JP3906087B2 - ウエハ支持部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハなどのウエハを保持する静電チャック、ヒータ内蔵型サセプタ、プラズマ発生機能を有するサセプタ等のウエハ支持部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置の製造工程においては、半導体ウエハ(以下、ウエハと略称する)を高精度に保持するために静電チャック、ヒータ内蔵型サセプタ、プラズマ発生機能を有するサセプタ等のウエハ支持部材が使用されている。
【0003】
例えば、図3に従来のウエハ支持部材51の一例である縦断面図を示すように、このウエハ支持部材51は、セラミック基体52の上面をウエハを載せる載置面55とし、セラミック基体52の内部上方に静電吸着用電極53を、内部下方にヒータ電極54をそれぞれ埋設したもので、上記載置面55にウェハ61を載せ、ウェハ61と静電吸着用電極53との間に直流電圧を印加することで、誘電分極によるクーロン力や微小な漏れ電流によるジョンソン・ラーベック力を発現させてウェハ61を載置面55に吸着保持させるとともに、ヒータ電極54に通電することによりウェハ61を加熱するようになっていた。
【0004】
また、上記セラミック基体52に埋設する静電吸着用電極53やヒータ電極54などの内部電極への給電構造は、その一例として図4にヒータ電極54への給電構造を示すように、セラミック基体52の下面56に給電端子58を取り付けるための固定孔60を上記内部電極54と連通するように穿設し、固定孔60の内壁面60aと底面60bにメタライズ層63を形成した後、外径が3〜10mm程度の給電端子58を挿入し、ロウ付け固定することにより導通を図るようにしたものがあった(特開平10―189696号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図4に示すような給電構造を持ったウエハ支持部材51では次のような課題があった。
【0006】
給電端子58をロウ付け固定する場合、900℃程度の高温に加熱しなければならないことから、大きな断面積を有する給電端子58をセラミック基体52の固定孔60にロウ付け固定すると、給電端子58とセラミック基体52との間の熱膨張差に起因して接合部分に歪みが残留し、十分な設計、検証がなされていないとセラミック基体52が破損するといった課題があった。しかも、接合することができたとしても、セラミック基体52と給電端子60との間に繰り返し熱応力が作用すると、固定孔60の内壁面からセラミック基体52の下面にかけてクラックが発生し易く、特に高温域で繰り返し使用する場合、耐久性に問題があった。
【0007】
また、セラミック基板52に埋設する内部電極54は厚みが数μmから数十μmと極めて薄い金属膜であることから、内部電極54に直接接合した給電端子58に数アンペアから数十アンペアもの電流を印加しながら加熱/冷却を繰り返すと、繰り返し疲労により給電端子58の挿入部先端面58aと固定孔60の内壁面に形成されたメタライズ層63との間に形成されているロウ材のメニスカス64の先端Pよりセラミック基体52の下面56に向かってマイクロクラック65が発生し、このマイクロクラック65が進展すると、内部電極54を横断して抵抗を変化させたり、断線を起こすといった課題があった。
【0008】
特に、セラミック基体52が比較的低熱膨の窒化アルミニウムからなり、給電端子58がタングステン、モリブデン、Fe−Ni−Co合金等の金属材からなる場合、窒化アルミニウムはセラミックスの中で機械的強度がそれほど大きくないこと、セラミック基体52と給電端子58との熱膨張差が大きいこと、等によりセラミック基体52にクラックが発生し易いものであった。
【0009】
また、このような問題はヒータ電極54への給電構造だけに限らず、同様の構造を有する静電吸着用電極53への給電構造にもあり、しかも、半導体プロセスの高スループット化や高精度化に伴い今まで以上の昇降温のスピードアップや静電吸着用電極53をRFプラズマ発生用電極と兼用し高周波を印加して大電流を流すことも多くなっていることから、上述したような課題がさらに発生し易くなっていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、セラミック基体の上面を、ウエハを載せる載置面とし、上記セラミック基体の内部に少なくとも一つの内部電極を備えるとともに、上記セラミック基体の下面に給電端子を取り付けるための固定孔を上記内部電極を貫通して穿設し、その内壁面にメタライズ層を形成した後、給電端子を挿入し、ロウ付け固定した上記給電端子の挿入部先端面と上記固定孔内壁面に形成したメタライズ層との間に形成されるロウ材のメニスカスを備えたウエハ支持部材において、上記給電端子の挿入部先端面を上記内部電極よりも上記セラミック基体の下面側に配置するとともに、上記給電端子の少なくとも挿入部先端面にセラミック粒子を塗布して、上記給電端子の挿入部先端面と上記固定孔内壁面に形成したメタライズ層との間に形成されるロウ材のメニスカスを小さくしたことを特徴とする。
【0011】
また、好ましくは上記セラミック粒子が窒化硼素であることが良い。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明のウエハ支持部材の一例を示す縦断面図で、セラミック基体2の上面を、ウエハ11を載せる載置面5とするとともに、セラミック基体2の内部上方に静電吸着用電極3を、内部下方にヒータ電極4をそれぞれ埋設したもので、セラミック基体2の下面6には静電吸着用電極3及びヒータ電極4にそれぞれ通電するための給電端子7,8をロウ付けにて接合してある。
【0014】
このようなウエハ支持部材1を構成するセラミック基体2としては、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、窒化硼素などのセラミックスで形成され、この中でも特に窒化アルミニウムは、セラミックスの中で高い熱伝導率を有することから、載置面5に吸着保持したウェハ11を所望の温度に直ちに加熱し、加熱ムラを生じることなく均一に加熱することができるとともに、成膜工程やエッチング工程で使用されているハロゲン系腐食性ガスに対して優れた耐蝕性を有することから、ウエハ支持部材1を構成するのに好適である。
【0015】
なお、上記ウエハ支持部材1の載置面5は、ウェハ11を歪ませることなく吸着保持するために、平坦度が10μm以下の極めて平坦な面に仕上げることが好ましい。
【0016】
また、静電吸着用電極3やヒータ電極4に通電するための給電端子7,8の材質としては、高い耐熱性を有するとともに、セラミック基体2の熱膨張係数に近似したものが良く、例えば、タングステン、モリブデン、タンタル、Fe−Ni−Co合金などの金属により形成すれば良い。これらの金属は500℃程度の高温下でも使用可能であるとともに、熱膨張係数が3×10-6〜7×10-6/℃とセラミック基体2の熱膨張係数(3×10-6〜7.8×10-6/℃)と近似していることから、セラミック基体2に加わる応力を軽減することができる。
【0017】
一方、セラミック基体2に埋設する静電吸着用電極3やヒータ電極4などの内部電極への給電構造としては、セラミック基体2の下面6に給電端子7,8を取り付けるための固定孔9,10を静電吸着用電極3及びヒータ電極4をそれぞれ貫通して穿設するとともに、給電端子7,8を固定孔9,10内にロウ付け固定するのであるが、給電端子7,8の挿入部先端面にセラミック粒子を付着させたことを特徴とする。
【0018】
以下、本発明のウエハ支持部材1における内部電極への給電構造を図2に示すヒータ電極4への給電構造を例にとって説明する。
【0019】
図2は図1のA部を示す拡大図で、セラミック基体2の下面6に給電端子8を取り付けるための固定孔10をヒータ電極4を貫通して穿設するとともに、固定孔10の内壁面、底面及びセラミック基体2の固定孔開口部周辺にメタライズ層13を形成してある。メタライズ層13の層厚みTとしては数十μm程度あれば良い。
【0020】
そして、固定孔10の内壁面10a及び底面10bにロウ材を塗布した後、給電端子8を挿入するのであるが、給電端子8の少なくとも挿入部先端面8aにセラミック粒子を付着させたものを挿入し、ロウ付け固定する。この時、ロウ材は給電端子8の挿入部先端面8aに有するセラミック粒子との濡れ性が悪く、給電端子8の挿入部先端面8aにロウ材が付着するのを防ぐことができるため、給電端子8の挿入部先端面8aと固定孔10の内壁面に形成されたメタライズ層13との間に形成されるロウ材のメニスカス14を小さくすることができる。その為、メニスカス14に作用する熱応力を大幅に低減することができるため、メニスカス14の先端よりセラミック基体2にクラックが発生するのを効果的に防止することができる。
【0021】
ところで、給電端子8の挿入部先端面8aに付着させるセラミック粒子としては、融点がロウ付け温度よりも高く、ロウ材との濡れ性が悪いものが良く、例えば、窒化硼素を用いる。
【0022】
使用するセラミック粒子の大きさについては特に限定するものではないが、平均粒径1.5μm以下の大きさを有するものであれば構わない。
また、これらのセラミック粒子を給電端子8に付着させるには、セラミック粒子を分散させた溶媒を給電端子8の少なくとも挿入部先端面8aに塗布しておくだけで付着させることができる。
【0023】
さらに、信頼性を高めるためには、給電端子8の挿入部先端面8aをヒータ電極4よりもセラミック基体2の下面6側に配置するとともに、給電端子8の挿入部先端面8aと固定孔10の内壁面に形成したメタライズ層13との間に形成されるロウ材のメニスカス14の先端からヒータ電極4までの距離Lを0.1mm以上とすることが好ましい。
【0024】
ここで、給電端子8の挿入部先端面8aと固定孔10の内壁面に形成したメタライズ層13との間に形成されるロウ材のメニスカス14とは、ロウ材の溜まりのことであり、その表面は滑らかな凹曲面形状をなす。また、このメニスカス14の先端とは、メタライズ層13との間に形成される鋭角部分の先を指し、具体的にはメニスカス14の表面に接線を引いたときに固定孔10の内壁面10aとの角度が10度になる点で図2ではQ点を指す。
【0025】
このように、給電端子8の挿入部先端面8aをヒータ電極4よりもセラミック基体2の下面6側に配置することで、熱膨張係数の大きな給電端子8の挿入部の容積を小さくすることができるため、メニスカス14の先端近傍のセラミック基体2に発生する最大応力を小さくすることができ、マイクロクラック15の発生を抑制することができる。
【0026】
また、仮にメニスカス14の先端近傍のセラミック基体2にクラック15が発生したとしても、給電端子8の挿入部先端面8aと固定孔10内のメタライズ層13との間に形成されるロウ材のメニスカス14をヒータ電極4よりもセラミック基体2の下面6側に配置することができるため、このクラックがヒータ電極4を横切るように発生することを抑制することができるとともに、給電端子8とヒータ電極4との通電はロウ材層及びメタライズ層13を介して確実に行うことができる。
【0027】
即ち、メニスカス14の先端近傍に発生したクラック15が進展する際にロウ材層やメタライズ層13に応力が作用したとしてもこれらの層は変形し易いことから、断線するようなことがなく、給電端子8とヒータ電極4との通電を確実に行うことができる。
【0028】
ただし、給電端子8の挿入部先端面8aと固定孔10内のメタライズ層13との間に形成されるロウ材のメニスカス14の先端Qからヒータ電極4までの距離が0.1mm未満であると、給電端子8の挿入部先端面8aをヒータ電極4よりもセラミック基体2の下面6側に配置してあったとしてもクラックの進展具合によってはヒータ電極4を横切る恐れがあり、信頼性が低い。
【0029】
その為、クラックが発生したとしてもヒータ電極4へ悪影響を与えないようにするためには、給電端子8の挿入部先端面8aと固定孔10の内壁面に形成したメタライズ層13との間に形成されるロウ材のメニスカス14の先端Qからヒータ電極4までの距離を0.1mm以上とすることが好ましく、給電端子8の接合強度を損なわない範囲でさらには0.5mm以上、望ましくは1mm以上とすることが良い。
【0030】
なお、図2ではヒータ電極4への給電構造を例にとって示したが、静電吸着用電極3への給電構造も同様の構造としてある。
【0031】
その為、本発明のウエハ支持部材1の載置面5に半導体ウェハ11(以下、ウエハと略称する)を載せ、静電吸着用電極3との間に電圧を印加することで誘電分極によるクーロン力や微小な漏れ電流によるジョンソン・ラーベック力を発現させ、ウェハ11を載置面5の平坦精度にならわせて吸着保持させるとともに、ヒータ電極4に電圧を印加することで、ウェハ11を均一に加熱することができる。また、加熱/冷却を繰り返したとしてもセラミック基体2の固定孔9,10よりクラックが発生し難く、仮にクラックが発生したとしても静電吸着用電極3やヒータ電極4を横切って断線させるようなことがないため、熱サイクルが作用する苛酷な条件下で使用したとしても安定した吸着力を発生させることができるとともに、安定して加熱させることができる。また、静電吸着用電極3よりプラズマを発生させるために給電端子7へ大電流を印加しても安定してプラズマを発生させることができる。
【0032】
以上、本実施形態では静電吸着用電極3とヒータ電極4を内蔵したウエハ支持部材1を例にとって説明したが、本発明はこの実施形態だけに限定されるものではなく、ヒータ電極やプラズマ発生用電極を内蔵したサセプタなど、セラミック基体2内に内部電極を内蔵するウエハ支持部材であれば好適に用いることができる。
【0033】
【実施例】
(実施例1)
ここで、図2に示す給電構造を持つ図1のウエハ支持部材1と、図4に示す給電構造を持つ図3のウエハ支持部材51を試作し、給電端子7,8,57,58の耐久性について調べる実験を行った。
【0034】
本実験で使用するウエハ支持部材1,51は、まず、平均粒子径が1.2μm程度である純度99%のAlN粉末にバインダーと溶媒のみを添加混合して泥漿を製作し、ドクターブレード法により厚さ0.4mm程度のグリーンシートを複数枚成形した。このうち2枚のグリーンシートにAlN粉末を混ぜたタングステン(W)のペーストをスクリーン印刷機でもって敷設して吸着用電極3,53及びヒータ電極4,54となる金属ペースト膜を形成した。そして、各金属ペースト膜を敷設したグリーンシートと残りのグリーンシートを積層して80℃、50Paの圧力で熱圧着してグリーンシート積層体を形成したあと、切削加工を施して円板状とし、円板状のグリーンシート積層体を真空脱脂し、しかるのち、真空雰囲気にて2000℃程度の温度で5時間焼成して焼結体を得た。そして、この焼結体に研削加工を施して外形φ200mm、厚み10mmのセラミック基体2に加工した。この時、セラミック基体2の載置面5から1mm深さの位置に静電吸着用電極3,53が埋設され、載置面5より5mmの位置にヒータ電極4,54が埋設されるようにした。また、静電吸着用電極3,53及びヒータ電極4,54はいずれも厚みが20μm程度とし、セラミック基体2,52の下面6,56には、静電吸着用電極3,53を貫通する、深さ9.2mmの固定孔9,59を2箇所穿設するとともに、ヒータ電極4,54を貫通する、深さ5.2mmの固定孔10,60を2箇所穿設した。
【0035】
なお、静電吸着用電極3,53と接続する給電端子7,57と固定孔9,59は、単極であれば通常1箇所で良いが、本実験では抵抗変化を確認するため、同一電極に2箇所設けた。
【0036】
そして、各固定孔9,10,59,60内のにAg−Cu−Ti系合金を用いてメタライズ層13,63を形成した後、図2及び図4に示す構造となるようにAg−Cu系ロウ材(重量比で8:2)を介してFe−Ni−Co合金からなる給電端子7,8,57,58を900℃の温度でロウ付け固定して各試料となるウエハ支持部材1,51をそれぞれ10個ずつ試作した。
【0037】
なお、給電端子7,8,57,58の挿入部の形状は、外径4mm、内径3mmの円筒状をなし、挿入部と反対側に外径6mmの鍔が付いたものを使用した。
【0038】
また、図2に示す給電構造においては、給電端子7,8の挿入部先端面8aに付着させるセラミック粒子には、平均粒径が0.5μmの窒化硼素を用いるとともに、給電端子7,8の挿入部先端面8aと固定孔9,10内のメタライズ層13との間に形成されるロウ材のメニスカス14の先端から静電吸着用電極3及びヒータ電極4までの距離も異ならせるようにした。
【0039】
そして、得られた各試料としてのウエハ支持部材1,51のヒータ電極4,54に通電を行って200℃/分で400℃まで昇温を行い、降温は自然冷却で50℃まで冷却する熱サイクル試験を行い、その間に静電吸着用電極3,53に高周波電流を10A、5秒間隔で通電した。それを1000サイクル行い、1000サイクル後の抵抗変化率を求め、試験前の抵抗変化率を基準としたときの抵抗上昇率が10%以下であったものを良好として判断した。なお、ここで判断基準を、試験前の抵抗変化率を基準としたときの抵抗上昇率が10%以下であるとしたのは、10%を超えると実用に供することができなくなるからである。なお、表1のメニスカスの先端から静電吸着用電極3までの距離における「−」とはメニスカスの先端が静電吸着用電極3から固定孔3の底面までの間にあることを指す。
【0040】
それぞれの結果は表1に示す通りである。
【0041】
【表1】
【0042】
この結果、従来の試料No.5,6のようにメニスカスの下に静電吸着用電極63があるものは抵抗変化が起こることがわかる。なお、抵抗変化が発生したものを切断して断面を観察したところ、固定孔からセラミック基体52の下面側に延びるマイクロクラックが発生していた。
【0043】
また、従来の試料No.7のようにメニスカスが静電吸着用電極54とセラミック基体52の下面56の間にあるものは、メニスカスに大きな応力が作用しセラミック基体52が破損した。
【0044】
これに対し、給電端子8の挿入部先端面8aにセラミック粉末16である窒化硼素粉末を塗布した試料No.1〜4は抵抗値の変化率が極めて少なく、特に試料No.3,4のようにロウ材のメニスカス先端と静電吸着用電極3の距離を0.1mm以上離した試料は、抵抗値の変化が無く更に好ましいものであった。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明よれば、セラミック基体の上面を、ウエハを載せる載置面とし、上記セラミック基体の内部に少なくとも一つの内部電極を備えるとともに、上記セラミック基体の下面に給電端子を取り付けるための固定孔を上記内部電極を貫通して穿設し、その内壁面にメタライズ層を形成した後、給電端子を挿入し、ロウ付け固定した上記給電端子の挿入部先端面と上記固定孔内壁面に形成したメタライズ層との間に形成されるロウ材のメニスカスを備えたウエハ支持部材において、上記給電端子の挿入部先端面を上記内部電極よりも上記セラミック基体の下面側に配置するとともに、上記給電端子の少なくとも挿入部先端面にセラミック粒子を塗布してあることから、給電端子の挿入部先端面と固定孔内壁面に形成したメタライズ層との間に形成されるロウ材のメニスカスを小さくすることができ、熱サイクルや電流サイクルなどによってメニスカスに作用する熱応力を大幅に低減することができるため、固定孔よりセラミック基体にマイクロクラックが発生することを大幅に低減することができる。
【0046】
また、上記給電端子の挿入部先端面を上記内部電極よりもセラミック基体の下面側に配置するとともに、上記給電端子の挿入部先端面と上記固定孔内壁面に形成したメタライズ層との間に形成されるロウ材のメニスカス先端から内部電極までの距離を0.1mm以上とすることにより、セラミック基体と給電端子との間に作用する熱応力をさらに小さくすることができるとともに、仮にマイクロクラックがセラミック基体に発生したとしても内部電極を横切るようなことがないため、内部電極への通電を確実に行うことができる。
【0047】
その為、加熱/冷却を繰り返すような苛酷な条件下や給電端子に大電流を流すような場合でも長寿命のウエハ支持部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエハ支持部材の一例を示す縦断面図である。
【図2】本発明のウエハ支持部材の主要部であるヒータ電極への給電構造を示す拡大断面図である。
【図3】従来のウエハ支持部材の一例を示す縦断面図である。
【図4】従来のウエハ支持部材におけるヒータ電極への給電構造を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1,51:ウエハ支持部材
2,52:セラミック基体
3,53:静電吸着用電極
4,54:ヒータ電極
5,55:載置面
6,56:セラミック基体の下面
7,8,57,58:給電端子
8a,58a:給電端子の挿入部先端面
9,10,59,60:固定孔
10a,60a:固定孔の内壁面
10b,60b:固定孔の底面
11,61:半導体ウェハ
13,63:メタライズ層
14,64:ロウ材のメニスカス
15,65:マイクロクラック
16:セラミック粉末
P,Q:ロウ材のメニスカスの先端
Claims (2)
- セラミック基体の上面を、ウエハを載せる載置面とし、上記セラミック基体の内部に少なくとも一つの内部電極を備えるとともに、上記セラミック基体の下面に給電端子を取り付けるための固定孔を上記内部電極を貫通して穿設し、その内壁面にメタライズ層を形成した後、給電端子を挿入し、ロウ付け固定した上記給電端子の挿入部先端面と上記固定孔内壁面に形成したメタライズ層との間に形成されるロウ材のメニスカスを備えたウエハ支持部材において、上記給電端子の挿入部先端面を上記内部電極よりも上記セラミック基体の下面側に配置するとともに、上記給電端子の少なくとも挿入部先端面にセラミック粒子を塗布してあることを特徴とするウエハ支持部材。
- 上記セラミック粒子が窒化硼素であることを特徴とする請求項1に記載のウエハ支持部材。
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