JP4502462B2 - ウエハ支持部材及びその製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ発生機構を備えたサセプタや、静電吸着機構を備えた静電チャック等のウエハ支持部材に関するものであり、特に半導体ウエハや液晶用基板などのウエハを保持し、ウエハに成膜処理を施す成膜装置やエッチング処理を施すエッチング装置に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置や液晶装置などの製造工程においては、半導体ウエハや液晶用ガラス基板などのウエハにエッチング処理や成膜処理を施すため、上記ウエハをウエハ支持部材にて保持することが行われており、このような支持部材としては、ウエハの反りを防ぐために強制的に吸着保持させる静電吸着機構を備えたものや、成膜やエッチング特性を高めるためのプラズマ発生機構を備えたものがあった。
【0003】
例えば、図1は一般的なウエハ支持部材の一例を示す図で、(a)はその斜視図、(b)は(a)のX−X線断面図であり、板状セラミック体4の一方の主面にはウエハWの設置面2を有するとともに、板状セラミック体4中には一つの内部電極3を埋設してあり、内部電極3は板状セラミック体4の他方の主面側に接合された給電端子5と電気的に接続されている。
【0004】
そして、このウエハ支持部材を静電チャックとして用いる場合、設置面2にウエハWを載せ、ウエハWと静電吸着用電極としての内部電極3との間に直流電圧を印加すると、ウエハWと内部電極3との間に誘電分極によるクーロン力や電荷移動によるジョンソン・ラーベック力等の静電吸着力が発現し、ウエハWを設置面2に吸着固定させることができ、また、上記ウエハ支持部材をプラズマ発生機構を備えたサセプタとして用いる場合、設置面2にウエハWを載せ、一方のプラズマ発生用電極としての内部電極3とウエハ支持部材の上方に別に設置された他方のプラズマ発生用電極との間に高周波電圧を印加してプラズマを発生させ、この状態で、成膜用ガスやエッチング用ガスを供給すれば、ウエハWへの成膜やエッチングを効率良く行うことができるようになっていた。
【0005】
ところで、上記内部電極3は、静電吸着力やプラズマ密度を高める観点から、ウエハWの設置面2にできるだけ近い位置に埋設する必要があり、通常、設置面2から0.1〜1.5mという極めて浅い距離に埋設されていた。
【0006】
その為、給電端子5を挿入するための穴を、内部電極3を貫通して穿孔することは難しいものであった。
【0007】
そこで、内部電極3の厚みを全体的に厚くしたり、電極引出用として部分的に厚くすることが考えられるが、内部電極3の厚みが500μmを超えると、焼成歪みや熱膨張歪みによるクラックや膨れが板状セラミック体4に発生するため、内部電極3の厚みを厚くすることができなかった。
【0008】
その為、内部電極3と給電端子5とを電気的に接続するにあたり、以下の手段が提案されていた。
(1)図4に示すように、板状セラミック体4中に埋設された金属メッシュや金属箔からなる内部電極3と、板状セラミック体4中に埋設された中実の電極取出部21とをワイヤ22で接続し、板状セラミック体4に露出する電極取出部21の雌ネジ部21aに給電端子5の雄ネジ部5aを螺合して接続する手段(特開平5−101871号公報参照)。
(2)図5(a)(b)に示すように、板状セラミック体4中に、直径500μm以下の複数のビアホール導体32と、円盤状の導体層からなる電極パッド33とを交互に積み重ねて形成した電極取出部31を設け、該電極取出部31の一方端を内部電極3と接続するとともに、板状セラミック体4の設置面2と反対側の表面に、電極取出部31の電極パッド33を貫通する穴4aを穿孔し、該穴4aに給電端子5をロウ付け等にて接合して接続する手段。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図4に示す電極取出部21を備えた板状セラミック体4を製作するには、ワイヤ22を介して接続した内部電極3と電極取出部21を埋設してなるセラミック成形体をホットプレス等の方法を用いて焼結させることにより製作されるのであるが、電極取出部21には外径が4mmから15mm程度の中実のバルク体が用いられるため、電極取出部21の材質に板状セラミック体4との熱膨張差の小さな材質を用いたとしても、板状セラミック体4と電極取出部21との界面に大きな熱応力が発生し易いものであった。しかも、板状セラミック体4を成形する際には、電極取出部21の周囲が他の部分と比較してセラミックスの充填密度が疎になり易く、電極取出部21周囲の強度が他の部分と比較して低かった。
【0010】
その為、熱が加わる環境下で使用すると、電極取出部21周囲の強度が低下していることと、熱応力の作用によって板状セラミック体4が破損するといったおそれがあった。
【0011】
さらに、ホットプレスにより焼成する際、ワイヤ22が断線してしまうおそれがあり、内部電極3への通電を長期間にわたり安定して行うことができるウエハ支持部材を歩留り良く製造することが難しいものであった。
【0012】
一方、図5に示す電極取出部31を備えた板状セラミック体4を製作するには、ビアホール導体32を備えたセラミックグリーンシートと、電極パッド33を備えたセラミックグリーンシートと、内部電極3を備えたセラミックグリーンシートと、何も形成されていないセラミックグリーンシートとをそれぞれ図5に示すような構造となるように所定の順序で積み重ねて形成したセラミック成形体を焼成することにより製作するのであるが、ビアホール導体32と内部電極3や電極パッド33との接触面積を大きくすることができないため、プラズマ発生用としての内部電極3に高周波電力を印加すると、給電端子5が発熱したり、高周波により励起されるプラズマが不均一となり、また、静電吸着用としての内部電極3に直流電圧を印加すると、安定した吸着力が得られなかったり、着脱の応答性が劣ったりするという課題があった。
【0013】
即ち、ビアホール導体32と内部電極3や電極パッド33との接触面積を大きくするためにビアホール導体32の径を500μm以上にすると、焼成時のビアホール導体32と板状セラミック体4の収縮差により欠陥が発生するため、500μm以上の径を有するビアホール導体32を形成することができず、また、ビアホール導体32の数を多くすると、電極取出部31周囲のセラミックスの強度が低下するため、熱が加わる環境下で使用すると、電極取出部31周囲の強度低下や熱応力によって板状セラミック体4が破損するといったおそれがあった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、請求項1に係る発明は、板状セラミック体の一方の主面をウエハを載せる設置面とし、上記板状セラミック体中には内部電極と、該内部電極の電極取出部を埋設してなり、上記設置面から上記内部電極までの距離が0.1〜1.5mmであるウエハ支持部材において、上記電極取出部は筒状体又は有底筒状体をなし、その一端を上記内部電極の下面と接して電気的に接続しており、かつ上記電極取出部と上記内部電極とで囲まれる領域に上記板状セラミック体と同種のセラミックスが挿入されていることを特徴とする。
【0015】
請求項2に係る発明は、記電極取出部を形成する筒状体又は有底筒状体の厚みを50〜1000μmとし、かつ上記電極取出部と上記内部電極間の抵抗値を0.1Ω以下としたことを特徴とする。
【0016】
請求項3に係る発明は、記内部電極が、静電吸着用電極又はプラズマ発生用電極の少なくとも一方であることを特徴とする。
【0017】
請求項4に係る発明は、板状セラミック成形体の一方の主面に凹部を穿孔し、該凹部中間に導体ペーストを介して上記板状セラミック成形体と同種のセラミックスからなる柱状セラミック成形体を埋入し、次いで上記板状セラミック成形体の上記凹部を有する表面に内部電極を設けた後、該内部電極を覆うように上記板状セラミック成形体と同種のセラミックスからなるセラミック薄肉体を積層して焼成一体化することにより、上記内部電極と、該内部電極と接続された筒状体又は有底筒状体の電極取出部を埋設してなる板状セラミック体を製作し、その後、記内部電極が埋設されている側の上記板状セラミック体の主面を研磨してウエハの設置面を形成するとともに、設置面から上記内部電極までの距離を0.1〜1.5mmとしてウエハ支持部材を製造することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0019】
図1は本発明のウエハ支持部材の一例を示す図で、(a)は斜視図、(b)は(a)のX−X線断面図である。
【0020】
このウエハ支持部材1は、板状セラミック体4の一方の主面にウエハWを保持する設置面2を有するとともに、板状セラミック体4中に一つの内部電極3を埋設したもので、内部電極3は板状セラミック体4の他方の主面側に接合された給電端子5と電気的に接続してある。
【0021】
そして、このウエハ支持部材を静電チャックとして用いる場合、設置面2にウエハWを載せ、ウエハWと静電吸着用電極としての内部電極3との間に直流電圧を印加すると、ウエハWと内部電極3との間に誘電分極によるクーロン力や電荷移動によるジョンソン・ラーベック力等の静電吸着力が発現し、ウエハWを設置面2に吸着固定させることができ、また、上記ウエハ支持部材をプラズマ発生機構を備えたサセプタとして用いる場合、設置面2にウエハWを載せ、一方のプラズマ発生用電極としての内部電極3とウエハ支持部材の上方に別に設置された他方のプラズマ発生用電極との間に高周波電圧を印加してプラズマを発生させ、この状態で、成膜用ガスやエッチング用ガスを供給すれば、ウエハWへの成膜やエッチングを効率良く行うことができるようになっている。
【0022】
これらのウエハ支持部材は、静電吸着力やプラズマ密度を高める観点から、内部電極を設置面2にできるだけ近い位置に埋設することが必要であり、設置面2から0.1〜1.5mm程度の距離に埋設してある。
【0023】
また、図2に上記ウエハ支持部材の内部電極3と給電端子5との接合部Aを拡大した断面図を示すように、板状セラミック体4中に有底筒状体をした電極取出部11を埋設してあり、有底筒状体の開口端部11aは内部電極3と接して電気的に接続し、板状セラミック体4の他方の主面には、有底筒状体の底部11bを貫通する穴4aを穿孔し、該穴4aに給電端子5をロウ付け等にて接合することにより、給電端子5と内部電極3とを電気的に接続してある。
【0024】
このように本発明によれば、電極取出部11が有底筒状体をなし、その開口端部11a全体が内部電極3と接するようにすることができるため、内部電極3との接触面積を大きくすることができるとともに、給電端子5を挿入する穴4aは電極取出部11の底部11bを貫通する程度の深さで開ければ良いため、給電端子5をロウ付け等の方法にて簡単に接合することができる。
【0025】
また、有底筒状体をした電極取出部11は厚みを薄くすることができるため、焼成時や加熱されるような雰囲気下で使用されたとしても、電極取出部11と板状セラミック体4との間に発生する応力を抑えることができるため、板状セラミック体4が破損するようなことがなく、簡単な構造で長期間にわたって安定した電力を内部電極3に通電することができる。
【0026】
ところで、板状セラミック体4を形成する材質としては、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム等のセラミックスを用いることができ、例えば、窒化アルミニウムとして、窒化アルミニウム90〜98重量%、Y23に代表される希土類元素酸化物を2〜6重量%、アルミナを0.5〜2重量%、さらにCaOを0〜1重量%含有するものを用いれば、優れた熱伝導率を有する板状セラミック体4を得ることができ、また、アルミナとして、アルミナ98〜99.8重量%、MgO0.2〜2重量%、SiO20〜1.0重量%を含有するものを用いれば、ハロゲンガスに対する耐食性に優れた板状セラミック体4を得ることができる。
【0027】
また、内部電極3や電極取出部11を形成する材質としては、板状セラミック体4との熱膨張差が近似した高融点金属やその合金を用いることが良く、例えば、タングステン、モリブデン、チタン、白金等の金属やその合金を好適に用いることができる。また、内部電極3と電極取出部11は同一材質により形成することが好ましい。
【0028】
また、前述したように、焼成時や加熱されるような雰囲気下で電極取出部11と板状セラミック体4との間に発生する熱応力を緩和するためには、電極取出部11をなす有底筒状体の厚みtを50〜1000μmとすることが重要である。
【0029】
電極取出部11の厚みtを50〜1000μmとしたのは、その厚みtを50μm未満とすることは製造上難しいからであり、逆に厚みtが1000μmを超えると、後述する製造方法との関係により電極取出部11周辺に未焼結部が生じて部分的に強度が低下したり、電極取出部11の比抵抗が上昇して電極としての信頼性が低下するからである。
【0030】
即ち、電極取出部11は未焼成の板状セラミック成形体に凹部を形成し、この凹部に導体ペーストを塗布した後、凹部に未焼成の柱状セラミック成形体を挿入し、凹部と柱状セラミック成形体との隙間に充填された導体ペーストを焼結させることにより製造するのであるが、導体ペースト中には有機成分を含有しており、この有機成分は焼成時に凹部周囲のセラミック中に拡散し、電極取出部11の厚みtが厚くなると、その分セラミック中に拡散する有機成分の量も増加することになる。そして、電極取出部11の厚みtが1000μmを超えると、電極取出部11周囲のセラミック中には多量の有機成分が拡散しているために未焼結部分として残ってしまうとともに、電極取出部11の比抵抗が上昇してしまうからである。
【0031】
また、内部電極3に高周波電力や直流電圧を安定して印加するには、内部電極3と電極取出部11間の抵抗値を0.1Ω以下とすることが必要であり、上記寸法範囲の電極取出部11を前述した材料にて形成することにより得ることができる。
【0032】
なお、本実施形態では、電極取出部11の形状として有底筒状体をしたものを用いたが、筒状体をしたものでも良く、また、その平面形状については特に限定するものではなく、円形、楕円形、多角形などさまざまな平面形状をとることができる。
【0033】
次に、図2に示す電極取出部を持ったウエハ支持部材の製造方法について説明する。
【0034】
まず、未焼成の板状セラミック成形体12を用意し、その一方の主面に切削バイトを用いたヘリカル加工にて、図3(a)に示すような底面が平らな凹部13を穿孔する。ここで、凹部13の平面形状としては特に限定するものではなく、円形や楕円形あるいは多角形をしたものでも構わない。また、後述するように、凹部13中への柱状セラミック体14の挿入を容易するため、凹部13の開口部にテーパーを設けても構わない。
【0035】
次に、この凹部13に電極取出部11をなす導体ペースト16を塗布あるいは充填したあと、図3(b)に示すように、板状セラミック成形体12と同種のセラミックスからなる柱状セラミック成形体14を挿入する。この時、柱状セラミック成形体14の寸法は、凹部13より小径とし、焼成後においては、凹部13と柱状セラミック成形体14との間隔、即ち焼成後における電極取出部11の厚みtが50〜1000μmとなるようにしておく。
【0036】
なお、柱状セラミック成形体14を凹部13に挿入するにあたり、柱状セラミック成形体14と凹部13との間隔を一定にするため、該間隔に相当する複数本のピンを柱状セラミック成形体14と凹部13との隙間に挿入するか、あるいは他の方法として、凹部13の内壁面あるいは柱状セラミック体14の外壁面に、間隔に相当する複数の突起を形成しておいても構わない。
【0037】
しかる後、図3(c)に示すように、凹部13を有する板状セラミック成形体14の表面に、導体ペースト膜17を内部電極3の形状に敷設するか、あるいはメッシュやパンチングメタル等のバルク体を配置し、バルク体と凹部13中の導体ペーストとの接点に、導体ペーストを塗布して接触させ、その後、板状セラミック体12と同質のセラミックスからなるセラミック薄肉体15を重ねてゴム型でくるみ、冷間静水圧プレスを施したあと焼成するか、あるいはホットプレスすることにより、図3(d)に示すように、内部電極3と有底筒状体をした電極取出部11を埋設してなり、電極取出部11の開口端部11aが内部電極3と接した状態で電気的に接続された板状セラミック体4を製作する。
【0038】
その後、内部電極3が埋設されている側の板状セラミック体4の表面を研磨してウエハWの設置面2を形成し、該設置面2と内部電極3との距離を0.1〜1.5μmとすることにより本発明のウエハ支持部材を得ることができる。
【0039】
以上のような方法にて製造することにより、電極取出部11周囲のセラミックスは他の部分と同程度に充分に充填緻密化されていることから、焼成後において電極取出部11周囲の強度低下を生じることがなく、また簡単な構造で内部電極3との通電を確実に行うことができる電極取出部11を容易に製造することができる。
【0040】
そして、このウエハ支持部材に給電端子5を接合するには、板状セラミック体4の設置面2と反対の表面に研削加工を施して電極取出部11の底部11bを貫通する穴4aを穿孔し、該穴4aに給電端子5を挿入してロウ付け等にて接合すれば良い。
【0041】
【実施例】
(実施例1)
図2に示す電極取出部11を有する本発明のウエハ支持部材と、図4,5に示す電極取出部21,31を有する従来のウエハ支持部材とをそれぞれ20個ずつ用意し、熱サイクル試験を行ったあとの内部電極3と電極取出部11,21,31間の抵抗値の劣化状況について調べる実験を行った。
【0042】
まず、各ウエハ支持部材の製法について説明する。
【0043】
図2に示す電極取出部11を有する本発明のウエハ支持部材は、外径250mm、厚み15.5mmの窒化アルミニウムからなる板状セラミック成形体12に、直径5mm、深さ5mmの凹部13を穿孔し、この凹部13の内壁面にタングステンの導体ペーストを塗布した後、外径5.0mm、長さ4.75mmの窒化アルミニウムからなる柱状セラミック成形体14を凹部13の内壁面と接触しないように挿入し、溢れ出た導体ペーストを除去した。次に、凹部13を覆うように板状セラミック成形体12の表面に、導体ペーストを0.05mmの厚みにスクリーン印刷したあと、外径250mm、厚み10mmの窒化アルミニウムからなるセラミック薄肉体15を重ね、静水圧プレスを施すことにより一体化し、セラミック薄肉体15の表面を切削加工して全体厚みを20mmとした後、1900℃の窒素雰囲気中で焼結することにより、外径200mm、厚み16mmの円盤状をなし、内部に内部電極3と、有底筒状体をした電極取出部11を埋設してなる板状セラミック体4を製作した。また、この板状セラミック体4を切断し、内部に埋設されている有底筒状の電極取出部11の寸法を測定したところ、外径が約4mm、高さが約4mm、厚みが約0.25mmであった。
【0044】
次いで、内部電極3が埋設されている側の板状セラミック体4の表面に研削加工を施して設置面2を形成し、設置面2から内部電極3までの距離を0.5mmとすることにより本発明にウエハ支持部材を製作した。
【0045】
そして、このウエハ支持部材に給電端子5を接続するには、板状セラミック体4の設置面2と反対側の表面に、電極取出部11の底面11bを貫通する、径3.0mm、深さ13.6mmの穴4aをマシニングセンターで穿孔し、この穴4aに銀銅ロウ材を塗布し、1050℃、1.33×10-3Paの真空中で10分間保持することによりメタライズ層を形成した後、このメタライズ層上に銀銅ロウ材を塗布し、ニツケル被覆したFeCo―Ni合金(商品名:コバール)製の2.9mm径の給電端子5を挿入し、1050℃、1.33×10-3Paの真空中で10分間保持することにより給電端子5をロウ付けした。
【0046】
また、図4に示す電極取出部21を有する従来のウエハ支持部材は、モリブデン製のメッシュからなる内部電極3と、モリブデン製の中実の電極取出部21とを、モリブデン製のワイヤ22で接続したものを型の所定位置にセットし、型内に窒化アルミニウム粉末を充填した後、ホットプレスにて焼成することにより、外径200mm、厚み16mmの円盤状をなし、内部に内部電極3と、中実の電極取出部21を埋設してなる板状セラミック体4を製作した。
【0047】
次いで、内部電極3が埋設されている側の板状セラミック体4の表面に研削加工を施して設置面2を形成し、設置面2から内部電極3までの距離を0.5mmとすることにより従来のウエハ支持部材を製作した。
【0048】
そして、このウエハ支持部材に給電端子5を接続するには、板状セラミック体4の表面に露出する電極取出部21の雌ネジ部21aに、給電端子5の雄ネジ部5aを螺合することにより接続した。
【0049】
さらに、図5に示す電極取出部31を有する従来のウエハ支持部材は、ビアホール導体32を備えた窒化アルミニウムのグリーンシートと、電極パッド33を備えた窒化アルミニウムのグリーンシートと、内部電極3を備えた窒化アルミニウムのグリーンシートと、何も形成されていない窒化アルミニウムのグリーンシートとをそれぞれ図6に示すような構造となるように所定の順序で積み重ねて形成した積層体を、1900℃の窒素雰囲気下で焼結することにより、外径200mm、厚み16mmの円盤状をなし、内部に内部電極3と、ビアホール導体32及び電極パッド33とからなる電極取出部31を埋設してなる板状セラミック体4を製作した。なお、内部電極3、ビアホール導体32、電極パッド33にはいずれもタングステンを用いた。
【0050】
次いで、内部電極3が埋設されている側の板状セラミック体4の表面に研削加工を施して設置面2を形成し、設置面2から内部電極3までの距離を0.5mmとすることにより従来のウエハ支持部材を製作した。
【0051】
そして、このウエハ支持部材に給電端子5を接続するには、板状セラミック体4の設置面2と反対側の表面に、電極取出部31の電極パッド33を貫通する、径3.0mm、深さ13.6mmの穴4aをマシニングセンターで穿孔し、該穴4aに銀銅ロウ材を塗布し、1050℃、1.33×10-3Paの真空中で10分間保持することによりメタライズ層を形成した後、このメタライズ層上に銀銅ロウ材を塗布し、ニツケル被覆したFeCoNi合金(商品名:コバール)製の2.9mm径の給電端子5を挿入し、1050℃、1.33×10-3Paの真空中で10分間保持することにより給電端子5をロウ付けした。
【0052】
そして、これらのウエハ支持部材を給電端子5の接合部の温度が600℃となるように外部熱源で加熱した後、600℃の温度で10分間保持し、冷風機で常温まで急冷させるサイクルを1サイクルとする熱サイクル試験を施し、50サイクル及び200サイクル後の内部電極3と電極取出部11,21,31間の抵抗変化を測定した。
【0053】
その結果を表1に示した。
【0054】
【表1】
Figure 0004502462
【0055】
この結果、図4に示す電極取出部21を有する従来のウエハ支持部材は、5サイクルの熱サイクル試験後に、内部電極3と電極取出部21間の抵抗値が0.1Ωを超えたものが14個も発生した。
【0056】
また、図5に示す電極取出部31を有する従来のウエハ支持部材では、製造の段階で内部電極3と電極取出部31間の抵抗値が0.1Ωを超えたものが1個発生し、5サイクルの熱サイクル試験後ではさらに2個、20サイクルの熱サイクル試験後ではさらに2個発生した。
【0057】
これに対し、図2に示す電極取出部11を有するウエハ支持部材は、製造の段階で内部
電極3と電極取出部11間の抵抗値が0.1Ωを超えるものはなく、また20サイクルの熱サイクル試験後でも内部電極3と電極取出部11間の抵抗値が0.1Ωを超えるものはなく、歩留り良く製造でき、信頼性の点で優れていた。
(実施例2)
そこで、実施例1における本発明のウエハ支持部材において、電極取出部11の厚みtを異ならせたときの板状セラミック体4の破損の有無について調べる実験を行った。
【0058】
結果を表2に示した。
【0059】
【表2】
Figure 0004502462
【0060】
この結果、有底筒状体をした電極取出部11の厚みtが1000μmを超えると、電極取出部11周囲のセラミックスにクラックが発生したのに対し、電極取出部11の厚みtを50〜1000μmの範囲で形成したものでは、板状セラミック体4に破損は見られなかった。
【0061】
【発明の効果】
以上述べてきたように、本発明によれば、板状セラミック体の一方の主面をウエハを載せる設置面とし、上記板状セラミック体中には内部電極と、該内部電極の電極取出部を埋設してなり、上記設置面から上記内部電極までの距離が0.1〜1.5mmであるウエハ支持部材において、上記電極取出部は筒状体又は有底筒状体をなし、その一端を上記内部電極の下面と接して電気的に接続し、かつ上記電極取出部と上記内部電極とで囲まれる領域に上記板状セラミック体と同種のセラミックスが挿入されていることから、電極取出部周囲のセラミックスの強度劣化を抑えることができるとともに、電極取出部とセラミックスとの接合部における熱応力の発生を抑えることができるため、熱応力が作用するような環境下で使用しても電極取出部周囲のセラミックスにクラック等の破損を生じることがなく、また、内部電極と電極取出部との間の電気の流れを阻害することなく確実に接続することができ、電極取出部と内部電極間の抵抗値を常に0.1Ω以下に保つことができるため、長期間にわたり安定して内部電極に通電することができる。
【0062】
その為、内部電極を静電吸着用電極として用いれば、均一な吸着力を発現させ、反りのあるようなウエハを確実に設置面にならって保持させることができ、また、内部電極をプラズマ発生用電極として用いれば、均一なプラズマを発生させ、設置面に保持したウエハ上への成膜やエッチング速度を向上させることができる。
【0063】
また、本発明は上記ウエハ支持部材を、板状セラミック成形体の一方の主面に凹部を穿孔し、該凹部中に導体ペーストを介して上記板状セラミック成形体と同種のセラミックスからなる柱状セラミック成形体を埋入し、次いで上記板状セラミック成形体の上記凹部を有する表面に内部電極を設けた後、該内部電極を覆うように上記板状セラミック成形体と同種のセラミックスからなるセラミック薄肉体を積層して焼成一体化することにより、上記内部電極と、該内部電極と接続された筒状体又は有底筒状体の電極取出部を埋設してなる板状セラミック体を製作し、その後、記内部電極が埋設されている側の上記板状セラミック体の主面を研磨してウエハの設置面を形成するとともに、設置面から上記内部電極までの距離を0.1〜1.5mmとして製造するようにしたことから、電極取出部周囲の強度低下を生じることなく、簡単な構造で確実に内部電極と接続することができる電極取出部をもったウエハ支持部材を歩留り良く簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のウエハ支持部材の一例を示す斜視図、(b)は(a)のX−X線断面図である。
【図2】本発明に係るウエハ支持部材の内部電極と給電端子との接合部を拡大した断面図である。
【図3】(a)〜(d)は本発明に係るウエハ支持部材の製造方法を説明するための図である。
【図4】従来のウエハ支持部材の内部電極と給電端子との接合部を拡大した断面図である。
【図5】(a)は従来の他のウエハ支持部材の内部電極と給電端子との接合部を拡大した断面図、(b)は(a)のY−Y線断面図である。
【符号の説明】
2:設置面
3:内部電極
4:板状セラミック体
5:給電端子
11:電極取出部
11a:開口端部
11b:底部
12:板状セラミック成形体
13:凹部
14:柱状セラミック成形体
15:セラミック薄肉体

Claims (4)

  1. 板状セラミック体の一方の主面をウエハを載せる設置面とし、上記板状セラミック体中には内部電極と、該内部電極の電極取出部を埋設してなり、上記設置面から上記内部電極までの距離が0.1〜1.5mmであるウエハ支持部材において、上記電極取出部は筒状体又は有底筒状体をなし、その一端が上記内部電極の下面と接し、電気的に接続しており、かつ上記電極取出部と上記内部電極とで囲まれる領域に上記板状セラミック体と同種のセラミックスが挿入されていることを特徴とするウエハ支持部材。
  2. 記電極取出部を形成する上記筒状体又は有底筒状体の厚みが50〜1000μmで、かつ上記電極取出部と上記内部電極間の抵抗値が0.1Ω以下であることを特徴とする請求項1に記載のウエハ支持部材。
  3. 記内部電極が、静電吸着用電極及びプラズマ発生用電極の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載のウエハ支持部材。
  4. 板状セラミック成形体の一方の主面に凹部を穿孔し、該凹部中に導体ペーストを介して上記板状セラミック成形体と同種のセラミックスからなる柱状セラミック成形体を埋入し、次いで上記板状セラミック成形体の上記凹部を有する表面に内部電極を設けた後、該内部電極を覆うように上記板状セラミック成形体と同種のセラミックスからなるセラミック薄肉体を積層して焼成一体化することにより、上記内部電極と、該内部電極と接続された筒状体又は有底筒状体の電極取出部を埋設してなる板状セラミック体を製作し、その後、記内部電極が埋設されている側の上記板状セラミック体の主面を研磨してウエハの設置面を形成するとともに、設置面から上記内部電極までの距離を0.1〜1.5mmとすることを特徴とするウエハ支持部材の製造方法。
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