JP3359582B2 - 静電チャック - Google Patents

静電チャック

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JP3359582B2
JP3359582B2 JP33724398A JP33724398A JP3359582B2 JP 3359582 B2 JP3359582 B2 JP 3359582B2 JP 33724398 A JP33724398 A JP 33724398A JP 33724398 A JP33724398 A JP 33724398A JP 3359582 B2 JP3359582 B2 JP 3359582B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被吸着物を静電気
力でもって吸着保持する静電チャックに関するものであ
り、特にPVD、プラズマCVD、光CVD、スパッタ
リングなどの成膜工程やプラズマエチング、光エッチン
グなどのエッチング工程、あるいは露光工程、描画工
程、洗浄工程、ダイシング工程、さらには上記各種処理
工程へ被吸着物を送るための搬送等に好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の製造において、半導
体ウエハへの露光処理や描画処理、さらにはPVD、C
VD、スパッタリングなどの成膜処理、洗浄処理、プラ
ズマエッチングや光エッチングなどのエッチング処理、
ダイシング処理あるいは各種処理工程への搬送時には、
半導体ウエハを静電気力でもって吸着保持するセラミッ
ク製の静電チャックが使用されている。
【0003】図4(a)(b)に一般的な静電チャック
11の構造を示すように、被吸着物である半導体ウエハ
Wと略同等の大きさを有する板状セラミック体12をし
たもので、この板状セラミック体12の上面を半導体ウ
エハWの吸着面13とするとともに、その内部に外形状
が上記吸着面13と略同形状をした円形の内部電極14
を埋設したものがあった。なお、15は板状セラミック
体12の下面に接合され、上記内部電極14と電気的に
接続された給電端子である。
【0004】そして、この静電チャック11によって半
導体ウエハWを吸着固定するには、吸着面13上に半導
体ウエハWを載置し、内部電極14と半導体ウエハWと
の間に直流電圧を印加することにより、静電吸着力とし
て誘電分極によるクーロン力や微少な漏れ電流によるジ
ョンソン・ラーベック力を発現させ、吸着面13上に半
導体ウエハWを吸着固定するようになっていた。
【0005】なお、図4(a)(b)では基本的な構造
の静電チャック11を示したが、目的に応じて上記板状
セラミック体12中に抵抗発熱体を埋設してヒータ機能
を持たせたものもあった。また、図4(a)(b)に示
す静電チャック11の内部電極14に対して直流電圧以
外に高周波電力を加え、内部電極14に静電吸着機能以
外にプラズマ発生機能を持たせたものもあった。さら
に、図4(a)(b)では単極型の静電チャック11を
示したが、この他に板状セラミック体12中に埋設する
内部電極14を2つ以上に分割し、それぞれの内部電極
14間に直流電圧を印加することで静電吸着力を発現さ
せる双極型の静電チャックもあった。
【0006】ところで、図4(a)(b)に示す静電チ
ャック11を製作するには、複数枚のセラミックグリー
ンシート間に内部電極14となる導体膜を内蔵したグリ
ーンシート積層体を焼成するか(特開昭62−2646
38号公報参照)、あるいはセラミック粉末中に内部電
極14をなす金属板を埋設し、ホットプレスにて一体的
に成形、焼成して、それぞれ内部電極14を埋設した板
状セラミック体12を製作し、このようにして得られた
板状セラミック体12の一方の主面に研磨加工を施して
吸着面13を形成するとともに、他方の主面に給電端子
15を接合して内部電極14と電気的に接続することに
よって製造されていた。
【0007】このうち積層技術により静電チャック11
を製作する方法は、複数枚のセラミックグリーンシート
を積層する際に不可避的に圧力の不均一が生じ易く、静
電チャック11にとって重要な吸着面13から内部電極
14間に存在するセラミック部の厚みを均一にすること
が難しいといった課題があった。しかも、内部電極14
にプラズマ発生用の電極としての機能を持たせ、吸着面
13上に吸着固定した半導体ウエハWに対して均一な密
度のプラズマを発生させようとすると、10μm以上の
厚みが必要となるのであるが、積層技術による方法では
10μm以上の厚みを持った内部電極14を板状セラミ
ック体12中に埋設することはできなかった。
【0008】これに対し、ホットプレス技術による静電
チャック11は、予め吸着面13から内部電極14間に
存在するセラミック部を成形しておくことで、厚みを均
一にすることができ、また、10μm以上の厚みをもっ
た内部電極14を埋設することも可能であることから、
静電チャック11を比較的容易に製造できるといった利
点がある。
【0009】ただし、ホットプレス技術により静電チャ
ック11を製作する場合、内部電極14として平板状の
金属板を用いると、セラミックスと金属との熱膨張差に
よる剥離の恐れがあるため、内部電極14には高融点金
属からなるパンチングメタルや金網が用いられていた
(特開平9−134951号公報参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、内部電極1
4にパンチングメタルを用いた静電チャック11では、
内部電極14として用いられる高融点金属の硬度が高い
ために穴あけ加工が大変であり、加工コストも高くなる
ため実用的ではなかった。
【0011】一方、内部電極14に金網を用いた静電チ
ャック11は、被吸着物である半導体ウエハWに対し、
内部電極14をなす金網そのものの占める割合が少なく
なり易く、十分な設計がなされていないと大きな静電吸
着力が得られず、半導体ウエハWを吸着面13上で精度
良く固定することができないといった問題があり、これ
まで金網からなる内部電極14の最適な形状や形態につ
いて十分な検討がなされていなかった。
【0012】また、本件発明者は、静電吸着力を向上さ
せるため、金網からなる内部電極14の形状や形態につ
いて検討を進めていたところ、内部電極14の形状や形
態が通電を止めた時の残留吸着力を逃がすのにも大きな
影響を与えることを知見した。即ち、半導体ウエハWに
対して内部電極14をなす金網そのものの占める割合が
少な過ぎると残留吸着力が残り易く、この残留吸着力が
残ると半導体ウエハWを吸着面13より直ちに取り外す
ことができず、各種処理工程のスループットを縮めるこ
とができないため、生産効率を高めることができないと
いった課題があった。
【0013】しかも、金網が線材を編み目状に編み上げ
ただけのものでは、交差する線材間に隙間ができて電気
的導通が得られないことがあり、吸着面13内において
均一な静電吸着力やプラズマを発生させることができ
ず、品質の安定した静電チャック11を提供することが
できないといった課題もあった。
【0014】その為、このような静電チャック11を例
えば成膜処理やエッチング処理に用いると、半導体ウエ
ハWに発生する熱を十分に吸収しきれないこととなり、
半導体ウエハWへの成膜精度やエッチング精度が損なわ
れるといった課題があった。
【0015】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、被吸着物を保持する吸着面を有する板状セラ
ミック体中に、線材からなる金網状電極を埋設してなる
静電チャックにおいて、上記金網状電極として線材の交
点を接合した金網、又は線材を編組みしたあとに厚み方
向に加圧して塑性変形させた金網を用いるとともに、上
記金網状電極が占める面積に対する開口部の割合を50
〜80%とし、かつ各開口部の最短幅を0.23mm以
上としたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、半導
体装置の製造工程で用いる静電チャックを例にとって説
明する。
【0017】図1(a)は本発明の静電チャック1の一
例を示す一部を破断した斜視図、(b)は(a)のX−
X線断面図で、被吸着物である半導体ウエハWと略同等
の大きさを有する円盤状をした板状セラミック体2から
なり、この板状セラミック体2の上面を半導体ウエハW
を保持する吸着面3とするとともに、板状セラミック体
2の内部に図2に示すような外形状が円形をした格子状
の金網状電極4を埋設したもので、この金網状電極4は
板状セラミック体2の下面に接合された給電端子5と電
気的に接続されている。
【0018】金網状電極4は、半導体ウエハWを大きな
静電吸着力でもって固定する観点から、その大きさを板
状セラミック体2中に埋設することができる範囲ででき
るだけ大きくすることが好ましく、また、均一な静電吸
着力や後述するように均一なプラズマを発生させるため
には開口部4aの大きさができる限り揃ったものを用い
るとともに、金網状電極4を構成する各線材との交点が
離れないように予め電気アーク溶接、スポット溶接、摩
擦接合、メッキ法などの方法でもって接合しておくか、
あるいは3次元的に絡み合うように織ったものを用いる
ことが良い。
【0019】そして、この静電チャック1によって半導
体ウエハWを吸着固定するには、吸着面3上に半導体ウ
エハWを載置し、金網状電極4と半導体ウエハWとの間
に直流電圧を印加して誘電分極によるクーロン力や微少
な漏れ電流によるジョンソン・ラーベック力を発現させ
ることによって、吸着面3上に半導体ウエハWを吸着固
定することができる。
【0020】また、図示していないが、金網状電極4に
直流電圧以外に高周波電力を印加することによって、吸
着面3上の半導体ウエハWに対してプラズマを発生させ
る機能を設けることもできる。
【0021】ところで、静電チャック1の静電吸着力を
高めかつ残留吸着力を速やかに逃がすためには、金網状
電極4が占める面積に対する開口部4aの割合(以下、
開口率という)が重要である。
【0022】即ち、静電チャック1の静電吸着力は一般
的に数1で示される。
【0023】
【数1】
【0024】従って、この数1より静電吸着力を高める
には、 (1)金網状電極4の面積を大きくする (2)印加電圧を大きくする (3)吸着面3から金網状電極4間に存在するセラミッ
ク部の誘電率を大きくする (4)吸着面3から金網状電極4間に存在するセラミッ
ク部の厚みを薄くするようにすれば良いのであるが、
(3)は板状セラミック体2を形成する材質固有のもの
であり、(4)も板状セラミック体2の強度の観点から
限界があり、いずれも静電吸着力を大きく向上させ得る
ものではない。また、(2)についても静電チャック1
に使用される高電圧装置の電圧は最大でも1kV程度が
通常であり、これ以上大きな高電圧装置を用いると感電
等の危険性が高くなるとともに、装置が高額のものとな
り、さらには吸着面3から金網状電極4間におけるセラ
ミック部の耐電圧を超え、板状セラミック体2が絶縁破
壊する恐れがあるなど、実用に適さない。
【0025】これに対し、(1)の金網状電極4の面積
を大きくすることは設計上可能であり、静電吸着力を高
めるのに有効な手段となる。
【0026】一方、金網状電極4への通電を止めると、
金網状電極4上に溜まっていた電荷は瞬時に逃がすこと
がきるが、開口部4aが位置する無電極部上に溜まった
電荷は瞬時に逃がすことができず、残留吸着力として残
るものと考えられ、特に、ジョンソン・ラーベック効果
を利用する静電チャック1に発生し易い。その為、金網
状電極4の面積を大きくすることは、残留吸着力の発生
を抑えるのにも有効な手段となる。
【0027】そして、金網状電極4の面積を大きくする
には、線材の径を大きくしたり、線材間の間隔を狭くす
れば良く、いずれにおいても金網状電極4の開口率を調
整することによって達成することができる。
【0028】そして、金網状電極4の開口率が80%を
越えると、金網状電極4の面積が小さくなり過ぎるた
め、十分な大きさの静電吸着力を発現させることができ
ず、また、残留吸着力が残り易くなるため、半導体ウエ
ハWの離脱応答性が悪い。
【0029】ただし、金網状電極4の開口率が50%よ
りも小さくなると、金網状電極4の面積が大きくなり過
ぎるために、板状セラミック体2の曲げ強度や耐熱衝撃
性が大幅に低下する。
【0030】従って、静電チャック1の強度や耐熱衝撃
性を大幅に低下させることなく、静電吸着力を高めかつ
残留吸着力を速やかに逃がすためには、金網状電極4の
開口率を50〜80%とすることが重要である。
【0031】また、金網状電極4の開口率が50〜80
%の範囲にあっても、各開口部4aが狭すぎると、静電
チャック1の耐熱衝撃性を低下させることになる。これ
は、金網状電極4を形成する線材と板状セラミック体2
との界面には両者の反応生成物が1〜50μmの厚みで
形成されており、この反応生成物が耐熱衝撃性を低下さ
せるからであり、開口部4aの幅が狭いと、その部分に
熱応力が集中し易いからである。その為、金網状電極4
に開口する各開口部4aは、その最短幅Lを0.23m
m以上、好ましくは0.3mm以上とすることが良い。
【0032】なお、本発明において、金網状電極4が占
める面積とは、開口部4aを含めた全面積Sのことであ
り、金網状電極4の開口率及び各開口部4aの最短幅L
は、それぞれX線によって板状セラミック体2中に埋設
されている金網状電極4の輪郭を観察し、画像解析によ
って求めることができる。
【0033】一方、このような板状セラミック体2を形
成する材質としては、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミ
ニウム、炭化硼素等を主成分とするセラミックスを用い
ることができる。これらの中でも窒化アルミニウムを主
成分とするセラミックスは、他のセラミックスと比較し
て高い熱伝導率を有するとともに、腐食性の高いハロゲ
ンガスやプラズマに対して優れた耐蝕性、耐プラズマ性
を有することから板状セラミック体2の材質として好適
である。特に、純度が99.8%以上である高純度の窒
化アルミニウムセラミックスは、焼結体中に粒界が殆ど
なく、耐プラズマ性に優れ、また、Y2 3 やErなど
の希土類酸化物を1〜9重量%の範囲で含有する窒化ア
ルミニウムセラミックスは、熱伝導率が100W/mk
以上、高いものでは150W/mk以上、さらに高いも
のでは200W/mk以上を有することから吸着面3に
保持した半導体ウエハWの均熱化をより一層高めること
ができる。
【0034】また、板状セラミック体2中に埋設する内
部電極4の材質としては、タングステン(W)やモリブ
デン(Mo)など周期律表第6a族元素やTiなどの周
期律表第4a族元素の高融点金属あるいはこれらの合
金、さらにはWC、MoC、TiNなどの導電性セラミ
ックスを用いることができる。これらの金属、合金、導
電性セラミックスは板状セラミック体2を構成するセラ
ミックスと同程度の熱膨張係数を有することから、製作
時や発熱時における板状セラミック体2の反りや破損を
防ぐことができ、高温に発熱させても断線することがな
い。
【0035】さらに、板状セラミック体2中の金網状電
極4へ通電するための給電端子5としては、タングステ
ン(W)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)など
の金属や鉄(Fe)−コバルト(Co)−ニッケル(N
i)合金を用いることができ、特に耐酸化性が要求され
るような時にはニッケル(Ni)あるいは鉄(Fe)−
コバルト(Co)−ニッケル(Ni)合金を用いれば良
い。
【0036】なお、図1では基本的な構造を有する静電
チャック1を例にとって説明したが、目的に応じて板状
セラミック体2中に抵抗発熱体を埋設してヒータ機能を
持たせても良い。また、図1では単極型の静電チャック
1を示したが、この他に板状セラミック体2中に埋設す
る金網状電極4を2つ以上に分割し、各金網状電極4間
に直流電圧を印加することで静電吸着力を発現させる双
極型の静電チャック1とすることもできる。
【0037】さらに、金網状電極4としては、図2に示
した開口部4aの形が正方形をしたもの以外に、図3
(a)に示すような開口部4aが三角形をしたもの、図
3(b)に示すような開口部4aが六角形をしたもの、
図3(c)に示すような開口部4aが円形をしたもの、
図3(d)に示すような開口部4aが楕円形をしたも
の、図3(e)に示すような開口部4aが略菱形をした
ものなど、開口部4aの形に関係なく網状をしたもので
あれば金網状電極4として用いることができる。
【0038】金網状電極4を構成する線材としては、断
面形状が円形をしたもの以外に、四角形や六角形など方
形をしたものや楕円形をしたものを用いることができ、
これらの断面形状を有する線材を用いることで交点での
接触面積を増やし、導通不良をより低減することができ
る。ただし、前述した金網状電極4を形成する高融点金
属やそれらの合金は一般に剛性が高く、加工が難しいた
め、例えば、断面形状が円形をした線材を編組みしたあ
とに、厚み方向に加圧して塑性変形させることによって
交点のみを断面形状が楕円形あるいは平板状にしても良
い。
【0039】次に、図1に示す静電チャック1の製造方
法について説明する。
【0040】まず、前述した各種セラミックスの造粒粉
を用意し、型内に充填して一軸加圧成型法や等加圧成型
法にて板状の成形体を形成する。そして、この成形体上
に図2に示す金網状電極4を載せたあと、電極4を覆う
ように成形体と同一原料からなる造粒粉を充填し、再度
一軸加圧成型法又は等加圧成型法にて金網状電極4を埋
設した成形体を形成する。この時、必要に応じて切削加
工を施しても良い。しかるのち、成形体を焼結させるこ
とができる温度にて焼成することで、金網状電極4を埋
設した板状セラミック体2を製作し、この一方の主面に
研磨加工を施して吸着面3を形成するとともに、他方の
主面に金網状電極4まで連通する穴を穿孔し、その穴に
給電端子5をロウ付け等の固定手段でもって固着するこ
とによって得ことができる。
【0041】
【実施例】ここで、金網状電極4が占める面積に対する
開口部4aの割合(開口率)と、各開口部4の最短幅L
をそれぞれ異ならせた図1に示す静電チャック1を試作
し、吸着力と残留吸着力、及び静電チャック1の曲げ強
度と耐熱衝撃性について調べる実験を行った。
【0042】本実験では、純度99.9%の窒化アルミ
ニウム粉末のみからなる成形体中に、開口率と開口部4
aの最短幅Lを異ならせたモリブデンからなる図2に示
す金網状電極4を埋設し、この成形体をホツトプレス焼
結させて窒化アルミニウムセラミック製の板状セラミッ
ク体2を製作した。なお、ホットプレスの条件は、焼成
温度を1910℃、圧力を200kg/cm2 とした。
【0043】そして、この板状セラミック体2の上面に
研削、研磨加工を施して吸着面3を形成するとともに、
板状セラミック体2の下面に金網状電極4が埋設された
深さまで穴を穿孔し、金属製端子5を金網状電極4とロ
ウ付けして静電チャック1を製作した。
【0044】なお、板状セラミック体2を形成する窒化
アルミニウムセラミックスの特性について調べたとこ
ろ、相対密度99%、曲げ強度400MPa、常温での
体積固有抵抗値1×1011Ωcm、200℃での体積固
有抵抗値2×108 Ωcmであった。
【0045】そして、このようにして製作した各静電チ
ャック1を真空チヤンバー内に設置し、200℃まで加
熱した状態で、1インチ角のシリコンウエハを静電チャ
ック1の吸着面3に載せ、シリコンウエハと金網状電極
4との間に500Vの直流電圧を印加して吸着させた時
の吸着力を10点測定し、これらの平均値を吸着力とし
た。
【0046】また、金網状電極4への通電を止めてから
5秒後の吸着力を10点測定し、これらの平均値を残留
吸着力とした。
【0047】また、耐熱衝撃性を評価するために、常温
から30℃/分の昇温速度で400℃まで加熱したあと
冷却し、蛍光探傷によって板状セラミック体2の割れの
有無を観察した。
【0048】さらに、板状セラミックス体2から、厚み
方向が長さとなるように3×4の断面を持つテストピー
スを切り出し、#150のダイヤモンドホイールにて研
磨後、4点曲げ強度を測定した。
【0049】それぞれの結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】この結果、吸着力は、金網状電極4の開口
率を80%以下とすることで急激に向上するとともに、
残留吸着力を殆ど無くすことができることが判る。ただ
し、金網状電極4の開口率が50%未満では、板状セラ
ミック体2の曲げ強度が200MPa以下にまで低下す
るとともに、昇温時に板状セラミック体2に割れが発生
するものがあった。
【0052】よって、金網状電極4の開口率を50〜8
0%とすることで、大きな吸着力が得られるとともに、
残留吸着力が殆どなく、曲げ強度や耐熱衝撃性の劣化の
少ない静電チャック1とできることが判る。
【0053】(実施例2)次に、実施例1と同様の条件
にて、開口率は50〜80%とし、各開口部4aの最短
幅Lを異ならせた金網状電極4を埋設した静電チャック
1を試作し、吸着力、残留吸着力、曲げ強度、耐熱衝撃
性について調べる実験を行った。
【0054】それぞれの結果は表2に示す通りである。
【0055】
【表2】
【0056】この結果、金網状電極4の開口率は50〜
80%の範囲にあるため、吸着力や残留吸着力には顕著
な差は見られなかったものの、開口部4aの最短径Lが
0.23mm未満では昇温時に板状セラミック体2に割
れが発生するものがあった。これに対し、金網状電極4
の各開口部4aの最短径Lが0.23mm以上のもの
は、昇温時においても板状セラミック体2に割れは見ら
れなかった。
【0057】以上の結果より、金網状電極4の開口率を
50〜80%とするとともに、金網状電極4の各開口部
4aの最短径Lを0.23mm以上とすることで、静電
チャック1の強度や耐熱衝撃性を大幅に低下させること
なく、静電吸着力を高めかつ残留吸着力を速やかに逃が
すことができることが判る。
【0058】以上のように、本発明によれば、被吸着物
を保持する吸着面を有する板状セラミック体中に、線材
からなる金網状電極を埋設してなる静電チャックにおい
て、上記金網状電極として線材の交点を接合した金網、
又は線材を編組みしたあとに厚み方向に加圧して塑性変
形させた金網を用いるとともに、上記金網状電極が占め
る面積に対する開口部の割合を50〜80%とし、かつ
各開口部の最短幅を0.23mm以上としたことによっ
て、曲げ強度や耐熱衝撃性を大きく劣化させることな
く、大きな吸着力を安定して発現させることができるた
め、被吸着物を吸着面に倣って高精度に保持することが
できるとともに、残留吸着力が残り難いことから、通電
を止めれば吸着面より直ちに被吸着物を離脱することが
できる。
【0059】かくして、本発明の静電チャックを、成膜
装置やエッチング装置に用いれば、均一で配向性の高い
成膜処理やエッチング処理を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の静電チャックの一例を示す一
部を破断した斜視図、(b)は(a)のX−X線断面図
である。
【図2】図1の静電チャックに内蔵する金網状電極を示
す平面図である。
【図3】(a)〜(e)はさまざまな金網状電極を示す
平面図である。
【図4】(a)は従来の静電チャックの一例を示す一部
を破断した斜視図、(b)は(a)のY−Y線断面図で
ある。
【符号の説明】
1,11・・・静電チャック 2,12・・・板状セラミック体 3,13・・・吸着面 4 ・・・金網状電極 5,15・・・給電端子 14 ・・・内部電極 W ・・・半導体ウエハ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被吸着物を保持する吸着面を有する板状セ
    ラミック体中に、線材からなる金網状電極を埋設してな
    る静電チャックにおいて、上記金網状電極として線材の
    交点を接合した金網、又は線材を編組みしたあとに厚み
    方向に加圧して塑性変形させた金網を用いるとともに、
    上記金網状電極が占める面積に対する開口部の割合が5
    0〜80%で、かつ各開口部の最短幅が0.23mm以
    上であることを特徴とする静電チャック。
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