JP2000100919A - 静電チャックおよびその製造方法 - Google Patents

静電チャックおよびその製造方法

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JP2000100919A
JP2000100919A JP28891498A JP28891498A JP2000100919A JP 2000100919 A JP2000100919 A JP 2000100919A JP 28891498 A JP28891498 A JP 28891498A JP 28891498 A JP28891498 A JP 28891498A JP 2000100919 A JP2000100919 A JP 2000100919A
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ceramic
electrode
plate
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JP28891498A
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Ichiro Uchiyama
一郎 内山
Koichi Terao
公一 寺尾
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反りが小さく内部電極とセラミックス本体と
の密着力が向上したセラミックス製の静電チャックを提
供する。 【解決手段】 静電チャック10は、窒化アルミニウム
焼結体からなる板状体1と、板状体1の内部に設けられ
た電極2とを備える。電極2は、タングステンまたはモ
リブデンのマトリックス中に窒化アルミニウム粒子なら
びにCaOおよびY2 3 の焼結助剤粒子が分散された
組織を有する導電性複合材料からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電気力により材
料を吸着保持する静電チャックに関し、特に、半導体製
造装置、スパッタリング装置、蒸着装置等においてシリ
コンウェーハ等を保持するために用いられる静電チャッ
クに関する。
【0002】
【従来の技術】静電チャックは、基材に支持される電極
上に誘電体層を設け、誘電体層に覆われた電極と誘電体
層上に置かれた材料との間に電圧を印加し、両者の間に
発生した静電気力によって材料を吸着保持する装置であ
る。たとえば半導体製造プロセスにおいて用いられる静
電チャックは、プラズマ等の苛酷な環境下で使用される
ため、耐熱性や耐食性が要求される。また、ウェーハの
エッチング処理等において処理面の均質性を向上させる
ため、ウェーハの均熱性に寄与できる材料を静電チャッ
クに用いることが望ましい。さらに、吸着力の面内均一
性を確保するため、電極上に設けられる誘電体層の厚み
を均一にすることが要求される。
【0003】特開平5−36819号公報は、窒化ケイ
素、窒化アルミニウムなどの窒化物を主成分とするセラ
ミックス板状体に内部電極を備え、該セラミックス板状
体の表面に物体を吸着するための面が形成された静電チ
ャックを開示する。同公報に開示される1つの方法にお
いて、セラミックス原料は板状に成形され、得られた成
形体上に銀、パラジウム、白金などからなる電極を形成
した後、その上に板状成形体を積層し、一体焼成するこ
とにより、内部電極を有するセラミックス板状体が得ら
れる。また、同公報に開示されるもう1つの方法におい
て、シート状セラミックス成形体が焼成され、得られた
複数枚の焼結体がTi基合金からなる活性金属を用いて
接合され、この活性金属層が内部電極とされる。さら
に、セラミックス板状体の吸着面と反対側の面に電極を
形成し、接着剤、ガラス、シリコーン樹脂等の接合剤を
介して金属材またはセラミックス材のベース板を電極上
に固定し、内部電極を得ることもできる。これらの方法
のうち、接合剤または活性金属を用いる方法では、接合
部分がプラズマ照射や熱により劣化し、汚染が発生した
り絶縁性が破壊される問題があった。また、これらのう
ち一体焼成する方法では、得られる焼結体に反りが発生
したり、電極部が剥離したりすることがあった。そのよ
うな場合、吸着力の面内均一性や長時間使用のための信
頼性は十分に確保することができない。また、窒化物の
焼結体を得る場合、一般に不活性雰囲気または還元雰囲
気中において1600℃以上の高温が必要である。その
ような高温において銀等の金属は溶融するため、同公報
に開示される一体焼成する方法は、場合によっては実施
が困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した反りの発生および電極部の剥離を効果的に防止する
ことができる静電チャックの構造および製造方法を提供
することである。
【0005】本発明のさらなる目的は、抜熱および吸着
力について面内均一性に優れた大型の静電チャックを提
供することである。
【0006】本発明のさらなる目的は、耐熱性や耐久性
に優れた大型の静電チャックを提供することである。
【0007】本発明のさらなる目的は、一般的なカーボ
ン焼成炉を用いて低コストで製造できる信頼性の高い静
電チャックおよびその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、収縮挙動や
熱膨張係数の異なるセラミックスと金属とを同時に焼成
することが上述した反りの発生および電極部の剥離の主
な原因であることを見出した。そして、セラミックス内
に設けられる電極の材料として、タングステン(W)お
よびモリブデン(Mo)の少なくともいずれかとセラミ
ックスとの複合材料を用いることにより、焼結体の反り
および電極部の剥離を抑制することができ、さらに電極
上に設けられる誘電体層の厚みを均一にでき、抜熱およ
び吸着力の面内均一性に優れた大型の静電チャックを得
ることができることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】本発明は、セラミックスからなる板状体
と、板状体の内部に設けられた電極とを備える静電チャ
ックにおいて、電極が、タングステンおよびモリブデン
からなる群より選択される少なくとも1つからなるマト
リックス中にセラミックス粒子が分散された組織を有す
る導電性複合材料からなることを特徴とする。
【0010】本発明による静電チャックの製造方法は、
セラミックス粉末を主成分とする複数枚のグリーンシー
トを、タングステンおよびモリブデンからなる群より選
択される少なくとも1つとセラミックス粉末とを主成分
として含有する混合物層とともに重ねて、混合物層が内
部に存在する積層体を得る工程と、積層体を焼成する工
程とを備え、該焼成工程において、グリーンシート中の
セラミックス粉末の焼結体からなる板状体を得るととも
に、該混合物層から、タングステンおよびモリブデンか
らなる群より選択される少なくとも1つとセラミックス
粉末とからなる導電部を得ることを特徴とする。
【0011】本発明による製造方法において、複数枚の
グリーンシートを混合物層とともに重ね合わせたもの
を、その各部分の温度がその平均温度×0.98〜その
平均温度×1.02の範囲に入るよう加熱しながら圧着
することにより、積層体を得ることが好ましい。また、
積層体において、その内部に存在する混合物層と積層体
の表面との間の距離は100μm以上であることが好ま
しい。焼成工程の後、得られた板状体の表層部を除去し
て導電部の一部を露出させ、この導電部の一部が露出さ
れた部分に端子を設けることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による静電チャッ
クの一具体例を示す。静電チャック10は、セラミック
スからなる板状体1を本体として有し、板状体1の内部
には、所定の大きさの内部電極2が設けられている。内
部電極2上には、板状体1の一部であり所定の厚みを有
する誘電体層1aが存在する。誘電体層1aの表面1b
は、ウェーハ等の材料を保持するための吸着面として機
能することができる。板状体1の内部には、必要に応じ
て、内部電極2に接続される配線部3が設けられる。配
線部3は、内部電極2から表面1bに対向する裏面1c
まで延びている。必要に応じて、裏面1c上には、配線
部3と接続される端子4が設けられる。
【0013】このような構造の静電チャックにおいて、
板状体は、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素
(Si3 4 )等の窒化物系セラミックス、炭化ケイ素
(SiC)等の炭化物系セラミックス、アルミナ(Al
2 3 )等の酸化物系セラミックス等からなる。高い熱
伝導率を有する窒化アルミニウムは、より好ましい材料
である。板状体は、通常、焼結助剤成分を含むかまたは
含まない焼結体である。
【0014】板状体の内部に設けられる電極は、タング
ステン、モリブデンまたはそれらの組合せとセラミック
ス粉末とからなる。タングステンおよびモリブデンは、
適当な導電率を有しかつ高い融点を有するため、本発明
において選ばれている。このような電極は、通常、タン
グステン、モリブデンまたはそれらの組合せからなるマ
トリックス中にセラミックス粒子が分散された組織を有
する導電性複合材料からなる。図2は、そのような導電
性複合材料の一例を示している。図2に示される組織で
は、中央部のコントラストの明るいタングステンのマト
リックス中にコントラストの暗い窒化アルミニウムの粒
子が分散されている。このような導電性複合材料は、一
般に焼結組織を有している。電極中のセラミックス成分
は、板状体中のセラミックス成分および/または焼結助
剤成分と同一であることが好ましい。このような導電性
複合材料は、金属単独の場合よりもセラミックスからな
る板状体との密着性がよい。また、電極中のセラミック
ス成分は、静電チャック製造時の焼成工程において、焼
成収縮の開始温度を遅らせ、板状体の部分のセラミック
スと金属との収縮挙動の差から生じる反りを抑制するこ
とができる。たとえば、板状体が窒化アルミニウム焼結
体からなる場合、電極中のセラミックス成分は、窒化ア
ルミニウムの他、焼結助剤となり得る成分、たとえば酸
化カルシウム(CaO)、イットリア(Y2 3 )、ア
ルミナ(Al2 3 )等が好ましく用いられる。電極中
のセラミックス成分は、板状体のセラミックス成分と同
一または同種類であることが好ましいが、板状体中に含
まれる焼結助剤成分のみでもよい。また板状体中の焼結
助剤成分が2種類以上ある場合、そのうちの1つのみで
もよい。また、電極と板状体との密着性を向上させかつ
焼成収縮の開始温度を遅らせることのできるものであれ
ば、板状体に用いられるもの以外のセラミックス成分を
用いてもよい。内部電極中のセラミックス成分の含量
は、1〜10重量%が好ましく、1〜8重量%がより好
ましい。内部電極におけるセラミックス成分の好ましい
体積%の範囲は、3〜25体積%であり、より好ましい
範囲は、3〜15体積%である。これらの範囲におい
て、電極の電気抵抗率を低く抑えることができる。この
ような導電性複合材料の電気抵抗率は、40μΩ・cm
以下であることが好ましく、20μΩ・cm以下である
ことがより好ましい。
【0015】図1に示すような構造の静電チャックにお
いて、内部電極上に存在する誘電体層の厚みのばらつき
は、できるだけ小さいことが望ましい。本発明では、内
部電極上に存在する誘電体層の厚みの分布を、10%以
下にすることができる。誘電体層の厚みの分布は、以下
の式に従って求めることができる。
【0016】厚みの分布(%)=(最大厚み−最小厚
み)×100(%)/平均厚み(式中、最大厚みおよび
最小厚みは、誘電体層において最も厚い部分の厚みおよ
び最も薄い部分の厚みであり、平均厚みは、誘電体層の
厚みの平均である。)誘電体層の厚みは、静電チャック
の吸着面から内部電極までの距離(深さ)に相当する。
【0017】本発明において必要に応じて板状体の内部
に設けられる配線部は、タングステン、モリブデンまた
はそれらの組合せとセラミックスとからなるものである
ことが好ましいが、他の材料で構成されてもよい。配線
部は、内部電極と同一または同種の材料からなってもよ
いし、異なる材料からなってもよい。配線部は、上述し
たような導電性複合材料から構成することができる。そ
のような場合、タングステンまたはモリブデンと組合さ
れるセラミックス材料は、板状体のセラミックス成分お
よび/または焼結助剤成分とすることが好ましい。配線
部もまた、内部電極と同様に板状体のセラミックスと密
着性がよく、焼成における収縮量が板状体のセラミック
スの収縮量に近い材料からなることが好ましい。板状体
の裏面に必要に応じて設けられる端子は、内部電極また
は配線部と同一または同種の材料からなってもよいし、
異なる材料からなってもよい。端子は、通常、板状体の
焼結の後に形成されるため、銅(Cu)、銀(Ag)な
どの低融点金属から構成されてもよい。板状体との密着
性を向上させるため、端子は、ガラス成分等のセラミッ
クス成分を含有してもよい。
【0018】図3に、本発明による製造方法の一例を示
す。まず、図3(a)に示すようなセラミックス粉末を
主成分とするグリーンシート31aを与える。グリーン
シートは、複数枚用意される。グリーンシートは市販の
ものを用いてもよいし、静電チャックの製造のため特に
調製してもよい。グリーンシートは、たとえばセラミッ
クス粉末を有機結合剤、溶剤、必要に応じて可塑剤など
と混合したスラリーをドクターブレード法に従って薄い
シート状にしたものである。セラミックス粉末は、一般
に、焼結体を調製するための無機材料である。グリーン
シート中のセラミックス粉末として、窒化アルミニウム
焼結体を生成させるための材料(窒化アルミニウム粉末
および焼結助剤)、窒化ケイ素焼結体を生成させるため
の材料(窒化ケイ素粉末および焼結助剤)、炭化ケイ素
焼結体を生成させるための材料(炭化ケイ素粉末および
必要な焼結助剤)、アルミナ焼結体を生成させるための
材料(アルミナ粉末および必要に応じて焼結助剤)等が
好ましく用いられる。たとえば、窒化アルミニウム焼結
体を得たい場合、グリーンシートのセラミックス粉末と
して、AlN粉末およびCaO、Y2 3 等の焼結助剤
の粉末が用いられる。グリーンシートのための結合剤に
は、ポリビニルブチラール、エチルセルロースなどが用
いられる。グリーンシートには、必要に応じてポリアル
キレングリコール、フタール酸エステルなどの可塑剤、
グリセリン、オレイン酸、オレイン酸エチルなどの解こ
う剤などが添加される。スラリーを調製するための溶剤
には、トルエン、メチルエチルケトンなどが用いられ
る。セラミックス粉末、結合剤、溶剤などを含むスラリ
ーは、ドクターブレード法によって一定の厚さの層にさ
れ、乾燥工程の後グリーンシートが得られる。本発明に
用いるグリーンシートの厚みは、たとえば50〜500
μmとすることができる。
【0019】次に、図3(b)に示されるように、グリ
ーンシート31a上には、タングステン、モリブデンま
たはそれらの組合せとセラミックス粉末とを主成分とす
る混合物層32が所定のパターンで形成される。さらに
必要に応じてグリーンシート31aには、貫通孔が形成
され、貫通孔には配線用材料33aが充填される。混合
物層32と配線用材料33aとは接触している。混合物
層32は、タングステン粉末、モリブデン粉末またはそ
れらの組合せ、セラミックス粉末、樹脂等の有機結合
剤、溶剤等を含むペーストをスクリーン印刷法等によっ
て所定のパターンでグリーンシート31a上に塗布する
ことにより形成することができる。このとき、タングス
テンまたはモリブデンと組合されるセラミックス粉末
は、グリーンシートに用いられるセラミックス粉末と同
一または同種類のものが好ましいが、グリーンシート中
に含まれる焼結助剤成分のみをタングステンまたはモリ
ブデンと組合せてもよい。また、焼結助剤成分が複数種
ある場合、そのうちの1つのみを用いてもよい。タング
ステン、モリブデンまたはそれらの組合せと、セラミッ
クス粉末との合計量に対するセラミックス粉末の量の百
分率は、1〜10重量%が好ましく、1〜8重量%がよ
り好ましい。セラミックス粉末をこのような範囲の量で
添加すれば、焼成工程の後得られる電極部の抵抗値を低
く抑えることができる。グリーンシート31aの貫通孔
に充填される配線用材料33aも、タングステン、モリ
ブデンまたはそれらの組合せと、セラミックス粉末を主
成分とする材料であることが好ましい。そのような材料
は、上述したようなペーストとすることができる。ペー
スト中のセラミックス成分は、グリーンシート中のセラ
ミックス成分と同一または同種類であることが望ましい
が、グリーンシート中に添加される焼結助剤成分のみで
あってもよい。配線用材料33aの組成は、混合物層3
2の組成と同一であってもよいし、異なっていてもよ
い。タングステンまたはモリブデンと組合されるセラミ
ックス成分は、焼成工程の後得られるグリーンシートか
らのセラミックスと混合物層からの電極との密着性を向
上させる。またセラミックス成分は、焼成収縮の開始温
度を遅らせ、焼結体の反りの発生や電極部の剥離を抑制
することができる。下記の実施例に示すように、大型の
静電チャックを製造する場合でも、焼結体の反りを7%
以下にすることができる。
【0020】次に、図3(c)に示すように、混合物層
32とともに複数枚のグリーンシート31a、31b、
31c、31d、31eおよび31fを重ね合わせる。
混合物層32は、グリーンシート31aとグリーンシー
ト31bとの間に挟み込まれる。混合物層32を覆うた
めのグリーンシート31bは、導電材料を有していな
い。一方、必要に応じて所望の長さの配線部を得るた
め、貫通孔が設けられかつその中に配線用材料が充填さ
れたグリーンシートが1枚またはそれ以上積層される。
図においては、グリーンシート31aの下に、導電材料
33cが充填されたグリーンシート31c、導電材料3
3dが充填されたグリーンシート31dおよび導電材料
33eが充填されたグリーンシート31eが重ねられて
いる。そして、最下層には、導電材料を有しないグリー
ンシート31fが重ねられる。グリーンシート31f
は、導電材料を覆い、導電材料を表面に露出させない役
割を果たす。本発明において、重ねられるグリーンシー
トの枚数は任意であり、グリーンシートの枚数は必要な
静電チャックのサイズ等に応じて変えることができる。
【0021】混合物層32とともに重ね合わされたグリ
ーンシートは、加熱下で圧力を印加することにより接着
させることができる。このような熱圧着の工程では、グ
リーンシートに含まれる樹脂等の有機結合剤の粘性を高
めることによって、接着効果を得ることができる。この
ような接着効果を得るため、たとえば75〜150℃の
温度での加熱が一般に行なわれる。印加される圧力は、
たとえば50〜150kgf/cm2 である。このと
き、グリーンシートは塑性変形するが、その変形量は温
度と圧力に依存する。したがって、圧着されるものの部
分部分で温度が異なっていると、それらの部分における
変形量は異なり、特に厚みについてばらつきが生じる。
また、圧着されるものの外周部は内部に比べて付与され
る拘束力が小さい傾向にあるため、外周部の変形量は大
きくなる傾向にある。5インチ程度のサイズの静電チャ
ックを製造する場合であれば、一般的な温度分布5%の
条件下であっても、電極上に形成される誘電体層の厚み
の分布を10%以下にすることができた。しかしなが
ら、8インチまたは12インチのウェーハのための静電
チャックを製造する場合、被圧着物における温度のばら
つきおよび圧力のばらつきは大きくなる傾向にあり、ま
た外周部と内部との間の拘束力の差もより大きくなって
くる。これらのばらつきおよび拘束力の差が顕著になる
と、誘電体層の厚みの分布は10%を超えるようにな
る。本発明者は、このような熱圧着の工程において、重
ね合わされたものの各部分の温度が、その平均温度×
0.98〜その平均温度×1.02の範囲に入るよう加
熱温度を制御することによって、熱と圧力によるシート
変形量の面内均一性を保ち、6インチを超える大型製品
においても焼結体における誘電体層の厚みの分布を10
%以下にできることを見出した。すなわち、たとえば重
ね合わせられたものの平均温度が100℃である場合、
その各部分の温度は98〜102℃の範囲に入ることが
好ましい。
【0022】図3(d)は、熱圧着により得られた積層
体を示している。積層体30において、内部には混合物
層32およびそれに接続される配線材料層33が設けら
れる。混合物層32および配線材料層33の導電材料
は、グリーンシートの材料に覆われている。導電材料を
覆うグリーンシートの厚み(導電材料から積層体表面ま
での最短距離)は、100μm以上であることが好まし
い。たとえば、配線材料層33の導電材料を覆うために
設けられた積層体30におけるグリーンシート部31
f′の厚みは、100μm以上であることが好ましい。
グリーンシート積層体の焼成にカーボン焼成炉を使用す
る場合、タングステンおよびモリブデンは炭化され、抵
抗値の高い炭化物が生成されるおそれがある。この問題
に対し、100μm以上の厚みの保護層で導電材料を覆
えば、このような炭化の影響を排除することができる。
これにより、一般的なカーボン焼成炉を用いて低コスト
で焼成を行なうことができる。このように炭化の影響を
排除すれば、電気抵抗率が20μΩ・cm以下の電極お
よび配線を形成することができ、グリーンシート内に配
置された導電材料を有効に用いることができる。なお、
本発明においてこのような保護層によって炭化の影響を
排除することが好ましいが、保護を行なわずに、炭化さ
れた部分を除去するかまたは炭化された部分を使用しな
い態様で導電材料を配置してもよい。
【0023】次に、得られた積層体を焼成する。グリー
ンシート中のセラミックス粉末について焼結体が得られ
る温度において焼成が行なわれる。たとえば窒化アルミ
ニウム焼結体を得る場合、1600〜1900℃の範囲
の温度において焼成が行なわれる。焼成により、積層体
全体を焼結させることができ、独立した材料同士の接着
部を実質的に有しない一体焼結型の静電チャック構造を
得ることができる。このような構造は、吸着面の均一性
に優れ、プラズマ雰囲気、高温などの苛酷な環境下で使
用できるものである。焼成工程の後、配線材料を覆うセ
ラミックス層を研削加工によって除去すれば、図3
(e)に示すような一体的に焼結された構造物を得るこ
とができる。セラミックス焼結体からなる板状体31′
の内部には、電極32′およびそれに接続される配線部
33′が設けられる。電極32′および配線部33′
は、図1について説明したような構造および組成を有す
る。次に、図3(f)に示すように、配線部33′を露
出させた部分に、端子34を形成する。端子34は、セ
ラミックス焼結体からなる板状体31′の裏面上に形成
される。端子34は、配線部33′と接続されており、
端子34に電圧を印加すれば、電極32′に所定の電位
をもたらすことができる。端子34は、板状体31′と
の密着性に優れた適当な材料から形成することができ
る。端子34は、たとえば金属系ペーストをスクリーン
印刷法により所定のパターンで塗布することにより形成
することができる。端子34は、電極32′または配線
部33′と同様の組成を有してもよいし、銅、銀などの
低融点金属を含有してもよい。セラミックスの板状体3
1′との密着性を向上させるため、端子34にガラス成
分を添加してもよい。
【0024】
【実施例】市販の窒化アルミニウム粉末(平均粒径約2
μm)に、焼結助剤として酸化カルシウム粉末3重量%
および酸化イットリウム粉末1.5重量%を添加し、バ
インダとしてポリビニルブチラール、溶剤としてトルエ
ンおよびキシレンを添加し、ボールミル中で混合するこ
とによりスラリーを調製した。得られたスラリーからド
クターブレード法によりグリーンシートを作製した。グ
リーンシートの厚みは200μmであった。
【0025】一方、市販のタングステン粉末またはモリ
ブデン粉末と、第1表に示す添加物(セラミックス成分
または焼結助剤成分)、ポリビニルブチラール樹脂およ
びテレピネオールを混合することにより、導電ペースト
を調製した。次いで、グリーンシートの表面に得られた
導電ペーストをスクリーン印刷法により所定のパターン
で塗布した。また、グリーンシートに貫通孔を形成し、
その中に導電ペーストを印刷法によって充填した。この
ようにして、内部電極用の導電ペーストを塗布したグリ
ーンシート、貫通孔に導電ペーストを充填したグリーン
シートおよび導電ペーストを塗布していないグリーンシ
ートを準備し、図3に示すような工程に従って重ね合わ
せた。なお、重ね合わせたグリーンシートの枚数は26
枚であった。このうち1枚のグリーンシートに内部電極
および配線を形成するため導電ペーストを付与し、23
枚のグリーンシートに配線を形成するため導電ペースト
を付与した。導電ペーストを付与したこれらのグリーン
シートを2枚のペーストを付与していないグリーンシー
トの間に挟み込んだ。次いで、重ね合わせたものを熱プ
レスし、一体化した積層体を得た。熱プレスにおいて材
料の平均温度は100℃であり、圧力は100kgf/
cm2 であった。用いたグリーンシートのサイズおよび
熱プレスの際の温度分布を合わせて表1に示す。温度分
布は、熱プレスにおける材料の各部分の温度を測定し、
|最高または最低の温度−平均温度|×100(%)/
平均温度の式より求めた。
【0026】得られた積層体をカーボン焼成炉において
窒素雰囲気中1650℃の温度で焼成し、円板上の焼結
体を得た。次に、配線部を覆うセラミックス層を研削加
工によって除去し、配線層の一端を露出させた。そし
て、図3に示すように、焼結体上に市販の銅ペーストを
スクリーン印刷法によって塗布し、窒素雰囲気中で熱処
理することにより、端子を形成した。得られた焼結体に
おいて、内部電極上に存在する誘電体層の厚みの分布を
測定した。厚みの分布は、上述した式に従って求めた。
さらに、形成された内部電極の電気抵抗値を測定した。
電気抵抗の測定は4端子法によって行なった。さらに、
得られた焼結体の反りについて調べた。図4に示すよう
に、焼結体における変位tを測定し、次の式に従って反
り(%)を求めた。
【0027】反り(%)=t×100(%)/L(Lは
焼結体の直径) 測定の結果を表2に示す。また、熱プレスにおける温度
分布に対して誘電体層の厚みの分布がどのように変化し
たかについて、グリーンシートの寸法とともに表3に示
す。表1〜3に示すとおり、本発明に従って導電ペース
ト中にセラミックス粉末を添加した実施例では、得られ
た焼結体の反りが7%以下と小さく、内部電極の剥離が
起こらなかった。一方、導電ペーストにセラミックス粉
末を添加しなかった比較例では、焼結体の反りが顕著に
大きくなり、内部電極の剥離が起こった。また、熱プレ
スにおける温度分布を2%以下にすることによって、誘
電体層の厚みの分布を10%以下に抑えることができ
た。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】 上記実施例と同様にグリーンシートおよび導電ペースト
を調製した。表1に示す実施例5と同じ組成の導電ペー
ストを調製し、グリーンシートに付与した。次いで、図
5に示すような工程に従ってグリーンシートを重ね合わ
せ、熱プレスの後焼結を行なった。すなわち、最下層の
グリーンシートに、端子および配線部を形成するため、
調製したグリーンシートを塗布した。他のグリーンシー
トについては、実施例5と同様のものを用いた。実施例
5と同じ条件下で熱プレスおよび焼成を行ない、焼結体
を得た。得られた焼結体において、焼結体表面に存在す
る端子の電気抵抗値を測定したところ190μΩ・cm
であった。端子には、内部電極に比較して変色が認めら
れた。端子には、Wの他にW2 Cが存在していた。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、反りや誘電体層の厚み
の分布が小さい大型の静電チャックを提供することがで
きる。また本発明によれば、低抵抗の内部電極が剥離す
ることなくセラミックスの板状体に一体化された静電チ
ャックを提供することができる。本発明は、高品質で大
型の静電チャックを低コストで製造するのに適してい
る。本発明は、たとえば8インチおよび12インチの大
型ウェーハを保持する静電チャックの製造に有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による静電チャックの一具体例を模式的
に示す断面図である。
【図2】本発明による静電チャックの内部電極の材料組
織を示す写真である。
【図3】(a)〜(f)は本発明による製造方法の一具
体例を模式的に示す断面図である。
【図4】焼結体の反りの状態を示す側面図である。
【図5】焼成工程により端子部を同時に形成する製造工
程を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1、31′ 板状体 2、32′ 電極 3、33′ 配線部 4、34 端子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックスからなる板状体と、前記板
    状体の内部に設けられた電極とを備える静電チャックに
    おいて、 前記電極が、タングステンおよびモリブデンからなる群
    より選択される少なくとも1つからなるマトリックス中
    にセラミックス粒子が分散された組織を有する導電性複
    合材料からなることを特徴とする、静電チャック。
  2. 【請求項2】 セラミックス粉末を主成分とする複数枚
    のグリーンシートを、タングステンおよびモリブデンか
    らなる群より選択される少なくとも1つとセラミックス
    粉末とを主成分として含有する混合物層とともに重ね
    て、前記混合物層が内部に存在する積層体を得る工程
    と、 前記積層体を焼成する工程とを備え、 前記焼成工程において、前記グリーンシート中のセラミ
    ックス粉末の焼結体からなる板状体を得るとともに、前
    記混合物層から、タングステンおよびモリブデンからな
    る群より選択される少なくとも1つとセラミックス粉末
    とからなる導電部を得ることを特徴とする、静電チャッ
    クの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記複数枚のグリーンシートを前記混合
    物層とともに重ね合わせたものを、その各部分の温度が
    その平均温度×0.98〜その平均温度×1.02の範
    囲に入るよう加熱しながら圧着することにより、前記積
    層体を得ることを特徴とする、請求項2に記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記積層体において、その内部に存在す
    る前記混合物層と前記積層体の表面との間の距離は10
    0μm以上であり、 前記焼成工程の後、得られた前記板状体の表層部を除去
    して前記導電部の一部を露出させ、前記導電部の一部が
    露出された部分に端子を設けることを特徴とする、請求
    項2または3に記載の製造方法。
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