JP2001077185A - 静電チャック及びその製造方法 - Google Patents

静電チャック及びその製造方法

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JP2001077185A
JP2001077185A JP24729699A JP24729699A JP2001077185A JP 2001077185 A JP2001077185 A JP 2001077185A JP 24729699 A JP24729699 A JP 24729699A JP 24729699 A JP24729699 A JP 24729699A JP 2001077185 A JP2001077185 A JP 2001077185A
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JP
Japan
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electrostatic chuck
heater
chuck
dielectric layer
plate portion
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JP24729699A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Mogi
弘 茂木
Kenichi Arai
健一 新井
Yoshikazu Otani
義和 大谷
Toshimi Kobayashi
利美 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 導電体電極をセラミックスからなる絶縁
性誘電体層で被覆してなるチャック機能部と、該チャッ
ク機能部を支持するプレート部とを互いに接合してなる
静電チャックにおいて、上記プレート部の非接合面側に
凹状溝が形成され、この凹状溝内にヒーターが配設され
ていることを特徴とする静電チャック。 【効果】 本発明の静電チャックは、導電性、半導電
性、絶縁性の対象物を強く静電的に吸着保持し、容易に
脱着することができ、半導体や液晶の製造プロセスに有
用であり、特に本発明によれば、高温プロセスであるC
VD、スパッタリング等においてもチャック機能部とプ
レート部とが充分な接合性を有しており、割れ、剥離、
反りの発生を大幅に抑制し、かつ静電吸着力の安定性が
向上すると共に、静電チャック全体の均熱性を良好にす
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の基板
となるウエハー等を静電気を利用して吸着する静電チャ
ック及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】半導体
や液晶の製造プロセス、特にドライエッチング、イオン
注入、蒸着などの工程については、近年その自動化、ド
ライ化が進んでおり、従って、真空条件下で行われる工
程が増加してきている。
【0003】また、基板としてのシリコンウエハーやガ
ラスなどはその大口径化が進み、回路の口集積化、微細
化に伴って、パターニング時の位置精度も益々重要視さ
れてきている。
【0004】そのため、基板の搬送や吸着固定には真空
チャックが使用されているが、これは真空条件下では圧
力差がないため使用できず、また非真空下で基板を吸着
できたとしても、吸着部分が局部的に吸引されるため
に、基板には部分的な歪みが生じ、高精度な位置合わせ
ができないという不利があった。
【0005】この欠点を改善したものとして、静電気力
を利用して、基板を搬送したり、これを吸着固定して支
持する静電チャックが提案され、更に、最近の半導体や
液晶の製造プロセスでは、微細化に伴って基板であるウ
エハーやガラス板の平坦度が重要になってきていること
から、その矯正に静電チャックを利用することも検討さ
れている。
【0006】この静電チャックは、通常静電チャックの
機能を果たすチャック機能部とこのチャック機能部を装
置に固定するため及びプロセスにより発生した熱を逃が
す働きをなすプレート部とによって構成されている。
【0007】チャック機能部は、導電体電極を絶縁性誘
電体層で被覆された構造を有しており、ここで絶縁性誘
電体層は一般的にセラミックスに形成され、またプレー
ト部については熱伝導性の良好なアルミニウム製のプレ
ートが一般的に使用されており、この両者は有機系接着
剤で接着されて一体化されているが、高温プロセスであ
るスパッター装置や、CVD装置においては、有機系接
着剤の耐熱性から約180℃までしか使用することがで
きないため、高温プロセス用途には使用できないという
問題点があった。
【0008】更に、セラミックス製のチャック機能部と
アルミニウム製のプレート部では、材質の相違、特に熱
膨張率の相違のために、製造時の高温接合によって割れ
・剥離を生じたり、或いは反りを生じて吸着力が安定し
ないという問題があった。
【0009】そこで、チャック機能部とプレート部とを
一体にしてセラミックス部材で構成したもの(特開昭5
9−124140号公報)、プレート部をAINやSi
Cなどの高熱伝導性セラミックスで形成したもの(特開
昭62−286247号公報)も提案されているが、製
造コストの増加や、不確実な接合などの問題点があっ
た。
【0010】一方、高温プロセスであるCVD法やスパ
ッタリング等において、ウエハー上に成膜するに際して
は、ウエハーの温度が膜の性質、成膜速度に大きな影響
を及ぼすため、ウエハーの均熱性が必須であるが、従来
の静電チャックにおいてはかかる均熱性を充分に満足す
ることはできなかった。
【0011】本発明は上記事情を改善するためになされ
たもので、高温プロセスであるCVD、スパッタリング
等においてもチャック機能部とプレート部との接合が強
固であって、割れ、剥離、反りを生ずることもなく、静
電吸着力が安定していると共に、静電チャック全体の均
熱性を向上させて、吸着されたウエハー等の部材の均熱
性をも向上することのできる静電チャック及びその製造
方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、チャック機能部とプレート部とを接合してなる静電
チャックにおいて、このプレート部の非接合面(裏面、
チャック機能部と反対側の面)に凹状溝を設けてここに
ヒーターを配設することにより、静電チャック全体の均
熱性が向上するため、高温プロセスであるCVD、スパ
ッタリング等の成膜に際してウエハーの均熱性も向上
し、得られる膜品質を良好にし、また成膜速度を安定化
させたり調節することが可能となること、また特に上記
プレート部をタングステン、金属シリコン、チタン又は
これらの金属を含有する合金により形成することによ
り、半導体プロセスにおいて汚染を低く抑えると共に熱
伝導性が向上し、更に、これら特定金属によるプレート
部と共に、窒化アルミニウム又は酸化アルミニウムを主
成分とする絶縁性誘電体層を併せて使用すれば、上記特
定金属とこれらのセラミックスとの熱膨張率の差が小さ
いため、高温時のプレート部とチャック機能部との割
れ、剥離、反り等の発生を更に大幅に低減することがで
きることを見出した。
【0013】加えて、プレート部とチャック機能部とを
接合する接合剤として、ガラス及び/又は金属ロウから
なる接合剤を使用して接合剤層を介在させることによ
り、互いに接合される異種の部材の熱膨張率差をかかる
接合剤の展性により緩和することができ、接合層の剥離
を生じることなく、互いに接合される部材は確実に接合
されると共に、特に高温下における割れ、剥離、反り等
の発生を更に低減することができること、また、プレー
ト部の凹状溝内にヒーターを接着する接着剤においても
同様の効果が生じ、ガラス及び/又は金属ロウからなる
接着剤層によって、ヒーター部材とプレート部材との熱
膨張率差がかかる接着剤の展性により緩和されて、高温
時の割れ、剥離、反り等が著しく低減することを知見
し、本発明をなすに至った。
【0014】即ち、本発明は、下記の静電チャック及び
その製造方法を提供する。 (1)導電体電極をセラミックスからなる絶縁性誘電体
層で被覆してなるチャック機能部と、該チャック機能部
を支持するプレート部とを互いに接合してなる静電チャ
ックにおいて、上記プレート部の非接合面側に凹状溝が
形成され、この凹状溝内にヒーターが配設されているこ
とを特徴とする静電チャック。 (2)上記プレート部がタングステン、金属シリコン、
チタン及びこれらの金属を含有する合金の中から選ばれ
た一種以上からなることを特徴とする(1)記載の静電
チャック。 (3)上記セラミックスからなる絶縁性誘電体層が、窒
化アルミニウム又は酸化アルミニウムを主成分とするこ
とを特徴とする(1)又は(2)記載の静電チャック。 (4)上記プレート部と上記セラミックスからなる絶縁
性誘電体層とを接合する接合剤が、ガラス及び/又は金
属ロウからなることを特徴とする(1)、(2)又は
(3)記載の静電チャック。 (5)上記プレート部の非接合面側に形成された凹状溝
の凹部と、ヒーターとを接着する接着剤が、ガラス及び
/又は金属ロウからなることを特徴とする(1)乃至
(4)のいずれか1項記載の静電チャック。 (6)上記ヒーターがシースヒーターであることを特徴
とする(1)乃至(5)のいずれか1項記載の静電チャ
ック。 (7)導電体電極をセラミックスからなる絶縁性誘電体
層で被覆したチャック機能部の片面にこれを支持するプ
レート部を接合剤を介して接合して静電チャックを製造
するにあたり、上記プレート部の非接合面側に凹状溝を
形成し、この凹状溝内に、接着剤を介してヒーターを配
設することを特徴とする静電チャックの製造方法。 (8)上記絶縁性誘電体層がシート成型法、鋳込み成型
法、プレス成型法又はCVD成膜法のいずれかにより作
成されたことを特徴とする(7)記載の静電チャックの
製造方法。
【0015】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の静電チャックは、図1に示すように、導電体電
極1をセラミックスからなる絶縁性誘電体層2で被覆し
てなるチャック機能部3と、プレート部4とが接合され
ていると共に、プレート部4には凹状溝5が形成され、
この凹状溝5内にヒーター6が配設されたものである。
【0016】この場合、導電体電極1は、電源と接続さ
れて電圧が印加されることにより、絶縁性誘電体層2に
試料を静電吸着させて静電チャック機能が与えられるよ
うに公知のパターン方式に従って形成することができ
る。例えば、電極の一方を吸着される基板にとり、もう
一方を静電チャック内に構成する単極型のもの、或いは
静電チャック内部に2つの電極を対向させる双極型のも
のであってもよい。
【0017】導電体電極1は、アルミニウム、鉄、銅、
銀、金、チタン、タングステン、モリブデン、白金など
の金属、グラファイト、カーボン、炭化ケイ素、窒化チ
タン、炭化チタンなどのセラミックス或いはこれらの混
合物等の導電体をスクリーン印刷法、溶射法、フォトリ
ソグラフィー或いはメッキ法などの公知の方法により電
極形成することができる。
【0018】例えば、導電性電極1を絶縁性誘電層2内
に埋設状態で形成する場合、セラミックスから基板上に
電極を形成し、これを覆ってセラミックス、好ましくは
上記基板と同じセラミックスからなる被覆層を形成する
ことにより、チャック機能部3を形成することができ
る。この場合、上記基板とこの被覆層とにより絶縁性誘
電体層が形成される。
【0019】導電体電極1を被覆する絶縁性誘電体層2
は、シート成型法、鋳込み成型法、プレス成型法やCV
D製膜などによって形成でき、これは電気絶縁性セラミ
ックスを主成分としてなり、例えば酸化アルミニウム、
窒化アルミニウム、ホウ化アルミニウム、窒化アルミニ
ウムとホウ化アルミニウムとの複合体,PBN又はSi
2等を使用し得る。特に、上記プレート部としてタン
グステン、金属シリコン、チタン及びこれらの金属を含
有する合金を使用する場合には、これらの物質との熱膨
張係数を近似させるという点から、酸化アルミニウム又
は窒化アルミニウムを主成分とするのが好ましい。
【0020】これらのセラミックスは原料セラミックス
前駆体の焼結体又は熱CVDなどにより作製したもので
あればよく、この絶縁性誘導体層の体積固有抵抗値は使
用する温度に対応した適正な値があり、適宜設定する。
例えば保持されるウエハーの温度が300℃の時には体
積固有抵抗値は1×108Ωcm以上1×1012Ωcm
未満であれば静電吸着力は十分に発生し、デバイスダメ
ージも起こさない。
【0021】このような最適な体積固有抵抗値を採用す
れば、微小なリーク電流が絶縁体とウエハーに流れるの
で、ジョンセン・ラーベック効果により静電吸着力が強
く発生して良好な吸着保持状態となり、応答特性の良好
なチャック機能部が得られる。
【0022】また、チャック機能部3の静電力は一般に
F=A・ε・(V/t)2(ここでF:静電力、ε:誘
電率、V:印加電圧、t:厚さ、A:定数)で表わさ
れ、高誘電体のセラミックス粉末、例えばチタン酸バリ
ウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコニウム、PLZTな
ど半導体デバイスに影響しない程度であれば、絶縁性誘
電体層2に添加することができる。
【0023】なお、このチャック機能部に、静電力を発
揮させるには、内部の電極に電圧を印加する手段が必要
であるため、被覆するセラミックスの一部に外部から電
極まで通じる電極給電部を設け、この電極給電部へ外部
の電源からリード線などを配設することが必要とされ
る。
【0024】そして、この電極給電部は、銅、白金、ニ
ッケルメッキや金メッキを施したタングステンなどのよ
うに半田付けが可能な材料を電極とした場合には、セラ
ミックスに電極まで開孔した孔部を通して静電チャック
使用温度以上の融点をもつ半田により電極にリード線を
半田付けし、この電極がグラファイト、タングステン、
窒化チタンなどのように半田付けできないものであると
きには、セラミックスの熱膨張率にあった合金などでネ
ジ部をもつピンを孔部に通して電極に銀ロウ付けする構
造とすればよい。
【0025】プレート部4は、配設するヒーター6に対
する耐熱性と良好な熱伝導性を兼備えるものが好まし
く、各種金属材料が使用し得るが、特にタングステン、
金属シリコン、チタン及びこれらの金属を含有する合金
(即ち、タングステン合金、金属シリコン合金、チタン
合金)を使用することが、半導体プロセスにおける汚染
を低く抑えると共に、熱伝導性がより向上する点から好
ましい。
【0026】プレート部4に形成される凹状溝5は、プ
レート部4全体が均一な熱分布を示すようなヒーター6
の配置を考慮した形状に形成されることが重要であり、
例えば複数のリング溝が同心円状に形成されるものや、
渦巻き状、放射状、平行する複数本の直線状、蛇行状及
びこれらの破線状のもの等、種々の形状を採用すること
ができる。凹状溝5の深さ、幅、長さ等は配設するヒー
ターに応じて適宜設定すればよい。凹状溝5は、プレー
ト部4の作成の際に、鋳込み成型するか、或いは平板状
のプレート部を作成した後、所用箇所に凹状溝を後加工
して設けてもよい。
【0027】このようにして形成された凹状溝5の凹部
にはヒーター6が配設される。ヒーターとしては、シー
ズヒーターやセラミックスヒーター等を特に制限なく使
用し得るが、シーズヒーターが好ましい。凹状溝5に対
するヒーター6の接着固定には、耐熱性接着剤等の接着
剤を用いることができるが、特に耐熱性及び熱伝導性か
らガラス材又は金属ロウ材の使用が好ましく、これらは
その展性によりヒーターとプレート部材との熱膨張の差
を緩和する作用をも有する。ガラス材の場合は、例え
ば、低融点ガラスペーストなどを塗布することにより凹
部壁面に厚さが100μm程度のガラス層を形成すれば
よい。また金属ロウ材としては、例えばアルミニウムと
金属ケイ素との合金などを用いればよく、これは厚さが
100μm以下、例えば10μm程度のスパッター膜、
CVD膜で形成すればよい。また、厚さが1mm以下、
例えば50μm程度のアルミニウムと金属ケイ素との合
金箔を用いることもでき、更にはペーストを塗布しても
よい。
【0028】そして、上記プレート部4に導電体電極1
を絶縁性誘電体層2で被覆してなるチャック機能部3を
接合する。
【0029】この場合、チャック機能部3とプレート部
4とは、耐熱性接着剤等の接合剤を用いて接合すること
ができるが、耐熱性、熱伝導性から前記したガラス材又
は金属ロウ材の使用が好ましく、これらはその展性によ
りチャック機能部の絶縁性誘電体層2とプレート部4と
の熱膨張の差を緩和する作用をも有しており、これによ
って接合の信頼性がより一層向上する。
【0030】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0031】[実施例1]窒化アルミニウム粉末97重
量%と酸化イットリウム粉末3重量%とからなる混合物
100重量部に、ブチラール樹脂10重量部、エタノー
ル60重量部及びフタル酸ジオクチル12重量部を添加
した後、ボールミル中で50時間混練してスラリーを作
製した。
【0032】次いで、このスラリーを真空脱泡機で処理
して、その溶剤を一部飛散させ、粘度30,000セン
チポイズのものとし、このスラリーからドクターブレー
ドを用いて厚さ0.7mmのグリーンシートを作り、こ
のグリーンシートから直径がφ250mmの円板を2枚
切り出し、このグリーンシー卜円板1枚にタングステン
ペーストを用いてスクリーン印刷で双極型電極を2.5
mmの間隔で同心円状に印刷した。また、残る1枚のグ
リーンシート中心部にφ2mmの孔を開け、電極給電部
とした。
【0033】この積層体を100℃に加熱したプレスで
80kg/cm2の圧力をかけて一体化し、その後、水
素25%、窒素75%の雰囲気ガス中で1,850℃の
温度で焼結したところ、焼結体が得られ、このものの反
り量を3次元測定器にてφ200mm基材の面内を測定
したところ、3μmであった。次いで、この焼結体の両
面を研磨し、厚さ1.2mmの静電チャックを作製し
た。
【0034】次いで、電極給電部からのぞいているタン
グステン電極にニッケルメッキ、及び金メッキを施し、
これにリード線を2本、融点700℃のロウ材でロウ付
けし、チャック機能部を作製した。
【0035】一方、タングステンからなる円板を作製
し、これを用いてφ250mm、厚さ20mmのプレー
ト部を作り、このプレート部とチャック機能部との間に
熱膨張緩衝層として、φ200mm、厚さ50μmのア
ルミニウムと金属シリコンの合金からなる箔を挟み、更
にプレート部に形成した凹面部にシースヒーターを、同
様にアルミニウムと金属シリコンの合金からなる粉末ペ
ーストを充填して固定し、この積層体を炉内に入れて真
空雰囲気で600℃に熱処理したところ、このチャック
機能部と、プレート部とが一体化されて、セラミックス
製の高温耐性のある静電チャックが得られた。
【0036】次に、この静電チャックのリード線間にD
C±1kVの電圧を印加して直径8インチのシリコンウ
エハーの温度が300℃となるように加熱しながら静電
力テスターでその静電力を測定したところ、これは1k
g/cm2の大きさで、ウエハーの平面度矯正に十分な
ものであり、これは印加電圧を切断したところ、すばや
く追従してウエハーを脱着させた。
【0037】なお、この静電チャックについては、具備
されたシースヒーターを用いて、これに25℃と400
℃の間の熱サイクルを1,000回繰り返したが、チャ
ック機能部及びプレート部とも反り及び割れは発生しな
かったし、また、スパッター装置にこのセラミックス製
静電チャックを取り付け、スパッターを150回行った
が、ウエハーにプレート部より発生するゴミは全く付着
しなかった。
【0038】[実施例2]実施例1と同様に作製したチ
ャック機能部とプレート部として金属シリコン円板を用
いて作製し、実施例1と同様の条件で接合し、得られた
静電チャックについて、実施例1と同条件にて25℃と
400℃の間の熱サイクルを1,000回繰り返した
が、チャック機能部及びプレート部とも反り及び割れは
発生しなかった。また、スパッター装置にこのセラミッ
クス製静電チャックを取り付け、スパッターを150回
行ったが、ウエハーにプレート部より発生するゴミは全
く付着しなかった。
【0039】[実施例3]アルミナ粉末92重量%と酸
化マグネシウム粉末2.0重量%と酸化ケイ素粉末6.
0重量%とからなる混合物100重量部に、ブチラール
樹脂8重量部、エタノール60重量部及びフタル酸ジオ
クチル12重量部を添加した後、ボールミル中で50時
間混練してスラリーを作製した。
【0040】次いで、このスラリーを真空脱泡機で処理
して、その溶剤を一部飛散させ、粘度30,000セン
チポイズのものとし、このスラリーからドクターブレー
ドを用いて厚さ0.7mmのグリーンシー卜を作り、こ
のグリーンシートから直径φ250mmの円板を2枚切
り出し、このグリーンシート円板1枚にタングステンペ
ーストを用いてスクリーン印刷で双極型電極を2.5m
mの間隔で同心円状に印刷した。また、残る1枚のグリ
ーンシート中心部にφ2mmの孔を開け、電極給電部と
した。
【0041】この積層体を100℃に加熱したプレスで
80kg/cm2の圧力をかけて一体化し、その後、水
素25%、窒素75%の雰囲気ガス中で1,650℃の
温度で焼結したところ、焼結体が得られ、このものの反
り量を3次元測定器にてφ200mm基材の面内を測定
したところ、8μmであった。次いでこの焼結体の両面
を研磨し、厚さ1.2mmの静電チャックを作製した。
【0042】更に、電極給電部からのぞいているタング
ステン電極にニッケルメッキ及び金メッキを施し、これ
にリード線を2本、融点700℃のロウ材でロウ付け
し、チャック機能部を作製した。
【0043】他方、チタン部材を用いてφ250mm、
厚さ20mmのプレート部を作り、このプレート部とチ
ャック機能部との間にφ200mm、厚さ50μmのア
ルミニウムと金属シリコンの合金箔からなる円板を挟
み、更にプレート部に形成した凹面部にシースヒーター
を、同様にアルミニウムと金属シリコンの合金からなる
粉末ペーストを充填して固定し、この積層体を炉内に入
れて真空雰囲気で600℃に熱処理したところ、このチ
ャック機能部と、プレート部とが一体化されて、セラミ
ックス製の高温耐性のある静電チャックが得られた。
【0044】次に、この静電チャックのリード線間にD
C±1kVの電圧を印加して直径8インチのシリコンウ
エハーの温度が300℃となるように加熱しながら静電
力テスターでその静電力を測定したところ、これは1k
g/cm2の大きさで、ウエハーの平面度矯正に十分な
ものであり、これは印加電圧を切断したところ、すばや
く追従してウエハーを脱着させた。
【0045】なお、この静電チャックについては、具備
されたシースヒーターを用いて、これに25℃と400
℃の間の熱サイクルを1,000回繰り返したが、チャ
ック機能部及びプレート部とも反り及び割れは発生しな
かった。また、スパッター装置にこのセラミックス製静
電チャックを取り付け、スパッターを150回行った
が、ウエハーにプレート部より発生するゴミは全く付着
しなかった。
【0046】[実施例4]実施例3と同様に作製したチ
ャック機能部とプレート部としてチタン合金の円板を用
いて作製し、実施例3と同様の条件で接合し、得られた
静電チャックについて、実施例1と同条件にて25℃と
400℃の間の熱サイクルを1,000回繰り返した
が、チャック機能部及びプレート部とも反り及び割れは
発生しなかった。また、スパッター装置にこのセラミッ
クス製静電チャックを取り付け、スパッターを150回
行ったが、ウエハーにプレート部より発生するゴミは全
く付着しなかった。
【0047】[比較例1]比較のために、上記チャック
機能部とプレート部を、アルミウム円板を用いて作製し
たプレート部とを実施例1と同条件で接合し、この静電
チャックについても、実施例1と同条件にて、これに2
5℃と400℃の間の熱サイクルを繰り返したが、65
サイクル目にチャック機能部に割れが生じてしまった。
【0048】
【発明の効果】本発明の静電チャックは、導電性、半導
電性、絶縁性の対象物を強く静電的に吸着保持し、容易
に脱着することができ、半導体や液晶の製造プロセスに
有用であり、特に本発明によれば、高温プロセスである
CVD、スパッタリング等においてもチャック機能部と
プレート部とが充分な接合性を有しており、割れ、剥
離、反りの発生を大幅に抑制し、かつ静電吸着力の安定
性が向上すると共に、静電チャック全体の均熱性を良好
にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 導電体電極 2 絶縁性誘電体層 3 チャック機能部 4 プレート部 5 凹状溝 6 ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大谷 義和 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 (72)発明者 小林 利美 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 Fターム(参考) 3C016 AA01 BA02 CE05 GA10 5F031 CA02 HA02 HA03 HA08 HA16 HA37 MA28 MA29 MA31 MA32 PA18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電体電極をセラミックスからなる絶縁
    性誘電体層で被覆してなるチャック機能部と、該チャッ
    ク機能部を支持するプレート部とを互いに接合してなる
    静電チャックにおいて、上記プレート部の非接合面側に
    凹状溝が形成され、この凹状溝内にヒーターが配設され
    ていることを特徴とする静電チャック。
  2. 【請求項2】 上記プレート部がタングステン、金属シ
    リコン、チタン及びこれらの金属を含有する合金の中か
    ら選ばれた一種以上からなることを特徴とする請求項1
    記載の静電チャック。
  3. 【請求項3】 上記セラミックスからなる絶縁性誘電体
    層が、窒化アルミニウム又は酸化アルミニウムを主成分
    とすることを特徴とする請求項1又は2記載の静電チャ
    ック。
  4. 【請求項4】 上記プレート部と上記セラミックスから
    なる絶縁性誘電体層とを接合する接合剤が、ガラス及び
    /又は金属ロウからなることを特徴とする請求項1、2
    又は3記載の静電チャック。
  5. 【請求項5】 上記プレート部の非接合面側に形成され
    た凹状溝の凹部と、ヒーターとを接着する接着剤が、ガ
    ラス及び/又は金属ロウからなることを特徴とする請求
    項1乃至4のいずれか1項記載の静電チャック。
  6. 【請求項6】 上記ヒーターがシースヒーターであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の静
    電チャック。
  7. 【請求項7】 導電体電極をセラミックスからなる絶縁
    性誘電体層で被覆したチャック機能部の片面にこれを支
    持するプレート部を接合剤を介して接合して静電チャッ
    クを製造するにあたり、上記プレート部の非接合面側に
    凹状溝を形成し、この凹状溝内に、接着剤を介してヒー
    ターを配設することを特徴とする静電チャックの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 上記絶縁性誘電体層がシート成型法、鋳
    込み成型法、プレス成型法又はCVD成膜法のいずれか
    により作成されたことを特徴とする請求項7記載の静電
    チャックの製造方法。
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