JPH10107132A - 静電チャック - Google Patents

静電チャック

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JPH10107132A
JPH10107132A JP25814796A JP25814796A JPH10107132A JP H10107132 A JPH10107132 A JP H10107132A JP 25814796 A JP25814796 A JP 25814796A JP 25814796 A JP25814796 A JP 25814796A JP H10107132 A JPH10107132 A JP H10107132A
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JP
Japan
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wafer
electrostatic chuck
support
electrostatic
suction
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Application number
JP25814796A
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English (en)
Inventor
Koichi Nagasaki
浩一 長崎
Akihiro Kukida
秋弘 久木田
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】成膜に伴う反応膜や油脂類が加熱されることに
伴う炭化膜、さらには金属薄膜などの導電性をもった膜
が吸着面に付着したとしても被吸着物を安定して吸着保
持することが可能な静電チャックを提供する。 【解決手段】静電電極4を内蔵した静電チャック1に上
面が吸着面3aより突出する支持部9を設け、該支持部
により被吸着物を上記吸着面3aと隙間を設けて配設す
るとともに、上記支持部における被吸着物との当接面を
導電性材料で構成し、上記被吸着物と前記静電電極4と
の間に通電することで被吸着物を静電的に吸着保持する
ようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置や液晶
基板などの製造工程中において、半導体ウエハやガラス
基板などの被吸着物を静電的に吸着保持する静電チャッ
クに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の製造工程において、
半導体ウエハに膜付けを行うための成膜装置や微細加工
を施すためのドライエッチング装置などの半導体製造装
置においては、上記ウエハを保持するために静電チャッ
クが使用されている。
【0003】図5に一般的な静電チャック31の構造を
示すように、セラミック基体32の表面に静電電極34
を備えるとともに、該静電電極34を覆うように誘電体
層33で被覆し、その上面を吸着面33aとしたものが
あった。また、上記セラミック基体32中にヒータ電極
を埋設して吸着面33aに保持したウエハ10を加熱し
たり、プラズマ発生用電極を埋設して処理室内に配置す
るもう一方のプラズマ発生用電極との間でプラズマを発
生させるようにしたものも使用されている。
【0004】このような静電チャック31の誘電体層3
3を構成する材質としては、アルミナ、窒化珪素等のセ
ラミックスやサファイアが使用されており、近年では、
ハロゲン系腐食性ガスとの耐蝕性に優れるとともに、高
い熱伝導率を有する窒化アルミニウム質セラミックスを
使用することも提案されている(特公平7−50736
号公報、特開平5−251365号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、高温の真空
雰囲気下において静電チャック31によりウエハ10を
吸着保持して各種の処理を繰り返すと、吸着面33aに
導電性をもった薄膜が付着してウエハ10を吸着保持す
ることができなくなるといった課題があった。
【0006】例えば、PVDやCVDなどの成膜装置を
用いての成膜工程では、静電チャック31の吸着面33
aはウエハ10により覆われているものの、反応性の強
いプラズマ発生下では吸着面33aとウエハ10との間
の微小な隙間から反応ガスが入り込み、吸着面33aに
反応膜を形成したり、ウエハ10の搬送時において静電
チャック31の吸着面33aが処理室内に露出するため
に、残留する成膜成分が付着することは避けられなかっ
た。そして、1回のウエハ処理では吸着面33aに形成
される反応膜や成膜成分は極めて薄いものであるもの
の、ウエハ処理を重ねるうちに上記反応膜や成膜成分の
膜厚みが厚くなり、この反応膜や成膜成分が導電性をも
った膜である時には、反応膜や成膜成分と静電チャック
31中の静電電極34との間に静電吸着力が働くだけ
で、ウエハ10との間には静電吸着力が働かず、ウエハ
10を吸着保持することができなかった。
【0007】また、成膜工程以外に真空加熱工程等にお
いても、洗浄不足による油脂類の付着、処理室に設置す
る真空ポンプ等からのオイルバックや処理室を構成する
金属成分のベーパーなどにより油脂類や金属が静電チャ
ック31の吸着面33aに付着し、油脂類においては加
熱されると炭化されて導電性をもった薄膜が形成される
ことから吸着力が得られなくなるといった課題もあっ
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、誘電体層の一方の表面に静電電極を備えると
ともに、他方の表面を吸着面としてなる静電チャック
に、上記吸着面より突出する支持部材を設けて被吸着物
を吸着面と隙間を設けて支持するとともに、上記支持部
材における被吸着物との保持面を導電性材料で構成し、
前記被吸着物と静電電極との間に電圧を印加して被吸着
物を静電的に吸着保持するようにしたものである。
【0009】また、本発明は、上記支持部材の保持面か
ら吸着面までの高さを50μm以下として構成したもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0011】図1は本発明に係る静電チャックの一例を
示す図であり、(a)は斜視図、(b)はそのX−X線
断面図である。
【0012】図1に示す静電チャック1は、周縁に段差
部2aを有するセラミックス基体2の表面に静電電極4
を備えるとともに、該静電電極4を覆うように誘電体層
3で被覆してセラミック基体2と誘電体層3との間に静
電電極4を内蔵したものであり、上記誘電体層3の上面
を吸着面3aとしてある。
【0013】上記セラミックス基体2の段差部2aに
は、上面が吸着面3aより突出するリング状の支持体9
を取着してあり、該支持体9の上面をなす保持面9aに
被吸着物であるウエハ10の周縁を載置してウエハ10
を吸着面3aと微小隙間を設けて支持するようにしてあ
る。また、保持面9aを含む支持体9は導電性材料によ
り形成してあり、アース線11を接続することで支持体
9及びその保持面9aで支持するウエハ10をアースす
るようにしてある。なお、この支持体9をセラミック基
体2に取り付ける手段としては、機械的な嵌め合いやネ
ジ等による締結により取着すれば良い。
【0014】また、上記セラミック基体2の内部にはヒ
ータ電極5を埋設してあり、ヒータ電極5を発熱させる
ことにより支持体9で支持するウエハ10を加熱すると
ともに、上記セラミック基体2及び誘電体層3の中央に
穿設するガス供給孔8からウエハ10の裏面、支持体9
の側面、及び吸着面3aとで構成される微小空間RにH
e等のガスを供給することでウエハ10の均熱性を高め
るようにしてある。
【0015】なお、静電電極4及びヒータ電極5への通
電は給電部材6、7を介して通電するようにしてあり、
直流電源の正極を静電電極4の給電部材6に接続し、負
極をアース線に接続するとともに、ヒータ電極5の給電
部材7を交流電源に接続してある。
【0016】そして、この静電チャック1を用いてウエ
ハ10を保持するには、ウエハ10の周縁を支持体9の
保持面9aに載置して吸着面3aと隙間を設けて支持す
る。
【0017】この時、支持体9及びウエハ10は共にア
ースされており、同電位に保たれることになる。
【0018】次に、被吸着物であるウエハ10と静電電
極4との間に直流電圧を印加することにより、該静電電
極4とウエハ10との間に誘電分極によるクーロン力が
発生するため、ウエハ10を吸着面3a側に引き付ける
力が働き吸着保持するようになっている。即ち、ウエハ
10は吸着面3aと微小隙間を設けて支持してあるもの
の、このウエハ10、支持体9、及び吸着面3aとで構
成される微小空間Rが誘電体層として作用するため、静
電電極4とウエハ10との間にクーロン力を発生させて
ウエハ10を吸着保持することができる。なお、この時
ウエハ10の一部が吸着面3aと接触していても良い。
【0019】また、静電チャック1のガス供給孔8から
ウエハ10、支持体9、吸着面3aとで構成される微小
空間RにHe等のガスを供給するとともに、ヒータ電極
5に通電して発熱させることで静電チャック1の輻射熱
をHe等のガスを介して伝達し、ウエハ10を所定の温
度に加熱するようにしてある。
【0020】そして、この静電チャック1を用いてウエ
ハ10に成膜や微細加工を施す場合、処理室内にフッ素
系あるいは塩素系ガスとともに成膜ガスやエッチングガ
スを供給し、プラズマを発生させることで静電チャック
1により保持したウエハ10の表面上に所望の薄膜を形
成したり、微細加工を施すことができる。
【0021】また、成膜処理や微細加工処理を繰り返す
と、真空ポンプのオイルミストが処理室に逆流するオイ
ルバックにより油脂類が付着し、この油脂類が付着した
状態で加熱されると油脂類が炭化され、導電性をもった
薄膜が静電チャック1の吸着面3aや支持体9の保持面
9aに形成されることになる。
【0022】さらに、成膜処理においては、ウエハ10
と支持体9の保持面9aとの間の僅かな隙間から成膜ガ
スが入り込み、吸着面3aや支持体9の保持面9aに反
応膜が堆積したり、ウエハ10の搬送時に静電チャック
1の表面が処理室内に露出することから処理室内に残留
する成膜成分が付着し、これらが導電性をもったもので
ある時には静電チャック1の吸着面3aや支持体9の保
持面9aに導電性をもった薄膜が形成されることにな
る。
【0023】しかしながら、本発明の静電チャック1
は、ウエハ10の周縁を支持体9により支持し、吸着面
3aとの間に微小隙間を設けて保持するようにしてある
ことから、吸着面3aに導電性をもった薄膜が形成され
たとしても静電電極4とウエハ10との間の電位差を保
って吸着力を維持することができるため、常にウエハ1
0を安定して吸着保持することができる。
【0024】なお、上記誘電体層3を構成する材質とし
ては、アルミナ、窒化珪素、チタン酸バリウム、チタン
酸カルシウム、イットリウム・アルミニウム・ガーネッ
ト、窒化アルミニウムなどのセラミックスやサファイア
などを用いることができ、使用目的に応じて各種材料に
より構成すれば良いが、これらの中でも窒化アルミニウ
ムは加工性に優れるとともに、高い熱伝導率と優れた耐
蝕性を有することから、ウエハ10を短時間で所定の温
度に加熱することができるとともに、ハロゲン系腐食性
ガスに対する耐蝕性に優れることから繰り返し使用する
ことができ、半導体製造工程において好適に用いること
ができる。
【0025】また、セラミック基体2も誘電体層3を構
成する上記セラミックスにより形成すれば良く、特にセ
ラミック基体2中にヒータ電極5を埋設する場合、窒化
アルミニウムで形成すれば優れた熱伝導率を有すること
からウエハ10を短時間でかつ均一に加熱することがで
き好適である。また、セラミック基体2と誘電体層3を
同じセラミックスで形成すれば互いの熱膨張差が少ない
ため接合強度及び静電チャック1の変形を抑えることが
できるため好ましい。
【0026】さらに、上記支持体9を構成する導電性材
料としては、Si(珪素)、チタン(Ti)、銅(C
u)、タングステン(W)、金(Au)、銀(Ag)、
アルミニウム(Al)などの金属やこれらの合金、ある
いは上記金属の酸化物、窒化物、炭化物など被吸着物と
同等あるいはそれより小さい抵抗値を持った導電性材料
で形成してあれば良く、例えば被吸着物が半導体ウエハ
10である場合、106Ω・cm以下の体積固有抵抗値
を有する導電性材料を使用すれば良い。
【0027】ただし、図1においては支持体9の全体を
導電性材料で形成したが、少なくとも被吸着物と接する
保持面9aのみを導電性材料で形成してあれば良く、例
えば、支持体9を絶縁性のセラミックスにより形成し、
その少なくとも保持面9aに前記導電性材料からなる金
属膜やセラミック膜を被着したものであっても構わな
い。
【0028】ところで、静電チャック1の吸着力は誘電
体層3の厚みの2乗に反比例し、通電する電圧の2乗に
比例することから、上記支持体9の保持面9aから吸着
面3aまでの高さhが高すぎると吸着力が大きく低下
し、十分な保持力が得られなくなる。
【0029】その為、支持体9の保持面9aから吸着面
3aまでの高さhは50μm以下とすることが必要であ
る。
【0030】即ち、静電チャック1に通電する電力は一
般的に1kW程度であり、これより大きくなると消費電
力が多くなり不経済である。従って、ウエハ10と静電
電極4との間の距離が吸着力に大きく影響することにな
るが、誘電体層3の厚みはセラミックスやサファイアの
持つ機械的強度との関係から凡そ0.1〜0.5mm程
度であることから、基本的に支持体9の保持面9aから
吸着面3aまでの高さhが吸着力に大きな影響を与える
ことになる。そして、上記高さhが50μmより大きく
なると、吸着力が50g/cm2 未満となり、ウエハ1
0と支持体9との間のシール性が低下することからウエ
ハ10、支持体9、及び吸着面3aとで構成される微小
空間Rに供給したHe等のガスがウエハ10と支持体9
との間よりリークするとともに、ウエハ10の均熱性が
大幅に低下するからである。なお、加工精度を加味する
と支持体9の保持面9aから吸着面3aまでの高さhは
20〜40μmの範囲で設けることが望ましい。
【0031】次に、本発明の他の実施形態を図2及び図
3に示す。
【0032】図2(a)、(b)に示す静電チャック1
は、円盤状をしたセラミックス基体2の表面に静電電極
4を備えるとともに、その表面に上記静電電極4を覆う
ように誘電体層3を成膜でもって被覆し、該誘電体層3
の上面を吸着面3aとしてある。また、上記吸着面3a
の周縁には厚さh50μm以下の範囲でリング状の前記
導電性材料からなる導電膜11を被覆して支持部材9を
構成してあり、該支持部材9の上面をなす保持面9aで
被吸着物であるウエハ10の周縁を支持し、ウエハ10
を吸着面3aと隙間を設けて支持するようにしてある。
【0033】このように、吸着面3aより突出させる支
持部材9は成膜により形成しても良く、厚さh50μm
以下の範囲であれば、均一な膜を被覆することができる
ため、ウエハ10を支持する保持面9aを平坦に仕上げ
ることができる。
【0034】図3(a)、(b)に示す静電チャック1
は、円盤状をしたセラミックス基体2の表面に静電電極
4を備えるとともに、その表面に上記静電電極4を覆う
ように誘電体層3を被覆し、該誘電体層3の上面を保持
面9aとしてある。また、この保持面9aにはサンドブ
ラスト等により深さh50μm以下の範囲で同心円状の
溝3bを刻設し、該溝3bの底面を吸着面3aとすると
ともに、上記吸着面3aより突出する部分を支持部材9
としてある。そして、上記保持面9aを含む誘電体層3
の表面全体には前記導電性材料からなる導電膜12を被
着してある。
【0035】この静電チャック1であれば、従来より使
用されている溝付き静電チャックの誘電体層3表面に導
電膜12を被着するだけで良いため、経済的である。
【0036】なお、図1乃至図3に本発明の実施形態を
示したが、本発明に係る静電チャック1はこれらの構造
だけに限定されるものではなく、少なくとも吸着面3a
より突出する支持部材9を備え、該支持部材9により被
吸着物を上記吸着面3aと隙間を設けて支持するととも
に、支持部材9における被吸着物との保持面9aを導電
性材料で構成したものであれば良い。
【0037】(実施例)ここで図1に示す静電チャック
1を試作し、支持体9の保持面9aから吸着面3aまで
の高さhをそれぞれ異ならせた時の吸着特性について測
定を行った。
【0038】本実験では誘電体層3に窒化アルミニウム
質セラミックスを用い、その厚みを0.3mm程度とし
た外径200mmの静電チャック1を用意した。
【0039】この静電チャック1を得るには、まず、平
均結晶粒子径1.2μm程度でかつ不純物としてSiが
1000ppm以下、Na、Ca、Fe等が2000p
pm以下である純度99%以上のAlN粉末にバインダ
ー及び溶媒を添加混合して泥漿を得たあと、ドクターブ
レード法にて厚さ0.4mm程度のグリーンシートを複
数枚製作する。
【0040】このうち2枚のグリーンシートに比表面積
(BET)が2m2 /g以上のW、Mo、WC、Ti
N、TiCの少なくとも一種の粉末とAlN粉末を混合
して粘度調整したベーストをそれぞれスクーン印刷して
静電電極4をなす導体層及びヒータ電極5をなす導体層
をそれぞれ形成する。
【0041】そして、各導体層を敷設したグリーンシー
トと他のグリーンシートとを積み重ねて30〜50kg
/cm2 程度の圧力にて熱圧着させて積層体を形成し、
切削加工により周縁に段差部2aを備えた略円柱体に形
成したのち、2000℃程度の真空雰囲気下で5時間焼
成することで静電電極4とヒータ電極5を埋設してなる
窒化アルミニウムからなる静電チャック1を形成した。
【0042】しかるのち、静電チャック1内に内蔵する
各電極4、5に連通する内孔をそれぞれ穿設し、該内孔
の表面にモリブデン−マンガン合金からなるメタライズ
層を敷設するとともに、タングステンやモリブデンなど
の金属製給電端子6、7を銀を含むロウ材を介して接合
するとともに、静電チャック1の段差部2aに保持面9
aが吸着面3aより突出したリング状の炭化珪素(体積
固有抵抗値:8×104 Ω・cm)からなる支持体9を
嵌め合いにより取着することで図1に示す静電チャック
1を試作した。
【0043】そして、支持体9の保持面9aから吸着面
3aまでの高さhを表1に示すように異ならせた静電チ
ャック1を、真空度が10-3torrの処理室内に配置
し、8インチのシリコンウエハ10を載置してウエハ1
0と静電電極4との間に1kVの直流電圧を印加するこ
とでウエハ10を吸着保持させるとともに、ヒータ電極
5に通電してウエハ10を200℃に加熱した状態から
ウエハ10を剥がすのに要する力を吸着力として測定し
た。そして、ウエハ10、支持体9、吸着面3aとで構
成される微小空間RからHeガスをリークさせずにウエ
ハ10を保持するには50g/cm2 以上の吸着力が必
要であることから、基準値を50g/cm2 に設定して
吸着特性を判断した。
【0044】なお、支持体9の保持面9aから吸着面3
aまでの高さhがゼロのものは支持体9を備えていない
従来の静電チャック31である。
【0045】それぞれの結果は表1に示す通りである。
【0046】
【表1】
【0047】この結果、支持体9の保持面9aから吸着
面3aまでの高さhが大きくなるに従って吸着力が低下
することが判る。そして、支持体9の保持面9aから吸
着面3aまでの高さhが50μmより大きくなると吸着
力が40g/cm2 と基準より小さくなった。
【0048】従って、支持体9の保持面9aから吸着面
3aまでの高さhは50μm以下の範囲で設けることが
望ましいことが判る。
【0049】(実施例2)次に、試料No.5(表1)
の本発明に係る静電チャック1を成膜装置に組み込み、
ウエハ10にアルミニウム膜を被覆する実験を繰り返
し、静電チャック1の吸着特性について測定を行った。
【0050】具体的には10-3torrの真空度に設定
した処理室内で、ウエハ10を静電チャック1の支持体
9に載置し、ウエハ10と静電電極4との間に1kVの
電圧を印加することでウエハ10を保持するとともに、
ウエハ10、支持体9、吸着面3aとで構成される微小
空間Rに20torrのHeガスを供給し、ヒータ電極
5に通電して保持するウエハ10を250℃に加熱し
た。ここで、ウエハ10の温度を250℃としたのはこ
の時最もスパッタ効率が良いからである。
【0051】そして、この状態から静電電極4への通電
をOFFにすると、ウエハ10がプラズマエネルギーに
よって400℃の高温に加熱され、再び、静電電極4へ
の通電を開始すると、ウエハ10の温度が250℃に保
たれることを確認した。
【0052】このことから、ウエハ10の温度変化を測
定することで吸着特性を確認できることが判る。
【0053】そこで、本発明に係る静電チャック1
(A)、支持体を備えた双極型静電チャック(B)、従
来の単極型静電チャック31(C)、支持体を持たない
双極型静電チャック(D)をそれぞれ用意して、吸着特
性を測定した。
【0054】それぞれの結果は図4に示す通りである。
【0055】この結果、ウエハ10の処理枚数が500
0枚まではいずれも吸着特性に大きな影響は見られなか
ったものの、ウエハ処理枚数が5000枚を越えると、
本発明に係る静電チャック1(A)以外は全てウエハ1
0の温度が上昇し、吸着力が低下することが判った。な
お、本実験で使用した静電チャック1(A)の中でも、
支持体を備えていないものは特に吸着力の低下が激しか
った。
【0056】そこで、従来の単極型静電チャック31
(C)の吸着面33aを観察したところ、吸着面33a
に薄膜が付着しており、この薄膜をEPMAで測定した
ところ、アルミニウム膜であることが判った。
【0057】これに対し、本発明に係る静電チャック1
(A)の吸着面3aや支持体9の保持面9aにもアルミ
ニウム膜が付着していたものの、支持体9の保持面9a
はウエハ10とともにアースしてあり、ウエハ10と吸
着面3aとの間には微小な隙間を設けてあることから、
吸着力に何ら影響がなく、15000枚以上のウエハ処
理においてもウエハ10を安定して吸着保持することが
できた。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、誘電体
層の一方の表面に静電電極を備えるとともに、他方の表
面を吸着面としてなる静電チャックに、上記吸着面より
突出する支持部材を設けて被吸着物を吸着面と隙間を設
けて支持するとともに、上記支持部材における被吸着物
との保持面を導電性材料で構成し、前記被吸着物と静電
電極との間に電圧を印加して被吸着物を静電的に吸着保
持するようにしたことにより、成膜装置やドライエッチ
ング装置など高温の真空雰囲気下で使用し、各種処理の
繰り返しに伴い反応膜、炭化膜、金属膜などの導電性を
もった薄膜が吸着面に付着したとしても被吸着物を安定
して吸着保持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静電チャックの一例を示す図で、
(a)は斜視図、(b)はそのX−X線断面図である。
【図2】本発明に係る静電チャックの他の例を示す図
で、(a)は斜視図、(b)はそのY−Y線断面図であ
る。
【図3】本発明に係る静電チャックの他の例を示す図
で、(a)は斜視図、(b)はそのZ−Z線断面図であ
る。
【図4】成膜処理を施した時のウエハ温度とウエハ処理
枚数との関係を示すグラフである。
【図5】一般的な静電チャックの一例を示す縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・静電チャック、 2・・・セラミック基体、
3・・・誘電体層、3a・・・吸着面、 4・・・静電
電極、 5・・・ヒータ電極、6、7・・・給電端子、
8・・・ガス供給孔、 9・・・支持体、10・・・ウ
エハ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体層の一方の表面に静電電極を備える
    とともに、他方の表面を吸着面としてなる静電チャック
    において、該静電チャックに吸着面より突出する支持部
    材を設け、被吸着物を吸着面と隙間を設けて支持すると
    ともに、上記支持部材における被吸着物との保持面を導
    電性材料で構成してなり、前記被吸着物と静電電極との
    間に電圧を印加して被吸着物を静電的に吸着保持してな
    る静電チャック。
  2. 【請求項2】上記支持部材の保持面から吸着面までの高
    さを50μm以下としてなる請求項1に記載の静電チャ
    ック。
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