JP2003188247A - 静電チャック及びその製造方法 - Google Patents

静電チャック及びその製造方法

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JP2003188247A
JP2003188247A JP2001383282A JP2001383282A JP2003188247A JP 2003188247 A JP2003188247 A JP 2003188247A JP 2001383282 A JP2001383282 A JP 2001383282A JP 2001383282 A JP2001383282 A JP 2001383282A JP 2003188247 A JP2003188247 A JP 2003188247A
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electrostatic chuck
manufacturing
alumina
semiconductor wafer
insulator
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Naotoshi Morita
直年 森田
Masaaki Nakabayashi
正明 中林
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャック力のムラがなく、高いチャック力で
確実に被吸着物を吸着固定できる静電チャックを提供す
ること。 【解決手段】 アルミナを主成分とする絶縁体である基
体(3)の内部に、一対の内部電極(11)、(13)
を備えた静電チャック(1)において、基体(3)を構
成するアルミナ粒子間に、マグネシウムアルミニウムチ
タニウムからなる粒界相を1〜5重量%有している。ま
た、基体(3)内のアルミニウムチタニウムオキサイド
は、1重量%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体ウエ
ハーを製造する際に使用されるドライエッチング装置や
イオン注入装置において、半導体ウエハーの固定、平面
度矯正、搬送用などに用いることができる静電チャック
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、静電チャックは、例えば半導
体製造装置において、被吸着物である半導体ウエハーを
固定してドライエッチング等の加工を行ったり、半導体
ウエハーを吸着固定して反りを矯正したり、半導体ウエ
ハーを吸着して搬送するなどの目的で使用されている。
【0003】前記静電チャックとしては、例えば円盤状
のセラミック製の絶縁体(誘電体)の表面に、半導体ウ
エハーを吸着する吸着面(チャック面)を備えるととも
に、絶縁体の内部に単一の電極や一対の電極を埋設した
ものが知られている。この静電チャック(例えば一対の
電極を備えたもの)によって、半導体ウエハーを固定す
る場合には、一対の電極間に直流の高電圧を印加し、ク
ーロン力又はジョンソンラーベック力を発生させ、この
力を利用して半導体ウエハーを吸着して固定する。
【0004】上述した吸着力(チャック力)は、大きい
方が半導体ウエハーをしっかりと保持できるので、チャ
ック力を増加させるために、各種の技術が提案されてい
る。例えば特開昭62−94952号公報には、アルミ
ナに所定の遷移金属を混合し、還元雰囲気で焼成するこ
とで、アルミナ単体で静電チャックを製造した場合より
も、低い電圧でより大きなチャック力が得られる技術が
開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、静電チ
ャック内において、どのような成分をどの様に加えて、
どのような構成にすると、低い電圧でも大きなチャック
力を得られるかという研究は十分になされていないのが
現状である。
【0006】更に、静電チャックのチャック面における
チャック力を細かく調べてみると、面内にてチャック力
が大きく異なるという欠点、即ちチャック力に分布があ
ることが分かった。例えば半導体製造装置に静電チャッ
クが使われた場合、静電チャックは、単に半導体ウエハ
ーを吸着保持するだけでなく、ドライエッチング工程に
て発熱した半導体ウエハーの熱を奪い冷却するという目
的があるが、チャック力がその面内にて異なる(即ちチ
ャック力にムラがある)と、半導体ウエハーと静電チャ
ックとの接触状態にムラが生じるので、面内での半導体
ウエハーの冷却効率が異なってしまう。
【0007】その結果、半導体ウエハーが均一に冷却さ
れなくなるため、エッチングの程度(エッチングレー
ト)が半導体ウエハー面内で異なることになる。この半
導体ウエハー面内のエッチングレートが異なると、半導
体ウエハーの製造時の歩留まりが悪くなるとともに、製
品としての半導体ウエハー間にばらつきが生ずるという
問題があった。
【0008】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであり、チェック面にてチャック力が均一で、
しかも高いチェック力で確実に被吸着物を吸着固定でき
る静電チャック及びその製造方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】(1)請
求項1の発明は、アルミナを主成分とする絶縁体の内部
に電極を備えた静電チャックにおいて、絶縁体を構成す
るアルミナ粒子間に、マグネシウムアルミニウムチタニ
ウムからなる粒界相を、1〜5重量%析出させたことを
特徴とする静電チャックを要旨とする。
【0010】本発明では、アルミナ粒子間に、マグネシ
ウムアルミニウムチタニウムからなる粒界相を、(絶縁
体全体において)1〜5重量%析出させているので、電
極に低い電圧を印加した場合でも、大きなジョンソンラ
ーベック力を発生させることができ、高い吸着力で半導
体ウエハー等の被吸着物を吸着することができる。
【0011】つまり、体積固有抵抗が小さいと、大きな
ジョンソンラーベック力が得られるが、マグネシウムア
ルミニウムチタニウムの体積固有抵抗(1×108〜1
×1012Ω・m)は、アルミナと比べて小さいので、こ
のマグネシウムアルミニウムチタニウムを1〜5重量%
含む静電チャックは、大きなジョンソンラーベック力が
得られるのである。
【0012】また、本発明では、アルミナ粒子間に、マ
グネシウムアルミニウムチタニウムからなる粒界相を析
出させているので、即ち、絶縁体に均一に広がる粒界相
にマグネシウムアルミニウムチタニウムを析出させてい
るので、チャック面においてチャック力の分布が殆ど無
い。
【0013】これにより、本発明の静電チャックを使用
して例えば半導体ウエハーを製造する場合には、大きく
且つチャック面における均一なチャック力により、半導
体ウエハー全体をムラ無く吸着するので、ドライエッチ
ング工程にて発熱した半導体ウエハーを効率良く且つ均
一に冷却することができる。その結果、エッチングレー
トが均一になり、半導体ウエハーの製造時の歩留まりが
良くなるとともに、製品としての半導体ウエハー間にば
らつきが低減するという効果がある。
【0014】更に、本発明において、(融点の低い)マ
グネシウムアルミニウムチタニウムを5重量%以下とす
ることにより、焼成後の反りや膨れ等を防止できるの
で、好適である。尚、前記マグネシウムアルミニウムチ
タニウムとしては、MgAl8Ti625、Mg0.3Al
1.4Ti1.35、Mg0.6Al0.8Ti0.65等の化合物
が挙げられる。
【0015】(2)請求項2の発明は、前記絶縁体の体
積固有抵抗が、1×108〜1×1012Ω・mであるこ
とを特徴とする前記請求項1に記載の静電チャックを要
旨とする。体積固有抵抗が1×108Ω・m以上であれ
ば十分な絶縁性が得られ、例えば半導体ウエハーに電気
が流れることが無く半導体ウエハーを損傷することがな
いので好適である。一方、体積固有抵抗が11×1012
Ω・m以下であれば、高いジョンソンラーベック力が得
られるので好適である。
【0016】(3)請求項3の発明は、前記絶縁体内の
アルミニウムチタニウムオキサイドが、1重量%以下で
あることを特徴とする前記請求項1又は2に記載の静電
チャックを要旨とする。アルミニウムチタニウムオキサ
イド(Al2TiO5)は、その体積固有抵抗が1×10
12以上と高く、しかも、通常では、アルミニウムチタニ
ウムオキサイドは、絶縁体に部分的に生成し易いので、
アルミニウムチタニウムオキサイドが絶縁体内に析出す
ると、チェック面内にてチャック力がバラつく原因にな
る。
【0017】本発明では、アルミニウムチタニウムオキ
サイドが1重量%以下と僅かであるので、静電チャック
のチェック面内にてチャック力がバラつくことがない。
これにより、本発明の静電チャックを使用して例えば半
導体ウエハーを製造する場合には、チャック面における
均一なチャック力により、半導体ウエハー全体をムラ無
く吸着するので、ドライエッチング工程にて発熱した半
導体ウエハーを効率良く且つ均一に冷却することができ
る。その結果、エッチングレートが均一になり、半導体
ウエハーの製造時の歩留まりが良くなるとともに、製品
としての半導体ウエハー間にばらつきが低減するという
効果がある。
【0018】(4)請求項4の発明は、主成分であるア
ルミナに、マグネシウム又はマグネシアと、チタン又は
チタニアとの添加物を加えたセラミック原料を用いて、
成形体を作製し、該成形体を焼成して静電チャックを製
造することを特徴とする静電チャックの製造方法を要旨
とする。
【0019】本発明では、アルミナに、マグネシウム又
はマグネシアとチタン又はチタニアとの添加物を加えた
セラミック原料を用いることにより、絶縁体を構成する
アルミナ粒子間に、マグネシウムアルミニウムチタニウ
ムからなる粒界相を析出させることができる。
【0020】尚、マグネシウム又はマグネシアの添加量
としては、酸化物に換算して、0.5〜5重量を採用で
き、チタン又はチタニアの添加量としては、酸化物に換
算して、0.5〜5重量を採用できる。また、シリカ等
の焼結助剤を適宜加えてもよい。
【0021】(5)請求項5の発明は、前記請求項1〜
3のいずれかに記載の静電チャックを製造することを特
徴とする前記請求項4に記載の静電チャックの製造方法
を要旨とする。本発明は、請求項1〜3の静電チャック
を製造する方法として、請求項4の静電チャックの製造
方法を用いたものである。
【0022】(6)請求項6の発明は、アルミナを主成
分とするセラミック原料を用いて成形体を作製し、成形
体を焼成して静電チャックを製造する静電チャックの製
造方法において、焼成雰囲気として窒素と水素を混合し
た還元雰囲気を用いるとともに、水素の量を窒素の量よ
り多くしたことを特徴とする静電チャックの製造方法を
要旨とする。
【0023】セラミック原料の焼成時の還元雰囲気とし
ては、通常、N2とH2の混合ガスを用いるが、この混合
ガスの割合においてN2がH2より多くなると、上述した
Al 2TiO5相が部分的に生成し易くなる。そこで、本
発明では、N2ガスよりもH2ガスを多くすることによ
り、Al2TiO5相の析出を防止している。これによ
り、静電チャックのチャック面内におけるチャック力の
バラつきを防止することができる。
【0024】尚、N2ガスとH2ガスの量の好ましい割合
の範囲は、N2ガス:H2ガス=1:(2〜3)である。 (7)請求項7の発明は、請求項1〜3のいずれかに記
載の静電チャックを製造することを特徴とする請求項5
に記載の静電チャックの製造方法を要旨とする。
【0025】本発明は、請求項1〜3の静電チャックを
製造する方法として、請求項5の静電チャックの製造方
法を用いたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の静電チャックの
実施の形態の例(実施例)について説明する。 (実施例)ここでは、例えば半導体ウエハーを吸着保持
できるセラミック製の静電チャックを例に挙げる。
【0027】a)まず、本実施例の静電チャックの構造
について説明する。尚、図1は静電チャック装置を図2
のA−Aに対応する箇所にて破断して示す斜視図、図2
は静電チャックの電極面を示す説明図である。図1に示
す様に、本実施例の静電チャック1は、(例えば直径3
00mm×厚み3mmの)円盤状のセラミック体を基体
3としており、静電チャック1の一方の面(同図下方の
裏面)には、例えばインジウムからなる接合層5を介し
て、(例えば直径350mm×厚み20mmの)金属製
の円盤状のベース板7が接合されている。尚、静電チャ
ック1にベース板7が接合されたものを静電チャック装
置9と称する。
【0028】前記静電チャック1を構成する基材3は、
例えばアルミナ質の焼結体からなるセラミック製の絶縁
体(誘電体)であり、その体積固有抵抗は、1×108
〜1×1012Ωmである。また、静電チャック1の内部
(従って基体3の内部)には、一対の内部電極11、1
3が埋設されており、静電チャック1の他方の面(同図
上方の表面)は、半導体ウエハー15を吸着固定する吸
着面(チャック面)17とされている。
【0029】前記静電チャック1及びベース板7には、
それらを図1の上下方向に貫く貫通孔19が3箇所に設
けられるとともに、基体3の内部には、貫通孔19と連
通する連通孔21が設けられている。この貫通孔19及
び連通孔21は、チェック面17上に設けられた2つの
リング状の溝23に開口している。
【0030】従って、貫通孔19及び連通孔21を介し
て、ドライエッチング等の際に半導体ウエハー15を冷
却するためのHeガスを、ベース板7の裏側(図1の下
方)からチェック面17側に供給することができる。
尚、3箇所の貫通孔19は、チェック面17に吸着保持
した半導体ウエハー15を、ベース板7の裏側からピン
を挿入してチェック面17から剥がす際にも利用でき
る。
【0031】また、前記内部電極11、13は、図2に
示す様に、左右に対称な半円形の電極であり、互いの弦
が僅かの間隔を保って向き合うように配置されている。
この内部電極11、13には、同電極11、13に直流
の電圧を印加できるように、静電チャック1の基体3及
びベース板5を貫いて、リード部42、44(図3参
照)が接続されている。
【0032】更に、静電チャック1内には、内部電極1
1、13よりベース板7側に、半導体製造工程で加熱が
必要な場合に対応するために、ヒータ電極25(図3参
照)が配置されており、このヒータ電極25からも、ヒ
ータ電極25に(直流の)電圧を印加するために、静電
チャック1の基体3及びベース板7を貫いて、リード部
(図示せず)が形成されている。
【0033】尚、前記ベース板7は、例えばアルミニウ
ムからなる金属製であり、静電チャック1の全体を載置
するように、静電チャック1より大径とされている。上
述した構成の静電チャック1を使用する場合には、両内
部電極11、13間に、±3kVの直流電圧を印加し、
これにより、半導体ウエハー15を吸着する吸着力(ク
ーロン力及びジョンソンラーベック力)を発生させ、こ
の吸着力を用いて半導体ウエハー15を吸着して固定す
る。
【0034】b)次に、本実施例の静電チャック1の製
造方法について、図3に基づいて説明する。本実施例で
は、アルミナ粒子間の粒界相を構成するマグネシウムア
ルミニウムチタニウムの生成のために添加する添加物
は、マグネシアとチタニアである。マグネシアは、酸化
物や炭酸塩から任意に選定される。チタニアについて
も、酸化物等任意に選択される。マグネシアについて
は、酸化物に換算して重量比で、0.5〜5重量%の範
囲で添加する。チタニアについても、酸化物換算して重
量比で、0.5〜5重量%の範囲で添加する。
【0035】また、焼成は、還元雰囲気にて行うが、雰
囲気ガス中のN2ガスとH2ガスの混合割合が、誘電体で
ある基体3の体積固有抵抗値を均一にすることに重要な
要素となる。以下具体的に説明する。 (1)原料としては、主成分であるアルミナ粉末:92重
量%に、MgO:1重量%、CaO:1重量%、SiO
2:3重量%、TiO2:3重量%を混合して、ボールミ
ルで、50〜80時間湿式粉砕した後、脱水乾燥する。
【0036】(2)次に、この粉末に(粉末に対する割合
(外重量%)として)、メタクリル酸イソブチルエステ
ル:3重量%、ブチルエステル:3重量%、ニトロセル
ロース:1重量%、ジオクチルフタレート:0.5重量
%を加え、更に溶剤として、トリクロール−エチレン、
n−ブタノールを加え、ボールミルで混合して、流動性
のあるスラリーとする。
【0037】(3)次に、このスラリーを、減圧脱泡後平
板状に流し出して徐冷し、溶剤を発散させて、厚さ0.
8mmの第3アルミナグリーンシート31を形成する。 (4)また、タングステン粉末に若干のセラミック粉を混
ぜて、前記と同様な方法によりスラリー状にして、メタ
ライズインクとする。
【0038】(5)そして、前記第3アルミナグリーンシ
ート31上に、前記メタライズインクを用いて、通常の
スクリーン印刷法により、ヒータ電極25のパターン3
5を印刷する。 (6)次に、ヒータ電極25のパターン35を印刷した前
記第3アルミナグリーンシート31の表面に、第3アル
ミナグリーンシート35と同様にして製造した第2アル
ミナグリーンシート29を載置する。
【0039】(7)次に、第2アルミナグリーンシート2
9上に、タングステンメタライズインクを用いて、スク
リーン印刷法により、静電チャックパターン、即ち内部
電極11、13のパターン37、39を印刷する。 (8)次に、静電チャックパターン37、39を印刷した
第2アルミナグリーンシート29上と、第3アルミナグ
リーンシート21の下面側に、それぞれ同様な第1アル
ミナグリーンシート27と第4アルミナグリーンシート
33を重ねて熱圧着し、全体の厚みを約5mmとする。
【0040】尚、内部電極11、13は、(リード部4
2、44を構成する)スルーホール41、43により、
最下層の第4アルミナグリーンシート33裏面の引き出
して、各内部電極11、13に電圧を印加するたえの端
子(図示せず)を設ける。また、ヒータ電極25に関し
ても、同様にリード部(図示せず)を構成する。
【0041】(9)次に、熱圧着したシートを、所定の円
板形状(例えば8インチサイズの円板形状)にカットす
る。 (10)次に、カットしたシートを、N2ガス量よりH2ガス
量の方が多い還元雰囲気、即ち、N2:H2=1:3の還
元雰囲気にて、1400〜1600℃にて焼成する。こ
の焼成により、寸法が約20%小さくなるため、焼成後
のセラミック体の厚みは、約4mmとなる。
【0042】(11)そして、焼成後に、研磨によって、セ
ラミック体の全厚みを3mmとするとともに、チャック
面15の平面度が30μm以下となる加工する。 (12)次に、端子部にニッケルメッキを施し、更にこのニ
ッケル端子をロー付け又は半田付けして、本実施例の静
電チャック1を完成する。
【0043】尚、この静電チャック1は、その後、ベー
ス板7上に例えばインジウムを用いて接合され、静電チ
ャック装置9となる。 c)次に、本実施例の効果について説明する。本実施例
では、静電チャック1の基体3を構成するアルミナ粒子
間に、マグネシウムアルミニウムチタニウムからなる粒
界相を1〜5重量%析出させているので、内部電極1
1、13に低い電圧を印加した場合でも、大きなクーロ
ン力及びジョンソンラーベック力を発生させることがで
き、高い吸着力で半導体ウエハー15を吸着することが
できる。
【0044】また、本実施例では、アルミナ粒子間に、
マグネシウムアルミニウムチタニウムからなる粒界相を
析出させているので、チャック面においてチャック力の
分布が少ない。特に、本実施例では、焼成雰囲気として
2とH2を混合した還元雰囲気を用いるとともに、H2
の量をN2の量より多くしているので、(体積固有抵抗
値が大く、偏析し易い)Al2TiO5相が1重量%以下
と少なくなる。これにより、静電チャック1のチャック
面17内におけるチャック力のバラつきを防止すること
ができる。
【0045】従って、静電チャック1を使用して例えば
半導体ウエハー15を製造する場合には、大きく且つチ
ャック面17における均一なチャック力により、半導体
ウエハー15全体をムラ無く吸着するので、ドライエッ
チング工程にて発熱した半導体ウエハー15を効率良く
且つ均一に冷却することができる。その結果、エッチン
グレートが均一になり、半導体ウエハー15の製造時の
歩留まりが良くなるとともに、製品としての半導体ウエ
ハー15間にばらつきが低減するという効果がある。 (実験例)次に、本実施例の効果を確認するために行っ
た実験例について説明する。
【0046】ここでは、前記実施例と同様にして、N2
ガス量よりH2ガス量の方が多い還元雰囲気、即ち、
2:H2=1:3の還元雰囲気にて焼成を行って、本発
明品である静電チェックを得た。一方、比較例として、
2ガス量よりH2ガス量の方が少ない還元雰囲気、即
ち、N2:H2=2:1の還元雰囲気にて焼成を行って
(他の製造条件は実施例と同じ)、比較例である静電チ
ェックを得た。
【0047】そして、前記本発明品及び比較例品の静電
チャックに対して、X線回折法により、(体積固有抵抗
値の大きな)Al2TiO5相の生成の程度を測定した。
その結果を図4及び図5に示す。図4及び図5から明ら
かな様に、前記実施例の製造条件にて製造した本発明品
は、Al2TiO5相の量が少なく(1重量%以下)、結
果として、チャック面におけるチャック力のムラが少な
く、高いチャック力が得られるので好適である。
【0048】それに対して、前記比較例の製造条件にて
製造した比較例品は、Al2TiO5相の量が多く、結果
として、チャック面におけるチャック力のムラが多く、
高いチャック力が得らないので好ましくない。尚、本発
明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施し
うることはいうまでもない。
【0049】(1)例えば、前記実施例では、静電チャ
ック内に1対の内部電極を設けたが、それ以外に、静電
チャック内に1つの電極を埋設し、この埋設電極と被吸
着物(半導体ウエハー)側との間に電圧を加えて、クー
ロン力により、被吸着物をチャック面に吸着するように
してもよい。
【0050】(2)また、前記実施例では、チェック面
にHeガスを供給するように、溝、連通孔、貫通孔等を
設けたが、それらを省略してもよい。更に、貫通孔にて
ピンを通すようにしたが、その様なピンを通すための貫
通孔を設けなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の静電チャック装置を一部破断して示
す斜視図である。
【図2】 実施例の静電チャックの電極面を示す説明図
である。
【図3】 実施例の静電チャックを分解して示す説明図
である。
【図4】 本発明品の静電チャックに対するX線回折法
による実験結果を示すグラフである。
【図5】 比較例品の静電チャックに対するX線回折法
による実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…静電チャック 3…基体 7…ベース板 9…静電チャック装置 11、13…内部電極 15…半導体ウエハー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G030 AA07 AA08 AA16 AA36 AA37 BA01 CA05 CA08 GA26 5F031 CA02 HA02 HA03 HA16 HA37 HA40 MA31 MA32 NA05 PA14 PA20 PA30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナを主成分とする絶縁体の内部に
    電極を備えた静電チャックにおいて、 前記絶縁体を構成するアルミナ粒子間に、マグネシウム
    アルミニウムチタニウムからなる粒界相を、1〜5重量
    %析出させたことを特徴とする静電チャック。
  2. 【請求項2】 前記絶縁体の体積固有抵抗が、1×10
    8〜1×1012Ω・mであることを特徴とする前記請求
    項1に記載の静電チャック。
  3. 【請求項3】 前記絶縁体内のアルミニウムチタニウム
    オキサイドが、1重量%以下であることを特徴とする前
    記請求項1又は2に記載の静電チャック。
  4. 【請求項4】 主成分であるアルミナに、マグネシウム
    又はマグネシアと、チタン又はチタニアとの添加物を加
    えたセラミック原料を用いて、成形体を作製し、該成形
    体を焼成して静電チャックを製造することを特徴とする
    静電チャックの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記請求項1〜3のいずれかに記載の静
    電チャックを製造することを特徴とする前記請求項4に
    記載の静電チャックの製造方法。
  6. 【請求項6】 アルミナを主成分とするセラミック原料
    を用いて成形体を作製し、該成形体を焼成して静電チャ
    ックを製造する静電チャックの製造方法において、 焼成雰囲気として窒素と水素を混合した還元雰囲気を用
    いるとともに、前記水素の量を窒素の量より多くしたこ
    とを特徴とする静電チャックの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記請求項1〜3のいずれかに記載の静
    電チャックを製造することを特徴とする前記請求項6に
    記載の静電チャックの製造方法。
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