JP2008036405A - 放射線撮影装置、その駆動方法及び放射線撮影システム - Google Patents

放射線撮影装置、その駆動方法及び放射線撮影システム Download PDF

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Abstract

【課題】 オフセット補正を行う際に、撮影画像データの画質を低下させること無く、迅速な撮影を実現する。
【解決手段】 メモリ105は、駆動回路部103において奇数行の駆動線のみを飛び越し走査して生成された第1のオフセット補正用の画像データを記憶する。メモリ106は、駆動回路部103において偶数行の駆動線のみを飛び越し走査して生成された第2のオフセット補正用の画像データを記憶する。そして、処理部108では、第1のオフセット補正用の画像データと第2のオフセット補正用の画像データとを合成して1フレーム分のオフセット補正用の画像データを生成し、演算部109では、メモリ107に記憶されている放射線画像データに対して、当該合成して生成された1フレーム分のオフセット補正用の画像データを用いた演算処理を行って、放射線画像データのオフセット補正を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、オフセット補正を行う放射線撮影装置、その駆動方法及び放射線撮影システムに関するものである。
近年、ガラス基板などの絶縁基板上に、アモルファスシリコンやポリシリコンを主材料とし、変換素子及びTFTで構成される画素を2次元状に複数配列したフラットパネル型のエリアセンサを備えた放射線撮影装置が知られている。この放射線撮影装置では、変換素子で照射されたX線等の放射線を電荷に変換し、変換された電荷を、駆動回路部で制御されるスイッチ素子であるTFTを用いてマトリクス駆動を行うことにより、当該電荷に基づく電気信号を読み出し回路部へ読み出す。
以上のように動作させることで、読み出し回路部から出力される電気信号により被写体画像を取得することができるが、この画像(読み出し回路部から出力される電気信号)にはエリアセンサや読み出し回路部等で発生したオフセット成分が含まれる。実際に放射線を照射して撮影された画像には、上述のオフセット成分が含まれているので、当該撮影された画像からオフセット成分を取り除くオフセット補正を行う必要がある。
このオフセット補正は、従来大きく分けて2つの方法で行われている。第1のオフセット補正方法は、予めオフセット補正用の画像データを取得する方法である。この方法では、エリアセンサに放射線又はそれに基づく光が入射していない状態で画素に蓄積された電荷に基づく電気信号を、エリアセンサから駆動回路部及び読み出し回路部を用いて読み出して、オフセット補正用の画像データF0を取得する。取得されたオフセット補正用の画像データF0は、オフセット用画像メモリに記憶される。このような予めオフセット補正用の画像データを取得しておく場合には、オフセット補正用の画像メモリには、ROMが用いられる場合が多い。
その後、被写体情報を含む放射線又はそれに基づく光が入射する度に、エリアセンサ、駆動回路部及び読み出し回路部に対して読み出し動作を行わせる。この際、撮影ごとに放射線画像データXnが放射線画像メモリに記憶される。演算部において放射線画像データXnからオフセット補正用の画像データF0を減算するなどの演算処理が行われ、演算処理された画像データがモニタなどの表示部に表示される。
上記従来例では、予めオフセット補正用の画像データF0を取得しておくものであるため、各撮影の度にオフセット補正用の画像データを取得する必要がなく、迅速な撮影を行うには有利である。しかしながら、一般に、フラットパネル型のエリアセンサにおけるオフセット成分は、時間的変化、温度的変化、残像(前フレームの光履歴による影響)、欠陥画素の変化等の要因で変化する場合があることが知られている。
上述したエリアセンサのオフセット成分に変化が生じる場合には、予め記憶しておいたオフセット補正用の画像データに基づく補正方法では、画質の点で十分ではなく不具合を生じる場合がある。即ち、この場合、オフセット補正がかえって放射線画像データの画質を低下させる場合があった。
そこで、第2のオフセット補正方法では、放射線又はそれに基づく光の照射がなされる度毎に、言い換えると放射線画像撮影毎に、放射線画像データXnとオフセット補正用の画像データFnとの両方を取得し、オフセット補正を行っている。この方法では、放射線又はそれに基づく光がエリアセンサに照射された後に放射線画像データX1の読み出しを行い、当該放射線画像データX1を放射線画像メモリに記憶させる。続いて、エリアセンサに放射線又はそれに基づく光が入射していない状態で、オフセット補正用の画像データF1を取得し、当該オフセット補正用の画像データF1をオフセット補正用の画像メモリに記憶させる。このように、オフセット補正用の画像メモリに記憶する内容を毎回書き換える場合には、RAMが用いられる。
その後、演算部において、撮影を行う毎に、放射線画像データXnからオフセット補正用の画像データFnを減算するなどの演算処理が行われ、演算処理された画像データがモニタなどの表示部に表示される。例えば、特許文献1には、放射線又はそれに基づく光が照射されない期間に、放射線画像データの出力と同様の時間間隔で取得したオフセット補正用の画像データを用いて、オフセット補正を行う放射線撮影装置が開示されている。
この第2のオフセット補正方法では、上述した時間的変化、温度的変化、残像、欠陥画素の変化などによるオフセット補正用の画像データの変動を防止し、放射線画像データの画質を低下を回避することは可能である。しかしながら、一方で、第2のオフセット補正方法では、オフセット補正用の画像データの取得には放射線画像データの取得と同じ時間が必要であるため、迅速な撮影を行うことは困難であった。
特開2002−301053号公報
上述の第1のオフセット補正方法では、時間的変動、熱的変動、残像(光の履歴)、欠陥画素の変化等の影響を補正できないため、画質の劣化を招く場合があった。
一部のフラットパネル型のエリアセンサには、経時的にオフセット成分がゆらぐ、あるいは前フレームの光履歴の影響を受けるという特性がある。特に、この場合、オフセット成分の変動は、静止画撮影モードでは問題になることは少ないが、低線量で長時間の撮影が継続される透視モードでは撮影の継続中に画像データが劣化するという不具合を生じる。
また、第2のオフセット補正方法では、オフセット補正用の画像データの取得に放射線画像データの取得と同じ時間が必要であるため、特に、透視などの連続撮影の速度の向上を図ることができなかった。
第2のオフセット補正方法では、実質的な撮影速度が1/2に低下し、撮影に必要な速度(フレームレート)が確保できない場合がある。この撮影速度の低下は、例えば、当該撮影装置を医療における診断に用いた際には無視できるものでは無く、特に、小児の透視撮影などにおいては大きな問題となる可能性がある。
即ち、従来の放射線撮影装置においては、オフセット補正を行う際に、放射線画像データの画質を低下させること無く、迅速な撮影を行うことが困難であるという問題点があった。
本発明は上述の問題点にかんがみてなされたものであり、オフセット補正を行う際に、放射線画像データの画質を低下させること無く、迅速な撮影を実現することを目的とする。
本発明の放射線撮影装置は、入射した放射線を電気信号に変換するための変換素子を有する画素が2次元行列状に複数配列されたエリアセンサと、駆動線に駆動信号を印加して当該駆動線に共通に接続された複数の前記画素を駆動し駆動回路部と、前記駆動回路部によって駆動された前記画素から前記電気信号を読み出して画像データとして出力するための読み出し回路部と、前記駆動回路部によって部分的に駆動された画素群に含まれる画素から放射線が入射していない状態での電気信号が読み出だされて前記読み出し回路部から出力された部分的な補正用の画像データを用いて補正用の画像データを生成するための処理を行う処理部と、前記駆動回路部によって駆動された前記画素から入射された放射線に基づく電気信号が読み出だされて前記読み出し回路部から出力された放射線画像データを、前記補正用の画像データを用いて演算処理する演算部と、を含む。
本発明の放射線撮影システムは、放射線を発生させる放射線発生装置と、前記放射線撮影装置と、を有し、前記エリアセンサには前記放射線発生装置で発生した放射線が入射する。
本発明の放射線撮影装置の駆動方法は、入射した放射線を電気信号に変換するための変換素子を有する画素が2次元行列状に複数配列されたエリアセンサを、駆動線に駆動信号を印加して当該駆動線に共通に接続された複数の前記画素を駆動する駆動回路部によって駆動し、前記駆動回路部によって駆動された前記画素から入射された放射線に基づく電気信号が読み出だされて前記読み出し回路部から放射線画像データを出力する工程と、前記駆動回路部によって部分的に駆動された画素群に含まれる画素から放射線が入射していない状態での電気信号が読み出だされて前記読み出し回路部から部分的な補正用の画像データを出力する工程と、前記部分的な補正用の画像データを用いて補正用の画像データを生成する工程と、前記放射線画像データを前記補正用の画像データを用いて演算処理する工程と、を含む。
本発明によれば、オフセット補正を行う際に、放射線画像データの画質を低下させること無く、迅速な撮影を実現することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の諸実施形態について説明する。なお、以下に示す本発明の諸実施形態では放射線としてX線を適用した例を示すが、本発明に係る放射線としては、このX線に限らず電磁波や、α線、β線、γ線なども含まれる。
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態について、図1〜図6を用いて詳しく説明する。図1は、第1の実施形態に係るX線撮影システム(放射線撮影システム)の概略構成図である。本実施形態に係るX線撮影システムは、X線撮影装置(放射線撮影装置)100と、X線発生装置(放射線発生装置)200とを具備して構成される。
本実施形態のX線撮影装置100は、制御部101と、エリアセンサ102と、駆動回路部103と、読み出し回路部104と、第1のスイッチSW1、第2のスイッチSW2及び第3のスイッチSW3からなるスイッチ群と、を有している。更にX線撮影装置100は、第1のオフセット補正用の画像メモリ105と、第2のオフセット補正用の画像メモリ106と、放射線画像メモリ107と、オフセット補正用の画像を合成するための処理部108と、演算部109と、表示部110を有して構成されている。本実施形態では、メモリ105、106及び107、処理部108、並びに、演算部109を含んで画像処理部とする。
制御部101は、駆動回路部103、読み出し回路部104、第1のスイッチSW1、第2のスイッチSW2及び第3のスイッチSW3、並びに、X線発生装置200の動作を制御する。エリアセンサ102は、放射線を電荷に変換するための変換素子と、変換された電荷に基づく電気信号を転送するためのスイッチ素子であるTFTで構成される画素が2次元行列状に複数配列される。駆動回路部103は、例えばシフトレジスタから構成されており、エリアセンサ102内の画素を駆動するためにエリアセンサ102内に構成されたTFTのゲートに駆動信号を与えてエリアセンサ102の駆動を行う。読み出し回路部104は、駆動回路部103によって駆動された画素から各変換素子で生成された電荷に基づく電気信号を読み出して画像データとして出力する。
第1のオフセット補正用の画像メモリ105は、駆動回路部103により選択されて部分的に駆動されたエリアセンサ102内の第1の画素群からの第1のオフセット用の画像データを記憶するメモリである。本実施形態においては、例えば駆動回路部103により奇数行の駆動線のみを部分的に選択して走査する飛び越し走査がなされて取得された奇数行分のオフセット補正用の画像データを記憶するメモリである。第2のオフセット補正用の画像メモリ106は、駆動回路部103により選択されて駆動された、エリアセンサ102内の、第1の画素群とは異なる第2の画素群からのオフセット補正用の画像データを記憶するメモリである。本実施形態においては、例えば駆動回路部103により偶数ゲート線のみを選択されて部分的に走査する飛び越し走査がなされて取得された偶数行分のオフセット補正用の画像データを記憶するメモリである。ここで、第1のオフセット補正用の画像データ及び第2のオフセット補正用の画像データは、エリアセンサ102にX線発生装置200からのX線201が入射しない状態で画素に蓄積された電荷に基づく電気信号に基づいて取得された、部分的なオフセット補正用の画像データである。
放射線画像メモリ107は、X線発生装置200から被写体300を透過してエリアセンサ102に照射されたX線201に応じた撮影された画像データ(放射線画像データ)を記憶するメモリである。
第1のスイッチSW1は、読み出し回路部104と第1のオフセット補正用の画像メモリ105との接続を司るスイッチである。第2のスイッチSW2は、読み出し回路部14と第2のオフセット補正用の画像メモリ106との接続を司るスイッチである。第3のスイッチSW3は、読み出し回路部14と放射線画像メモリ107との接続を司るスイッチである。
処理部108は、第1のオフセット補正用の画像メモリ105に記憶されている第1のオフセット補正用の画像データと、第2のオフセット補正用の画像メモリ106に記憶されている第2のオフセット補正用の画像データを用いて、1画像(1フレーム)分のオフセット補正用の画像データを生成する処理を行う。本実施形態において処理部108は、第1のオフセット補正用の画像データと第2のオフセット補正用の画像データを合成して1画像(1フレーム)分のオフセット補正用の画像データを生成している。演算部109は、放射線画像メモリ107の放射線画像データと処理部108で生成されたオフセット補正用の画像データとを入力して減算などの演算処理を行う。表示部110は、演算部109で演算処理された画像データを表示する、例えばモニタ等の表示媒体である。
次に、エリアセンサ102及び読み出し回路部104の詳細な構成について説明する。図2は、第1の実施形態に係るX線撮影システムのエリアセンサ及び読み出し回路部の詳細な構成を示す模式図である。なお、図2に示す電源111は、例えば、制御部101に構成されているものである。
エリアセンサ102と駆動回路部103とは、m本(mは正の整数)の駆動線Vg1〜Vgmを介して接続されている。また、エリアセンサ102と読み出し回路部104とは、n本(mは正の整数)の信号線Sig1〜Signを介して接続されている。
エリアセンサ102には、PIN型のフォトダイオードからなる光電変換素子を含む変換素子S11〜Smnと、薄膜トランジスタ(TFT)からなるスイッチ素子T11〜Tmnを各1つずつ備えた画素102aが2次元状に複数配列されている。即ち、エリアセンサ102には、m×n個の画素102aが設けられている。このエリアセンサ102は、例えば、ガラス基板上に、アモルファスシリコンを主材料として構成されたフラットパネル型のエリアセンサである。エリアセンサ102は更にその入射側に放射線を光電変換素子が感知可能な光に波長変換する蛍光体などの波長変換体(不図示)を有している。本実施形態では、波長変換体と光電変換素子により、放射線を電気信号に変換するための変換素子が構成されている。
各画素102aの変換素子における共通電極側(図2ではフォトダイオードのカソード側)には、電源111からバイアス線Vsを介してバイアス電圧が印加されている。また、エリアセンサ102の行方向に並んだ各画素102aのスイッチ素子は、そのゲート電極(制御電極)が駆動線Vg1〜Vgmに例えば行単位で共通に電気的に接続されている。更に、エリアセンサ102の列方向に並んだ各画素102aのスイッチ素子は、その主電極の一方の電極であるソース電極が信号線Sig1〜Signに例えば列単位で共通に電気的に接続されている。また、スイッチ素子は、その主電極の他方の電極であるドレイン電極が変換素子と画素毎に電気的に接続されている。
読み出し回路部104は、信号線Sig1〜Sign介して各画素102aから行毎に並列出力された電気信号を増幅し、直列変換して画像データ(デジタルデータ)として出力する。読み出し回路部104は、容量Cf1〜Cfnとスイッチが各々入出力端子間に設けられたアンプA1〜Anと、スイッチと容量CL1〜CLnからなるサンプルホールド回路部と、を信号線Sig1〜Sign毎に有している。更に、アナログマルチプレクサ104aと、バッファアンプ104bと、A/Dコンバータ104dを有して構成されている。
アンプA1〜An、アナログマルチプレクサ104a及びバッファアンプ104bでシリアル変換されたアナログ信号は、アナログデータ線104cを介してA/Dコンバータ104dに入力される。そして、A/Dコンバータ104dでは、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して、デジタル出力バス104eを介して画像データ(デジタルデータ)を出力する。その後、読み出し回路部104から出力された画像データは、例えば、メモリ、プロセッサ等で構成される画像処理部(不図示)で処理され、表示部110に表示されたり、ハードディスクなどの記録媒体に保存されたりする。
次に、エリアセンサ102の駆動方法について説明する。図3は、エリアセンサ102の駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。
制御部101による制御により、X線発生装置200からX線201が照射されると、エリアセンサ102の各変換素子S11〜Smnは照射されたX線201に基づく電荷を発生し各画素102aで蓄積する。更に、制御部101からのリセット信号RCにより、各アンプA1〜Anに設けられたリセットスイッチがオンして、各アンプA1〜Anの各積分容量Cf1〜Cfn及び各信号線Sig1〜Signがリセットされる。
続いて、駆動回路部103から駆動線Vg1にパルス(駆動信号)が印加され、当該駆動線Vg1に接続されている1行目のスイッチ素子T11〜T1nがオンする。これにより、1行目の変換素子S11〜S1nの電荷が、信号線Sig1〜Signを介して読み出し回路部104に電気信号として転送される。
読み出し回路部104に転送された電気信号は、各信号線Sig1〜Signに接続されたアンプA1〜Anで電圧へ変換される。続いて、制御部101からサンプルホールド信号SHが印加され、アンプA1〜Anからの出力がスイッチを介して容量CL1〜CLnにサンプルホールドされる。その後、スイッチを非導通として容量CL1〜CLnにホールドされた電圧が、制御部101からのクロックMUX_CLKに同期してアナログマルチプレクサ104aでシリアル変換され、バッファアンプ104bを介してアナログ信号としてA/Dコンバータ104bに入力される。A/Dコンバータ104bに入力されたアナログ信号は、制御部101からのクロックA/D_CLKに同期してA/D変換され、A/Dコンバータ104bの分解能に応じて画像データ(デジタルデータ)として出力される。
続いて、再び、RC信号により各アンプA1〜Anの各積分容量Cf1〜Cfn及び各信号線Sig1〜Signがリセットされる。その後、駆動回路部103から駆動線Vg2にパルス(駆動信号)が印加され、2行目の変換素子S21〜S2nの電荷が、2行目のスイッチ素子T21〜T2nを介して読み出し回路部104に読み出される。同様に、駆動回路部103から3行目以降の駆動線にパルス(駆動信号)を印加することにより、3行目以降の変換素子で発生した電荷が読み出し回路部104に電気信号として読み出される。これにより、エリアセンサ102全体の電荷、即ち1画像(1フレーム)分の画像信号が読み出し回路部104に読み出される。読み出された1画像(1フレーム分)の画像信号は読み出し回路から上記のように順次出力され、1画像(1フレーム)分の放射線画像データ(デジタルデータ)が取得される。次に、第1の実施形態に係るX線撮影システムの駆動方法について説明する。図4(A)及び図4(B)は、第1の実施形態に係るX線撮影システムの駆動方法を示すタイミングチャートである。ここで、図4(A)は、第1の実施形態に係るX線撮影システムの駆動方法の概略を示し、図4(B)は、駆動回路部103の駆動線の走査に着目した第1の実施形態に係るX線撮影システムの駆動方法の詳細を示す。
まず、図4(A)に示すタイミングチャートについて説明する。図4(A)には、上から、X線発生装置200からのX線照射、読み出し回路部104での読み出し、第1のスイッチSW1〜第3のスイッチSW3の各動作、並びに、表示部110における画像の表示の各タイミングが示されている。
図4(A)に示すX線が照射されると、制御部101は、図2及び図3で説明したように駆動回路部103を制御して、全ての駆動線Vg1〜Vgmを順次走査する。これにより、読み出し回路部104からは、被写体300の画像データを含むエリアセンサ102全体の1フレーム分の放射線画像データX1が出力される。この際、制御部101は、第3のスイッチSW3をオンにする制御を行って、この放射線画像データX1を放射線画像メモリ107に記憶する。
続いて、読み出し回路部104から放射線画像データX1が出力された後に、制御部101は、駆動回路部103を制御して、エリアセンサ102内の第1の画素群からの第1のオフセット補正用の画像データを取得する。本実施形態では、奇数行の駆動線(奇数番目の駆動線群)のみを駆動する飛び越し走査を行う。これにより、読み出し回路部104からは、第1の画素群である奇数行の複数の画素の変換素子で発生した電荷に基づく画像データが第1のオフセット補正用の画像データF1として出力される。この際、制御部101は、第1のスイッチSW1をオンにする制御を行って、この第1のオフセット補正用の画像データF1を第1のオフセット補正用の画像メモリ105に記憶する。この第1のオフセット補正用の画像データF1には、第1の画素群のオフセット出力の変動要素や、X線照射履歴による残像などの成分が含まれている。
また、第2のオフセット補正用の画像メモリ106には、第2の画素群である偶数行の駆動線(偶数番目の駆動線群)のみを駆動する飛び越し走査を行って読み出し回路部104から出力された第2のオフセット補正用の画像データF0が既に記憶されている。この第2のオフセット補正用の画像データF2は、放射線画像データX1が読み出し回路部104から出力される以前に、読み出し回路部104から出力されたものである。
そして、処理部108は、各メモリ105、106に記憶されている第1のオフセット補正用画像データF1と第2のオフセット補正用の画像データF0とを合成して、1画像分(1フレーム分)のオフセット補正用の画像データ(F0+F1)を生成する。この1画像分(1フレーム分)のオフセット補正用の画像データは、エリアセンサ102の全体に対するオフセット補正用の画像データに相当する。このオフセット補正用の画像データには、エリアセンサ102のオフセット出力の時間的変動や残像成分が含まれている。
ここで、処理部108は、第1のオフセット補正用の画像データF1と第2のオフセット補正用の画像データF0とを合成する際に、両者あるいは一方に特定の係数を掛けて当該合成を行うようにしてもよい。
その後、演算部109において、放射線画像データX1を上述したオフセット補正用の画像データ(F0+F1)を用いて演算処理(本実施形態では減算処理)し、演算処理した画像データを表示部110に表示する。
これにより、表示部110に表示される画像データは、オフセット成分が低減されたものとなり、画質の低下の無い良好な放射線画像データを得ることができる。更に、本実施形態では、放射線画像データX1の間に行われる第1のオフセット補正用の画像データは、全ての行の駆動線の走査は行わず奇数行の駆動線の飛び越し走査を行うことで取得される。つまり、エリアセンサ102内の全ての画素を駆動して読み出すのではない。エリアセンサ102内の複数の画素のうちの一部の画素である第1の画素群に含まれる画素が部分的に駆動され且つ残りの画素が駆動されずに、第1の画素群に含まれる画素から第1のオフセット補正用の画像データを取得する。又、第2のオフセット補正用の画像データも同様に、全ての行の駆動線の走査は行わず偶数行の駆動線の飛び越し走査を行うことで取得される。つまり、エリアセンサ102内の全ての画素を駆動して読み出すのではない。エリアセンサ102内の複数の画素のうちの一部の画素である第2の画素群に含まれる画素が部分的に駆動され且つ残りの画素が駆動されずに、第2の画素群に含まれる画素から第2のオフセット補正用の画像データを取得する。それにより、特開2002−301053号公報の従来例と比較して、放射線画像データX1の間に行われる第1のオフセット補正用の画像データ又は第2のオフセット補正用の画像データの取得に必要な時間は、1/2に短縮されて、駆動の高速化も実現できる。一般に、オフセット変動や残像の影響は比較的低周波で発生することが知られている。そのため、オフセット補正用の画像データの取得を複数の画素群に分けて分割して行うこと、例えば偶数行の駆動線の飛び越し走査と、奇数行の駆動線の飛び越し走査に分割して行うことは、現実的には問題とならない。
続いて、再びX線が照射されると、制御部101の制御により、図2及び図3で説明したように、改めて全ての駆動線Vg1〜Vgmが順次走査される。これにより、読み出し回路部104からは、被写体300の画像データを含むエリアセンサ102全体の1フレーム分の放射線画像データX2が出力される。この際、制御部101は、第3のスイッチSW3をオンにする制御を行って、この放射線画像データX2を放射線画像メモリ107に記憶する。
続いて、読み出し回路部104から放射線画像データX2が出力された後に、制御部101は、駆動回路部103を制御して、エリアセンサ102内の第2の画素群からの第2のオフセット補正用の画像データを取得する。本実施形態では、偶数行の駆動線のみを駆動する飛び越し走査を行う。これにより、読み出し回路部104からは、第2の画素群である偶数行の複数の画素の変換素子で発生した電荷に基づく画像データが第2のオフセット補正用の画像データF2として出力される。この際、制御部101は、第2のスイッチSW2をオンにする制御を行って、この第2のオフセット補正用の画像データF2を第2のオフセット補正用の画像メモリ106に記憶する。
そして、処理部は、各メモリ105、106に記憶されている第1のオフセット補正用の画像データF1と第2のオフセット補正用の画像データF2とを合成して、1画像分(1フレーム分)のオフセット補正用の画像データ(F1+F2)を更新する。その後、演算部109において、更新された1画像分(1フレーム分)のオフセット補正用の画像データ(F1+F2)を用いて放射線画像データX2を演算処理し、処理後の画像データをモニタなどの表示部110に表示する。
その後、同様にして、放射線画像データX3、X4及びX5の取得が行われ、当該各放射線画像データのオフセット補正が行われる。
次に、図4(B)を用いて、本実施形態で行われる駆動線の走査について、更に詳しく説明する。なお、図4(B)には、駆動回路部103における動作と、各スイッチSW1、SW2及びSW3における動作に着目しているため、読み出し回路部104の動作については省略している。
図4(B)においては、駆動回路部103に接続された駆動線がVg1〜Vg8の8本の場合について示したものであるが、これは便宜的に示したものであり、実際には8本よりもはるかに多い本数の駆動線が設けられている。
図4(B)に示すように、本実施形態においては、第2の画素群である偶数行の画素から第2のオフセット補正用画像データF0、F2、F4、・・・を取得する際には、各偶数行の駆動線のみを部分的に選択して駆動する飛び越し走査を行っている。このときの第2のオフセット補正用の画像データは、第2のスイッチSW2がオンすることにより、RAMなどで構成される第2のオフセット用画像メモリ106に記憶される。また、第1の画素群である奇数行の画素から第1のオフセット補正用の画像データF1、F3、F5、・・・を取得する際には、各奇数行の駆動線のみを部分的に選択して駆動する飛び越し走査を行っている。このときの第1のオフセット補正用の画像データは、第1のスイッチSW1がオンすることにより、RAMなどで構成させる第1のオフセット用画像メモリ105に記憶される。
上述した説明では、演算部109は、基本的にオフセット補正を行う演算処理のみを行うものであったが、当該演算部109の機能はこれに限定されるものではなく、更に感度補正等の複雑な演算処理を行うことも可能に構成されている。
本実施形態では、偶数行の駆動線の走査で得られる第2のオフセット補正用の画像データF0、F2、F4、・・・と、奇数行の駆動線の走査で得られる第1のオフセット補正用の画像データF1、F3、F5、・・・とは、厳密には蓄積時間が異なる。この場合、ダーク電流の蓄積量によるオフセット成分が異なることがある。この点を考慮して、処理部108において1画像(1フレーム)分のオフセット補正用の画像データを生成する際に、第1のオフセット補正用の画像データと第2のオフセット補正用の画像データの蓄積時間の補正を行うように処理することが好ましい。この蓄積時間を補正する処理は、放射線画像データX1の蓄積時間に合わせるように行うことが好ましい。この処理としては、例えば両者あるいは一方に特定の係数を掛けて蓄積時間の補正を行うことが考えられる。また、各駆動線間(行毎に)蓄積時間が異なる場合には、行単位で異なる蓄積時間の補正を行うように処理することが好ましい。一般に、透視撮影のように30fpsなどの高速で撮影を行う場合は、第1のオフセット補正用の画像データ又は第2のオフセット補正用の画像データの取得における蓄積時間と放射線画像データの取得における蓄積時間との差異は、問題にならないことが多い。
図5は、第1の実施形態に係るX線撮影システムの駆動方法を示すフローチャートである。この図5に示す処理は、制御部101による制御の下で行われる。
まず、ステップS101では、エリアセンサ102に放射線又はそれに基づく光が入射していない状態で画素102aに蓄積された電荷に基づく電気信号を読み出すために、第2の画素群である偶数行の駆動線のみを駆動する飛び越し走査を行う。この飛び越し走査により、読み出し回路部104から第2のオフセット補正用の画像データF0が出力され、これを第2のオフセット補正用の画像メモリ106に格納する。
続いて、ステップS102では、X線発生装置200からX線201が照射される。
続いて、ステップS103では、図2及び図3で説明したように全ての駆動線を走査して、読み出し回路部104から放射線画像データX1が出力され、これを放射線画像メモリ107に格納する。
続いて、ステップS104では、エリアセンサ102に放射線又はそれに基づく光が入射していない状態で画素102aに蓄積された電荷に基づく電気信号を読み出すために、第1の画素群である奇数行の駆動線のみを駆動する飛び越し走査を行う。この飛び越し走査により、読み出し回路部104から第1のオフセット補正用の画像データF1が出力され、これを第1のオフセット補正用の画像メモリ105に格納する。
ステップS105では、処理部にてメモリ105、106に記憶されている第1のオフセット補正用の画像データF1と第2のオフセット補正用の画像データF0とを合成して、1画像(1フレーム)分のオフセット補正用の画像データ(F0+F1)を生成する。
ステップS106では、演算部109において、放射線画像データX1から、ステップS105で生成された1フレーム分のオフセット補正用の画像データ(F0+F1)を減算する減算処理を行う。
続いて、ステップS107では、ステップS106で減算処理された放射線画像データX1を表示部110に表示する。
続いて、ステップS108では、X線発生装置200から再度、X線201が照射される。
続いて、ステップS109では、ステップS103と同様に全ての駆動線を走査して、読み出し回路部104から放射線画像データX2が出力され、これを放射線画像メモリ107に格納する。
ステップS110では、ステップS101と同様にエリアセンサ102に放射線又はそれに基づく光が入射していない状態で画素102aに蓄積された電荷に基づく電気信号を読み出すために、第2の画素群である偶数行の駆動線のみを駆動する飛び越し走査を行う。この飛び越し走査により、読み出し回路部104から第2のオフセット補正用の画像データF2が出力され、これを第2のオフセット補正用の画像メモリ106に格納する。
ステップS111では、ステップS105と同様に処理部108において、第1のオフセット補正用の画像データF1と第2のオフセット補正の画像データF2とを合成して、1フレーム分のオフセット補正用の画像データ(F1+F2)を生成する。
続いて、ステップS112では、ステップS106と同様に、演算部109において、放射線画像データX2から、ステップS111で生成された1画像(1フレーム)分のオフセット補正用の画像データ(F1+F2)を減算する減算処理を行う。
続いて、ステップS113では、ステップS112で減算処理された放射線画像データX2を表示部110に表示する。
以下、放射線画像データX3以降についても、ステップS101〜ステップS113の処理と同様の処理を適宜繰り返す。
次に、エリアセンサ102を構成する画素102aの構造について説明する。本実施形態では、エリアセンサとして、フラットパネル型のエリアセンサを用いている。図6は、第1の実施形態に係るX線撮影システムにおいて、エリアセンサ102を構成する画素102aの概略断面図である。
図6に示すように、画素102aは、ガラス基板201等の絶縁性基板上に、第1導電層202、絶縁層203、半導体層204、n型不純物半導体層205、第2導電層206が順次形成されて構成されている。更に、第2導電層206上には、p型不純物半導体層207、半導体層208、n型不純物半導体層209、第3導電層210及び保護層211が順次形成されて構成されている。更に、保護層211上には、接着層212を介して蛍光体層(波長変換体層)213が配置されている。ここで、半導体層204、n型不純物半導体層205、p型不純物半導体層207、半導体層208及びn型不純物半導体層209は、例えば、アモルファスシリコンを主材料として形成されている。また、絶縁層203は、例えば、アモルファスシリコン窒化膜で形成されている。また、保護層211はアモルファスシリコン窒化膜やアモルファスシリコン酸化膜、ポリイミドなどの有機絶縁膜で形成されている。
変換素子S11〜Smnを構成するPIN型構造の光電変換素子は、第2導電層206からなる下電極と、第3導電層210からなる上電極と、当該電極間に、p型不純物半導体層207、半導体層208及びn型不純物半導体層209を具備して構成されている。
スイッチ素子T11〜Tmnは、第1導電層202からなるゲート電極と、第2導電層206からなるソース電極又はドレイン電極と、ゲート電極とソース又はドレイン電極との間に、絶縁層203、半導体層204、n型不純物半導体層205を具備している。
また、画素102aにおける配線部は、ガラス基板201上に、絶縁層203、半導体層204、n型不純物半導体層205及び第2導電層206が順次積層されて構成されている。
図6では、X線撮影装置を構成した場合の例を示しているため、保護層211上に、接着層212を介して蛍光体層213が配設されている。一般的に、アモルファスシリコンからなる光電変換素子は、X線に対する感度がほとんどない。このため、保護層211上には接着層212を介して、X線を可視光に変換するための波長変換体である蛍光体層213が設けられている。この場合、蛍光体層213としては、例えば、ガドリニウム系、あるいはCsI(ヨウ化セシウム)を柱状に成長させてものなどが用いられる。即ち、この場合、波長変換体である蛍光体層213と光電変換素子によって、放射線を電荷(電気信号)に変換する変換素子が構成されている。
図6に示す画素では、被写体300を透過したX線201は、蛍光体層213に入射し、当該蛍光体層213において可視光に変換される。そして、変換された可視光が光電変換素子に入射する。光電変換素子の半導体層208で発生した電荷に基づく電気信号は、スイッチ素子(TFT)により、順次読み出し回路部104に転送されて読み出される。
第1の実施形態によれば、時間的変化、温度的変化、残像、欠陥画素の変化等によるオフセット成分を低減するためのオフセット補正を行うことができる。これにより、当該オフセット成分による放射線画像データの画質を低下を抑止することができる。更に、第1の実施形態によれば、被写体の1回の撮影毎に、全ての行の走査は行わず、エリアセンサ102内の第1の画素群、例えば奇数行の画素群を選択して部分的に走査する。また、第1の実施形態によれば、エリアセンサ102内の第2の画素群、例えば偶数行の画素群を選択して部分的に走査する。それにより、分割してオフセット補正用の画像データに必要な部分的なオフセット補正用の画像データを取得する。そのため被写体の1回の撮影毎に行われるオフセット補正用の画像データの取得に必要な時間は、特開2002−301053号公報に記載された従来例と比較して1/2に短縮することができる。これにより、撮影動作の高速化も実現できる。迅速な撮影を実現することが可能となる。なお、本実施形態において、第1の画素群を奇数行の複数の画素、第2の画素群を偶数行の複数の画素としたが、本発明はこれに限定されるものではない。連続した放射線画像データの取得の間に、エリアセンサ102内の複数の画素のうちの一部の画素が駆動回路部103によって部分的に駆動され且つ残りの画素が駆動されずに、一部の画素から部分的なオフセット補正用の画像データを取得するものであればよい。例えば、エリアセンサ内の複数の画素を上下2つの画素群に分け、上半分を第1の画素郡とし、下半分を第2の画素群としてもよい。また、エリアセンサ内の複数の画素を上下左右の4つの画素群に分けてもよい。ただし、画素群内の画素がエリアセンサ内の上下の領域や上下左右の領域等のまとまった領域に集中して配置されているように画素群が分けられていると、他の画素群との画像の段差が目立ってしまう。そのため、画素群は奇数行毎や偶数行毎等の画素群内の画素の配置が分散されるように分けられていることが好ましい。
また、本発明において、処理部108は第1のオフセット補正用の画像データと第2のオフセット補正用の画像データの合成を行っているが、本発明はそれに限定されるものではない。第1の部分的な補正用の画像データである第1のオフセット補正用の画像データを用いて1画像(1フレーム)分のオフセット補正用の画像データを生成するための処理を行うものであればよい。もしくは第2の部分的な補正用の画像データである第2のオフセット補正用の画像データを用いて1画像(1フレーム)分のオフセット補正用の画像データを生成するための処理を行うものであればよい。例えば、処理部108は第1または第2のオフセット補正用の画像データを補間処理して1画像(1フレーム)分のオフセット補正用の画像データを生成するものでもよい。ここで、補間処理とは、例えば第1のオフセット補正用の画像データが奇数行の画素から取得されたものである場合、2行目の画素に対応する画像データを1行目の画素に対応する画像データで置き換えるような処理を行うものである。また、1行目の画像データと3行目の画像データを加算平均して2行目の画像データとして使用するような処理を行うものである。このような補間処理が可能な処理部108を用いれば、オフセット用画像データは1つでもよく、メモリを削減することが可能となる。
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態について、図7を用いて説明する。第2の実施形態では、表示部110による画像表示のリアルタイム性を重視し、放射線画像データ及びオフセット補正用の画像データが更新されると、直ちに表示部110による画像表示の更新がなされる形態である。なお、第2の実施形態に係るX線撮影システム(放射線撮影システム)の概略構成は、図1に示す第1の実施形態に係るX線撮影システムに対して以下の変更を行うのみである。
即ち、図1に示す第2のオフセット補正用の画像メモリ106を第1のオフセット補正用の画像メモリ105に統合してオフセット補正用の画像メモリとし、図1に示す第2のスイッチSW2を削除する。この場合、オフセット補正用の画像メモリには、第1のオフセット補正用の画像データと第2のオフセット補正用の画像データの両画像データが記憶される。更に、第2の実施形態では、図1に示す第3のスイッチSW3を第2のスイッチSW2に変更する。
図7は、第2の実施形態に係るX線撮影システムの駆動方法を示すタイミングチャートである。図7には、上から、X線発生装置200からのX線照射、読み出し回路部104での読み出し、第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2の各動作、並びに、表示部110における画像の表示の各タイミングが示されている。
図7に示すX線が照射されて被写体300の撮影が行われると、制御部101は、駆動回路部103を制御して、全ての駆動線Vg1〜Vgmを順次走査する。これにより、読み出し回路部104からは、被写体300の画像データを含むエリアセンサ102全体の1フレーム分の放射線画像データX1が出力される。この際、制御部101は、第2のスイッチSW2をオンにする制御を行って、この放射線画像データX1を放射線画像メモリに記憶する。
続いて、読み出し回路部104から放射線画像データX1が出力された後に、制御部101は、駆動回路部103を制御して、エリアセンサ102内の第1の画素群からの第1のオフセット補正用の画像データを取得する。つまり、エリアセンサ102内の全ての画素を駆動して読み出すのではない。エリアセンサ102内の複数の画素のうちの一部の画素である第1の画素群に含まれる画素が部分的に駆動され且つ残りの画素が駆動されずに、第1の画素群に含まれる画素から第1のオフセット補正用の画像データを取得する。本実施形態では、奇数行の駆動線のみを駆動する飛び越し走査を行う。これにより、読み出し回路部104からは、第1の画素群である奇数行の複数の画素の変換素子で発生した電荷に基づく画像データが第1のオフセット補正用の画像データF1として出力される。この際、制御部101は、第1のスイッチSW1をオンにする制御を行って、この第1のオフセット補正用の画像データF1を本実施形態に係る上述したオフセット補正用の画像メモリに記憶する。
また、本実施形態に係るオフセット補正用の画像メモリには、第2の画素群である偶数行の駆動線のみを駆動する飛び越し走査が行われて読み出し回路部104から出力された第2のオフセット補正用の画像データF0が既に記憶されている。この第2のオフセット補正用の画像データF0は、読み出し回路部104から放射線画像データX1が出力される以前に、読み出し回路部104から出力されたものである。
そして、処理部108は、オフセット補正用の画像メモリに記憶されている第1のオフセット補正用の画像データF1と第2のオフセット補正用の画像データF0とを合成して、1画像分(1フレーム分)のオフセット補正用の画像データ(F0+F1)を生成する。ここで、第2の実施形態においては、処理部108は、読み出し回路部104から出力されたリアルタイムの第1のオフセット補正用の画像データF1を用いて、上述した1画像分(1フレーム分)のオフセット補正用の画像データ(F0+F1)を生成する。
そして、演算部109は、放射線画像データX1を、リアルタイムで処理部108において生成された1フレーム分のオフセット補正用の画像データ(F0+F1)を用いて減算などの演算処理を行い、演算処理した画像データを表示部110に表示する。
次いで、再度X線が照射されて被写体300の撮影が行われると、制御部101は、駆動回路部103を制御して、全ての駆動線Vg1〜Vgmを順次走査する。これにより、読み出し回路部104からは、被写体300の画像データを含むエリアセンサ102全体の1フレーム分の放射線画像データX2が出力される。この際、制御部101は、第2のスイッチSW2をオンにする制御を行って、この放射線画像データX2を放射線画像メモリに記憶する。
この際、演算部109は、リアルタイムで撮影されている放射線画像データX2を、オフセット補正用の画像合成部108において生成されたオフセット補正用の画像データ(F0+F1)を用いて演算処理し、演算処理した画像データを表示部110に表示する。
続いて、読み出し回路部104から放射線画像データX2が出力された後に、制御部101は、駆動回路部103を制御して、エリアセンサ102内の第2の画素群からの第2のオフセット補正用の画像データを取得する。つまり、エリアセンサ102内の全ての画素を駆動して読み出すのではない。エリアセンサ102内の複数の画素のうちの一部の画素である第2の画素群に含まれる画素が部分的に駆動され且つ残りの画素が駆動されずに、第2の画素群に含まれる画素から第2のオフセット補正用の画像データを取得する。本実施形態では、偶数行の駆動線のみを駆動する飛び越し走査を行う。これにより、読み出し回路部104からは、第2の画素群である偶数行の複数の画素の変換素子で発生した電荷に基づく画像データが第2のオフセット補正用の画像データF2として出力される。この際、制御部101は、第1のスイッチSW1をオンにする制御を行って、第2のオフセット補正用の画像データF2を本実施形態に係る上述したオフセット補正用の画像メモリに記憶する。
そして、処理部108は、オフセット補正用の画像メモリに記憶されている第1のオフセット補正用の画像データF1と第2のオフセット補正用の画像データF2とを合成して、1画像分(1フレーム分)のオフセット補正用の画像データ(F2+F1)を生成する。この際、処理部108は、読み出し回路部104から出力されたリアルタイムの第2のオフセット補正用の画像データF2を用いて、上述した1画像分(1フレーム分)のオフセット補正用の画像データ(F2+F1)を生成する。
そして、演算部109は、放射線画像データX2を、リアルタイムで処理部108において生成された1画像分(1フレーム分)のオフセット補正用の画像データ(F2+F1)を用いて演算処理し、演算処理した画像データを表示部110に表示する。
その後、放射線画像データX2におけるオフセット補正と同様に、放射線画像データX3以降のオフセット補正を行う。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態による効果に加えて、更に、図4−1に示す第1の実施形態の場合と比較してオフセット補正された放射線画像データを、よりリアルタイムで表示部110に表示することができる。
(第3の実施形態)
以下に、本発明の第3の実施形態について、図8、図9(A)及び図9(B)を用いて説明する。図8は、第3の実施形態に係るX線撮影システム(放射線撮影システム)の概略構成図である。本実施形態に係るX線撮影システムは、X線撮影装置130と、X線発生装置200とを具備して構成される。
第3の実施形態におけるX線撮影装置130は、第1の実施形態におけるX線撮影装置100と同様に、エリアセンサ102、駆動回路部103、読み出し回路部104、放射線画像メモリ107及び表示部110を具備している。
X線撮影装置130には、オフセット補正の際に用いる画素群毎の部分的なオフセット補正用の画像データを記憶するメモリとして、A系統〜D系統までの計4系統による画像メモリ133〜136が設けられている。この画像メモリ133〜136及び放射線画像メモリ107に対応して、第1のスイッチSW1〜第5のスイッチSW5からなるスイッチ群が構成されている。
また、本実施形態には、撮影条件の設定を行う撮影条件設定部132が設けられている。制御部131は、撮影条件設定部132の設定に基づいて、駆動回路部103、読み出し回路部104、第1のスイッチSW1〜第5のスイッチSW5、並びに、X線発生装置200の動作を制御する。
第3の実施形態では、制御部131の制御により、駆動回路部103は、ゲート線Vg1〜Vgmにおいて、4本周期の飛び越し走査が可能となっている。また、制御部131は、撮影条件設定部(実際には操作卓など)132で設定された撮影条件に応じて、駆動回路部103における飛び越し走査数を決定する。この際、制御部131は、撮影条件設定部132の設定によっては、飛び越し走査を行わずに順次駆動線Vg1〜Vgmの走査を行って、エリアセンサ102の全体におけるオフセット補正用の画像データを取得する場合もある。また、制御部131は、撮影条件設定部132で設定された撮影条件に応じて、X線発生装置200から放射されるX線201のパルス時間、そのエネルギー及びその強度を変更する制御を行う。
第3の実施形態では、各画像メモリ133〜136には、基本的にエリアセンサ102の4行周期の変換素子に係る画像データが記憶される。そして、オフセット用画像合成部137において、各画像メモリ133〜136に記憶されている各部分的なオフセット補正用の画像データを合成して、エリアセンサ102の全体におけるオフセット補正用の画像データが生成される。
次に、第3の実施形態に係るX線撮影システムの駆動方法について説明する。図9(A)及び図9(B)は、第3の実施形態に係るX線撮影システムの駆動方法を示すタイミングチャートである。ここで、図9(A)は、第3の実施形態に係るX線撮影システムの駆動方法の概略を示し、図9(B)は、駆動回路部103の駆動線走査に着目した第3の実施形態に係るX線撮影システムの駆動方法の詳細を示す。
図9−1及び図9−2に示す例では、被写体300の画像データを含むエリアセンサ102全体の放射線画像データは、各駆動線Vg1〜Vgmを1本ずつ全てのゲート線を駆動させて出力される。一方、画素群毎のオフセット補正用の画像データは、駆動線を1本ずつ4本周期で順次駆動させて、各画像メモリ133〜136に出力されている。
本実施形態では、更に、撮影条件設定部132で設定される撮影条件により、制御部131は、画素群毎のオフセット補正用の画像データを取得する際の飛び越し走査の駆動線の本数を変更可能な構成としてもよい。例えば、画素群毎のオフセット補正用の画像データを取得する際の飛び越し走査の駆動線本数を1本〜4本の中で選択可能な構成としてもよい。このような構成により、被写体300やエリアセンサ102の状態に合わせて、最適な撮影速度と最適な撮像画像の画質を選択することが可能となる。
なお、本実施形態では、画素群毎のオフセット補正用の画像データを取得する際に、ゲート線を1本ずつ4本周期で順次読み出すようにしているが、本発明においてはこれに限定されない。例えば、同時にk本のゲート線を走査するようにしてもよい。この場合k≧1であり、かつ、1/kが整数であることが望ましい。また、このような走査を可能とする駆動回路部103は、不図示ではあるがスタートパルスとシフトクロックと出力イネーブル信号が入力されるシフトレジスタで構成することが可能である。
第3の実施形態によれば、画素群毎のオフセット補正用の画像データを取得するためのゲート線の走査を4本周期で行っているため、第1の実施形態による効果に加えて、更に、より迅速な撮影を実現することが可能となる。この第3の実施形態は、特に、オフセット補正用の画像データの時間的変動が小さい場合や、小児のように高速での透視撮影が必要な場合において有効である。
(第4の実施形態)
以下に、本発明の第4の実施形態について、図10及び図11を用いて説明する。第4の実施形態に係るX線撮影システムの概略構成は、図1に示す第1の実施形態に係るX線撮影システムと同様であり、その詳細な説明は省略する。
図10は、第4の実施形態に係るX線撮影システム(放射線撮影システム)のエリアセンサ及び読み出し回路部の詳細な構成を示す模式図である。なお、図10に示す電源141は、例えば、制御部101に構成されているものである。
図2に示す第1の実施形態における画素102aを構成する変換素子S11〜Smnにおける光電変換素子がPIN型構造で形成されている。それに対して、図10に示す第4の実施形態における画素142aを構成する変換素子s11〜smnにおける光電変換素子がMIS型構造で形成されている。また、エリアセンサ142の各画素142aは、アモルファスシリコンを主材料として構成されている。MIS型の光電変換素子の場合には、本発明に係るオフセット補正が特に有効である。
図11は、第4の実施形態に係るX線撮影システムにおいて、エリアセンサ142を構成する画素142aの概略断面図である。
図11に示すように、画素142aは、ガラス基板401等の絶縁性基板上に、第1導電層402、絶縁層403、半導体層404、n型不純物半導体層405、第2導電層406、保護層407、接着層408及び蛍光体層409が順次形成されて構成されている。ここで、半導体層404及びn型不純物半導体層405は、例えば、アモルファスシリコンを主材料として形成されており、また、絶縁層403及び保護層407は、例えば、アモルファスシリコン窒化膜で形成されている。
MIS型構造の光電変換素子s11〜smnは、第1導電層402からなる下電極と、第2導電層406からなる上電極と、当該電極間に、絶縁層403、半導体層404及びn型不純物半導体層405を具備している。
スイッチ素子T11〜Tmnは、第1導電層402からなるゲート電極と、第2導電層406からなるソース電極及びドレイン電極と、ゲート電極とソース又はドレイン電極との間に、絶縁層403、半導体層404、n型不純物半導体層405を具備している。
また、画素142aにおける配線部は、ガラス基板401上に、絶縁層403、半導体層404、n層405及び第2導電層406が順次積層されて構成されている。
図11では、X線撮影装置を構成した場合の例を示しているため、保護層407上に、接着層408を介して蛍光体層409が配設されている。この場合、蛍光体層409としては、例えば、ガドリニウム系材料又はCsI(ヨウ化セシウム)を主材料とするものが用いられる。
第1の実施形態及び第4の実施形態では、放射線を電荷に変換する変換素子として、蛍光体などの波長変換体と光電変換素子を含む形態とし、光電変換素子としてアモルファスシリコンからなるPIN型構造及びMIS型構造のものを適用してきた。しかしながら、以下に示すような他の構成でも良い。
即ち、変換素子として、X線などの放射線を吸収して、放射線を直接電荷に変換する、いわゆる直接変換型の光電変換素子を適用することも可能である。この場合の直接変換型の光電変換素子としては、例えば、アモルファスセレン、ガリウム砒素、ガリウムリン、ヨウ化鉛、ヨウ化水銀、CdTe又はCdZnTe等を主材料とするもので構成することができる。
また、エリアセンサにおけるスイッチ素子は、アモルファスシリコン以外に、例えば、ポリシリコンや有機材料を用いて構成することも可能である。また、第1〜第4の実施形態では、駆動回路部103を結晶シリコンからなる集積回路を用いて構成することを想定しているが、例えば、駆動回路部103をアモルファスシリコン又はポリシリコンを材料とするシフトレジスタで構成してもよい。このような構成とすれば、駆動回路部103を別体に設ける必要がないため、コストダウンなどに対して効果的である。
(第5の実施形態)
以下に、本発明の第5の実施形態について、図12を用いて説明する。図12は、第5の実施形態に係るX線撮影システム(放射線撮影システム)の概略構成図である。
第1〜第4の実施形態におけるエリアセンサ102(又は142)、駆動回路部103及び読み出し回路部104は、例えば、イメージセンサ6040内部に設けられている。また、第1〜第4の実施形態における制御部101(又は131)や、各種の画像メモリ、処理部108(又は137)、演算部109(又は138)などの他の構成部は、例えば、イメージプロセッサ6070内部に設けられている。更に、イメージプロセッサ6070では、目的に応じて画像処理なども実行している。
更に、イメージプロセッサ6070は、オフセット補正を行った放射線画像データを、必要に応じて通信回線6090を介してフィルムプロセッサ6100に送信する。そして、フィルムプロセッサ6100では、当該放射線画像データをディスプレイ6081に表示したり、フィルム6110に記録したりする。また、この情報は図示されていない電話回線等の伝送手段により遠隔地へ転送できる。そのため、他のドクタールームなど別の場所のディスプレイに表示したり、光ディスク等の保存手段に保存したりすることもできる。また、遠隔地の医師が診断することも可能である。
前述した各実施形態に係る放射線撮影システムを構成する図1及び図8の各手段、並びに放射線撮影システムの駆動方法を示した図5の各ステップは、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
具体的に、前記プログラムは、例えばCD−ROMのような記憶媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。前記プログラムを記録する記憶媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、前記プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワーク(LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等)システムにおける通信媒体を用いることができる。また、この際の通信媒体としては、光ファイバ等の有線回線や無線回線などが挙げられる。
また、本発明に含まれるプログラムはコンピュータが供給されたプログラムを実行することにより各実施形態に係る放射線撮影システムの機能が実現されるだけでない。そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して各実施形態に係る放射線撮影システムの機能が実現される場合も本発明に含まれる。また、供給されたプログラムの処理の全て、或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて各実施形態に係る放射線撮影システムの機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明に含まれる。
本発明は、医療診断や非破壊検査などの放射線撮影装置、その駆動方法及び放射線撮影システムに好適に利用され得る。
第1の実施形態に係るX線撮影システム(放射線撮影システム)の概略構成図である。 第1の実施形態に係るX線撮影システム(放射線撮影システム)のエリアセンサ及び読み出し回路部の詳細な構成を示す模式図である。 エリアセンサの駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。 第1の実施形態に係るX線撮影システムの駆動方法を示すタイミングチャートである。 第1の実施形態に係るX線撮影システムの駆動方法を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係るX線撮影システムにおいて、エリアセンサを構成する画素の概略断面図である。 第2の実施形態に係るX線撮影システムの駆動方法を示すタイミングチャートである。 第3の実施形態に係るX線撮影システム(放射線撮影システム)の概略構成図である。 第3の実施形態に係るX線撮影システムの駆動方法を示すタイミングチャートである。 第4の実施形態に係るX線撮影システム(放射線撮影システム)のエリアセンサ及び読み出し回路部の詳細な構成を示す模式図である。 第4の実施形態に係るX線撮影システムにおいて、エリアセンサを構成する画素の概略断面図である。 第5の実施形態に係るX線撮影システム(放射線撮影システム)の概略構成図である。
符号の説明
100 X線撮影装置(放射線撮影装置)
101 制御部
102 エリアセンサ
103 駆動回路部
104 読み出し回路部
105 第1のオフセット補正用の画像メモリ
106 第2のオフセット補正用の画像メモリ
107 放射線画像メモリ
108 処理部
109 演算部
110 表示部
111 電源
200 X線発生装置(放射線発生装置)
SW1 第1のスイッチ
SW2 第2のスイッチ
SW3 第3のスイッチ

Claims (13)

  1. 入射した放射線を電気信号に変換するための変換素子を有する画素が2次元行列状に複数配列されたエリアセンサと、駆動線に駆動信号を印加して当該駆動線に共通に接続された複数の前記画素を駆動するための駆動回路部と、
    前記駆動回路部によって駆動された前記画素から前記電気信号を読み出して画像データとして出力するための読み出し回路部と、
    前記駆動回路部によって前記エリアセンサ内の複数の前記画素のうちの一部の画素が部分的に駆動され且つ残りの画素が駆動されずに、前記一部の画素から放射線が入射していない状態での電気信号が読み出だされて前記読み出し回路部から出力された部分的な補正用の画像データを用いて、補正用の画像データを生成するための処理を行う処理部と、
    前記駆動回路部によって駆動された前記画素から入射された放射線に基づく電気信号が読み出だされて前記読み出し回路部から出力された放射線画像データを、前記補正用の画像データを用いて演算処理する演算部と、
    を有する放射線撮影装置。
  2. 前記処理部は、前記放射線画像データが出力された後に、前記エリアセンサ内の複数の前記画素のうちの第1の画素群に含まれる画素が前記駆動回路部によって部分的に駆動され且つ前記第1の画素群に含まれない画素が駆動されずに、前記第1の画素群に含まれる画素から放射線が入射していない状態での電気信号が読み出だされて前記読み出し回路部から出力された第1の部分的な補正用の画像データと、前記放射線画像データが出力される以前に、前記エリアセンサ内の複数の前記画素のうちの前記第1の画素群と異なる第2の画素群に含まれる画素が前記駆動回路部によって部分的に駆動され且つ前記第2の画素群に含まれない画素が駆動されずに、前記第2の画素群に含まれる画素から放射線が入射していない状態での電気信号が読み出だされて前記読み出し回路部から出力された第2の部分的な補正用の画像データと、を合成して前記補正用の画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
  3. 前記第1の画素群は、前記エリアセンサ内の複数の前記画素のうち、奇数番目の前記駆動線に接続された複数の画素によって構成され、前記第2の画素群は、前記エリアセンサ内の複数の前記画素のうち、偶数番目の前記駆動線に接続された複数の画素によって構成されることを特徴とする請求項2に記載の放射線撮影装置。
  4. 前記第1の画素群は、前記駆動回路部によって飛び越し走査された奇数番目の駆動線に接続された複数の画素によって構成され、前記第2の画素群は、前記駆動回路部によって飛び越し走査された偶数番目の駆動線に接続された複数の画素によって構成されることを特徴とする請求項3に記載の放射線撮影装置。
  5. 撮影条件の設定を行う撮影条件設定手段を更に有し、前記撮影条件設定手段で設定された撮影条件に応じて、前記飛び越し走査する前記駆動線の本数を制御することを特徴とする請求項4に記載の放射線撮影装置。
  6. 前記撮影条件設定手段で設定された撮影条件に応じて、放射線のパルス時間、そのエネルギー及びその強度が変更可能に構成されていることを特徴とする請求項5に記載の放射線撮影装置。
  7. 前記処理部は、前記第1の部分的な補正用の画像データと前記第2の部分的な補正用の画像データとを合成する際に、両者あるいは一方に特定の係数を掛けて当該合成を行うことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  8. 前記演算手段は、前記演算処理として減算を行うことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  9. 前記放射線画像データが出力される毎に、前記部分的な補正用の画像データを前記読み出し回路部から出力することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  10. 前記画素は、絶縁性基板上に前記変換素子と当該変換素子の電気信号を転送するスイッチ素子とを有し、行方向に配列された複数の画素の前記スイッチ素子の制御電極は前記駆動線に共通に接続されており、列方向に配列された複数の画素の前記スイッチ素子の主電極のうちの一方の電極は信号線に共通に接続されており、前記スイッチ素子の主電極のうちの他方の電極は前記変換素子と接続されており、前記信号線は前記読み出し回路部と接続されており、前記変換素子は、アモルファスシリコンを主材料とする光電変換素子と放射線を前記光電変換素子が感知可能な光に変換する波長変換体を含む請求項1から9のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  11. 前記駆動回路部は、スタートパルス、シフトクロック及び出力イネーブル信号が入力されるシフトレジスタを有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  12. 請求項1から11に記載の放射線撮影装置と、
    放射線を発生させる放射線発生装置と、を含み
    前記エリアセンサには、前記放射線発生装置で発生した放射線が入射することを特徴とする放射線撮影システム。
  13. 入射した放射線を電気信号に変換するための変換素子を有する画素が2次元行列状に複数配列されたエリアセンサを、駆動線に駆動信号を印加して当該駆動線に共通に接続された複数の前記画素を駆動する駆動回路部によって駆動し、前記駆動回路部によって駆動された前記画素から入射された放射線に基づく電気信号が読み出だされて前記読み出し回路部から放射線画像データを出力する工程と、
    前記エリアセンサ内の複数の前記画素のうちの一部の画素が前記駆動回路部によって部分的に駆動され且つ残りの画素が駆動されずに、前記一部の画素から放射線が入射していない状態での電気信号が読み出だされて前記読み出し回路部から部分的な補正用の画像データを出力する工程と、
    前記部分的な補正用の画像データを用いて補正用の画像データを生成する工程と、
    前記放射線画像データを前記補正用の画像データを用いて演算処理する工程と、
    を有することを特徴とする放射線撮影装置の駆動方法。
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