JPH09237826A - 静電チャック - Google Patents

静電チャック

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JPH09237826A
JPH09237826A JP4387096A JP4387096A JPH09237826A JP H09237826 A JPH09237826 A JP H09237826A JP 4387096 A JP4387096 A JP 4387096A JP 4387096 A JP4387096 A JP 4387096A JP H09237826 A JPH09237826 A JP H09237826A
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JP
Japan
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ceramic substrate
electrode
aluminum nitride
electrode portion
electrostatic chuck
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JP4387096A
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English (en)
Inventor
Koichi Nagasaki
浩一 長崎
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】均一な吸着力でもって半導体ウエハを保持する
ことができるとともに、静電吸着機能以外にプラズマ発
生機能を備えたコンパクトな静電チャックを提供する。 【解決手段】セラミック基体の表面に厚さ0.02mm
以上でかつその最大長さが5cm以下である電極部を複
数個備え、上記各電極部に厚さ0.01〜0.5mmの
窒化アルミニウム膜を被覆して保持面を形成することに
より静電チャックを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造装置等
において、半導体ウエハに成膜加工や微細加工等を施す
ために使用する静電チャックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の製造工程において、
半導体ウエハに膜付けを行うための成膜装置や半導体ウ
エハに微細加工を施すためのドライエッチング装置など
には、半導体ウエハを高精度に保持するための治具とし
て静電チャックが使用されている。
【0003】また、近年、半導体素子の集積度の向上に
伴い、静電チャックに要求される精度もより高度化して
きたため、セラミック製の静電チャックが使用されるよ
うになっている。
【0004】例えば、静電チャックを構成するセラミッ
ク基体をアルミナセラミックスや窒化珪素質セラミック
スにより形成するとともに、上記セラミック基体中に静
電吸着用の電極を埋設したものがこれまで良く知られて
いる(特開昭62−264638号公報参照)。
【0005】また、蒸着やドライエッチングを伴う半導
体装置の製造工程においては、プラズマを発生させたハ
ロゲン系腐食性ガス下で使用されるため、セラミック基
体を耐プラズマ性に優れた窒化アルミニウム質セラミッ
クスにより形成したものもあった(特開平6−1513
32号公報参照)。
【0006】また、プラズマを利用した半導体製造プロ
セスで使用する静電チャックにおいては、ウエハを密着
させるための静電吸着機能以外にウエハを一定温度に保
つための温度制御機能やプラズマ発生機能が要求されて
おり、これらの機能の全てを一体化できれば、コンパク
トで極めて効率の高い静電チャックを得ることができる
ことから、セラミック基体の内部に静電吸着用電極、抵
抗発熱体、およびプラズマ発生用電極の3つの電極を内
蔵したオールインワン型の静電チャックが提案されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、セラミック
基体の内部に電極を3層も挟み込むと、焼成時の熱膨張
差によってセラミック基体が大きく反れ曲がるととも
に、クラックが発生したり電極の剥離や断線等を生じる
といった課題があった。
【0008】特に、静電吸着用電極とプラズマ発生用電
極はセラミック基体の全面にわたるような電極パターン
をしたものであるために、これら2つの電極を埋設する
ことによるセラミック基体の反りは大きいものであっ
た。
【0009】その為、このような静電チャックによりウ
エハを保持したとしてもウエハの平坦精度が得られず、
半導体製造プロセスに悪影響を与えるといった課題があ
った。
【0010】そこで、このような問題点を少しでも改善
するために、電極厚みを薄くすることが考えられるが、
電極厚みを0.01mm以下とするとプラズマ発生用電
極に印加可能な高周波電力が制限されるといった課題が
あった。
【0011】即ち、プラズマを発生させる場合、プラズ
マ発生用電極に100W以上の電力を印加しなければな
らないのであるが、電極厚みが0.01mm以下である
とプラズマ発生用電極が異常発熱することから、ウエハ
に十分なドライエッチング加工を施すことができないば
かりか、プラズマ発生用電極が焼き切れたり、セラミッ
ク基体が破損するなどの課題があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、セラミック基体の表面に厚さ0.02mm以
上でかつその最大長さが5cm以下である電極部を複数
個備え、上記各電極部に厚さ0.01〜0.5mmの窒
化アルミニウム膜を被覆することにより保持面を形成し
て静電チャックを構成したものである。また、本発明は
上記セラミック基体の内部に加熱用の抵抗発熱体を埋設
しても良い。
【0013】また、本発明は上記電極部に静電吸着用の
直流高電圧および/またはプラズマ発生用の高周波電力
を印加し、静電吸着作用と共にプラズマ発生用電極とし
ても作用させるようにしたものである。
【0014】さらに、本発明は上記セラミック基体を体
積固有抵抗値が1010Ω・cm以上でかつ熱伝導率が2
0W/mk以上を有するセラミックスにより構成すると
ともに、電極部をタングステン、モリブデン、またはコ
バールにより構成したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図によ
って説明する。
【0016】図1(a)に本発明に係る静電チャックの
斜視図を、図1(b)にそのX−X線断面図を示すよう
に、本発明に係る静電チャックはセラミック基体1の表
面に複数の電極部2を備えてなり、各電極部2を窒化ア
ルミニウム膜3により被覆してその表面を保持面4とし
てある。
【0017】また、図2にセラミック基体1の分解図を
示すように、セラミック基体1の内部には複数の電極部
2に通電するためのビアホール5と各ビアホール5を導
通させるための2極の導体層6を有するとともに、該導
体層6とは別に加熱用の抵抗発熱体7を埋設してあり、
上記導体層6および抵抗発熱体7にはそれぞれに通電す
るためのリード端子8、9が接合してある。
【0018】ところで、上記セラミック基体1を構成す
るセラミックスとしては、1010Ω・cm以上の体積固
有抵抗値と20W/mk以上の熱伝導率を有するものが
良い。これは、電極部2との電気絶縁性を確保するとと
もに、ウエハ10に均一な膜を成膜したり高精度の加工
を施すためには均熱性の良いことが欠かせないからであ
る。
【0019】そして、このような特性を有するセラミッ
クスとしては窒化アルミニウム質セラミックスやアルミ
ナセラミックスが良く、好ましくは熱伝導率が高く均熱
性に優れ、かつ高い耐プラズマ性を有する窒化アルミニ
ウム質セラミックスを用いることが良い。
【0020】ただし、セラミック基体1の厚みは、後述
する電極部2を形成する時の熱応力に耐ええるようにす
るために3mm以上とすることが必要である。
【0021】また、セラミック基体1の表面に形成する
電極部2は、図3に示すような円形状の電極を等間隔で
分割した複数の電極部2により構成してあり、ウエハ1
0を均一に吸着保持するためには少なくとも電極部2を
セラミック基体1の表面に等間隔で配置することが好ま
しい。
【0022】ただし、セラミック基体1とその表面に形
成する電極部2の大きさには密接な関係があり、上記各
電極部2の最大長さLが5cmより大きくなると、電極
部2とセラミック基体1との間の熱膨張差によるセラミ
ック基体1の反りが大きくなりすぎるために、その反り
量を無視することができず、ウエハ10への成膜精度や
加工精度に悪影響を与えることになる。
【0023】その為、セラミック基体1の表面に形成す
る各電極部2の最大長さLは5cm以下とすることが必
要である。
【0024】なお、本発明で言う電極部2の最大長さと
は、電極部2における最も長い部分の長さのことであ
り、例えば、円形をした電極部2ではその直径を、四角
形をした電極部2ではその対角線のうち長い方をそれぞ
れ最大長さとする。
【0025】さらに、各電極部2の形状については円形
や楕円、あるいは多角形や星形など最大長さLが5cm
以下のものであればどのような形状をしたものであって
も構わない。
【0026】また、電極部2の厚みT1 も重要な要件で
ある。即ち、電極部2には静電吸着用電極としての機能
以外にプラズマ発生用電極としての機能を持たせてある
のであるが、電極部2の厚みT1 が0.02mm未満と
薄すぎると、プラズマを発生させるために高周波電力を
印加した時に電極部2が発熱したり焼き切れてしまうか
らである。
【0027】従って、電極部2の厚みT1 は0.02m
m以上とすることが必要である。
【0028】このような電極部2を構成する金属として
はタングステン、モリブデン、コバール等の熱膨張係数
が4〜6×10-6/℃の金属が良い。これらの金属はセ
ラミック基体1を構成する窒化アルミニウム質セラミッ
クスやアルミナセラミックスの熱膨張係数(5〜7.8
×10-6/℃)と近似しているために、熱膨張差に伴う
セラミック基体1の反りや破損を低減することができ
る。さらに、セラミック基体1が窒化アルミニウム質セ
ラミックスからなる時には、上記金属に窒化アルミニウ
ム粉末を微量添加しても良く、このように窒化アルミニ
ウム粉末を添加することで、セラミック基体1との熱膨
張差をさらに小さくすることができるため、セラミック
基体1の反りや破損をさらに低減することができる。
【0029】このようにセラミック基体1の表面に電極
部2を形成するには、上記金属からなるペーストを所定
の大きさにそれぞれ塗布したのち焼き付けることにより
セラミック基体1と一体化したり、メタライズ層を形成
したあと電極部2をなす所定の大きさの金属板や金属箔
をチタンや銀などのロウ材でもってセラミック基体1に
接合すれば良い。
【0030】さらに、上述の方法でもってセラミック基
体1の表面のほぼ全面に電極を形成したあと、切削加工
等により最大長さLが5cm以下の電極部2に分割した
ものであっても構わない。
【0031】また、セラミック基体1上の電極部2には
窒化アルミニウム膜3を被覆してあるのであるが、この
窒化アルミニウム膜3は周知の気相成長法、例えばスパ
ッタリング法やイオンプレーティング法などのPVD法
やプラズマCVD法、MoCVD法、熱CVD法などC
VD法等の薄膜形成手段により被覆することができ、膜
純度としては99%以上、好ましくは99.9%以上の
ものが良い。また、上記薄膜形成手段により形成する場
合、膜3中に酸素が含有される可能性があるのである
が、この酸素量が多すぎると電極部2との密着性が低下
する。その為、窒化アルミニウム膜3中に含有する酸素
量は20atomic%以下とすることが望ましい。
【0032】この窒化アルミニウム膜3の膜厚みT2
0.01〜0.5mmが良く、さらに望ましくは0.0
5〜0.4mmが良い。この理由としては窒化アルミニ
ウム膜3の膜厚みT2 が0.01mm未満であると膜3
の耐電圧が小さすぎるために絶縁破壊を起こして耐久性
が低下するからであり、逆に、窒化アルミニウム膜3の
膜厚みT2 が0.5mmより大きくなると窒化アルミニ
ウム膜3の成膜に時間がかかることから生産性が劣り、
また、膜厚みT2 にバラツキを生じることから吸着バラ
ツキが発生するとともに、静電吸着力が低下してしまう
からである。
【0033】なお、窒化アルミニウム膜3は電極部2を
有するセラミック基体1の表面全体に被覆しても良い
が、好ましくは電極部2のみを覆うように形成すること
が好ましい。これは、セラミック基体1と窒化アルミニ
ウム膜3とではその形成方法が異なるために、例えば、
セラミック基体1が窒化アルミニウム質セラミックスか
らなるものであっても両者の間には若干の熱膨張差が存
在し、セラミック基体に反りが発生したり、窒化アルミ
ニウム膜3にクラックを生じる恐れがあるからである。
【0034】ただし、電極部2のみを窒化アルミニウム
膜3で被覆するには、電極部2間にマスクを配置して窒
化アルミニウム膜3を被覆するか、あるいはセラミック
基体1の表面全体に窒化アルミニウム膜3を被覆したあ
と、ショットブラスト等の方法により電極部2間にある
窒化アルミニウム膜3を取り除けば良い。
【0035】一方、セラミック基体1には電極部2に通
電するための2極の導体層6と加熱用の抵抗発熱体7を
埋設してあるのであるが、これらの導体層6および抵抗
発熱体7の厚みT3 を0.03mm以下とすることによ
りセラミック基体1の反りを抑制することができる。な
お、導体層6および抵抗発熱体7の材質は電極部2の材
質と同様にセラミック基体1との熱膨張差をできるだけ
小さくしてセラミック基体1の反りを低減するためにタ
ングステン、モリブデン、またはコバール等の熱膨張係
数4〜6×10-6/℃を有する金属を用いることが良
く、さらには上記金属に窒化アルミニウム粉末を微量添
加したものを用いることが好ましい。
【0036】次に、この静電チャックの作動について説
明する。
【0037】図1に示すように、半導体ウエハ10を保
持面4に載置し、リード端子8を介して電極部2に10
00V程度の直流高電圧を印加することにより上記電極
部2を静電吸着用電極として作用させることができるた
め、窒化アルミニウム膜3と半導体ウエハ10との間に
誘電分極によるクーロン力や微少な漏れ電流によるジョ
ンソン・ラーベック力を発生させて半導体ウエハ10を
保持面4に吸着保持させることができる。ここで、本発
明に係る静電チャックは、セラミック基体1の表面に形
成する複数の電極部2の最大長さLを5cm以下として
あることから、セラミック基体1に殆ど反りがなく、保
持面4を優れた平坦度に仕上げることができる。その
為、吸着バラツキが少なくウエハ10を高精度に保持す
ることができる。
【0038】また、静電チャックの上方に金属プレート
(不図示)を配設するとともに、電極部2に高周波電源
より高周波電力を印加することにより、上記金属プレー
トと電極部2との間でプラズマ密度が一定のプラズマを
発生させることができる。この時、電極部2は0.02
mm以上の厚みT1 を有するため、高周波電力を印加し
ても発熱したり焼き切れるようなことがない。なお、電
極部2に静電吸着用の直流電圧以外にプラズマ発生用の
高周波電力を印加する場合、高周波をカットできるよう
なフィルターを静電チャックと高圧電源との間に設置し
ておけば良い。
【0039】そして、電極部2を被覆する窒化アルミニ
ウム膜3は高純度で耐プラズマ性にも優れることから、
ウエハ10にパーティクルやコンタミネーション等の悪
影響を及ぼすことがない。
【0040】さらに、セラミック基体1中には抵抗発熱
体7を埋設してあるため、リード端子9を介して電圧を
印加することにより静電チャックを発熱させてウエハ1
0を均一に加熱することができる。しかも、セラミック
基体1中には厚みT3 が0.03mm以下の帯状薄膜パ
ターンを有する抵抗発熱体7と、セラミック基体1上に
形成する複数の電極部2と連通させるための2極の導体
層6を埋設しただけであるため、一般的なセラミックヒ
ータと同様に反りや破損を生じることがなく、極めて信
頼性の高い静電チャックとすることができる。
【0041】その為、本発明に係る静電チャックを用い
てウエハ10に成膜を施せば、均一な厚みをもった膜を
被覆することができ、ウエハ10にエッチング加工を施
せば、寸法通りの加工を施すことができる。
【0042】
【実施例】
(実施例1)ここで、図1に示す静電チャックを試作し
て、その効果を調べる実験を行った。
【0043】まず、純度99.9%以上の窒化アルミニ
ウム粉末にバインダーおよび溶媒を添加して泥漿を作製
したあと、ドクターブレード法にて厚さ0.5mm程度
のグリーンシートを複数枚形成した。このうち1枚のグ
リーンシートにタングステン粉末と窒化アルミニウム粉
末を混合して粘土調整した抵抗発熱体用の金属ペースト
をスクリーン印刷でもって帯状パターンに形成し、別の
1枚のグリーンシートにタングステン粉末と窒化アルミ
ニウム粉末を混合して粘土調整した金属ペーストをスク
リーン印刷でもって図2に示すような配線形状に形成し
た。
【0044】そして、これらのグリーンシートを積層
し、さらに残りのグリーンシートを積層して80℃、5
0kg/cm2 程度の圧力で熱圧着して積層体を形成
し、さらに切削加工を施して円盤状の板状体としたあ
と、電極部2と導通をとるために積層体の表面に直径
0.1mm程度の小孔を穿設し、金属ペーストを注入し
た。
【0045】このようにして形成した積層体を真空脱脂
したあと、2000℃程度の温度で還元焼成することに
よって、熱伝導率が100W/mk、体積固有抵抗値が
1013Ω・cmの窒化アルミニウム質セラミックスから
なり、内部に抵抗発熱体7および2極の導体層6を埋設
した外径220mm、厚さ10mmのセラミック基体1
を形成した。
【0046】また、他に純度99%の高純度アルミナ、
窒化珪素、および炭化珪素の各セラミックスからなる基
体1を作製した。アルミナおよび窒化珪素は窒化アルミ
ニウムと同様にドクターブレード法にて製作し、炭化珪
素はホットプレス法により製作した。なお、各セラミッ
ク基体1はそれぞれの材料理論密度の98%以上とし、
セラミック基体1の内部に埋設する抵抗発熱体7および
導体層6の印刷パターン形状は全て同一形状とし、その
抵抗値は5Ω、厚みT3 は0.03mm以下とした。
【0047】このようにして製作したセラミック基体1
の抵抗発熱体7に対して100Vの電圧を印加して40
0℃に発熱させた。そして、セラミック基体1の表面温
度を温度画像処理装置で確認したところ、表1に示すよ
うに窒化珪素製セラミック基体1の温度分布が極端に悪
く、実用に耐え得ないことが判った。
【0048】また、炭化珪素製セラミック基体1では抵
抗値が小さいことから抵抗発熱体7に印加した電流の回
り込みが見られ、絶縁性を確保できないことが判った。
【0049】これに対し、セラミック基体1を窒化アル
ミニウムおよびアルミナで形成したものは、発熱させた
としても電流の回り込みが見られず十分な絶縁性を有し
ており、温度分布についてもそれほど大きな温度ムラは
見られなかった。特に、窒化アルミニウムは高い熱伝導
率を有しているため、温度ムラが殆どなく優れたもので
あった。
【0050】この結果、セラミック基体1を構成するセ
ラミックスとしては熱伝導率20W/mk以上でかつ体
積固有抵抗値1010Ω・cm以上を有するものを選定す
れば良いことが判る。
【0051】
【表1】
【0052】(実施例2)次に、窒化アルミニウムから
なるセラミック基体1の表面に研摩加工施して平坦度1
μm以下、中心線平均粗さ(Ra)1μm以下としたあ
と、この表面に各ビアホール5と電気的に接続されるよ
うに表2に示すような形状および厚みの異なる電極部2
を形成し、セラミック基体1の反り量について実験を行
った。
【0053】ただし、電極部2はチタン、銅、銀粉末を
混合して粘土調整したコバールのペーストを各電極形状
にスクーン印刷したあと、真空雰囲気下で1000℃の
温度で加熱することにより形成した。
【0054】それぞれの結果は表2に示す通りである。
【0055】
【表2】
【0056】この結果、まず、電極部2の形状や厚みに
関係なく、電極部2の最大長さLが大きくなるにしたが
ってセラミック基体1の反り量も大きくなっていること
が判る。そして、電極部2の最大長さLが5cmより大
きくなると、セラミック基体1の反りが顕著になること
が判る。
【0057】これに対し、電極部2の最大長さLが5c
m以下であれば、セラミック基体1に発生する反り量を
1μm以下とすることができ、反りによる影響が無視で
きるレベルであった。
【0058】また、電極部2の最大長さLが5cmより
大きいものでも研削加工等により電極部2を分割し、一
つの電極部2の最大長さLが5cm以下となるようにす
ることでセラミック基板1の反り量を1μm以下とする
ことができた。
【0059】このことから、電極部2の最大長さLは5
cm以下すればセラミック基体1の反りを大幅に低減す
ることができることが判る。
【0060】(実施例3)さらに、表2にある試料N
o.7の電極部2を備えたセラミック基体1を用意し、
電極部2に膜厚みT2 を変化させた窒化アルミニウム膜
3を被覆して静電チャックを試作した。
【0061】窒化アルミニウム膜3の成膜には、反応ガ
スとして塩化アルミニウム、アンモニア、水素、および
窒素を使用し、800〜1000℃の温度で50tor
r程度の減圧下で成膜し、成膜時間を制御することによ
り表3に示すような膜厚みT2 を有する窒化アルミニウ
ム膜3を被覆した。
【0062】そして、電極部2に1000Vの直流電圧
を印加してシリコンウエハ10を吸着保持させたとこ
ろ、厚みT2 が0.005mm以下のものでは絶縁破壊
が発生した。
【0063】これに対し、膜厚みT2 が0.01mm以
上のものでは、絶縁破壊を生じることなく安定して吸着
させることができた。しかしながら、膜厚みT2 が0.
5mmより厚くなると窒化アルミニウム膜3の膜形成に
時間がかかり、生産効率が悪かった。
【0064】また、吸着力についても膜厚みT2 が0.
05〜0.4mmの範囲であればほぼ一定の吸着力が得
られ、静電チャックとして扱い易いものであった。
【0065】この結果、窒化アルミニウム膜3の膜厚み
2 は0.01〜0.5mmの範囲が良く、望ましくは
0.05〜0.4mmが良いことが判る。
【0066】
【表3】
【0067】さらに、本発明に係る静電チャックをエッ
チング装置内にセットし、フッ素ガスを供給するととも
に、高周波電源から800W、13.56MHzの高周
波電力を印加したところ、電極部2は0.02mm以上
と十分な厚みT1 を持たせてあることから、高周波に対
して発熱したり焼き切れることはなかった。しかも、セ
ラミック基体1上に形成する電極部2および窒化アルミ
ニウム膜3は均一な厚みを有していることからウエハ1
0上のプラズマ密度を一定とすることができ、シリコン
ウエハへの所望の集積回路の形成が可能であった。
【0068】
【発明の効果】以上のように、本発明は、セラミック基
体の表面に厚さ0.02mm以上でかつその最大長さが
5cm以下である電極部を複数個備え、上記各電極部に
厚さ0.01〜0.5mmの窒化アルミニウム膜を被覆
することにより保持面を形成して静電チャックを構成し
たことにより、高い平坦精度を持った保持面とすること
ができ、均一な吸着力でもって半導体ウエハを保持する
ことができるとともに、電極部には静電吸着用の電極と
しての機能以外にプラズマ発生用の電極としての機能を
持たせることができるため、コンパクトで極めて効率の
高い静電チャックとすることができる。
【0069】しかも、窒化アルミニウム膜は耐プラズマ
性に優れるために長寿命とすることができ、半導体ウエ
ハにコンタミネーションやパーティクル等の悪影響を及
ぼすことがない。
【0070】また、上記セラミック基体の内部には電極
部と導通をとるための導体層と抵抗発熱体を埋設してあ
るだけであるため、一般的なセラミックヒータ同様極め
て高い信頼性が得られる。
【0071】また、本発明では上記セラミック基体を高
い熱伝導率と体積固有抵抗値を有するセラミックスによ
り形成するとともに、電極部をタングステン、モリブデ
ン、またはコバールにより形成してあるために均熱性に
優れ、半導体ウエハを均一に加熱することができる。
【0072】その為、本発明に係る静電チャックを用い
て半導体ウエハに成膜加工を施せば高精度の膜付けを行
うことができ、半導体ウエハに微細加工を施せば所定の
寸法通りに高精度に加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る静電チャックを示す斜視
図であり、(b)はそのX−X線断面図である。
【図2】本発明に係る静電チャックを構成するセラミッ
ク基体の分解図である。
【図3】本発明に係る静電チャックの電極部のパターン
構造を示す図である。
【符号の説明】
1・・・セラミック基体、 2・・・電極部、 3・・
・窒化アルミニウム膜 4・・・保持面、 5・・・ビアホール、 6・・・導
体層、7・・・抵抗発熱体、 8・・・リード端子、
9・・・リード端子 10・・・半導体ウエハ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック基体の表面に厚さ0.02mm
    以上でかつその最大長さが5cm以下である電極部を複
    数個備え、上記各電極部に厚さ0.01〜0.5mmの
    窒化アルミニウム膜を被覆して保持面を具備したことを
    特徴とする静電チャック。
  2. 【請求項2】上記セラミック基体の内部に加熱用の抵抗
    発熱体が埋設されていることを特徴とする請求項1に記
    載の静電チャック。
  3. 【請求項3】上記電極部には、静電吸着用の直流高電圧
    および/またはプラズマ発生用の高周波電力を印加し、
    静電吸着作用と共にプラズマ発生用電極としても作用さ
    せるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項2
    に記載の静電チャック。
  4. 【請求項4】上記セラミック基体は体積固有抵抗値10
    10Ω・cm以上でかつ熱伝導率20W/mk以上を有す
    るセラミックスからなり、電極部はタングステン、モリ
    ブデン、またはコバールからなることを特徴とする請求
    項1乃至請求項3に記載の静電チャック。
JP4387096A 1995-05-09 1996-02-29 静電チャック Pending JPH09237826A (ja)

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