JP2008179128A - 伸縮シート - Google Patents

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Abstract

【課題】幅縮みを起こさずに伸長させることが可能な伸縮シートを提供すること。
【解決手段】伸縮シート10は、互いに交差せずに一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメント13が、実質的に非伸長状態で、それらの全長にわたり、伸長可能な不織布11,12に接合されている。伸縮シート10は、紡糸ノズル16から紡出された溶融状態の多数の弾性フィラメント13を所定速度で引き取って延伸しつつ、弾性フィラメント13の固化前に、弾性フィラメント13が互いに交差せず一方向に配列するように弾性フィラメント13を不織布11,12に融着させ、次いで弾性フィラメント13が融着した複合体19を、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って弾性発現処理して複合体19に伸縮性を付与することで製造される。
【選択図】図1

Description

本発明は、弾性フィラメントと不織布とを複合化してなる伸縮シートに関する。
弾性を有する繊維と不織布とを複合化してなる伸縮シートに関する従来の技術としては、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。同文献に記載の伸縮シートは、同文献の図1に記載されているように第1の不織布層122と、第2の不織布層126と、両不織布層間に位置するエラストマー層124とから構成されている。エラストマー層124はスクリム、穿孔フィルム、エラストマー織布、不織布から構成されている。同文献の図1には、エラストマー層124が、互いに直交する複数の第1のストランド125と、複数の第2のストランド127とからなるエラストマースクリム130から構成されていることが記載されている。エラストマー層124がこのような構造になっていることに起因して、特許文献1に記載の伸縮シートは、それをある一方向に伸長させると、伸長方向と直交する方向のシート幅が狭くなる現象、即ち幅縮みの現象が起こる。したがって、この伸縮シートを例えばパンツ型おむつの外包材として用いると、材が胴回り方向に伸ばされ、幅縮みがおむつの長手方向に生じるため、おむつがずれ落ちやすくなったり、おむつに皺が寄ったりする。また、おむつの構成と使用者の動きを考えると、幅方向に不均一な伸長が起こり、幅縮みは一層顕著になる。また、ストランド125,127と不織布層122,126は、熱及び圧力によって接合されているので、ストランド125,127が不織布層122,126内へ食い込んでしまい、不織布層122,126のふんわり感が損なわれる。ストランド125,127と不織布層122,126は、不織布122,または126側からかけられた熱及び圧力によって接合されているので、接着時は、外側の不織布側の温度が高くなりやすく、ストランド側の温度は不織布よりも温度が低い状態になりやすい。そのため、十分な接合強度を得ようとすると、熱及び圧力によって不織布がストランドよりも先に溶けてしまいフィルム化してしまうという問題があった。また、ストランドに接する内部の繊維の樹脂を溶かすことが必要なため、温度や圧力を高くかけることになり、風合いを悪化させてしまう問題があった。不織布に融点の高いものを用いれば不織布繊維自体は溶けないですむが、エラストマースクリムとは融着し難いものとなるとともに、柔らかな風合いの良い比較的融点の低い不織布を用いることが困難となる。
伸縮シートの他の技術として、特許文献2に記載の技術も知られている。同文献に記載の伸縮シートは、同文献の図1、図2及び図5に示されているように、ギア形状を有する波形部材20,21によってシート12に多数のアーチ部分13を形成し、そのアーチ部分13の頂部(底部)に弾性ストランド16を融着してなるものである。弾性ストランド16は、ダイ22から溶融状態で押し出され、未延伸の状態でシート12に融着する。したがって弾性ストランド16は、シート12と点接触で接合されることになり、それに起因して接合強度を高めることが容易でない。また同文献に記載の伸縮シートは、アーチ部分13が平たくなる以上には伸長することができず、いわゆる伸び止まりがある。更に、アーチ部分13を形成してシート12を弛ませている分だけシート12の使用量が多くなり経済的ではなく、通気性も低くなる。なお同文献には、弾性ストランド16と接合される前のシート12をその原反の状態で既に伸長可能にした状態で該弾性ストランドと接合してもよいことが記載されている。しかし、流れ方向に伸長可能な不織布を、伸長させずに搬送することは困難である。さらに、特許文献2に記載の伸縮シートをロール状に巻き取る場合には、巻き取り時の張力によって伸ばされた状態で長時間保存されるため収縮力が徐々に低下するという、応力緩和が起こるため、保存性に問題があった。該シートに対する後加工を別の異なる場所で行う場合には、ハンドリング性や輸送性を考慮すると伸縮シートをロール状に巻き取ることは、必須のことである。
特許文献3には、弾性ストランドを成形後、該弾性ストランドが冷却固化された状態で伸長させ、その後に不織布と接合して伸縮シートを得る方法が記載されている。弾性ストランドの伸長分が戻ることによって、不織布が弛み、その長さの範囲において、伸縮性が発現する。弾性ストランドは不織布との接合前に冷却固化されているので、接着剤等で不織布と貼り合わせを行う必要がある。そのため、十分な接着強度を得るには接着剤の量を多くする必要がある。接着剤を多く塗布すると、不織布の繊維間の空隙を埋めてしまうため、通気性が落ちる。また、複数本の繊維を接着剤で束ねてしまうため、剛性が高くなる。したがって柔らかで通気性のよいシートを得ることは困難である。また、同文献に記載されている伸縮シートは、弾性糸を伸長させた状態で貼り合わせている通常の糸ゴム弾性体と同じ構造となるので、伸縮シートにギャザーが形成されてしまい、肌触りに劣り、布調の外観を有しないものとなる。ギャザーを形成した状態では不織布が元の状態に伸びようとして弾性体は伸長した状態になり、伸ばされた状態で長時間保存されるため収縮力が徐々に低下するという、応力緩和が起こるため、長期保存時に伸縮力が低下する。更に、不織布等と複合化させる工程において、弾性ストランドを、ロールを用いて伸長させたり、ロールに抱かせて搬送させる際、該弾性ストランドが該ロールに貼りついたり、糸切れを起こしたりするといった問題があった。また、この弾性体は、何れもストランドが比較的太くなってしまうため、風合いがごつごつとした感触を与え、風合いの良いものではない。
以上の技術とは別に、弾性伸縮性のフィルム又は弾性伸縮性の連続繊維からなる弾性シートと、非弾性的な伸長性を有する繊維集合体とを積層してなる弾性伸縮性複合シートが提案されている(特許文献4参照)。弾性シートと繊維集合体とは間欠的に配置された接合部で接合されている。繊維集合体の構成繊維は、接合部間で連続する長繊維である。この長繊維は接合部間において溶着も融着もしておらず、繊維が互いに分離独立している。また、この長繊維は接合部間において不規則な曲線を描いている。
特許文献4によれば、この弾性伸縮性複合シートにおいては、繊維集合体の長繊維が接合部間において不規則な曲線を描いているので、該シートを伸長させたとき、その伸長が該繊維集合体によって妨げられることがないとされている。しかし、繊維集合体の長繊維が接合部間において互いに分離独立しているので、この弾性伸縮性複合シートは引っ張りに対する強度が低い。また、繊維集合体と弾性シートとの間の剥離強度も低い。更に、接合部間において長繊維の浮きが生じやすく、それによってシートが毛羽立ち様の外観を呈し、見た目の印象が良好でない。
特表2003−524534号公報 特表平10−501195号公報 特表2003−533280号公報 特開2001−79972号公報
したがって本発明の目的は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る伸縮シートを提供することにある。
本発明は、互いに交差せずに一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが、実質的に非伸長状態で、それらの全長にわたり、伸長可能な不織布に接合されている伸縮シートを提供するものである。
また本発明は、紡糸ノズルから紡出された溶融状態の多数の弾性フィラメントを所定速度で引き取って延伸しつつ、該弾性フィラメントの固化前に、該弾性フィラメントが互いに交差せず一方向に配列するように該弾性フィラメントを不織布に融着させ、次いで該弾性フィラメントが融着した複合体を、該弾性フィラメントの延びる方向に沿って延伸して該複合体に伸縮性を付与する伸縮シートの製造方法を提供するものである。
本発明の伸縮シートにおいては、弾性フィラメントが一方向に延びるように配列しているので、幅縮みを起こさずに該弾性フィラメントの延びる方向に該伸縮シートを伸長させることができる。また本発明の伸縮シートは、強度が高く、伸縮シートを伸長させたときに、弾性フィラメントと不織布との剥離が起こりにくい。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の伸縮シートの一実施形態の一部破断斜視図が示されている。本実施形態の伸縮シート10は、第1の不織布11及び第2の不織布12の計2枚の不織布と、両不織布間に挟持された多数の弾性フィラメント13とから構成されている。各弾性フィラメント13は、第1及び第2の不織布11,12と接合している。第1の不織布11と第2の不織布12は、同種のものでもよく、或いは異種のものでもよい。ここで言う同種の不織布とは、不織布の製造プロセス、不織布の構成繊維の種類、構成繊維の繊維径や長さ、不織布の厚みや坪量等がすべて同じである不織布どうしを意味する。これらのうちの少なくとも一つが異なる場合には異種の不織布であるという。また本発明において弾性とは、伸ばすことができ、且つ元の長さに対して100%伸ばした状態(元の長さの200%の長さになる)から力を解放したときに、元の長さの125%以下の長さまで戻る性質を言う。
各不織布11,12は何れも伸長可能なものである。各不織布11,12は、弾性フィラメント13の延びる方向と同方向に伸長可能になっている。伸長可能とは、(イ)不織布11,12の構成繊維自体が伸長する場合と、(ロ)構成繊維自体は伸長しなくても、交点において結合していた繊維どうしが離れたり、繊維どうしの結合等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたり、繊維のたるみが引き伸ばされたりして、不織布全体として伸長する場合とを包含する。
各不織布11,12は、弾性フィラメント13と接合される前の原反の状態で既に伸長可能になっていてもよい。或いは、弾性フィラメント13と接合される前の原反の状態では伸長可能ではないが、弾性フィラメント13と接合された後に伸長可能となるように加工が施されて、伸長可能になるものであってもよい。不織布を伸長可能にするための具体的な方法としては、熱処理、ロール間延伸、歯溝やギアによるかみ込み延伸、テンターによる引張延伸などが挙げられる。後述する伸縮シート10の好適な製造方法に鑑みると、弾性フィラメント13を不織布11,12に融着させるときの該不織布11,12の搬送性が良好になる点から、不織布11,12はその原反の状態では伸長可能でないことが好ましい。
各不織布11,12は伸長可能であり、実質的に非弾性の繊維を含んでなるものであり、実質的に非弾性である。
各弾性フィラメント13は、伸縮シート10の全長にわたって実質的に連続している。弾性フィラメント13は弾性樹脂を含んでいる。各弾性フィラメント13は、互いに交差せずに一方向に延びるように配列している。但し、伸縮シート10の製造条件の不可避的な変動に起因して、意図せず弾性フィラメント13が交差することは許容される。各弾性フィラメント13は、互いに交差しない限り、直線状に延びていてもよく、或いは蛇行しながら延びていてもよい。
フィラメントが互いに交差しないということは、交点がほとんど無いということになる。交点があると、交点と交点の間に複数の繊維があるということになるが、通常、工業的には、交点間に存在する繊維の長さが一致するということは稀である。交点間に存在する繊維の長さが異なる状態のままで、伸長を行うと、交点間に含まれる長さの短い方の繊維だけに、応力がかかることになり、たくさんの繊維を配置しても、伸長に関与しない繊維が多く生じることになる。同じ重量の繊維で比較した場合、繊維の交点の多いほうが収縮力は小さくなる。よって、コストの無駄となる。縦方向だけの伸縮を考えた場合、ネットのように横方向に繊維がある場合は、横方向の繊維が、無駄なだけでなく、上記交点が生じ、同様に縦方向の繊維にも無駄な部分が生じてしまう。
弾性フィラメント13の延びる方向は、第1及び第2の不織布11,12の製造時の流れ方向と一致していてもよく、或いは不織布11,12の製造時の流れ方向と直交していてもよい。後述する好適な製造方法に従い伸縮シート10を製造すると、弾性フィラメント13の延びる方向は、第1及び第2の不織布11,12の製造時の流れ方向と一致する。
弾性フィラメント13は、実質的に非伸長状態で不織布11,12に接合されている。これらの不織布11,12は、伸長可能なものである。弾性フィラメント13が伸長していない状態で不織布11,12に接合されるため、本実施形態の伸縮シート10は、伸長による緩和(クリープ)が起こらず、伸縮性が低下しにくいという利点がある。更に、例えば弾性フィラメント13を2倍に伸長させて不織布11,12と貼り合わせた場合に、初期の1.3倍まで仮に戻ったとすると、この状態からは1.54倍までしか伸ばすことができないが、非伸長状態で貼り合わせを行った場合には、伸縮シートを伸長させたときの初期原点が異なるため、不織布11,12の伸長可能な長さまで又は弾性フィラメント13の最大伸度まで伸ばすことが可能となるという利点がある。
弾性フィラメント13が伸長していない状態で、これを不織布11,12に接合させることには次の利点もある。本実施形態の伸縮シート10は、例えば、実質的に非伸長状態の弾性フィラメント13を、非伸長状態の不織布11,12に接合して一旦巻き取り原反とし、(このとき、弾性フィラメント13と接合した非伸長状態の不織布11,12は非伸縮性である)、この原反を繰り出して別工程において延伸加工(例えば歯溝延伸)して、非伸長状態の不織布11,12を伸長可能な不織布となすことで製造される。前記の原反の状態では、該原反は非伸長でかつ非伸縮性なので、弾性フィラメント13に外力が作用しない。その結果、前記の原反を長期間保存しても、伸長に起因する緩和が起こらないという利点がある。
弾性フィラメント13は、糸状の合成ゴム糸や天然ゴムであり得る。或いは乾式紡糸(溶融紡糸)や、湿式紡糸によって得られたものであり得る。このうち、後述する好適な製造方法に鑑みると、弾性フィラメント13は、これを一旦巻き取ったり、蓄えたりすることなしに直接溶融紡糸によって得られたものであることが好ましい。
弾性フィラメント13は、ノズルから吐出された溶融樹脂を紡糸線上で延伸して得られたものであることが好ましい。延伸することで、弾性フィラメント13を構成する高分子が、該弾性フィラメント13の長さ方向に分子配向するので、後述する50%伸長時の行き/戻り比が高まり、ヒステリシスロスが小さくなる。また、延伸によって細い弾性フィラメントが得られる。この観点から、弾性フィラメント13は、1.1〜400倍、特に4〜100倍に延伸されたものであることが好ましい。これに対して、先に述べた特許文献2においては、ダイから溶融状態で押し出された弾性ストランドが未延伸の状態でシートに接合されるので、該弾性ストランドのヒステリシスロスは十分に小さいものとはならない。また、特許文献3においては延伸を行う際に、粘着性の樹脂がロールに直接触れるため、弾性ストランドが巻きつくといった問題がある。
特に、弾性フィラメント13は、弾性樹脂が溶融又は軟化した状態で延伸されて形成されたものであることが好ましい。これにより、十分細化したフィラメントを得ることが可能になり、後述する理由で、風合いが良くなる。また、弾性樹脂が溶融又は軟化した状態で延伸されることで、不織布11、12と貼り合わせた後、常温になった弾性フィラメント13は縮もうとする力は示さず、弾性フィラメント13は非伸長状態で不織布11,12に接合させたことと同じ状態になる。本実施形態における延伸の具体的な操作としては、(イ)弾性フィラメント13の原料となる樹脂を溶融紡糸して一旦未延伸糸を得、その未延伸糸の弾性フィラメントを再度加熱して軟化温度(ハードセグメントのガラス転移点温度Tg)以上の状態で延伸する操作や、(ロ)弾性フィラメント13の原料となる樹脂を溶融紡糸して得られた溶融状態の繊維を直接延伸する操作が挙げられる。後述する好適な製造方法に従い伸縮シート10を製造すると、弾性フィラメント13は、溶融紡糸して得られた溶融状態の繊維を直接延伸することで得られる。
紡糸後の延伸により得られた弾性フィラメント13は、その直径が10〜200μm、特に20〜130μmであることが好ましい。この範囲は、伸縮シート10の風合いや、弾性フィラメント13の生産性を考慮して決定されたものである。詳細には、弾性フィラメント13の直径が大きすぎると、伸縮シート10に触れたときに、弾性フィラメント13に起因する段差が知覚されやすくなってしまう。この段差は、伸縮シート10の風合いにマイナスに作用するものである。この観点からは、弾性フィラメント13の直径は小さいほど、各不織布11,12の風合いのみが知覚されやすくなるので好ましい。また、不織布の光透過性を低減させることにより、いわゆる体液の色の隠蔽性能を持たせる意味でも弾性フィラメント13は細い方が好ましい。更に、後述する歯溝ロールによる弾性発現処理において、弾性フィラメント13の直径を歯溝ロール間の歯と歯のクリアランス以下(好ましいクリアランスとしては歯の耐久性を高める点と噛み込み量による延伸倍率を高くする点でクリアランスが小さくなり、250μm以下、より好ましくは200μm以下である)にすることで、延伸時に弾性フィラメントがダメージ(亀裂や切断)を受けにくくなるので、細い方が好ましい。弾性フィラメントの直径と上記クリアランスとの比は0.2〜1、特に0.2〜0.5が好ましい。尤も、弾性フィラメント13が細径になる程その製造が容易でなくなる。これらを考慮すると、弾性フィラメント13の直径は前記の範囲内であることが好ましい。
上述の段差を発生させないようにする観点から、伸縮シート10の厚みに対する弾性フィラメント13の伸縮シートの厚み方向の直径の割合は、1〜30%、特に5〜12%であることが好ましい。
弾性フィラメント13は、その断面が円形であり得るが、場合によっては楕円形や扁平形状の断面のこともある。例えば後述する製造方法に従い伸縮シート10を製造する場合には、弾性フィラメント13の断面は扁平形状になりやすい傾向にある。この場合、伸縮シート10中において、弾性フィラメント13は、扁平形状の長軸が伸縮シート10の平面方向と略同方向になり、且つ短軸が伸縮シート10の厚さ方向と略同方向になるように配置されることが好ましい。
弾性フィラメント13の断面が扁平形状である場合、長軸/短軸の比率(平均偏平率)は1.0〜7.0、特に1.1〜3.0であることが、伸縮特性及び弾性フィラメント13と不織布11,12の構成繊維との接合強度、及び伸縮シート10の隠蔽性能が増す点から好ましい。断面が扁平形状である弾性フィラメント13は、その長軸方向が、伸縮シート10の平面方向とほぼ一致するように配されている。なお、弾性フィラメント13の断面が扁平形状である場合、弾性フィラメント13の直径とは、長軸径と短軸径を平均したものを意味する。扁平形状を有する弾性フィラメント13における長軸とは、顕微鏡観察によって抽出された弾性フィラメント13の外周における最も長い横断線の長さをいう。弾性フィラメント13における短軸とは、前記のようにして決定した長軸に平行な二辺を有し、かつ前記の外周に外接する長方形を描いたときの短辺の長さをいう。これらを任意の弾性フィラメント5点について測定し、扁平率の平均を平均扁平率とし、直径の値の平均を弾性フィラメントの直径の値とする。
弾性フィラメント13は、第1及び第2の不織布11,12の色と異なる色に着色されていることも好ましい。これによって、弾性フィラメント13が第1の不織布11及び/又は第2の不織布12越しに透けて見えて、伸縮シート10が縞模様を呈するようになるという意匠的な効果が奏される。このような効果は、特に各不織布の厚み及び坪量が後述する範囲内であると一層顕著なものとなる。
伸縮シート10が十分な伸縮性を発現する観点、布様の良好な風合いを発現させる観点、及び必要に応じ上述の意匠的な効果を発現させる観点から、隣り合う弾性フィラメント13のピッチ(隣り合う弾性フィラメント13間の距離)は、該弾性フィラメント13の直径が上述した範囲であることを条件として、0.1〜5mm、特に0.4〜1mmであることが好ましい。
弾性フィラメント13は、その全長にわたって各不織布11,12に接合している。ここで、「その全長にわたって接合している」とは、弾性フィラメント13と接触しているすべての繊維(不織布11,12の構成繊維)が、該弾性フィラメント13と接合していることを要せず、弾性フィラメント13に、意図的に形成された非接合部が存在しないような態様で、弾性フィラメント13と不織布11,12の構成繊維とが接合されていることを言う。弾性フィラメント13が各不織布11,12にその全長にわたって接合していることで、弾性ストランド13と各不織布11,12との接合力を十分に高めることができる。その結果、伸縮シート10を引き伸ばしても、弾性フィラメント13が各不織布11,12から剥離しづらくなる。弾性フィラメント13が各不織布11,12から剥離してしまうと、自然状態(弛緩状態)において、弾性フィラメント13と各不織布11,12との間に浮きが生じて、伸縮シート10に皺が発生しやすくなり、伸縮シート10全体としての一体感に欠けるものとなる。
弾性フィラメント13と、第1及び第2の不織布11,12との接合の様式としては、例えば融着が挙げられる。後述する好適な製造方法に従い伸縮シート10を製造すると、弾性フィラメント13は、各不織布11,12に融着により接合される。融着とは、弾性フィラメントと不織布11,12を構成する繊維が互いに溶融して接着している状態、又はどちらか一方が溶融し、他方がそれに食い込んで接着している状態の双方を含む。この方法によれば、各不織布11,12に過度な熱は加えられず、溶融紡糸により得られた弾性フィラメント13の固化前に、該弾性フィラメント13を不織布に融着させるので、該弾性フィラメント13の周囲に存在する繊維のみが該弾性フィラメント13と接合し、それよりも離れた位置にある繊維は不織布11,12の風合いを維持したままになっているので、伸縮シート10の風合いが良好に保たれるという利点がある。この場合、各不織布11,12と弾性フィラメント13とを接合させる前に、補助的な接合手段として接着剤を塗布することもできる。或いは、各不織布11,12と弾性フィラメント13とを接合させた後に、補助的な接合手段として、熱処理(スチームジェット、ヒートエンボス)や、機械交絡(ニードルパンチ、スパンレース)などを行うこともできる。尤も、これらの補助的な接合手段は、得られる伸縮シート10の風合いを損なったり、弾性フィラメント13にダメージを与えたりする場合がある。したがって、弾性フィラメント13をその溶融熱で不織布11,12と融着することが好ましい。但し、補助的な接合手段として、エアスルー法による熱風吹き付けからなる熱処理を用いた場合には、得られる伸縮シート10の風合いは損なわれず、また不織布11,12の接合強度の高いものが得られる点で好ましい。
伸縮シート10は、弾性フィラメント13の延びる方向と同方向に伸縮可能になっている。伸縮シート10の伸縮性は、弾性フィラメント13の弾性に起因して発現する。伸縮シート10を、弾性フィラメント13の延びる方向と同方向に引き伸ばすと、弾性フィラメント13並びに第1及び第2の不織布11,12が伸長する。そして伸縮シート10の引き伸ばしを解除すると、弾性フィラメント13が収縮し、その収縮に連れて第1及び第2の不織布11,12が引き伸ばし前の状態に復帰する。
先に述べた特許文献1に記載のシートと異なり、本実施形態の伸縮シート10においては、弾性フィラメント13と直交した状態で結合している他の弾性フィラメントは存在していない。したがって伸縮シート10を、弾性フィラメント13の延びる方向と同方向に引き伸ばしても、該伸縮シート10が幅縮みをほとんど起こさずに伸長する。つまり、伸縮シート10はその引き伸ばし状態において、その長手方向にわたり幅がほぼ一様になっている。その結果、伸縮シート10を、その伸長状態で搬送させてこれを加工するときのハンドリング性が良好になる。また、伸縮シート10を例えばパンツ型おむつの外包材として用いた場合、おむつの着用中にずれ落ちが起こったり、皺が寄ったりすることが効果的に防止される。また、おむつの構成と使用者の動きを考えると、幅方向に不均一な伸長が起こるが、その際にも幅縮みはほとんど起きず、おむつがずれたり、シワが寄ったりすることが効果的に防止される。この観点から、伸縮シート10は、これを1.5倍に伸長したときの幅縮みの割合が、伸長前の幅の1%〜10%、特に1%〜5%であることが好ましい。幅縮みは(1−伸長後の幅÷伸長前の幅)×100として求めることができる。伸長後の幅は次のように測定する。サンプルを、その長さ方向が概ね流れ方向に沿うように(角度差15度以内)幅50mmにて切り出す。長さは150mm超とする。サンプルの幅を50mmに保った状態で、サンプルの長手方向両端部を、把持間隔150mmで把持する。このとき、サンプルがその長手方向にたるまず、かつ伸長しないように注意する。この状態から、把持間隔を1.5倍まで伸長させたときの、サンプルの長さ方向の中央部の幅を測定し、その値を伸長後の幅とする。
図2(a)及び(b)には、本発明の一実施形態の伸縮シート10における弾性フィラメント13の延びる方向に沿う縦断面図が示されている。図2(a)及び(b)に示した実施形態は、伸縮シート10の製造工程のうちの弾性発現処理工程において、歯溝延伸を用いた場合に顕著に発現する形態である。図2(a)は、自然状態(弛緩状態)における伸縮シート10の縦断面図であり、図2(b)は、伸長状態における伸縮シート10の縦断面図である。自然状態においては、伸縮シート10は、頂部14'及び谷部14"が交互に配列した波形形状になっている。頂部14'と谷部14"とは稜線部15'を介して連なっている。頂部14'及び谷部14"の厚みに対して、稜線部15'の厚みは若干小さくなっており、頂部14'及び谷部14"よりも光を透過させやすくなっている。伸縮シート10を平面視したとき、頂部14'、稜線部15'及び谷部14"は、伸縮シート10の伸長方向と直交する方向へ延びている。したがって伸縮シート10には、その自然状態において、光を透過させやすい稜線部15'と、それよりも光を透過させにくい頂部14'及び谷部14"に起因する横縞模様がうっすらと現れる。この横縞模様は、伸縮シート10を伸長させると後述する弾性発現処理等の条件によって一層顕著になる場合がある。
即ち、図2(b)に示すように、伸長状態の伸縮シート10においては、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って、高坪量部分14と低坪量部分15とが交互に配列している。各部分14,15は、弾性フィラメント13の延びる方向と直交する方向にそれぞれ帯状に延びている。高坪量部分14と低坪量部分15とは、一定の周期で交互に配列している。高坪量部分14については、シート10の上側に突出しているものと、シート10の下側に突出しているものとが交互に配置されている。シート10の上側に突出している高坪量部分14は、図2(a)に示す自然状態のシート10における頂部14'に由来している。一方、シート10の下側に突出している高坪量部分14は、図2(a)に示す自然状態のシート10における谷部14"に由来している。また、低坪量部分15は図2(a)に示す自然状態のシート10における稜線部15'に由来している。高坪量部分14と低坪量部分15とでは、それらの坪量差に起因して光の透過の程度に差がある。その結果、伸縮シート10は、弾性フィラメント13の延びる方向と直交する方向に延びる横縞模様を呈するようになり、意匠性が高くなる。特に、先に述べたとおり、伸縮シート10は弾性フィラメント13に起因する縞模様も呈するので、伸縮シート10は、この縞模様と、高坪量部分14及び低坪量部分15に起因する縞模様が組み合わされた格子状の模様も呈することになり、意匠性が一層高くなる。また、図2(a)及び(b)に示したとおり、本発明の好ましい実施形態としては、シート10の上側又は下側の突出している部分に、繊維が充填されている。
高坪量部分14は、低坪量部分15に比較して坪量が大きく且つ厚みも大きくなっている。それに起因して、高坪量部分14と低坪量部分15とでは光の透過の程度が相違し、その相違に起因して縞模様が呈される。各高坪量部分14は互いに実質的に等幅であり、同様に各低坪量部分15も互いに実質的に等幅である。
高坪量部分14の厚みは、0.3〜10mm、特に0.5〜1mmであることが好ましい。低坪量部分15の厚みは、伸縮特性及び通気性の観点から0.1〜3mm、特に0.2〜0.6mmであることが好ましい。厚みの測定は、伸縮シート10を20±2℃、65±5%RHの環境下に無荷重にて、2日以上放置した後、次の方法にて求める。先ず伸縮シート10を1.5倍に伸長方向へ伸ばした状態にて、0.5cN/cm2の荷重にて平板間に挟む。断面をマイクロスコープにより50〜200倍の倍率で観察し、各視野において平均厚みをそれぞれ求め、三視野の厚みの平均値として求める。高坪量部分14及び低坪量部分15は、後述する製造方法に従い伸縮シート10を製造することで容易に形成される。
次に、伸縮シート10を構成する第1及び第2の不織布11,12並びに弾性フィラメント13の構成材料について説明する。各不織布11,12を構成する繊維としては、実質的に非弾性の繊維が用いられる。その例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル(PETやPBT)、ポリアミド等からなる繊維等が挙げられる。各不織布11,12を構成する繊維は、短繊維でも長繊維でもよく、親水性でも撥水性でもよい。また、芯鞘型又はサイド・バイ・サイドの複合繊維、分割繊維、異形断面繊維、捲縮繊維、熱収縮繊維等を用いることもできる。これらの繊維は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。各不織布11,12は、連続フィラメント又は短繊維の不織布であり得る。特に、伸縮シート10を厚みのある嵩高なものとする観点からは、各不織布11,12は、短繊維の不織布であることが好ましい。伸縮シート10を、肌に接触する部材として用いる場合には、肌の接触する側に風合いの良い短繊維不織布を用い、その反対面に強度の高い連続フィラメントの不織布を用いてもよい。
各不織布11,12は、その構成繊維が低融点成分及び高融点成分の2成分以上からなることが好ましい。その場合には、少なくとも低融点成分の熱融着により、その構成繊維同士が繊維交点で接合される。低融点成分及び高融点成分の2成分以上からなる芯鞘型の複合繊維としては、芯が高融点PET、PPで、鞘が低融点PET、PP、PEのものが好ましい。
各不織布11,12の厚みは、好ましくは0.05〜5mm、更に好ましくは0.1〜1.0mm、一層好ましくは0.15〜0.5mmである。厚みの測定は、0.5cN/cm2の荷重にて平板間に挟み伸縮シート10の断面をマイクロスコープにより50〜200倍の倍率で観察し、各視野において平均厚みをそれぞれ求め、3視野の厚みの平均値として求めることができる。シート全体の厚みは平板間の距離を測ることで求められる。各不織布11,12の坪量は、風合い、厚み及び意匠性等の観点から、それぞれ3〜100g/m2、特に10〜30g/m2であることが好ましい。
各不織布11,12は、風合い、べたつき等の観点から、実質的に非弾性の繊維からなることが好ましい。不織布中の非弾性繊維の割合としては、70重量%以上、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは100重量%が好ましい。また、実質的に非弾性の繊維には、非弾性樹脂に、弾性樹脂を含んでいてもよく、非弾性樹脂の割合は、70重量%以上、好ましくは90重量%、さらに好ましくは100重量%が良い。
特に非弾性の繊維として、その長さ方向において繊維の太さが一様になっていないものを用いることが好ましい(以下、この繊維を不定径繊維という)。つまり不定径繊維は、その長さ方向に沿ってみたときに、繊維断面積(直径)が大きい部分もあれば、小さい部分もある。不定径繊維においては、その直径(断面積)が、最も小さい部分から最も大きい部分まで連続的に変化していてもよい。或いは、未延伸糸の延伸工程で観察されるネッキング現象のように、繊維の直径(断面積)が略ステップ状に変化していてもよい。繊維の直径(断面積)が略ステップ状に変化した状態になっている非弾性繊維の一例を図3に示す。
該非弾性繊維は、一定の繊維径を有する高伸度(例えば繊維の最大伸度が80〜800%、特に120〜650%)の繊維を原料とすることが、最大強度の高い伸縮シート10が得られる点で好ましい。繊維の伸度は、JIS L−1015に準拠し、測定環境温湿度20±2℃、65±5%RH、引張試験機のつかみ間隔20mm、引張速度20mm/minの条件での測定を基準とする。なお、既に製造された不織布から繊維を採取して伸度を測定するときを始めとして、つかみ間隔を20mmにできない場合、つまり測定する繊維の長さが20mmに満たない場合には、つかみ間隔を10mm又は5mmに設定して測定する。
前記の高伸度の繊維は、低延伸の非弾性繊維であることが好ましい。低延伸の非弾性繊維を原料として、後述する製造方法に従い本実施形態の伸縮シート10を製造すると、その弾性発現処理において低延伸の繊維が引き伸ばされることで、繊維に細い部分が生じて後述の不定径繊維が形成される。その結果、本実施形態の伸縮シートの弾性発現処理において、不織布が構造的に伸ばされ易い形に変更させることになるが、繊維が伸ばされることで、不織布構造全体でも、伸ばされ易くなり、不定形繊維間の接合点や、各不織布11,12と弾性フィラメント13との接合点が破壊されることを最小限にすることが可能になり、伸縮性能を維持しつつ伸縮シート10の強度を高くすることができる。つまり、高伸度と高強度とが両立した伸縮シート10が得られる。また、弾性発現処理において、前記不定径繊維間の接合も破壊されにくくなることは、各不織布11,12が毛羽立ち様になりにくくなる効果もある。このことは、本実施形態の伸縮シート10の外観を向上させる点から有利である。これに対して、背景技術の項で述べた特許文献4に記載の弾性伸縮性複合シートにおいては、延伸工程において、構成繊維が伸びにくいことから、繊維どうしの溶着や機械的な絡み合いが外れ、その結果、シートの強度が低下してしまい、高伸度と高強度を両立させることができない。
更に、前記の低延伸の繊維を原料とすることで、繊維の引き伸ばしの前に比較して、細い繊維の本数(長さ)が実質的に増加する。それによって本実施形態の伸縮シート10の光不透過性が向上する。伸縮シート10の光不透過性が向上することは、例えば伸縮シート10を生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの吸収性物品の表面シートとして用いた場合、吸収体に吸収された体液が表面シート越しに見えづらくなるという隠蔽性能が向上する点から有利である。
その上、不定径繊維が密に存在している領域が、不織布上で周期的に変化していると、各不織布11,12の表面が細かに波打った状態になり、その肌触りが良好になるという付加的な効果もある。この場合、変化の周期、つまり不織布中の太い部分とそれと隣り合う太い部分との距離は、0.5mm〜10mm、特に2〜5mmであることが好ましい。この周期は、各不織布11,12の顕微鏡観察から測定できる。不定形繊維の径の測定は、以下の(1)〜(5)の手順で測定される。
(1)伸縮シート10の表面における5mm×5mm以上の領域から不織布11又は不織布12をサンプリングする。このときサンプルは、不織布11,12を、弾性フィラメント13から切り離して採取してもよく、あるいは伸縮シート10全体を採取してもよい。
(2)採取されたサンプルを、SEMの観察用試料台に固定する。このとき、サンプルを観察しやすいように、サンプルの構造を破壊しない程度にサンプルを引き伸ばした状態で(不織布の弛みが取れる程度まで)、サンプルを両面テープで試料台に固定してもよい。このときの引き伸ばし量は、例えば伸縮シート10を製造する工程において(弾性発現処理)工程を用いる場合は、延伸工程で伸縮シート10の前駆体を延伸した延伸倍率以下程度とする。
(3)SEM観察は倍率200で行う。1箇所の視野面積は0.4mm×0.4mm程度以上とし、5箇所を観察する。
(4)無作為に繊維を抽出し、径を0.1μm単位で繊維軸方向に10μmおきに20箇所以上測定する(繊維同士の融着点や破壊している部分は、測定に含めない。)。繊維は各視野4本以上測定し、5視野について、計20本について測定を行う。
(5)これらの値から10本のそれぞれの繊維の最大径と最小径を抽出する。
1本の繊維の最大径と最小径の差が1μmあり、繊維軸方向の位置と径の変化の関係をグラフ化した場合、極大位置又は極小位置が2以上あるものを不定形繊維と呼ぶ。
以上の各効果を一層顕著なものとする観点から、不定径繊維はその太さが、最も細い部分において好ましくは2〜15μm、更に好ましくは5〜12μmであり、最も太い部分において好ましくは10〜40μm、更に好ましくは12〜30μmである。不定径繊維の最大径と最小径の差は3μm以上、特に5μm以上、とりわけ10μm以上が好ましい。また、「最大繊維径/最小繊維径」で定義される繊維径比の値は、1〜15であることが好ましく、1.2〜10であることが更に好ましく、2〜5であることが一層好ましい。
不定径繊維はその繊維間融着点強度が、該不定径繊維の100%伸長時強度よりも高いものであることが好ましい。これによって、伸縮シート10を製造するときの弾性発現処理工程において、弾性発現処理前の伸縮シート10を引き伸ばし弾性発現処理加工する際に、弾性発現処理前の伸縮シート10の繊維同士の融着点の破壊が起こりにくくなり、弾性発現処理前の伸縮シート10の強度に比べて、前記弾性発現処理工程を経て得られた伸縮シート10の強度が低下しづらくなる点から好ましい。融着点強度は、本出願人の先の出願に係る特開2004−218183号公報の段落〔0040〕の記載に従い測定される。100%伸長時強度は、引張試験機を用い、チャック間距離20mm、引張速度20mm/minの条件で測定される。
上述した低延伸の非弾性繊維とは、紡糸後に低延伸倍率で延伸された繊維及び延伸されていない繊維、即ち未延伸繊維の両方を包含する。低延伸の繊維としてはその伸度が上述のとおり80〜800%、特に120〜650%の高いものを用いることが好ましい。この範囲の伸度を有する低延伸の繊維を用いることで、該繊維が後述する図4に示す延伸装置22で首尾良く引き伸ばされて、不定径繊維が容易に形成される。低延伸の繊維の繊維径は10〜35μm、特に12〜30μmであることが好ましい。
先に述べたとおり、不定径繊維は、一定の繊維径を有する低延伸の繊維を原料とすることが好ましい。この場合、低延伸の繊維は、単一の原料からなる繊維でもよく、或いは2種以上の原料を用いた複合繊維、例えば芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維であってもよい。不定径繊維どうしの接合のさせやすさや、各不織布11,12と弾性フィラメント13との接合のさせやすさを考慮すると、複合繊維を用いることが好ましい。芯鞘型の複合繊維の場合、芯がポリエステル(PETやPBT)、ポリプロピレン(PP)、鞘が低融点ポリエステル(PETやPBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)が好ましい。特にこれらの複合繊維を用いると、弾性フィラメント13がポリオレフィン系エラストマーを含む場合、弾性フィラメント13と各不織布11,12の構成繊維との熱融着が強くなり、層剥離が起こりにくい点で好ましい。
不定径繊維は、ステープルファイバのような短繊維でもよく、或いは連続フィラメントのような長繊維でもよい。後述する伸縮シート10の好適な製造方法に鑑みると、短繊維を用いることが好ましい。また、不定径繊維は親水性でも撥水性でも良い。
各不織布11,12は、不定径繊維のみから構成されていてもよく、或いは不定径繊維に加えて、他の一定径の非弾性繊維が含まれていてもよい。他の非弾性繊維としては、先に述べたものが挙げられる。各不織布11,12に、不定径繊維に加えて他の一定径の非弾性繊維が含まれている場合、他の非弾性繊維の配合量は1〜30重量%、特に5〜20重量%であることが好ましい。
不定径繊維は2つの不織布11,12の両方に含まれていることが特に好ましいが、2つの不織布11,12のうちの一方にのみ含まれていてもよい。
弾性フィラメント13は、前述のとおり、例えば熱可塑性エラストマーやゴムなどの弾性樹脂を原料とするものである。特に弾性樹脂に熱可塑性エラストマーを原料として用いると、通常の熱可塑性樹脂と同様に押出機を用いた溶融紡糸が可能であり、またそのようにして得られたフィラメントは熱融着させやすいので、本実施形態の伸縮シートに好適である。熱可塑性エラストマーとしては、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン)、SEBS(スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン)、SEPS(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン)等のスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー(エチレン系のα-オレフィンエラストマー、エチレン・ブテン・オクテン等を共重合したプロピレン系エラストマー)、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーを挙げることができる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。またこれらの樹脂からなる芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型の複合繊維を用いることもできる。特にスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、又はそれらを組み合わせて用いることが、弾性フィラメント13の成形性、伸縮特性、コストの面で好ましい。
弾性フィラメント13と不織布11,12を構成する繊維との好適な組み合わせは、弾性フィラメント13にSEBS樹脂又はSEPS樹脂を用い、不織布11,12の構成繊維にPP/PE芯鞘型複合繊維又はPET/PE芯鞘型複合繊維を用いる組み合わせである。この組み合わせを採用することで、融着をしっかりと行うことができる。また、芯の融点が高いので、繊維が融着時に溶けきらず(芯が残る)、最大強度の高い伸縮シート10が得られる。
次に、本実施形態の伸縮シート10の好ましい製造方法を、図4を参照しながら説明する。本製造方法においては、紡糸ノズル16から紡出された溶融状態の多数の弾性フィラメント13を所定速度で引き取って延伸しつつ、該弾性フィラメント13の固化前に、該弾性フィラメント13が互いに交差せず一方向に配列するように該弾性フィラメント13を不織布11,12に融着させ、次いで該弾性フィラメント13が融着した複合体19を、該弾性フィラメント13の延びる方向に沿って弾性発現処理して該複合体19に伸縮性を付与する。
紡糸ノズル16は、紡糸ヘッド17に設けられている。紡糸ヘッド17は、押出機に接続されている。ギアポンプを介して紡糸ヘッド17へ樹脂を供給することもできる。該押出機によって溶融混練された弾性樹脂は、紡糸ヘッド17に供給される。紡糸ヘッド17には、多数の紡糸ノズル16が直線状に一列に配置されている。紡糸ノズル16は、第1及び第2の不織布11,12の幅方向に沿って配置されている。隣り合う紡糸ノズル16の間隔は、目的とする伸縮シート10における弾性フィラメント13の間隔に相当する。紡糸ノズル16は通常円形であり、その直径は弾性フィラメント13の直径及び延伸倍率に影響を及ぼす。この観点から、紡糸ノズル16の直径は0.1〜2mm、特に0.2〜0.6mmであることが好ましい。不織布11,12との接合強度を高める目的、弾性フィラメント13の紡糸性を上げる目的、及び伸縮シート10の伸縮特性を向上させる目的で、弾性フィラメント13を複合の形態(サイドバイサイド、芯鞘、海島構造)とすることもできる。具体的にはPP系のエラストマー樹脂とスチレン系のエラストマー樹脂とを組み合わせることが好ましい。
紡出された溶融状態の弾性フィラメント13は、それぞれ原反から互いに同速度で繰り出された第1の不織布11及び第2の不織布12と合流し、両不織布11,12間に挟持されて所定速度で引き取られる。弾性フィラメント13の引き取り速度は、両不織布11,12の繰り出し速度と一致している。弾性フィラメント13の引き取り速度は、該弾性フィラメント13の直径及び延伸倍率に影響を及ぼす。延伸によって弾性フィラメント13に生じる張力は、該弾性フィラメント13を不織布11,12と貼り合わせるときの風や静電気に起因する該弾性フィラメント13の乱れを防止する。それによって弾性フィラメントどうしを交差させずに一方向へ配列させることができる。これらの観点から、弾性フィラメント13の引き取り速度は、紡糸ノズル孔内の樹脂吐出速度に対し、その延伸倍率が1.1〜400倍、特に4〜100倍、更に10〜80倍となるように調整されることが好ましい。
弾性フィラメント13は、その固化前に、即ち融着可能な状態で第1及び第2の不織布11,12と合流する。その結果、弾性フィラメント13は、第1及び第2の不織布11,12に挟持された状態で、これらの不織布11,12に融着する。つまり、固化前の弾性フィラメントを搬送される不織布11,12に融着させながら弾性フィラメント13は引き取られて延伸される。弾性フィラメント13の融着に際しては第1及び第2の不織布11,12には、外部から熱は付与されていない。つまり、融着可能になっている弾性フィラメント13に起因する溶融熱によってのみ、該弾性フィラメント13と両不織布11,12とが融着する。その結果、両不織布11,12の構成繊維のうち、弾性フィラメント13の周囲に存在する繊維のみが該弾性フィラメントと融着し、それよりも離れた位置に存在する繊維は融着しない。その結果、両不織布11,12に加わる熱は最小限にとどまるので、該不織布自身が本来的に有する良好な風合いが維持される。それによって、得られる伸縮シート10の風合いが良好になる。
紡出された弾性フィラメント13が、第1及び第2の不織布11,12と合流するまでの間、該弾性フィラメント13は延伸されて延伸方向に分子が配向する。また直径が小さくなる。分子配向によって、50%伸長時強度の行き/戻り比(ヒステリシス)の小さな弾性フィラメント13が得られる。弾性フィラメント13を十分に延伸させる観点及び弾性フィラメント13の糸切れを防止する観点から、紡出された弾性フィラメント13に所定温度の風(熱風、冷風)を吹き付けて、該弾性フィラメント13の温度を調整してもよい。
弾性フィラメント13の延伸は、原料樹脂の溶融状態での延伸(溶融延伸)だけでなく、その冷却過程における軟化状態の延伸(軟化延伸)であってもよい。溶融状態とは、外力を加えたとき樹脂が流動する状態である。樹脂の溶融温度は粘弾性測定による(例えば円形並行平板間に挟んだ樹脂に回転方向の振動歪を加えて測定される)Tanδのピーク温度として測定される。弾性樹脂の時に糸切れが起こらないようにするために、延伸区間を長く確保することがよい。また、同様に糸切れが起こらないようにするために弾性樹脂の溶融温度は130〜300℃が好ましい。さらに、弾性樹脂の耐熱性の観点から、溶融温度は220℃以下が好ましい。弾性フィラメント13の成形温度(ダイスの温度)は樹脂の流動性を上げて成形性をよくするために原料樹脂の溶融温度の+50℃以上が好ましく、耐熱性のため+110℃以下が好ましい。軟化温度は、シート状にした弾性樹脂の測定試料の粘弾性特性におけるTg温度として測定される。軟化温度から溶融温度までの範囲を軟化状態という。また、軟化温度より低い温度の状態を固化状態という。軟化温度は、伸縮シート10の保存時における弾性樹脂の結晶の成長や、体温による伸縮シート10の伸縮特性の低下の観点から、60℃以上が好ましく、80℃〜180℃がより好ましい。
弾性フィラメント13と不織布11,12とを接合させるときの弾性フィラメント13の温度は、繊維融着を確実にするために100℃以上であることが好ましい。より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは140℃以上である。また弾性フィラメント13の形状を保持して伸縮特性の良好な伸縮シート10を得る観点から、弾性フィラメントの温度は180℃以下であることが好ましい。より好ましくは160℃以下である。これらの結果、最適なフィラメント温度は120〜160℃、さらに好ましくは140〜160℃の範囲である。接合時の温度は、弾性フィラメント13と接合させるラミネート基材として、弾性フィラメントを構成する弾性樹脂の融点と異なる融点を有する変性ポリエチレンや変性ポリプロピレンなどからなるフィルムを用いて、その接合状態を観察することで測定できる。このとき、弾性フィラメントとラミネート基材が融着していれば、接合温度はラミネート基材の融点以上である。
弾性フィラメント13と不織布11,12との接合時には、弾性フィラメント13は実質的に非伸長状態(外力を取り除いたときに縮まない状態)である。両者の接合状態においては、不織布11,12を構成する繊維の少なくとも一部が、弾性フィラメントへ融着するか、更には弾性フィラメント13と不織布11,12を構成する繊維の少なくとも一部との両方が融着することがより好ましい。十分な接合強度が得られるからである。得られる伸縮シート10の伸縮特性は、弾性フィラメント13と不織布11,12との接合点の密度に影響を受ける。また、伸縮特性は、接合温度、接合圧力、後述する不織布11,12の弾性発現処理による接合点のはずれによって調整することができる。不織布11,12の構成繊維を弾性フィラメント13に融着させることで、接合点一つ一つの接合強度が高くなる。接合点の密度を低くすると、不織布11,12による伸縮阻害が少なくなり、且つ十分な接合強度を有する伸縮シート10が得られるので好ましい。
弾性フィラメント13を第1及び第2の不織布11,12と合流させるときには、各弾性フィラメント13が互いに交差せず一方向に配列するようにする。そして、弾性フィラメント13を第1及び第2の不織布11,12と合流させて両不織布11,12間に該弾性フィラメント13を挟持させた状態で、これら三者を一対のニップロール18,18によって挟圧する。挟圧の条件は、得られる伸縮シート10の風合いに影響を及ぼす。挟圧力が大きすぎると弾性フィラメント13が両不織布11,12内に食い込みやすくなり、それに起因して得られる伸縮シート10の風合いが低下しやすい。この観点から、ニップロール18,18による挟圧力は、弾性フィラメント13が両不織布11,12に接触する程度で足り、過度に高い挟圧力は必要とされない。
ニップロール18による挟圧の別の条件として、ニップロール18の温度が挙げられる。本発明者らの検討の結果、ニップロール18を加熱した状態で挟圧を行うよりもむしろ、加熱しないか(つまり成り行きにまかせるか)、又は冷却しながら挟圧を行う方が、風合いの良好な伸縮シート10が得られることが判明した。ニップロール18を冷却する場合には、冷却水等の冷媒を用い、ニップロール18の表面設定温度が10〜50℃になるように温度調節することが好ましい。
このようにして2枚の不織布11,12間に弾性フィラメント13が挟持された複合体19が得られる。不織布11,12として本来的に伸長性を有するものを用いた場合には、この複合体19が伸縮シート10そのものとなる。一方、不織布11,12として本来的に伸長性を有しないものを用いた場合には、該不織布11,12を含む複合体19を、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って弾性発現処理して、該複合体19に伸縮性を付与する操作を行う。本製造方法においては、この操作を、それぞれ歯と歯底が周方向に交互に形成された一対の歯溝ロール20,21を備えた弾性発現処理装置22を用い、複合体19をその搬送方向、即ち弾性フィラメント13の延びる方向に沿って弾性発現処理させることで行う。
弾性発現処理装置22は、一方又は双方の歯溝ロール20,21の枢支部を上下に変位させる公知の昇降機構(図示せず)を有し、歯溝ロール20,21間の間隔が調節可能になっている。本製造方法においては、各歯溝ロール20,21を、一方の歯溝ロール20の歯が他方の歯溝ロール21の歯間に遊挿され、他方の歯溝ロール21の歯が一方の歯溝ロール20の歯間に遊挿されるように組み合わせ、その状態の両歯溝ロール20,21間に、複合体19を挿入してこれを弾性発現処理させる。
弾性発現処理装置22においては、一対の歯溝ロール20,21の両方が駆動源によって駆動するようになっていてもよく(共回りロール)、一方の歯溝ロール20又は21のみが駆動源によって駆動するようになっていてもよい(連れ回りロール)が、本製造方法においては、下側の歯溝ロール21のみが駆動源によって駆動し、上側の歯溝ロール20は駆動源に接続されておらず、歯溝ロール21の回転に伴って従動する(連れ回る)ようになっている。連れ回りロールを用いることは、弾性発現処理加工後において伸縮シート10に高坪量部分14及び低坪量部分15がくっきりと縞模様に現れやすく、伸縮シート10の意匠性が向上する点、及び低坪量部15がより低坪量になり通気性が向上する点で好ましい。歯溝ロール20,21の歯形としては、一般的なインボリュート歯形、サイクロイド歯形が用いられ、特にこれらの歯幅を細くしたものが好ましい。
図5には、複合体19が弾性発現処理される状態が模式的に示されている。複合体19が歯溝ロール20,21間を通過する際には、複合体19は、歯溝ロール20,21の歯23,24に当接する領域(P3−P2間、P1−P4間)においては、ほとんど延伸されない。これに対し、駆動ロールである歯溝ロール21の歯24の歯面によって、従動ロールである歯溝ロール20の歯23の歯面に向けて押圧される領域(P2−P1間)においては、両歯20,21によって大きく延伸される。また、歯溝ロール21の歯24の先端部によって、歯溝ロール20の歯23から引き離される領域(P4−P3間)においては、前記領域(P2−P1間)程ではないが、大きく延伸される。
また複合体19は、歯溝ロール20,21の歯23,24の先端部に当接する領域(P3−P2間、P1−P4間)においては、前述のとおりほとんど延伸されないが、歯23,24の先端部によって、その径方向に、つまり複合体19の厚み方向に片押しされるので、厚み方向に薄くなる。但し領域(P3−P2間)と領域(P1−P4間)とは片押しされる方向が反対向きであるため、薄くなる方向が反対向きとなる。
前記の延伸プロセスによって、弾性フィラメント13と両不織布11,12との剥離を防止しつつ、複合体19における両不織布11,12を効率的に延伸させ、複合体19に伸縮性を付与することができる。そして、大きく延伸される領域(P2−P1間及びP4−P3間)が低坪量部分15となり、ほとんど延伸されない領域(P3−P2間、P1−P4間)が高坪量部分14となる。
特に、不織布11,12に、低延伸の繊維が含まれる場合には、上述した(P2−P1)間及び(P4−P3)間において、該繊維が引き伸ばされて細くなりその太さが周期的に変化した不定径繊維が形成される。低延伸の繊維の引き伸ばしは、(P2−P1)間及び(P4−P3)間の距離に応じて変化する。
歯溝ロール20,21による引き伸ばし力は、低延伸の繊維の引き伸ばしに主として作用し、不織布11,12と弾性フィラメント13との接合部位には過度の力が加わらない。その結果、該接合部位の破壊や、不織布11,12と弾性フィラメント13との剥離が生じるのを防止しつつ、複合体19を効率的に延伸させることができる。また、この延伸により、図6に示すように、繊維間の接合が破壊されずに不織布11,12が十分に伸長され、それによって不織布11,12が、弾性フィラメント13の自由な伸縮を阻害する程度が大きく低下する。その結果、本製造方法によれば、高強度・高伸縮性であり、また、破れや毛羽立ちの少ない外観の良好な伸縮シート10を効率的に製造することができる。なお図6においては、延伸によって生じた非弾性繊維の太さは便宜的に一様に表されている。
上述のとおり、不織布11,12に低延伸の繊維が含まれる場合には、該繊維が首尾良く延伸されて、それらの繊維間の接合が延伸によって破壊されないので、弾性発現処理による不織布11,12強度の低下が極力抑えられる。具体的には、弾性発現処理前の複合体19の引張強度に対する、弾性発現処理後に得られた伸縮シート10の引張強度の比は0.3〜0.99、特に0.5〜0.99、更には0.7〜0.99という1に近い値となる。ここでいう引張強度は、以下に述べる最大強度の測定法に従い測定される。
<最大強度の測定>
伸縮シート10の伸縮方向へ200mm、それと直交する方向へ50mmの大きさで矩形の試験片を切り出した。チャック間距離は150mmとした。試験片を伸縮シート10の伸縮方向へ300mm/分の速度で伸長させ、そのときの荷重を測定した。そのときの最大点の荷重を最大強度とした。同様の方法によって、弾性発現処理前の複合体19についても最大強度を測定した。最大強度は、測定環境を20±2℃、湿度65±5%RHの条件で、好ましくは島津製作所製の引張試験機AG−1kNISを用いて測定される。
複合体19が一対の歯溝ロール20,21によって弾性発現処理されることで、目的とする伸縮シート10が得られる。得られた伸縮シート10は、歯溝ロール20,21を通過した後、自身の収縮復元力により速やかにMD方向への延伸状態が解放される。その結果、伸縮シート10は、搬送方向へ長さが概ね復元する。それによって、伸長した状態では高坪量部分14及び低坪量部分15が、弾性フィラメント13の延びる方向に交互に配列するようになる。なお、延伸状態を解放する場合、延伸状態が完全に解放されるようにしてもよく、伸縮性が発現する限度において、ある程度の延伸状態が維持された状態で延伸状態を解放してもよい。
前記の弾性発現処理加工によって、伸縮シート10の厚みは、弾性発現処理加工前の複合体19の厚みに対して1.1倍〜4倍、特に1.3倍〜3倍に増すことが好ましい。これによって、両不織布11,12の構成繊維が塑性変形して伸びることで繊維が細くなる。これと同時に、両不織布11,12が一層嵩高となり、肌触りが良く、クッション性が良好になる。
このようにして得られた伸縮シート10は、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って100%伸長させ、その状態から50%戻したときの荷重A(以下、50%戻り強度ともいう)と、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って50%伸長させたときの荷重B(以下、50%行き強度ともいう)との比(A/B)が50%以上、特に65%以上となることが、十分な伸縮特性の発現の点から好ましい。
また、具体的な用途にもよるが、伸縮シート10は、その全体の坪量が10〜150g/m2、特に25〜60g/m2であることが好ましい。伸縮シート10の厚みに関しては、0.05〜5mm、特に0.5〜2mmであることが好ましい。伸縮シート10の厚みは、先に述べた各不織布11,12の厚みの測定と同様の方法で測定される。
本実施形態の伸縮シート10は、パンツ型使い捨ておむつの外包材として好適に用いられる。またこの用途以外に、その良好な風合いや、毛羽立ち防止性、伸縮性、通気性等の利点を生かし、医療用使い捨て衣類や清掃シート、眼帯、マスク、包帯等の各種の用途に用いることもできる。特に生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの吸収性物品の構成材料として好ましく用いられる。該構成材料としては、例えば、吸収体よりも肌側に位置する液透過性のシート(表面シート、サブレイヤー等を含む)や、使い捨ておむつの外面を構成するシート、胴回り部やウエスト部、脚周り部等に弾性伸縮性を付与するためのシート等が挙げられる。また、ナプキンのウイングを形成するシート等として用いることができる。また、それ以外の部位であっても、伸縮性を付与したい部位等に用いることができる。伸縮シート10の坪量や厚みは、その具体的な用途に応じて適切に調整できる。例えば吸収性物品の構成材料として用いる場合には、坪量20〜60g/m2程度、厚み0.5〜1.5mm程度とすることが望ましい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態の伸縮においては、2枚の不織布11,12間に多数の弾性フィラメント13が挟持された構造になっていたが、これに代えて、1枚の不織布の表面に多数の弾性フィラメントを接合して伸縮シートとなしてもよい。
また前記実施形態においては、弾性フィラメント13はすべて同径で、等ピッチで配置されていたので、伸縮シート10のどの部分をとっても伸長応力は同じになっていた。しかし、これに代えて、弾性フィラメントの伸長方向における伸長応力が異なる2以上の領域からなるように伸縮シートを構成してもよい。2つ以上の該領域は、該伸長方向に対してほぼ並列配置されている。この場合、伸長応力が異なる各領域間では、隣り合う弾性フィラメントのピッチが異なっているか、及び/又は、弾性フィラメントの直径が異なっている。それによって各領域間での伸長応力を異ならせることができる。伸縮シートの製造時に、2種以上の異なる樹脂を、任意の紡糸ノズルに導入して紡糸を行うことでも、各領域間での伸長応力を異ならせることができる。
伸縮シート10に部分的にエンボス加工を行ったり、弾性フィラメント13を部分的にカットしたり部分的に熱シールしたりすることもできる。これらの操作は、伸縮シート10に伸縮しない部分を形成したり、強度を部分的に上げたりする目的で行われる。或いは、他の部材と貼り合わせたり、デザイン性を持たせたりする目的で行う。
また、弾性フィラメント13を不織布11,12に接合した後に行う弾性発現処理に関し、弾性発現処理方向は不織布11,12の流れ方向のみでなく、例えば斜めであっても良い。更に、2種以上の弾性発現処理方法を組み合わせたり、段階的に延伸倍率を上げたり、部分的に弾性発現処理を行ったりすることもできる。弾性発現処理方向は一方向のみでなく、直交する二方向であってもよい。一方向に伸縮する不織布とこれに直交する方向に伸縮する不織布とを接合して、伸縮シートの全方向に伸縮性を持たせることもできる。
また前記実施形態の製造方法においては、複合体19の弾性発現処理加工に一対の歯溝ロール20,21を備えた弾性発現処理装置を用いたが、これに代えてテンターを備えた弾性発現処理装置を用いて弾性発現処理加工を行ってもよい。
更に、前記の製造方法において、弾性フィラメント13と不織布11,12とを接合する方法の別法として、一方の不織布上に直接弾性フィラメント13を溶融延伸することなしにダイレクト押出することもできる。この場合の延伸倍率は1倍である。また、弾性フィラメント13と不織布11,12とを接合する前に、不織布又は弾性フィラメントに補助的に接着剤を塗布し、その後に弾性フィラメントを実質的に未伸長の状態で貼り合わせることもできる。更に、接着剤を塗布せずに、弾性フィラメント13と不織布11,12とを重ねた後に補助的に熱処理(エアスルー法による熱風の吹き付け、スチームジェット、ヒートエンボス)や、機械交絡(ニードルパンチ、スパンレース)などを行うこともできる。このとき、不織布の代わりに繊維ウエブを片面又は両面に用いることもできる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
図4に示す装置を用いて図1及び図2に示す構造の伸縮不織布を製造した。第1及び第2の不織布11,12としては、坪量15g/m2のエアスルー不織布を用いた。この不織布の構成繊維は直径19μm、最大伸度180%、繊維長44mmの芯鞘型複合繊維(芯:PET、鞘:PE)であった。弾性フィラメント13の原料樹脂としては、SEPS樹脂(重量平均分子量5万、MFR60g/10分(230℃,2.16kg)(JIS K7210:1999)からなるエラストマーを用いた。紡糸条件は、紡糸ヘッド17の温度310℃、紡糸ノズル16の径400μm、紡糸ノズル16のピッチ1mmとした。弾性フィラメント13の直径は120μmであった。フィラメントのみかけ坪量(サンプル中のフィラメント重量/サンプリングシート面積)は10g/m2、延伸倍率11倍であった。延伸倍率は、(ノズル孔径/伸縮発現処理前繊維径)2で定義される。弾性発現処理加工は、歯と歯底が軸長方向に交互に形成された一対の歯溝ロール20,21を備えた弾性発現処理装置22を用いて行った。歯間及び歯底間のピッチはそれぞれ2.0mmであった(噛み合った状態での歯間のピッチPは1.0mmとなる)。上下の歯溝ロールの押し込み量を調整し、延伸倍率3.0倍にて複合体19を、弾性フィラメント13の延びる方向に弾性発現処理させた。これにより弾性フィラメント13の延びる方向に伸縮する坪量40g/m2の伸縮シート10が得られた。得られた伸縮シート10は、不織布越しに弾性フィラメント13に起因する縞模様を呈していた。また高坪量領域及び低坪量領域に起因する縞模様も呈していた。これら2つの縞模様によって、伸縮シートは格子状の模様も呈していた。また、伸縮シート10における弾性フィラメント13は、該シート10の平面方向に長軸を有する楕円形の断面を有しており、長軸/短軸の比は1.6であった。1.5倍伸長時の幅は元の96%であり、幅縮みは4%であった。伸縮シート10における不織布11,12の構成繊維は、繊維の長手方向に沿う太さが一様になっていないものであることを、顕微鏡観察によって確認した。該構成繊維は、最大繊維径が26.1μmで、最小繊維径が6.8μmであり、繊維径比は3.8であった。また、繊維径は、この範囲で太さが周期的に変化していた。
〔実施例2〕
紡糸ノズル16のピッチを、紡糸ヘッド17の幅方向に1mmに設定し、第1のノズル列を形成した。更に、第1のノズル列から紡糸ヘッド17の流れ方向に1mm離間した位置に、第1のノズル列と同ピッチで第2のノズル列を形成した。第1のノズル列と第2のノズル列は互いに半ピッチずれるように配置された。また、弾性フィラメント13の延伸倍率を25倍に変更して弾性フィラメント13の直径を80μmにした。これら以外は実施例1と同様にして伸縮シート10を得た。この伸縮シート10においては、弾性フィラメント13のピッチは0.5mmであった。
〔実施例3〕
紡糸ノズル16のノズル径を400μmに設定し、また弾性フィラメント13の延伸倍率を11倍に設定して弾性フィラメント13の直径を120μmにした第1の領域と、紡糸ノズル16のノズル径を300μmに設定し、また弾性フィラメント13の延伸倍率を18倍に設定して弾性フィラメント13の直径を70μmにした第2の領域を形成した。これら以外は実施例1と同様にして伸縮シート10を得た。第1の領域及び第2の領域は、伸縮シート10の幅方向に並列していた。この伸縮シート10における太さの異なる2種の弾性フィラメントの直径は、別個に測定した。
〔実施例4〕
実施例1で用いたスチレン系エラストマーに紫色の着色マスターバッチコンパウンド(PE系樹脂ベース、顔料濃度60重量%品)を1.5重量%ドライブレンドし、紫色の弾性フィラメント13を用いた以外は実施例1と同様にして伸縮シート10を得た。この伸縮シートにおいては、不織布越しに弾性フィラメント13に起因する縞模様が一層際立っていた。
〔実施例5〕
実施例1で用いた複合体19をエアスルー法による熱風の吹き付けによって熱処理した後、同実施例と同様の条件で弾性発現処理加工することによって伸縮シート10を得た。この伸縮シートにおいては、不織布11,12の各繊維同士が融着し、接合強度の一層高いものが得られた。
〔比較例1〕
特許文献1に記載の方法に従い伸縮シートを製造した。即ちCONWED社の伸縮ネット(坪量73g/m2)を用い、第1及び第2の不織布11,12として坪量20g/m2のエアスルー不織布を用いた。この不織布の構成繊維は、直径17μm、最大伸度30%、繊維長44mmの芯鞘型複合繊維(芯:PET、鞘:PE)であった。不織布11、12のMD方向に対し、伸縮ネットの格子は概して正方形であった。(MD方向、CD方向ともに3.2mm)。120℃と70℃にそれぞれ加熱した金属プレス機を用い、これらを約10kg/cm2の圧力にて10秒間熱/圧力結合を行った。得られたシートを、大径部と小径部とが軸長方向に交互に形成された一対の凹凸ロール(噛み合った状態での歯間のピッチPは1.0mm)を備えた弾性発現処理装置を用いて、弾性発現処理をした。不織布の構成繊維が伸びないため弾性発現処理の延伸倍率が高いと不織布に穴が開いてしまう現象が見られた。そこでMD方向の延伸倍率を2.7倍で行った。延伸の程度は、上下の凹凸ロールの押し込み量を調整することでコントロールした。得られた伸縮シートは、伸びにくいため幅縮みが大きくなった。また、弾性ネットのゴワゴワ感が感じられ風合いの点で劣っていた。
〔比較例2〕
比較例1と同様にCONWED社の伸縮ネット(坪量55g/m2)を用いて伸縮シートを得た。不織布11,12のMD方向に対し、伸縮ネットの格子は概して菱形であった(MD方向、CD方向ともに9.5mm)。約120℃と約60℃にそれぞれ加熱した金属プレス機を用い、これらを約10kg/cm2の圧力にて10秒間熱/圧力結合を行った。得られたシートを、大径部と小径部とが軸長方向に交互に形成された一対の凹凸ロール(噛み合った状態での歯間のピッチPは1.0mm)を備えた延伸装置(弾性発現処理装置)を用いてMD方向へ3.0倍延伸し、弾性発現処理をした。得られた伸縮シートには、不織布繊維が伸びないため弾性発現処理時に不織布に穴が多数開いてしまった。そのためシート全体では厚みがあったが弾性ネットと不織布との接合点が硬いものとなっていた。結果的に風合いの点で劣っていた。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた伸縮シートについて、50%戻り強度/50%行き強度、風合いを以下の方法で測定、評価した。また伸縮シート及び不織布の厚みを上述の方法で測定した。それらの結果を以下の表1に示す。
〔50%戻り強度/50%行き強度〕
伸縮シートを、その伸縮方向へ200mm、それと直交する方向へ50mmの大きさで切り出し試験片を得た。島津製作所製の引張試験機AG−1kNISに試験片をチャック間距離:150mmで装着した。試験片をその伸縮方向へ300mm/分の速度で伸長させた。50%伸長させた時点での荷重を記録し、その値を50%行き強度とした。引き続き試験片を100%まで伸長させ、次いで戻り方向(収縮方向)へ同速度で収縮させ、50%伸長させた状態とした。その時点の荷重を記録し、50%戻り強度とした。以上は、温度20±2℃、湿度65±5%RHの環境で測定を行った。
〔風合い〕
女性モニター10人に、伸縮シートが見えない暗箱内で、該伸縮シートの風合いの評価を、温度:25℃、湿度:40%の環境下で行わせた。各モニターの評価に応じて、下記の点数を付け、モニター10人の平均点(小数点以下を四捨五入)を風合いの評価点とした。
5点:風合いが良い。
4点:風合いがやや良い。
3点:普通。
2点:風合いがやや悪い。
1点:風合いが悪い。
表1に示す結果から明らかなように、各実施例の伸縮シートは、比較例の伸縮シートに比べて伸縮特性が良好であることが判る。また厚みがあり良好な風合いを有することが判る。更に各実施例の伸縮シートでは、弾性フィラメントが互いにほぼ交差せず、且つ互いに接触せずに離間配置されていた。これに対して比較例1の伸縮シートは弾性体がプレスにより潰れネットが目立つとともに、ネットの光沢があり外観が良好とは言えなかった。
図1は、本発明の伸縮シートの一実施形態を示す一部破断斜視図である。 図2(a)及び(b)はそれぞれ、図1に示す伸縮シートにおける弾性フィラメントの延びる方向に沿う自然状態及び伸長状態での縦断面図である。 図3は、繊維の直径(断面積)が略ステップ状に変化した状態になっている非弾性繊維の一例を示すSEM像である。 図4は、図1に示す伸縮シートの製造に好適に用いられる装置を示す模式図である。 図5は、図4に示す装置によって複合体が弾性発現処理される状態を示す模式図である。 図6は、非弾性繊維が弾性発現処理される状態を示す模式図である。
符号の説明
10 伸縮シート
11 第1の不織布
12 第2の不織布
13 弾性フィラメント
14 高坪量領域
14' 頂部
14" 谷部
15 低坪量領域
15' 稜線部

Claims (15)

  1. 互いに交差せずに一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが、実質的に非伸長状態で、それらの全長にわたり、伸長可能な不織布に接合されている伸縮シート。
  2. 前記弾性フィラメントが前記不織布に融着により接合している請求項1記載の伸縮シート。
  3. 前記弾性フィラメントは、弾性樹脂が溶融又は軟化した状態で延伸されて形成されたものである請求項1又は2記載の伸縮シート。
  4. 前記弾性フィラメントが、紡糸ノズルから紡出された弾性樹脂を溶融延伸して得られたものである請求項3記載の伸縮シート。
  5. 前記弾性フィラメントは、前記弾性樹脂が溶融又は軟化した状態で1.1〜400倍に延伸されて得られたものであり、直径が10〜200μmになっている請求項3又は4記載の伸縮シート。
  6. 前記伸縮シートにおいて、前記弾性フィラメントの伸長方向における伸長応力が異なる2以上の領域が、該伸長方向に対してほぼ並列配置されており、各領域間では、隣り合う前記弾性フィラメントのピッチが異なっているか、及び/又は、前記弾性フィラメントの直径が異なっている請求項1ないし5の何れかに記載の伸縮シート。
  7. 前記弾性フィラメントが、同一の又は異なる2枚の不織布間に挟持されている請求項1ないし6の何れかに記載の伸縮シート。
  8. 前記弾性フィラメントの平均偏平率が1.0〜7.0倍である請求項1ないし7の何れかに記載の伸縮シート。
  9. 伸長可能な前記不織布が、繊維の長手方向に沿う太さが一様になっていない非弾性繊維を含む請求項1ないし8の何れかに記載の伸縮シート。
  10. 前記非弾性繊維はその太さが、最も細い部分において2〜15μmであり、最も太い部分において10〜30μmである請求項9記載の伸縮シート。
  11. 前記非弾性繊維が複合繊維からなる短繊維である請求項9又は10の何れかに記載の伸縮シート。
  12. 前記非弾性繊維の原料繊維の伸度が80〜800%である請求項9ないし11の何れかに記載の伸縮シート。
  13. 紡糸ノズルから紡出された溶融状態の多数の弾性フィラメントを所定速度で引き取って延伸しつつ、該弾性フィラメントの固化前に、該弾性フィラメントが互いに交差せず一方向に配列するように該弾性フィラメントを不織布に融着させ、次いで該弾性フィラメントが融着した複合体を、該弾性フィラメントの延びる方向に沿って弾性発現処理して該複合体に伸縮性を付与する伸縮シートの製造方法。
  14. 搬送される前記不織布に前記弾性フィラメントを融着させることで、該弾性フィラメントを引き取って延伸する請求項13記載の伸縮シートの製造方法。
  15. 歯と歯底が周方向に交互に形成された一対の歯溝ロール間に、前記複合体を、その流れ方向に沿って通すことで、該複合体の流れ方向に伸縮性を付与する請求項13又は14記載の伸縮シートの製造方法。
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