JP2003159069A - 異なる2つの選択マーカーからなる融合タンパク質 - Google Patents

異なる2つの選択マーカーからなる融合タンパク質

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JP2003159069A JP2001356652A JP2001356652A JP2003159069A JP 2003159069 A JP2003159069 A JP 2003159069A JP 2001356652 A JP2001356652 A JP 2001356652A JP 2001356652 A JP2001356652 A JP 2001356652A JP 2003159069 A JP2003159069 A JP 2003159069A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる2つの選択マーカーからなる融合タン
パク質を発現させ、目的とするタンパク質をコードする
遺伝子の発現の同定の精度を向上させた組換えタンパク
質の製造方法を提供すること。 【解決手段】 薬剤耐性遺伝子とレポーター遺伝子との
異なる2つの選択マーカーを結合して、これを目的とす
るタンパク質をコードする遺伝子に結合して、融合タン
パク質を含む組換えタンパク質として発現することによ
り、目的とするタンパク質をコードする遺伝子の発現の
同定の精度を向上させ、更に薬剤耐性遺伝子とレポータ
ー遺伝子とを、介在アミノ酸配列をコードする塩基配列
を介して結合することにより、該薬剤耐性遺伝子やレポ
ーター遺伝子の、宿主細胞に対する細胞毒性の発現やレ
ポーター機能の発現を調整して、有効な選択マーカーと
しての使用を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異なる2つの選択
マーカーを使用した組換えタンパク質の製造方法、特に
異なる2つの選択マーカーからなる融合タンパク質を発
現させ、目的とするタンパク質をコードする遺伝子の発
現の同定の精度を向上させた組換えタンパク質の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子産物の機能や局在の解析を行うた
めには、目的遺伝子を標的細胞に導入し、一過性あるい
は安定にある形質を発現させることが必要となる。この
際の遺伝子導入法としては、エレクトロポレーションな
どの物理的方法や、リン酸カルシウムやリポソームを用
いる化学的手段が用いられるが、その導入効率は100
%ではないため、目的遺伝子産物の機能の詳細な検討の
ためには、目的遺伝子が導入された細胞を選択すること
が必要となる場合がある。一般に、目的遺伝子発現細胞
の選択を行うためには、薬剤耐性遺伝子や蛍光タンパク
質などのマーカー遺伝子をco-transfecti
onやInternal Ribosome Entry Site(IRES)を含む
ベクターを用いて目的遺伝子とともに発現させ、そのマ
ーカー遺伝子発現を指標として用いる。前者は、適当な
選択薬剤を使用することにより、目的遺伝子を導入され
た細胞のみを選択的に回収できる利点を持つ。後者は、
目的遺伝子を可視的に同定できる利点があり、導入細胞
の選択的採取にはフローサイトメトリー等を用いること
ができる。両者のうち、特殊な機器を必要としないこと
などから、薬剤耐性遺伝子を共発現させる前者の方法が
広く行われている。
【0003】抗生物質による選択のために、これまで、
種々の薬剤耐性遺伝子- 選択薬剤の組み合わせが用いら
れてきた。しかしながら、どの薬剤を用いても、細胞の
中には、耐性遺伝子が導入されていなくても自然に耐性
を示すものがあり、選択後の細胞がかならずしも目的遺
伝子を発現しているとは限らない、いわゆる擬陽性細胞
の問題があった。選択用のベクターで薬剤耐性に加えて
新たなマーカーを同時に発現させ、薬剤耐性以外の指標
を併せて目的遺伝子導入細胞を同定できれば、目的遺伝
子導入細胞の選択作業の著しい効率の改善が期待できる
と考えられる。この目的のために、IRESを利用して
異なる選択遺伝子を発現させることが可能であるが、同
一遺伝子上で発現されるのではないことから、擬陽性の
問題は解決されない。IRESを利用して異なる遺伝子
を発現させた場合、継代を重ねると、特に遺伝子産物が
宿主細胞に対して細胞毒性を有する場合にはその発現が
消失することがあるとの報告もなされている。従って、
異なる2つの選択マーカーを融合タンパク質のかたちで
発現させることが望ましいと考えられる。
【0004】これまでに、種々の薬剤耐性マーカーが用
いられてきたが、比較的よく用いられているものには、
neomycin,hygromycin,puromy
cin耐性遺伝子などがある。Neomycin耐性遺
伝子は歴史的に古くその使用頻度は高い。しかし、必要
とされる選択薬剤濃度が高く選択期間も長い傾向があ
る。Hygromycin耐性遺伝子もneomyci
n耐性遺伝子と似たような傾向を示す。一方、puro
mycin耐性遺伝子( puromycin N-acetyltaransfera
se, pac )を用いた場合、選択薬剤濃度が低く選択期間
も数日で済む利点がある。
【0005】一方で、マーカー遺伝子及びレポーター遺
伝子を、発現を目的とする遺伝子の下流に挿入して置く
ことも提示されている(特開平11−253165号公
報)。しかしながら、これらの遺伝子を同時に挿入した
場合、マーカー遺伝子とレポーター遺伝子双方の遺伝子
の機能を保持して発現することが難しいという問題点が
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、遺伝
子組換えを用いたタンパク質の製造方法において、目的
とするタンパク質をコードする遺伝子の発現の同定の精
度を向上させた組換えタンパク質の製造方法を提供する
こと、特に異なる2つの選択マーカーからなる融合タン
パク質を発現させ、目的とするタンパク質をコードする
遺伝子の発現の同定の精度を向上させた組換えタンパク
質の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、薬剤耐性遺伝子とレポー
ター遺伝子との異なる2つの選択マーカーを結合して、
これを目的とするタンパク質をコードする遺伝子に結合
して、融合タンパク質を含む組換えタンパク質として発
現することにより、目的とするタンパク質をコードする
遺伝子の発現の同定の精度を向上させることができ、し
かも該薬剤耐性遺伝子とレポーター遺伝子とを、介在ア
ミノ酸配列をコードする塩基配列を介して結合すること
により、該薬剤耐性遺伝子やレポーター遺伝子の、宿主
細胞に対する細胞毒性の発現やレポーター機能の発現を
調整して選択マーカーとしての使用を可能とすることを
見い出し、本発明を完成するに至った。本発明における
該薬剤耐性遺伝子としては、ピューロマイシン(pur
omycin)耐性遺伝子(pac)等が、レポーター
遺伝子としては、蛍光シグナルを発するタンパク質の遺
伝子である、EGFP又はRFP等が使用される。ま
た、介在アミノ酸配列をコードする塩基配列としては、
YSDLQSからなるアミノ酸配列をコードする塩基配
列のような塩基配列が使用される。
【0008】すなわち本発明は、薬剤耐性遺伝子とレポ
ーター遺伝子とを、介在アミノ酸配列をコードする塩基
配列を介して結合したことを特徴とする融合選択マーカ
ー遺伝子(請求項1)や、薬剤耐性遺伝子とレポーター
遺伝子とを、介在アミノ酸配列をコードする塩基配列を
介して結合することにより、薬剤耐性遺伝子とレポータ
ー遺伝子による、宿主細胞に対する細胞毒性の発現とレ
ポーター機能の発現とを調整したことを特徴とする請求
項1記載の融合選択マーカー遺伝子(請求項2)や、介
在アミノ酸配列をコードする塩基配列を介して、薬剤耐
性遺伝子のC末端にレポーター遺伝子のN末端を結合す
るか、又はレポーター遺伝子のC末端に薬剤耐性遺伝子
のN末端を結合することを特徴とする請求項1又は2記
載の融合選択マーカー遺伝子(請求項3)や、薬剤耐性
遺伝子が、ピューロマイシン(puromycin)耐
性遺伝子(pac)であることを特徴とする請求項1か
ら3のいずれか記載の融合選択マーカー遺伝子(請求項
4)や、レポーター遺伝子が、蛍光シグナルを発するタ
ンパク質の遺伝子であることを特徴とする請求項1〜4
のいずれか記載の融合選択マーカー遺伝子(請求項5)
や、蛍光シグナルを発するタンパク質の遺伝子が、EG
FP又はRFPであることを特徴とする請求項5記載の
融合選択マーカー遺伝子(請求項6)や、薬剤耐性遺伝
子が、ピューロマイシン(puromycin)耐性遺
伝子(pac)であり、レポーター遺伝子がEGFPで
あることを特徴とする請求項4〜6のいずれか記載の融
合選択マーカー遺伝子(請求項7)や、介在アミノ酸配
列をコードする塩基配列が、YSDLQSからなるアミ
ノ酸配列をコードする塩基配列であることを特徴とする
請求項1〜7のいずれか記載の融合選択マーカー遺伝子
(請求項8)からなる。
【0009】また本発明は、請求項1〜8のいずれか記
載の融合選択マーカー遺伝子によってコードされる融合
タンパク質(請求項9)や、請求項1〜8のいずれか記
載の融合選択マーカー遺伝子を含有する発現ベクター
(請求項10)や、請求項10記載の発現ベクターに、
目的とするタンパク質をコードする遺伝子を組込み、宿
主に導入し、発現させて該タンパク質と選択マーカータ
ンパク質との融合タンパク質を生成させ、該選択マーカ
ータンパク質により目的とするタンパク質の発現の同定
を行うことを特徴とする組換えタンパク質の製造方法
(請求項11)からなる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、薬剤耐性遺伝子とレポ
ーター遺伝子との異なる2つの選択マーカーを結合し
て、これを目的とするタンパク質をコードする遺伝子に
結合して、2つの選択マーカーの融合タンパク質を含む
組換えタンパク質として発現することにより、目的とす
るタンパク質をコードする遺伝子の発現の同定の精度を
向上させることができる。しかも該薬剤耐性遺伝子とレ
ポーター遺伝子とを、介在アミノ酸配列をコードする塩
基配列を介して結合することにより、薬剤耐性遺伝子と
レポーター遺伝子の選択マーカーとしての機能を効果的
に発現させて、選択マーカーとしての使用を可能とす
る。すなわち、本発明においては、薬剤耐性遺伝子やレ
ポーター遺伝子を結合して用いる場合に生じる、宿主細
胞に対する細胞毒性の発現やレポーター機能の発現の減
少の問題を解消して、有効な選択マーカーとしての使用
を可能とする。
【0011】(異なる2つの選択マーカーからなる融合
選択マーカーの構築)本発明においては、選択マーカー
として、遺伝子の発現の同定の精度を向上させるため
に、異なる2つの選択マーカーからなる融合選択マーカ
ー遺伝子を採用した。異なる2つの選択マーカーの一方
として、薬剤耐性遺伝子を選択した。薬剤耐性遺伝子の
中で、puromycin耐性遺伝子(puromycin N-ace
tyltaransferase:pac)は、選択薬剤濃度が低く選択
期間も数日で済むという利点があるので、pacの持つ
こういった利点に注目し、薬剤耐性遺伝子の材料として
pacを採用し、他のマーカー遺伝子の融合遺伝子の作
成の可能性について検討した。融合遺伝子を用いること
の主な利点をまとめると、以下の3点が挙げられる。 1)レポーター遺伝子と薬剤選択遺伝子が同一遺伝子上
にあるため、安定形質導入細胞を選択する過程で、レポ
ーターと選択遺伝子の組み換えにより両遺伝子が分断さ
れる可能性が低くなる。 2)EGFPなどの特別な前処理を行うことなくin
situで発現の確認可能なレポーター遺伝子を融合タ
ンパク質の相手として選んだ場合、遺伝子導入細胞を生
きた状態で識別することが可能となる。たとえばフロー
サイトメトリーを用いた細胞のソーティングなどを利用
することにより、遺伝子導入細胞を効率良く選択するこ
とができる。 3)2)のようにEGFPを融合遺伝子とした場合に
は、融合遺伝子の蛍光シグナルが同時に耐性遺伝子の発
現を意味するため、薬剤による細胞の選択後、擬陽性細
胞(選択薬剤に耐性であるが遺伝子導入されていない細
胞)の識別を容易に行うことができる。
【0012】本発明者は、pacとEGFP(enhanced
green fluorescent protein)(Biochem. Biophys. Re
s. Commun. 227, 707-711, 1996),RFP(red fluore
scent protein)(Nat. Biotechnol. 17, 969-973, 199
9、Proc. Natl. Acad. Sci.USA, 98, 462-467, 2001)
との融合遺伝子の可能性について検討した。本発明者
は、EGFP,RFPをpacのN末端、C末端に融合
させ、CMVプロモーター下にCOS7細胞に発現させ
た。EGFP,RFPをpacのN末端、C末端どちら
に融合させた場合にも、遺伝子導入されたCOS7細胞
はpuromycinに耐性を示し、同時に細胞の胞体
全体にEGFP,RFPの発現が蛍光顕微鏡下に確認さ
れた。GFPやRFPは共に蛍光タンパク質ではある
が、その構造は全く異なる異種のタンパク質である。こ
の両者で目的とする形質が保持されたことは、今回選択
した遺伝子以外を用いてもpacと他の様々な他のマー
カー遺伝子の融合遺伝子の作製の可能性があることを強
く示している。しかしながら、pacとEGFP,RF
P融合タンパク質が細胞毒性を示すという問題があっ
た。
【0013】今回Pacに融合させたEGFPはコドン
使用頻度を最適化することにより真核細胞での発現を増
強したものであり、その高発現によって細胞毒性を呈す
ることがあることが記載されている。そこで、本発明者
は、まず融合タンパク質の発現量を調節することによっ
て細胞毒性を減弱させることを試みた。EGFP, pa
c融合遺伝子の発現プロモーターをCMVからCMVプ
ロモモーターに比してプロモーター活性の低いtkプロ
モーターに変えると、発現量が低下することにより細胞
の生存期間の延長を認めた。しかしながら、発現量低下
によって視認性とpuromycinに対する抵抗性が
低下した。また、培養を継続するとCMVプロモーター
で発現させた場合と同様に、融合タンパク質の不適切な
蓄積による細胞毒性が認められた。
【0014】そこで次に介在アミノ酸配列について検討
を行った。その結果、EGFPとpacとを結ぶ介在ア
ミノ酸配列の差異により細胞毒性に変化が見られること
が判明した。その介在アミノ酸配列の差異による毒性変
化の詳細な機構は不明であるが、介在アミノ酸配列によ
って生成融合タンパク質の細胞内分布、蛍光強度等に影
響がみられ、それらの要因の相互作用によって細胞毒性
が規定される可能性があることが明らかになった。実際
に、ある介在配列が存在する場合、融合タンパク質が細
胞内の不適切な位置に蓄積し、極めて強い細胞毒性が認
められた。これらの現象は、COS7細胞ばかりでな
く、CV−1、NIH−3T3、HeLaa細胞でも認
められた。そして、検討を重ねた結果、適当な介在アミ
ノ酸配列に変えることにより、CMVプロモーター下で
も細胞毒性が少ないEGFP−pac融合遺伝子Gpa
cの作製に成功した。この融合遺伝子から発現されるタ
ンパク質はEGFPによる十分な視認性を有し、かつp
uromycinによる薬剤選択を可能とするものであ
った。
【0015】さらに本発明者は、今回作製したGpac
発現ベクターを用いてCOS7細胞においてGpacの
安定形質発現細胞を確立することに成功した。この細胞
は、Western blottingによる解析で融
合タンパク質の発現が確認され、高濃度のpuromy
cin存在下で増殖することが確認された。ついで、G
pacをHIV−1genomeに組み込み、これをV
SP pseudotypingの手法によりT細胞株
であるH9ならびにEB virus transfo
rmedB cell(B−LCL)に導入し、HIV−
1タンパク質を安定に発現する細胞の作製に成功した。
【0016】(異なる2つの融合選択マーカーの実施の
態様)本発明は、薬剤耐性遺伝子とレポーター遺伝子と
を、介在アミノ酸配列をコードする塩基配列を介して結
合し、融合選択マーカー遺伝子として使用することから
なる。本発明で用いる薬剤耐性遺伝子としては、neo
mycin、hygromycin、puromyci
n等既知の薬剤耐性遺伝子を用いることができるが、選
択薬剤濃度が低く選択期間も数日で済むという利点を有
するpuromycinが有利に利用できる。また、本
発明で用いるレポーター遺伝子としては、既知のレポー
ター遺伝子を用いることができるが、EGFP,RFP
等の蛍光タンパク質を発現する遺伝子が特に有利に利用
できる。本発明においては、薬剤耐性遺伝子とレポータ
ー遺伝子とを、介在アミノ酸配列をコードする塩基配列
を介して結合するが、該介在アミノ酸配列としては、薬
剤耐性遺伝子とレポーター遺伝子のマーカー機能の発現
をみて、好ましいアミノ酸配列のものを、適宜選択する
ことができる。好ましい配列として、YSDLQSから
なるアミノ酸配列を挙げることができる。薬剤耐性遺伝
子とレポーター遺伝子との結合は、介在アミノ酸配列を
コードする塩基配列を介して、薬剤耐性遺伝子のC末端
にレポーター遺伝子のN末端を結合しても良いし、又は
レポーター遺伝子のC末端に薬剤耐性遺伝子のN末端を
結合しても良い。
【0017】本発明の融合選択マーカー遺伝子は、発現
ベクターに挿入して利用される。すなわち、本発明の融
合選択マーカー遺伝子を含有する発現ベクターに、目的
とするタンパク質をコードする遺伝子を組込み、宿主に
導入し、発現させて該タンパク質と選択マーカータンパ
ク質とを融合した組換えタンパク質を生成させ、該選択
マーカータンパク質により目的とするタンパク質の発現
の同定を行う。本発明の融合選択マーカー遺伝子を用い
ることにより、目的とするタンパク質をコードする遺伝
子の発現の同定の精度を向上させると共に、薬剤耐性遺
伝子とレポーター遺伝子の選択マーカーとしての機能を
効果的に発現させて、優れた選択マーカーとしての使用
を可能とする。
【0018】
【実施例】以下に、実施例を挙げてこの発明を更に具体
的に説明するが、この発明の範囲はこれらの例示に限定
されるものではない。 [方法と材料] (ベクター)この実施例で、用いたベクターは、以下の
様にして作製した。 (1)pGpac(図2) pPUR(CLONTECH)をtemplateにして、以下に示す
5′、3′末端それぞれに、ClaI site,XhoI siteを付
加したprimerを用いて、PCR法をもちいてPa
c遺伝子を増幅し、pCR-BluntII TOPO vector (Invitro
gen) にcloningし(pTOPO-pac)、sequenceを確認
した。 forward primer :CATCGATGACCGAGTACAAGCCCA(配列番号
1:P1) reverse primer : CTCGAGTCAGGCACCGGGCTTGCGGG(配列
番号2:P2) ここから、Pac遺伝子を含む形で、ClaI site からBa
mHI siteまでを切り出し、pEGFP-C3 (CLONTECH )のAccI
siteからBamHI siteに組み込んだ。こうしてできたpla
smidがpG-MCS-pacでEGFPとPacを結ぶ介在配列を
図1に示す。pG-MCS-pacのBglII siteからPstI site間
をadapterで置き換え介在配列を変化させたもの
がpGpacでその配列は、図1に示す通りである。参考に
もとのベクターpEGFP-C3についても示した。図2にpGpa
c plasmidの構造を示す。図に示すように、5′末端に
は、NheI,AgeI,Eco47III site 、3′末端にはXhoI,Eco
RI,SpeI,BamHIをユニークな制限酵素部位として付加
し、この融合遺伝子を切り出すことができるように設計
した。
【0019】(2)pFLAG−pac Pacの局在と分子量を確認するために、pTOPO-pac の
ClaI site からXhoI siteまでのPacを含む領域を制
限酵素を用いて切り出し、pFLAG CMV-2 ( Sigma) のCla
I siteからSalI siteに組み込んだベクターを作製し( p
FLAG- pac )、PacのN末端にFLAG epitopeを付加した
形でPac遺伝子が発現されるようにした。FLAGと
pacの間の介在アミノ酸配列を図3に示した。
【0020】(3)pHXB2 Gpac(図4−
(1)) HIV−1にGpac発現遺伝子を組み込んだpCTL
Gpacは以下のように作製した。HIV−1の感染製
分子クローンであるpSP65HXB2Ecogptをもとに作製し
た。Vesicular stomatitis virus のenvelope protein
(VSV-G)を用いてpseudotypingを行うために、以下の様
にしてenv geneを欠損させた。まず、HIV−1の感染
製分子クローンであるNL4-3のenv geneのAflIII siteか
らMfeI siteまでの約1.5kbpsを切り出し、XbaI
linkerを組み込んだ。この欠損したenvを含むSalI site
からBamHI siteまでの領域を、HXB2のSalI siteからBam
HI siteに組み込んだ。Gpac geneは、pGpacからPCR
を用いて、5′endに ClaI site、3′endにXhoI site
を付けて増幅し、HXB2の nef 領域のClaIとXhoIに組み
込んだ。VSV-G発現ベクターは、CLONTECH社から販売さ
れているpVSV-Gを購入して用いた(図4−(2))。
【0021】(Pacの分子量と局在の確認)5×10
5のCOS7細胞を60mmシャーレにまき、12時間
後、それぞれ0.5μgのpFLAG-pacをFuGENE6(Roche)
を用いてtransfectionした。12時間後、
細胞を剥がし、PBSで2回洗浄後、100μlのRIPA
lysisbufferで溶解し、遠心したのち上清を回収しSDS
PAGEを行った。その後、anti-FLAGM2 monoclonal antib
ody (Sigma)を用いてWestern blottin
gを行った。同じvectorをtransfecti
onされたCOS7細胞を4% paraformaldehydeで固
定し、0.5%Triton X-100で処理した。Pacの局在
を調べるため、一次抗体にanti-FLAGM2 monoclonal ant
ibody、二次抗体にFITC conjugated anti-mouse IgG an
tibodyを用いた間接蛍光抗体法を行った。同時に、PE
で核染色をおこなった。
【0022】(Gpac発現COS7細胞株の樹立)5
×106のCOS7細胞に、10μgのpGpacをエレクト
ロポレーションによって遺伝子導入した。48時間培養
後、10μg/mlのpuromycinを含む培養液
中でさらに培養を継続した。選択開始から48時間後に
一度限界希釈法によるcloningを行ったのち、さ
らに10μg/mlのpuromycinを含む培養液
中でさらに培養を継続した。
【0023】(HIV−タンパク質、Gpac発現H9
細胞株の樹立)COS7細胞に、HXB2GpacとpVSV-G (CL
ONTECH)をFugene6 (Roche)を用いてcotransfe
ctionした。48時間後、pseudotype vurusを含む
上清を回収し、0.45μmのフィルターを通した後、
1mlの上清を1×106個のH9およびB−LCLに
加えることにより感染させた。6時時間後、一度med
iumで洗ったのち、さらに48時間培養を行った。そ
の後、培養液中に0.5μg/mlのpuromyci
nを加え、2日ごとにmediumを交換した。選択開
始4日後、細胞を4%paraformaldehyd
eで固定し、FACS (FACS Calibur, BECTON DICKINSON)
による解析を行った。
【0024】(Gpac、HIV−1タンパク質の発現
の確認)5×105のCOS7細胞を60mmシャーレ
にまき、12時間後、0.5μgのpEGFP-C3をFuGENE6
(Roche)を用いてtransfectionした。12
時間後、細胞を剥がし、PBSで2回洗浄後、100μ
lのRIPA lysis bufferで溶解し、遠心したのち上清を
回収した。また、今回樹立した1×106のGpac安
定発現COS7細胞ならびにHIV−1タンパク質とG
pacを安定発現している1×107のH9、B−LC
Lから、同様の方法で細胞溶解液を調製した。これらの
細胞溶解液を用いてSDS PAGEを行い、Gpacはanti-E
GFP monoclonal antibody (CLONTECH)、HIV−1タン
パク質についてはHIV−1感染者血清 を用いてWe
stern blottingを行った。
【0025】[結果] (介在配列が融合タンパクの機能に与える影響)pEG
FPC3のEGFPのC末端にあるmultiple cloning
siteにあるClaIならびにBamHI siteにPac遺伝子を組
み込み、pG-MCS-pacを作製した。その結果、図2に示す
ように、EGFPとPacの融合タンパク質にYSDLELKL
RILQSという介在配列が存在することとなった。これを
COS7細胞にtransfectionし、24時間
後に蛍光顕微鏡で観察すると、transfectio
nされた細胞の核周囲に蛍光物質の著明な蓄積を認めた
(図5−(1))。 transfectionされた細
胞で48時間以上生き残ったものは稀であった。元のベ
クターであるEGFPC3をtransfection
した場合、この現象は認められなかった(図5−2
(2))。また、pFLAGpacをCOS7細胞にtrans
fectionし間接蛍光抗体法で局在を調べたが、細
胞全体に分布していることが確認された。
【0026】原因について検討した結果、本発明者は、
EGFPのC末端に存在している時には問題にならなか
ったが、Pacを融合させた結果、介在配列がそれ自身
もしくは全体の構造の変化をもたらすことなどにより、
細胞毒性を増強している可能性があると考えた。そこ
で、介在配列からELKLRILを除いた融合タンパク質を発
現するベクター (pGpac ; 図2)を作製した。これを、p
G-MCS-pacと同様の方法で表現型を調べたところ、強発
現している細胞でも蛍光物質の不適当な蓄積が無く(図
5−(3))、細胞毒性も大幅に減弱した。また、優れ
た視認性を有すると共に、puromycinに対して
選択に十分な耐性を示した。以下に、pGpacを用い
て、その有用性の検討を進めた。
【0027】(Gpac発現COS7細胞株の樹立)図
6に、pGpacをエレクトロポレーションによって遺
伝子導入後、puromycinによる選択を開始して
2ヶ月を経過したCOS7細胞の写真を示す。(A)は
可視光下、(B)はUV照射下で観察した場合を示す。
ほとんどすべての細胞でEGFPの十分な発現が認めら
れた。この細胞は、10μg/mlのpuromyci
nの存在下でも非形質転換細胞とほぼ同様の増殖を示
し、puromycin抵抗性を獲得していることが明
らかになった。今回、遺伝子導入後puromycin
による選択を開始して48時間で、生存する細胞のほと
んどはEGFP発現細胞となり、puromycinに
より、迅速な遺伝子導入細胞の選択が可能であることが
明らかになった。今回は限界希釈法にpuromyci
nによる選択を組み合わせて、迅速にcloningを
行うことができたが、セルソーターなどを組み合わせる
ことにより、発現細胞の選択がより簡便になると考えら
れた。
【0028】(Gpacの発現)樹立したGpac安定
発現COS7細胞において、Gpacの発現をWest
ern blottingにより確認した。まずPac
の分子量を確認した。図7−(A)に、COS7細胞に
FLAG-pacを一過性に発現させ、その細胞溶解液をanti-F
LAGM2 monoclonal antibody ( Sigma ) を用いたWes
tern blottingで解析した結果を示す。P
acはアミノ酸配列に基づくと予想分子量22kDaの
タンパク質であるが、FLAG epitopeが付与されたことに
より若干の分子量の増加が認められた。図7−(B)
に、EGFP一過性に発現させたCOS7細胞と、今回
作製したGpac安定発現COS7細胞の細胞溶解液
を、anti-EGFP monoclonal antibody (CLONTECH) を用
いたWestern blottingで解析した結果
を示す。EGFPは27kDaの分子量をもつが、pEGF
P-C3で発現させた場合はC末端に付加されたマルチクロ
ーニングサイトのために約31kDaの分子量を示し
た。今回作成したGpac安定発現COS7細胞におい
ては、図7−(B)のGpacのlaneに示されるよ
うに、PacとEGFP両者の分子量の和に相当する約
52kDaの分子量を持つ融合タンパク質が生成されて
いることが明らかになった。遺伝子導入されたCOS7
細胞の表現型から、EGFP/Pac融合タンパク質で
あるGpacが生成されていると考えられた。
【0029】(HIV−1タンパク質の発現H9、B−
LCLの作製)様々なtransfectionの手法
や組み換えウイルスベクターを用いても、外来遺伝子導
入効率が極めて低いことが報告されているものに、T細
胞株の一つであるH9や、EB virus transformed B c
ell (B−LCL)がある。H9は、HIV−1の標的細
胞の一つであるT細胞由来の細胞株であり、HIV−1
増殖機構の解析などに有用である。また、B−LCL
は、抗原提示細胞として、細胞障害性T細胞の機能解析
をはじめとする免疫学の実験に広く用いられている。様
々なtransfectionの手法や組み換えウイル
スベクターを用いることにより、目的タンパク質をコー
ドする外来遺伝子をこれらの細胞に導入し発現させるこ
とが可能であることが報告されている。また、例えば、
組み換えワクシニアウイルスベクターを用いることによ
り、一過性に高効率に目的タンパク質を発現させること
が可能である。しかしながら、ほぼすべての細胞に目的
タンパク質を安定に発現させるためには、遺伝子導入
後、なんらかの方法により遺伝子導入細胞を選択する必
要がある。
【0030】本発明者は、GpacをHIV−1gen
omeに組み込み、H9とB−LCLに導入後puro
mycinで選択を行うことにより、HIV−1のタン
パク質を安定に発現する細胞の作製を試みた。図4に示
すように、HXB2のnef領域にGpacを組み込んだ
ベクターpHXB2Gpacを作製した。これをpVSV-Gとともに
COS7細胞にcotransfectionし、VS
V pseudotype ウイルスを作製した。これ
をH9とB−LCLに感染させ、48時間後から、0.
5ug/mlのpuromycinを含むで培養を行っ
た。4日間puromycinによる選択を行った遺伝
子導入細胞を蛍光顕微鏡によって観察すると、肉眼的に
十分視認可能なEGFPの発現を認め、その後、培養を
継続しても強い細胞毒性は認められなかった。puro
mycinによる選択開始後4日目にH9細胞をpar
aformaldehydeで固定したのち、FACS
による解析を行い、非遺伝子導入細胞と遺伝子導入細胞
と比較した。図8−(A)(B)のドットプロットの図
を比較すると、(B)のウイルス感染後にpuromy
cinで選択を行ったものでは多くの死んだ細胞の集族
があることがわかる。次に生細胞を示すR1のgate
を用いて、細胞の蛍光強度の測定を行った。結果を図8
−(C)のヒストグラムに示す。ヒストグラム上、0.
5μg/mlのpuromycinによる4日間の選択
によって、M2に示すように、感染H9細胞の生き残っ
たものの93.4%が非感染H9細胞に比べて明らかに
強い蛍光強度示しており、EGFPを発現していること
がわかった。
【0031】さらに、これらのH9細胞の細胞溶解液を
調製して、Western blottingを行った
結果を図9に示す。(A)は抗EGFPモノクローナル
抗体、(B)はHIV−1感染者の血清でWester
n blottingを行った結果である。(A)では
COS7細胞にGpacを発現させた場合と同じ分子量
が約52kDaのEGFP−Pac融合タンパク質の発
現が認められた。FACSによる解析から、これらのH
9細胞はpuromycin耐性を有すると同時に蛍光
タンパク質を発現することが明らかになっており、分子
量からEGFPとPacの融合タンパク質が発現されて
いることが示された。(B)では構造タンパク質p24な
どのHIV−1タンパク質の発現が確認された。Gpa
cをHIV−1genome上で発現させ、purom
ycinによる選択を行うことにより極めて短期間にH
IV−1タンパク質を安定に発現するH9を得ることが
できた。同様の実験をB−LCLにおいても行ったとこ
ろ、H9の場合と同様にpuromycin耐性でEG
FPを発現する細胞が得られ、HIV−1感染者の血清
を用いたWestern blottingによりHI
V−1タンパク質を安定に発現している事が確認された
(図8−(C))。
【0032】Gpacを用いることにより、ウイルス粒
子を得るためにCOS7細胞にtransfectio
nをした際にも、EGFPの発現によりその成否や効率
が確認でき、また、標的細胞への感染の成否、効率、選
択の成否をin situで確認できる。また、選択薬
剤としてpuromycinを使用することによりne
omycin、hygromycinにくらべ短時間で
選択が終了する。さらに、FACS解析やCell s
orterによるさらに効率的な遺伝子導入細胞の選択
を可能にすることも明らかになった。以上の結果によ
り、Gpacは極めて有用な選択マーカーであると考え
られる。ここでは、一例として、EGFPをPacのN
末端に融合させた場合を述べたが、同様にして、薬剤耐
性遺伝子とレポーター遺伝子とを、結合して融合選択マ
ーカーを作製することができる。
【0033】
【発明の効果】本発明の融合選択マーカー遺伝子は、レ
ポーター遺伝子と薬剤選択遺伝子が同一遺伝子上にある
ため、安定形質導入細胞を選択する過程で、レポーター
と選択遺伝子の組み換えにより両遺伝子が分断される可
能性が低くなり、目的とするタンパク質をコードする遺
伝子の発現の同定の精度を向上させることができる。ま
た、本発明においては、薬剤選択遺伝子とレポーター遺
伝子とを、介在アミノ酸配列をコードする塩基配列を介
して結合することにより、薬剤耐性遺伝子とレポーター
遺伝子を結合する場合に生じる宿主細胞に対する細胞毒
性の発現とマーカー機能の低減の問題を解消し、選択マ
ーカーとしての機能を効果的に発現させて、有効な選択
マーカーとしての使用を可能とする。更に、本発明にお
いては、融合選択マーカー遺伝子の相手として、レポー
ター遺伝子を選定したことにより、特別な前処理を行う
ことなく、遺伝子導入細胞をin situで、生きた
状態で発現の確認が可能であり、また、融合遺伝子の蛍
光シグナルが同時に耐性遺伝子の発現を意味するため、
薬剤による細胞の選択後、擬陽性細胞(選択薬剤に耐性
であるが遺伝子導入されていない細胞)の識別を容易に
行うことができる。
【0034】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> JAPAN SCIENCE AND TECHNOLOGY CORPORATION NATIONAL INSTITUTE OF INFECTIOUS DISEASES PRESIDENT <120> Fusion protein consisting of different two selective markers <130> 13-206 <140> <141> <160> 2 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:P1 <400> 1 catcgatgac cgagtacaag ccca 24 <210> 2 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:P2 <400> 2 ctcgagtcag gcaccgggct tgcggg 26
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いた、EGFPとpacを
結合する結合配列の構造を示す図である。
【図2】本発明の実施例で用いた、pGpacベクター
の構造を示す図である。
【図3】本発明の実施例で用いた、FLAGとpacの
間の介在アミノ酸配列を示す図である。
【図4】本発明の実施例で用いた、pHXB2Gpac
及びpVSV−Gの構造を示すずである。
【図5】本発明の実施例において、EGFPとPacの
遺伝子を介在配列を介して結合し、該遺伝子をCOS7
にトランスフエクションした結果の蓄積の結果の蛍光顕
微鏡写真を示す図である。
【図6】本発明の実施例において、pGpacをエレク
トロポレーションによって遺伝子を導入した後、pur
omycinによる選択を開始して2ヶ月を経過したC
OS7細胞の写真を示す図である。
【図7】本発明の実施例において、COS7細胞にFL
AG−pacを一過性に発現させ、その細胞溶液をウエ
スタンブロティング解析した結果(A)、及びEGFP
を一過性に発現させたCOS7細胞と、Gpac安定発
現COS7細胞の細胞溶液を、ウエスタンブロティング
解析した結果(B)、を示す図である。
【図8】本発明の実施例において、puromycin
による選択を行った遺伝子導入細胞を、parafor
maldehydeで固定した後、FACSによる解析
を行い、非遺伝子導入細胞と遺伝子導入細胞とを比較し
た結果の、ドットプロットの図(A)、(B)、及び生
細胞を示すR1のgateを用いて,細胞の蛍光強度の
測定を行った結果(C)を示す図である。
【図9】本発明の実施例において、GpacをHIV
genomeに組み込み、H9に導入後、H9細胞の細
胞溶液を調製して、ウエスタンブロティング解析した結
果を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 杉浦 亙 東京都練馬区関町北4−31―8 Fターム(参考) 4B024 AA11 AA20 BA80 CA04 CA05 DA02 EA04 FA02 GA14 HA01 4H045 AA10 BA10 BA41 EA61 FA74

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬剤耐性遺伝子とレポーター遺伝子と
    を、介在アミノ酸配列をコードする塩基配列を介して結
    合したことを特徴とする融合選択マーカー遺伝子。
  2. 【請求項2】 薬剤耐性遺伝子とレポーター遺伝子と
    を、介在アミノ酸配列をコードする塩基配列を介して結
    合することにより、薬剤耐性遺伝子とレポーター遺伝子
    による、宿主細胞に対する細胞毒性の発現とレポーター
    機能の発現とを調整したことを特徴とする請求項1記載
    の融合選択マーカー遺伝子。
  3. 【請求項3】 介在アミノ酸配列をコードする塩基配列
    を介して、薬剤耐性遺伝子のC末端にレポーター遺伝子
    のN末端を結合するか、又はレポーター遺伝子のC末端
    に薬剤耐性遺伝子のN末端を結合することを特徴とする
    請求項1又は2記載の融合選択マーカー遺伝子。
  4. 【請求項4】 薬剤耐性遺伝子が、ピューロマイシン
    (puromycin)耐性遺伝子(pac)であるこ
    とを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の融合選
    択マーカー遺伝子。
  5. 【請求項5】 レポーター遺伝子が、蛍光シグナルを発
    するタンパク質の遺伝子であることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか記載の融合選択マーカー遺伝子
  6. 【請求項6】 蛍光シグナルを発するタンパク質の遺伝
    子が、EGFP又はRFPであることを特徴とする請求
    項5記載の融合選択マーカー遺伝子。
  7. 【請求項7】 薬剤耐性遺伝子が、ピューロマイシン
    (puromycin)耐性遺伝子(pac)であり、
    レポーター遺伝子がEGFPであることを特徴とする請
    求項4〜6のいずれか記載の融合選択マーカー遺伝子。
  8. 【請求項8】 介在アミノ酸配列をコードする塩基配列
    が、YSDLQSからなるアミノ酸配列をコードする塩
    基配列であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    記載の融合選択マーカー遺伝子。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか記載の融合選択
    マーカー遺伝子によってコードされる融合タンパク質。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれか記載の融合選
    択マーカー遺伝子を含有する発現ベクター。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の発現ベクターに、目
    的とするタンパク質をコードする遺伝子を組込み、宿主
    に導入し、発現させて該タンパク質と選択マーカータン
    パク質との融合タンパク質を生成させ、該選択マーカー
    タンパク質により目的とするタンパク質の発現の同定を
    行うことを特徴とする組換えタンパク質の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007202490A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 動物細胞用新規発現ベクター
JP2012508004A (ja) * 2008-11-11 2012-04-05 ロンドン スクール オブ ハイジーン アンド トロピカル メディシン ベクター
JP2012095674A (ja) * 2012-02-20 2012-05-24 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 動物細胞用新規発現ベクター

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JP2007202490A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 動物細胞用新規発現ベクター
JP2012508004A (ja) * 2008-11-11 2012-04-05 ロンドン スクール オブ ハイジーン アンド トロピカル メディシン ベクター
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