JP2003017552A - セラミックヒータ及びセラミックヒータ内臓型静電チャック - Google Patents

セラミックヒータ及びセラミックヒータ内臓型静電チャック

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JP2003017552A
JP2003017552A JP2001202016A JP2001202016A JP2003017552A JP 2003017552 A JP2003017552 A JP 2003017552A JP 2001202016 A JP2001202016 A JP 2001202016A JP 2001202016 A JP2001202016 A JP 2001202016A JP 2003017552 A JP2003017552 A JP 2003017552A
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Japan
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heating element
ceramic heater
power supply
electrostatic chuck
supply terminal
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Application number
JP2001202016A
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English (en)
Inventor
Sankaku Takagi
三鶴 高木
Masayuki Tsujimura
正之 辻村
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ONAHAMA SEISAKUSHO KK
Original Assignee
ONAHAMA SEISAKUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な手段によって発熱体と給電端子とを確
実に接触させることができ、酸化や熱膨張などによる接
触不良を防ぎ、さらには、発熱体の破損を抑制すること
ができるセラミックヒータ及び該セラミックヒータを内
臓した静電チャックを提供すること。 【解決手段】 セラミックス焼結体からなる上下2枚の
プレート間の溝状空隙内に発熱体を埋設し、かつ、下方
のプレートに形成したスルーホールに給電端子の先端部
をねじ込んで発熱体と接触させてなる多層構造のセラミ
ックヒータにおいて、発熱体と給電端子との間に少なく
とも2枚の金属薄膜を介在させたセラミックヒータ、並
びに該セラミックヒータを内蔵する静電チャック。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造プロセ
スや液晶製造プロセスなどで用いられるセラミックヒー
タ及びセラミックヒータ内蔵型静電チャックに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体や液晶を製造するプロセスなどに
おいて、様々な処理工程でシリコンウエハ(シリコン基
板)やガラス基板などの基板を加熱したり、基板を固定
して加熱することが必要とされる。そのような要求に応
えるために、例えば、抵抗発熱体をセラミックス中に一
体焼結したプレート型のセラミックヒータやセラミック
ヒータ内臓型静電チャックなどが開発されている。
【0003】具体的に半導体製造プロセスを例にとって
説明すると、該プロセスでは、単結晶シリコンのウエハ
表面に、MOSディバイスなどの半導体素子を作り、そ
れらを配線で接続することによりLSIが製造されてい
る。この半導体製造プロセスは、(1)高温かつ清浄な雰
囲気中で行われるシリコンの酸化や化学気相成長法(C
VD法)による酸化膜や窒化膜の堆積、(2)ディバイス
の不純物領域を形成するためのイオン注入と熱処理、
(3)ディバイス間の接続配線となる金属膜の堆積、及び
配線を絶縁する層間膜の形成、(4)堆積した種々の膜を
所望のパターンに形成する微細加工(リソグラフィ、エ
ッチングなど)、(5)全工程にわたって繰り返される洗
浄などの各工程により構成されている。
【0004】近年、半導体製造プロセスにおいて、生産
効率の向上とコスト低減のために、シリコンウエハの大
口径化が進められている。また、CVDなどの装置にお
いては、多数枚を一括加工する方式から、品質向上のた
めに、1枚または数枚程度を加工する方式が採用され、
装置の枚葉化が進められている。さらに、エッチングな
どの処理では、従来のウエットプロセスから、高微細加
工のために、プラズマや反応性ガスを用いたドライプロ
セスへと転換が進められている。
【0005】最近の半導体製造プロセスでは、シリコン
ウエハを固定(チャッキング)する方法についても、大
きな変革が求められている。半導体製造プロセスでは、
シリコンウエハを固定した状態で、エッチングやスパッ
タリングなどの処理工程が実施される。電子ビーム描画
装置においても、加減速運動を行うステージ上にシリコ
ンウエハを動かないように固定することが、描画位置誤
差を防ぐために必要である。
【0006】従来のクランプなどの把持具で機械的にシ
リコンウエハを固定する方式では、把持具が接触する箇
所に傷がつきやすく、しかも全面処理ができない。シリ
コンウエハを真空引きで吸着する真空チャックは、真空
条件下では圧力差がないために使用することができな
い。特に、ドライプロセスでは、常圧下でのウエット処
理とは異なり、真空下で正確な均一加熱や冷却が必要と
なるため、従来のクランプや真空チャックでは対応する
ことができない。
【0007】最近の半導体プロセスに適合し、かつ、上
記の問題点を解決するシリコンウエハの固定手段とし
て、静電チャックが注目されている。静電チャックは、
被吸着体(基板)とチャック(誘電体)との間に静電力
を発生させて吸着させる装置であり、その構造は、(1)
誘電体に1つの極を設け、誘電体上に吸着させる被吸着
体に反対極を結合したもの、(2)誘電体中に+極のみを
形成し、装置とプラズマ電位を一極にした単極形のも
の、(3)誘電体中に+と−の両極を形成した双極形のも
のに大別される。
【0008】静電チャックは、誘電体の材質により、高
分子系とセラミックス系の2つに大別される。高分子系
では、シリコーンゴム、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂
などがある。セラミックス系では、アルミナ、窒化アル
ミニウム(AlN)、熱分解窒化硼素(PBN)などが
ある。350℃以上の高温下や腐食性の強いプラズマや
ハロゲンガス下での使用には、耐熱性、耐プラズマ性、
耐食性、耐久性に優れたセラミックス系静電チャックが
選ばれる。
【0009】静電チャックは、圧力差のない真空下で
も、静電吸着力を利用して大型基板を均一に密着して固
定することができること、シリコンウエハをクランプす
る必要がないため、シリコンウエハの全面に微細加工が
可能であること、枚葉化やドライプロセス化に適用する
ことができること、シリコンウエハの温度制御を迅速か
つ均一に行うことができること、などの利点を有してい
る。
【0010】静電チャックとして、シリコンウエハやガ
ラス基板などの基板の温度を制御するために、ヒータを
内蔵した複合型の静電チャックが開発されている。特に
近年の枚葉式薄膜形成の技術分野では、従来にない高温
使用が可能な基板加熱用ヒータが必要になっている。
【0011】セラミックスを誘電体の基材として用いた
静電チャックは、高精度の埋設技術によって、セラミッ
クヒータと一体的に複合化することが可能となり、シリ
コンウエハなどの基板の表面温度を±1%以下で制御で
きるものが出現している。また、セラミックスを基材と
し、発熱体を埋設したプレート型のセラミックヒータ
も、基板の加熱のために単独で用いられている。
【0012】図6は、セラミックヒータ内蔵型静電チャ
ックの一例の構造を示す部分的な切り欠き図である。こ
のセラミックヒータ内蔵型静電チャックは、セラミック
スからなる誘電体層61、電極62、発熱体63、及び
セラミックスからなる絶縁層64から構成されており、
セラミックス焼結体製の多層基板の内層に電極や発熱体
などが埋設された構造を有している。表面65におい
て、シリコンウエハなどの基板を静電吸着力によって固
定する。発熱体63は、一般に、多層基板の内層の全面
に渦巻状やC字状などのパターンで配置されている。な
お、電極62及び発熱体63に接続する給電端子は、図
示していない。
【0013】図4及び5は、図6に示したセラミックヒ
ータ内蔵型静電チャックのセラミックヒータ部または独
立したセラミックヒータの構造の代表的な2つの具体例
を示す部分断面図である。図4は、窒化アルミニウムな
どのセラミックスにより形成された2枚のグリーンシー
トを重ね合わせて、一体焼結したセラミックヒータの断
面である。予め一枚のグリーンシートの表面に発熱体4
1を収納する溝状空隙43を設けておき、その溝状空隙
に発熱体を入れてから、他の一枚のグリーンシートと重
ね合わせて一体焼結している。各グリーンシートが焼結
されて成るプレート41及び42は、焼結により一体化
されて絶縁層を形成している。両グリーンシートは、接
合剤層を介して一体焼結してもよい。あるいは、2枚の
グリーンシートをそれぞれ焼結して成る2枚のプレート
同士を接合剤を介して接合してもよい。発熱体44は、
シート状であり、一般に、セラミックヒータの全体にわ
たって様々なパターンで配置されている。
【0014】図5に示すセラミックヒータは、前記と同
様、セラミックスにより形成された2枚のグリーンシー
トを重ね合わせて一体焼結した構造を有するものであ
る。このセラミックヒータでは、予め一枚のグリーンシ
ート上に様々なパターンで溝状空隙を形成しておき、タ
ングステン(W)ペーストなどの発熱体形成用ペースト
を印刷等の手段により該溝状空隙に充填してから、他の
一枚のグリーンシートを重ね合わせて一体焼結してい
る。予め一枚のグリーンシート上に発熱体形成用ペース
トをパターン状に印刷し、必要に応じて、残余部分に接
合剤をパターン状に印刷し、そして、それらの上から他
の一枚のグリーンシートを重ね合わせて一体焼結しても
よい。
【0015】2枚のグリーンシートが焼結されて成る2
枚のプレート51及び52は、焼結により一体化されて
絶縁層を形成している。溝状空隙53内には、焼結され
た発熱体54が充填されている。発熱体形成用ペースト
は、例えば、タングステン粉末にペースト用有機溶剤
(例えば、ブチルカルビトール、アクリル樹脂、フタル
酸ジブチルの混合物)を加えて調製する。この発熱体
は、ペーストタイプ発熱体と呼ばれている。
【0016】このような構造のセラミックヒータでは、
一般に、発熱体の正負両極に給電端子が接続されてい
る。これらの発熱体用給電端子は、スポット溶接方式ま
たはねじ込み方式により、発熱体と接続されている。し
かし、これらの接続方式には、下記に述べるような欠陥
があった。
【0017】図2は、スポット溶接による接続方式を示
す部分断面図である。図2に示すセラミックヒータは、
セラミックスにより形成された2枚のグリーンシートを
重ね合わせて、一体焼結したものである。下方のグリー
ンシートの表面に発熱体を収納する溝状空隙23を設け
ておき、該溝状空隙23にシート状発熱体24を入れて
から、他の一枚のグリーンシートと重ね合わせて一体焼
結している。各グリーンシートが焼結されて成るプレー
ト21及び22は、焼結により一体化されて絶縁層を形
成している。
【0018】一体焼結する前に、シート状発熱体24の
電極部と給電端子(リード)26の先端との間でスポッ
ト溶接が行われる。給電端子26は、下方のグリーンシ
ートに形成したスルーホール25から外部に導出され
る。
【0019】ところが、このスポット溶接方式は、(1)
シート状発熱体が薄いため、給電端子に外力が加わる
と、シート状発熱体が溶接部分から破壊されやすい、
(2)一体焼結時の焼結温度が高い(約1800℃)た
め、シート状発熱体の材質は、高融点金属に限定される
が、それによって、スポット溶接が不安定となり、溶接
部分が剥離しやすい、(3)給電端子が大気取り出しとな
るため、高温で大気中の酸素と反応して酸化物を形成す
るため、発熱体から剥離しやすい、などの問題があっ
た。
【0020】図3は、ねじ込みによる接続方式を示す部
分断面図である。図3に示すセラミックヒータは、セラ
ミックスにより形成された2枚のグリーンシートを重ね
合わせて、一体焼結したものである。下方のグリーンシ
ートの表面に発熱体を収納する溝状空隙33を設けてお
き、該溝状空隙33に発熱体34を充填してから、他の
一枚のグリーンシートと重ね合わせて一体焼結してい
る。各グリーンシートが焼結されて成るプレート31及
び32は、焼結により一体化されて絶縁層を形成してい
る。
【0021】下方のグリーンシートには、予め雌ねじ型
のスルーホール35が設けられている。一体焼結後、先
端部を雄ねじ型とした給電端子36をスルーホール35
にねじ込んで、発熱体34の電極部と給電端子36の先
端部とを接触させて接続させている。発熱体34として
は、シート状発熱体とペーストタイプ発熱体がある。
【0022】しかし、ねじ込みによる接続方式は、(1)
温度が上がると、発熱体の表面が酸化して給電端子との
接触部に酸化物を形成し、接続不良や絶縁状態になりや
すい、(2)セラミックヒータは、使用によって熱膨張と
収縮を繰り返すが、それにより、発熱体と給電端子との
間に接触不良が生じやすい、(3)発熱体と給電端子とい
う堅い物同士を緊密に接触させるには、平面で接触させ
て接触面積を確保する必要があり、そのために、シート
状発熱体などが接触するプレートに高い加工精度が要求
される、(4)ペーストタイプの発熱体の場合、給電端子
との接触部の面仕上げが困難である、(5)堅い物同士を
機械的にねじ込んで接触させるため、発熱体に無理な力
が加わって破損しやすい、などの問題があった。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、簡単
な手段によって発熱体と給電端子とを確実に接触させる
ことができ、酸化や熱膨張などによる接触不良を防ぎ、
さらには、発熱体の破損を抑制することができるセラミ
ックヒータ及び該セラミックヒータを内蔵する静電チャ
ックを提供することにある。
【0024】本発明者は、前記課題を達成するために鋭
意研究した結果、セラミックス焼結体からなる上下2枚
のプレート間の溝状空隙内に発熱体を埋設し、下方のプ
レートに形成したスルーホールに給電端子の先端部をね
じ込んで発熱体と接触させてなる多層構造のセラミック
ヒータにおいて、発熱体と給電端子との間に少なくとも
2枚の金属薄膜を介在させる方法に想到した。
【0025】発熱体と給電端子との間に金属薄膜を多層
配置すると、金属薄膜層のバネ性によって両者が確実に
接触して電気的に接続され、しかも給電端子の機械的な
押し付けによる破損から発熱体を保護することができ
る。また、金属薄膜層が高融点金属からなる発熱体表面
の空気層を少なくするため、発熱体表面の酸化を防ぐこ
とができる。さらに、金属薄膜の多層構造のために、熱
膨張や収縮による接触不良が防止される。本発明は、こ
れらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、セラミックス焼結体からなる上下2枚のプレート間
の溝状空隙内に発熱体を埋設し、かつ、下方のプレート
に形成したスルーホールに給電端子の先端部をねじ込ん
で発熱体と接触させてなる多層構造のセラミックヒータ
において、発熱体と給電端子との間に少なくとも2枚の
金属薄膜を介在させたことを特徴とするセラミックヒー
タが提供される。
【0027】また、本発明によれば、セラミックス焼結
体からなる上下2枚のプレート間の溝状空隙内に発熱体
を埋設し、かつ、下方のプレートに形成したスルーホー
ルに給電端子の先端部をねじ込んで発熱体と接触させて
なる多層構造のセラミックヒータを内蔵したセラミック
ヒータ内蔵型静電チャックにおいて、発熱体と給電端子
との間に少なくとも2枚の金属薄膜を介在させたことを
特徴とするセラミックヒータ内蔵型静電チャックが提供
される。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明について、図1を参照しな
がら説明する。図1は、本発明のセラミックヒータの構
造を示す部分断面図である。プレート1及び2から成る
多層構造の内部に溝状空隙3が設けられており、この溝
状空隙3内に、発熱体4が埋設されている。溝状空隙3
の所定箇所に連通するスルーホール5に、給電端子6が
ねじ込まれる。スルーホール5は、雌ねじ型に形成され
ており、給電端子の先端部は、雄ねじ型に形成されてい
る。発熱体4と給電端子6との間に、少なくとも2枚の
金属薄膜7が挿入されている。
【0029】プレート1及び2は、それぞれセラミック
ス材料から形成されたグリーンシートを重ね合わせて一
体焼結したものである。下方のグリーンシートには、予
め溝状空隙3を形成しておく。発熱体は、一般に、セラ
ミックヒータの全体にわたって分布するように、渦巻状
やC字状などの様々なパターンで配置されている。溝状
空隙3は、発熱体の分布に応じたパターンで形成され
る。
【0030】溝状空隙3内にシート状発熱体4を入れた
後、その上から他の一枚のグリーンシートを重ね合わせ
て一体焼結する。必要に応じて、2枚のグリーンシート
の間に接合剤層を設けてもよい。発熱体がペーストタイ
プである場合には、前述の如きペーストを溝状空隙内に
充填してから一体焼結する。
【0031】原料のセラミックスとしては、例えば、窒
化アルミニウム(AlN)、窒化硼素、熱分解窒化硼素
(PBN)、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化ケイ素、酸
化ジルコニウム、酸化チタニウム、アルミナなどの粉末
が挙げられる。これらのセラミックス粉末は、それぞれ
単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。これらの中でも、窒化アルミニウム粉末が好
ましい。
【0032】グリーンシートは、セラミックス粉末を主
成分とするスラリーを例えばドクターブレード法にてシ
ートに成形することにより作成することができる。各グ
リーンシートは、所定の形状に打ち抜き加工した後、必
要に応じて、ドリル加工や打ち抜き加工などによりスル
ーホールなどを形成してもよい。また、セラミックス粉
末を含有するスラリーをスプレードライヤーを用いて造
粒した後、造粒粉を金型成形やプレス成形して、所定形
状のグリーンシートに成形してもよい。
【0033】一般に、下方に配置されるグリーンシート
の表面に、発熱体を埋設するための溝状空隙をパターン
状に形成しておく。溝状空隙は、プレス加工やエンボス
加工などにより、グリーンシートの表面に設けることが
できる。発熱体の正負両極に給電端子(リード)を接続
するために、下方のグリーンシートには、溝状空隙の所
定箇所に連通するスルーホールを形成する。スルーホー
ルは、通常、2個以上設けられ、その形状は、給電端子
の先端部の雄ねじ型を螺合することができる大きさの雌
ねじ型とする。スルーホールは、孔開け加工を行うこと
により形成される。
【0034】下方のグリーンシートの溝状空隙にシート
状発熱体または発熱体用ペーストを充填した後、他の一
枚のグリーンシートを位置決めして重ね合わせ、その状
態で所定圧力にて真空プレスを行う。それによって、2
枚のグリーンシートが一体化した積層体が得られる。こ
の積層体を、常圧下にて数十℃から百数十℃の温度で所
定時間加熱することにより乾燥させる。
【0035】乾燥後、グリーンシート積層体を焼結する
が、その前に、脱脂工程及び仮焼結工程を配置してもよ
い。脱脂工程は、通常、真空下または窒素などの非酸化
性雰囲気下にて、250〜700℃の温度に加熱するこ
とによって行われる。仮焼結工程は、通常、窒素などの
非酸化性雰囲気下にて900〜1600℃の温度に加熱
することによって行われる。次に、グリーンシート積層
体またはその仮焼結体を、焼結炉内に配置し、1700
℃以上の温度にて所定時間かつ所定圧力のホットプレス
焼結を行う。焼結工程の後、必要に応じて、研削機など
を用いてセラミックヒータの外形加工や面出し加工を行
うことができる。
【0036】2枚のグリーンシートを焼結してから、接
合剤を用いて接合してもよい。窒化アルミニウム(Al
N)の焼結プレート同士を接合するには、例えば、Al
N粉末、イットリウム化合物粉末、酸化リチウム粉末な
どの混合物から調製した結合剤ペーストを用いることが
好ましい。接合は、1500〜1900℃の温度で加熱
加圧することにより行うことができる。
【0037】セラミックヒータの形状及び大きさは、そ
れを使用するシリコンウエハなどの基板の形状と大きさ
に応じて適宜定めることができる。セラミックヒータの
形状は、多くの場合、円形である。その直径は、通常、
50〜500mmφ、好ましくは100〜400mmφ
程度である。
【0038】図6に示すような構造を有するセラミック
ヒータ内臓静電チャックは、さらに多数枚のグリーンシ
ートを使用し、常法に従って、多層に積層することによ
り、電極及び発熱体を埋設した積層体を作成し、そし
て、焼結することにより製造することができる。
【0039】発熱体としては、シート状発熱体及びペー
ストタイプの発熱体が用いられる。シート状発熱体は、
通常、タングステン、モリブデン、タンタルなどの金属
材料から形成される。シート状発熱体の厚みや幅など
は、セラミックヒータの大きさや溝状空隙の形状や大き
さなどによって適宜定めることができる。一般に、シー
ト状発熱体の厚みは、通常0.05〜0.5mm、好ま
しくは0.1〜0.2mm程度であり、その幅は、通常
5〜20mm、好ましくは3〜10mm程度である。
【0040】ペーストタイプの発熱体としては、タング
ステン(W)粒子を含有する導電性ペーストが代表的な
ものである。ペーストタイプの発熱体の幅や厚みは、シ
ート状発熱体と同様である。このような発熱体は、セラ
ミックヒータの全面にわたって、例えば、渦巻状やC状
などのパターンで配置される。
【0041】発熱体と給電端子との間に介在させる金属
薄膜は、ニッケル、金などの金属材料から形成される。
金属薄膜の厚みは、通常、10〜100μm、好ましく
は50〜80μm程度である。金属薄膜は、スルーホー
ルの口径に合う大きさに裁断し、所要枚数をスルーホー
ル内に入れて、発熱体と接触させる。金属薄膜は、折り
畳んだ形状でスルーホールに入れてもよい。金属薄膜を
折り畳んだ場合には、その枚数は、折り畳みによって重
なった枚数を意味することとする。例えば、1枚の金属
薄膜を一回折り畳んで使用すると、金属薄膜2枚と数え
る。
【0042】金属薄膜の枚数は、2枚以上であるが、通
常、2〜30枚、好ましくは3〜20枚、より好ましく
は4〜10枚程度である。発熱体と給電端子との間に金
属薄膜を多層配置することにより、発熱体と給電端子と
密着度が高まるとともに、発熱体に無理な力が加わるの
を防止することができる。また、金属薄膜層が高融点金
属からなる発熱体表面の空気層を少なくするため、発熱
体表面の酸化を防ぐことができる。さらに、金属薄膜の
多層構造のために、熱膨張や収縮による接触不良が防止
される。
【0043】金属薄膜の枚数が1枚であると、金属薄膜
層のバネ性の発現が困難になって、発熱体と給電端子と
を確実に接触させて電気的に接続することが困難にな
り、給電端子の機械的な押し付けによる破損から発熱体
を保護することも困難になる。金属薄膜の枚数が多すぎ
ると、接続部が嵩張り、また、金属薄膜層による作用効
果が飽和する。
【0044】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明についてより
具体的に説明する。
【0045】[実施例1]窒化アルミニウム粉末とメタ
ノールを混合してスラリーを作成し、該スラリーをドク
ターブレードを用いてグリーンシートに成形した。グリ
ーンシートを打ち抜き加工して、直径300mmφ、厚
み8mmの円形シートに成形した。このグリーンシート
には、幅8mm、深さ0.4mmの溝状空隙をパターン
状に形成した。また、このグリーンシートの所定箇所
(2箇所)に、直径4mmφの雌ねじ型のスルーホール
を穴あけ加工した。一方、同じスラリーから直径300
mmφ、厚み8mmの円形のグリーンシートを作成し
た。発熱体として、モリブデンから形成された幅6m
m、厚み0.1mmのシート状発熱体を用いた。
【0046】この発熱体シートを溝状空隙に挿入し、そ
の上からもう一枚のグリーンシートを重ね合わせて、真
空プレスして一体化したグリーンシート積層体を作成し
た。この積層体を加熱乾燥後、1300℃で仮焼結し、
次いで、1900℃でプレス焼結した。その後、ニッケ
ル製の金属薄膜(厚み20μm)を20枚重ねてスルー
ホール内に充填し、その上に給電端子の先端部をねじ込
んだ。このようにして得られたセラミックプレートは、
使用温度600℃での面内温度分布が±1%以下であ
り、均熱性に優れていた。また、このセラミックプレー
トは、耐久性に優れており、長期間にわたって繰り返し
使用しても、発熱体と給電端子との間の接続不良などの
不都合の生じることがないものであった。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な手段によって発
熱体と給電端子とを確実に接触させることができ、酸化
や熱膨張などによる接触不良を防ぎ、さらには、発熱体
の破損を抑制することができるセラミックヒータ及び該
セラミックヒータを内臓した静電チャックが提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックヒータの一例の部分断面図
である。
【図2】スポット溶接による発熱体と給電端子との接続
例を示す断面図である。
【図3】給電端子のねじ込みに発熱体との接続例を示す
断面図である。
【図4】従来のセラミックヒータの一例の部分断面図で
ある。
【図5】従来のセラミックヒータの他の例の部分断面図
である。
【図6】セラミックヒータ内臓型静電チャックの一例の
部分切り欠き図である。
【符号の説明】
1:セラミックプレート 2:セラミックプレート 3:溝状空隙 4:発熱体 5:スルーホール 6:給電端子 7:金属薄膜層 21:セラミックプレート 22:セラミックプレート 23:溝状空隙 24:発熱体 25:スルーホール 26:給電端子 31:セラミックプレート 32:セラミックプレート 33:溝状空隙 34:発熱体 35:スルーホール 36:給電端子 41:セラミックプレート 42:セラミックプレート 43:溝状空隙 44:シート状発熱体 51:セラミックプレート 52:セラミックプレート 53:溝状空隙 54:ペースト成形した発熱体 61:誘電体層 62:電極 63:発熱体 64:絶縁体層 65:表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K034 AA02 AA10 AA34 AA37 BA06 BA17 BB06 BB14 BC02 BC17 JA10 3K092 PP20 QA05 QC02 QC20 QC32 QC43 QC59 QC64 RF03 RF11 RF17 RF27 VV09 VV35 VV40 5F031 CA02 CA04 HA03 HA16 HA17 HA37 PA30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス焼結体からなる上下2枚の
    プレート間の溝状空隙内に発熱体を埋設し、かつ、下方
    のプレートに形成したスルーホールに給電端子の先端部
    をねじ込んで発熱体と接触させてなる多層構造のセラミ
    ックヒータにおいて、発熱体と給電端子との間に少なく
    とも2枚の金属薄膜を介在させたことを特徴とするセラ
    ミックヒータ。
  2. 【請求項2】 セラミックス焼結体からなる上下2枚の
    プレート間の溝状空隙内に発熱体を埋設し、かつ、下方
    のプレートに形成したスルーホールに給電端子の先端部
    をねじ込んで発熱体と接触させてなる多層構造のセラミ
    ックヒータを内蔵したセラミックヒータ内蔵型静電チャ
    ックにおいて、発熱体と給電端子との間に少なくとも2
    枚の金属薄膜を介在させたことを特徴とするセラミック
    ヒータ内蔵型静電チャック。
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