JP2020004820A - 試料保持具 - Google Patents

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【課題】 導通部と当該導通部に隣接する部材との間で剥がれが生じにくく、耐久性の向上する試料保持具を提供する。【解決手段】 本開示の試料保持具は、一方の主面が試料保持面であるセラミック基板と、セラミック基板の内部または他方の主面に設けられた発熱抵抗体と、セラミック基板の他方の主面を覆うように接合層を介して設けられており、一方の主面と他方の主面とに開口する貫通1を有する金属部材と、該金属部材に挿入されたリード端子と、接合層の内部に設けられており、発熱抵抗体とリード端子とを電気的に接続する導通部6と、を備えている。そして、導通部6は、セラミック基板の前記他方の主面から離れて位置し、他方の主面に対して向かい合って位置する板状部61と、板状部を覆う膜状部材62とを有している。さらに、膜状部材62は表面に凹部621を有する。【選択図】 図2

Description

本開示は、半導体集積回路の製造工程などで半導体ウエハ等の各試料を保持するために用いられる試料保持具に関するものである。
半導体製造装置等に用いられる試料保持具として、例えば、一方の面に基板を載置する加熱面を有する板状のセラミックス基体と、加熱面を複数ゾーンに分割して得られる各ゾーンに対応してセラミックス基体中に埋設された、独立した入出力端子を持つ複数の抵抗発熱体と、各入出力端子に接続され、セラミックス基体の加熱面以外の外表面上に沿って配線される複数の引き出し線(導通部)とを有する基板加熱装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2005−303014号公報
ここで、導通部の発熱による試料保持面の均熱性の低下を抑制するために、導通部を線状ではなく板状部を有する導体で形成することが考えられる。しかしながら、このような構成にした場合、温度サイクルをかけると、導通部と当該導通部に隣接する部材との間で生じる熱膨張差により、剥がれが生じて耐久性が低下するという問題があった。
本開示は上記の事情に鑑みてなされたもので、導通部と当該導通部に隣接する部材との間で剥がれが生じにくく、耐久性の向上する試料保持具を提供することを目的とする。
本開示の試料保持具は、一方の主面が試料保持面であるセラミック基板と、該セラミック基板の内部または他方の主面に設けられた発熱抵抗体と、前記セラミック基板の前記他方の主面を覆うように接合層を介して設けられており、一方の主面と他方の主面とに開口する貫通孔を有する金属部材と、前記金属部材に挿入されたリード端子と、前記接合層の内部に設けられており、前記発熱抵抗体と前記リード端子とを電気的に接続する導通部と、を備えており、該導通部は、前記セラミック基板の前記他方の主面から離れて位置し、前記他方の主面に対して向かい合って位置する板状部と、該板状部を覆う膜状部材とを有しており、該膜状部材は表面に凹部を有することを特徴とする。
本開示の試料保持具によれば、導通部を構成する膜状部材の凹部に接合層の一部が入り込み、これらの間で剥がれが生じにくくなるため、耐久性が向上する。
試料保持具の一例を示す断面図である。 図1に示す試料保持具の導通部の一例を幅方向に切断した拡大断面図である。 図1に示す試料保持具の導通部の他の例を拡大した平面図である。 図1に示す試料保持具の導通部の他の例を拡大した平面図である。 図1に示す試料保持具の導通部の他の例を拡大した平面図である。 試料保持具の導通部の配置例の説明する平面透視図である。 図1に示す試料保持具の導通部の他の例を拡大した平面図である。
以下、試料保持具10の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、試料保持具10は、一方の主面が試料保持面11であるセラミック基板1を備えている。セラミック基板1は、例えば平面視したときの外周形状が円形状であり、被保持物と同程度の径を有する円板状に形成されている。セラミック基板1は、一方の主面(上面)に被保持物となる試料を保持する試料保持面11を有している。セラミック基板1の材質としては、アルミナ、サファイア、アルミナ−チタニア複合材またはチタン酸バリウムのような酸化物系セラミックスあるいは窒化アルミニウム等の窒化物系セラミックスを用いることができる。セラミック基板1の寸法は、例えば、直径を200mm〜500mm、厚みを2mm〜15mmに設定できる。
ここで、試料保持具10は、シリコンウェハ等の被保持物(試料)を保持するもので、例えば静電チャックである。このとき、セラミック基板1は内部に静電吸着用電極を有する。静電吸着用電極は、例えば、白金またはタングステン等の材料を有している。静電吸着用電極にはリード線が接続されている。静電吸着用電極は、このリード線を介して、電源に接続されている。一方、試料保持面11に吸着される被保持物は、アースに接続されている。これにより、静電吸着用電極と被保持物(試料)との間に静電吸着力が発生して、被保持物(試料)を試料保持面11に吸着固定できる。
セラミック基板1の内部または他方の主面には、発熱抵抗体2が設けられている。図1に示す形態の試料保持具10においては、発熱抵抗体2はセラミック基板1の他方の主面(下面)に設けられている。
発熱抵抗体2は、セラミック基板1の上面の試料保持面11に保持された試料を加熱するための部材である。発熱抵抗体2は、後述する導通部6を通してリード端子5と電気的に接続されており、これらを介してこの発熱抵抗体2に電流を流すことで、発熱抵抗体2を発熱させることができる。発熱抵抗体2で発せられた熱は、セラミック基板1の内部を伝わって試料保持面11に到達する。これにより、試料保持面11に保持された試料を加熱することができる。
発熱抵抗体2は、複数の折り返し部を有する線状のパターンであって、セラミック基板1の他方の主面(下面)のほぼ全面に設けられている。また、発熱抵抗体2は、均熱性を向上させるために最適に設計されたパターン形状を持っている。要求される抵抗や電力量で発熱抵抗体2の寸法が設計され、例えば、発熱抵抗体2の幅は0.1mm〜10mm、厚みは10μm〜5mm、長さは50mm〜5mに設定される。
これにより、試料保持具10の一方の主面(上面)において熱分布にばらつきが生じることを抑制できる。
発熱抵抗体2は、例えば銀、パラジウム、白金、アルミニウム、金等の導体成分を含んでいる。また、発熱抵抗体2はガラス成分を含んでいてもよい。ガラス成分としては、ケイ素、アルミニウム、ビスマス、カルシウム、ホウ素および亜鉛等の材料の酸化物を挙げることができる。なお、発熱抵抗体2がセラミック基板1の内部に設けられる場合は、導体成分はタングステン、または炭化タングステン等であってもよい。
ここで、試料保持具10の温度制御には以下の方法を用いることができる。具体的には
、セラミック基板1に熱電対を接触させることによって温度を測定できる。また、セラミック基板1に、測温抵抗体を接触させて抵抗を測定することによっても発熱抵抗体2の温度を測定できる。以上のようにして測定した発熱抵抗体2の温度に基づいて、発熱抵抗体2に印加する電圧を調整することによって、試料保持具10の温度が一定になるように発熱抵抗体2の発熱を制御することができる。
そして、セラミック基板1の他方の主面を覆うように金属部材3が設けられている。金属部材3は、一方の主面と他方の主面とに開口する貫通孔31を有している。
金属部材3は、セラミック基板1を支持するために設けられている。この金属部材3は、一方の主面(上面)がセラミック基板1の他方の主面(下面)に対向するように当該他方の主面を覆っている。具体的には、セラミック基板1の他方の主面(下面)と金属部材3の一方の主面(上面)上面とが、接合層4によって接合されている。ここでいう金属部材3の「金属」とは、セラミックスと金属との複合材料,繊維強化金属等から成る複合材料も含んでいる。一般的に、ハロゲン系の腐食性ガス等に曝される環境下において試料保持具10を用いる場合には、金属部材3を構成する金属として、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレス鋼またはニッケル(Ni)あるいはこれらの金属の合金を使用することができる。
金属部材3は、例えば平面視したときの外周形状が円形状であり、セラミック基板1と同程度の径を有する円板状に形成されている。金属部材3は、例えば10mm〜100mmの厚さである。また金属部材3は、一方の主面(上面)と他方の主面(下面)とに開口する貫通孔31を有していて、この貫通孔31の内部を通過するようにリード端子5が設けられている。言い換えると、リード端子5が金属部材3に挿入されている。貫通孔31の形状は、例えば内部空間が円柱状となる形状である。貫通孔31の直径は、例えば0.1mm〜10mmに設定することができる。
リード端子5は、一端が導通部6に接続されるとともに、他端が外部電源(図示せず)に接続されている。リード端子5としては、例えば、ニッケル等の電気伝導性を有する金属材料を用いることができる。リード端子5と導通部6とは、電気伝導性を有する例えばはんだ,ろう材等を用いて接続することができる。
なお、金属部材3は、気体または液体等の熱媒体を循環させるための流路を備えていてもよい。この場合には、熱媒体として水またはシリコーンオイル等の液体あるいはヘリウム(He)または窒素(N)等の気体を用いることができる。
セラミック基板1の他方の主面と金属部材3の一方の主面との間には、これらを接着する接合層4が設けられている。言い換えると、セラミック基板1の他方の主面(下面)と金属部材3の一方の主面(上面)とが、接合層4によって接合されている。
接合層4は、高分子材料を有している。高分子材料として、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂を有している。接合層4は、高分子材料以外に、高分子材料中に分散されたフィラーを有していてもよい。フィラーとしては、例えば、セラミック粒子を用いることができる。セラミック粒子としては、例えば、アルミナまたは窒化アルミニウム等を用いることができる。
接合層4の厚みは、例えば0.05mm〜2.0mmに設定することができる。ここで、試料保持具10は、セラミック基板1の上面から接合層4を通って金属部材3の下面まで貫通する貫通孔を有していてもよい。
試料保持具10は、接合層4の内部に設けられた導通部6を備えている。導通部6は、例えば銅、アルミニウム等の電気伝導性を有する金属材料で構成されている。導通部6は、発熱抵抗体2とリード端子5とを電気的に接続し、一端が発熱抵抗体2に接続されるとともに、他端がリード端子5に接続されている。導通部6は、セラミック基板1の他方の主面(下面)から離れて位置し、当該他方の主面に沿った方向に伸びる領域であって当該他方の主面に対して向かい合って位置する板状部61と、板状部61を覆う膜状部材62とを有している。また、導通部6は上下方向に伸びた部分63も有している。導通部6のうちの板状部61としては、例えば金属板、金属箔などを用いることができる。また、導通部6のうち上下方向に伸びた部分63は、発熱抵抗体2と板状部61とを電気的に接続するもので、例えばビアホール導体、金属箔などを用いることができる。
膜状部材62は、図2に示すように、例えば板状部61におけるリード端子5との接合部を除き、他方の主面に沿った方向に伸びるすべての領域の表面を覆うように設けられる。膜状部材62は、導通部6の上下方向に伸びた部分63まで覆っていなくてもよい。膜状部材62の形成材料としては、例えばポリイミド、フッ素系などの樹脂からなるフィルムが挙げられる。また、膜状部材62の厚さ(凹部621以外の部分の厚さ)は、例えば30μm〜100μmに設定される。
膜状部材62を設けることで、発熱抵抗体2と導通部6との間の絶縁性をより確実なものとする効果を奏する。
ここで、この膜状部材62は、エポキシ樹脂等の接着剤を介して設けられてもよく、この場合は接着剤も膜状部材62の一部を構成するものとする。
なお、膜状部材62の材質は、接合層4と熱伝導率の近いものであるのがよく、接合層4の材質と同じでもよい。
そして、図2に示すように、膜状部材62は表面に凹部621を有している。凹部621の深さは、例えば1μm〜20μmに設定される。凹部621としては、例えば図3に示すような導通部6の幅方向に延びる溝または図4に示すような導通部6の長さ方向に延びる溝が挙げられる。凹部621が溝である場合の平面視したときの溝の幅は、例えば10μm〜100μmに設定される。
このような凹部621を膜状部材62の表面に設けることで、接合層4の一部が凹部621に入り込み、これらの間で剥がれが生じにくくなるため、耐久性が向上する。
さらに、凹部621は、図5に示すように格子状の凹部621(平面視したときに格子状となる溝)であってもよい。膜状部材62の表面に格子状の凹部621を設けることで、接合層4の一部が格子状の凹部621に交互に入り込み、接合層4の厚みが交互に変化する為、熱引きも交互に良いところと悪いところが発生する。したがって、部分的な発熱のしすぎや冷え過ぎを抑制することができかつ熱応力を分散させることができるため、均熱性が向上し、耐久性が向上する。
また、図6に示すように、導通部6を第1導通部6とすると、接合層4の内部に設けられた第2導通部7をさらに備えていてもよい。ここで、第1導通部6の板状部61を第1板状部61、膜状部材62を第1膜状部材62、凹部621を第1凹部621としたときに、第2導通部7は、セラミック基板1の他方の主面(下面)から離れて位置し、他方の主面に対して向かい合って位置する第2板状部71と、第2板状部71を覆う第2膜状部材72とを有しており、第2膜状部材72は表面に格子状の第2凹部721を有していてもよい。
さらに、図7に示すように、第1凹部621が伸びる方向は、第2凹部721が伸びる方向に対して傾いていてもよい。具体的には、第1導通部6の幅方向に延びる第1凹部621に対して、第2導通部7の幅方向に伸びる第2凹部721は例えば10度〜80度の範囲で傾いていてもよい。同様に、第1導通部6の長さ方向に延びる第1凹部621に対して、第2導通部7の長さ方向に延びる第2凹部721は例えば10度〜80度の範囲で傾いていてもよい。言い換えると、例えば、第1導通部6の長さ方向(X1方向)と格子状の第1凹部621の延びる方向(X2方向)とが一致しているとき(傾きが0度のとき)、第2導通部7の長さ方向(X3方向)に対して、格子状の第2凹部721の延びる方向(X4方向)が10〜80度の範囲で傾いていてもよい。
格子状の凹部の方向を導通部ごとに変えることで、導通部と接合層の熱膨張差による熱応力が特定の方向に集中せず分散されるため、より剥がれにくくなり、耐久性が向上する。
以下、試料保持具10の製造方法について説明する。なお、アルミナセラミックスを例に説明するが、窒化アルミニウムセラミックス等の他のセラミック材料の場合であっても同様の方法で作製できる。
まず、主原料となるアルミナ粉末を所定量秤量し、ボールミル中でイオン交換水、有機溶媒等または有機分散剤と金属またはセラミックスからなるボールと共に24〜72Hr湿式粉砕混合をする。
こうして粉砕混合した原料スラリー中に、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールまたはアクリル樹脂等の有機バインダーおよび補助的な有機材料として可塑剤ならびに消泡剤を所定量添加し、さらに24〜48Hr混合する。混合された有機−無機混合スラリーを、ドクターブレード法、カレンダーロール法、プレス成形法または押し出し成形法などによってセラミックグリーンシートに成形する。
そして、静電吸着用電極を成形するための白金またはタングステン等のペースト状電極材料を公知のスクリーン印刷法等により印刷成形する。また、セラミックグリーンシートを3〜10枚積層しボール盤などでφ0.1mm〜0.8mmのビアホール導体を埋め込む穴を設ける。その穴にペースト状電極材料を埋め込み、ビアホール導体を成形する。更に、ビアホール導体の直下にφ1mm〜2mmで厚み20μm〜30μmの第1の導体パターンを印刷成形する。更に、前記印刷にて成形した第1の導体パターンの上から、φ5mm〜15mmで20μm〜30μmの第2の導体パターンを印刷成形する。
ここで、第1の導体パターンおよび第2の導体パターンを成形したセラミックグリーンシートとビアホール導体が埋め込まれたセラミックグリーンシート積層体とペースト状電極材料が印刷成形されていないグリーンシートとを重ねて積層する。積層に際しては、セラミックグリーンシートの降伏応力値以上の圧力を印加しながら、所定の温度で積層すればよい。圧力印加手法としては、一軸プレス法または等方加圧法(乾式、湿式法)等の公知の技術を応用すればよい。
次に、得られた積層体を所定の温度、雰囲気中にて焼成して、静電吸着用電極が埋設されたセラミック基板1を作製する。
次に、セラミック基板1をマシニングセンター、ロータリー加工機または円筒研削盤を用いて所定の形状、厚みに加工する。
更に、発熱抵抗体2をセラミック基板1の内部または裏面(他方の主面)に設ける。発熱抵抗体2は電流を通電することでジュール発熱を生じ、被加熱対象を加熱するための部材である。発熱抵抗体2をセラミック基板1の内部に設ける場合は、静電吸着用電極と同様の方法で形成する。発熱抵抗体2をセラミック基板1の裏面に設ける場合は、発熱抵抗体2は導体成分およびガラス成分を含んでいるものが良い。導体成分としては、例えば銀パラジウム、白金、アルミニウムまたは金等の金属材料を含んでいる。ガラス成分が発泡してしまうことを抑制するために、金属材料としては大気中で焼結可能な金属を選択してもよい。また、ガラス成分としては、ケイ素、アルミニウム、ビスマス、カルシウム、ホウ素および亜鉛等の材料の酸化物を含んでいる。発熱抵抗体は線状であり、均熱性を向上させるために最適に設計されたパターン形状を持つ。要求される抵抗や電力量で寸法が設計され、例えば、幅は0.1〜10mm、厚みは10μm〜5mm、長さは50mm〜5mに設定される。
更に、発熱抵抗体2をセラミック基板1の内部または裏面(他方の主面)に設ける。発熱抵抗体2は電流を通電することでジュール発熱を生じ、被加熱対象を加熱するための部材である。発熱抵抗体2をセラミック基板1の内部に設ける場合は、静電吸着用電極と同様の方法で形成する。発熱抵抗体2をセラミック基板1の裏面に設ける場合は、発熱抵抗体2は導体成分およびガラス成分を含んでいるものが良い。導体成分としては、例えば銀パラジウム、白金、アルミニウムまたは金等の金属材料を含んでいる。ガラス成分が発泡してしまうことを抑制するために、金属材料としては大気中で焼結可能な金属を選択してもよい。また、ガラス成分としては、ケイ素、アルミニウム、ビスマス、カルシウム、ホウ素および亜鉛等の材料の酸化物を含んでいる。
次に、セラミック基板1体の試料保持面11とは異なる裏面(他方の主面)に、マシニングセンターまたはボール盤などで静電吸着用電極の一部が露出するような給電用の凹部を設ける。
更に、アルミニウム等で作製された金属部材3とセラミック基板1とを接合する。発熱抵抗体2がセラミック基板1の裏面に設けられている場合、セラミック基板1の裏面にエポキシ系のペーストを塗布しスキージ等で余分なペーストを除去し硬化させる。ここで、発熱抵抗体2の両端の給電部は目止めをしてペーストが給電部に付着しないようにしておく。次に、ロータリー加工等で平面度よく加工し、接合層4の第1層を形成する。
次に、接合層4の第1層の上に銅やアルミニウム等の例えば金属箔からなる導通部6を配置する。導通部6は、上下方向に伸びた部分63において発熱抵抗体2との接続をはんだなどで行なう。また、セラミック基板1の下面に沿った部分において、リード端子5と接続可能な領域への引き回しを行なっている。導通部6のうちセラミック基板1の下面に沿った部分は凹部の底面に露出している。言い換えると、導通部6の他端は凹部の底面に露出している。そして、当該他端をリード端子5とはんだなどで接合する。
ここで、導通部6は板状部61と膜状部材62とを含む。膜状部材62の表面にエポキシ接着剤を塗布し、塗布面を板状部61の表面に接触するように板状部61に巻きつける。このとき、導通部6とリード端子5とははんだ接合されており、このはんだ接合部もシリコーン樹脂でコートする。このとき、膜状部材62の表面に例えば繊維状のワイヤー又は格子状に編み込まれた布やメッシュを押し付けながら、エポキシ接着剤を硬化させることで、膜状部材62の表面に凹部621を形成できる。このとき、接着剤も含めて膜状部材62となる。
次に、金属部材3にシリコーンペーストを塗布し、スキージ等で余分なペーストを除去し、セラミック基板1を真空中で金属部材3と接着し、所定の厚みまで加圧し、100℃
2時間硬化させる。接合層4となる接着材の硬化は、触媒などをいれて常温で硬化してもよい。このとき、金属部材3に設けられた貫通孔31に導通部6の端部が位置するように位置合わせして接着する。
そして、貫通孔31に給電用のリード端子5を挿入し、導通部6の端部に発熱抵抗体2用のリード端子5を挿入してはんだ等で接合する。
次に、ロータリー加工、ラップ加工などでセラミック基板1の厚みを所定の厚みに仕上げる。このとき、吸着面にブラストマスクを貼付または形成し、ブラスト加工によりシール部及び凸部を形成してもよい。
このようにして本実施形態の試料保持具10を作製することができる。
1:セラミック基板
2:発熱抵抗体
3:金属部材
31:貫通孔
4:接合層
5:リード端子
6:導通部(第1導通部)
61:板状部(第1板状部)
62:膜状部材(第1膜状部材)
621:凹部(第1凹部)
63:上下方向に伸びた部分
7:第2導通部
71:第2板状部
72:第2膜状部材
721:第2凹部

Claims (3)

  1. 一方の主面が試料保持面であるセラミック基板と、該セラミック基板の内部または他方の主面に設けられた発熱抵抗体と、前記セラミック基板の前記他方の主面を覆うように接合層を介して設けられており、一方の主面と他方の主面とに開口する貫通孔を有する金属部材と、該金属部材に挿入されたリード端子と、前記接合層の内部に設けられており、前記発熱抵抗体と前記リード端子とを電気的に接続する導通部と、を備えており、
    該導通部は、前記セラミック基板の前記他方の主面から離れて位置し、前記他方の主面に対して向かい合って位置する板状部と、該板状部を覆う膜状部材とを有しており、
    該膜状部材は、表面に凹部を有することを特徴とする試料保持具。
  2. 前記凹部は、格子状であることを特徴とする請求項1に記載の試料保持具。
  3. 前記導通部を第1導通部、前記板状部を第1板状部、前記膜状部材を第1膜状部材、前記凹部を第1凹部としたときに、
    接合層の内部に設けられた第2導通部をさらに備えており、
    該第2導通部は、前記セラミック基板の前記他方の主面から離れて位置し、前記他方の主面に対して向かい合って位置する第2板状部と、該第2板状部を覆う第2膜状部材とを有しており、
    該第2膜状部材は、表面に格子状の第2凹部を有するとともに、
    前記第1凹部が伸びる方向は、前記第2凹部が伸びる方向に対して傾いていることを特徴とする請求項2に記載の試料保持具。
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