JP2008135737A - 静電チャック及び静電チャックの製造方法 - Google Patents

静電チャック及び静電チャックの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】静電力を生じさせるための電極の近傍の誘電体層にクラックが生じることを有利に抑制して、信頼性が高く、製造が容易な静電チャック及び静電チャックの製造方法を提供する。
【解決手段】静電チャック10は、基体11を有し、この基体11の基板載置面11aと平行に基体11内に埋設された電極12を有している。基体11の裏面11bから電極12に向けて穿設された端子穴11cに装入される端子13は、電極12の端子側の平坦面から端子穴11cに向けて形成された円錐台形状の凸部12aを介して電極12と電気的に接続される。この凸部は、電極の端子側の平坦面と当該凸部の斜面とのなす角度が40°以下であり、電極の端子側の平坦面から端子との接合面までの距離が0.01〜0.8mm未満である。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電チャック及び静電チャックの製造方法に関する。
従来から、半導体デバイスなどを製造する際においては、半導体ウエハに成膜やエッチングなどの表面処理が施される。この表面処理中に半導体ウエハを保持する装置の一つに、静電チャック(Electrostatic Chuck)がある。この静電チャックは、半導体ウエハ等の基板が載置されて保持する基板載置面を有し、この基板載置面に生じさせた静電力により、この半導体ウエハを保持する。
静電チャックの代表的な例では、セラミックスからなる基体を備えている。また、基体の上面は、ウエハ等の基板が載置される基板載置面となっている。また、この基体の内部には、基板載置載置面に静電力を生じさせるための電極が埋設されている。そして、前記基体における電極から基板載置面までの部分は誘電体層となり、電極から基体の下面(裏面)までの部分は支持部となり、埋設された電極を挟んでこの誘電体層と支持部とが一体的に形成されている。
基体に埋設されている電極に向けて基体の裏面から端子穴が穿設され、この端子穴に端子が装入されて、この電極に対し、ろう付けされることにより、この端子と電極とが電気的に接続されている。
このように電極が埋設され、この電極と端子とが電気的に接続された被処理物保持体に関して、例えば特許文献1に記載されている。
特開2002−313530号公報
静電チャックの電極の厚さは、一般に、数十μm程度である。この基体内の電極に向けて、基体の裏面から端子穴を穿設し、端子を装入して接合するとき、端子穴の底面に電極が露出するように穿設することが肝要であり、端子穴が、電極を厚み方向に貫通することは回避しなければならない。したがって、端子穴の穿設を厳密な制御して行うことが必要とされていた。
また、基体内の誘電体層の厚さは、基板を保持する静電力を生じさせるために、一般に数mm程度以下である必要がある。そのため、セラミックス基体において、この誘電体層の端子穴の開いた位置の部分が、構造的にもっとも薄く、強度が低い部分となっている。端子を端子穴に装入するとき、この端子を装入する押圧力によっては、端子穴に露出している部分の電極と接している部分の誘電体層に、押圧力が加えられ、その結果、この部分の誘電体層にクラックが生じるおそれがあった。
上述した特許文献1には、抵抗発熱体の端子部が発熱部よりも厚い構成とすることにより、端子部の発熱抵抗値が低くなるようにした被処理物保持体が記載されている。しかしながら、この特許文献1に記載された被処理物保持体の上記構成は、特に電極が抵抗発熱体である場合の均熱性を向上させるためのものであって、静電チャックの静電力を生じさせるための電極の構成としては、電極の目的、用途が異なる。そのため、特許文献1に記載された被処理物保持体の上記構成を単に静電チャックの静電力を生じさせるための電極に単に転用したとしても、前述した問題は十分に解消することは難しかった。
本発明は上述の問題を有利に解決するものであり、静電力を生じさせるための電極の近傍の誘電体層にクラックが生じることを有利に抑制して、信頼性が高く、製造が容易な静電チャック及び静電チャックの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の静電チャックは、基板載置面を有する概略円盤状のアルミナセラミックスよりなる基体と、この基体の上記基板載置面と平行に当該基体内に埋設された電極と、この基体の上記基板載置面とは反対側になる裏面にこの電極に向けて穿設された端子穴に装入される端子とを備え、この電極は、略一定の厚みであり、上記の端子穴に向かう位置に当該電極と同種の材料よりなる概略円錐台形状の凸部を有し、この凸部に上記端子が接合され、この凸部は、凸部が位置している電極の端子側の平坦面と当該凸部の斜面とのなす角度が40°以下であり、端子側の平坦面から凸部と端子との接合面までの距離が0.01mm以上〜0.8mm未満であることを特徴とする。
また、本発明の静電チャックの製造方法は、基体のうち、基板載置面を含む誘電体層の部分のアルミナ焼結体を作成する工程と、このアルミナ焼結体の表面上に、略一定の厚みの電極を形成する工程と、この電極上の一部に、当該電極と同種の材料よりなる凸部を、厚さ0.8mm以下でかつ、電極の端子側の平坦面と当該凸部の斜面とのなす角度が40°以下で形成する工程と、上記アルミナ焼結体及び電極を覆って、基体の支持部を形成した後、この支持部及び上記誘電体層の部分を一体的に焼結する工程と、基体の裏面から、上記凸部に向けて端子穴を穿設し、この端子穴の底面に凸部を露出させ、この凸部の電極の端子側の平坦面から端子穴の底面までの距離を0.01mm以上〜0.8mm未満とする工程と、端子穴に端子を装入し、ろう付けにより凸部と接合する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の静電チャックによれば、端子の接合時の押圧力によっても破損し難い高信頼性の静電チャックを得ることが可能となる。
本発明の静電チャックの製造方法によれば、高信頼性の静電チャックを容易に製造することが可能となる。
以下、本発明の加熱装置の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の静電チャックの断面図である。なお、図1は、本実施形態の静電チャックは、発明の理解を容易にするために各部材の寸法、比率については現実の静電チャックとは必ずしも同一ではない。したがって、本実施形態の静電チャックは、各部材の寸法、比率等について、図1に示されたものに限定されるものではない。
図1に示す静電チャック10は、アルミナセラミックスよりなり、概略円盤状の基体11を有している。この基体11は、一方の面は、保持する対象物、例えば半導体ウエハを載置して静電力により保持するための基板載置面11aとなり、他方の面は、裏面11bとなる。
この基体11の内部には、静電力を生じさせるための電極12が、基板載置面11aの近傍に、略一定の厚みで、基板載置面11aと平行に埋設されている。
この電極12は、例えばW(タングステン)やWC(炭化タングステン)といった導電性材料の粉末とアルミナの粉末とを混合したものをペースト状にし、印刷法により所定の厚み(例えば、10〜100μm程度)に形成することにより作製したものを用いることができる。この導電性粉末に対するアルミナ粉末の添加量は、5〜20vol%であることが好ましい。
この電極12に向けて、基体11の基板載置面11aとは反対側の裏面11bから端子穴11cが形成されている。この端子穴11cには、電極12に電力を導くための端子13が装入されている。基体11において、基板載置面11aから電極12までの領域は、誘電体層11dとなる領域であって、上記電力が供給されることにより、基板載置面11a上に静電吸着力を生じさせる。また、電極12から下方の裏面までの領域は、上記誘電体層を支持する支持部11eとなる領域である。
この電極12は、端子13側の平坦面121と、基板載置面11a側の平坦面122とを有している。この電極12は、基体11の端子穴11cに対向する部分において、この電極12の端子側の平坦面121から端子穴11cに向けて形成された概略円錐台形状の凸部12aを有している。この凸部12aの頂部が、前述した端子穴11cの底面に露出している。この凸部12aの頂部を、端子穴11c内に装入された端子13の端面に対して、ろう付け等により接合することにより、電極12は、この凸部12aを介して端子13と電気的に接続されている。
図1に示した本実施形態の静電チャック10は、上述のように電極12の端子側の平坦面121から端子穴11cに向けて形成された概略円錐台形状の凸部12aを有していることから、端子と対向する領域において電極12の厚さが、凸部12aの高さだけ肥厚化していることになる。この凸部12aの高さ、すなわち凸部12aの底面から頂面までの距離Lは、具体的には、0.01mm以上〜0.8mm未満である。このようにして、端子と対向する領域の電極12の厚さが、凸部12aの高さだけ肥厚化していることから、この凸部及びその周囲の強度が増大する。したがって、電極12と端子13とを接合するために、この端子13を端子穴11cに装入するときの押圧力によって、端子13近傍の誘電体層11dにクラックが生じるおそれがなくなる。
また、端子と対向する領域の電極12の厚さが、凸部12aの高さだけ肥厚化していることから、静電チャックの製造時に端子穴11cを裏面11bから電極12に向けて穿設するときには、端子穴11cの底部に電極材料が露出するための穴深さの調節に、この凸部12aの厚みだけ余裕が生じているから、厳密な加工制御が緩和され、製造が容易となる。また、厚みだけ余裕があるために、穿設時に、端子穴11cが電極12を誤って貫通させることを防止できる。
以上のことから、本実施形態によれば、高信頼性の静電チャックを得ることが可能となる。
図2は、図1に示した実施形態に係る静電チャック10の電極12の凸部12a近傍を示す拡大断面図である。同図から分かるように、図示した実施形態では、電極12の凸部12aは、端子13に対向する面が頂面となる略円錐台形状である。略円錐台形状であることにより、端子13との接合時に凸部近傍の電極12に加わる単位面積当たりの押圧力を低下させることができ、端子13近傍の誘電体層11dのクラックを効果的に抑制することが可能になる。また、略円錐台形状であることにより、導電性材料を含む凸部12aの熱膨張係数と、アルミナよりなる基体11との熱膨張係数の相違に由来して生じるおそれのある凸部12a近傍の基体11へのクラックの発生を抑制することができる。それは、図2に示されるように、電極12の端子側の平坦面121と、凸部12aの斜面とがなす角度θが鋭角であり、熱膨張係数の差に起因する熱応力によるクラックの起点となり難いからである。
この電極12の端子側の平坦面121と、凸部12aの斜面とがなす角度θは、40°以下であることが好ましい。角度θが40°を超えると、上述した熱膨張係数の差によるクラックが生じるおそれがある。
また、凸部12aの高さ、すなわち、電極12の端子側の平坦面121から端子との接合面までの距離Lは、0.01mm以上〜0.8mm未満の範囲が好ましい。この距離Lが0.01mmに満たないと、凸部12aを設けた効果に乏しく、また、距離Lが0.8mm以上では、上述した熱膨張係数差によるクラックが生じるおそれがある。後述するように本発明に係る静電チャックの製造の際において、端子穴を穿設して、この端子穴を介して凸部と導通をとるためには、この凸部の頂部の加工代を考慮すると、距離Lが0.8mm未満である必要がある。導通を確実にとるため凸部の頂面面積をある程度確保するには、この凸部の頂部の加工代は0.1mm以上が好ましく、よって、距離Lは好ましくは、0.7mm以下である。より好ましい距離Lの長さは、0.02〜0.4mmの範囲である。この範囲であることにより、凸部12aと端子13との接合強度が向上し、また、端子穴11cの穿設加工が容易になる。
略円錐台形の凸部12aの底面の直径Dは、2〜6mmとすることが好ましい。この直径Dが6mmよりも大きい場合には、電極12の肥厚部の領域が大きいことから、静電吸着力の面内均一性に影響を及ぼすおそれがある。また、直径Dが2mmよりも小さい場合には、前述した角度θ、距離Lを上記の範囲にすることが難しくなる
この凸部12aは、電極12と同種の材料からなるものが好ましい。つまり、導電性粉末とアルミナ粉末と含有し、この導電性粉末に対するアルミナ粉末の添加量が、5〜20vol%であることが好ましい。凸部12aは、電極12と同種の材料からなることにより、電極12との間に熱膨張係数の差が生じず、熱応力による脆化のおそれがなくなる。また、凸部12aと電極12とが、十分に接合することができる。
電極12及び凸部12aが、WやWCといった高融点の導電性材料の他に、アルミナを含有するのは、電極の周囲のアルミナ基体との熱膨張係数差を小さくするためであり、これにより静電チャックの製造における焼結時に、誘電体層近傍にクラックが生じることを効果的に抑制することができる。このアルミナの含有量は、WやWCといった導電性材料に対して、5〜20vol%の範囲が好ましい。5vol%に満たないと、アルミナを含有させた効果に乏しく、20vol%を超えると、電極の電気抵抗率が低下し、局所的に発熱するおそれがある。
電極の凸部12aは、電極12の表面上に、上記した成分を含むペーストを、印刷法により形成することができる。形成させたときの凸部の厚さ(図2で電極の表面から仮想線で示すドームの頂点までの距離)Tは、0.8mm以下であることが好ましい。凸部の厚さTが0.8mmを超えると、凸部12aと基体11との熱膨張係数の差によるクラックが生じるおそれがある。Tが0.8mm以下の厚さの凸部は、後工程の端子穴11cの穿設時に、この凸部と導通を取るためにこの凸部の頂部が削除されることにより、電極12の端子側の平坦面121から端子との接合面までの距離Lが、0.01mm〜0.8mm未満となる。
図2に示されるように、後工程の端子穴11cの穿設時に、凸部の頂部が削除されることにより形成される凸部12aの頂面の直径よりも、端子穴11cの底面の直径の方が大きく、かつ、この凸部12aの頂面の直径よりも、端子穴11cに装入される端子13の端面の直径が大きいことが好ましい。端子穴11cの底面に露出する凸部12aの頂面の直径よりも、端子穴11cに装入される端子13の端面の直径が大きいことにより、端子13の端面は、端子穴11cの底面において、凸部12aの頂面と、この頂面の周囲の基材11との両方とに、ろう付けにより接合されることになる。このように、端子13の端面が、凸部12aの頂面ばかりでなく、この頂面の周囲の基材11とも接合されていることから、凸部12aの頂面とのみ接合する場合や、従来公知の静電チャックのように電極12に直接接合する場合と比較して、端子穴11cに端子13を装入するときに端子穴13c近傍の誘電体層11dに加わる押圧力に耐え得る誘電体層11dの破壊強度が格段に向上する。
以上述べた本実施形態の静電チャックの構成とすることで、従来と比較し、端子を接合する部分の端子底面から誘電体層表面までの距離を厚くすることができるため、電極12aと端子13との接合部分の強度が高くなり、信頼性の高い端子構造を有する静電チャックを提供できる。
次に、本発明に係る静電チャックの製造方法の一例について述べる。
まず、静電チャック10の基体11の誘電体層11dに相当する部分を作成する。そのために、アルミナセラミックスの原料粉末に、必要に応じた焼結助剤やバインダを添加して混合した原料を仮焼してアルミナ造粒粉を得た後、このアルミナ造粒粉を成形及び焼結してアルミナ焼結体を得る。このアルミナ焼結体を研削加工し、誘電体層11dとなる円盤を作製する。この際、円盤の表面及び裏面のうち一方の面を研削加工により平滑面に仕上げる。
次に、このアルミナ焼結体の平滑面上に電極12を形成する。そのために、W粉又はWC粉に、5〜20vol%のアルミナ粉及びバインダを混合して印刷ペーストを作製し、この印刷ペーストをスクリーン印刷法により、上記したアルミナ焼結体の平滑面上に塗布し、乾燥させて、電極12を形成する。
次に、この電極12の表面上であって、後工程で装入される端子13と対向する位置として予め定められている部分に、上述した組成になる印刷ペーストを印刷法により塗布し、乾燥させて、電極12の凸部12aとなる凸部を形成する。この凸部の厚さTは、0.8mm以下とする。凸部の厚さTが0.8mmを超えると、凸部12aと基体11との熱膨張係数の差によるクラックが生じるおそれがある。また、凸部12aの斜面と電極12の端子側の平坦面121とのなす角度θが、40°以下であり、凸部12aの底面の直径が2〜6mmとなるように形成する。
次に、支持部を形成するために、上記電極12及び凸部12aが形成されたアルミナ焼結体を金型内にセットし、仮焼後の上記アルミナ造粒粉を充填し、所定圧力でプレス成形を行う。これにより誘電体層となるアルミナ焼結体と支持部となるアルミナ成形体とが一体となった基体11の成形体が得られる。この成形体を焼結して基体11を得る。
次に、得られた基体11の裏面11bから電極12の凸部に向けて端子穴11cを形成し、この端子穴11cの底面に凸部12aの頂面を露出させた。このとき凸部12aのサイズについて、電極12の端子側の平坦面121から端子穴11cの底面までの高さを0.01mm〜0.8mm未満、好ましくは0.7mm以下、より好ましくは0.02〜0.4mmとする。また、端子穴11cの直径は、凸部12aの頂面の直径よりも大きくする。
その後、この端子穴11cに端子13を装入し、ろう付けにより凸部12aと端子13とを接合する。この端子13の端面の直径は、凸部12aの頂面の直径よりも大きいものを適用するものとする。
なお、凸部は完全な円錐台形状でなくともよく、球面を切り取った一部分で略円錐台形状とみなされる形状であってよい。
以下に述べる方法により、種々の静電チャックを製造した。
まず、誘電体層となるアルミナ焼結体を作製した。そのために、セラミックス原料粉として、純度99.9%のアルミナ粉末(粒子径1μm)と焼結助剤であるMgO原料粉を使用した。なお、セラミックス原料粉中のMgOの含有量は0.04wt%とした。このセラミックス原料粉にバインダであるポリビニルアルコール(PVA)、水及び分散剤を添加し、トロンメルで16時間混合し、スラリーを作製した。得られたスラリーを、スプレードライヤを用いて噴霧乾燥し、その後、500℃で5時間保持してバインダを除去し、平均約80μmの造粒顆粒を作製した。このアルミナ顆粒を金型に充填し、100kg/cm2の圧力でプレス成形を行った。続いて、この成形体をカーボン製のサヤにセットし、ホットプレス焼成法を用いて焼成した。焼成は、100kg/cm2の加圧下で、かつ窒素加圧雰囲気(150kPa)で行い、300℃/hで昇温し、1600℃で2時間保持し誘電体層に相当する部分のアルミナ焼結体を得た。
このアルミナ焼結体を研削加工し、Φ300mm、厚さ6mmの円盤を作製した。この際、一方の面を研削加工により、表面粗さRaが0.8μm以下の平滑面となるように仕上げた。
次に、電極を、このアルミナ焼結体上に形成した。この電極の形成のために、WC粉末(平均粒径1.5μm)と、アルミナ粉末(平均粒径1μm)を、アルミナの含有量が20wt%となるように混合し、バインダを混合して印刷ペーストを作製し、スクリーン印刷法により、上記のアルミナ焼結体の平滑面上にΦ290mm、厚さ10μmの電極を形成し、乾燥させた。
次に、乾燥後の電極の表面上の中心部に、ペースト状の電極材料をコンタクト印刷法により印刷して、凸部を形成し、乾燥させた。この凸部の形成の際、電極材料中のアルミナ添加量及び凸部の形状、サイズを種々に変化させた複数種類の例を作成した。この静電チャックは、一種類あたり複数個を作製した。
次に、基体の支持部となる部分を作成するために、上記の電極及び凸部が形成されたアルミナ焼結体を金型にセットし、上述した誘電体層を作成するのに用いた仮焼後のアルミナ造粒顆粒を充填し、100kg/cm2の圧力でプレス成形を行った。
続いて、この成形体をカーボン製のサヤにセットし、ホットプレス焼成法を用いて焼成した。焼成は、100kg/cm2の加圧下で、かつ窒素加圧雰囲気(150kPa)で行い、300℃/hで昇温し、1600℃で2時間保持した。こうして、電極を埋設した焼成体を得た。
このアルミナ焼結体の誘電体層側の表面をダイヤモンド砥石にて平面研削加工を行い、アルミナ焼結体の厚み、すなわち埋設した電極から表面までの厚み(誘電体層の厚み)を0.3mmとするとともに、焼成体の側面を研削した。この時点で、凸部近傍の誘電体層にクラックが発生していないかどうかを調査した。焼結時の誘電体層部におけるクラックの発生の程度を、複数個を作製した静電チャックのうちのクラックが発生した静電チャックの個数の割合として求めた。
その後、クラックが発生していない場合には、このアルミナ焼結体の裏面の中心部から、埋設された電極に向けて穴あけ加工を行い、端子穴の底面に凸部の頂面を露出させた後、この端子穴にSiとMgとを微量に含むAlロウ材と直径6mmのMo製端子を装入し、ついで、不活性雰囲気中で加熱し、電極凸部表面および端子穴底面の基体のアルミナ表面と端子とをろう付けにより接合して、静電チャックを完成した。
このようにして得られた静電チャックについて、端子を圧縮試験機で押して誘電体層を含む端子接合部近傍が破壊する荷重(圧縮強度)を測定した。
これらの結果を、電極材料中のアルミナ添加量及び凸部の形状とともに表1〜表3に示す。
Figure 2008135737
Figure 2008135737
Figure 2008135737
表1〜表3から分かるように、電極材料中のアルミナ量及び凸部のサイズが好適な範囲になる実施例は、比較例と比べるとクラックが発生せず、また、接合強度が著しく向上していた。
これに対して、従来例及び比較例1は、電極に凸部を形成していないため、熱膨張率の相違によるクラックは発生しなかったが、端子穴の穿設時に、電極を貫通する場合があった。また、比較例2及び3は、凸部が円柱状であったため(θが90°)、クラックが多数発生した。また、比較例4〜7は、凸部の厚さTが0.8mmを超えていたため、凸部12aと基体11との熱膨張係数の差によるクラックが発生した。また、比較例8及び9は、凸部の斜面と電極の端子側の平坦面とのなす角度θが40°を超えていたため、熱膨張係数の差に起因するクラックの起点が発生した。また、比較例10は、電極材料中にアルミナを含有していなかったため、熱膨張係数の差によるクラックが発生した。実施例3、4と実施例5との比較並びに実施例12と実施例13との比較からわかるように、電極平面から接合部までの距離Lを、0.02〜0.4mmとすることにより、さらに接合部の圧縮強度が著しく大きくなった。比較例10と実施例14との比較からわかるように導電性粉末に対するアルミナ粉末の添加量を5〜20vol%とすることで、クラックなく、接合部の圧縮強度が高くなった。
以上、図面及び実施形態を用いて、本発明に係る静電チャックを説明したが、本発明の静電チャックは、図面及び実施形態に示した静電チャックに限定されない。例えば、図1及び図2に示した静電チャックは、電極が単数である、単極型の静電チャックを示しているが、本発明の静電チャックは、電極数が二個の双極型のものであっても良いし、電極数が3個以上のものであってもよい。また、静電チャックは、静電チャックの基体に、ヒータを具備するヒータ付き静電チャックであってもよい。図面及び実施形態の記述は、本発明の静電チャックの例示であり、本発明の静電チャックは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の変形が可能である。
本発明に係る静電チャックの実施例を示す断面図である。 図1の拡大断面図である。
符号の説明
10 静電チャック
11 基体
11a 基板載置面
11b 裏面
11c 端子穴
11d 誘電体層
11e 支持部
12 電極
12a 凸部
13 端子

Claims (5)

  1. 基板載置面を有する概略円盤状のアルミナセラミックスよりなる基体と、
    この基体の上記基板載置面と平行に当該基体内に埋設された電極と、
    この基体の上記基板載置面とは反対側になる裏面から、この電極に向けて穿設された端子穴に装入される端子と
    を備え、
    この電極は、略一定の厚みであり、上記の端子穴に向かう位置に当該電極と同種の材料よりなる概略円錐台形状の凸部を有し、この凸部に上記端子が接合され、
    この凸部は、凸部が位置している電極の端子側の平坦面と当該凸部の斜面とのなす角度が40°以下であり、端子側の平坦面から凸部と端子との接合面までの距離が0.01mm以上〜0.8mm未満であることを特徴とする静電チャック。
  2. 前記電極の端子側の平坦面から凸部と端子との接合面までの距離が、0.02〜0.4mmであることを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
  3. 前記概略円錐台形の凸部は、底面の直径が2〜6mmであり、前記概略円錐台形状の凸部の頂面の直径よりも、この頂面に接する前記端子の端面の直径が大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の静電チャック。
  4. 前記電極は、導電性粉末とアルミナ粉末とを含有し、この導電性粉末に対するアルミナ粉末の添加量が、5〜20vol%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電チャック。
  5. 基体のうち、基板載置面を含む誘電体層の部分のアルミナ焼結体を作成する工程と、
    このアルミナ焼結体の表面上に、略一定の厚みの電極を形成する工程と、
    この電極上の一部に、当該電極と同種の材料よりなる凸部を、厚さ0.8mm以下でかつ、電極の端子側の平坦面と当該凸部の斜面とのなす角度が40°以下で形成する工程と、
    上記アルミナ焼結体及び電極を覆って、基体の支持部を形成した後、この支持部及び上記誘電体層の部分を一体的に焼結する工程と、
    基体の裏面から、上記凸部に向けて端子穴を穿設し、この端子穴の底面に凸部を露出させ、この凸部の電極の端子側の平坦面から端子穴の底面までの距離を0.01mm以上〜0.8mm未満とする工程と、
    端子穴に端子を装入し、ろう付けにより凸部と接合する工程と
    を備えることを特徴とする静電チャックの製造方法。
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