JP4436575B2 - ウエハ支持部材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ発生機構を備えたサセプタや、静電吸着機構を備えた静電チャック等のウエハ支持部材に関するものであり、特に半導体ウエハや液晶用基板などのウエハを保持し、ウエハに成膜処理を施す成膜装置やエッチング処理を施すエッチング装置に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置や液晶装置などの製造工程においては、半導体ウエハや液晶用ガラス基板などのウエハにエッチング処理や成膜処理を施すため、ウエハをウエハ支持部材にて保持することが行われており、このような支持部材としては、ウエハの反りを防ぐために強制的に吸着保持させる静電吸着機構を備えたものや、成膜やエッチング特性を高めるためのプラズマ発生機構を備えたものがあった。
【0003】
図4(a)(b)に従来のウエハ支持部材の一例を示すように、このウエハ支持部材31は、円盤状をなし、その外周に鍔部を有する板状セラミック体33の上面を、ウエハWを載せる載置面32とするとともに、上記板状セラミック体33中の載置面32側近傍には、その平面形状が円形をした内部電極36を埋設するとともに、上記板状セラミック体33の鍔部中には、その平面形状がリング形状をした内部電極37を埋設してあり、各内部電極36,37はそれぞれ板状セラミック体33の下面に接合された給電端子34,35と電気的に接続したものがあった。
【0004】
そして、このウエハ支持部材31を静電チャックとして用いる場合、設置面32にウエハWを載せ、ウエハWと静電吸着用電極としての内部電極36との間に直流電圧を印加すると、ウエハWと内部電極36との間に誘電分極によるクーロン力や電荷移動によるジョンソン・ラーベック力等の静電吸着力が発現するため、ウエハWを設置面32に強制的に吸着固定させることができ、また、内部電極37にも電圧を引加することにより、静電吸着力によってウエハ支持部材31の周辺に浮遊しているパーティクルを吸着させ、集塵することができるようになっていた。
【0005】
また、ウエハ支持部材31をプラズマ発生機構を備えたサセプタとして用いる場合、載置面32にウエハWを載せ、載置面32の上方に配置された別の上部電極(不図示)と内部電極36との間に高周波電圧を印加してプラズマを発生させることにより、ウエハWに対してプラズマを照射するようになっており、また、上部電極と内部電極37との間にも高周波電極を引加してプラズマを発生させることにより、ウエハWの外周部で失われがちであったプラズマ密度の不均一を防止し、ウエハWの全面に対して均一なプラズマ密度を有するプラズマを照射することができるようになっていた。
【0006】
ところが、このウエハ支持部材31をチャンバーに組み込む際には、各給電端子34,35ごとに真空シールが必要であったり、また、内部電極37の給電端子35がウエハ支持部材31の外周部に位置するため、ウエハ支持部材31の中央に給電端子34,35を集中させた装置には用いることができないといった不都合があった。
【0007】
そこで、板状セラミック体32中の内部電極36と内部電極37との導通を図り、内部電極37への通電を内部電極36の給電端子34に兼用させることが提案されていた。
【0008】
例えば、図5に示す構造は、板状セラミック体33中に埋設された金属メッシュや金属箔からなる内部電極36と内部電極37との導通を図るのにワイヤ38を用いたものである。
【0009】
また、図6に示す構造は、板状セラミック体33中に埋設された金属メッシュや金属箔からなる内部電極36と内部電極37との導通を図るのに中実の金属棒39を用いたものである。
【0010】
さらに、図7に示す構造は、板状セラミック体33中に、直径500μm以下の複数のビアホール導体40と、円盤状の導体層からなる電極パッド41とを交互に積み重ねて形成した導通部を設け、内部電極36と内部電極37との導通を図ったものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図5に示す構造を有する板状セラミック体33を製作するには、ワイヤ38を介して接続した内部電極36と内部電極37を埋設してなるセラミック成形体をホットプレス法等の手段を用いて焼結させることにより製作されるのであるが、加圧時にセラミック粉体が流動することに伴うワイヤ38の変形や焼成時におけるセラミック粉体の収縮によるワイヤ38の変形等によってワイヤ38が断線し、内部電極37の通電が行えなくなるといった課題があった。
【0012】
また、図6に示す構造を有する板状セラミック体33を製作するには、中実の金属棒39が用いられるため、板状セラミック体33との熱膨張差の小さな材質を用いたとしても、板状セラミック体33と金属棒39との界面に大きな熱応力が発生し易いものであった。しかも、板状セラミック体33を成形する際には、金属棒39の周囲が他の部分と比較してセラミックスの充填密度が疎になり易く、金属棒39周囲の強度が他の部分と比較して低かった。
【0013】
その為、熱が加わる環境下で使用すると、金属棒39周囲の強度が低下していることと、熱応力の作用によって板状セラミック体33が破損するといった恐れがあった。
【0014】
さらに、図7に示す構造を有する板状セラミック体33を製作するには、ビアホール導体40を備えたセラミックグリーンシートと、電極パッド41を備えたセラミックグリーンシートと、内部電極36,37を備えたセラミックグリーンシートと、何も形成されていないセラミックグリーンシートとをそれぞれ図7に示すような構造となるように所定の順序で積み重ねて形成したセラミック成形体を焼成することにより製作するのであるが、ビアホール導体40と内部電極36,37や電極パッド41との接触面積を大きくすることができないため、例えばプラズマ発生させるために内部電極36,37に高周波電力を印加すると、ビアホール導体40と内部電極36,37との接触部や、ビアホール導体40と電極パッド41との接触部が発熱したり、高周波により励起されるプラズマが不均一となり、また、静電吸着力を発現させるために内部電極36,37に直流電圧を印加すると、内部電極37によるパーティクルの集塵特性が低下するといった課題があった。
【0015】
即ち、ビアホール導体40と内部電極36,37や電極パッド41との接触面積を大きくするためにビアホール導体40の径を500μm以上にすると、焼成時のビアホール導体40と板状セラミック体33の収縮差により欠陥が発生するため、500μm以上の径を有するビアホール導体40を形成することができず、また、ビアホール導体40の数を多くすると、導通部周囲のセラミックスの強度が低下するため、熱が加わる環境下で使用すると、導通部周囲の強度低下や熱応力によって板状セラミック体33が破損するといった恐れがあった。
【0016】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、請求項1に係る発明は、ウエハ支持部材を形成する板状セラミック体の異なる深さに2つ以上の内部電極と、これら内部電極間の導通を図る通電部を埋設し、上記通電部は筒状体とし、この筒状体の両端がそれぞれ内部電極と接して電気的に接続されるようにしたことを特徴とする。
【0017】
請求項2に係る発明は、上記通電部を形成する筒状体の厚みが50〜1000μmで、かつ内部電極間の抵抗値が0.1Ω以下であることを特徴とする。
【0018】
請求項3に係る発明は、上記内部電極が、静電吸着用電極及び/又はプラズマ発生用電極であることを特徴とする。
【0019】
請求項4に係る発明は、板状セラミック成形体の上下面を貫通する貫通孔に導体ペーストを介して上記板状セラミック成形体と同種のセラミックスからなる柱状セラミック成形体を埋入し、次いで上記柱状セラミック成形体を覆うように上記板状セラミック成形体の上下面にそれぞれ内部電極を設けた後、これら内部電極をそれぞれ覆うように上記板状セラミック成形体の上下面に、該板状セラミック成形体と同種のセラミックスからなる薄肉セラミック成形体を積層して焼成一体化することにより、異なる深さに2つ以上の内部電極と、これら内部電極間の導通を図る通電部を埋設した板状セラミック体を製作し、しかる後、上記板状セラミック体の一方の主面を研磨してウエハの載置面を形成することによりウエハ支持部材を製造することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0021】
図1は本発明のウエハ支持部材の一例を示す図で、(a)はその斜視図、(b)は(a)のX−X線断面図であり、また、図2は図1(b)のZ部を拡大した断面図である。
【0022】
このウエハ支持部材1は、円盤状をなし、その外周に鍔部5を有する板状セラミック体3の上面を、ウエハWを載せる載置面2とするとともに、上記板状セラミック体3中の載置面2側近傍には、その平面形状が円形をした内部電極6を埋設するとともに、上記板状セラミック体3の鍔部5中には、その平面形状がリング形状をした内部電極7を埋設してあり、内部電極6と内部電極7とは板状セラミック体3中において筒状体をした通電部8と接し電気的に接続されており、また、内部電極6は板状セラミック体3の下面中央に接合された給電端子4と電気的に接続してある。
【0023】
そして、このウエハ支持部材1を静電チャックとして用いる場合、設置面2にウエハWを載せ、ウエハWと静電吸着用電極としての内部電極6との間に直流電圧を印加すると、ウエハWと内部電極6との間に誘電分極によるクーロン力や電荷移動によるジョンソン・ラーベック力等の静電吸着力が発現するため、ウエハWを設置面2に強制的に吸着固定させることができ、また、内部電極7にも電圧が引加されるため、静電吸着力によってウエハ支持部材1の周辺に浮遊しているパーティクルを鍔部5の表面に吸着させ、集塵することができ、また、ウエハ支持部材1をプラズマ発生機構を備えたサセプタとして用いる場合、載置面2にウエハWを載せ、載置面2の上方に配置された別の上部電極(不図示)と内部電極6との間に高周波電圧を印加してプラズマを発生させることにより、ウエハWに対してプラズマを照射することができ、また、上部電極と内部電極7との間にも高周波電が引加されるためにプラズマを発生させることにより、ウエハWの外周部で失われがちであるプラズマ密度の不均一を防止し、ウエハWの全面に対して均一なプラズマ密度を有するプラズマを照射することができる。
【0024】
そして、本発明のウエハ支持部材1によれば、板状セラミック体3中の異なる深さに埋設された2つの内部電極6,7間の導通を図る通電部8を筒状体とし、その開口端部全体が各内部電極6,7と当接させることができるため、各内部電極6,7との接触面積を大きくすることができるとともに、通電部8をなす筒状体の内側と外側のセラミックスが同種のものであり、また、筒状体からなる通電部8は厚みを薄くすることができるため、焼成時や加熱されるような雰囲気下で使用されたとしても、通電部8と板状セラミック体3との間に作用する応力を抑えることができるため、板状セラミック体3が破損するようなことがなく、簡単な構造で長期間にわたって確実な通電を実現することができる。
【0025】
ところで、板状セラミック体3を形成する材質としては、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウムを主成分とするセラミック焼結体を用いることができ、例えば、窒化アルミニウム質焼結体であれば、窒化アルミニウム90〜98重量%、Y23に代表される希土類元素酸化物を2〜6重量%、アルミナを0.5〜2重量%、さらにCaOを0〜1重量%含有するものを用いれば、優れた熱伝導率を有する板状セラミック体3を得ることができ、また、アルミナ質焼結体であれば、アルミナ98〜99.8重量%、MgO0.2〜2重量%、SiO20〜1.0重量%を含有するものを用いれば、ハロゲンガスに対する耐食性に優れた板状セラミック体3を得ることができる。
【0026】
また、内部電極6,7や導通部8は、板状セラミック体3との熱膨張差が近似した材質を用いることが良く、例えば、タングステン、モリブデン、チタン、白金等の金属やその合金を用いることができる。また、内部電極6,7や導通部8は同一材質により形成することが好ましい。
【0027】
さらに、前述したように、焼成時や加熱されるような雰囲気下で導通部8周辺に発生する熱応力を緩和するためには、導通部8を形成する筒状体の厚みtを50〜1000μmとすることが重要である。
【0028】
ここで、通電部8をなす筒状体の厚みtを50〜1000μmとしたのは、この厚みtを50μm未満とすることは製造上難しいからであり、逆に厚みtが1000μmを超えると、後述する製造方法との関係により通電部8周辺に未焼結部が生じて部分的に強度が低下したり、通電部8の比抵抗が上昇して電極としての信頼性が低下するからである。
【0029】
即ち、通電部8は、図3(b)に示すように、未焼成の板状セラミック成形体20に貫通孔21を形成し、この貫通孔21の内壁面に導体ペースト22を塗布した後、貫通孔21に上記板状セラミック成形体20と同種のセラミックスからなる未焼成の柱状セラミック成形体19を挿入し、貫通孔21と柱状セラミック成形体19との隙間に充填された導体ペースト24を焼結させることにより製造するのであるが、導体ペースト22中には有機成分が含有されており、この有機成分は焼成時に貫通孔21周囲のセラミック中に拡散し、通電部8をなす筒状体の厚みtが厚くなると、その分セラミック中に拡散する有機成分の量も増加することになる。そして、通電部8をなす筒状体の厚みtが1000μmを超えると、通電部8周囲のセラミック中には多量の有機成分が拡散することになるために未焼結部分として残ってしまうとともに、通電部8の比抵抗が上昇してしまうからである。
【0030】
また、内部電極6,7に高周波電力や直流電圧を安定して印加するには、内部電極6,7と通電部8間の抵抗値を0.1Ω以下とすることが必要であり、上記寸法範囲の通電部8を前述した材料にて形成することにより得ることができる。
【0031】
なお、本実施形態では、通電部8の形状として筒状体をしたものを用いたが、その平面形状については特に限定するものではなく、円形、楕円形、多角形などさまざまな平面形状をとることができる。
【0032】
次に、図1及び図2に示すウエハ支持部材の製造方法について説明する。
【0033】
まず、未焼成の板状セラミック成形体20を用意し、その主面より切削バイトを用いたヘリカル加工にて、図3(a)に示すような貫通孔21を穿孔する。ここで、貫通孔21の平面形状としては特に限定するものではなく、円形や楕円形あるいは多角形をしたものでも構わない。また、後述するように、貫通孔21中への柱状セラミック成形体19の挿入を容易するため、貫通孔21の開口部にテーパーを設けても構わない。
【0034】
次に、この貫通孔21に通電部8となる導体ペースト22を塗布あるいは充填したあと、図3(b)に示すように、板状セラミック成形体20と同種のセラミックスからなる柱状セラミック成形体19を挿入する。この時、柱状セラミック成形体19の寸法は、貫通孔21より小径とし、焼成後においては、貫通孔21と柱状セラミック成形体19との間隔、即ち焼成後における筒状体の厚みtが50〜1000μmとなるようにしておく。
【0035】
なお、柱状セラミック成形体19を貫通孔21に挿入するにあたり、柱状セラミック成形体19と貫通孔21との間隔を一定にするため、該間隔に相当する複数本のピンを柱状セラミック成形体19と貫通孔21との隙間に挿入するか、あるいは他の方法として、貫通孔21の内壁面あるいは柱状セラミック成形体19の外壁面に、間隔に相当する複数の突起を形成しておいても構わない。
【0036】
しかる後、図3(c)に示すように、板状セラミック成形体20の表面に、導体ペースト膜25を内部電極6,7の形状に敷設するか、あるいはメッシュやパンチングメタル等のバルク体を配置し、バルク体と貫通孔21中の導体ペーストとの接点に、導体ペーストを塗布して接触させ、その後、図3(d)に示すように、板状セラミック成形体20と同質のセラミックスからなる薄肉セラミック成形体23を重ねてゴム型でくるみ、冷間静水圧プレスを施したあと焼成するか、あるいはホットプレスすることにより、図1に示すように、内部電極6,7と筒状体をした通電部8を埋設してなり、通電部8の開口端部が内部電極6,7と接した状態で電気的に接続された板状セラミック体3を製作する。
【0037】
その後、内部電極6が埋設されている側の板状セラミック体3の表面を研磨してウエハWの設置面2を形成し、該設置面2と内部電極6との距離を0.1〜1.5mmとすることにより本発明のウエハ支持部材1を得ることができる。
【0038】
以上のような方法にて製造することにより、通電部8周囲のセラミックスは他の部分と同程度に充分に緻密化されていることから、焼成後において通電部8周囲の強度低下を生じることがなく、また簡単な構造で内部電極6,7間の導通を確実にとることができる通電部を容易に製造することができる。
【0039】
【実施例】
(実施例1)
図2に示す通電部8を有する本発明のウエハ支持部材1と、図5,6,7に示す通電部を有する従来のウエハ支持部材31とをそれぞれ20個ずつ用意し、熱サイクル試験を行った後、各通電部8にて接続された内部電極6,7,36,37間の抵抗値の劣化状況について調べる実験を行った。
【0040】
まず、各ウエハ支持部材1,31の製法について説明する。
【0041】
図2に示す通電部8を有する本発明のウエハ支持部材は、外径250mm、厚み15.5mmの窒化アルミニウムからなる板状セラミック成形体20に、直径5mm、深さ5mmの貫通孔21を穿孔し、この貫通孔21の内壁面にタングステンの導体ペースト22を塗布した後、外径5.0mm、長さ4.75mmの窒化アルミニウムからなる柱状セラミック成形体19を貫通孔21の内壁面と接触しないように挿入し、溢れ出た導体ペースト22を除去した。次に、貫通孔21を覆うように板状セラミック成形体20の表面に、導体ペースト25を0.05mmの厚みにスクリーン印刷したあと、外径250mm、厚み10mmの窒化アルミニウムからなる薄肉セラミック成形体23を2枚、表裏から重ね、静水圧プレスを施すことにより一体化し、一体化した薄肉セラミック成形体の表面を切削加工して全体厚みを28mmとした後、1900℃の窒素雰囲気中で焼結することにより、外径200mm、厚み17.8mmの円盤状をなし、内部に内部電極6,7と、筒状体をした通電部8を埋設してなる板状セラミック体3を製作した。また、この板状セラミック体3を切断し、内部に埋設されている筒状の通電部8の寸法を測定したところ、外径が約4mm、高さが約4mm、厚みが約0.25mmであった。
【0042】
次いで、内部電極6が埋設されている側の板状セラミック体3の表面に研削加工を施して設置面2を形成し、設置面2から内部電極6までの距離を0.5mmとすることにより本発明のウエハ支持部材1,31を製作した。
【0043】
また、図5,6に示す通電部を有する従来のウエハ支持部材31は、モリブデン製のメッシュからなる内部電極36,37と、線径が0.5mm、長さが6mmのモリブデン製のワイヤ38からなる通電部を用いたもの(図5)と、外径2mm、長さが5mmのモリブデン製の中実金属棒39で接続したもの(図6)を型の所定位置にセットし、型内に窒化アルミニウム粉末を充填した後、ホットプレスにて焼成することにより、外径200mm、厚み17.8mmの円盤状をなし、内部に内部電極36,37と、ワイヤ38又は金属棒39を埋設してなる板状セラミック体33を製作した。
【0044】
次いで、内部電極36が埋設されている側の板状セラミック体33の表面に研削加工を施して設置面32を形成し、設置面32から内部電極36までの距離を0.5mmとすることにより従来のウエハ支持部材31を製作した。
【0045】
さらに、図7に示す通電部を有する従来のウエハ支持部材31は、ビアホール導体40を備えた窒化アルミニウムのグリーンシートと、電極パッド41を備えた窒化アルミニウムのグリーンシートと、内部電極36,37を備えた窒化アルミニウムのグリーンシートと、何も形成されていない窒化アルミニウムのグリーンシートとをそれぞれ図7に示すような構造となるように所定の順序で積み重ねて形成した積層体を、1900℃の窒素雰囲気下で焼結することにより、外径200mm、厚み17.8mmの円盤状をなし、内部に内部電極36,37と、ビアホール導体40及び電極パッド41とからなる通電部を埋設してなる板状セラミック体33を製作した。なお、内部電極36,37、ビアホール導体40、パッド41はいずれもタングステンを用いた。
【0046】
次いで、内部電極36が埋設されている側の板状セラミック体33の表面に研削加工を施して設置面32を形成し、設置面32から内部電極36までの距離を0.5mmとすることにより従来のウエハ支持部材31を製作した。
【0047】
そして、これらのウエハ支持部材1,31を給電端子4,34の接合部の温度が600℃となるように外部熱源で加熱した後、600℃の温度で10分間保持し、冷風機で常温まで急冷させるサイクルを1サイクルとする熱サイクル試験を施し、50サイクル及び200サイクル後の内部電極6,7,36,37間の抵抗変化を測定した。
【0048】
その結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0004436575
【0050】
この結果、図5,6に示す通電部を有する従来のウエハ支持部材31は、ワイヤ38や金属棒39の接続部が、内部電極36を貫通しているため、図5のウエハ支持部材31においては20個中4個が、図6のウエハ支持部材31においては20個中6個において、ワイヤ38や金属棒39の接続部が載置面32より露出し、載置面32と内部電極36の絶縁を保てなかった。
【0051】
また、熱サイクル試験前における内部電極36,37間の抵抗値が0.1Ωを超えたものは、図5のウエハ支持部材31が4個、図6のウエハ支持部材31が7個も発生し、20サイクル後における抵抗値の変動が10%以下であったものは、図5のウエハ支持部材31で4個、図6のウエハ支持部材31で9個しか残らなかった。
【0052】
また、図7に示す通電部を有する従来のウエハ支持部材31では、20個全てが載置面32から内部電極36までの良好な絶縁を示したが、熱サイクル試験前の内部電極36,37間の抵抗値が0.1Ωを超えたものが1個発生し、20サイクル後における抵抗値の変動が10%以下であったものは16個であった。
【0053】
これに対し、図2に示す通電部8を有するウエハ支持部材1は、20個全ての試料において載置面2から内部電極6までの良好な絶縁が得られ、内部電極6,7間の抵抗値も0.1Ωを超えるものはなく、また20サイクルの熱サイクル試験後でも内部電極6,7間の抵抗値が0.1Ωを超えるものはなく、歩留り良く製造でき、信頼性の点で優れていた。
(実施例2)
そこで、実施例1における本発明のウエハ支持部材1において、通電部8をなす筒状体の厚みtを異ならせた時の板状セラミック体3の破損の有無について調べる実験を行った。
【0054】
結果を表2に示した。
【0055】
【表2】
Figure 0004436575
【0056】
この結果、通電部8をなす筒状体の厚みtが1000μmを超えると、通電部8周囲のセラミックスにクラックが発生したのに対し、通電部8をなす筒状体の厚みtを50〜1000μmの範囲で形成したものでは、板状セラミック体3に破損は見られなかった。
【0057】
この結果、通電部8をなす筒状体の厚みtは50〜1000μmの範囲で形成することが良いことが判る。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ウエハ支持部材を形成する板状セラミック体の異なる深さに2つ以上の内部電極と、これら内部電極間の導通を図る通電部を埋設し、上記通電部は筒状体とし、この筒状体の両端がそれぞれ内部電極と接して電気的に接続されるようにしたことによって、通電部周囲のセラミックスの強度劣化を抑えることができるとともに、通電部とセラミックスとの接合部における熱応力の発生を抑えることができるため、熱応力が作用するような環境下で使用しても通電部周囲のセラミックスにクラック等の破損を生じることがなく、また、内部電極と通電部との間の電気の流れを阻害することなく確実に接続することができ、通電部を介した内部電極間の抵抗値を常に0.1Ω以下に保つことができるため、長期間にわたり安定して内部電極に通電することができる。
【0059】
その為、内部電極を静電吸着用電極として用いれば、均一な吸着力を発現させ、反りのあるようなウエハを確実に設置面にならって保持させることができ、さらに、ウエハ支持部材周囲に浮遊するパーティクルを効果的に吸着させて集塵することができ、また、内部電極をプラズマ発生用電極として用いれば、ウエハの外周部においても均一なプラズマを発生させることができるため、載置面に保持したウエハ上への成膜やエッチング速度を向上させることができる。
【0060】
また、本発明によれば、板状セラミック成形体の上下面を貫通する貫通孔に導体ペーストを介して上記板状セラミック成形体と同種のセラミックスからなる柱状セラミック成形体を埋入し、次いで上記柱状セラミック成形体を覆うように上記板状セラミック成形体の上下面にそれぞれ内部電極を設けた後、これら内部電極をそれぞれ覆うように上記板状セラミック成形体の上下面に、該板状セラミック成形体と同種のセラミックスからなる薄肉セラミック成形体を積層して焼成一体化することにより、異なる深さに2つ以上の内部電極と、これら内部電極間の導通を図る通電部を埋設した板状セラミック体を製作し、しかる後、上記板状セラミック体の一方の主面を研磨してウエハの載置面を形成することによりウエハ支持部材を製造するようにしたことから、通電部の周囲の強度低下を生じることなく、簡単な構造で確実に内部電極間の導通を図ることができるため、ウエハ支持部材を歩留り良く簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエハ支持部材の一例を示す図で、(a)はその斜視図、(b)は(a)のX−X線断面図である。
【図2】図1(b)のZ部を拡大した断面図である。
【図3】(a)〜(d)は本発明に係るウエハ支持部材の製造方法を説明するための模式図である。
【図4】従来のウエハ支持部材の一例を示す図で、(a)はその斜視図、(b)は(a)のY−Y線断面図である。
【図5】従来のウエハ支持部材における内部電極間の通電構造を部分的に拡大した断面図である。
【図6】従来のウエハ支持部材における内部電極間の他の通電構造を部分的に拡大した断面図である。
【図7】従来のウエハ支持部材における内部電極間のさらに他の通電構造を部分的に拡大した断面図である。
【符号の説明】
1,31:ウエハ支持部材
2,32:載置面
3,33:板状セラミック体
4,34,35:給電端子
5:鍔部
6,36:内部電極
7,37:内部電極
8:通電部
19:柱状セラミック成形体
20:板状セラミック成形体
21:貫通孔
22:導体ペースト
23:薄肉セラミック成形体
24:導体ペースト
40:ビアホール導体
41:電極パッド

Claims (4)

  1. 板状セラミック体の一方の主面をウエハを載せる載置面とし、上記板状セラミック体の異なる深さに2つ以上の内部電極と、これら内部電極間の導通を図る通電部を埋設してなり、上記通電部は筒状体をなし、該筒状体の両端がそれぞれ上記内部電極と接し電気的に接続してあることを特徴とするウエハ支持部材。
  2. 前記通電部を形成する筒状体の厚みが50〜1000μmで、かつ上記内部電極間の抵抗値が0.1Ω以下であることを特徴とする請求項1に記載のウエハ支持部材。
  3. 前記内部電極が、静電吸着用電極及び/又はプラズマ発生用電極であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウエハ支持部材。
  4. 板状セラミック成形体の上下面を貫通する貫通孔に導体ペーストを介して上記板状セラミック成形体と同種のセラミックスからなる柱状セラミック成形体を埋入し、次いで上記柱状セラミック成形体を覆うように上記板状セラミック成形体の上下面にそれぞれ内部電極を設けた後、これら内部電極をそれぞれ覆うように上記板状セラミック成形体の上下面に、該板状セラミック成形体と同種のセラミックスからなる薄肉セラミック成形体を積層して焼成一体化することにより、異なる深さに2つ以上の内部電極と、これら内部電極間の導通を図る通電部を埋設した板状セラミック体を製作し、しかる後、上記板状セラミック体の一方の主面を研磨してウエハの載置面を形成することを特徴とするウエハ支持部材の製造方法。
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