JP2020155448A - 保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】給電電極の外縁付近における応力を低減してクラックが発生することを抑制する。【解決手段】保持装置は、セラミックス部材と、セラミックス部材の内部に配置された内部電極と、タングステンを含む材料により形成され、内部電極に電気的に接続された給電電極と、ニッケルを含む材料により形成された端子部材と、タングステンを含む材料により形成された緩衝部材と、給電電極と緩衝部材とを接合するロウ付け部と、緩衝部材と端子部材とを接合するロウ付け部とを備える。給電電極の第2の表面に露出する部分の外縁は緩衝部材の外縁の位置から引き下がり量Lだけ内側に引き下がっている。引き下がり量Lは、0.3mm以上、2.0mm未満であり、緩衝部材の厚さtは、2.75mm以上であり、端子部材におけるロウ付け部により覆われた部分の最大径Dは、2.75mm以上、4.25mm未満である。【選択図】図3

Description

本明細書に開示される技術は、対象物を保持する保持装置に関する。
対象物(例えば、半導体ウェハ)を保持しつつ所定の温度(例えば、400〜800℃程度)に加熱する加熱装置(「サセプタ」とも呼ばれる。)が知られている。加熱装置は、例えば、成膜装置(CVD成膜装置、スパッタリング成膜装置等)やエッチング装置(プラズマエッチング装置等)といった半導体製造装置の一部として使用される。
一般に、加熱装置は、所定の方向に略直交する表面(以下、「保持面」という。)と、保持面とは反対側の表面(以下、「裏面」という。)とを有するセラミックス部材を備える。セラミックス部材の内部には、発熱抵抗体であるヒータ電極が配置されている。ヒータ電極には、ビア導体等を介して給電電極(「電極パッド」とも呼ばれる。)が電気的に接続されている。給電電極は、少なくとも一部がセラミックス部材の裏面に露出するように配置されている。給電電極には、例えばロウ付けにより端子部材が接合されている。端子部材および給電電極を介してヒータ電極に電圧が印加されると、ヒータ電極が発熱し、セラミックス部材の保持面上に保持された対象物が加熱される。
給電電極と端子部材との形成材料が互いに異なると、両者の熱膨張差に起因して生ずる応力により、両者の接合部付近においてセラミックス部材にクラックが発生するおそれがある。従来、このようなクラックの発生を抑制するために、給電電極と端子部材との間に、緩衝部材を配置する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。緩衝部材を、給電電極の形成材料の熱膨張係数と端子部材の形成材料の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する材料により形成することにより、緩衝部材に、給電電極と端子部材との間の熱膨張差を緩和する機能を担わせることができる。
特開2007−258608号公報
上記従来の技術のように、単に緩衝部材を配置するだけでは、給電電極と端子部材との間の熱膨張差に起因する応力を十分に緩和することができず、クラックの発生を十分に抑制することができない、という課題がある。
なお、このような課題は、加熱装置に限らず、セラミックス部材と、セラミックス部材の内部に配置された内部電極と、内部電極と電気的に接続された給電電極と、端子部材と、給電電極と端子部材との間に配置された緩衝部材と、給電電極と緩衝部材との間および緩衝部材と端子部材との間を接合するロウ付け部とを備え、セラミックス部材の表面上に対象物を保持する保持装置一般に共通の課題である。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される第1の保持装置は、第1の方向に略直交する第1の表面と前記第1の表面とは反対側の第2の表面とを有し、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス焼結体により形成されたセラミックス部材と、前記セラミックス部材の内部に配置された内部電極と、タングステンを含む材料により形成され、前記セラミックス部材の前記第2の表面に少なくとも一部が露出するように配置され、前記内部電極に電気的に接続された給電電極と、ニッケルを含む材料により形成された端子部材と、タングステンを含む材料により形成され、前記第1の方向において前記給電電極と前記端子部材との間に配置された緩衝部材と、前記給電電極と前記緩衝部材とを接合する第1のロウ付け部と、前記緩衝部材と前記端子部材とを接合する第2のロウ付け部と、を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、前記第1の方向に平行であり、かつ、前記第1の方向視での前記緩衝部材の中心を通る断面において、前記給電電極の前記第2の表面に露出する部分の外縁は前記緩衝部材の外縁の位置から引き下がり量Lだけ内側に引き下がっており、前記引き下がり量Lは、0.3mm以上、2.0mm未満であり、前記第1の方向における前記緩衝部材の厚さtは、2.75mm以上であり、前記端子部材における前記第2のロウ付け部により覆われた部分の最大径Dは、2.75mm以上、4.25mm未満である。本保持装置によれば、給電電極の外縁付近における応力を低減することができ、セラミックス部材にクラックが発生することを抑制することができる。
本保持装置によれば応力を低減することができる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推察される。すなわち、本保持装置では、端子部材の最大径Dが2.75mm以上、4.25mm未満であり、過度に細くも太くもない。端子部材の最大径Dが過度に太いと、端子部材の熱膨張・収縮量が過度に大きくなり、これに伴い端子部材に接合された緩衝部材の反りが過度に大きくなって、緩衝部材と接合された給電電極の外縁付近での応力が大きくなるものと考えられる。また、端子部材の最大径Dが過度に細いと、電気抵抗が過度に高くなるため好ましくない。本保持装置では、端子部材の最大径Dが過度に細くなって電気抵抗が過度に高くなることを抑制しつつ、端子部材の最大径Dが過度に太くなって端子部材の熱膨張・収縮量が過度に大きくなることを抑制することができるため、給電電極の外縁付近での応力を低減することができるものと考えられる。
また、本保持装置では、緩衝部材の厚さtが2.75mm以上であり、過度に薄くない。緩衝部材の厚さtが過度に薄いと、緩衝部材の反りが過度に大きくなって、緩衝部材と接合された給電電極の外縁付近での応力が大きくなるものと考えられる。本保持装置では、緩衝部材の厚さtが過度に薄くなって緩衝部材の反りが過度に大きくなることを抑制することができるため、給電電極の外縁付近での応力を低減することができるものと考えられる。
また、本保持装置では、給電電極の引き下がり量Lが0.3mm以上、2.0mm未満であり、過度に小さくも大きくもない。給電電極の引き下がり量Lが過度に大きいと、給電電極と緩衝部材との接合面積が過度に小さくなり、給電電極の外縁付近での応力が大きくなるものと考えられる。一方、給電電極の引き下がり量Lが過度に小さいと、引き下がり量Lに相当する部分に配置されるロウ材のボリュームが過度に小さくなり、該ロウ材による給電電極の変形抑制効果が小さくなって、給電電極の外縁付近での応力が大きくなるものと考えられる。本保持装置では、給電電極と緩衝部材との接合面積が過度に小さくなることを抑制しつつ、ロウ材による給電電極の変形抑制効果が小さくなることを抑制することができるため、給電電極の外縁付近での応力を低減することができるものと考えられる。
(2)上記保持装置において、前記第1の方向における前記緩衝部材の厚さtは、3.75mm以上である構成としてもよい。本保持装置によれば、緩衝部材の厚さtが過度に薄くなって緩衝部材の反りが過度に大きくなることを効果的に抑制することができ、その結果、給電電極の外縁付近における応力を効果的に低減することができ、セラミックス部材にクラックが発生することを効果的に抑制することができる。
(3)本明細書に開示される第2の保持装置は、第1の方向に略直交する第1の表面と前記第1の表面とは反対側の第2の表面とを有し、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス焼結体により形成されたセラミックス部材と、前記セラミックス部材の内部に配置された内部電極と、タングステンを含む材料により形成され、前記セラミックス部材の前記第2の表面に少なくとも一部が露出するように配置され、前記内部電極に電気的に接続された給電電極と、ニッケルを含む材料により形成された端子部材と、タングステンを含む材料により形成され、前記第1の方向において前記給電電極と前記端子部材との間に配置された緩衝部材と、前記給電電極と前記緩衝部材とを接合する第1のロウ付け部と、前記緩衝部材と前記端子部材とを接合する第2のロウ付け部と、を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、前記第1の方向に平行であり、かつ、前記第1の方向視での前記緩衝部材の中心を通る断面において、前記給電電極の前記第2の表面に露出する部分の外縁は前記緩衝部材の外縁の位置から引き下がり量Lだけ内側に引き下がっており、前記引き下がり量Lは、0.3mm以上、2.0mm未満であり、前記第1の方向における前記緩衝部材の厚さtは、2.25mm以上であり、前記端子部材における前記第2のロウ付け部により覆われた部分の最大径Dは、2.75mm以上、3.75mm未満である。本保持装置によれば、上記第1の保持装置と同様に、給電電極の外縁付近における応力を低減することができ、セラミックス部材にクラックが発生することを抑制することができる。
(4)本明細書に開示される第3の保持装置は、第1の方向に略直交する第1の表面と前記第1の表面とは反対側の第2の表面とを有し、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス焼結体により形成されたセラミックス部材と、前記セラミックス部材の内部に配置された内部電極と、タングステンを含む材料により形成され、前記セラミックス部材の前記第2の表面に少なくとも一部が露出するように配置され、前記内部電極に電気的に接続された給電電極と、ニッケルを含む材料により形成された端子部材と、タングステンを含む材料により形成され、前記第1の方向において前記給電電極と前記端子部材との間に配置された緩衝部材と、前記給電電極と前記緩衝部材とを接合する第1のロウ付け部と、前記緩衝部材と前記端子部材とを接合する第2のロウ付け部と、を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、前記第1の方向に平行であり、かつ、前記第1の方向視での前記緩衝部材の中心を通る断面において、前記給電電極の前記第2の表面に露出する部分の外縁は前記緩衝部材の外縁の位置から引き下がり量Lだけ内側に引き下がっており、前記引き下がり量Lは、0.3mm以上、1.0mm未満であり、前記第1の方向における前記緩衝部材の厚さtは、1.25mm以上であり、前記端子部材における前記第2のロウ付け部により覆われた部分の最大径Dは、2.75mm以上、3.75mm未満である。本保持装置によれば、上記第1の保持装置と同様に、給電電極の外縁付近における応力を低減することができ、セラミックス部材にクラックが発生することを抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、加熱装置、静電チャック、保持装置、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
本実施形態における加熱装置100の外観構成を概略的に示す斜視図である。 本実施形態における加熱装置100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。 本実施形態における加熱装置100の一部分(図2のX1部)のXZ断面構成を拡大して示す説明図である。 性能評価結果を示す説明図である。 性能評価結果を示す説明図である。
A.実施形態:
A−1.加熱装置100の構成:
図1は、本実施形態における加熱装置100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における加熱装置100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。また、図3は、本実施形態における加熱装置100の一部分(図2のX1部)のXZ断面構成を拡大して示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、加熱装置100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。
加熱装置100は、対象物(例えば、半導体ウェハW)を保持しつつ所定の処理温度(例えば、400〜800℃程度)に加熱する装置であり、サセプタとも呼ばれる。加熱装置100は、例えば、成膜装置(CVD成膜装置、スパッタリング成膜装置等)やエッチング装置(プラズマエッチング装置等)といった半導体製造装置の一部として使用される。
図1および図2に示すように、加熱装置100は、保持体10と柱状支持体20とを備える。
保持体10は、所定の方向(本実施形態ではZ軸方向)に略直交する表面(以下、「保持面S1」という。)と、保持面S1とは反対側の表面(以下、「裏面S2」という。)と、を有する略円板状の部材である。保持体10は、窒化アルミニウム(AlN)を主成分とするセラミックス焼結体により形成されている。なお、ここでいう主成分とは、含有割合(重量割合)の最も多い成分を意味する。保持体10の直径は、例えば100mm以上、500mm以下程度であり、保持体10の厚さ(上下方向における長さ)は、例えば3mm以上、20mm以下程度である。保持体10は、特許請求の範囲におけるセラミックス部材に相当し、保持面S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当し、裏面S2は、特許請求の範囲における第2の表面に相当し、Z軸方向は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。
図2に示すように、保持体10の内部には、発熱抵抗体であるヒータ電極50が配置されている。ヒータ電極50は、例えば、タングステンまたはモリブデン等の金属を含む材料により形成されている。本実施形態では、ヒータ電極50は、Z軸方向視で略同心円状に延びる線状のパターンを構成している。ヒータ電極50の線状パターンの両端部は、保持体10の中心部近傍に配置されており、各端部にはビア導体52の上端部が接続されている。また、図2および図3に示すように、保持体10の裏面S2には、一対の凹部12が形成されており、各凹部12の位置には、導電性の給電電極(電極パッド)54が設けられている。本実施形態では、給電電極54は、Z軸方向視で略円形であり、タングステンを含む材料(例えば、タングステンと窒化アルミニウムとの混合材料)により形成されている。また、本実施形態では、給電電極54の全体が、保持体10の裏面S2に露出している。ただし、給電電極54の少なくとも一部が保持体10の裏面S2に露出している限りにおいて、給電電極54の一部が保持体10の内部に埋設されていてもよい。ビア導体52の下端部は、給電電極54に接続されている。その結果、ヒータ電極50と給電電極54とがビア導体52を介して電気的に接続された状態となっている。ヒータ電極50は、特許請求の範囲における内部電極に相当する。
柱状支持体20は、上記所定の方向(上下方向)に延びる略円柱状部材である。柱状支持体20は、保持体10と同様に、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス焼結体により形成されている。柱状支持体20の外径は、例えば30mm以上、90mm以下程度であり、柱状支持体20の高さ(上下方向における長さ)は、例えば100mm以上、300mm以下程度である。
保持体10と柱状支持体20とは、保持体10の裏面S2と柱状支持体20の上面S3とが上下方向に対向するように配置されている。柱状支持体20は、保持体10の裏面S2の中心部付近に、公知の接合材料により形成された接合部30を介して接合されている。
図2に示すように、柱状支持体20には、保持体10の裏面S2側に開口する貫通孔22が形成されている。貫通孔22には、複数の(本実施形態では2つの)端子部材70が収容されている。端子部材70は、例えばZ軸方向視で略円形の柱状部材であり、ニッケル(Ni)含む材料(例えば、純ニッケルやニッケルを含む合金(例えばコバール))により形成されている。端子部材70の寸法については、後述する。
また、Z軸方向において各端子部材70の上端部と各給電電極54との間には、緩衝部材60が配置されている。緩衝部材60は、例えばZ軸方向視で略円形の板状部材であり、タングステンを含む材料(例えば、純タングステンやタングステンを含む合金)により形成されている。緩衝部材60は、端子部材70と給電電極54との間の熱膨張差を緩和する機能を担う部材である。緩衝部材60の直径は、例えば4.5mm〜10.0mmである。緩衝部材60の厚さtについては、後述する。
緩衝部材60の上面は、電極側ロウ付け部81により、給電電極54の下面(露出面)と接合(ロウ付け)されている。また、緩衝部材60の下面は、端子側ロウ付け部82により、端子部材70と接合されている。電極側ロウ付け部81および端子側ロウ付け部82は、例えば、Ni系(Ni−Cr系合金等)、Au系(純Au、Au−Ni系合金等)、Ag系(純Ag等)のロウ材である。電極側ロウ付け部81は、特許請求の範囲における第1のロウ付け部に相当し、端子側ロウ付け部82は、特許請求の範囲における第2のロウ付け部に相当する。
図示しない電源から各端子部材70、各緩衝部材60、各給電電極54、各ビア導体52を介してヒータ電極50に電圧が印加されると、ヒータ電極50が発熱し、保持体10の保持面S1上に保持された対象物(例えば、半導体ウェハW)が所定の温度(例えば、400〜800℃程度)に加熱される。
なお、本実施形態の加熱装置100では、Z軸方向に平行であり、かつ、Z軸方向視での緩衝部材60の中心を通る断面(図3に示す断面)において、給電電極54(給電電極54の一部が保持体10の内部に埋設されている場合には、給電電極54の内の保持体10の裏面S2に露出する部分)の外縁E1は、緩衝部材60の外縁E2の位置から、引き下がり量Lだけ内側に引き下がっている。すなわち、例えばZ軸方向視で給電電極54および緩衝部材60が略円形である場合、給電電極54の直径は、緩衝部材60の直径より小さい。なお、緩衝部材60の径が一定ではない場合には、緩衝部材60の外縁E2は、緩衝部材60における給電電極54に対向する表面の外縁を意味する。
A−2.性能評価:
上述したように、本実施形態の加熱装置100では、給電電極54と端子部材70との間に緩衝部材60が配置されている。このような構成では、緩衝部材60によって端子部材70と給電電極54との間の熱膨張差が緩和されるものの、依然として、該熱膨張差に起因して生ずる応力により、例えば応力の大きくなる給電電極54の外縁E1付近を基点として保持体10にクラックが発生するおそれがある。本願発明者は、鋭意検討を行うことにより、3つの指標値、すなわち、給電電極54の引き下がり量L、緩衝部材60の厚さt、および、端子部材70における端子側ロウ付け部82により覆われた部分の最大径D(以下、単に「端子部材70の最大径D」という。)について、数値範囲を適切に設定すれば、部材間の熱膨張差に起因して生ずる応力を小さくすることができ、クラックの発生を抑制することができることを新たに見出した。以下、上述した3つの指標値について行った性能評価について説明する。
図4および図5は、性能評価結果を示す説明図である。図4および図5は、同一の性能評価結果を示す図であるが、後述する範囲R1〜R4を明確に示すために、便宜上2つの図に分けている。図4および図5には、上述した3つの指標値(給電電極54の引き下がり量L、緩衝部材60の厚さt、および、端子部材70の最大径D)の互いに異なる各組合せについて行った応力解析結果(シミュレーション結果)が示されている。図中、「×」は、給電電極54の外縁E1付近における応力が200MPa以上であって、クラックが発生するおそれが高いことを示しており、「△」は、該応力が150MPa以上、200MPa未満であって、クラックの発生を抑制できることを示しており、「〇」は、該応力が100MPa以上、150MPa未満であって、クラックの発生を効果的に抑制できることを示しており、「◎」は、該応力が100MPa未満であって、クラックの発生を極めて効果的に抑制できることを示している。
(範囲R1について)
図4に示す範囲R1は、
・給電電極54の引き下がり量Lが、0.3mm以上、2.0mm未満であり、
・緩衝部材60の厚さtが、2.75mm以上であり、かつ
・端子部材70の最大径Dが、2.75mm以上、4.25mm未満である、
範囲である。この範囲R1では、応力解析結果が「△」以上(すなわち、応力が200MPa未満)である。そのため、給電電極54、緩衝部材60および端子部材70の構成を、範囲R1に該当するように設定すれば、給電電極54の外縁E1付近における応力を低減することができ、保持体10にクラックが発生することを抑制することができる。
上記範囲R1において応力を低減することができる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推察される。すなわち、範囲R1では、端子部材70の最大径Dが2.75mm以上、4.25mm未満であり、過度に細くも太くもない。端子部材70の最大径Dが過度に太いと、端子部材70の熱膨張・収縮量が過度に大きくなり、これに伴い端子部材70に接合された緩衝部材60の反りが過度に大きくなって、緩衝部材60と接合された給電電極54の外縁E1付近での応力が大きくなるものと考えられる。また、端子部材70の最大径Dが過度に細いと、電気抵抗が過度に高くなるため好ましくない。上記範囲R1では、端子部材70の最大径Dが過度に細くなって電気抵抗が過度に高くなることを抑制しつつ、端子部材70の最大径Dが過度に太くなって端子部材70の熱膨張・収縮量が過度に大きくなることを抑制することができるため、給電電極54の外縁E1付近での応力を低減することができるものと考えられる。
また、上記範囲R1では、緩衝部材60の厚さtが2.75mm以上であり、過度に薄くない。緩衝部材60の厚さtが過度に薄いと、緩衝部材60の反りが過度に大きくなって、緩衝部材60と接合された給電電極54の外縁E1付近での応力が大きくなるものと考えられる。上記範囲R1では、緩衝部材60の厚さtが過度に薄くなって緩衝部材60の反りが過度に大きくなることを抑制することができるため、給電電極54の外縁E1付近での応力を低減することができるものと考えられる。
また、上記範囲R1では、給電電極54の引き下がり量Lが0.3mm以上、2.0mm未満であり、過度に小さくも大きくもない。給電電極54の引き下がり量Lが過度に大きいと、給電電極54と緩衝部材60との接合面積が過度に小さくなり、給電電極54の外縁E1付近での応力が大きくなるものと考えられる。一方、給電電極54の引き下がり量Lが過度に小さいと、引き下がり量Lに相当する部分に配置されるロウ材のボリュームが過度に小さくなり、該ロウ材による給電電極54の変形抑制効果が小さくなって、給電電極54の外縁E1付近での応力が大きくなるものと考えられる。上記範囲R1では、給電電極54と緩衝部材60との接合面積が過度に小さくなることを抑制しつつ、ロウ材による給電電極54の変形抑制効果が小さくなることを抑制することができるため、給電電極54の外縁E1付近での応力を低減することができるものと考えられる。
このように、Z軸方向に略直交する保持面S1と保持面S1とは反対側の裏面S2とを有し、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス焼結体により形成された保持体10と、保持体10の内部に配置されたヒータ電極50と、タングステンを含む材料により形成され、保持体10の裏面S2に少なくとも一部が露出するように配置され、ヒータ電極50に電気的に接続された給電電極54と、ニッケルを含む材料により形成された端子部材70と、タングステンを含む材料により形成され、Z軸方向において給電電極54と端子部材70との間に配置された緩衝部材60と、給電電極54と緩衝部材60とを接合する電極側ロウ付け部81と、緩衝部材60と端子部材70とを接合する端子側ロウ付け部82と、を備え、保持体10の保持面S1上に対象物を保持する保持装置である加熱装置100において、Z軸方向に平行であり、かつ、Z軸方向視での緩衝部材60の中心を通る断面において、給電電極54の裏面S2に露出する部分の外縁E1は緩衝部材60の外縁E2の位置から引き下がり量Lだけ内側に引き下がっており、引き下がり量Lは、0.3mm以上、2.0mm未満であり、Z軸方向における緩衝部材60の厚さtは、2.75mm以上であり、端子部材70における端子側ロウ付け部82により覆われた部分の最大径Dは、2.75mm以上、4.25mm未満である構成を採用すれば、給電電極54の外縁E1付近における応力を低減することができ、保持体10にクラックが発生することを抑制することができる。
なお、図4に示す範囲R1の内、Z軸方向における緩衝部材60の厚さtが3.75mm以上である範囲R2では、応力解析結果が「〇」以上(すなわち、応力が150MPa未満)である。そのため、給電電極54、緩衝部材60および端子部材70の構成を、該範囲R2に該当するように設定すれば、給電電極54の外縁E1付近における応力を効果的に低減することができ、保持体10にクラックが発生することを効果的に抑制することができる。
また、図4に示す範囲R2の内、給電電極54の引き下がり量Lが、0.3mm以上、1.0mm未満である範囲では、応力解析結果がすべて「◎」(すなわち、応力が100MPa未満)である。そのため、給電電極54、緩衝部材60および端子部材70の構成を、該範囲に該当するように設定すれば、給電電極54の外縁E1付近における応力を極めて効果的に低減することができ、保持体10にクラックが発生することを極めて効果的に抑制することができる。
また、図4に示す範囲R2の内、端子部材70の最大径Dが2.75mm以上、3.25mm未満である範囲では、応力解析結果がすべて「◎」(すなわち、応力が100MPa未満)である。そのため、給電電極54、緩衝部材60および端子部材70の構成を、該範囲に該当するように設定すれば、給電電極54の外縁E1付近における応力を極めて効果的に低減することができ、保持体10にクラックが発生することを極めて効果的に抑制することができる。
(範囲R3について)
図5に示す範囲R3は、
・給電電極54の引き下がり量Lが、0.3mm以上、2.0mm未満であり、
・緩衝部材60の厚さtが、2.25mm以上であり、かつ
・端子部材70の最大径Dが、2.75mm以上、3.75mm未満である、
範囲である。この範囲R3では、応力解析結果が「△」以上(すなわち、応力が200MPa未満)である。そのため、給電電極54、緩衝部材60および端子部材70の構成を、範囲R3に該当するように設定すれば、給電電極54の外縁E1付近における応力を低減することができ、保持体10にクラックが発生することを抑制することができる。
上記範囲R3において給電電極54の外縁E1付近での応力を低減することができる理由は必ずしも明らかではないが、上述した範囲R1についての理由と同様であると考えられる。すなわち、上記範囲R3では、(1)端子部材70の最大径Dが過度に細くも太くもないために、端子部材70の最大径Dが過度に細くなって電気抵抗が過度に高くなることを抑制しつつ、端子部材70の最大径Dが過度に太くなって端子部材70の熱膨張・収縮量が過度に大きくなることを抑制することができ、(2)緩衝部材60の厚さtが過度に薄くないために、緩衝部材60の厚さtが過度に薄くなって緩衝部材60の反りが過度に大きくなることを抑制することができ、かつ、(3)給電電極54の引き下がり量Lが過度に小さくも大きくもないため、給電電極54と緩衝部材60との接合面積が過度に小さくなることを抑制しつつ、ロウ材による給電電極54の変形抑制効果が小さくなることを抑制することができ、これらの要因により、給電電極54の外縁E1付近での応力を低減することができるものと考えられる。
このように、Z軸方向に略直交する保持面S1と保持面S1とは反対側の裏面S2とを有し、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス焼結体により形成された保持体10と、保持体10の内部に配置されたヒータ電極50と、タングステンを含む材料により形成され、保持体10の裏面S2に少なくとも一部が露出するように配置され、ヒータ電極50に電気的に接続された給電電極54と、ニッケルを含む材料により形成された端子部材70と、タングステンを含む材料により形成され、Z軸方向において給電電極54と端子部材70との間に配置された緩衝部材60と、給電電極54と緩衝部材60とを接合する電極側ロウ付け部81と、緩衝部材60と端子部材70とを接合する端子側ロウ付け部82と、を備え、保持体10の保持面S1上に対象物を保持する保持装置である加熱装置100において、Z軸方向に平行であり、かつ、Z軸方向視での緩衝部材60の中心を通る断面において、給電電極54の裏面S2に露出する部分の外縁E1は緩衝部材60の外縁E2の位置から引き下がり量Lだけ内側に引き下がっており、引き下がり量Lは、0.3mm以上、2.0mm未満であり、Z軸方向における緩衝部材60の厚さtは、2.25mm以上であり、端子部材70における端子側ロウ付け部82により覆われた部分の最大径Dは、2.75mm以上、3.75mm未満である構成を採用すれば、給電電極54の外縁E1付近における応力を低減することができ、保持体10にクラックが発生することを抑制することができる。
なお、図5に示す範囲R3の内、緩衝部材60の厚さtが2.75mm以上である範囲では、応力解析結果が「〇」以上(すなわち、応力が150MPa未満)である。そのため、給電電極54、緩衝部材60および端子部材70の構成を、該範囲に該当するように設定すれば、給電電極54の外縁E1付近における応力を効果的に低減することができ、保持体10にクラックが発生することを効果的に抑制することができる。
また、図5に示す範囲R3の内、緩衝部材60の厚さtが4.25mm以上である範囲では、応力解析結果がすべて「◎」(すなわち、応力が100MPa未満)である。そのため、給電電極54、緩衝部材60および端子部材70の構成を、該範囲に該当するように設定すれば、給電電極54の外縁E1付近における応力を極めて効果的に低減することができ、保持体10にクラックが発生することを極めて効果的に抑制することができる。
また、図5に示す範囲R3の内、端子部材70の最大径Dが2.75mm以上、3.25mm未満である範囲では、応力解析結果が「〇」以上(すなわち、応力が150MPa未満)である。そのため、給電電極54、緩衝部材60および端子部材70の構成を、該範囲に該当するように設定すれば、給電電極54の外縁E1付近における応力を効果的に低減することができ、保持体10にクラックが発生することを効果的に抑制することができる。
(範囲R4について)
図5に示す範囲R4は、
・給電電極54の引き下がり量Lが、0.3mm以上、1.0mm未満であり、
・緩衝部材60の厚さtが、1.25mm以上であり、かつ
・端子部材70の最大径Dが、2.75mm以上、3.75mm未満である、
範囲である。この範囲R3では、応力解析結果が「△」以上(すなわち、応力が200MPa未満)である。そのため、給電電極54、緩衝部材60および端子部材70の構成を、範囲R4に該当するように設定すれば、給電電極54の外縁E1付近における応力を低減することができ、保持体10にクラックが発生することを抑制することができる。
上記範囲R4において給電電極54の外縁E1付近での応力を低減することができる理由は必ずしも明らかではないが、上述した範囲R1についての理由と同様であると考えられる。すなわち、上記範囲R4では、(1)端子部材70の最大径Dが過度に細くも太くもないために、端子部材70の最大径Dが過度に細くなって電気抵抗が過度に高くなることを抑制しつつ、端子部材70の最大径Dが過度に太くなって端子部材70の熱膨張・収縮量が過度に大きくなることを抑制することができ、(2)緩衝部材60の厚さtが過度に薄くないために、緩衝部材60の厚さtが過度に薄くなって緩衝部材60の反りが過度に大きくなることを抑制することができ、かつ、(3)給電電極54の引き下がり量Lが過度に小さくも大きくもないため、給電電極54と緩衝部材60との接合面積が過度に小さくなることを抑制しつつ、ロウ材による給電電極54の変形抑制効果が小さくなることを抑制することができ、これらの要因により、給電電極54の外縁E1付近での応力を低減することができるものと考えられる。
このように、Z軸方向に略直交する保持面S1と保持面S1とは反対側の裏面S2とを有し、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス焼結体により形成された保持体10と、保持体10の内部に配置されたヒータ電極50と、タングステンを含む材料により形成され、保持体10の裏面S2に少なくとも一部が露出するように配置され、ヒータ電極50に電気的に接続された給電電極54と、ニッケルを含む材料により形成された端子部材70と、タングステンを含む材料により形成され、Z軸方向において給電電極54と端子部材70との間に配置された緩衝部材60と、給電電極54と緩衝部材60とを接合する電極側ロウ付け部81と、緩衝部材60と端子部材70とを接合する端子側ロウ付け部82と、を備え、保持体10の保持面S1上に対象物を保持する保持装置である加熱装置100において、Z軸方向に平行であり、かつ、Z軸方向視での緩衝部材60の中心を通る断面において、給電電極54の裏面S2に露出する部分の外縁E1は緩衝部材60の外縁E2の位置から引き下がり量Lだけ内側に引き下がっており、引き下がり量Lは、0.3mm以上、1.0mm未満であり、Z軸方向における緩衝部材60の厚さtは、1.25mm以上であり、端子部材70における端子側ロウ付け部82により覆われた部分の最大径Dは、2.75mm以上、3.75mm未満である構成を採用すれば、給電電極54の外縁E1付近における応力を低減することができ、保持体10にクラックが発生することを抑制することができる。
なお、図5に示す範囲R4の内、端子部材70の最大径Dが2.75mm以上、3.25mm未満である範囲では、応力解析結果が「〇」以上(すなわち、応力が150MPa未満)である。そのため、給電電極54、緩衝部材60および端子部材70の構成を、該範囲に該当するように設定すれば、給電電極54の外縁E1付近における応力を効果的に低減することができ、保持体10にクラックが発生することを効果的に抑制することができる。
また、図5に示す範囲R4の内、Z軸方向における緩衝部材60の厚さtが2.25mm以上である範囲では、応力解析結果が「〇」以上(すなわち、応力が150MPa未満)である。そのため、給電電極54、緩衝部材60および端子部材70の構成を、該範囲に該当するように設定すれば、給電電極54の外縁E1付近における応力を効果的に低減することができ、保持体10にクラックが発生することを効果的に抑制することができる。
また、図5に示す範囲R4の内、Z軸方向における緩衝部材60の厚さtが3.75mm以上である範囲では、応力解析結果がすべて「◎」(すなわち、応力が100MPa未満)である。そのため、給電電極54、緩衝部材60および端子部材70の構成を、該範囲に該当するように設定すれば、給電電極54の外縁E1付近における応力を極めて効果的に低減することができ、保持体10にクラックが発生することを極めて効果的に抑制することができる。
A−3.加熱装置100の製造方法:
本実施形態の加熱装置100の製造方法は、例えば以下の通りである。初めに、保持体10と柱状支持体20とを作製する。
保持体10の作製方法は、例えば以下の通りである。まず、窒化アルミニウム粉末100重量部に、酸化イットリウム(Y)粉末1重量部と、アクリル系バインダ20重量部と、適量の分散剤および可塑剤とを加えた混合物に、トルエン等の有機溶剤を加え、ボールミルにて20時間混合し、グリーンシート用スラリーを作製する。このグリーンシート用スラリーをキャスティング装置でシート状に成形した後に乾燥させ、グリーンシートを複数枚作製する。
また、窒化アルミニウム粉末、アクリル系バインダ、テルピネオール等の有機溶剤の混合物に、タングステン等の金属粉末を添加して混練することにより、メタライズペーストを作製する。このメタライズペーストを例えばスクリーン印刷装置を用いて印刷することにより、特定の各グリーンシートに、後にヒータ電極50や給電電極54等となる未焼結導体層を形成する。また、グリーンシートにあらかじめビア孔を設けた状態で印刷することにより、後にビア導体52となる未焼結導体部を形成する。
次に、これらのグリーンシートを複数枚(例えば20枚)熱圧着し、必要に応じて外周を切断して、グリーンシート積層体(例えば厚さ8mm)を作製する。このグリーンシート積層体をマシニングによって切削加工して円板状の成形体を作製し、この成形体を脱脂し、さらにこの脱脂体を焼成して焼成体を作製する。この焼成体の表面を研磨加工する。以上の工程により、保持体10が作製される。
また、柱状支持体20の作製方法、例えば以下の通りである。まず、窒化アルミニウム粉末100重量部に、酸化イットリウム粉末1重量部と、PVAバインダ3重量部と、適量の分散剤および可塑剤とを加えた混合物に、メタノール等の有機溶剤を加え、ボールミルにて混合し、スラリーを得る。このスラリーをスプレードライヤーにて顆粒化し、原料粉末を作製する。次に、貫通孔22に対応する中子が配置されたゴム型に原料粉末を充填し、冷間静水圧プレスして成形体を得る。得られた成形体を脱脂し、さらにこの脱脂体を焼成する。以上の工程により、柱状支持体20が作製される。
次に、保持体10と柱状支持体20とを接合する。保持体10の裏面S2および柱状支持体20の上面S3に対して必要によりラッピング加工を行った後、保持体10の裏面S2と柱状支持体20の上面S3との少なくとも一方に、例えば希土類や有機溶剤等を混合してペースト状にした公知の接合剤を均一に塗布した後、脱脂処理する。次いで、保持体10の裏面S2と柱状支持体20の上面S3とを重ね合わせ、ホットプレス焼成を行うことにより、保持体10と柱状支持体20とを接合する。
保持体10と柱状支持体20との接合の後、各緩衝部材60を貫通孔22内に挿入し、各緩衝部材60の上面を各給電電極54の下面に、ロウ材(例えば、Ni系、Au系、Ag系のロウ材)を用いてロウ付けすることにより、電極側ロウ付け部81を形成する。また、各端子部材70を貫通孔22内に挿入し、各端子部材70の上端部を各緩衝部材60に、ロウ材(例えば、Ni系、Au系、Ag系のロウ材)を用いてロウ付けすることにより、端子側ロウ付け部82を形成する。主として以上の製造方法により、上述した構成の加熱装置100が製造される。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における加熱装置100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、給電電極54として、メタライズペーストを印刷して焼成することにより作製されたものが用いられているが、給電電極54として、金属バルク体を保持体10内部に埋め込んだものが用いられてもよい。
また、上記実施形態では、ヒータ電極50と給電電極54とがビア導体52を介して電気的に接続されているが、ヒータ電極50と給電電極54とが別の導電部材(例えば、ドライバ電極や他のビア導体等)を介して電気的に接続されるとしてもよい。また、給電電極54が金属バルク体等である場合には、給電電極54がヒータ電極50と直接接続されていてもよい。
また、上記実施形態における各部材の形状は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、給電電極54はZ軸方向視で略円形であるとしているが、給電電極54のZ軸方向視での形状は略円形以外の形状であってもよい。緩衝部材60や端子部材70についても同様である。
また、上記実施形態の加熱装置100における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。また、上記実施形態における加熱装置100の製造方法は、あくまで一例であり、種々変形可能である。
また、上記実施形態では、保持体10の内部に配置されたヒータ電極50に電気的に接続された給電電極54廻りの構成について説明したが、本発明は、ヒータ電極50に電気的に接続された給電電極54廻りの構成に限らず、保持体10の内部に配置された他の内部電極に電気的に接続された給電電極廻りの構成についても同様に適用可能である。
また、本発明は、加熱装置100に限らず、セラミックス部材と、セラミックス部材の内部に配置された内部電極(ヒータ電極、チャック電極、RF電極等)と、内部電極と電気的に接続された給電電極と、端子部材と、給電電極と端子部材との間に配置された緩衝部材と、給電電極と緩衝部材との間および緩衝部材と端子部材との間を接合するロウ付け部とを備え、セラミックス部材の表面上に対象物を保持する他の保持装置(例えば、静電チャック等)にも同様に適用可能である。
10:保持体 12:凹部 20:柱状支持体 22:貫通孔 30:接合部 50:ヒータ電極 52:ビア導体 54:給電電極 60:緩衝部材 70:端子部材 81:電極側ロウ付け部 82:端子側ロウ付け部 100:加熱装置 E1:外縁 E2:外縁 S1:保持面 S2:裏面 S3:上面 W:半導体ウェハ

Claims (4)

  1. 第1の方向に略直交する第1の表面と前記第1の表面とは反対側の第2の表面とを有し、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス焼結体により形成されたセラミックス部材と、
    前記セラミックス部材の内部に配置された内部電極と、
    タングステンを含む材料により形成され、前記セラミックス部材の前記第2の表面に少なくとも一部が露出するように配置され、前記内部電極に電気的に接続された給電電極と、
    ニッケルを含む材料により形成された端子部材と、
    タングステンを含む材料により形成され、前記第1の方向において前記給電電極と前記端子部材との間に配置された緩衝部材と、
    前記給電電極と前記緩衝部材とを接合する第1のロウ付け部と、
    前記緩衝部材と前記端子部材とを接合する第2のロウ付け部と、
    を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、
    前記第1の方向に平行であり、かつ、前記第1の方向視での前記緩衝部材の中心を通る断面において、前記給電電極の前記第2の表面に露出する部分の外縁は前記緩衝部材の外縁の位置から引き下がり量Lだけ内側に引き下がっており、
    前記引き下がり量Lは、0.3mm以上、2.0mm未満であり、
    前記第1の方向における前記緩衝部材の厚さtは、2.75mm以上であり、
    前記端子部材における前記第2のロウ付け部により覆われた部分の最大径Dは、2.75mm以上、4.25mm未満である、
    ことを特徴とする保持装置。
  2. 請求項1に記載の保持装置において、
    前記第1の方向における前記緩衝部材の厚さtは、3.75mm以上である、
    ことを特徴とする保持装置。
  3. 第1の方向に略直交する第1の表面と前記第1の表面とは反対側の第2の表面とを有し、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス焼結体により形成されたセラミックス部材と、
    前記セラミックス部材の内部に配置された内部電極と、
    タングステンを含む材料により形成され、前記セラミックス部材の前記第2の表面に少なくとも一部が露出するように配置され、前記内部電極に電気的に接続された給電電極と、
    ニッケルを含む材料により形成された端子部材と、
    タングステンを含む材料により形成され、前記第1の方向において前記給電電極と前記端子部材との間に配置された緩衝部材と、
    前記給電電極と前記緩衝部材とを接合する第1のロウ付け部と、
    前記緩衝部材と前記端子部材とを接合する第2のロウ付け部と、
    を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、
    前記第1の方向に平行であり、かつ、前記第1の方向視での前記緩衝部材の中心を通る断面において、前記給電電極の前記第2の表面に露出する部分の外縁は前記緩衝部材の外縁の位置から引き下がり量Lだけ内側に引き下がっており、
    前記引き下がり量Lは、0.3mm以上、2.0mm未満であり、
    前記第1の方向における前記緩衝部材の厚さtは、2.25mm以上であり、
    前記端子部材における前記第2のロウ付け部により覆われた部分の最大径Dは、2.75mm以上、3.75mm未満である、
    ことを特徴とする保持装置。
  4. 第1の方向に略直交する第1の表面と前記第1の表面とは反対側の第2の表面とを有し、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックス焼結体により形成されたセラミックス部材と、
    前記セラミックス部材の内部に配置された内部電極と、
    タングステンを含む材料により形成され、前記セラミックス部材の前記第2の表面に少なくとも一部が露出するように配置され、前記内部電極に電気的に接続された給電電極と、
    ニッケルを含む材料により形成された端子部材と、
    タングステンを含む材料により形成され、前記第1の方向において前記給電電極と前記端子部材との間に配置された緩衝部材と、
    前記給電電極と前記緩衝部材とを接合する第1のロウ付け部と、
    前記緩衝部材と前記端子部材とを接合する第2のロウ付け部と、
    を備え、前記セラミックス部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、
    前記第1の方向に平行であり、かつ、前記第1の方向視での前記緩衝部材の中心を通る断面において、前記給電電極の前記第2の表面に露出する部分の外縁は前記緩衝部材の外縁の位置から引き下がり量Lだけ内側に引き下がっており、
    前記引き下がり量Lは、0.3mm以上、1.0mm未満であり、
    前記第1の方向における前記緩衝部材の厚さtは、1.25mm以上であり、
    前記端子部材における前記第2のロウ付け部により覆われた部分の最大径Dは、2.75mm以上、3.75mm未満である、
    ことを特徴とする保持装置。
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