JP2006191124A - 被処理物保持体、処理装置および半導体製造装置用セラミックスサセプタ - Google Patents

被処理物保持体、処理装置および半導体製造装置用セラミックスサセプタ Download PDF

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Abstract

【課題】 高い信頼性を有する被処理物保持体、処理装置および半導体製造装置用セラミックスサセプタを提供する。
【解決手段】 被処理物保持体12は、被処理物を保持する被処理物保持体であって、電気回路3a、3b、14、15を有し、ネジ穴が形成されたセラミックス基体13と、セラミックス基体13のネジ穴にねじ込まれることにより固定されたアンカー部材22、25と、アンカー部材22、25に接続され、電気回路3a、3b、14、15と電気的に接続されている給電用導電部材4、17、18とを備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、被処理物保持体、処理装置および半導体製造装置用セラミックスサセプタに関し、より特定的には、高い信頼性を有する被処理物保持体、この被処理物保持体を用いた処理装置および半導体製造装置用セラミックスサセプタに関する。
従来、半導体装置の製造工程では、被処理物である半導体基板に対して成膜処理やエッチング処理などが行われる。このような基板に対する処理を行う処理装置では、処理の際に半導体基板を保持するための基板保持構造体であるサセプタが設置されている。
このような従来のサセプタの例は、たとえば特開平10−273371号公報に開示されている。上記特開平10−273371号公報においては、加熱用のヒータ回路などに対応する導電性部材が埋め込まれたセラミックス部材を備えるサセプタが開示されている。上記特開平10−273371号公報では、セラミックス部材に開口部が形成され、上記導電性部材に電力を供給するための金属製部材がこの開口部の内部に配置されている。導電性部材と金属製部材とは活性金属ロウ材(以下、ロウ材ともいう)を用いて接合されている。上記特開平10−273371号公報では、金属製部材に対するロウ材の「流れ性」を制御することにより、所定の接合強度をえることができるとしている。
また、他の例として、特開平11−12053号公報では、ヒータ回路などに対応する導電性部材が埋め込まれたセラミックス部材を備えるサセプタであって、このセラミックス部材に開口部が形成され、上記導電性部材に電力を供給するための金属性部材がこの開口部の内部に配置されたものが開示されている。開口部の底面には導電性の端子が配置され、導電性部材と金属製部材とはこの端子を介して電気的に接続される。金属製部材はロウ材を用いて開口部内に固定されるとともに、上記端子と接続される。また、開口部の内部に位置し、モリブデン(Mo)やモリブデン合金を含む金属製部材を雰囲気(空気などの酸化性雰囲気など)から保護するため、開口部の内部には金属製部材を囲むように雰囲気保護体が配置されている。上記特開平11−12053号公報では、このような雰囲気保護体を配置することにより、金属製部材を雰囲気から保護することができるとしている。
特開平10−273371号公報 特開平11−012053号公報
しかし、上述した従来のサセプタには以下のような問題がある。すなわち、上記特開平10−273371号公報に開示されたサセプタでは、開口部の内部において金属製部材とセラミックス部材の表面との間にロウ材の「たまり」が発生じた場合、ロウ材とセラミックス部材を構成するセラミックス(窒化アルミニウム)との熱膨喪係数の差によって、ロウ付け後またはサセプタに対するヒートサイクル試験を実施した際に、セラミックス部材にクラックが発生する。この結果、金属製部材とセラミックス部材との接合部の接合強度が大幅に低下する。さらに、この接合部からサセプタが破壊する恐れもあり、サセプタの信頼性が大幅に低下するという問題があった。
また、上記特開平11−12053号公報に開示されたサセプタでは、雰囲気保護体を金属製部材へと接合すると同時に金属製部材を雰囲気から隔離するため、複数個所においてロウ付けが行われている。しかし、このロウ付けされた部分の内の1箇所でもロウ付けが不充分である、あるいはヒートサイクルなどの熱履歴によりロウ付け部にクラックなどが発生すると、雰囲気ガスが金属製部材側へとリークすることになる。このため、金属製部材などが劣化(酸化)することになり、やはりサセプタの信頼性が大幅に低下することになっていた。
一方、ロウ付け部でのクラックの発生を抑制するため、ロウ材の使用量を少なくすると、金属製部材とセラミックス部材との接合強度が低くなるという問題が発生する。
このように、金属製部材とセラミックス部材との接合部において、クラック等の発生を抑制すると同時に充分な接合強度を実現することにより、高い信頼性を有する被処理物保持体としてのサセプタを実現することは従来困難であった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、高い信頼性を有する被処理物保持体、処理装置および半導体製造装置用セラミックスサセプタを提供することである。
この発明の1の局面における被処理物保持体は、被処理物を保持する被処理物保持体であって、電気回路を有し、ネジ穴が形成されたセラミックス基体と、セラミックス基体のネジ穴にねじ込まれることにより固定されたアンカー部材と、アンカー部材に接続され、電気回路と電気的に接続されている給電用導電部材とを備える。
このようにすれば、ロウ材を用いることなくアンカー部材をセラミックス基体に確実に接続・固定することができるので、アンカー部材とセラミックス基体との接合部の接合強度を充分高くできる。また、電気回路と電気的に接続されるように、給電用導電部材をこのアンカー部材に固定することにより、給電用導電部材から電気回路へと確実に電力を供給することができる。
また、アンカー部材とセラミックス基体との接合部にロウ材を使用しないので、ロウ材とセラミックス基体を構成するセラミックスとの熱膨張係数の差異に起因する上記接合部のセラミックス基体でのクラックや割れの発生を防止できる。この結果、アンカー部材とセラミックス基体との接合部の信頼性を向上させることができる。したがって、被処理物保持体の信頼性を向上させることができる。
上記1の局面における被処理物保持体では、電気回路がスクリーン印刷法を利用したメタライズ法により形成された層であることが好ましい。
この場合、スクリーン印刷法を利用するので、電気回路の回路パターンについて任意のパターンを容易に形成できる。このため、電気回路の回路パターンの選択の自由度を大きくできる。
上記1の局面における被処理物保持体では、アンカー部材と給電用導電部材とが一体となっていてもよい。
この場合、被処理物保持体を構成する部品点数を削減することができる。
上記1の局面における被処理物保持体では、アンカー部材に導電部材用ネジ穴が形成されていてもよく、給電用導電部材は導電部材用ネジ穴にねじ込むことが可能なネジ部を含んでいてもよい。給電用導電部材のネジ部をアンカー部材の導電部材用ネジ穴に固定することにより、給電用導電部材はアンカー部材に接続されていてもよい。
この場合、ロウ材を用いることなく、アンカー部材に給電用導電部材をネジ構造によって接合できる。このため、アンカー部材と給電用導電部材との接合部においてロウ材が存在することに起因して熱応力が発生することを防止できる。この結果、被処理物保持体の信頼性をより向上させることができる。
上記1の局面における被処理物保持体では、アンカー部材と給電用導電部材とがロウ付により接続されていてもよい。
この場合、アンカー部材と給電用導電部材との接触面積を増加させることができるので、アンカー部材と給電用導電部材との接合部の接触抵抗を低減できる。
上記1の局面における被処理物保持体では、電気回路がセラミックス基体のネジ穴の周囲にまで延在する一部分を含んでいてもよい。上記1の局面における被処理物保持体は電気回路の一部分上に接触するように配置された導電性の接続部材を備えていてもよく、給電用導電部材は、アンカー部材に接続された際接続部材と接触する凸部を有していてもよい。
この場合、接続部材の大きさや形状を調整することにより、接続部材と電気回路の一部分との接触面積および接続部材と給電用導電部材の凸部との接触面積を充分大きくすることが可能になる。この結果、給電用導電部材から電気回路の一部分までの経路の接触抵抗を低減できる。電気回路へ電流を供給する際、上記経路の接触抵抗が大きいと、その接続部において発熱が起きる。そして、このような発熱は被処理物保持体の均熱性を乱す原因になる。しかし、本発明によれば、上記のように接触抵抗を低減できるので、上記のような均熱性の乱れを抑制できる。
上記1の局面における被処理物保持体では、電気回路がアンカー部材と接触する延在部を含んでいてもよい。
ここで、上記延在部は、たとえばタングステン(W)ペーストを所定の領域に塗布した上でメタライズ法により形成することができる。この場合、上述のような接続部材を別途用意する必要がない。このため、被処理物保持体の構成を簡略化できる。
上記1の局面における被処理物保持体では、電気回路がタングステン、モリブデンおよびこれらの合金からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
ここで、上記タングステン(W)、モリブデン(Mo)およびこれらの合金は、いずれもセラミックス基体を構成するセラミックスとの熱膨張係数の差が比較的小さい材料である。このため、これらの材料により電気回路を形成すれば(電気回路を焼き付ければ)、この電気回路の存在に起因してセラミックス基体が反るといった不良の発生を抑制できる。
上記1の局面における被処理物保持体では、アンカー部材がタングステン、モリブデン、およびこれらの合金、コバール、銅−タングステン合金、銅−モリブデン合金、銅−ニッケル−鉄−タングステン合金からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
ここで、アンカー部材の材料として、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)およびこれらの合金を用いた場合、電気回路を構成する材料もこれらタングステンまたはモリブデンを用いることで、電気回路とアンカー部材とを同じ材料(つまり熱膨張係数がほぼ等しい材料)で構成することができる。そして、電気回路とアンカー部材とが接触するような場合(たとえば、給電用導電部材からアンカー部材を介して電気回路に電力が供給される場合)、この電気回路とアンカー部材との接合部において、熱膨張係数の差に起因する熱応力の発生を抑制できる。
また、アンカー部材の材料として、コバール、銅−タングステン合金、銅−モリブデン合金および銅−ニッケル−鉄−タングステン合金の少なくともいずれか1種が用いられた場合、アンカー部材と電気回路を接合する工程を比較的低温で行うことができる。さらに、これらの材料はいずれもその熱膨張係数の値がセラミックスの熱膨張係数の値に近い。したがって、被処理物保持体の温度が変化する場合(たとえば、電気回路としてのヒータ回路を使用して被処理物保持体の温度が上昇・下降するような場合)、アンカー部材とセラミックス基体との接触部に発生する熱応力を低減できる。
上記1の局面における被処理物保持体では、給電用導電部材がタングステン、モリブデン、およびこれらの合金、コバール、銅−タングステン合金、銅−モリブデン合金、銅−ニッケル−鉄−タングステン合金からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
この場合、給電用導電部材をアンカー部材と同じ材料により構成することができる。また、給電用導電部材はアンカー部材に接続される。そして、給電用導電部材の材料として上記のようなアンカー部材の材料と同様の(熱膨張係数の比較的近い)材料を選択することで、給電用導電部材とアンカー部材との接続部に発生する熱応力を低減できる。
上記1の局面における被処理物保持体では、セラミックス基体が窒化アルミニウム、窒化珪素、酸化アルミニウムおよび炭化珪素からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
ここで、窒化アルミニウム(AlN)は腐食性雰囲気に対して十分な耐久性を示す。また、窒化アルミニウムを用いたセラミックス基体は、不純物としてのパーティクルの発生確率が他の材料よりも低い。したがって、シリコンウェハの処理に窒化アルミニウムを用いた被処理物保持体を利用すれば、処理を行うチャンバの内部でのパーティクルの発生が極めて少ない上に、処理に用いる反応性ガス(腐食性ガス)により被処理物保持体が損傷を受けることもないので、シリコンウェハの処理を安定して行うことができる。また、窒化アルミニウムは熱伝導率が高いので、均熱性に優れた被処理物保持体を実現できる。
また、炭化珪素も熱伝導率が高いので、窒化アルミニウムと同様に均熱性に優れた被処理物保持体を実現できる。
また、酸化アルミニウム(Al)は他のセラミックスに比べて比較的安価であるので、被処理物保持体に適用すればその製造コストを低減できる。
また、窒化珪素(Si)は強度が高いため、この窒化珪素を被処理物保持体に適用することで、ヒートサイクル耐性に優れる被処理物保持体を得ることができる。
上記1の局面における被処理物保持体では、電気回路がヒータ、静電吸着用電極およびプラズマ形成用電極からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。また、上記電気回路は、ヒータ、静電吸着用電極およびプラズマ形成用電極からなる群から選択される少なくとも2つ以上を含んでいてもよい。
この発明の他の局面における処理装置は、上記1の局面における被処理物保持体を備える。
このように、高い信頼性を有する被処理物保持体を適用することにより、半導体基板などの被処理物に対する処理を安定して実施することが可能な処理装置を実現できる。
この発明の別の局面における半導体製造装置用セラミックスサセプタは、上記1の局面における被処理物保持体を有する。
半導体製造装置用セラミックスサセプタは、温度の上げ下げなどヒートサイクルのかかる過酷な条件で使用される。そして、本発明による被処理物保持体を適用することにより、このような過酷な使用条件下においても高い信頼性を有する半導体製造装置用セラミックスサセプタを実現できる。
本発明によれば、被処理物保持体を構成するセラミックス基体に形成された電気回路と電極線との間の接続部にロウ材を用いることなく、ネジ構造を有するアンカーを用いるので、接続部の強度を充分高くすることができると同時に、ヒートサイクルを受けてもクラックなどの不良の発生を抑制できる。このため、高い信頼性を有する被処理物保持体を得ることができる。また、本発明による被処理物保持体を適用することにより、高い信頼性を有する処理装置および半導体製造装置用セラミックスサセプタを実現できる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明による保持体を用いた処理装置示す部分断面模式図である。図2は、図1に示した保持体において、ヒータ回路と電極線との接合部を示す部分拡大断面模式図である。図1および2を参照して、本発明による保持体の実施の形態1を説明する。
図1および2を参照して、処理装置のチャンバ内部に配置された本発明による被処理物保持体としての保持体12は、セラミックス基体13と、このセラミックス基体13の裏面側に接続された筒状部材16とを備える。保持体12は、筒状部材16の下部においてチャンバの壁面(図示せず)と接続されている。尚、処理装置としては、半導体製造装置であるエッチング装置や成膜装置などが挙げられる。この場合、保持体12は半導体製造装置用セラミックスサセプタとしての機能を有する。
セラミックス基体13は、セラミックスからなる基体ベース1と、この基体ベース1の内部に埋設された電気回路としての静電吸着用電極14、プラズマ用電極15およびヒータ回路3a、3bとを含む。なお、電気回路としては、上記静電吸着用電極14、プラズマ用電極15およびヒータ回路3a、3bのうちの少なくとも1つあるいは2つ以上を形成してもよい。セラミックス基体13の裏面側には、開口部19、21が形成されている。開口部19の底部にはネジ穴5が形成され、このネジ穴5にアンカー部材としての金属製のアンカー2がねじ込まれることにより固定されている。なお、図2においては、説明を簡略化するために開口部19は示されていない。
また、開口部21の底部にもネジ穴が形成され、このネジ穴にアンカー部材としての金属製のアンカー22がねじ込まれることにより固定されている。また、セラミックス基体13の裏面の中央部には、静電吸着用電極14の裏面にまで到達する他の開口部が形成されている。他の開口部には、アンカー25がねじ込まれることにより固定されている。アンカー25の上部表面は静電吸着用電極14と接触している。アンカー2、22、25には、後述するようにそれぞれ給電用導電部材としての電極線4、17、18が接続されている。この結果、静電吸着用電極14、プラズマ用電極15およびヒータ回路3には、後述するようにそれぞれ電極線17、18、4が電気的に接続される。これらの電極線4、17、18は、筒状部材16の内周側に配置されている。
図2に示すように、ヒータ回路3a、3bと電極線4とは、金属製のアンカー2を介して電気的に接続されている。すなわち、セラミックス基体13を構成する基体ベース1に、開口部19(図1参照)が形成され、この開口部19の底部にアンカー2を挿入・固定するためのネジ穴5が形成されている。ネジ穴5に挿入可能なように、アンカー2の側面にはネジ部6が形成されている。このネジ穴5に、上述のようにアンカー2がねじ込まれて固定されている。
また、このアンカー2の上部表面には、電極線4の電極端部8を挿入固定するための内周側ネジ穴7が形成されている。そして、このアンカー2の内周側ネジ穴7に、電極線4の電極端部8が挿入固定されている。この電極端部8の側面にも、内周側ネジ穴7に挿入可能なようにネジ溝を有するネジ部が形成されている。
そして、ネジ穴5に挿入固定されたアンカー2の上部表面に接触するように、ヒータ回路3bが基体ベース1の表面からこのアンカー2の上部表面にまで延在するように形成されている。この結果、ヒータ回路3a、3bは、アンカー2および電極端部8を介して電極4と電気的に接続されている。
また、図1に示すように、セラミックス基体13の底面に形成された開口部21の底部にはネジ穴が形成され、このネジ穴に金属製のアンカー22がねじ込まれることにより固定されている。アンカー22は、基本的にアンカー2と同様の構造を有する。ネジ穴に挿入固定されたアンカー22の上面24は、プラズマ用電極15の下面23に接触している。そして、アンカー22の上面24と反対側に位置する面には、内周側ネジ穴が形成されている。この内周側ネジ穴には、電極線17の端部がねじ込まれて固定されている。電極線17の端部は、電極線4の電極端部8と同様の形状となっている。この結果、プラズマ用電極15は、その下面23に接触するアンカー22を介して電極線17と電気的に接続されている。
また、セラミックス基体13の裏面中央部に形成された他の開口部は、その側面にネジ溝が形成されたネジ穴であり、他の開口部(ネジ穴)に金属製のアンカー25がねじ込まれることにより固定されている。アンカー25は基本的にアンカー2と同様の構造を有する。ネジ穴に挿入固定されたアンカー25の上面は、静電吸着用電極14の下面に接触している。そして、アンカー25の上面と反対側に位置する面には、内周側ネジ穴が形成されている。この内周側ネジ穴には、電極線18の端部がねじ込まれて固定されている。電極線18の端部は、電極線4の電極端部8と同様の形状となっている。この結果、静電吸着用電極14は、その下面に接触するアンカー25を介して電極線18と電気的に接続されている。
次に、図1および2に示した保持体12の製造方法を簡単に説明する。まず、従来の一般的な方法を用いてヒータ回路3aなどが形成されたセラミックス基体13を準備する。このセラミックス基体13を構成する基体ベース1において、所定の領域に開口部19を形成した後、この開口部19の底部にアンカー2を挿入固定するためのネジ穴5を形成する。そして、このネジ穴5に、外周部をネジ加工した金属製のアンカー2をねじ込んで固定する。このアンカー2の材料としてはタングステン(W)、あるいはモリブデン(Mo)などを用いることができる。なお、このアンカー2においては、中心部に既に述べたように内周側ネジ穴7が形成されている。
このように、基体ベース1のネジ穴5にアンカー2をねじ込んで固定した後、ヒータ回路3aとこの金属製のアンカー2との間を電気的に接続するために、スクリーン印刷法を用いて、ヒータ回路3bが形成されるべき領域上にタングステン(W)ペーストを塗布する。そして、窒素雰囲気中で加熱温度を1600℃とした条件で焼成することにより(いわゆるメタライズ法を用いて)、ヒータ回路3bを形成する。なお、ヒータ回路3bは、図示していないが他のヒータ回路3aと電気的に接続された状態になっている。この結果、アンカー2とヒータ回路3a、3bとを電気的に接続することができる。この後、アンカー2の内周側ネジ穴7に電極線4の電極端部8をねじ込んで固定することにより、図2に示したような構造を得る。
また、プラズマ用電極15と電極線17との接続部は、以下のように形成される。すなわち、セラミックス基体13を構成する基体ベース1において、所定の領域に開口部21を形成する。この開口部21の底部にアンカー22を挿入固定するためのネジ穴を形成する。このとき、ネジ穴はプラズマ用電極15の下面23を露出させるように形成する。そして、このネジ穴に、外周部をネジ加工した金属製のアンカー22をねじ込んで固定する。このとき、アンカー22の上面24をプラズマ用電極15の下面23に接触させる。このアンカー22の材料としてはタングステン(W)、あるいはモリブデン(Mo)などを用いることができる。なお、このアンカー22においては、中心部に既に述べたように内周側ネジ穴が形成されている。そして、この内周側ネジ穴に電極線17の端部をねじ込んで固定することにより、図1に示したような構造を得る。
なお、静電吸着用電極14と電極線18との接続部の製造方法は、基本的に上述のプラズマ用電極15と電極線17との接続部の製造方法と同様である。また、上述したプラズマ用電極15と電極線17との接続部の構造は、静電吸着用電極14と電極線18との接続部に適用してもよい。
また、アンカー2、22、25の材料としてコバール、Cu−W合金、Cu−Mo合金、銅−ニッケル鉄−タングステン合金などを用いることもできる。アンカー2の材料として上記のような導電体を用いた場合、基体ベース1に形成されたヒータ回路3aとアンカー2との電気的な接続を行なうため、ヒータ回路3bが形成されるべき領域上に銀ペーストをスクリーン印刷法により配置した後、窒素雰囲気中で加熱温度が900℃という条件で熱処理を行なう。このようにして、ヒータ回路3a、3bとアンカー2とを電気的に接続することができる。
このように、図1および2に示した保持体12では、ロウ材を用いることなくアンカー2をセラミックス基体13に確実に接続・固定することができるので、アンカー2とセラミックス基体13との接合部(接続部ともいう)の接合強度を充分高くできる。また、電気回路としてのヒータ回路3a、3bと電気的に接続されるように、給電用導電部材としての電極線4をこのアンカー2に固定することにより、電極線4からヒータ回路3a、3bへと確実に電力を供給することができる。
また、アンカー2とセラミックス基体13との接合部にロウ材を使用しないので、ロウ材とセラミックス基体13を構成するセラミックスとの熱膨張係数の差異に起因する上記接合部のセラミックス基体13でのクラックや割れの発生を防止できる。この結果、アンカー2とセラミックス基体13との接合部の信頼性を向上させることができる。
図1および2に示した保持体12では、セラミックス基体13を形成する工程において電気回路としてのヒータ回路3a、3b、静電吸着用電極14およびプラズマ用電極15がスクリーン印刷法を利用したメタライズ法により形成されることが好ましい。この場合、スクリーン印刷法を利用するので、ヒータ回路3a、3b、静電吸着用電極14およびプラズマ用電極15の回路パターンについて任意のパターンを容易に形成できる。このため、ヒータ回路3a、3b、静電吸着用電極14およびプラズマ用電極15の回路パターンの選択の自由度を大きくできる。
また、図1および2に示した保持体12では、すでに述べたようにアンカー2に導電部材用ネジ穴としての内周側ネジ穴7が形成されている。また、電極線4は内周側ネジ穴7にねじ込むことが可能なネジ部としての電極端部8を含んでいる。そして、電極線4の電極端部8をアンカー2の内周側ネジ穴7に固定することにより、電極線4はアンカー2に接続されている。
このため、ロウ材を用いることなく、アンカー2に電極線4をネジ構造によって接合できる。したがって、アンカー2と電極線4との接合部においてロウ材が存在することに起因して熱応力が発生することを防止できる。この結果、保持体12の信頼性を向上させることができる。
また、図1および2に示した保持体12では、ヒータ回路3a、3bがアンカー2と接触する延在部としてのヒータ回路3bを含んでいる。このため、電極線4とヒータ回路3a、3bとをアンカー2により電気的に接続できるので、アンカー2以外の部材(電極線4とヒータ回路3a、3bとを電気的に接続するための接続部材)を別途用意する必要がない。したがって、保持体12の構成を簡略化できる。
(実施の形態2)
図3は、本発明による保持体の実施の形態2を説明するための部分断面拡大模式図である。図3は図2に対応する図3を参照して、本発明による保持体の実施の形態2を説明する。
図3を参照して、保持体は基本的には図1および2に示した保持体と同様の構造を備えるが、ヒータ回路3a、3bと電極線4との接続部の構造が異なる。すなわち、基体ベース1の開口部19(図1参照)の底部に形成されたネジ穴5にねじ込まれたアンカー2には、その中央部に開口部20(ザグリ部)が形成されている。そして、このアンカー2と電極線4とは、ロウ材9により電気的に接続されている。
このようにしても、本発明による保持体の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、アンカー2と電極線4とがロウ付により接続されているので、アンカー2と電極線4との間にロウ材9が配置されることになる。この結果、アンカー2と電極線4との接触面積が増加するので、アンカー2と電極線4との接合部の接触抵抗を低減できる。
なお、図3に示した保持体の製造方法は、基本的に図1および2に示した保持体の製造方法と同様である。すなわち、従来の一般的な方法を用いてヒータ回路3aなどが形成されたセラミックス基体を準備する。このセラミックス基体を構成する基体ベース1において、所定の領域に開口部を形成した後、この開口部の底部にアンカー2を挿入固定するためのネジ穴5を形成する。そして、このネジ穴5に、外周部にネジ部6が形成された金属製のアンカー2をねじ込んで固定する。このアンカー2においては、中心部に既に述べたように開口部20があらかじめ形成されている。
その後、図1および2に示した保持体と同様の手法により、ヒータ回路3aとこの金属製のアンカー2との間を電気的に接続するヒータ回路3bを形成した。なお、ヒータ回路3bは、図示していないが他のヒータ回路3aと電気的に接続された状態になっている。この後、アンカー2の開口部20に電極線4の端部が挿入される。そして、ロウ材9により電極線4が開口部20の内部に固定されることにより、図3に示したような構造を得る。
(実施の形態3)
図4は、本発明による保持体の実施の形態3を説明するための部分断面拡大模式図である。図4は図2に対応する。図4を参照して、本発明による保持体の実施の形態3を説明する。
図4を参照して、保持体は基本的に図1および2に示した保持体と同様の構造を備えるが、電極線4とヒータ回路3a、3bとの接続部の構造が異なっている。すなわち、図4に示すように、基体ベース1に形成されたネジ穴5に、図2に示したアンカー2と同様の構造を備えるアンカー2をねじ込んで固定する。次に、ネジ穴5の上部を囲むとともにヒータ回路3bと接触するように導電体からなるワッシャー11を配置する。このワッシャー11は金属からなり、中央部にほぼ円形状の平面形状である開口部が形成されたドーナツ形状の外観を有している。
そして、電極線4には、アンカー2の内周側ネジ穴7にねじ込むことが可能なねじ部を有する電極端部8と、この電極端部8上に位置し、ワッシャー11を押圧することが可能なフランジ部10とが形成されている。この電極線4の電極端部8を内周側ネジ穴7にねじ込んで固定する。このとき、フランジ部10はワッシャー11の上部表面を押圧する。この結果、電極線4とヒータ回路3a、3bとは、フランジ部10、ワッシャー11を介して電気的に接続される。このようにしても、本発明による保持体の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、図4に示した保持体12では、電気回路としてのヒータ回路3a、3bがセラミックス基体13を構成する基体ベース1のネジ穴6の周囲にまで延在する一部分としてのヒータ回路3bを含んでいる。さらに、このヒータ回路3b上に接触するように導電性の接続部材としてのワッシャー11が配置されている。さらに、電極線4には、アンカー2に接続された際ワッシャー11と接蝕する凸部としてのフランジ部10が形成されている。
このため、ワッシャー11の大きさや形状を調整することにより、ワッシャー11とヒータ回路3bとの接触面積およびワッシャー11と電極線4のフランジ部10との接触部の接触面積を充分大きくすることが可能になる。この結果、電極線4からヒータ回路3bまでの経路の接触抵抗を低減できる。ヒータ回路3a、3bへ電流を供給する際、上記経路の接触抵抗が大きいと、上記接続部において発熱が起きる。そして、このような発熱は保持体12の均熱性を乱す原因になる。しかし、図4に示した本発明による保持体12では、上述のように接触抵抗を低減できるので、このような均熱性の乱れを抑制できる。
(実施の形態4)
図5は、本発明による保持体の実施の形態4を説明するための部分断面拡大模式図である。図5は図2に対応する。図5を参照して、本発明による保持体の実施の形態4を説明する。
図5を参照して、保持体は基本的には図1および2に示した保持体と同様の構造を備えるが、電極線4とヒータ回路3a、3bとの接続部の構造が異なっている。すなわち、基体ベース1に形成されたネジ穴5に、電極線4と同一部品として形成されたアンカー2をねじ込んで固定している。電極線4とアンカー2とは一つの部品として一体に形成されている。アンカー2の材料としてはタングステンもしくはモリブデンを用いることができる。図5に示した保持体によっても、本発明の実施の形態1による保持体と同様の効果を得ることができる。
また、アンカー2と電極線4とが一体になっているので、保持体12を構成する部品点数を削減できる。
図5に示した保持体の製造方法は、図1および2に示した保持体の製造方法と基本的に同様である。すなわち、ヒータ回路3aなどが形成されたセラミックス基体を従来の一般的な方法を用いて準備する。このセラミックス基体を構成する基体ベース1において、所定の領域に開口部を形成した後、この開口部の底部にアンカー2を挿入固定するためのネジ穴5を形成する。そして、このネジ穴5に、外周部にネジ部6が形成された金属製のアンカー2をねじ込んで固定する。このアンカー2は、電極線4と同一部品になっている。
その後、図1および2に示した保持体と同様の手法により、ヒータ回路3aとこの金属製のアンカー2との間を電気的に接続するヒータ回路3bを形成した。この結果、アンカー2と一体化している電極線4とヒータ回路3a、3bとを電気的に接続することができる。このようにして、図5に示した保持体を得る。
(実施の形態5)
図6は、本発明による保持体の実施の形態5を示す部分断面拡大模式図である。図5は図2に対応する。図6を参照して、本発明による保持体の実施の形態5を説明する。
図6を参照して、保持体は基本的には図4に示した保持体と同様の構造を備えるが、電極線4とヒータ回路3a、3bとの接続部の構造が異なる。すなわち、ネジ穴5を基体ベース1に形成した後、このネジ穴5の周囲に配置されたヒータ回路3bと接触するように、金属製のワッシャー11が配置される。この金属製ワッシャー11は、中央部に開口部が形成されたドーナツ形状の外観を有している。そして、このワッシャー11の中央部の開口部を介してネジ穴5にアンカー2を挿入固定する。このアンカー2は、電極線4と同一部品として構成されている。また、アンカー2の上部には、フランジ部10が形成されている。このフランジ部10は、ワッシャー11を押圧することが可能なように形成されている。このような形状の電極線4とアンカー2とが一体となった部品を用いると、アンカー2をネジ穴5へとねじ込むことにより、フランジ部10がワッシャー11を押圧することになる。このため電極線4とヒータ回路3a、3bとは、フランジ部10およびワッシャー11を介して電気的に接続される。この結果、図4に示した保持体と同様の効果を得ることができる。また、電極線4とアンカー2とが一体になっているので、保持体12を構成する部品点数を削減できる。
本発明の実施の形態1〜5においては、電気回路としてのヒータ回路3a、3b、静電吸着用電極14およびプラズマ用電極15がタングステン、モリブデンおよびこれらの合金からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
ここで、上記タングステン(W)、モリブデン(Mo)およびこれらの合金は、いずれもセラミックス基体13を構成するセラミックスとの熱膨張係数の差が比較的小さい材料である。このため、これらの材料により電気回路を形成すれば、この電気回路の存在に起因してセラミックス基体13が反るといった不良の発生を抑制できる。
また、本発明の実施の形態1〜5においては、アンカー2がタングステン、モリブデン、およびこれらの合金、コバール、銅−タングステン合金、銅−モリブデン合金、銅−ニッケル−鉄−タングステン合金からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
アンカー2の材料として、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)およびこれらの合金を用いた場合、ヒータ回路3a、3bなどもこれらタングステンまたはモリブデンにより形成することで、ヒータ回路3a、3bとアンカー2とを熱膨張係数がほぼ等しい材料で構成することができる。そして、本発明の実施の形態1、2および4のようにヒータ回路3bとアンカー2とが接触するような場合、このヒータ回路3bとアンカー2との接合部において、熱膨張係数の差に起因する熱応力の発生を抑制できる。
また、アンカー2の材料として、コバール、銅−タングステン合金、銅−モリブデン合金および銅−ニッケル−鉄−タングステン合金の少なくともいずれか1種を用いる場合、アンカー2とヒータ回路3a、3bとを接合する工程を比較的低温で行うことができる。さらに、これらの材料はいずれもその熱膨張係数の値がセラミックスの熱膨張係数の値に近い。したがって、保持体12の温度が変化する場合、アンカー2とセラミックス基体13との接触部に発生する熱応力を低減できる。
また、本発明の実施の形態1〜5においては、電極線4がタングステン、モリブデン、およびこれらの合金、コバール、銅−タングステン合金、銅−モリブデン合金、銅−ニッケル−鉄−タングステン合金からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
この場合、電極線4をアンカー2と同じ材料により構成することができる。このため、電極線4とアンカー2との接続部に発生する熱応力を低減できる。
また、本発明の実施の形態1〜5においては、セラミックス基体13を構成する基体ベース1が窒化アルミニウム、窒化珪素、酸化アルミニウムおよび炭化珪素からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
窒化アルミニウムは腐食性雰囲気に対して十分な耐久性を示す。また、窒化アルミニウムを用いたセラミックス基体13は、不純物としてのパーティクルの発生確率が他の材料よりも低い。したがって、シリコンウェハの処理に窒化アルミニウムを用いた保持体12を利用すれば、処理を行うチャンバの内部でのパーティクルの発生が極めて少ない上に、処理に用いる反応性ガスにより保持体12が損傷を受けることもない。このため、シリコンウェハの処理を安定して行うことができる。また、窒化アルミニウムは熱伝導率が高いので、均熱性に優れた保持体12を実現できる。また、炭化珪素も熱伝導率が高いので、窒化アルミニウムと同様に均熱性に優れた保持体12を実現できる。
また、酸化アルミニウムは他のセラミックスに比べて比較的安価であるので、保持体12に適用すればその製造コストを低減できる。また、窒化珪素は強度が高いため、この窒化珪素を保持体12に適用することで、ヒートサイクル耐性に優れる保持体12を得ることができる。
以下、本発明の効果を確認するため、本発明による保持体の試料を作製して、それぞれの試料について電気回路としてのヒータ回路と電極線との接続部の密着強度を測定するとともに、ヒートサイクル試験を実施することによりその耐久性を調査した。以下、その試験法および結果について説明する。
まず、以下の表1に示すような組成の原料粉末を準備した。
Figure 2006191124
上記の表1における組成−1〜4に示したそれぞれの原料粉末に、バインダおよび溶剤を加え、ボールミルを用いて混合することによりスラリーを作製した。この粗成−1〜4の原料粉末からなる4種のスラリーを、ドクターブレード法を用いてシート状にすることによりグリーンシート(シートとも言う)を作製した。次に、作製したグリーンシートを、焼結後の寸法が直径350mmの円形になるように切断した。この切断したシートの表面に、ヒータ回路となるべきタングステンペーストを、スクリーン印刷法により所定のパターンとなるように形成した。次に、このヒータ回路となるべきタングステンペーストを塗布したシート上に、さらに複数のシートを積層して配置した。
そして、他のシートとして、プラズマ用電極となるべきタングステンペーストがスクリーン印刷法により所定のパターンとなるように塗布されたシートおよび静電吸着用電極となるべきタングステンペーストがスクリーン印刷法により所定のパターンとなるように塗布されたシートを準備した。これらの他のシートを、上述のヒータ回路となるべきタングステンペーストが塗布されたシートの上にさらに積層した。このようにして、組成−1〜4のそれぞれの原料からなる4種類シートの積層体を得た。この積層体を窒素雰囲気中で加熱温度が700℃という条件で熱処理することにより脱脂処理を行なった。
次に、表1の組成−1に示された原料粉末からなる積層体については、窒素雰囲気中で加熱温度が1800℃という条件で焼結工程を行なった。また、表1における組成−2で示した原料粉末からなる積層体については、窒素雰囲気中で加熱温度が1700℃という条件で焼結工程を行なった。また、表1における組成−3で示された原料粉末を用いた積層体については、窒素雰囲気中において加熱温度が1600℃という条件で焼結工程を行なった。また、表1に示した粗成−4で示された原料を用いた積層体については、窒素雰囲気中において加熱温度が2000℃という条件で焼結工程を実施した。このようにして、それぞれの組成1〜4からなるセラミックス基体(サセプタ)を作製した。
次に、電気回路を構成するヒータ回路、静電吸着用電極およびプラズマ用電極の給電部(電極線との接続部)に開口部を形成した。この開口部の底部にネジ加工を行なうことによりネジ穴を形成した。
次に、以下に示すように、セラミックス基体の裏面側に配置される筒状部材を作製した。まず、表1に示した組成1〜4からなるスラリーを、それぞれスプレードライ法により顆粒状とした。次に、この顆粒状の原料を用いて、ドライプレス法により円柱状の成形体を形成した。この円柱状の成形体に対して、窒素気流中において加熱温度が700℃という条件で脱脂処理を行なった。次に、脱脂処理を行なった後、組成−1〜4の原料を用いた成形体のそれぞれに対して、セラミックス基体を作製する場合の焼結工程と同様の条件を用いて焼結工程を実施した。
焼結工程の後、出来上がった円柱状の焼結体を機械加工することにより、内周側の直径(内径)が50mm、外径が60mm、軸方向の長さが200mmという筒状部材を作製した。
次に、この筒状部材の一方の端面に、Al−Y−AlNのスラリーを塗布した。そして、このスラリーを塗布した端面をセラミックス基体の裏面と密着させた。その後、組成−1〜4のセラミシクス基体のそれぞれを作製する際の焼結工程の条件と同様の条件を用いて、筒状部材とセラミックス基体とを接合するための熱処理を実施する。このようにして、筒状部材とセラミックス基体との接合体を得る。なお、電気回路としてのヒータ回路、静電吸着用電極およびプラズマ用電極と、これらの電気回路へ外部から給電するための電極線との接続部は、すべて筒状部材の内周側に配置される。
次に、上述のようにして作製した筒状部材とセラミックス基体との接合体において、そのセラミックス基体に形成されたネジ穴に金属製のアンカーをねじ込むなど所定の工程を実施することにより、電極線と電気回路を構成するヒータ回路とを接続した。この接続方法としては、図1〜6で示した本発明の実施の形態1〜5に示した方法を実施した。このようにして、本発明の実施の形態1〜5に示した接続構造をそれぞれ備える試料を作製した。なお、アンカーとしては、たとえば直径が6mm、高さが6mm、外周側壁に形成されたネジ(外周ネジ)のピッチは並目であり、アンカーの中央部に形成された内周側ネジ穴(電極線を固定するためのネジ穴)は、直径が3mm、深さが4mmであってネジのピッチは並目としたような金属製アンカーを用いることができる。
金属製のアンカーの材料としては、タングステン、モリブデン、コバール、Cu−W合金、Cu−Mo合金、Cu−Ni−Fe−W合金などの材料を用いた。また、電極線の材料として、タングステン、モリブデン、コバール、Cu−W合金、Cu−Mo合金、Cu−Ni−Fe−W合金などを用いた。このようにして、表2および3に示すように48種類の試料を作製した。以下、各試料の具体的な構成を表2および3に示す。
Figure 2006191124
Figure 2006191124
表2および3を参照して、アンカー材質および電極材質の欄におけるW、Mo、Cu−W、Cu−Moとの記載は、それぞれタングステン、モリブデン、銅−タングステン合金、銅−モリブデン合金を意味する。また、アンカー/電極接続構造の欄における「ネジ」との記載は、アンカー2と電極線4との接続が実施の形態1または3に示したようなネジ構造により行われていることを示す。また、「銀ロウ」との記載は、アンカー2と電極線4との接続が実施の形態2に示したような銀ロウ材を用いたロウ付けにより行われていることを示す。また、「一体構造」との記載は、本願の実施の形態4または5のようにアンカー2と電極線4とが一体になっている構造を示す。
また、アンカー/電気回路接続構造の欄における「Wペースト」との記載は、本願の実施の形態1、2または4に示したように、タングステン(W)ペーストを用いたメタライズ法により、アンカー2の表面に接蝕するように電気回路としてのヒータ回路3bが形成された構造を示す。また、「Wワッシャー」、「Auワッシャー」、「Moワッシャー」との記載は、それぞれ本願の実施の形態3または5に示したように、ワッシャー11を用いた構造を示す。Wワッシャーとはタングステン製ワッシャーが用いられることを示す。AuワッシャーおよびMoワッシャーとは、それぞれ金(Au)製ワッシャーまたはモリブデン(Mo)製ワッシャーが用いられることを示す。
また、表2および3には、それぞれの試料に対して、給電部の密着強度の測定結果およびヒートサイクル試験の結果を示している。なお、密着強度の測定方法としては、以下のような方法を用いた。
まず、各試料のセラミックス基体を固定する。そして、この状態で電極線をセラミックス基体から離れる方向に0.5mm/秒の速度で引張ることにより、電極線とセラミックス基体のヒータ回路との接続部がどの程度の荷重にまで耐えることができるかを測定した。
また、ヒートサイクル試験の試験条件としては、窒素気流中で室温から800℃まで昇温した後、冷却するというサイクルを繰返す試験を行なった。なお、試験の際の昇温速度は20℃/分であり、温度が800℃の状態(高温状態)での保持時間および室温にまで冷却した状態(室温状態)での保持時間は、ともに30分とした。そして、このヒートサイクルを各試料についてそれぞれ1000回繰返した後、試料にクラックなどが発生していないかどうかを確認した。
表2からもわかるように、本発明による保持体の実施例である試料1〜48においては、給電部の密着強度(接続部が耐えることができた荷重)がいずれも20kg以上となっていることから、本発明の実施例の試料はいずれも十分な強度を示していることがわかる。また、ヒートサイクル試験の結果について、本発明による保持体の実施例である試料は、上述のようなヒートサイクルを1000回繰返した後においても、特にクラックなどの発生は見られず十分な耐久性を備えていることがわかる。
一方、比較例として、上述の組成−1〜4のスラリーを用いて、上述した試料を作製した手法と同様の手法によりセラミックス基体を作製した。ただし、このセラミックス基体に対しては、特にネジ加工によってネジ穴を形成することなく、単に穴加工を施した。そしてその穴の内部に円筒状のタングステンアンカーを挿入した。そして、この穴の側壁とアンカーの側壁との間、およびアンカーとこのセラミックス基体のヒータ回路との間を、タングステンメタライズ法を用いて接着した。アンカーには電極線をロウ付けにより接合した。このようにして、比較例としての試料を作成した。
その後、この比較例としての試料に対して、上述の密着強度の測定およびヒートサイクル試験を実施した。この結果、比較例としての試料における密着強度(接続部が耐えることができた荷重)は8kgであり、本発明による保持体の試料の密着強度よりも低い値を示していた。また、ヒートサイクル試験においても、比較例の試料においてはクラックの発生などが見られた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
このように、本発明によれば、被処理物保持体を構成するセラミックス基体に形成された電気回路と電極線との間の接続部にロウ材を用いることなく、ネジ構造を有するアンカーを用いるので、接続部の強度を充分高くすることができると同時に、ヒートサイクルを受けてもクラックなどの不良の発生を抑制できる。このため、高い信頼性を有する被処理物保持体を得ることができる。また、本発明による被処理物保持体を適用することにより、高い信頼性を有する処理装置および半導体製造装置用セラミックスサセプタを実現できる。
本発明による保持体を用いた処理装置示す部分断面模式図である。 図1に示した保持体において、ヒータ回路と電極線との接合部を示す部分拡大断面模式図である。 本発明による保持体の実施の形態2を説明するための部分断面拡大模式図である。 本発明による保持体の実施の形態3を説明するための部分断面拡大模式図である。 本発明による保持体の実施の形態4を説明するための部分断面拡大模式図である。 本発明による保持体の実施の形態5を示す部分断面拡大模式図である。
符号の説明
1 基体ベース、2,22,25 アンカー、3a,3b ヒータ回路、4,17,18 電極線、5 ネジ穴、6 ネジ部、7 内周側ネジ穴、8 電極端部、9 ロウ材、10 フランジ部、11 ワッシャー、12 保持体、13 セラミックス基体、14 静電吸着用電極、15 プラズマ用電極、16 筒状部材、20,21 開口部、23 下面、24 上面。


Claims (13)

  1. 被処理物を保持する被処理物保持体であって、
    電気回路を有し、ネジ穴が形成されたセラミックス基体と、
    前記セラミックス基体のネジ穴にねじ込まれることにより固定されたアンカー部材と、
    前記アンカー部材に接続され、前記電気回路と電気的に接続されている給電用導電部材とを備える、被処理物保持体。
  2. 前記電気回路はスクリーン印刷法を利用したメタライズ法により形成された層である、請求項1に記載の被処理物保持体。
  3. 前記アンカー部材と前記給電用導電部材とは一体となっている、請求項1または2に記載の被処理物保持体。
  4. 前記アンカー部材に導電部材用ネジ穴が形成され、
    前記給電用導電部材は、前記導電部材用ネジ穴にねじ込むことが可能なネジ部を含み、
    前記給電用導電部材のネジ部を前記アンカー部材の前記導電部材用ネジ穴に固定することにより、前記給電用導電部材は前記アンカー部材に接続されている、請求項1または2に記載の被処理物保持体。
  5. 前記アンカー部材と前記給電用導電部材とはロウ付により接続されている、請求項1または2に記載の被処理物保持体。
  6. 前記電気回路は前記セラミックス基体のネジ穴の周囲にまで延在する一部分を含み、
    前記電気回路の一部分上に接触するように配置された導電性の接続部材を備え、
    前記給電用導電部材は、前記アンカー部材に接続された際前記接続部材と接触する凸部を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の被処理物保持体。
  7. 前記電気回路は前記アンカー部材と接触する延在部を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の被処理物保持体。
  8. 前記電気回路はタングステン、モリブデンおよびこれらの合金からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の被処理物保持体。
  9. 前記アンカー部材は、タングステン、モリブデン、およびこれらの合金、コバール、銅−タングステン合金、銅−モリブデン合金、銅−ニッケル−鉄−タングステン合金からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の被処理物保持体。
  10. 前記給電用導電部材は、タングステン、モリブデン、およびこれらの合金、コバール、銅−タングステン合金、銅−モリブデン合金、銅−ニッケル−鉄−タングステン合金からなる群から選択される少かくとも1種を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の被処理物保持体。
  11. 前記セラミックス基体は、窒化アルミニウム、窒化珪素、酸化アルミニウムおよび炭化珪素からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の被処理物保持体。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の被処理物保持体を備える処理装置。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の被処理物保持体を有する半導体製造装置用セラミックスサセプタ。
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