JP2008226530A - シールドパイプ - Google Patents

シールドパイプ Download PDF

Info

Publication number
JP2008226530A
JP2008226530A JP2007059997A JP2007059997A JP2008226530A JP 2008226530 A JP2008226530 A JP 2008226530A JP 2007059997 A JP2007059997 A JP 2007059997A JP 2007059997 A JP2007059997 A JP 2007059997A JP 2008226530 A JP2008226530 A JP 2008226530A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
metal pipe
resin layer
resin
shield
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007059997A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5281753B2 (ja
Inventor
Yoshihiro Hisamatsu
義博 久松
Keizo Nishitani
啓三 西谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yazaki Corp filed Critical Yazaki Corp
Priority to JP2007059997A priority Critical patent/JP5281753B2/ja
Publication of JP2008226530A publication Critical patent/JP2008226530A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5281753B2 publication Critical patent/JP5281753B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)
  • Suspension Of Electric Lines Or Cables (AREA)

Abstract

【課題】金属パイプに挿入された電線が備える絶縁体の損傷や結露等の発生を防ぐことのできるシールドパイプを提供する。
【解決手段】シールドパイプ1は、次のようにして形成される。まず、ポリアミド製のフィルム4を、図1に矢印Aで示すように金属パイプ2に挿入する挿入処理を行う。フィルム4は、チューブ状のポリアミドの先端を封止した形状を有している。次に、挿入処理で金属パイプ2に挿入されたフィルム4を周方向に延伸する延伸処理を施し、金属パイプ2をフィルム4と共に加熱する加熱処理を施す。延伸処理では、フィルム4内に空気を吹き込むことによりフィルム4が延伸される。これにより、フィルム4の外周と金属パイプ2の内周とが接触した状態で加熱され、溶融状態のフィルム4が金属パイプ2の内周面に接触融着して樹脂層3が形成され、図2に示すようにシールドパイプ1が形成される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、挿入された電線を保護するシールドパイプに関する。
ハイブリッド電気自動車(HEV)等の自動車の車体には、電線を挿入して保護するシールドパイプが装着されている。シールドパイプには、金属パイプから構成されているものがある。金属パイプでは、その内周面を樹脂等でコーティングして酸やアルカリ等の腐食性液体に対する耐久性を高めることが行われている(例えば特許文献1参照)。
特開平5−185511号公報
シールドパイプでは、自動車の振動によって、挿入された電線が金属パイプの内部と擦れることになる。そして、この擦れが累積されると、電線の絶縁体が損傷し絶縁耐圧が保てなくなる。このことにより、該電線と金属パイプの短絡による発煙、発火事故の発生が想定される。また、シールドパイプに挿入された電線は、通電した際に発熱し、外部との温度差により結露が生じる可能性がある。この結露によって、シールドパイプの内面から腐食が進行することが想定される。このため、金属パイプから構成されるシールドパイプにおいては、腐食性液体への耐久性を高めるのと同様に、金属パイプに挿入された電線が備える絶縁体の損傷や結露等の発生に伴い生じる可能性のある上記課題を解決することが望まれていた。
本発明は斯かる課題に鑑みてなされたもので、上記課題を解決できるシールドパイプを提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明は、挿入された電線を保護するシールドパイプであって、金属パイプの少なくとも内周面を樹脂層で覆って構成したことを特徴とする。
この構成によれば、シールドパイプの少なくとも内周面が樹脂層で覆われているので、挿入された電線がシールドパイプ内で移動や振動する際に、電線の絶縁体に加えられる衝撃を抑えることができる。このため、金属パイプを用いてシールドパイプに高いシールド機能を持たせつつ、金属パイプの内周面と擦れた電線の絶縁体が損傷して絶縁耐圧が保てなくなり、短絡が発生するのを防止できる。また、樹脂層により金属パイプの内側が金属パイプの外側と断熱されるので、電線の発熱等により金属パイプの外側と内側の温度差が大きくなっても、金属パイプ内に結露が生じ難くなり、シールドパイプ内部の腐食を防止できる。しかも、金属パイプの内周面を樹脂層で覆っていることから、電線の絶縁体を樹脂層で覆う場合のように電線が曲がり難くなるといったこともなく、様々な形状のシールドパイプに挿入された電線の損傷を防止することができる。
また、本発明は、金属パイプには蛇腹部が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、電線の絶縁体を損傷させやすい蛇腹部分の内周面が樹脂層で覆われていることにより、蛇腹部を備えるシールドパイプにおいても、電線の絶縁体の損傷により絶縁耐圧が保てなくなって短絡が発生するのを防止できる。
また、本発明は、金属パイプの外周面を樹脂層で覆って構成したことを特徴とする。
この構成によれば、金属パイプの外周面も樹脂層で覆われているので、シールドパイプの外面から腐食が進行することも防止できる。また、シールドパイプに高電圧の電線を挿入するときには、外周面の樹脂層に着色することにより、そのことを知らせることもできる。
また、本発明は、樹脂層は、金属パイプに樹脂コーティングを施して形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、例えば、接着剤等を用いて金属パイプに樹脂材を貼り付けて樹脂層を形成する場合のように接着剤を塗る量にむらが生じる等することもなく、金属パイプを覆う樹脂層の定着性を高めることが可能となる。また、金属パイプに樹脂層が密着しているので、金属パイプ内に結露がより生じ難くなり、シールドパイプ内部の腐食を効果的に防止できる。特に、蛇腹部を備える金属パイプにより構成されるシールドパイプにあっては、蛇腹部分の樹脂層が金属パイプから剥がれ易くなっているが、この構成によれば、接着剤等を用いて樹脂材を貼り付けて樹脂層を形成する場合に比べて樹脂層の定着性が良くなり、金属パイプから樹脂層を剥がれ難くすることができる。
また、本発明は、樹脂層は、電気絶縁性を有する樹脂から形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、金属パイプ内が電気絶縁性を有する樹脂により覆われているので、シールドパイプ内に挿入された電線の絶縁体が削れて薄くなったとしても、樹脂層により絶縁耐圧を保つことができれば短絡が起きるのを防止できることから、短絡を生じ難くすることができる。
また、本発明は、樹脂層は、熱可塑性樹脂から形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、熱可塑性樹脂により樹脂層が形成されていることから、シールドパイプの耐衝撃性、耐摩耗性、電気絶縁性、及び耐腐食性を高めることができる。
また、本発明は、シールドパイプが電気自動車に搭載されてこの電気自動車が備える電線を保護することを特徴とする。
この構成によれば、電気自動車では高電圧の電線が用いられることから特に高い絶縁耐圧が要求されて電線の絶縁体の損傷による短絡が生じ易いが、電線の絶縁体が樹脂層に保護されて損傷し難いことから、短絡が発生するのを防止できる。
また、本発明は、金属パイプを樹脂層で覆って構成されるシールドパイプの製造方法であって、金属パイプ内に樹脂層を形成するチューブ状の樹脂製フィルムを挿入する挿入工程と、この挿入工程で金属パイプ内に挿入された樹脂製フィルムを金属パイプの径方向に延伸する延伸工程と、挿入工程で金属パイプ内に挿入された樹脂製フィルムを加熱する加熱工程とを含むことを特徴とする。
この構成によれば、樹脂製フィルムの厚さに応じた厚さの樹脂層を金属パイプに形成することができることから、所望の樹脂層の厚さに応じた樹脂製フィルムを用いることにより、長尺又は径の細い金属パイプの内周面にも一定の厚さの樹脂層を簡単な作業で形成することができる。しかも、樹脂製フィルムを金属パイプの径方向に延伸しながらフィルムを加熱することにより、連続したシールドパイプを成形することができる。
また、本発明は、金属パイプを樹脂層で覆って構成されるシールドパイプの製造方法であって、樹脂層を形成する樹脂が収容された樹脂槽に金属パイプを浸して塗膜を形成する工程を含むことを特徴とする。
この構成によれば、金属パイプを樹脂槽に浸すことにより金属パイプの外周面及び内周面に塗膜を形成して樹脂層を得ることができるので、金属パイプの外周面及び内周面に樹脂層を設ける構成のシールドパイプを製作する際の作業を簡略化することができる。しかも、樹脂槽に金属パイプを浸すことにより、金属パイプの外周面及び内周面に均一な樹脂塗装膜を得ることができる。
本発明によるシールドパイプであれば、金属パイプの内部と電線との擦れに伴う短絡の発生や、結露によるシールドパイプ内面の腐食を防止することができる。
本発明の第1の実施形態のシールドパイプ1を図面を参照して説明する。
図1は本実施形態のシールドパイプ1を構成する金属パイプ2及びこの金属パイプ2にコーティングされる樹脂のフィルム4を示す図である。図2は図1に示す金属パイプ2に樹脂をコーティングして樹脂層3が形成されたシールドパイプ1の構成の概略を示す断面図である。
シールドパイプ1は、ハイブリッド電気自動車等の電気自動車が備える電線Dを保護するのに用いられる。シールドパイプ1は、電線Dを保護するためのもので、保護する電線が内部に挿入される。シールドパイプ1は、スチール製やアルミニウム製の金属パイプ2の内周面を樹脂層3で覆って構成されている。金属パイプ2には蛇腹部2aが設けられている。
樹脂層3は、金属パイプ2の内周面に電気絶縁性を有する樹脂、本実施形態ではポリアミドをコーティングして形成されている。
次に、このような構成を有するシールドパイプ1の製造方法の一例について説明する。
この例では、ブロー延伸法を用いて金属パイプ2に樹脂層3を形成する。この方法では、まず、ポリアミド製のフィルム4を、図1に矢印Aで示すように金属パイプ2に挿入する挿入処理を行う。フィルム4は、チューブ状のポリアミドの先端を封止した形状を有している。
次に、挿入処理で金属パイプ2に挿入されたフィルム4を周方向、つまり図1に矢印Bで示す方向に延伸する延伸処理を施し、金属パイプ2をフィルム4と共に加熱する加熱処理を施す。延伸処理では、フィルム4内に空気を吹き込むことによりフィルム4が延伸される。
加熱処理での加熱温度は、延伸処理での延伸方法等に応じて選択されるが、本実施形態のようにフィルム4内に空気を吹き込んで延伸させる場合には、フィルム4の溶融点未満の温度、本実施形態ではポリアミドの溶融点である225℃未満の温度、特にポリアミドの熱変形温度(0.45MPaの時)が180℃前後であることから170℃〜180℃で約60秒間保持することが好ましい。
加熱処理での加熱方法は、フィルム4の挿入された金属パイプ2全体をオーブンに入れて全体を加熱したり、小型のヒータを金属パイプ2の軸方向に移動させて金属パイプ2の端から順次加熱する方法、高周波加熱するを行う方法など適宜選択できる。
延伸処理及び加熱処理により、フィルム4の外周と金属パイプ2の内周とが接触した状態で加熱され、溶融状態のフィルム4が金属パイプ2の内周面に接触融着して樹脂層3が形成され、図2に示すようにシールドパイプ1が形成される。
なお、フィルム4の延伸工程及び加熱工程の順序は適宜選択することができ、いずれを先に行っても、また、両工程を併せて行ってもよい。また、延伸工程では、金属パイプ2の内面とフィルム4との間隙部を減圧する等してフィルム4を延伸させてもよい。
本実施形態によるシールドパイプ1によれば、シールドパイプ1の内周面が樹脂層3で覆われているので、挿入された電線Dがシールドパイプ1内で移動や振動する際に、電線Dの絶縁体に加えられる衝撃を抑えることができる。このため、金属パイプ2を用いてシールドパイプ1に高いシールド機能を持たせつつ、金属パイプ2の内周面と擦れた電線Dの絶縁体が損傷して絶縁耐圧が保てなくなり、短絡が発生するのを防止できる。また、樹脂層3により金属パイプ2の内側が金属パイプ2の外側と断熱されるので、電線Dの発熱等により金属パイプ2の外側と内側の温度差が大きくなっても、金属パイプ2内に結露が生じ難くなり、シールドパイプ1内部の腐食を防止できる。しかも、金属パイプ2の内周面を樹脂層3で覆っていることから、電線Dの絶縁体を樹脂層で覆う場合のように電線Dが曲がり難くなるといったこともなく、様々な形状のシールドパイプ1に挿入された電線Dの損傷を防止することができる。
また、本実施形態によるシールドパイプ1によれば、電線Dの絶縁体を損傷させやすい蛇腹部2aの内周面が樹脂層3で覆われていることにより、蛇腹部2aを備えるシールドパイプ1においても電線Dの絶縁体の損傷により絶縁耐圧が保てなくなって短絡が発生するのを防止できる。特に、自動車の車体に搭載されるシールドパイプ1では、蛇腹部2aが折り曲げられることに伴い生じる圧縮応力や引張応力、さらに自動車の車体から伝わる振動の影響で蛇腹部2aに高い応力が発生し、少しの腐食でも破損しやすいが、本実施形態によるシールドパイプ1によれば、樹脂層3により腐食の発生が防止されるため、蛇腹部2aを破損し難くすることができる。
また、本実施形態によるシールドパイプ1によれば、例えば、接着剤等を用いて金属パイプ2に樹脂材を貼り付けて樹脂層3を形成する場合のように接着剤を塗る量にむらが生じる等することもなく、金属パイプ2を覆う樹脂層3の定着性を高めることが可能となる。また、金属パイプ2に樹脂層3が密着しているので、金属パイプ2内に結露がより生じ難くなり、シールドパイプ1内部の腐食を効果的に防止できる。特に、蛇腹部2aを備える金属パイプ2により構成されるシールドパイプ1にあっては、蛇腹部2aの樹脂層3が金属パイプ2から剥がれ易くなっているが、この構成によれば、接着剤等を用いて樹脂材を貼り付けて樹脂層3を形成する場合に比べて樹脂層3の定着性が良くなり、金属パイプ2から樹脂層3を剥がれ難くすることができる。
また、本実施形態によるシールドパイプ1によれば、金属パイプ2内が電気絶縁性を有する樹脂層3により覆われているので、シールドパイプ1内に挿入された電線Dの絶縁体が削れて薄くなり、また仮に絶縁体が削れて電線Dの導体が露出したとしても、樹脂層3により絶縁耐圧を保つことができれば短絡が起きるのを防止することができることから、短絡を生じ難くすることができる。
また、本実施形態によるシールドパイプ1によれば、ポリアミドにより樹脂層3が形成されていることから、シールドパイプ1の耐衝撃性、耐摩耗性、電気絶縁性、及び耐腐食性を高めることができる。
また、本実施形態によるシールドパイプ1によれば、ハイブリッド電気自動車等の電気自動車では高電圧の電線Dが用いられることから特に高い絶縁耐圧が要求されて電線Dの絶縁体の損傷による短絡が生じ易いが、電線Dの絶縁体が樹脂層3に保護されて損傷し難いことから、短絡が発生するのを防止できる。
また、本実施形態によるシールドパイプ1の製造方法によれば、フィルム4の厚さに応じた厚さの樹脂層3を金属パイプ2に形成することができることから、所望の樹脂層3の厚さに応じたフィルム4を用いることにより、長尺又は径の細い金属パイプ2の内周面にも一定の厚さの樹脂層3を簡単な作業で形成することができる。しかも、樹脂製フィルム4を金属パイプ2の径方向に延伸しながらフィルム4を加熱することにより、連続したシールドパイプ1を成形することができる。
次に、本発明の第2の実施形態のシールドパイプを図面を参照して説明する。
図3は本実施形態のシールドパイプ11を構成する金属パイプ2及びこの金属パイプ2にコーティングされる樹脂の収容された樹脂コーティング槽5を示す図である。図4は図3に示す金属パイプ2に樹脂をコーティングして、内周面に樹脂層31,外周面に樹脂層32がそれぞれ形成されたシールドパイプ11の構成の概略を示す断面図である。
本実施形態のシールドパイプ11は、上記実施形態のシールドパイプ1と同様にハイブリッド電気自動車が備える電線Dを保護するのに用いられる。シールドパイプ11は、上記実施形態のシールドパイプ1と同様の構成を有する金属パイプ2の内周面及び外周面にポリプロピレンからなる樹脂層31,32を形成して構成されている。
樹脂層31,32は、金属パイプ2の周面に電気絶縁性を有する樹脂、本実施形態ではポリプロピレンをコーティングして形成されている。
次に、このような構成を有するシールドパイプ11の製造方法の一例について説明する。
この例では、溶剤浸漬法を用いて金属パイプ2に樹脂層31,32を形成する。この方法では、まず金属パイプ2に浸漬処理を施す。この浸漬処理では、樹脂コーティング槽5に図3に矢印Cで示すように金属パイプ2を浸漬する。樹脂コーティング槽5には溶融又は半溶融状態のポリプロピレン6が収容されている。この浸漬処理により、金属パイプ2の表面に溶融又は半溶融状態のポリプロピレンの塗膜が形成される。
次に、表面に塗膜の形成された金属パイプ2に乾燥処理を施して、溶融又は半溶融状態のポリプロピレンを硬化させる。
浸漬処理及び乾燥処理が行われることにより、図4に示すように、金属パイプ2の内周面及び外周面に樹脂層31,32が形成されてシールドパイプ11が形成される。
次に、シールドパイプ11の製造方法の他の例について説明する。
この例では、流動浸漬法を用いて金属パイプ2に樹脂層31,32を形成する。この方法では、まず、金属パイプ2に前加熱処理を施す。
次に、金属パイプ2に浸漬処理を施す。この浸漬処理では、前加熱処理で加熱した金属パイプ2を、ポリプロピレンの粉体槽に浸漬する。粉体槽には下から圧縮空気又は不活性ガスが送り込まれており、ポリプロピレンの粉体が槽内で流動している。この浸漬処理により、金属パイプ2の表面に半溶融状態又は溶融状態のポリプロピレンの塗膜が形成される。
次に、表面に塗膜の形成された金属パイプ2に後加熱処理を施す。
前加熱処理、浸漬処理、及び後加熱処理が行われることにより、図4に示すように、金属パイプ2の内周面及び外周面に樹脂層31,32が形成されてシールドパイプ11が形成される。なお、後加熱処理は必ずしも行う必要はない。
本実施形態によるシールドパイプ11によれば、上記第1の実施形態によるシールドパイプ1と同様の作用効果を得ることができる。しかも、本実施形態によるシールドパイプ11では、金属パイプ2の外周面も樹脂層32で覆われていることから、シールドパイプ11の外面から腐食が進行することも防止できる。また、シールドパイプ11に高電圧の電線Dを挿入するときには、樹脂層32に所定の色、例えばオレンジ色を着色することにより、そのことを知らせることもできる。
また、本実施形態による溶剤浸漬法によるシールドパイプ11の製造方法によれば、金属パイプ2を樹脂コーティング槽5に浸すことにより金属パイプ2の外周面及び内周面に塗膜を形成して樹脂層31,32を得ることができるので、金属パイプ2の内周面に樹脂層31を形成する処理と内周面に樹脂層32を形成する処理とを別々に行うのに比べて、シールドパイプ11を作成する際の作業を簡略化することができる。また、流動浸漬法を用いた製造方法でも同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記各実施形態では、金属パイプ2の内周面に形成された樹脂層3,31の厚さが均一である場合について説明したが、金属パイプ2の軸心方向に突出した蛇腹部2aの山部分の樹脂層3,31が蛇腹部2aの谷部分等の他の部分の樹脂層3,31に比べて肉厚に形成されている構成としてもよい。例えば、上記第1の実施形態のシールドパイプ1では、図5に示すように、金属パイプ2の軸心方向に突出した蛇腹部2aの山部分2aの樹脂層3の高さH1を谷部分2a等の他の部分の樹脂層3の高さH2に比べて肉厚に形成することができる。
この構成によれば、電線Dの絶縁体を特に損傷させやすい蛇腹部2aの山部分2aを覆う樹脂層3,31が谷部分2a等の他の部分に比べて肉厚に形成されていることから、電線Dの絶縁体に損傷がより生じ難くなり、短絡が発生するのを効果的に防止できる。
また、上記第1の実施形態では、ブロー延伸法により金属パイプ2の内周壁に樹脂層3をコーティングした場合について説明したが、樹脂層3を構成する樹脂の性質等に応じてコーティング方法は任意に選択することができる。また、上記第2の実施形態では、溶剤浸漬法または流動浸漬法により樹脂層31,32をコーティングした場合について説明したが、樹脂層31,32を構成する樹脂の性質等に応じてコーティング方法は任意に選択することができる。また、上記各実施形態では、ハイブリッド電気自動車が備える電線を保護するシールドパイプ1に本発明を適用した場合について説明したが、挿入された電線の損傷に伴う短絡や結露の発生に伴う腐食等のおそれのある他のシールドパイプに本発明を適用することもできる。また、上記各実施形態では、樹脂層3を構成する樹脂としてポリアミド、樹脂層31,32を構成する樹脂としてポリプロピレンをそれぞれ用いた場合について説明した。しかしながら、樹脂層3,31,32を構成する樹脂の種類は、加熱により容易に加工ができ、生産性及び品質上において安定して製造が可能であることから熱可塑性樹脂を用いることが好ましいが、任意である。例えば、ポリエチレンやポリスチレン等の他の熱可塑性樹脂を用いて樹脂層3を形成することもできる。
本発明の第1の実施形態によるシールドパイプを構成する金属パイプ及びこの金属パイプにコーティングされる樹脂のフィルムを示す図である。 図1に示す金属パイプに樹脂をコーティングして樹脂層が形成されたシールドパイプの構成の概略を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態によるシールドパイプを構成する金属パイプ及びこの金属パイプにコーティングされる樹脂のゾル槽を示す図である。 図3に示す金属パイプに樹脂をコーティングして樹脂層が形成されたシールドパイプの構成の概略を示す断面図である。 本発明の実施の形態によるシールドパイプの変形例を説明する。
符号の説明
1,11 シールドパイプ
2 金属パイプ
2a 蛇腹部
2a 山部分
2a 谷部分
2a 蛇腹部
3,31,32 樹脂層
4 フィルム
5 樹脂コーティング槽
6 溶融又は半溶融状態のポリプロピレン

Claims (9)

  1. 挿入された電線を保護するシールドパイプであって、
    金属パイプの少なくとも内周面を樹脂層で覆って構成したことを特徴とするシールドパイプ。
  2. 前記金属パイプには蛇腹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシールドパイプ。
  3. 前記金属パイプの外周面を樹脂層で覆って構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシールドパイプ。
  4. 前記樹脂層は、前記金属パイプに樹脂コーティングを施して形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のシールドパイプ。
  5. 前記樹脂層は、電気絶縁性を有する樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のシールドパイプ。
  6. 前記樹脂層は、熱可塑性樹脂から形成されていることを特徴とする請求項5に記載のシールドパイプ。
  7. 電気自動車に搭載されてこの電気自動車が備える電線を保護することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載のシールドパイプ。
  8. 金属パイプを樹脂層で覆って構成されるシールドパイプの製造方法であって、前記金属パイプ内に前記樹脂層を形成するチューブ状の樹脂製フィルムを挿入する挿入工程と、この挿入工程で前記金属パイプ内に挿入された前記樹脂製フィルムを前記金属パイプの径方向に延伸する延伸工程と、前記挿入工程で前記金属パイプ内に挿入された前記樹脂製フィルムを加熱する加熱工程とを含むことを特徴とするシールドパイプの製造方法。
  9. 金属パイプを樹脂層で覆って構成されるシールドパイプの製造方法であって、前記樹脂層を形成する樹脂が収容された樹脂槽に前記金属パイプを浸して塗膜を形成する工程を含むことを特徴とするシールドパイプの製造方法。
JP2007059997A 2007-03-09 2007-03-09 シールドパイプ Active JP5281753B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007059997A JP5281753B2 (ja) 2007-03-09 2007-03-09 シールドパイプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007059997A JP5281753B2 (ja) 2007-03-09 2007-03-09 シールドパイプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008226530A true JP2008226530A (ja) 2008-09-25
JP5281753B2 JP5281753B2 (ja) 2013-09-04

Family

ID=39844909

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007059997A Active JP5281753B2 (ja) 2007-03-09 2007-03-09 シールドパイプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5281753B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015118937A1 (ja) * 2014-02-06 2015-08-13 株式会社オートネットワーク技術研究所 電磁シールド部品および電磁シールド部品付電線
WO2016052148A1 (ja) * 2014-10-02 2016-04-07 株式会社オートネットワーク技術研究所 電磁シールド部材
WO2016052122A1 (ja) * 2014-10-01 2016-04-07 株式会社オートネットワーク技術研究所 電磁シールド部材
WO2016052103A1 (ja) * 2014-09-30 2016-04-07 株式会社オートネットワーク技術研究所 電磁シールド部材
CN112297417A (zh) * 2020-11-12 2021-02-02 重庆建安仪器有限责任公司 一种镀铝mylar膜的贴膜工艺

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016042555A (ja) * 2014-08-19 2016-03-31 株式会社オートネットワーク技術研究所 電磁シールド部材及び電磁シールド部材製造方法

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5357488A (en) * 1976-11-02 1978-05-24 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> Protection tube to lay communications cable
JPS55100413U (ja) * 1978-12-28 1980-07-12
JPS5625919U (ja) * 1979-08-02 1981-03-10
JPH01120713A (ja) * 1987-10-31 1989-05-12 Sumitomo Electric Ind Ltd 配電線用光ファイバ複合架空地線
JPH01121217U (ja) * 1988-02-08 1989-08-17
JP2003257264A (ja) * 2002-03-01 2003-09-12 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk 編組シールド線のかしめ用中子
JP2004214062A (ja) * 2003-01-06 2004-07-29 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk シールド機能を備えた導電路及びシールド部材
JP2006318680A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk シールド導電体
WO2007029801A1 (ja) * 2005-09-08 2007-03-15 Autonetworks Technologies, Ltd. 車両用シールド導電体
JP2007221085A (ja) * 2006-01-17 2007-08-30 Inoac Corp 電磁シールドチューブ及びその製造方法
JP2007335565A (ja) * 2006-06-14 2007-12-27 Inoac Corp 電磁シールドスリーブ

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5357488A (en) * 1976-11-02 1978-05-24 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> Protection tube to lay communications cable
JPS55100413U (ja) * 1978-12-28 1980-07-12
JPS5625919U (ja) * 1979-08-02 1981-03-10
JPH01120713A (ja) * 1987-10-31 1989-05-12 Sumitomo Electric Ind Ltd 配電線用光ファイバ複合架空地線
JPH01121217U (ja) * 1988-02-08 1989-08-17
JP2003257264A (ja) * 2002-03-01 2003-09-12 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk 編組シールド線のかしめ用中子
JP2004214062A (ja) * 2003-01-06 2004-07-29 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk シールド機能を備えた導電路及びシールド部材
JP2006318680A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk シールド導電体
WO2007029801A1 (ja) * 2005-09-08 2007-03-15 Autonetworks Technologies, Ltd. 車両用シールド導電体
JP2007221085A (ja) * 2006-01-17 2007-08-30 Inoac Corp 電磁シールドチューブ及びその製造方法
JP2007335565A (ja) * 2006-06-14 2007-12-27 Inoac Corp 電磁シールドスリーブ

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015118937A1 (ja) * 2014-02-06 2015-08-13 株式会社オートネットワーク技術研究所 電磁シールド部品および電磁シールド部品付電線
JP2015149176A (ja) * 2014-02-06 2015-08-20 株式会社オートネットワーク技術研究所 電磁シールド部品および電磁シールド部品付電線
CN106030726A (zh) * 2014-02-06 2016-10-12 株式会社自动网络技术研究所 电磁屏蔽部件和具有电磁屏蔽部件的电线
US9743567B2 (en) 2014-02-06 2017-08-22 Autonetworks Technologies, Ltd. Electromagnetic shielding component and electric wire assembly with electromagnetic shielding component
CN106030726B (zh) * 2014-02-06 2017-12-05 株式会社自动网络技术研究所 电磁屏蔽部件和具有电磁屏蔽部件的电线
WO2016052103A1 (ja) * 2014-09-30 2016-04-07 株式会社オートネットワーク技術研究所 電磁シールド部材
WO2016052122A1 (ja) * 2014-10-01 2016-04-07 株式会社オートネットワーク技術研究所 電磁シールド部材
WO2016052148A1 (ja) * 2014-10-02 2016-04-07 株式会社オートネットワーク技術研究所 電磁シールド部材
JP2016072583A (ja) * 2014-10-02 2016-05-09 株式会社オートネットワーク技術研究所 電磁シールド部材
CN112297417A (zh) * 2020-11-12 2021-02-02 重庆建安仪器有限责任公司 一种镀铝mylar膜的贴膜工艺
CN112297417B (zh) * 2020-11-12 2023-01-24 重庆建安仪器有限责任公司 一种镀铝mylar膜的贴膜工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP5281753B2 (ja) 2013-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5281753B2 (ja) シールドパイプ
JP4133335B2 (ja) 自動車用モールド部品の製造方法
KR102351466B1 (ko) 케이블의 제조를 위한 연속식 가교 장치
US10348002B2 (en) Wiring member having molded part
JP2010192309A (ja) シールド線の端末止水方法および端末止水部を備えたシールド線
JP2014001420A (ja) 導体の軟化装置および軟化方法、ならびに絶縁電線の製造装置および製造方法
US20120291277A1 (en) Method for establishing a sealed connection
JP2009045907A (ja) シームレスポリイミドチューブ及びその製造方法
FI79419B (fi) Metallfilmskondensator samt foerfarande foer faestande av ledare i ett poroest metallmaterial.
JP2022003644A (ja) 端子付電線及び端子付電線の製造方法
JP2015118832A (ja) ワイヤーハーネスおよびその製造方法
US7763804B2 (en) Electrically conductive wire and method for its production
JP5102547B2 (ja) 絶縁電線及びその製造方法
JP4875666B2 (ja) 屋外型電力ケーブル端末および防水処理方法
KR910008842B1 (ko) 피복 관형 부재내에 피복부를 형성하는 방법
JP2004158618A (ja) 電磁波シールド熱収縮チューブ
JP2007078420A (ja) Pfa樹脂被覆細径熱電対及びその製造方法
JP6210641B2 (ja) 被覆電線中間材、被覆電線、被覆電線の製造方法及びワイヤハーネス
JP4695950B2 (ja) 常温収縮チューブの製造方法及び常温収縮チューブ
KR0164238B1 (ko) 전선용 배선관의 제조방법
JPH0647834A (ja) パイプ、そのパイプを用いたケーブル及び製造方法
JP2009123403A (ja) 絶縁電線及びその製造方法
JP5461220B2 (ja) 面状ヒータの製造方法及び面状ヒータ
JP2000260618A (ja) 電気機器コイル及びその製造方法
JP2005268194A (ja) 電線接続部を密封した電気部品、及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120821

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130325

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130514

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130527

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5281753

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250