JP2020113667A - 保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】接続部材全体の剥離、接続部材と給電部材との間の導通不良、給電部材の外れの発生を抑制する。【解決手段】保持装置は、セラミックス部材の第1の表面に対象物を保持する装置である。保持装置は、内部電極と、内部電極と電気的に接続された接続部材であって、金属材料とセラミックス材料とを含み、外周部がセラミックス部材の内部に配置され、かつ、内側部がセラミックス部材の第2の表面に露出している接続部材と、給電部材と、非活性ろう材により形成され、接続部材の内側部と給電部材とを接合する接合部とを備える。接続部材の内、接合部に対向する側の第3の表面を含む第1の部分における金属材料の含有割合は、接続部材の内、第1の部分に隣接すると共に第1の部分と同一の厚さを有し、かつ、第3の表面とは反対側の第4の表面を含む第2の部分における金属材料の含有割合より高い。【選択図】図3

Description

本明細書に開示される技術は、対象物を保持する保持装置に関する。
対象物(例えば、半導体ウェハ)を保持しつつ所定の温度(例えば、400〜800℃程度)に加熱する加熱装置(「サセプタ」とも呼ばれる。)が知られている。加熱装置は、例えば、成膜装置(CVD成膜装置、スパッタリング成膜装置等)やエッチング装置(プラズマエッチング装置等)といった半導体製造装置の一部として使用される。
一般に、加熱装置は、所定の方向に略直交する表面(以下、「保持面」という。)と、保持面とは反対側の表面(以下、「裏面」という。)とを有するセラミックス部材を備える。セラミックス部材の内部には、例えばタングステン(W)やモリブデン(Mo)等の発熱抵抗体から構成されたヒータ電極が配置されている。ヒータ電極には、少なくとも一部分がセラミックス部材の裏面に露出した導電性の接続部材(「電極パッド」とも呼ばれる)が電気的に接続されている。接続部材には、非活性ろう材により形成された接合部により、金属製の給電部材が接合されている。給電部材および接続部材を介してヒータ電極に電圧が印加されると、ヒータ電極が発熱し、セラミックス部材の保持面上に保持された対象物が加熱される(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−11254号公報
従来の加熱装置では、接続部材(電極パッド)と接合部(非活性ろう材)との間の接合力不足と、接続部材とセラミックス部材との間の接合力不足と、の少なくとも一方に起因して、接続部材全体の剥離、接続部材と給電部材との間の導通不良、給電部材の外れ(脱落)といった問題が発生するおそれがある。
なお、このような課題は、加熱装置に限らず、セラミックス部材と、セラミックス部材の内部に配置された内部電極と、内部電極と電気的に接続された導電性の接続部材と、金属製の給電部材と、非活性ろう材により形成され、接続部材と給電部材とを接合する接合部とを備え、セラミックス部材の表面上に対象物を保持する保持装置一般に共通の課題である。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される保持装置は、第1の方向に略直交する第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有するセラミックス部材と、前記セラミックス部材の内部に配置された内部電極と、前記内部電極と電気的に接続された導電性の接続部材であって、金属材料とセラミックス材料とを含むように形成され、外周部が前記セラミックス部材の内部に配置され、かつ、前記外周部以外の部分である内側部が前記セラミックス部材の前記第2の表面に露出している接続部材と、金属製の給電部材と、非活性ろう材により形成され、前記接続部材の前記内側部と前記給電部材とを接合する接合部と、を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、前記接続部材の内、前記接合部に対向する側の第3の表面を含む第1の部分における前記金属材料の含有割合は、前記接続部材の内、前記第1の方向において前記第1の部分に隣接すると共に前記第1の部分と同一の厚さを有し、かつ、前記第3の表面とは反対側の第4の表面を含む第2の部分における前記金属材料の含有割合より高い。本保持装置では、接続部材の内、接合部に対向する側の第3の表面とは反対側の第4の表面を含む第2の部分における金属材料の含有割合が比較的低い(すなわち、セラミックス材料の含有割合が比較的高い)。そのため、接続部材の第4の表面側の第2の部分を、セラミックス部材を構成するセラミックス材料と強固に接合させることができ、接続部材全体の剥がれが発生することを抑制することができる。また、本保持装置では、接続部材の内、接合部に対向する側の第3の表面を含む第1の部分における金属材料の含有割合が比較的高い(すなわち、セラミックス材料の含有割合が比較的低い)。そのため、接続部材の第3の表面側の第1の部分と、非活性ろう材により形成された接合部とを強固に接合させることができ、接合部の位置での剥離に起因する接続部材と給電部材との間の導通不良や、給電部材の外れ(脱落)が発生することを抑制することができる。このように、本保持装置によれば、接続部材全体の剥離が発生することを抑制しつつ、接続部材と給電部材との間の導通不良や給電部材の外れ(脱落)が発生することを抑制することができる。
(2)上記保持装置において、前記第2の部分における前記金属材料の含有割合は、25vol%以上、70vol%未満である構成としてもよい。本保持装置によれば、接続部材の第2の部分における金属材料の含有割合が過度に高くない(70vol%未満である)ため、接続部材の第4の表面側の第2の部分を、セラミックス部材を構成するセラミックス材料とより強固に接合させることができ、接続部材全体の剥がれが発生することを効果的に抑制することができる。また、本保持装置によれば、接続部材の第2の部分における金属材料の含有割合が過度に低くない(25vol%以上である)ため、接続部材の第1の部分と第2の部分との間における金属材料の含有割合の差が過度に大きくなることを回避することができ、該金属材料の含有割合の差に起因する接続部材の内部での剥離の発生を抑制することができる。
(3)上記保持装置において、前記第1の部分における前記金属材料の含有割合は、70vol%以上である構成としてもよい。本保持装置によれば、接続部材の第3の表面を含む第1の部分がセラミックス部材を構成するセラミックス材料と強固に接合されることを抑制することができ、その結果、保持装置が熱サイクルに晒されたときに、接続部材の第2の部分とセラミックス部材を構成するセラミックス材料との間が剥離することによって応力を緩和することができ、接続部材にクラックが発生することを抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、加熱装置、静電チャック、保持装置、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
本実施形態における加熱装置100の外観構成を概略的に示す斜視図である。 本実施形態における加熱装置100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。 本実施形態における加熱装置100の一部分(図2のX1部)のXZ断面構成を拡大して示す説明図である。 比較例の加熱装置の一部分(図2のX1部に相当する部分)のXZ断面構成を拡大して示す説明図である。 性能評価結果を示す説明図である。
A.実施形態:
A−1.加熱装置100の構成:
図1は、本実施形態における加熱装置100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における加熱装置100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。また、図3は、本実施形態における加熱装置100の一部分(図2のX1部)のXZ断面構成を拡大して示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、加熱装置100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。また、本明細書では、Z軸方向に直交する方向を面方向というものとする。
加熱装置100は、対象物(例えば、半導体ウェハW)を保持しつつ所定の処理温度(例えば、400〜800℃程度)に加熱する装置であり、サセプタとも呼ばれる。加熱装置100は、例えば、成膜装置(CVD成膜装置、スパッタリング成膜装置等)やエッチング装置(プラズマエッチング装置等)といった半導体製造装置の一部として使用される。
図1および図2に示すように、加熱装置100は、保持体10と柱状支持体20とを備える。
(保持体10の構成)
保持体10は、所定の方向(本実施形態ではZ軸方向)に略直交する保持面S1および裏面S2を有する略円板状の部材である。保持体10は、例えば、窒化アルミニウム(AlN)やアルミナ(Al)を主成分とするセラミックスにより形成されている。なお、ここでいう主成分とは、含有割合(重量割合)の最も多い成分を意味する。保持体10の直径は、例えば100mm以上、500mm以下程度であり、保持体10の厚さ(上下方向における長さ)は、例えば3mm以上、20mm以下程度である。保持体10は、特許請求の範囲におけるセラミックス部材に相当し、保持面S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当し、裏面S2は、特許請求の範囲における第2の表面に相当し、Z軸方向は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。
図2に示すように、保持体10の内部には、保持体10を加熱するヒータ電極としての抵抗発熱体50が配置されている。抵抗発熱体50は、例えば、タングステンやモリブデン等の導電性材料により形成されている。本実施形態では、抵抗発熱体50は、Z軸方向視で略同心円状に延びる線状のパターンを構成している。抵抗発熱体50の線状パターンの両端部は、保持体10の中心部近傍に配置されており、各端部にはビア導体52の上端部が接続されている。また、保持体10の裏面S2側には、一対の凹部12が形成されており、各凹部12の位置には、導電性の受電電極(電極パッド)60が設けられている。受電電極60の一部分(後述する内側部IP)は、保持体10の裏面S2に露出している。ビア導体52の下端部は、受電電極60に接続されている。その結果、抵抗発熱体50と受電電極60とがビア導体52を介して電気的に接続された状態となっている。抵抗発熱体50は、特許請求の範囲における内部電極に相当し、受電電極60は、特許請求の範囲における接続部材に相当する。受電電極60の構成については、後にさらに詳述する。
(柱状支持体20の構成)
柱状支持体20は、上記所定の方向(上下方向)に延びる略円柱状部材である。柱状支持体20は、保持体10と同様に、例えば窒化アルミニウムやアルミナを主成分とするセラミックスにより形成されている。柱状支持体20の外径は、例えば30mm以上、90mm以下程度であり、柱状支持体20の高さ(上下方向における長さ)は、例えば100mm以上、300mm以下程度である。
保持体10と柱状支持体20とは、保持体10の裏面S2と柱状支持体20の上面S5とが上下方向に対向するように配置されている。柱状支持体20は、保持体10の裏面S2の中心部付近に、公知の接合材料により形成された接合部30を介して接合されている。
図2に示すように、柱状支持体20には、保持体10の裏面S2側に開口する貫通孔22が形成されている。貫通孔22は、上下方向と略同一方向に延び、延伸方向にわたって略一定の内径を有する断面略円形の孔である。貫通孔22には、複数(本実施形態では2つ)の電極端子74が収容されている。電極端子74は、例えばZ軸方向視で略円形の柱状部材であり、ニッケル(Ni)等の導電性材料により形成されている。電極端子74の直径は、例えば2mm以上、6mm以下程度である。
また、Z軸方向において各電極端子74の上端部と各受電電極60との間には、緩衝部材72が配置されている。緩衝部材72は、例えばZ軸方向視で略円形の板状部材であり、タングステンやモリブデン、コバール等の金属により形成されている。ただし、緩衝部材72は、電極端子74と受電電極60との間の熱膨張差を緩和する機能を担うため、緩衝部材72の形成材料としては、電極端子74の熱膨張係数と受電電極60の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する材料が用いられることが好ましい。緩衝部材72の直径は、例えば3mm以上、9mm以下程度であり、緩衝部材72の厚さは、例えば1mm以上、6mm以下程度である。緩衝部材72は、特許請求の範囲における給電部材に相当する。
緩衝部材72は、非活性ろう材により形成されたパッド側接合部76により、受電電極60の後述する内側部IPの下面(露出面)と接合(ろう付け)されている。なお、非活性ろう材は、セラミックスに対して実質的に化学的結合しないろう材を意味し、例えば、Ni系(Ni−Cr系合金等)、Au系(純Au、Au−Ni系合金等)、Ag系(純Ag等)のろう材である。加熱装置100は、後述するように、400〜800℃程度の大気環境下で使用される。ろう材にCu等の酸化されやすい成分が含まれていると、ろう材の劣化が懸念される。そのため、ろう材はCu等の酸化されやすい成分を含まないことが好ましい。図3に示すように、本実施形態では、パッド側接合部76は、受電電極60の内側部IPの下面に加えて、保持体10の裏面S2にも対向するように形成されている。しかしながら、パッド側接合部76は、非活性ろう材により形成されているために、保持体10とは接合していない。パッド側接合部76は、特許請求の範囲における接合部に相当する。
また、緩衝部材72は、ろう材により形成された端子側接合部78により、電極端子74と接合されている。端子側接合部78は、例えば、Ag系のろう材である。
図示しない電源から各電極端子74、各緩衝部材72、各受電電極60、各ビア導体52を介して抵抗発熱体50に電圧が印加されると、抵抗発熱体50が発熱し、保持体10の保持面S1上に保持された対象物(例えば、半導体ウェハW)が所定の温度(例えば、400〜800℃程度)に加熱される。
A−2.受電電極60の詳細構成:
受電電極60の構成について、さらに詳細に説明する。本実施形態の受電電極60は、金属材料とセラミックス材料とを含むように形成されている。受電電極60に含まれる金属材料は、例えば、タングステンやモリブデン等である。なお、受電電極60に含まれる金属材料は、緩衝部材72を構成する金属材料の熱膨張係数に近い熱膨張係数を有する金属材料であることが好ましい。また、受電電極60に含まれるセラミックス材料は、例えば、窒化アルミニウムやアルミナである。なお、受電電極60に含まれるセラミックス材料は、保持体10の主成分であるセラミックス材料の熱膨張係数に近い熱膨張係数を有するセラミックス材料であることが好ましい。
また、本実施形態の受電電極60は、例えばZ軸方向視で略円形の略平板状部材である。ただし、受電電極60は、外周部分が全周にわたって斜め上方に屈曲したような形状となっている。すなわち、受電電極60は、そのように屈曲して保持体10の内部に位置する外周部OPと、外周部OP以外の部分である略平板状の内側部IPとから構成されている。受電電極60におけるパッド側接合部76に対向する側の表面(下面)S3の内、外周部OPに相当する領域は保持体10を構成するセラミックス材料に覆われているが、内側部IPに相当する領域は保持体10の裏面S2に露出している。受電電極60の直径は、例えば3mm以上、12mm以下程度であり、受電電極60の厚さは、例えば0.005mm以上、0.15mm以下程度である。また、外周部OPを覆う保持体10の構成材料の最大厚さ(最大かぶり厚)t1は、例えば0.005mm以上、0.1mm以下程度である。受電電極60の下面S3は、特許請求の範囲における第3の表面に相当し、受電電極60の下面S3とは反対側の表面(上面)S4は、特許請求の範囲における第4の表面に相当する。
また、本実施形態の受電電極60は、受電電極60の下面S3を含む下層61と、受電電極60の上面S4を含む上層62と、の2層から構成されている。下層61の厚さは、例えば0.003mm以上、0.07mm以下程度であり、上層62の厚さは、例えば0.003mm以上、0.007mm以下程度である。下層61および上層62は、金属材料とセラミックス材料とを含んでいるが、下層61における金属材料の含有割合(vol%)は、上層62における金属材料の含有割合より高い。本実施形態の受電電極60は、このような構成であるため、受電電極60の下記の第1の部分P1における金属材料の含有割合は、下記の第2の部分における金属材料の含有割合より高くなっている。なお、ここで言う各部分P1,P2の金属材料の含有割合の高低関係は、同一の体積(断面観察する場合には同一の面積)で比較したときの金属材料の含有割合の高低関係を意味する。
・第1の部分P1:受電電極60の内、パッド側接合部76に対向する側の表面(すなわち下面S3)を含む部分。
・第2の部分P2:受電電極60の内、Z軸方向において第1の部分P1に隣接すると共に第1の部分P1と同一の厚さを有し、かつ、下面S3とは反対側の上面S4を含む部分。
なお、受電電極60の下層61の厚さと上層62の厚さとが同一の場合には、第1の部分P1が下層61のみから構成された部分となり、第2の部分P2が上層62のみから構成された部分となるため、当然に、第1の部分P1における金属材料の含有割合は第2の部分P2における金属材料の含有割合より高くなる。また、受電電極60の下層61の厚さが上層62の厚さより厚い場合には、第1の部分P1が下層61のみから構成された部分となる一方、第2の部分P2は下層61と上層62とから構成された部分となるが、この場合にもやはり、第1の部分P1が金属材料の含有割合が高い下層61のみから構成された部分であるために、第1の部分P1における金属材料の含有割合は第2の部分P2における金属材料の含有割合より高くなる。反対に、受電電極60の下層61の厚さが上層62の厚さより薄い場合には、第2の部分P2が上層62のみから構成された部分となる一方、第1の部分P1は下層61と上層62とから構成された部分となるが、この場合にもやはり、第2の部分P2が金属材料の含有割合が低い上層62のみから構成された部分であるために、第1の部分P1における金属材料の含有割合は第2の部分P2における金属材料の含有割合より高くなる。
なお、受電電極60の面方向における全体にわたって、上述した第1の部分P1と第2の部分P2との間の金属材料の含有割合の高低関係が成立していることが好ましい。
また、受電電極60の第2の部分P2における金属材料の含有割合は、25vol%以上、70vol%未満であることが好ましい。また、受電電極60の第1の部分P1における金属材料の含有割合は、70vol%以上であることが好ましい。
A−3.加熱装置100の製造方法:
本実施形態の加熱装置100の製造方法は、例えば以下の通りである。初めに、保持体10と柱状支持体20とを作製する。
保持体10の作製方法は、例えば以下の通りである。まず、窒化アルミニウム粉末100重量部に、酸化イットリウム(Y)粉末1重量部と、アクリル系バインダ20重量部と、適量の分散剤および可塑剤とを加えた混合物に、トルエン等の有機溶剤を加え、ボールミルにて20時間混合し、グリーンシート用スラリーを作製する。このグリーンシート用スラリーをキャスティング装置でシート状に成形した後に乾燥させ、グリーンシートを複数枚作製する。
また、窒化アルミニウム粉末、アクリル系バインダ、テルピネオール等の有機溶剤の混合物に、タングステンやモリブデン等の金属粉末を添加して混練することにより、メタライズペーストを作製する。このメタライズペーストを例えばスクリーン印刷装置を用いて印刷することにより、特定の各グリーンシートに、後に抵抗発熱体50、受電電極60等となる未焼結導体層を形成する。また、グリーンシートにあらかじめビア孔を設けた状態で印刷することにより、後にビア導体52となる未焼結導体部を形成する。なお、受電電極60用のメタライズペーストとして、タングステンやモリブデン等の金属粉末と窒化アルミニウム粉末との含有比率が互いに異なる2種類のメタライズペーストを準備する。所定のグリーンシートに、まず、2種類のメタライズペーストの内の金属粉末の含有比率が低い方のメタライズペーストの印刷を行い、その後、印刷されたメタライズペーストの上に、金属粉末の含有比率が高い方のメタライズペーストの印刷を行う。なお、メタライズペーストの印刷の際には、例えば1回で50μm以上の厚さになるようにメタライズペーストを印刷し、有機溶剤を揮発させるために乾燥させる。この工程を、設定された厚さになるまで繰り返し実行する。受電電極60用の各メタライズペーストの印刷後、その外周部を全周にわたって覆うように、セラミックスペースト(例えば、窒化アルミニウムとアクリル系バインダとテルピネオール等の有機溶剤との混合物)の印刷を行う。
次に、これらのグリーンシートを複数枚(例えば20枚)熱圧着し、必要に応じて外周を切断して、グリーンシート積層体(例えば厚さ8mm)を作製する。このグリーンシート積層体をマシニングによって切削加工して円板状の成形体を作製し、この成形体を脱脂し、さらにこの脱脂体を焼成して焼成体を作製する。この焼成体の表面を研磨加工する。以上の工程により、保持体10が作製される。
また、柱状支持体20の作製方法、例えば以下の通りである。まず、窒化アルミニウム粉末100重量部に、酸化イットリウム粉末1重量部と、PVAバインダ3重量部と、適量の分散剤および可塑剤とを加えた混合物に、メタノール等の有機溶剤を加え、ボールミルにて混合し、スラリーを得る。このスラリーをスプレードライヤーにて顆粒化し、原料粉末を作製する。次に、貫通孔22に対応する中子が配置されたゴム型に原料粉末を充填し、冷間静水圧プレスして成形体を得る。得られた成形体を脱脂し、さらにこの脱脂体を焼成する。以上の工程により、柱状支持体20が作製される。
次に、保持体10と柱状支持体20とを接合する。保持体10の裏面S2および柱状支持体20の上面S5に対して必要によりラッピング加工を行った後、保持体10の裏面S2と柱状支持体20の上面S5との少なくとも一方に、例えば希土類や有機溶剤等を混合してペースト状にした公知の接合剤を均一に塗布した後、脱脂処理する。次いで、保持体10の裏面S2と柱状支持体20の上面S5とを重ね合わせ、ホットプレス焼成を行うことにより、保持体10と柱状支持体20とを接合する。
保持体10と柱状支持体20との接合の後、各緩衝部材72を貫通孔22内に挿入し、各緩衝部材72の上端部を各受電電極60の下面S3に、非活性ろう材(例えば、Ni系、Au系、Ag系のろう材)を用いてろう付け(950〜1150℃、10〜30分)することにより、パッド側接合部76を形成する。また、各電極端子74を貫通孔22内に挿入し、各電極端子74の上端部を各緩衝部材72に、例えばAg系のろう材を用いてろう付けすることにより、端子側接合部78を形成する。主として以上の製造方法により、上述した構成の加熱装置100が製造される。
A−4.第1実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の加熱装置100は、Z軸方向に略直交する保持面S1と、保持面S1とは反対側の裏面S2と、を有する保持体10を備え、保持体10の保持面S1上に半導体ウェハW等の対象物を保持する装置である。加熱装置100は、抵抗発熱体50と、受電電極60と、金属製の緩衝部材72と、パッド側接合部76とを備える。抵抗発熱体50は、保持体10の内部に配置された内部電極である。受電電極60は、抵抗発熱体50と電気的に接続された導電性の部材であり、金属材料とセラミックス材料とを含むように形成されている。受電電極60の外周部OPは、保持体10の内部に配置され、受電電極60の外周部OP以外の部分である内側部IPは、保持体10の裏面S2に露出している。パッド側接合部76は、非活性ろう材により形成されており、受電電極60の内側部IPと緩衝部材72とを接合する。また、本実施形態の加熱装置100では、受電電極60の内、パッド側接合部76に対向する側の下面S3を含む第1の部分P1における金属材料の含有割合は、Z軸方向において第1の部分P1に隣接すると共に第1の部分P1と同一の厚さを有し、かつ、下面S3とは反対側の上面S4を含む第2の部分P2における金属材料の含有割合より高い。本実施形態の加熱装置100は、このような構成を有するため、以下に詳述するように、受電電極60全体の剥離が発生することを抑制しつつ、受電電極60と緩衝部材72との間の導通不良や緩衝部材72の外れ(脱落)が発生することを抑制することができる。
図4は、比較例の加熱装置の一部分(図2のX1部に相当する部分)のXZ断面構成を拡大して示す説明図である。図4に示す比較例における受電電極60aは、上述した実施形態の受電電極60と同様に、金属材料とセラミックス材料とを含むように形成されており、かつ、外周部OPが保持体10の内部に配置され、内側部IPが保持体10の裏面S2に露出している。ただし、比較例における受電電極60aは、上述した実施形態の受電電極60と異なり、単層構成である。そのため、比較例における受電電極60aにおいて、パッド側接合部76に対向する側の表面(下面S3)を含む部分である第1の部分P1と、下面S3とは反対側の上面S4を含み、Z軸方向において第1の部分P1に隣接すると共に第1の部分P1と同一の厚さを有する第2の部分P2とを想定すると、第1の部分P1における金属材料の含有割合は、第2の部分P2における金属材料の含有割合と同一である。
このように、比較例における受電電極60aでは、下面S3を含む第1の部分P1と上面S4を含む第2の部分P2とで金属材料の含有割合が同一である。そのため、仮に、受電電極60aにおける金属材料の含有割合が比較的低い(すなわち、セラミックス材料の含有割合が比較的高い)ものとすると、受電電極60aと非活性ろう材により形成されたパッド側接合部76との間の接合性が低くなり、パッド側接合部76の位置での剥離による受電電極60aと緩衝部材72との間の導通不良や緩衝部材72の外れ(脱落)が発生するおそれがある。反対に、受電電極60aにおける金属材料の含有割合が比較的高い(すなわち、セラミックス材料の含有割合が比較的低い)ものとすると、受電電極60aの表面(下面S3および上面S4)が保持体10を構成するセラミックス材料と強固に接合されず、受電電極60a全体の剥がれが発生するおそれがある。
これに対し、本実施形態の加熱装置100では、受電電極60の内、受電電極60の上面S4を含む第2の部分P2における金属材料の含有割合が比較的低い(すなわち、セラミックス材料の含有割合が比較的高い)。そのため、受電電極60の上面S4側の第2の部分P2を、保持体10を構成するセラミックス材料と強固に接合させることができ、受電電極60全体の剥がれが発生することを抑制することができる。また、本実施形態の加熱装置100では、受電電極60の内、受電電極60の下面S3を含む第1の部分P1における金属材料の含有割合が比較的高い(すなわち、セラミックス材料の含有割合が比較的低い)。そのため、受電電極60の下面S3側の第1の部分P1と、非活性ろう材により形成されたパッド側接合部76とを強固に接合させることができ、パッド側接合部76の位置での剥離に起因する受電電極60と緩衝部材72との間の導通不良や、緩衝部材72の外れ(脱落)が発生することを抑制することができる。このように、本実施形態の加熱装置100によれば、受電電極60全体の剥離が発生することを抑制しつつ、受電電極60と緩衝部材72との間の導通不良や緩衝部材72の外れ(脱落)が発生することを抑制することができる。
なお、本実施形態の加熱装置100において、受電電極60の第2の部分P2における金属材料の含有割合は、25vol%以上、70vol%未満であることが好ましい。このような構成を採用すれば、受電電極60の第2の部分P2における金属材料の含有割合が過度に高くない(70vol%未満である)ため、受電電極60の上面S4側の第2の部分P2を、保持体10を構成するセラミックス材料とより強固に接合させることができ、受電電極60全体の剥がれが発生することを効果的に抑制することができる。また、このような構成を採用すれば、受電電極60の第2の部分P2における金属材料の含有割合が過度に低くない(25vol%以上である)ため、受電電極60の第1の部分P1と第2の部分P2との間における金属材料の含有割合の差が過度に大きくなることを回避することができ、該金属材料の含有割合の差に起因する受電電極60の内部での剥離の発生を抑制することができる。
また、本実施形態の加熱装置100において、受電電極60の第1の部分P1における金属材料の含有割合は、70vol%以上であることが好ましい。上述したように、本実施形態の加熱装置100では、受電電極60の上面S4を含む第2の部分P2におけるセラミックス材料の含有割合が比較的高いため、第2の部分P2を保持体10を構成するセラミックス材料と強固に接合させることができ、受電電極60全体の剥がれが発生することを抑制することができる。ここで、受電電極60の下面S3を含む第1の部分P1においても、セラミックス材料の含有割合が比較的高いものとすると、受電電極60における上面S4と下面S3(ただし、保持体10の内部に配置された部分P3(図4参照))との両方が保持体10を構成するセラミックス材料と強固に接合され、その結果、加熱装置100が熱サイクルに晒されたときに生じる応力を緩和することができず、受電電極60(の例えば、外周部OPと内側部IPとの境界付近)にクラックCLが発生するおそれがある。受電電極60にクラックCLが発生すると、受電電極60と緩衝部材72との間の導通不良の要因や、クラックCLを介した酸素の侵入による受電電極60の急激な酸化の要因となり得る。特に、本実施形態のように、パッド側接合部76が非活性ろう材により形成されているためにパッド側接合部76が保持体10の裏面S2とは接合されていない構成では、パッド側接合部76と保持体10の裏面S2との間を介して酸素が侵入しやすいため、該酸素がクラックCLを介して受電電極60の上面S4側にもまわることにより、受電電極60の急激な酸化が発生しやすい。また、図4に示すように、クラックCLがさらに保持体10の内部まで進行すると、クラックCLの箇所で剥離が発生し、緩衝部材72の外れ(脱落)が発生するおそれがある。これに対し、受電電極60の第1の部分P1における金属材料の含有割合が70vol%以上であるという構成を採用すれば、受電電極60の下面S3を含む第1の部分P1が保持体10を構成するセラミックス材料と強固に接合されることを抑制することができ、その結果、加熱装置100が熱サイクルに晒されたときに、受電電極60の第2の部分P2と保持体10を構成するセラミックス材料との間が剥離することによって応力を緩和することができ、受電電極60にクラックCLが発生することを抑制することができる。
A−5.性能評価:
特性が互いに異なる複数の加熱装置100のサンプルを作製し、該サンプルを用いて性能評価を行った。図5は、性能評価結果を示す説明図である。
A−5−1.各サンプルについて:
図5に示すように、本性能評価には、加熱装置100の12個のサンプル(サンプルSA1〜SA12)が用いられた。12個のサンプルSAの内、サンプルSA1〜SA8,SA11,SA12では、上述した実施形態と同様に、受電電極60が、下層61と上層62との2層から構成されている。なお、本性能評価では、下層61と上層62との厚さを略同一としたことから、第1の部分P1は下層61のみから構成された部分となり、第2の部分P2は上層62のみから構成された部分となっている。一方、サンプルSA9,SA10では、受電電極60が単層構成とされている。各サンプルSAでは、受電電極60の各部分(第1の部分P1および第2の部分P2)における金属材料の含有割合(vol%)が互いに異なっている。
また、12個のサンプルSAの内、サンプルSA1〜SA11では、上述した実施形態と同様に、受電電極60の外周部OPが保持体10の内部に配置された構成を採用したが、サンプルSA12では、受電電極60の外周部OPが、内側部IPと同様に、保持体10の裏面S2から露出した構成を採用した。
各サンプルSAは、上述した実施形態に記載した製造方法と同様の方法により作製した。なお、各サンプルSAにおいて、保持体10および受電電極60に含まれるセラミックス材料として窒化アルミニウムを用い、受電電極60に含まれる金属材料としてタングステンを用い、パッド側接合部76としてNi系ろう材を用い、緩衝部材72を構成する金属材料としてタングステン系合金を用いた。また、各サンプルSAにおいて、受電電極60の直径は6.5mm程度とし、受電電極60の厚さは0.02mm程度とした。
A−5−2.評価方法について:
各サンプルSAを対象として、接合強度評価を行った。具体的には、パッド側接合部76に所定の2段階の引張加重(条件1:200N、条件2:300N)を加え、それぞれの段階について、クラックや剥離等が確認されなかった場合に合格(〇)と判定し、クラックや剥離等が確認された場合に不合格(×)と判定した。
また、各サンプルSAを対象として、熱サイクル評価を行った。具体的には、100℃と600℃との間の昇降温を150回繰り返したときに、緩衝部材72の外れ(脱落)や受電電極60と緩衝部材72との間の導通不良が確認されなかった場合に合格(〇)と判定し、そのような外れ(脱落)や導通不良が確認された場合に不合格(×)と判定した。
各サンプルSAについて、接合強度評価の条件1(引張加重:200N)において不合格(×)と判定された場合に、総合評価:不良(×)と判定し、接合強度評価の条件1において合格(〇)と判定されたが、接合強度評価の条件2(引張加重:300N)において不合格(×)と判定された場合に、総合評価:良(△)と判定し、接合強度評価の条件1および条件2において合格(〇)と判定されたが、熱サイクル評価において不合格(×)と判定された場合に、総合評価:優秀(〇)と判定し、いずれの評価においても合格(〇)と判定された場合に、総合評価:非常に優秀(◎)と判定した。
A−5−3.評価結果について:
図5に示すように、サンプルSA12では、接合強度評価の条件1(引張加重:200N)において不合格(×)と判定されたため、総合評価:不良(×)と判定された。サンプルSA12では、受電電極60の外周部OPが、保持体10の内部に配置されず、保持体10の裏面S2から露出しているため、受電電極60と保持体10との接合性が低くなり、接合強度評価の条件1で不合格となったものと考えられる。
また、サンプルSA9では、接合強度評価の条件1(引張加重:200N)において不合格(×)と判定されたため、総合評価:不良(×)と判定された。サンプルSA9では、受電電極60が単層構成であり、かつ、受電電極60における金属材料の含有割合が50vol%と比較的低い(すなわち、セラミックス材料の含有割合が比較的高い)ため、受電電極60と非活性ろう材により形成されたパッド側接合部76との間の接合性が低くなり、接合強度評価の条件1で不合格となったものと考えられる。
また、サンプルSA10では、接合強度評価の条件1(引張加重:200N)において不合格(×)と判定されたため、総合評価:不良(×)と判定された。サンプルSA10では、受電電極60が単層構成であり、かつ、受電電極60における金属材料の含有割合が80vol%と比較的高い(すなわち、セラミックス材料の含有割合が比較的低い)ため、受電電極60の表面(下面S3および上面S4)が保持体10を構成するセラミックス材料と強固に接合されず、接合強度評価の条件1で不合格となったものと考えられる。
また、サンプルSA11では、接合強度評価の条件1(引張加重:200N)において不合格(×)と判定されたため、総合評価:不良(×)と判定された。サンプルSA11では、受電電極60が下層61と上層62とから構成されているものの、受電電極60のうち、受電電極60の上面S4を含む第2の部分P2における金属材料の含有割合が99%と比較的高く(すなわち、セラミックス材料の含有割合が比較的低く)、かつ、受電電極60の下面S3を含む第1の部分P1における金属材料の含有割合が50%と比較的低い(すなわち、セラミックス材料の含有割合が比較的高い)。そのため、サンプルSA11では、受電電極60の上面S4を含む第2の部分P2が保持体10を構成するセラミックス材料と強固に接合されず、かつ、受電電極60の下面S3を含む第1の部分P1と非活性ろう材により形成されたパッド側接合部76との間の接合性が低くなり、接合強度評価の条件1で不合格となったものと考えられる。
これに対し、サンプルSA1〜SA8では、接合強度評価の条件1において合格(〇)と判定されたため、総合評価:良(△)以上と判定された。これらのサンプルSAでは、受電電極60の内、受電電極60の上面S4を含む第2の部分P2における金属材料の含有割合が、受電電極60の下面S3を含む第1の部分P1における金属材料の含有割合より低い(すなわち、第2の部分P2におけるセラミックス材料の含有割合が、第1の部分P1におけるセラミックス材料の含有割合より高い)。換言すれば、第1の部分P1における金属材料の含有割合が、第2の部分P2における金属材料の含有割合より高い(すなわち、第1の部分P1におけるセラミックス材料の含有割合が、第2の部分P2におけるセラミックス材料の含有割合より低い)。このように、これらのサンプルSAでは、受電電極60の上面S4側の第2の部分P2におけるセラミックス材料の含有割合が比較的高いため、受電電極60の上面S4側の第2の部分P2を、保持体10を構成するセラミックス材料と強固に接合させることができ、受電電極60全体の剥がれが発生することを抑制することができたものと考えられる。また、これらのサンプルSAでは、受電電極60の下面S3側の第1の部分P1における金属材料の含有割合が比較的高いため、受電電極60の下面S3側の第1の部分P1を、非活性ろう材により形成されたパッド側接合部76と強固に接合させることができ、パッド側接合部76の位置での剥離に起因する緩衝部材72の外れ(脱落)が発生することを抑制することができたものと考えられる。
なお、総合評価:良(△)以上と判定されたサンプルSA1〜SA8の内、サンプルSA6,SA8では、接合強度評価の条件2(引張加重:300N)において不合格(×)と判定されたため、総合評価:良(△)と判定された。一方、サンプルSA1〜SA5,SA7では、接合強度評価の条件2においても合格(〇)と判定されたため、総合評価:優秀(〇)以上と判定された。サンプルSA6,SA8では、受電電極60の第2の部分P2における金属材料の含有割合が、25vol%未満、または、70vol%以上であるのに対し、サンプルSA1〜SA5,SA7では、第2の部分P2における金属材料の含有割合が、25vol%以上、70vol%未満である。すなわち、、サンプルSA1〜SA5,SA7では、受電電極60の上面S4側の第2の部分P2における金属材料の含有割合が過度に高くない(70vol%未満である)ため、受電電極60の第2の部分P2を、保持体10を構成するセラミックス材料とより強固に接合させることができ、受電電極60全体の剥がれが発生することを効果的に抑制することができ、かつ、受電電極60の上面S4側の第2の部分P2における金属材料の含有割合が過度に低くない(25vol%以上である)ため、受電電極60の上面S4側の第2の部分P2と、下面S3側の第1の部分P1との間における金属材料の含有割合の差が過度に大きくなることを回避することができ、該金属材料の含有割合の差に起因する受電電極60の内部剥離の発生を抑制することができたものと考えられる。
また、総合評価:優秀(〇)以上と判定されたサンプルSA1〜SA5,SA7の内、サンプルSA7では、熱サイクル評価において不合格(×)と判定されたため、総合評価:優秀(〇)と判定された。一方、サンプルSA1〜SA5では、熱サイクル評価においても合格(〇)と判定されたため、総合評価:非常に優秀(◎)と判定された。サンプルSA7では、受電電極60の第1の部分P1における金属材料の含有割合が、70vol%未満である一方、サンプルSA1〜SA5では、第1の部分P1における金属材料の含有割合が、70vol%以上である。すなわち、サンプルSA1〜SA5では、受電電極60の下面S3を含む第1の部分P1におけるセラミックス材料の含有割合が比較的低いため、受電電極60の下面S3を含む第1の部分P1が保持体10を構成するセラミックス材料と強固に接合されることを抑制することができ、その結果、加熱装置100が熱サイクルに晒されたときに、受電電極60の下面S3と保持体10を構成するセラミックス材料との間が剥離することによって応力を緩和することができ、受電電極60にクラックCLが発生することを抑制することができたものと考えられる。
上述した性能評価結果から、受電電極60の内、パッド側接合部76に対向する側の下面S3を含む第1の部分P1における金属材料の含有割合は、Z軸方向において第1の部分P1に隣接すると共に第1の部分P1と同一の厚さを有し、かつ、下面S3とは反対側の上面S4を含む第2の部分P2における金属材料の含有割合より高い、という構成を採用すれば、受電電極60全体の剥離が発生することを抑制しつつ、緩衝部材72の外れ(脱落)が発生することを抑制することができることが確認された。
また、上述した性能評価結果から、受電電極60の第2の部分P2における金属材料の含有割合が25vol%以上、70vol%未満である構成を採用すれば、受電電極60全体の剥離が発生することを効果的に抑制しつつ、緩衝部材72の外れ(脱落)が発生することを効果的に抑制することができることが確認された。
さらに、上述した性能評価結果から、受電電極60の第1の部分P1における金属材料の含有割合が70vol%以上である構成を採用すれば、熱サイクルに晒されても受電電極60にクラックCLが発生することを抑制することができることが確認された。
A−6.受電電極60における各部分の金属材料の含有比率の特定方法:
加熱装置100を構成する受電電極60における各部分の金属材料の含有比率の特定方法は、以下の通りである。すなわち、対象の加熱装置100を切断して、Z軸方向(保持面S1に略垂直な方向)に平行な断面であって、受電電極60を含む断面を露出させる。該断面を研磨した後、受電電極60の厚さ方向(Z軸方向)の全体を含むSEM画像を取得する。このSEM画像において、濃淡差により、金属材料(金属粒子)とセラミックス材料(セラミックス粒子)とを識別する。また、受電電極60と保持体10との境界線は、受電電極60に金属材料が含まれ、かつ、保持体10に金属材料が含まれないような境界線を、受電電極60の領域が最小となるように引くことによって特定する。受電電極60の各部分(第1の部分P1および第2の部分P2)において、Z軸方向に直交する複数の直線を2μmピッチで引き、各直線について、金属材料に重なる部分の長さの合計(A)と、セラミックス材料に重なる部分の長さの合計(B)とを算出し、合計(A)と合計(B)との和に対する合計(A)の比を、金属材料の含有比率(vol%)として算出する。各直線についての金属材料の含有比率の平均値を、最終的な金属材料の含有比率として算出する。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における加熱装置100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、各電極端子74と各受電電極60との間に緩衝部材72が配置されているが、緩衝部材72が配置されず、各電極端子74と各受電電極60とが非活性ろう材により形成された接合部により接合されているとしてもよい。このような形態では、電極端子74が特許請求の範囲における給電部材に相当する。
また、上記実施形態における受電電極60の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、受電電極60は、略平板状部材の外周部分が全周にわたって斜め上方に屈曲したような形状であるが、受電電極60は、外周部OPが保持体10の内部に配置され、かつ、内側部IPが保持体10の裏面S2に露出している限りにおいて、他の形状であってもよい。また、上記実施形態では、受電電極60は、受電電極60の下面S3を含む下層61と、受電電極60の上面S4を含み、下層61と比較して金属材料の含有割合(vol%)が低い上層62と、の2層から構成されているが、下層61と上層62との間に他の層が介在していてもよい。この場合において、受電電極60の上面S4に近い層ほど金属材料の含有割合が低い(セラミックス材料の含有割合が高い)構成であることが好ましい。
また、上記実施形態では、保持体10の内部に配置された抵抗発熱体50に電気的に接続された受電電極60の構成について説明したが、保持体10の内部に配置された他の内部電極に電気的に接続された受電電極が同様の構成であるとしてもよい。
また、上記実施形態の加熱装置100における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。また、上記実施形態における加熱装置100の製造方法は、あくまで一例であり、種々変形可能である。
また、本発明は、加熱装置100に限らず、セラミックス部材と、セラミックス部材の内部に配置された内部電極(ヒータ電極、チャック電極、RF電極等)と、内部電極と電気的に接続された導電性の接続部材と、金属製の給電部材と、非活性ろう材により形成され、接続部材と給電部材とを接合する接合部とを備え、セラミックス部材の表面上に対象物を保持する他の保持装置(例えば、静電チャック等)にも同様に適用可能である。
10:保持体 12:凹部 20:柱状支持体 22:貫通孔 30:接合部 50:抵抗発熱体 52:ビア導体 60:受電電極 61:下層 62:上層 72:緩衝部材 74:電極端子 76:パッド側接合部 78:端子側接合部 100:加熱装置 CL:クラック IP:内側部 OP:外周部 P1:第1の部分 P2:第2の部分 S1:保持面 S2:裏面 S3:下面 S4:上面 S5:上面 W:半導体ウェハ

Claims (3)

  1. 第1の方向に略直交する第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有するセラミックス部材と、
    前記セラミックス部材の内部に配置された内部電極と、
    前記内部電極と電気的に接続された導電性の接続部材であって、金属材料とセラミックス材料とを含むように形成され、外周部が前記セラミックス部材の内部に配置され、かつ、前記外周部以外の部分である内側部が前記セラミックス部材の前記第2の表面に露出している接続部材と、
    金属製の給電部材と、
    非活性ろう材により形成され、前記接続部材の前記内側部と前記給電部材とを接合する接合部と、
    を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、
    前記接続部材の内、前記接合部に対向する側の第3の表面を含む第1の部分における前記金属材料の含有割合は、前記接続部材の内、前記第1の方向において前記第1の部分に隣接すると共に前記第1の部分と同一の厚さを有し、かつ、前記第3の表面とは反対側の第4の表面を含む第2の部分における前記金属材料の含有割合より高い、
    ことを特徴とする保持装置。
  2. 請求項1に記載の保持装置において、
    前記第2の部分における前記金属材料の含有割合は、25vol%以上、70vol%未満である、
    ことを特徴とする保持装置。
  3. 請求項2に記載の保持装置において、
    前記第1の部分における前記金属材料の含有割合は、70vol%以上である、
    ことを特徴とする保持装置。
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