JP2015159232A - 試料保持具およびこれを用いたプラズマエッチング装置 - Google Patents

試料保持具およびこれを用いたプラズマエッチング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 電極へのピンの接触に対する長期信頼性が向上した試料保持具を提供する。
【解決手段】 試料保持具10は、セラミックスから成り外表面に試料保持面11を有する基体1と、基体1の内部に設けられた第1電極2とを備えており、基体1は、外表面に開口するとともに第1電極2を底部の少なくとも一部とする穴部12を有しており、穴部12の内部において第1電極2上に設けられた第2電極3をさらに備えている。これにより、外部端子接続用ピン5が押し当てられる部分の電極を厚くすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、半導体集積回路の製造工程等において半導体ウエハ等を保持するための試料保持具およびこれを用いたプラズマエッチング装置に関するものである。
半導体集積回路の製造工程または液晶表示装置の製造工程等において、半導体ウエハ等の各試料を保持するための部品として試料保持具が知られている。試料保持具としては、例えば、特許文献1に記載された半導体製造・検査装置用セラミック基板が挙げられる。特許文献1に記載された半導体製造・検査装置用セラミック基板は、セラミック基板の内部に導電体が埋設されており、この導電体を起点としてセラミック基板の表面に向けて円柱状の導電性接続パッドが設けられている。この導電性接続パッドには孔が形成されており、この孔に外部端子接続用ピンが取り付けられている。
特開2001−110879号公報
しかしながら、特許文献1に記載された半導体製造・検査装置用セラミック基板は、外部端子接続用ピンを導電性接続パッドに押し当てるように取り付けた場合に、導電性接続パッドが損傷してしまう場合があった。そのため、導電性接続パッドの抵抗が局所的に変化して、内部の導電体への電力の供給が安定しなくなってしまう可能性があった。その結果、半導体製造・検査装置用セラミック基板の長期信頼性を向上させることが困難であるという問題点があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、長期信頼性を向上した試料保持具およびこれを用いたプラズマエッチング装置を提供することにある。
本発明の一態様の試料保持具は、セラミックスから成り外表面に試料保持面を有する基体と、該基体の内部に設けられた第1電極とを備えており、前記基体は、外表面に開口するとともに前記第1電極を底部の少なくとも一部とする穴部を有しており、該穴部の内部において前記第1電極上に設けられた第2電極をさらに備えることを特徴とする。
本発明の一態様のプラズマエッチング装置は、真空チャンバと、該真空チャンバ内に配置された高周波印加用電極を有するベースプレートと、該ベースプレートに搭載された上記の試料保持具とを含むことを特徴とする。
本発明の一態様の試料保持具によれば、第1電極上に第2電極をさらに備えている。そのため、第1電極のみしか設けられていない場合と比較して、外部端子接続用ピンが押し当てられる部分の電極を厚くすることができ、また、第2電極としてピンの接触による損傷に対する耐久性が高いものを用いることもできる。そのため、外部端子接続用ピンが押し当てられることによって第1電極および第2電極が損傷して、これらの抵抗が局所的に変化してしまい第1電極への電力の供給が安定しなくなってしまう可能性を低減できる。その結果、試料保持具の長期信頼性を向上させることができる。
本発明の一態様のプラズマエッチング装置によれば、上記の試料保持具を含むことによって、長期信頼性を向上させることができる。
本発明の一実施形態の試料保持具およびこれを用いたプラズマエッチング装置を示す断面図である。 図1に示した試料保持具の領域Aを拡大した部分拡大断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る試料保持具10およびこれを用いたプラズマエッチング装置100について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態の試料保持具10を示す断面図である。図1に示すように、本発明の一実施形態の試料保持具10は、基体1と、基体1の内部に設けられた第1電極2と、第1電極2上に設けられた第2電極3と、基体1の下面に設けられた発熱抵抗体4とを備えている。
基体1は、外表面(上面)に試料保持面11を有する板状の部材である。基体1は、上面の試料保持面11で、例えばシリコンウエハ等の試料を保持する。基体1は、平面視したときの形状が円形状の部材である。基体1は、例えばアルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素またはイットリア等のセラミック材料からなる。基体1の下面には、発熱抵抗体4が設けられている。基体1の寸法は、例えば、径を200〜500mm、厚みを2〜15mmに設定できる。試料保持面11に試料を保持する方法としては、様々な方法を用いることができるが、本実施形態の試料保持具10は静電気力によって試料を保持する。そのため、試料保持具10は、基体1の内部に静電吸着用の電極である第1電極2を備えている。
第1電極2は、2つの電極(図1には一方の電極しか図示していない。)から構成される。2つの電極は、一方が電源の正極に接続され、他方が負極に接続される。2つの電極は、それぞれ略半円板状に形成され、半円の弦同士が隙間をあけて対向するように、基体1の内部に配置される。これら2つの電極の弧によって第1電極2全体の外形が円形状となっている。この第1電極2全体による円形状の外形の中心は、同じく円形状の基体1の外形の中心と同一に設定される。第1電極2は、例えばタングステンまたはモリブデン等の金属材料からなる。
発熱抵抗体4は、基体1の上面の試料保持面11に保持した試料を加熱するための部材である。発熱抵抗体4は、基体1の下面に設けられている。発熱抵抗体4に電圧を印加することによって、発熱抵抗体を発熱させることができる。発熱抵抗体4で発せられた熱は、基体1の内部を伝わって、基体1の上面における試料保持面11に到達する。これにより、試料保持面11に保持された試料を加熱することができる。発熱抵抗体4は、例えば複数の湾曲部を有する線状のパターンであって、基体1の下面のほぼ全面に形成されている。これにより、試料保持具10の上面において熱分布にばらつきが生じることを抑制できる。
発熱抵抗体4は、導体成分およびガラス成分を含んでいる。導体成分としては、例えば銀パラジウム、白金、アルミニウムまたは金等の金属材料を含んでいる。また、ガラス成分としては、ケイ素、アルミニウム、ビスマス、カルシウム、ホウ素および亜鉛等の材料の酸化物を含んでいるガラスを用いることができる。
試料保持具10の温度制御には以下の方法を用いることができる。具体的には、基体1に熱電対を接触させて起電力を測定することによって基体1の温度を測定できる。また、基体1に測温抵抗体を接触させて抵抗を測定することによっても、基体1の温度を測定できる。以上のようにして測定した基体1の温度に基づいて、発熱抵抗体4に印加する電圧を調整することによって、試料保持面11の温度が一定になるように制御することができる。
本実施形態の試料保持具10は、基体1が、外表面(下面)に開口するとともに第1電極2を底部の少なくとも一部とする穴部12を有している。穴部12は、外部端子接続用ピン5を挿入するために設けられている。穴部12の形状は、例えば円柱状である。
穴部12の寸法は、挿入される外部端子接続用ピン5の寸法に対応して定められる。具体的には、外部端子接続用ピン5の外周面と穴部12の内周面との間に外部端子接続用ピン5を容易に挿入できる程度の隙間を形成するように、穴部12の寸法は設定される。外部端子接続用ピン5が外径1.5mmの円柱状の場合には、穴部12の径は2〜10mmに設定することができる。
そして、図2に示すように、試料保持具10は、穴部12の内部において第1電極2上に設けられた第2電極3を有している。なお、ここでいう第1電極2「上」とは、必ずしも上方向である必要はなく、第1電極の表面に配置されている状態をいう。具体的には、図2に示すように、本実施形態においては、第2電極3は、第1電極2の下面に第2電極3の上面が接触するようにして第1電極2上に設けられている。この第2電極3は、第1電極2を保護するための板状の部材である。第2電極3が、例えば、めっき膜等の層状の部材ではなく、金属板等の板状の部材であることによって、外力に対する第2電極3の強度を高いものとすることができる。これにより、外部端子接続用ピン5を第2電極3に押し当てたときに第2電極3に生じる損傷あるいは変形を抑制することができる。
第2電極3の形状は、例えば円板状である。第2電極3の寸法は、挿入される外部端子接続用ピン5を受け止めることができるように、かつ、穴部12内に第2電極3が配置可能なように設定される。第2電極3が円板状の場合であって、外部端子接続用ピン5の外径が1.5mmであり、穴部12の径が3mmの場合には、第2電極3の径を1.5〜2.5mm程度、厚みを1mm程度に設定することができる。
本実施形態の試料保持具10は、第1電極2上に第2電極3をさらに備えている。そのため、第2電極3に外部端子接続用ピン5を取り付けて、第1電極2のみしか設けられていない場合と比較して外部端子接続用ピン5が押し当てられる部分の電極の厚みを厚くすることができる。また、第2電極3として、外部端子接続用ピン5の接触による損傷に対して、第1電極2よりも耐久性に優れたものを用いることもできる。そのため、外部端子接続用ピン5が押し当てられることによって第1電極2および第2電極3が損傷して、これらの抵抗が局所的に変化してしまい第1電極2への電力の供給が安定しなくなってしまう可能性を低減できる。その結果、試料保持具10の長期信頼性を向上させることができる。
第2電極3は、例えば、銅、アルミニウム、真鍮、鉄―ニッケルーコバルト合金または銀等の電気伝導が良好な金属材料から成る。これにより、第1電極2と外部端子接続用ピン5との間の電気伝導を良好に行なうことができる。そのため、第2電極3で不要な発熱が生じる可能性を低減できる。さらに、第2電極3が非磁性体から成ることが好ましい。非磁性体としては、例えば銅、銀、真鍮またはアルミニウム等が挙げられる。第2電極3が非磁性体から成ることによって、試料保持具10をプラズマエッチング装置100に用いた場合に、第2電極3に高周波が印加されたときに第2電極3において発熱が生じてし
まう可能性を低減できる。
また、第2電極3の表面には、第2電極3を覆う被覆層が設けられていてもよい。例えば、第2電極3が銅から成る場合には、ニッケルから成る被覆層を設けることが好ましい。これにより、半田等の接合材6との濡れ性を向上させることができるので、第2電極3と外部端子接続用ピン5との接合強度を向上できる。
また、第2電極3は第1電極2よりも弾性率が小さいことが好ましい。第2電極3の弾性率が第1電極2の弾性率よりも小さいことによって、外部端子接続用ピン5から第2電極3に力が加わった際に第2電極3を変形させることができる。これにより、第2電極3が外部端子接続用ピン5から伝わった力を吸収できるので、第1電極2が損傷してしまう可能性を低減できる。第2電極3の弾性率を第1電極2の弾性率よりも小さくする方法としては、例えば以下の方法を用いることができる。具体的には、第1電極2が銀−パラジウムからなる場合には、第2電極3を銅で形成すればよい。なお、第1電極2が銀−パラジウムから成り、第2電極3が銅から成る場合には、第1電極2の弾性率を約130GPa、第2電極3の弾性率を約110GPaに設定できる。
また、本実施形態の試料保持具10においては、第1電極2と第2電極3とが、第2電極3よりも弾性率が小さい接合材6によって接合されている。具体的には、例えば、第2電極3が銅から成る試料保持具10において、接合材6として錫、銀および銅を含む半田が用いられる。これにより、第1電極2と第2電極3とを接合する接合材6に熱応力が生じたときに、接合材6が変形することによって、これを吸収することができる。これにより、第1電極2および第2電極3が損傷してしまう可能性を低減できる。
さらに、図2に示すように、試料保持具10は、第2電極3の側面と穴部12の内周面との間に接合材6が充填されているとともに、第2電極3のうち外部端子接続用ピン5に接触する部分には接合材6が設けられていないことが好ましい。これにより、第1電極2を封止しつつ、外部端子接続用ピン5と第2電極3との接触抵抗が高くなる可能性を低減できる。これは、第2電極3のうち外部端子接続用ピン5に接触する部分に接合材6が設けられていると、接合剤6が不均一に設けられてしまった場合に、外部端子接続用ピン5と第2電極3との接続が悪化してしまうためである。
外部端子接続用ピン5は、外部電源(図示せず)と第1電極2とを電気的に接続するための部材である。外部端子接続用ピン5は、例えば円柱状の部材であって、穴部12に挿入されて用いられる。外部端子接続用ピン5は、穴部12の内部において、先端が第2電極3に押し当てられることによって、第2電極3を介して第1電極2に電気的に接続されている。外部端子接続用ピン5の先端は、尖った形状になっている。これにより、第2電極3の表面に外部端子接続用ピン5を接触させやすくなっている。そのため、第2電極3と外部端子接続用ピン5との間の接続抵抗が大きくなってしまう可能性を低減できる。
図1に戻って、上述した試料保持具10を用いたプラズマエッチング装置100の一部を説明する。プラズマエッチング装置100は、真空チャンバ(図示せず)と、真空チャンバ内に配置された高周波印加用電極(図示せず)を有するベースプレート7と、ベースプレート7に搭載された試料保持具10とを備えている。
ベースプレート7は、内部に冷却媒体用の流路(図示せず)および試料保持具10の上面にヘリウムまたはアルゴン等の伝熱ガスを流す流路を内蔵した板状の部材である。ベースプレート7としては、例えば、アルミニウムまたはチタン等の金属材料、炭化ケイ素等のセラミック材料あるいは炭化ケイ素とアルミニウムとの複合材等を用いることができる。
試料保持具10の発熱抵抗体4は絶縁層8によって覆われている。絶縁層8としては、セラミックフィラー入りの接着材またはセラミック材料等が用いられる。この絶縁層8は、樹脂層9によってベースプレート7の上面に接着されている。
樹脂層9としては、接着性の樹脂を用いることができる。具体的には、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂またはアクリル樹脂等を用いることができる。なお、樹脂層9はフィラーを含有していても構わない。フィラーを含有することによって、樹脂層9の熱伝導性を向上させることができる。フィラーとしては、セラミック材料または金属材料等の樹脂材料よりも高い熱伝導性を有しているものであればよい。具体的には、フィラーが金属から成る場合には、例えばアルミニウムから成るものを用いることができる。また、フィラーがセラミック材料から成る場合には、アルミナ、炭化ケイ素、窒化アルミニウムまたは窒化ケイ素を用いることができる。
なお、樹脂層9、絶縁層8およびベースプレート7には、基体1の穴部12に外部端子接続用ピン5を挿入できるように、穴部12に繋がる貫通孔が設けられている。これにより、基体1の下面に樹脂層9、絶縁層8およびベースプレート7を設けた場合であっても、外部端子接続用ピン5を基体1の下面から穴部12に挿入することができる。
プラズマエッチング装置100は、上記の試料保持具10を備えていることによって、長期信頼性が向上する。
<試料保持具の製造方法>
以下では、図1に示した試料保持具10の製造方法の一例について説明する。なお、基体1にアルミナセラミックスを用いた場合を例に説明するが、窒化アルミニウムセラミックス等の他のセラミック材料の場合であっても同様の手法で製造できる。
まず、主原料となる0.1〜2μmの粒径のアルミナ粉末と微量の焼結助剤とを所定量秤量し、ボールミル中でイオン交換水または有機溶媒および高純度アルミナ製ボールと共に24〜72時間の湿式粉砕混合を行なう。
こうして粉砕混合した原料スラリー中に、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールまたはアクリル樹脂等の有機バインダおよび補助的な有機材料として可塑剤ならびに消泡剤を所定量添加し、さらに24〜48時間混合する。混合された有機−無機混合スラリーは、ドクターブレード法、カレンダーロール法、プレス成形法または押し出し成形法等によって、厚さ20μm〜20mmのセラミックグリーンシートに成形される。
そして、基体1を形成するセラミックグリーンシートに、第1電極2を形成するための白金またはタングステン等のペースト状電極材料を公知のスクリーン印刷法等によって印刷する。
次に、基体1における所定の位置に第1電極2が形成されるように、ペースト状電極材料の印刷されていないセラミックグリーンシートとペースト状電極材料の印刷された電極形成グリーンシートとを重ねて積層する。積層は、セラミックグリーンシートの降伏応力値以上の圧力を印加しながら所定の温度で積層するが、圧力印加手法としては、一軸プレス法または等方加圧法等の公知の技術を応用すればよい。得られた積層体を所定の温度および所定の雰囲気中にて焼成することで、第1電極2が埋設された基体1が作製される。
次に、基体1をマシニングセンター、ロータリー加工機または円筒研削盤を用いて所定の形状、厚みに加工する。さらに、試料保持面11を規定の表面粗さに加工した後に、ブ
ラスト加工機等で試料保持面11に溝を形成する。
次に、その基体1の下面をサンドブラストで粗面にした後に、銀パラジウム等の金属成分と、ケイ素、ビスマス、カルシウム、アルミニウムおよびホウ素等の材料の酸化物から成るガラス成分とを添加したペーストを塗布して、約800℃の温度で焼成して発熱抵抗体4を形成する。さらに、発熱抵抗体4をレーザー等の加工でトリミングして抵抗の調整を行なう。
基体1の外表面(下面)に、マシニングセンター、ボール盤等の穴あけ用装置を用いて、開口することによって、第1電極2を底部の少なくとも一部とする穴部12を形成する。そして、穴部12に銅から成る円板状の第2電極3を挿入して第1電極2に錫、銀および銅を含む半田を用いて接合する。以上のようにして、試料保持具10を製造することができる。
本実施例では基体1にアルミナセラミックスを用いた試料保持具10について説明する。
まず、主原料となる粒径が0.1〜2μmのアルミナ粉末と微量の焼結助剤を所定量秤量し、ボールミル中でイオン交換水、有機溶媒または有機分散剤および高純度アルミナ製ボールと共に48時間の湿式粉砕混合を行なった。こうして粉砕混合した原料スラリー中に、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂等の有機バインダおよび補助的な有機材料として可塑剤および消泡剤を所定量添加し、さらに3時間の混合を行なった。混合された有機−無機混合スラリーを、ドクターブレード法で100μmのセラミックグリーンシートに成形した。
そして、基体1を形成するセラミックグリーンシートに第1電極2を形成するためのタングステンのペースト状電極材料をスクリーン印刷によって形成した。ここで、基体1における所定の位置に第1電極2が形成されるように、ペースト状電極材料の印刷されていないセラミックグリーンシートとペースト状電極材料の印刷された電極形成グリーンシートとを積層して、一軸プレスで加圧して積層体を成形した。次に、得られた積層体を1570℃の温度で水素ガスの還元雰囲気中にて焼成した。基体1をマシニングセンター、ロータリー加工機または円筒研削盤を用いて所定の形状にして、第1電極2から試料保持面11までの厚みが0.3mm、基体1の全体の厚みが2mmになるように加工した。その後、上面を所定の表面粗さに加工して、さらに、ブラスト加工機等で上面に溝を形成して基体1を完成させた。
その基体1の下面を一定の表面粗さに仕上げて、金属成分とガラス成分を含むペーストを塗布して、800℃の温度で焼成した。この焼成により、発熱抵抗体4を形成する。発熱抵抗体4の幅は1.5mm、発熱抵抗体4のうち隣り合う領域の間隔は3mmに設定した。さらにその発熱抵抗体4にセラミックフィラー入りの接着材を0.1mm厚みになるよう塗布し、100℃で硬化し、絶縁層8を形成した。第1電極を底部とするようにφ5mmの穴部12を形成した。穴部12の形成にはマシニングセンターを用いた。
ベースプレート7は、内部に冷却媒体用の流路および試料保持具11の上面にヘリウムやアルゴン等の伝熱ガスを流す流路を内蔵するようにアルミニウムを用いて形成した。このベースプレート7は樹脂層9によって、絶縁層8の面に接着した。樹脂層9は、シリカ入りシリコーン樹脂を用いて、0.1mmの厚みになるよう塗布し、100℃で硬化させた。
穴12に銅板からなる第2電極3を入れて第1電極2と接触させて、外部端子接続用ピン5を第2電極3に押し当てることによって、外部端子接続用ピン5と第1電極を接続した。これを試料No.1とする。また、第1電極2と第2電極3を錫、銀および銅を含む半田で接合して、外部端子接続用ピン5と接続した試料を作製した。これを試料No.2とする。また、比較例として、第1電極2に外部端子接続用ピン5を直接接続した試料を準備した。これを試料No.3とする。また、別の比較例として、第1電極2の表面にニッケルめっきを施して、このニッケルめっきの層に外部端子接続用ピン5を直接接続した試料を準備した。これを試料No.4とする。
次に、作製した試料保持具10に対して耐久試験を行なった。ベースプレート7の流路に冷却水を流しながら、発熱抵抗体4に電圧を印加することによって、試料保持面11を一定温度まで加熱した。具体的には、5分間昇温して250℃にまで上昇させて、5分間温度を維持した後に、5分間冷却を行ない20℃にまで低下させることを1サイクルとして5000サイクルのサイクル試験を行なった。そして、LCRメータを用いて、試料No.1および試料No.2においては外部端子接続用ピン5と第2電極3との接触抵抗を、試料No.3および試料No.4においては外部端子接続用ピン5と第1電極2との接触抵抗を耐久試験の前後で測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2015159232
表1に示すように、本発明の実施例である試料No.1および試料No.2においては、耐久試験の前後で接触抵抗の変化がほとんど見られなかった。しかしながら、比較例である試料No.3および試料No.4においては、耐久試験後に接触抵抗が極端に大きくなっていた。試料No.3および試料No.4に関して、第1電極2の表面を観察したところ、第1電極2の下面のうち外部端子接続用ピン5と接触する部分が傷ついて摩耗しており、このために、接触抵抗が大きくなっていることが分かった。試料No.3および試料No.4において、第1電極2の下面が摩耗した原因としては、外部端子接続用ピン5
を第1電極2に直接押し当てた状態で耐久試験を行なったことによって、第1電極2の表面と外部端子接続用ピン5の先端とが擦れ合ってしまったためと考えられる。
以上の結果より、第1電極2の上に第2電極3をさらに備えることにより、外部端子接続用ピン5が押し当てられる部分の電極を厚くすることができるため、耐久性を向上させることができることが分かった。
基体:1
試料保持面:11
穴部:12
第1電極:2
第2電極:3
発熱抵抗体:4
外部端子接続用ピン:5
接合材:6
ベースプレート:7
絶縁層:8
樹脂層:9
試料保持具:10
プラズマエッチング装置:100

Claims (5)

  1. セラミックスから成り外表面に試料保持面を有する基体と、該基体の内部に設けられた第1電極とを備えており、前記基体は、外表面に開口するとともに前記第1電極を底部の少なくとも一部とする穴部を有しており、該穴部の内部において前記第1電極上に設けられた第2電極をさらに備えることを特徴とする試料保持具。
  2. 前記第2電極が、前記第1電極よりも弾性率が小さいことを特徴とする請求項1に記載の試料保持具。
  3. 前記第2電極が、該第2電極よりも弾性率が小さい接合材によって前記第1電極に接合されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の試料保持具。
  4. 前記第2電極が非磁性体から成ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の試料保持具。
  5. 真空チャンバと、該真空チャンバ内に配置された高周波印加用電極を有するベースプレートと、該ベースプレートに搭載された請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の試料保持具とを含むプラズマエッチング装置。
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