように装填される。
この実施形態においては、プラテンアセンブリ1000は、実質的に前述のようであり、ただし図11Cに示されるようにフレーム1010をプラテン1001に支持するさらにいくつかのクランプ装置を組み込んでいるプラテン1001を備える。フレーム1010は実質的に前述のように開示されたフレームであるが、プラテン1001にクランプされるという条件を持つ。図11A〜F、12、および13に示されるこの実施形態においては、このクランプは、フレーム1010の周縁付近に形成された穴を通り、それからプラテン1001の周縁付近に形成された対応する複数の対をなす穴を通る複数のボルト1020によって実現される。その後、ナット1022は、ボルト1020のそれぞれに対してネジが切られ、フレーム1010をプラテン1001に固定し、隔膜16の下で基板積層体1003を保持する。この例においてフレーム1010およびプラテン1001を互いにクランプすることは、複数のネジが切られたナットおよびボルトを利用した簡単な方法によって実現されているが、ここで述べられた原理は、同じ機能を持つさまざまな既知のクランプ方法が用いられることを当業者に知らしめるだろう。これらのクランプ方法は、これらに限定されないが、開いたクランプ(patent clamps)、オーバセンタクランプ、ウェッジ、Cクランプ、および他のネジが切られたクランプ、ラチェットクランプ、接ぎ手、磁気接ぎ手、電磁気的クランプ装置などを含む。本発明の原理は特にこれらの既知のクランプ代替手段の全てを想定している。
図11Dに示されるようにフレーム1010がプラテン1001にクランプされてから、真空オリフィス14から真空が引かれて、この真空が20において前述の大気クランプ圧力を形成する。いったん大気クランプ20が印加されると、熱エネルギーが22において印加され、基板積層体1003の温度を所望の昇華温度まで上げる。この大気クランプ圧力は、処理の後に基板積層体1003のいくつかの要素を除去することが望ましいときまで、画像形成プロセスのバランスのため基板積層体1003上で維持される。染料昇華画像形成のために必要とされる所望の期間のあと、熱エネルギーは24において取り除かれ、基板1のいくつかのシートがそれらの実質的な硬い状態に戻るようにされる。その後、ナット1022はボルト1020から取り除かれ、ボルト1020はプラテン1001およびフレーム1010から引き抜かれ、フレーム1010はプラテン1001から取り除かれる。これによりプラテン1001から基板積層体1003を取り除き、その積層体からその要素である個々の基板1および染料キャリア3に分離することができる。この時点で、前述のように、逆画像5によって形成された画像は、基板積層体1003中の複数の基板1のいくつかのものに転写されている。
本発明のこの実施形態は、非常に長い画像形成時間を可能にする。この長くされた画像形成時間は、優位性および困難の両方を呈する。ある優位性は、一枚の基板は基板の厚さ全体にわたって画像形成されえるので、結果として特に豊かで透明な画像が得られることである。困難さは、この場合、画像をある基板に留めることである。長い画像形成時間は、不必要に染料がある基板から他の基板へと移染することを可能にしてしまう。これは解像度の低下だけでなく、位置決めの正確さを低下させ、かつ基板積層体のうちのいくつかの基板にわたって不均一な画像形成をきたす。
基板間の不要な移染を避けるためには、染料阻止層が個々の基板ー染料キャリアの対の間に挿入されえる。そのような染料阻止層、例えば金属箔の層をそれに隣接する基板の第1基板1および染料キャリア3の間に置くことによって、この不要な染料移染を解消できる。染料阻止層は、同じ機能を保ったまま、染料キャリア3の画像が形成されるのと反対側の上に層として染料阻止層を形成することによって、例えば金属箔の層を積層することによって実現できる。
図11A〜Fで開示されたプラテンアセンブリ1000は、前述の装置の任意のものとともに利用されえるが、このプラテンアセンブリの利用により、基板材料の大規模なバッチ処理が可能になる。そのような大規模製造を実現するある手段は、少なくとも一つの、好ましくは複数の可搬性プラテンラック1200を利用する。
この実施形態におけるプラテンラック1200は、少なくとも一つの、好ましくは複数のプラテンアセンブリ1000をその中に受け入れる少なくとも一つの、好ましくは複数の棚1210を有する移動可能な棚ユニットの形をとる。ここで教示された染料昇華プロセスの温度イベントにわたって真空オリフィス14に印加された真空によって大気クランプ圧力を維持することが望ましいので、プラテンアセンブリ1000が装填される場所から、それらが画像形成される場所に搬送されるように、いくつかの真空オリフィス14は真空ホース1204によって真空溜め1220に接続される。そのような場所は、図13を参照して示される。
図13において、少なくとも一つの、好ましくは複数のプラテンラック1200をその中で受け入れることができるオーブン1300が示される。いったん所望の数のプラテンアセンブリ1000およびプラテンラック1200がオーブン1300の内部に受け入れられると、オーブンドア1302は閉じて固定され、オーブン1300内の温度は、基板積層体1003のいくつかの基板要素によって必要とされる熱画像形成温度を得るのに充分な温度まで上げられる。この温度は、再び、隔膜16の下に挿入された熱電対によってモニタされえる。
いったん所望の画像形成温度に到達し、所望の画像形成時間のあいだ維持されると、いくつかプラテンアセンブリ1000は、本発明によって教示される染料昇華画像形成プロセスの第2温度イベントを実現するために冷却される。この冷却は、プラテンラック1200をオーブン1300から引き出し、プラテンラック1200およびプラテンアセンブリ1000が自然の空気循環によって冷却されるようにする簡単な方法によって実現されえる。あるいはその中にプラテンアセンブリ1000を保持するプラテンラック1200は、能動冷却プロセスを施されてもよい。そのような能動冷却は、プラテンラック1200を冷蔵庫に挿入することによって、またはそれらを冷やされた液体の槽に浸すことによって実現されえる。あるいは、オーブン1300が冷蔵能力を持っているなら、そのような冷蔵機能がオンにされ、オーブン1300は能動冷却ステップを実現するために利用されえる。
本発明のこの実施形態のある応用例においては、80ミルのアクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー(ABS)シートが基板1として用いられた。複数のABSシートは、染料キャリア3および染料阻止層1003をそれぞれのシートの上に重ねることによって画像形成がなされた。複数のABSシートがそれから受動冷却装置12の上に位置付けされた。フレーム1010がそれから降ろされ、いくつかの基板ー染料キャリアー染料阻止層の積層体を隔膜16で覆う。この実施形態においては、シリコーンゴムシートが隔膜16として用いられた。隔膜16の下の空間の排気の後、この実施形態についての処理が前述のように進められる。この場合、ABSシートは、3時間のあいだ、温度300°Fにおいて処理された。この第1温度イベントの後、冷却が前述のように行われた。
受動冷却装置12の使用は、この実施形態においては任意選択であることに注意されたい。
本発明のさらに他の実施形態が図14A〜Eを参照して開示される。本発明のこの実施形態は、前述の真空クランプを行うために真空バッグ(vacuum bagging)のアプローチを実現する。図14Aにおいて、真空バッグつまり外囲容器600が示される。真空バッグ600は、任意の数の耐熱性があり、可撓性のある材料から有利に形成され、これらは実質的に空気の浸透について不通気性である。限定ではなく例示のために、そのような材料の例は、シリコーンゴムシート、ブチルゴムシート、耐熱プラスチックおよび他のポリマー、および含浸布を含む。本発明の真空バッグ600を形成するのに特に適したある材料は、ペンシルバニア州の郵便番号18220-0210、P.O. Box 210 Lakeside Avenue, Delanoに所在するGEM Polymer Corporationから入手可能な2ミルのアドバンストナイロンシートである。この材料は、華氏400°を超える温度の耐熱性を持ち、カスタムメイドのバッグとしても、ユーザの製造のためのシートフィルムのロールとしても入手可能である。
真空バッグ600の内部を排気するために、真空プローブ602がそれを通して固定される。真空プローブ602は、不図示である真空源に装着され真空バッグ600の内部を排気するために、真空気密を保ったまま真空バッグ600を通して貫通するように働く。いくつかの既知の真空プローブがこの機能のために利用できる。そのような真空プローブの一つは、Torr Technologies, Inc., 1435 22nd St. N.W., Auburn, Washington 98001から入手できるモデルVP36である。代替の真空プローブももちろん装着されえる。
画像形成スタック640は、以下のものを備える。基板1は、前述のようにその上に重ねられた染料キャリア3を有する。染料キャリア3の上には、アルミニウム箔のシートからなる染料阻止層652が置かれる。あるいは染料キャリア3の画像側と反対の側には、染料阻止材料の層、例えば金属化箔の層がその上に積層されたり、そこに印刷されていたりしてもよい。複数の画像形成スタック640はさらに画像形成ボディ650を形成するように積み重ねられる。
画像形成ボディ650は、オプションとして、一つ以上のアクセサリ層654を含んでもよい。これらのアクセサリ層の例は、必ずしもこれらに限定されないが、補剛板および圧力平準化層を含む。限定ではなく例示として、補剛板は、合板、金属シート、およびハニカムパネルを含む複合材料から形成されえる。圧力平準化層は、耐熱性の可撓性発泡体のパッド、または他の可撓性材料を利用して実現できる。再び、限定ではなく例示として、そのような耐熱性発泡体の一つの例は、発泡シリコーンゴムフォームの層である。
いったん画像形成ボディ650が形成されると、それは図14Bにおいて示されるように真空バッグ600の開口604へ挿入される。その後、図14Cに示されるように、開口604は606において封止される。封止606は、当業者に既知の実質的に任意の真空封止方法によって実現できる。再び限定ではなく例示として、そのような封止は、開口604の隣接する部分の熱による接合、封止する押し出し(sealing extrusions)、セメント、テープ、糊、クランプの使用、および少なくとも一つの開口604の一部を巻いてその部分をクランプすることによって開口604を密封することを含む。したがって前述のいくつか封止方法は、封止複合体、パテ、またはドープを使用して前述の真空封止を完全にすることによって実現されえる。
いったん真空バッグ600の封止606が形成されると、真空バッグ600は、620において真空プローブ602を通して排気され、排気された画像形成パッケージ670を形成する。画像形成パッケージ670の排気は、不図示の真空配管を利用しえ、これは画像形成プロセスのあいだ配置されたまま残してもよく、またはバキュームチェックバルブを組み込んだ断路バルブを利用してもよい。この後者のオプションによると、画像形成パッケージ670は、形成されて、画像形成のあいだ真空源から取り除かれる。
画像形成パッケージ670の形成に続いて、前述の第1温度イベントを実行するためにそれは加熱される。本発明のある実施形態においてこの加熱は、画像形成パッケージ670をオーブン700に挿入し、その後、オーブンドア702を閉じ、オーブン700の内部を所望の画像形成温度に加熱することによって行われる。画像形成パッケージ670は、所望の画像形成期間のあいだオーブン700内に保持され、その後、冷却され、第2温度イベントを実行する。画像形成パッケージ670の冷却は、前述のように、画像形成パッケージ670をオーブン700から引き出し、画像形成パッケージ670を冷却するために自然の空気循環を行うことによって実現できる。あるいは画像形成パッケージ670は、冷却された気体、液体、または空気の流れを画像形成パッケージ670の周辺に導くことによって、または画像形成パッケージ670を冷却された液体の中に浸すことによって冷却される。
いったん画像形成が完了すると、画像形成パッケージ670内の真空が解かれ、封止606が開かれ、画像形成ボディ650がそこから取り出され、そのいくつかの要素が分離されて、複数の画像形成された基板1になる。
本発明のこの実施形態のある応用例においては、複数の40ミルのポリカーボネートシートであって、30インチX60インチのシートが前述のように画像形成ボディ650を形成することによって画像形成された。画像形成パッケージ670は、真空バッグ600を排気して、実質的に完全に真空にすることによって形成された。その後、画像形成パッケージ670は、オーブン700に挿入され、3時間のあいだ265°Fに加熱された。画像形成に続いて画像形成パッケージ670は、オーブン700から取り除かれ、自然の空気循環を利用して冷却された。いったん冷却が行われると、真空が解かれ、前述のように画像形成ボディ650はその要素基板に分離された。
本発明によって教示される染料昇華画像形成サイクルのこれらの温度イベント両方について、およびそのような染料昇華画像形成サイクルのいくつかのイベントを制御する制御ステーションについて言及が先になされた。これらの概念のそれぞれは図15を参照してさらに吟味される。図15は、能動冷却を利用するある染料真空画像形成サイクルの時間にわたる温度のグラフである。
図15は、染料昇華画像形成サイクルを実現するために必要ないくつかの制御アクションを示す時間軸を含む。時刻T1において、少なくとも一つのプラテンが前述のように少なくとも一つの基板ー染料キャリアの対に装填される。この時点において、基板ー染料キャリア対の温度は、周囲温度である。時刻T2において、真空がプラテンアセンブリ204のいくつかの真空オリフィス14に与えられ、前述のような大気クランプ力を発生する。その後、時刻T3において、プラテンアセンブリ204が装置の熱画像形成ユニットに装填される。時刻T4において、熱が隔膜16を通して染料キャリア3および基板1に加えられる。時刻T5において、必要とされる染料昇華温度が得られる。T4およびT5のあいだの期間は、基板1および染料キャリア3の温度を必要とされる染料昇華温度に上げるのに必要な時間である。したがってT4−T6は、本発明によって教示される第1温度イベントを含むことに注意されたい。時刻T6において必要とされる染料昇華期間が得られ、T4−T6のあいだの時間は、この期間を表す。時刻T6において加熱が確保され(secured)、直後の時刻T7において冷却が基板1および染料キャリア3になされる。時刻T8において、基板はその実質的に硬い温度まで冷却され、冷却が確保される(secured)。したがってT7−T8は、本発明の第2温度イベントを表す。その後、T9において、プラテンアセンブリ204は、熱画像形成ユニットから取り除かれる。T10において、隔膜16の下の真空が解かれ、その隔膜の基板1および染料キャリア3への大気クランプ圧力が解かれる。T11において、プラテン10が降ろされ、その後、別の染料昇華画像形成サイクルのために再装填される。
示された一つ以上の制御アクションは、手動で、遠隔操作で、または自動で行われえる。手動制御アクションの例は、人間の操作者が手動で制御要素、例えば前述の真空、加熱、または冷却バルブを操作する場合である。遠隔制御アクションは、人間の操作者が遠隔制御、例えば遠隔地から制御される電気バルブを駆動するスイッチを利用して、制御アクションを起こす。自動制御アクションは、シーケンス装置が、一定の時間間隔に応じて、または状態指示に応じて制御アクションを始める場合である。そのような状態指示の例は、熱電対212によって検出された温度が、T4およびT5のあいだで示される温度の漸増、およびT7およびT8のあいだで示される温度の漸減を起こすだけでなく、あるいは加熱制御バルブを開閉することによってT5およびT6のあいだで特定される温度を維持することもできる。
画像形成時間、クランプ圧力、画像形成温度、および冷却時間についての前述の議論から、ここで述べられた原理は、これらの変数の幅広い範囲にわたって応用可能であることが理解されよう。任意の与えられた画像形成の分野の詳細は高度に具体的で経験的に決定されるが、一般には本発明は、画像形成温度としてたいていのプラスチック基板のための200°F〜600°Fの間の温度、より具体的には225°F〜400°Fの間であり、さらにより具体的には250°F〜370°Fの間である。
同様に、15秒間および12時間のあいだの画像形成時間は、本発明のある実施形態を優位性をもって示している。より具体的には、1分および1時間のあいだの画像形成がより優位に実現されえる。さらにより具体的には、90秒および15分のあいだの画像形成がいくつかの画像形成分野について満足できるとわかっている。
同様に、0.25気圧〜20気圧に等しい画像形成圧力が有利に用いられえる。より具体的には、そのような圧力は0.5〜5気圧であり、さらにより具体的には0.7〜1.5気圧の画像形成圧力が幅広いプラスチック基板に対して満足できる。
図16A〜16Hをここで参照して、連続的に染料昇華画像を基板中に、一般には固体プラスチック基板に形成する本発明によって教示される方法が示される。図16Aにおいては、下部プラテンが示され、これはその上に重ねられた基板61を有する。「A」において、その上に印刷された染料昇華画像65を持つ染料キャリア63は、画像65を基板61と接触させて配置される。図16Bにおいて、上部プラテンアセンブリ72は、画像ペア67の上に重ねられて示され、このペアは基板61および染料キャリア63からなる。この図に示されるように、上部プラテンアセンブリ72はここで、加熱要素74および上部プラテン76を含む。
図16Cにおいて、「C」において上部プラテンアセンブリ72はそれに連続的なクランプ圧力を印加する。このクランプ圧力は下部プラテン70と協働して画像ペア67に連続してわたって印加される。明細書およびクレームにおいて、連続的クランプ圧力は、画像が転写されるべき基板の全ての部分に対して空間的に連続的な圧力として定義される。そのような連続的なクランプ圧力は、いかなる空間的な隙間も、画像が転写されるべき基板の部分には持たないだろう。そのような連続的なクランプ圧力は、5〜50ポンド/平方インチの間でありえる。より具体的には、そのような連続的なクランプ圧力は、9〜20ポンド/平方インチの間でありえる。そのような連続的なクランプ圧力はまた均一であり、圧力のそれぞれの点が同じ圧力を持つ。印刷圧力「C」が印加された後、図16Dにおいて熱が「D」において印加され、要素74および上部プラテン76を加熱し、それによって画像ペア67に熱を印加する。この熱は、基板1において染料昇華画像を形成するのに用いられる第1温度イベントをなす。
加熱つまり第1温度イベントは、画像ペア67に特定の温度で、特定の期間だけ印加される。特定の熱およびその印加の持続期間は、非常に特定の用途によって異なる。一般に加熱は、基板のガラス転移温度より高い温度への移行である。ガラス転移温度TGは、その温度より上では、基板がその剛性を失う温度である。
第1温度イベントの印加、つまり図16Dに示される熱「D」に続いて、第2温度イベントが図16Eに示すように行われる。この温度イベントにおいては、「E」において示されるように熱が冷却要素78によって上部プラテンアセンブリ72から取り除かれる。プロセスのこの段階においては、加熱要素74は冷却要素78と置き換えられる。
クランプ圧力「C」は、図16Dおよび16Eで示される第1および第2温度イベントの両方のあいだ、およびそのステップのあいだ維持される。さらに第2温度イベント、つまり冷却ステップ「E」も特定の温度で、特定の期間だけ行われ、これは処理される材料のタイプに依存する。このステップのあいだ、基板は冷却されガラス転移温度より下げられる。ガラス転移温度は、それより下だと基板が剛性を持つ温度である。
この第2温度イベントに続いて、クランプ圧力「C」が上部プラテンアセンブリ72から取り除かれ、このアセンブリは、その後、例えば図16Fに示すように上に引き込まれる。その後、画像ペア67は、図16Gに示すように下部プラテン70から取り除かれる。画像ペア67はそれからその構成要素に分離される。すなわち染料キャリア63および基板61である。基板61は、図16Hに示すようにこんどは画像65を保持する。図16Gおよび16Hにおいて示されたステップは、図16Fに示すようにいったん上部プラテンアセンブリ72が引き込まれてから逆の順序で行われてもよい。
図17をこんどは参照して、本発明の方法を行うある装置7100が示される。この装置はここでは「連続的な染料転写画像形成装置」ともよばれ、脚7101によって支持されたフレームアセンブリ7102上に構成される。フレームアセンブリ7102は個々の鋼でできた構成要素、例えば熱間圧延、冷間圧延、または押出スチールで形成される方形溝型鋼の溶接物として有利に形成される。代替材料ももちろん利用できる。フレームアセンブリ7102には下部プラテンアセンブリ70がマウントされる。
下部プラテンアセンブリ70は、この実施形態においては、下部スライド7106を支持する下部プラテン7104を含む。本発明のある実施形態は、下部プラテン7104として、ガラス繊維強化されたプラスチックの上部および下部表面を持つ、六角形ハニカムの(hex-cell)アルミニウムコアの複合サンドイッチパネルの利用を想定する。そのようなパネルの一つは、カンザス州、ウィチタ、Burnham Compositesから入手可能なFiber-Lok、No.2330サンドイッチパネルである。そのようなパネルの使用は、非常に低い熱容量を持つ下部プラテンを提供し、これは装置の効率に寄与する。
下部スライド7106は後述のように、好ましくは、下部ベルト7108について低い摩擦係数を示す材料で形成される。下部ベルト7108は、下部プラテンアセンブリ70、下部アイドラローラ7110、および下部ドライブローラ7112について連続ループを形成する。下部ベルト7108は、フレーム7102内に保持され、オプションとしてはそのリターンパス上で一つ以上の下部リターンローラアセンブリ7114によって支持されえる。下部ベルト7108は、後述のドライブアセンブリ7200によって「M」において示される向きに押し付けられる。
一つ以上のリターンローラアセンブリ7114および7136は、駆動されてもよく、駆動されなくてもよい。これは主に規模の問題である。ここで開示された装置が大きい場合には、一つ以上の駆動されるリターンローラアセンブリが用いられ、それらの個々のベルトの動きを有利に促進できる。ここで示される例において、リターンローラアセンブリ7114および7136は駆動されずに、リターンローラがマウントされるアイドラシャフトを支持するピローブロック軸受箱からなる。一つ以上のリターンローラアセンブリ7114および7136が駆動されるほうが望ましいが、駆動力は下部ドライブスプロケット7208および上部ドライブスプロケット7214の適切なものから、不図示のリターンローラチェーンによって取られえる。当業者には既知の代替のローラドライブ機構がそのような機能とともに用いられえる。
上部プラテンアセンブリ72は、下部プラテンアセンブリ70上に、フレームアセンブリ7102内で移動可能に重ねられる。下部プラテンアセンブリ70に対しての上部プラテンアセンブリ72の動きは、一つ以上のプラテンアライメントアセンブリ7116によって、下部プラテンアセンブリ70の平面に直交する動きに実質的に制限される。
本発明の実施形態においては、プラテンアライメントアセンブリ7116は、アライメントカラム7118およびアライメントベアリング7120を備える。本実施形態によれば、例えば冷間圧延スチールで形成されるアライメントカラム7118は、フレームアセンブリ7102の下部水平レール7123および上部水平レール7125の間に固定される。この固定は、溶接、機械的留め具、または当業者に既知の他の固定手段によって行われる。
アライメントカラム7118は、スライド可能にアライメントベアリング7120に受け入れられる。アライメントベアリング7120は、簡単なブシング、例えばオイルブロンズブシングとして形成されえ、またはボールベアリングアセンブリの形をとる。荷重下でのスライド摩擦を減らすための代替のベアリング方法が同じ機能で用いられえる。アライメントベアリング7120は、上部プラテンアセンブリ72に固定され、それによって上部プラテンアセンブリ72が、上部プラテンアセンブリ72および下部プラテンアセンブリ70の間のアライメントを維持しつつ、下部プラテンアセンブリ70に対して実質的に垂直に動くことを可能にする。上部プラテンアセンブリ72は、上部スライド7122、加熱要素74、冷却要素78、および好ましくは加熱要素74および冷却要素78の間に挟持された断熱材7124を含む。当業者に既知の代替の方法が同じ機能で用いられえる。以下に限定されないがこれらには、油圧アクチュエータ、空気アクチュエータ、シザーブレース、スライドバットブロック、レバー、ベルクランク、ケーブル、電磁アクチュエータ、ギアドライブなどが含まれる。
適用可能な熱転写方法の例には、以下に限定されないが、電気抵抗加熱、例えば上部および下部ベルト7134および7108に組み込まれた、または上部および下部ベルト7134および7108の上または下に設けられた電気抵抗ワイヤ、上部および下部ベルト7134および7108の表面に蒸気を供給すること、上部および下部ベルト7134および7108の表面に、蒸気、炎、または加熱液体を含む加熱された気体の流れを供給すること、または上部および下部ベルト7134および7108に放射エネルギーを印加することが含まれる。そのような放射エネルギーの例には以下に限定されないが、赤外電球によって印加される赤外エネルギー、または紫外放射、およびマイクロ波放射がある。
熱エネルギーを印加する他の代替手段は、上部および下部ベルト7134および7108に伝導加熱源、例えば加熱されたプレートを設けることである。再びこのプレートは、既知の任意の加熱方法、例えば前述のように、プレートの内部空洞に加熱された液体または気体の流れを導くことによって加熱されえる。ある好ましい実施形態は、図17に示すように伝導性加熱および冷却を利用する。
この実施形態は、加熱要素74として伝導性加熱板を利用する。この実施形態においては、加熱要素74は、当業者に既知の任意の手段によって加熱され、それらは以下に限定されないが、電気抵抗ワイヤリング、加熱要素74の内部空洞に加熱された液体または気体を導くこと、伝導性加熱板の放射または対流加熱、一つ以上のガスジェットを含む直火、および制御可能に伝導性金属板を加熱する実質的に任意の他の方法を含む。参照された図において示される実施形態において、加熱板74は、少なくとも一つの迷路状通路がその中に形成されることによって一部分が空洞になっている平らなアルミニウム板の形をとる。この図で示される実施形態においては、加熱要素74は、配管およびバルブによって不図示のオイル循環ポンプを含むオイルヒータに接続される。オイルヒータは、板を加熱する必要があるときに、加熱要素74の内部通路を通して加熱されたオイルの制御可能な流れを提供する。加熱されたオイルの流れは、不図示の高温オイルバルブおよび高温オイル配管によってサーモスタットで制御され、加熱要素74が所望の温度であるように、または所望の温度範囲内にあるように維持する。
上部プラテンアセンブリ72は、プレス7126によって下部プラテンアセンブリ70に押し付けられる。本発明のある実施形態においては、プレス7126は、バッグプレスの形をとる。そのような空気バッグプレスの使用は、非常に均一で連続的なクランプ圧力を上部プラテンアセンブリ72の表面全体にわたって提供でき、それにより染料転写画像の形成をより均一なものにできる。上述のバッグプレスおよび大気クランプシステムは、クランプを行うのに気体圧力の差を利用する。そのような気体圧力差動システムは、均一な圧力を提供し、一方で基板および画像キャリアを容易に加熱および冷却する基板ができ、これは気体はより低い熱容量を持ちえるからである。代替のプレス方法ももちろん用いられえる。限定ではなく例示としてこれらの代替プレス方法には、油圧プレス、機械的プレス、電磁的アクチュエーション、および当業者に既知の実質的に任意のリニアアクチュエーションまたは押し付け手段が含まれる。
プレス7126は、下方への動きおよび上部プラテンアセンブリ72への圧力を供給するように実現されるが、装置が使用されないときにはプラテンアセンブリ72は下部プラテンアセンブリ70より上に持ち上げられるほうが好ましい。よって例えば上部プラテンアセンブリ72および上部水平レール7125の間には上部プラテンアセンブリ72を持ち上げる動きを供給する持ち上げ装置がオプションとして用いられえる。これらの持ち上げ装置は、以下に限定されないが、スプリング、空気シリンダ、油圧シリンダ、サーボモータ、カウンタウェイト、ネジまたはギア装置、電磁石を含む磁石、および当業者に既知の他の全ての持ち上げおよび押し下げ方法を含む。
上部スライド7122の下部表面の下であって、上部ドライブローラ7130および上部アイドラローラ7132の付近に配置されるのは、連続上部ベルト7134である。上部ベルト7134は、フレーム7102内に含まれ、オプションとしてそのリターンパス上で一つ以上の上部リターンローラアセンブリ7136によって支持されてもよい。上部ベルト7134は、後述のようにドライブアセンブリ7200によって「N」で示される向きに有利に押し付けられる。
上部および下部ベルト7134および7108は、後述のように、一つの染料昇華サイクルを構成し、染料昇華画像形成および染料キャリア除去を可能にする温度イベント中に、基板61が反ることを防ぐために充分な強度を持たなければならない。
上部および下部ベルト7134および7108に望ましい他の特性は、それらが基板61および染料キャリア63上に印刷された昇華染料と実質的に化学的に相容性を持つだけでなく、染料昇華画像形成中に基板61または染料キャリア63から気化した任意の副産物とも相容性を持つことである。
本発明のある実施形態においては、染料キャリア63に接触する上部および下部ベルト7134および7108の少なくとも一つの表面は、ベルトおよび染料キャリアの間で気泡を生じることなく、上部および下部ベルト7134および7108と染料キャリア63との間の境界にわたって連続的な真空チャネルを形成するために軽く模様が付けられている。これらの気泡は、染料キャリア63の基板61への均一かつ連続なクランプを妨げる。
いくつかのローラの周りに本発明のアイドラおよびスライドを滑らかに流すために、上部および下部ベルト7134および7108は、可撓性のある材料で形成されることが望ましい。ここで教示される画像形成プロセスは、600°Fに達する温度の持続期間とともに急速な温度変化を利用するので、ベルトは耐熱性であるだけでなく、硬化したり、ひび割れたり、構造の完全性を失ったり、または前述の特性のいずれかを失ったりすることなく、高温および低温の間で繰り返される温度サイクルに耐えることができなければならない。
上述の議論から、上部および下部ベルト7134および7108には多くの材料が適することが理解されよう。そのような材料の例としては以下に限定されないが、加硫ゴム、シリコーン、ブチルゴム、ポリマー、クロロポリマー、フルオロポリマー、および他の自然または人工弾性シートが含まれる。
本発明の原理が小規模な装置、例えば認証用バッジを作るような装置に適用される場合、上部および下部ベルト7134および7108、上部および下部スライド7122および7106、および上部および下部ドライブローラ7130および7112の間の摩擦は、些細なことである。これらの同じ原理が適用より大規模な装置、例えば4フィート幅X8フィートの広さ、またはそれよりも大きいプラスチックシート上に画像を形成するものに適用される場合、これらのいくつか要素間の摩擦は考慮されなければならない。
そのような大規模装置においては、ベルトおよびスライド間の摩擦係数はなるべく低くしなければならない。逆にベルトおよび画像ペア間の摩擦は、充分に高くすることによって、装置の差し込み側において必要な挟み込みを提供し、画像ペアを装置内に引き込まなければならない。
この目的を達成するために、一つ以上の上部および下部ベルト7134および7108は、2つの層で形成されえる。すなわち、一つは、比較的低い摩擦係数を持つスライド7122および7106のそれぞれと接触し、もう一つは、比較的高い摩擦係数を持つ画像形成ペア67と接触し、このとき、比較的低い摩擦係数は、比較的高い摩擦係数よりも小さい。所望の結果は、2つの層のベルトを形成することによって達成されえ、これらのそれぞれは異なる摩擦係数を持つ。本発明のある実施形態によれば、ベルト7134および7108は、積層されたDuPont社のTyvek(商標)の層を持つキャンバスベルトで形成され、このキャンバスベルトは画像形成ペアと接触し、挟み込み、Tyvek(商標)は適当なスライドにわたって摩擦を低減する。適当なスライド/ベルトペア間の摩擦をさらに低減するために、スライドの接触表面は、さらに摩擦を減らすように形成またはコーティングされえる。ある実施形態においては、これは磨かれたステンレススチールシートを使って、スライド7122および7106のうちの少なくとも一つを形成することによって実現されえる。他の実施形態においては、ベルトおよびスライドのうちの少なくとも一つの上にDuPont社のTeflon(登録商標)がコーティングされ、さらに摩擦を低減する。当業者に既知の代替の摩擦低減方法も用いられえる。
対照的に、ドライブローラ7130および7112の間の摩擦は、装置を通ってベルトが正確かつ確実に駆動されるように高くなければならない。これはドライブローラ7130および7112の少なくとも一つの表面を粗くすることによって実現できる。あるいはこれは、ドライブローラ7130および7112の表面上にコグを形成することによって実現でき、これらコグは、よく知られた35mmの写真フィルムと同様に、ベルト7134および7108の端部上に形成された連続した穿孔部と噛み合う。当業者に既知の代替の摩擦増加方法も用いられえる。
図18をこんどは参照し、本発明の装置7100の前面図が示される。本発明の装置のこの局面は、リターンローラアセンブリ7114および7136の詳細とともに装置の送り込みを示す。図18をよく見ると、ベルト7108および7134は、「N」および「M」で示すように実質的に内向きに動く。すぐには明らかではないことは、これら2つの向きの前進の速度が正確に一致し、それによりベルトは同期して動くことである。したがってベルト7108および7134の動きは、いったん圧力がプレス7126によって上部プラテンアセンブリ72に印加されると、アライメントされた画像形成ペア67をつかみ、画像形成ペア67を装置7100に引き込み、画像形成サイクルの第1および第2温度イベントのあいだ画像形成ペア上に連続的な圧力を維持し、最後に画像形成サイクルの第1および第2温度イベントのあいだ基板61に対して染料転写シート63の位置決めを保持する。
またこの図に示されるのは、リターンローラアセンブリ7114および7136の形成に関する詳細である。リターンローラアセンブリ7136は、この駆動されない例では、不図示のベアリングを含むピローブロック7135を備え、このベアリングは、リターンローラ7139にマウントされるリターンローラシャフト7137を回転可能に支持する。リターンローラアセンブリ7114は同様に形成される。
図19は、本発明のこの実施形態による装置7100のカットフィード、つまり背面の局面を示す。再び、画像処理のこの段階において「N」および「M」で示される向きのベルト7134および7108の動きは、画像形成ペアを装置を通して前進させ、よってそれらからクランプ圧力を解く。このようにして、基板61および染料キャリアシート63を含む画像形成ペア67は、中を通って搬送され、装置7100によって連続的に画像形成がなされる。
図19においては、ドライブアセンブリ7200に関する詳細も示される。本発明の実施形態においては、ドライブ7200は、回転動力源、例えば電気モータ7202を含み、その出力シャフトにはモータスプロケット7204が取り付けられている。モータスプロケット7204は、下部ドライブチェーン7206および下部ドライブスプロケット7208によって下部ドライブローラ7112に回転を与える。下部ドライブスプロケット7208は、下部ドライブシャフト7209によって下部ドライブローラ7112に回転を与える。下部ドライブシャフト7209は、その反対側において回転可能にベアリングアセンブリ7211内へマウントされている。
下部ドライブシャフト7209上にマウントされているのは、中間ドライブスプロケット7210である。中間ドライブスプロケット7210は、回転の動きを上部回転スプロケット7214に上部ドライブチェーン7212によって与える。本発明のこの実施形態においては、下部ドライブスプロケット7208、中間ドライブスプロケット7210、および上部ドライブスプロケット7214のサイズは同一であることに注意されたい。このようにして、上部および下部ベルト7134および7108の前進する速度は合わせられ、それにより上部および下部ベルトは同期して動く。
上部および下部ドライブベルト7134および7108の間の回転について必要な逆転を与えるために、逆転ギアのペア、第1逆転ギア7216および第2逆転ギア7218が用いられる。第1逆転ギア7216は、上部ドライブスプロケット7214によって駆動される。第1逆転ギア7216は、第2逆転ギア7218と噛み合い、必要とされる回転の逆転を提供する。再び、上部および下部ベルト7134および7108の間の動きの均等を保持するために第1および第2の逆転ギア7216および7218は同一のサイズであることに注意されたい。
基板がガラス転移温度より下に冷却されてから、クランプ圧力が取り除かれ、画像キャリアは基板から取り除かれえる。圧力が取り除かれる前に基板をガラス転移温度より下に冷却することは、クランプ圧力が反りを防ぎ、画像キャリアがより容易に基板から取り外せるようにする。
基板はその後、基板の熱形成を可能にするために275°Fおよび400°Fの間の温度に再加熱される。基板は、基板の領域の40%より多い伸長(elongation)が起こる場合、熱形成されえる。45〜60%の伸長は、伸長のその領域における画像が薄くなる(画像の濃さ(intensity)が大きく低減される)ことは生じない。図20は、結果として生じる画像2050を持つ基板61の上面図である。基板61は、ガラス転移温度より上に加熱され、熱形成伸長され、それから冷却される。図21は、加熱されてから熱形成伸長を約50%施された基板61を示す。50%の伸長は、最終的な長さが元々の長さよりも50%長いとして定義される。画像2050は伸長もすでに施されている。昇華画像は、基板の中に数ミリメートル染み込むので、伸長された画像は少なくとも元々の画像の75%の濃さ(intensity)を少なくとも持つと信じられる。そのような伸長は画像の濃さを大きく低減する(薄くする)ことはなく、したがって伸長された画像の濃さは、元々の画像の濃さの90%ないし99%より大きくなりえると信じられる。図22は、領域長さLRを持つ基板61の側面図である。基板61は、ガラス転移温度より上に加熱され、熱形成折り曲げされ、それにより図23に示すように領域長さLRは50%より大きく増す。本発明のこの領域における昇華画像は、大きく画像の濃さを低減することはない。
加熱領域から冷却領域へと連続的に圧力を加えることは、所望の画像を得るのに役立つ。理論に拘束されることなく、基板および画像キャリアが加熱領域から冷却領域へ通るときに、圧力が除かれないので、画質が改善されると信じられる。もし圧力が除去され、基板および画像キャリアが加熱領域から冷却領域へ通るときにそれから再印加されるなら、画質は低減され、染料キャリアを基板から取り外すことはより困難になるとさらに信じられる。連続的な圧力は、基板が少なくとも一つの方向に、またはおそらくは全ての方向に、収縮したり、大きくなったり、押し出されたり、または反ったりすることを防ぐとさらに信じられる。収縮、拡大、押し出し、および反りは、本発明によって必要とされるより低い温度およびより低い圧力によって制限される。連続的な圧力は、加熱および冷却サイクルのあいだに基板および染料キャリアの間の相対的位置関係を維持するのにも役立ちえる。
この実施形態では上部ベルトおよび下部ベルトは、基板および染料キャリアを経路に沿って運ぶための搬送システムを提供するために用いられるが、他の搬送システムが他の実施形態においては用いられえる。
図24は、本発明の他の実施形態の概略図である。コンピュータシステム2404は、プリントコマンドをコンピュータプリンタ2408に送る。コンピュータプリンタ2408は、インクジェットプリンタまたはレーザプリンタまたは他のコンピュータプリンタであり、コンピュータからのディジタル画像を印刷し、染料キャリア2412上に染料昇華染料の画像を作る。この実施形態においては、プリンタ2408は、連続的な画像転写システム2416に直接、フィードされる染料キャリアを提供するのに充分に高速である。基板フィルム2424のフィードロール2420は、基板フィルム2424を連続的な画像転写システム2416に提供する。基板フィルム2424および染料キャリア2412は、連続圧力システム2428によって連続的な圧力で互いに押し付けられる。連続圧力システム2428の第1部分において、基板2424および染料キャリア2412は、基板のガラス転移温度よりも高い昇華温度までヒータ2432によって加熱される。基板2424および染料キャリア2412はそれから連続圧力システム2428の第2部分に移動し、ここで基板2424および画像染料キャリア2412は、冷却機2436によって冷却されて基板2424のガラス転移温度より下に下げられる。基板2424および画像染料キャリア2412はそれから、連続圧力システム2428から取り除かれ、ここで基板2424は、染料キャリア2412から分離され、基板2424は出力ローラ2440上に置かれる。使われた染料キャリアもキャリア出力ロール2444上で集められえる。上述のように連続圧力システム2428は、連続圧力を加熱の以前から冷却の後まで提供する。キャリア出力ロール2444は駆動されて、基板および染料キャリアを連続圧力システム2428を通して搬送するのを手伝うのに用いられてもよく、その場合キャリア出力ロール2444はコンベヤの一部となる。
インクジェットプリンタは、染料昇華インクの画像を安価に提供することができる。インクジェットプリンタのようなコンピュータプリンタ上に印刷された画像は、ユーザが画像を保持する染料キャリアを保存し運搬する必要をなくす。代わりに、画像は染料キャリア上にオンデマンドで生成されえる。染料キャリア上に印刷された染料昇華インクは、湿度および温度によって影響を受け、傷みやすいので、そのような物は保存し運搬する必要がないのが望ましい。大量のディジタル画像はコンピュータ2404上に保存され、またはコンピュータに転送され、カスタマイズされた画像のためにコンピュータによって操作されえて、在庫の必要なく、基板に昇華されるべき大量の利用可能な画像をシステムが提供することを可能にする。コンピュータプリンタは、コンピュータ上の異なるディジタル画像およびカスタマイズされたディジタル画像を染料キャリアに印刷することができる。
結果として生じる基板フィルム2424は、基板フィルムおよびより厚い基板の間に画像を持つより厚い基板へと積層されえ、または画像を持つ結果として生じる基板フィルム2424は、画像がモールドの内部に面するよう射出モールド中に置かれえる。画像が基板フィルムに転写された後、基板フィルムがモールド内に置かれる前に、基板2424は、予め形成されたフィルムがより容易にモールド内に置かれるように形成されえる。プラスチックがそれから射出モールド内に射出されえる。画像は射出されたプラスチックに昇華し、基板フィルムは保護性を持つ画像コーティングとして働く。プラスチックおよび基板フィルムは、冷却され、それからモールドから取り除かれる。一般にそのような基板フィルムは、画像が基板フィルムを通して見えるよう充分に透明である。
代替として、染料キャリアは、画像が射出モールドの内部に面するように、射出モールド内に置かれえる。プラスチックがそれからモールド内に射出される。プラスチックは冷却されモールドから取り除かれる。染料キャリアはプラスチックから取り除かれ、プラスチックに昇華された画像が残る。
図25Aおよび25Bは、本発明の実施形態を実現するのに適したコンピュータシステム900を示す。図25Aは、そのようなコンピュータシステムの一つの可能な物理的形態を示す。もちろんコンピュータシステムは、集積回路、プリント基板、および小型の携帯機器から大きなスーパーコンピュータまで、実施形態の処理の要件に応じて多くの物理的形態をとりえる。コンピュータシステム900は、モニタ902、ディスプレイ904、筐体906、ディスクドライブ908、キーボード910およびマウス912を含む。ディスク914は、コンピュータシステム900から、かつコンピュータシステム900へデータを転送するために用いられるコンピュータで読み取り可能な媒体である。
図25Bは、コンピュータシステム900のブロックダイアグラムの例である。システムバス920には様々なサブシステムが設けられている。(単一または複数の)プロセッサ922(中央処理装置、CPUとも呼ばれる)は、メモリ924を含む記憶装置に結合される。メモリ924は、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびリードオンリーメモリ(ROM)を含む。この技術分野ではよく知られているように、ROMは、典型的にはデータおよび命令を単一方向にCPUへ転送するために用いられ、RAMは、典型的にはデータおよび命令を双方向に転送するために用いられる。これらのタイプのメモリはいずれも後述する、コンピュータで読み取り可能な媒体のいかなるものを含んでもよい。固定ディスク926も双方向でCPU922と結合され、追加のデータ記憶容量を提供し、やはり後述する、コンピュータで読み取り可能な媒体のいかなるものを含んでもよい。固定ディスク926は、プログラム、データなどを記憶するのに用いられ、典型的には主記憶より遅い2次記憶媒体(ハードディスクなど)である。固定ディスク926に保持された情報は、適切な場合にはメモリ924中の仮想記憶に標準的なかたちで展開されうることがわかるだろう。リムーバブルディスク914は、後述する、コンピュータで読み取り可能な媒体のいかなるかたちをとってもよい。
CPU922は、ディスプレイ904、キーボード910、マウス912、およびスピーカ930のような様々な入力/出力装置にも結合されている。一般に、入力/出力装置は、以下のいずれであってもよい:ビデオディスプレイ、トラックボール、マウス、キーボード、マイク、タッチパネルディスプレイ、トランスデューサ・カードリーダー、磁気または紙テープリーダー、タブレット、スタイラス、音声または文字認識装置、生体情報リーダー、または他のコンピュータ。CPU922は、必須ではないが、ネットワークインタフェース940を用いて他のコンピュータや電気通信ネットワークに結合されていてもよい。そのようなネットワークインタフェースがあれば、上述の方法による操作を実行するときにCPUは、ネットワークからの情報を受け取ったり、またはネットワークに情報を出力することができる。さらに本発明の方法の実施形態は、CPU922だけで実行されてもよいし、またはインターネットのようなネットワーク上において、処理の一部をシェアするリモートCPUと共に実行されてもよい。
さらに本発明の実施形態は、本発明によってコンピュータで実現されうる様々な操作を実行するコンピュータコードを含むコンピュータで読み取り可能な媒体を持ったコンピュータ記憶製造物にも関連する。媒体およびコンピュータコードは、本発明の目的のために特別に設計され構築されたものであってもよく、またはコンピュータソフトウェアの当業者に既知で利用可能な種類のものであってもよい。コンピュータで読み取り可能な媒体の例としては、これらに限られるものではないが以下のものがある:ハードディスク、フレキシブルディスク、および磁気テープのような磁気媒体、CD−ROMおよびホログラフィックデバイスのような光媒体、光磁気媒体、半導体メモリデバイス、および特定アプリケーション向け集積回路(ASIC)、プログラム可能なロジックデバイス(PLD)およびROMおよびRAMのようなプログラムコードを記憶し実行できるように特別に構成されたハードウェアデバイスが含まれる。コンピュータコードの例としては、コンパイラによって生成されるような機械語、およびインタープリータを用いて実行されるより高レベルなコードを含むファイルがある。コンピュータで読み取り可能な媒体は、搬送波内で実現され、プロセッサによって実行可能な命令のシーケンスを表現するコンピュータデータ信号によって伝送されるコンピュータコードであってもよい。
図26は、本発明の別の実施形態のフローチャートである。まずディジタル画像がコンピュータ上で選択される。図27は、コンピュータ2704の概略図である。ディジタル画像は、コンピュータ2704上に記憶されるか、またはコンピュータに転送されえて、コンピュータによってカスタマイズされた画像のための加工がなされ、それによりシステムは多くのカスタム画像が提供できる。選択された画像を印刷するためにコマンドがコンピュータからプリンタ2708に送られる(ステップ2608)。インクジェットプリンタおよびレーザプリンタのようなコンピュータプリンタは一般に、ディジタル画像がコンピュータデータによって表現されるコマンドを受け取る。コンピュータデータは、プリンタによって解釈され、ディジタル画像を印刷する。そのようなデータはピクセル点またはラスタ点を表現しえ、またはベクトルフォーマットでありえる。プリンタ2708は、選択されたディジタル画像2712を基板フィルム2716上に印刷する(ステップ2612)。プリンタ2708は、昇華染料を用いてディジタル画像2712を基板フィルム2716上に印刷する。この例においては、基板フィルム2716は、別のシートに設けられる。他の実施形態においては、基板フィルムは、ローラ上の連続的なフィルムでありえる。基板フィルム2716はそれから、ターゲット基板に積層され、画像2712はターゲット基板に昇華される(ステップ2616)。
図28は、積層装置2808内でターゲット基板2804に積層される基板フィルム2716の概略図である。この例では、積層装置2808は、高温積層装置であり、上部プラテン2812、下部プラテン2816、および加熱装置2820を備える。上部プラテン2812および下部プラテン2816は、基板フィルム2716をターゲット基板2804に対して押し付ける押圧力を加え、それにより画像2712が基板フィルム2716および基板2804の間にできる。加熱装置2820はフィルム基板2716およびターゲット基板2804を加熱することによって、高温積層を行う。加熱は、積層および昇華が同時であるように画像2712をターゲット基板2804に昇華させるために用いられてもよい。昇華された画像を持つ積層化されたフィルム基板2716およびターゲット基板2804は、積層装置から取り出され冷却されえる。
結果として生じる製品は、保護フィルム基板カバーを持つターゲット基板内の染料昇華された画像である。そのようなフィルム基板は、染料昇華された画像が見えるように少なくとも部分的に透明でありえる。結果として生じる製品は、図20〜23に示されるように加熱され熱形成されえる(ステップ2620)。染料昇華された画像は薄くなりにくい。
代替例においては、積層は、図29に示すように低温積層装置(cold lamination device)2908によって提供されてもよい。そのような低温積層装置2908は、基板フィルム2716側の画像2712をターゲット基板2904に対してプレスするための上部プレス2912および下部プレス2916を持ちえる。熱の代わりに接着剤が積層を行うために用いられえる。積層された基板フィルム2716およびターゲット基板2904はそれから昇華装置3008内に置かれる。上部プラテン3012および下部プラテン3016は、基板フィルム2716およびターゲット基板2904を保持するために用いられえて、ヒータ3020は染料昇華を起こすための熱を発生する。
上述の高温および低温積層装置2808、2908はまた、前述のように昇華された画像を持つ基板フィルムをより厚い基板に積層するために用いられてもよい。
上述の実施形態において用いられえるプラスチック基板のリストは、PVC、PVF、PET、PBT、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリルアロイ、GEによるLexan(商標)、GEによるValox(商標)、Atoglas Solar Kote(商標)、Plexiglas(商標)、DupontによるTedlar(商標)、およびKorad(商標)ポリマー押し出し製品を含む。
本発明のいくつかの実施形態の前述の議論から、これら実施形態のいくつかの要素の順序または空間的な配置が示された。これらは例示のための図示であり、限定ではなく、本発明はそれらに対する改変を具体的に想定する。
最後に、ある種のプラスチック基板が例としてここで示されているが、本発明は異なるプラスチックのさまざまな種類を画像形成するのに有用であることがわかっている。したがって本発明の原理は、具体的にそれをさまざまな種類のプラスチックに応用することを想定しており、ここで挙げられた例は例示であって限定ではない。
本発明は、その特徴のある種の好ましい実施形態について特に示され記載されてきた。しかし当業者には、形態および詳細におけるさまざまな変更および改変が、添付の特許請求の範囲に規定された本発明の精神および範囲から逸脱することなく行われえることが明らかだろう。特に、本発明の原理は、さまざまな染料昇華装置についてここで教示される一つ以上のさまざまな特徴および優位性を統合することも具体的に想定する。
このような代替物の例がここで挙げられてきたが、ここで教示されたいくつかの要素の代替方向、代替加熱および冷却方法、クランプ方法、およびプラテンアセンブリを位置付け、位置合わせする方法は、同じ機能で、ここで教示された特徴および優位性を可能にする。同様に、ここで開示された本発明の議論は、プラスチックの固体シート内に染料昇華画像を形成するための本発明の利用に中心を置かれているが、ここで述べられた原理を吟味すれば、これらの原理は、天然および人工の基板、フィルムおよびポリエステルを含むポリマーコーティングされた材料を含むさまざまな種類の基板に適用可能であることが当業者には明らかになるだろう。これらの代替物のそれぞれは、本発明の原理によって具体的に想定されている。
本発明の方法を示す本発明によるプラテンアセンブリの断面図である。 本発明の方法を示す本発明によるプラテンアセンブリの断面図である。 本発明の方法を示す本発明によるプラテンアセンブリの断面図である。 本発明の方法を示す本発明によるプラテンアセンブリの断面図である。 本発明の方法を示す本発明によるプラテンアセンブリの断面図である。 本発明の方法を示す本発明によるプラテンアセンブリの断面図である。 本発明の方法を示す本発明によるプラテンアセンブリの断面図である。 本発明の方法を示す本発明によるプラテンアセンブリの断面図である。 本発明の方法を実行する第1の装置の前面図である。 本発明の方法を実行する第1の装置の前面図である。 本発明の方法を実行する第1の装置の前面図である。 本発明の方法を実行する第1の装置の透視図である。 本発明の方法を実行する第2の装置の前面図である。 本発明の方法を実行する第2の装置の前面図である。 本発明の方法を実行する第2の装置の前面図である。 本発明の方法を実行する第3の装置の前面図である。 本発明の方法を実行する第3の装置の前面図である。 本発明の方法を実行する第2および第3の装置の透視図である。 能動冷却装置を採用する本発明のある実施形態による熱ヘッドの断面図である。 代替の能動冷却装置を採用する本発明の他の実施形態による熱ヘッドの断面図である。 能動および受動両方の冷却装置を採用する本発明の他の実施形態による熱ヘッドの断面図である。 受動冷却装置を採用する本発明の他の実施形態による熱ヘッドの断面図である。 代替のプラテンアセンブリの断面図である。 代替のプラテンアセンブリの断面図である。 代替のプラテンアセンブリの断面図である。 代替のプラテンアセンブリの断面図である。 代替のプラテンアセンブリの断面図である。 代替のプラテンアセンブリの断面図である。 複数の代替のプラテンアセンブリを装填されたプラテンラックの正面図である。 プラテンラックがオーブンに入れられるときの複数の代替のプラテンアセンブリを装填されたプラテンラックの正面図である。 本発明の真空バッグの代替の実現例を示す図である。 本発明の真空バッグの代替の実現例を示す図である。 本発明の真空バッグの代替の実現例を示す図である。 本発明の真空バッグの代替の実現例を示す図である。 本発明の真空バッグの代替の実現例を示す図である。 サイクルを実行するのに必要ないくつかの制御アクションを示す時間軸を重ねた、ある染料昇華画像形成サイクルについての時間に対する温度のグラフである。 ここで教示される連続的な染料転写方法を示す本発明の他の実施形態による上部および下部プラテンアセンブリの断面図である。 ここで教示される連続的な染料転写方法を示す本発明の他の実施形態による上部および下部プラテンアセンブリの断面図である。 ここで教示される連続的な染料転写方法を示す本発明の他の実施形態による上部および下部プラテンアセンブリの断面図である。 ここで教示される連続的な染料転写方法を示す本発明の他の実施形態による上部および下部プラテンアセンブリの断面図である。 ここで教示される連続的な染料転写方法を示す本発明の他の実施形態による上部および下部プラテンアセンブリの断面図である。 ここで教示される連続的な染料転写方法を示す本発明の他の実施形態による上部および下部プラテンアセンブリの断面図である。 ここで教示される連続的な染料転写方法を示す本発明の他の実施形態による上部および下部プラテンアセンブリの断面図である。 ここで教示される連続的な染料転写方法を示す本発明の他の実施形態による上部および下部プラテンアセンブリの断面図である。 上部および下部プラテンアセンブリ間でクランプ圧力を印加する前の本発明の連続的な染料転写方法を実行する装置の側面図である。 上部および下部プラテンアセンブリ間でクランプ圧力を印加する前の本発明の連続的な染料転写方法を実行する装置の前面図である。 上部および下部プラテンアセンブリ間でクランプ圧力を印加する前の本発明の連続的な染料転写方法を実行する装置の背面図である。 基板および画像を上から見た概略図である。 熱形成の後の基板および画像を上から見た概略図である。 基板の側面図である。 熱形成の後の基板の側面図である。 他の連続的な処理システムの概略図である。 本発明の実施形態において用いられえるコンピュータの概略図である。 本発明の実施形態において用いられえるコンピュータの概略図である。 本発明の他の実施形態において用いられるプロセスのフローチャートである。 基板フィルム上に印刷するために用いられるコンピュータおよびプリンタの概略図である。 高温積層および昇華システムの概略図である。 低温積層システムの概略図である。 昇華システムの概略図である。

Claims (19)

  1. 昇華型染料の形成された画像を持つ染料キャリアで基板に染料昇華画像を形成する装置であって、
    上に前記基板を配置するためのプラテンであって、前記基板上には、前記昇華型染料が前記基板と接触するように、前記染料キャリアが配置される、前記プラテン、
    前記基板と前記染料キャリアと前記プラテンの少なくとも一部とを覆う隔膜、
    前記隔膜と共に動作して、前記基板および前記染料キャリアに対して均一なクランプ圧力を印加するためのクランプシステム、
    前記基板および前記染料キャリアを、周囲温度から第1温度まで、および、前記基板に前記画像を形成する期間に、加熱する加熱機、および
    前記加熱後に前記基板および前記染料キャリアを第2温度まで冷却する冷却機、
    を備え、
    前記クランプシステムは、前記加熱機および前記冷却機が前記基板および前記染料キャリアを加熱および冷却する間、および、前記加熱機による加熱と前記冷却機による冷却との合間に、前記基板および前記染料キャリアに対して前記均一なクランプ圧力を提供可能である装置。
  2. 請求項1に記載の装置であって、
    前記基板および染料キャリアを第1および第2部分を持つ経路に沿って搬送する搬送機をさらに含み、
    前記加熱機は前記経路の前記第1部分に隣接し、前記冷却機は前記経路の前記第2部分に隣接する装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の装置であって、
    前記クランプシステムは、少なくとも14ポンド毎平方インチ(psi)の圧力を提供する装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の装置であって、
    前記クランプシステムは、前記染料キャリアの表面全体に圧力を提供する装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の装置であって、
    前記冷却機は受動冷却システムである装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の装置であって、
    前記第1温度はガラス転移温度より上の温度である装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の装置であって、
    前記第2温度はガラス転移温度より下の温度である装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の装置であって、
    前記クランプシステムは、周囲圧力と前記隔膜の下の圧力との圧力差を用いて前記連続的な圧力を与える装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の装置であって、
    前記プラテンは、複数の真空オリフィスを形成する孔を備えた穿孔プラテンであり、
    前記クランプシステムは、前記複数の真空オリフィスを通して真空を与える大気クランプ装置である装置。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれかに記載の装置であって、
    前記クランプシステムは、0.25気圧から20気圧の間の圧力を提供する装置。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれかに記載の装置であって、
    前記冷却機は、前記基板が実質的に硬くなる温度まで前記基板を冷却する装置。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれかに記載の装置であって、
    前記加熱機は、200°Fから600°Fの間の温度に加熱する装置。
  13. 請求項1〜請求項12のいずれかに記載の装置であって、
    前記加熱機は、放射加熱要素を備える装置。
  14. 請求項13に記載の装置であって、
    前記放射加熱要素は、赤外線ランプおよびマイクロ波源からなる群から選択される装置。
  15. 請求項13に記載の装置であって、
    前記加熱機は、放射加熱機、伝導加熱機、対流加熱機、および直火の適用からなる群から選択される装置。
  16. 請求項1〜請求項12のいずれかに記載の装置であって、
    前記加熱機は、伝導加熱機を備える装置。
  17. 請求項16に記載の装置であって、
    前記伝導加熱機は、さらに、
    熱伝導板、および
    前記熱伝導板を加熱する手段
    を備える装置。
  18. 請求項17に記載の装置であって、
    前記加熱機は、
    少なくとも1つの空洞を内部に形成することにより部分的に中空になった熱伝導板、
    前記熱伝導板の前記空洞を通して、制御可能な加熱された流体の流れを提供するためのヒータ、および
    前記熱伝導板の前記空洞を少なくとも部分的に満たし、前記ヒータによって制御可能に加熱可能な量の流体、
    を備える装置。
  19. 請求項18に記載の装置であって、
    前記流体は、気体および液体からなる群から選択される装置。
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