JP3447495B2 - ウエハ保持装置の給電構造 - Google Patents

ウエハ保持装置の給電構造

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JP3447495B2 JP34826696A JP34826696A JP3447495B2 JP 3447495 B2 JP3447495 B2 JP 3447495B2 JP 34826696 A JP34826696 A JP 34826696A JP 34826696 A JP34826696 A JP 34826696A JP 3447495 B2 JP3447495 B2 JP 3447495B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハなど
のウエハを保持する静電チャックやヒータ内蔵型サセプ
タなど、セラミック基体の内部に吸着用電極やヒータ電
極、あるいは高周波発生用電極を備えるウエハ保持装置
の給電構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の製造工程において
は、半導体ウエハ(以下、ウエハと略称する)を高精度
に保持するために静電チャックやヒータ内蔵型サセプタ
などのウエハ保持装置が使用されている。
【0003】例えば、図5に静電チャック51の縦断面
図を示すように、セラミック基体52の上面を保持面5
5とし、内部の上方に吸着用電極53を、下方にヒータ
電極54をそれぞれ埋設したものがあった。そして、上
記静電チャック51の保持面55にウエハ50を載置
し、ウエハ50と吸着用電極53との間に電圧を印加す
ることで、誘電分極によるクーロン力や微小な漏れ電流
によるジョンソン・ラーベック力を発現させてウエハ5
0を保持面55に吸着保持するとともに、ヒータ電極5
4に通電することによりウエハ50を加熱するようにな
っていた。
【0004】また、上記セラミック基体52に埋設する
吸着用電極53やヒータ電極54などの内部電極への給
電構造は、セラミック基体52の裏面56に給電端子5
7,58を取り付けるための固定孔56a,56bを前
記内部電極53,54と連通するように穿設し、該固定
孔56a,56bの側壁面にメタライズ層59を形成し
たあと、外径が3〜10mm程度の給電端子57,58
を挿入し、固定孔56a,56b及び内部電極53,5
4とロウ付け固定することにより導通をとるようにした
ものがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述のよう
な給電構造をもった静電チャック51では次のような課
題があった。
【0006】給電端子57,58をロウ付け固定する場
合、900℃程度の高温に加熱しなければならないこと
から、大きな断面積を有する給電端子57,58をセラ
ミック基体52の固定孔56a,56bにロウ付け固定
すると、給電端子57,58とセラミック基体52との
間の熱膨張差に起因して接合部分に歪みが残留し、十分
な設計、検証がなされていないとセラミック基体52が
破損する恐れがあった。
【0007】しかも、セラミック基板52に埋設する内
部電極53,54は厚みが数μmから数十μmと極めて
薄い金属膜であることから、内部電極53,54に直接
接合した給電端子57,58に数アンペアから数十アン
ペアもの電流を印加しながら加熱および冷却を繰り返す
と、繰り返し疲労により内部電極53,54の断線を生
じるといった課題があった。特に、セラミック基体52
を金属との熱膨張差が大きく、かつ他のセラミックスに
比べて機械的強度が若干劣る窒化アルミニウムにより形
成したものでは、これらの問題は顕著であった。
【0008】また、内部電極53,54への他に給電構
造として、内部電極53,54と給電端子57,58と
をかしめ圧着したり、給電端子57,58を焼き嵌めに
より固定する方法も提案されている(特開平4−104
494号公報参照)が、かしめ圧着や焼き嵌めでは、製
作上のばらつきが大きく信頼性に欠けるものであった。
【0009】
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、セラミック基体の上面を保持面とし、内部に
吸着用電極、ヒータ電極、高周波発生用電極の少なくと
も一つの電極を備えてなるウエハ保持装置の給電構造と
して、上記セラミック基体の裏面に給電端子を取り付け
るための固定孔を前記電極を貫通して穿設し、その内壁
にメタライズ層を形成するとともに、上記固定孔の内壁
の側壁面又は底面のいずれか一方と給電端子をロウ付け
固定したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0012】図1(a)は本発明に係る給電構造を有す
るウエハ保持装置の一例である静電チャック1を示す斜
視図、(b)は(a)のX−X線断面図であり、セラミ
ック基体2の上面を保持面5とするとともに、内部の上
方に吸着用電極3を、下方にヒータ電極4をそれぞれ埋
設してあり、セラミック基体2の裏面6には上記吸着用
電極3及びヒータ電極4にそれぞれ通電するための給電
端子7,8を固定してある。
【0013】そして、上記静電チャック1の保持面5に
半導体ウエハ50(以下、ウエハと略称する)を載置
し、上記吸着用電極3との間に電圧を印加することで誘
電分極によるクーロン力や微小な漏れ電流によるジョン
ソン・ラーベック力を発現させ、ウエハ50を保持面5
の平坦精度にならわせて吸着保持させるとともに、ヒー
タ電極4に電圧を印加することで、ウエハ50を均一に
加熱するようにしてある。
【0014】このような静電チャック1を構成するセラ
ミック基体2としては、アルミナ、窒化アルミニウム、
窒化珪素、炭化珪素、チタン酸バリウム、チタン酸カル
シウム、イットリウム−アルミニウム−ガーネット、イ
ットリアなどのセラミックスを採用すれば良い。この中
でも特に窒化アルミニウムは、セラミックスの中でも高
い熱伝導率を有することから、保持面5に吸着保持した
ウエハ50を所望の温度に直ちに加熱し、加熱ムラを生
じることなく均一に加熱することができるとともに、成
膜工程やエッチング工程で使用されているハロゲン系腐
食性ガスに対して優れた耐蝕性を有することから、静電
チャック1を構成するのに好適である。
【0015】なお、上記静電チャック1の保持面5は、
ウエハ50を歪ませることなく吸着保持するために平坦
度が10μm以下の極めて平坦な面に仕上げてある。
【0016】ところで、セラミック基体2に埋設する吸
着用電極3やヒータ電極4などの内部電極への給電構造
としては、セラミック基体2の裏面6に給電端子7,8
を取り付けるための固定孔6a,6bを前記内部電極
3,4を貫通して穿設するとともに、給電端子7,8を
固定孔6a,6bの内壁の側壁面又は底面のいずれか一
方とロウ付け固定すれば良い。
【0017】以下、内部電極3,4への給電構造の詳細
について、ヒータ電極4への給電構造を例にとって説明
する。
【0018】図2は、図1のA部を示す拡大図であり、
セラミック基体2の裏面6に給電端子8を取り付けるた
めの固定孔6bをヒータ電極4を貫通して穿設するとと
もに、上記吸着用電極3を含む固定孔6bの側壁面61
b及び底面62bにメタライズ層15を形成してある。
なお、メタライズ層15の層厚みとしては数十μm程度
あれば良い。
【0019】そして、上記固定孔6bの側壁面61bに
ロウ材9を塗布しつつ給電端子8を挿入し、所定の高温
雰囲気で加熱することでロウ付け固定するのであるが、
上記給電端子8は内部に内孔8aを持った中空構造の給
電端子8を固定したものである。
【0020】即ち、給電端子8をロウ付け固定するには
900℃程度の高温で加熱する必要があることから、内
孔を有していない中実構造の給電端子8を用いると給電
端子8の軸方向ならびに軸に対して垂直な方向における
セラミック基体2との間の熱膨張差が大きすぎるため
に、固定孔6bのコーナー部63に応力が集中してクラ
ックが発生するのであるが、本発明は、中空構造の給電
端子8を用いて固定孔6bの側壁面61bとのみロウ付
け固定し、底面62bとはロウ付けしていないことか
ら、給電端子8の軸方向と垂直な方向の応力を緩和して
固定孔6bのコーナー部63における応力集中を抑制す
るとともに、固定孔6bの側壁面61bにはメタライズ
層15を形成してロウ材9が分散し易くしてあるため、
熱膨張差に伴う応力を吸収してセラミック基体2の破損
を防止することができる。
【0021】しかも、給電端子8を固定する固定孔6b
は薄肉のヒータ電極4を貫通して穿設し、かつ上記ヒー
タ電極4を含む固定孔6bの側壁面61bにメタライズ
層15を形成してヒータ電極4と導通がとれるようにし
てあることから、静電チャック1を高温に加熱するため
に大きな電圧を印加してもヒータ電極4の断線を生じる
ことなく確実に通電することができる。
【0022】このように、本発明によれば、固定孔6b
をヒータ電極4を貫通して形成し、その側壁面61b及
び底面62bにメタライズ層15を形成するとともに、
中空構造の給電端子8をロウ付け固定して、固定孔6b
の側壁面61bとのみロウ付け固定する構造としてある
ことから、ロウ付け固定時における加熱においてセラミ
ック基体2を破損することがなく、また、ヒータ電極4
への通電による加熱、冷却の繰り返しにおいてもヒータ
電極4の断線及びセラミック基体2の破損を生じること
がない。
【0023】ところで、中空構造の給電端子8とは、図
3(a)〜(c)に示すような、断面形状が円形や楕円
形をしたもの、あるいは四角形などの多角形をした内孔
8aを有するものなど、少なくとも給電端子8の先端部
に内孔8aを有するものであれば良く、必ずしも貫通し
ている必要はない。さらに、図3(d)に示すように、
円筒状をした給電端子8にスリット81を設けることで
さらに応力を緩和することができる。また、給電端子8
の外形状においても円筒状をしたものだけに限らず、楕
円や角柱をしたものであっても構わない。
【0024】なお、給電端子8の好ましい寸法として
は、内径dに対する最大外径Dの割合が2以下の範囲に
あるものが良い。
【0025】これは、内径dに対する外径Dの割合が2
より大きくなると、給電端子8の先端部における肉厚が
厚くなりすぎるために、固定孔6bのコーナー部63に
発生する応力を充分に吸収することができなくなるから
である。
【0026】ただし、給電端子8の内径dとは内孔8a
の最も短い部分の長さのことであり、外径Dとは外周部
において最も長い部分の長さのことである。
【0027】さらに、セラミック基体2の裏面6と給電
端子8との間に逆R状のメニスカスを形成すれば、熱膨
張差に起因する応力集中をさらに吸収することができ
る。
【0028】なお、上記給電端子8とリード線11の接
続は、図2に示すように、給電端子8の内孔8aの後端
部に雌ネジ部8bを設け、該雌ネジ部8bにリード線1
1を接続した雄ネジ10aをもった取付金具10を螺合
して通電すれば良く、また、リード線11を給電端子8
の内孔8aに直接接合しても良い。
【0029】次に、ヒータ電極4への他の給電構造を説
明する。
【0030】図4は図2と同様にヒータ電極4への他の
給電構造を示す拡大図であり、セラミック基体2の裏面
6に給電端子8を取り付けるための固定孔6bをヒータ
電極4を貫通して穿設するとともに、上記ヒータ電極4
を含む固定孔6bの側壁面61b及び底面62bにメタ
ライズ層15を形成してある。なお、メタライズ層15
の層厚みとしては数十μm程度あれば良い。
【0031】そして、上記固定孔6bの底面62bにの
みロウ材9を塗布して給電端子8をロウ付け固定したも
のである。
【0032】このように、給電端子8の先端面と固定孔
6bの底面62bにのみロウ付け固定すれば、熱膨張差
に伴う給電端子8の軸方向の応力が皆無となるために、
固定孔6bのコーナー部63における応力集中を抑制
し、セラミック基体2の破損を防ぐことができる。
【0033】しかも、給電端子8を固定する固定孔6b
は薄肉のヒータ電極4を貫通して穿設するとともに、上
記ヒータ電極4を含む固定孔6bの側壁面61b及び底
面62bにはメタライズ層15を形成してヒータ電極4
と導通がとれるようにしてあることから、静電チャック
1を高温に加熱するために大きな電圧を印加してもヒー
タ電極4の断線を生じることなく確実に通電することが
できる。
【0034】なお、このような構造とすれば、給電端子
8は中空構造だけに限らず図4に示すように中実構造の
ものであっても構わない。また、上記給電端子8とリー
ド線11の接続は、図4に示すように、給電端子8の雄
ネジ8cと、リード線11を接合した円筒状の取付金具
10の内孔10bに形成する雌ネジ10cとを螺合して
導通をとるようにすれば良い。
【0035】また、図4では、給電端子8の先端面と固
定孔6bの底面62bにのみロウ付け固定した例を示し
たが、逆に、給電端子8の外周面と固定孔6bの側壁面
61bにのみロウ付け固定しても良く、この場合、熱膨
張差に伴う給電端子8の軸方向に対して垂直な方向の応
力が皆無となるために、図4に示す給電構造と同様に固
定孔6bのコーナー部63における応力集中を抑制して
セラミック基体2の破損を防ぐことができる。
【0036】これら図2及び図4に示す給電構造のよう
に、固定孔6bをヒータ電極4を貫通して穿設し、その
側壁面61b及び底面62bにメタライズ層15を形成
したあと、上記側壁面61b又は底面62bのいずれか
一方のみに給電端子8をロウ付け固定する構造とすれ
ば、接合時及び使用時においてセラミック基体2の破損
及びヒータ電極4の断線を生じることがない。
【0037】ただし、固定孔6bに形成するメタライズ
層15は少なくとも側壁面61bに形成してあれば良
く、底面62bに給電端子8をロウ付けする場合には、
底面62bにもメタライズ層15を形成すれば良い。
【0038】なお、本発明に係る給電構造において、ヒ
ータ電極4に通電するための給電端子8の材質として
は、高い耐熱性を有するとともに、セラミック基体2の
熱膨張係数に近似したものが良く、例えば、タングステ
ン、モリブデン、タンタル、コバールなどの金属により
形成すれば良い。これらの金属は500℃程度の高温下
でも使用可能であるとともに、熱膨張係数が3×10-6
〜7×10-6/℃とセラミック基体2の熱膨張係数(3
×10-6〜7.8×10-6/℃)と近似していることか
ら、セラミック基体2に加わる応力を軽減することがで
きる。
【0039】また、図2又は図4においてはヒータ電極
4への給電構造を例にとって説明したが、図1の静電チ
ャック1における吸着用電極3への給電構造も同様の構
造としてあり、給電端子7の接合時は勿論のこと、大き
く吸着力を得るために吸着用電極3に大きな電圧を印加
してもセラミック基体2の破損及び吸着用電極3の断線
を生じることがない。
【0040】さらに、図1にはセラミック基体2の内部
に吸着用電極3とヒータ電極4を埋設した例を示した
が、さらに、高周波発生用電極を埋設しても良く、この
電極への給電構造も図2に示すヒータ電極4と同様の給
電構造を用いれば良い。
【0041】以上のように、図1では静電チャック1を
例にとって説明したが、本発明はヒータ電極や高周波発
生用電極を内蔵したサセプタなど、セラミック基体2の
内部に電極を内蔵するウエハ保持装置にも適用できるこ
とは言うまでもない。
【0042】
【実施例】
(実施例1)ここで、図2及び図4に示す本発明の給電
構造を用いた図1の静電チャック1と、従来の給電構造
を用いた図5の静電チャック51を試作し、給電端子
7,8,57,58の接合実験を行った。
【0043】本実験で使用する静電チャック1,51
は、まず、平均粒子径が1.2μm程度である純度9
9.9%のAlN粉末にバインダーと溶媒のみを添加混
合して泥漿を製作し、ドクターブレード法により厚さ
0.4mm程度のグリーンシートを複数枚成形した。こ
のうち2枚のグリーンシートにAlN粉末を混ぜたタン
グステン(W)のペーストをスクリーン印刷機でもって
敷設して吸着用電極3,53をなす金属ペースト膜とヒ
ータ電極4,54をなす金属ペースト膜をそれぞれに形
成した。そして、各金属ペースト膜を敷設したグリーン
シートと残りのグリーンシートを積層して80°C、5
0kg/cm2 の圧力で熱圧着してグリーンシート積層
体を形成したあと切削加工を施して円板状とし、該円板
状のグリーンシート積層体を真空脱脂し、しかるのち、
真空雰囲気にて2000℃程度の温度で5時間焼成し
て、外径200mm、肉厚10mmで、かつ内部に膜厚
15μm程度の吸着用電極3,53とヒータ電極4,5
4をそれぞれ備えるセラミック基体2,52を形成し、
吸着用電極3,53が埋設されている側のセラミック基
体2,52の表面に研磨加工を施して保持面5を形成す
ることにより製作した。
【0044】そして、本発明のものとして、静電チャッ
ク1の裏面6に前記吸着用電極3及びヒータ電極4を貫
通する固定孔6a,6bをそれぞれ穿設し、この側壁面
61b及び底面62bにメタライズ層15を形成したあ
と、図2及び図4の給電構造を用いてモリブデンからな
る給電端子7,8をロウ付け固定し、比較例として、静
電チャック51の裏面56に給電端子57,58を取り
付けるための固定孔56a,56bを前記内部電極5
3,54を貫通することなく連通するように穿設し、該
固定孔56a,56bの側壁面にメタライズ層59を形
成したあと、モリブデンからなる給電端子7,8をロウ
付け固定した。
【0045】なお、給電端子7,8の寸法はいずれも外
径D10mmの円柱状をしたものを使用し、図2の給電
構造に用いる給電端子7,8には外径D10mm、内径
d6mmの円筒状をしたものを使用した。また、メタラ
イズ層15,59を構成する金属には、銀、銅、チタン
の合金を、ロウ材9には銅と銀を重量比で8:2の割合
で含有してなる銀銅ロウを使用し、それぞれ900℃の
温度でロウ付け固定した。
【0046】この結果、従来の給電構造を有する静電チ
ャック51では、給電端子58とセラミック基体52と
の間の熱膨張差に起因する熱応力が大きすぎるためにセ
ラミック基体52にクラックが発生したのに対し、図2
及び図4に示す本発明の給電構造を有する静電チャック
1においてはセラミック基体2の破損は見られなかっ
た。
【0047】(実施例2)次に、図1に示す静電チャッ
ク1のヒータ電極4に、図2に示す給電構造を用いて外
径D/内径d比が異なる円筒状の給電端子8をロウ付け
固定し、該給電端子8に2kWの電力を印加して、10
0℃/分の急加熱を行う実験を行った。
【0048】それぞれの結果は表1に示す通りである。
【0049】
【表1】
【0050】この結果、外径D/内径d比が2より大き
くなると円筒状の給電端子8を使用したとしても給電端
子8とセラミック基体2との間の熱膨張差に起因する応
力を緩和する効果が小さく、固定孔6bのコーナー部6
3を起点とするクラックが発生した。
【0051】これに対し、外径D/内径d比が2より小
さい範囲では急加熱を繰り返したとしてもセラミック基
体2の破損は見られなかった。
【0052】このことから、中空構造の給電端子8を用
いる場合、外径D/内径d比が2より小さい給電端子8
を用いれば、加熱、冷却の繰り返しにおいてもセラミッ
ク基体2にクラックを生じることなく強固に固定できる
ことが判る。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、セラミ
ック基体の上面を保持面とし、内部に吸着用電極、ヒー
タ電極、高周波発生用電極などの内部電極を備えてなる
ウエハ保持装置の給電構造として、上記セラミック基体
の裏面に給電端子を取り付けるための固定孔を前記電極
を貫通して穿設し、その内壁にメタライズ層を形成する
とともに、上記固定孔の内壁の側壁面又は底面のいずれ
か一方のみにロウ付けでもって給電端子を接合したこと
から、給電端子のロウ付け固定時におけるセラミック基
体の破損を防ぐことができるとともに、ロウ付け固定後
の内部応力を緩和することができるため、熱サイクルに
伴う急加熱の繰り返しにおいてもセラミック基体を破損
させたり、内部電極の断線を生じることなく、強固に固
定することができ、各電極に確実に通電することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る給電構造を有するウエハ
保持装置の一例である静電チャック1を示す斜視図であ
り、(b)は(a)のX−X線断面図である。
【図2】図1のA部を示す拡大図である。
【図3】(a)〜(c)は本発明に係る給電構造に用い
るさまざまな形状を有する給電端子を示す斜視図であ
る。
【図4】本発明に係る他の給電構造を示す拡大図であ
る。
【図5】従来の静電チャックを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…静電チャック 2…セラミック基体 3…吸着用電
極 4…ヒータ電極 5…保持面 6…裏面 6a,6b…固定孔 61b …側壁面
62b …底面 7,8…給電端子 9…ロウ材 10…取付金具 11…リ
ード線 15…メタライズ層 50…半導体ウエハ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック基体の上面を保持面とし、内部
    に少なくとも一つの電極を備えてなるウエハ保持装置に
    おいて、上記セラミック基体の裏面に給電端子を取り付
    けるための固定孔を前記電極を貫通して穿設し、その内
    壁にメタライズ層を形成するとともに、上記固定孔の内
    壁の側壁面又は底面のいずれか一方と給電端子をロウ付
    け固定してなるウエハ保持装置の給電構造。
  2. 【請求項2】上記給電端子が中空構造をしたものである
    請求項1に記載のウエハ保持装置の給電構造。
  3. 【請求項3】上記セラミック基体の内部に備える電極
    が、吸着用電極、ヒータ電極、高周波発生用電極のいず
    れかである請求項1に記載のウエハ保持装置の給電構
    造。
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