JP3370489B2 - 静電チャック - Google Patents
静電チャックInfo
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Description
けるシリコンウェハの固定、加熱、成膜加工等に用いる
静電チャックに関するものである。
リコンウェハのステージとして用いられる静電チャック
は、一般真空中で該ウェハの各種微細加工を行う際に要
求される加工面の平坦度や平行度を容易に実現すること
ができるため、好適に使用されている。
い、静電チャックに要求される精度もより高度化してき
たため、セラミックス製静電チャックも使用されるよう
になってきている。
ャックとしては、アルミナセラミックス中に内部電極と
して導電層を組み込んで一体焼結させるものがこれまで
よく知られている(特開昭62−264638号公報等
参照)。
半導体の製造工程においては、ハロゲン系プラズマを利
用することが多いため、静電チャックの材質として耐プ
ラズマ性に優れた窒化アルミニウム質セラミックスを用
いることが、近年提案されている(特開平6−1513
32号公報等参照)。
体製造プロセスにおいては、ウェハを載置するステージ
にさまざまな機能が求められている。例えば、ウェハ温
度を一定に保つための温度制御機能、ウェハをステージ
に密着させるための静電吸着機能、さらにはプラズマ発
生用電極などである。
た1つのステージでまかなえれば、コンパクトで極めて
効率の高いシステムができあがる。
抵抗発熱体と静電吸着用電極およびプラズマ発生用電極
の三つの金属層を全て内蔵したオールインワン型の静電
チャックが研究されている。従来、このような静電チャ
ックは、各電極となる金属ペーストを窒化アルミニウム
のグリーンシート上に所定のパターンで印刷し、これを
積層して一体焼成することが一般的に行われている。
らなる基体中に異質の金属層を三層も挟み込むと、焼結
時に熱膨張差によって基体に亀裂が生じたり金属層が剥
離または断線する等の問題点があった。
に対して、静電吸着用電極とプラズマ発生用電極は全面
パターンとする必要があるため、これら2つの全面パタ
ーンはセラミックス基体に対して、熱膨張差による影響
がより大きかった。
に、電極厚みを30μm以下にまで薄くすることが考え
られるが、このようにするとプラズマ発生用電極に印加
可能な高周波電力が制限されるといった弊害が生じてい
た。
W以上のプラズマを印加すると、電極自身が異常発熱す
ることによって十分なエッチングなどの加工を行うこと
ができないばかりか、ついには電極が焼き切れたり、セ
ラミックス基体が破損するなどの問題が生じていた。
3mm以上のセラミックスからなる基体上に厚さ0.5
mm以上の金属単板からなる電極板を部分的に接合して
該電極板と上記基体との間の熱応力を吸収できるように
するとともに、上記電極板の表面に厚さ0.01〜0.
5mmの窒化アルミニウム膜を被着して吸着面を形成す
ることにより静電チャックを構成したものである。
ズマ発生電極を厚さ0.5mm以上の金属製の電極板で
構成し、セラミックス製基体と金属製の電極板は互いの
熱膨張差を緩和できるような緩衝構造によって接合した
ものである。そのため、プラズマ発生用電極は十分な厚
みを持った電極板であることから、高周波に対して発熱
したり焼切れるような恐れもない。
体へは厚み20μm以下の帯状薄膜パターンが抵抗発熱
体として一層だけ埋設したものであるため、一般的なセ
ラミックスヒータ同様極めて高い信頼性が得られる。
て説明する。
示すように、本発明の静電チャックは、セラミックス製
の基体1の上部に形成した凹部1aに金属製の電極板2
を配置し、この電極板2の表面に窒化アルミニウム膜3
を被着して吸着面3aを形成したものである。そして、
上記電極板2が静電吸着用電極となり、この電極板2に
通電すれば窒化アルミニウム膜3上の吸着面3aに、シ
リコンウェハ等の被吸着物を吸着させることができる。
m以上の体積固有抵抗値と20W/m・K以上の熱伝導
率を有するセラミックスを用いるが、これは電極板2を
直接接合するうえで電気絶縁性を確保する必要があるこ
こと、シリコンウェハを高精度に加工するために均熱性
の良いことが欠かせないためである。そして、このよう
な特性を満たすものとして、窒化アルミニウム又はアル
ミナを主成分とするセラミックスを用いる。ただし、好
ましくは、より熱伝導率が高く均熱性に優れ、かつプラ
ズマに対する安定性の高い窒化アルミニウムを主成分と
するセラミックスを選定すべきである。
電極板2を接合するときの応力に耐え得るために3mm
以上必要であり、かつ電極板2を配置する凹部1aを形
成できるように、電極板2の厚みT2 よりも基体1の厚
みT1 を大きくする必要がある。
し、これに通電するための給電端子5を備えている。た
とえば、基体1を成す窒化アルミニウム質セラミックス
の熱膨張率は5×10-6/℃であるため、抵抗発熱体4
の材質としては、基体1に近似した熱膨張率4〜6×1
0-6/℃を有するタングステン等の金属を用い、好まし
くはこれらの金属に窒化アルミニウム成分を微量添加し
て基体1との密着性を高めたものを用いる。さらに、抵
抗発熱体4の厚みを30μm以下と薄くすることによっ
て、基体1との熱膨張差による影響を極めて小さくでき
る。
て、セラミックス製の基体1は所望の温度に保持するこ
とができる。
子6や、ガスを供給するためのパイプ7を備えている。
ン、コバール等の熱膨張率が4〜6×10-6/℃の金属
からなっており、中央に貫通孔2aを有し上面に溝2b
を備えている。また、電極板2には給電端子6より通電
することによって、静電吸着用電極だけでなくプラズマ
発生用電極としても作用させることができる。この時高
圧のプラズマ発生用電圧を印加しても破損等を生じない
ようにするため、電極板2の厚みT2 は0.5mm以上
としてある。
の接合構造は、基体1に形成した凹部1aに電極板2を
嵌め込み、電極板2の下面を部分的にメタライズ部8で
接合してある。なお、メタライズ部8の代わりにネジ止
め等で機械的に接合してもよい。
と熱膨張率が近似したものを用いるとともに、基体1と
電極板2を全面で接合せずに部分的に接合したことによ
って、両者の熱膨張差を緩和することができる。
め込む構造としたのは、電極板2が半導体製造装置内へ
暴露してしまうと、プラズマによる異常放電が生じる可
能性があるためである。
は、ヘリウムまたはアルゴンガスを導入することが可能
であり、これらのガスは基体1と電極板2との接合部の
隙間に導かれて両者間の熱伝導率を高くすることができ
る。さらに、これらのガスは貫通孔2aを通って吸着面
3aとシリコンウェハ等の被吸着物との間にも導かれ、
互いの熱伝達率を著しく高められることから、基体1の
温度をシリコンウェハ等の被吸着物に効果的に伝えるこ
とができる。なお、電極板2の上面には溝2bを形成し
てあることから、窒化アルミニウム膜3を形成した後の
吸着面3aにも溝3bが形成され、この溝3b中に上記
のガスが導かれて熱伝達をより高めることが可能であ
る。
上面には窒化アルミニウム膜3を形成しているが、この
窒化アルミニウム膜3は周知の気相成長法、たとえば、
スパッタリング、イオンプレーティングなどのPVD法
や、プラズマCVD、MoCVD、熱CVDなどのCV
D法により形成することができる。このような、窒化ア
ルミニウム膜3は99%以上の窒化アルミニウム純度と
なるが、成膜過程で酸素が含まれる可能性がある。しか
し、酸素量が多すぎると、金属板2との密着性が低下す
る場合があるため、窒化アルミニウム膜3中の酸素含有
量は20原子%以下に制御することが望ましい。
0.01〜0.5mmの範囲が良く、さらに望ましくは
0.2〜0.4mmが良い。この理由は、厚さが0.0
1mm未満になると耐電圧が小さくなるために絶縁破壊
を起こして耐久性が悪くなり、逆に厚みT3 が0.5m
mを越えると窒化アルミニウム膜3を形成するための時
間が長くなり、生産性が劣るからである。
明する。
めの給電端子6に静電吸着用電源10より1000V程
度の直流高電圧を印加すると、窒化アルミニウム膜3が
絶縁層として機能し、吸着面3aにシリコンウェハ等の
被吸着物9を静電吸着させることが可能となる。
プラズマ発生用電源12より高周波電圧を印加すること
もでき、真空装置内に静電チャックをセットすることに
より、プラズマを発生させることが可能となる。このと
き、電極板2は0.5mm以上の十分な厚みT2 を持っ
た金属単板であるため、上記高周波電圧を印加しても発
熱したり焼き切れるような恐れはない。
流高電圧とプラズマ発生用電源12の高周波電圧の両方
を印加する場合には、高周波をカットできるようなフィ
ルター11を静電吸着用電源10と給電端子6間に設置
すれば良い。
で耐プラズマ性にも優れることから、吸着面3a上の被
吸着物9に悪影響を及ぼすことがなく、かつ長寿命とす
ることができる。
た抵抗発熱体4は、30μm以下の厚みの帯状薄膜パタ
ーンが一層埋設されているだけであるため、一般的なセ
ラミックスヒータと同様に、極めて高い信頼性が得られ
る。
試作して、その効果を調べる実験を行った。
よび溶媒を添加混合してスラリーを得た後、ドクターブ
レード法にて厚さ0.5mmのグリーンシートを複数枚
成形し、そのうちの1枚に、タングステン粉末と窒化ア
ルミニウム粉末を混合して粘度調整した抵抗体ペースト
をスクリーン印刷して抵抗発熱体4を形成する。
リーンシートを積層して80℃,50Kg/cm2 の圧
力で熱圧着し、その後切削加工を施して円盤状の板状体
としたのち真空脱脂を施し、2000℃程の温度で還元
焼成することによって、熱伝導率が100W/m・K、
体積固有抵抗値が1013Ω・cm、外形約φ8インチ、
厚みT1 が10mmの窒化アルミニウム質セラミックス
製の基体1を得た。
のセラミックスに見合った手法を用いて、表1に示す純
度99%の高純度アルミナ、窒化珪素および炭化珪素の
各セラミックスを用いた基体を製作した。
レード法で、炭化珪素はホットプレス法で製作するなど
したが、結果的に得られる基体はそれぞれの材料理論密
度の98%以上とした。また抵抗発熱体4の印刷パター
ンは全て同一とし、抵抗値は5Ω、厚みは30μm以下
とした。
まず100Vの電圧を印加し400℃に発熱させるよう
な実験を行った。その後、基体1の表面の温度分布を温
度画像処理装置で確認したところ、窒化珪素からなる基
体1の温度分布は極端に悪く、実用に耐えないことが分
かった。この結果より、基体1の熱伝導率は20W/m
・K以上が必要であるといえる。
なる電極板2を準備し、各々のセラミックス製の基体1
とボルトで部分的に締結し、再度加熱実験を行った。す
ると、炭化珪素製の基体1と締結した電極板2には抵抗
発熱体4への通電電流が漏れていることが確認され、炭
化珪素製の基体1では絶縁性が確保できないことがわか
った。ゆえに、基体1の体積固有抵抗値は少なくとも1
010Ω・cm以上が必要であるといえる。
1 は10mmに統一してきたが、ここで基体1の厚みT
1 と電極板2の厚みT2 を変更する実験を行った。
mのモリブデン製の電極板2を用意し、同じように厚み
T1 を種々に変化させた直径210mmの窒化アルミニ
ウム製の基体1の上面に、上記電極板2と同じ大きさの
凹部1aを形成し、この凹部1aに電極板2を嵌め込ん
だ。
銅、銀等の一種以上からなる粉末ペーストを塗布し、真
空中で1000℃まで加熱することによって、基体1と
部分的なメタライズ接合を行った。
T1 が3mmより薄くなると、メタライズによって基体
1に反りが生じてしまったり、割れが発生したりして接
合不能であった。しかし、基体1の厚みT1 を3mm以
上にすると、反りもなく良好な接合体を得ることができ
た。一方、電極板2の厚みT2 を0.5mm以下にする
と、取扱いが困難であるばかりか、平坦度などの表面精
度が悪化し、実用に耐えられないことが分かった。
上、電極板2の厚みT2 は0.5mm以上必要である。
デン以外にタングステンまたはコバールであっても同様
の結果であった。さらに、基体1の材質については、ア
ルミナであっても窒化アルミニウムと同様の結果であっ
た。
板2との接合面積が全接触面積に対して20%を超える
と、加熱や冷却時にバイメタル効果によって大きな反り
が発生することが分かった。ゆえに、セラミックス製の
基体1と電極板2は、メタライズまたはネジ止めによっ
て全接触面積比20%以下、好ましくは10%以下の部
分的接合とすることが好ましい。
1と電極板2を接合したサンプルを得た。
に対して、熱CVD法により窒化アルミニウム膜3を成
膜した。反応ガスには塩化アルミニウムとアンモニア、
水素及び窒素を使用して、800〜1000℃の温度
で、50torr程の減圧下で窒化アルミニウム膜3を
形成した。形成される窒化アルミニウム膜3の厚みT3
は成膜時間を制御することによって、所望の寸法に仕上
げることができるため、表2のようなさまざまな厚みT
3 の膜を得た。
加してシリコンウェハの被吸着物9を吸着させたとこ
ろ、厚みT3 が0.005mm以下のものは容易に絶縁
破壊してしまった。
のものは、絶縁破壊することなく安定して吸着可能であ
った。しかし、厚みT3 が0.5mmを越えると窒化ア
ルミニウム膜3の形成時間が長くなり、生産性が悪化す
ることが分かった。
みT3 が0.2〜0.4mmの範囲であればほぼ一定の
吸着力を得られるため静電チャックとして扱いやすいこ
ともわかった。
は0.01〜0.5mmの範囲が良く、望ましくは0.
2〜0.4mmが良いといえる。
以外にタングステンおよびコバールを用いても同様の結
果であった。さらに、基体1が窒化アルミニウムでな
く、アルミナであっても同結果であったことはいうまで
もない。
装置に組み込んで使用試験を行った。図3に示すよう
に、電極板2に通電するための給電端子6に、静電吸着
用電源10とプラズマ発生用電源12として13.56
MHzの高周波電源を接続し、また基体1の下部に設け
たパイプ7はアルゴンのガス供給ラインに接続した。
の直流電圧を印加すると、60g/cm2 以上の吸着力
でシリコンウェハからなる被吸着物9が固定されるた
め、パイプ7から10g/cm2 程度の圧力でアルゴン
ガスを導入しても被吸着物9は固定されたままであっ
た。
ム膜3の隙間、および電極板2と基体1の隙間にはアル
ゴンガスが充填されるため、高い熱伝達率が確保され
る。そのため、抵抗発熱体4に電圧を印加することによ
って得られる静電チャックの熱は、被吸着物9へ効率よ
く伝達される。
プラズマ発生用電源12から800W、13.56MH
zの高周波電力を電極板2に印加したところ、プラズマ
が発生した。このとき、電極板2は0.5mm以上の十
分な厚みT2 を持った金属単板であるため、高周波に対
して発熱したり焼き切れることはなかった。そのため、
被吸着物9であるシリコンウェハには所望の集積回路形
成が可能であることが確認された。
ン、コバールのいずれも同様に機能することを確認し
た。
み20μmのプラズマ発生用電極を埋設した一体焼結型
窒化アルミニウム静電チャックをテストしたところ、高
周波電力をONしたとたんにプラズマ発生用電極が焼き
切れ、テストの継続は不可能であった。
は、厚さ3mm以上のセラミックスからなる基体上に厚
さ0.5mm以上の金属単板からなる電極板を部分的に
接合して該電極板と上記基体との間の熱応力を吸収でき
るようにするとともに、上記電極板の表面に厚さ0.0
1〜0.5mmの窒化アルミニウム膜を被着して吸着面
としたことによって、十分な厚みを持った電極板を静電
吸着用電極と共にプラズマ発生用電極としても用いられ
ることから、高周波に対して発熱したり焼き切れるよう
な恐れもない。
厚み30μm以下の帯状薄膜パターンを一層だけ埋設す
れば良いことから、一般的なセラミックスヒータ同様極
めて高い信頼性が得られる。
し、互いの接合界面にはヘリウムまたはアルゴンガスを
導入することによって、基体と電極板間の熱伝導率を高
くするとができ、被吸着物を好適に加熱することができ
る。
ズマ性に優れるため長寿命とできるとともに、気相成長
法により形成した窒化アルミニウム膜は高純度であるか
ら、被吸着物に悪影響を及ぼすことがない。
に半導体製造工程におけるシリコンウェハの吸着固定に
好適に使用することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】厚さ3mm以上のセラミックスからなる基
体上に厚さ0.5mm以上の金属単板からなる電極板を
部分的に接合して該電極板と上記基体との間の熱応力を
吸収できるようにするとともに、上記電極板の表面に厚
さ0.01〜0.5mmの窒化アルミニウム膜を被着し
て吸着面を形成したことを特徴とする静電チャック。 - 【請求項2】上記基体の内部には、加熱用の抵抗発熱体
が埋設されていることを特徴とする請求項1に記載の静
電チャック。 - 【請求項3】上記電極板には、静電吸着用の直流高電圧
及びプラズマ発生用の高周波電圧を印加し、静電吸着電
極と共にプラズマ発生電極としても作用させることを特
徴とする請求項1に記載の静電チャック。 - 【請求項4】上記基体と電極板との互いの接合界面にヘ
リウムガスまたはアルゴンガスを導入できるようにした
ことを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。 - 【請求項5】上記基体は、1010Ω・cm以上の体積固
有抵抗値を有し、20W/m・k以上の熱伝導率を有す
るセラミックスからなり、電極板はタングステン、モリ
ブデンまたはコバールからなることを特徴とする請求項
1に記載の静電チャック。
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