JP2019161134A - 保持装置の製造方法および保持装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】セラミックス部材の表面の温度分布の制御性の低下を抑制する。【解決手段】保持装置の製造方法は、ヒータ電極用の材料である金属バルク体と、第1のヒータ側ビア部分用の材料である金属粉体を含む材料とを用いて、ホットプレス焼成により、第1のセラミックス部分とヒータ電極と第1のヒータ側ビア部分とを有する第1の構造体を作製する工程と、ドライバ電極用の材料である金属粉体を含む材料と、第2のヒータ側ビア部分用の材料である金属粉体を含む材料と、給電側ビア用の材料である金属粉体を含む材料とを用いて、常圧焼成により、第2のセラミックス部分とドライバ電極と第2のヒータ側ビア部分と給電側ビアとを有する第2の構造体を作製する工程とを備える。また、保持装置の製造方法は、ホットプレス焼成により第1の構造体と第2の構造体とを接合する工程を備える。【選択図】図6
Description
本明細書に開示される技術は、対象物を保持する保持装置の製造方法に関する。
例えば半導体素子を製造する際にウェハを保持する保持装置として、静電チャックが用いられる。静電チャックは、所定の方向(以下、「第1の方向」という)に略垂直な略平面状の表面(以下、「吸着面」という)を有するセラミックス部材と、セラミックス部材の内部に設けられたチャック電極とを備えており、チャック電極に電圧が印加されることにより発生する静電引力を利用して、セラミックス部材の吸着面にウェハを吸着して保持する。
静電チャックの吸着面に保持されたウェハの温度が所望の温度にならないと、ウェハに対する各処理(成膜、エッチング等)の精度が低下するおそれがあるため、静電チャックにはウェハの温度分布を制御する性能が求められる。そのため、セラミックス部材の内部には、複数のヒータ電極と、ドライバ電極と、各種ビアとが設けられる。電源から各種ビアおよびドライバ電極を介して各ヒータ電極に電圧が印加されると、各ヒータ電極が発熱することによってセラミックス部材が加熱され、これにより、セラミックス部材の吸着面の温度分布の制御(ひいては、吸着面に保持されたウェハの温度分布の制御)が実現される。
従来、静電チャックを構成するセラミックス部材の製造方法として、セラミックスグリーンシートを複数枚作製し、所定のセラミックスグリーンシートに対して、ビア用孔の形成や、ビアやヒータ電極、ドライバ電極を形成するためのメタライズペースト(金属粉体を含む材料)の充填および印刷等の加工を行い、これらのセラミックスグリーンシートを積層し、得られた積層体に対して上記第1の方向に加圧しつつ焼成を行うホットプレス焼成を行うことにより、セラミックス部材を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記従来のセラミックス部材の製造方法では、ヒータ電極が、金属粉体を含む材料(メタライズペースト)を印刷することにより形成される。そのため、ヒータ電極の厚さのバラツキを抑制することが困難であり、その結果、ヒータ電極の抵抗のバラツキを抑制することが困難である。そのため、上記従来のセラミックス部材の製造方法では、ヒータ電極の抵抗のバラツキに起因するヒータ電極の発熱量のバラツキを抑制することが困難であり、ヒータ電極によるセラミックス部材の吸着面の温度分布の制御性(ひいては、吸着面に保持されたウェハの温度分布の制御性)が低下するおそれがある。
また、上記従来のセラミックス部材の製造方法では、セラミックスグリーンシートの積層体がホットプレス焼成されるため、ビアが複雑に配置されている箇所において、ホットプレス焼成時の加圧によってビアとヒータ電極またはドライバ電極との接続箇所で接続不良が発生するおそれがある。このような接続不良箇所では、局所的に抵抗が高くなるため、使用時に局所的に異常発熱して断線が発生し、該箇所が温度特異点となってセラミックス部材の吸着面の温度分布の制御性(ひいては、吸着面に保持されたウェハの温度分布の制御性)が低下するおそれがある。
なお、このような課題は、静電引力を利用してウェハを保持する静電チャックに限らず、セラミックス部材を備え、セラミックス部材の表面上に対象物を保持する保持装置一般に共通の課題である。なお、本明細書において、保持装置とは、対象物の吸着機能や固着機能を有する装置に限られず、対象物の吸着機能や固着機能を有さず、単に装置の表面上に載置された対象物を保持する装置を含むものとする。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される保持装置の製造方法は、第1の方向に略垂直な略平面状の第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有するセラミックス部材と、前記セラミックス部材における前記第2の表面側の一部分である第2のセラミックス部分の内部に配置されたドライバ電極と、前記セラミックス部材における前記第1の表面側の一部分である第1のセラミックス部分の内部に配置され、前記ドライバ電極と電気的に接続された複数のヒータ電極と、前記ドライバ電極から前記セラミックス部材の前記第2の表面側に延びる給電側ビアと、前記第1のセラミックス部分の内部に配置された第1のヒータ側ビア部分と、前記第2のセラミックス部分の内部に配置された第2のヒータ側ビア部分と、から構成され、各前記ヒータ電極と前記ドライバ電極とを電気的に接続するヒータ側ビアと、を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置の製造方法において、前記第1のセラミックス部分用の材料であるセラミックスと、前記ヒータ電極用の材料である金属バルク体と、前記第1のヒータ側ビア部分用の材料であり、金属粉体を含む材料と、を用いて、ホットプレス焼成により、前記第1のセラミックス部分と、前記ヒータ電極と、前記第1のヒータ側ビア部分と、を有する第1の構造体を作製する工程と、前記第2のセラミックス部分用の材料であるセラミックスと、前記ドライバ電極用の材料であり、金属粉体を含む材料と、前記第2のヒータ側ビア部分用の材料であり、金属粉体を含む材料と、前記給電側ビア用の材料であり、金属粉体を含む材料と、を用いて、常圧焼成により、前記第2のセラミックス部分と、前記ドライバ電極と、前記第2のヒータ側ビア部分と、前記給電側ビアと、を有する第2の構造体を作製する工程と、前記第1のヒータ側ビア部分と前記第2のヒータ側ビア部分とが電気的に接続されるように前記第1の構造体と前記第2の構造体とを積層した状態で、ホットプレス焼成により前記第1の構造体と前記第2の構造体とを接合する工程と、を備える。本保持装置の製造方法では、ヒータ電極が、金属粉体を含む材料ではなく、金属バルク体を用いて形成される。そのため、ヒータ電極の厚さのバラツキを抑制することができ、その結果、ヒータ電極の抵抗のバラツキを抑制することができる。そのため、本保持装置の製造方法によれば、ヒータ電極の抵抗のバラツキに起因するヒータ電極の発熱量のバラツキを抑制することができ、ヒータ電極によるセラミックス部材の第1の表面の温度分布の制御性(ひいては、第1の表面に保持された対象物の温度分布の制御性)が低下することを抑制することができる。また、本保持装置の製造方法では、第1のセラミックス部分とヒータ電極とを有する第1の構造体がホットプレス焼成により作製される一方、第2のセラミックス部分とドライバ電極と第2のヒータ側ビア部分と給電側ビアとを有する第2の構造体が、ホットプレス焼成ではなく常圧焼成により作製される。そのため、第2の構造体の作製のための焼成の際に加圧がなされることがなく、第2の構造体の内部に形成されるビアとドライバ電極との接続箇所において接続不良が発生することを抑制することができる。従って、本保持装置の製造方法によれば、そのような接続不良箇所が温度特異点となってセラミックス部材の第1の表面の温度分布の制御性(ひいては、第1の表面に保持された対象物の温度分布の制御性)が低下することを抑制することができる。
(2)上記保持装置の製造方法において、前記第1の構造体を作製する工程において、前記第1のセラミックス部分用の材料は、複数のセラミックスグリーンシートから構成されており、前記第1のヒータ側ビア部分用の材料は、前記複数のセラミックスグリーンシートのそれぞれに、前記第1の方向視で少なくとも一部分が互いに重なるように配置される構成としてもよい。本保持装置の製造方法によれば、ホットプレス焼成時における第1のヒータ側ビア部分の傾きや位置ずれの発生を抑制することができ、それらの傾きや位置ずれに起因して第1のヒータ側ビア部分とヒータ電極との接続部で接続不良が発生することを抑制することができる。
(3)本明細書に開示される保持装置は、第1の方向に略垂直な略平面状の第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有するセラミックス部材と、前記セラミックス部材における前記第2の表面側の一部分である第2のセラミックス部分の内部に配置されたドライバ電極と、前記セラミックス部材における前記第1の表面側の一部分である第1のセラミックス部分の内部に配置され、前記ドライバ電極と電気的に接続された複数のヒータ電極と、前記ドライバ電極から前記セラミックス部材の前記第2の表面側に延びる給電側ビアと、各前記ヒータ電極と前記ドライバ電極とを電気的に接続するヒータ側ビアと、を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、前記ヒータ電極における金属の占める割合は、99.5vol%以上であり、前記ドライバ電極と、前記給電側ビアと、前記ヒータ側ビアとは、金属を含むと共に、0.5vol%より高い割合で前記セラミックス部材の主成分を含むことを特徴とする。本保持装置では、ドライバ電極と給電側ビアとヒータ側ビアとが、金属を含むと共に、0.5vol%より高い割合でセラミックス部材の主成分を含むため、これらの電極やビアとセラミックス部材との間の密着性が良好となり、これらの電極やビアとセラミックス部材との界面でクラックが発生することを抑制することができる。また、ヒータ電極における金属の占める割合が低いと、ヒータ電極における導通部分が細くなるため、ヒータ電極の使用中に異常発熱が発生してヒータ電極に断線等の接続不良が発生するおそれがあるが、本保持装置では、ヒータ電極における金属の占める割合が99.5vol%以上と極めて高いため、金属以外が占める部分で異常発熱が発生することを抑制することができ、ヒータ電極に断線等の接続不良が発生することを抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、保持装置、静電チャック、CVDヒータ等のヒータ装置、真空チャック、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
A.実施形態:
A−1.静電チャック100の構成:
図1は、本実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図であり、図3および図4は、本実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。図3には、図2のIII−IIIの位置における静電チャック100のXY断面構成が示されており、図4には、図2のIV−IVの位置における静電チャック100のXY断面構成が示されている。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、静電チャック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。
A−1.静電チャック100の構成:
図1は、本実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図であり、図3および図4は、本実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。図3には、図2のIII−IIIの位置における静電チャック100のXY断面構成が示されており、図4には、図2のIV−IVの位置における静電チャック100のXY断面構成が示されている。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、静電チャック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。
静電チャック100は、対象物(例えばウェハW)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば半導体製造装置の真空チャンバー内でウェハWを固定するために使用される。静電チャック100は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向(Z軸方向))に並べて配置されたセラミックス部材10およびベース部材20を備える。セラミックス部材10とベース部材20とは、セラミックス部材10の下面S2(図2参照)とベース部材20の上面S3とが上記配列方向に対向するように配置される。
セラミックス部材10は、上述した配列方向(Z軸方向)に略直交する略円形平面状の上面(以下、「吸着面」という)S1を有する板状部材であり、セラミックス(例えば、アルミナや窒化アルミニウム等)により形成されている。セラミックス部材10の直径は例えば50mm〜500mm程度(通常は200mm〜350mm程度)であり、セラミックス部材10の厚さは例えば1mm〜10mm程度である。セラミックス部材10の吸着面S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当し、Z軸方向は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。また、本明細書では、Z軸方向に直交する方向を「面方向」という。
図2に示すように、本実施形態では、静電チャック100は、上側セラミックス部分101と、下側セラミックス部分102とから構成されている。上側セラミックス部分101は、セラミックス部材10における吸着面S1側の部分、より詳細には吸着面S1を含む部分である。下側セラミックス部分102は、セラミックス部材10における下面S2側の部分、より詳細には下面S2を含む部分である。本実施形態では、上側セラミックス部分101の気孔率は、下側セラミックス部分102の気孔率より低い。上側セラミックス部分101は、特許請求の範囲における第1のセラミックス部分に相当し、下側セラミックス部分102は、特許請求の範囲における第2のセラミックス部分に相当する。
図2に示すように、セラミックス部材10の内部には、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されたチャック電極40が配置されている。Z軸方向視でのチャック電極40の形状は、例えば略円形である。チャック電極40に電源(図示しない)から電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWがセラミックス部材10の吸着面S1に吸着固定される。本実施形態では、チャック電極40は、セラミックス部材10を構成する2つの部分の内の上側セラミックス部分101内に配置されている。
また、セラミックス部材10の内部には、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御(すなわち、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御)のための複数のヒータ電極50と、各ヒータ電極50への給電のための構成(ドライバ電極60等)とが配置されている。これらの構成については、後に詳述する。
ベース部材20は、例えばセラミックス部材10と同径の、または、セラミックス部材10より径が大きい円形平面の板状部材であり、例えば金属(アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成されている。ベース部材20の直径は例えば220mm〜550mm程度(通常は220mm〜350mm)であり、ベース部材20の厚さは例えば20mm〜40mm程度である。
ベース部材20は、セラミックス部材10の下面S2とベース部材20の上面S3との間に配置された接着部30によって、セラミックス部材10に接合されている。接着部30は、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の接着材により構成されている。接着部30の厚さは、例えば0.1mm〜1mm程度である。
ベース部材20の内部には冷媒流路21が形成されている。冷媒流路21に冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)が流されると、ベース部材20が冷却され、接着部30を介したベース部材20とセラミックス部材10との間の伝熱(熱引き)によりセラミックス部材10が冷却され、セラミックス部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが冷却される。これにより、ウェハWの温度分布の制御が実現される。
A−2.ヒータ電極50等の構成:
次に、ヒータ電極50およびヒータ電極50への給電のための構成について詳述する。上述したように、静電チャック100は、複数のヒータ電極50(より具体的には、3つのヒータ電極50A,50B,50C)を備える(図2および図3参照)。本実施形態では、複数のヒータ電極50は、セラミックス部材10を構成する2つの部分の内の上側セラミックス部分101内における、チャック電極40より下側の位置に配置されている。また、複数のヒータ電極50は、Z軸方向において互いに同一の位置に配置されている。
次に、ヒータ電極50およびヒータ電極50への給電のための構成について詳述する。上述したように、静電チャック100は、複数のヒータ電極50(より具体的には、3つのヒータ電極50A,50B,50C)を備える(図2および図3参照)。本実施形態では、複数のヒータ電極50は、セラミックス部材10を構成する2つの部分の内の上側セラミックス部分101内における、チャック電極40より下側の位置に配置されている。また、複数のヒータ電極50は、Z軸方向において互いに同一の位置に配置されている。
3つのヒータ電極50の内、1つのヒータ電極50Aは、Z軸方向視でセラミックス部材10における外周側の領域(以下「外周領域Za」という)に配置されており、他の1つのヒータ電極50Cは、Z軸方向視でセラミックス部材10における中心付近の領域(以下「中心領域Zc」という)に配置されており、他の1つのヒータ電極50Bは、Z軸方向視でセラミックス部材10における外周領域Zaと中心領域Zcとに挟まれた領域(以下「中間領域Zb」という)に配置されている。なお、セラミックス部材10における各領域(外周領域Za、中間領域Zb、中心領域Zc)は、セグメントとも呼ばれる。
各ヒータ電極50は、Z軸方向視で線状の抵抗発熱体であるヒータライン部51と、ヒータライン部51の両端部に接続されたヒータパッド部52とを有する。ヒータ電極50を構成するヒータライン部51およびヒータパッド部52は、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されている。本実施形態では、Z軸方向視でのヒータライン部51の形状は、略円形または略螺旋状とされている。
また、静電チャック100は、各ヒータ電極50への給電のための構成を備えている。具体的には、静電チャック100は、複数のドライバ電極60(より具体的には、6つのドライバ電極60)を備える(図2および図4参照)。各ドライバ電極60は、面方向に平行な所定の形状の導体パターンであり、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されている。本実施形態では、複数のドライバ電極60は、セラミックス部材10を構成する2つの部分の内の下側セラミックス部分102内に配置されている。また、複数のドライバ電極60は、Z軸方向において互いに同一の位置に配置されている。なお、ドライバ電極60は、下記の(1)および(2)の少なくとも一方を満たすという点で、ヒータ電極50と相違する。
(1)ドライバ電極60の電流が流れる方向に対して垂直方向の断面積は、ヒータ電極50の同様な断面積の5倍以上である。
(2)ヒータ電極50における、ドライバ電極60につながる一方のビアから他方のビアまでの間の抵抗は、ドライバ電極60における、ヒータ電極50につながるビアから給電端子74につながるビアまでの間の抵抗の5倍以上である。
(1)ドライバ電極60の電流が流れる方向に対して垂直方向の断面積は、ヒータ電極50の同様な断面積の5倍以上である。
(2)ヒータ電極50における、ドライバ電極60につながる一方のビアから他方のビアまでの間の抵抗は、ドライバ電極60における、ヒータ電極50につながるビアから給電端子74につながるビアまでの間の抵抗の5倍以上である。
図4に示すように、本実施形態では、静電チャック100が備える6つのドライバ電極60は、それぞれ一対のドライバ電極60から構成された3つのドライバ電極対600(600A,600B,600C)を構成している。3つのドライバ電極対600は、3つのヒータ電極50(50A,50B,50C)に対応している。図2〜図4に示すように、1つのドライバ電極対600(例えば、ドライバ電極対600A)を構成する一対のドライバ電極60の一方は、導電性材料により形成されたヒータ側ビア71を介して、対応するヒータ電極50(例えば、ヒータ電極50A)の一方のヒータパッド部52と電気的に接続されている。また、該ドライバ電極対600(例えば、ドライバ電極対600A)を構成する一対のドライバ電極60の他方は、ヒータ側ビア71を介して、対応するヒータ電極50(例えば、ヒータ電極50A)の他方のヒータパッド部52と電気的に接続されている。
上述したように、各ヒータ電極50は、セラミックス部材10を構成する2つの部分の内の上側セラミックス部分101内に配置されており、各ドライバ電極60は、セラミックス部材10を構成する2つの部分の内の下側セラミックス部分102内に配置されている(図2参照)。そのため、各ヒータ電極50と各ドライバ電極60との間を電気的に接続するヒータ側ビア71は、上側セラミックス部分101と下側セラミックス部分102とにわたって配置されている。以下では、各ヒータ側ビア71の内、上側セラミックス部分101に配置された部分を上側ヒータ側ビア部分711といい、下側セラミックス部分102に配置された部分を下側ヒータ側ビア部分712という。上側ヒータ側ビア部分711は、特許請求の範囲における第1のヒータ側ビア部分に相当し、下側ヒータ側ビア部分712は、特許請求の範囲における第2のヒータ側ビア部分に相当する。
また、図2に示すように、静電チャック100には、ベース部材20の下面S4からセラミックス部材10の内部に至る複数の端子用孔110が形成されている。各端子用孔110は、ベース部材20を上下方向に貫通する貫通孔22と、接着部30を上下方向に貫通する貫通孔32と、セラミックス部材10の下面S2側に形成された凹部13とが、互いに連通することにより構成された一体の孔である。
各端子用孔110には、導電性材料により形成された略柱状の部材である給電端子74が収容されている。また、各端子用孔110を構成するセラミックス部材10の凹部13の底面には、導電性材料により形成された電極パッド73が配置されている。給電端子74の上端部分は、例えばろう付け等により電極パッド73に接合されている。
また、図2および図4に示すように、各ドライバ電極対600を構成する一対のドライバ電極60の一方は、該ドライバ電極60からセラミックス部材10の下面S2側に延びる給電側ビア72を介して、1つの電極パッド73に電気的に接続されており、該一対のドライバ電極60の他方は、他の給電側ビア72を介して、他の1つの電極パッド73に電気的に接続されている。
各給電端子74は、電源(図示せず)に接続されている。電源からの電圧は、給電端子74、電極パッド73、給電側ビア72、ドライバ電極60およびヒータ側ビア71を介して、各ヒータ電極50に印加される。各ヒータ電極50に電圧が印加されると、各ヒータ電極50が発熱してセラミックス部材10が加熱され、これにより、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御(すなわち、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御)が実現される。
なお、本明細書では説明を省略するが、静電チャック100は、チャック電極40への給電のために、上述したヒータ電極50への給電のための給電端子、給電パッド、ビア等と同様の構成を備えている。
本実施形態の静電チャック100では、ヒータ電極50およびチャック電極40における金属の占める割合は、99.5vol%以上である。すなわち、ヒータ電極50およびチャック電極40における金属の占める割合は、非常に高い。一方、ヒータ電極50およびチャック電極40への給電のための構成における導電性部材(ヒータ電極50への給電のためのヒータ側ビア71、給電側ビア72およびドライバ電極60を含む)は、金属を含むと共に、0.5vol%より高い割合でセラミックス部材10の主成分(例えば、窒化アルミニウム)を含んでいる。すなわち、これらの部材における金属の占める割合は、99.5vol%未満である。なお、本明細書において、主成分とは、含有割合(体積割合)の最も多い成分を意味する。
なお、ある部材(例えば、電極やビア)における金属の占める割合(vol%)の特定は、以下のように行う。まず、対象の部材を切断して、該部材の断面を露出させる。なお、対象の部材が線状である場合には、延伸方向に略垂直な断面を露出させるものとする。次に、該断面を研磨した後、該断面のSEM画像を取得する。SEM画像の倍率は、3000倍とする。断面のSEM画像において、濃淡差によって、金属と他の材料(例えば、セラミックス)とを識別する。対象の部材の断面積に対する、金属の占める部分の面積の比率(面積比率)を算出する。この面積比率が、該部材における金属の占める割合(vol%)に等しいものとみなして、このような金属の占める割合(vol%)を特定するものとする。
A−3.静電チャック100の製造方法:
次に、静電チャック100の製造方法について説明する。図5は、本実施形態における静電チャック100の製造方法を示すフローチャートである。また、図6は、本実施形態における静電チャック100の製造方法の概要を示す説明図である。
次に、静電チャック100の製造方法について説明する。図5は、本実施形態における静電チャック100の製造方法を示すフローチャートである。また、図6は、本実施形態における静電チャック100の製造方法の概要を示す説明図である。
はじめに、複数のセラミックスグリーンシートを作製し、作製されたセラミックスグリーンシートに対する所定の加工を行う(S110)。より詳細には、例えば窒化アルミニウム(AlN)粉末と、焼結助剤としてのイットリア(Y2O3)粉末との混合粉末(AlN:Y2O3=97:3(wt%))に、アクリル樹脂等のバインダとトルエン等の有機溶剤とを加え、ボールミルにて所定の時間(例えば24時間)混合することにより、スラリーを得る。このスラリーを、例えばドクターブレード法によってシート状に成形し、乾燥させることにより、複数のセラミックスグリーンシートを得る。また、所定のセラミックスグリーンシートに対して、ビア用の孔開け加工等を行う。
次に、各種メタライズペースト(メタライズインク)を作製する(S120)。より詳細には、例えばタングステン(W)の粉末と、窒化アルミニウム(AlN)の粉末との混合粉末(W:AlN=80:20(vol%))に、バインダとテルピネオール等の有機溶剤とを加えて混合することにより、ドライバ電極用のメタライズペーストを得る。また、例えばタングステン(W)の粉末と、窒化アルミニウム(AlN)の粉末との混合粉末(W:AlN=60:40(vol%))に、バインダとテルピネオール等の有機溶剤とを加えて混合することにより、ビア用のメタライズペーストを得る。このように、メタライズペーストは、金属粉体を含む材料である。なお、本明細書において、金属粉体とは、平均粒径が100μm未満の金属を意味する。
次に、上側セラミックス部分101の作製に用いられる複数のセラミックスグリーンシート(以下、「上部用セラミックスグリーンシート」という)の内の所定のシートに形成されたビア用孔に、ビア用のメタライズペーストを充填する(S130)。
次に、複数の上部用セラミックスグリーンシートと、ヒータ電極50およびチャック電極40の形成材料とを積層して加圧・圧着することにより、積層体(以下、「上部用シート積層体」という)を作製する(S140)。本実施形態では、ヒータ電極50およびチャック電極40の形成材料として、各電極の形状に加工された金属箔(例えば、タングステン箔)が用いられる。すなわち、本実施形態では、ヒータ電極50およびチャック電極40の形成材料として、金属粉体ではなく、金属バルク体が用いられる。なお、本明細書において、金属バルク体とは、上記積層体を形成する時点で、それぞれの構成要素の少なくとも一部の形状を有している(ハンドリング可能な)金属体を意味する。金属バルク体は、変形のしやすさの点で、加圧されると容易に流動する金属粉体とは異なる。
次に、上部用シート積層体を、例えば窒素雰囲気の下で500℃で脱脂した後、ホットプレス焼成を行うことにより、上側構造体11を作製する(S150)。図6のA欄には、作製された上側構造体11が示されている。上側構造体11は、上側セラミックス部分101と、上側セラミックス部分101の内部に配置されたヒータ電極50と、ヒータ電極50と電気的に接続された上側ヒータ側ビア部分711とを有する構造体である。なお、図6では、上側構造体11における一部の構成(例えば、チャック電極40)の図示を省略している。また、図6のA欄(およびB欄)では、上側セラミックス部分101(および下側セラミックス部分102)において、各セラミックスグリーシートから形成された個々の部分を破線で示している。上側構造体11を作製する際のホットプレス焼成は、例えば窒素雰囲気の下で、Z軸方向(各シートの積層方向)に70kg/cm2の圧力(荷重)をかけつつ、1700℃で2時間行う。上側構造体11の作製後、必要により、上側構造体11の表面を研磨する。上側構造体11は、特許請求の範囲における第1の構造体に相当する。
なお、本実施形態では、図6のA欄に示すように、作製された上側構造体11において、上側セラミックス部分101の内部に形成された各上側ヒータ側ビア部分711は、上側セラミックス部分101の内、複数のセラミックスグリーシートから形成された複数の部分P1,P2にわたって、導電性のパッド部701を間に介して連続的に延びている。このような上側ヒータ側ビア部分711の構成は、上側セラミックス部分101の作製の際に、上記部分P1,P2のそれぞれを形成するためのセラミックスグリーシートに、Z軸方向(各シートの積層方向)視で少なくとも一部分が互いに重なるようにビア用孔を形成し、該ビア用孔にビア用のメタライズペーストを充填し、その結果、上側ヒータ側ビア部分711を形成するためのメタライズペーストが、各セラミックスグリーンシートに、Z軸方向視で少なくとも一部分が互いに重なるように配置されることにより、実現される。
また、ホットプレス焼成の際には、セラミックスグリーシートとビア用のメタライズペーストとの間で拡散が発生し、ビア用のメタライズペーストにおける金属とセラミックスとの割合と比べて、上側ヒータ側ビア部分711におけるセラミックスの割合が高くなることがある。
次に、下側セラミックス部分102の作製に用いられる複数のセラミックスグリーンシート(以下、「下部用セラミックスグリーンシート」という)の内の所定のシートに形成されたビア用孔にビア用のメタライズペーストを充填し、さらにドライバ電極用のメタライズペーストを用いたスクリーン印刷により所定のシート上にドライバ電極60のパターンを形成する(S160)。すなわち、本実施形態では、ドライバ電極60の形成材料として、金属バルク体ではなく、金属粉体を含む材料であるメタライズペーストが用いられる。
次に、複数の下部用セラミックスグリーンシートを積層して加圧・圧着することにより、積層体(以下、「下部用シート積層体」という)を作製する(S170)。
次に、下部用シート積層体を、例えば窒素雰囲気の下で500℃で脱脂した後、常圧焼成を行うことにより、下側構造体12を作製する(S180)。図6のB欄には、作製された下側構造体12が示されている。下側構造体12は、下側セラミックス部分102と、下側セラミックス部分102の内部に配置されたドライバ電極60と、ドライバ電極60と電気的に接続された下側ヒータ側ビア部分712および給電側ビア72と、給電側ビア72と電気的に接続された電極パッド73とを有する造体である。下側構造体12を作製する際の常圧焼成は、例えば窒素雰囲気の下で、1850℃で4時間行う。下側構造体12の作製後、必要により、下側構造体12の表面を研磨する。なお、図5には、便宜上、上側構造体11の作製の後に、下側構造体12が作製されるように表現されているが、下側構造体12が先に作製されてもよいし、両者が並行して作製されてもよい。下側構造体12は、特許請求の範囲における第2の構造体に相当する。
なお、常圧焼成の際には、セラミックスグリーシートとビア用およびドライバ電極用のメタライズペーストとの間で拡散が発生し、ビア用およびドライバ電極用のメタライズペーストにおける金属とセラミックスとの割合と比べて、各種ビアやドライバ電極60におけるセラミックスの割合が高くなることがある。
上側構造体11と下側構造体12とが作製された後、上側構造体11と下側構造体12とを研磨して重ね合わせた後、ホットプレス焼成を行うことにより、上側構造体11と下側構造体12とを接合する(S190)。図6のC欄には、上側構造体11と下側構造体12とが接合されて作製された構造体、すなわち、セラミックス部材10、ヒータ電極50、ドライバ電極60等を有する構造体が示されている。上側構造体11と下側構造体12との積層の際には、上側セラミックス部分101の内部に形成された上側ヒータ側ビア部分711と、下側セラミックス部分102の内部に形成された下側ヒータ側ビア部分712とが電気的に接続されて、一体のヒータ側ビア71が構成されるように、両者の位置関係が調整される。また、上側構造体11と下側構造体12との接合の際のホットプレス焼成は、例えば窒素雰囲気の下で、Z軸方向(上側構造体11と下側構造体12との積層方向)に70kg/cm2の圧力(荷重)をかけつつ、1700℃で2時間行う。このようなホットプレス焼成により、上側構造体11を構成する上側セラミックス部分101と下側構造体12を構成する下側セラミックス部分102とが拡散接合される。
なお、上側構造体11と下側構造体12との接合の際には、両者の接合をより簡易に行うために、例えばAlNおよび助剤からなる接合材を両者の間に塗布した後に、両者の接合を行うとしてもよい。また、上側構造体11と下側構造体12とに形成されたビア同士の接合をより確実なものとするために、ビア上にパッドを形成し、該パッドを介してビア同士を接合するとしてもよい。
次に、セラミックス部材10にベース部材20を接合する(S200)。より詳細には、ベース部材20の上面S3に、例えばシリコーン系樹脂を含むペースト状接着剤を塗布し、ベース部材20に塗布されたペースト状接着剤の上にセラミックス部材10を配置し、ペースト状接着剤を硬化させる硬化処理を行うことにより、ベース部材20とセラミックス部材10とを接合する接着部30を形成する。硬化処理の内容は、使用する接着剤の種類に応じて異なり、熱硬化型の接着剤であれば硬化処理として熱を付与する処理が行われ、水分硬化型の接着剤であれば硬化処理として水分を付与する処理が行われる。その後、他の部材(例えば、給電端子74等)を組み付けることにより、上述した構成の静電チャック100が製造される。
A−4.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の静電チャック100の製造方法は、上側セラミックス部分101用の材料であるセラミックスと、ヒータ電極50用の材料である金属バルク体(金属箔)と、上側ヒータ側ビア部分711用の材料である金属粉体を含む材料(ビア用のメタライズペースト)とを用いて、ホットプレス焼成により、上側セラミックス部分101とヒータ電極50と上側ヒータ側ビア部分711とを有する上側構造体11を作製する工程(S110〜S150)を備える。また、本実施形態の静電チャック100の製造方法は、下側セラミックス部分102用の材料であるセラミックスと、ドライバ電極60用の材料である金属粉体を含む材料(ドライバ電極用のメタライズペースト)と、下側ヒータ側ビア部分712用の材料である金属粉体を含む材料(ビア用のメタライズペースト)と、給電側ビア72用の材料である金属粉体を含む材料(ビア用のメタライズペースト)とを用いて、常圧焼成により、下側セラミックス部分102とドライバ電極60と下側ヒータ側ビア部分712と給電側ビア72とを有する下側構造体12を作製する工程(S110,S120,S160〜S180)を備える。さらに、本実施形態の静電チャック100の製造方法は、上側ヒータ側ビア部分711と下側ヒータ側ビア部分712とが電気的に接続されるように上側構造体11と下側構造体12とを積層した状態で、ホットプレス焼成により、上側構造体11と下側構造体12とを接合する工程(S190)を備える。
以上説明したように、本実施形態の静電チャック100の製造方法は、上側セラミックス部分101用の材料であるセラミックスと、ヒータ電極50用の材料である金属バルク体(金属箔)と、上側ヒータ側ビア部分711用の材料である金属粉体を含む材料(ビア用のメタライズペースト)とを用いて、ホットプレス焼成により、上側セラミックス部分101とヒータ電極50と上側ヒータ側ビア部分711とを有する上側構造体11を作製する工程(S110〜S150)を備える。また、本実施形態の静電チャック100の製造方法は、下側セラミックス部分102用の材料であるセラミックスと、ドライバ電極60用の材料である金属粉体を含む材料(ドライバ電極用のメタライズペースト)と、下側ヒータ側ビア部分712用の材料である金属粉体を含む材料(ビア用のメタライズペースト)と、給電側ビア72用の材料である金属粉体を含む材料(ビア用のメタライズペースト)とを用いて、常圧焼成により、下側セラミックス部分102とドライバ電極60と下側ヒータ側ビア部分712と給電側ビア72とを有する下側構造体12を作製する工程(S110,S120,S160〜S180)を備える。さらに、本実施形態の静電チャック100の製造方法は、上側ヒータ側ビア部分711と下側ヒータ側ビア部分712とが電気的に接続されるように上側構造体11と下側構造体12とを積層した状態で、ホットプレス焼成により、上側構造体11と下側構造体12とを接合する工程(S190)を備える。
このように、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、ヒータ電極50が、金属粉体を含む材料(メタライズペースト)ではなく、金属バルク体を用いて形成される。そのため、ヒータ電極50の厚さのバラツキを抑制することができ、その結果、ヒータ電極50の抵抗のバラツキを抑制することができる。そのため、本実施形態の静電チャック100の製造方法によれば、ヒータ電極50の抵抗のバラツキに起因するヒータ電極50の発熱量のバラツキを抑制することができ、ヒータ電極50によるセラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性(ひいては、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御性)が低下することを抑制することができる。
なお、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、ヒータ電極50やその他の電極(チャック電極40)の形成材料として、金属バルク体(例えば、金属箔)が用いられるため、ヒータ電極50やその他の電極の厚さを比較的厚くすることができ、所望の特性を有するヒータ電極50やその他の電極を容易に作製することができる。
また、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、上側セラミックス部分101とヒータ電極50とを有する上側構造体11がホットプレス焼成により作製される一方、下側セラミックス部分102とドライバ電極60と下側ヒータ側ビア部分712と給電側ビア72とを有する下側構造体12が、ホットプレス焼成ではなく常圧焼成により作製される。そのため、下側構造体12の作製のための焼成の際に加圧がなされることがなく、下側構造体12の内部に形成されるビア71,72とドライバ電極60との接続箇所において接続不良が発生することを抑制することができる。従って、本実施形態の静電チャック100の製造方法によれば、そのような接続不良箇所が温度特異点となってセラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性(ひいては、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御性)が低下することを抑制することができる。特に、ドライバ電極60の周辺部は、ビアが比較的複雑に配置されるため、接続不良箇所が発生しやすいが、本実施形態の静電チャック100の製造方法によれば、ドライバ電極60の周辺部での接続不良箇所の発生を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の静電チャック100の製造方法では、上側構造体11を作製する工程(S110〜S150)において、上側セラミックス部分101用の材料は、複数のセラミックスグリーンシートから構成されており、上側ヒータ側ビア部分711用の形成材料であるメタライズペーストは、複数のセラミックスグリーンシートのそれぞれに、Z軸方向視で少なくとも一部分が互いに重なるように配置される。そのため、本実施形態の静電チャック100の製造方法によれば、ホットプレス焼成時における上側ヒータ側ビア部分711の傾きや位置ずれの発生を抑制することができ、それらの傾きや位置ずれに起因して上側ヒータ側ビア部分711とヒータ電極50との接続部で接続不良が発生することを抑制することができる。
また、本実施形態の静電チャック100は、セラミックス部材10と、ドライバ電極60と、複数のヒータ電極50と、給電側ビア72と、ヒータ側ビア71とを備える。セラミックス部材10は、Z軸方向に略垂直な略平面状の吸着面S1と、吸着面S1とは反対側の下面S2とを有する。ドライバ電極60は、セラミックス部材10における下面S2側の一部分である下側セラミックス部分102の内部に配置されている。複数のヒータ電極50は、セラミックス部材10における吸着面S1側の一部分である上側セラミックス部分101の内部に配置されており、ドライバ電極60と電気的に接続されている。給電側ビア72は、ドライバ電極60からセラミックス部材10の下面S2側に延びている。ヒータ側ビア71は、各ヒータ電極50とドライバ電極60とを電気的に接続している。また、本実施形態の静電チャック100では、ヒータ電極50における金属の占める割合は、99.5vol%以上であり、ドライバ電極60と給電側ビア72とヒータ側ビア71とは、金属を含むと共に、0.5vol%より高い割合でセラミックス部材10の主成分を含む。
このように、本実施形態の静電チャック100では、ドライバ電極60と給電側ビア72とヒータ側ビア71とが、金属を含むと共に、0.5vol%より高い割合でセラミックス部材10の主成分を含むため、これらの電極やビアとセラミックス部材10との間の密着性が良好となり、これらの電極やビアとセラミックス部材10との界面でクラックが発生することを抑制することができる。また、ヒータ電極50における金属の占める割合が低いと、ヒータ電極50における導通部分が細くなるため、ヒータ電極50の使用中に異常発熱が発生してヒータ電極50に断線等の接続不良が発生するおそれがある。しかしながら、本実施形態の静電チャック100では、ヒータ電極50における金属の占める割合が99.5vol%以上と極めて高いため、金属以外が占める部分で異常発熱が発生することを抑制することができ、ヒータ電極50に断線等の接続不良が発生することを抑制することができる。
なお、各種ビアにおける金属の占める割合は、50%以上、98%以下であることが好ましい。各種ビアにおける金属の占める割合が50%未満であると、導体である金属の占める割合が減って電気抵抗が過度に高くなるおそれがあるため、好ましくない。一方、各種ビアにおける金属の占める割合が98%超であると、各種ビアとセラミックス部材10との間の密着性が低下し、各種ビアとセラミックス部材10との界面でクラックが発生するおそれがあるため、好ましくない。
A−5.性能評価:
静電チャック100を構成するセラミックス部材10およびセラミックス部材10に配置されたヒータ電極50等の導電部材(以下、単に「セラミックス部材10」ともいう)のサンプルを対象に、以下に説明する性能評価を行った。図7は、性能評価の結果を示す説明図である。
静電チャック100を構成するセラミックス部材10およびセラミックス部材10に配置されたヒータ電極50等の導電部材(以下、単に「セラミックス部材10」ともいう)のサンプルを対象に、以下に説明する性能評価を行った。図7は、性能評価の結果を示す説明図である。
性能評価には、セラミックス部材10の3つのサンプル(サンプルS1〜S3)が用いられた。サンプルS1は、上述した実施形態と同様の製造方法により作製されたセラミックス部材10のサンプルである。すなわち、サンプルS1は、ホットプレス焼成により、上側セラミックス部分101とヒータ電極50と上側ヒータ側ビア部分711とを有する上側構造体11を作製し、常圧焼成により、下側セラミックス部分102とドライバ電極60と下側ヒータ側ビア部分712と給電側ビア72とを有する下側構造体12を作製し、上側構造体11と下側構造体12とを接合することにより作製されたセラミックス部材10のサンプルである。なお、図7に示すように、サンプルS1では、セラミックス部材10を形成するためのセラミックスグリーンシートを作製する際の混合粉末の配合は、窒化アルミニウム(AlN):イットリア(Y2O3)=97:3(wt%)とした。また、ヒータ電極50の形成材料として、金属(タングステン100%)の箔を用いた。また、ドライバ電極用のメタライズペーストを作製する際の混合粉末の配合は、タングステン(W):窒化アルミニウム(AlN)=80:20(vol%)とし、ビア用のメタライズペーストを作製する際の混合粉末の配合は、タングステン(W):窒化アルミニウム(AlN)=60:40(vol%)とした。
一方、サンプルS2およびS3のセラミックス部材10の製造方法は、上述した実施形態の製造方法とは異なる。具体的には、サンプルS2およびS3のセラミックス部材10の製造方法は、以下の通りである。はじめに、上述した実施形態と同様に、複数のセラミックスグリーンシートを作製した。このときの混合粉末の配合は、サンプルS1と同様に、窒化アルミニウム(AlN):イットリア(Y2O3)=97:3(wt%)とした。また、所定のセラミックスグリーンシートに対して、ビア用の孔開け加工等を行った。また、各種メタライズペーストを作製した。ヒータ電極用のメタライズペーストを作製する際の混合粉末の配合は、サンプルS2では、タングステン(W):窒化アルミニウム(AlN)=80:20(vol%)とし、サンプルS3では、タングステン(W):窒化アルミニウム(AlN)=98:2(vol%)とした。また、ドライバ電極用のメタライズペーストを作製する際の混合粉末の配合は、サンプルS2およびS3において、タングステン(W):窒化アルミニウム(AlN)=80:20(vol%)とした。また、ビア用のメタライズペーストを作製する際の混合粉末の配合は、サンプルS2およびS3において、タングステン(W):窒化アルミニウム(AlN)=60:40(vol%)とした。所定のセラミックスグリーンシートに形成されたビア用孔に、ビア用のメタライズペーストを充填し、さらにヒータ電極用およびドライバ電極用のメタライズペーストを用いたスクリーン印刷により所定のシート上にヒータ電極50およびドライバ電極60のパターンを形成した。次に、複数のセラミックスグリーンシートを積層して加圧・圧着することにより積層体を作製し、該積層体を、例えば窒素雰囲気の下で500℃で脱脂した後、ホットプレス焼成(圧力:70kg/cm2、温度:1700℃、時間:2時間)を行うことにより、セラミックス部材10を作製した。その後の製造工程は、サンプルS1と同様であるため省略する。
図7に示すように、本性能評価では、接続不良発生率ついての評価を行った。具体的には、各サンプルS1〜S3において、各ヒータ電極50への給電経路(給電端子74、電極パッド73、給電側ビア72、ドライバ電極60、ヒータ側ビア71、ヒータ電極50により構成される経路)の電気抵抗を測定し、電気抵抗が同様な形状のサンプルの電気抵抗に対して2倍以上であった場合に、該経路上に接続不良が発生していると判定する。各サンプルS1〜S3を5個ずつ作製し、それぞれについて接続不良が発生したか否かを判定し、接続不良の発生率(=接続不良発生数/サンプル作製数)を算出した。接続不良の発生率が10%未満である場合に合格(〇)と判定し、接続不良の発生率が10%以上である場合に不合格(×)と判定した。
サンプルS2およびS3では、接続不良の発生率が10%以上であったため、不合格(×)と判定された。サンプルS2およびS3では、セラミックス部材10の全体がホットプレス焼成により作製されるため、ホットプレス焼成時の加圧によってビアとヒータ電極50またはドライバ電極60との接続箇所で接続不良が発生したものと考えられる。
一方、サンプルS1では、接続不良の発生率が10%未満であったため、合格(〇)と判定された。サンプルS1では、ヒータ電極50を内部に有する上側セラミックス部分101がホットプレス焼成により作製されるものの、ドライバ電極60や各種ビアを内部に有する下側セラミックス部分102がホットプレス焼成ではなく常圧焼成により作製されるため、下側セラミックス部分102の内部に形成されたドライバ電極60と各種ビアとの接続箇所において、接続不良が発生することが抑制されたものと考えられる。
以上説明した性能評価により、ヒータ電極50を内部に有する上側セラミックス部分101(より正確には上側構造体11)をホットプレス焼成により作製し、ドライバ電極60や各種ビアを内部に有する下側セラミックス部分102(より正確には下側構造体12)を常圧焼成により作製し、両者を接合することによりセラミックス部材10を作製すれば、ヒータ電極50への給電経路上に接続不良が発生することを抑制することができ、その結果、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性(ひいては、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御性)が低下することを抑制することができることが確認された。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における静電チャック100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態におけるヒータ電極50の個数や、各ヒータ電極50の形状、セラミックス部材10における各ヒータ電極50の配置は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態の静電チャック100は、3つのヒータ電極50を備えるが、静電チャック100が備えるヒータ電極50の個数は、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。また、上記実施形態では、静電チャック100が備える複数のヒータ電極50がZ軸方向において互いに同一の位置に配置されているが、静電チャック100が、Z軸方向において互いに位置の異なる複数のヒータ電極50を備えていてもよい。
また、上記実施形態におけるドライバ電極60の個数や、各ドライバ電極60の形状、セラミックス部材10における各ドライバ電極60の配置は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態において、静電チャック100が備える6つのドライバ電極60の内の3つが一体的な導体パターンとされ、残り3つのドライバ電極60のそれぞれと、該一体的な導体パターンとが、ドライバ電極対600を構成するとしてもよい。また、上記実施形態では、静電チャック100が備える複数のドライバ電極60がZ軸方向において互いに同一の位置に配置されているが、静電チャック100が、Z軸方向において互いに位置の異なる複数のドライバ電極60を備えていてもよい。
なお、静電チャック100が、Z軸方向において互いに位置の異なる複数のヒータ電極50を備える構成や、Z軸方向において互いに位置の異なる複数のドライバ電極60を備える構成では、ビアの配置が極めて複雑となり、接続不良箇所が発生しやすくなるが、そのような構成においても、上記実施形態と同様の静電チャック100の製造方法を適用すれば、接続不良箇所の発生を効果的に抑制することができ、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御性(ひいては、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御性)が低下することを抑制することができる。
また、上記実施形態において、各ビアは、単数のビアにより構成されてもよいし、複数のビアのグループにより構成されてもよい。また、上記実施形態において、各ビアは、ビア部分のみからなる単層構成であってもよいし、複数層構成(例えば、ビア部分とパッド部分とビア部分とが積層された構成)であってもよい。
また、上記実施形態では、セラミックス部材10の内部に1つのチャック電極40が設けられた単極方式が採用されているが、セラミックス部材10の内部に一対のチャック電極40が設けられた双極方式が採用されてもよい。また、上記実施形態の静電チャック100における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。
また、上記実施形態における静電チャック100の製造方法は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、ホットプレス焼成により上側セラミックス部分101が作製され、常圧焼成により下側セラミックス部分102が作製され、上側セラミックス部分101と下側セラミックス部分102とが接合されてセラミックス部材10が作製されるが、他の方法によりセラミックス部材10が作製されてもよい。例えば、3つ以上のセラミックス部分が作製され、それらのセラミックス部分が互いに接合されてセラミックス部材10が作製されるとしてもよい。このとき、ヒータ電極50を内部に含むセラミックス部分がホットプレス焼成により作製され、ドライバ電極60を内部に含むセラミックス部分が常圧焼成により作製される限りにおいて、他のセラミックス部分の作製方法は任意に設定可能である。
また、本発明は、セラミックス部材10とベース部材20とを備え、静電引力を利用してウェハWを保持する静電チャック100に限らず、セラミックス部材と、セラミックス部材の内部に配置されたヒータ電極およびドライバ電極と、各種ビアとを備え、セラミックス部材の表面上に対象物を保持する他の保持装置(例えば、CVDヒータ等のヒータ装置や真空チャック等)にも同様に適用可能である。
10:セラミックス部材 11:上側構造体 12:下側構造体 13:凹部 20:ベース部材 21:冷媒流路 22:貫通孔 30:接着部 32:貫通孔 40:チャック電極 50:ヒータ電極 51:ヒータライン部 52:ヒータパッド部 60:ドライバ電極 71:ヒータ側ビア 72:給電側ビア 73:電極パッド 74:給電端子 100:静電チャック 101:上側セラミックス部分 102:下側セラミックス部分 110:端子用孔 600:ドライバ電極対 701:パッド部 711:上側ヒータ側ビア部分 712:下側ヒータ側ビア部分 S1:吸着面 S2:下面 S3:上面 S4:下面 W:ウェハ Za:外周領域 Zb:中間領域 Zc:中心領域
Claims (3)
- 第1の方向に略垂直な略平面状の第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有するセラミックス部材と、
前記セラミックス部材における前記第2の表面側の一部分である第2のセラミックス部分の内部に配置されたドライバ電極と、
前記セラミックス部材における前記第1の表面側の一部分である第1のセラミックス部分の内部に配置され、前記ドライバ電極と電気的に接続された複数のヒータ電極と、
前記ドライバ電極から前記セラミックス部材の前記第2の表面側に延びる給電側ビアと、
前記第1のセラミックス部分の内部に配置された第1のヒータ側ビア部分と、前記第2のセラミックス部分の内部に配置された第2のヒータ側ビア部分と、から構成され、各前記ヒータ電極と前記ドライバ電極とを電気的に接続するヒータ側ビアと、
を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置の製造方法において、
前記第1のセラミックス部分用の材料であるセラミックスと、前記ヒータ電極用の材料である金属バルク体と、前記第1のヒータ側ビア部分用の材料であり、金属粉体を含む材料と、を用いて、ホットプレス焼成により、前記第1のセラミックス部分と、前記ヒータ電極と、前記第1のヒータ側ビア部分と、を有する第1の構造体を作製する工程と、
前記第2のセラミックス部分用の材料であるセラミックスと、前記ドライバ電極用の材料であり、金属粉体を含む材料と、前記第2のヒータ側ビア部分用の材料であり、金属粉体を含む材料と、前記給電側ビア用の材料であり、金属粉体を含む材料と、を用いて、常圧焼成により、前記第2のセラミックス部分と、前記ドライバ電極と、前記第2のヒータ側ビア部分と、前記給電側ビアと、を有する第2の構造体を作製する工程と、
前記第1のヒータ側ビア部分と前記第2のヒータ側ビア部分とが電気的に接続されるように前記第1の構造体と前記第2の構造体とを積層した状態で、ホットプレス焼成により前記第1の構造体と前記第2の構造体とを接合する工程と、
を備えることを特徴とする、保持装置の製造方法。 - 請求項1に記載の保持装置の製造方法において、
前記第1の構造体を作製する工程において、
前記第1のセラミックス部分用の材料は、複数のセラミックスグリーンシートから構成されており、
前記第1のヒータ側ビア部分用の材料は、前記複数のセラミックスグリーンシートのそれぞれに、前記第1の方向視で少なくとも一部分が互いに重なるように配置されることを特徴とする、保持装置の製造方法。 - 第1の方向に略垂直な略平面状の第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有するセラミックス部材と、
前記セラミックス部材における前記第2の表面側の一部分である第2のセラミックス部分の内部に配置されたドライバ電極と、
前記セラミックス部材における前記第1の表面側の一部分である第1のセラミックス部分の内部に配置され、前記ドライバ電極と電気的に接続された複数のヒータ電極と、
前記ドライバ電極から前記セラミックス部材の前記第2の表面側に延びる給電側ビアと、
各前記ヒータ電極と前記ドライバ電極とを電気的に接続するヒータ側ビアと、
を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、
前記ヒータ電極における金属の占める割合は、99.5vol%以上であり、
前記ドライバ電極と、前記給電側ビアと、前記ヒータ側ビアとは、金属を含むと共に、0.5vol%より高い割合で前記セラミックス部材の主成分を含むことを特徴とする、保持装置。
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JP2021111691A (ja) * | 2020-01-10 | 2021-08-02 | 日本特殊陶業株式会社 | 保持装置 |
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