JP5036641B2 - 透湿性伸縮シート - Google Patents

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本発明は、透湿性を有する伸縮シートに関する。
使い捨ておむつや生理用ナプキンを始めとする吸収性物品においては、装着中に生ずる蒸れに起因して不快感やかぶれが発生することを防止することを目的として、裏面シートとして非透水性で、かつ透湿性のシートが用いられている。このようなシートとしては、合成樹脂に、該樹脂と相溶性のないフィラーを練り込み、フィルム状に溶融成形したシートを一軸又は二軸延伸して得られたものが一般的に用いられている。しかし、上述のシートは、一般に伸縮性を有しないものであるか、又はあってもその程度は不十分である。
そこで本出願人は先に、伸縮性を有する非透水性の透湿シートをいくつか提案した(特許文献1及び2参照)。しかし、それらの透湿シートは、透湿性を十分に高くすることが容易でない、あるいはブロッキングの発生を防止しづらいといった不都合を有していた。このように、従来の非透水性の透湿性伸縮シートには未だ改善の余地があった。
特開平7−24005号公報 特開平8−300531号公報
したがって本発明の目的は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る透湿性伸縮シートを提供することにある。
本発明は、互いに交差せずに一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメント又は弾性帯状体が、実質的に非伸長状態で、それらの全長にわたり、伸長可能な第1の非伸縮性透湿フィルムと、伸長可能な非伸縮性シートとの間に接合されている透湿性伸縮シートを提供するものである。
また本発明は、透湿性を有する弾性フィルムが、実質的に非伸長状態で、その全長にわたり、伸長可能な第1の非伸縮性透湿フィルムと、伸長可能な非伸縮性シートとの間に接合されている透湿性伸縮シートを提供するものである。
本発明の透湿性伸縮シートは、透湿性が十分に高く、更に良好な伸縮性を有するものである。また本発明の透湿性伸縮シートは、ブロッキング等の不具合が生じないものである。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の透湿性伸縮シートの第1の実施形態の一部破断斜視図が示されている。本実施形態の伸縮シート10は、第1の非伸縮性透湿フィルム(以下、第1シート11という)、及び伸長可能な非伸縮性シート(以下、第2シート12という)の計2枚のシートと、両シート間に挟持された多数の弾性フィラメント13とから構成されている。各弾性フィラメント13は、第1及び第2シート11,12と接合している。本発明において弾性とは、伸ばすことができ、かつ元の長さに対して100%伸ばした状態(元の長さの200%の長さになる)から力を解放したときに、元の長さの125%以下の長さまで戻る性質を言う。
各シート11,12はいずれも伸長可能なものである。しかし、各シート11,12はいずれも非伸縮性のものである。各シート11,12は、弾性フィラメント13の延びる方向と同方向に伸長可能になっている。伸長可能とは、例えばシートが不織布からなる場合には、(イ)不織布の構成繊維自体が伸長する場合と、(ロ)構成繊維自体は伸長しなくても、交点において結合していた繊維どうしが離れたり、繊維どうしの結合等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたり、繊維のたるみが引き伸ばされたりして、不織布全体として伸長する場合とを包含する。シートが透湿フィルムからなる場合における伸長可能とは、構成樹脂(PEやPPなど)の分子鎖が伸びたり、ずれたりする場合を包含する。透湿フィルムが透湿フィルムを構成する樹脂と相溶性のない物質を含む場合には、樹脂と相溶性のない物質との界面で剥離が生じ、シート全体が伸びる場合を包含する。また、本発明において非伸縮性とは、「伸ばすことができ、かつ元の長さに対して100%伸ばした状態(元の長さの200%の長さになる)から力を解放したときに、元の長さの125%以下の長さまで戻る性質」を有さないことを言う。
各シート11,12は、弾性フィラメント13と接合される前の原反の状態で既に伸長可能になっていてもよい。あるいは、弾性フィラメント13と接合される前の原反の状態では伸長可能ではないが、弾性フィラメント13と接合された後に伸長可能となるように加工が施されて、伸長可能になるものであってもよい。各シート11,12を伸長可能にするための具体的な方法としては、熱処理、ロール間延伸、歯溝やギアによるかみ込み延伸、テンターによる引張延伸などが挙げられる。後述する透湿性伸縮シート10の好適な製造方法に鑑みると、弾性フィラメント13を各シート11,12に融着させるときの各シート11,12の搬送性が良好になる点から、各シート11,12はその原反の状態では伸長可能でないことが好ましい。また、各シート11,12は、一般的に言って、その原反の状態及び弾性フィラメント13と接合された後の状態のいずれにおいても、伸縮性を有していない。
各弾性フィラメント13は、透湿性伸縮シート10の全長にわたって実質的に連続している。弾性フィラメント13は弾性樹脂を含んでいる。各弾性フィラメント13は、互いに交差せずに一方向に延びるように配列している。ただし、透湿性伸縮シート10の製造条件の不可避的な変動に起因して、意図せず弾性フィラメント13が交差することは許容される。各弾性フィラメント13は、互いに交差しない限り、直線状に延びていてもよく、あるいは蛇行しながら延びていてもよい。
フィラメントが互いに交差しないということは、交点がほとんど無いということになる。交点があると、交点と交点の間に複数の繊維があるということになるが、通常、工業的には、交点間に存在する繊維の長さが一致するということは稀である。交点間に存在する繊維の長さが異なる状態のままで、伸長を行うと、交点間に含まれる長さの短い方の繊維だけに、応力が加わることになり、多数の繊維を配置しても、伸長に関与しない繊維が多く生じることになる。同じ重量の繊維で比較した場合、繊維の交点の多いほうが収縮力は小さくなる。よって、コストの無駄となる。縦方向だけの伸縮を考えた場合、ネットのように横方向に繊維がある場合は、横方向の繊維が、無駄なだけでなく、前記の交点が生じ、同様に縦方向の繊維にも無駄な部分が生じてしまう。
弾性フィラメント13の延びる方向は、各シート11,12の製造時の流れ方向と一致していてもよく、あるいは各シート11,12の製造時の流れ方向と直交していてもよい。後述する好適な製造方法に従い透湿性伸縮シート10を製造すると、弾性フィラメント13の延びる方向は、各シート11,12の製造時の流れ方向と一致する。
弾性フィラメント13は、実質的に非伸長状態で各シート11,12に接合されている。これらのシート11,12は、非伸縮性で、かつ伸長可能なものである。弾性フィラメント13が伸長していない状態でシート11,12に接合されるため、本実施形態の透湿性伸縮シート10は、伸長による緩和(クリープ)が起こらず、伸縮性が低下しにくいという利点がある。更に、例えば弾性フィラメント13を2倍に伸長させてシート11,12と貼り合わせた場合に、初期の1.3倍まで仮に戻ったとすると、この状態からは1.54倍までしか伸ばすことができない。しかし、非伸長状態で貼り合わせを行った場合には、透湿性伸縮シートを伸長させたときの初期原点が異なるため、シート11,12の伸長可能な長さまで又は弾性フィラメント13の最大伸度まで伸ばすことが可能となるという利点がある。
弾性フィラメント13が伸長していない状態で、これを各シート11,12に接合させることには次の利点もある。本実施形態の透湿性伸縮シート10は、例えば、実質的に非伸長状態の弾性フィラメント13を、非伸長状態のシート11,12に接合して一旦巻き取り原反とし、(このとき、弾性フィラメント13と接合した非伸長状態のシート11,12は非伸縮性である)、この原反を繰り出して別工程において延伸加工(例えば歯溝延伸)して、非伸長状態のシート11,12を伸長可能なシートとなすことで製造される。前記の原反の状態では、該原反は非伸長でかつ非伸縮性なので、弾性フィラメント13に外力が作用しない。その結果、前記の原反を長期間保存しても、伸長に起因する緩和が起こらないという利点がある。
弾性フィラメント13は、糸状の合成ゴム糸や天然ゴムであり得る。あるいは乾式紡糸(溶融紡糸)や、湿式紡糸によって得られたものであり得る。このうち、後述する好適な製造方法に鑑みると、弾性フィラメント13は、これを一旦巻き取ったり、蓄えたりすることなしに直接溶融紡糸によって得られたものであることが好ましい。
弾性フィラメント13は、ノズルから吐出された溶融樹脂を紡糸線上で延伸して得られたものであることが好ましい。延伸することで、弾性フィラメント13を構成する高分子が、該弾性フィラメント13の長さ方向に分子配向するので、後述する70%伸長時の行き/戻り比が高まり、ヒステリシスロスが小さくなる。また、延伸によって細い弾性フィラメントが得られる。この観点から、弾性フィラメント13は、1.1〜400倍、特に4〜100倍に延伸されたものであることが好ましい。
特に、弾性フィラメント13は、弾性樹脂が溶融又は軟化した状態で延伸されて形成されたものであることが好ましい。これにより、十分細化したフィラメントを得ることが可能になり、後述する理由で、風合いが良くなる。また、弾性樹脂が溶融又は軟化した状態で延伸されることで、各シート11,12と貼り合わせた後、常温になった弾性フィラメント13は縮もうとする力は示さず、弾性フィラメント13は非伸長状態で各シート11,12に接合させたことと同じ状態になる。本実施形態における延伸の具体的な操作としては、(イ)弾性フィラメント13の原料となる樹脂を溶融紡糸して一旦未延伸糸を得、その未延伸糸の弾性フィラメントを再度加熱して軟化温度(ハードセグメントのガラス転移点温度Tg)以上の状態で延伸する操作や、(ロ)弾性フィラメント13の原料となる樹脂を溶融紡糸して得られた溶融状態の繊維を直接延伸する操作が挙げられる。後述する好適な製造方法に従い透湿性伸縮シート10を製造すると、弾性フィラメント13は、溶融紡糸して得られた溶融状態の繊維を直接延伸することで得られる。
紡糸後の延伸により得られた弾性フィラメント13は、その直径が10〜200μm、特に20〜130μmであることが好ましい。この範囲は、透湿性伸縮シート10の風合いや、弾性フィラメント13の生産性を考慮して決定されたものである。詳細には、弾性フィラメント13の直径が大きすぎると、透湿性伸縮シート10に触れたときに、弾性フィラメント13に起因する段差が知覚されやすくなってしまう。この段差は、透湿性伸縮シート10の風合いにマイナスに作用するものである。この観点からは、弾性フィラメント13の直径は小さいほど、各シート11,12の風合いのみが知覚されやすくなるので好ましい。また、シート11,12の光透過性を低減させることにより、いわゆる体液の色の隠蔽性能を持たせる意味でも弾性フィラメント13は細い方が好ましい。更に、後述する歯溝ロールによる弾性発現処理において、弾性フィラメント13の直径を歯溝ロール間の歯と歯のクリアランス以下(好ましいクリアランスとしては歯の耐久性を高める点と噛み込み量による延伸倍率を高くする点でクリアランスが小さくなり、250μm以下、より好ましくは200μm以下である)にすることで、延伸時に弾性フィラメントがダメージ(亀裂や切断)を受けにくくなるので、細い方が好ましい。弾性フィラメントの直径と前記クリアランスとの比は0.2〜1、特に0.2〜0.5が好ましい。尤も、弾性フィラメント13が細径になる程その製造が容易でなくなる。これらを考慮すると、弾性フィラメント13の直径は前記の範囲内であることが好ましい。
上述の段差を発生させないようにする観点から、透湿性伸縮シート10の厚みに対する弾性フィラメント13の該伸縮シート11の厚み方向の直径の割合は、1〜30%、特に5〜15%であることが好ましい。
弾性フィラメント13は、その断面が円形であり得るが、場合によっては楕円形や扁平形状のこともある。例えば後述する製造方法に従い透湿性伸縮シート10を製造する場合には、弾性フィラメント13の断面は扁平形状になりやすい傾向にある。この場合、透湿性伸縮シート10中において、弾性フィラメント13は、扁平形状の長軸が透湿性伸縮シート10の平面方向と略同方向になり、且つ短軸が透湿性伸縮シート10の厚さ方向と略同方向になるように配置されることが好ましい。
弾性フィラメント13の断面が扁平形状である場合、長軸/短軸の比率(平均偏平率)は1.0〜7.0、特に1.1〜3.0であることが、伸縮特性及び弾性フィラメント13と各シート11,12の構成材料との接合強度、並びに透湿性伸縮シート10の隠蔽性能が増す点から好ましい。断面が扁平形状である弾性フィラメント13は、その長軸方向が、透湿性伸縮シート10の平面方向とほぼ一致するように配されている。なお、弾性フィラメント13の断面が扁平形状である場合、弾性フィラメント13の直径とは、長軸径と短軸径を平均したものを意味する。扁平形状を有する弾性フィラメント13における長軸とは、顕微鏡観察によって抽出された弾性フィラメント13の外周における最も長い横断線の長さを言う。弾性フィラメント13における短軸とは、前記のようにして決定した長軸に平行な二辺を有し、かつ前記の外周に外接する長方形を描いたときの短辺の長さを言う。これらを任意の弾性フィラメント5点について測定し、扁平率の平均を平均扁平率とし、直径の値の平均を弾性フィラメントの直径の値とする。
弾性フィラメント13の太さに関連して、弾性フィラメント13と、第1及び第2シート11,12との接合の接合面積が、透湿性伸縮シート10の面積に対して1〜30%、特に2〜20%、とりわけ3〜15%であることが、透湿性を高く維持する点から好ましい(以下、この値を「接合面積割合」と言う。)。接合面積割合は、以下の式から算出される。
接合面積割合[%]=フィラメント径[mm]×(1000÷フィラメントピッチ[mm])×1000÷(1000×1000)×100
接合面積割合は、平面方向からみたフィラメントの占有面積割合である。上記の式は、1000mm×1000mmのサンプルにおいて計算する式である。(1000÷フィラメントピッチ)は、幅1000mm中のフィラメントの本数であり、これにフィラメント径をかけ、長さ1000mmをかけることにより、フィラメントの占有面積が求められ、これをサンプルの面積1000mm×1000mmで割った値を百分率で表したものである。
弾性フィラメント13は、各シート11,12の色と異なる色に着色されていることも好ましい。これによって、弾性フィラメント13が第1シート11及び/又は第2シート12越しに透けて見えて、透湿性伸縮シート10が縞模様を呈するようになるという意匠的な効果が奏される。このような効果は、特に各シート11,12の厚み及び坪量が後述する範囲内であると一層顕著なものとなる。
透湿性伸縮シート10が十分な伸縮性を発現する観点、布様の良好な風合いを発現させる観点、及び必要に応じ上述の意匠的な効果を発現させる観点から、隣り合う弾性フィラメント13のピッチ(隣り合う弾性フィラメント13間の距離)は、該弾性フィラメント13の直径が上述した範囲であることを条件として、0.1〜5mm、特に0.4〜3mm、さらに0.5mm〜2mmであることが好ましい。
弾性フィラメント13は、その全長にわたって各シート11,12に接合している。ここで、「その全長にわたって接合している」とは、シート11,12のうち、弾性フィラメント13と接触しているすべての部位(シート12が不織布の場合はその構成繊維)が、該弾性フィラメント13と接合していることを要せず、弾性フィラメント13に、意図的に形成された非接合部が存在しないような態様で、弾性フィラメント13とシート11,12とが接合されていることを言う。弾性フィラメント13がその全長にわたって各シート11,12と接合していることで、弾性ストランド13と各シート11,12との接合力を十分に高めることができる。その結果、透湿性伸縮シート10を引き伸ばしても、弾性フィラメント13が各シート11,12から剥離しづらくなる。弾性フィラメント13が各シート11,12から剥離してしまうと、自然状態(弛緩状態)において、弾性フィラメント13と各シート11,12との間に浮きが生じて、透湿性伸縮シート10に皺が発生しやすくなり、透湿性伸縮シート10全体としての一体感に欠けるものとなる。
弾性フィラメント13と、各シート11,12との接合の様式としては、例えば融着が挙げられる。後述する好適な製造方法に従い透湿性伸縮シート10を製造すると、弾性フィラメント13は、各シート11,12に融着により接合される。融着とは、弾性フィラメント13とシート11,12が互いに溶融して接着している状態、又はどちらか一方が溶融し、他方がそれに食い込んで接着している状態の双方を含む。この方法によれば、各シート11,12に過度な熱は加えられず、溶融紡糸により得られた弾性フィラメント13の固化前に、該弾性フィラメント13をシート11,12に融着させるので、シート11,12のうち、弾性フィラメント13の周囲に存在する部位のみが該弾性フィラメント13と接合し、それよりも離れた位置にある部位はシート11,12の風合いを維持したままになっているので、透湿性伸縮シート10の風合いが良好に保たれるという利点がある。この場合、各シート11,12と弾性フィラメント13とを接合させる前に、補助的な接合手段として接着剤を塗布することもできる。あるいは、各シート11,12と弾性フィラメント13とを接合させた後に、補助的な接合手段として、熱処理(スチームジェット、ヒートエンボス)などを行うこともできる。シート12が不織布である場合には、機械交絡(ニードルパンチ、スパンレース)などを行うこともできる。尤も、これらの補助的な接合手段は、得られる透湿性伸縮シート10の風合いを損なったり、弾性フィラメント13にダメージを与えたりする場合がある。したがって、弾性フィラメント13をその溶融熱でシート11,12と融着することが好ましい。ただし、シート12が不織布からなる場合には、補助的な接合手段として、エアスルー法による熱風吹き付けからなる熱処理を用いると、得られる透湿性伸縮シート10の風合いは損なわれず、またシート11,12の接合強度の高いものが得られる点で好ましい。
透湿性伸縮シート10は、弾性フィラメント13の延びる方向と同方向に伸縮可能になっている。透湿性伸縮シート10の伸縮性は、弾性フィラメント13の弾性に起因して発現する。透湿性伸縮シート10を、弾性フィラメント13の延びる方向と同方向に引き伸ばすと、弾性フィラメント13並びに第1及び第2シート11,12が伸長する。そして透湿性伸縮シート10の引き伸ばしを解除すると、弾性フィラメント13が収縮し、その収縮に連れて第1及び第2シート11,12が引き伸ばし前の状態に復帰する。
本実施形態の透湿性伸縮シート10においては、弾性フィラメント13と直交した状態で結合している他の弾性フィラメントは存在していない。したがって透湿性伸縮シート10を、弾性フィラメント13の延びる方向と同方向に引き伸ばしても、該伸縮シート10が幅縮みをほとんど起こさずに伸長する。つまり、透湿性伸縮シート10はその引き伸ばし状態において、その長手方向にわたり幅がほぼ一様になっている。その結果、透湿性伸縮シート10を、その伸長状態で搬送させてこれを加工するときのハンドリング性が良好になる。また、透湿性伸縮シート10を例えば使い捨ておむつの裏面シートとして用いた場合、おむつの着用中にずれ落ちが起こったり、皺が寄ったりすることが効果的に防止される。また、おむつの構成と使用者の動きを考えると、幅方向に不均一な伸長が起こるが、その際にも幅縮みはほとんど起きず、おむつがずれたり、シワが寄ったりすることが効果的に防止される。この観点から、透湿性伸縮シート10は、これを1.5倍に伸長したときの幅縮みの割合が、伸長前の幅の1%〜10%、特に1%〜5%であることが好ましい。幅縮みは(1−伸長後の幅÷伸長前の幅)×100として求めることができる。伸長後の幅は次のように測定する。サンプルを、その長さ方向が概ね流れ方向に沿うように(角度差15度以内)幅50mmにて切り出す。長さは150mm超とする。サンプルの幅を50mmに保った状態で、サンプルの長手方向両端部を、把持間隔150mmで把持する。このとき、サンプルがその長手方向にたるまず、かつ伸長しないように注意する。この状態から、把持間隔を1.5倍まで伸長させたときの、サンプルの長さ方向の中央部の幅を測定し、その値を伸長後の幅とする。
図2には、本発明の一実施形態の透湿性伸縮シート10を、その自然状態(弛緩状態)において、第1シート11側から撮影した写真が示されている。この透湿性伸縮シート10は、第1シート11として伸長可能な非伸縮性透湿フィルムを用い、第2シート12として伸長可能な非伸縮性不織布を用いたものである。符号13は、弾性フィラメントを示す。同図において、矢印で示される方向Xは、弾性フィラメント13の延びる方向を示している。図2に示した実施形態は、透湿性伸縮シート10の製造工程のうち、後述する弾性発現処理工程において、歯溝延伸を用いた場合に顕著に発現する形態である。図2に示す透湿性伸縮シート10においては、比較的透明な部位15と、白化し非透明であるとともに、皺様の凹凸14aが形成されている部位14とが、X方向と直交する方向にそれぞれ延び、かつX方向に沿って交互に位置している。部位14における皺様の凹凸14aは、X方向と直交する方向に延びている。後述するように、部位15は、歯溝延伸時の歯の接触した部位であり、部位14は、歯間の部分が延伸された部位である。
詳細には、自然状態においては、伸縮シート10の部位14には、一方の面及び他方の面のそれぞれに、同一方向(X方向と直交する方向)に延びる微小な凸部及び凹部が交互に形成されている。一方の面における凸部及び凹部の位置には、他方の面における凹部及び凸部が位置している。
次に、透湿性伸縮シート10を構成する第1及び第2シート11,12並びに弾性フィラメント13の構成材料について説明する。第1シート11は、非伸縮性透湿フィルムからなる。この非伸縮性透湿フィルムは、例えば熱可塑性樹脂に、該樹脂と相溶性のない物質を練り込んで得られた樹脂組成物を、フィルム状に溶融成形し、得られたフィルムを一軸又は二軸延伸して多孔質となしたものである。熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン及びオレフィン系コポリマー等のポリオレフィン類を用いることができる。熱可塑性樹脂と相溶性のない物質としては、例えば炭酸カルシウム、石膏、硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、水和けい酸、無水ケイ酸、ソーダ灰、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、各種セメント、火山灰、シラス、酸化チタン、酸化鉄及びカーボンブラックのような無機充填剤、種々の金属粉、その他の無機物及び無機物を主体とする有機金属塩等が挙げられる。また、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及びポリアクリル酸ソーダ等の熱硬化性樹脂、あるいは融解温度が前記の熱可塑性樹脂の成形温度よりも高い樹脂のようなポリマーが挙げられる。これらの物質は50μm以下、好ましくは0.05〜30μmの範囲、特に0.1〜5μm程度の平均粒径を有する粉粒体として用いることが望ましい。前記熱可塑性樹脂と前記の物質との配合割合は、前記熱可塑性樹脂100重量部に対して前記の物質が好ましくは50〜400重量部、更に好ましくは60〜300重量部である。
第1シート11は、その透湿度(JIS Z0208)が、0.4〜6g/(100cm2・hr)、特に0.8〜4(100cm2・hr)であることが好ましい。また、第1シート11は、その耐水圧(JIS L1092 A法:低水圧法)が、5cm以上であることが好ましく、10〜500cmであることが更に好ましく、50〜200cmであることが一層好ましい。更に、透湿フィルムからなる第1シート11は、その透湿度及び耐水圧が上述の範囲内にあることを条件として、厚みが5〜100μm、特に7〜50μm、とりわけ10〜40μmであることが好ましい。厚みの測定法は、第2シート12が不織布である場合の厚みの測定法(この測定法については後述する。)と同様である。
第2シート12は、上述のとおり、伸長可能なシートである。伸長可能なシートとしては、非伸縮性の紙(台紙)、非伸縮性不織布、第2の非伸縮性透湿フィルム等が挙げられる。第2シート12が紙からなる場合、木材パルプ等の植物繊維や動物繊維などの天然繊維を含む紙や、合成繊維を含む紙を用いることができる。これらの紙は一般に透湿性を有している。また、これらの紙は湿式法又は乾式法によって製造される。第2シート12として用いられる紙の坪量は、透湿性伸縮シート10の具体的な用途に応じ、5〜50g/m2、特に10〜30g/m2の範囲から適切に選択することができる。
第2シート12が、第2の非伸縮性透湿フィルムからなる場合、該フィルムとしては、第1の非伸縮性透湿フィルムと同種のもの、又は異種のものを用いることができる。したがって、第2の非伸縮性透湿フィルムの詳細については、上述した第1の非伸縮性透湿フィルムについての説明が適宜適用される。ここで言う同種とは、非伸縮性透湿フィルムの製造プロセス、非伸縮性透湿フィルムの構成樹脂の種類、非伸縮性透湿フィルムの厚みや坪量等がすべて同じである非伸縮性透湿フィルムどうしを意味する。これらのうちの少なくとも一つが異なる場合には異種の非伸縮性透湿フィルムであるという。
第2シート12が不織布からなる場合、該不織布を構成する繊維としては、実質的に非弾性の繊維が用いられる。その例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル(PETやPBT)、ポリアミド等からなる繊維等が挙げられる。不織布を構成する繊維は、短繊維でも長繊維でもよく、親水性でも撥水性でもよい。また、芯鞘型又はサイド・バイ・サイドの複合繊維、分割繊維、異形断面繊維、捲縮繊維、熱収縮繊維等を用いることもできる。これらの繊維は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。不織布は、連続フィラメント又は短繊維の不織布であり得る。特に、透湿性伸縮シート10を厚みのある嵩高なものとする観点からは、不織布は、短繊維の不織布であることが好ましい。透湿性伸縮シート10を、肌に接触する部材として用いる場合には、肌の接触する側に風合いの良い短繊維不織布を用い、その反対面に強度の高い連続フィラメントの不織布を用いてもよい。
不織布は、その構成繊維が低融点成分及び高融点成分の2成分以上からなることが好ましい。その場合には、少なくとも低融点成分の熱融着により、その構成繊維どうしが繊維交点で接合される。低融点成分及び高融点成分の2成分以上からなる芯鞘型の複合繊維としては、芯が高融点PET、PPで、鞘が低融点PET、PP、PEのものが好ましい。
不織布の厚みは、好ましくは0.05〜5mm、更に好ましくは0.1〜1.0mm、一層好ましくは0.15〜0.5mmである。厚みの測定は、0.5cN/cm2の荷重にて平板間に挟み透湿性伸縮シート10の断面をマイクロスコープにより50〜200倍の倍率で観察し、各視野において平均厚みをそれぞれ求め、3視野の厚みの平均値として求めることができる。透湿性伸縮シート10全体の厚みは平板間の距離を測ることで求められる。不織布の坪量は、風合い、厚み及び意匠性等の観点から、それぞれ3〜100g/m2、特に10〜30g/m2であることが好ましい。
不織布は、風合い、べたつき等の観点から、実質的に非弾性の繊維からなることが好ましい。不織布中の非弾性繊維の割合は、70重量%以上、特に90重量%以上、とりわけ100重量%が好ましい。また、実質的に非弾性の繊維は、非弾性樹脂中に少量の弾性樹脂を含んでいてもよい。この場合の非弾性樹脂の割合は、好ましくは70重量%以上、更に好ましくは90重量%、一層好ましくは100重量%である。
特に非弾性の繊維として、その長さ方向において繊維の太さが一様になっていないものを用いることが好ましい(以下、この繊維を不定径繊維という)。つまり不定径繊維は、その長さ方向に沿ってみたときに、繊維断面積(直径)が大きい部分もあれば、小さい部分もある。不定径繊維においては、その直径(断面積)が、最も小さい部分から最も大きい部分まで連続的に変化していてもよい。或いは、未延伸糸の延伸工程で観察されるネッキング現象のように、繊維の直径(断面積)が略ステップ状に変化していてもよい。繊維の直径(断面積)が略ステップ状に変化した状態になっている非弾性繊維の一例を図3に示す。
該非弾性繊維は、一定の繊維径を有する高伸度(例えば繊維の最大伸度が80〜800%、特に120〜650%)の繊維を原料とすることが、最大強度の高い伸縮シート10が得られる点で好ましい。繊維の伸度は、JIS L−1015に準拠し、測定環境温湿度20±2℃、65±5%RH、引張試験機のつかみ間隔20mm、引張速度20mm/minの条件での測定を基準とする。なお、既に製造された不織布から繊維を採取して伸度を測定するときを始めとして、つかみ間隔を20mmにできない場合、つまり測定する繊維の長さが20mmに満たない場合には、つかみ間隔を10mm又は5mmに設定して測定する。
前記の高伸度の繊維は、低延伸の非弾性繊維であることが好ましい。低延伸の非弾性繊維を原料として、後述する製造方法に従い本実施形態の透湿性伸縮シート10を製造すると、その弾性発現処理において低延伸の繊維が引き伸ばされることで、繊維に細い部分が生じて後述の不定径繊維が形成される。その結果、本実施形態の透湿性伸縮シート10の弾性発現処理において、不織布が構造的に伸ばされ易い形に変更させることになるが、繊維が伸ばされることで、不織布構造全体でも、伸ばされ易くなり、不定形繊維間の接合点や、不織布12と弾性フィラメント13との接合点が破壊されることを最小限にすることが可能になり、伸縮性能を維持しつつ透湿性伸縮シート10の強度を高くすることができる。つまり、高伸度と高強度とが両立した透湿性伸縮シート10が得られる。また、弾性発現処理において、前記不定径繊維間の接合も破壊されにくくなることは、不織布が毛羽立ち様になりにくくなる効果もある。このことは、本実施形態の透湿性伸縮シート10の外観を向上させる点から有利である。
不定径繊維はその繊維間融着点強度が、該不定径繊維の100%伸長時強度よりも高いものであることが好ましい。これによって、透湿性伸縮シート10を製造するときの弾性発現処理工程において、弾性発現処理前の透湿性伸縮シート10を引き伸ばし弾性発現処理加工する際に、弾性発現処理前の不織布12の繊維どうしの融着点の破壊が起こりにくくなり、弾性発現処理前の透湿性伸縮シート10の強度に比べて、前記弾性発現処理工程を経て得られた透湿性伸縮シート10の強度が低下しづらくなる点から好ましい。融着点強度は、本出願人の先の出願に係る特開2004−218183号公報の段落〔0040〕の記載に従い測定される。100%伸長時強度は、引張試験機を用い、チャック間距離20mm、引張速度20mm/minの条件で測定される。
上述した低延伸の非弾性繊維とは、紡糸後に低延伸倍率で延伸された繊維及び延伸されていない繊維、即ち未延伸繊維の両方を包含する。低延伸の繊維としてはその伸度が上述のとおり80〜800%、特に120〜650%の高いものを用いることが好ましい。この範囲の伸度を有する低延伸の繊維を用いることで、該繊維が後述する図4に示す延伸装置22で首尾良く引き伸ばされて、不定径繊維が容易に形成される。低延伸の繊維の繊維径は10〜35μm、特に12〜30μmであることが好ましい。
先に述べたとおり、不定径繊維は、一定の繊維径を有する低延伸の繊維を原料とすることが好ましい。この場合、低延伸の繊維は、単一の原料からなる繊維でもよく、あるいは2種以上の原料を用いた複合繊維、例えば芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維であってもよい。不定径繊維どうしの接合のさせやすさや、不織布12と弾性フィラメント13との接合のさせやすさを考慮すると、複合繊維を用いることが好ましい。芯鞘型の複合繊維の場合、芯がポリエステル(PETやPBT)、ポリプロピレン(PP)、鞘が低融点ポリエステル(PETやPBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)が好ましい。特にこれらの複合繊維を用いると、弾性フィラメント13がポリオレフィン系エラストマーを含む場合、弾性フィラメント13と不織布12の構成繊維との熱融着が強くなり、層剥離が起こりにくい点で好ましい。
不定径繊維は、ステープルファイバのような短繊維でもよく、あるいは連続フィラメントのような長繊維でもよい。後述する透湿性伸縮シート10の好適な製造方法に鑑みると、短繊維を用いることが好ましい。また、不定径繊維は親水性でも撥水性でも良い。
不織布12は、不定径繊維のみから構成されていてもよく、あるいは不定径繊維に加えて、他の一定径の非弾性繊維が含まれていてもよい。他の非弾性繊維としては、先に述べたものが挙げられる。不織布12に、不定径繊維に加えて他の一定径の非弾性繊維が含まれている場合、他の非弾性繊維の配合量は1〜30重量%、特に5〜20重量%であることが好ましい。
弾性フィラメント13は、前述のとおり、例えば熱可塑性エラストマーやゴムなどの弾性樹脂を原料とするものである。特に弾性樹脂に熱可塑性エラストマーを原料として用いると、通常の熱可塑性樹脂と同様に押出機を用いた溶融紡糸が可能であり、またそのようにして得られたフィラメントは熱融着させやすいので、本実施形態の伸縮シートに好適である。熱可塑性エラストマーとしては、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン)、SEBS(スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン)、SEPS(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン)等のスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー(エチレン系のα-オレフィンエラストマー、エチレン・ブテン・オクテン等を共重合したプロピレン系エラストマー)、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーを挙げることができる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。またこれらの樹脂からなる芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型の複合繊維を用いることもできる。特にスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、又はそれらを組み合わせて用いることが、弾性フィラメント13の成形性、伸縮特性、コストの面で好ましい。
次に、本実施形態の透湿性伸縮シート10の好ましい製造方法を、図4を参照しながら説明する。本製造方法においては、紡糸ノズル16から紡出された溶融状態の多数の弾性フィラメント13を所定速度で引き取って延伸しつつ、該弾性フィラメント13の固化前に、該弾性フィラメント13が互いに交差せず一方向に配列するように該弾性フィラメント13をシート11,12に融着させ、次いで該弾性フィラメント13が融着した複合体19を、該弾性フィラメント13の延びる方向に沿って弾性発現処理して該複合体19に伸縮性を付与する。
紡糸ノズル16は、紡糸ヘッド17に設けられている。紡糸ヘッド17は、押出機に接続されている。ギアポンプを介して紡糸ヘッド17へ樹脂を供給することもできる。該押出機によって溶融混練された弾性樹脂は、紡糸ヘッド17に供給される。紡糸ヘッド17には、多数の紡糸ノズル16が直線状に一列に配置されている。紡糸ノズル16は、第1及び第2シート11,12の幅方向に沿って配置されている。隣り合う紡糸ノズル16の間隔は、目的とする透湿性伸縮シート10における弾性フィラメント13の間隔に相当する。紡糸ノズル16は通常円形であり、その直径は弾性フィラメント13の直径及び延伸倍率に影響を及ぼす。この観点から、紡糸ノズル16の直径は0.1〜2mm、特に0.2〜0.6mmであることが好ましい。シート11,12との接合強度を高める目的、弾性フィラメント13の紡糸性を上げる目的、及び透湿性伸縮シート10の伸縮特性を向上させる目的で、弾性フィラメント13を複合の形態(サイドバイサイド、芯鞘、海島構造)とすることもできる。具体的にはPP系のエラストマー樹脂とスチレン系のエラストマー樹脂とを組み合わせることが好ましい。
紡出された溶融状態の弾性フィラメント13は、それぞれ原反から互いに同速度で繰り出された第1シート11及び第2シート12と合流し、両シート11,12間に挟持されて所定速度で引き取られる。弾性フィラメント13の引き取り速度は、両シート11,12の繰り出し速度と一致している。弾性フィラメント13の引き取り速度は、該弾性フィラメント13の直径及び延伸倍率に影響を及ぼす。延伸によって弾性フィラメント13に生じる張力は、該弾性フィラメント13をシート11,12と貼り合わせるときの風や静電気に起因する該弾性フィラメント13の乱れを防止する。それによって弾性フィラメントどうしを交差させずに一方向へ配列させることができる。これらの観点から、弾性フィラメント13の引き取り速度は、紡糸ノズル孔内の樹脂吐出速度に対し、その延伸倍率が1.1〜400倍、特に4〜100倍、更に10〜80倍となるように調整されることが好ましい。
弾性フィラメント13は、その固化前に、即ち融着可能な状態で第1及び第2シート11,12と合流する。その結果、弾性フィラメント13は、第1及び第2シート11,12に挟持された状態で、これらのシート11,12に融着する。つまり、固化前の弾性フィラメントを搬送されるシート11,12に融着させながら弾性フィラメント13は引き取られて延伸される。弾性フィラメント13の融着に際しては第1及び第2シート11,12には、外部から熱は付与されていない。つまり、融着可能になっている弾性フィラメント13に起因する溶融熱によってのみ、該弾性フィラメント13と両シート11,12とが融着する。その結果、両シート11,12のうち、弾性フィラメント13の周囲に存在する部位のみが該弾性フィラメントと融着し、それよりも離れた位置に存在する部位は融着しない。その結果、両シート11,12に加わる熱は最小限にとどまるので、該シート11,12自身が本来的に有する良好な風合いが維持される。それによって、得られる透湿性伸縮シート10の風合いが良好になる。
紡出された弾性フィラメント13が、第1及び第2シート11,12と合流するまでの間、該弾性フィラメント13は延伸されて延伸方向に分子が配向する。また直径が小さくなる。分子配向によって、70%伸長時強度の行き/戻り比(ヒステリシス)の小さな弾性フィラメント13が得られる。弾性フィラメント13を十分に延伸させる観点及び弾性フィラメント13の糸切れを防止する観点から、紡出された弾性フィラメント13に所定温度の風(熱風、冷風)を吹き付けて、該弾性フィラメント13の温度を調整してもよい。
弾性フィラメント13の延伸は、原料樹脂の溶融状態での延伸(溶融延伸)だけでなく、その冷却過程における軟化状態の延伸(軟化延伸)であってもよい。溶融状態とは、外力を加えたとき樹脂が流動する状態である。樹脂の溶融温度は粘弾性測定による(例えば円形並行平板間に挟んだ樹脂に回転方向の振動歪を加えて測定される)Tanδのピーク温度として測定される。弾性樹脂の時に糸切れが起こらないようにするために、延伸区間を長く確保することがよい。また、同様に糸切れが起こらないようにするために弾性樹脂の溶融温度は130〜300℃が好ましい。更に、弾性樹脂の耐熱性の観点から、溶融温度は220℃以下が好ましい。弾性フィラメント13の成形温度(ダイスの温度)は樹脂の流動性を上げて成形性を良好にするために原料樹脂の溶融温度の+50℃以上が好ましく、耐熱性のため+110℃以下が好ましい。軟化温度は、シート状にした弾性樹脂の測定試料の粘弾性特性におけるTg温度として測定される。軟化温度から溶融温度までの範囲を軟化状態という。また、軟化温度より低い温度の状態を固化状態という。軟化温度は、透湿性伸縮シート10の保存時における弾性樹脂の結晶の成長や、体温による透湿性伸縮シート10の伸縮特性の低下の観点から、60℃以上が好ましく、80℃〜180℃がより好ましい。
弾性フィラメント13とシート11,12とを接合させるときの弾性フィラメント13の温度は、繊維融着を確実にするために100℃以上であることが好ましい。より好ましくは120℃以上、更に好ましくは140℃以上である。また弾性フィラメント13の形状を保持して伸縮特性の良好な透湿性伸縮シート10を得る観点から、弾性フィラメントの温度は180℃以下であることが好ましい。より好ましくは160℃以下である。これらの結果、最適なフィラメント温度は120〜160℃、更に好ましくは140〜160℃の範囲である。接合時の温度は、弾性フィラメント13と接合させるラミネート基材として、弾性フィラメントを構成する弾性樹脂の融点と異なる融点を有する変性ポリエチレンや変性ポリプロピレンなどからなるフィルムを用いて、その接合状態を観察することで測定できる。このとき、弾性フィラメントとラミネート基材が融着していれば、接合温度はラミネート基材の融点以上である。
弾性フィラメント13と第1及び第2シート11,12との接合時には、弾性フィラメント13は実質的に非伸長状態(外力を取り除いたときに縮まない状態)である。また、弾性フィラメント13をシート11,12と合流させるときには、各弾性フィラメント13が互いに交差せず一方向に配列するようにする。そして、弾性フィラメント13を第1及び第2シート11,12と合流させて両シート11,12間に該弾性フィラメント13を挟持させた状態で、これら三者を一対のニップロール18,18によって挟圧する。挟圧の条件は、得られる伸縮シート10の風合いに影響を及ぼす。挟圧力が大きすぎると弾性フィラメント13が両シート11,12内に食い込みやすくなり、それに起因して得られる透湿性伸縮シート10の風合いが低下しやすい。この観点から、ニップロール18,18による挟圧力は、弾性フィラメント13が両シート11,12に接触する程度で足り、過度に高い挟圧力は必要とされない。
ニップロール18による挟圧の別の条件として、ニップロール18の温度が挙げられる。本発明者らの検討の結果、ニップロール18を加熱した状態で挟圧を行うよりもむしろ、加熱しないか(つまり成り行きにまかせるか)、又は冷却しながら挟圧を行う方が、風合いの良好な透湿性伸縮シート10が得られることが判明した。ニップロール18を冷却する場合には、冷却水等の冷媒を用い、ニップロール18の表面設定温度が10〜50℃になるように温度調節することが好ましい。
このようにして2枚のシート11,12間に弾性フィラメント13が挟持された複合体19が得られる。シート11,12として本来的に伸長性を有するものを用いた場合には、この複合体19が透湿性伸縮シート10そのものとなる。一方、シート11,12として本来的に伸長性を有しないものを用いた場合には、該シート11,12を含む複合体19を、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って弾性発現処理して、該複合体19に伸縮性を付与する操作を行う。本製造方法においては、この操作を、それぞれ歯と歯底が周方向に交互に形成された一対の歯溝ロール20,21を備えた弾性発現処理装置22を用い、複合体19をその搬送方向、即ち弾性フィラメント13の延びる方向に沿って弾性発現処理させることで行う。
弾性発現処理装置22は、一方又は双方の歯溝ロール20,21の枢支部を上下に変位させる公知の昇降機構(図示せず)を有し、歯溝ロール20,21間の間隔が調節可能になっている。本製造方法においては、各歯溝ロール20,21を、一方の歯溝ロール20の歯が他方の歯溝ロール21の歯間に遊挿され、他方の歯溝ロール21の歯が一方の歯溝ロール20の歯間に遊挿されるように組み合わせ、その状態の両歯溝ロール20,21間に、複合体19を挿入してこれを弾性発現処理させる。
弾性発現処理装置22においては、一対の歯溝ロール20,21の両方が駆動源によって駆動するようになっていてもよく(共回りロール)、一方の歯溝ロール20又は21のみが駆動源によって駆動するようになっていてもよい(連れ回りロール)。
図5には、複合体19が弾性発現処理される状態が模式的に示されている。複合体19が歯溝ロール20,21間を通過する際には、複合体19は、歯溝ロール20,21の歯23,24に当接する領域(P3−P2間、P1−P4間)においては、ほとんど延伸されない。これに対し、駆動ロールである歯溝ロール21の歯24の歯面によって、従動ロールである歯溝ロール20の歯23の歯面に向けて押圧される領域(P2−P1間)においては、両歯20,21によって大きく延伸される。また、歯溝ロール21の歯24の先端部によって、歯溝ロール20の歯23から引き離される領域(P4−P3間)においては、前記領域(P2−P1間)程ではないが、大きく延伸される。その結果、P2−P1間及びP4−P3間に相当する部位に、上述した図2に示す、白化し非透明であるとともに、皺様の凹凸14aが形成されている部位14が形成される。
また複合体19は、歯溝ロール20,21の歯23,24の先端部に当接する領域(P3−P2間、P1−P4間)においては、前述のとおりほとんど延伸されないが、歯23,24の先端部によって、その径方向に、つまり複合体19の厚み方向に片押しされるので、厚み方向に薄くなる。その結果、P3−P2間及びP1−P4間に相当する部位に、上述した図2に示す比較的透明な部位15が形成される。ただし領域(P3−P2間)と領域(P1−P4間)とは片押しされる方向が反対向きであるため、薄くなる方向が反対向きとなる。
シート12が、低延伸の繊維を含む不織布からなる場合、歯溝ロール20,21による引き伸ばし力は、低延伸の繊維の引き伸ばしに主として作用し、シート11,12と弾性フィラメント13との接合部位には過度の力が加わらない。その結果、該接合部位の破壊や、シート11,12と弾性フィラメント13との剥離が生じるのを防止しつつ、複合体19を効率的に延伸させることができる。また、この延伸により、図6に示すように、繊維間の接合が破壊されずに不織布からなるシート12が十分に伸長され、それによってシート12が、弾性フィラメント13の自由な伸縮を阻害する程度が大きく低下する。その結果、本製造方法によれば、高強度・高伸縮性であり、また、破れや毛羽立ちの少ない外観の良好な透湿性伸縮シート10を効率的に製造することができる。なお図6においては、延伸によって生じた非弾性繊維の太さは便宜的に一様に表されている。
上述のとおり、不織布からなるシート12に低延伸の繊維が含まれる場合には、該繊維が首尾良く延伸されて、それらの繊維間の接合が延伸によって破壊されないので、弾性発現処理によるシート12強度の低下が極力抑えられる。
複合体19が一対の歯溝ロール20,21によって弾性発現処理されることで、目的とする透湿性伸縮シート10が得られる。得られた透湿性伸縮シート10は、歯溝ロール20,21を通過した後、自身の収縮復元力により速やかにMD方向への延伸状態が解放される。その結果、透湿性伸縮シート10は、搬送方向へ長さが概ね復元する。それによって、伸長した状態では高坪量部分14及び低坪量部分15が、弾性フィラメント13の延びる方向に交互に配列するようになる。なお、延伸状態を解放する場合、延伸状態が完全に解放されるようにしてもよく、伸縮性が発現する限度において、ある程度の延伸状態が維持された状態で延伸状態を解放してもよい。
前記の弾性発現処理加工によって、透湿性伸縮シート10の厚みは、弾性発現処理加工前の複合体19の厚みに対して1.1倍〜4倍、特に1.3倍〜3倍に増すことが好ましい。これによって、シート12が一層嵩高となり、肌触りが良く、クッション性が良好になる。
このようにして得られた透湿性伸縮シート10は、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って70%伸長させ(前記伸長前の透湿性伸縮性シート10の元の長さを基準として170%伸長させ)、130%までの長さに戻したときの荷重A(以下、30%戻り強度ともいう)と、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って30%伸長させたときの荷重B(以下、30%行き強度ともいう)との比(A/B)が10%以上、特に25%以上となることが、十分な伸縮特性の発現の点から好ましい。また、Aが10cN/50mm以上、特に20cN/50mm以上、とりわけ35cN/50mm以上となることが、十分な伸縮特性の発現の点から好ましい。
また、透湿性伸縮シート10は、その透湿度(JIS Z0208)が、0.4〜6g/(100cm2・hr)、特に0.8〜4(100cm2・hr)であることが好ましい。また、透湿性伸縮シート10は非透水性であることが好ましく、その耐水圧(JIS L1092 A法:低水圧法)が、5cm以上、特に10〜500cm、とりわけ50〜200cmであることが好ましい。
更に、具体的な用途にもよるが、透湿性伸縮シート10は、その全体の坪量が10〜150g/m2、特に25〜60g/m2であることが好ましい。伸縮シート10の厚みに関しては、0.05〜5mm、特に0.5〜2mmであることが好ましい。透湿性伸縮シート10の厚みは、先に述べた各シート11,12の厚みの測定と同様の方法で測定される。
本実施形態の透湿性伸縮シート10は、使い捨ておむつや生理用ナプキンを始めとする各種吸収性物品の裏面シートとして好適に用いられる。また、前記吸収性物品において、伸縮性、不透水性及び透湿性を付与したい部位にも好適に用いられる。例えば、使い捨ておむつのパネル材や、生理用品のウイング材などとして好適に用いられる。またこの用途以外に、医療用使い捨て衣類、清掃シート、眼帯、マスク、包帯等の各種の用途にも好適に用いられる。透湿性伸縮シート10は、特に生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの吸収性物品の構成材料として好ましく用いられる。該構成材料としては、例えば、吸収体よりも肌側に位置する液透過性のシート(表面シート、サブレイヤー等を含む)や、使い捨ておむつの外面を構成するシート、胴回り部やウエスト部、脚周り部等に弾性伸縮性を付与するためのシート等が挙げられる。また、ナプキンのウイングを形成するシート等として用いることができる。また、それ以外の部位であっても、伸縮性を付与したい部位等に用いることができる。伸縮シート10の坪量や厚みは、その具体的な用途に応じて適切に調整できる。例えば吸収性物品の構成材料として用いる場合には、坪量20〜60g/m2程度、厚み0.5〜1.5mm程度とすることが望ましい。
次に、本発明の第2及び第3の実施形態を、図7及び図8を参照しながら説明する。これらの実施形態に関し特に説明しない点については、上述した第1の実施形態に関する説明が適宜適用される。また図7及び図8において、図1と同じ部材には同じ符号を付してある。
図7に示す実施形態においては、第1及び第2シート11,12の間に、透湿性を有する弾性フィルム13Aが配置されている。弾性フィルム13Aは、第1及び第2シート11,12と同形である。したがって、本実施形態の透湿性伸縮シート10においては、第1シート11と第2シート12とが直接当接している部位は存在していない。尤も、弾性フィルム13Aとして、一又は二以上の貫通孔が形成されたものを用い、該貫通孔の位置において第1シート11と第2シート12とを直接当接させてもよい。
弾性フィルム13Aは、上述のとおり透湿性を有している。そのような弾性フィルム13Aとしては、例えばハード成分とソフト成分からなるブロック共重合ポリエステル樹脂からなる無孔の透湿性弾性フィルム(特開2004−305771号公報参照)が挙げられる。また、例えば、特開平7−70936号公報、特開平6−134000号公報、特公平6−67604号公報、特開平1−141669号公報、特公昭52−21042号公報等に記載の無孔の透湿性ウレタン系エラストマーや、東洋ゴム工業製のソフランパーム(商品名)を用いることができる。更に、例えば特開昭51−111290号公報等に記載の無孔の透湿性エステル系エラストマーや、日本合成化学製のフレクマ(商品名)を用いることもできる。
弾性フィルム13Aは、その透湿度(JIS Z0208)が、0.4〜6g/(100cm2・hr)、特に0.8〜4(100cm2・hr)であることが好ましい。また、第1シート11は、その耐水圧(JIS L1092 A法:低水圧法)が、5cm以上、特に10〜500cm、とりわけ50〜200cmであることが好ましい。また、弾性フィルム13の接合前の伸度が50〜500%、特に80〜400%であることが、十分な伸縮性を有する透湿性伸縮シート10を得る観点から好ましい。弾性フィルム13Aの伸度の測定は以下の手順で引張試験機によって測定される。弾性フィルム13Aの製造時の長手方向へ50mm、それと直交する方向へ50mmの大きさで矩形の試験片を切り出す。チャック間距離を25mm(試験片を引張り試験)とし、試験片を引張試験機に取り付ける。試験片をその長手方向へ300mm/分の速度で伸長させる。試験片の破断伸度を弾性フィルム13Aの伸度とする。測定環境は20±2℃、湿度65±5%RHの条件とした。引張試験機として、島津製作所製の引張試験機AG−1kNISを用いた。
本実施形態の透湿性伸縮シート10は、第1の実施形態において用いた図4に示す装置において、弾性樹脂を紡糸ヘッド17からフィルム状に押し出すことで製造することができる。
本実施形態によれば、弾性フィルム13Aの製造時の長手方向と、それと直交する方向との、両方に伸縮性を付与することが可能である、という利点がある。
図8に示す透湿性伸縮シート10は、第1の実施形態の透湿性伸縮シートにおける弾性フィラメント13に代えて、フィルムからなる弾性帯状体13Bを用いたものである。弾性帯状体13Bは、弾性を有することは必須であるが、第2の実施形態で用いた弾性フィルム13Aと異なり、透湿性を有することは必須とされない。尤も、弾性帯状体13Bが透湿性を有することは何ら妨げられない。したがって、弾性帯状体13Bの材料としては、第1の実施形態で用いた弾性フィラメント13の材料及び第2の実施形態で用いた弾性フィルム13Aの材料のいずれをも用いることができる。
各弾性帯状体13Bは、その延びる方向においてほぼ一定の幅を有している。この幅は、透湿性伸縮シート10の具体的な用途に応じ適宜決定することができる。透湿性伸縮シート10を、例えば吸収性物品の裏面シートとして用いる場合には、この幅を1〜200mm、特に5〜100mm、さらに10〜50mmとすることが好ましい。各弾性帯状体13Bの幅は、透湿性伸縮シート10の具体的な用途に応じ、同一としてもよく、あるいは異ならせてもよい。
各弾性帯状体13Bは、その延びる方向と直交する方向において離間しており、隣り合う弾性帯状体13Bの間において第1シート11と第2シート12とが直接当接している。あるいは、弾性帯状体13Bとして、一又は二以上の貫通孔が形成されたものを用い、該貫通孔の位置において第1シート11と第2シート12とを直接させてもよい。いずれの場合においても、隣り合う弾性帯状体13BのピッチPは、透湿性伸縮シート10の具体的な用途に応じ適宜決定することができる。透湿性伸縮シート10を、例えば吸収性物品の裏面シートとして用いる場合には、ピッチPを3〜500mm、特に6〜300mm、さらに、11〜100mmとすることが好ましい。ピッチPは、透湿性伸縮シート10の具体的な用途に応じ、同一としてもよく、あるいは異ならせてもよい。
本実施形態の透湿性伸縮シート10は、第1の実施形態において用いた図4に示す装置において、弾性樹脂を紡糸ヘッド17から帯状に押し出すことで製造することができる。
本実施形態によれば、弾性帯状体の寸法と配列(幅とピッチ)によって、透湿度と伸縮性のバランスを適宜コントロールできるという利点がある。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば図1に示す実施形態においては、弾性フィラメント13はすべて同径で、等ピッチで配置されていたので、透湿性伸縮シート10のどの部分をとっても伸長応力は同じになっていた。しかし、これに代えて、弾性フィラメントの伸長方向における伸長応力が異なる2以上の領域からなるように透湿性伸縮シートを構成してもよい。2つ以上の該領域は、該伸長方向に対してほぼ並列配置されている。この場合、伸長応力が異なる各領域間では、隣り合う弾性フィラメントのピッチが異なっているか、及び/又は、弾性フィラメントの直径が異なっている。それによって各領域間での伸長応力を異ならせることができる。透湿性伸縮シートの製造時に、2種以上の異なる樹脂を、任意の紡糸ノズルに導入して紡糸を行うことでも、各領域間での伸長応力を異ならせることができる。
また、前記の各実施形態において、透湿性伸縮シート10に部分的にエンボス加工を行ったり、弾性フィラメント13を部分的にカットしたり部分的に熱シールしたりすることもできる。これらの操作は、透湿性伸縮シート10に伸縮しない部分を形成したり、強度を部分的に上げたりする目的で行われる。あるいは、他の部材と貼り合わせたり、デザイン性を持たせたりする目的で行う。
また、弾性発現処理装置22を用いた弾性発現処理に関し、弾性発現処理方向はシート11,12の流れ方向のみでなく、例えば斜めであっても良い。更に、2種以上の弾性発現処理方法を組み合わせたり、段階的に延伸倍率を上げたり、部分的に弾性発現処理を行ったりすることもできる。弾性発現処理方向は一方向のみでなく、直交する二方向であってもよい。
また前記実施形態の製造方法においては、弾性発現処理加工に一対の歯溝ロール20,21を備えた弾性発現処理装置を用いたが、これに代えてテンターを備えた弾性発現処理装置を用いて弾性発現処理加工を行ってもよい。
更に、前記の製造方法において、弾性フィラメント13とシート11,12とを接合する方法の別法として、一方のシート上に直接弾性フィラメント13を溶融延伸することなしにダイレクト押出することもできる。この場合の延伸倍率は1倍である。また、弾性フィラメント13とシート11,12とを接合する前に、シート又は弾性フィラメントに補助的に接着剤を塗布し、その後に弾性フィラメントを実質的に未伸長の状態で貼り合わせることもできる。更に、接着剤を塗布せずに、弾性フィラメント13とシート11,12とを重ねた後に補助的に熱処理(エアスルー法による熱風の吹き付け、スチームジェット、ヒートエンボス)や、機械交絡(ニードルパンチ、スパンレース)などを行うこともできる。このとき、不織布の代わりに繊維ウエブを片面又は両面に用いることもできる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
図4に示す装置を用いて図1及び図2に示す構造の透湿性伸縮シートを製造した。第1シート11としては、坪量24g/m2の透湿フィルムを用いた。第2シート12としては、坪量20g/m2のエアスルー不織布を用いた。この不織布の構成繊維は直径19μm、最大伸度180%、繊維長44mmの芯鞘型複合繊維(芯:PET、鞘:PE)であった。弾性フィラメント13の原料樹脂としては、SEPS樹脂(重量平均分子量5万、MFR60g/10min(230℃、2.16kg、JIS K7210:1999))からなるエラストマーを用いた。紡糸条件は、紡糸ヘッド17の温度310℃、紡糸ノズル16の径400μm、紡糸ノズル16のピッチ1.5mmとした。弾性フィラメント13の直径は120μmであった。フィラメントのみかけ坪量(サンプル中のフィラメント重量/サンプリングシート面積)は10g/m2、延伸倍率11倍であった。延伸倍率は、(ノズル孔径/弾性発現処理前繊維径)で定義される。弾性発現処理加工は、歯と歯底が軸長方向に交互に形成された一対の歯溝ロール20,21を備えた弾性発現処理装置22を用いて行った。歯間及び歯底間のピッチはそれぞれ2.0mmであった(噛み合った状態での歯間のピッチPは1.5mmとなる)。上下の歯溝ロールの押し込み量を調整し、延伸倍率2.3倍にて複合体19を、弾性フィラメント13の延びる方向に弾性発現処理させた。これにより弾性フィラメント13の延びる方向に伸縮する坪量57g/m2の非透水性の透湿性伸縮シート10が得られた。得られた透湿性伸縮シート10は、弾性発現処理時の延伸に起因する、縞模様を呈していた。
〔評価〕
実施例1で得られた透湿性伸縮シートについて、30%戻り強度/30%行き強度、30%戻り強度及び透湿度を以下の方法で測定した。それらの結果を以下の表1に示す。
〔30%戻り強度/30%行き強度、30%戻り強度〕
透湿性伸縮シートを、その伸縮方向へ200mm、それと直交する方向へ50mmの大きさで切り出し試験片を得た。株式会社島津製作所:オートグラフ AG−IS 1kNに試験片をチャック間距離:150mmで装着した。試験片をその伸縮方向へ300mm/分の速度で伸長させた。30%伸長させた時点での荷重を記録し、その値を30%行き強度とした。引き続き試験片を70%まで伸長させ、次いで戻り方向(収縮方向)へ同速度で収縮させ、基の長さに対して30%伸長させた状態とした。その時点の荷重を記録し、30%戻り強度とした。
〔透湿度〕
透湿度はJIS Z−0208に準じ、温度30℃±0.5℃、湿度90±12%RHの環境下で測定した。
表1に示す結果から明らかなように、実施例の透湿性伸縮シートは、伸縮特性が良好であり、透湿性も良好であることが判る。
図1は、本発明の透湿性伸縮シートの第1の実施形態を示す一部破断斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態の透湿性伸縮シートを、その自然状態(弛緩状態)において、第1の非伸縮性透湿フィルム側から撮影した写真である。 図3は、繊維の直径(断面積)が略ステップ状に変化した状態になっている非弾性繊維の一例を示すSEM像である。 図4は、図1に示す透湿性伸縮シートの製造に好適に用いられる装置を示す模式図である。 図5は、図4に示す装置によって複合体が弾性発現処理される状態を示す模式図である。 図6は、非弾性繊維が弾性発現処理される状態を示す模式図である。 図7は、本発明の透湿性伸縮シートの第2の実施形態を示す一部破断斜視図(図1相当図)である。 図8は、本発明の透湿性伸縮シートの第3の実施形態を示す一部破断斜視図(図1相当図)である。
符号の説明
10 透湿性伸縮シート
11 第1シート
12 第2シート
13 弾性フィラメント
13A 弾性フィルム
13B 弾性帯状体

Claims (3)

  1. 互いに交差せずに一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが、実質的に非伸長状態で、それらの全長にわたり、伸長可能な第1の非伸縮性透湿フィルムと、伸長可能な非伸縮性シートとの間に接合されている透湿性伸縮シートであって、
    前記弾性フィラメントと、前記第1の非伸縮性透湿フィルム及び前記非伸縮性シートとの接合の接合面積が、透湿性伸縮シートの面積に対して1〜15%であり、
    前記弾性フィラメントと直交した状態で結合している他の弾性フィラメントが存在していない透湿性伸縮シート
  2. 前記伸長可能な非伸縮性シートが、伸長可能な非伸縮性不織布である請求項1記載の透湿性伸縮シート。
  3. 前記非伸縮性不織布はその構成繊維が、最大伸度が80〜800%である非弾性繊維を原料とするものである請求項2記載の透湿性伸縮シート。
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