JP4954152B2 - 伸縮シート - Google Patents

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Description

本発明は、弾性フィラメントと伸長可能な非伸縮性シートとを複合化してなる伸縮シートに関する。
弾性を有する繊維と不織布とを複合化してなる伸縮シートに関する従来の技術としては、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。同文献に記載の伸縮シートは、少なくとも一方向に100%以上の伸度を有する不織布と、該不織布上に螺旋状に連続的に配置されて該不織布に接合された、200%以上の伸縮性を有するゴムストランドとからなる。この伸縮シートは、該シートの製造時における幅方向(CD)に高い伸縮性を有するものである。しかし、流れ方向(MD)への伸縮性は、幅方向に劣るものである。
本出願人も先に、弾性を有する繊維と不織布とを複合化してなる伸縮シートを提案している(特許文献2参照)。同文献に記載の伸縮シートは、非弾性繊維からなる第1ウエブと弾性繊維からなる第2ウエブとを重ね合わせ、これらにウエブが一体化していない状態下に、これらのウエブに対して熱風処理を施してウエブどうしを熱融着させて繊維シートを得、この繊維シートを幅方向に延伸し、その後に延伸を解放することで幅方向に伸縮性を付与して製造される。この伸縮シートも、上述の特許文献1に記載の伸縮シートと同様に幅方向(CD)に高い伸縮性を有するものであるが、流れ方向(MD)への伸縮性は、幅方向を大きく上回るものではない。
特開2002−205357号公報 特開2007−191829号公報
したがって本発明の目的は、前述した従来技術の伸縮シートよりも伸縮性が一層向上した伸縮シートを提供することにある。
本発明は、一方向に延びる多数の弾性フィラメントが、ランダムな波線を描くように蛇行して、それらの交点で結合しランダムな網目構造を形成して、2枚の伸長可能な非伸縮性シートの間に接合されている伸縮シートを提供するものである。
また本発明は、紡糸ノズルから紡出された溶融状態の多数の弾性フィラメントを、該弾性フィラメントの固化前に、走行方向が同方向である2枚の伸長可能な非伸縮性シートと合流させて、その合流位置において該弾性フィラメントを該2枚のシート間に挟んで融着させ、該弾性フィラメントが前記走行方向に延びている複合体を得、
得られた複合体を、該弾性フィラメントの延びる方向に沿って延伸して該複合体に伸縮性を付与する伸縮シートの製造方法であって、
前記弾性フィラメントを前記シート及び前記不織布で挟んで引き取ることで、前記紡糸ノズルと前記合流位置との間において該弾性フィラメントを延伸させるとともに、
前記紡糸ノズルと前記合流位置との間で延伸されている前記弾性フィラメントに気体を吹き付けて、ランダムな波線を描くように蛇行する揺らぎを該弾性フィラメントに生じさせる伸縮シートの製造方法を提供するものである。
本発明の伸縮シートにおいては、2枚のシート材料の間に接合された弾性フィラメントが一方向に延びかつ網目構造をなしているので、該伸縮シートは、該フィラメントの延びる方向に伸縮性を発現するとともに、該方向と直交する方向にも伸縮性を発現する。したがって縦横に伸縮性が発現し、伸縮性のバランスが良好になる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の伸縮シートの第1の実施形態の一部破断斜視図が示されている。本実施形態の伸縮シート10は、第1の伸長可能な非伸縮性シート(以下、「第1の伸長性シート」とも言う。)11及び第2の伸長可能な非伸縮性シート12(以下、「第2の伸長性シート」とも言う。)の計2枚のシートと、両シート間に挟持された多数の弾性フィラメント13とから構成されている。各弾性フィラメント13は、伸長性シート11,12と接合している。本発明において弾性とは、伸ばすことができ、かつ元の長さに対して50%伸ばした状態(元の長さの150%の長さになる)から力を解放したときに、元の長さの113%以下の長さまで戻る性質を言う。
伸長性シート11,12はいずれも伸長可能なものである。しかし、伸長性シート11,12はいずれも非伸縮性のものである。伸長性シート11,12は、弾性フィラメント13の延びる方向と同方向に伸長可能になっている。伸長性シート11,12は、弾性フィラメント13の延びる方向と直交する方向にも伸長可能であることが好ましい。本願において、伸長可能とは、目的とする必要な外力(延伸加工上の外力や使用面での人の力による外力など)によって伸ばすことができることをいう。伸長可能とは、伸長性シート11,12が例えば不織布である場合は、(イ)不織布の構成繊維自体が伸長する場合と、(ロ)構成繊維自体は伸長しなくても、交点において結合していた繊維どうしが離れたり、繊維どうしの結合等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたり、繊維のたるみが引き伸ばされたりして、不織布全体として伸長する場合とを包含する。伸長性シート11,12が例えば透湿性又は非透湿性フィルムである場合には、(イ)フィルムの構成樹脂自体の分子鎖が伸びたり、ずれたりして伸長する場合と、(ロ)構成樹脂自体は伸長しなくても、フィルムが部分的にちぎれたり(スリット開孔、部分開孔、粒子と樹脂の界面剥離などを含む)、フィルムのたるみが引き伸ばされたり、開孔フィルムのように孔の変形によりフィルム全体が伸長する場合とを包含する。伸長性シート11,12が例えば薄葉紙である場合には、(イ)薄葉紙の構成繊維自体が伸長する場合と、(ロ)構成繊維自体は伸長しなくても、結合していた繊維どうしが離れたり、繊維どうしの結合等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたり、繊維のたるみが引き伸ばされたりして、薄葉紙全体として伸長する場合とを包含する。
伸長可能な非伸縮性シートは、高伸長性のものが好ましい。高伸長性のものとしては、伸長可能な非伸縮性シートにおいて、伸長する状態になったシート(後加工により伸長する状態になったものを含む)の伸度が、100cN/50mm強度時に30%以上を示すものであることが好ましい。さらには70%以上を示すことが好ましい。なお、最大強度が100cN/50mm以下の場合、最大強度を示すときの最大伸度は30%以上であることが好ましい。伸度は伸長前の長さを基準とする。また、同様に高伸長なシートを用いた伸縮性シート10において、伸長する状態になったシート(後加工により伸長する状態になったものを含む)の伸度が、200cN/50mm強度時における伸度が30%以上を示すものであることが好ましい。なお、最大強度が200cN/50mm以下の場合、最大強度を示すときの最大伸度が30%以上であることが好ましい。伸度はテンションを与えないフリーテンション時を基準とする。伸縮性のシートにおいて前記の特性を示すものは、高伸長な非伸縮性シートであると見なすことができる。これらは、後述する最大強度の測定と同様にして求められる。
伸長性シート11,12は、高伸長性のものが好ましい。高伸長な伸長性シートにおいて伸長する状態になった該伸長性シートの最大強度は、好ましくは5cN/50mm以上、更に好ましくは100cN/50mm以上、一層好ましくは500cN/50mm以上である。高伸長な伸長性シートを用いて伸長する状態になった伸縮シート10の最大強度は、好ましくは7cN/50mm以上、更に好ましくは150cN/50mm以上、一層好ましくは1000cN/50mm以上である。
本発明において非伸縮性とは、「伸ばすことができ、かつ元の長さに対して50%伸ばした状態(元の長さの150%の長さになる)から力を解放したときに、元の長さの113%以下の長さまで戻る性質」を有さないことを言う。
本発明の更に好ましい実施形態は、伸長性シート11,12の少なくとも一方が高伸長性の非弾性シートであることである。この理由は、目的とする伸度まで伸ばしたときに、過度な破壊が生じ、強度の低下が大きく、単体では使用に耐えないシートを一方に用いた場合でも、他方に高伸長性のシートを用いることで、伸縮シート10の加工中の搬送性や製品上の耐久性が優れたものとなるからである。本発明の一層好ましい形態は、高伸長性のシートとして不織布を用いたものである。
伸長性シート11,12は、弾性フィラメント13と接合される前の原反の状態で既に伸長可能になっていてもよい。あるいは、弾性フィラメント13と接合される前の原反の状態では伸長可能ではないが、弾性フィラメント13と接合された後に伸長可能となるように加工が施されて、伸長可能になるものであってもよい。伸長性シート11,12を伸長可能にするための具体的な方法としては、熱処理、ロール間延伸、歯溝やギアによるかみ込み延伸、テンターによる引張延伸などが挙げられる。後述する伸縮シート10の好適な製造方法に鑑みると、弾性フィラメント13を伸長性シート11,12に融着させるときのシート11,12の搬送性が良好になる点から、伸長性シート11,12はその原反の状態では伸長可能でないことが好ましい。また、伸長性シート11,12は、一般的に言って、その原反の状態及び弾性フィラメント13と接合された後の状態のいずれにおいても、伸縮性を有していない。
各弾性フィラメント13は、伸縮シート10の全長にわたって実質的に連続している。弾性フィラメント13は弾性樹脂を含んでいる。弾性フィラメント13は一方向に延び、かつランダムな波線を描くように蛇行している。「波線を描くように蛇行している」とは、図2(a)に示すように、弾性フィラメント13の延びる方向にY軸をとり、それと直交する方向にX軸をとり、弾性フィラメント13の任意の位置での接線のベクトルV1、V2、・・・Viを考えたときに、各ベクトルのY成分が0であるか又は正の方向を向くように蛇行していることを言う。したがって図2(b)に示すように、弾性フィラメント13の任意の接線のベクトルViのY成分が負の方向を向く場合には、該弾性フィラメント13は、本発明にいう「波線を描くように蛇行している」に該当しない。例えば、先に述べた特許文献1に記載の螺旋形状は、「波線を描くように蛇行している」に該当しない。
弾性フィラメント13が、ランダムな波線を描くように蛇行していることで、該弾性フィラメント13は、その長さ方向の任意の位置において、近接する別の弾性フィラメント13と交差して交点を有する。この交点の位置において弾性フィラメント13どうしが結合している。その結果、弾性フィラメント13の全体としてみると、ランダムな網目構造が形成されている。それぞれの網目は弾性フィラメント13の延びる方向に概ね縦長の異方性のある形状になっている。1本の弾性フィラメント13に着目した場合、該弾性フィラメント13は、そのすぐ隣りに位置する弾性フィラメント13と交差していることが多いが、場合によっては2本以上隣りに位置している弾性フィラメント13と交差していることもある。また、弾性フィラメントが隣接する別の弾性フィラメントと接触し、その一部がまた離れたり、離れた弾性フィラメントが別の弾性フィラメントと接触することによっても網目構造が形成され得る。
弾性フィラメント13の延びる方向は、伸長性シート11,12の製造時の流れ方向と一致していてもよく、あるいは伸長性シート11,12の製造時の流れ方向と直交していてもよい。後述する好適な製造方法に従い伸縮シート10を製造すると、弾性フィラメント13の延びる方向は、伸長性シート11,12の製造時の流れ方向と一致する。
弾性フィラメント13は、実質的に非伸長状態で伸長性シート11,12に接合されている。伸長性シート11,12は、非伸縮性で、かつ伸長可能なものである。弾性フィラメント13が伸長していない状態で伸長性シート11,12に接合されるため、本実施形態の伸縮シート10は、伸長による緩和(クリープ)が起こらず、伸縮性が低下しにくいという利点がある。更に、例えば弾性フィラメント13を2倍に伸長させて伸長性シート11,12と貼り合わせた場合に、初期の1.3倍まで仮に戻ったとすると、この状態からは1.54倍までしか伸ばすことができない。しかし、非伸長状態で貼り合わせを行った場合には、伸縮シート10を伸長させたときの初期原点が異なるため、伸長性シート11,12の伸長可能な長さまで又は弾性フィラメント13の最大伸度まで伸ばすことが可能となるという利点がある。
弾性フィラメント13が伸長していない状態で、これを伸長性シート11,12に接合させることには次の利点もある。本実施形態の伸縮シート10は、例えば、実質的に非伸長状態の弾性フィラメント13を、非伸長状態のシート11,12に接合して一旦巻き取り原反とし(このとき、弾性フィラメント13と接合したシート11,12は非伸縮性である)、この原反を繰り出して別工程において延伸加工(例えば歯溝延伸)して、非伸長状態のシート11,12を伸長可能なシートとなすことで製造される。前記の原反の状態では、該原反は非伸長でかつ非伸縮性なので、弾性フィラメント13に外力が作用しない。その結果、前記の原反を長期間保存しても、伸長に起因する緩和が起こらないという利点がある。
弾性フィラメント13は、糸状の合成ゴム糸や天然ゴムであり得る。あるいは乾式紡糸(溶融紡糸)や、湿式紡糸によって得られたものであり得る。このうち、後述する好適な製造方法に鑑みると、弾性フィラメント13は、これを一旦巻き取ったり、蓄えたりすることなしに直接溶融紡糸によって得られたものであることが好ましい。
弾性フィラメント13は、ノズルから吐出された溶融樹脂を紡糸線上で延伸して得られたものであることが好ましい。延伸することで、弾性フィラメント13を構成する高分子が、該弾性フィラメント13の長さ方向に分子配向するので、後述する50%伸長時の行き/戻り比が高まり、ヒステリシスロスが小さくなる。また、延伸によって細い弾性フィラメントが得られる。この観点から、弾性フィラメント13は、1.1〜400倍、特に4〜100倍に延伸されたものであることが好ましい。
特に、弾性フィラメント13は、弾性樹脂が溶融又は軟化した状態で延伸されて形成されたものであることが好ましい。これにより、十分細化したフィラメントを得ることが可能になり、後述する理由で、風合いが良くなる。また、弾性樹脂が溶融又は軟化した状態で延伸されることで、伸長性シート11,12と貼り合わせた後、常温になった弾性フィラメント13は縮もうとする力は示さず、弾性フィラメント13は非伸長状態で伸長性シート11,12に接合させたことと同じ状態になる。本実施形態における延伸の具体的な操作としては、(イ)弾性フィラメント13の原料となる樹脂を溶融紡糸して一旦未延伸糸を得、その未延伸糸の弾性フィラメントを再度加熱して軟化温度(ハードセグメントのガラス転移点温度Tg)以上の状態で延伸する操作や、(ロ)弾性フィラメント13の原料となる樹脂を溶融紡糸して得られた溶融状態の繊維を直接延伸する操作が挙げられる。後述する好適な製造方法に従い伸縮シート10を製造すると、弾性フィラメント13は、溶融紡糸して得られた溶融状態の繊維を直接延伸することで得られる。
紡糸後の延伸により得られた弾性フィラメント13は、その直径が10〜300μm、特に10〜200μm、とりわけ20〜130μmであることが好ましい。この範囲は、伸縮シート10の風合い通気性や、弾性フィラメント13の生産性を考慮して決定されたものである。詳細には、弾性フィラメント13の直径が大きすぎると、伸縮シート10に触れたときに、弾性フィラメント13に起因する段差が知覚されやすくなってしまう。この段差は、伸縮シート10の風合いにマイナスに作用するものである。この観点からは、弾性フィラメント13の直径は小さいほど、伸長性シート11,12の風合いのみが知覚されやすくなるので好ましい。また、伸長性シート11,12の光透過性を低減させることにより、いわゆる体液の色の隠蔽性能を持たせる意味でも弾性フィラメント13は細い方が好ましい。しかし、弾性フィラメント13を細くし過ぎると、網目の大きさが小さくなる傾向にあり、それに起因して通気性が低下しやすくなる。
上述の段差を発生させないようにする観点から、伸縮シート10の厚みに対する弾性フィラメント13の該伸縮シート10の厚み方向の直径の割合は、1〜30%、特に5〜12%であることが好ましい。
弾性フィラメント13は、その断面が円形であり得るが、場合によっては楕円形や扁平形状のこともある。例えば後述する製造方法に従い伸縮シート10を製造する場合には、弾性フィラメント13の断面は扁平形状になりやすい傾向にある。この場合、伸縮シート10中において、弾性フィラメント13は、扁平形状の長軸が伸縮シート10の平面方向と略同方向になり、かつ短軸が伸縮シート10の厚さ方向と略同方向になるように配置されることが好ましい。
弾性フィラメント13の断面が扁平形状である場合、長軸/短軸の比率(平均偏平率)は1.0〜7.0、特に1.1〜3.0であることが、伸縮特性及び弾性フィラメント13と伸長性シート11,12の構成材料との接合強度、並びに伸縮シート10の隠蔽性能が増す点から好ましい。断面が扁平形状である弾性フィラメント13は、その長軸方向が、伸縮シート10の平面方向とほぼ一致するように配されている。なお、弾性フィラメント13の断面が扁平形状である場合、弾性フィラメント13の直径とは、長軸径と短軸径を平均したものを意味する。扁平形状を有する弾性フィラメント13における長軸とは、顕微鏡観察によって抽出された弾性フィラメント13の外周における最も長い横断線の長さを言う。弾性フィラメント13における短軸とは、前記のようにして決定した長軸に平行な二辺を有し、かつ前記の外周に外接する長方形を描いたときの短辺の長さを言う。これらを任意の弾性フィラメント5点について測定し、扁平率の平均を平均扁平率とし、直径の値の平均を弾性フィラメントの直径の値とする。
弾性フィラメント13は、伸長性シート11,12の色と異なる色に着色されていることも好ましい。これによって、弾性フィラメント13が伸長性シート11,12越しに透けて見えて、伸縮シート10が縞模様を呈するようになるという意匠的な効果が奏される。このような効果は、特に伸長性シート11,12の厚み及び坪量が後述する範囲内であると一層顕著なものとなる。
弾性フィラメント13は、その全長にわたってシート11及び不織布12に接合している。ここで、「その全長にわたって接合している」とは、伸長性シート11,12のうち、弾性フィラメント13と接触しているすべての部位(不織布の場合はその構成繊維)が、該弾性フィラメント13と接合していることを要せず、弾性フィラメント13に、意図的に形成された非接合部が存在しないような態様で、弾性フィラメント13と伸長性シート11,12とが接合されていることを言う。弾性フィラメント13がその全長にわたって伸長性シート11,12と接合していることで、弾性ストランド13と伸長性シート11,12との接合力を十分に高めることができる。その結果、伸縮シート10を引き伸ばしても、弾性フィラメント13が伸長性シート11,12から剥離しづらくなる。弾性フィラメント13が伸長性シート11,12から剥離してしまうと、自然状態(弛緩状態)において、弾性フィラメント13と伸長性シート11,12との間に浮きが生じて、伸縮シート10に皺が発生しやすくなり、伸縮シート10全体としての一体感に欠けるものとなる。
弾性フィラメント13と、伸長性シート11,12との接合の様式としては、例えば融着が挙げられる。後述する好適な製造方法に従い伸縮シート10を製造すると、弾性フィラメント13は、シート11及び不織布12に融着により接合される。融着とは、弾性フィラメント13と伸長性シート11,12が互いに溶融して接着している状態、又はどちらか一方が溶融し、他方がそれに食い込んで接着している状態の双方を含む。この方法によれば、伸長性シート11,12に過度な熱は加えられず、溶融紡糸により得られた弾性フィラメント13の固化前に、該弾性フィラメント13を伸長性シート11,12に融着させるので、伸長性シート11,12のうち、弾性フィラメント13の周囲に存在する部位のみが該弾性フィラメント13と接合し、それよりも離れた位置にある部位は伸長性シート11,12の風合いを維持したままになっているので、伸縮シート10の風合いが良好に保たれるという利点がある。この場合、伸長性シート11,12と弾性フィラメント13とを接合させる前に、補助的な接合手段として接着剤を塗布することもできる。あるいは、伸長性シート11,12と弾性フィラメント13とを接合させた後に、補助的な接合手段として、熱処理(スチームジェット、ヒートエンボス)などを行うこともできる。尤も、これらの補助的な接合手段は、得られる伸縮シート10の風合いを損なったり、弾性フィラメント13にダメージを与えたりする場合がある。したがって、弾性フィラメント13をその溶融熱で伸長性シート11,12と融着することが好ましい。
伸縮シート10は、弾性フィラメント13の延びる方向と同方向に伸縮可能になっている。伸縮シート10の伸縮性は、弾性フィラメント13の弾性に起因して発現する。伸縮シート10を、弾性フィラメント13の延びる方向と同方向に引き伸ばすと、弾性フィラメント13及び伸長性シート11,12が伸長する。そして伸縮シート10の引き伸ばしを解除すると、弾性フィラメント13が収縮し、その収縮に連れて伸長性シート11,12が引き伸ばし前の状態に復帰する。また、弾性フィラメント13がランダムな網目構造を形成していることで、伸縮シート10は、弾性フィラメント13の延びる方向と直交する方向にも伸縮可能になっている。ただし、伸縮性の程度は、弾性フィラメント13の延びる方向の方が顕著である。
伸縮シート10の伸縮性に関し、該伸縮シート10は、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って50%伸長させ、その状態から25%戻したときの荷重A(以下、25%戻り強度ともいう)と、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って25%伸長させたときの荷重B(以下、25%行き強度ともいう)との比(A/B)の値が50%以上、特に65%以上であることが好ましい。弾性フィラメント13の延びる方向1と直交する方向2における戻り強度の比(A1/(A1+A2))の値は60%以上、特に80%以上であることが好ましい。こうすることで幅縮みの防止と、縦方向及び横方向への伸縮との両立ができる。更に、弾性フィラメント13の延びる方向で測定された比(A/B)の値と、該方向と直交する方向で測定された比(A/B)の値との比率(前者/後者)は1.0〜1.5、特に1.0〜1.3であることが好ましい。
上述のA/Bの値は以下の方法で測定される。伸縮シートを、その伸縮方向へ200mm、それと直交する方向へ50mmの大きさで切り出し試験片を得る。島津製作所製の引張試験機AG−1kNISに試験片をチャック間距離:150mmで装着する。試験片をその伸縮方向へ300mm/分の速度で伸長させる。50%伸長させた時点での荷重を記録し、その値を50%行き強度とする。引き続き試験片を100%まで伸長させ、次いで戻り方向(収縮方向)へ同速度で収縮させ、50%伸長させた状態とする。その時点の荷重を記録し、50%戻り強度とする。以上は、温度20±2℃、湿度65±5%RHの環境で測定を行う。
図3(a)及び(b)には、本発明の一実施形態の伸縮シート10における弾性フィラメント13の延びる方向に沿う縦断面図が示されている。図3(a)及び(b)に示した実施形態は、伸縮シート10の製造工程のうちの弾性発現処理工程において、歯溝延伸を用いた場合に顕著に発現する形態である。図3(a)は、自然状態(弛緩状態)における伸縮シート10の縦断面図であり、図3(b)は、伸長状態における伸縮シート10の縦断面図である。これらの図は、シート11として不織布を用いた場合の伸縮シート10の状態を示している。自然状態においては、伸縮シート10には、一方の面及び他方の面のそれぞれに、同一方向(弾性フィラメント13の延びる方向と直交する方向)に延びる微小な凸部及び凹部が交互に形成されている。一方の面における凸部及び凹部の位置には、他方の面における凹部及び凸部が位置している。詳細には、凸部に対応する頂部14'及び凹部に対応する谷部14"が交互に配列した波形形状になっている。頂部14'と谷部14"とは稜線部15'を介して連なっている。頂部14'及び谷部14"の厚みに対して、稜線部15'の厚みは若干小さくなっており、頂部14'及び谷部14"よりも光を透過させやすくなっている。伸縮シート10を平面視したとき、頂部14'、稜線部15'及び谷部14"は、該伸縮シート10の伸長方向と直交する方向へ延びている。したがって伸縮シート10には、その自然状態において、光を透過させやすい稜線部15'と、それよりも光を透過させにくい頂部14'及び谷部14"に起因する横縞模様がうっすらと現れる。この横縞模様は、後述する弾性発現処理等の条件によって一層顕著になる場合がある。
すなわち、図3(b)に示すように、伸長状態の伸縮シート10においては、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って、高坪量部分14と低坪量部分15とが交互に配列している。各部分14,15は、弾性フィラメント13の延びる方向と直交する方向にそれぞれ帯状に延びている。高坪量部分14と低坪量部分15とは、一定の周期で交互に配列している。高坪量部分14については、伸縮シート10の上側に突出しているものと、伸縮シート10の下側に突出しているものとが交互に配置されている。伸縮シート10の上側に突出している高坪量部分14は、図3(a)に示す自然状態の伸縮シート10における頂部14'に由来している。一方、伸縮シート10の下側に突出している高坪量部分14は、図3(a)に示す自然状態の伸縮シート10における谷部14"に由来している。また、低坪量部分15は図3(a)に示す自然状態の伸縮シート10における稜線部15'に由来している。高坪量部分14と低坪量部分15とでは、それらの坪量差に起因して光の透過の程度に差がある。その結果、伸縮シート10は、弾性フィラメント13の延びる方向と直交する方向に延びる横縞模様を呈するようになり、意匠性が高くなる。特に、先に述べたとおり、伸縮シート10は弾性フィラメント13に起因する縞模様も呈するので、伸縮シート10は、この縞模様と、高坪量部分14及び低坪量部分15に起因する縞模様が組み合わされた格子状の模様も呈することになり、意匠性が一層高くなる。
高坪量部分14は、低坪量部分15に比較して坪量が大きくかつ厚みも大きくなっている。それに起因して、高坪量部分14と低坪量部分15とでは光の透過の程度が相違し、その相違に起因して縞模様が呈される。各高坪量部分14は互いに実質的に等幅であり、同様に各低坪量部分15も互いに実質的に等幅である。
高坪量部分14の厚みは、0.3〜10mm、特に0.5〜1mmであることが好ましい。低坪量部分15の厚みは、伸縮特性及び通気性の観点から0.1〜3mm、特に0.2〜0.6mmであることが好ましい。厚みの測定は、伸縮シート10を20±2℃、65±5%RHの環境下に無荷重にて、2日以上放置した後、次の方法にて求める。先ず伸縮シート10を1.5倍に伸長方向へ伸ばした状態にて、0.5cN/cm2の荷重にて平板間に挟む。断面をマイクロスコープにより50〜200倍の倍率で観察し、各視野において平均厚みをそれぞれ求め、三視野の厚みの平均値として求める。高坪量部分14及び低坪量部分15は、後述する製造方法に従い伸縮シート10を製造することで容易に形成される。
次に、伸縮シート10を構成する伸長性シート11,12及び弾性フィラメント13の構成材料について説明する。伸長性シート11,12は、非伸縮性のフィルム材料や繊維材料からなる。なお本実施形態においては、伸長性シート12として、以下に詳述する伸長性シート11と同様のものを用いることができる。この場合、伸長性シート12は、伸長性シート11と同種又は異種のものとすることができる。したがって、伸長性シート12に関しては、以下に述べる伸長性シート11に関する説明をもって、伸長性シート12の説明に代えることとする。なお、ここで言う同種とは、製造プロセス、構成樹脂の種類、厚みや坪量等がすべて同じであるシートどうしを意味する。これらのうちの少なくとも一つが異なる場合には異種のシートであるという。
伸長性シート11としては、上述のとおりフィルム材料や繊維材料(不織布や紙)を用いることができる。伸長性シート11には、実質的に規則的な破れや破壊を生じさせてもよい。このようにすることで、伸縮シート10を例えば吸収性物品の表面シートとして用いた場合に、この破れによる穴から吸水することが可能となる。また、伸長性シート11として薄葉紙を用いた伸縮シート10を吸収性物品の吸収体に適用した場合には、この破れや破壊が導水口となり吸収速度の高い吸収性物品が得られる。
伸長性シート11がフィルム材料からなる場合、該フィルム材料は非透水性又は透水性のものであることが好ましい。また、該フィルム材料は透湿性又は非透湿性のものであることも好ましい。特に好ましいフィルム材料は、非透水性でかつ透湿性を有するフィルム(以下、非伸縮性透湿フィルムとも言う。)である。この非伸縮性透湿フィルムは、例えば熱可塑性樹脂に、該樹脂と相溶性のない物質を練り込んで得られた樹脂組成物を、フィルム状に溶融成形し、得られたフィルムを一軸又は二軸延伸して多孔質となしたものである。熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン及びオレフィン系コポリマー等のポリオレフィン類を用いることができる。熱可塑性樹脂と相溶性のない物質としては、例えば炭酸カルシウム、石膏、硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、水和けい酸、無水ケイ酸、ソーダ灰、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、各種セメント、火山灰、シラス、酸化チタン、酸化鉄及びカーボンブラックのような無機充填剤、種々の金属粉、その他の無機物及び無機物を主体とする有機金属塩等が挙げられる。また、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及びポリアクリル酸ソーダ等の熱硬化性樹脂、あるいは融解温度が前記の熱可塑性樹脂の成形温度よりも高い樹脂のようなポリマーが挙げられる。これらの物質は50μm以下、好ましくは0.05〜30μmの範囲、特に0.1〜5μm程度の平均粒径を有する粉粒体として用いることが望ましい。前記熱可塑性樹脂と前記の物質との配合割合は、前記熱可塑性樹脂100重量部に対して前記の物質が好ましくは50〜400重量部、更に好ましくは60〜300重量部である。
伸長性シート11が高伸長性のフィルムである場合、このフィルムに用いるための元のフィルムは、未延伸のもの又は低延伸のものが好ましい。そのような未延伸又は低延伸のフィルムを、好ましくは1.0〜3倍、更に好ましくは1.0〜1.5倍の倍率で延伸することが好ましい。これにより、高強度でありながら高伸度の伸長性シート10が得られる。また、後加工による延伸時に破れなどが発生しにくくなる。透湿性フィルムの場合には、ピンホールの発生が少なく、かつ高透湿なものが得られる。
伸長性シート11は薄葉紙でもあり得る。薄葉紙は天然紙、合成紙、吸収性物品の吸収体等に用いられる台紙などを用いることができる。伸長性シート11として薄葉紙を用いた場合の伸縮シート10は、吸水時の瞬間吸収の補助剤として、また拡散紙として有用である。薄葉紙として、消臭や抗菌などの効果を有する機能紙を用いることもできる。伸長性シート11が高伸長性の薄葉紙である場合、そのような薄葉紙はクレープ加工したものであることが好ましい。その場合のクレープ率は好ましくは10%以上、更に好ましくは30%以上である。
伸長性シート11は不織布でもあり得る。不織布を構成する繊維としては、実質的に非弾性の繊維が用いられる。その例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル(PETやPBT)、ポリアミド等からなる繊維等が挙げられる。不織布を構成する繊維は、短繊維でも長繊維でもよく、親水性でも撥水性でもよい。また、芯鞘型又はサイド・バイ・サイドの複合繊維、分割繊維、異形断面繊維、捲縮繊維、熱収縮繊維等を用いることもできる。これらの繊維は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。不織布は、連続フィラメント又は短繊維の不織布であり得る。特に、伸縮シート10を厚みのある嵩高なものとする観点からは、不織布は、短繊維の不織布であることが好ましい。伸縮シート10を、肌に接触する部材として用いる場合には、肌の接触する側に風合いの良い短繊維不織布を用い、その反対面に強度の高い連続フィラメントの不織布を用いてもよい。
不織布は、その構成繊維が低融点成分及び高融点成分の2成分以上からなることが好ましい。その場合には、少なくとも低融点成分の熱融着により、その構成繊維どうしが繊維交点で接合される。低融点成分及び高融点成分の2成分以上からなる芯鞘型の複合繊維としては、芯が高融点PET、PPで、鞘が低融点PET、PP、PEのものが好ましい。
不織布の厚みは、好ましくは0.05〜5mm、更に好ましくは0.1〜1.0mm、一層好ましくは0.15〜0.5mmである。厚みの測定は、0.5cN/cm2の荷重にて平板間に挟み伸縮シート10の断面をマイクロスコープにより50〜200倍の倍率で観察し、各視野において平均厚みをそれぞれ求め、3視野の厚みの平均値として求めることができる。伸縮シート10全体の厚みは平板間の距離を測ることで求められる。不織布の坪量は、風合い、厚み及び意匠性等の観点から、それぞれ3〜100g/m2、特に10〜30g/m2であることが好ましい。
不織布は、風合い、べたつき等の観点から、実質的に非弾性の繊維からなることが好ましい。不織布中の非弾性繊維の割合は、70重量%以上、特に90重量%以上、とりわけ100重量%が好ましい。また、実質的に非弾性の繊維は、非弾性樹脂中に少量の弾性樹脂を含んでいてもよい。この場合の非弾性樹脂の割合は、好ましくは70重量%以上、更に好ましくは90重量%、一層好ましくは100重量%である。
伸長性シート11が高伸長性の不織布である場合、特に非弾性の繊維として、その長さ方向において繊維の太さが一様になっていないものを用いることが好ましい(以下、この繊維を不定径繊維という)。つまり不定径繊維は、その長さ方向に沿ってみたときに、繊維断面積(直径)が大きい部分もあれば、小さい部分もある。不定径繊維においては、その直径(断面積)が、最も小さい部分から最も大きい部分まで連続的に変化していてもよい。あるいは、未延伸糸の延伸工程で観察されるネッキング現象のように、繊維の直径(断面積)が略ステップ状に変化していてもよい。繊維の直径(断面積)が略ステップ状に変化した状態になっている非弾性繊維の一例を図4に示す。
該非弾性繊維は、一定の繊維径を有する高伸度(例えば繊維の最大伸度が80〜800%、特に120〜650%)の繊維を原料とすることが、最大強度の高い伸縮シート10が得られる点で好ましい。繊維の伸度は、JIS L−1015に準拠し、測定環境温湿度20±2℃、65±5%RH、引張試験機のつかみ間隔20mm、引張速度20mm/minの条件での測定を基準とする。なお、既に製造された不織布から繊維を採取して伸度を測定するときを始めとして、つかみ間隔を20mmにできない場合、つまり測定する繊維の長さが20mmに満たない場合には、つかみ間隔を10mm又は5mmに設定して測定する。
前記の高伸度の繊維は、低延伸の非弾性繊維であることが好ましい。低延伸の非弾性繊維を原料として、後述する製造方法に従い本実施形態の伸縮シート10を製造すると、その弾性発現処理において低延伸の繊維が引き伸ばされることで、繊維に細い部分が生じて後述の不定径繊維が形成される。その結果、本実施形態の伸縮シート10の弾性発現処理において、不織布が構造的に伸ばされ易い形に変更させることになるが、繊維が伸ばされることで、不織布構造全体でも、伸ばされ易くなり、不定形繊維間の接合点や、不織布と弾性フィラメント13との接合点が破壊されることを最小限にすることが可能になり、伸縮性能を維持しつつ伸縮シート10の強度を高くすることができる。つまり、高伸度と高強度とが両立した伸縮シート10が得られる。また、弾性発現処理において、前記不定径繊維間の接合も破壊されにくくなることは、不織布が毛羽立ち様になりにくくなる効果もある。このことは、本実施形態の伸縮シート10の外観を向上させる点から有利である。
更に、前記の低延伸の繊維を原料とすることで、繊維の引き伸ばしの前に比較して、細い繊維の本数(長さ)が実質的に増加する。それによって本実施形態の伸縮シート10の光不透過性が向上する。
その上、不定径繊維が密に存在している領域が、不織布上で周期的に変化していると、該不織布の表面が細かに波打った状態になり、その肌触りが良好になるという付加的な効果もある。この場合、変化の周期、つまり不織布中の太い部分とそれと隣り合う太い部分との距離は、0.5mm〜10mm、特に2〜5mmであることが好ましい。この周期は、不織布の顕微鏡観察から測定できる。不定形繊維の径の測定は、以下の(1)〜(5)の手順で測定される。
(1)伸縮シート10の表面における5mm×5mm以上の領域から不織布をサンプリングする。このときサンプルは、不織布を、弾性フィラメント13から切り離して採取してもよく、あるいは伸縮シート10全体を採取してもよい。(2)採取されたサンプルを、SEMの観察用試料台に固定する。このとき、サンプルを観察しやすいように、サンプルの構造を破壊しない程度にサンプルを引き伸ばした状態で(不織布の弛みが取れる程度まで)、サンプルを両面テープで試料台に固定してもよい。このときの引き伸ばし量は、例えば伸縮シート10を製造する工程において(弾性発現処理)工程を用いる場合は、延伸工程で伸縮シート10の前駆体を延伸した延伸倍率以下程度とする。
(3)SEM観察は倍率200で行う。1箇所の視野面積は0.4mm×0.4mm程度以上とし、5箇所を観察する。
(4)無作為に繊維を抽出し、径を0.1μm単位で繊維軸方向に10μmおきに20箇所以上測定する(繊維同士の融着点や破壊している部分は、測定に含めない。)。繊維は各視野4本以上測定し、5視野について、計20本について測定を行う。
(5)これらの値から10本のそれぞれの繊維の最大径と最小径を抽出する。1本の繊維の最大径と最小径の差が1μmあり、繊維軸方向の位置と径の変化の関係をグラフ化した場合、極大位置又は極小位置が2以上あるものを不定形繊維と呼ぶ。
以上の各効果を一層顕著なものとする観点から、不定径繊維はその太さが、最も細い部分において好ましくは2〜15μm、更に好ましくは5〜12μmであり、最も太い部分において好ましくは10〜40μm、更に好ましくは12〜30μmである。不定径繊維の最大径と最小径の差は3μm以上、特に5μm以上、とりわけ10μm以上が好ましい。また、「最大繊維径/最小繊維径」で定義される繊維径比の値は、1〜15であることが好ましく、1.2〜10であることが更に好ましく、2〜5であることが一層好ましい。
不定径繊維はその繊維間融着点強度が、該不定径繊維の100%伸長時強度よりも高いものであることが好ましい。これによって、伸縮シート10を製造するときの弾性発現処理工程において、弾性発現処理前の伸縮シート10を引き伸ばし弾性発現処理加工する際に、弾性発現処理前の不織布の繊維どうしの融着点の破壊が起こりにくくなり、弾性発現処理前の伸縮シート10の強度に比べて、前記弾性発現処理工程を経て得られた伸縮シート10の強度が低下しづらくなる点から好ましい。融着点強度は、本出願人の先の出願に係る特開2004−218183号公報の段落〔0040〕の記載に従い測定される。100%伸長時強度は、引張試験機を用い、チャック間距離20mm、引張速度20mm/minの条件で測定される。
上述した低延伸の非弾性繊維とは、紡糸後に低延伸倍率で延伸された繊維及び延伸されていない繊維、即ち未延伸繊維の両方を包含する。低延伸の繊維としてはその伸度が上述のとおり80〜800%、特に120〜650%の高いものを用いることが好ましい。この範囲の伸度を有する低延伸の繊維を用いることで、該繊維が後述する図5に示す延伸装置22で首尾良く引き伸ばされて、不定径繊維が容易に形成される。低延伸の繊維の繊維径は10〜35μm、特に12〜30μmであることが好ましい。
先に述べたとおり、不定径繊維は、一定の繊維径を有する低延伸の繊維を原料とすることが好ましい。この場合、低延伸の繊維は、単一の原料からなる繊維でもよく、あるいは2種以上の原料を用いた複合繊維、例えば芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維であってもよい。不定径繊維どうしの接合のさせやすさや、不織布と弾性フィラメント13との接合のさせやすさを考慮すると、複合繊維を用いることが好ましい。芯鞘型の複合繊維の場合、芯がポリエステル(PETやPBT)、ポリプロピレン(PP)、鞘が低融点ポリエステル(PETやPBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)が好ましい。特にこれらの複合繊維を用いると、弾性フィラメント13がポリオレフィン系エラストマーを含む場合、弾性フィラメント13と不織布の構成繊維との熱融着が強くなり、層剥離が起こりにくい点で好ましい。
不定径繊維は、ステープルファイバのような短繊維でもよく、あるいは連続フィラメントのような長繊維でもよい。後述する伸縮シート10の好適な製造方法に鑑みると、短繊維を用いることが好ましい。また、不定径繊維は親水性でも撥水性でも良い。
不織布からなる伸長性シート11は、不定径繊維のみから構成されていてもよく、あるいは不定径繊維に加えて、他の一定径の非弾性繊維が含まれていてもよい。他の非弾性繊維としては、先に述べたものが挙げられる。不織布に、不定径繊維に加えて他の一定径の非弾性繊維が含まれている場合、他の非弾性繊維の配合量は1〜30重量%、特に5〜20重量%であることが好ましい。
弾性フィラメント13は、前述のとおり、例えば熱可塑性エラストマーやゴムなどの弾性樹脂を原料とするものである。特に弾性樹脂に熱可塑性エラストマーを原料として用いると、通常の熱可塑性樹脂と同様に押出機を用いた溶融紡糸が可能であり、またそのようにして得られたフィラメントは熱融着させやすいので、本実施形態の伸縮シートに好適である。熱可塑性エラストマーとしては、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレン)、SEBS(スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン)、SEPS(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン)等のスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー(エチレン系のα-オレフィンエラストマー、エチレン・ブテン・オクテン等を共重合したプロピレン系エラストマー)、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマーを挙げることができる。これらは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。またこれらの樹脂からなる芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型の複合繊維を用いることもできる。特にスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、又はそれらを組み合わせて用いることが、弾性フィラメント13の成形性、伸縮特性、コストの面で好ましい。
次に、本実施形態の伸縮シート10の好ましい製造方法を、図5を参照しながら説明する。本製造方法においては、先ず、紡糸ノズル16から紡出された溶融状態の多数の弾性フィラメント13を、該弾性フィラメント13の固化前に、非伸縮性シート11及び非伸縮性不織布12と合流させて、その合流位置において弾性フィラメント13をシート11と不織布12との間に挟んで融着させて複合体19を得る。この場合、弾性フィラメント13をシート11及び不織布12で挟んで引き取ることで、紡糸ノズル16と前記合流位置との間において弾性フィラメント13を延伸させる。これとともに、紡糸ノズル16と前記合流位置との間で延伸されている弾性フィラメント13に気体を吹き付けて、ランダムな波線を描くように蛇行する揺らぎを弾性フィラメント13に生じさせる。次いで、得られた複合体19を弾性フィラメント13の延びる方向に沿って弾性発現処理して複合体19に伸縮性を付与する。前記方法の他に静電気やコロナ放電などによって弾性フィラメント13に蛇行する揺らぎを与えることも可能である。
紡糸ノズル16は、紡糸ヘッド17に設けられている。紡糸ヘッド17は、押出機に接続されている。ギアポンプを介して紡糸ヘッド17へ樹脂を供給することもできる。該押出機によって溶融混練された弾性樹脂は、紡糸ヘッド17に供給される。紡糸ヘッド17には、多数の紡糸ノズル16が直線状に一列に配置されている。紡糸ノズル16は、伸長性シート11,12の幅方向に沿って配置されている。隣り合う紡糸ノズル16の間隔は、弾性フィラメント13から構成される網目構造の網目の大きさに影響を及ぼす。この間隔は0.5〜30mm、特に1〜5mmとすることができる。紡糸ノズル16は通常円形であり、その直径は弾性フィラメント13の直径及び延伸倍率に影響を及ぼす。この観点から、紡糸ノズル16の直径は0.1〜2mm、特に0.2〜0.6mmであることが好ましい。伸長性シート11,12との接合強度を高める目的、弾性フィラメント13の紡糸性を上げる目的、及び伸縮シート10の伸縮特性を向上させる目的で、弾性フィラメント13を複合の形態(サイドバイサイド、芯鞘、海島構造)とすることもできる。具体的にはPP系のエラストマー樹脂とスチレン系のエラストマー樹脂とを組み合わせることが好ましい。
紡糸ヘッド17には、気体の吹き出し部23が備えられている。吹き出し部23はスリット状の形状をしている。このスリットは、紡糸ノズル16の配列方向に沿って延びている。吹き出し部23は、紡糸ノズル16を挟んで一対設けられている。吹き出し部23からは空気を始めとする気体が、紡出されたフィラメント13に吹き付けられる。この気体は加熱されていないか、又は加熱されたものである。吹き出し部23は、紡糸ノズル16の近傍の位置であって、かつ弾性フィラメント13に気体を吹き付けられる位置に設置されている。
紡出された溶融状態の弾性フィラメント13は、それぞれ原反から互いに同速度で繰り出された、走行方向が同方向である伸長性シート11,12と合流する。そして、その合流位置において弾性フィラメント13を伸長性シート11,12との間に挟んで融着させる。これによって、弾性フィラメント13が、伸長性シート11,12の走行方向に延びている複合体19を得る。
弾性フィラメント13を伸長性シート11,12で挟んで引き取ることで、紡糸ノズル16と前記合流位置との間において弾性フィラメント13は延伸する。引き取られるときの引き取り速度は、シート11及び不織布12の繰り出し速度と一致している。紡糸ノズル16と前記合流位置との間での弾性フィラメント13の走行速度を、伸長性シート11,12の繰り出し速度よりも大きくすることによって、弾性フィラメント13は、ランダムな波線を描くように蛇行する。弾性フィラメント13の引き取り速度は、該弾性フィラメント13の直径及び延伸倍率に影響を及ぼす。これらの観点から、弾性フィラメント13の引き取り速度は、紡糸ノズル孔内の樹脂吐出速度に対し、その延伸倍率が1.1〜400倍、特に4〜100倍、更に10〜80倍となるように調整されることが好ましい。
紡糸ノズル16と前記合流位置との間で延伸されている弾性フィラメント13には、吹き出し部23から吹き出された気体が吹き付けられる。気体の吹き付けによって、弾性フィラメント13には揺らぎが生じる。この揺らぎは、紡糸ノズル16と前記合流位置とを支点として、両支点の間において延伸方向と直交する方向に生じる。その結果、瞬間的に観察すると、弾性フィラメント13には、ランダムな波線を描くように蛇行する揺らぎが生じる。ただし、弾性フィラメント13は、紡糸ノズル16と前記合流位置とを支点として、両支点間において緊張状態にあるので、上述した図2(b)に示すような揺らぎの状態となることはない。
弾性フィラメント13の揺らぎの程度を適切に制御することで、一の弾性フィラメント13が、それに近接する他の弾性フィラメント13と交差し、その交差によって弾性フィラメント13どうしの交点が融着によって結合する。このような交差・結合がいたる場所において生じることで、紡糸ノズル16と前記合流位置の間において弾性フィラメント13による網目構造が形成される。弾性フィラメント13の揺らぎの結果で生じる結合を確実なものとするため、紡糸ノズル16と前記合流位置の間では、弾性フィラメント13は融着可能な状態になっていることが好ましい。この観点から、吹き出し部23から吹き出される気体は、所定温度に加熱されていることが好ましい。弾性フィラメント13の原料である弾性樹脂の溶融温度を後述する範囲に設定する場合には、吹き出し部23から吹き出される気体の温度は50〜400℃、特に80〜200℃とすることが好ましい。
弾性フィラメント13は、上述の網目構造を形成した状態で、その固化前に、即ち融着可能な状態で伸長性シート11,12と合流する。その結果、網目構造を形成した弾性フィラメント13は、伸長性シート11,12に挟持された状態で、伸長性シート11,12に融着する。弾性フィラメント13の融着に際しては伸長性シート11,12には、外部から熱は付与されていない。つまり、融着可能になっている弾性フィラメント13に起因する溶融熱によってのみ、該弾性フィラメント13と伸長性シート11,12とが融着する。その結果、伸長性シート11,12のうち、弾性フィラメント13の周囲に存在する部位のみが該弾性フィラメントと融着し、それよりも離れた位置に存在する部位は融着しない。その結果、伸長性シート11,12に加わる熱は最小限にとどまるので、伸長性シート11,12自身が本来的に有する良好な風合いが維持される。それによって、得られる伸縮シート10の風合いが良好になる。
紡出された弾性フィラメント13が、伸長性シート11,12と合流するまでの間、該弾性フィラメント13は延伸されて延伸方向に分子が配向する。また直径が小さくなる。分子配向によって、50%伸長時強度の行き/戻り比(ヒステリシス)の小さな弾性フィラメント13が得られる。弾性フィラメント13を十分に延伸させる観点及び弾性フィラメント13の糸切れを防止する観点から、紡出された弾性フィラメント13に所定温度の風(熱風、冷風)を吹き付けて、該弾性フィラメント13の温度を調整してもよい。
弾性フィラメント13の延伸は、原料樹脂の溶融状態での延伸(溶融延伸)だけでなく、その冷却過程における軟化状態の延伸(軟化延伸)であってもよい。溶融状態とは、外力を加えたとき樹脂が流動する状態である。樹脂の溶融温度は粘弾性測定による(例えば円形並行平板間に挟んだ樹脂に回転方向の振動歪を加えて測定される)Tanδのピーク温度として測定される。弾性樹脂の時に糸切れが起こらないようにするために、延伸区間を長く確保することがよい。また、同様に糸切れが起こらないようにするために弾性樹脂の溶融温度は130〜300℃が好ましい。更に、弾性樹脂の耐熱性の観点から、溶融温度は220℃以下が好ましい。弾性フィラメント13の成形温度(ダイスの温度)は樹脂の流動性を上げて成形性を良好にするために原料樹脂の溶融温度の+50℃以上が好ましく、耐熱性のため+110℃以下が好ましい。軟化温度は、シート状にした弾性樹脂の測定試料の粘弾性特性におけるTg温度として測定される。軟化温度から溶融温度までの範囲を軟化状態という。また、軟化温度より低い温度の状態を固化状態という。軟化温度は、伸縮シート10の保存時における弾性樹脂の結晶の成長や、体温による伸縮シート10の伸縮特性の低下の観点から、60℃以上が好ましく、80℃〜180℃がより好ましい。
網目構造を形成した弾性フィラメント13と伸長性シート11,12とを接合させるときの弾性フィラメント13の温度は、繊維融着を確実にするために100℃以上であることが好ましい。より好ましくは120℃以上、更に好ましくは140℃以上である。また弾性フィラメント13の形状を保持して伸縮特性の良好な伸縮シート10を得る観点から、弾性フィラメントの温度は180℃以下であることが好ましい。より好ましくは160℃以下である。これらの結果、最適なフィラメント温度は120〜160℃、更に好ましくは140〜160℃の範囲である。接合時の温度は、弾性フィラメント13と接合させるラミネート基材として、弾性フィラメントを構成する弾性樹脂の融点と異なる融点を有する変性ポリエチレンや変性ポリプロピレンなどからなるフィルムを用いて、その接合状態を観察することで測定できる。このとき、弾性フィラメントとラミネート基材が融着していれば、接合温度はラミネート基材の融点以上である。
網目構造を形成した弾性フィラメント13と伸長性シート11,12との接合時には、弾性フィラメント13は実質的に非伸長状態(外力を取り除いたときに縮まない状態)である。弾性フィラメント13を伸長性シート11,12と合流させて、伸長性シート11,12との間に、網目構造を形成した弾性フィラメント13を挟持させた状態で、これら三者を一対のニップロール18,18によって挟圧する。挟圧の条件は、得られる伸縮シート10の風合いに影響を及ぼす。挟圧力が大きすぎると弾性フィラメント13が不織布12内に食い込みやすくなり、それに起因して得られる伸縮シート10の風合いが低下しやすい。この観点から、ニップロール18,18による挟圧力は、弾性フィラメント13が伸長性シート11,12に接触する程度で足り、過度に高い挟圧力は必要とされない。
ニップロール18による挟圧の別の条件として、ニップロール18の温度が挙げられる。本発明者らの検討の結果、ニップロール18を加熱した状態で挟圧を行うよりもむしろ、加熱しないか(つまり成り行きにまかせるか)、又は冷却しながら挟圧を行う方が、風合いの良好な伸縮シート10が得られることが判明した。ニップロール18を冷却する場合には、冷却水等の冷媒を用い、ニップロール18の表面設定温度が10〜50℃になるように温度調節することが好ましい。
このようにしてシート11と不織布12との間に、網目構造を形成した弾性フィラメント13が挟持された複合体19が得られる。シート11及び不織布12として本来的に伸長性を有するものを用いた場合には、この複合体19が伸縮シート10そのものとなる。一方、シート11及び不織布12として本来的に伸長性を有しないものを用いた場合には、シート11及び不織布12を含む複合体19を、弾性フィラメント13の延びる方向に沿って弾性発現処理して、該複合体19に伸縮性を付与する操作を行う。本製造方法においては、この操作を、それぞれ歯と歯底が周方向に交互に形成された一対の歯溝ロール20,21を備えた弾性発現処理装置22を用い、複合体19をその搬送方向、即ち弾性フィラメント13の延びる方向に沿って弾性発現処理させることで行う。この状態の複合体19は、弾性フィラメント13の伸びる方向だけでなく、それと直交する方向へもある程度伸縮可能になっている。直交する方向への伸縮性を更に高めたい場合は、該直交する方向へ弾性発現処理を行えばよい。この方法としては例えば特許文献2に記載の方法が挙げられる。
弾性発現処理装置22は、一方又は双方の歯溝ロール20,21の枢支部を上下に変位させる公知の昇降機構(図示せず)を有し、歯溝ロール20,21間の間隔が調節可能になっている。本製造方法においては、各歯溝ロール20,21を、一方の歯溝ロール20の歯が他方の歯溝ロール21の歯間に遊挿され、他方の歯溝ロール21の歯が一方の歯溝ロール20の歯間に遊挿されるように組み合わせ、その状態の両歯溝ロール20,21間に、複合体19を挿入してこれを弾性発現処理させる。
弾性発現処理装置22においては、一対の歯溝ロール20,21の両方が駆動源によって駆動するようになっていてもよく(共回りロール)、一方の歯溝ロール20又は21のみが駆動源によって駆動するようになっていてもよい(連れ回りロール)が、本製造方法においては、下側の歯溝ロール21のみが駆動源によって駆動し、上側の歯溝ロール20は駆動源に接続されておらず、歯溝ロール21の回転に伴って従動する(連れ回る)ようになっている。連れ回りロールを用いることは、弾性発現処理加工後において伸縮シート10に高坪量部分14及び低坪量部分15がくっきりと縞模様に現れやすく、伸縮シート10の意匠性が向上する点で好ましい。歯溝ロール20,21の歯形としては、一般的なインボリュート歯形、サイクロイド歯形が用いられるが、これらの歯幅を細くし、バックラッシ(噛み合った1対のロールの、お互いの歯と歯の隙間)を大きくしたものが好ましい。バックラッシの値としては好ましくは0.3mm〜3mm、このましくは0.5mm〜1.5mmである。
図6には、複合体19が弾性発現処理される状態が模式的に示されている。複合体19が歯溝ロール20,21間を通過する際には、複合体19は、歯溝ロール20,21の歯23,24に当接する領域(P3−P2間、P1−P4間)においては、ほとんど延伸されない。これに対し、駆動ロールである歯溝ロール21の歯24の歯面によって、従動ロールである歯溝ロール20の歯23の歯面に向けて押圧される領域(P2−P1間)においては、両歯20,21によって大きく延伸される。また、歯溝ロール21の歯24の先端部によって、歯溝ロール20の歯23から引き離される領域(P4−P3間)においては、前記領域(P2−P1間)程ではないが、大きく延伸される。
また複合体19は、歯溝ロール20,21の歯23,24の先端部に当接する領域(P3−P2間、P1−P4間)においては、前述のとおりほとんど延伸されないが、歯23,24の先端部によって、その径方向に、つまり複合体19の厚み方向に片押しされるので、厚み方向に薄くなる。ただし領域(P3−P2間)と領域(P1−P4間)とは片押しされる方向が反対向きであるため、薄くなる方向が反対向きとなる。
前記の延伸プロセスによって、弾性フィラメント13と伸長性シート11,12との剥離を防止しつつ、複合体19における伸長性シート11,12を効率的に延伸させ、複合体19に伸縮性を付与することができる。そして、大きく延伸される領域(P2−P1間及びP4−P3間)が低坪量部分15となり、ほとんど延伸されない領域(P3−P2間、P1−P4間)が高坪量部分14となる。
特に、伸長性シート11,12が不織布からなり、該不織布に低延伸の繊維が含まれる場合には、上述した(P2−P1)間及び(P4−P3)間において、該繊維が引き伸ばされて細くなりその太さが周期的に変化した不定径繊維が形成される。低延伸の繊維の引き伸ばしは、(P2−P1)間及び(P4−P3)間の距離に応じて変化する。
伸長性シート11,12が不織布からなり、該不織布が低延伸の繊維を含む場合、歯溝ロール20,21による引き伸ばし力は、低延伸の繊維の引き伸ばしに主として作用し、伸長性シート11,12と弾性フィラメント13との接合部位には過度の力が加わらない。その結果、該接合部位の破壊や、伸長性シート11,12と弾性フィラメント13との剥離が生じるのを防止しつつ、複合体19を効率的に延伸させることができる。また、この延伸により、図7に示すように、繊維間の接合が破壊されずに不織布12が十分に伸長され、それによって不織布12が、弾性フィラメント13の自由な伸縮を阻害する程度が大きく低下する。その結果、本製造方法によれば、高強度・高伸縮性であり、また、破れや毛羽立ちの少ない外観の良好な伸縮シート10を効率的に製造することができる。なお図7においては、延伸によって生じた非弾性繊維の太さは便宜的に一様に表されている。
上述のとおり、不織布12に低延伸の繊維が含まれる場合には、該繊維が首尾良く延伸されて、それらの繊維間の接合が延伸によって破壊されないので、弾性発現処理による不織布12の強度の低下が極力抑えられる。具体的には、弾性発現処理前の複合体19の引張強度に対する、弾性発現処理後に得られた伸縮シート10の引張強度の比は0.3〜0.99、特に0.5〜0.99、更には0.7〜0.99という1に近い値となる。ここで言う引張強度は、以下に述べる最大強度の測定法に従い測定される。
<最大強度の測定>
伸縮シート10の伸縮方向へ200mm、それと直交する方向へ50mmの大きさで矩形の試験片を切り出した。チャック間距離は150mmとした。試験片を伸縮シート10の伸縮方向へ300mm/分の速度で伸長させ、そのときの荷重を測定した。そのときの最大点の荷重を最大強度とした。同様の方法によって、弾性発現処理前の複合体19についても最大強度を測定した。最大強度は、測定環境を20±2℃、湿度65±5%RHの条件で、好ましくは島津製作所製の引張試験機AG−1kNISを用いて測定される。
複合体19が一対の歯溝ロール20,21によって弾性発現処理されることで、目的とする伸縮シート10が得られる。得られた伸縮シート10は、歯溝ロール20,21を通過した後、自身の収縮復元力により速やかにMD方向への延伸状態が解放される。その結果、伸縮シート10は、搬送方向へ長さが概ね復元する。それによって、伸長した状態では高坪量部分14及び低坪量部分15が、弾性フィラメント13の延びる方向に交互に配列するようになる。なお、延伸状態を解放する場合、延伸状態が完全に解放されるようにしてもよく、伸縮性が発現する限度において、ある程度の延伸状態が維持された状態で延伸状態を解放してもよい。
前記の弾性発現処理加工によって、伸縮シート10の厚みは、弾性発現処理加工前の複合体19の厚みに対して1.1倍〜4倍、特に1.3倍〜3倍に増すことが好ましい。これによって、不織布12の構成繊維が塑性変形して伸びることで繊維が細くなる。これと同時に、不織布12が一層嵩高となり、肌触りが良く、クッション性が良好になる。
更に、具体的な用途にもよるが、伸縮シート10は、その全体の坪量が10〜150g/m2、特に25〜60g/m2であることが好ましい。伸縮シート10の厚みに関しては、0.05〜5mm、特に0.5〜2mmであることが好ましい。伸縮シート10の厚みは、先に述べたシート11及び不織布12の厚みの測定と同様の方法で測定される。
本実施形態の伸縮シート10は、伸長性シート11,12の種類に応じて様々な用途に用いられる。例えば、シート11,12がいずれも不織布である場合には、伸縮シート10を立体マスク、おむつの外装材、使い捨てのガウンとして用いることができる。また、シート11が透湿性フィルムからなり、シート12が不織布からなる場合には、伸縮シート10をおむつや吸収パッド、生理用ナプキンなどにおける伸縮性を有する伸縮バックシートとして用いることができる。更に、シート11が非透湿性フィルムからなり、シート12が不織布からなる場合には、伸縮シート10を、伸縮性を有する貼布剤として用いることができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、伸縮シートの製造方法における弾性発現処理装置22を用いた弾性発現処理に関し、弾性発現処理方向は伸長性シート11,12の流れ方向のみでなく、例えば斜めであっても良い。更に、2種以上の弾性発現処理方法を組み合わせたり、段階的に延伸倍率を上げたり、部分的に弾性発現処理を行ったりすることもできる。弾性発現処理方向は一方向のみでなく、直交する二方向であってもよい。
また前記実施形態の製造方法においては、弾性発現処理加工に一対の歯溝ロール20,21を備えた弾性発現処理装置を用いたが、これに代えてテンターを備えた弾性発現処理装置を用いて弾性発現処理加工を行ってもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
図5に示す装置を用い、図1及び図3に示す伸縮シート10を製造した。伸長性シート11,12として、繊維径が19μm、繊維長が44mmの芯鞘型複合繊維(芯:PET、鞘:PE)を原料とする坪量20g/m2の撥水性エアスルー不織布を用いた。この不織布の最大伸度は170%であった。弾性フィラメントの原料樹脂としては、SEPS樹脂(重量平均分子量5万、MFR60g/10min(230℃,2.16kg)(JIS K7210:1999)からなるエラストマーを用いた。弾性フィラメント13の紡糸条件は、紡糸ヘッド17の温度310℃、紡糸ノズル16の径450μm、紡糸ノズル16のピッチ1.5mmとした。紡糸中、ドライヤーを用いて弾性フィラメント13に熱風を吹き付け、弾性フィラメント13をランダムな波線を描くように蛇行させた。弾性フィラメント13の直径は平均100μmであった(蛇行させない場合の弾性フィラメントの直径は145μmであった)。フィラメントの見掛け坪量(伸縮シート10中のフィラメント重量/伸縮シート10の面積)は10g/m2、延伸倍率20倍であった。延伸倍率は、(ノズル孔径/伸縮発現処理前繊維径)2で定義される。ニップロール18,18としては、金属ロールとゴムロールを用いた。これらのロールによって弾性フィラメント13を伸長性シート11,12の間に融着させた。これによって複合体19を得た。
複合体19の弾性発現処理加工は、歯と歯底が軸長方向に交互に形成された一対の歯溝ロール20,21を備えた弾性発現処理装置22を用いて行った。歯間及び歯底間のピッチはそれぞれ2.0mmであった(噛み合った状態での歯間のピッチPは1.0mmとなる)。上下の歯溝ロールの押し込み量を調整し、延伸倍率2.0倍にて複合体19を弾性フィラメント13の延びる方向に弾性発現処理した。次いで、弾性フィラメントの延びる方向と直交する方向に、特許文献2に記載の延伸装置を用いて幅方向への延伸加工を行った。この延伸装置は、大径部と小径部が軸長方向に交互に形成された一対の凹凸ロールを備えるものである。片側ロールの大径部と大径部間のピッチは2.0mmであった。1.5倍の延伸率で複合体19を幅方向に延伸させ弾性発現処理した。これにより弾性フィラメント13の延びる方向及びそれと直交する方向の両方向に良好に伸縮する坪量45g/m2の伸縮シート10が得られた。
図1は、本発明の伸縮シートの第1の実施形態を示す一部破断斜視図である。 図2(a)は、本発明の伸縮シートにおける弾性フィラメントの蛇行の状態を示す模式図であり、図2(b)は、本発明に含まれない蛇行の状態を示す模式図である。 図3(a)及び(b)はそれぞれ、図1に示す伸縮シートにおける弾性フィラメントの延びる方向に沿う自然状態及び伸長状態での縦断面図である。 図4は、繊維の直径(断面積)が略ステップ状に変化した状態になっている非弾性繊維の一例を示すSEM像である。 図5は、図1に示す伸縮シートの製造に好適に用いられる装置を示す模式図である。 図6は、図5に示す装置によって複合体が弾性発現処理される状態を示す模式図である。 図7は、非弾性繊維が弾性発現処理される状態を示す模式図である。
符号の説明
10 伸縮シート
11 伸長可能な非伸縮性シート
12 伸長可能な非伸縮性不織布
13 弾性フィラメント
14 高坪量領域
14' 頂部
14" 谷部
15 低坪量領域
15' 稜線部

Claims (5)

  1. 一方向に延びる多数の弾性フィラメントが、ランダムな波線を描くように蛇行して、それらの交点で結合しランダムな網目構造を形成して、2枚の伸長可能な非伸縮性シートの間に接合されている伸縮シート。
  2. 前記弾性フィラメントの直径が10〜300μmである請求項1記載の伸縮シート。
  3. 前記2枚のシートのうちの少なくとも一方が不織布、透湿性若しくは非透湿性フィルム又は薄葉紙からなる請求項1又は2記載の伸縮シート。
  4. 前記弾性フィラメントが実質的に非伸長状態で、前記2枚のシート間に接合されている請求項1ないし3のいずれかに記載の伸縮シート。
  5. 紡糸ノズルから紡出された溶融状態の多数の弾性フィラメントを、該弾性フィラメントの固化前に、走行方向が同方向である2枚の伸長可能な非伸縮性シートと合流させて、その合流位置において該弾性フィラメントを該2枚のシート間に挟んで融着させ、該弾性フィラメントが前記走行方向に延びている複合体を得、
    得られた複合体を、該弾性フィラメントの延びる方向に沿って延伸して該複合体に伸縮性を付与する伸縮シートの製造方法であって、
    前記弾性フィラメントを前記シート及び前記不織布で挟んで引き取ることで、前記紡糸ノズルと前記合流位置との間において該弾性フィラメントを延伸させるとともに、
    前記紡糸ノズルと前記合流位置との間で延伸されている前記弾性フィラメントに気体を吹き付けて、ランダムな波線を描くように蛇行する揺らぎを該弾性フィラメントに生じさせる伸縮シートの製造方法。
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