A.第1実施形態:
A-1.静電チャック10の構成:
図1は、本実施形態における静電チャック10の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における静電チャック10のXZ断面構成を概略的に示す説明図であり、図3は、本実施形態における静電チャック10のXY断面構成を模式的に示す説明図である。図2には、図3のII-IIの位置における静電チャック10のXZ断面構成が示されており、図3には、図2のIII-IIIの位置における静電チャック10のXY断面構成が示されている。図4は、図2のX1部における静電チャック10のXZ断面構成を拡大して示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、静電チャック10は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。
静電チャック10は、対象物(例えばウェハW)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば半導体製造装置の真空チャンバー内でウェハWを固定するために使用される。静電チャック10は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向(Z軸方向))に並べて配置されたセラミックス部材100およびベース部材200を備える。セラミックス部材100とベース部材200とは、セラミックス部材100の下面S2(図2参照)とベース部材200の上面S3とが上記配列方向に対向するように配置される。
セラミックス部材100は、上述した配列方向(Z軸方向)に略直交する略円形平面状の上面(以下、「吸着面」という。)S1を有する板状部材であり、セラミックスにより形成されている。なお、セラミックス部材100の直径は例えば50mm~500mm程度(通常は200mm~350mm程度)であり、セラミックス部材100の厚さは例えば1mm~10mm程度である。
セラミックス部材100の形成材料としては、種々のセラミックスが用いられ得るが、強度や耐摩耗性、耐プラズマ性等の観点から、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ、Al2O3)または窒化アルミニウム(AlN)を主成分とするセラミックスが用いられることが好ましい。なお、本明細書において主成分とは、含有割合(重量割合)の最も多い成分を意味する。
図2に示すように、セラミックス部材100の内部には、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されたチャック電極400が設けられている。Z軸方向視でのチャック電極400の形状は、例えば略円形である。チャック電極400に電源(図示しない。)から電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWがセラミックス部材100の吸着面S1に吸着固定される。
セラミックス部材100の内部には、また、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)を含む抵抗発熱体により構成されたヒータ電極500が設けられている。図3に示すように、Z軸方向視でのヒータ電極500の形状は、例えば略螺旋状である。ヒータ電極500に電源(図示しない。)から電圧が印加されると、ヒータ電極500が発熱することによってセラミックス部材100が温められ、セラミックス部材100の吸着面S1に保持されたウェハWが温められる。これにより、ウェハWの温度制御が実現される。
ベース部材200は、例えばセラミックス部材100と同径の、または、セラミックス部材100より径が大きい円形平面の板状部材であり、例えば金属(アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成されている。ベース部材200の直径は例えば220mm~550mm程度(通常は220mm~350mm)であり、ベース部材200の厚さは例えば20mm~40mm程度である。
ベース部材200は、セラミックス部材100の下面S2とベース部材200の上面S3との間に配置された接合部300によって、セラミックス部材100に接合されている。接合部300は、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の接着材により構成されている。接合部300の厚さは、例えば0.1mm~1mm程度である。なお、接合部300は、セラミックス部材100の下面S2の全面に配置されていてもよく、または、下面S2の一部のみに配置されていてもよい。
ベース部材200の内部には冷媒流路210が形成されている。冷媒流路210に冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)が流されると、ベース部材200が冷却され、接合部300を介したベース部材200とセラミックス部材100との間の伝熱(熱引き)によりセラミックス部材100が冷却され、セラミックス部材100の吸着面S1に保持されたウェハWが冷却される。これにより、ウェハWの温度分布の制御が実現される。
A-2.チャック電極400およびヒータ電極500への給電のための構成:
次に、図2および図4を用いて、チャック電極400およびヒータ電極500への給電のための構成について説明する。なお、図4では、絶縁部材80の図示を省略している。以降の図5、図6および図7についても同様に、絶縁部材80の図示を省略している。
静電チャック10は、ヒータ電極500への給電のための構成を備えている。すなわち、図2に示すように、静電チャック10には、ベース部材200の下面S4からセラミックス部材100の内部に至るヒータ電極用端子用孔150が形成されている。ヒータ電極用端子用孔150は、ベース部材200を上下方向に貫通する貫通孔25と、接合部300を上下方向に貫通する貫通孔35と、セラミックス部材100の下面S2側に形成された凹部15とが、互いに連通することにより構成された一体の孔である。本実施形態では、ヒータ電極用端子用孔150を構成する貫通孔25,35は、断面(面方向に平行な断面)が円形状の孔である。凹部15の形状については、後で詳述する。
セラミックス部材100におけるヒータ電極用端子用孔150を構成する凹部15の底面SB(図4参照)には、ヒータ電極用ビア51を介してヒータ電極500と電気的に接続されたヒータ電極用電極パッド52が配置されている。ヒータ電極用電極パッド52の形状については、後で詳述する。ヒータ電極用電極パッド52およびヒータ電極用ビア51は、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されている。なお、ヒータ電極用電極パッド52は、厚さ方向(Z軸方向)の全体がセラミックス部材100から露出している。ただし、ヒータ電極用電極パッド52の下面がセラミックス部材100から露出している限りにおいて、ヒータ電極用電極パッド52における厚さ方向の一部分または全体が、セラミックス部材100に埋設されていてもよい。
ヒータ電極用端子用孔150内には、Z軸方向に延びる柱状かつ金属製のヒータ電極用給電端子54が配置されている。本実施形態では、ヒータ電極用給電端子54のXY断面(面方向に平行な断面)は、円形である。ヒータ電極用給電端子54の上端は、ヒータ電極用電極パッド52と隙間を介して対向しており、ヒータ電極用給電端子54は、例えば、ヒータ電極側ろう付け部56によってヒータ電極用電極パッド52に接合されている。ヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52との接合箇所付近の構成については、後に詳述する。
ベース部材200とヒータ電極用端子用孔150内に配置されたヒータ電極用給電端子54との間を絶縁するため、ヒータ電極用端子用孔150内には、管状の絶縁部材80が配置されている。絶縁部材80は、ヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用端子用孔150の表面との間に介在するように、ヒータ電極用給電端子54を連続的に取り囲んでいる。絶縁部材80は、例えば、樹脂やセラミックス等の絶縁材料により構成されている。なお、絶縁部材80の周り、具体的には、絶縁部材80とヒータ電極用給電端子54との間や、絶縁部材80とセラミックス部材100との間、絶縁部材80とベース部材200との間には、接着材が配置されている。接着材は、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の接着材により構成されており、絶縁部材80をヒータ電極用給電端子54やセラミックス部材100、ベース部材200に接合する。
ヒータ電極500への給電のための構成は上述の通りである。静電チャック10の使用時には、電源(図示しない。)から、ヒータ電極用給電端子54、ヒータ電極用電極パッド52およびヒータ電極用ビア51を介してヒータ電極500に至る導通経路を介して、ヒータ電極500に電圧が印加される。これにより、ヒータ電極500が発熱する。
なお、チャック電極400への給電のための構成も、ヒータ電極500への給電のための構成と同様である。すなわち、図2に示すように、静電チャック10には、ベース部材200の下面S4からセラミックス部材100の内部に至るチャック電極用端子用孔140が形成されている。チャック電極用端子用孔140は、ベース部材200を上下方向に貫通する貫通孔24と、接合部300を上下方向に貫通する貫通孔34と、セラミックス部材100の下面S2側に形成された凹部14とが、互いに連通することにより構成された一体の孔である。また、セラミックス部材100におけるチャック電極用端子用孔140を構成する凹部14の底面には、チャック電極用ビア41を介してチャック電極400と電気的に接続されたチャック電極用電極パッド42が配置されている。チャック電極用電極パッド42およびチャック電極用ビア41の構成については、ヒータ電極用電極パッド52およびヒータ電極用ビア51と同様であるため、説明を省略する。チャック電極用端子用孔140内には、Z軸方向に延びる柱状かつ金属製のチャック電極用給電端子44が配置されている。ベース部材200とチャック電極用端子用孔140内に配置されたチャック電極用給電端子44との間を絶縁するため、チャック電極用端子用孔140内には、管状の絶縁部材60が配置されている。凹部14の形状、チャック電極用電極パッド42の形状およびチャック電極用給電端子44とチャック電極用電極パッド42との接合箇所付近の構成については、後で詳述する。
静電チャック10の使用時には、電源(図示しない。)から、チャック電極用給電端子44、チャック電極用電極パッド42およびチャック電極用ビア41を介してチャック電極400に至る導通経路を介して、チャック電極400に電圧が印加される。これにより、ウェハWを吸着面S1に吸着固定するための静電引力が発生する。
A-3.ヒータ電極用電極パッド52付近の詳細構成:
A-3-1.セラミックス部材100の凹部15の形状詳細:
上述したように、図4は、図2のX1部における静電チャック10のXZ断面構成を拡大して示す説明図である。図4には、ヒータ電極用給電端子54の軸心を通るZ軸方向に平行な断面が示されている。また、上述したように、本実施形態では、Z軸方向視での、セラミックス部材100におけるヒータ電極用端子用孔150を構成する凹部15の形状は、中心点POを中心とする略円形である。Z軸方向視における凹部15の直径A1は、例えば、5mm以上、10mm以下である。Z軸方向における凹部15の最大深さH1は、例えば、10mm以上である。また、凹部15の底面SBは、おおよそ凸状の形状である。より詳細には、凹部15の底面SBの形状は、ヒータ電極用給電端子54の軸心方向(凹部15の底面SBの中心点POを通るZ軸方向)に平行な断面において、凹部15の底面SBの中心点POを頂点とする下方向に凸状の曲線である。また、当該曲線の両端点のZ軸方向における位置は、略同一である。当該曲線の両端点と中心点POとの間のZ軸方向における距離は、例えば、1mm以上、3mm以下である。なお、本実施形態において、凹部15の上記形状は、ヒータ電極用給電端子54の軸心を含む任意の断面において採用されている。
A-3-2.ヒータ電極用電極パッド52の形状の詳細:
本実施形態では、Z軸方向視でのヒータ電極用電極パッド52の形状は、略円形である。Z軸方向視におけるヒータ電極用電極パッド52の直径A2は、ヒータ電極用端子用孔150を構成する凹部15の直径A1より小さく、例えば、3mm以上、5mm以下である。また、ヒータ電極用電極パッド52の表面の内の、ヒータ電極用給電端子54に対向する側の表面であるヒータ電極用電極パッド52の表面SE1(以下、「下面SE1」ともいう。)は、おおよそ凸状の形状である。より詳細には、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、凹部15の底面SBの中心点POを通るZ軸方向に平行な断面において、下方向に凸状の曲線である。本実施形態では、ヒータ電極用電極パッド52の表面の内の、凹部15の底面SBと接触している表面SE2(以下、「上面SE2」ともいう。)は、おおよそ凹状の形状である。より詳細には、ヒータ電極用電極パッド52の上面SE2は、凹部15の底面SBの中心点POを通るZ軸方向に平行な断面において、凹部15の底面SBの中心点POを頂点とする下方向に凸状の曲線である。すなわち、ヒータ電極用電極パッド52は、全体として下方向に凸状の形状である。また、Z軸方向におけるヒータ電極用電極パッド52の厚みW1は、例えば、10μm以上、50μm以下である。
A-3-3.ヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52との接合箇所付近の詳細構成:
上述したように、ヒータ電極用給電端子54は、ヒータ電極側ろう付け部56によってヒータ電極用電極パッド52に接合されている。ヒータ電極用給電端子54における上端部分は、セラミックス部材100の下面S2に形成された凹部15に収容されている。以下、ヒータ電極用給電端子54における凹部15内に収容された柱状部分を、凹部内部分55という。ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55が、該凹部15の底面SBに配置されたヒータ電極用電極パッド52と、ヒータ電極側ろう付け部56によって接合されている。ヒータ電極側ろう付け部56は、例えば、Ag合金(Ag-Cu系合金等)、または、純Agといった金属ろう材を用いて形成されている。
本実施形態では、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55の長さ(Z軸方向における寸法)は、例えば、10mm以上である。凹部内部分55の長さは、凹部15の最大深さH1より短い。また、凹部内部分55の直径A3(Z軸方向視における寸法)は、凹部15の直径A1(Z軸方向視における寸法)より小さく、かつ、ヒータ電極用電極パッド52の直径A2(Z軸方向視における寸法)より小さい。すなわち、Z軸方向視で、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1の外縁P1は、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55における、ヒータ電極用電極パッド52に対向する側の表面SFの外縁P2を取り囲んでいる。ここで、ヒータ電極用電極パッド52の直径A2とは、ヒータ電極用電極パッド52の表面の内の凹部15の底面SBと接触している上面SE2とは反対側の下面SE1のZ軸方向視における寸法、すなわち、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1の外縁P1のZ軸方向視における寸法である。なお、凹部内部分55の直径A3は、例えば、3.5mm以上、5mm以下である。また、凹部内部分55の直径A3とヒータ電極用電極パッド52の直径A2との差は、例えば、0.2mm以上であることが好ましい。
また、上述したように、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55は、該凹部15の底面SBに配置されたヒータ電極用電極パッド52と、ヒータ電極側ろう付け部56によって接合されている。図4に示すように、本実施形態では、ヒータ電極側ろう付け部56は、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1の内、Z軸方向視において、凹部内部分55と重なる部分だけでなく、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1の外縁P1を覆うように形成されている。すなわち、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、全体にわたってヒータ電極側ろう付け部56に覆われている。また、ヒータ電極側ろう付け部56は、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55の外周面の上端側の一部分を覆うように形成されている。なお、ヒータ電極側ろう付け部56には、凹部内部分55とヒータ電極用電極パッド52との接合面間の領域を外周側から取り囲むフィレットFが形成されている。
A-3-4.チャック電極用電極パッド42付近の詳細構成:
セラミックス部材100におけるチャック電極用端子用孔140を構成する凹部14の形状は、凹部15と同様に、Z軸方向視において略円形であり、かつ、凹部14の底面は、おおよそ凸状の形状である。より詳細には、凹部14の底面の形状は、チャック電極用給電端子44の軸心方向に平行な断面において、凹部14の底面の中心点を頂点とする下方向に凸状の曲線である。
本実施形態では、Z軸方向視でのチャック電極用電極パッド42の形状は、略円形である。また、チャック電極用電極パッド42の表面の内の、チャック電極用給電端子44に対向する側の表面であるチャック電極用電極パッド42の表面(下面)は、おおよそ凸状の形状である。より詳細には、チャック電極用電極パッド42の下面は、凹部14の底面の中心点を通るZ軸方向に平行な断面において、下方向に凸状の曲線である。本実施形態では、チャック電極用電極パッド42の表面の内の、凹部14の底面と接触している表面(上面)は、おおよそ凹状の形状である。より詳細には、チャック電極用電極パッド42の上面は、凹部14の底面の中心点を通るZ軸方向に平行な断面において、凹部14の底面の中心点を頂点とする下方向に凸状の曲線である。すなわち、チャック電極用電極パッド42は、全体として下方向に凸状の形状である。
チャック電極用給電端子44は、チャック電極用ろう付け部によってチャック電極用電極パッド42に接合されている。チャック電極用給電端子44における上端部分は、セラミックス部材100の下面S2に形成された凹部14に収容されている。以下、チャック電極用給電端子44における凹部14内に収容された柱状部分を、凹部内部分という。チャック電極用給電端子44の凹部内部分が、該凹部14の底面に配置されたチャック電極用電極パッド42と、チャック電極用ろう付け部によって接合されている。チャック電極用電極パッド42の下面の外縁についても、ヒータ電極用電極パッド52と同様に、Z軸方向視で、チャック電極用給電端子44の凹部内部分における、チャック電極用電極パッド42に対向する側の表面の外縁を取り囲んでいる。また、チャック電極側ろう付け部は、チャック電極用電極パッド42の下面の内、Z軸方向視において、凹部内部分と重なる部分だけでなく、チャック電極用電極パッド42における下面の外縁を覆うように形成されている。すなわち、チャック電極用電極パッド42の下面は、全体にわたってチャック電極側ろう付け部に覆われている。また、チャック電極側ろう付け部は、チャック電極用給電端子44の凹部内部分の外周面の上端側の一部分を覆うように形成されている。なお、チャック電極側ろう付け部には、凹部内部分とチャック電極用電極パッド42との接合面間の領域を外周側から取り囲むフィレットが形成されている。
なお、上記説明において、静電チャック10は、特許請求の範囲における保持装置に相当する。ウェハWは、特許請求の範囲における対象物に相当する。Z軸方向は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。セラミックス部材100は、特許請求の範囲における板状部材に相当する。セラミックス部材100の上面(吸着面)S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当する。セラミックス部材100の下面S2は、特許請求の範囲における第2の表面に相当する。チャック電極用電極パッド42およびヒータ電極用電極パッド52は、特許請求の範囲における給電電極に相当する。ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、特許請求の範囲における第3の表面に相当する。ヒータ電極用電極パッド52の上面SE2は、特許請求の範囲における第4の表面に相当する。ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1の外縁P1は、特許請求の範囲における第3の表面の外縁に相当する。チャック電極用給電端子44およびヒータ電極用給電端子54は、特許請求の範囲における端子部材に相当する。凹部内部分55は、特許請求の範囲における第1の部分に相当する。チャック電極400およびヒータ電極500は、特許請求の範囲における内部電極に相当する。
A-4.静電チャック10の製造方法:
本実施形態の静電チャック10の製造方法は、例えば以下の通りである。はじめに、セラミックス部材100とベース部材200とを作製する。
セラミックス部材100は、例えば、導電性材料層が内部に配置された板状のセラミックス成形体を作製した後、当該セラミックス成形体を焼成することにより作製される。セラミックス成形体の作製は、例えば、公知のシート積層法やプレス成形法により行うことができる。
シート積層法によるセラミックス成形体の作製方法の一例は、次の通りである。まず、アルミナ原料とブチラール樹脂と可塑剤と溶剤とを混合し、得られた混合物をドクターブレード法によってシート状に成形することにより、複数枚のセラミックスグリーンシートを作製する。また、所定のセラミックスグリーンシートに対して、スルーホールおよび凹部14,15の形成やビア用インクの充填、チャック電極400、ヒータ電極500、チャック電極用電極パッド42およびヒータ電極用電極パッド52の形成のための電極用インクの塗布等の必要な加工を行う。電極用インクが塗布された箇所が、導電性材料層となる。なお、ビア用インクや電極用インクとしては、例えばタングステンやモリブデン等の導電性材料とアルミナ原料とエトセル(登録商標)樹脂と溶剤とを混合してスラリー状としたメタライズインクが用いられる。その後、複数のセラミックスグリーンシートを積層して積層体を作製する。当該積層体を熱圧着し、所定のサイズに加工することにより、セラミックス成形体を得る。次に、セラミックス成形体を窒素中で脱脂した後、加湿した水素窒素雰囲気で、所定の温度(例えば1450~1550℃)で常圧焼成することにより、セラミックス部材100を作製する。
本実施形態では、上記積層体の凹部14,15に凹部14,15の径と略同径の筒状のスペーサを挿入した状態で、当該積層体を熱圧着する。当該熱圧着の際に積層体の凹部14,15に挿入されたスペーサの上端面(上端の外縁部分)が積層体の凹部14,15の底面を押圧することにより、下方向に凸状の底面が形成される。この積層体における、下方向に凸状の底面は、焼成後のセラミックス部材100においても同様の形状を維持する。
次に、セラミックス部材100のヒータ電極用端子用孔150にヒータ電極用給電端子54を挿入し、ヒータ電極用給電端子54の上端部分(凹部内部分55のヒータ電極用電極パッド52に対向する部分)をヒータ電極用電極パッド52にろう付けして、ヒータ電極側ろう付け部56を形成する。また、必要により後処理(外周の研磨、絶縁部材80の挿入等)を行う。
その後、セラミックス部材100とベース部材200とを、接合部300を介して接合する。具体的には、セラミックス部材100に加えて、ベース部材200および樹脂系の接着剤(図示しない。)を準備する。ベース部材200は、例えばアルミニウム合金により形成される。接着剤は、例えばシリコーン系接着剤である。セラミックス部材100とベース部材200との間に接着剤を配置し、真空中で加圧しつつ加熱する。これにより、接着剤が硬化して接合部300が形成され、セラミックス部材100とベース部材200とが接合部300により接着される。
チャック電極用給電端子44等の取付方法についても、ヒータ電極用給電端子54と同様である。すなわち、セラミックス部材100のチャック電極用端子用孔140にチャック電極用給電端子44を挿入し、チャック電極用給電端子44の上端部分をチャック電極用電極パッド42にろう付けして、チャック電極側ろう付け部を形成する。また、必要により後処理(外周の研磨、絶縁部材60の挿入等)を行う。以上の製造方法により、上述した構成の静電チャック10が製造される。
A-5.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態における静電チャック10は、Z軸方向に略垂直な吸着面S1を有するセラミックス部材100を備え、セラミックス部材100の吸着面S1上に対象物(例えばウェハW)を保持する保持装置である。セラミックス部材100は、吸着面S1とは反対側に位置し、かつ、凹部15が形成された下面S2を有する。静電チャック10は、凹部15の底面SBに配置されたヒータ電極用電極パッド52と、凹部15内に収容された柱状の凹部内部分55を有する、金属製のヒータ電極用給電端子54と、ヒータ電極用電極パッド52とヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55とを接合するヒータ電極側ろう付け部56と、を備える。Z軸方向視において、ヒータ電極用電極パッド52におけるヒータ電極用給電端子54に対向する側の下面SE1の外縁P1は、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55におけるヒータ電極用電極パッド52に対向する側の表面SFの外縁P2を取り囲んでいる。また、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、Z軸方向において凸状に形成されている。
ここで、ヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52とをろう付け接合する際には、ろう材不足による接合強度の低下を回避するために、ろう材の適正量として、両部材の接合面間の領域を充填できる量より多めの量が設定される。そのため、ヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52とのろう付け接合の際には、ろう材が、両部材の接合面間の領域より外周側に流れ出て、この流れたろう材が表面張力によって両部材の表面に沿って進み、該表面上に溜まった状態で凝固する。その結果、ヒータ電極側ろう付け部56には、両部材の接合面間の領域を外周側から取り囲むフィレットFが形成される。そして、このヒータ電極側ろう付け部56のフィレットFとヒータ電極用電極パッド52との接合強度が大きくなれば、ひいては、ヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52との接合強度も大きくなる。本実施形態の静電チャック10では、Z軸方向視において、ヒータ電極用電極パッド52におけるヒータ電極用給電端子54に対向する側の下面SE1の外縁P1が、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55におけるヒータ電極用電極パッド52に対向する側の表面SFの外縁P2を取り囲んでいる。また、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、凸状に形成されている。このため、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1の面積は、この下面SE1が略平面状である場合の面積と比較して大きくなる。すなわち、ヒータ電極側ろう付け部56のフィレットFとヒータ電極用電極パッド52との接合面積は大きくなり、ひいては、ヒータ電極側ろう付け部56とヒータ電極用電極パッド52との接合強度を向上させることができる。従って、本実施形態の静電チャック10によれば、ヒータ電極側ろう付け部56を介したヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52との接合強度を向上させることができる。
本実施形態の静電チャック10では、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1が凸状に形成されているとともに、凹部15の底面SBがZ軸方向において凸状に形成されている。すなわち、本実施形態の静電チャック10では、セラミックス部材100における凹部15の底面SBをZ軸方向において凸状に形成することにより、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1が凸状に形成される構成を採用している。換言すれば、ヒータ電極用電極パッド52の各位置での厚さを異ならせることなく、セラミックス部材100の凹部15の底面SBの形状によって、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1がZ軸方向において凸状に形成されることを実現している。従って、本実施形態の静電チャック10によれば、ヒータ電極用電極パッド52の厚みW1を略均一にしつつ、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1の表面積を大きくすることができ、ヒータ電極側ろう付け部56を介したヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52との接合強度を効果的に向上させることができる。
また、本実施形態の静電チャック10では、セラミックス部材100において凹部15の底面SBを凸状に形成することは、比較的容易に実現することができる。本実施形態の静電チャック10の製造工程の一例として、本実施形態の静電チャック10のセラミックス部材100は、凹部15が形成された積層体(セラミックス部材100の前駆体であり、セラミックスグリーンシートを積層したもの)を作製した後、熱圧着することにより製造されることがある。この熱圧着の際に積層体の凹部15に挿入されたスペーサの上端面(上端の外縁部分)が積層体の凹部15の底面SBを押圧することにより、下方向に凸状の底面が形成される。具体的には、積層体の凹部15に挿入されたスペーサの上端面(上端の外縁部分)によって、積層体の凹部15の底面SBが押圧されると、当該底面SBの内のスペーサの上端面(上端の外縁部分)に相当する部分が凹部15の開口部側へ突出する。これにより、凹部15の底面SBは凸状に形成される。このように、セラミックス部材100において凹部15の底面SBを凸状に形成することは、比較的容易に実現することができる。従って、本実施形態の静電チャック10によれば、比較的容易な製造工程により、ヒータ電極側ろう付け部56を介したヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52との接合強度を向上させることができる。
本実施形態の静電チャック10では、Z軸方向視において、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1の外縁P1は、ヒータ電極側ろう付け部56で覆われている。本実施形態の静電チャック10では、Z軸方向視において、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1の外縁P1は、ヒータ電極側ろう付け部56で覆われている構成が採用されている。このため、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1の外縁P1において、ヒータ電極側ろう付け部56のヒータ電極用電極パッド52からの剥離を抑制することができる。従って、本実施形態の静電チャック10によれば、ヒータ電極側ろう付け部56のヒータ電極用電極パッド52からの剥離を抑制しつつ、ヒータ電極側ろう付け部56を介したヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52との接合強度をより効果的に向上させることができる。
B.第2実施形態:
B-1.ヒータ電極用電極パッド52付近の詳細構成:
図5は、第2実施形態の静電チャック10におけるヒータ電極用電極パッド52付近の詳細構成を示す説明図である。図5には、ヒータ電極用給電端子54の軸心を通るZ軸方向に平行なXZ断面が示されている。以下では、第2実施形態の静電チャック10の構成の内、上述した第1実施形態の静電チャック10の構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
図5に示すように、第2実施形態の静電チャック10は、主として、セラミックス部材100におけるヒータ電極用端子用孔150を構成する凹部15の底面SBおよびヒータ電極用電極パッド52の構成が、第1実施形態の静電チャック10と異なっている。具体的には、第2実施形態の静電チャック10では、まず、凹部15の底面SBは、Z軸方向に略直交する略円形平面である。
また、Z軸方向視でのヒータ電極用電極パッド52の形状は、略円形である。また、ヒータ電極用電極パッド52の表面の内の、ヒータ電極用給電端子54に対向する側の表面であるヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、おおよそ凹状の形状である。より詳細には、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、凹部15の底面SBの中心点POを通るZ軸方向に平行な断面において、上方向に凸状の曲線である。本実施形態では、ヒータ電極用電極パッド52の上面SE2は、略平面状の形状である。より詳細には、ヒータ電極用電極パッド52の上面SE2は、凹部15の底面SBの中心点POを通るZ軸方向に平行な断面において、凹部15の底面SBの外縁を示す両端点を結ぶ仮想線と重なる略直線である。また、Z軸方向におけるヒータ電極用電極パッド52の内側部における厚みW2は、例えば、10μm以上、50μm以下であり、ヒータ電極用電極パッド52の外周部における厚みW3は、例えば、20μm以上、100μm以下である。ヒータ電極用電極パッド52の内側における厚みW2と外周部における厚みW3との差は、例えば、10μm以上、50μm以下である。このようなヒータ電極用電極パッド52は、例えば、上述した静電チャック10の製造方法において、ヒータ電極用電極パッド52の形成のための電極用インクの塗布を行う際に、ヒータ電極用電極パッド52の厚みを異ならせることにより、製造することができる。
ヒータ電極用給電端子54は、ヒータ電極側ろう付け部56によってヒータ電極用電極パッド52に接合されている。具体的には、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55が、該凹部15の底面SBに配置されたヒータ電極用電極パッド52と、ヒータ電極側ろう付け部56によって接合されている。本実施形態においても、凹部内部分55の直径A3は、凹部15の直径A1より小さく、かつ、ヒータ電極用電極パッド52の直径A2より小さい。すなわち、Z軸方向視で、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1の外縁P1は、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55における、ヒータ電極用電極パッド52に対向する側の表面SFの外縁P2を取り囲んでいる。
また、上述したように、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55は、該凹部15の底面SBに配置されたヒータ電極用電極パッド52と、ヒータ電極側ろう付け部56によって接合されている。図5に示すように、本実施形態では、ヒータ電極側ろう付け部56は、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1の内、Z軸方向視において、凹部内部分55と重なる部分だけでなく、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1の外縁P1を覆うように形成されている。すなわち、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、全体にわたってヒータ電極側ろう付け部56に覆われている。また、ヒータ電極側ろう付け部56は、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55の外周面の上端側の一部分を覆うように形成されている。なお、ヒータ電極側ろう付け部56には、凹部内部分55とヒータ電極用電極パッド52との接合面間の領域を外周側から取り囲むフィレットFが形成されている。
B-2.第2実施形態の効果:
以上説明したように、第2実施形態における静電チャック10は、Z軸方向に略垂直な吸着面S1を有するセラミックス部材100を備え、セラミックス部材100の吸着面S1上に対象物(例えばウェハW)を保持する保持装置である。セラミックス部材100は、吸着面S1とは反対側に位置し、かつ、凹部15が形成された下面S2を有する。静電チャック10は、凹部15の底面SBに配置されたヒータ電極用電極パッド52と、凹部15内に収容された柱状の凹部内部分55を有する、金属製のヒータ電極用給電端子54と、ヒータ電極用電極パッド52とヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55とを接合するヒータ電極側ろう付け部56と、を備える。Z軸方向視において、ヒータ電極用電極パッド52におけるヒータ電極用給電端子54に対向する側の下面SE1の外縁P1は、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55におけるヒータ電極用電極パッド52に対向する側の表面SFの外縁P2を取り囲んでいる。また、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、Z軸方向において凹状に形成されている。
ここで、ヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52とをろう付け接合する際には、ろう材不足による接合強度の低下を回避するために、ろう材の適正量として、両部材の接合面間の領域を充填できる量より多めの量が設定される。そのため、ヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52とのろう付け接合の際には、ろう材が、両部材の接合面間の領域より外周側に流れ出て、この流れたろう材が表面張力によって両部材の表面に沿って進み、該表面上に溜まった状態で凝固する。その結果、ヒータ電極側ろう付け部56には、両部材の接合面間の領域を外周側から取り囲むフィレットFが形成される。そして、このヒータ電極側ろう付け部56のフィレットFとヒータ電極用電極パッド52との接合強度が大きくなれば、ひいては、ヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52との接合強度も大きくなる。第2実施形態の静電チャック10では、Z軸方向視において、ヒータ電極用電極パッド52におけるヒータ電極用給電端子54に対向する側の下面SE1の外縁P1が、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55におけるヒータ電極用電極パッド52に対向する側の表面SFの外縁P2を取り囲んでいる。また、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、Z軸方向において凹状に形成されている。このため、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1の面積は、この下面SE1が略平面状である場合の面積と比較して大きくなる。すなわち、ヒータ電極側ろう付け部56のフィレットFとヒータ電極用電極パッド52との接合面積は大きくなり、ひいては、ヒータ電極側ろう付け部56とヒータ電極用電極パッド52との接合強度を向上させることができる。従って、第2実施形態の静電チャック10によれば、ヒータ電極側ろう付け部56を介したヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52との接合強度を向上させることができる。
第2実施形態の静電チャック10では、セラミックス部材100がチャック電極400およびヒータ電極500を有する。また、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1が凹状に形成されているとともに、凹部15の底面SBがZ軸方向において略垂直な略平面状に形成されている。すなわち、第2実施形態の静電チャック10では、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1とは反対側の上面SE2は、Z軸方向に略垂直な略平面状に形成されている構成を採用している。換言すれば、セラミックス部材100の凹部15の底面SBを凹状にすることなく、ヒータ電極用電極パッド52自体の形状によって、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1が凹状に形成されることを実現している。第2実施形態の静電チャック10によれば、セラミックス部材100の凹部15の底面SBを凹状に形成するために、上記製造工程において押圧等することを要しないため、セラミックス部材100の内部に配置されたチャック電極400やヒータ電極500が変形することを抑制することができる。これにより、チャック電極400の吸着力やヒータ電極500の発熱が低下することを抑制し、ひいては、静電チャック10の性能が低下することを抑制することができる。従って、第2実施形態の静電チャック10によれば、静電チャック10の性能が低下することを抑制しつつ、ヒータ電極側ろう付け部56を介したヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52との接合強度を向上させることができる。
第2実施形態の静電チャック10では、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、凹状に形成されている構成を採用している。換言すれば、Z軸方向視において、ヒータ電極用電極パッド52の外周部における厚みW3は内側部における厚みW2と比較して厚い。ヒータ電極用電極パッド52の外周部は、特に応力がかかりやすい部分であり、この部分に応力がかかると、セラミックス部材100からヒータ電極用電極パッド52が剥がれる原因ともなる。第2実施形態の静電チャック10では、このようなヒータ電極用電極パッド52において外周部の厚みW3を厚くすることによって、応力の影響を低減し、ひいては、セラミックス部材100からヒータ電極用電極パッド52が剥がれることを抑制することができる。従って、第2実施形態の静電チャック10によれば、セラミックス部材100からヒータ電極用電極パッド52が剥がれることを抑制しつつ、ヒータ電極側ろう付け部56を介したヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52との接合強度を向上させることができる。
第2実施形態の静電チャック10では、Z軸方向視において、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1の外縁P1は、ヒータ電極側ろう付け部56で覆われている。第2実施形態の静電チャック10では、Z軸方向視において、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1の外縁P1は、ヒータ電極側ろう付け部56で覆われている構成が採用されている。このため、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1の外縁P1において、ヒータ電極側ろう付け部56のヒータ電極用電極パッド52からの剥離を抑制することができる。従って、第2実施形態の静電チャック10によれば、ヒータ電極側ろう付け部56のヒータ電極用電極パッド52からの剥離を抑制しつつ、ヒータ電極側ろう付け部56を介したヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52との接合強度をより効果的に向上させることができる。
C.第3実施形態:
C-1.ヒータ電極用電極パッド52付近の詳細構成:
図6(A)は、第3実施形態の静電チャック10におけるヒータ電極用電極パッド52付近の詳細構成を示す説明図である。図6(A)には、ヒータ電極用給電端子54の軸心を通るZ軸方向に平行なXZ断面が示されている。以下では、第3実施形態の静電チャック10の構成の内、上述した第1実施形態の静電チャック10の構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
図6(A)に示すように、第3実施形態の静電チャック10は、主として、セラミックス部材100におけるヒータ電極用端子用孔150を構成する凹部15の底面SBおよびヒータ電極用電極パッド52の構成が、第1実施形態の静電チャック10と異なっている。具体的には、第3実施形態の静電チャック10では、まず、凹部15の底面SBは、おおよそ凹状の形状である。より詳細には、凹部15の底面SBの形状は、ヒータ電極用給電端子54の軸心方向に平行な断面において、凹部15の底面SBの中心点POを頂点とする上方向に凸状の曲線である。また、当該曲線の両端点のZ軸方向における位置は、略同一である。当該曲線の両端点と中心点POとの間のZ軸方向における距離は、例えば、1mm以上、3mm以下である。
また、Z軸方向視でのヒータ電極用電極パッド52の形状は、略円形である。また、ヒータ電極用電極パッド52の表面の内の、ヒータ電極用給電端子54に対向する側の表面であるヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、おおよそ凹状の形状である。より詳細には、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、凹部15の底面SBの中心点POを通るZ軸方向に平行な断面において、上方向に凸状の曲線である。本実施形態では、ヒータ電極用電極パッド52の上面SE2は、おおよそ凹状の形状である。より詳細には、ヒータ電極用電極パッド52の上面SE2は、凹部15の底面SBの中心点POを通るZ軸方向に平行な断面において、凹部15の底面SBの中心点POを頂点とする上方向に凸状の曲線である。すなわち、ヒータ電極用電極パッド52は、全体として上方向に凸状の形状である。
ヒータ電極用給電端子54は、ヒータ電極側ろう付け部56によってヒータ電極用電極パッド52に接合されている。具体的には、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55が、該凹部15の底面SBに配置されたヒータ電極用電極パッド52と、ヒータ電極側ろう付け部56によって接合されている。本実施形態においても、凹部内部分55の直径A3は、凹部15の直径A1より小さく、かつ、ヒータ電極用電極パッド52の直径A2より小さい。すなわち、Z軸方向視で、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1の外縁P1は、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55における、ヒータ電極用電極パッド52に対向する側の表面SFの外縁P2を取り囲んでいる。
また、上述したように、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55は、該凹部15の底面SBに配置されたヒータ電極用電極パッド52と、ヒータ電極側ろう付け部56によって接合されている。図6(A)に示すように、本実施形態では、ヒータ電極側ろう付け部56は、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1の内、Z軸方向視において、凹部内部分55と重なる部分だけでなく、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1の外縁P1を覆うように形成されている。すなわち、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、全体にわたってヒータ電極側ろう付け部56に覆われている。また、ヒータ電極側ろう付け部56は、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55の外周面の上端側の一部分を覆うように形成されている。なお、ヒータ電極側ろう付け部56には、凹部内部分55とヒータ電極用電極パッド52との接合面間の領域を外周側から取り囲むフィレットFが形成されている。
C-2.第3実施形態の効果:
以上説明したように、第3実施形態における静電チャック10は、第2実施形態における静電チャック10と同様に、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、Z軸方向において凹状に形成されている。このため、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1の面積は、この下面SE1が略平面状である場合の面積と比較して大きくなる。すなわち、ヒータ電極側ろう付け部56のフィレットFとヒータ電極用電極パッド52との接合面積は大きくなり、ひいては、ヒータ電極側ろう付け部56とヒータ電極用電極パッド52との接合強度を向上させることができる。また、第3実施形態の静電チャック10では、セラミックス部材100における凹部15の底面SBをZ軸方向において凹状に形成することにより、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1が凹状に形成される構成を採用している。換言すれば、ヒータ電極用電極パッド52の各位置での厚さを異ならせることなく、セラミックス部材100の凹部15の底面SBの形状によって、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1がZ軸方向において凹状に形成されることを実現している。このため、ヒータ電極用電極パッド52の厚みW1を略均一にしつつ、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1の表面積を大きくすることができる。従って、第3実施形態の静電チャック10によれば、ヒータ電極側ろう付け部56を介したヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52との接合強度を効果的に向上させることができる。
D.第4実施形態:
D-1.ヒータ電極用電極パッド52付近の詳細構成:
図6(B)は、第4実施形態の静電チャック10におけるヒータ電極用電極パッド52付近の詳細構成を示す説明図である。図6(B)には、ヒータ電極用給電端子54の軸心を通るZ軸方向に平行なXZ断面が示されている。以下では、第4実施形態の静電チャック10の構成の内、上述した第1実施形態の静電チャック10の構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
図6(B)に示すように、第4実施形態の静電チャック10は、主として、セラミックス部材100におけるヒータ電極用端子用孔150を構成する凹部15の底面SBおよびヒータ電極用電極パッド52の構成が、第1実施形態の静電チャック10と異なっている。具体的には、第4実施形態の静電チャック10では、まず、凹部15の底面SBは、Z軸方向に略直交する略円形平面である。
また、Z軸方向視でのヒータ電極用電極パッド52の形状は、略円形である。また、ヒータ電極用電極パッド52の表面の内の、ヒータ電極用給電端子54に対向する側の表面であるヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、おおよそ凸状の形状である。より詳細には、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、凹部15の底面SBの中心点POを通るZ軸方向に平行な断面において、下方向に凸状の曲線である。本実施形態では、ヒータ電極用電極パッド52の上面SE2は、略平面状の形状である。より詳細には、ヒータ電極用電極パッド52の上面SE2は、凹部15の底面SBの中心点POを通るZ軸方向に平行な断面において、凹部15の底面SBの外縁を示す両端点を結ぶ仮想線と重なる略直線である。また、Z軸方向におけるヒータ電極用電極パッド52の内側部における厚みW2は、例えば、20μm以上、100μm以下であり、ヒータ電極用電極パッド52の外周部における厚みW3は、例えば、10μm以上、50μm以下である。ヒータ電極用電極パッド52の内側部における厚みW2と外周部における厚みW3との差は、例えば、10μm以上、50μm以下である。
ヒータ電極用給電端子54は、ヒータ電極側ろう付け部56によってヒータ電極用電極パッド52に接合されている。具体的には、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55が、該凹部15の底面SBに配置されたヒータ電極用電極パッド52と、ヒータ電極側ろう付け部56によって接合されている。本実施形態においても、凹部内部分55の直径A3は、凹部15の直径A1より小さく、かつ、ヒータ電極用電極パッド52の直径A2より小さい。すなわち、Z軸方向視で、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1の外縁P1は、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55における、ヒータ電極用電極パッド52に対向する側の表面SFの外縁P2を取り囲んでいる。
また、上述したように、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55は、該凹部15の底面SBに配置されたヒータ電極用電極パッド52と、ヒータ電極側ろう付け部56によって接合されている。図6(B)に示すように、本実施形態では、ヒータ電極側ろう付け部56は、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1の内、Z軸方向視において、凹部内部分55と重なる部分だけでなく、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1の外縁P1を覆うように形成されている。すなわち、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、全体にわたってヒータ電極側ろう付け部56に覆われている。また、ヒータ電極側ろう付け部56は、ヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55の外周面の上端側の一部分を覆うように形成されている。なお、ヒータ電極側ろう付け部56には、凹部内部分55とヒータ電極用電極パッド52との接合面間の領域を外周側から取り囲むフィレットFが形成されている。
D-2.第4実施形態の効果:
以上説明したように、第4実施形態における静電チャック10は、第1実施形態における静電チャック10と同様に、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、Z軸方向において凸状に形成されている。このため、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1の面積は、この下面SE1が略平面状である場合の面積と比較して大きくなる。すなわち、フィレットFとヒータ電極用電極パッド52との接合面積は大きくなり、ひいては、ヒータ電極側ろう付け部56を介したヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52との接合強度を向上させることができる。また、第4実施形態の静電チャック10では、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1が凸状に形成されているとともに、凹部15の底面SBがZ軸方向において略垂直な略平面状に形成されている。すなわち、第4実施形態の静電チャック10では、ヒータ電極用電極パッド52における下面SE1とは反対側の上面SE2は、Z軸方向に略垂直な略平面状に形成されている構成を採用している。換言すれば、セラミックス部材100の凹部15の底面SBを凸状にすることなく、ヒータ電極用電極パッド52自体の形状によって、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1が凸状に形成されることを実現している。第4実施形態の静電チャック10によれば、セラミックス部材100の凹部15の底面SBを凸状に形成するために、上記製造工程において押圧等することを要しないため、セラミックス部材100の内部に配置されたチャック電極400やヒータ電極500が変形することを抑制することができる。これにより、チャック電極400の吸着力やヒータ電極500の発熱が低下することを抑制し、ひいては、静電チャック10の性能が低下することを抑制することができる。従って、第4実施形態の静電チャック10によれば、静電チャック10の性能が低下することを抑制しつつ、ヒータ電極側ろう付け部56を介したヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52との接合強度を向上させることができる。
E.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における静電チャック10の構成は、あくまで例示であり、種々変更可能である。例えば、図7(A)に示すように、凹部15の底面SBは、おおよそ凸状であり、かつ、Z軸方向視において、少なくともヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55における表面SFと重なっている部分が、Z軸方向に略垂直な略平面形状に形成されている構成が採用されていてもよい。より詳細には、凹部15の底面SBの形状は、ヒータ電極用給電端子54の軸心方向に平行な断面において、少なくともヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55における表面SFと重なっている部分では、Z軸方向に略直交する直線である。一方、ヒータ電極用給電端子54の軸心方向に平行な断面において、凹部内部分55における表面SFと重なっている部分以外の部分では、円弧状である。また、凹部15の底面SBは、Z軸方向において、略円形である。この構成において、ヒータ電極用電極パッド52は、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1が、おおよそ凸状であり、かつ、Z軸方向視における下面SE1の中央部分が略平面である構成を採用することができる。より詳細には、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、凹部15の底面SBの中心点POを通るZ軸方向に平行な断面において、ヒータ電極用給電端子54の表面SFに対向する部分では、Z軸方向に略直交する直線である。一方、ヒータ電極用電極パッド52の外縁を示す両端点から、ヒータ電極用給電端子54の表面SFに対向する部分に向かって円弧状である。ヒータ電極用電極パッド52の上面SE2についても下面SE1と同様の形状である。また、Z軸方向視でのヒータ電極用電極パッド52の形状は、略円形である。
上記静電チャック10の構成では、ヒータ電極用給電端子54の内、ヒータ電極用電極パッド52と接合する表面SFはZ軸方向に略垂直な略平面状に形成されている。上記静電チャック10では、Z軸方向視において、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1の内、少なくともヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55におけるヒータ電極用電極パッド52に対向する側の表面SFと重なっている部分は、Z軸方向に略垂直な略平面状に形成されている構成が採用されている。このように、ヒータ電極用給電端子54の下面SE1の内、少なくともヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55における表面SFと重なっている部分の表面形状と、ヒータ電極用給電端子54の内、ヒータ電極用電極パッド52と接合する表面SFの形状が、ともにZ軸方向に略垂直な略平面状であるため、すなわち、両者の表面形状が略同一であるため、ヒータ電極用電極パッド52とヒータ電極用給電端子54との接合面積を大きくすることができる。従って、上記静電チャック10によれば、ヒータ電極側ろう付け部56を介したヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52との接合強度を更に向上させることができる。
図7(B)に示すように、凹部15の底面SBは、Z軸方向に略直交する略円形平面である。この構成において、ヒータ電極用電極パッド52は、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1が、おおよそ凹状であり、かつ、Z軸方向視における下面SE1の中央部分が略平面である構成を採用することができる。より詳細には、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1は、凹部15の底面SBの中心点POを通るZ軸方向に平行な断面において、ヒータ電極用給電端子54の表面SFに対向する部分では、Z軸方向に略直交する直線である。一方、ヒータ電極用電極パッド52の外縁を示す両端点から、ヒータ電極用給電端子54の表面SFに対向する部分に向かって円弧状である。また、ヒータ電極用電極パッド52の上面SE2は、略平面状の形状である。より詳細には、ヒータ電極用電極パッド52の上面SE2は、凹部15の底面SBの中心点POを通るZ軸方向に平行な断面において、凹部15の底面SBの外縁を示す両端点を結ぶ仮想線と重なる略直線である。また、Z軸方向視でのヒータ電極用電極パッド52の形状は、略円形である。
上記静電チャック10の構成では、ヒータ電極用給電端子54の内、ヒータ電極用電極パッド52と接合する表面SFはZ軸方向に略垂直な略平面状に形成されている。上記静電チャック10では、Z軸方向視において、ヒータ電極用電極パッド52の下面SE1の内、少なくともヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55におけるヒータ電極用電極パッド52に対向する側の表面SFと重なっている部分は、Z軸方向に略垂直な略平面状に形成されている構成が採用されている。このように、ヒータ電極用給電端子54の下面SE1の内、少なくともヒータ電極用給電端子54の凹部内部分55における表面SFと重なっている部分の表面形状と、ヒータ電極用給電端子54の内、ヒータ電極用電極パッド52と接合する表面SFの形状が、ともにZ軸方向に略垂直な略平面状であるため、すなわち、両者の表面形状が略同一であるため、ヒータ電極用電極パッド52とヒータ電極用給電端子54との接合面積を大きくすることができる。従って、上記静電チャック10によれば、ヒータ電極側ろう付け部56を介したヒータ電極用給電端子54とヒータ電極用電極パッド52との接合強度を更に向上させることができる。
上記実施形態では、チャック電極用電極パッド42付近の詳細構成とヒータ電極用電極パッド52付近の詳細構成とに、同様の構成が採用されているが、互いに異なる構成が採用されていてもよい。また、チャック電極用電極パッド42付近の詳細構成とヒータ電極用電極パッド52付近の詳細構成は、上述した実施形態または変形例の構成を任意に採用することができる。
上記実施形態における静電チャック10の製造方法あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、セラミックス部材100とベース部材200とを接合部300により接着させる工程の後、チャック電極用給電端子44等を取り付ける工程を実施しているが、両工程の順番を反対にしてもよい。すなわち、チャック電極用給電端子44等を取り付ける工程の後、セラミックス部材100とベース部材200とを接合部300により接着させる工程を実施してもよい。
また、上記実施形態では、静電チャック10が備えるチャック電極400に電気的に接続されたチャック電極用電極パッド42とチャック電極用給電端子44との接合箇所の構成およびヒータ電極500に電気的に接続されたヒータ電極用電極パッド52とヒータ電極用給電端子54との接合箇所の構成について詳細に説明したが、本明細書に開示された技術は、凹部が形成されたセラミックス部材と、該凹部の底面に配置された給電電極と、該凹部内に収容された柱状の第1の部分を有する金属製の端子部材と、該給電電極と該端子部材の第1の部分とを接合するろう付け部とを備える真空チャック等の他の保持装置や、当該構成を備える半導体製造装置用部品にも同様に適用することができる。