JP2008086327A - ヒト化グリーン蛍光タンパク質遺伝子および方法 - Google Patents

ヒト化グリーン蛍光タンパク質遺伝子および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】哺乳動物における発現のために適合されたヒト化グリーン蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を提供すること、およびヒト細胞における発現のために適合されたヒト化グリーン蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を提供すること。
【解決手段】好ましいDNAコドンを使用することにより、哺乳動物における発現のために適合されたグリーン蛍光タンパク質(gfp)遺伝子、およびヒト細胞における発現のために適合されたヒト化グリーン蛍光タンパク質(gfp)遺伝子、ならびにその構築物および使用方法。
【選択図】なし

Description

発明の背景
1.発明の分野
本発明は、一般に、レポーター遺伝子の分野に関し、特に改善されたグリーン蛍光タンパク質(GFP)遺伝子、構築物、および使用方法を提供する。本明細書中に開示されるgfp遺伝子は、好ましいDNAコドンを使用することにより、哺乳動物およびヒト細胞における発現のために適合されたヒト化gfp遺伝子である。
2.関連技術の説明
レポーター分子は、遺伝子発現をモニターするために、生物学的な系において頻繁に使用される。一般的に使用されるレポーター遺伝子としては、β−ガラクトシダーゼ、ホタルルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)およびβ−グルクロニダーゼ(GUS)が挙げられる。しかし、利用可能なレポーター遺伝子は、それらの使用を制限する特定の欠点を有する。頻繁に遭遇する制限は、マトリックスの導入が必要とされることである。他の欠点としては、例えば、特定のタンパク質の大きさが挙げられ、これはレポーター−融合タンパク質の発現が困難であり得ることを意味する。
別の有用なストラテジーは、タンパク質を蛍光タグで標識して、インタクトな細胞におけるその後の検出および局在化を可能にすることである。蛍光標識は、免疫蛍光法および蛍光アナログ細胞化学とともに使用され、ここで、タンパク質の生化学およびトラフィッキングが、生存細胞中へのマイクロインジェクションの後にモニターされる。
蛍光標識は一般に、タンパク質を精製し、そしてそれを有機性発蛍光団の反応性誘導体に共有結合することにより達成されている。これらの方法において、色素付着の化学量論および位置はしばしば制御することが困難であり、そしてタンパク質の注意深い再精製が通常必要である。さらなる問題は、標識タンパク質を細胞中へ導入することである。これは、タンパク質を原形質膜を通して導入するために、マイクロインジェクション技術または可逆性透過化の方法を含む。
蛍光タグ化タンパク質に対する分子生物学的代替物は、最近の進歩およびグリーン蛍光タンパク質(GFP)のクローニングにより可能となった。クラゲAequorea victoria由来のgfp 10遺伝子によりコードされるグリーン蛍光タンパク質(GFP)は、青色光(395 nmで主要ピーク)を吸収し、そして緑色光(509 nmで主要ピーク)を発する、238アミノ酸のタンパク質である(MorinおよびHastings,1971;Wardら、1980;Prasherら、1992)。GFPヘキサペプチド発色団はアミノ酸64において始まり、そして、このヘキサペプチド内のセリン−デヒドロチロシン−グリシンの環化を介して一次アミノ酸配列から誘導される(Shimomura,1979;Codyら、1993)。
光刺激性GFP蛍光は、種依存性であり、そしていかなる補因子も、マトリックスも、A. victoria由来のさらなる遺伝子産物も必要としない(Chalfieら、1994)。このことは、有意義な遺伝子発現が達成され得る限り、A. victoria以外の生存細胞におけるGFPの検出を可能にする。従って、gfp 10の小さな大きさおよび産物の「リアルタイムの」検出は、GFPをレポーター遺伝子としての使用のための有望な候補にする。
改善されたスペクトル特性を有する特定のGFP改変体が、最近報告されている。例えば、Heimら(1994)は、青色蛍光を発し、そしてTyr66のかわりにヒスチジンを含む改変体を記載した。Heimら(1995)は後に、Renilla reniformisのスペクトルにずっとより近いスペクトルを有するSer65→Thr GFP改変体を記載した。これは、Aequorea GFPの、より長波長のピークの1モノマー当たりの吸光係数の10倍より大きな1モノマー当たりの吸光係数を有する。
しかし、特定の開発にもかかわらず(例えば、上記の改変体)、GFPの現在の有用性は、哺乳動物細胞における変動する、よくても低い発現レベルにより、なお制限されている。それゆえ、GFP技術における新たな開発が、このタンパク質の完全な能力が理解され得る前に、特に、哺乳動物細胞における発現を必要とする適用(遺伝子治療ストラテジーを含む)において、必要であることは明らかである。
発明の要旨
本発明は、従来技術に固有のこれらおよびその他の欠点を、哺乳動物およびヒト細胞における発現のために適合されたヒト化グリーン蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を提供することにより、克服しようとする。本発明のヒト化gfp遺伝子は、ヒト遺伝子における使用のために好ましいコドンをDNA配列中に組み込むことにより調製される。ヒト化gfp発現構築物ならびにヒト化遺伝子およびベクターの種々の使用方法もまた提供される。
従って、本発明は、ヒト化グリーン蛍光タンパク質(GFP)遺伝子ならびにそのような遺伝子の作製および使用の方法を提供する。本明細書中で使用される用語「ヒト化グリーン蛍光タンパク質(GFP)遺伝子」は、少なくとも1つ、そして好ましくは1つを越える、そして最も好ましくは有意な数のクラゲgfpのコドンを、ヒト遺伝子においてより頻繁に使用される1つ以上のコドンで置換することにより、哺乳動物またはヒト細胞における発現のために適合された遺伝子を意味する。
本発明のヒト化遺伝子は好ましくはcDNAであるが、ゲノムコピーは決して除外されない。ヒト化遺伝子はまた、好ましくは、A. victoria gfp遺伝子から適合されたヒト化型であるが、他のgfp遺伝子供給源もまた、除外されない。
特定の実施態様において、本発明は、配列番号2のアミノ酸配列を有するグリーン蛍光タンパク質をコードするヒト化gfp遺伝子を提供する。
他の実施態様において、ヒト化gfp遺伝子は、おおむね前記の配列に基づくが、特定の変更を有するGFP改変体をコードする。特定の例は、65位のセリンがスレオニンで置換された配列番号2のアミノ酸配列を有するGFPをコードするヒト化遺伝子である。
さらなる例は、66位のチロシンがヒスチジンで置換された配列番号2のアミノ酸配列を有するグリーン蛍光タンパク質をコードするヒト化gfp遺伝子である。
別の例は、64位と69位との間の発色団配列Phe Ser Tyr Gly Val Gln(配列番号4)が配列Met Gly Tyr Gly Val Leu(配列番号5)で置換された配列番号2のアミノ酸配列を有するGFPをコードするヒト化gfp遺伝子である。
ヒト化gfp遺伝子の構造的等価物もまた、本発明内に含まれる。しかし、アミノ末端における1つ以上のアミノ酸残基、またはカルボキシル末端からの約10もしくは15アミノ酸残基で短縮化された改変体は、蛍光タンパク質の産生に関しては一般に有用であるとは考えられない。それゆえ、コードされるGFPは、最小で約222アミノ酸長であるべきであり、約238アミノ酸長のタンパク質が一般に好ましい。
本発明のヒト化遺伝子はまた、少なくとも約10%のそのコドン位置がヒト化コドンを含む遺伝子により定義され得る。すなわち、それらは、ヒト遺伝子において頻繁には使用されないコドンのかわりに、ヒト遺伝子において優先的に使用されるコドンを含む。
他の実施態様において、ヒト化遺伝子は、少なくとも約15%、約20%、約25%、約30%または約35%の、ヒト化コドンの存在により定義されるコドン位置を有する。
少なくとも約50%またはそれより多くのコドン位置がヒト化コドンを含むヒト化gfp遺伝子もまた意図される。
本発明の好ましいヒト化gfp遺伝子は、特定の重要な変化(key change)を含む遺伝子である。例は、クラゲgfp配列のコドン位置18、53、93、125、150、178、195、208、236、および224に位置する10のコドンからの少なくとも7つのヒト化コドンを含む遺伝子である。
好ましくは、ヒト化gfp遺伝子は、クラゲgfp遺伝子配列のコドン位置18、53、93、125、150、178、195、208、236、および224に位置する10のコドンから、少なくとも8、少なくとも9、または10のヒト化コドンを含む。
そのような構築物は、ヒト化ロイシンコドンCTG、CTC、またはTTGのいずれか1つを、GFP遺伝子配列のコドン位置18、53、125、178、195、および236において含むヒト化遺伝子により例証される。さらなる例は、ヒト化バリンコドンGTGを、GFP遺伝子配列のコドン位置93、150、および224において含むヒト化gfp遺伝子である。他の例は、ヒト化セリンコドンTCTを、GFP遺伝子配列のコドン位置208において含むヒト化遺伝子である。
本発明により包含されるヒト化gfp遺伝子はまた、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して増加した数のGCCまたはGCTアラニンコードコドンを含む遺伝子を含む。
用語「配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して増加した数のコドン」は、ヒト化配列が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列のコード領域内に存在する同じアミノ酸をコードするコドンに比較して、配列番号2のアミノ酸配列、または本明細書中に記載の改変体もしくはその他の等価物の1つをコードするGFPコード領域内の特定のアミノ酸をコードする、増加した数のコドンを含むことを意味する。従って、用語「増加した」が、この関連で使用される場合、コード領域の末端部分への1つ以上のコドンの付加を意味するのではなく、むしろコード領域内の好ましくないコドンのヒトまたは哺乳動物細胞における翻訳のためにより好ましいコドンでの置換を意味することが理解される。
上記の定義に照らして、本発明のヒト化gfp遺伝子はまた、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数のTGCシステインコードコドン;増加した数のGACアスパラギン酸コードコドン;増加した数のGAGグルタミン酸コードコドン;増加した数のTTCフェニルアラニンコードコドン;増加した数のGGCグリシンコードコドン;増加した数のCACヒスチジンコードコドン;増加した数のATCイソロイシンコードコドン;増加した数のAAGリジンコードコドン;増加した数のCTGもしくはCTCロイシンコードコドン;増加した数のAACアスパラギンコードコドン;増加した数のCCCもしくはCCTプロリンコードコドン;増加した数のCAGグルタミンコードコドン;増加した数のCGC、AGGもしくはCGGアルギニンコードコドン;増加した数のAGCもしくはTCCセリンコードコドン;増加した数のACCスレオニンコードコドン;増加した数のGTGもしくはGTCバリンコードコドン;および/または増加した数のTACチロシンコードコドンを含む遺伝子として定義され得る。
特定の実施態様において、ヒト化gfp遺伝子はまた、TGA終止コドンを含み得る。
ヒト化gfp遺伝子はまた、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、減少した数の特定のコドンを含むことにより定義され得る。この関連での「減少した」もまた、ヒト化配列が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列のコード領域内に存在する同じアミノ酸をコードするコドンに比較して、配列番号2のアミノ酸配列、またはその改変体もしくは等価物をコードするGFPコード領域内の特定のアミノ酸をコードする、減少した数のコドンを含むことを意味する。従って、「減少した」が、いかようにも、コード領域の任意の部分からのコドンの単純な欠失を反映するのではなく、再びクラゲコドンのヒト遺伝子においてより頻繁に生じるコドンでの置換をいうことが理解される。
従って、本発明のヒト化gfp遺伝子はまた、減少した数のGCAアラニンコードコドン;減少した数のGGUグリシンコードコドン;減少した数のCTT、CTAもしくはTTAロイシンコードコドン;減少した数のAGAアルギニンコードコドン;減少した数のAGT、TCAもしくはTCGセリンコードコドン;または減少した数のGTTもしくはGTAバリンコードコドンを含む遺伝子として定義される。
必要とされるとは考えられてはいないが、ヒト化gfp遺伝子が、ヒト化遺伝子配列の上流に作動可能に配置されたKozakコンセンサス配列を含む(すなわち、遺伝子がKozakコンセンサス配列の下流に配置される)ことが現在好ましい。
特定の好ましいヒト化gfp遺伝子は、配列番号3の核酸配列を含む。しかし、これは決して限定ではなく、そして本発明のまさに1つの例示的な実施態様である。多くの他のそのようなヒト化gfp遺伝子をいかにして作製および使用するかについての詳細な指図は、本明細書中に含まれている。例えば、多数の適切なヒト化gfp遺伝子のいずれか1つを作製するにあたり、表2、表3、および表4中の情報が言及され得る。
本発明の様式においてヒト化された遺伝子はまた、他のタンパク質コード核酸配列に作動可能に連結され得る。これは一般に、そのような核酸構築物の発現後に、融合タンパク質の産生を生じる。N末端およびC末端の両方の融合タンパク質が意図される。
実質的に任意のタンパク質もしくはペプチドコードDNA配列、またはその組み合わせが、融合タンパク質をコードするためにヒト化gfp配列に融合され得る。これは、標的化ペプチド、治療的タンパク質、組換え発現のためのタンパク質、1つ以上の標的化ペプチドが付着されたタンパク質、タンパク質サブユニットなどをコードするDNA配列を含む。
組換えベクターおよびプラスミドは、本発明の別の重要な局面を形成する。そのようなベクターにおいて、ヒト化gfp遺伝子は、プロモーター(一般に、哺乳動物またはヒト細胞において作動可能であるプロモーター)の転写制御下に配置される。「転写制御下に配置される」は、ヒト化gfp配列が、プロモーターの下流にそして転写制御下に配置され、その結果、そのプロモーターが、哺乳動物またはヒト宿主細胞におけるコードされるGFPタンパク質の発現を、ベクターのそのような細胞中への導入に際して、指向させ得ることを意味する。
従って、本発明の組換えベクターは一般に、プロモーターの下流に作動可能に配置されたヒト化gfpレポーター遺伝子を含む。ここで、プロモーターは、哺乳動物またはヒト細胞におけるヒト化GFP遺伝子の発現を指向させ得る。好ましくは、プロモーターは、細胞におけるGFPの発現後にグリーン蛍光を検出することによるGFPの検出を可能にするに十分な量のGFPの発現を指向させる。従って、そのようなプロモーターは、哺乳動物およびヒト細胞において「作動可能」である。
本発明による発現ベクターおよびプラスミドは、1つ以上の構成性プロモーター(例えば、転写を促進することにおいて一般に活性である、ウイルスプロモーターまたは哺乳動物遺伝子由来のプロモーター)を含み得る。構成性ウイルスプロモーターの例としては、HSV、TK、RSV、SV40、およびCMVプロモーターが挙げられる。この中で、CMVプロモーターが現在好ましい例である。構成性哺乳動物プロモーターの例としては、βアクチンプロモーターにより例証されるような種々のハウスキーピング遺伝子プロモーターが挙げられる。
誘導性プロモーターおよび/または調節エレメントもまた、本発明の発現ベクターとの使用のために意図される。適切な誘導性プロモーターの例としては、例えば、チトクロムP450遺伝子、熱ショックタンパク質遺伝子、メタロチオネイン遺伝子、ホルモン誘導性遺伝子(例えば、エストロゲン遺伝子プロモーター)などの遺伝子由来のプロモーターが挙げられる。電離放射線への曝露に応答して活性化されるプロモーター(例えば、fos、jun、およびegr−1)もまた意図される。テトラサイクリンに応答性であるtetVP16プロモーターが現在好ましい例である。
組織特異的プロモーターおよび/または調節エレメントは、特定の実施態様において有用である。本発明の発現ベクターと使用され得るそのようなプロモーターの例としては、肝臓脂肪酸結合(FAB)タンパク質遺伝子(結腸上皮に特異的);インスリン遺伝子(膵臓細胞に特異的);トランスフィレチン(transphyretin)、α1−アンチトリプシン、プラスミノーゲン活性化因子インヒビター1型(PAI−1)、アポリポプロテインAIおよびLDLレセプター遺伝子(肝臓細胞に特異的);ミエリン塩基性タンパク質(MBP)遺伝子(乏突起神経膠細胞に特異的);グリア繊維酸性タンパク質(GFAP)遺伝子(神経膠細胞に特異的);OPSIN(眼への標的化に特異的);ならびに神経細胞に特異的である神経特異的エノラーゼ(NSE)プロモーターが挙げられる。
発現ベクターおよびプラスミドの構築および使用は、当業者に周知である。従って、実質的に任意の哺乳動物細胞発現ベクターが、本明細書に開示されるヒト化遺伝子に関連して使用され得る。
好ましいベクターおよびプラスミドは、少なくとも1つのマルチクローニング部位を有して構築される。特定の実施態様において、発現ベクターは、プロモーターとヒト化gfp遺伝子配列との間に作動可能に配置されたマルチクローニング部位を含む。そのようなベクターは、他の実施態様におけるそれらの使用に加えて、第2のタンパク質コードDNAセグメントを、それがヒト化gfp配列と連続的かつインフレームであるように、マルチクローニング部位中にクローン化することにより、N末端融合タンパク質を作製するために使用され得る。
他の実施態様において、発現ベクターは、発現可能ヒト化gfp遺伝子配列の下流に作動可能に配置されたマルチクローニング部位を含み得る。これらのベクターは、それらの使用に加えて、第2のタンパク質コードDNAセグメントを、それがヒト化gfp配列と連続的かつインフレームであるように、マルチクローニング部位中にクローン化することにより、C末端融合タンパク質を作製することにおいて有用である。
その中に第2のタンパク質またはRNAコード核酸セグメントもまた存在するベクターおよびプラスミドはまた、もちろん、核酸セグメントそれ自体の性質にかかわらず、本発明により包含される。
第2のレポーター遺伝子が、本発明の発現ベクター内に含まれ得る。第2のレポーター遺伝子は、第2の転写単位内に含まれ得る。適切な第2のレポーター遺伝子としては、ネオマイシン、ハイグロマイシン、ピューロマイシン、ゼオシン(zeocin)、ミコフェノール酸、ヒスチジノールおよびメトトレキセートのような薬剤に対する耐性を与える遺伝子が挙げられる。
発現ベクターはまた、IRESエレメント、ポリアデニル化シグナル、スプライスドナー/スプライスアクセプターシグナルなどのような他の核酸配列を含み得る。
適切な発現ベクターの特定の例は、組換えアデノウイルス、組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)、または組換えレトロウイルス系を使用する発現に適合されたベクターである。とりわけ、ワクシニアウイルス、単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、および欠陥B型肝炎ウイルスもまた使用され得る。
特定の実施態様において、発現ベクターまたはプラスミドは、配列番号3の核酸配列を有するヒト化GFPレポーター遺伝子を含み得る。
レポーター遺伝子発現キットもまた提供される。このキットは一般に、適切な容器手段中に、ヒト化GFP遺伝子を含む少なくとも1つの発現ベクターまたはプラスミドを含む。ベクターまたはプラスミドは一般に、哺乳動物またはヒト細胞における発現後のグリーン蛍光によるGFPの検出を可能にするに十分な量のGFPを発現し得るベクターまたはプラスミドである。
組換え宿主細胞は、本発明の別の局面を形成する。そのような宿主細胞は一般に、少なくとも1コピーのヒト化GFP遺伝子を含む。発現目的のために好ましい細胞は、哺乳動物およびヒト細胞である。しかし、他の細胞型が本発明の細胞型から除外されないことが理解される。従って、細菌細胞、酵母細胞、真菌細胞、昆虫細胞、線虫細胞、および植物細胞のような細胞もまた可能であるが、そのような細胞は発現目的のためには好ましくない。
特定の実施態様において、組換え宿主細胞は好ましくは、細胞がGFPを、最も好ましくはGFPのその蛍光による検出を可能にするに十分な量で、発現する、または発現するように刺激されることを可能にするに有効な様式で、ヒト化GFP遺伝子を組み込む。従って、組換え宿主細胞は好ましくは、組換えベクターにより細胞中に導入されたヒト化GFP遺伝子を含む。
特定の実施態様において、組換え宿主細胞は、ヒト化GFP遺伝子を発現して、コードされるGFPタンパク質を、好ましくはGFPのその蛍光による検出を可能にするに十分な量で、産生する。約20コピーほど少しのヒト化gfp遺伝子含む細胞が、しばしば、GFPのそのグリーン蛍光による検出を可能にするに十分な量で、GFPタンパク質を発現することが意図される。特定の実施態様において、約10コピー、約5コピー、またはたった約1もしくは2コピーほど少しのヒト化gfp遺伝子を含む細胞もまた、特にヒト化gfp遺伝子が改変体遺伝子である場合、所望される発現基準を満たしそうである。他の実施態様において、組換え宿主細胞は、約10時間の時間枠内、そして好ましくは約8時間以内、そして最も好ましくは約6時間以内またはより短い時間以内で検出可能なGFPタンパク質を産生するために、ヒト化遺伝子を発現し得る。
適切な組換え宿主細胞の例としては、VERO細胞、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株の細胞、COS細胞(例えば、COS−7)、ならびにW138、BHK、HepG2、3T3、RIN、MDCK、A549、PC12、K562、および293細胞が挙げられる。
哺乳動物から細胞を取り出し、そして細胞を限定された期間培養した後に樹立された初代細胞株の細胞もまた、本発明の細胞内に含まれる。これらの細胞は、人の手により加工され、そしてそれがもともと回収された同じ宿主動物に戻され得る。ヒト化gfp遺伝子を含むそのような細胞は、その位置にかかわらず、本発明の範囲内に入る。
当然、組換え細胞はまた、遺伝子治療により標的化され得たような、動物またはヒト被験体の身体内に位置する細胞を含む。これらの細胞としては、遺伝子が獲得された様式(例えば、トランスフェクション、感染などによる)にかかわらず、少なくとも1コピーのヒト化gfp遺伝子またはベクターを含む全ての細胞が挙げられる。
特定の実施態様において、配列番号3の核酸配列を含むヒト化GFP遺伝子を含む組換え宿主細胞が意図される。
ヒト化gfp遺伝子を使用する多数の方法が、本発明により提供される。哺乳動物またはヒト細胞を、細胞内で少なくとも一つのヒト化GFP遺伝子を発現することにより標識またはタグ化する方法は、各方法の中心である。ヒト化gfp遺伝子は、好ましくは、GFP蛍光を検出することによる細胞内のGFPの容易な検出を可能にするのに十分な量のGFPを産生するはずである。
細胞の集団内で哺乳動物またはヒト細胞を同定する方法もまた提供される。このような方法はまず、一般に、蛍光によるGFP検出を可能にするために十分な量のGFPを産生するために有効な様式で、細胞内で少なくとも一つのヒト化GFP遺伝子を発現する工程を包含する。次いで、細胞はGFPを発現しない細胞の集団と混合されるか、または自然に混合させ、続いてこの細胞が、GFP蛍光細胞を同定する手段により同定される。
本明細書中で使用される用語「GFP蛍光細胞」は、細胞中のGFPからのグリーン蛍光を検出することによる細胞の結果的な検出を可能にするために十分な量のGFP産物の生産を生じるために有効な様式でヒト化GFP遺伝子を発現する細胞を意味する。
本発明はさらに、外因性DNAセグメントを含む哺乳動物またはヒト細胞を同定するための方法を提供する。この方法はまず、一般に、外因性DNAセグメントに作動可能に連結されたヒト化GFP遺伝子を含む発現ベクターを哺乳動物またはヒト細胞に導入する工程を包含する。次いで、細胞は、グリーン蛍光によるGFP検出を可能にするために十分な量のGFPを産生するために、好ましくは、ヒト化gfp遺伝子の発現を可能にするのに有効な条件下および期間で培養される。引き続いて、外因性DNAセグメントを含む細胞を結果的に同定することは、GFP蛍光細胞を同定することにより達成される。
これらの方法は、未翻訳産物(たとえば、アンチセンス核酸分子、リボゾーム、または他のRNA種)をコードする外因性DNAセグメントを同定するために、および翻訳産物(例えば、選択されるタンパク質またはペプチド)をコードする外因性DNAセグメントを同定するためにもまた適切である。
特定のこのような実施態様において、このような方法での使用のための発現ベクターは、GFPをコードするヒト化gfp遺伝子として規定される第1のコード領域を含み、そしてまた外因性DNAセグメントを含む第2のコード領域を含む。これらのベクターは、一般に、少なくとも2つの転写ユニットまたは翻訳ユニットを含むベクターとして公知である。2つの転写ユニットは、それらのそれぞれの下流遺伝子の発現を指向する2つのプロモーターを天然に含む。
外因性DNAセグメントを含む哺乳動物またはヒト細胞を同定する方法はまた、選択されるタンパク質またはペプチドに作動可能に連結されたGFPを含む融合タンパク質をコードする第1のコード領域を含む発現ベクターを用いる使用に適切である。このベクターは、選択されるタンパク質またはペプチドに作動可能に連結されたGFPを含む融合タンパク質を発現する。本発明のこれらの局面は、一般に、必ずしも排他的ではないが、翻訳産物をコードする外因性DNAセグメントの検出を確証する。
このような様式で発現される融合タンパク質は、細胞下の(sub−cellular)局在化シグナル(例えば、核標的化ペプチドまたはミトコンドリア標的化ペプチド)を含むペプチドに作動可能に連結されたGFPを含み得る。融合タンパク質はまた、細胞下の局在化シグナルを含む選択されるタンパク質およびペプチドの両方に作動可能に連結されたGFPを含み得る。
このような同定方法は、以下に記載されるような考慮において種々の目的でインビトロで実施され得る。これらの同定方法はまた、インビボで実施され得、ここで細胞は、哺乳動物またはヒト被験体内に位置される。
2つ以上のヒト化gfp遺伝子(各々が異なるスペクトル特性を有するGFPタンパク質を発現する)が、上記の様式で細胞内で検出され得る。1つ、2つ、またはそれ以上のいずれかのヒト化gfp遺伝子を発現するGFP蛍光細胞は、種々の方法により同定され得、この方法は、顕微鏡観察および蛍光活性化セルソーティング(FACS)を含む。
本発明の方法のさらなる例は、哺乳動物細胞またはヒト細胞内での選択されるタンパク質の位置を決定するための方法である。これらの方法はまず、一般に、選択されるタンパク質をコードする遺伝子に作動可能に連結されたヒト化GFP遺伝子を含む連続するDNA配列を含む発現ベクターを細胞に導入する工程を包含する。このベクターは、一般に、選択されるタンパク質に作動可能に連結されたGFPを含む融合タンパク質を発現する。ここで、この融合タンパク質は、GFPのグリーン蛍光を検出することによる細胞の検出を可能にするために十分な量で産生される。次いで、GFPからのグリーン蛍光の位置を同定することにより、細胞内の選択されるタンパク質の位置が同定され得る。
これらの方法は、細胞内での選択されるタンパク質の位置を決定するために適切であり、ここで、この位置は、外部刺激(例えば、熱、低温、塩、またはホルモン、サイトカイン、神経伝達物質などのような種々のアゴニストの存在)に依存すると知られるかまたは考えられる。これらの方法はまた、細胞内の選択されるタンパク質の位置を決定するために適切であり、ここで、この位置は、細胞周期における変化の間、細胞の老化の間、およびアポトーシスなどの間に存在するような内部シグナルに依存すると知られるかまたは考えられる。
本発明の方法のなおさらなる例は、タンパク質を哺乳動物またはヒト細胞内の選択される位置へ標的化するための方法である。これらの方法はまず、一般に、ヒト化GFP遺伝子のDNA配列エレメントに作動可能に連結されそしてそれに連続する標的化ペプチド(これはまた、タンパク質をコードするDNA配列エレメントに作動可能に連結されそしてそれに連続する)をコードするDNA配列エレメントを含むDNA配列を含む発現ベクターを細胞内に導入する工程を包含する。このようなベクターは、GFPおよびタンパク質に作動可能に連結された標的化ペプチドを含む融合タンパク質を発現する。ここで、この融合タンパク質は、GFP蛍光を検出することによって細胞の検出を可能にするために十分な量で細胞内で産生される。次いで、タンパク質は、細胞内の選択される位置に標的化され、そしてその位置が、グリーン蛍光の位置を検出することにより確証される。
本発明に関連する方法のなおさらなる例は、哺乳動物またはヒト細胞内の候補プロモーターを試験するための方法である。
これらの方法は、一般に、候補プロモーターの制御下でヒト化GFP遺伝子を含む発現ベクターを細胞に導入する工程および候補プロモーターによるヒト化GFP遺伝子の発現を可能にするために有効な条件下および十分な期間で細胞を維持する工程を包含する。「有効な条件」および「十分な期間」は、既知の操作的なプロモーターを使用する場合に、グリーン蛍光によるGFP検出を可能にするために十分な量で産生されるGFPを通常生じるそれらの条件および時間として定義される。
適切な条件下で細胞を維持した後、ついで、任意のGFP蛍光細胞が同定される。ここで、GFP蛍光細胞の存在は、同定される細胞内での発現構築物における活性プロモーターを示す。
これらの方法は、候補組織特異的プロモーターを分析するため(ここで、このプロモーターは、哺乳動物またはヒト細胞の範囲内で試験され得る);および候補の誘導性プロモーターを分析するため(ここで、このプロモーターは、一般に、条件の範囲下で試験される)に適切である。本明細書中で使用される用語「組織特異的プロモーター」は、特定の組織中で排他的に遺伝子発現を指向するプロモーターおよび所定の組織中で遺伝子発現を優先的に指向するプロモーター(これはまた、「組織優先的」プロモーターと名付けられる)をいうために使用される。候補プロモーターはまた、哺乳動物またはヒト細胞内での発現のために試験される候補遺伝子と天然に会合するプロモーターであり得る。
これらの方法はさらに、インビトロおよびインビボでプロモーターを分析するために適切である。ここで、後者の場合、細胞は、哺乳動物またはヒト被験体内に位置される。
プロモーターの文脈において、ヒト化gfpを使用するための方法のさらなる例は、哺乳動物またはヒト細胞内の選択されるプロモーターからの転写を刺激する物質を検出するそれらの方法である。さらに、一般に、所定のプロモーターの制御下でヒト化GFP遺伝子を含む発現ベクターが、哺乳動物またはヒト細胞に導入される。次いで、細胞が、所定のプロモーターからの転写を刺激し得ることが知られるかまたは疑わしい物質を含むことが疑われる組成物に曝される。次いで、細胞は、活性プロモーターが、GFP由来グリーン蛍光を検出することによって細胞検出を可能にするために十分な量でGFP融合タンパク質産生を刺激することを通常可能にする期間、培養または維持される。次いで、引き続くGFP蛍光細胞の同定は、所定のプロモーターからの転写を刺激する物質の元の存在を示す。
これらの方法はまた、インビトロおよびインビボでの使用に適切である。インビトロでの使用は、毒素および汚染物質のような物質が、ヒト化gfp遺伝子構築物内での適切なプロモーターを使用することにより検出されることを可能にする。
遺伝子治療の部分として、処置される哺乳動物またはヒト被験体内の遺伝子発現レベルを決定することがしばしば必要とされる。本発明はまた、このような発現レベルを決定するための方法を提供する。これらの方法は、一般に、選択される遺伝子に作動可能に連結されるヒト化GFP遺伝子を含む発現ベクターを動物の細胞内で発現させる工程を包含する。発現ベクターは、好ましくは、GFP融合タンパク質を発現するベクター、またはヒト化gfp遺伝子および選択されるタンパク質遺伝子がそれぞれ同一または等価のプロモーターを使用するベクターのいずれかである。プロモーターは、好ましくは、インビトロでの検出を可能にするために十分なGFP発現を生じることが示されている。次いで、動物の細胞内のGFP蛍光が決定され、ここで、GFP蛍光のレベルは動物内における選択される遺伝子の発現レベルを示す。
これらの方法は、哺乳動物またはヒト被験体の異なる組織内の選択される遺伝子の発現を分析するための方法を提供するように適合され得る。このような方法は、一般に、天然の遺伝子プロモーターの制御下で選択される遺伝子(ここで、この遺伝子は、ヒト化GFP遺伝子に作動可能に連結される)を含む発現ベクターを哺乳動物の細胞内に導入する工程を包含する。ベクターは、好ましくは、GFPに作動可能に連結されたコード遺伝子産物を含む融合タンパク質を発現し、この融合タンパク質は、GFPのグリーン蛍光を検出することによる細胞検出を可能にするために十分な量で産生される。遺伝子の発現を可能にするために有効な条件下および十分な期間で哺乳動物を維持した後、次いで、哺乳動物の組織の細胞が、GFP蛍光細胞を検出するために分析され、ここで、所定の組織内のGFP蛍光細胞の存在は、組織内の遺伝子発現を示す。
ヒト化gfp遺伝子が使用され得るさらなる例は、GFP自身の組換え産生である。ヒト化GFP遺伝子を使用するこのような方法は、単に、哺乳動物またはヒト宿主細胞内でヒト化遺伝子を発現する工程およびその細胞により発現されるGFPを回収する工程を包含する。
これらの方法は、以下の工程を包含するように、より完全に記載され得る:
(a)ヒト化GFP遺伝子が哺乳動物またはヒト細胞内で操作的なプロモーターの制御下で位置される、組換えベクターを調製する工程;
(b)組み換えベクターを哺乳動物またはヒト宿主細胞に導入する工程;
(c)コード化グリーン蛍光タンパク質(GFP)の発現を可能にするために有効な条件下および十分な期間で宿主細胞を培養する工程;および
(d)その発現されたGFPを回収する工程、および、好ましくは、他の細胞性タンパク質の十分な量を有さないGFPを精製する工程。
このような方法の適合化は、ヒト化GFP遺伝子が、公知の分子量のタンパク質またはペプチドをコードするDNA配列と融合されることを含む。従って、宿主細胞による発現は、蛍光分子量マーカーとして使用され得るGFP融合タンパク質を生じる。このような蛍光分子量マーカーの範囲は、分子量決定キットを作製するためにこのように産生される。
・本発明はさらに、以下を提供する:
・(項目1)ヒト化グリーン蛍光タンパク質(GFP)遺伝子。
・(項目2)上記遺伝子が、配列番号2のアミノ酸配列を有するグリーン蛍光タンパク質をコードする、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目3)上記遺伝子が、配列番号2のアミノ酸配列を有するグリーン蛍光タンパク質をコードし、65位のセリンをトレオニンに置換した、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目4)上記遺伝子が、配列番号2のアミノ酸配列を有するグリーン蛍光タンパク質をコードする遺伝子であって、66位のチロシンをヒスチジンに置換した、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目5)上記遺伝子が、配列番号2のアミノ酸配列を有するグリーン蛍光タンパク質をコードする遺伝子であって、64位と69位との間の発色団配列Phe Ser Tyr Gly Val Gln(配列番号4)を配列Met Gly Tyr Gly Val Leu(配列番号5)に置換した、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目6)上記コドン位置の少なくとも約10%がヒト化コドンを含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目7)上記コドン位置の少なくとも約15%がヒト化コドンを含む、項目6に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目8)上記コドン位置の少なくとも約20%がヒト化コドンを含む、項目7に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目9)上記コドン位置の少なくとも約25%がヒト化コドンを含む、項目8に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目10)上記コドン位置の少なくとも約30%がヒト化コドンを含む、項目9に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目11)上記コドン位置の少なくとも約35%がヒト化コドンを含む、項目10に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目12)上記コドン位置の少なくとも約50%がヒト化コドンを含む、項目11に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目13)上記遺伝子が、GFP遺伝子配列のコドン位置18、53、93、125、150、178、195、208、236、および224に位置する10個のコドンからの少なくとも7個のヒト化コドンを含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目14)上記遺伝子が、GFP遺伝子配列のコドン位置18、53、93、125、150、178、195、208、236、および224に位置する10個のコドンからの少なくとも8個のヒト化コドンを含む、項目13に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目15)上記遺伝子が、GFP遺伝子配列のコドン位置18、53、93、125、150、178、195、208、236、および224に位置する10個のコドンからの少なくとも9個のヒト化コドンを含む、項目14に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目16)上記遺伝子が、GFP遺伝子配列のコドン位置18、53、93、125、150、178、195、208、236、および224の各々で1個のヒト化コドンを含む、項目15に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目17)上記遺伝子が、GFP遺伝子配列のコドン位置18、53、125、178、195、および236でヒト化ロイシンコドンCTG、CTC、またはTTGのいずれか1つを含む、項目13に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目18)上記遺伝子が、GFP遺伝子配列のコドン位置93、150、および224でヒト化バリンコドンGTGを含む、項目13に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目19)上記遺伝子が、GFP遺伝子配列のコドン位置208でヒト化セリンコドンTCTを含む、項目13に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目20)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数の増加した数のGCCまたはGCTアラニンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目21)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数のTGCシステインコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目22)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数のGACアスパラギン酸コードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目23)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数のGAGグルタミン酸コードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目24)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数のTTCフェニルアラニンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目25)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数のGGCグリシンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目26)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数のCACヒスチジンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目27)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数のATCイソロイシンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目28)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数のAAGリジンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目29)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数のCTGまたはCTCロイシンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目30)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数のAACアスパラギンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目31)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数のCCCまたはCCTプロリンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目32)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数のCAGグルタミンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目33)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数のCGC、AGG、またはCGGアルギニンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目34)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数のAGCまたはTCCセリンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目35)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数のACCトレオニンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目36)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数のGTGまたはGTCバリンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目37)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、増加した数のTACチロシンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目38)上記遺伝子が、TGA終止コドンを含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目39)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、減少した数のGCAアラニンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目40)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、減少した数のGGUグリシンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目41)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、減少した数のCTT、CTA、またはTTAロイシンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目42)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、減少した数のAGAアルギニンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目43)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、減少した数のAGT、TCA、またはTCGセリンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目44)上記遺伝子が、配列番号1の野生型クラゲ遺伝子配列に比較して、減少した数のGTTまたはGTAバリンコードコドンをコード領域内に含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目45)上記遺伝子が、Kozakコンセンサス配列の下流に作動可能に位置する、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目46)上記遺伝子が、配列番号3の核酸配列を含む、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目47)上記遺伝子が、タンパク質コード核酸配列に作動可能に連結する、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目48)上記遺伝子が、哺乳動物細胞において操作的なプロモーターの転写制御下に位置する、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目49)組換えベクターとしてさらに規定される、項目48に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目50)プロモーターの下流に作動可能に位置するヒト化GFPレポーター遺伝子を包含し、上記プロモーターが哺乳動物細胞においてヒト化GFP遺伝子の発現を指向する、発現ベクター。
・(項目51)上記プロモーターが構成プロモーターである、項目50に記載の発現ベクター。
・(項目52)上記プロモーターがウイルスプロモーターである、項目50に記載の発現ベクター。
・(項目53)上記プロモーターが、HSV、TK、RSV、SV40、CMV、またはβアクチンプロモーターである、項目50に記載の発現ベクター。
・(項目54)上記プロモーターがCMVプロモーターである、項目53に記載の発現ベクター。
・(項目55)上記プロモーターが、誘導プロモーターである、項目50に記載の発現ベクター。
・(項目56)上記プロモーターが、チトクロムP450、熱ショックタンパク質、メタロチオネインまたはエストロゲン遺伝子プロモーター、放射線誘導(radiation−inducible)プロモーター、またはtetVP16プロモーターである、項目55に記載の発現ベクター。
・(項目57)上記プロモーターが、組織特異的プロモーターである、項目50に記載の発現ベクター。
・(項目58)上記プロモーターが、FAB、インスリン、トランスフィレチン、α1−抗トリプシン、PAI−1、アポリポタンパク質AI、LDLレセプター、MBP、GFAP、OPSIN、またはNSE遺伝子プロモーターである、項目57に記載の発現ベクター。
・(項目59)上記発現ベクターが、複数のクローニング部位をさらに含む、項目50に記載の発現ベクター。
・(項目60)上記発現ベクターが、上記プロモーターと上記ヒト化GFP遺伝子との間に作動可能に位置された複数のクローニング部位を含む、項目59に記載の発現ベクター。
・(項目61)上記発現ベクターが、上記ヒト化GFP遺伝子の下流に作動可能に位置された複数のクローニング部位を含む、項目59に記載の発現ベクター。
・(項目62)上記発現ベクターが、IRESエレメントをさらに含む、項目50に記載の発現ベクター。
・(項目63)上記発現ベクターが、第2レポーター遺伝子をさらに含む、項目50に記載の発現ベクター。
・(項目64)上記第2レポーター遺伝子が、第2転写単位内に含まれる、項目63に記載の発現ベクター。
・(項目65)上記第2レポーター遺伝子が、ネオマイシン、ヒグロマイシン、ピューロマイシン、ゼオシン、ミコフェノール酸、ヒスチジノール、またはメトトレキセートに対する耐性を付与する、項目63に記載の発現ベクター。
・(項目66)上記発現ベクターが、ポリアデニル化シグナルをさらに含む、項目50に記載の発現ベクター。
・(項目67)上記発現ベクターが、組換えアデノウイルスベクターである、項目50に記載の発現ベクター。
・(項目68)上記発現ベクターが、組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである、項目50に記載の発現ベクター。
・(項目69)上記発現ベクターが、組換えレトロウイルスベクターである、項目50に記載の発現ベクター。
・(項目70)上記発現ベクターが、配列番号3の核酸配列を有するヒト化GFPレポーター遺伝子を含む、項目50に記載の発現ベクター。
・(項目71)上記発現ベクターが、増強されたグリーンまたは増強されたブルー蛍光タンパク質を発現する、項目50に記載の発現ベクター。
・(項目72)ヒト化GFP遺伝子を含む、組換え宿主細胞。
・(項目73)上記ヒト化GFP遺伝子が、組換えベクターを用いて上記細胞に導入される、項目72に記載の組換え宿主細胞。
・(項目74)上記細胞が、上記ヒト化GFP遺伝子を発現し、コード化GFPタンパク質を産生する、項目73に記載の組換え宿主細胞。
・(項目75)上記細胞が、哺乳動物細胞である、項目72に記載の組換え宿主細胞。
・(項目76)上記細胞が、ヒト細胞である、項目72に記載の組換え宿主細胞。
・(項目77)上記細胞が、VERO、HeLa、CHO、COS、W138、BHK、HepG2、3T3、RIN、MDCK、A549、PC12、K562、または293細胞である、項目72に記載の組換え宿主細胞。
・(項目78)上記細胞が、一次細胞株の細胞である、項目72に記載の組換え宿主細胞。
・(項目79)上記細胞が、哺乳動物内に位置される、項目72に記載の組換え宿主細胞。
・(項目80)上記細胞が、配列番号3の核酸配列を含むヒト化GFP遺伝子を含む、項目72に記載の組換え宿主細胞。
・(項目81)上記細胞が、所望のタンパク質を発現する組換え遺伝子をさらに含む、項目72に記載の組換え宿主細胞。
・(項目82)適切な容器手段中に、ヒト化GFP遺伝子を含む発現ベクターを含む、レポーター遺伝子発現キット。
・(項目83)哺乳動物細胞を標識するための方法であって、ヒト化GFP遺伝子を上記細胞において発現する工程を包含する、方法。
・(項目84)細胞の集団内の哺乳動物細胞を同定するための方法であって、以下の工程:
(a)上記細胞において、ヒト化GFP遺伝子を発現する工程;
(b)GFPを発現しない細胞の集団と上記細胞を混合する工程;および
(c)GFP蛍光細胞を同定することによって上記細胞を同定する工程、
を包含する、方法。
・(項目85)外因性DNAセグメントを含む哺乳動物細胞を同定する方法であって、以下の工程:
(a)外因性DNAセグメントに作動可能に連結されるヒト化GFP遺伝子を含む発現ベクターを、上記細胞に導入する工程;および
(b)GFP蛍光細胞を同定することによって、上記外因性DNAセグメントを含む細胞を同定する工程、
を包含する、方法。
・(項目86)上記発現ベクターが、GFPをコードする第1コード領域および上記外因性DNAセグメントを含む第2コード領域を含む、項目85に記載の方法。
・(項目87)上記外因性DNAセグメントが、非翻訳産物をコードする、項目85に記載の方法。
・(項目88)上記外因性DNAセグメントが、選択されたタンパク質またはペプチドをコードする、項目85に記載の方法。
・(項目89)上記発現ベクターが、上記選択されたタンパク質またはペプチドに作動可能に連結されたGFPを含む融合タンパク質をコードする第1コード領域を含む、項目88に記載の方法。
・(項目90)上記融合タンパク質が、細胞下の局在化シグナルを含むペプチドに作動可能に連結されたGFPを含む、項目89に記載の方法。
・(項目91)上記融合タンパク質が、細胞下の局在化シグナルを含む選択されたタンパク質およびペプチドに作動可能に連結されたGFPを含む、項目90に記載の方法。
・(項目92)上記融合タンパク質が、核標的化ペプチドに連結されたGFPを含む、項目90に記載の方法。
・(項目93)上記融合タンパク質が、ミトコンドリア標的化ペプチドに連結されたGFPを含む、項目90に記載の方法。
・(項目94)上記細胞が、異なるスペクトル特性を有するGFPタンパク質を各々発現する、第1および第2ヒト化GFP遺伝子を含む、項目85に記載の方法。
・(項目95)上記細胞が、ヒト細胞である、項目85に記載の方法。
・(項目96)上記GFP蛍光細胞が、蛍光活性化セルソーティングによって同定される、項目85に記載の方法。
・(項目97)上記細胞が、哺乳動物内に位置する、項目85に記載の方法。
・(項目98)哺乳動物細胞内の選択されたタンパク質の位置を測定するための方法であって、以下の工程:
(a)上記選択されたタンパク質をコードする遺伝子に作動可能に連結されたヒト化GFP遺伝子を含む連続したDNA配列を含む発現ベクターを、上記細胞に導入する工程;および
(b)GFP蛍光の位置を同定することにより上記細胞内の上記選択されたタンパク質の位置を同定する工程、
を包含する、方法。
・(項目99)上記細胞内の上記選択されたタンパク質の上記位置が、外部刺激に依存する、項目98に記載の方法。
・(項目100)上記細胞内の上記選択されたタンパク質の上記位置が、細胞周期に依存する、項目98に記載の方法。
・(項目101)哺乳動物細胞内の選択された位置にタンパク質を標的化する方法であって、以下の工程:
(a)ヒト化GFP遺伝子およびタンパク質コード遺伝子に作動可能に連結された標的化ペプチドをコードする配列を含む連続したDNA配列を含む発現ベクターを、上記細胞に導入する工程;および
(b)GFP蛍光の位置を同定することにより、上記細胞内の上記タンパク質の上記選択された位置を確認する工程、
を包含する、方法。
・(項目102)哺乳動物細胞における候補プロモーターを試験する方法であって、以下の工程:
(a)上記候補プロモーターの制御下でヒト化GFP遺伝子を含む発現ベクターを、上記細胞に導入する工程;
(b)上記候補プロモーターによって上記ヒト化GFP遺伝子の発現を可能にするのに効果的な条件下および十分な期間、上記細胞を維持する工程;および
(c)GFP蛍光細胞を同定する工程であって、GFP蛍光細胞の存在が、活性プロモーターを示す、工程、
を包含する、方法。
・(項目103)上記候補プロモーターが、候補的組織特異的プロモーターである、項目102に記載の方法。
・(項目104)上記候補プロモーターが、候補的誘導プロモーターである、項目102に記載の方法。
・(項目105)上記候補プロモーターが、哺乳動物細胞における発現について試験される候補的遺伝子と天然に会合する、項目102に記載の方法。
・(項目106)上記細胞が、哺乳動物内に位置する、項目102に記載の方法。
・(項目107)哺乳動物細胞において、選択されたプロモーターからの転写を刺激する物質を検出する方法であって、以下の工程:
(a)上記選択されたプロモーターの制御下で、ヒト化GFP遺伝子を含む発現ベクターを、哺乳動物細胞に導入する工程;
(b)上記物質を含むと思われる組成物を、上記細胞に曝露する工程;および
(c)GFP蛍光細胞を同定する工程であって、GFP蛍光細胞の存在が、上記選択されたプロモーターからの転写を刺激する物質の存在を示す、工程、
を包含する、方法。
・(項目108)上記物質が、毒素または汚染物質である、項目107に記載の方法。
・(項目109)哺乳動物において、選択された遺伝子の発現レベルを測定するための方法であって、以下の工程:
(a)選択された遺伝子に作動可能に連結されたヒト化GFP遺伝子を含む発現ベクターを、上記哺乳動物の細胞において発現する工程;および
(b)上記哺乳動物の細胞においてGFP蛍光を測定する工程であって、GFP蛍光のレベルが、上記選択された遺伝子の発現レベルを示す、工程、
を包含する、方法。
・(項目110)哺乳動物の異なる組織における選択された遺伝子の発現を分析するための方法であって、以下の工程:
(a)天然の遺伝子プロモーターの制御下で上記選択された遺伝子を含む発現ベクターを、上記哺乳動物の細胞に導入する工程であって、上記遺伝子は、ヒト化GFP遺伝子に作動可能に連結した、工程;
(b)上記遺伝子の発現を可能にするのに効果的な条件下および十分な期間、上記哺乳動物を維持する工程;および
(c)上記哺乳動物の組織の細胞を分析する工程であって、所与の組織におけるGFP蛍光細胞の存在が、上記組織における遺伝子発現を示す、工程、
を包含する、方法。
・(項目111)ヒト化GFP遺伝子を用いる方法であって、哺乳動物宿主細胞においてヒト化GFP遺伝子を発現する工程、および上記細胞によって発現される上記GFPを回収する工程を包含する、方法。
・(項目112)上記ヒト化GFP遺伝子が、既知の分子量のタンパク質またはペプチドをコードするDNA配列と融合し、そしてここで上記宿主細胞が、GFP融合タンパク質を発現する、項目111に記載の方法。
・(項目113)上記遺伝子が、145位のチロシンがフェニルアラニンで置換された配列番号2のアミノ酸配列を有するブルー蛍光タンパク質をコードする、項目4に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目114)配列番号2のアミノ酸配列の66位のチロシンをコードするTATが、CATで置換され、そして配列番号2のアミノ酸の145位のチロシンをコードするTATが、TTCで置換されている、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目115)上記遺伝子が、64位のフェニルアラニンがロイシンで置換され、そして65位のセリンがトレオニンで置換された配列番号2のアミノ酸配列を有するグリーン蛍光タンパク質をコードする、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
・(項目116)配列番号2のアミノ酸配列の64位のフェニルアラニンをコードするTTCが、CTGで置換され、そして65位のセリンをコードするTCTが、ACCで置換されている、項目1に記載のヒト化GFP遺伝子。
好ましい実施態様の詳細な説明
クラゲグリーン蛍光タンパク質(GFP)は、レポーター遺伝子としての使用のための有望な候補として提唱されている。しかし、gfp遺伝子の顕著な限界は、それが哺乳動物細胞系で十分な発現を生じないことである。実際に、組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)によりヒト細胞に送達されたクラゲGFPレポーター遺伝子を発現するような本発明者らの最初の試みは、失敗した。
本発明者らは、GFPの低発現の重要な理由は、ヒト細胞環境におけるmRNAの乏しい翻訳効率であると仮定した。これは、クラゲにおいて使用されるものと異なるイソ受容tRNAのセットにより特徴付けられる。発現の問題を解決することにおいて、それ故、本発明は、哺乳動物細胞(特に、ヒト起源の細胞)における高レベルの発現に適合されたクラゲグリーン蛍光タンパク質(gfp)cDNAの合成バージョンを提供する。本発明に従って、塩基置換が、gfp10コード配列内でのコドン使用頻度を変化させるために、gfpコドンにおいて作製され、それにより哺乳動物細胞中での発現により適切となる。哺乳動物およびヒト細胞における遺伝子の送達および発現のための、発現プラスミドならびに一連の汎用組換えAAVおよびAdベクターもまた、提供される。
特定の好ましい局面において、本発明は、哺乳動物およびヒト細胞における高レベル発現に適合されたA.victoriaグリーン蛍光タンパク質cDNAの特定の合成バージョンに関する。この模範的な構築物において、計92塩基の置換が、gfp10コード配列内でのコドン使用頻度を変化させ、そして哺乳動物細胞における発現を劇的に改良するために、88のコドンにおいて作製された。
蛍光顕微鏡については、本発明者らは、GFPレポーター遺伝子系の感受性を、ヒト化構築物について約22倍。そして第2のヒト化構築物について少なくとも45倍増加させた。ヒト化遺伝子構築物のFACS分析において、1つの構築物が、少なくとも32倍、元のクラゲ遺伝子より感受性であって、そして、他の構築物は、190倍、元のクラゲ遺伝子より感受性であった。ヒト化GFPが、G418耐性細胞株においてrAAVプロウイルスのgfp−neoカセットの一部分として安定的に取り込まれた場合、細胞のかなりの部分が、視覚的に検出可能なGFPを発現する。
以前に公開されたデータによると、rAAVは繰り返し反復として、1〜10の範囲の細胞当たりのゲノムコピー数を取り込む(Cheungら、1980;Laughlinら、1986;MacLaughlinら、1988;Samulskiら、1989)。したがって、強力プロモーターの制御下で、細胞当たり1〜10コピーのヒト化GFPの範囲は、本明細書に記載されるように、検出され得る。特定のGFP変異体については、この数は1と同じくらい低くあり得る。
ヒト化GFPを有する使用のための汎用ベクターの1つの例として、rAAVベクターが提供される。ベクターのpTRBS−UF(使用者に優しい)シリーズの設計(図2A)は、rAAVベクターの構築物において、便宜と柔軟性を提供する。5Kbpの最大クローニング容量を使用するために、全レポーター遺伝子カセットがBglIIでの消化により欠損させられ得、したがって、AAV DNAの複製およびパッケージングのために必要な配列のみであるAAVの2つの末端反復のみが残る。
pTRBS−UFシリーズは、2つのレポーター遺伝子カセットであるGFPおよびneo (それぞれ自身のプロモーターおよびポリアデニル化シグナルを有する)を含む。これらの2つの転写単位は、独立に欠損され得(GFPに対してはKpnI−NotI消化、そしてneoに対してはSalI消化)、これは目的の遺伝子のためのクローニングスペースを増大させる。このように使用される場合においてさえも、このベクターは、1.6Kbpまでの別の転写単位を適応させ得る。
さらに、与えられた細胞型または組織において特定のプロモーターの効率はまた、ベクターDNAをKpnIおよびXbaIで消化した後、gfp遺伝子のCVMプロモーター上流にこれを置換することにより試験され得る。 pTRBS−UF3ベクターの設計はまた、IRESエレメントの使用により、レポーターgfp遺伝子および同じプロモーター由来の目的の遺伝子レポーターの協調発現を可能にさせる。
さらに、本発明者らは、IRESエレメントの制御下で、ヒト化GFPレポーター遺伝子を有するAdシャトルベクターの構築物を記述する。組換えAdを感染させた293細胞は、代表的なCPEおよび明るい緑の蛍光を示した。GFPの発現は、迅速で簡便な真の組換えAdクローン選択を、偽のプラークと区別することを可能にする。
ヒト化GFPはまた、他のウイルスおよび非ウイルスベクターおよび発現系に取り込まれ得る。本発明のヒト化遺伝子およびベクターを使用して、哺乳動物およびヒト細胞株におけるgfp遺伝子配列の効率的な形質導入および発現が可能である。これは、本明細書に記載されるように、モルモット眼の神経感覚細胞内のインビボの遺伝子発現により、説明される。ヒト化gfp遺伝子は、蛍光活性化細胞選別(FACS)による細胞選別、およびヒト遺伝子治療におけるような多くの使用を有する。
実際、本明細書に記載された系は、哺乳動物起源の細胞において、単純FACS選別による検出を可能にするのに十分な感受性レベルの効率的な遺伝子の形質導入および発現を媒介することが示される。G418のような薬物で形質転換された細胞の選択、あるいはβガラクトシダーゼのような酵素活性の可視化のための細胞の操作は、このように、省略される。AAVおよびAdが、例のように、非常に広範な宿主範囲を有するため、記載されたベクターは、ヒト遺伝子治療を含む、多数の遺伝子送達技術において有用である。

1.グリーン蛍光タンパク質(GFP)遺伝子
グリーン蛍光タンパク質遺伝子および機能的なタンパク質は、表1に示されるように、種々の生物体において、存在していると考えられる。このような遺伝子を発現する任意の生物発光刺胞動物および有櫛動物由来のgfp遺伝子は、本発明に従って、ヒト化gfp遺伝子を調製するための出発点として使用され得る。
Figure 2008086327
Figure 2008086327
*インビボのグリーン蛍光から推測されるGFPの存在。
現在、A.victoria由来のgfp遺伝子配列が、容易に入手可能であるため、ヒト化gfp遺伝子を作製するためのテンプレートとして使用されることが好ましい。
gfp遺伝子配列の生物学的に機能的な同等物がもちろん、本発明に包含されるが、遺伝子を切断するための試みが、蛍光が消失する前に、たった1つの残基がアミノ酸末端、そして10または15以下残基がカルボキシ末端から犠牲にし得ることが示された(DopfおよびHoriagon,1995)ことを言及すべきである。それゆえ、実質的に切断されたgfp遺伝子は、特に有用であることが企図されない。しかし、このようなタンパク質のための1つの使用は、それに続く抗体産生のための、哺乳動物細胞における高レベルのGFP産生であり得る。
2.グリーン蛍光タンパク質
AequoreaGFPは、238アミノ酸残基のタンパク質である。その最大の吸光ピークは、475nmでのより小さなピークを有する395nmである。これらのピークの増幅(すなわち、吸光係数)は、それぞれ21〜30および7〜15mM−1cm−1と見積もられている(Moriseら、1974)。395nmでの励起は、508nmにおいて最大発光を生じる。量子収率または光子の再発光の確率は、一旦分子が励起されると、0.72−0.85(Moriseら1974)であり、そして励起状態の持続時間は3.25nsである(Perozzoら、1988)。
GFPは、珍しく安定なタンパク質であるため、それらのスペクトル特性が変性溶液中で比較的影響を受けない。精製されたタンパク質はまた、数時間にわたって、ほとんどのプロテアーゼに耐性がある( Ward,1981,1982;WardおよびBokman、1982;CutlerおよびWard、1993)。しかし、変性の際に、GFPがその蛍光を失う(Wardら、1980)。中性水性緩衝溶液において、蛍光を半減させる温度は、AequoreaGFP(Ward,1981)の場合、78℃であると見い出されている。Auqeorea GFPは、6Mグアニジン−HCl(92℃で2分間)、pH2での酸性化またはpH13でのアルカリ化の処置を使用すれば、蛍光が全て欠失して変性され得るが、GFPを復元して蛍光を回復させることが可能である(WardおよびBokman,1982)。この復元には、チオールが必要であるようである(SurpinおよびWard,1989)。
Ser65、Tyr66、およびGly67の環化ならびにチロシンの1,2脱水素化により形成される、GFP発色団、p−ヒドロキシジリデンイミダゾリンを形成するために、別のAequorea因子に対する絶対的な必要性はない。この独特の翻訳後修飾の機構は、GFPが、遺伝子発現の変化を報告し得るスピードにおける制約である。
変性タンパク質または発色団を含む単離ペプチドは、光を吸収するが、実質的に非蛍光である(Wardら、1980)、というのは、おそらく、むき出しの発色団が、厳密でもないか、溶媒分子による攻撃から保護されてもいないからである。発色団形成は、もちろん、いずれの有用なGFP変種または融合体において機能を保持したままでなければならない。
酵母およびHeLa細胞では、37℃で発現されるGFPは、15℃で発現されるGFPよりも数倍蛍光が弱い。熱が、主に、適切に成熟したGFPの発現レベルまたは明るさを低減させることによるよりはむしろ不適当な成熟化を生じさせることにより作用する(Limら、1995)。
蛍光フィルターで励起した野生型Aequorea GFPは、同数の遊離蛍光分子よりも約一桁暗い。395nmへの励起の変換は、役に立たない。というのは、このような波長は、迅速な光異性化を生じ、そしてまたバックグラウンド自己蛍光より励起するからである。
3.GFP変異体および変種
本来A.victoriaからクローン化されるGFPは、上述のような低い明るさ、タンパク質合成と蛍光現像と複合体光異性化との間の顕著な遅滞を含むいくつかの最適ではない特性を有する。しかし、GFPは、これらの欠損を軽減するか克服するため、および励起および発光波長がシフトされ、異なる色および新しい適用を作製するための、第二世代の化合物を提供する目的のために再操作され得る。
GFPにおけるほとんどの変異体は、相対吸光度または発光ピークにおいて顕著な変化のない、蛍光の部分的または完全な欠損を生じる。これらの変異体は、おそらく、タンパク質の誤折り畳み、発色団の形成不全、または不充分な遮光による蛍光の消光(quench)を起こす。遺伝子を切断する試みは、蛍光が消失する前に、1つの残基のみアミノ末端から犠牲にされ得、そして10または15以下の残基がカルボキシ末端から犠牲にし得ることを示した(DopfおよびHoriagon,1995)。主要なトランケーションに対するGFPの非寛容は、おそらく、それほど驚くべきことではない。というのは、タンパク質骨格は、発色団を合成し、そして周囲の水から厳密に遮断されなければならない。
GFPポリペプチドにおけるアミノ酸置換は、異なるスペクトル特性を有するタンパク質を生じることがすでに報告されている。変異体のサブセットは、おそらく発色団の脱プロトン化を促進するか、または阻害する、395nmおよび475nmにおける吸光度ピークの相対度に影響する。例は、T203I(Thr→Ile)およびE222G(Glu222→Gly)であり、これらは、それぞれ、395nmまたは475nmのいずれかにおいて単一の吸光ピークに対するスペクトルを単純化する(Ehrigら、1995)。変異体I167T(Ile→Thr)は、2つのピークの野生株の割合を、どちらかを完全に消去させることなく変換させる(Heimら、1994)。
第二の変異体のサブセットは、実質上、有意に変換した特徴を有する新しい励起および発光スペクトルを生成する。この型の変異体の例は、発色団領域そのものの中に見い出される。
(a)Tyr66改変体
Aequorea由来のGFPおよび海シイタケRenilla reniformisのGFPは、同一の発色団を共有し、さらにAequorea GFPは395nmおよび475nmに2つの吸収ピークを有するが、Renilla GFPは、498nmにおける単一の吸収ピークのみを、Aequoreaタンパク質の主な395nmピークよりも約5.5倍強いモノマー吸光係数で、有する。多数の実際の適用について、Renilla GFPのスペクトルは、AequoreaのGFPよりも好ましくあり得る。というのは、異なる蛍光と共鳴エネルギー移動の検出との間の波長の差異は、構成スペクトルが、低くかつ広いよりはむしろ高く低い場合、より簡単であるからである。
さらに、Aequorea GFPのより長い波長の励起ピーク(475nm)は、蛍光フィルターセット(set)にとってほぼ理想的であり、そして光漂白に抵抗性であるが、光漂白により感受性であるより短い395nmの波長ピークより、低い幅を有する(Chalfieら、1994)。前述の理由のため、Aequorea GFP励起スペクトルの単一ピークへの変換は、このましくは、より長い波長が所望される。
このような変換は、GFP変異誘発および変換されたスペクトルを有するGFP改変体を単離するスクリーニングを記載したHeimら(1994)により達成された。中心チロシン(Y66)の他の芳香アミノ酸(Trp、HisまたはPhe)による置換は、励起および発光スペクトルを進行的により短い波長にシフトさせる。
Heimら(1994)は、ヒドロキシルアミン処理(SikorskiおよびBoeke、1991)を用いて、そして0.1mM MnCl、50μM dATP、および200μMのdGTP、dCTPおよびdTTP(Muhlradら、1992)を用いるPCRTMの誤差率を増加させることによってgfp cDNAのランダム変異誘発を実施した。寒天上のコロニーは、475nm対395nmにおいて励起され、キセノンランプで供給され、そして出力ビームが全体の培養皿を照射するために拡張するためのモノクロメータで度合いを付ける場合、異なる発光色および明るさの割合について可視的にスクリーニングされる。
野生型タンパク質の緑と対称的にUV光および蛍光灯のブルーにより励起可能な変異体は、Heimらにより単離された(1994)。最大励起および発光は、野生型GFPの最大励起および発光から、それぞれ、14および60nmの浅色団的にシフトされた。決定的なタンパク質の変異DNAは、発色団の中心にTyr66→Hisへの変換を含んだ。Tyr66Hisの蛍光スペクトルは、タンパク質が、変性寸前までのpH変化には敏感ではなく、このことが、発色団が溶媒に接近可能でないことのさらなる証拠を提供する。
トリプトファンおよびフェニルアラニンへのチロシンのさらなる部位特異的変異誘発が実施された(Heimら、1994)。トリプトファンは、チロチンとヒスチジンとの間の中間の励起および発光波長を与えたが、わずかな蛍光のみであり、これは、おそらく、折り畳みまたは発色団形成が不充分である一方で、フェニルアラニンは検出可能な蛍光を与えなかったためである。
Tyr66→His変異体は、野生型GFPよりも蛍光が少ないが、これはおそらく、別のアミノ酸が、中心洞に良好に適合していないからであり、もちろん、これは重要な改変体である。異なる最大励起および発光を有するGFPのいくつかの形態の利用可能性は、下記のように異なる遺伝子発現の2色評価、偽発達およびタンパク質輸送(trafficking)が可能となる。
(b)Ser65改変体
RenillaのGFPにはるかに近いスペクトルを有するGFP改変体を作製する所望はまた、Heimら、(1995)の研究を動機づけた。AequoreaGFPのアミノ酸配列のセリン65は、 p−ヒドロキシベンジリデンイミダゾリノン発色団の部分となる。Ser65がビニル側鎖を形成するためのさらなる脱水素化を実施するという仮説を検証するために、Heimら、(1995)この残基をAla、Leu、CysまたはThrに変異させた。ビニル基がHOまたはHSの除去により形成される場合、SerおよびCysは、除去が不可能なAlaおよびLeuとは非常に異なる同一のスペクトルを与えるはずである。
Heimら(1995)は、その幅が、同じ分子数当たり野生型GFPのそれよりも4倍から6倍強力である、470〜490nmに位置づけられる単一の励起ピークを示す4つの変異体を作製した。これらの結果は、ビニル形成を排除する。Ser65→Thr変異体は、さらなる特徴付けのために選択された。というのは、これが励起および発光の最も長い波長(490nmおよび510nm)であり、Renilla GFP(498nmおよび508nm)について報告される励起および発光波長に非常に類似しているからである。
新生のポリペプチド鎖から蛍光を産生するための決定的な翻訳後酸化は、野生型タンパク質(Heimら、1995)におけるより、S65Tにおいて約4倍迅速に進行した。この加速は、迅速な遺伝子誘導のためのレポータータンパク質としてのGFPの使用における潜在的に重要な限定を改善する。
Ser65のArg、Asn、Asp、PheおよびTrpへの変異は、蛍光強度を野生型の強度よりはるかに低く与えた。
まとめると、Ser65Thr GFP変異体(Heimら、1995)の有利な特性は、以下を含む:各々が、その最も長い波長ピークにおいて励起される場合野生型より約6倍より強い明度;野生型より4倍迅速な最終蛍光種への酸化;および光異性化がないことおよび非常に遅い光漂白のみ。前述の発見は、Ser65Thrが、空気飽和したpH7.1の緩衝液中で、488nm照射における約7分の1の蛍光率で光漂白する。Ser65Thrの励起係数は、これらの条件下で約7分の4の蛍光であるので、Ser65Thrの光漂白の量子係数は、約4分の1の蛍光であると計算され得る。
これらの利点は、長波長UV励起または光異性化が必須である場合以外のほとんどの適用について、Ser65Thrを、野生型GFPより魅力的なものにする。これは、特に、一般に入手可能な蛍光イソシアネート(FITC)フィルターセット(450−490 nm励起)を使用するより強度な感受性を提供する。
(c)他の赤色シフト変異体
Delagraveら、(1995)はまた、GFP残基64〜69の拡張ランダム変異誘発を実施し、そしてスペクトルが上記のSer65変異体に質的に類似する6つの変異体を単離した。そのうち4つは、上記の列挙した65位で同じ置換基(Leu、CysまたはAla)を有した。
スペクトル的にシフトしたGFP変異体の構築のためにDelagraveら(1995)によって使用された方法は、以前に最適化した組み合わせの変異誘発およびデジタル画像吸光分析器(DIS)(GoldmanおよびYouvan、1992;DelagraveおよびYouvan、1993)を使用してスペクトル的に異なる種々のバクテリオクロロフィル結合タンパク質を産生するために使用されている。
DISは、空間的に解析したスペクトル情報を得ることにより、ペトリ皿上での数千のコロニーを直接的に同時スクリーニングを可能にする(Youvanら、1995;Youvan、1994)。異なる波長で照射したペトリ皿の画像は、荷電共役デバイス(CCD)カメラによりとらえられ、そして放射測定の校正を確立するソフトウェアによりさらに処理される。最適化された組み合わせの変異誘発およびDISを用いて、さらなるGFP変異が単離され得る。
Delagraveら(1995)のコンビナトリアルライブラリースクリーニングにおいて、変異誘発のために標的化したGFP領域は、Phe64とGlu69(Phe Ser Tyr Gly Val Gln;配列番号4)との間の6つのアミノ酸配列であり、これは、発色団自身も含む。変異オリゴヌクレオチドは、66位に芳香アミノ酸を取り込むことを好み、他の5つのコドンは完全にランダムになるようにように設計された。変異誘発のために使用されるオリゴヌクレオチドの配列は、CyberDopeコンピュータープログラムを用いて得られた。
得られた約3×10の変異GFP遺伝子のライブラリーは、BL21(DE3)で発現された。ペトリ皿上の数千のコロニーを、DIS(Delagraveら、1995)を用いた蛍光によりスクリーニングした。スペクトル的にシフトした変異体は、最初に、490nm光で励起した場合に観察されるグリーン蛍光により同定される、これは410nmで励起した場合に消失した。対称的に、野生型GFP蛍光は、410nm照射よりはるかに明るい。DISは、10コロニーにつき約1個が機能的蛍光タンパク質を発現することを明らかにした。
Delagraveら(1995)は、いくつかの赤色シフトGFP(RSGFP)クローンを拾い出し、そして配列決定した。Tyr66およびgly67は、保存されているように見られたが、他の4つの部位はより少なくストリンジェントであった;ser65は、観察される表現型には必要ではなかった。RSGFPは、容易に野生型GFPから区別される。なぜなら、その最大励起は、野生型Aequeorea GFPにおける390nmからRSGFPにおける490nmと、約100nm赤色シフトするからである。1つの特定なクローンはRSGFP4であり、これは、発色団配列Met Gly Tyr Gly Val Leu(配列番号5)を有する。RSGFP4の発光は、ほとんど野生型GFPの発光と同一であるが、励起スペクトルが非常に異なる。
Delagraveら(1995)は、この配列情報が指数的アンサンブル変異誘発(Exponential Ensemble Mutagenesis)(EEM)および再帰アンサンブル変異誘発(Recursive Ensemble Mutagenesis)(REM)戦略(DelagraveおよびYouvan、1993;Delagraveら、1993)によるさらなる操作に影響を受け、多スペクトルの蛍光タンパク質の「レインボー」を潜在的に産生することを報告した。REMまたはEEMにより最適化された新しいコンビナトリアルライブラリーを構築することにより、機能的変異体の頻度が、顕著な発光シフトを有する希有クローン(rare clone)の単離を可能にするのに充分高くなることが予想される。
4.ヒト化gfp遺伝子
野生型GFPの特性が変異体において、上記のように改善されるにも関わらず、野生型GFPは、各々のタンパク質分子が数千の発色団または蛍光分子を生成し得る真の酵素的レポーター系に組み入れられる増幅の1つの段階を欠損している。各々のGFPが、GFP発現の比較的高レベルな1つの蛍光団を表すため、細胞当たり10もの分子が、明るいシグナルを与えるのに必要であり得る(Rizzutoら、1995)。
上記は、本発明の重要性(哺乳動物およびヒト細胞における増加したGFP発現のために提供される本発明の焦点)を強調する。上記の変異体の各々または所望の変異体または変異体のパネルがまた、本発明で提供されるようにヒト化バックグラウンドにおいて調製され得る。これは、本発明のヒト化局面が、タンパク質のDNA配列を独立的に変換するからである。
哺乳動物細胞におけるGFPを発現する以前の試みは、Kozak配列(Adamsら、1995)を使用してきた。このように改変したGFP遺伝子は、哺乳動物発現ベクターに挿入され、CHO−K1細胞(Adamsら1995)において使用されてきた。Pines(1995)はまた、一過性のGFP発現COS−7、Hela、およびNIH 3T3細胞を報告している;そしてRizzutoら(1995)は、GFPのインタクトな細胞におけるミトコンドリアにおける発現を報告している。しかし、これらの研究は、比較的低レベルの発現を反映していると考えられており、さらに、多数の当業者により得られたネガティブな結果と対照されると考えれられる。これらの少ないポジティブな結果は、細胞に導入された高コピー数のgfp遺伝子の機能であると考えられる。
本発明者によりとられたアプローチは、Adamsら(1995)の方法に対称的であり、そして哺乳動物細胞における発現により適切であるようにコドン使用を変換するために、塩基置換を含むcDNAを使用することによってヒト細胞環境におけるGFP mRNAの貧弱な翻訳効率に取り組む。このようなヒト化構築物を使用することにより、ヒト化gfp遺伝子の低コピー数(例えば、10以下の範囲で、そして特定のヒト化gfp変異遺伝子を使用した場合には1または2でさえもあり得る)を有する細胞におけるグリーン蛍光を生じる。
tRNAの豊富さと、タンパク質発現遺伝子における各々のコドンの出現との間の相関は、E.coli、酵母、および他の生物体(BennetzenおよびHall(1982);Granthamら、(1980);Granthamら(1981);Ikemura(1981a;1981b;1982);Wadaら(1990))について記載されている。しかし、コドン変換が実際に、任意の与えられた遺伝子で行われるまで、それらの翻訳効率および全体の発現レベルへの影響は確立され得ない。これは、Kozak配列に関連する状況に類似しており、これは、予測にも関わらず特にgfpの哺乳動物細胞における発現増加に寄与するとは考えられていない。本発明者らがヒト化がgfp遺伝子発現について効果的であることを示した現在、GFP技術の有用性が顕著に増強される。
クラゲgfpを本発明に従ってヒト化するために、本発明者らは、まず、gfp遺伝子のコドンの詳細な分析を行った。表2は、クラゲgfpコドンとヒト遺伝子で共通に使われるコドンとの間の比較の結果である(Wadaら、1990)。これが、本発明者らが、gfpと一般的なヒト遺伝子配列との間の重要な差異を同定し、そしてされるべき変換を同定することを可能にした。
本発明による、ヒト化配列の例は、配列番号3によって示される。しかし、本発明のヒト化配列が配列番号3の代表的な配列には全く限定されないことが理解される。むしろ、以下の指示により、当事者が、多数の異なるヒト化gfp配列を容易に調製し得る。
ほとんど使われないクラゲのコドンをヒト遺伝子でより頻繁に使用されるコドンで置換した変換は有用な変換であると考えられるが、特定のコドン変換は、もちろん、他よりも好まれる。この意味で、本発明者らは、ヒト遺伝子においてほとんどまたはほとんど全く使われない多数のgfpコドンを同定した。下記のように、このようなコドンは、本発明によるヒト化遺伝子を産生するために変換される第一の候補である。
一般的なヒト化改変体を作製するにおいて、ヒト化されるべきコドンは、本明細書中の表2にならびに表3および表4において示される情報を調べることから当業者によって同定され得る。例えば、表2における情報を利用するにおいて、当業者は、ヒト遺伝子において通常に使用されるそれらのコドンの頻度に対してクラゲコドンの頻度を比較し、そして任意の適切な改変を行う。例示のためだけに、アミノ酸ロイシンを考える;コドンCUUは、gfp遺伝子中で11回使用されるが、このコドンは、ヒト遺伝子において4番目に好ましいにすぎないコドンに対応する。ロイシンコドンUUAはまた、クラゲ遺伝子において顕著な特徴を示し、そしてこのコドンはヒトゲノムにおいて使用するための最後の選択である。従って、ロイシンコドンを改変することは、ヒト化遺伝子を調製するために適切な開始点をなす。
表2の分析に従ってなされ得るさらなる改変は、アルギニンコドンのAGA(これはヒトゲノムにおいて4番目の選択にすぎない)をより好ましいコドン(例えば、CGCまたはAGG)に改変すること;セリンコドン(例えば、UCGまたはUCA)を、より好ましいコドン(例えば、UCCおよびAGC)に改変すること;スレオニンコドンをACCに最適化すること;プロリンコドンGCCの使用を避けること;アラニンコドンGCAを最も好ましいヒトコドンCGGに改変すること;優性なグリシンコドンGGAおよびGGUの使用を避け、そしてそれらをヒト遺伝子において好ましいコドンGGCおよびGGGに置換すること;頻繁に出現するバリンコドンGUUおよびGUAを改変し、そしてその代わりにコドンGUG(これはヒトゲノムにおいて明らかに好ましい)を使用すること;およびイソロイシンコドンAUAを避け、そしてこれを好ましいコドンAUCに改変することである。
2つのコドンの選択しかないアミノ酸において、発明者らは、ヒトゲノムと比較した場合、野生型gfp遺伝子は最も好ましくないコドンを通常用いることに気付いた。従って、適切な改変が以下のコドンにおいてなされる;リジンに対するAAA;グルタミンに対するCAA;ヒスチジンに対するCAU;グルタミンに対するGAA;アスパラギンに対するGAU;およびフェニルアラニンに対するUUU;そして、これらをAAG、CAG、CAC、GAG、GACおよびUUCにそれぞれ置換する。
さらなる改変もまた、表3および表4における情報を考慮することからなされ得る。これらの表は、容易に使用される形式で、コドン優先度に関する重要な情報を提供する。表3は、本発明のヒト化gfp構築物における使用について好ましいコドンの一覧を提供する。表4は、図1との相互参照を便利にするために、T(チミン)よりもU(ウリジン)を組み込んだ全く同一の情報である。
表3:ヒト使用について好ましいDNAコドン
Figure 2008086327
左のコドンは、ヒト遺伝子における使用のために最も好ましいコドンを示し、ヒト使用頻度は右に向かうほど減少する。
二重下線コドンは、ヒト遺伝子においてほとんど使用されないコドンを示す。
表4:ヒト使用のための好ましいRNAコドン
Figure 2008086327
左のコドンは、ヒト遺伝子における使用のために最も好ましいコドンを示し、ヒト使用頻度は右に向かうほど減少する
二重下線コドンは、ヒト遺伝子においてほとんど使用されないコドンを示す。
表3および表4における情報を調べることから、当業者は、クラゲgfpコドンCTA、TTA、TCG、およびTCA(またはCUA、UUA、UCG、またはGUA)は、より好ましいコドンに改変されるべきであることを容易に認識する。一般的な指針では、5および6列目に挙げられるコドンは、ヒト化遺伝子を作製するにおいて、改変することが望まれるコドンを一般的に示す;4列目に挙げられるコドンもまた、ヒト化遺伝子を作製するにおいてしばしば改変されるべきである;3列目に挙げられるコドンは、全体において作製されることが望まれる改変の数に依存して、およびコードされる特定のアミノ酸に依存して改変されても改変されなくてもよい。1および2列目に挙げられるコドンは、野生型gfp配列に存在する場合、二つのコドンの選択しか利用可能ではない場合ではない限り、一般に適切であり、そして改変を必要としない。しかし、2列目のコドンを1列目のコドンで置換することは、特に二つのコドンの選択しかない場合、間違いなく有用な選択である。この情報を考慮すると、gfp配列に改変を導入する場合、可能な部位はどこでも1列目のコドンを導入することが一般に望まれる。
前記の議論を考慮して、配列番号3の例示的な配列は、本発明によって包含される多くの作動可能な種の一つであるにすぎないことは明白である。配列番号3において、88コドンは一つ以上の塩基置換を含む。328アミノ酸をコードする配列からの88コドンは、約37%の改変を示す。しかし、コドンの約10%を改変することは、発現レベルにおける有用な増大を生成し、従ってこのような遺伝子配列は本発明の範囲内にあることが意図される。クラゲgfp配列内のコドンの約15%、約20%、約25%、または約30%を改変することもまた有用であると考えられ、そして本発明のヒト化遺伝子は、上記範囲内にあるこれら遺伝子配列を包含する。
特定の実施態様において、導入したコドン改変の性質に依存して、gfp遺伝子のコドン使用頻度における10%改変をすることさえ必要ないかもしれない。例えば、10の最も好ましくないコドンの各々が改変され、そしてヒト遺伝子における使用に最も好ましいコドンで置換される場合、得られる配列はヒト細胞および哺乳動物細胞において相応な発現を達成し得ることが意図される。328内から10コドンを改変することは、約4%の改変パーセントを示す。従って、以下の条件−すなわち、限られた数の改変のみをなす場合、gfp遺伝子配列のコドン位置18、53、93、125、150、178、195、208、236、および224にある10のコドンを改変することが一般に望まれることを考慮すると、いわゆる「4%ヒト化遺伝子」はまた、本発明の範囲内にある。多くの他の改変とともに、これらの主要な改変をなす場合、これらのコドンの少なくとも約7、8、または9を改変することは、改善された発現を伴うヒト化遺伝子を生じるに十分である。上記のように、ロイシンは、好ましくは、CTG、CTC、またはTTGによってコードされ;バリンは、好ましくは、GTGによってコードされ;そして、セリンは、好ましくは、AGCによってコードされる。
約4〜5%、約10%、約20%、または約30〜35%のコドンが改変されたgfp遺伝子配列は一般に好ましいが、所望される場合、さらなる改変がなされるべきではないとういう理由はない。従って、本発明に従うヒト化遺伝子配列は、完全長コドン領域内の約40%、約50%、約60%、約70%、または約80〜90%のコドン位置でヒト化コドンを含む配列であり得る。なおさらなるヒト化改変を導入することを目的として配列番号3を検討すると、さらなる最適化改変が導入され得る多くの位置が同定され得る。これらは、例えば、配列番号3のコドン位置6、9、14、17、19、21、23、26、27、31、33、34、35、36、40、45、50、51、62、71、83、99、101、102、111、115、116、128、130、132、133、134、136、142、157、171、173、174、181、183、186、209、210、213、223、および230で見出されるコドンを包含する。
5.グリーン蛍光タンパク質の使用
レポーター分子としてのGFPの可能性は、迅速な検出(グリーン蛍光タンパク質は、標準的な長波長UV光源を使用する照射で検出され得る);インビボでのリアルタイム検出の可能性;マトリックスの導入を必要としない事実;および相対的に小さな大きさ(26.9kD)および単量体の性質(これは、タンパク質融合を扱いやすくする)のような特性から生じる。
本発明のヒト化GFPは、これらの方法のいくつかに理論性よりも実行性を与える。従って、ヒト化gfp遺伝子は形質転換された細胞を、例えば、蛍光活性化セルソーティング(FACS)または蛍光顕微鏡によって同定するために;インビトロでおよびインビボで遺伝子発現を測定するために;多細胞生物における特定の細胞を標識するために、例えば、細胞系統を研究するために;融合タンパク質を標識し、そして位置づけるために;および細胞内輸送(trafficking)などを研究するために、使用され得る。
GFPの標準的な生物学的な適用は、見過ごされるべきではない。例えば、タンパク質ゲルおよびウェスタンブロット上の分子量マーカーとしてのその使用、蛍光計およびFACS装置のキャリブレーションにおけるその使用、ならびに細胞および組織へのマイクロインジェクションにおけるその使用。
蛍光分子量マーカーを産生する方法において、一般に、ヒト化gfp遺伝子配列は規定されたアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする一つ以上のDNA配列に融合され、そして融合タンパク質は発現ベクターから発現される。発現は、マーカーとして使用され得る規定された分子量(完全なアミノ酸の大きさの計算に従う)の蛍光タンパク質の産生を生じる。
好ましくは、精製蛍光タンパク質は、サイズ分画に(例えば、ゲルを使用することによって)供される。次いで、未知のタンパク質の分子量の測定は、蛍光標準からの検定曲線を作製し、そして曲線から未知の分子量を読みとることによって行われる。
(a) 異なる呈色化GFP
上記のように、異なる呈色形態を生成するヒト化GFPにおけるアミノ酸置換は、複数のレポーター遺伝子の同時使用を可能にする。異なる呈色化ヒト化GFPは、混合細胞培養物において複数の細胞集団を同定するために、または複数の細胞型を追跡するために簡単に使用され得、これはさらなる試薬を添加するかまたは細胞を固定するかもしくは細胞を傷害する必要を伴わずにリアルタイムおいて可視化される細胞変動または細胞移動における差異を可能にする。
他の選択は、単一細胞、組織、または器官内の複数のタンパク質の最終的な位置の追跡および決定;同一の細胞、組織、または器官において2つの異なるプロモーターからの遺伝子発現を測定するディファレンシャルなプロモーター分析;および混合細胞集団のFACSソーティングを含む。
細胞内でタンパク質を追跡するにおいて、ヒト化GFPタンパク質改変体は、フルオレセインおよびローダミンに類似した様式で使用され、そして相互作用タンパク質またはサブユニットをタグ化し、次いで、その関連性はインタクトな細胞において蛍光共鳴エネルギー転移によって力学的にモニターされ得る(Adamsら、1991;1993)。
スペクトルで分離可能なヒト化GFP誘導体を用いて使用され得る技術は、共焦点顕微鏡、フローサイトメトリー、ならびにモジュラー流動および二重励起技術を使用する蛍光活性化セルソーティング(FACS)によって例示される。
(b)トランスフェクトされた細胞の同定
ヒト化gfpが使用され得る多くの技術は、特定の広い領域に分類され得る。まず細胞を簡単に同定すること。これらの方法において、ヒト化gfpは、細胞においてGFPを発現するために単独で使用される。この方法についての一つの使用は、細胞を異なる細胞型の存在する環境に曝露する前の予め標識した単離細胞または類似の細胞の集団における使用である。元の細胞のみでのGFPの検出によって、このような細胞の位置を決定し、そして全集団と比較することが可能になる。
第2の群の方法は、目的の外因性DNAでトランスフェクトされた細胞に同定に関係する。外因性DNAでトランスフェクトされた細胞を同定することは、多くのインビトロ実施態様において必要とされ、そしてまたインビボ遺伝子治療においても必要とされる。
この一般的な群の第一の例は、コードされたタンパク質をGFPを用いて直接的に標識するために、選択したタンパク質をコードするDNA配列にヒト化gfp配列が融合される場合である。細胞においてこのようなヒト化GFP融合タンパク質を発現することにより、容易に検出され得る蛍光性タグ化タンパク質の生成を生じる。これは、タンパク質が選択した宿主細胞によって産生されていることを簡単に確認するにおいて有用である。それによってまた、選択したタンパク質の位置を(これが天然の位置を表しているのかまたはタンパク質が人の手によってオルガネラに標的化されたかどうかを)決定することが可能になる。
外因性DNAでトランスフェクトされた細胞はまた、融合タンパク質を作製することなく同定され得る。ここで、この方法は、少なくとも2つの転写または翻訳単位を含むプラスミドまたはベクターを受容した細胞の同定に依存する。第一の単位は、所望のタンパク質をコードし、そしてその発現を指向し、一方、第2の単位は、ヒト化GFPをコードし、そしてその発現を指向する。第2の転写または翻訳単位からのGFPの同時発現は、ベクター含有細胞が検出され、そしてベクターを含有しない細胞から区別されることを確実にする。
(c)プロモーターの解析
本発明のヒト化遺伝子はまた、哺乳動物細胞におけるプロモーターの解析に別の次元を提供する。gfpは今や、哺乳動物細胞およびヒト細胞において発現され得、そして容易に検出され得るので、ある範囲のプロモーターが、所定の遺伝子、細胞、または系を用いる使用のためのそれらの適合性について試験され得る。これは、インビトロ使用に(例えば、組換え発現および高レベルタンパク質産生における使用に適切なプロモーターを同定するにおいて)適合し、そしてインビボ使用に(例えば、前臨床試験においてまたはヒト被験体での遺伝子治療において)もまた適合する。
実際的な用語において、プロモーターを解析するために、コントロール細胞または系がまず樹立される。コントロールにおいて、陽性の結果は、公知でかつ効果的なプロモーター(例えば、本明細書中で記載される研究の特定の局面において好ましいCMVプロモーター)を使用することによって確立され得る。候補プロモーターを試験するために、発現ベクターまたは遺伝子構築物において異なるプロモーターが存在することを除いては、全ての条件が同じである別の細胞または系が樹立される。コントロールと同じ期間および同じ条件下でのアッセイの実施後、最終的なGFP発現レベルが測定される。これにより、候補プロモーターと作製された標準プロモーターとの強度または適合性の比較が可能になる。所定の研究室において日常的に用られるGFP発現系を使用するにおいて、陽性コントロールは、試験プロモーターの特定の研究においては、省略してもよい。
この様式において試験され得るプロモーターはまた、候補組織特異的プロモーターおよび候補誘導性プロモーターを含む。組織特異的プロモーターを試験することによって、所定の細胞を用いる使用に好ましいかまたは最適なプロモーターをある範囲の可能性のあるプロモーターから同定し、特徴付けることが可能になる。さらに、これは、インビトロおよびインビボでの両方で有用である。組換え発現およびタンパク質産生において所定のプロモーターおよび所定の細胞型の組合せを最適化することは、最も高い可能なレベルが達成されることを確実にするためにしばしば必要とされ得る。
本発明のこれらの局面は、分泌細胞を用いるタンパク質産生における使用のための候補プロモーターを解析するために使用され得る。これらの実施態様において、プロモーターから発現されるGFPは、細胞から細胞外環境(次いで、そこでGFPは検出される)におそらく分泌される。
誘導性プロモーターの試験的かつ究極的使用は、本発明の別の局面を形成する。タンパク質産生の目的のための組換え発現において、細胞培養または細胞周期の特定の時期で発現を誘導することが所望され得る。細胞または所定の系内における所定のタンパク質の分布を解析するにおいて、特定の条件下(例えば、特定のサイトカインまたはホルモンの存在下)でのみスイッチが入れられるプロモーターを使用することはまた有用である。
誘導性プロモーターを用いるヒト化gfp遺伝子の使用はまた、プロモーター自身の解析にまで及ぶ。本明細書での例は、進化を通して種々の生物において発現されることが公知であるプロモーターのある群(例えば、熱ショックタンパク質と関連するプロモーター)からの特定のプロモーターの解析である。この方法において、例えば、酵母で作動可能なプロモーターは、それが哺乳動物細胞においても作動可能かどうか決定するために、そして、それゆえ、哺乳動物細胞が、酵母プロモーターのホモログをおそらく含むかどうかを決定するために、取得され得、そして哺乳動物細胞系において発現され得る。
組織特異的プロモーターおよび誘導性プロモーターの使用は、インビボ実施態様において特に強力である。動物における治療用遺伝子を発現させる情況において使用される場合、このようなプロモーターの使用によって、所定の組織で、所定の部位および/または規定された条件下でのみの発現を可能にする。これは、遺伝子発現を、特定の標的器官、組織、または領域に限定することを可能にし、そして残りの身体を通して遺伝子発現を制限する重要な利点である。癌の治療においてしばしば用いられるので、組織特異的発現を達成することは、特定の遺伝子治療適用(例えば、細胞傷害性因子の発現)において特に重要である。有益な効果を有する他の治療用遺伝子を発現するにおいて、当然、組織特異的発現はまた、それが治療の効果を最適化する点において好ましい。
適切な組織特異的および誘導性プロモーターは当業者に公知である。例示のみのために、肝臓脂肪酸結合(FAB)タンパク質遺伝子プロモーター(大腸上皮細胞に特異的);インスリン遺伝子プロモーター(膵臓細胞に特異的);トランスフィレチン(transphyretin)、α1−アンチトリプシン、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビタータイプ1(PAI−1)、アポリポタンパク質AIおよびLDL受容体遺伝子プロモーター(各々、肝臓細胞おいて特異的または優先的な発現を指向する)が挙げられる。脳組織において活性なプロモーターとしては、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)遺伝子プロモーター(希突起神経細膠細胞に特異的);グリア繊維酸性タンパク質(GFAP)遺伝子プロモーター(グリア細胞に特異的);および神経細胞に特異的である神経特異的エノラーゼ(NSE)プロモーターが挙げられる。
インビボ使用のための誘導性プロモーターは、好ましくは、生物学的に適合性な因子、好ましくは、通常、規定された動物組織において出会う因子に応答性であるプロモーターを含む。一例は、ヒトPAI−1プロモーターであり、これは腫瘍壊死因子によって誘導される。さらに適切な例は、チトクロームP450遺伝子プロモーター(種々の毒素および他の因子によって誘導される);熱ショックタンパク質遺伝子(種々のストレスによって誘導される);ホルモン誘導性遺伝子(例えば、エストロゲン遺伝子プロモーター)などである。
電離放射線によって誘導されるプロモーターはまた、特定の実施態様において、特にガンの遺伝子治療において使用され得、ここで遺伝子発現は電離放射線(例えば、UVまたはX線)に曝露されることによってガン細胞において局所的に誘導される。電離放射線によって誘導性である適切なプロモーターとしては、egr−1、fos、およびjunが挙げられる。
(d)スクリーニングプロトコル
本発明のヒト化gfpとともにプロモーターを使用することのさらなる開発は、スクリーニングプロトコルにおけるその使用である。これらの実施態様(これらは、一般的にインビトロで行われる)において、遺伝子操作された細胞は組成物おける特定の化合物または因子の存在を同定するために使用される。
スクリーニング実施態様において、ヒト化gfp遺伝子は同定することが望まれる因子によって誘導されることが公知であるプロモーターの下流に位置づけられる。細胞におけるgfpの発現は、正常にはサイレントであり、そして選択された因子を含む組成物に細胞を曝露することによってスイッチが入れられる。例えば、重金属、毒素、ホルモン、サイトカイン、または他の規定された分子に応答性であるプロモーターを使用するにおいて、重金属、毒素、ホルモン、サイトカインなどの存在は、容易に決定され得る。
前記の列挙から、本発明のスクリーニング局面は2つの基本的な群に分けられ、それは簡便に用語「生物学的」および「化学的」と呼ばれ得る。
生物学的アッセイにおいて、生物学的なエフェクター分子によって誘導性であるプロモーターの制御下のヒト化gfp遺伝子を含む細胞は、種々の種類の生物学的サンプル(これは血液、血漿、精液、尿、唾液などを含む)中のこのような分子の存在を検出するために使用され得る。このような方法で検出可能であるこれらのエフェクター分子は、ホルモン、サイトカイン、神経伝達物質などの分子を含む。当然、本願を通して使用される場合、用語「プロモーター」は、任意の調節エレメントを言及するために使用されることが理解される。本明細書における特定の例は、所定の組成物中でのステロールを検出するためのヒト化gfpと併用するステロール調節エレメントの使用;血清応答エレメント(これは、UV、EGF、PDGF、およびTPAによって誘導される)の類似の使用である。
いわゆる化学アッセイにおいて、化学的因子によって誘導性であるプロモーターの制御下のヒト化gfp遺伝子を含む細胞は、種々の組成物中の化学的因子の存在を検出するために使用される。これらのアッセイは、液体(例えば、飲料水など)中の毒素または混入物を検出するために使用され得る。この方法で検出され得る因子のタイプは、重金属、毒素、および他の種々の汚染物ならびに非所望の化学薬品を含む。
当然、任意のスクリーニングアッセイは、所定のプロモーターからの遺伝子発現を阻害するか、抑制するか、またはそうでなければ、ダウンレギュレートする因子を検出する情況において使用され得ることが理解される。このようなネガティブな効果は、遺伝子発現が阻害因子の存在に応答して「スイッチを切る」場合に生じる蛍光のレベルの減少および低減された蛍光によって検出可能である。
(e)FACS分析におけるGFP
多くの慣習的なFACS法は、精製抗体に結合した蛍光色素の使用を必要とする。蛍光標識でタグ化されたタンパク質は、FACS適用における抗体に対して好ましい。なぜなら、細胞は蛍光タグ化試薬とインキュベートする必要がなく、そして抗体結合物の非特異的結合によるバックグランドがないからである。蛍光は安定であり、そして種非依存性であり、いかなるマトリックスも補因子も必要としないので、GFPはFACSにおける使用に特に適切である。
他の発現実施態様において、所望のタンパク質は、GFP融合タンパク質を調製し、そして細胞内で発現させることによって直接的にGFPで標識され得る。GFPはまた、上記のように所望のタンパク質を発現する発現ベクター内で第2の転写または翻訳単位から同時発現され得る。次いで、GFPタグ化タンパク質を発現する細胞またはGFPを同時発現する細胞は、FACS分析によって検出され、そしてソートされる。FACS分析は、レポーター遺伝子としてGFPを使用する場合、遺伝子発現およびプロモーター活性をモニターする末端手段として使用され得る。
(GFP自身もまた使用され得るが)赤方偏移GFPは、FACSを用いる使用に特に適切である。ほとんどのFACS装置で使用されるアルゴンイオンレーザーは、488nmで放射し、したがって、赤方偏移GFP改変体の励起(例えば、励起ピークは約490nm)は、野生型GFPの励起よりも効果的である。FACS技術を用いるGFPの首尾良い使用は、本明細書中に示される。
6.GFP融合タンパク質
ヒト化gfp遺伝子は、融合タンパク質の一部として使用され得、これはタンパク質の位置を同定することを可能にする。「外因性」タンパク質とのGFPの融合物は、GFPの蛍光および宿主タンパク質の機能(例えば、生理学的機能および/または標的化機能)の両方を保持するべきである。
GFPのアミノ末端およびカルボキシル末端の両方は、任意の所望のタンパク質と実際に融合され得、同定可能なGFP−融合物を作製する。野生型遺伝子を使用して調製されたN−およびC−末端タンパク質の融合物の両方が報告されている(WangおよびHazelrigg、1994)。GFPのカルボキシル末端へのタンパク質の融合は、リンカー配列によって増強されるかもしれない。
(a)細胞下局在
局在化研究は、細胞下分画によっておよび免疫蛍光によって以前に行われてきた。しかし、これらの技術は、細胞周期におけるある瞬間でのタンパク質の位置の「スナップショット」のみを与え得る。さらに、人工産物が、細胞が免疫蛍光のために固定される場合、導入され得る。生存細胞においてタンパク質を可視化するためにGFPを使用することは、個々の細胞中で細胞周期を通してタンパク質を追跡することを可能にし、従って重要な技術である。
ヒト化GFPは、種々の条件下で哺乳動物細胞およびヒト細胞における細胞内タンパク質輸送をリアルタイムで分析するために用いられ得る。細胞を固定することから生じるアーチファクトは回避される。これらの適用において、ヒト化GFPは、その細胞下の位置を異なる天然の条件下で調べるために、公知のタンパク質に融合される。
Pines(1995)は、一過性のトランスフェクションによって哺乳動物組織培養細胞中で発現された、GFP−サイクリンキメラを作製するためのタグとしての野生型GFPの使用を記載した。予備的な実験において、GFPならびにN−およびC−末端GFPサイクリンキメラの両方が、生細胞において検出され、そして蛍光が、このような細胞において数時間追跡された。
Pines (1995)は、サイトメガロウイルス初期プロモーターを用いて、一過的にトランスフェクトされた細胞においてGFP発現を駆動させ、そしてGFPをCOS−7、HeLa、およびNIH 3T3細胞において発現させた。全ての場合において、キメラは12時間後に免疫蛍光によって検出されたにもかかわらず、蛍光が検出される前にラグ期間(>15時間)が存在した。これは、細菌中で約4時間かかるGFPが自己酸化するための要求に起因し得る(Heimら、1994)。哺乳動物細胞におけるこれらの研究とは対照的に、本発明は、GFP蛍光が約6時間で検出可能であったというはっきりとした利点を有する。
Pines(1995)および他者らの研究において、GFPはタンパク質の天然の細胞下局在化を妨害しなかった。Pines(1995)は、GFP単独が細胞全体(核および細胞質の両方)に分布していることを示した。サイクリンAにタグ化された場合、主に核に存在することが見出され、そしてサイクリンBにタグ化された場合、それはB型サイクリンに依存して微小管または小胞区画と結合しながら、細胞質に存在することが見出された(Pines,1995)。
ヒト化GFPは、実質的に任意のタンパク質をタグ化し、そして異なる条件下でタンパク質の位置を追跡するために用いられ得る。例えば、所定のタンパク質の、減数分裂、有糸分裂、アポトーシス、または他の細胞プロセスを通した追跡において。所定のタンパク質の位置もまた、外的刺激の数に応答して決定され得る。このような刺激は、異なる物理的条件(例えば、漸増または漸減温度、およびさらに異なる化学的環境)を含む。用語「化学的環境」により、遭遇し得る天然の環境(例えば、塩または血清増殖因子などの異なるレベルを有する組成物)およびさらにエフェクター分子が添加されている組成物の両方を意味する。
エフェクター分子を有する組成物は、所定の細胞における応答を誘発するために用いられる。本発明のヒト化gfpは、所定のエフェクターまたはアゴニストに対する細胞の応答が決定されるアッセイにおいて用いられ得る。このような方法を用いることによって、ホルモン、サイトカイン、神経伝達物質、または他の因子に応答した所定のタンパク質の位置が決定され得る。タンパク質の位置が、変化する外部刺激によって変わること、およびタンパク質が、内部区画(例えば、外膜、サイトゾル、小胞体、および核区画)間を移動することは周知である。
(b) GFP駆動標的化
GFP融合タンパク質の別の使用は、タンパク質の天然の行き先であるけれどもタンパク質が特定の細胞区画への輸送に適応された後の標的化タンパク質の特定の場所での検出においてである。これを達成するために、標的化配列(例えば、核またはミトコンドリア標的化配列)は、GFP配列とともに所望のタンパク質に融合される。これは、タンパク質の天然の位置がGFPを用いて決定される上記したばかりの方法とは対照的である。
核は、その独特の機能を媒介することを助ける多くのタンパク質を含む。これらのタンパク質は、それらが生成されるサイトゾルから移入される。これらは、核の内部(核内腔)に到達するためには、核の外膜および内膜の両方を通り抜けて通過しなければならない。この輸送プロセスは、選択的である:サイトゾルで生成された多くのタンパク質は、核から除外される。多くの核タンパク質は、孔チャンネルを拡大しながら核中へタンパク質を活発に輸送する、孔縁上に局在するレセプタータンパク質と相互作用する。
核輸送の選択性は、核移入シグナルに存在し、それは核タンパク質においてのみ存在する。核移入シグナルは、いくつかの核タンパク質において遺伝子操作技術を用いて正確に規定されている。タンパク質のどこにでも局在され得るシグナルは、正に荷電したアミノ酸リジンおよびアルギニンが豊富であり、そして通常プロリンを含む短いペプチド(代表的には4〜8アミノ酸残基)からなる。例えば、T抗原核移入シグナルは、Pro Pro Lys Lys Lys Arg Lys Val (配列番号6)である。
ヒト化GFPは、構築物(この中で、問題のタンパク質が、GFPおよび核標的化配列に融合される)の発現の後に、選択されたタンパク質が核内に移入されたことを確認するために用いられ得る。これは、基礎科学におけるインビトロ研究の一部として、またはインビボ治療の一部として(例えば、癌細胞の核などへの薬剤の指向において)さえ用いられ得る。
核局在化シグナルのヒト化gfp遺伝子への添加はまた、発現されたタンパク質の蛍光強度を、核のよりずっと小さい空間にタンパク質を限局することによって増強させるために用いられ得る。これは、本明細書中で実施例VIIにブルーGFP変異体の状況において記載される。
核タンパク質分子は、(例えば、有糸分裂後に)繰り返し移入される必要があるので、その核移入シグナルペプチドは、核への移入後に切断されない。対照的に、一旦タンパク質分子が、任意の他の膜有界オルガネラ(membrane−bounded organelle)によって移入されると、それはその区画内で世代から世代へと受け継がれ、そして再びトランスロケーションされる必要がない。それゆえ、これらの分子上のシグナルペプチドは、タンパク質トランスロケーションの後にしばしば除去される。
ミトコンドリアは、二重膜有界オルガネラであり、電子輸送および酸化的リン酸化によるATPの合成に特殊化されている。それらのタンパク質のほとんどは、細胞核によってコードされ、そしてサイトゾルから移入される。さらに、各移入タンパク質は、それが機能する特定の小区画に到達しなければならない。ミトコンドリアには、4つの小区画がある:マトリックス空間;内膜;膜間空間;およびサイトゾルに面する外膜。これらの小区画のそれぞれは、異なるセットのタンパク質を含んでいる。
ミトコンドリアの生合成の研究は、酵母(融合タンパク質(組換えDNA技術によって産生される)をコードするハイブリッド遺伝子が効率的に導入され得る)の使用によって容易にされている。ミトコンドリアマトリックスへ移入されるタンパク質は、これらが遊離のポリリボソームから放出されてから1〜2分以内に、通常サイトゾルから取り込まれる。
移入されるタンパク質は、たいていいつもシグナルペプチド(20〜80残基長)をそのアミノ末端に有する。移入された後、シグナルペプチドはミトコンドリアマトリックス内の特定のプロテアーゼ(シグナルペプチダーゼ)によって迅速に除去され、次いでおそらくマトリックス内でアミノ酸に分解される。シグナルペプチドは、驚くほど簡単であり得る。シグナルペプチドの長さが連続的に減少される分子遺伝子実験は、1つのミトコンドリアタンパク質について、ミトコンドリア移入を合図するために、12のアミノ酸のみがアミノ末端で必要とされることを示している。これらの12残基は、任意の細胞質タンパク質に付着し得、そしてタンパク質をミトコンドリアマトリックスへ指向させる。
全長シグナルペプチドの物理的研究は、正に荷電した残基が全てヘリックスの側面に整列し、一方非荷電の疎水性残基が反対側に向かって整列する、両親媒性のαヘリックス構造を形成し得ることを示唆する。ミトコンドリア移入配列の例は、Met Leu Ser Leu Arg Gln Ser Ile Arg Phe Phe Lys Pro Ala Thr Arg Thr Leu (配列番号7)である。
ミトコンドリア膜間空間へのいくつかの前駆体タンパク質の輸送は、マトリックスへのそれらの最初の移送で開始される。ここで、非常に疎水的なアミノ酸配列は、戦略的に移入を惹起するアミノ酸シグナルペプチドの後ろに置かれる。一旦アミノ末端シグナルがマトリックスプロテアーゼによって切断されると、疎水性配列は、内膜にタンパク質を再挿入するためのシグナルペプチドとして機能する。マトリックスからのこの移送は、おそらくER膜へのタンパク質移入に用いられる機構に類似の機構によって起こり、そしてこれはミトコンドリア内でコードされるタンパク質を内膜中へ挿入するために用いられる機構でもある。サイトゾルからミトコンドリア内膜へのタンパク質の輸送もまた、疎水性シグナルペプチドを必要とする。
生細胞内でのミトコンドリアの動きを可視化するためのGFPおよびミトコンドリア標的化配列の使用は、Rizzutoら(1995)によって報告されている。ローダミンのような色素とは対照的に、GFPを用いることは、オルガネラ膜電位を消失させる薬物によってミトコンドリア内で誘導された形態学的変化が明らかにした。
これらの研究において、Rizzutoら(1995)は、チトクロムCオキシダーゼのサブユニットVIIIの前駆体のアミノ末端31アミノ酸(これは、ミトコンドリア標的化配列を形成する)をコードするDNAフラグメントを融合タンパク質コード配列の一部として用いた。キメラcDNAをアミノ末端からカルボキシル末端へ、以下をコードするように作製した:ミトコンドリアプレ配列および成熟チトクロームCオキシダーゼタンパク質の6アミノ酸;いくつかのリンカーアミノ酸;およびGFP。この構築物は、ミトコンドリアへ移入されたGFPを発現した。
ヒト化GFPの使用は、Rizzutoら(1995)によって記載されるタイプの研究(ここでは、単にミトコンドリアを全体として標識することが所望されている)の改良である。ヒト化GFPはまた、選択されたタンパク質が、構築物(この中で、所望のタンパク質がGFPおよびミトコンドリア標的化配列に融合される)の発現の後にミトコンドリアへ移入されることを確認するために用いられ得る。ここで、ミトコンドリア標的化配列は、融合タンパク質のN末端に(コード核酸の3’末端に)位置されるべきである。
7.遺伝子治療適用
首尾良い遺伝子治療は、一般に、遺伝的障害を矯正し得る遺伝子の宿主ゲノムへの組込みを必要とする。宿主ゲノムにおいて、この遺伝子は、宿主DNAと共存し、そして複製し、そして欠損遺伝子を補償するレベルで発現される。理想的には、疾患は、1つまたはいくつかの処置によって重篤な副作用なしに治癒される。現在までに提唱された遺伝子治療に対するいくつかのアプローチがあった。これらの各々は、本発明のヒト化gfpとの組合せから恩恵を受け得る。
1つのアプローチは、目的の遺伝子を含むDNAを、例えば、細胞膜を化学的にかまたは物理的にかのいずれかで透過化処理することによって、細胞中にトランスフェクトすることである。このアプローチは、一般に、一時的に身体から取り出され得、そして処置の細胞傷害性に対して耐性であり得る細胞(すなわち、リンパ球)に限定される。リン酸カルシウム沈澱(GrahamおよびVan Der Eb,1973;Rippeら、1990)、DEAEデキストラン(Gopal,1985)、エレクトロポレーション(Tur−Kaspaら、1986;Potterら、1984)、および直接マイクロインジェクションが、このような方法の例である。
特定の脂質および両親媒性ペプチドで形成されたリポソームまたはタンパク質結合体が、インビボおよびインビトロトランスフェクションのために使用され得(Stewartら、1992;Torchilinら、1992;Zhuら、1993;Ledleyら、1987;Nicolauら、1983;NicolauおよびSene,1982)、そしてポリリジン−糖タンパク質キャリア複合体にカップリングしたDNAもまた用いられ得る。
この様式での遺伝子組込みの効率は、一般に非常に低い。目的の遺伝子は、1,000〜100,000のうち1つの細胞のみのゲノムに組み込まれることが予想される。組込みの非存在下では、トランスフェクトされた遺伝子の発現は、非組込みDNAの分解に起因して、増殖細胞において数日または非増殖細胞において数週間に限定される。本発明は、所望のトランスフェクトされた遺伝子をより長い時間発現する細胞を容易に同定するために使用され得る。
Jiaoら(1993)は、脳組織における遺伝子の移送および発現のためのパーティクルボンバードメント媒介遺伝子移送プロトコル(particle bombardment−mediated gene transfer protocol)の成功を記載する。このことは、これがこのような組織への遺伝子移送のための効果的な方法として使用され得ることを示唆する。
プラスミドは、ヒト化gfp遺伝子物質を細胞中に直接移送するために用いられ得る(Wolfeら、1990)。それゆえ、DNAセグメントそれ自体は、送達因子として用いられ得る。DNAセグメントを用いるための技術は、最近開発され、そして一般に「DNAワクチン接種」と呼ばれる(Cohen,1993)。現在、細胞が裸のDNAを取込み得、そしてコードされたタンパク質を発現し得ることは公知である。
この技術、およびその改変(例えば、Ulmerら、(1993);Tangら、(1992),Coxら、(1993),Fynanら、(1993),Wangら、(1993)、およびWhittonら(1993)により記載され、各々本明細書中に参考として援用されるもの)の利用が、DNAを標的細胞に送達するために用いられ得る。非経口接種、粘膜接種、および遺伝子銃接種(Fynanら、1993)が用いられ得る。
用いられ得る別のアプローチは、ウイルスが細胞に侵入し、それら自体の遺伝物質をそれらにもたらす天然の能力を利用する。レトロウイルスは、それらの遺伝子を宿主ゲノムに組み込み、大量の外来遺伝物質を移送し、広範な種および細胞型に感染し、そして特別の細胞株中でパッケージングされるそれらの能力に起因して、遺伝子送達ベクターとしての期待を有する(Miller,1992)。
種々のレトロウイルスベクター(例えば、単純ヘルペスウイルス(米国特許第5,288,641号、本明細書中に参考として援用される)、サイトメガロウイルスなど)がMiller(Miller,1992)に記載されるように用いられ得る。単純ヘルペスチミジンキナーゼ(HS−tK)遺伝子は、レトロウイルスベクター系を用いて脳腫瘍に送達されている(そこで、首尾良く抗ウイルス剤ガンシクロビルに対する感受性を誘導した)(Culverら、1992)。
第二世代レトロウイルスベクターを用いた遺伝子送達もまた報告されている。Kasaharaら(1994)は、モロニーマウス白血病ウイルス(これは、通常マウス細胞のみを感染する)の操作された改変体を調製し、そしてこのウイルスが特異的にエリスロポエチン(EPO)レセプターを保有するヒト細胞に結合し、そして感染するようにエンベロープタンパク質を改変した。これは、EPO配列の一部をエンベロープタンパク質に挿入し、新たな結合特異性を有するキメラタンパク質を作製することによって達成された。
上記のような送達系は、本発明と関連して用いられ得る。レトロウイルス処置の状況において、本発明は、前臨床的開発段階において、そしてまた投与後の遺伝子発現をインビボでモニターするための両方で用いられる。
さらなる方法は、他のウイルス(例えば、ワクシニアウイルス(Ridgeway,1988;BaichwalおよびSugden,1986;Couparら、1988);欠損B型肝炎ウイルス(Horwichら、1990;Changら、1991);アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルス(AAV;Muzyczka,1992;以下を参照のこと)を用い、これらは遺伝子移送のためのベクターとして作用するように操作される。外来遺伝物質を受容し得るいくつかのウイルスは、それらが収容し得るヌクレオチドの数において、およびそれらが感染する細胞の範囲において限定されているが、これらのウイルスは、首尾良く遺伝子発現をもたらすことが実証されている。アデノウイルスは、それらの遺伝子物質を宿主ゲノム中に組み込まず、そしてそれゆえ遺伝子発現のための宿主複製を必要せず、それらを迅速な、効率的な、異種の遺伝子発現に対して適切にしている。アデノウイルスおよびAAV(米国特許第5,139,941号、本明細書中に参考として援用される)は、本明細書中以下に記載される。ここでもまた、本発明は、前臨床的開発において、および処置の間に用いられる。
本発明の発見は、生物学的分野において周知であり、そして以下の節でさらに記載される特定の技術とともに用いられ得る。
8.生物学的機能的等価物
先に述べたように、改変および変更がGFPの構造においてなされ得、そしてなお同様のまたはそうでなければ所望の特徴を有する分子を得る。例えば、タンパク質構造における特定のアミノ酸が、感知し得るほどの機能の損失なしに他のアミノ酸で置換され得る。従って、種々の変更が、ヒト化gfpタンパク質の配列において、基礎となるDNAを変更することによって、それらの生物学的有用性または活性の感知し得るほどの損失なしになされ得ることが意図される。
分子の規定された部分内でなされ得、かつなお等価な生物学的活性の受容可能なレベルを有する分子を生じ得る変更の数に制限があるという概念が、生物学的に機能的等価なタンパク質の定義において固有であることもまた、当業者によって十分に理解される。例えば、実質的に短縮されたgfp遺伝子が生物学的に機能的等価物でないことがすでに説明されている。
しかし、本発明の状況において、変異または変更が、蛍光の完全な欠損を有するGFPタンパク質を生じない限り、生じるタンパク質は、本発明の目的のために生物学的機能的等価物であると考えられることもまた認識される。実際、異なるスペクトルの特性を有するタンパク質を生じるアミノ酸置換は、本発明の範囲内にある。これは、発色団領域内部および発色団領域外部の変異を含む。
9.部位特異的変異誘発
部位特異的変異誘発は、ヒト化gfp遺伝子のさらなる改変体を調製するために用いられ得る。部位特異的変異誘発は、基礎となるDNAの特定の変異誘発を通した、個々のペプチド、または生物学的に機能的等価なタンパク質もしくはペプチドの調製において有用な技術である。この技術は、1つ以上のヌクレオチド配列変更をDNAに導入することによって変異体を調製し、そして配列決定する準備ができた能力をさらに提供する。
部位特異的変異誘発は、所望の変異のDNA配列をコードする特定のオリゴヌクレオチド配列、ならびに超えられた欠失連結部の両側に安定な二重鎖を形成するのに十分なサイズおよび配列複雑性を有するプライマー配列を提供するために十分な数の隣接ヌクレオチドの使用によって変異体の生成を可能にする。代表的には、変更される配列の連結部の両側に約5〜10残基を有する約17〜25ヌクレオチド長のプライマーが好ましい。
部位特異的変異誘発の技術は、刊行物によって例示されているように(Adelmanら、1983)、一般に当該分野で周知である。理解されるように、技術は、代表的には、一本鎖および二本鎖の形態の両方で存在するファージベクターを利用する。部位特異的変異誘発に有用な代表的なベクターは、M13ファージ(Messingら、1981)のようなベクターを含む。これらのファージは、容易に市販されていて、そしてそれらの使用は、当業者に一般に周知である。二本鎖プラスミドもまた、目的の遺伝子をプラスミドからファージへ移行する工程を排除した部位特異的変異誘発において日常的に利用される。
一般に、本明細書に従う部位特異的変異誘発は、まず一本鎖ベクターを得ること、またはその配列内にgfpまたはヒト化gfpをコードするDNA配列を含む二本鎖ベクターの二本の鎖を融解分離することによって行われる。所望の変異配列を保有するオリゴヌクレオチドプライマーは、一般に合成的に、例えばCreaら(1978)の方法によって調製される。次いで、このプライマーを一本鎖ベクターとアニーリングさせ、そして変異保有鎖の合成を完了するためにDNA重合化酵素(例えば、E.coliポリメラーゼIクレノウフラグメント)に供する。従って、ヘテロ二重鎖が形成され、ここで一方の鎖は、元の非変異配列をコードし、そして第二の鎖は、所望の変異を保有する。次いで、ヘテロ二重鎖ベクターを用いて、適切な細胞(例えば、E.coli細胞)を形質転換し、そして変異された配列配置を保有する組換えベクターを含むクローンが選択される。
適切な技術はまた、本明細書中で参考として援用される米国特許第4,888,286号に記載されている。
部位特異的変異誘発を用いる選択されたヒト化gfp遺伝子の配列改変体の調製は、潜在的に有用なGFP種を生成する手段として提供され、そして限定することを意味しない。なぜなら、GFPの配列改変体が得られ得る他の方法が存在するからである。例えば、所望のヒト化gfp遺伝子をコードする組換えベクターは、変異原性の因子で処理され得、配列改変体を得る。(ヒドロキシルアミンを用いるプラスミドDNAの変異誘発については、例えば、Eichenlaub,1979によって記載される方法を参照のこと)。
前述の方法は、変異誘発における使用に適切であるが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCRTM)の使用が、ここでは一般に好ましい。この技術は、所望の変異を所定のDNA配列中に導入するための迅速かつ効果的な方法を提供する。以下の文は、所定の配列によってコードされるアミノ酸を変更するために用いられ得るような、点変異を配列に導入するためのPCRTMの使用を特に記載する。本方法の適応はまた、DNA分子中に制限酵素部位を導入するためにも適切である。
この方法において、合成オリゴヌクレオチドは、増幅されたセグメントの一端に点変異を組み込むように設計される。PCRTMに続き、増幅されたフラグメントは、クレノウフラグメントで処理することによって平滑末端化され、次いで、この平滑末端化されたフラグメントは、配列分析を容易にするためにベクター中に連結され、そしてサブクローン化される。
変異誘発しようと所望するテンプレートDNAを調製するために、DNAを高コピー数ベクター(例えば、pUC19)中に、変異される領域に隣接する制限部位を用いてサブクローン化する。次いで、テンプレートDNAをプラスミドミニプレップを用いて調製する。親配列に基づくが、所望の点変異を含み、そして5’端で制限酵素部位が隣接する適切なオリゴヌクレオチドプライマーは、自動化合成機を用いて合成される。プライマーがテンプレートDNAに対して約15塩基程相同であることが、一般に必要とされる。プライマーは、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって精製され得るが、これは、PCRTMにおける使用に絶対に必要なわけではない。次いで、オリゴヌクレオチドの5’末端がリン酸化される。
テンプレートDNAは、所望の点変異を含むオリゴヌクレオチドプライマーを用いてPCRTMによって増幅される。増幅緩衝液中のMgClの濃度は、一般に約15mMである。一般に、約20〜25サイクルのPCRTMが以下のように行われる:95℃で35秒の変性;50℃で2分間のハイブリダイゼーション;そして72℃で2分間の伸長。PCRTMは、一般に72℃で約10分間の最終サイクルの伸長を含む。最後の伸長工程後、約5単位のクレノウフラグメントが反応混合物に添加され、そして約30℃でさらに15分間インキュベートされる。クレノウフラグメントのエキソヌクレアーゼ活性は、平滑末端クローニングのために末端を平滑かつ適切にするために必要とされる。
得られる反応混合物は、増幅が予想された生成物を生じたことを確認するために、非変性アガロースゲル電気泳動またはアクリルアミドゲル電気泳動によって一般に分析される。次いで、反応混合物を、鉱油のほとんどを除去し、クロロホルムで抽出して残りの油を除去し、緩衝化フェノールで抽出し、次いで100%エタノールで沈殿させることによって濃縮することによってプロセスする。次に、増幅されたフラグメントの約半分を、オリゴヌクレオチドにおいて使用された隣接配列で切断する制限酵素で消化する。消化されたフラグメントを低ゲル化/溶解(low gelling/melting)アガロースゲル上で精製する。
フラグメントをサブクローニングし、そして点変異をチェックするために、2つの増幅フラグメントを、平滑末端連結によって、適切に消化されたベクター中にサブクローニングする。これは、E.coliを形質転換するために用いられ、続いてこのE.coliから、プラスミドDNAがミニプレップを用いて調製され得る。次いで、正確な点変異が生成されたことを確認するために、プラスミドDNAの増幅された部分はDNA配列決定によって分析される。Taq DNAポリメラーゼがさらなる変異をDNAフラグメントに導入し得るので、これは重要である。
点変異の導入はまた、連続的PCRTM工程を用いてもたらされ得る。この手順において、変異を包含する2つのフラグメントが互いにアニーリングされ、そして相互にプライムされた合成によって伸長される。次いで、このフラグメントは、第二のPCRTM工程によって増幅され、それにより上記のプロトコルで必要とされる平滑末端連結を回避している。この方法において、テンプレートDNAの調製、オリゴヌクレオチドプライマーの生成、および第一のPCRTM増幅は、上記のように行われる。しかし、このプロセスにおいて、選択されたオリゴヌクレオチドは、テンプレートDNAに約15〜約20塩基のストレッチについて相同であり、そしてまた約10塩基以上互いに重複しなければならない。
第二のPCRTM増幅において、各増幅されたフラグメントおよび各隣接配列プライマーを用い、そして約20〜約25サイクルのPCRTMを、上記の条件を用いて行う。再び、フラグメントをサブクローニングし、そして点変異が正確であった−ことを先に概説した工程を用いてチェックする。
以下の方法のいずれかの使用において、可能な限り小さなフラグメントを増幅することにより変異を導入することが一般に好ましい。もちろん、オリゴヌクレオチドの融解温度のようなパラメーターはまた、一般にGC量およびオリゴの長さにより影響されるため、注意深く考慮されるべきである。これらの方法の実行および必要な場合のこれらの最適化は、当業者に公知であり、そして種々の文献(例えば、Current Protocols in Molecular Biology,1995(本明細書中に参考として援用される))にさらに記載される。
10.発現プラスミドおよびベクター
広範な種々の組換えプラスミドおよびベクターがヒト化gfp遺伝子を発現するために操作され、それにより細胞にGFPを送達するために使用され得る。
本明細書中で使用される用語「発現ベクター」は、核酸配列が哺乳動物細胞またはヒト細胞において転写され得る、ヒト化gfp遺伝子の核酸配列を含む任意のタイプの遺伝子構築物を含む。本発明の発現ベクターはまた、本発明自体により提供されるように、GFPタンパク質への翻訳を指向する。ヒト化gfp配列に加えて、発現ベクターは一般に、通常その構築および使用を容易にするためにベクターにおいて用いられる制限酵素切断部位および他の開始、終結および介在DNA配列を含む。
哺乳動物細胞において使用するための発現ベクターは、通常、複製起点(必要に応じて)および発現されるべき遺伝子の前に位置するプロモーターを含む。好ましくは、ポリアデニル化部位および翻訳終結配列が含まれる。リボソーム結合部位およびRNAスプライス部位がまた含まれ得る。例は、SV40後期遺伝子16S/19Sスプライスドナー/スプライスアクセプターシグナルである。
複製起点は、外因性起点を含むようなベクターの構築(例えば、SV40または他のウイルス(例えば、ポリオーマ、アデノ、VSV、BPV)供給源由来であり得る)により提供され得る)か、または宿主細胞染色体複製機構により提供され得る。ベクターが宿主細胞染色体に組み込まれる場合、後者がしばしば十分である。プロモーターは、以下に議論される。
特定の開始シグナルがまた、効率的な翻訳のために必要とされ得る。これらのシグナルは、ATG開始コドンおよび隣接配列を含む。ATG開始コドンを含む外因性翻訳制御シグナルは、さらに提供されることが必要とされ得る。当業者は、容易にこれを決定し得、そして必要なシグナルを提供し得る。開始コドンが、挿入物全体の翻訳を確実にするために、所望のコード配列のリーディングフレーム内でインフレーム(または、インフェーズ)でなければならないことは周知である。これらの外因性翻訳制御シグナルおよび開始コドンは、天然および合成の両方の種々の起源であり得る。発現の効率は、適切な転写エレメントおよび転写ターミネーターを含むことにより増強され得る(Bittnerら、1987)。
哺乳動物発現において、最初のクローニングされたセグメント内に含まれない場合、典型的には適切なポリアデニル化部位(例えば、5’−AATAAA−3’)を転写単位に取り込むこともまた所望される。典型的には、ポリA付加部位は、タンパク質の転写終結の前に位置する終結部位の約30〜2000ヌクレオチド「下流」に位置される。ポリアデニル化シグナルの特性は、本発明の首尾よい実施に重要であるとは考えられず、そして任意のこのような配列が用いられ得る。SV40、ウシ成長ホルモン遺伝子およびシグナルは便利で、よく機能することが知られている。
組換えタンパク質の長期、高収率産生のために、安定な発現がしばしば好ましい。ここで宿主細胞は、ウイルス複製起点を含む発現ベクターを用いるよりも、適切な発現制御エレメント(例えば、プロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位など)および選択マーカーにより制御されるベクターを用いて形質転換され得る。従って、ヒト化gfp配列および選択マーカーを組み合わせた使用がまた意図される。
外来DNAの導入に続く安定な発現において、操作細胞は、富化培地において1〜2日間増殖され得、次いで選択培地に切り替えられ得る。組換えプラスミドにおける選択マーカーは、選択に対する耐性を与え、そして細胞にその染色体中にプラスミドを安定に取り込ませ、そしてフォーカスから増殖され、次いでクローン化され得そして細胞株に拡大され得る。
多数の選択系が使用され得、tk細胞、hgpt細胞、またはaprt細胞においてそれぞれ単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(Wiglerら、1977)、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalskaら、1962)、およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子(Lowyら、1980)を含むが、これらに制限されない。また、抗代謝物耐性が、メトトレキセートに対する耐性を与えるdhfr(Wiglerら、1980;O’Hareら、1981);マイコフェノール酸に対する耐性を与えるgpt(Mulliganら、1981);アミノグリコシドG−418に対する耐性を与えるneo(Colberre−Garapinら、1981);およびハイグロマイシンに対する耐性を与えるhygro(Santerreら、1984)の選択のための基礎として用いられる。
好ましいベクターは、細菌において機能性の複製起点および典型的な抗生物質耐性遺伝子(これらはそれぞれ形質転換細菌細胞において増殖および選択を可能にする)ことがまた意図される。
好ましいベクターにおいて、GFP融合タンパク質の作製を容易にするために、GFPコード配列の末端で複数のクローニング部位(MCS)がまた提供される。MCSは、目的の遺伝子における便利な制限部位とともに、インフレーム融合物を作製させる3つの異なるリーディングフレーム内に存在するはずである。
組換えベクターにおける同じプロモーターからの異なる遺伝子の協調発現は、IRESエレメント(例えば、下記のようなpSBC−1由来のポリオウイルス1型の内部リボソーム侵入部位(Dirksら、1993))を用いて達成され得る。
11.プロモーター
発現ベクターは、1つ以上のプロモーターの制御下のタンパク質コード核酸セグメントを含む。コード配列をプロモーターの「制御下」におくために、一般に選択したプロモーターの約1と約50ヌクレオチドとの間の「下流」(すなわち、3’)に転写リーディングフレームの転写開始部位の5’末端を位置させる。「上流」プロモーターは、DNAの転写を刺激し、そしてコードされた組換えタンパク質の発現を促進する。
「プロモーター」は、細胞の合成機構または導入された合成機構により認識される、特定の遺伝子の転写を開始するために必要なDNA配列をいう。本明細書中に使用されるプロモーターは、哺乳動物細胞およびヒト細胞において作動可能であるはずである。句「作動可能な」および「転写制御を発揮する」は、ヒト化gfp核酸に関して正しい位置および方向にあり、RNAポリメラーゼの開始およびヒト化遺伝子の発現を制御することを意味する。
ヒト化GFPを発現するために使用されるプロモーターは、本発明には重要ではない。例として、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)即時初期遺伝子プロモーターが使用されており(Thomsenら、1984)、これは外来遺伝子の構成的な高レベルの発現を生じる。しかし、当該分野に周知の他のウイルスまたは哺乳動物細胞性プロモーターの使用もまた、ヒト化gfp遺伝子の発現を達成するために適切である。
多数のウイルスベースの発現系が利用され得る。例えば、通常使用されるプロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、およびシミアンウイルス40(SV40)由来である。SV40ウイルスの初期および後期プロモーターは、その両方がSV40ウイルス複製起点をまた含むフラグメントとしてウイルスから容易に得られるので、特に有用である。より小さいまたはより大きいSV40フラグメントもまた使用され得、同様にラウス肉腫ウイルス(RSV)長末端反復(LTR)も使用され得る。
周知の特性を有するプロモーターを用いることにより、ヒト化GFPの発現のレベルおよびパターンが最適化され得る。例えば、特定の細胞型において特異的に活性なプロモーターの選択は、組織特異的発現を可能にする。このようなプロモーターは、大腸上皮細胞に特異的な肝脂肪酸結合(FAB)タンパク質遺伝子プロモーター;膵細胞に特異的なインスリン遺伝子プロモーター;それぞれ肝細胞において特異的または優先的な発現を指向するトランスフィレチン(transphyretin)、α1−抗トリプシン、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1型(PAI−1)、アポリポタンパク質AI、およびLDLレセプター遺伝子プロモーターのようなプロモーターを含む。脳組織において活性なプロモーターは、オリゴデンドログリアに特異的なミエリン塩基性タンパク質(MBP)遺伝子プロモーター;グリア細胞に特異的なグリア原線維酸性タンパク質(GFAP)遺伝子プロモーター;および神経細胞に特異的な神経特異的エノラーゼ(NSE)プロモーターを含む。
さらに、特定の化学的または生理学的シグナルに応答して調節されるプロモーターの選択は、ヒト化gfp遺伝子の誘導性発現を可能にし得る。適切な誘導性プロモーターの例は、PAI−1、シトクロームP450遺伝子プロモーター、熱ショックタンパク質遺伝子プロモーターおよびホルモン誘導性遺伝子プロモーター、ならびに電離放射線により誘導可能なfosおよびjunプロモーターを含む。
上記のように、誘導性プロモーターは、インビボ(例えば、遺伝子療法)およびインビトロ(スクリーニングアッセイ)で有用である。組成物中の特定の化合物の存在についてのスクリーニングにおいて、誘導性プロモーターの有用な群は、2、3の例として、重金属により活性化されるプロモーター(Freedmanら、1993);ある範囲の毒性化合物により活性化されるシトクロームP450遺伝子プロモーター;種々のストレスにより刺激されるhsp70プロモーターのような熱ショックタンパク質遺伝子プロモーター(Stringhamら、1992;Welch,1993)である。
12.IRES
内部リボソーム結合部位(IRES)エレメントは、複遺伝子性またはポリシストロン性メッセージを作製するために使用される。IRESエレメントは、5’メチル化Cap依存翻訳のリボソームスキャニング機構をバイパスし得、そして内部部位で翻訳を開始し得る(PelletierおよびSonenberg 1988)。ピカノウイルス(picanovirus)ファミリー(ポリオおよび脳心筋炎)の2つのメンバー由来のIRESエレメント(PelletierおよびSonenberg,1988)、ならびに哺乳動物メッセージ由来のIRES(MacejakおよびSarnow,1991)が記載されている。上記の任意のものが本発明に従うヒト化gfpベクターにおいて使用され得る。
IRESエレメントは、異種オープンリーディングフレームに連結され得る。複数のオープンリーディングフレームが一緒に転写され得、各々はIRESにより分離され得、ポリシストロン性メッセージを作製し得る。IRESエレメントの長所により、各オープンリーディングフレームは効率的な翻訳のためにリボソームに接近し得る。この様式において、複数の遺伝子(その1つはヒト化gfp遺伝子である)は、1つのメッセージを転写するための1つのプロモーター/エンハンサーを用いて効率的に発現され得る。
任意の異種オープンリーディングフレームがIRESエレメントに連結され得る。本発明の状況において、これは発現を所望する任意の選択されるタンパク質および任意の第2レポーター遺伝子(または選択マーカー遺伝子)を意味する。複数のタンパク質の発現が達成され得ても、GFP産生を通じての同時モニタリングを伴う。
13.AAVベクター
アデノ随伴ウイルス(AAV)は、ヒトに対して非病原性で、高頻度の組込みを有し、そして非分裂細胞に感染し得るので、ヒト遺伝子療法のために魅力的なベクター系である。従って、AAVは、組織培養および動物全体の両方の哺乳動物細胞に遺伝子を送達するために有用である(Muzyczka,1992)。最近の研究は、AAVが遺伝子送達のために潜在的に良好なベクターであることを実証している(LaFaceら、m 1988;Zhouら、1993;Flotteら、1993;Walshら、1994)。組換えAAVベクターは、マーカー遺伝子(Kaplittら、1994;Lebkowskiら、1988;Samulskiら、1989;ShellingおよびSmith,1994;Yoderら、1994;Zhouら、1994;HermonatおよびMuzyczka,1984;Tratschinら、1985;McLaughlinら、1988)およびヒト疾患に関与する遺伝子(Flotteら、1992;Luoら、1994;Ohiら、1990;Walshら、1992;Weiら、1994)のインビトロおよびインビボ形質導入のために首尾よく使用されている。最近、AAVベクターは嚢胞性線維症の処置のための第1相ヒト試験のために認可されている。
AAVは、培養細胞において生産的感染を行うために別のウイルス(アデノウイルスまたはヘルペスウイルスファミリーのメンバーのいずれか)との同時感染を必要とする、依存性パルボウイルスである(Muzyczka,1992)。ヘルパーウイルスとの同時感染の非存在下では、野生型AAVゲノムはその末端を通じてヒト第19染色体へ組込み、ここでプロウイルスとして潜在的状態にある(Kotinら、1990;Samulskiら、1991)。しかし、rAAVは、AAV Repタンパク質もまた発現されなければ、第19染色体への組込みに制限されない(ShellingおよびSmith,1994)。AAVプロウイルスを有する細胞がヘルパーウイルスで重感染された場合、AAVゲノムは染色体からまたは組換えプラスミドから「救出」され、そして正常な生産的感染が確立される(Samulskiら、1983;McLaughlinら、1988;Berns,1990;Kotinら、1990;Muzyczka,1992)。AAVは、感染のために広範な宿主範囲を有する(Tratschinら、1984;Laughlinら、1986;Lebkowskiら、1988;McLaughlinら、1988)。
典型的には、組換えAAV(rAAV)ウイルスは、2つのAAV末端反復配列に隣接する目的の遺伝子を含むプラスミド(例えば、図2B、およびMcLaughlinら、1988;Samulskiら、1989を参照のこと)、ならびに末端反復を有さない野生型AAVコード配列を含む発現プラスミド(例えば、pIM45 (McCartyら、1991))を同時トランスフェクトすることにより作製される。細胞はまた、AAVヘルパー機能に必要なアデノウイルス遺伝子を有するアデノウイルスまたはプラスミドで感染もしくはトランスフェクトされる。このような様式で作製されたrAAVウイルスストックは、rAAV粒子から物理的に(例えば、塩化セシウム密度遠心分離により)分離されなくてはならないアデノウイルスにより混入される。あるいは、AAVコード領域を含むアデノウイルスベクターまたはAAVコード領域を含む細胞株およびいくつかもしくは全てのアデノウイルスヘルパー遺伝子が使用され得る(Yangら、1994;Clarkら、1995)。組込まれたプロウイルスとしてrAAV DNAを有する細胞株がまた使用され得る(Flotteら、1995)。
rAAVベクターは、米国特許第5,139,941号および同第4,797,398号に記載され、各々は参照として本明細書中に援用される。
14.アデノウイルスベクター
アデノウイルスベクター、および好ましくは複製欠損ベクターは、本発明の情況において使用され得る。例えば、ウイルスが、細胞性ゲノムからアデノウイルス初期領域1遺伝子を発現する細胞(例えば、ヒト293細胞)においてのみ複製コンピテントであるようなウイルス初期領域1(E1A)領域の欠失により達成される。従って、ウイルスは初期遺伝子産物を発現しない正常細胞を殺傷しないので、これは重要である。複製欠損アデノウイルスを調製するための技術は、Ghosh−ChoudhuryおよびGraham (1987);McGroryら、(1988);ならびにGluzmanら、(1982)により例示されるように、当該分野で周知である。Rosenfeldら、(1991;1992)およびStratford−Perricaudetら、(1990;1992)はまたアデノウイルスの使用を記載する。
アデノウイルスベクターが複製欠損である必要条件以外には、アデノウイルスベクターの特性は重要ではないと考えられる。アデノウイルスは、42の異なる公知の血清型または亜群A〜Fの任意のものであり得る。本発明の方法における使用のための条件的複製欠損アデノウイルスベクターを得るためには、亜群Cのアデノウイルス5型が好ましい出発物質である。これは、アデノウイルス5型が、これについて大量の生化学的および遺伝的情報が知られており、歴史的にアデノウイルスをベクターとして用いるほとんどの構築物に使用されており、そして非発ガン性のヒトアデノウイルスであるからである。
これらの局面における使用のためのベクターは複製欠損という点で、これらは典型的にはアデノウイルスE1領域を有さない。従って、E1コード配列が除去されている位置にヒト化gfp遺伝子を導入するのが最も便利である。しかし、アデノウイルス配列中のヒト化遺伝子の挿入の位置は、重要ではない。ヒト化転写単位はまた、Karlssonら、(1986)により以前に記載されたように、E3置換ベクターにおける欠失されたE3領域のかわりに挿入され得る。
15.発現キット
ヒト化gfp遺伝子を含む発現キットが、本発明の別の局面を形成する。このようなキットは一般に、適切な容器手段において、ヒト化gfp遺伝子またはヒト化gfp遺伝子を発現し得るベクターの処方物を含む。遺伝子またはベクターは、薬学的に受容可能な処方物において提供され得る。
キットの成分が1つ以上の液体溶液において提供される場合、液体溶液は水溶液であり、滅菌水溶液が特に好ましい。ヒト化gfp遺伝子またはベクターはまた、注入可能な組成物中に処方され得る。この場合、容器手段自体はシリンジ、ピペット、点眼瓶、または他のこのような器具であり得、これらから処方物が細胞、または身体のある領域に適用され得るか、あるいは動物に注入され得るか、あるいは適用されてキットの他の成分と混合され得る。
しかし、キットの成分は、乾燥粉末として提供される。試薬または成分が乾燥粉末として提供される場合、粉末は、適切な溶媒の添加により再構築され得る。溶媒が別の容器手段で提供され得ることもまた意図される。
容器手段は、一般的に少なくとも1つのバイアル、試験管、フラスコ、瓶、シリンジ、または他の容器手段を含み、この中にヒト化gfp遺伝子またはベクターが入れられ得、好ましくは適切に配分され得る。第2のヒト化gfp遺伝子またはベクター構築物がまた提供され得、ここでキットはまた一般に、それが入れられる第2のバイアルもしくは他の容器を含む。キットはまた、滅菌した、薬学的に受容可能な緩衝液または他の希釈剤を含むための第2/第3の容器手段を含み得る。
本発明のキットはまた、典型的に、例えば、所望のバイアルが保持される注入または吹き込み形成されたプラスチック容器のような、バイアルを市販のための密閉制限に含むための手段を含む。
容器の数または型に関わりなく、本発明のキットはまた、1つ以上のさらなる分子生物学的試薬(例えば、制限酵素)を含むか、一緒にパックされ得る。
16.組換え発現
所望のクローンは、組換え発現のためにヒト化gfpと発現系に取り込まれ得る。実質的に任意の真核生物発現系がこの様式において用いられ得ると考えられる。宿主細胞の選択されたタンパク質およびヒト化gfpをコードするDNAセグメントでの形質転換は、発現をモニターする便利な手段を提供する。宿主細胞が一般にタンパク質への翻訳のための機能的mRNAを得るためにゲノム転写物をプロセスするので、cDNAおよびゲノム配列の両方が真核生物発現に適切である。
概していえば、組換え遺伝子として遺伝子のcDNAバージョンを用いるのがより便利であり得る。cDNAバージョンの使用は、典型的にはcDNA遺伝子よりも1桁の単位でより大きいゲノム遺伝子よりも、遺伝子のサイズが一般にかなり小さく、そして標的化細胞をトランスフェクトするために容易に用いられるという利点を提供すると考えられる。しかし、特定の遺伝子のゲノムバージョンが用いられる可能性は排除されない。
上記のように、異なる色のヒト化GFPを用いて、異なるタンパク質が同じ細胞において同時発現され得、そしてモニターされ得ることが提案される。これは、2つの異なる組換えベクター(各々が特定のタンパク質コードDNAに連結したヒト化gfpのコピーを有する)で細胞を同時トランスフェクトすることにより達成され得る。あるいは、このようなコード領域の両方を含むように1つの組換えベクターが構築され得、次いで1つのベクターでトランスフェクトされた細胞において発現され得る。
17.組換え宿主細胞
用語「操作」および「組換え」細胞は、ヒト化gfp遺伝子配列を含む外因性DNAセグメントまたは遺伝子が導入されている細胞をいうことが意図される。従って、操作細胞は、組換え的に導入された外因性DNAセグメントまたは遺伝子を含まない天然に存在する細胞と区別され得る。従って、操作細胞は、人の手によって導入された遺伝子を有する細胞である。
培養において連続的に増殖する樹立された細胞株は、本発明の関連において使用され得る細胞の1群を形成する。特に使用のために意図されるこのような哺乳動物宿主細胞株の例は、VERO細胞、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株、COS−7のようなCOS細胞、W138、BHK、HepG2、3T3、RIN、MDCK、A549、PC12、K562、および293細胞である。
初代細胞株はまた、本発明での使用のために意図される。初代細胞株は、動物またはヒト被験体から取り出された細胞であり、そして制限された時間の間培養において生存し得る。このような細胞はしばしば操作され(例えば、有益な遺伝子を導入するために)、次いで細胞が本来得られた動物に再導入される。この技術は、しばしばエクスビボ遺伝子療法といわれる。
全ての脊椎動物種の初代細胞が、動物の身体に戻されても戻されなくても、本明細書中に開示されるヒト化gfp遺伝子での使用のために考慮される。これらは例示のためにのみ、骨髄細胞、神経細胞、肺上皮細胞および肝細胞を含む。
発現、分泌または別の方法で治療薬または所望の因子を動物またはヒト被験体に送達するように事前に操作されている身体中のヒト化gfp含有細胞はまた、本来その動物由来であってもなくても、本発明の細胞に包含される。最終的な宿主細胞からそのように得られない細胞は、免疫学的適合性動物からの細胞、免疫学的に改変または損傷された細胞、宿主動物における半透性デバイス中に保護された細胞、およびいっそう広義には、宿主動物中で一時的寿命を有するように意図される非改変細胞であり得る。
もちろん、本発明がより直接的な遺伝子療法における使用のためによく適応するように、本発明に記載されるような任意の身体の標的細胞がヒト化gfp遺伝子を含み得ることが理解される。このような細胞の全てが、本明細書中に使用される「組換え宿主細胞」の記載の範囲に入ると考慮される。これは、細胞が遺伝子を獲得する様式(例えば、トランスフェクション、感染など)に関わらず、ヒト化gfp遺伝子またはベクターの1つ以上のコピーを含む動物またはヒト被験体中の任意の細胞を含む。疾患細胞、欠損細胞および健常細胞が全てこの様式において本発明中に包含される。
18.他のgfp遺伝子のクローニング
他の生物からのgfp遺伝子がクローン化され得ることがまた意図される。これらは、改善されまたはそうでなければ所望の実体のない特性を有し得、次いで本発明に従いヒト化され得る。
別の生物からのGFP様タンパク質をコードするDNA分子のクローニングは、単に、特異的DNA分子を得、そしてDNAの他の部分から区別して精製するためにDNAライブラリーをスクリーニングすることを必要とする。このようなクローニング手順の最初の工程は、適切なDNAライブラリーのスクリーニングである。スクリーニング手順は、発現スクリーニングプロトコル(例えば、GFPタンパク質に対して指向された抗体を用いるか、または蛍光に基づく活性アッセイ)であり得る。
あるいは、スクリーニングは、公知のgfp DNA配列の部分を考慮して設計されたオリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーションに基づき得る。このようなスクリーニングプロトコルの操作は当業者に周知であり、そして科学文献に詳細に記載される(例えば、Sambrookら、(1989)(本明細書中に参照として援用される)。
以下の実施例は、本発明の好ましい実施態様の実証を含む。以下の実施例に開示される技術は、本発明の実施においてよく機能するとして本発明者らに見出された既存の技術を表し、従って、この実施のために好ましい様式を構成すると考えられることが当業者に理解されるはずである。しかし、当業者は、本開示に照らして、開示される特定の実施態様において多くの変更がなされ得、そして本発明の精神および範囲から逸脱することなくなお同様または類似の結果を得ることができることを理解するはずである。
実施例I
293細胞におけるクラゲGFPの低発現
本実施例は、293細胞におけるトランスフェクションおよび発現においてクラゲgfp10レポーター遺伝子を発現する組換えAAV(rAAV)を使用する試みを記載する。
野生型gfpを発現するAAVベクターおよびrAAVの産生
アデノ随伴ウイルス(AAV)は、現在、異なる細胞型に遺伝子を送達するベクターとして広範に用いられている。AAVの使用には多くの利点が存在し、例えば、明白な病原性の非存在、ビリオンの高生存度、部位特異的組込み、送達遺伝子の長期発現、ならびに宿主染色体複製および細胞周期への比較的な非依存が挙げられる。
AAVの1つの欠点は、ウイルスDNAの限定されたパッケージサイズであり、これは5,000ヌクレオチドを超過し得ない。現在利用可能なほとんどのAAVベクターは、あるレポーター遺伝子または別のレポーター遺伝子、すなわちE.coliβ−ガラクトシダーゼおよびネオマイシンホスホトランスフェラーゼを保有する。これらのレポーター遺伝子は両方とも非常にかさ高く、AAVゲノムの限られたスペースのあまりに多くを占有する。これらの遺伝子産物に対する検出プロトコルは、扱いにくくかつ煩わしい。
本セクションは、組換えAAVベクタープラスミド、pTRBS−UF(図2A:これはクラゲgfp10遺伝子およびneoR遺伝子の両方を保有する)の構築を記載する。プラスミドTU#65(Wardら、1994)をgfp10コード配列の供給源として用い、そしてこの遺伝子を即時型CMVプロモーターの制御下に配置した。ベクター産生の模式図を図2Bに示す。
手短には、親プラスミドTU#65(Chalfieら、1994)をAgeIおよびEcoRIで消化し、Klenowフラグメントで末端を埋め、そしてNotIリンカーを添加した後に、gfp10配列をpCMVβ(Clontech)のNotI部位にサブクローン化した。次いで、得られたプラスミド(pCMVgreenと称する)をテンプレートとして用いて、CMVプロモーター、SV40イントロン、gfp10 cDNAおよびSV40ポリアデニル化シグナルを含有する転写カセットをPCR反応で増幅した。
CMVプロモーターに相補的な上流PCRプライマーはまた、BglII、EcoRI、およびKpnI部位を含有する突出部を含んでいた。下流PCRプライマー(ポリアデニル化シグナルに相補的である)は、SalI部位突出部を含んでいた。ウシ成長ホルモン(bGH)遺伝子のポリアデニル化シグナルを、テンプレートとしてプラスミドpRc/CMV(Invitrogen)を用いた別のPCR反応において増幅した。この反応における上流プライマーは、SalI部位配列突出部を含有し、そして下流プライマーはBglII部位を含有していた。
1%アガロースゲルにおけるPCR産物の精製の後、それぞれのフラグメントをSalIで消化し、そして曝露されたSalI末端によって互いに連結させた。連結産物をゲル精製し、そしてBglIIで消化した。160bp BglII−PstIフラグメント(AAV末端反復を含有する)を、プラスミドpTRBR(+)(Ryanら、1995)からゲル精製によって単離した。このフラグメントを、以前に記載されたプラスミドdl3−94(McLaughlinら、1988)に由来するpTRBR(+)にサブクローン化した。次いで、それをBglII消化カセット(CMVプロモーター、SV40イントロン、gfp10 cDNA、SV40ポリ(A)およびbPHポリ(A)を含有する)の両末端に連結した。
次いで、連結産物をPstIで切断し、そしてプラスミドpBS(+)(Stratagene)にサブクローン化した。これは、PstI−リンカーを添加し、そしてポリリンカー領域を含有する内部382bpフラグメントを除去することによって766および1148のPvuII部位をPstI部位に変換することにより改変されている。得られたプラスミドをpTRgreenと命名した。
ポリオーマウイルス由来のHSVチミジンキナーゼ遺伝子プロモーターおよびエンハンサーによって駆動されるneo耐性遺伝子カセットを、プラスミドpMC1neo(Stratagene)をXhoIで切断し、Klenowで末端を埋め、SalI−リンカーを添加し、そしてSalIで消化することによってこのプラスミドから取得した。neoカセットを含有するDNAフラグメントをゲル精製し、SalIで消化したpTRgreenのSalI部位にサブクローン化した。得られた構築物、pTRBS−UFを図2Aに示す。
組換えAAV(rAAV)ウイルスを産生するために、293細胞をPTRBS−UFおよびヘルパープラスミドpIM45(末端反復を有さないwt AAVゲノムを保有する(McCartyら、1991))で同時トランスフェクトした。同じ細胞にまた、感染多重度(m.o.i.)10でアデノウイルスを感染させた。
細胞を3回凍結および解凍し、56℃で30分間Adを熱不活化させ、細胞片を遠心沈殿させ、そして48時間200,000gにてSW41ローターで形成されたCsClグラジエント(1.40g/ml)を通してウイルスを精製することによって、組換えAAVを60時間後に収集する。グラジエントを分画し、そして密度を屈折計によって測定した。1.38g/cmと1.4g/cmとの間の密度を有する画分をプールし、そしてDMEM培地に対して4時間透析した。AAV力価を感染中心アッセイ(McLaughlinら、1988)によって決定した。
野生型gfpの低レベル発現
pTRBS−UFプラスミドDNAを293細胞にトランスフェクトさせた場合、GFPを発現する細胞の平均数は通常5%未満であった(図3)。さらに、組換えAAVを感染させた293細胞(同一のGFP発現カセットを保有する)を、GFP陰性であると反復して評価した。これらの2つの研究間の唯一の差異は、外見上は、各細胞に送達されたGFP cDNAの数であった。トランスフェクションの間、数百またはさらに数千のプラスミドコピーが送達され、一方、低m.o.i.(1未満)の条件下での感染は、単一コピーのみの遺伝子を送達する。
従って、gfp10 cDNAが、Chalfieら(1994)によって最初に記載されたように、霊長類およびヒト細胞で発現された場合に乏しいレポーターであることを本発明者らは見出した。明らかに、哺乳動物およびヒト細胞におけるgfp10の発現が増強され得る新規技術が必要とされていた。
実施例II
ヒト細胞においてGFP発現を増大させる試み
本実施例は、哺乳動物およびヒト細胞においてgpf10の発現を増大させる試みに使用し得る種々の方法を記載する。
所定のプロモーターの制御下にある所望の遺伝子産物の量を増加するいくつかの可能性がある方法が存在する。このような方法の1つは、タンパク質/RNA相互作用および輸送を通してプロセシング/スプライシング経路にプレ−mRNAを配向するイントロン配列を導入させることによりmRNAの安定性を増大させるように試みることである。
本発明者らのGFP発現カセットは、SV40後期遺伝子16S/19Sスプライスドナー/スプライスアクセプターシグナルを含有していた(図1B)。この配列は、文献中でしばしば用いられるが、その効果は可変的であり、そして遺伝子特異的であり得る。従って、本発明者らは、この技術単独ではヒト細胞におけるGFP発現を顕著には増大しないと考えた。
外来タンパク質を他のタンパク質またはポリペプチドドメインに融合することによってその外来タンパク質の安定性を増大させることもまた考えられ得る。これについては、第2のコード領域へのクラゲ配列の融合を可能にするベクターが利用可能である。しかし、本発明者らは、これがgfp配列の欠点を適切に置換するとは考えていなかった。
タンパク質収率を増大させる別の可能性のある方法は、真核mRNAの翻訳の開始を容易にする配列を導入することによって翻訳効率を最大化させることである。このような配列の1つは、AUG開始コドンを直前に先行するKozakコンセンサス配列(GCC)GCCA/GCCATG(配列番号8;Kozak,1987)である。さらに、AUGコドンの約14ヌクレオチド下流に位置する最適に配置されたステム−ループヘアピン構造が用いられ得る(Kozak,1990)。
しかし、gfp10の上流に位置されたKozak配列が発現効率を顕著に変化させなかった研究が知られている。従って、Kozak配列の一般的な有用性、およびgfpと組み合わせてKozak配列を使用する先行文献の明確な示唆にも関わらず(例えば、PCT出願第WO 95/07463号を参照のこと)、gfp10のKozak配列上流の導入は、取り立てて成功しなかったようである。
本発明者らは、翻訳が限定されたままであるので、Kozak配列によって授与され得る開始におけるいかなる増大もgfp10発現において顕著な増大を産生しないと考えた。翻訳効率問題に取り組むことに関する別の方法とKozak配列との組み合わせにより利点が生じ得ると考えられていたのにも関わらず、この欠点がKozak配列単独の有用性を激しく限定すると考えられていた。
実施例III
ヒト化GFPの設計
哺乳動物細胞におけるGFP発現を改善する前述のよく用いられる技術の失敗に照らしてみて、本発明者らは、このような細胞におけるGFPの低発現の重要な理由の1つが細胞環境におけるmRNAの乏しい翻訳効率であると仮定した。本実施例は、哺乳動物およびヒト細胞における増大したGFP発現を得ることに使用するためのヒト化GFPの設計を記載する。
タンパク質の低発現は、所定の細胞におけるmRNA種の乏しい翻訳効率から生じ得る。例えば、ヒト細胞環境は、特定のセットのイソ受容体tRNA(これは他の種と異なる)によって特徴づけられる。実際に、原核および真核遺伝子の両方における同義コドンの選択が強く偏っていることが一般に知られている。また、分類学的に遠い生物の遺伝子の機能または遺伝子間(同族タンパク質をコードする遺伝子間でさえ)の相違に関わらず、同一または分類学的に関連した生物の異なる遺伝子の間でコドン用法において明白な類似性が存在する(Granthamら、1991;Ikemura,1980;Ikemuraら、1981)。
生物間のコドン選択パターンにおける差異は、イソ受容体tRNAの実際の集団における差異およびアンチコドンゆらぎ位置の改変ヌクレオチドにおける差異に起因する(Ikemuraら、1981;Ikemuraら、1982)。同義コドン選択は、合成されたタンパク質の特性に影響しないが、遺伝子の発現度に関連し得る(BennetzenおよびHall、1982;Ikemuraら、1981;Ikemuraら、1981;Ikemuraら、1982)。コドン用法とtRNA含量との間の相関の程度は、個々の遺伝子の産生レベルに関連することが見出されている。
従って、本発明者らは、クラゲgfp10のコドン使用頻度を調査し、そして1490のヒト遺伝子の合計のコドン使用頻度の平均(Wadaら、1990)と比較した。gfp10 cDNAの配列の分析により、このクラゲ遺伝子のコドン使用頻度がヒトゲノムにおいて広く用いられているものとは全く異なることを示した。例えば、クラゲGFP(配列番号2)の18、53、125、178、195および236位のLeuアミノ酸残基;208位のSer;ならびに93、150および224位のValは、ヒト遺伝子(配列番号1におけるコドン)ではほとんど全く用いられないトリプレットによってコードされている。残りのアミノ酸もまた、劇的ではないがヒトとは異なる偏りを示す。
従って、本発明者らは、クラゲGFPをコードするmRNAがヒト細胞系において低効率で翻訳され、蛍光の視覚的検出のためには不十分な量のタンパク質しか産生しないと考えたので、本発明者らは合成バージョンのクラゲgfp10を設計した。この合成(またはヒト化)バージョンのgfp10では、ヒトゲノムにおいて優先的に用いられるコドンを挿入し、本来のgfp10に存在するまれなコドンまたはより少ない頻度で用いられるコドンを置換した。
実施例IV
ヒト化GFP遺伝子およびベクターの構築
本実施例は、実施例IIIに記載される分析の結果を用いて、哺乳動物細胞およびヒト細胞での増大した発現において使用するためのヒト化GFPの生成を記載する。
全92塩基置換を、88コドンにおいて、アミノ酸配列(図1)を変更することなく作製した。さらに、pTRBS−UF1中のGFPタンパク質の開始コドンの直前の配列を改変して、Kozakコンセンサス配列を生成した。また、コドン80を、Chalfieら(1994)に記載のように、アルギニンと対照される、野生型グルタミン残基(Prasherら、1992)に元に戻した。この構築物(pTRBS−UF1と称される)を、以下のように調製した。
gfp cDNAを、相互にプライミングする合成オリゴヌクレオチド(図1を参照のこと)をアセンブリすることにより合成した。gfp10遺伝子をほぼ等しい長さの8つのセグメントに分け、そして4つの対のオリゴヌクレオチドを合成した。各対は、短い範囲の重複(図3、下線部)を有する2つの重複オリゴからなり、一方はセンス鎖をコードし、他方はアンチセンス鎖をコードする。アニーリングおよびSequenaseによる伸長の後、対1および2をEaeIで消化し、一方、対3および4をBamHIで消化した。次いで、消化産物を、2つの別個の反応で連結した:オリゴ1を2へ、そしてオリゴ3を4へ。所望の長さの連結産物を、5%ポリアクリルアミドゲル上で、非変性条件下で精製した。次いで、両DNAフラグメントを、EcoRIIで消化し、そして互いに連結した。
最終産物を、一対のオリゴヌクレオチドを使用して、PCRTM反応において増幅した。このオリゴヌクレオチドは、ヒト化gfp cDNAに部分的に相補的であり(以下を参照のこと、太文字)、そしてクローニングのための制限部位NotI、XbaI、およびHindIII(以下を参照のこと、下線部)を含む。上流プライマー(Kozakコンセンサス配列(Kozak、1987)を含む)の配列および下流プライマーの配列を、それぞれ示す:
5’−TGCTCTAGAGCGGCCGCCGCCACCATGAGCAAGGGCGAGGAACTG−3’(配列番号9)
5’−CGGAAGCTTGCGGCCGCTCACTTGTACAGCTCGTCCAT−3’(配列番号10)。
XbaIおよびHindIIIでのPCR産物の消化後、DNAフラグメントをpBS(+)(Stratagene)中にクローニングし、そして配列決定した。いくつかの独立クローンを単離し、そして配列決定した。これらのクローンは、コード配列中に、おそらくPCR増幅の間に生じたかまたはオリゴヌクレオチド中に存在したかのいずれかである変異を有した。次いで、これらのクローンの一部を一緒にスプライスして、野生型アミノ酸配列を含む最終gfp遺伝子を生成した。得られた構築物をpBS−GFP1と命名し、そしてそれは野生型GFPのコード配列を含んだ。
pTRBS−UF1を構築するために、本発明者らは、pBS−GFP1(野生型)のNotIフラグメントでpTRBS−UFのNotIフラグメント(図2A)を置換した。
組換えAAV(rAAV)ウイルスを生成するために、293細胞をpTRBS−UF1およびヘルパープラスミドpIM45(末端反復を有さないwt AAVゲノムを保有する(McCartyら、1991))で同時トランスフェクトした。また、同じ細胞を、アデノウイルスで、感染多重度(m.o.i)10で感染させた。
組換えAAVを、60時間後に、細胞を3回凍結および融解し、Adを30分間、56℃で熱不活性化し、細胞残渣を遠心沈澱し、そしてウイルスを、SW41ローターにおいて48時間、200,000gで形成したCsCl勾配(1.40g/ml)によって精製することにより、採取した。この勾配を分画し、そして密度を屈折率測定器により決定した。1.38〜1.4g/cmの間の密度の画分をプールし、そしてDMEM培地に対して4時間透析した。AAV力価を、感染中心検定(McLaughlinら、1988)により決定した。
実施例V
ヒト化GFP改変体およびrAAVベクターの構築
本実施例は、野生型タンパク質と異なる特性を有するGFPタンパク質改変体をコードする、さらなるヒト化GFP配列の生成を記載する。改変体はまた、哺乳動物細胞およびヒト細胞において発現が増大される。
2つの変異体を、pBS−GFPバックグラウンド中に、部位特異的PCRTM変異誘発により構築した。最初のヒト化変異体は、Ser65からThr65への置換を記載したHeimら(1995)により報告されるタンパク質配列を反映する。この置換は、元のクラゲのコドン配列の状況における蛍光の生成を増大した。この変異がヒト化pTRBS−UF1配列の状況においてよりいっそう有効であり得るという推論により、本発明者らはこの点変異をpTRBS−UF1バックグラウンド中に再生成して、プラスミドpTRBS−UF2を生成した。
増強された蛍光を提供するさらなる工程のように、さらなる変異がなされて「増強された」緑のバージョンのhGFPを生成した。Ser65からThr65への置換に加えて、LeuでPhe64を置換した。従って、増強されたhGFPは、PheをコードするTTCをCTGに変換した場合、Phe64の代わりにLeu64により置換され、そしてまたTCTによりコードされるSer65をACCによりコードされるThrに変換した場合、置換された。
また、ブルー蛍光を生じる別の点変異(Tyr66からHis66へ)(Heimら、1994)をヒト化pTRBS−UF1のバックグラウンド中に構築して、ベクターpTRBS−UFBを生成した。
「増強された」青のバージョンを、Tyr66からHis66への変異に加えて、Tyr145からPhe66へのさらなる変換により作製した。塩基変換は、それぞれ、TATからTTCおよびTATからCATであった。
hGFPの改変バージョンは広範に適用され、特に異なる色の増強されたバージョンで使用される。変異GFPおよびBFP(ブルー蛍光タンパク質)は、重複しない異なる励起スペクトルおよび発光スペクトルを有することにより、独立した検出を可能にする。2重タグ化は、2つ以上の蛍光標識タンパク質のいずれかを発現する細胞の迅速かつ特異的な同定を可能にする。このような方法は、例えば、薬物スクリーニング、または構造プロモーターの制御下に配置された標的遺伝子に影響を及ぼす薬剤の分析に適用可能である。適用はまた、種々の刺激の下での遺伝子発現、またはインヒビターにより影響を受けるような遺伝子発現の研究を含み得る。
変異体を作製するために、PCRTM反応を、テンプレートとしてのpBS−GFP1および一対のオリゴを使用して、以下に記載のように行った:
GFP2について:
#1:上流プライマー;実施例IVに記載;
#2:5’−GCTTCATATGGTCTGGGTATCTGGAAAAGCACTGCACGCCATACCAGAAGGTAG−3’(配列番号11);
GFPBについて:
#1:上流プライマー;実施例IVに記載;
#2:5’−GCTTCATATGGTCTGGGTATCTGGAAAAGCACTGCACGCCATGAGAGAAGGTAG−3’(配列番号12)。
変異体を作製するために、PCRTM産物をNdeIおよびXbaIで消化し、そしてpBS−GFP1のそれぞれのフラグメントを置換した。配列を、NotIフラグメント(変異GFP cDNAを含む)を配列決定することにより確認した。この配列は、pTR−UF1中のNotIフラグメントが置換されたものである。
これは発現に影響を及ぼすと考えられていないが、ヒト化GFPの変異体において、本発明者らは、コドン80を、Chalfieら(1994)により記載されるように、アルギニンと対照される野生型グルタミン残基(Prasherら、1992)に再度戻した。
pTRBS−UF2またはpTRBS−UFBを構築するために、本発明者らは、pBS−GFP2(Thr65)またはpBS−GFPB(His66)のNotIフラグメントのそれぞれでpTRBS−UF(図2A)のNotIフラグメントを置換した。PCR増幅を行なった任意のDNAフラグメントを配列決定して、元の配列との同一性を確認した。
pTRBS−UF3を構築するために、プラスミドpSBC−1(Dirksら、1993)のEcoRI部位を、EcoRIでの消化、5’突出のクレノウポリメラーゼによる充填、およびNotIリンカーの連結後にNotI部位に変換した。次いで、680bpのNotIフラグメント(ポリリンカーおよび1型ポリオウイルスの内部リボソーム進入部位(IRES)からなる)を、pTRBS−UF2(図2A)のNotI部位の1つにサブクローニングした。
組換えAAV(rAAV)ウイルスを生成するために、293細胞をpTRBS−UF2またはpTRBS−UF3でトランスフェクトし、そしてヘルパープラスミドpIM45(末端反復を有さないwt AAVゲノムを保有する(McCartyら、1991))で同時トランスフェクトした。また、同じ細胞を、アデノウイルスで、感染多重度(m.o.i)10で感染させた。
組換えAAVを、60時間後に、細胞を3回凍結および融解し、Adを30分間、56℃で熱不活性化し、細胞残渣を遠心沈澱し、そしてウイルスを、SW41ローターにおいて48時間、200,000gで形成したCsCl勾配(1.40g/ml)によって精製することにより、採取した。この勾配を分画し、そして密度を屈折率測定器により決定した。1.38〜1.4g/cmの間の密度の画分をプールし、そしてDMEM培地に対して4時間透析した。AAV力価を、感染中心検定(McLaughlinら、1988)により決定した。
実施例VI
ヒト化GFPの増大した発現
この実施例は、293細胞におけるヒト化GFPの発現により生じた、GFPの増大した発現を記載する。
元のクラゲの配列とヒト化gfp構築物の発現効率とを比較するために、本発明者らは、pTRBS−UF、pTRBS−UF1、またはpTRBS−UF2プラスミドDNAを用いて、種々のDNA濃度で293細胞をトランスフェクトした。次いで、トランスフェクトした細胞を、トランスフェクションの36時間後にFACSによって分析した(図3)。
蛍光をモニターするために、CsCl−精製したrAAV−GFP2を用いて、10のM.O.Iで293細胞を感染させた。感染後36時間で、細胞を、CHROMA Filter Cube #41014 GFP−HQ(450+/−25nmで励起)を使用して蛍光顕微鏡で写真を撮影した。あるいは、1のM.O.I.での感染および2週間のG418での選択後、3人の別々の観察者が、G418コロニー中のグリーン蛍光細胞の数を蛍光顕微鏡によりスコアした。3人の観察者により得られた頻度の平均を計算した。150個の別々のコロニー中の少なくとも11,500個の細胞を、rAAV−GFP、rAAV−GFP1、およびrAAV−GFP2の各ウイルス調製物についてスコアした。
これらの研究による結果は、ヒト化gfp配列を有するpTRBS−UF1が、クラゲの配列よりも、5〜10倍多い数のグリーン蛍光について陽性とスコアした細胞を一貫して産生したことを明らかにした。pTRBS−UF2における点変異は、pTRBS−UF1よりもさらに5〜10倍、蛍光細胞の数を増大した。
比較的低いプラスミドDNA濃度では、pTRBS−UF2とpTRBS−UFとの間の差異は、70倍よりも大きかった。トランスフェクトしたプラスミドDNAのより高い濃度では、GFPを発現する細胞の数の差異は縮小した。この結果は、クラゲのgfp配列を翻訳する能力がないことが、遺伝子のコピー数の増大によって部分的に克服され得るという認識と一致した。
改変したgfp cDNAが、低い遺伝子コピー数でマーカー遺伝子を検出するためにここで十分であるかどうかを決定するために、本発明者らは、3つのgfp構築物(UF、UF1、およびUF2)をパッケージングし、そして使用することにより組換えAAVウイルスを単離し、そしてgfpマーカーをウイルス感染によって293細胞に形質導入するためにそれらを使用した。gfp10 cDNAを有するウイルス(rAAV−GFP)による検出可能なGFP発現はほとんど存在しなかったが、ヒト化gfp遺伝子を有するウイルス(rAAV−GFP1、またはrAAV−GFP2)に感染した細胞は、可視的(図4Aおよび図4B)またはFACS分析のいずれによっても容易に検出された。FACS分析を、トランスフェクトした293細胞を回収すること、およびFITC検出のために取り付けられたフローサイトメーター(Beckton−Dickinson)上で488nmの励起波長で分析することによって行った。高いM.O.I.(約20)では、蛍光陽性としてFACSによってスコアした感染細胞の比は、rAAV−GFP2について70%に到達した。
異なるgfp構築物の相対的な効率をさらに正確に決定するために、最初に、rAAV−GFP、rAAV−GFP1、またはrAAV−GFP2を用いて低い多重度(1のMOI)で感染した293細胞を、第2のレポーター遺伝子であるneoRの発現について選択した。AAV−neoR組み換えウイルスにより形質導入されたG418耐性コロニーが、宿主DNAに組み込まれた平均2〜3コピーの組換えウイルスゲノムを含むことが、本発明者および他の研究者(Cheungら、1980;Laughlinら、1986;McLaughlinら、1988;Samulskiら、1989)によって示されている。
293細胞を、rAAV−GFPウイルスを用いて安定に形質導入し、そして2週間G418耐性(200mg/ml)について選択した。耐性コロニーをトリプシン処理し、プールし(rAAV−GFP、rAAV−GFP1、およびrAAV−gfph2のそれぞれについて少なくとも1000コロニー)、OPTI−MEM培地中に再懸濁し、そしてFACSによって上記のように分析した。
非感染293細胞は、グリーン蛍光細胞を全く有さない。選択の2週間後、G418耐性であった、UF1形質導入細胞の約11%およびUF2形質導入細胞の23%が、蛍光顕微鏡による判断の際にGFPを発現することがまた見出された。GFP発現の可視的なパターンは不規則であり、1%から約100%までの範囲のコロニーあたりのグリーン細胞の数を有する(図5A、図5B、図5C、および図5D)。対照的に、クラゲのGFP−コードrAAV−GFPプロウイルスを含有するG418−耐性細胞の0.5%のみが蛍光であった。
従って、gfp遺伝子内でのコドン使用の最適化は、低いコピー数での検出のレベルを約22倍まで増大し、そしてSer65Thr置換はさらに2倍、合計で45倍まで検出レベルを増大した。
発現のレベルに本質的により敏感であり得るFACSによるG418耐性細胞の分析は、GFP、GFP1、およびGFP2間の検出レベルにおける類似の差異を明らかにした(図6A、図6B、図6C、および図6D)。これらの研究において、非感染293細胞の0.05%を、グリーン蛍光を示すとしてスコアした(すなわち、バックグラウンドの自己蛍光(autofluorescence))。GFPと非感染親293細胞との間には、蛍光細胞の数における差異は検出されなかった。
GFPとは対照的に、約1.6%のGFP1および10%のGFP2細胞を、グリーン蛍光について陽性とスコアした。GFPを用いて陽性細胞が全く検出されかったので、GFPとGFP2との間の検出頻度における差異を正確に判断することは困難であった。しかし、ヒト化集団におけるグリーン蛍光細胞の検出頻度の控えめな見積もりは、GFPおよび非感染親293細胞について見出されるバックグラウンドの頻度よりも少なくとも32倍(GFP1)および190倍(GFP2)高かった(図6A、図6B、図6C、および図6D)。
実施例VII
ヒト化ブルーGFP変異体の発現
この実施例は、293細胞内における、ヒト化ブルーGFP変異体であるpTRBS−UFBの発現を記載する。
ブルー変異体の蛍光をモニターするために、6cmのプレート上の293細胞を、Lipofectamine(GIBCO,Life Technologies)を使用して、pTRBS−UF2およびpTRBS−UFBプラスミドで同時トランスフェクトした。DNA−リポソーム複合体を、各プラスミドについて別々に形成させ、そして同一のプレートの細胞に添加した。4日後、細胞を、Nikon Filter Cube V−2Bを使用して蛍光顕微鏡中で写真を撮影した。
予想されたように、ヒト化されたバックグラウンドにおいて再現した場合、ブルーGFP変異体であるpTRBS−UFBは、293細胞に真の青色の蛍光を誘導した。しかし、蛍光の強度は、GFP2と比較してかなり減少した。例えば、図7は、pTRBS−UF2およびpTRBS−UFBで同時トランスフェクトされ、そしてブルー蛍光について好ましい条件下で見た293細胞を示す。本発明者らはまた、中性フィルター(neutral density filter)を用いずに観察した場合の、ブルー蛍光のより速い(10〜15秒)漂白に注目した。これは、GFP2についてはめったに生じなかった。
核のさらにより小さい空間にGFPを局在させるために、ブルー変異遺伝子中に核局在化シグナルを付加することが、Rizzutoら(1995)のミトコンドリア標的と同様の様式で蛍光強度を増強することが予想される。GFPB−核局在化変異体を作製するために、以下のプライマーを生成した:
#1:5’−TGCTCTAGAGCGGCCGCCGCCACCATGGTGCCCAAGAAGAAGAGGAAGGTGATGAGCAAGGGCGAG−3’;(配列番号13);
#2:プライマー#2は先に記載したGFPB PCRTMの通り。
実施例VIII
IRES−GFPカセットAAVベクターの構築
この実施例は、IRES−GFPカセットAAVベクターの構築を記載し、ここで、GFPの翻訳は1型ポリオウイルス由来のIRESエレメントによって制御される。
しばしば種々の技術的な理由のために、形質導入された目的の遺伝子の発現は追跡することが困難である。これらの場合において、同一のベクターにより送達されるマーカー遺伝子のモニターが、僅かに役に立つ。なぜなら、それは通常の別のプロモーターから転写されるからである。しかし、レポーター遺伝子と実験下の遺伝子の両方の同調的発現は、これらの遺伝子が1つのジシストロン性(dicistronic)転写単位に配置される場合に達成され得る。この配置において第2のシストロンのキャップ非依存性転写開始は、内部リボソーム侵入部位として機能する翻訳されないRNA配列によって媒介される(Jacksonら、1990;Jangら、1988;MacejakおよびSarnow、1991)。
この特徴を本発明者らのAAVベクターに組込むために、本発明者らは、GFPの翻訳が1型ポリオウイルス由来のIRESエレメント(Dirksら、1993)によって制御される、プラスミドpTRBS−UF3を構築した。制限部位ポリリンカー配列をまたIRESエレメントの上流に挿入して、目的の遺伝子の挿入を容易にし、そしてジシストロン性メッセンジャーRNAをCMVプロモーターの制御下においた(図2Bおよび図2A)。
蛍光強度により判断する場合、pTRBS−UF3ベクターを用いるIRES−駆動性GFP発現のレベルは、親プラスミドであるpTRBS−UF2について見られるレベルよりも低く、そしてpTRBS−UF1ベクターに匹敵した。しかし、別のオープンリーディングフレーム(ヒトB−鎖インスリンcDNA)をIRESエレメントの上流に挿入した場合、GFPの発現が増大し、そして親ベクターpTRBS−UF2とは区別できなかった。
実施例IX
組換えGFPアデノウイルスの構築および使用
この実施例は、組換えアデノウイルスシャトルプラスミドの構築、およびヒト化gfp遺伝子を発現する組換えアデノウイルスの構築を記載する。ここでは、ヒト化GFP発現における異なるベクター系の使用を例示する。
アデノウイルスシャトルベクターpΔE1GFP(図2B)を構築するために、親プラスミドpTR−UF3をSalIで部分的に消化し、次いでBglIIで完全に消化した。CMVプロモーター、イントロン、IRESエレメント、GFP cDNA、およびポリ(A)部位からなる転写カセットを、アガロースゲルから単離した。このフラグメントを、BamHIおよびSalIで消化したpΔE1sp1A(Bettら、1994)にサブクローン化した。
組換えアデノウイルスを作製するために、シャトルベクターpΔE1GFP(Bettら、1994)およびAdベクターpJM17(McGroryら、1988)を、供給者(Microbix Biosystems Inc)によって推奨される手順を使用して、293細胞に同時トランスフェクトした。組換えAdを含有するプラークを、典型的な細胞変性効果(CPE)を示す鮮やかなグリーン細胞の群について、エピ蛍光(epifluorescence)下での視覚的選択によってスクリーニングした。組換えAdを、AdΔE1GFPと名付け、そして標準的な技術を用いて増殖させた。
pΔE1gfpを、アデノウイルスゲノムpJM17(Snyderら、1993)の残りを含有するプラスミドとインビボで組換える場合、GFPを有し、そしてそれを発現する組換えアデノウイルスが産生された(図8)。GFPレポーター遺伝子は、組換えAdプラークの容易な選択を可能にした。蛍光顕微鏡によって調べた場合、真の組換えプラークは、典型的なアデノウイルスCPEを示す鮮やかなグリーン細胞の密集した(compact)群から構成されたが、偽りの組換えプラークは、グリーン細胞を含まなかった。真のプラークに対する偽りのプラークの比は、pΔE1gfpシャトルプラスミドとpJM17ドナープラスミドとの組合せを使用する場合、約1:2であった。従って、GFP選択の使用は、スクリーニングプロセスを有意に単純化した。
実施例X
モルモットの光レセプター細胞の感染
この実施例は、ヒト化、gfp、cDNAの発現、および分化した哺乳動物細胞におけるレポーター遺伝子としてのその使用を記載する。
rAAV−GFP1を、モルモットの網膜を感染させるために使用した。モルモットを、ケタミン(35mg/kg体重)およびキシラジン(8mg/kg)の混合物の筋肉内注射によって麻酔した。それぞれの眼を、2.5%のフェニレフリン(Neo−Synephrine)および0.5%のトロピカアミドで弛緩させ、そして局所麻酔(プロパラカインHCl)を角膜に投与した。前眼房の穿刺により、眼圧を下げた。30ゲージ針を倒像検眼鏡の視覚的な誘導の下で硝子体中の毛様体輪に挿入し、そして25mlのrAAV−GFP2(2.5×10の感染性粒子)を送達した。眼を、蛍光および炎症部位について検眼鏡観察によって検査した。
注射後28日で、動物を麻酔し、そしてケタミンHClの筋肉内注射し、続いて、ペントバルビタールナトリウムを腹腔内に過剰投与して安楽死させた。ついで、動物を、0.1MのPBS中の4%のパラホルムアルデヒドを使用して灌流した。眼を摘出し、そして水晶体および角膜を取り除いた。網膜および眼杯を、一晩4℃でさらに固定した。次いで、網膜を、7.5%、15%、および30%のスクロースに浸潤し、そして20〜25μmの厚さで凍結切断した。組織標本を、フルオロセイン励起/放射フィルターを用いて、Broradの共焦点顕微鏡上で可視化した。
GFP cDNAの、インビボ系におけるレポーター遺伝子としての有用性を試験するために、本発明者らは、2系統の株の13匹のモルモットの右眼の硝子体に、rAAV−GFP2ウイルスを注射した。眼の組織切片は、神経節細胞層(硝子体注射に最も近い層)の細胞において優先的に、弱いGFP2蛍光を明らかにした。さらに、いくつかの水平細胞は、GFP2蛍光を示した。GFP2の最も強い強度は、網膜色素上皮(RPE)の細胞において見られた(図9A、図9B、図9C、および図9D)。
rAAV−GFP2について、試験した各組織切片は、蛍光を発するRPE細胞を有していた。RPE細胞におけるCMVプロモーター駆動性発現に対するこの優先は、既に注目されている(Bennettら、1994;Liら、1994)。コントロールの左眼による組織標本の試験は、RPEの色素顆粒中の自己蛍光を除いて、細胞特異的放出を明らかにしなかった。モルモット硝子体腔へのAAVの接種がRPE細胞内でGFP発現を誘導するという事実は、AAVが100〜200μmの厚さの神経網膜をトラバース(traverse)し得ることを示した。この特性は、AAV粒子の小さい直径に関連し得る。
実施例XI
pGREENLANTERNTMベクター
この実施例は、pGREENLANTERNTMと呼ばれる特に有用なベクターの作製を記載する。
pCMVSPORT 2.1を作製するために、以下のプロトコルを使用した。pSPORT2(Life Technologies Inc.,Gaithersburg,MDから入手可能)を、PvuIIおよびBssHIで消化した。末端を、クレノーフラグメントの作用によって平滑にした。より大きなフラグメントをゲル精製した。
次いで、pSVSPORT(Life Technologies Inc.,Gaithersburg,MDから入手可能)を、EarIおよびHaeIIで消化した。末端を、T4DNAポリメラーゼの作用によって平滑にした。より小さなフラグメントをゲル精製した。2つのフラグメントを連結し、そして得られたプラスミドをpRAD−TEMPと称した。
pRAD−TEMPを、BamHIで部分的に消化し、そしてクレノーで処理した。DNAを自己連結させ、そして得られたプラスミドは、マルチクローニング部位(MCS)に1つのみのBamHI部位を有した。MCSを、XbaIおよびMluIでDNAを切断し、そして以下の制限部位(XbaI−BamHI−XhoI−ApaI−HindIIおよびMluI)を有する新しいオリゴを連結することで改変した。このプラスミドを、pSVSPORT−B1と称した。
pSVPSORT−B1を、ClaIおよびStuIで消化し、クレノーフラグメントで処理した。CMVプロモーターはpCMVβgal由来であった。プロモーターは、クレノーフラグメントで平滑にしたSfcI−XbaIフラグメント上にあった。DNAを連結し、そして得られたプラスミドをpCMVSPORT 2.1と称した。
pGREENLANTERNを作製するために、pCMVSPORT 2.1を利用した。pCMVSPORT 2.1をNotIで消化し、ウシ腸アルカリホスファターゼで処理した。DNAをヒト化UF2のNotIフラグメントに連結した。方向を確認した。このベクターを、pCMVSPORT−UF2と称した。
T7 DNAポリメラーゼ領域を、XbaI−NheIでの消化、およびより大きなベクターフラグメントの自己連結によって欠失させた。このDNAが、pGREENLANTERN−1ベクター(図10)である。pGREENLANTERN−1の完全な配列を、配列番号14に示す。
本明細書中で開示され、そして請求の範囲に記載される組成物および方法の全てが、本発明の開示を考慮して過度の実験を伴わずに行われ、そして達成され得る。本発明の組成物および方法は好ましい実施態様によって記載されているが、改変が、本発明の概念、意図、および範囲から逸脱することなく、本明細書中に記載される組成物、方法、および方法の工程または工程の順序に適用され得ることが当業者に明らかである。より詳細には、特定の薬剤(化学的および生理学的に関連する薬剤の両方)が、同一または類似の結果が達成される限りは、本明細書中に開示される薬剤と置換され得ることが明らかである。全てのこのような類似の置換および改変が、添付の請求の範囲によって規定される本発明の意図、範囲、および概念の中にあることが当業者には明らかである。
参考文献
本明細書中に示されるものに対して、例示の手順的なまたは他の詳細な補追を提供する程度まで、以下の参考文献が本明細書中に参考として詳細に援用される。
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以下の図面は、本発明の明細書の部分を形成し、そして本発明の特定の局面をさらに示すために含まれる。本発明は、本明細書中に提示される特定の実施態様の詳細な説明と組み合わせた一つ以上のこれらの図面を参照してより良好に理解され得る。
図1。gfp10 cDNAのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列。各コドンの上は、アミノ酸の一文字表記である。gfp配列内に導入された変異は、下のgfp10の置換ヌクレオチドに示される。横線は、gfp cDNAを合成するために使用されるオリゴヌクレオチドを相互にプライムする重複領域に下線を引く。オリゴヌクレオチドの伸長される対を組み立てるために使用される制限酵素の部位は、太字で示される。Ser65Thr変異(より高い蛍光収量を産生する)およびTyr65His変異(ブルー蛍光を産生する)を産生するために変異されるコドンは、太字で示される。図1において、クラゲgfp10ヌクレオチド配列は、配列番号1である。推定アミノ酸配列は、配列番号2である。配列番号2において、65位のXaaは、SerまたはThrであり得;そして66位のXaaは、TyrまたはHisであり得る。図1の下のgfp10の置換ヌクレオチドに示される例示的なヒト化gfp配列は、配列番号3である。配列番号3において、193、195、および196位のヌクレオチドが、上記のように、SerまたはThrのいずれか;およびTyrまたはHisのいずれかをコードするために変化され得る。 図1。gfp10 cDNAのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列。各コドンの上は、アミノ酸の一文字表記である。gfp配列内に導入された変異は、下のgfp10の置換ヌクレオチドに示される。横線は、gfp cDNAを合成するために使用されるオリゴヌクレオチドを相互にプライムする重複領域に下線を引く。オリゴヌクレオチドの伸長される対を組み立てるために使用される制限酵素の部位は、太字で示される。Ser65Thr変異(より高い蛍光収量を産生する)およびTyr65His変異(ブルー蛍光を産生する)を産生するために変異されるコドンは、太字で示される。図1において、クラゲgfp10ヌクレオチド配列は、配列番号1である。推定アミノ酸配列は、配列番号2である。配列番号2において、65位のXaaは、SerまたはThrであり得;そして66位のXaaは、TyrまたはHisであり得る。図1の下のgfp10の置換ヌクレオチドに示される例示的なヒト化gfp配列は、配列番号3である。配列番号3において、193、195、および196位のヌクレオチドが、上記のように、SerまたはThrのいずれか;およびTyrまたはHisのいずれかをコードするために変化され得る。 図2A。AAVおよびAdベクタープラスミドの制限地図。rAAvプラスミドの構築物について関連するそれらの制限部位のみを示した。移動可能なエレメントおよびレポーター遺伝子カセットのサイズは、塩基対で示される。遺伝子および転写エレメントの系統学は、以下のようである:TRは、dl3−94(McLaughlinら、1988)由来のPstI−BglII−フラグメント(145bp+オリゴ(dG).オリゴ(dC)、計160bp)である;PCMVは、CMVの即時/初期のプロモーター/エンハンサーである;SD/SAは、SV40後期ウイルスタンパク質遺伝子16s/19sスプライスドナーおよび受容体シグナルである;gfpは、pTRBS−UF内のA.victoriaグリーン蛍光タンパク質cDNA、またはpTRBS−UF1内の化学合成されたヒト化wt gfpcDNA、またはpTRBS−UF2内のThr65gfp、またはpTRBS−UFB内のHis66gfpである;pAは、SV40ゲノム由来のSV40ポリアデニル化シグナルである;POenhは、ポリオーマウイルス変異体PYF441由来のエンハンサーの縦列反復である;PTKは、HSVのTKプロモーターである;neoは、Tn5由来のネオマイシン耐性遺伝子である;pAは、pRc/CMV(Invitrogen)由来のウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナルである;IRESは、pSBC−1由来の1型ポリオウイルスの内部リボソーム侵入部位である(Disksら、1993)。 図2A。AAVおよびAdベクタープラスミドの制限地図。rAAvプラスミドの構築物について関連するそれらの制限部位のみを示した。移動可能なエレメントおよびレポーター遺伝子カセットのサイズは、塩基対で示される。遺伝子および転写エレメントの系統学は、以下のようである:TRは、dl3−94(McLaughlinら、1988)由来のPstI−BglII−フラグメント(145bp+オリゴ(dG).オリゴ(dC)、計160bp)である;PCMVは、CMVの即時/初期のプロモーター/エンハンサーである;SD/SAは、SV40後期ウイルスタンパク質遺伝子16s/19sスプライスドナーおよび受容体シグナルである;gfpは、pTRBS−UF内のA.victoriaグリーン蛍光タンパク質cDNA、またはpTRBS−UF1内の化学合成されたヒト化wt gfpcDNA、またはpTRBS−UF2内のThr65gfp、またはpTRBS−UFB内のHis66gfpである;pAは、SV40ゲノム由来のSV40ポリアデニル化シグナルである;POenhは、ポリオーマウイルス変異体PYF441由来のエンハンサーの縦列反復である;PTKは、HSVのTKプロモーターである;neoは、Tn5由来のネオマイシン耐性遺伝子である;pAは、pRc/CMV(Invitrogen)由来のウシ成長ホルモンポリアデニル化シグナルである;IRESは、pSBC−1由来の1型ポリオウイルスの内部リボソーム侵入部位である(Disksら、1993)。 図2B。pTR−UF汎用性ベクターの構築。 図2B。pTR−UF汎用性ベクターの構築。 図2B。pTR−UF汎用性ベクターの構築。 図3。pTRBS−UF系列の組換えプラスミドでトランスフェクトされた293細胞のFACS分析。293細胞(6ウェルディッシュ)が、従来のカルシウムリン酸トランスフェクションプロトコルを使用して、計2.8μgのDNA(これは、異なる比のgfp含有プラスミドおよび超音波処理されたサケ精子キャリアDNAからなる)でトランスフェクトされた。細胞は、トランスフェクションの36時間後に回収され、そしてフローサイトメーターで分析された。陽性として記録された細胞は、トランスフェクトされたgfp保有プラスミドの量の関数としてグラフ上にプロットされた。透明のバーは、pTRBS−UFに対応し、影付きのバーは、pTRBS−UF1に対応し、そして黒いバーは、pTRBS−UF2に対応する。 図4Aおよび図4B。293細胞内でのrAAV−GFP2の発現。293細胞は、CsCl精製rAAV−GFP2に10のM.O.I.で感染された。感染後36時間の細胞が、CHROMA Filter Cube #41014 GFP−HQ(450+/−25nmで励起)を使用して、蛍光顕微鏡で撮影された。図4A、位相差の下での細胞、明視野(light field);図4B、同じ視野、追加蛍光(epifluorescence)。 図5A、図5B、図5C、および図5D。rAAV−GFP2プロウイルスを含むG418−耐性クローンの蛍光。293細胞は、CsCl精製rAAV−GFP2に1のM.O.I.で感染された。感染後48時間の細胞は、分割され、そして低い(10%未満)コンフルエンスでプレートされた。18時間後、G418は、200mg/mlの最終濃度で添加された。培地は、4日毎に交換され、そしてG418耐性コロニーは、選択の14日後に撮影された。図5Aおよび図5C、位相差の下でのG418耐性コロニー、明視野;図5Bおよび図5D、図5Aおよび図5Cと同じ視野、追加蛍光。 図5A、図5B、図5C、および図5D。rAAV−GFP2プロウイルスを含むG418−耐性クローンの蛍光。293細胞は、CsCl精製rAAV−GFP2に1のM.O.I.で感染された。感染後48時間の細胞は、分割され、そして低い(10%未満)コンフルエンスでプレートされた。18時間後、G418は、200mg/mlの最終濃度で添加された。培地は、4日毎に交換され、そしてG418耐性コロニーは、選択の14日後に撮影された。図5Aおよび図5C、位相差の下でのG418耐性コロニー、明視野;図5Bおよび図5D、図5Aおよび図5Cと同じ視野、追加蛍光。 図5A、図5B、図5C、および図5D。rAAV−GFP2プロウイルスを含むG418−耐性クローンの蛍光。293細胞は、CsCl精製rAAV−GFP2に1のM.O.I.で感染された。感染後48時間の細胞は、分割され、そして低い(10%未満)コンフルエンスでプレートされた。18時間後、G418は、200mg/mlの最終濃度で添加された。培地は、4日毎に交換され、そしてG418耐性コロニーは、選択の14日後に撮影された。図5Aおよび図5C、位相差の下でのG418耐性コロニー、明視野;図5Bおよび図5D、図5Aおよび図5Cと同じ視野、追加蛍光。 図5A、図5B、図5C、および図5D。rAAV−GFP2プロウイルスを含むG418−耐性クローンの蛍光。293細胞は、CsCl精製rAAV−GFP2に1のM.O.I.で感染された。感染後48時間の細胞は、分割され、そして低い(10%未満)コンフルエンスでプレートされた。18時間後、G418は、200mg/mlの最終濃度で添加された。培地は、4日毎に交換され、そしてG418耐性コロニーは、選択の14日後に撮影された。図5Aおよび図5C、位相差の下でのG418耐性コロニー、明視野;図5Bおよび図5D、図5Aおよび図5Cと同じ視野、追加蛍光。 図6A、図6B、図6C、および図6D。rAAV−GFP、rAAV−GFP1、またはrAAV−GFP2で安定に形質導入され、そして2週間後G418で選択された293細胞のFACS分析。図6A、親293細胞株のFACSヒストグラムプロット;図6B、rAAV−GFPで形質導入された293細胞;図6C、rAAV−GFP1;および図6D、rAAV−GFP2。各場合について、20,000の細胞が識別された。各細胞集団について陽性と記録された細胞の矯正されていない頻度は、未感染293細胞:0.05%;GFP:0.05%;GFP1:1.67%、GFP2:9.6%であった。 図6A、図6B、図6C、および図6D。rAAV−GFP、rAAV−GFP1、またはrAAV−GFP2で安定に形質導入され、そして2週間後G418で選択された293細胞のFACS分析。図6A、親293細胞株のFACSヒストグラムプロット;図6B、rAAV−GFPで形質導入された293細胞;図6C、rAAV−GFP1;および図6D、rAAV−GFP2。各場合について、20,000の細胞が識別された。各細胞集団について陽性と記録された細胞の矯正されていない頻度は、未感染293細胞:0.05%;GFP:0.05%;GFP1:1.67%、GFP2:9.6%であった。 図6A、図6B、図6C、および図6D。rAAV−GFP、rAAV−GFP1、またはrAAV−GFP2で安定に形質導入され、そして2週間後G418で選択された293細胞のFACS分析。図6A、親293細胞株のFACSヒストグラムプロット;図6B、rAAV−GFPで形質導入された293細胞;図6C、rAAV−GFP1;および図6D、rAAV−GFP2。各場合について、20,000の細胞が識別された。各細胞集団について陽性と記録された細胞の矯正されていない頻度は、未感染293細胞:0.05%;GFP:0.05%;GFP1:1.67%、GFP2:9.6%であった。 図6A、図6B、図6C、および図6D。rAAV−GFP、rAAV−GFP1、またはrAAV−GFP2で安定に形質導入され、そして2週間後G418で選択された293細胞のFACS分析。図6A、親293細胞株のFACSヒストグラムプロット;図6B、rAAV−GFPで形質導入された293細胞;図6C、rAAV−GFP1;および図6D、rAAV−GFP2。各場合について、20,000の細胞が識別された。各細胞集団について陽性と記録された細胞の矯正されていない頻度は、未感染293細胞:0.05%;GFP:0.05%;GFP1:1.67%、GFP2:9.6%であった。 図7。ヒト化gfpのブルーHis66変異体の蛍光。293細胞は、pTRBS−UF2およびpTRBS−UFBで同時トランスフェクトされ、そしてトランスフェクションの4日後に、Nikon Filter Cube V−2Bを使用して蛍光顕微鏡で撮影された。 図8。蛍光顕微鏡で見られる組換えAdΔE1GFPの単一のプラーク。プラークは、感染の40時間後に撮影された。 図9A、図9B、図9C、および図9D。rAAV−GFP2で感染されたモルモットRPEのセグメントにおけるGFP蛍光。図9A、図9Bで見られる領域近くの感染した眼からの網膜の微分干渉対比画像(contrast image)。示される網膜の上端近くの暗く着色した細胞の層は、わずかに傾斜した切片中のRPE層である。光受容体細胞層および他の神経網膜層は、RPEの下に見られ得る。図9B、共焦点顕微鏡による短波長の励起および蛍光発光光学の下で見られる注入部位近くのrAAV−GFP2接種された眼由来のRPE層。図9C、注入部位から遠位の部位での図9Bと同じ眼からのRPE層の蛍光。図9D、図9A、図9B、および図9Cと同じ動物の未注入の眼からのRPE層の蛍光。 図9A、図9B、図9C、および図9D。rAAV−GFP2で感染されたモルモットRPEのセグメントにおけるGFP蛍光。図9A、図9Bで見られる領域近くの感染した眼からの網膜の微分干渉対比画像(contrast image)。示される網膜の上端近くの暗く着色した細胞の層は、わずかに傾斜した切片中のRPE層である。光受容体細胞層および他の神経網膜層は、RPEの下に見られ得る。図9B、共焦点顕微鏡による短波長の励起および蛍光発光光学の下で見られる注入部位近くのrAAV−GFP2接種された眼由来のRPE層。図9C、注入部位から遠位の部位での図9Bと同じ眼からのRPE層の蛍光。図9D、図9A、図9B、および図9Cと同じ動物の未注入の眼からのRPE層の蛍光。 図9A、図9B、図9C、および図9D。rAAV−GFP2で感染されたモルモットRPEのセグメントにおけるGFP蛍光。図9A、図9Bで見られる領域近くの感染した眼からの網膜の微分干渉対比画像(contrast image)。示される網膜の上端近くの暗く着色した細胞の層は、わずかに傾斜した切片中のRPE層である。光受容体細胞層および他の神経網膜層は、RPEの下に見られ得る。図9B、共焦点顕微鏡による短波長の励起および蛍光発光光学の下で見られる注入部位近くのrAAV−GFP2接種された眼由来のRPE層。図9C、注入部位から遠位の部位での図9Bと同じ眼からのRPE層の蛍光。図9D、図9A、図9B、および図9Cと同じ動物の未注入の眼からのRPE層の蛍光。 図9A、図9B、図9C、および図9D。rAAV−GFP2で感染されたモルモットRPEのセグメントにおけるGFP蛍光。図9A、図9Bで見られる領域近くの感染した眼からの網膜の微分干渉対比画像(contrast image)。示される網膜の上端近くの暗く着色した細胞の層は、わずかに傾斜した切片中のRPE層である。光受容体細胞層および他の神経網膜層は、RPEの下に見られ得る。図9B、共焦点顕微鏡による短波長の励起および蛍光発光光学の下で見られる注入部位近くのrAAV−GFP2接種された眼由来のRPE層。図9C、注入部位から遠位の部位での図9Bと同じ眼からのRPE層の蛍光。図9D、図9A、図9B、および図9Cと同じ動物の未注入の眼からのRPE層の蛍光。 図10.pGREENLANTERNTMプラスミド。GFPは、本発明のヒト化GFPを示す。他の機能的エレメントおよび制限部位が示される。 (配列表)
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