JP2007516663A - 印刷用色変換プロファイルの生成 - Google Patents

印刷用色変換プロファイルの生成 Download PDF

Info

Publication number
JP2007516663A
JP2007516663A JP2006539127A JP2006539127A JP2007516663A JP 2007516663 A JP2007516663 A JP 2007516663A JP 2006539127 A JP2006539127 A JP 2006539127A JP 2006539127 A JP2006539127 A JP 2006539127A JP 2007516663 A JP2007516663 A JP 2007516663A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
ink
ink amount
color
amount data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006539127A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4388553B2 (ja
JP2007516663A5 (ja
Inventor
佳文 荒井
隆志 伊藤
公人 勝山
エス. バーンズ,ロイ
エイ. タプリン,ローレンス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Rochester Institute of Technology
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Rochester Institute of Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp, Rochester Institute of Technology filed Critical Seiko Epson Corp
Publication of JP2007516663A publication Critical patent/JP2007516663A/ja
Publication of JP2007516663A5 publication Critical patent/JP2007516663A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4388553B2 publication Critical patent/JP4388553B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N1/00Scanning, transmission or reproduction of documents or the like, e.g. facsimile transmission; Details thereof
    • H04N1/46Colour picture communication systems
    • H04N1/56Processing of colour picture signals
    • H04N1/60Colour correction or control
    • H04N1/603Colour correction or control controlled by characteristics of the picture signal generator or the picture reproducer
    • H04N1/6033Colour correction or control controlled by characteristics of the picture signal generator or the picture reproducer using test pattern analysis

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
  • Color Image Communication Systems (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Color, Gradation (AREA)

Abstract


【課題】
【解決手段】 分光プリンティングモデルコンバータを用いて、サンプルインク量データを、そのサンプルインク量データによって表されるインク量で印刷されるべきサンプルパッチの分光反射率に変換する。それぞれ複数のインクのインク量セットを表す複数のサンプルインク量データが準備され、各サンプルインク量データが、分光プリンティングモデルコンバータを用いて、サンプルインク量データによって表されるインク量で印刷されるべきサンプルパッチの分光反射率に変換される。各サンプルインク量データに関して評価指数が算出され、この評価指数はサンプルインク量データに従って印刷されるべきサンプルパッチの色差指数と画質指数とを含んでいる。色差指数は、分光反射率から算出されるサンプル色と比較の基礎として選択された比較色との間の色差を表す。この評価指数に基づいて、複数のサンプルインク量データが選択され、選択された複数のサンプルインク量データに基づいて、測色値とインク量データとの対応関係を規定するプロファイルが作成される。
【選択図】 図1

Description

この発明は、印刷に用いられる色変換プロファイルの生成技術に関する。
近年、カラープリンタとしてインクジェットプリンタやレーザプリンタなどが普及してきている。カラープリンタでは、入力カラー画像データを複数種類のインクの量に変換する色変換ルックアップテーブルが用いられる。従来の色変換ルックアップテーブルの作成方法では、(i) 多数のカラーパッチを印刷し、(ii) 各カラーパッチを測色して測色値を求め、(iii) 各カラーパッチの測色値と各カラーパッチの印刷に使用されたインク量との対応関係を表すルックアップテーブルを作成していた。
しかし、測色値は、測色時の観察条件(viewing condition)に依存する。従って、ある観察条件で好ましい色再現を有する印刷物が得られるように色変換ルックアップテーブルを作成したとしても、その色変換ルックアップテーブルを用いて作成された印刷物が他の観察条件では好ましい色再現を達成できない場合がある。そこで、従来から、種々の観察条件で好ましい色再現を達成できる色変換ルックアップテーブルを作成することが望まれていた。また、例えば絵画の複製を作るために、原画の色の見えをなるべく忠実に再現することのできる色変換ルックアップテーブルを作成したいという要望もあった。
さらに、色変換ルックアップテーブルを用いて作成された印刷物の画質は、当該色変換ルックアップテーブルに規定された測色値とインク量に大きく依存している。実用上は、種々の観察条件で好ましい色再現を達成すると同時に高画質の印刷物を得られるように色変換ルックアップテーブルを作成する必要がある。そこで、上述のように種々の観察条件で好ましい色再現を達成すると同時に高画質の印刷を実施可能な色変換ルックアップテーブルを作成することが望まれていた。これらの要望は、色変換ルックアップテーブルに限らず、一般に、色変換に使用される各種のプロファイルに共通する要望であった。
従って、本発明は、種々の観察条件で好ましい色再現を達成できる色変換プロファイルを作成する。本発明は、また、原画の色の見えをなるべく忠実に再現することのできる色変換プロファイルを作成する。さらに、本発明は、高画質の印刷を実施することが可能な色変換プロファイルを作成する。例えば、観察者に粒状性を感じさせにくく、滑らかに階調が変化し、階調変化のダイナミックレンジが大きな印刷物を得ることが可能な色変換プロファイルを作成する。
プリンタで使用可能な複数のインクのインク量セットを表すインク量データと、測色値との対応関係を規定するプロファイルを作成する方法は、(a)インク量データを、前記インク量データに従って印刷されるカラーパッチの分光反射率に変換するように構成された分光プリンティングモデルコンバータを準備する工程と、(b)複数のインクのインク量セットをそれぞれ表す複数のサンプルインク量データを準備する工程と、(c)前記分光プリンティングモデルコンバータを用いて、各サンプルインク量データを、前記サンプルインク量データによって表されるインク量で印刷されるべき仮想サンプルパッチの分光反射率に変換する工程と、(d)各サンプルインク量データについて評価指数を算出する工程であって、前記評価指数は、前記分光反射率から算出されるサンプル色と比較の基礎として選択された比較色との間の色差を表す色差指数と、前記サンプルインク量データに従って印刷されるべき仮想サンプルパッチの画質指数とを含む、工程と、(e)前記評価指数に基づいて、複数のサンプルインク量データを選択する工程と、(f)前記選択された複数のサンプルインク量データに基づいて、測色値とインク量データとの対応関係を規定するプロファイルを作成する工程と、を備える。
この方法によれば、適切な色差評価指数を設定することによって、種々の観察条件で好ましい色再現を達成できる色変換プロファイルや、原画の色の見えをなるべく忠実に再現することのできる色変換プロファイルを作成することができる。また、画質評価指数を算出することにより、印刷物の画質を客観的に評価することが可能になり、上述の色再現を達成すると同時に高画質の印刷を実行可能な色変換プロファイルを作成することができる。さらに、上述のステップ(f)において、格子点配置の平滑程度を示す平滑程度評価指数を定義し、高評価のサンプルを用いて色変換プロファイルを作成することにより、滑らかに階調が変化する印刷物を得ることが可能な色変換プロファイルを作成することができる。
なお、色差評価指数としては、非色恒常性指数(Color Inconstancy Index)を含むものや、メタメリズム指数(Metamerism Index)を含むものなどを利用することができる。非色恒常性指数を含む評価指数を用いたときには、種々の観察条件で好ましい色再現を達成できる色変換プロファイルを作成することができる。
また、画質評価指数としては、粒状性を評価する指数、格子点配置の平滑程度を評価する指数、色域の大きさを評価する指数、インク量を評価する指数等を採用することができる。粒状性を評価する指数を使用すれば、観察者に粒状性を感じさせにくくすることができる。粒状性指数としては、仮想的なパッチにおけるドットの記録状態をシミュレートし、シミュレート結果の空間周波数を評価する指数を含むものを利用することができる。この指数によれば、印刷物におけるドットの粒状性やノイズを定量化することが可能になり、実際の印刷を行わなくても粒状性を評価することが可能になる。さらに、ドットの記録状態をシミュレートするに際して、ドットの形状や誤差に起因する位置の変動、制御法の差異によって生じる形状,位置の変動を考慮することにより、非常に正確にドットの記録状態をシミュレートすることが可能になる。
また、平滑程度評価指数としては、サンプルの色に相当する格子点について所定の色空間内でその配置の平滑程度を評価する指数を採用可能である。このように所定の色空間内でサンプルの色に相当する格子点の配置が平滑化すれば、色変換プロファイルによる変換精度を向上し、トーンジャンプの発生を抑えることができる。すなわち、色変換プロファイルの作成時および作成後の色変換時には補間演算を使用するが、一般に、各色空間で整然と並んでいる格子点の方がその間に位置する色を補間演算によって算出する際に空間の局所的位置によって補間精度を大きく変動させることなく補間を行うことができる。従って、本発明によって格子点配置を平滑化することで、色変換プロファイルの作成時および作成後の色変換時に高精度に補間演算を実施することが可能になる。この結果、トーンジャンプの発生を抑え、滑らかに階調が変化する印刷物を得ることが可能な色変換プロファイルを作成することが可能になる。また、格子点の配置を平滑化する際に、色域の大きさを維持する束縛条件を使いながら平滑化を行うことで、大きな色域を確保することができる。この結果、豊かな階調の印刷物を得ることが可能になる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、プロファイル作成方法およびプロファイル作成装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.第1実施形態
B.第2実施形態
C.第3実施形態
D.第4実施形態
E.第5実施形態
F.分光プリンティングモデルの一例
G.変形例
A.第1実施形態:
図1は、本発明の第1実施形態としてのプロファイル作成システムの構成を示すブロック図である。このシステムは、分光プリンティングモデルコンバータ100と、評価指数生成部120と、選択部130と、プロファイル生成部140と、ガマットマッピング処理部160とを備えている。むろん、このシステム構成は一例であり、他の種々の形態を採用可能である。分光プリンティングモデルコンバータ100は、インク量データを、そのインク量データに応じて印刷されるカラーパッチの分光反射率Rsmp(λ)に変換する。なお、本明細書において「カラーパッチ」とは、有彩色のパッチに限らず、無彩色のパッチも含む広い意味を有している。この実施形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、オレンジ(O)、および、グリーン(G)の6色のインクを利用可能なカラープリンタを想定しており、分光プリンティングモデルコンバータ100もこの6種類のインクの吐出量を入力としている。一実施例では、これらの入力値はCMYKOG各色のインクの吐出量を256階調で示す階調値である。分光プリンティングモデルについては、F節で詳述する。以下では、「分光プリンティングモデル」を「フォワードモデル」とも呼ぶ。
評価指数生成部120は、サンプル色算出部122と、比較色算出部124と、評価指数算出部126とハーフトーン処理部128とを含んでいる。当該評価指数生成部120の構成は一例であり、他にも種々の構成を採用可能である。評価指数算出部126は、画質評価指数算出部1260と色差評価指数算出部1262とを含んでいる。当該評価指数生成部126の構成は一例であり、他にも種々の構成を採用可能である。サンプル色算出部122は、サンプルインク量データに対する分光反射率Rsmp(λ)を用いて、第1の観察条件における測色値CV1を算出する。本実施形態では、第1の観察条件として標準の光D50を用いる。この第1の観察条件で得られた測色値CV1で表される色を「サンプル色」とも呼ぶ。比較色算出部124は、サンプルインク量データに対する分光反射率Rsmp(λ)を用いて、第2の観察条件における測色値CV2を算出する。本実施形態では、第2の観察条件として標準の光F11を用いる。以下では、第2の観察条件で得られた測色値CV2で表される色を「比較色」とも呼ぶ。
上述の説明から理解できるように、第1実施形態において、サンプル色算出部122と比較色算出部124は、同じ分光反射率Rsmp(λ)を用いて異なる観察条件における測色値CV1,CV2をそれぞれ算出する。色差評価指数算出部1262は、これらの測色値CV1,CV2を用いて、サンプルインク量データによる出力色を異なる観察条件で観察した場合の色の色差を表す色差評価指数CDI(Color Difference Index)を算出する。
ハーフトーン処理部128は、上記分光プリンティングモデルコンバータ100に対して入力するCMYKOGの階調値を取得してハーフトーン処理を実施するモジュールである。本実施例では、各画素の色を256より少ない階調(例えば2階調)で表現したハーフトーンデータを色毎に生成する。このハーフトーン処理に際しては、所定の面積の一様な色の仮想パッチを印刷できるようなハーフトーンデータを生成する。すなわち、上記階調値の画素がドットマトリクス状に並んでいる状態を想定してハーフトーン処理を実施する。
なお、ハーフトーン処理部128においては各種アルゴリズムを採用可能であるが、本実施形態によって作成するプリンタルックアップテーブル180を使用するプリンタで採用されているアルゴリズムと同じアルゴリズムを採用する。また、ハーフトーンデータの階調は2階調に限られず、4階調など種々の階調数を採用可能である。画質評価指数算出部1260は、これら色毎のハーフトーンデータを用いて、プリンタによる実際の印刷を経ることなくドットの記録状態をシミュレートする。また、このシミュレート結果を用いて、この記録状態における印刷物の画質を評価する画質評価指数IQI(Image Quality Index)を算出する。
評価指数算出部126は、上述の色差評価指数CDIと画質評価指数IQIとを用いて、サンプルインク量データの良否を判定するための評価指数EI1を算出する。評価指数EI1の具体例については後述する。
選択部130は、良好な評価指数EI1を有するサンプルインク量データを選択する。プロファイル生成部140は、選択されたサンプルインク量データと、それらのサンプルインク量データを用いて印刷されるカラーパッチの測色値(L*a*b*値)とを用いて、インクプロファイル142を作成する。このインクプロファイル142は、測色値(L*a*b*値)とCMYKOGのインク量との対応関係を示すルックアップテーブルである。なお、「インクプロファイル」を「出力デバイスプロファイル」とも呼ぶ。本明細書において、「プロファイル」とは、色空間の変換を行うための変換規則を具現化したものを意味しており、各種のデバイスプロファイルとルックアップテーブルとを含む広い意味を有している。
ガマットマッピング処理部160は、このインクプロファイル142と、予め準備されたsRGBプロファイル162とを用いて、プリンタルックアップテーブル180を作成する。ここで、sRGBプロファイル162としては、例えばsRGB色空間をL*a*b*色空間に変換するプロファイルを使用することができる。なお、「sRGBプロファイル」を「入力デバイスプロファイル」とも呼ぶ。プリンタルックアップテーブル180は、入力カラー画像データ(例えばsRGBデータ)をインク量データに変換するためのものである。
図2は、第1実施形態の処理手順を示すフローチャートである。ステップS10では、分光プリンティングモデルを決定して、コンバータ100を作成する。一実施例では、分光プリンティングモデルとしてセル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデル(Cellular Yule-Nielsen Spectral Neugebauer Model)を使用する。その詳細についはF節で説明する。
ステップS15では、多数の仮想サンプルを設定する。ここで、「仮想サンプル」とは、プロファイルの作成処理において使用される仮のインク量データ、および、そのインク量データに応じて印刷される仮想的なカラーパッチを意味している。なお、以下では、仮想サンプルを単に「サンプル」とも呼ぶ。一実施例では、CMYKOGの各インクに関して、0〜100%の範囲で10%おきに11点のインク量をそれぞれ設定し、6種類のインクの量のすべての組合せを仮想サンプル(サンプルインク量データ)として準備した。この結果、116=1,771,561個の仮想サンプルが準備された。なお、「インク量100%」とは、1種類のインクでベタ打ちとなるインク量を意味する。
ステップS20では、分光プリンティングモデルコンバータ100を用いて各仮想サンプルのサンプルインク量データを分光反射率Rsmp(λ)に変換し、この分光反射率Rsmp(λ)からCIELAB表色系の測色値L*a*b*を算出する。一実施例では、CIE標準の光D50、および、CIE1931 2°観測者の観察条件で測色値を算出した。以下では、仮想サンプルを特定の観察条件で観察したときの色を「サンプル色」と呼ぶ。図3(A)〜3(C)は、一実施例で算出されたサンプル色の分布を示している。図3(A)の横軸はCIELAB表色系のa*軸であり、縦軸はb*軸である。図3(B),(C)の横軸はa*軸およびb*であり、縦軸はL*軸である。これから理解できるように、116個のサンプル色は、明度L*の低いところに集中しており、明度L*の高いところではまばらに分布している。サンプル色をより均一に分布させるためには、サンプルインク量を、比較的低いインク量の範囲ではより細かい間隔で設定し、比較的高いインク量の範囲ではより粗い間隔で設定するようにしてもよい。
ステップS25では、測色値の色空間(ここではCIELAB空間)を複数のセルに分割し、複数のサンプル色をセルに関してソート(分類)する。一実施例では、CIELAB空間を16×16×16個のセルに均等に分割した。なお、このとき複数のサンプルと上記コンバータ100によって変換される前の仮想サンプルとを対応づけておく。
ステップS30では、好ましいサンプルの選択に使用する評価指数EI1を設定する。第1実施形態で使用される評価指数EI1は、以下の(1)式で表される。
Figure 2007516663
ここで、CIIは非色恒常性指数(Color Inconstancy Index)、GIは粒状性指数(Graininess Index)であり、kはCIIとGIとの重み付けを行う係数である。係数kによれば、非色恒常性指数CIIと粒状性指数GIとが評価指数EI1に寄与する度合を調整することができる。むろん、上述のサンプル色毎に係数kの値を変更しても良い。なお、(1)式では、CIIが上述の色差評価指数CDIであり、GIが上述の画質評価指数IQIである。また、評価指数EI1としては、上記(1)式に限られず、他の評価指数αを加えても良い。
CIIは、例えば以下の式で表現される。
Figure 2007516663
ここで、ΔL* 、ΔC*ab 、ΔH*ab はそれぞれ、CV1とCV2についての明度差、彩度差、色相差を示している。CIIを算出する上で、CIELAB空間のCV1,CV2は図4に示す色順応変換(CAT)によって共通の観察条件下、例えば、D65光源下での値に変換される。CIIについては、Billmeyer and Saltzman's Principles of Color Technology, 3rd edition, John Wiley & Sons, Inc, 2000, p.129, p.213-215を参照。
なお、(2)式の右辺は、CIE1994年色差式において、明度と彩度の係数kL,kCの値を2に設定し、色相の係数kHの値を1に設定した色差ΔE*94(2:2)に相当する。CIE1994年色差式では、(2)式の右辺の分母の係数SL,Sc,SHは以下の(3)式で与えられる。
Figure 2007516663
なお、CIIの算出に使用する色差式としては、他の式を用いることも可能である。
CIIは、あるカラーパッチを第1と第2の異なる観察条件下で観察したときの色の見えの差として定義されている。従って、CIIが小さいサンプルは、異なる観察条件での色の見えの差が小さいという点で好ましい。
GIは、例えば以下の式で表現される。
Figure 2007516663
GIについては、例えば、Makoto Fujino,Image Quality Evaluation of Inkjet Prints, Japan Hardcopy '99, p.291-294を参照。なお、(4)式のaLは明度補正項、WS(u)は画像のウイナースペクトラム、VTFは視覚の空間周波数特性、uは空間周波数である。(4)式では一次元で示しているが、空間周波数u,vの関数として二次元画像の空間周波数を算出することは容易である。
GIは、ある印刷物を観察者が視認したときに、その観察者が感じる粒状感(あるいはノイズの程度)であり、GIが小さい程、観察者が感じる粒状感は小さくなる。むろん、GIは画像を印刷したときの粒状性を評価する指数であればよく、他の式を用いることも可能である。
図2のステップS35では、評価指数生成部120が、各サンプルに対する評価指数EI1を算出し、選択部130がこの評価指数EI1に応じてCIELAB色空間の各セル内で最良のサンプルを選択する。
図4は、ステップS35の詳細手順を示すフローチャートである。ステップS55では、あるセル内の1つのサンプルを選択する。ステップS60では、分光プリンティングモデルコンバータ100を用いて、そのサンプルの分光反射率Rsmp(λ)を算出する。次のステップS62〜S66は評価指数生成部120のサンプル色算出部122(図1)によって実行され、ステップS68〜S72は比較色算出部124によって実行される。また、ステップS75はハーフトーン処理部128によって実行される。
サンプル色算出部122は、ステップS62において、分光反射率Rsmp(λ)を用いて第1の観察条件下で三刺激値XYZを算出する。一実施例では、CIE標準の光D50、および、CIE1931 2°観測者の観察条件で三刺激値XYZを算出した。本明細書において、「観察条件」とは照明光と観測者の組合せを意味しているが、特に言及しない限り観測者としてCIE1931 2°観測者を使用する。ステップS64では、この三刺激値XYZに色順応変換を適用して、標準観察条件での対応色を算出する。一実施例では、標準観察条件の光源として標準の光D65を用い、色順応変換としてCIECAT02を利用した。CIECAT02については、例えば"The CIECAM02 Color Appearance Model", Nathan Moroney et al., IS&T/SID Tenth Color Imaging Conference, pp.23-27, および、"The performance of CIECAM02", Changjun Li et al., IS&T/SID Tenth Color Imaging Conference, pp.28-31に記載されている。但し、色順応変換としては、フォン・クリースの色順応予測式などの他の任意の色順応変換を用いることも可能である。ステップS66では、この対応色のCIELAB表色系の測色値CV1=(L*a*b*)D50→D65を算出する。この下付き文字「D50D65」は、標準の光D50の下での色の見えを、標準の光D65の対応色で表現した測色値であることを意味している。
比較色算出部124も、第2の観察条件でサンプル色算出部122と同様の演算を実行する。すなわち、ステップS68において、分光反射率Rsmp(λ)を用いて第2の観察条件下で三刺激値XYZを算出する。一実施例では、CIE標準の光F11、および、CIE1931 2°観測者の観察条件で三刺激値XYZを算出した。ステップS70では、この三刺激値XYZに色順応変換を適用して、標準観察条件での対応色を算出する。そして、ステップS72では、この対応色のCIELAB表色系の測色値CV2=(L*a*b*)F11→D65を算出する。
サンプル色の測色値CV1=(L*a*b*)D50→D65と、比較色の測色値CV2=(L*a*b*)F11→D65は、同一の標準観察条件におけるそれぞれの対応色の測色値なので、それらの色差ΔEであるCII(上記(2)式参照)は、サンプル色と比較色の色の見えの違いをかなり正確に表現する値となる。
なお、標準観察条件は、標準の光D65に限らず、任意の照明光下での観察条件を採用することができる。例えば、標準の光D50を標準観察条件として採用した場合には、図4のステップS64は不要であり、また、ステップS70では標準の光D50に対する色順応変換が実行される。但し、CIELAB表色系を用いて算出される色差ΔEは、標準の光D65を用いたときに最も信頼性の高い値を示す。この点からは、標準観察条件として標準の光D65を用いることが好ましい。
ステップS75では、上述のステップS55で選択されたサンプルのインク量データを入力とし、このインク量データの画素を複数個集めて形成される仮想パッチについて色毎にハーフトーン処理を実行する。ステップS80では、色差評価指数算出部1262(図1)が上述の測色値CV1,CV2を用い、上記(2)式に従って非色恒常性指数CIIを算出する。また、画質評価指数算出部1260が上述のハーフトーンデータを用い、図5,図10に示すフローチャートに従ってGIを算出する。そして、上記(1)式に従って評価指数EI1を算出する。
以下、GIを算出するための処理を詳説する。画質評価指数算出部1260は上記ハーフトーンデータに基づいてGIを算出するが、本実施形態においては当該ハーフトーンデータに基づいて、実際に印刷を実施することなくドットの記録状態をシミュレートすることによってGIを算出する。本実施形態ではシミュレートに必要なデータを用意し、ハーフトーンデータにおける画素より高分解能のサブ画素でサブ画素平面を形成し、当該サブ画素平面上でドットの記録状態をシミュレートする。
一実施例では、上記シミュレートに必要なデータとしてパラメータデータとドット形状データと分光反射率データとを用意する。パラメータデータは、シミュレート対象のプリンタで上述のプリンタルックアップテーブル180を利用して印刷を実施する際の条件を特定するデータである。すなわち、本実施形態によって作成されるプリンタルックアップテーブル180は、このプリンタにてこの条件で印刷を実行するときに参照されるので、図5のステップS100では、プリンタルックアップテーブル180を利用する所望の条件をパラメータデータとする。なお、ここで説明する実施例ではシミュレート対象のプリンタとして、キャリッジを主走査させ、紙送りローラによって副走査を行いながら、キャリッジに形成されたノズルからインクを吐出するプリンタを想定している。
図6はパラメータデータの例を説明する説明図である。同図においては、パラメータデータに主走査方向の解像度(X解像度)と副走査方向の解像度(Y解像度)、インクの色数,印刷媒体の種類、”サブ画素数/画素”およびノズル数が含まれている。X解像度とY解像度は解像度をdpi等の単位で指定したデータであり、同図においてはそれぞれ1440dpi,720dpiである。なお、本明細書では主走査方向をX方向とし、副走査方向をY方向として定義する。インクの色数はプリンタに搭載されるインクの色数であり、本実施形態では上述のようにCMYKOGの6色である。むろん、インクの色自体を直接的に指定しても良い。印刷媒体は写真用紙など媒体の種類を示すデータである。すなわち、シミュレートする印刷媒体によってドットの記録状態が異なるので、シミュレートに必要なパラメータを定義する際に印刷媒体を区別し、印刷媒体と各パラメータとを対応づけて定義する。むろん、複数種類の媒体の使用を想定していないのであれば、当該印刷媒体を示すデータは必須ではない。
サブ画素数/画素はハーフトーンデータにおける各画素をそれより小さなサブ画素に分割する際の分割数を示しており、図6においては各画素を縦横20個のサブ画素に分割することを示している。むろん、この分割数は利用者が印刷条件として指定しても良いし、20に限定されるわけではない。本明細書では、ハーフトーンデータにおけるドットマトリクスの各ドットを単に画素と呼び、これを分割して得られる各ドットをサブ画素と呼ぶ。ノズル数は、シミュレーション対象のプリンタに搭載されるキャリッジに形成されたノズルの副走査方向の数を示している。なお、パラメータデータには、以上の例以外にもGIを算出する際に必要な種々のデータを採用可能である。
ステップS110では、ドット形状データを決定する。ドット形状データは印刷媒体上に記録されるドットをサブ画素平面上で再現するために、ドットの形状および大きさを特定するためのパラメータであり、各パラメータはノズル毎に決定する。図7はドット形状データの例を説明する説明図である。一実施例ではドットの形状が楕円形であると予め決められており、楕円の長径および短径によってその形状および大きさを特定するようにしてある。また、図7に示す例では、インク滴がノズルから印刷媒体に達するまでにインク滴が2つに分離する場合にも対応できるように第1ドットと第2ドットの大きさおよび両者の相対距離をパラメータとして特定できるようになっている。
すなわち、第1ドットの主走査方向サイズ(X0)および副走査方向サイズ(Y0)と第2ドットの主走査方向サイズ(X1)および副走査方向サイズ(Y1)を記述可能であり、さらに、第1ドットと第2ドットとの相対距離を主走査方向の距離(X2)と副走査方向の距離(Y2)で記述可能である。また、各データは、上述のパラメータデータに示される印刷媒体についてのデータであり、各ノズル毎,インクの色毎に用意する。
図7の下部には各パラメータによって特定されるドットの形状を示している。第1ドットと第2ドットにおいては、ドット形状データによって指定される各走査方向のサイズを長径あるいは短径とした楕円を形成し、各ドットの形状とする。各ドットの相対距離は両者の中心からの距離として特定可能である。なお、ドット形状データは、シミュレーション対象のプリンタに搭載されるキャリッジに形成された各ノズルから実際にインクを吐出するとともに印刷媒体上の形状および大きさを計測することによって作成され、各パラメータの値はサブ画素単位で決められる。従って、サブ画素平面上で各走査方向のサイズを一義的に特定可能である。
図7に示す例では、Cインクについてノズル番号1にて形成される第1ドットの主走査方向サイズが46,副走査方向サイズが24である。また、第2ドットのサイズは主走査方向,副走査方向ともに”0”である。このため、相対距離も”0”である。この場合、インク滴が飛翔中に分離しないことを示しており、一回のインク滴の吐出によって第1ドットが一つ形成されることになる。
また、プリンタに備えられたキャリッジを主走査方向に移動させながらインク滴を吐出すると、インク滴は印刷媒体に対して主走査方向に相対速度を持ちながら飛翔し、印刷媒体上で主走査方向と長径とが略平行な楕円のドットを形成する。従って、ドット形状は一般的には図7の下部に示すように主走査方向が長径となった楕円であるが、むろん、長径方向が限定されることはないし、長径と短径を同じ値にすることによって円形のドットであるとしても良い。また、ドットの分離数を3以上にしても良いし、複数のサブ画素によって構成されるドット形状のパターン自体を示すデータを記録するようにしても良い。
ステップS120では、分光反射率データを決定する。分光反射率データは印刷媒体上に記録したドットの反射率を複数の光の波長に対応づけて示すデータである。図8は分光反射率データの例を説明する説明図である。分光反射率はプリンタにて使用する各色のインクおよび印刷媒体に対してインクを記録しない状態(図8におけるW)について予め決められている。例えば、図8の上部には、Cインクの分光反射率(R(λ))を示しており、このような分光反射率を予め測定し、波長380nmから780nmまで10nm間隔で反射率を特定して分光反射率データとする。また、分光反射率データも上述のパラメータデータに示される印刷媒体に対応づけられるデータである。
本実施形態においては、この印刷媒体におけるインク量制限の最大値で所定の大きさのパッチを印刷し、所定の光源下で当該パッチを測定することによって分光反射率を取得する。すなわち、このようにして得られた分光反射率が各ドットを観察したときの分光反射率であるとしている。なお、このような分光反射率の取得法は一例であり、所定のインク記録率でパッチを印刷し、印刷媒体上のドットの面積とドットが記録されていない部分の面積との比率を利用して各色の分光反射率を算出してもよく、種々の構成を採用可能である。また、本発明においては、各サブ画素毎に色彩値(本実施形態では明度)を算出することができればよく、この意味では、分光反射率を示すデータを用意することが必須というわけではない。例えば、単色での色彩値および複数色を重ね合わせたときの色彩値を示すデータを予め用意する構成を採用可能である。
ステップS100〜S120においてシミュレートに必要なデータを作成したら、ステップS125では上記ハーフトーンデータを取得し、ドットの記録状態をシミュレートするためのサブ画素平面を形成する。すなわち、上記ハーフトーンデータにおける各画素を上記パラメータデータのサブ画素数/画素で分割し、分割して得られたサブ画素によってシミュレートを行う平面を形成する。この結果、ハーフトーンデータのドットマトリクスがさらに分解能の高いドットマトリクスになる。なお、具体的な処理としては、各サブ画素について記録状態データを特定できるように配列を定義するなどして実現可能である。
図9は、本実施形態におけるシミュレーション処理を説明するための説明図である。同図において、左上にはハーフトーン処理後のハーフトーンデータを示し、同図中央にはサブ画素平面を示している。すなわち、同図中央に示すように画素より小さな矩形で形成される平面をサブ画素平面と考える。なお、図9では、サブ画素平面の左上の端を座標(0,0)とし、主走査方向の座標をx,副走査方向の座標をyとしている。サブ画素平面を形成したら、上記画質評価指数算出部1260はステップS130において上記ドット形状データを参照し、このサブ画素平面上でドット形状をシミュレートする。
すなわち、上記ハーフトーンデータにおいては各画素についてドットを形成するか否かを2階調で指定しているので、このハーフトーンデータから各画素に対応するサブ画素上にドットを形成するか否かを決定することができる。また、シミュレート対象のプリンタにおいて実施する主走査および副走査の制御法を特定すれば、上記ハーフトーンデータにおける各画素のドットを形成するノズルを特定することができる。そこで、ドット形状データを参照すれば、各画素に対応するサブ画素において形成されるドットの形状を詳細に特定することができる。むろん、上記制御法を示すデータを上述のパラメータデータとして作成しても良い。
本実施形態においては、各画素の中心を基準の位置としており、上記第1ドットの中心がこの基準の位置に相当するようにドットを配置する。この処理を全画素に対して行えば、図9にハッチをかけて示すようにサブ画素平面上にドットを形成することができる。以上のように、ドットの形状を詳細に特定しつつサブ画素平面上にドットを形成したら、上記パラメータデータに示される色数の全色についてドットを形成する処理が終了したか否か判別し(ステップS135)、全色について終了したと判別されるまでステップS125以降の処理を繰り返す。このようにして得られるデータは各色毎にドットの記録状態を示しており、ここではこのデータを記録状態データと呼ぶ。
全インク色について記録状態データを作成したら、各インク色によって形成されるドットが人間の目によってどのように視認されるのかを評価できるようにするために、上記画質評価指数算出部1260はステップS140にて各インクを重畳した状態での明度を算出する。すなわち、所定の光源を想定し、上記分光反射率データと人間の目の分光感度とから三刺激値XYZを算出し、さらにこの三刺激値XYZからL***値を算出する。
得られたL*が明度であり、サブ画素平面上の各座標について明度が特定されることになる(これをL(x,y)と表記する)。なお、各インク色毎のサブ画素平面において座標(x,y)は同じ位置に相当するので、異なるインク色のサブ画素平面で同じ座標上にドットが形成されている場合には、各色の分光反射率を互いに乗じて重畳された分光反射率として明度を算出すればよい。座標(x,y)にドットが形成されていない場合には、印刷媒体における明度(上記分光反射率データのW)がL(x,y)となる。L(x,y)が得られたら、画質評価指数算出部1260は図10に示すフローチャートに従って処理を行い、当該L(x,y)に基づいてGIを算出する。
図11はGIを算出する様子を説明する説明図である。本実施形態において、GIは画像の明度を空間周波数(cycle/mm)で評価する。このために、まず図11の左端に示す明度L(x,y)に対してFFT(Fast Fourier Transformation)を実施する(ステップS200)。図10,図11においては得られた空間周波数のスペクトルをS(u,v)として示している。なお、スペクトルS(u,v)は実部Re(u,v)と虚部Im(u,v)とからなり、S(u,v)=Re(u,v)+jIm(u,v)である。このスペクトルS(u,v)は上述のウイナースペクトラムに相当する。
ここで、(u,v)は(x,y)の逆空間の次元を持つが、本実施形態において(x,y)は座標として定義され、実際の長さの次元に対応させるには解像度等を考慮しなければならない。従って、S(u,v)を空間周波数の次元で評価する場合も次元の変換が必要である。そこで、まず、座標(u,v)に対応した空間周波数の大きさf(u,v)を算出するため、シミュレート対象となっている画像の最低周波数を算出する(ステップS205)。シミュレート対象となっている画像の最低周波数は、シミュレート対象のハーフトーンデータで印刷される印刷結果において1回振動する周波数であり、主走査方向(X方向)と副走査方向(Y方向)とのそれぞれについて定義される。
すなわち、主走査方向の最低周波数euはX解像度/(X方向の画素数×25.4),副走査方向の最低周波数evはY解像度/(Y方向の画素数×25.4)と定義される。なお、X解像度,Y解像度は上記パラメータデータによって特定されるデータである。また、ここでは1インチを25.4mmとしている。各走査方向の最低周波数eu,evが算出されれば、任意の座標(u,v)における空間周波数の大きさf(u,v)は((eu・u)2+(ev・v)2))1/2として算出することが可能になる。
一方、人間の目は、空間周波数の大きさf(u,v)に応じて明度に対する感度が異なり、当該視覚の空間周波数特性は、例えば、図11の中央下部に示すVTF(f)のような特性である。この図11におけるVTF(f)はVTF(f)=5.05×exp(−0.138・d・π・f/180)×(1−exp(−0.1・d・π・f/180))である。なお、ここでdは印刷物と目の距離でありfは上記空間周波数の大きさfである。このfは上述(u,v)の関数として表現されているので、視覚の空間周波数特性VTFは(u,v)の関数VTF(u,v)とすることができる。
上述のスペクトルS(u,v)に対してこのVTF(u,v)を乗じれば、視覚の空間周波数特性を考慮した状態でスペクトルS(u,v)を評価することができる。また、この評価を積分すればサブ画素平面全体について空間周波数を評価することができる。そこで、一実施例においては、ステップS210〜S230の処理で積分までの処理を行っており、まず、(u,v)を双方とも”0”に初期化し(ステップS210)、ある座標(u,v)での空間周波数f(u,v)を算出する(ステップS215)。また、この空間周波数fにおけるVTFを算出する(ステップS220)。
VTFが得られたら、当該VTFの2乗とスペクトルS(u,v)の2乗とを乗じ、積分結果を代入するための変数Powとの和を算出する(ステップS225)。すなわち、スペクトルS(u,v)は実部Re(u,v)と虚部Im(u,v)とを含むので、その大きさを評価するため、まず、VTFの2乗とスペクトルS(u,v)の2乗とによって積分を行う。そして、座標(u,v)の総てについて以上の処理を実施したか否かを判別し(ステップS230)、全座標(u,v)について処理を終了したと判別されなければ、未処理の座標(u,v)を抽出してステップS215以降の処理を繰り返す。なお、VTFは図11に示すように空間周波数の大きさが大きくなると急激に小さくなってほぼ”0”となるので、座標(u,v)の値域を予め所定の値以下に制限することにより必要充分な範囲で計算を行うことができる。
積分が終了したら、Pow1/2/全サブ画素数を算出する(ステップS235)。すなわち、変数Powの平方根によって上記スペクトルS(u,v)の大きさの次元に戻すとともに、全サブ画素数で除して規格化する。この規格化により、元のハーフトーンデータの画素数に依存しない客観的な指数(図10のInt)を算出している。むろん、ここでは規格化を実施できればよいので、上記ハーフトーンデータの画素数で除して規格化しても良い。また、規格化によれば、画像の大きさに関わらず粒状性を評価することができるが、上述のハーフトーンデータの画素数を常に同じ画素数として粒状性を評価するのであれば、必ずしも規格化は必要ない。
本実施形態においては、さらに、印刷物全体の明度による影響を考慮した補正を行ってGIとしている。すなわち、本実施形態においては、空間周波数のスペクトルが同じであっても印刷物全体が明るい場合と暗い場合とでは人間の目に異なった印象を与え、全体が明るい方が粒状性を感じやすいものとして補正を行う。このため、まず、全画素について明度L(x,y)を足し合わせ、全画素で除することにより、画像全体の明度の平均Aveを算出する(ステップS240)。
そして、画像全体の明るさによる補正係数a(L)をa(L)=((Ave+16)/116)0.8と定義し、この補正係数a(L)を算出(ステップS245)するとともに上記Intに乗じてGIとする(ステップS250)。なお、補正係数a(L)は、上述の明度補正項aLに相当する。また、補正係数としては、明度の平均によって係数の値が増減する関数であればよく、他にも種々の関数を採用可能である。むろん、GIを評価する成分は明度成分に限られず、色相、彩度成分を考慮して空間周波数を評価しても良いし、色彩値として、明度成分,赤−緑成分,黄−青成分を算出し、それぞれをフーリエ変換した後、各色成分毎に予め定義された視覚の空間周波数特性を乗じてGIを算出しても良い。
以上の処理によりCIIとGIとを算出すると、上記図4に示すステップS80では、上記(1)式によって評価指数EI1を算出する。ステップS85では、処理対象となっているセルに含まれるすべてのサンプル色に関して評価指数EI1の算出が終了したか否かが判断される。こうして、ステップS55〜S85が繰り返し実行されて、そのセル内のすべてのサンプル色に関して評価指数EI1が算出される。ステップS90では、選択部130が、そのセル内のサンプル色のうちで、評価指数EI1が最良であるサンプルを、そのセルに関する代表サンプルとして選択する。この結果、少なくとも1つのサンプルを含む各セルに関して、1つの代表サンプルがそれぞれ選択される。以下では、代表サンプルを「高評価サンプル」とも呼ぶ。
なお、ステップS20で分割された複数のセルの中には、サンプル色を全く含まないセルも存在する。従って、図4の処理は、少なくとも1つのサンプル色を含むようなセルを対象として実行され、サンプル色を1つも含まないセルは処理対象から除外される。以上のようにして代表サンプルを選択したら、ステップS40では、そのCIELAB測色値とインク量とを対応付けてインクプロファイル142を作成する。この測色値は、上記ステップS66あるいはS72で算出した測色値でも良いし、プリンタルックアップテーブル180を用いて印刷する印刷環境の光源に合わせた測色値を算出しても良い。
上述のようにセルは163個あるので、ステップS35で選択された代表サンプルは163個以下である。一般的プリンタで使用するプリンタルックアップテーブル180において規定するインク量のサンプル数やサンプルの色は上記代表サンプルと必ずしも一致しない。そこで、任意のインク量に対応する測色値は代表サンプルを参照して補間演算を実施する必要がある。補間演算として線形補間、非線形補間いずれを採用するにしても、代表サンプルがCIELAB空間で不規則に配置されていると、補間演算の精度が悪くなる。補間演算の精度が悪いと、プリンタルックアップテーブル180で色変換を実施する際の変換精度も悪く、このプリンタルックアップテーブル180を利用した印刷で高画質の印刷結果を得ることができない。
そこで、ステップS45においては、インクプロファイル142に対してスムージング処理を行い、高精度に補間演算を実施可能な代表サンプルを選びなおしてスムージングされたインクプロファイル144を作成する。図12は、一実施例におけるスムージング処理を説明する説明図である。この実施例では、インクプロファイル142に記述された測色値をCIELAB空間内の格子点と考え、この格子点の配置がCIELAB空間で平滑化されているか否かを評価する平滑程度評価指数SEIを定義する。
ここで、配置の平滑程度とは、空間中に複数の格子点が並んでいるときの歪みの程度である。例えば、色空間内に格子点が立方格子状に並んでいる場合には歪みがないが、各格子点が立方格子点位置からずれると格子としては歪みが大きくなる。また色空間内に格子点が均等に並んでいるほど平滑程度が高いと言えるし、色空間内で隣り合う格子点を結ぶ曲線であって当該色空間に形成される色域の一方の境界から他方の境界に向けて引かれる曲線を考えたときに、この曲線が高次関数で記述されるほど平滑程度が低いと言える。
一般に、各色空間で整然と並んでいる格子点の方がその間に位置する色を補間演算によって算出する際に空間の局所的位置によって補間精度を大きく変動させることなく補間を行うことができる。従って、スムージングによって格子点位置を最適化することで、インクプロファイルを参照して補間を実施する際の補間精度を高くすることができる。なお、スムージングによって最適化を行う格子点を最適化対象の格子点とも呼ぶ。
SEIにおいてはその値によって配置の平滑程度を示すことができれば良く、その値を理想値に近づけるようにすることによって評価を向上させる。図12に示す一実施例では、スムージング対象の測色値の格子点(最適化対象の格子点)の位置を示す位置情報を定義し、当該位置情報を変数とする関数としてSEIを定義する。また、格子点配置の平滑程度が高くなるほど値が小さくなる関数としてSEIを定義する。このような定義によれば、SEIの極小を与える測色値を探索することによって格子点配置を最適化することができる。この探索に際しては、種々の手法を採用可能である。例えば、準ニュートン法や共益勾配法等種々のアルゴリズムを採用することができる。
図13は、この実施例における処理手順を示すフローチャートである。プロファイル生成部140はスムージング処理を実施するにあたり、ステップS300で上述の位置情報を定義する。図14は、位置情報を定義する際の例を示している。インクプロファイル142においては、複数の測色値が記述されており、この測色値をCIELAB空間にプロットすると図14の右側に示すような色域を形成する。なお、測色値は離散的な値の集まりであるが、図14においてはプロットされた測色値の中で最も外側の格子点が形成する色域の外面を示している。また、各頂点WKRGBCMYはそれぞれ白、黒、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、黄を示し、無彩色W,Kではそれぞれ最高明度と最低明度の色に相当し、有彩色RGBCMYではそれぞれの色における最高彩度の色に相当する。
位置情報は、CIELAB空間の各格子点を一義的に特定するとともに、周囲の隣接格子点との相対的な位置関係を把握できるように定義する。一実施例では3つの変数(Pr,Pg,Pb)について、0≦Pr≦R方向の格子点数−1,0≦Pg≦G方向の格子点数−1,0≦Pb≦B方向の格子点数−1と定義する。ここで、R方向の格子点数とは、図14の右側に示す色域において、ブラック(K)とレッド(R)とを結ぶ稜線上に位置する格子点の数である。同様にG方向の格子点数とは、図14の右側に示す色域において、ブラック(K)とグリーン(G)とを結ぶ稜線上に位置する格子点の数であり、B方向の格子点数とは、図14の右側に示す色域において、ブラック(K)とブルー(B)とを結ぶ稜線上に位置する格子点の数である。
3つの変数(Pr,Pg,Pb)の初期値は整数とする。ここで、位置情報(Pr,Pg,Pb)を3次元直交空間にプロットすると図14の左側に示すように略立方体の格子を形成する。なお、図14の左側では直線の交点が位置情報(Pr,Pg,Pb)の初期値に相当する。また、図14に示す格子点の数は一例である。以上のように位置情報を定義した上で、上述のCIELAB空間の各格子点と対応づければ、各格子点の位置および周囲の隣接格子点との相対的な位置関係を把握することが可能になる。
そこで、図14の左側に示す略立方体の外面が図14の右側に示す色域の外面に相当すると考えて位置情報とCIELAB空間の各格子点とを対応づける。例えば、色域の外面WMBC(外面P1)は、図14の左側では位置情報Pbを最大値に固定し、位置情報Pr,Pgを任意の値として形成される外面P1’に相当する。そこで、外面P1上の頂点Bに相当する格子点と外面P1’上の頂点Bに相当する格子点(Pbが最大値,Pr=Pg=0)に対応づけるなどして、外面P1上の格子点と外面P1’上の位置情報とを対応づける。
同様に、色域の外面P1より内側に曲面P2を考え、外面P1に存在し、かつ曲面P2に近い格子点を抽出すれば、図14の左側に示す立方体内の平面P2’上の位置情報と対応づけることができる。同様の作業によって、色域内の全ての格子点と位置情報とを対応づけることができる。以上のように格子点と位置情報とを対応づけることができれば、位置情報により任意の格子点の位置を特定することができる。
例えば、隣接する2つの格子点の位置情報がそれぞれ(Pr0,0,0),(Pr1,0,0)であったとき、これらの格子点の間の任意の位置はPr0〜Pr1の間の任意の値Pr2によって(Pr2,0,0)と表現される。むろん、上述の位置情報の定義は一例であり、CIELAB空間の各格子点を一義的に特定し、周囲の隣接格子点との相対的な位置関係を把握することができれば他の手法で位置情報を決定しても良い。なお、一つの面上に存在する格子点の数は((インクプロファイル142に記述された全ての測色値の数)1/32などによって決定しても良い。
色域内の全ての格子点と位置情報とを対応づけたら、ステップS305にてSEIを定義する。図12に示す一実施例では、最適化対象の格子点からその格子点に隣接する隣接格子点へ向けたベクトルであって互いに略逆向きのベクトルの和の絶対値を含む関数でSEIを定義する。このSEIは、最適化対象の格子点が属するCIELAB空間の部位毎に異なる関数形とすることができる。一実施例では、色域の部位毎に異なる関数形とする。なお、関数のより具体的な例は後述する。
SEIを定義したら、図13のステップS310〜S350の処理によって最適化処理を行う。ステップS310では、上記インクプロファイル142に記述されたサンプルから最適化対象の格子点を一つ抽出する。初期ルーチンにおいてはインクプロファイル142に記述されたインク量データおよびこのインク量データに対応する測色値自体を最適化対象とする。ステップS315では、インクプロファイル142に記述された測色値の中から、上記最適化対象のLab格子点の周囲に存在するとともに当該格子点に隣接する格子点に相当する測色値を抽出する。なお、ここで抽出される測色値は、SEIの関数形によって異なっており、詳細は後述する。また、隣接格子点が既に最適化されている場合は、最適化後の格子点の測色値を抽出する。
ステップS320では、上記最適化対象の格子点およびその隣接格子点を利用してSEIを算出する。SEIの変数は上記位置情報である。従って、最適化対象の格子点およびその隣接格子点の位置情報によってSEIを算出することができる。また、SEIは最適化対象の格子点の配置が平滑化されるほど値が小さくなる関数であるので、最適化対象の格子点の位置情報を更新して最適化対象の格子点位置を変動させることにより最適な格子点位置を探索することができる。そこで、ステップS325では、SEIの値が所定の閾値以下になっているか否かを判別する。すなわち、SEIの値が所定の閾値以下になっているときに格子点の位置が最適化(充分に平滑化)されたと判別する。
また、ステップS325で格子点の位置が最適化されていないと判別されたときには、ステップS330にて位置情報を更新する。すなわち、最適化対象の格子点の位置情報を変数とし、準ニュートン法や共益勾配法等によってSEIを極小化する位置情報を算出してこれを新たな位置情報とする。位置情報が更新されると、ステップS335にてインクプロファイル142を参照し、当該位置情報に対応するインク量データを算出する。すなわち、更新後の位置情報から測色値を算出し、この測色値に対応するインク量データをインクプロファイル142から算出する。
このようにして、更新後の位置情報に対応する測色値およびインク量データを算出したら、上記ステップS315以降の処理を繰り返す。なお、繰り返し処理においては、ステップS330で更新した測色値と更新後の位置情報とを対応づけてステップS315以降の処理を繰り返してもよいし、図12に示すようにインク量データを上記コンバータ100に入力し、得られた結果から測色値を計算し、この測色値と更新後の位置情報とを対応づけてステップS315以降の処理を繰り返しても良い。また、ステップS330における更新においては、インクプロファイル142を参照してインク量データを算出するので、このインク量データにおいては上述のCIIおよびGIが小さいという性質を維持している。従って、更新後のインク量データで印刷を行ったとしても色の見えの差が小さく、粒状性を感じにくいという性質は維持される。
図12に示す破線の矩形は、ある関数形のSEIについて最適化処理を実施する様子を示している。左側の矩形は最適化前であり、右側の矩形は最適化後である。各矩形では、黒丸で最適化対象の格子点を示し、白丸で隣接格子点を示している。また、図に示す例では隣接格子点の測色値がそれぞれ(L***1、(L***3であり、その位置情報はそれぞれ(Pr,Pg,Pb)1,(Pr,Pg,Pb)3である。また、最適化対象の格子点の測色値が(L***2であり、その位置情報は(Pr,Pg,Pb)2である。
位置情報を利用すれば、図12示すベクトルa,ベクトルbのように、最適化対象の格子点からその格子点に隣接する隣接格子点へ向けたベクトルであって互いに略逆向きのベクトルを定義することができる。そこで、これらのベクトルの和の絶対値をSEIとする。上述のようにSEIを極小化すると位置情報が更新されて(Pr,Pg,Pb)2’となる。更新によってSEIが所定の閾値以下にならなければ(最適化されなければ)、この処理を繰り返す。すなわち、位置情報(Pr,Pg,Pb)2’に相当する測色値(L***2’を算出し、この測色値によって最適化されていなければ再演算を行う。
図12に示す例では、インクプロファイル142を参照し測色値(L***1とインク量データ(CMYKOG)1との対応関係および測色値(L***2とインク量データ(CMYKOG)2との対応関係から測色値(L***2’に対応するインク量データ(CMYKOG)2’算出する。むろん、この補間は簡略化して示しており、更新後の測色値に近い値を有する4個以上の測色値をインクプロファイル142から抽出して補間演算を実施する。インク量データ(CMYKOG)2’を算出したら、この値をコンバータ100に入力してその測色値を算出する。そして、得られた測色値によって上述の最適化処理を繰り返す。すなわち、再帰的に演算を行う。
図13に示すフローチャートのステップS325で格子点の位置が最適化されたと判別されたときには、ステップS340にて最適化されたサンプルのデータをスムージングされたインクプロファイル144に登録する。図12に示す例では、最適化されたと判断された時点での測色値(L***2’およびこの測色値に対応するインク量データ(CMYKOG)2’がインクプロファイル144に登録される。
ステップS345においては、上記インクプロファイル142に記述されたインク量データの総てについて最適化が終了したか否かを判別する。そして、ステップS345においてインク量データの総てについて最適化が終了したと判別されるまでステップS310以降の処理を繰り返す。図13のフローチャートでは、さらに、ステップS350において、予め決められた回数の補正が実行されたか否か判別する。そして、ステップS350にて所定回数の補正が実行されたと判別されるまでステップS310以降の処理を繰り返す。すなわち、所定回数の補正を実行することによって最適化処理の結果が真の解になるようにしている。
むろん、格子点の配置が色域全体に渡って充分に最適化されていればよいので、ステップS350においては総てのインク量について上記SEIの値やその平均値が所定の閾値以下になっているか否かを判別しても良い。また、SEIの値の平均値が(n−1)回目の補正とn回目の補正と略一定の場合に充分に最適化されたとしても良く種々の構成を採用可能である。以上のようにして充分に格子点配置が平滑化された後には、上記インクプロファイル144に記述した測色値についてのスムージングが完了している。
次に、ステップS315〜S335におけるSEIによる最適化処理の具体的な例について詳述する。図15は、インクプロファイル142に記述された測色値が形成する色域(ガマット)の模式図である。色域は同図に示すようにCIELAB空間中でいびつな形をしている。この色域はいびつな形であるが、その色域境界は上述の位置情報(Pr,Pg,Pb)が形成する立方体の境界と容易に対応づけることができる。すなわち、当該立方体の境界は立方体の外郭を形成する12本の稜線(エッジライン)および6個の外面であるが、図15に示す色域においてもその境界は12本の稜線および6個の外面にて構成される。より具体的には、位置情報(0,0,0)からPb軸上の稜線に沿ってPb成分のみを0より大きな可変値としてPr,Pg成分を最小値に固定したとき、この位置情報に対応する格子点は図15にてGs1と示した稜線上にある。
同様に、位置情報が形成する立方体で一番上の面においてその頂点の色はそれぞれBWCMである。この面上の位置情報はPb成分のみを最大値に固定し、他の成分を任意に変化させることによって表現することができ、この面上の色は図15に示す色域ではGs2と示した面上にある。従って、上記位置情報のいずれか1つでも最大値あるいは最小値であればその色は色域境界上にあるといえる。この色域境界上の色について上記最適化の際にCIELAB空間内を自由に移動可能であるとすれば、充分に大きな色域の大きさを確保できなくなるおそれがある。そこで、本実施形態においては色域の大きさを維持するために、色域境界に形成される12本の稜線と6個の外面と色域内部とで関数形が異なるSEIを取得する。
図16は、CIELAB空間中で色域境界に形成される稜線上の格子点を最適化するためのSEI(SI1)を説明する説明図である。同図において破線で示す曲線は色域境界に形成される稜線を示している。また、最適化対象の格子点は黒丸で示し、その周囲の格子点は白丸で示している。色域の大きさを維持するためには黒丸で示す最適化対象の格子点が破線で示す稜線上に存在する必要がある。そこで、本実施形態ではステップS310にて最適化対象として図16に示すように破線の稜線上に存在する格子点を抽出したときに、ステップS315では、当該最適化対象の格子点に隣接しかつ破線で示す稜線上に存在する格子点を抽出する。
同図においては、最適化対象の格子点をベクトルLpとして示しており、隣接格子点として抽出される格子点をベクトルLa1,ベクトルLa2として示している。ここで、ベクトルLpは以下に示す式(5)によって算出され、上記位置情報(Pr,Pg,Pb)を変数として表現される。
Figure 2007516663
また、同式内のfは位置情報(Pr,Pg,Pb)から、ベクトルLpを求める関数であり、位置情報(Pr,Pg,Pb)に対応する測色値を算出する際の式を関数fとしている。すなわち、最適化対象の格子点を示す位置情報を変数とし、隣接する格子点の位置情報を固定する。固定した位置情報に対応する格子点の測色値は既知であるので、当該固定した位置情報と変数の位置情報との相対関係から変数の位置情報に相当する測色値を補間することができる。この関係を示した関数がfである。
SEIはこのベクトルLpおよびベクトルLa1,ベクトルLa2を利用し、以下に示す式(6)によって算出する。
Figure 2007516663
すなわち、最適化対象の格子点とその両側で隣接する格子点との距離がそれぞれ等しく、向きが正反対であるときに値が最小になり、これらの距離で差異が大きく、向きが正反対からずれるほど関数の値が大きくなるようにしてある。
格子点が均等に配置されると格子点配置が平滑化される傾向にあるので、式(6)に示すSI1を極小化することによって図16の右側に示すようにベクトルLpの格子点位置を最適化したベクトルL'pを取得することができる。また、ベクトルLp,ベクトルLa1,ベクトルLa2は位置情報(Pr,Pg,Pb)によって表現されるが、SI1においてはベクトルLa1,ベクトルLa2を与える位置情報は固定であり、ベクトルLpを与える位置情報(Pr,Pg,Pb)であって、そのうちいずれか一つのみを可変にするとともに他の二つを最小値あるいは最大値に固定している。例えば、図16に示す破線の稜線上の色はBとKの間に存在し、この色に相当する格子点を特定する位置情報Pr,Pgは最小値であるとともに位置情報Pbは任意の値である。そこで、CIELAB空間内の格子点をこの稜線上で移動させるためには、位置情報Pr,Pgを最小値に固定し、Pbを可変にすればよい。
色域境界の他の稜線についても同様であり、最適化対象の格子点が色域境界上でKからRの稜線上に存在するときには、位置情報Pg,Pbを最小値に固定し、Prを可変にする。最適化対象の格子点が色域境界上でKからGの稜線上に存在するときには、位置情報Pr,Pbを最小値に固定し、Pgを可変にする。さらに、最適化対象の格子点が色域境界上でWからCの稜線上に存在するときには位置情報Pg,Pbを最大値に固定してPrを可変とし、最適化対象の格子点が色域境界上でWからMの稜線上に存在するときには位置情報Pr,Pbを最大値に固定してPgを可変とし、最適化対象の格子点が色域境界上でWからYの稜線上に存在するときには位置情報Pr,Pgを最大値に固定してPbを可変にする。
さらに、最適化対象の格子点が色域境界上でMからRの稜線上に存在するときには位置情報Prを最大値,Pgを最小値に固定してPbを可変とし、最適化対象の格子点が色域境界上でMからBの稜線上に存在するときには位置情報Pbを最大値,Pgを最小値に固定してPrを可変とし、最適化対象の格子点が色域境界上でCからGの稜線上に存在するときには位置情報Pgを最大値,Prを最小値に固定してPbを可変とし、最適化対象の格子点が色域境界上でCからBの稜線上に存在するときには位置情報Pbを最大値,Prを最小値に固定してPgを可変とする。
最適化対象の格子点が色域境界上でYからRの稜線上に存在するときには位置情報Prを最大値,Pbを最小値に固定してPgを可変とし、最適化対象の格子点が色域境界上でYからGの稜線上に存在するときには位置情報Pgを最大値,Pbを最小値に固定してPrを可変とする。以上のように、最適化対象の格子点の位置によって変動させる位置情報を適宜変化させてSEIを極小化すると、その時点でのSI1を極小化させる位置情報が算出され、この処理を繰り返すことによって格子点位置を最適化したベクトルL'pを取得することができる。
図17は、CIELAB空間中で色域の境界に形成される外面上の格子点を最適化するためのSEI(SI1)を説明する説明図である。同図において破線は格子点同士を結ぶ直線である。これらの格子点は色域境界の外面上に存在するので、紙面奥側あるいは手前側の一方のみに他の格子点が存在することになる。また、最適化対象の格子点は黒丸で示し、その周囲の格子点は白丸で示している。色域の大きさを維持するためには白丸および黒丸で示す格子点が存在する外面に対して最適化対象の格子点が垂直方向に大きく動くことは許されない。そこで、本実施形態ではステップS310で最適化対象として図17に黒丸で示す色域境界の外面上に存在する格子点を抽出したときに、ステップS315では当該最適化対象の格子点に対して4方で隣接しかつ色域境界の外面上に存在する4個の格子点を抽出する。
同図においても最適化対象の格子点をベクトルLpとして示しており、隣接格子点として抽出される格子点をベクトルLa1〜ベクトルLa4として示している。ここで、ベクトルLpは上記式(5)によって算出され、上記位置情報(Pr,Pg,Pb)を変数として表現される。色域境界の外面上に存在する格子点を最適化するためのSEIは、ベクトルLpおよびベクトルLa1〜ベクトルLa4を利用し、以下に示す式(7)で表現される。
Figure 2007516663
すなわち、最適化対象の格子点から互いに逆向きのベクトルの距離が等しく、方向が正反対に近いほどSEIの値が小さくなるようにしてある。
隣接する格子点を結ぶ線(図17ではベクトルLa1〜ベクトルLp〜ベクトルLa2が示す格子点を通る線等)が直線に近く、また格子点が均等に配置されるほど格子点配置が平滑化される傾向にあるので、式(7)に示すSI2を極小化することによって図17の右側に示すようにベクトルLpの格子点位置を最適化したベクトルL'pを取得することができる。
また、ベクトルLp,ベクトルLa1〜ベクトルLa4は位置情報(Pr,Pg,Pb)によって表現されるが、SI2においてはベクトルLpを与える位置情報(Pr,Pg,Pb)であって、そのうちいずれか二つのみを可変にするとともに他の一つを最小値あるいは最大値に固定している。例えば、図15に斜線で示す色域境界の外面WMBC上の色に相当する格子点の位置情報Pbは最大値であるとともに位置情報Pr,Pgは任意の値である。そこで、CIELAB空間内の格子点を外面WMBC上で移動させるためには、位置情報Pbを最大値に固定し、Pr,Pgを可変にすればよい。
色域境界の他の外面についても同様であり、色域境界の外面MRKB上で格子点を移動させるためには、位置情報Pgを最小値に固定し、Pr,Pbを可変にすればよい。色域境界の外面RYGK上で格子点を移動させるためには、位置情報Pbを最小値に固定し、Pr,Pgを可変にすればよい。
さらに、色域境界の外面YWCG上で格子点を移動させるためには、位置情報Pgを最大値に固定し、Pr,Pbを可変にすればよい。色域境界の外面WYRM上で格子点を移動させるためには、位置情報Prを最大値に固定し、Pg,Pbを可変にすればよい。色域境界の外面CGKB上で格子点を移動させるためには、位置情報Prを最小値に固定し、Pg,Pbを可変にすればよい。以上のように、最適化対象の格子点の位置によって変動させる位置情報を選択してSI2を極小化すると、その時点でのSEIを極小化させる位置情報が算出され、この処理を繰り返すことによって格子点位置を最適化したベクトルL'pを取得することができる。
図18は、CIELAB空間中で色域境界以外の内部に存在する格子点を最適化するためのSEI(SI3)を説明する説明図である。同図における破線は色域を2方向に切断した場合に形成される面上に存在する複数個の格子点同士を結ぶ直線である。また、最適化対象の格子点は黒丸で示し、その周囲の格子点は白丸で示している。本実施形態にて色域内部の格子点については色域の大きさを維持するための条件を課することなく自由に移動させる。そこで、本実施形態ではステップS310にて最適化対象として図18に黒丸で示す色域の内部に存在する格子点を抽出したときに、ステップS315では、当該最適化対象の格子点に対して6方で隣接する6個の格子点を抽出する。
同図においても最適化対象の格子点をベクトルLpとして示しており、隣接格子点として抽出される格子点をベクトルLa1〜ベクトルLa6として示している。ここで、ベクトルLpは上記式(5)によって算出され、上記位置情報(Pr,Pg,Pb)を変数として表現される。色域の内部に存在する格子点を最適化するためのSEIは、ベクトルLpおよびベクトルLa1〜ベクトルLa6を利用し、以下に示す式(8)で表現される。
Figure 2007516663
すなわち、ここでも最適化対象の格子点から互いに逆向きのベクトルの距離が等しく、方向が正反対に近いほどSEIの値が小さくなるようにしてある。
隣接する格子点を結ぶ線(図18ではベクトルLa1〜ベクトルLp〜ベクトルLa2が示す格子点を通る線等)が直線に近く、また格子点が均等に配置されるほど格子点配置が平滑化される傾向にあるので、式(8)に示すSI3を極小化することによって図18の右側に示すようにベクトルLpの格子点位置を最適化したベクトルL'pを取得することができる。
また、ベクトルLp,ベクトルLa1〜ベクトルLa6は位置情報(Pr,Pg,Pb)によって表現され、SI3においてはベクトルLpを与える位置情報(Pr,Pg,Pb)の総てを可変にしている。以上のように、位置情報を変動させてSI3を極小化すると、その時点でのSEIを極小化させる位置情報が算出され、この処理を繰り返すことによって格子点位置を最適化したベクトルL'pを取得することができる。
以上の処理によりプロファイル生成部140がスムージングされたインクプロファイル144を作成すると、上述のプリンタルックアップテーブル180を作成する際の補間処理を容易にするために等間隔のルックアップテーブルを作成する。すなわち、スムージングされたインクプロファイル144では、Lab格子点配置が平滑化されているものの、格子点同士の間隔が必ずしも等間隔ではない。格子点同士の間隔が等間隔でない場合、プリンタルックアップテーブル180を作成する際に任意の補間点を補間するための格子点を探索しづらい。また、補間演算の処理自体も煩雑になる。
そこで、本実施形態では、スムージングされたインクプロファイル144について補間演算を行って格子点間隔を等間隔にする。図19(A)〜図19(C)は、不等間隔補間を実施する際の例を説明する説明図である。図19(A)はCIELAB空間を示しており、図中の丸はスムージング後の格子点の位置を示し、網模様は細かなセルのグリッドを示している。このような補間によれば、等間隔のLab格子点に対応するインク量を算出することができる。図19(B)および図19(C)は、L*=23.8での補間前と補間後のLab格子点の例をそれぞれ示している。この不等間隔補間は、例えばMATLAB(MathWorks, Inc.の商標)のgriddata関数を用いて実行することができる。なお、不等間隔補間としては、非線形補間を用いても良く、あるいは線形補間を用いても良い。通常は、非線形補間の方が線形補間よりも精度が高く、処理速度は遅い傾向にある。
以上のように、等間隔のLab格子とインク量との対応関係を規定した等間隔プロファイルを作成したら、図2に示すステップS50では、ガマットマッピング処理部160(図1)が、上述の等間隔プロファイルとsRGBプロファイル162とに基づいてガマットマッピングを行い、プリンタルックアップテーブル180を作成する。ガマットマッピングを行う理由は、プリンタで実現可能な色空間(「インク色空間」とも呼ぶ)の色域と、入力色空間(この実施形態ではsRGB空間)で実現可能な色域とに差があるためである。インク色空間の色域は上述の等間隔プロファイルで規定されており、入力色空間の色域はsRGBプロファイル162で規定されている。一般に、入力色空間とインク色空間には食い違いがあるので、入力色空間の色域をインク色空間の色域にマッピングする必要がある。
図20(A)および図20(B)は、ガマットマッピングの一例を示している。ここでは、いわゆるガマットクリッピングと呼ばれる方法が採用されている。具体的には、図20(A)に示すように、インク色空間の色域の外側にあるsRGB色空間の色は、色相を保った状態で彩度を低下させるようにマッピングされる。明度L*に関しては、インク色空間の明度範囲内にある色は、明度がそのまま維持される。インク色空間の明度の最大値Lmaxよりも大きな明度を有する色は、最大値Lmaxにマッピングされる。一方、インク色空間の明度の最小値Lminよりも大きな明度を有する色は、最小値Lminにマッピングされる。なお、ガマットマッピングの方法としては、従来から種々の方法が知られており、そのいずれの方法を採用してもよい。
こうしてガマットマッピングが行われると、最終的なプリンタルックアップテーブル180が完成する。このルックアップテーブル180は、sRGBデータを入力とし、6種類のインクのインク量を出力とするルックアップテーブルである。このプリンタルックアップテーブル180をプリンタに実装すれば、色彩恒常性が高い(すなわち、異なる観察条件における色の見えの変化が小さな)印刷物を作成することが可能である。また、印刷物によって人間が感じる粒状性を抑えることが可能である。さらに、上述のスムージングの結果、トーンジャンプのない高画質な印刷物を得ることが可能である。
なお、以上の実施形態では、sRGBとCMYKOGとの対応関係を規定するプリンタルックアップテーブル180を作成したが、むろん、プロファイルとしては他の形態を採用することも可能である。例えば、入力側の機器依存色を機器非依存色に変換するソースプロファイルと機器非依存色を出力側の機器依存色に変換するメディアプロファイルとを利用して色変換を行う構成において、メディアプロファイルの作成に本発明を適用することも可能である。この場合、スムージングされたインクプロファイル144から格子点を等間隔化し、これをLab空間でガマットマッピングすることによってメディアプロファイルを作成する。すなわち、スムージングされたインクプロファイル144から格子点を等間隔化したプロファイルが作成されるとプリンタのガマットが確定されるので、このガマット外に存在するCIELAB空間の格子点をガマット表面あるいはガマット内の格子点に対応づける。この結果作成されるプロファイルによれば、上記ソースファイルから得られる任意のCIELAB値をCMYKOG値に変換することが可能になる。
B.第2実施形態:
図21は、本発明の第2実施形態としてのシステム構成を示すブロック図である。図1に示した第1実施形態のシステムとの大きな違いは、参照カラーパッチ102を用いる点と、評価指数EIとして非色恒常性指数(CII)の代わりにメタメリズム指数(後述する)を含む指数を使用する点である。
図22は、第2実施形態の処理手順を示すフローチャートである。ステップS400では、分光プリンティングモデルを決定してコンバータ100を作成する。このステップは、図2のステップS10と同じである。ステップS405では、複数の比較色を準備する。図21の例では、複数の比較色を与えるための原画として参照カラーパッチ102を準備し、これらの参照カラーパッチ102の分光反射率Rref(λ)を図示しない分光反射率計で測定する。なお、参照カラーパッチ102は、複数のカラーパッチを含んでいるオリジナルカラーパッチである。参照カラーパッチ102の代わりに、例えば絵画から複数の比較色を取得するようにしてもよい。なお、参照カラーパッチ102や絵画から得られる色を「参照色」とも呼ぶ。ステップS410では、比較色算出部124aが、参照色(比較色)の分光反射率Rref(λ)を用いて、複数の観察条件における測色値CV2をそれぞれ算出する。本実施形態では、複数の観察条件として3種類の標準の光D50,F11,Aを用いる。
ステップS415では、各比較色に対して、その比較色と条件等色度が高いと期待される複数の仮想サンプル(サンプルインク量データ)を準備する。ここで条件等色度とは、一対の物体色(サンプル色と比較色)を複数の照明光下で観察したときの条件等色の安定性(いわゆる照明光条件等色度)を意味している。ステップS420では、これらの仮想サンプルに対する測色値CV1を算出する。具体的には、第1実施形態と同様に、各仮想サンプルのインク量データを分光プリンティングモデルコンバータ100で分光反射率Rsmp(λ)に変換し、この分光反射率Rsmp(λ)を用いて、比較色対して用いたのと同じ複数の観察条件における測色値CV1をそれぞれ算出する。
ステップS425では、次の(9)式で表される評価指数EI2を設定する。
Figure 2007516663
ここで、演算子aveは括弧内の平均を取る演算を意味しており、MIiはi番目の観察条件下(すなわちi番目の照明光下)におけるメタメリズム指数、kは係数である。係数kによれば、メタメリズム指数MIと粒状性指数GIとが評価指数EI2に寄与する度合を調整することができる。むろん、上述のサンプル色毎に係数kの値を変更しても良い。なお、(9)式では、MIが上述の色差評価指数CDIであり、GIが上述の画質評価指数IQIである。また、評価指数EI2としては、上記(9)式に限られず、他の評価指数αを加えても良い。
MIiは、例えば以下の(10)式で表現される。
Figure 2007516663
このメタメリズム指数MIiは、i番目の照明光下におけるサンプル色と比較色の色差である。ΔL* ,ΔC*ab ,およびΔH*ab は、それぞれ、i番目の照明光かにおけるサンプル色と比較色の明度差、彩度差、色相差である。従って、上記(9)式の右辺第1項は、照明光条件等色度を表す指数であることが理解できる。メタメリズム指数については、Billmeyer and Saltzman's Principles of Color Technology, 3rd edition, John Wiley & Sons, Inc, 2000, p.127, p.211-213を参照。
上述した(2)式と(10)式とを比較すれば理解できるように、MIを与える式としては、CIIを与える式と同じ色差式を用いることができる。MIとCIIとの違いは、前者は2つの物体色を同一の観察条件下で観察したときの色の差であり、後者は1つの物体色を異なる観察条件下で観察したときの色の差である点である。なお、MIの算出に使用する色差式として(10)式以外の式を用いることも可能である。
ステップS340では、評価指数生成部120aが、各サンプルに対する評価指数EI2を算出する。GIの算出法は上記図5,図10に示す方法と同じである。評価指数EI2を算出すると、選択部130がこの評価指数EI2に応じて各参照色に対する最良のサンプルを選択する。ステップS435では、各参照色に対して選択されたサンプルを用いて、スムージングされたインクプロファイル144およびプリンタルックアップテーブル180が生成される。このステップS435は、図2のステップS40〜S50とほぼ同じ処理である。なお、絵画を忠実に再現するためのルックアップテーブとして、例えば絵画の色の色番号を入力とし、インク量を出力とするテーブルを作成してもよい。この場合には、ステップS45のスムージング処理やステップS50のガマットマッピングは省略可能である。
このように、第2実施形態では、メタメリズム指数MIを含む評価指数EI2を用いて、サンプルインク量データの中から高い評価値を有するものを選択し、選択されたサンプルインク量データに基づいてインクプロファイルを作成する。この結果、種々の異なる観察条件下において参照色との色差が小さな色を有する印刷物を作成可能な色変換プロファイルを作成することができる。また、評価指数にGIが含まれているので、印刷物によって人間が感じる粒状性を抑えることが可能である。さらに、上述のスムージングの結果、トーンジャンプのない高画質な印刷物を得ることが可能である。この第2実施形態は、特に、原画を忠実に再現するための色変換プロファイルの作成に有用である。
また、第1実施形態で用いた非色恒常性指数CIIは異なる観察条件下での色差を表しており、第2実施形態で用いたメタメリズム指数MIも色差を表している。従って、第1および第2実施形態で用いた評価指数EIの第1項は、いずれも2つの色の色差を表す指数を含んでいることが理解できる。
C.第3実施形態:
図23は、本発明の第3実施形態としてのシステム構成を示すブロック図である。図1に示した第1実施形態のシステムとの大きな違いは、選択部130aが基準判定部200を含む点と、サンプルデータ修正部210が追加されている点である。この第3実施形態では、あるサンプルが所定の評価基準を満たさない場合には、サンプルデータ修正部210がそのサンプルインク色データを修正し、修正されたサンプルインク色データに対する評価指数EIの算出が再度実行される。そして、評価基準を満足したサンプルを利用して、色変換プロファイルが作成される。
図24は、第3実施形態の処理手順を示すフローチャートである。ステップS500では、分光プリンティングモデルを作成する。このステップS500は、図2のステップS10と同じものである。ステップS505では、CIELAB空間を複数のセルに分割する。ここでは、第1実施形態のステップS25で使用されたものと同じ16×16×16個のセル分割を利用できる。
ステップS510では、サンプルの良否を決定するための評価指数EIを設定する。第3実施形態では、第1実施形態の評価指数EI1=f(CII,GI)を利用する。この代わりに、第2実施形態の評価指数EI2=f(MI,GI)を用いることも可能である。
ステップS515〜S530は、各セル毎に1つの代表サンプルを選択するための再帰的ルーチンである。ステップS515では、CIELAB空間内の1つのセルを処理対象(対象セル)として選択し、その対象セルにおける初期サンプルインク量データを設定する。この初期サンプルインク量データは、そのインク量データに応じて印刷されるサンプル色の測色値(L*a*b*値)が、対象セル内に存在するものである。サンプル色の測色値は、第1の観察条件(例えば標準の光D50およびCIE1931 2°観測者)で算出される。設定された初期サンプルインク量データの測色値が対象セル内に入っていない場合には、対象セル内の測色値が得られるまで初期線プルインク量データが修正される。
なお、セルによっては、セル内の測色値を与えるようなインク量データが存在しない場合がある。例えば、高明度または低明度で彩度が高いセルの色は再現できない。このような場合には、そのセルは、処理の対象外としてその後の処理から除外される。
ステップS520では、評価指数算出部120が、初期サンプルインク量データの評価指数EIを算出する。この評価指数EIは、例えば上記(2)式に従って算出される。ステップS520では、基準判断部200が、評価指数EIが予め設定された評価基準を満足するか否かを判断する。評価基準としては、例えば、以下の(11)式を用いることができる。
Figure 2007516663
ここで、δは評価指数EIの許容上限値である。
上記(11)式を用いる場合には、評価指数EIが許容上限値δ以下の場合に基準を満足するものと判定される。なお、1つの評価指数EIを使用する代わりに、1つのサンプルインク量データに関して複数種類の異なる評価指数を算出し、各評価指数がそれぞれの評価基準をすべて満足する場合に、そのサンプルインク量データが基準を満足すると判断するようにしてもよい。
初期サンプルインク量データが評価基準を満足しない場合には、ステップS530においてサンプルデータ修正部210が初期サンプルインク量データを修正する。このとき、修正後のサンプルインク量データに関しては、以下のようないくつかの制限条件を付けることが好ましい。
(制限条件1):修正後のサンプルインク量データで与えられる測色値が、対象セル内にある。
(制限条件2):修正後のサンプルインク量データで表されるインク量が、インクデューティ制限値を満足する。
制限条件1は、対象セルに対する代表サンプルを求めるために必要な条件である。制限条件2は、修正後のサンプルインク量データが、現実の印刷に使用できるインク量を表すことを保証するための条件である。なお、インクデューディ制限値とは、印刷媒体上の単位面積当たりに吐出可能なインク量であり、インクの滲みを考慮して印刷媒体の種類毎に予め設定される。通常のインクデューティ制限値は、各インクのインク量の最大値と、全インクの合計インク量の最大値とを含んでいる。なお、上記制限条件1,2以外の制限条件を追加するようにしてもよい。
こうしてサンプルインク量データが修正されると、修正されたサンプルインク量データを用いて上述したステップS520,S525の処理が再度実行される。こうして、ステップS520〜S530の処理が再帰的に実行され、評価基準を満たすサンプルが、その対象セルに対する代表サンプルとして選択される。なお、ある対象セルに関する再帰的処理を所定回行っても評価基準を満足するサンプルが得られない場合も考えられる。この場合には、その対象セルに関してそれまで調べられた複数のサンプルの中で、最も評価基準に近いサンプル(最も評価指数の良いサンプル)を代表サンプルとして選択してもよい。あるいは、その対象セルに関しては代表サンプルを選択しないものとしてもよい。
ステップS535では、すべてのセルに関する処理が完了したか否かが判断され、完了していなければステップS515に戻り、次のセルに関する処理を開始する。こうして、すべてのセルに関して処理が終了すると、ステップS540において、選択された代表サンプルを用いてスムージングされたインクプロファイル144およびプリンタルックアップテーブル180が作成される。このステップS540の処理は、図2のステップS40〜S50と同じものである。
このように、第3実施形態では、所定の測色値の色空間(上記の例ではCIELAB色空間)を複数のセルに分割し、所定の評価基準を満足する代表サンプルを各セル毎に再帰的に追求し、これらの代表サンプルを用いてプロファイルやルックアップテーブルを作成する。従って、第1実施形態に比べて、1つもサンプルを含まないセルの数を低減することができる。この結果、より広い色域を有するプリンタルックアップテーブル180を得ることができる。また、色再現特性の点でもより優れたプリンタルックアップテーブル180を得ることが可能である。
D.第4実施形態:
上述のように、評価指数は色差評価指数CDIと画質評価指数IQIのみならず、他の評価指数を加えても良い。例えば、以下の(12)式のようにインク量を評価する評価指数を加えても良い。
Figure 2007516663
ここで、k1〜k3はCIIとGIとTink の評価指数に対する寄与の大きさを調整するための係数である。また、Tinkは、そのサンプルで使用されるインク量の合計値である。例えば、6種類のインクのインク量がすべて20%のときには、Tinkの値は120%=1.2になる。合計インク量Tinkは画質とかなりの相関があり、合計インク量Tinkが少ないほど画質が良い可能性がある。従って、(12)式は、CII,GIがほぼ同じ場合に、合計インク量Tinkが少ないほど良好な(すなわち小さな)評価指数EI1が得られる式となっている。
E.第5実施形態:
格子点の平滑程度を評価する指数SIは上述のように評価指数EI1と別個に算出する構成に限られない。すなわち、平滑程度評価指数SIを評価指数EI1の一部とする構成を採用可能である。
EI1 = k1・CII + k2・GI + k3・SI …(13a)
ここで、k1〜k3はCIIとGIとSIと の評価指数に対する寄与の大きさを調整するための係数である。また、SIは、一旦、サンプルの平滑程度を評価する指数であり、平滑化されるほど値が小さくなる。従って、(13a)式は、CII,GIがほぼ同じ場合に、平滑化されるほど良好な(すなわち小さな)評価指数EI1が得られる式となっている。
この実施形態は、図1に示す第1実施形態とほぼ同様の構成によって実現可能であるが、スムージング処理は評価指数算出部126によって実施され、プロファイル生成部140においてはスムージングを実施しない。一実施例では、上記(13a)式によってSIを評価する前に、(13a)式の第1項および第2項によって初期サンプルセットを選択し、初期サンプルセットを利用してSIを算出してスムージングされたインク量データを選択する。具体的には、図25に示すフローチャートに沿って処理を行う。すなわち、上記第1実施形態と同様の処理によって評価指数算出部126で評価指数を算出し、ステップS550では、選択部130が(1)式を最小化するサンプルを選択し、これを初期サンプルセットとする。これらの初期サンプルセットはステップS55以降の繰り返し処理における初回のばかし対象となる。すなわち、この実施形態では、CIELAB空間において3次元ガウス関数(Gaussian function)によるぼかし処理が行われる。ガウス関数は、CIELAB空間中の対象サンプルとこれに近い他のサンプルのサンプルインク量に関する重みを与える。そして、インク量に重み係数値を乗じた値を足し合わせ、重み係数値の合計で規格化を行って、対象サンプルに対するスムージングされたサンプルインク量を得る。ステップS560では、色域外にてインク量が“0”に落ち込むことを防止するためにリスケーリング処理が実施される。すなわち、各インク量データは各色のインク量データの最大値によって除される。このリスケーリング処理はスムージング処理における繰り返しにおいてガマット内のインク量が低減してしまうことを防止するために実施される。
ステップS565では、以下の(13b)式によって、各インク量データについて上記ぼかしがなされる前のインク量格子点とぼかしがなされた後のインク量格子点との距離を算出し、SIとする。
Figure 2007516663
ここで、インク量格子点は各インク成分によって形成される6次元空間内の格子点である。また、(13b)式において、inkはインクの色を識別する符号であり、Ainkはぼかしがなされる前のインク量データ、Ablurredはぼかしがなされた後のインク量データを示している。なお、SIはぼかしがなされる前の総てのサンプルインク量データについて算出される。このSIは、ぼかし前後のインク量変化を示しており、各サンプル同士で比較することによって元のサンプルのインク量とぼかし後のインク量とがどの程度近いのかを評価することができる。ここで、SIが小さいほど、インク量の差が小さいと考えることができるので、SIが小さいサンプルはインク量のバラツキが小さく、滑らかであると考えることができる。そこで、ステップS570では、評価指数算出部126で総てのサンプルにつき上述のCIIとGIとSIとを算出し上記(13a)式によって評価指数を算出する。この式によれば、各セル内でSIとCII,GIとがともに小さなサンプルインク量データを選択することが可能になる。
上述のステップS555〜S570を所定回数繰り返す(S575)。この繰り返し処理において、上記(13a)式で選択されたインク量データは3次元ガウス関数によってぼかし処理が施される。そして、選択部130は、以上のような繰り返し処理の最後で算出された(13a)式に基づいて、各セル内でもっとも評価指数が小さなサンプルを選択し、これをスムージングされたサンプルとする。プロファイル生成部140は、ステップS580において、このサンプルに基づいてインクプロファイル142を算出し、ガマットマッピング処理部160はこのインクプロファイル142と、予め準備されたsRGBプロファイル162とを用いて、プリンタルックアップテーブル180を作成する。
この実施形態によれば、プロファイル生成部140において再帰演算を実施することなくスムージングされたプロファイルを作成することが可能になる。また、上記インクプロファイル142からプリンタルックアップテーブル180を作成するに際して、サンプル数を増加させても良い。この場合、プロファイル生成部140が、代表サンプルに基づいて不等間隔補間(non-uniform interpolation)を行うことによって、予備インクプロファイルを作成する。この予備インクプロファイルは、CIELAB測色値をインク量に変換する色変換ルックアップテーブルである。「予備的」という接頭語は、ステップS25で分割された比較的粗いセルに関するプロファイルであることを意味している。なお、この不等間隔補間は、例えばMATLAB(MathWorks, Inc.の商標)のgriddata関数を用いて実行することができる。一実施例としては、CIELAB空間の64×64×64個程度のグリッド点を有する予備プロファイルが挙げられる。
そして、プロファイル生成部140は、予備プロファイルを線形補間することによって、最終インクプロファイル142を作成する。この最終インクプロファイル142は、予備プロファイルよりもさらに細かなセルのグリッド点を入力とするプロファイルである。一実施例としては、CIELAB空間の256×256×256個のグリッド点を入力とするプロファイルが挙げられる。上述したように、予備プロファイルはCIELAB空間の64×64×64個のグリッド点を入力としているので、予備プロファイルを線形補間することによって最終インクプロファイル142を容易に得ることができる。
最終インクプロファイル142として、256×256×256個のグリッド点を入力とするプロファイルを作成すれば、CIELABのすべての入力値に対するインク量を直ちに得ることができる。従って、その後のルックアップテーブルの作成に要する処理時間を短縮することができる。但し、最終インクプロファイル142の代わりに予備インクプロファイルを用いて、後述するプリンタルックアップテーブル180を作成することも可能である。なお、この実施形態についてはCDIとしてCIIを採用している例を説明したが、むろん、CDIとしてはCIIに限られずMIであっても良い。
F.分光プリンティングモデルの一例:
以下では、分光プリンティングモデルの一例としてセル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデル(Cellular Yule-Nielsen Spectral Neugebauer Model)を説明する。このモデルは、よく知られた分光ノイゲバウアモデルとユール・ニールセンモデルとに基づいている。なお、以下の説明では、CMYの3種類のインクを用いた場合のモデルについて説明するが、これを任意の複数のインクを用いたモデルに拡張することは容易である。分光ノイゲバウアモデルとユール・ニールセンモデルについては、Color Res Appl 25, 4-19, 2000, R Balasubramanian, Optimization of the spectral Neugebauer model for printer characterization, J. Electronic Imaging 8(2), 156-166 (1999),を参照。
図26は、分光ノイゲバウアモデルを示す図である。分光ノイゲバウアモデルでは、任意の印刷物の分光反射率R(λ)は、以下の(14)式で与えられる。
Figure 2007516663
ここで、aiはi番目の領域の面積率であり、Ri(λ)はi番目の領域の分光反射率である。添え字iは、インクの無い領域(w)と、シアンインクのみの領域(c)と、マゼンタインクのみの領域(m)と、イエローインクのみの領域(y)と、マゼンタインクとイエローインクが吐出される領域(r)と、イエローインクとシアンインクが吐出される領域(g)と、シアンインクとマゼンタインクが吐出される領域(b)と、CMYの3つのインクが吐出される領域(k)をそれぞれ意味している。また、fc,fm,fyは、CMY各インクを1種類のみ吐出したときにそのインクで覆われる面積の割合(「インク被覆率(Ink area coverage)」と呼ぶ)である。分光反射率Ri(λ)は、カラーパッチを分光反射率計で測定することによって取得される。
インク被覆率fc,fm,fyは、図26(B)に示すマーレイ・デービスモデルで与えられる。マーレイ・デービスモデルでは、例えばシアンインクの面積率fcは、シアンのインク吐出量dcの非線形関数であり、1次元ルックアップテーブルの形で与えられる。インク被覆率がインク吐出量の非線形関数となる理由は、単位面積に少量のインクが吐出された場合にはインクが十分に広がるが、多量のインクが吐出された場合にはインクが重なり合うためにインクで覆われる面積があまり増加しないためである。
分光反射率に関するユール・ニールセンモデルを適用すると、上記(14)式は以下の(15a)式または(15b)式に書き換えられる。
Figure 2007516663
ここで、nは1以上の所定の係数であり、例えばn=10に設定することができる。(15a)式および(15b)式は、ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデル(Yule-Nielsen Spectral Neugebauer Model)を表す式である。
セル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデル(Cellular Yule-Nielsen Spectral Neugebauer Model)は、上述したユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルのインク色空間を複数のセルに分割したものである。
図27(A)は、セル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルにおけるセル分割の例を示している。ここでは、簡単のために、シアンのインク被覆率fcとマゼンタのインク被覆率fmの2つの軸を含む2次元空間でのセル分割を描いている。なお、これらの軸fc,fmは、インク吐出量dc,dmを示す軸と考えることもできる。白丸は、セル分割のグリッド点(「ノード」と呼ぶ)であり、2次元空間が9つのセルC1〜C9に分割されている。16個のノードにおける印刷物(カラーパッチ)に対しては、分光反射率R00, R10, R20, R30, R01, R11…R33がそれぞれ予め決定される。
図27(B)は、このセル分割に対応するインク被覆率fc(d)の形状を示している。ここでは、1種類のインクのインク量の範囲0〜dmaxが3つの区間に分割されており、インク被覆率fc(d)は、各区間毎に0から1まで単調に増加する曲線によって表されている。
図27(C)は、図27(A)の中央のセルC5内にあるサンプルの分光反射率Rsmp(λ)の算出方法を示している。分光反射率Rsmp(λ)は、以下の(16)式で与えられる。
Figure 2007516663
ここで、インク被覆率fc,fmは図27(C)のグラフで与えられる値であり、このセルC5内で定義された値である。また、セルC5の4つの頂点における分光反射率R11(λ),R12(λ),R21(λ),R22(λ)の値は、上記(16)式に従ってサンプル分光反射率Rsmp(λ)を正しく与えるように調整されている。
このように、インク色空間を複数のセルに分割すれば、分割しない場合に比べてサンプルの分光反射率Rsmp(λ)をより精度良く算出することができる。図28は、一実施例で採用されたセル分割のノード値を示している。この例に示されているように、セル分割のノード値は、各インク毎に独立に設定することが好ましい。
ところで、図27(A)に示すモデルにおいて、すべてのノードにおける分光反射率をカラーパッチの測定で得ることはできないのが普通である。この理由は、多量のインクを吐出すると滲みが発生してしまい、均一な色のカラーパッチを印刷できないからである。図29は、測定できない分光反射率を求める方法を示している。これは、シアンとマゼンタの2種類のインクのみを使用する場合の例である。シアンとマゼンタの2種類のインクで印刷される任意のカラーパッチの分光反射率R(λ)は、以下の(17)式で与えられる。
Figure 2007516663
上記(17)式に含まれる複数のパラメータのうちで、シアンインクとマゼンタインクの両方が100%吐出量であるときの分光反射率Rb(λ)のみが未知であり、他のパラメータの値は既知であると仮定する。このとき、(17)式を変形すれば、以下の(18)式が得られる。
Figure 2007516663
上述したように右辺の各項はすべて既知である。従って、(18)式を解くことによって、未知の分光反射率Rb(λ)を算出することができる。この分光反射率の見積もりにつては、R Balasubramanian, "Optimization of the spectral Neugebauer model for printer characterization", J. Electronic Imaging 8(2), 156-166 (1999)を参照。
シアンとマゼンタの2次色以外の他の2次色の分光反射率も同様にして求めることが可能である。また、複数の2次色の分光反射率が求まれば、複数の3次色の分光反射率も同様にして求めることができる。こうして、高次の分光反射率を順次求めてゆくことによって、セル分割されたインク色空間の各ノードにおける分光反射率をすべて求めることが可能である。
図1に示す分光プリンティングコンバータ100は、図27(A)に示すようにセル分割されたインク色空間の各ノードにおける分光反射率の値と、図27(C)に示すインク被覆率を示す1次元ルックアップテーブルとを有しており、これらを用いて任意のサンプルインク量データに対する分光反射率Rsmp(λ)を算出するように構成されている。
なお、一般に、印刷されたカラーパッチの分光反射率は、インクセットと印刷媒体とに依存する。従って、図1に示す分光プリンティングモデルコンバータ100は、インクセットと印刷媒体との組合せ毎に作成される。また、インクプロファイル142やプリンタルックアップテーブル180も、インクセットと印刷媒体との組合せ毎に作成される。
G.変形例:
G1.変形例1:
上記実施形態では、インクとしてCMYKOGの6種類のインクを用いていたが、インクの種類としてはこれに限らず、任意の複数種類のインクを使用することができる。但し、オレンジインクやグリーンインクのように、基本インク色CMYKの2次色に相当する色を有するインクを利用すれば、再現可能な分光反射率の形状の自由度がより大きくなる点で好ましい。
G2.変形例2:
上述した第1ないし第3実施形態では、測色値の色空間を複数のセルに分割し、各セルにおいて評価指数EIが最良であるサンプルを代表サンプルとして選択し、一方、第3実施形態では、各セルに対して評価指数EIが所定の基準を満足するようにサンプルを最適化することによって代表サンプルを決定していた。しかし、色変換プロファイルを作成する際に用いる複数の代表サンプルを選択する方法は、これらに限らず、一般には、評価指数EIに基づいて複数の代表サンプルを選択することが可能である。例えば、測色値の色空間を複数のセルに分割せずに複数の代表サンプルを選択することも可能である。具体的には、測色値の色空間内で複数のグリッド点(ノード)を設定し、各ノードの近傍において所定の評価基準を満足するサンプルをそのノードの代表サンプルとして選択することができる。
G3.変形例3:
上述のGIを算出する際には、ドット形状データによって各ノズルから吐出されるインクが印刷媒体に記録される際の形状をシミュレートしていたが、さらにキャリッジに形成されるノズルからインクを吐出する際のインク吐出特性を加味してシミュレートを行っても良い。例えば、各ノズルから吐出されたインクが基準のドット形成位置からずれるずれ量を予めデータ化しておけば、各インク滴が記録される位置の誤差を考慮してドット形成位置を微調整し、記録状態データを作成することができる。
図30は、このデータの例を説明する説明図である。図30に示すドット位置データは、上記キャリッジに形成された複数のノズル毎に、基準の位置からのずれをサブ画素単位で記述したデータである。すなわち、同じ条件でインク滴を吐出した場合であっても複数のノズル同士ではインク滴の記録位置に誤差が生じる。そこで、プリンタにおいて各ノズルからインクを吐出させて記録位置を計測し、ずれ量を示すデータとする。このとき、あるノズルにおける記録位置を基準のドット形成位置とし、この基準のドット形成位置にドットを形成するノズルは主走査方向のずれ(X)と副走査方向のずれ(Y)とがともに”0”であるとする。図30に示す例においては、上記画素の中心が基準のドット形成位置になるようにしている。
基準のドット形成位置からずれが生じる場合には、主走査方向および副走査方向につき、そのずれ量に相当するサブ画素をドット位置データとして記述する。なお、このドット位置データは、ノズル毎に記述されるので各インク色毎にずれが記述される。このドット位置データを用いてシミュレーション処理を行うための構成および処理フローは上記図5,図10とほぼ同様であるが、ステップS130における処理が異なっている。
すなわち、このステップS130では、上記ドット形状データを参照して各ノズルによって形成されるドットの形状を特定するとともに、上記ドット位置データを参照してドットの形成位置を調整する。図30に示すデータを例に説明すれば、ノズル番号1では主走査方向のずれ(X)と副走査方向のずれ(Y)とがともに”0”であるので、図30の下部に示すようにノズル番号1から吐出されるインクについては基準のドット形成位置にドットが形成されることとする。
ノズル番号2では主走査方向のずれ(X)が”2”、副走査方向のずれ(Y)が”1”である。従って、ノズル番号2のドットについては、基準のドット形成位置である画素の中心から主走査方向にサブ画素2個,副走査方向にサブ画素1個ずらした位置Pにドットが形成されることとする。以上のように、各ノズル間の誤差も加味しながらドットの記録状態を特定し、これに基づいてGIを算出すれば、ノズル間の誤差を含めて印刷画質を評価することが可能になる。
G4.変形例4:
本発明において考慮できるインク吐出特性は、以上のようなノズル間誤差に限られない。例えば、キャリッジの送り誤差のような、各種駆動誤差を考慮しても良い。図31は、送り誤差を考慮する際のドット位置データの例を説明する説明図である。図31に示すドット位置データは、主走査の回数(パス)毎に、基準の位置からのずれをサブ画素単位で記述したデータである。すなわち、上記キャリッジは主走査と副走査を繰り返してドットを記録するので、キャリッジを主走査方向に駆動するときの駆動誤差や紙送りローラにおける送り誤差に起因してドットの記録位置に誤差が生じ得る。そこで、プリンタにおいて各ノズルからインクを吐出させて記録位置を計測し、ずれ量を示すデータとする。このとき、あるパスにおける記録位置を基準のドット形成位置とし、この基準のドット形成位置にドットを形成するパスは主走査方向のずれ(X)と副走査方向のずれ(Y)とがともに”0”であるとする。図31に示す例においては、上記画素の中心が基準のドット形成位置になるようにしている。
基準のドット形成位置からずれが生じる場合には、主走査方向および副走査方向につき、そのずれ量に相当するサブ画素をドット位置データとして記述する。なお、このドット位置データにおいては、各インク色毎に各パスで生じる基準のドット形成位置からのずれを記述する。また、パス数の上限(図31の#N)としては特に限定されないが、プリンタにおいて印刷可能な最大の印刷媒体サイズに対応させるのが好ましい。例えば、A4サイズの印刷媒体の全面に印刷を行う場合に必要なパス数がパス数の上限となる。
このドット位置データを利用してシミュレーション処理を行うための構成および処理フローは上記図5、図10とほぼ同様であるが、ステップS130における処理が異なっている。ステップS130においては、上記ドット形状データを参照して各パスによって形成されるドットの形状を特定するとともに、上記ドット位置データを参照してドットの形成位置を調整する。図31に示すデータを例に説明すれば、パス番号1では主走査方向のずれ(X)と副走査方向のずれ(Y)とがともに”0”であるので、図31の下部に示すようにパス番号1から吐出されるインクについては基準のドット形成位置にドットが形成されることとする。
パス番号2では主走査方向のずれ(X)が”2”、副走査方向のずれ(Y)が”−1”である。従って、パス番号2のドットについては、基準のドット形成位置である画素の中心から主走査方向にサブ画素2個,副走査の逆方向にサブ画素1個ずらした位置P’にドットが形成されることとする。以上のように、各パス間の誤差も加味しながらドットの記録状態を特定し、これに基づいてGIを算出すれば、パス間の誤差を含めて印刷画質を評価することが可能になる。
なお、上述のノズル間誤差と送り誤差とは同時に発生しうる。そこで、図30、図31に示すドット位置データの双方を予め作成しておき、上記ステップS130にて双方のドット位置データが示すずれ量を上記基準のドット形成位置に加えてドット形成位置を調整する構成を採用しても良い。また、図30,図31に示す例では、サブ画素単位でずれ量を表現しているので、画素をサブ画素に分割する分割数や解像度等に対応させておく必要があり、これらの条件が変わればその条件に対応したドット位置データを参照することになる。むろん、この構成は一例であり、上述のようにして計測したずれ量を長さの単位で記述しておき、解像度や画素の分割数に応じてサブ画素単位でのずれ量を算出する構成を採用しても良い。
G5.変形例5:
また、上述の実施形態においては、特定の主走査および副走査の制御法でキャリッジおよび紙送りローラを駆動するプリンタを想定していたが、各種の制御法でキャリッジおよび紙送りローラを駆動するプリンタにおいて本発明を適用することも可能である。すなわち、制御法が異なればあるハーフトーンデータの同じ画素であってもその画素のドットを形成するためのノズルやパスが異なる。そこで、制御法に基づいてノズルを特定できるように構成する。
図32は、主走査および副走査の制御法とキャリッジに形成された複数のノズルの配置とを示す制御法データの例を説明する説明図である。同図に示す制御法データには、ノズルの配置としてノズル数とノズル密度が記述されている。ノズル数はキャリッジにおいて副走査方向に並べられたノズルの数を示しており、図32では簡単のためにノズル数を7としているが、通常は180個など、より多数のノズルである。ノズル密度は、副走査方向に並べられたノズルの密度をdpi単位で示している。すなわち、副走査方向の1インチ当たりのノズル数によって密度を示している。図32に示す例ではノズル密度が記述されていないが、ノズルを特定するためにノズル密度が必要であれば、ここにデータを記述する。
また、主走査の制御法としてパス数と記録パターン(print pattern)とを記述可能である。パス数は、主走査方向の1ライン(ラスタ)を何回のパスで満たすのかを示しており、記録パターンは2回以上のパスで1ラスタを満たす場合に隣り合うドットをどのパスで記録するのかを示している。例えば、”0”が先のパス、”1”が後のパスを示すように定義し、記録パターンとして”01011010”としておけば、各ドットを記録するためのパスを特定することが可能である。図32に示す例では、パス数が”1”であるので、記録パターンは記述されていない。
副走査の制御法としては、送り量とオーバーラップノズル数とオーバーラップパターンとを記述可能である。送り量は副走査時の送り量をラスタ数単位で示したデータである。すなわち、上記Y解像度によれば1ラスタの長さが判明する(例えば、Y解像度が720dpiの場合には1/720インチ)ので、送り量をラスタ数で示すことにより、一回当たりの実際の副走査送り量が判明する。オーバーラップノズル数は副走査方向の上端と下端に形成された複数のノズルで同じパスを埋める(オーバーラップ)ように制御する際に、そのノズル数を示すデータである。オーバーラップパターンはあるラスタにおいて上端と下端のどちらでどの位置のドットを形成するのかを示すデータである。図32に示す例では、オーバーラップ制御を行わないこととし、オーバーラップノズル数とオーバーラップパターンとは記述されていない。
図32の左側には、同図に示す制御法データの内容における制御を例示してある。ここに示すラスタは主走査方向の1ラインであり、上から順にラスタ番号を付けて示している。すなわち、紙面左右方向が主走査方向に相当し、紙面上下方向が副走査方向に相当する。パス番号はパスの回数であり、この番号の下に各パスにおけるノズルの位置を実線の丸で示し、上から順に1〜7のノズル番号を付している。なお、この例では、副走査方向の解像度が720dpi,副走査方向のノズル密度が180dpiであることを想定しており、各ノズルの間の距離は4ラスタ分に相当する。
制御法データにおいて送り量が”5”となっているので、パス番号2においては、副走査方向に5ラスタ分送られる。この送り量を繰り返すと、ラスタ番号13以下においては番号のラスタにドットを記録するノズルが存在するようになる。そこで、制御法データに従った制御ではラスタ番号12より上にはドットを記録せず、ラスタ番号13より下にドットを記録する。従って、上記ハーフトーンデータにおける一番上のラスタにおいては4番のノズルでドットが形成される。
以上のように、制御法データを利用すれば、各ラスタのドットを形成するノズルを特定することができるので、上記ステップS130において、上記制御法データを参照してノズルを特定し、上記ドット形状データを参照してドットの形状を特定する。この結果、複雑な制御を行う場合であっても容易にその制御法におけるGIを算出することが可能になる。なお、上記制御法データを参照すれば、図32の左側に示すようにパス番号も分かる(すなわち、主走査の回数を特定可能である)ので、上記ドット位置データを参照して送り誤差を考慮することもできる。むろん、上記ドット位置データを参照してノズル間の誤差を考慮することもできる。
図32においては省略したが、むろん、上記パス数が2の場合は記録パターンを示すデータを使ってノズルを特定することができるし、オーバーラップの制御を行うときもオーバーラップノズル数およびオーバーラップパターンを示すデータを使ってノズルを特定することができる。むろん、他の制御法でキャリッジおよび紙送りローラを駆動する場合には、他のパラメータを制御法データに記述してその制御法において各ドットを形成するドットやパスを特定すればよい。他のノズル配置、例えば、副走査方向に多数のノズルを並べてノズルアレイを形成するとともにこのノズルアレイを主走査方向に並べ、同じ色のインクを吐出するように構成する場合には、そのノズル配置を示すデータを制御法データに記述し、このデータと制御法を示すデータとによって各ドットを形成するドットやパスを特定すればよい。
G6.変形例6:
さらに、双方向印刷(Bi-D Print)を実施可能なプリンタや一回当たりのインク吐出量を調整可能なプリンタに対して本発明を適用することも可能である。図33はこの場合に用意するデータを示す説明図である。上記パラメータデータとしては、上述のパラメータに加えて双方向印刷を実施するか否かを示すデータと一回当たりのインク吐出量を調整するか否かを示すデータとを記述する。なお、この例では、一回当たりのインク吐出量を3段階(小中大)に調整可能である。
双方向印刷においては主走査方向の往復双方でインクを吐出し、単方向印刷においては往復いずれか一方でインクを吐出する。従って、上記ドット形状データや分光反射率データ、ドット位置データは、双方向と単方向とで異なり得る。そこで、双方向用データと単方向用データとを予め用意しておく。このように構成しておけば、双方向、単方向いずれにおいても上記記録状態データを算出することが可能になる。
小中大3種のインク滴それぞれにおいては、記録されるドットの形状、分光反射率、誤差に起因するドットの形成位置が異なるので、小中大それぞれについて予め上記ドット形状データや分光反射率データ、ドット位置データを作成し、用意しておく。この場合、上記ハーフトーンデータは、小中大それぞれについてドットを記録するか否かを示したデータとなり、各インク色について3個のハーフトーンデータとなる。
記録状態データの作成に際しては、このハーフトーンデータを取得し、各ドットの大きさに応じたドット形状データや分光反射率データ、ドット位置データを参照すれば、各インク色および各大きさのドットを重畳した結果の記録状態データを算出することが可能である。以上のようにして算出した記録状態データに基づいてGIを算出すれば、双方向印刷時の粒状性を評価することが可能になるし、小中大3種のインク滴を使用する場合の粒状性を評価することが可能になる。このインク吐出量の調整は一例であり、他の実施例、例えば、異なるノズルから異なる量のインクを吐出するような構成を採用しても良い。
G7.変形例7:
上述のスムージング処理も一例であり、スムージング処理を行うことによって高精度に色変換実施可能なプロファイルを作成できる限りにおいて、他にも種々の構成を採用することができる。上記SEIにおいてはCIELAB空間での格子点配置の平滑程度が低下したときに値が大きくなるような関数を採用すれば良く、上述の関数の他、種々の関数を採用することができる。例えば、上記SI2,SI3においては、格子点が立方格子を形成するとしたときにベクトルが直交するような格子点のみを最適化対象の周囲の格子点として抽出していたが、このような選び方が必須という訳ではなく、例えば、図17のベクトルLa5,ベクトルLa6のように格子点が立方格子を形成するとしたときに対角位置にあるような格子点を含めてSEIとしても良い。このような対角位置にある格子点は、位置情報が形成する格子点においても対角位置にあり、特に上述の位置情報が形成する立方体のKWを結ぶグレー軸は格子点の対角方向に該当する。従って、対角位置にある格子点についても配置の平滑程度が向上すると、モノクロ出力時にトーンジャンプが発生することを防止することができる。
G8.変形例8:
上述の実施形態においては互いに逆向きのベクトルの和をとることによって平滑程度の高い格子点配置でSEIの値が小さくなるようにしていたが、むろん、他の構成を採用しても良い。例えば、格子点間の相対位置関係が類似しているか否かを評価する関数であっても良い。具体的には、図17においてベクトルLa5−ベクトルLa4とベクトルLa1−ベクトルLpとの差をとると両ベクトルの差ベクトル、すなわち(ベクトルLa5−ベクトルLa4)−(ベクトルLa1−ベクトルLp)が得られるが、当該差ベクトルの値が小さいほど格子点間の相対位置関係が類似していると言える。従って、ベクトルLa1−ベクトルLpと隣接する格子間ベクトルとの差をとって足し合わせることによって配置の平滑程度を評価するSEIを取得することができる。
G9.変形例9:
上述のSEIでは、最適化対象の格子点を中心に互いに逆向きのベクトルの差をとり、それぞれの差を加え合わせていた。すなわち、CIELAB空間で全格子点が均等になる状態を理想としていた。しかし、インクプロファイル142に記述された測色値が形成する格子点が元々不均等であったり、意図的にCIELAB空間中の格子点間隔を不均等にしたい場合には、SEIを変更しても良い。このように格子点を不均等にしたときに最適であるとする例としては、SEIに式(19)のように重み変数を設けることで対処することが可能である。
Figure 2007516663
ここで、W1,W2は重み係数である。
同式(19)においてW1>W2であるならば、差(ベクトルLa1−ベクトルLp)の大きさが(ベクトルLa2−ベクトルLp)の大きさより小さい状態でSI1の値を小さくすることができ、最適化対象の格子点が一方の格子点に近い状態が最適状態であるとすることができる。なお、重み係数としては種々の態様を採用可能であるが、格子点配置を不均等間隔にする場合に例えば式(20)によって決定することができる。
Figure 2007516663
ここで、D1とD2は位置情報が形成する空間において位置情報で特定される格子点間の距離である。すなわち、D1はベクトルLa1を与える位置情報の格子点からベクトルLpを与える位置情報の格子点までの距離であり、D2はベクトルLa2を与える位置情報の格子点からベクトルLpを与える位置情報の格子点までの距離である。むろん、この式(20)は一例であり、他にも重みを設けたSEIを設計することで、CIELAB空間中の格子点間隔を制御したり、特定の意図に従って、CIELAB空間中で局部的に格子点の密度を多くすることが可能となる。さらに、上記SI2,SI3の場合も同様に重みを設けることで、容易に格子点間隔を制御することが可能となる。
なお、重みを設けたSEIを設計することでCIELAB空間中の格子点間隔を制御する構成は、インク特性に応じて格子点間隔を不均等にする場合、すなわち、インク記録率が大きくなると濃度の変化度合が小さくなるというインク特性を考慮して低インク記録率で格子点を多くする場合に特に有用である。さらに、重みを設けたSEIを設計することでCIELAB空間中で局所的に格子点の密度を多くする構成は、局所的に色変換精度を高くしたい場合等に特に有用である。
G10.変形例10:
上記実施形態においては、CIELAB空間中の色域の部位毎に別個の隣接格子点を抽出して最適化対象の格子点配置をスムージングしているので、SI1〜SI3のそれぞれによって最適化される各格子点同士に関連がない。そこで、各部位毎に別個のSEIで格子点を最適化しつつ各部位の境界においても配置の平滑程度が高くなるように重み付け演算をしてもよい。
上述のSI1,SI2では位置情報(Pr,Pg,Pb)のいずれか一つまたは二つを固定していたが、SI3では位置情報(Pr,Pg,Pb)の三つとも可変であるので、色域境界付近では束縛条件が急激に変化する。また、色域の境界同士でも色域境界を形成する稜線と外面とでは束縛条件が急激に変化する。束縛条件が急激に変動すると、格子点配置を平滑化するために格子点を移動させる際の自由度および移動方向の自由度が全く異なるので、この場合に格子点配置の平滑程度の不連続が生じるおそれがある。そこで、束縛条件が急激に変化することを防止するために色域境界に近づくほど、位置情報が変動しにくくなるような重みを持った項をSEIに付加する。この構成としては例えば下記(21)式のようなSEIを採用可能である。
Figure 2007516663
ここで、Wrは位置情報Prを可変にする際の重みであり、Pr0は現在の位置情報である。同様にWg,Wbとして位置情報Pg,Pbのそれぞれを可変にする際の重みを定義することができる。また、各重みは色域の中心付近で小さな値であり、色域の境界に近いほど大きな値となる。上記式(21)では、位置情報としてPrのみを可変とした場合の色域境界の辺について考えており、(21)式の第2項により格子点が色域境界(この場合、色域境界上に形成される稜線の端部)に近づくほど位置情報Prが変化しづらくなる。
すなわち、上記式の第2項は色域境界に近ければ近いほど、重み係数Wrの値が大きく、位置情報Prが現在位置Pr0から離れるほど当該第2項が大きくなる。従って、SI1を極小化する最適化処理において位置情報Pr,Pr0は近い値になるとともに色域境界に近いほど両位置情報が近い値となる。なお、位置情報Pgのみを可変にしたり位置情報Pbのみを可変にした場合であっても同様の考え方でSI1に第2項を付加することができる。むろん、SI2,SI3でも同様であり、SI2では位置情報のうち2つの成分が可変であるのでSEIに対して2つの項が付加され、SI3では位置情報の3つの成分が可変であるのでSEIに対して3つの項が付加される。
G11.変形例11:
上述のスムージング処理ではインクプロファイル142に記述された測色値を用いてCIELAB空間で格子点配置の平滑程度を検証していたが、他の色空間でスムージングを行っても良い。例えばインク量空間内で各インク量データの格子点配置を考え、この格子点配置の平滑程度を評価する評価指数を算出することにより、インク量空間でスムージングを実施することが可能になる。
G12.変形例12:
さらに、上述のスムージング処理では、ステップS35で選択された163個以下の代表サンプルを使ってスムージング処理を行っていたが、この代表サンプルを用いて代表サンプル数を増減し、あるいは代表サンプルの格子点位置を調整してスムージング処理を実施しても良い。例えば、代表サンプルに基づいて不等間隔補間を行うことによって、CIELAB空間で643個程度の格子点および対応するインク量を算出し、これらを用いてスムージングを行う。この場合、163個のサンプルについてスムージングを行う場合と比較して距離が近い格子点同士で配置の平滑程度を評価することができるので、平滑程度を向上させやすい。また、代表サンプルに基づいて不等間隔補間を行うことによって、CIELAB空間でできるだけ等間隔に配置された格子点を抽出してスムージングを実行するように構成しても良い。この場合、初期の格子点配置に歪みが少なくなるので、計算過程でローカルミニマムに達しにくくすることができ、容易にスムージング処理を行うことができる。さらに、位置情報Pr,Pg,PbとLab値とをより簡単に対応づけることができる。
G13.変形例13:
上記第4実施形態ではCDIとIQIとに加える評価指数としてTinkを採用していたが、例えば、以下の(22)式のように色域の大きさを評価する評価指数を加えても良い。
Figure 2007516663
ここで、k1〜k3はCIIとGIとC*I の評価指数に対する寄与の大きさを調整するための係数である。また、C*Iは、各インク量に対応する測色値から算出される彩度((a*2+b*21/2)を示す。すなわち、評価指数EI1の第3項では係数k3がマイナス符号であるため、彩度が大きくなるほど評価指数EI1の値を小さくするように寄与する。従って、(22)式ができるだけ小さな値になるようにサンプルを選ぶことにより、できるだけ彩度が大きな(色域を大きな)サンプルを選ぶことが可能になる。むろん、上記第5実施形態に対して式(22)の第3項を加えても良い。
G14.変形例14:
上述の実施形態では、インク量データが示す色の画素を複数個集めて所定の面積を持たせた仮想的なサンプルパッチを考えてシミュレーションによりGIを算出していたが、この仮想的なサンプルパッチを実際に印刷し、測色を行ってGIを算出しても良い。この構成は上述の実施形態とほぼ同様の構成によって実現することができるが、画質評価指数算出部における処理が上述の実施形態と異なる。図34は、仮想的なサンプルパッチを実際に印刷し、測色を行ってGIを算出する処理を示すフローチャートである。この処理では、仮想的なサンプルパッチを印刷し、印刷結果を測色してそのパッチのぼかし画像(blurred Image)と元の画像(original image)との差分を算出し、この差分をGIとする。このGIについては、M.D. Fairchild and G.M. Johnson, "Meet iCAM: and Image Color Appearance Model" IS&T/SID 10th Color Imaging Conference, Scottsdale, (2002), あるいはG.M. Johnson and M.D. Fairchild, "Rendering HDR Images" IS*T/SID 11th Color Imaging Conference, Scottsdale, (2003) に記述されたモデル(iCAM)を参照。
ステップS600では、まず、上述のサンプルインク量データを用いて仮想的なサンプルパッチを形成し、このサンプルパッチを実際に印刷する。ステップS605においては、印刷したサンプルパッチをスキャンする。ここでは、スキャンの結果を用いて機器非依存色空間内の測色値を取得することができれば良く、市販されているスキャナや測色機等、種々の装置を使用可能である。また、サンプルパッチの粒状性を評価するので、サンプルパッチの印刷解像度より高い解像度でスキャンすることが好ましい。
図34では、RGBスキャナによる例を示している。すなわち、ステップS605におけるスキャンの結果、ステップS610では、上記印刷されたサンプルパッチのRGBデータを取得する。このRGBデータは、機器依存色空間内のデータであるため、ステップS615ではスキャナ特性変換(scanner characterization)を行って機器非依存色空間であるXYZ色空間内のデータに変換する。
ステップS620〜S640では、ぼかし画像を作成する。このために、ステップS620では、XYZ色空間を反対色空間(opponent-colors space)に変換する。すなわち、反対色空間の各チャンネルについては実験等によって人間の目におけるコントラスト感度関数(contrast sensitivity function(csf))を周波数空間で定義することが可能であるので、このcsfを利用できるように変換を行う。この変換は、例えば以下の(23)式によって算出することができる。
Figure 2007516663
ここで、AC12は反対色チャンネル(opponent channels)であり、Aが輝度チャンネルであり、C12がクロミナンスチャンネルである。
上記csfは周波数空間で定義されるので、ステップS625では、各反対色チャンネルlに対してフーリエ変換を実施する。ステップS630では、各反対色チャンネルに対して上述のcsfでフィルタリングを行う。すなわち、各成分に対してcsfを乗じる。一実施例では、輝度に対して下記(24)式を、クロミナンスチャンネルに対して下記(25)式を利用した。
Figure 2007516663
Figure 2007516663
なお、fは周波数、csflumは輝度コントラスト感度関数(luminance contrast sensitivity function)、csfchromはクロミナンスコントラスト感度関数(chrominance contrast sensitivity function)である。また、a,bおよびcは実験などによって算出可能である。(25)式における係数としても種々のものが採用可能であるが、一実施例では、下記表の数値を採用した。
Figure 2007516663
以上のように、フィルタリングを行うと、ステップS635ではフィルタリング後の関数を逆フーリエ変換し、ステップS640でさらに反対色空間をXYZ色空間に変換する。この変換は、例えば以下の(26)式によって算出することができる。
Figure 2007516663
以上の処理により、ぼかし画像のXYZ値が算出され、上記ステップS615では元の画像のXYZ値が算出されているので、ステップS645ではそれぞれの画像についてCIELAB値を算出する。そして、ステップS650では、元の画像の平均CIELAB値を算出し、CIEDE2000色差式によってぼかし画像と元の画像とにおける色差を算出する。
以上のようにして画質評価指数算出部がGIを算出すると、評価指数算出部が評価指数を算出し、上述の実施形態と同様の処理によってプリンタルックアップテーブル180を作成する。以上のように、サンプルインク量データを用いて実際に印刷を行えば、現実の印刷物に基づいて画質を評価してインク量データを選択することが可能になる。
なお、上記ステップS650で算出した色差を利用してGIを算出しても良い。例えば、粒状性が印刷媒体上の被覆率分布(area coverage distribution)に大きく依存することに着目してGIを決定することが可能である。この場合の実施例としては、6次元のインク量空間を被覆率(area coverage)によって4個程度のセルに分割し、セル内の総てのインク量データにおける上述の色差の平均を算出する。そして、この平均の色差がこのセル内の総てのインク量データについてのGIであるとしても良い。
本願発明が詳細に記述され図示されてきたが、これらは単なる説明のための例示であり、限定として解釈されるべきではなく、本願発明の精神とスコープはクレームの用語のみによって限定されることが理解される。
本発明の第1実施形態としてのシステム構成を示すブロック図である。 第1実施形態の処理手順を示すフローチャートである。 一実施例におけるCIELAB空間内のサンプル色を示すグラフである。 ステップS35の詳細手順を示すフローチャートである。 GIを算出する処理を示すフローチャートである。 パラメータデータの一例を示す図である。 ドット形状データの一例を示す図である。 分光反射率データの一例を示す図である。 シミュレーション処理を説明するための説明図である。 GIを算出する処理を示すフローチャートである。 GIを算出する様子を説明する説明図である。 スムージング処理を説明するためのブロック図である。 スムージング処理のフローチャートである。 位置情報の選択を説明する説明図である。 プリンタの色域を示す模式図である。 稜線上の格子点を最適化するSEIの説明図である。 外面上の格子点を最適化するSEIの説明図である。 色域内部の格子点を最適化するSEIの説明図である。 ステップS45における不等間隔補間を示す図である。 ステップS50におけるガマットマッピングを示す。 本発明の第2実施形態としてのシステム構成を示すブロック図である。 第2実施形態の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態としてのシステム構成を示すブロック図である。 第3実施形態の処理手順を示すフローチャートである。 第5実施形態の処理手順を示すフローチャートである。 分光ノイゲバウアモデルを示す図である。 セル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデル(Cellular Yule-Nielsen Spectral Neugebauer Model)を示す図である。 セル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルにおけるセル分割の格子点座標を示す図である。 セル分割ユール・ニールセン分光ノイゲバウアモデルにおいて、測定できない分光反射率を求める方法を示す図である。 ドット位置データの例を説明する説明図である。 ドット位置データの例を説明する説明図である。 制御法データの例を説明する説明図である。 双方向印刷、小中大ドットを使用する場合のデータの例を説明する説明図である。 本発明の変形例にてGIを算出する際の処理手順を示すフローチャートである。

Claims (40)

  1. プリンタで使用可能な複数のインクのインク量セットを表すインク量データと、測色値との対応関係を規定するプロファイルを作成する方法であって、
    (a)インク量データを、前記インク量データに従って印刷されるカラーパッチの分光反射率に変換するように構成された分光プリンティングモデルコンバータを準備する工程と、
    (b)複数のインクのインク量セットをそれぞれ表す複数のサンプルインク量データを準備する工程と、
    (c)前記分光プリンティングモデルコンバータを用いて、各サンプルインク量データを、前記サンプルインク量データによって表されるインク量で印刷されるべき仮想サンプルパッチの分光反射率に変換する工程と、
    (d)各サンプルインク量データについて評価指数を算出する工程であって、前記評価指数は、前記分光反射率から算出されるサンプル色と比較の基礎として選択された比較色との間の色差を表す色差指数と、前記サンプルインク量データに従って印刷されるべき仮想サンプルパッチの画質指数とを含む、工程と、
    (e)前記評価指数に基づいて、複数のサンプルインク量データを選択する工程と、
    (f)前記選択された複数のサンプルインク量データに基づいて、測色値とインク量データとの対応関係を規定するプロファイルを作成する工程と、
    を備える方法。
  2. 請求項1記載の方法であって、
    前記画質指数は、前記サンプルインク量データに従って印刷されるべき仮想サンプルカラーパッチの粒状性を示す指数を含む、方法。
  3. 請求項2記載の方法であって、
    前記工程(d)は、さらに、
    前記サンプルインク量データに従って印刷されるべき仮想サンプルカラーパッチ上におけるインクドット形成状態をシミュレーションする工程と、
    前記シミュレーション結果を用いて前記粒状性指数を算出する工程と、
    を含む、方法。
  4. 請求項3記載の方法であって、
    前記インクドット形成状態は、複数のインクドットの詳細な形状及び位置によって表される、方法。
  5. 請求項3記載の方法であって、
    前記シミュレーション工程は、さらに、
    プリンタの複数のインク吐出ノズルに対するインク吐出特性を取得する工程と、
    前記インク吐出特性を用いて前記インクドット形成状態を算出する工程と、
    を含む、方法。
  6. 請求項5記載の方法であって、
    前記インク吐出特性は、前記プリンタの機械的誤差に起因するドット形成位置のずれを含む、方法。
  7. 請求項5記載の方法であって、
    前記複数のノズルからは異なるサイズのインク滴が吐出され、
    前記インク吐出特性は、各インクサイズに関して規定されている、方法。
  8. 請求項3記載の方法であって、
    前記シミュレーション工程は、さらに、
    同一のサンプルインク量データが割り当てられた一様画像領域に対してハーフトーン処理を実行することによって、前記一様画像領域に対するハーフトーンデータを生成する工程と、
    前記ハーフトーンデータを用いて前記一様画像領域上における前記インクドット形成状態を算出する工程と、
    を含む、方法
  9. 請求項3記載の方法であって、
    粒状性指数を算出する工程は、さらに、
    前記ドット形成状態の明度値分布を算出する工程と、
    前記明度値分布の空間周波数を算出する工程と、
    前記空間周波数から前記粒状性指数を算出する工程と、
    を含む、方法
  10. 請求項1記載の方法であって、
    前記工程(f)は、さらに、
    特定の色空間内における複数の点の分布の平滑度を示す平滑程度評価指数を、1つの点の座標の関数として規定する工程と、
    前記選択されたサンプルインク量データに対応する前記特定色空間内の点に対する前記平滑程度評価指数の値を算出する工程と、
    前記平滑程度評価指数値が所定の基準を満足するか否かを判断する工程と、
    前記平滑程度評価指数値が前記所定の基準を満足しないときには、
    (i)前記特定の色空間内における前記点の座標を修正する工程と、
    (ii)前記修正された座標を有する前記点に対する前記平滑程度評価指数値を算出する工程と、
    を、前記平滑程度評価指数値が前記基準を満足するまで繰り返す工程と、
    前記所定の基準を満たす平滑程度評価指数値を有する前記特定の色空間内の点の前記修正された座標に対応する複数のサンプルインク量データを再選択する工程と、
    前記再選択された複数のサンプルインク量データに基づいて、測色値とインク量データとの対応関係を規定するプロファイルを作成する工程と、
    を含む、方法。
  11. 請求項10記載の方法であって、
    前記平滑程度評価指数値は、前記特定の色空間の複数の部分において異なる関数形式を有する、方法
  12. 請求項10記載の方法であって、
    前記平滑程度評価指数値は、対象の点から隣接する点にそれぞれ向かうほぼ反対方向の2つのベクトルの合成ベクトルの絶対値の関数である、方法
  13. 請求項12記載の方法であって、
    前記対象の点がカラーガマットのエッジ上にあるときに、前記隣接する点は、前記カラーガマットのエッジ上に位置し、かつ、前記対象の点を挟んで反対側にあるように選択される、方法
  14. 請求項12記載の方法であって、
    前記対象の点がカラーガマットの外表面上にあるときに、前記隣接する点は、前記カラーガマットの外表面上に位置し、かつ、前記対象の点を挟んで反対側にあるように選択される、方法
  15. 請求項12記載の方法であって、
    前記対象の点がカラーガマットの内部にあるときに、前記隣接する点は、前記カラーガマットの内部に位置し、かつ、前記対象の点を挟んで反対側にあるように選択される、方法
  16. 請求項1記載の方法であって、
    前記画質指数は、単位面積当たりの合計インク量を表す指数を含む、方法。
  17. 請求項1記載の方法であって、
    前記画質指数は、使用される印刷媒体に応じて複数の媒体依存指数から選択される媒体依存指数を含む、方法。
  18. 請求項1記載の方法であって、
    前記画質指数は、特定の色空間内における前記仮想サンプルパッチの色を表す複数の点の分布の平滑度を表す平滑程度指数を含む、方法。
  19. 請求項1記載の方法であって、
    前記画質指数は、前記仮想サンプルパッチで形成されるガマットのサイズを評価する指数を含む、方法。
  20. 請求項1記載の方法であって、
    前記評価指数は、前記色差指数と前記画質指数の重み付き平均によって得られる、方法。
  21. プリンタで使用可能な複数のインクのインク量セットを表すインク量データと、測色値との対応関係を規定するプロファイルを作成する装置であって、
    インク量データを、前記インク量データに従って印刷されるカラーパッチの分光反射率に変換する分光プリンティングモデルコンバータであって、複数のサンプルインク量データのそれぞれを、前記サンプルインク量データによって表されるインク量で印刷されるべき仮想サンプルパッチの分光反射率に変換する分光プリンティングモデルコンバータと、
    各サンプルインク量データについて評価指数を算出する評価指数生成部であって、前記評価指数は、前記分光反射率から算出されるサンプル色と比較の基礎として選択された比較色との間の色差を表す色差指数と、前記サンプルインク量データに従って印刷されるべき前記仮想サンプルパッチの画質指数とを含む、評価指数生成部と、
    前記評価指数に基づいて、複数のサンプルインク量データを選択する選択部と、
    前記選択された複数のサンプルインク量データに基づいて、測色値とインク量データとの対応関係を規定するプロファイルを作成するプロファイル作成部と、
    を備える装置。
  22. プリンタで使用可能な複数のインクのインク量セットを表すインク量データと、測色値との対応関係を規定するプロファイルを作成するシステムであって、
    インク量データを、前記インク量データに従って印刷されるカラーパッチの分光反射率に変換する分光プリンティングモデルコンバータと、
    複数のインクのインク量セットをそれぞれ表す複数のサンプルインク量データのデータソースと、
    前記分光プリンティングモデルを用いて、各サンプルインク量データを、前記サンプルインク量データによって表されるインク量で印刷されるべき仮想サンプルパッチの分光反射率に変換する変換システムと、
    各サンプルインク量データについて評価指数を算出する評価指数算出システムであって、前記評価指数は、前記分光反射率から算出されるサンプル色と比較の基礎として選択された比較色との間の色差を表す色差指数と、前記サンプルインク量データに従って印刷されるべき前記仮想サンプルパッチの画質指数とを含む、評価指数算出システムと、
    前記評価指数に基づいて、複数のサンプルインク量データを選択する選択システムと、
    前記選択された複数のサンプルインク量データに基づいて、測色値とインク量データとの対応関係を規定するプロファイルを作成する作成システムと、
    を備えるシステム。
  23. 請求項22記載のシステムであって、
    前記画質指数は、前記サンプルインク量データに従って印刷されるべき仮想サンプルカラーパッチの粒状性を示す指数を含む、システム。
  24. 請求項23記載のシステムであって、
    前記評価指数算出システムは、さらに、
    前記サンプルインク量データに従って印刷されるべき仮想サンプルカラーパッチ上におけるインクドット形成状態をシミュレーションするシミュレーションシステムと、
    前記シミュレーション結果を用いて前記粒状性指数を算出する粒状性算出システムと、
    を含む、システム。
  25. 請求項24記載のシステムであって、
    前記インクドット形成状態は、複数のインクドットの詳細な形状及び位置によって表される、システム。
  26. 請求項23記載のシステムであって、
    前記シミュレーションシステムは、さらに、
    プリンタの複数のインク吐出ノズルに対するインク吐出特性を取得する取得システムと、
    前記インク吐出特性を用いて前記インクドット形成状態を算出する状態算出システムと、
    を含む、システム。
  27. 請求項26記載のシステムであって、
    前記インク吐出特性は、前記プリンタの機械的誤差に起因するドット形成位置のずれを含む、システム。
  28. 請求項24記載のシステムであって、
    前記シミュレーションシステムは、さらに、
    同一のサンプルインク量データが割り当てられた一様画像領域に対してハーフトーン処理を実行することによって、前記一様画像領域に対するハーフトーンデータを生成する処理システムを含み、
    前記算出システムは、前記ハーフトーンデータを用いて前記一様画像領域上における前記インクドット形成状態を算出する、システム
  29. 請求項24記載のシステムであって、
    粒状性算出システムは、さらに、
    前記ドット形成状態の明度値分布を算出する分布算出システムと、
    前記明度値分布の空間周波数を算出する周波数算出システムと、
    を含み、
    前記粒状性算出システムは、前記空間周波数から前記粒状性指数を算出する、システム
  30. 請求項22記載のシステムであって、
    前記作成システムは、さらに、
    特定の色空間内における複数の点の分布の平滑度を示す平滑程度評価指数を、1つの点の座標の関数として規定する規定システムと、
    前記選択されたサンプルインク量データに対応する前記特定色空間内の点に対する前記平滑程度評価指数の値を算出する平滑度算出システムと、
    前記平滑程度評価指数値が所定の基準を満足するか否かを判断する判断システムと、
    前記平滑程度評価指数値が前記所定の基準を満足しないときに、
    (i)前記特定の色空間内における前記点の座標を修正し、
    (ii)前記修正された座標を有する前記点に対する前記平滑程度評価指数値を算出する、
    ことを、前記平滑程度評価指数値が前記基準を満足するまで繰り返し、
    前記所定の基準を満たす平滑程度評価指数値を有する前記特定の色空間内の点の前記修正された座標に対応する複数のサンプルインク量データを再選択する再選択システムと、
    を含み、
    前記作成システムは、前記再選択された複数のサンプルインク量データに基づいて、測色値とインク量データとの対応関係を規定するプロファイルを作成する、システム。
  31. 請求項30記載のシステムであって、
    前記平滑程度評価指数値は、前記特定の色空間の複数の部分において異なる関数形式を有する、システム
  32. 請求項30記載のシステムであって、
    前記平滑程度評価指数値は、対象の点から隣接する点にそれぞれ向かうほぼ反対方向の2つのベクトルの合成ベクトルの絶対値の関数である、システム
  33. 請求項32記載のシステムであって、
    前記対象の点がカラーガマットのエッジ上にあるときに、前記隣接する点は、前記カラーガマットのエッジ上に位置し、かつ、前記対象の点を挟んで反対側にあるように選択される、システム
  34. 請求項32記載のシステムであって、
    前記対象の点がカラーガマットの外表面上にあるときに、前記隣接する点は、前記カラーガマットの外表面上に位置し、かつ、前記対象の点を挟んで反対側にあるように選択される、システム
  35. 請求項32記載のシステムであって、
    前記対象の点がカラーガマットの内部にあるときに、前記隣接する点は、前記カラーガマットの内部に位置し、かつ、前記対象の点を挟んで反対側にあるように選択される、システム
  36. 請求項22記載のシステムであって、
    前記画質指数は、単位面積当たりの合計インク量を表す指数を含む、システム。
  37. 請求項22記載のシステムであって、
    前記画質指数は、使用される印刷媒体に応じて複数の媒体依存指数から選択される媒体依存指数を含む、システム。
  38. 請求項22記載のシステムであって、
    前記画質指数は、特定の色空間内における前記仮想サンプルパッチの色を表す複数の点の分布の平滑度を表す平滑程度指数を含む、システム。
  39. 請求項22記載のシステムであって、
    前記画質指数は、前記仮想サンプルパッチで形成されるガマットのサイズを評価する指数を含む、システム。
  40. 請求項22記載のシステムであって、
    前記評価指数は、前記色差指数と前記画質指数の重み付き平均によって得られる、システム。
JP2006539127A 2003-11-03 2004-11-01 印刷用色変換プロファイルの生成 Active JP4388553B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/700,658 US7652789B2 (en) 2003-11-03 2003-11-03 Production of color conversion profile for printing
PCT/JP2004/016511 WO2005043884A1 (en) 2003-11-03 2004-11-01 Production of color conversion profile for printing

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2007516663A true JP2007516663A (ja) 2007-06-21
JP2007516663A5 JP2007516663A5 (ja) 2007-08-02
JP4388553B2 JP4388553B2 (ja) 2009-12-24

Family

ID=34551251

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006539127A Active JP4388553B2 (ja) 2003-11-03 2004-11-01 印刷用色変換プロファイルの生成

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7652789B2 (ja)
JP (1) JP4388553B2 (ja)
WO (1) WO2005043884A1 (ja)

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007281724A (ja) * 2006-04-04 2007-10-25 Seiko Epson Corp 粒状性の予測
JP2009188657A (ja) * 2008-02-05 2009-08-20 Seiko Epson Corp 色変換対応情報作成装置及び方法、並びに、そのためのプログラム
JP2009207098A (ja) * 2008-02-29 2009-09-10 Seiko Epson Corp 印刷制御装置、印刷システムおよび印刷制御プログラム
JP2012516440A (ja) * 2009-01-30 2012-07-19 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 測定された電磁放射強度からのスペクトルベクトルを決定する方法およびシステム
JP2012178800A (ja) * 2011-02-28 2012-09-13 Seiko Epson Corp 印刷制御装置および印刷制御プログラム
US8780349B2 (en) 2012-01-20 2014-07-15 Seiko Epson Corporation Color measurement apparatus and color measurement method
US8922855B2 (en) 2012-02-13 2014-12-30 Seiko Epson Corporation Printing apparatus
JP2015050569A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 富士フイルム株式会社 色分解装置、色分解方法および色分解プログラム
JP2015050568A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 富士フイルム株式会社 色分解装置、色分解方法および色分解プログラム
EP2884732A1 (en) 2013-12-11 2015-06-17 Seiko Epson Corporation Color conversion apparatus, look-up table generating method, and look-up table generating apparatus
EP2884731A1 (en) 2013-12-11 2015-06-17 Seiko Epson Corporation Lookup table generation method, lookup table generation apparatus and color conversion apparatus
US9275317B2 (en) 2014-05-15 2016-03-01 Toppan Printing Co., Ltd. Color prediction system and color prediction method
US9307118B2 (en) 2014-01-30 2016-04-05 Seiko Epson Corporation Method, apparatus, and program for generating color conversion lookup table
JP2016182797A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像記録装置、ドット混合比率の設定方法、およびプログラム
JP2016182798A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 キヤノン株式会社 画像処理装置および記録比率決定方法
JP2016184909A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像記録装置、画像処理方法、およびプログラム
CN108370404A (zh) * 2015-12-18 2018-08-03 精工爱普生株式会社 颜色转换表的创建方法
US10375276B2 (en) 2016-03-17 2019-08-06 Seiko Epson Corporation Color correction table creation method, color correction table creation apparatus, and non-transitory computer readable medium for storing program
US10587779B2 (en) 2016-06-01 2020-03-10 Toppan Printing Co., Ltd. Reproduction color profile correction device, reproduction color profile correction method, and computer-readable medium including reproduction color profile correction program

Families Citing this family (61)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7251058B2 (en) * 2001-11-26 2007-07-31 Ioan Pop Method for generating customized ink/media transforms
US7173733B2 (en) * 2002-11-07 2007-02-06 University Of Delaware Method for modeling color halftones
US7706604B2 (en) * 2003-11-03 2010-04-27 Seiko Epson Corporation Production of color conversion profile for printing
CN100356769C (zh) * 2003-11-03 2007-12-19 精工爱普生株式会社 用于打印的颜色转换简档的产生方法
JP4238992B2 (ja) * 2003-12-15 2009-03-18 富士ゼロックス株式会社 カラー画像処理方法およびカラー画像処理装置、カラー画像処理プログラム、記憶媒体
US7551315B2 (en) * 2004-02-25 2009-06-23 Seiko Epson Corportion Color matching accuracy under multiple printing conditions
JP4721398B2 (ja) * 2004-03-31 2011-07-13 キヤノン株式会社 色処理装置およびその方法
JP4343752B2 (ja) * 2004-03-31 2009-10-14 キヤノン株式会社 色処理装置およびその方法
JP4265484B2 (ja) * 2004-06-08 2009-05-20 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 画像処理装置、画像処理方法及び画像形成装置
JP4646567B2 (ja) * 2004-08-05 2011-03-09 キヤノン株式会社 色変換テーブル作成方法および画像処理装置
US7755817B2 (en) * 2004-12-07 2010-07-13 Chimei Innolux Corporation Color gamut mapping
US7626742B2 (en) * 2005-02-16 2009-12-01 Samsung Electronics Co., Ltd. Color data conversion apparatus and method using gamut boundary descriptors
KR100664958B1 (ko) * 2005-07-11 2007-01-04 삼성전자주식회사 미리 정의된 데이터와 색특성 정보를 이용하여 최적 변환된영상을 출력하는 방법 및 프린터
JP4586668B2 (ja) * 2005-08-01 2010-11-24 凸版印刷株式会社 色情報処理方法および色情報処理装置ならびにそのプログラム
JP4595734B2 (ja) * 2005-08-03 2010-12-08 セイコーエプソン株式会社 プロファイル作成方法、プロファイル作成装置、プロファイル作成プログラム、印刷制御方法、印刷制御装置、及び印刷制御プログラム
JP2007049494A (ja) * 2005-08-10 2007-02-22 Konica Minolta Business Technologies Inc 色変換テーブルの作成方法、画像処理装置、画像処理方法、画像形成装置及び記録媒体
US8111430B2 (en) * 2005-09-13 2012-02-07 Canon Kabushiki Kaisha Color conversion apparatus and method
US8218198B2 (en) * 2006-03-07 2012-07-10 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Color selection
JP4235837B2 (ja) 2006-04-04 2009-03-11 セイコーエプソン株式会社 粒状性の予測、プロファイルの作成および印刷装置
JP4788486B2 (ja) * 2006-06-13 2011-10-05 富士ゼロックス株式会社 色域外郭作成装置及び色域外郭作成プログラム
JP4247639B2 (ja) * 2006-06-14 2009-04-02 セイコーエプソン株式会社 印刷用色変換プロファイルの生成
US20080056566A1 (en) * 2006-09-01 2008-03-06 Texas Instruments Incorporated Video processing
US20080130987A1 (en) * 2006-11-30 2008-06-05 Microsoft Corporation Color Management of RAW Content from Digital Capture Devices
US7990588B2 (en) * 2006-12-12 2011-08-02 Canon Kabushiki Kaisha Method of finding look-up table structures in color device sampling data
EP1973334A3 (en) * 2007-03-20 2010-01-27 Seiko Epson Corporation Printing control according to combinations of color materials
JP4974030B2 (ja) * 2007-09-12 2012-07-11 キヤノン株式会社 画像処理装置および画像処理方法
US8564828B2 (en) * 2007-11-09 2013-10-22 Xerox Corporation Automated methods and systems for assessing and summarizing gamut requirements
US20090185202A1 (en) * 2008-01-18 2009-07-23 Xerox Corporation Methods and systems for selecting printing materials
US20100157334A1 (en) * 2008-12-24 2010-06-24 Canon Kabushiki Kaisha Image processing apparatus, image processing system, image processing method, and medium storing program
US8077352B2 (en) * 2009-01-26 2011-12-13 Xerox Corporation GAMUT aim and GAMUT mapping method for spatially varying color lookup tables
US8330991B2 (en) * 2009-03-03 2012-12-11 Columbia Insurance Company Method for managing metamerism of color merchandise
US8467090B2 (en) * 2009-03-03 2013-06-18 Columbia Insurance Company Color selection apparatus and method for producing low metameric color merchandise
EP2227000A1 (en) * 2009-03-04 2010-09-08 Agfa Graphics N.V. Method and apparatus for calculating metameric colors
ES2469717T3 (es) * 2009-03-04 2014-06-18 Agfa Graphics N.V. Método y aparato para calcular colores metam�ricos
JP5347629B2 (ja) * 2009-03-26 2013-11-20 セイコーエプソン株式会社 画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラム
US8311324B2 (en) 2009-08-10 2012-11-13 Canon Kabushiki Kaisha Performing spectral gamut mapping for reproducing an image
US9584700B2 (en) * 2009-10-26 2017-02-28 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Color separation table optimized for a printing process according to a print attribute by selecting particular Neugebauer primaries and Neugebauer primary area coverages
US8610948B2 (en) 2009-11-24 2013-12-17 Canon Kabushiki Kaisha Spectral gamut mapping by constrained subdivision of gamut
US8542402B2 (en) 2009-12-18 2013-09-24 Canon Kabushiki Kaisha Selection of samples for spanning a spectral gamut
US8451495B2 (en) * 2009-12-23 2013-05-28 Xerox Corporation Color inconstancy guide for spot color print applications
US8456700B2 (en) * 2009-12-23 2013-06-04 Xerox Corporation Spectral matching guide for spot color print applications
US8456701B2 (en) * 2009-12-23 2013-06-04 Xerox Corporation Reference color difference quantity guide for spot color applications
JP5655334B2 (ja) * 2010-03-19 2015-01-21 ソニー株式会社 画像処理装置および方法、並びにプログラム
US20110235141A1 (en) * 2010-03-23 2011-09-29 Shestak Vladimir V Spot Color Matching Mechanism
JP5777322B2 (ja) * 2010-10-29 2015-09-09 キヤノン株式会社 色処理装置および色処理方法
JP5790996B2 (ja) * 2011-01-05 2015-10-07 株式会社リコー 画像形成装置
US8885932B2 (en) * 2011-02-01 2014-11-11 Canon Kabushiki Kaisha Image processing apparatus and profile generation method
JP5909887B2 (ja) 2011-06-14 2016-04-27 セイコーエプソン株式会社 画像処理装置、印刷装置、画像処理方法、ルックアップテーブルの生成方法
US9686444B2 (en) * 2012-07-11 2017-06-20 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Color separation and printing
CN103544334B (zh) * 2012-12-10 2016-06-22 慈溪市桥头京姬电子元件厂 基于cii和色差的多墨打印机配方选择算法
EP3125521B1 (en) 2014-03-27 2019-03-13 Fujifilm Corporation Printing system, halftone processing rule generation method, characteristic parameter acquisition method, image processing device and method, halftone processing rule, halftone image, printed matter production method, inkjet printing system, and program
JP6338480B2 (ja) * 2014-07-22 2018-06-06 株式会社Screenホールディングス 色変換装置および色変換方法
WO2016066202A1 (en) * 2014-10-30 2016-05-06 Hewlett-Packard Development Company L.P. Configuring an imaging system
JP6540240B2 (ja) * 2015-06-03 2019-07-10 凸版印刷株式会社 色推定システム、製版データ作成システム、色推定方法および製版データ作成方法
US9994053B2 (en) * 2016-03-01 2018-06-12 Electronics For Imaging, Inc. Achieving ink cost saving for printing devices by taking visual appearance and real ink costs into account
US10979600B2 (en) * 2017-09-05 2021-04-13 Hp Indigo B.V. Method and printer system for determining adjusted output settings
US10516809B2 (en) * 2018-02-28 2019-12-24 Ricoh Company, Ltd. Optimizing number of grid points in multi-dimensional color lookup table
WO2019221716A1 (en) * 2018-05-15 2019-11-21 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Color table generation
US11023791B2 (en) * 2019-10-30 2021-06-01 Kyocera Document Solutions Inc. Color conversion using neural networks
US20220247888A1 (en) * 2021-02-03 2022-08-04 Xerox Corporation Utilizing a graininess-based metric to estimate a total colorant limit
JP2023165244A (ja) * 2022-05-02 2023-11-15 セイコーエプソン株式会社 画像解析装置

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09163382A (ja) 1995-12-07 1997-06-20 Toyo Ink Mfg Co Ltd 色ずれ修正方法及び装置
JPH11261740A (ja) 1998-03-13 1999-09-24 Ricoh Co Ltd 画像評価方法、装置および記録媒体
JP2001320592A (ja) 2000-05-08 2001-11-16 Fujitsu Ltd プリンタプロファイル作成装置とプリンタプロファイル作成方法
US6652060B2 (en) * 2000-07-12 2003-11-25 Canon Kabushiki Kaisha Image recording apparatus, image recording method, storage medium which stores computer-readable program and the same program
JP2002103582A (ja) * 2000-09-27 2002-04-09 Seiko Epson Corp データ記録媒体の表面層への印刷
DE10110125A1 (de) * 2001-03-02 2002-09-19 Heidelberger Druckmasch Ag Verfahren zur Bestimmung eines Farbprofils für das drucken mit N Druckfarben
JP2002354276A (ja) 2001-05-23 2002-12-06 Toppan Printing Co Ltd 色変換方法および色変換装置
JP2003001810A (ja) * 2001-06-20 2003-01-08 Canon Inc キャリブレーション装置、インクジェット記録装置、キャリブレーション方法およびキャリブレーション用テスト画像が記録された記録媒体
US7053910B2 (en) 2001-07-30 2006-05-30 Canon Kabushiki Kaisha Reducing metamerism in color management systems
JP2003065852A (ja) * 2001-08-29 2003-03-05 Canon Inc 画像処理方法、装置およびプログラム
JP4765236B2 (ja) * 2001-09-27 2011-09-07 ブラザー工業株式会社 画像形成装置の色変換特性設定装置
US6698860B2 (en) 2001-11-01 2004-03-02 E. I. Du Pont De Nemours And Company Spectral color reproduction with six color output
JP4027084B2 (ja) 2001-11-14 2007-12-26 キヤノン株式会社 画像形成装置及びその制御方法
US6752082B2 (en) * 2002-02-21 2004-06-22 Océ Display Graphics Systems Systems and method for selecting a media for a print job
JP3973465B2 (ja) * 2002-03-19 2007-09-12 リョービ株式会社 カラーマッチング方法
JP3927849B2 (ja) 2002-04-11 2007-06-13 キヤノン株式会社 画像処理システム及びその制御方法、画像処理方法、プログラム及び記録媒体
JP2003333355A (ja) * 2002-05-10 2003-11-21 Canon Inc 色評価装置及び方法
JP3787534B2 (ja) * 2002-05-20 2006-06-21 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム
JP4340861B2 (ja) * 2003-09-11 2009-10-07 セイコーエプソン株式会社 印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム
JP4247639B2 (ja) * 2006-06-14 2009-04-02 セイコーエプソン株式会社 印刷用色変換プロファイルの生成

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007281724A (ja) * 2006-04-04 2007-10-25 Seiko Epson Corp 粒状性の予測
JP2009188657A (ja) * 2008-02-05 2009-08-20 Seiko Epson Corp 色変換対応情報作成装置及び方法、並びに、そのためのプログラム
JP2009207098A (ja) * 2008-02-29 2009-09-10 Seiko Epson Corp 印刷制御装置、印刷システムおよび印刷制御プログラム
JP2012516440A (ja) * 2009-01-30 2012-07-19 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 測定された電磁放射強度からのスペクトルベクトルを決定する方法およびシステム
JP2012178800A (ja) * 2011-02-28 2012-09-13 Seiko Epson Corp 印刷制御装置および印刷制御プログラム
US8780349B2 (en) 2012-01-20 2014-07-15 Seiko Epson Corporation Color measurement apparatus and color measurement method
US8922855B2 (en) 2012-02-13 2014-12-30 Seiko Epson Corporation Printing apparatus
JP2015050569A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 富士フイルム株式会社 色分解装置、色分解方法および色分解プログラム
JP2015050568A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 富士フイルム株式会社 色分解装置、色分解方法および色分解プログラム
US9965708B2 (en) 2013-12-11 2018-05-08 Seiko Epson Corporation Color conversion apparatus, look-up table generating method, and look-up table generating apparatus
EP2884731A1 (en) 2013-12-11 2015-06-17 Seiko Epson Corporation Lookup table generation method, lookup table generation apparatus and color conversion apparatus
JP2015115737A (ja) * 2013-12-11 2015-06-22 セイコーエプソン株式会社 色変換装置、ルックアップテーブル生成方法、及び、ルックアップテーブル生成装置
EP2884732A1 (en) 2013-12-11 2015-06-17 Seiko Epson Corporation Color conversion apparatus, look-up table generating method, and look-up table generating apparatus
US9704073B2 (en) 2013-12-11 2017-07-11 Seiko Epson Corporation Color conversion apparatus, look-up table generating method, and look-up table generating apparatus
US9307118B2 (en) 2014-01-30 2016-04-05 Seiko Epson Corporation Method, apparatus, and program for generating color conversion lookup table
US9275317B2 (en) 2014-05-15 2016-03-01 Toppan Printing Co., Ltd. Color prediction system and color prediction method
JP2016184909A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像記録装置、画像処理方法、およびプログラム
JP2016182798A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 キヤノン株式会社 画像処理装置および記録比率決定方法
JP2016182797A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 キヤノン株式会社 画像処理装置、画像記録装置、ドット混合比率の設定方法、およびプログラム
CN108370404A (zh) * 2015-12-18 2018-08-03 精工爱普生株式会社 颜色转换表的创建方法
CN108370404B (zh) * 2015-12-18 2019-09-06 精工爱普生株式会社 颜色转换表的创建方法
US10540582B2 (en) 2015-12-18 2020-01-21 Seiko Epson Corporation Method for creating color conversion table
US10375276B2 (en) 2016-03-17 2019-08-06 Seiko Epson Corporation Color correction table creation method, color correction table creation apparatus, and non-transitory computer readable medium for storing program
US10587779B2 (en) 2016-06-01 2020-03-10 Toppan Printing Co., Ltd. Reproduction color profile correction device, reproduction color profile correction method, and computer-readable medium including reproduction color profile correction program

Also Published As

Publication number Publication date
US7652789B2 (en) 2010-01-26
JP4388553B2 (ja) 2009-12-24
US20050094169A1 (en) 2005-05-05
WO2005043884A1 (en) 2005-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4388553B2 (ja) 印刷用色変換プロファイルの生成
JP4528782B2 (ja) 印刷用色変換プロファイルの生成
JP4247639B2 (ja) 印刷用色変換プロファイルの生成
US7239422B2 (en) Color gamut mapping using a cost function
JP4561483B2 (ja) 指定色を再現するインク量の組み合わせの決定
JP4388554B2 (ja) 印刷用色変換プロファイルの生成
US9965708B2 (en) Color conversion apparatus, look-up table generating method, and look-up table generating apparatus
JP4200365B2 (ja) 対応関係定義データ作成用格子点決定方法、対応関係定義データ作成用格子点決定装置、対応関係定義データ作成用格子点決定プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法、印刷制御プログラムおよび画像データ処理装置
JP4235837B2 (ja) 粒状性の予測、プロファイルの作成および印刷装置
EP1447972A2 (en) Calibrating a digital printer using a cost function
US20020154326A1 (en) Image processing method and apparatus
JP6349741B2 (ja) ルックアップテーブル生成方法、及び、色変換装置
JP5589520B2 (ja) 色変換プロファイル作成装置、色変換プロファイル作成方法、色変換プロファイル作成プログラムおよび印刷装置
JP2010147586A (ja) 印刷結果予測方法、プロファイル作成方法、印刷装置、および、調査シート
JP4380503B2 (ja) ルックアップテーブル作成方法および分版方法
JP2008259169A (ja) 印刷結果の予測
JP2010221438A (ja) 印刷装置、印刷方法、および、ルックアップテーブル作成方法
JP2003283856A5 (ja)
JP2012129905A (ja) 色変換プロファイル作成装置、色変換プロファイル作成方法、色変換プロファイル作成プログラム及び印刷装置
KR100731582B1 (ko) 6색 프린터 시스템 및 그 6색 분리 방법
JP2007281610A (ja) プロファイルの作成
JP2010141830A (ja) プロファイル作成方法、印刷制御方法、印刷制御装置、および、印刷装置
JP2010221437A (ja) 印刷装置、印刷方法、および、ルックアップテーブル作成方法
JP2005284521A (ja) 複数種類の色再現に対応した色変換プロファイルを利用した印刷制御
JP2015032974A (ja) 色分版ルックアップテーブル生成装置、色分版ルックアップテーブル生成方法、及び、画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070613

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090519

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090818

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090915

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091002

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4388553

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121009

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121009

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131009

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250