JPH0969555A - 静電チャック - Google Patents

静電チャック

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JPH0969555A
JPH0969555A JP22412895A JP22412895A JPH0969555A JP H0969555 A JPH0969555 A JP H0969555A JP 22412895 A JP22412895 A JP 22412895A JP 22412895 A JP22412895 A JP 22412895A JP H0969555 A JPH0969555 A JP H0969555A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】セラミックス製の基体中に、静電吸着用電極、
抵抗発熱体、プラズマ発生用電極の3層の金属層を埋設
すると、焼結時の熱膨張差によって基体に亀裂が生じた
り各電極が剥離または断線する等の問題点があった。 【解決手段】厚みT1 が3mm以上のセラミックスから
なる基体1上に、厚みT2 が0.5mm以上の金属製の
電極板2を接合し、さらに該電極板2の表面に厚みT3
が0.01〜0.5mmの窒化アルミニウム膜3を被着
して吸着面3aを形成し、静電チャックを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造装置等にお
けるシリコンウェハの固定、加熱、成膜加工等に用いる
静電チャックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体製造装置において、シ
リコンウェハのステージとして用いられる静電チャック
は、一般真空中で該ウェハの各種微細加工を行う際に要
求される加工面の平坦度や平行度を容易に実現すること
ができるため、好適に使用されている。
【0003】また、半導体素子の集積度が向上するに伴
い、静電チャックに要求される精度もより高度化してき
たため、セラミックス製静電チャックも使用されるよう
になってきている。
【0004】このような高精度のセラミックス製静電チ
ャックとしては、アルミナセラミックス中に内部電極と
して導電層を組み込んで一体焼結させるものがこれまで
よく知られている(特開昭62−264638号公報等
参照)。
【0005】ところで、蒸着やドライエッチングを行う
半導体の製造工程においては、ハロゲン系プラズマを利
用することが多いため、静電チャックの材質として耐プ
ラズマ性に優れた窒化アルミニウム質セラミックスを用
いることが、近年提案されている(特開平6−1513
32号公報等参照)。
【0006】また、このようなプラズマを利用した半導
体製造プロセスにおいては、ウェハを載置するステージ
にさまざまな機能が求められている。例えば、ウェハ温
度を一定に保つための温度制御機能、ウェハをステージ
に密着させるための静電吸着機能、さらにはプラズマ発
生用電極などである。
【0007】そして、これらの機能の全てを一体化され
た1つのステージでまかなえれば、コンパクトで極めて
効率の高いシステムができあがる。
【0008】このため、セラミックス製基体の内部に、
抵抗発熱体と静電吸着用電極およびプラズマ発生用電極
の三つの金属層を全て内蔵したオールインワン型の静電
チャックが研究されている。従来、このような静電チャ
ックは、各電極となる金属ペーストを窒化アルミニウム
のグリーンシート上に所定のパターンで印刷し、これを
積層して一体焼成することが一般的に行われている。
【0009】
【従来技術の課題】ところが、上記窒化アルミニウムか
らなる基体中に異質の金属層を三層も挟み込むと、焼結
時に熱膨張差によって基体に亀裂が生じたり金属層が剥
離または断線する等の問題点があった。
【0010】特に、抵抗発熱体は帯状パターンであるの
に対して、静電吸着用電極とプラズマ発生用電極は全面
パターンとする必要があるため、これら2つの全面パタ
ーンはセラミックス基体に対して、熱膨張差による影響
がより大きかった。
【0011】このような問題点を少しでも改善するため
に、電極厚みを30μm以下にまで薄くすることが考え
られるが、このようにするとプラズマ発生用電極に印加
可能な高周波電力が制限されるといった弊害が生じてい
た。
【0012】すなわち、30μm以下の電極に、200
W以上のプラズマを印加すると、電極自身が異常発熱す
ることによって十分なエッチングなどの加工を行うこと
ができないばかりか、ついには電極が焼き切れたり、セ
ラミックス基体が破損するなどの問題が生じていた。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、厚さ3
mm以上のセラミックスからなる基体上に厚さ0.5m
m以上の金属製の電極板を接合し、さらに該電極板の表
面に厚さ0.01〜0.5mmの窒化アルミニウム膜を
形成して吸着面とすることにより静電チャックを構成し
たものである。
【0014】即ち、本発明は、静電吸着用電極及びプラ
ズマ発生電極を厚さ0.5mm以上の金属製の電極板で
構成し、セラミックス製基体と金属製の電極板は互いの
熱膨張差を緩和できるような緩衝構造によって接合した
ものである。そのため、プラズマ発生用電極は十分な厚
みを持った電極板であることから、高周波に対して発熱
したり焼切れるような恐れもない。
【0015】また、本発明の静電チャックによれば、基
体へは厚み20μm以下の帯状薄膜パターンが抵抗発熱
体として一層だけ埋設したものであるため、一般的なセ
ラミックスヒータ同様極めて高い信頼性が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図によっ
て説明する。
【0017】図1に斜視図を、図2に断面図をそれぞれ
示すように、本発明の静電チャックは、セラミックス製
の基体1の上部に形成した凹部1aに金属製の電極板2
を配置し、この電極板2の表面に窒化アルミニウム膜3
を被着して吸着面3aを形成したものである。そして、
上記電極板2が静電吸着用電極となり、この電極板2に
通電すれば窒化アルミニウム膜3上の吸着面3aに、シ
リコンウェハ等の被吸着物を吸着させることができる。
【0018】上記基体1の材質としては、1010Ω・c
m以上の体積固有抵抗値と20W/m・K以上の熱伝導
率を有するセラミックスを用いるが、これは電極板2を
直接接合するうえで電気絶縁性を確保する必要があるこ
こと、シリコンウェハを高精度に加工するために均熱性
の良いことが欠かせないためである。そして、このよう
な特性を満たすものとして、窒化アルミニウム又はアル
ミナを主成分とするセラミックスを用いる。ただし、好
ましくは、より熱伝導率が高く均熱性に優れ、かつプラ
ズマに対する安定性の高い窒化アルミニウムを主成分と
するセラミックスを選定すべきである。
【0019】また、この基体1の厚みT1 は、後述する
電極板2を接合するときの応力に耐え得るために3mm
以上必要であり、かつ電極板2を配置する凹部1aを形
成できるように、電極板2の厚みT2 よりも基体1の厚
みT1 を大きくする必要がある。
【0020】この基体1の内部には抵抗発熱体4を埋設
し、これに通電するための給電端子5を備えている。た
とえば、基体1を成す窒化アルミニウム質セラミックス
の熱膨張率は5×10-6/℃であるため、抵抗発熱体4
の材質としては、基体1に近似した熱膨張率4〜6×1
-6/℃を有するタングステン等の金属を用い、好まし
くはこれらの金属に窒化アルミニウム成分を微量添加し
て基体1との密着性を高めたものを用いる。さらに、抵
抗発熱体4の厚みを30μm以下と薄くすることによっ
て、基体1との熱膨張差による影響を極めて小さくでき
る。
【0021】この抵抗発熱体4に通電することによっ
て、セラミックス製の基体1は所望の温度に保持するこ
とができる。
【0022】さらに、基体1には、電極板2への給電端
子6や、ガスを供給するためのパイプ7を備えている。
【0023】一方電極板2は、タングステン、モリブデ
ン、コバール等の熱膨張率が4〜6×10-6/℃の金属
からなっており、中央に貫通孔2aを有し上面に溝2b
を備えている。また、電極板2には給電端子6より通電
することによって、静電吸着用電極だけでなくプラズマ
発生用電極としても作用させることができる。この時高
圧のプラズマ発生用電圧を印加しても破損等を生じない
ようにするため、電極板2の厚みT2 は0.5mm以上
としてある。
【0024】この電極板2とセラミックス製の基体1と
の接合構造は、基体1に形成した凹部1aに電極板2を
嵌め込み、電極板2の下面を部分的にメタライズ部8で
接合してある。なお、メタライズ部8の代わりにネジ止
め等で機械的に接合してもよい。
【0025】このように、電極板2の材質として基体1
と熱膨張率が近似したものを用いるとともに、基体1と
電極板2を全面で接合せずに部分的に接合したことによ
って、両者の熱膨張差を緩和することができる。
【0026】なお、電極板2を基体1の凹部1a中に嵌
め込む構造としたのは、電極板2が半導体製造装置内へ
暴露してしまうと、プラズマによる異常放電が生じる可
能性があるためである。
【0027】また、基体1の下部に備えたパイプ3から
は、ヘリウムまたはアルゴンガスを導入することが可能
であり、これらのガスは基体1と電極板2との接合部の
隙間に導かれて両者間の熱伝導率を高くすることができ
る。さらに、これらのガスは貫通孔2aを通って吸着面
3aとシリコンウェハ等の被吸着物との間にも導かれ、
互いの熱伝達率を著しく高められることから、基体1の
温度をシリコンウェハ等の被吸着物に効果的に伝えるこ
とができる。なお、電極板2の上面には溝2bを形成し
てあることから、窒化アルミニウム膜3を形成した後の
吸着面3aにも溝3bが形成され、この溝3b中に上記
のガスが導かれて熱伝達をより高めることが可能であ
る。
【0028】一方、電極板2の上面及び基体1の周辺部
上面には窒化アルミニウム膜3を形成しているが、この
窒化アルミニウム膜3は周知の気相成長法、たとえば、
スパッタリング、イオンプレーティングなどのPVD法
や、プラズマCVD、MoCVD、熱CVDなどのCV
D法により形成することができる。このような、窒化ア
ルミニウム膜3は99%以上の窒化アルミニウム純度と
なるが、成膜過程で酸素が含まれる可能性がある。しか
し、酸素量が多すぎると、金属板2との密着性が低下す
る場合があるため、窒化アルミニウム膜3中の酸素含有
量は20原子%以下に制御することが望ましい。
【0029】また、窒化アルミニウム膜3の厚みT3
0.01〜0.5mmの範囲が良く、さらに望ましくは
0.2〜0.4mmが良い。この理由は、厚さが0.0
1mm未満になると耐電圧が小さくなるために絶縁破壊
を起こして耐久性が悪くなり、逆に厚みT3 が0.5m
mを越えると窒化アルミニウム膜3を形成するための時
間が長くなり、生産性が劣るからである。
【0030】次に、この静電チャックの作動について説
明する。
【0031】図3に示すように、電極板2に通電するた
めの給電端子6に静電吸着用電源10より1000V程
度の直流高電圧を印加すると、窒化アルミニウム膜3が
絶縁層として機能し、吸着面3aにシリコンウェハ等の
被吸着物9を静電吸着させることが可能となる。
【0032】また、上記給電端子6を介して電極板2に
プラズマ発生用電源12より高周波電圧を印加すること
もでき、真空装置内に静電チャックをセットすることに
より、プラズマを発生させることが可能となる。このと
き、電極板2は0.5mm以上の十分な厚みT2 を持っ
た金属単板であるため、上記高周波電圧を印加しても発
熱したり焼き切れるような恐れはない。
【0033】なお、電極板2に静電吸着用電源10の直
流高電圧とプラズマ発生用電源12の高周波電圧の両方
を印加する場合には、高周波をカットできるようなフィ
ルター11を静電吸着用電源10と給電端子6間に設置
すれば良い。
【0034】また、上記窒化アルミニウム膜3は高純度
で耐プラズマ性にも優れることから、吸着面3a上の被
吸着物9に悪影響を及ぼすことがなく、かつ長寿命とす
ることができる。
【0035】さらに、セラミックス製の基体1中に備え
た抵抗発熱体4は、30μm以下の厚みの帯状薄膜パタ
ーンが一層埋設されているだけであるため、一般的なセ
ラミックスヒータと同様に、極めて高い信頼性が得られ
る。
【0036】
【実施例】実験例1 ここで、実際に図1,2に示す本発明の静電チャックを
試作して、その効果を調べる実験を行った。
【0037】まず、窒化アルミニウム粉末に成形助剤お
よび溶媒を添加混合してスラリーを得た後、ドクターブ
レード法にて厚さ0.5mmのグリーンシートを複数枚
成形し、そのうちの1枚に、タングステン粉末と窒化ア
ルミニウム粉末を混合して粘度調整した抵抗体ペースト
をスクリーン印刷して抵抗発熱体4を形成する。
【0038】そして、上記抵抗発熱体4上に複数枚のグ
リーンシートを積層して80℃,50Kg/cm2 の圧
力で熱圧着し、その後切削加工を施して円盤状の板状体
としたのち真空脱脂を施し、2000℃程の温度で還元
焼成することによって、熱伝導率が100W/m・K、
体積固有抵抗値が1013Ω・cm、外形約φ8インチ、
厚みT1 が10mmの窒化アルミニウム質セラミックス
製の基体1を得た。
【0039】他にも、既に知られているようなそれぞれ
のセラミックスに見合った手法を用いて、表1に示す純
度99%の高純度アルミナ、窒化珪素および炭化珪素の
各セラミックスを用いた基体を製作した。
【0040】例えば、アルミナと窒化珪素はドクターブ
レード法で、炭化珪素はホットプレス法で製作するなど
したが、結果的に得られる基体はそれぞれの材料理論密
度の98%以上とした。また抵抗発熱体4の印刷パター
ンは全て同一とし、抵抗値は5Ω、厚みは30μm以下
とした。
【0041】得られた基体1の抵抗発熱体4に対して、
まず100Vの電圧を印加し400℃に発熱させるよう
な実験を行った。その後、基体1の表面の温度分布を温
度画像処理装置で確認したところ、窒化珪素からなる基
体1の温度分布は極端に悪く、実用に耐えないことが分
かった。この結果より、基体1の熱伝導率は20W/m
・K以上が必要であるといえる。
【0042】次に、厚みT2 が3mmのモリブデンから
なる電極板2を準備し、各々のセラミックス製の基体1
とボルトで部分的に締結し、再度加熱実験を行った。す
ると、炭化珪素製の基体1と締結した電極板2には抵抗
発熱体4への通電電流が漏れていることが確認され、炭
化珪素製の基体1では絶縁性が確保できないことがわか
った。ゆえに、基体1の体積固有抵抗値は少なくとも1
10Ω・cm以上が必要であるといえる。
【0043】
【表1】
【0044】実験例2 以上の実験において、セラミックス製の基体1の厚みT
1 は10mmに統一してきたが、ここで基体1の厚みT
1 と電極板2の厚みT2 を変更する実験を行った。
【0045】厚みT2 を種々に変化させた直径200m
mのモリブデン製の電極板2を用意し、同じように厚み
1 を種々に変化させた直径210mmの窒化アルミニ
ウム製の基体1の上面に、上記電極板2と同じ大きさの
凹部1aを形成し、この凹部1aに電極板2を嵌め込ん
だ。
【0046】そして、電極板2の外周部のみにチタン、
銅、銀等の一種以上からなる粉末ペーストを塗布し、真
空中で1000℃まで加熱することによって、基体1と
部分的なメタライズ接合を行った。
【0047】この結果、セラミックス製の基体1の厚み
1 が3mmより薄くなると、メタライズによって基体
1に反りが生じてしまったり、割れが発生したりして接
合不能であった。しかし、基体1の厚みT1 を3mm以
上にすると、反りもなく良好な接合体を得ることができ
た。一方、電極板2の厚みT2 を0.5mm以下にする
と、取扱いが困難であるばかりか、平坦度などの表面精
度が悪化し、実用に耐えられないことが分かった。
【0048】したがって、基体1の厚みT1 は3mm以
上、電極板2の厚みT2 は0.5mm以上必要である。
【0049】また、電極板2の材質については、モリブ
デン以外にタングステンまたはコバールであっても同様
の結果であった。さらに、基体1の材質については、ア
ルミナであっても窒化アルミニウムと同様の結果であっ
た。
【0050】ところで、セラミックス製の基体1と電極
板2との接合面積が全接触面積に対して20%を超える
と、加熱や冷却時にバイメタル効果によって大きな反り
が発生することが分かった。ゆえに、セラミックス製の
基体1と電極板2は、メタライズまたはネジ止めによっ
て全接触面積比20%以下、好ましくは10%以下の部
分的接合とすることが好ましい。
【0051】以上のようにして、セラミックス製の基体
1と電極板2を接合したサンプルを得た。
【0052】次に、モリブデンからなる電極板2の表面
に対して、熱CVD法により窒化アルミニウム膜3を成
膜した。反応ガスには塩化アルミニウムとアンモニア、
水素及び窒素を使用して、800〜1000℃の温度
で、50torr程の減圧下で窒化アルミニウム膜3を
形成した。形成される窒化アルミニウム膜3の厚みT
は成膜時間を制御することによって、所望の寸法に仕上
げることができるため、表2のようなさまざまな厚みT
の膜を得た。
【0053】これらに対し、実際に直流1000Vを印
加してシリコンウェハの被吸着物9を吸着させたとこ
ろ、厚みT3 が0.005mm以下のものは容易に絶縁
破壊してしまった。
【0054】これに対し、厚みT3 が0.01mm以上
のものは、絶縁破壊することなく安定して吸着可能であ
った。しかし、厚みT3 が0.5mmを越えると窒化ア
ルミニウム膜3の形成時間が長くなり、生産性が悪化す
ることが分かった。
【0055】また、吸着力も厚みT3 と関連があり、厚
みT3 が0.2〜0.4mmの範囲であればほぼ一定の
吸着力を得られるため静電チャックとして扱いやすいこ
ともわかった。
【0056】ゆえに、窒化アルミニウム膜3の厚みT3
は0.01〜0.5mmの範囲が良く、望ましくは0.
2〜0.4mmが良いといえる。
【0057】なお、電極板2の材質として、モリブデン
以外にタングステンおよびコバールを用いても同様の結
果であった。さらに、基体1が窒化アルミニウムでな
く、アルミナであっても同結果であったことはいうまで
もない。
【0058】
【表2】
【0059】実験例3 次に、本発明による静電チャックを実際にプラズマ発生
装置に組み込んで使用試験を行った。図3に示すよう
に、電極板2に通電するための給電端子6に、静電吸着
用電源10とプラズマ発生用電源12として13.56
MHzの高周波電源を接続し、また基体1の下部に設け
たパイプ7はアルゴンのガス供給ラインに接続した。
【0060】まず、静電吸着用電源10より1000V
の直流電圧を印加すると、60g/cm2 以上の吸着力
でシリコンウェハからなる被吸着物9が固定されるた
め、パイプ7から10g/cm2 程度の圧力でアルゴン
ガスを導入しても被吸着物9は固定されたままであっ
た。
【0061】この状態で、被吸着物9と窒化アルミニウ
ム膜3の隙間、および電極板2と基体1の隙間にはアル
ゴンガスが充填されるため、高い熱伝達率が確保され
る。そのため、抵抗発熱体4に電圧を印加することによ
って得られる静電チャックの熱は、被吸着物9へ効率よ
く伝達される。
【0062】ここで、装置内にフッ素系のガスを導き、
プラズマ発生用電源12から800W、13.56MH
zの高周波電力を電極板2に印加したところ、プラズマ
が発生した。このとき、電極板2は0.5mm以上の十
分な厚みT2 を持った金属単板であるため、高周波に対
して発熱したり焼き切れることはなかった。そのため、
被吸着物9であるシリコンウェハには所望の集積回路形
成が可能であることが確認された。
【0063】また、電極板2はモリブデン、タングステ
ン、コバールのいずれも同様に機能することを確認し
た。
【0064】一方、比較のために、従来技術からなる厚
み20μmのプラズマ発生用電極を埋設した一体焼結型
窒化アルミニウム静電チャックをテストしたところ、高
周波電力をONしたとたんにプラズマ発生用電極が焼き
切れ、テストの継続は不可能であった。
【0065】
【発明の効果】叙上のように、本発明の静電チャック
は、厚さ3mm以上のセラミックスからなる基体上に厚
さ0.5mm以上の金属製の電極板を接合し、さらに該
電極板の表面に厚さ0.01〜0.5mmの窒化アルミ
ニウム膜を形成して吸着面としたことによって、十分な
厚みを持った電極板を静電吸着用電極とともにプラズマ
発生用電極としても用いられることから、高周波に対し
て発熱したり焼切れるような恐れもない。
【0066】また、基体には加熱用の抵抗発熱体として
厚み30μm以下の帯状薄膜パターンを一層だけ埋設す
れば良いことから、一般的なセラミックスヒータ同様極
めて高い信頼性が得られる。
【0067】また、上記基体と電極板は部分的に接合
し、互いの接合界面にはヘリウムまたはアルゴンガスを
導入することによって、基体と電極板間の熱伝導率を高
くするとができ、被吸着物を好適に加熱することができ
る。
【0068】さらに、上記窒化アルミニウム膜は耐プラ
ズマ性に優れるため長寿命とできるとともに、気相成長
法により形成した窒化アルミニウム膜は高純度であるか
ら、被吸着物に悪影響を及ぼすことがない。
【0069】したがって、本発明の静電チャックは、特
に半導体製造工程におけるシリコンウェハの吸着固定に
好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電チャックを示す斜視図である。
【図2】図1中のX−X線断面図である。
【図3】本発明の静電チャックの配線図である。
【符号の説明】
1:基体 2:電極板 3:窒化アルミニウム膜 4:抵抗発熱体 5:給電端子 6:給電端子 7:パイプ 8:メタライズ部 9:被吸着物 10:静電吸着用電源 11:フィルタ 12:プラズマ発生用電源

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚さ3mm以上のセラミックスからなる基
    体上に厚さ0.5mm以上の金属製の電極板を接合し、
    さらに該電極板の表面に厚さ0.01〜0.5mmの窒
    化アルミニウム膜を被着した吸着面を具備したことを特
    徴とする静電チャック。
  2. 【請求項2】上記基体の内部には、加熱用の抵抗発熱体
    が埋設されていることを特徴とする請求項1に記載の静
    電チャック。
  3. 【請求項3】上記電極板には、静電吸着用の直流高電圧
    及び/又はプラズマ発生用の高周波電圧を印加し、静電
    吸着作用と共にプラズマ発生電極としても作用させるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の静電チャック。
  4. 【請求項4】上記基体と電極板は部分的に接合し、互い
    の接合界面にはヘリウムまたはアルゴンガスを導入でき
    るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の静電チ
    ャック。
  5. 【請求項5】上記基体は、1010Ω・cm以上の体積固
    有抵抗値を有し、20W/m・K以上の熱伝導率を有す
    るセラミックスからなり、電極板はタングステン、モリ
    ブデンまたはコバールからなることを特徴とする請求項
    1に記載の静電チャック。
JP22412895A 1995-05-09 1995-08-31 静電チャック Expired - Fee Related JP3370489B2 (ja)

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