JP2007312591A - 永久磁石埋設型回転電機及びカーエアコン用モータ並びに密閉型電動圧縮機 - Google Patents

永久磁石埋設型回転電機及びカーエアコン用モータ並びに密閉型電動圧縮機 Download PDF

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Abstract

【課題】トルクリップルを低減させて、音や振動を低減させることができる永久磁石埋設型回転電機を提供する。
【解決手段】回転子15の外周は、回転中心Cを中心とする半径Rの円周部19A,19Bと、隣り合う円周部19Aと円周部19Bとを結ぶ凸形状部20によって形成されている。凸形状部20は、3つの直線H1,H2,H3を繋いで形成されている。回転子15を構成するロータコア16には第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23がロータコア16を回転中心Cの軸線方向に貫通するように設けられている。第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23は、半径直線151と、角部H12と回転中心Cとを結ぶ直線158とに挟まれた範囲内に配設されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、巻き線を施された固定子の内側で回転する回転子の内部に複数の永久磁石が磁極として埋設されている永久磁石埋設型回転電機及びカーエアコン用モータ並びに密閉型電動圧縮機に関する。
この種の永久磁石埋設型回転電機(例えば特許文献1〜4参照)では、回転子の内部に複数の永久磁石が回転子の周方向に隣り合うように埋設されており、回転子の周方向に隣り合う一対の永久磁石の磁極が互いに異なるようにしてある。隣り合う一対の永久磁石の間(磁極切り替わり部)付近には急激な磁束密度変動が発生するため、トルク脈動〔以下、トルクリップル(出力トルクの変動幅)と称する〕が生じ、これが振動、騒音をもたらす。
トルクリップルを抑制するために、特許文献1では、回転子の半径が周方向で隣り合う永久磁石の間(磁極切り替わり部)で最小となり、かつ磁極中心部の位置で最大となるように、回転子の外周形状を正弦波変化させた形状としている。
特許文献2では、回転子の半径が周方向で隣り合う永久磁石の間(磁極切り替わり部)で最小となり、かつ磁極中心部付近の位置で最大となるように、磁極中心部付近に対応する回転子の外周形状を外向きに突出した円弧形状としている。
特許文献3では、磁極中心部付近に対応する回転子の外周形状を回転子の回転中心と同心の円周部とし、隣り合う永久磁石の磁極端部付近の位置に対応する回転子の外周形状を溝形状としている。
特許文献4では、永久磁石を挿入した磁石挿入孔の外周側鉄心部にスリットが設けられている。
特開2001−69701号公報 特開2002−95194号公報 特開2002−136011号公報 特開平10−285851号公報
しかし、特許文献1,2のモータでは、固定子側のティースと回転子の外周との間の空隙の最小は、磁極中心部に対応する回転子の横断面外周上の点部分のみとなるため、トルク定数(単位電流当たりの出力可能トルク)が外周半径一定の回転子と比べて小さくなってしまうという欠点がある。
特許文献3のモータでは、固定子側のティースと回転子の外周との間の空隙が円周部と溝形状の部分とで大きく変化するため、トルク脈動を抑制することが難しい。又、溝形状が深いと、トルク定数が特許文献1,2のモータの場合よりも更に小さくなってしまう。
特許文献4のモータでは、固定子電流による電機子反作用による回転子の回転方向側の鉄心に対向する固定子歯の磁気飽和を前記スリットによって防止し、これによりモータ効率の低下を防止することができる旨の開示がある。しかし、スリットの存在とトルクリップルの抑制との関係についての記載はない。
本発明は、トルクの低下を防止しつつトルクリップルを抑制して音や振動を低減させることができる永久磁石埋設型回転電機、カーエアコン用モータ並びに密閉型電動圧縮機を提供することを目的とする。
本発明は、環状の固定子の内周に複数配列されたティース間のスロットに巻き線が施されており、前記固定子の内側で回転する回転子の内部に複数の永久磁石が埋設されている永久磁石埋設型回転電機を対象とし、請求項1の発明は、前記永久磁石の磁極中心部に対応する前記回転子の外周が前記回転子の回転中心と同心の円周面形状の円周部であり、前記永久磁石に対応する前記各円周部は、互いに離れており、隣り合う一対の前記円周部は、前記円周部を含む仮想の円周面よりも内側において半径方向の外側へ向けて凸の凸形状部で結ばれており、前記凸形状部は、半径方向の外側へ向けて凸の角部を2つ有しており、前記凸形状部の2つの角部は、3つの直線を繋いで形成されており、前記回転子には磁束阻害領域が設けられており、前記磁束阻害領域は、前記回転子の回転中心と前記円周部の中央とを結ぶ半径直線と、前記半径直線に対して前記回転子の回転方向側の凸形状部を周方向において2等分割する凸形状部2等分割線とに挟まれた範囲内に配設されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記磁束阻害領域は、前記半径直線と、前記半径直線に対して前記回転子の回転方向側の凸形状部の2つの角部のうち前記半径直線に近い角部と前記回転子の回転中心とを結ぶ直線とに挟まれた範囲内に配設されている。
凸形状部は、磁束変動を滑らかにし、2つの角部が出力トルクの波形を高次数化する。出力トルクをフーリエ級数展開した場合、磁束阻害領域がある回転子では、出力トルクの基本次数の2倍の次数成分におけるトルクリップルは、磁束阻害領域のない回転子の場合よりも小さくすることができる。
請求項3の発明は、請求項1及び請求項2のいずれか1項において、前記磁束阻害領域は、複数の磁束阻害部によって構成されている。
請求項4の発明は、請求項1及び請求項2のいずれか1項において、前記磁束阻害領域は、出力トルクの基本次数を前記永久磁石埋設型回転電機における極数pと前記スロットの数Kとの最小公倍数とした場合、出力トルクの基本次数の2倍の次数成分におけるトルクリップルの抑制対策用として設けられた2等分割線側磁束阻害領域と、出力トルクの基本次数成分におけるトルクリップルの抑制対策用として設けられた半径直線側磁束阻害領域とによって構成されており、前記回転子の回転中心から前記回転子の外周に至る仮想の直線であって、前記凸形状部2等分割線から前記回転子の回転方向とは反対側に角度〔(360°/p)/2+(360°/K)/2〕×3/8だけ回転した角度位置にある前記仮想の直線を直線Zとすると、前記2等分割線側磁束阻害領域は、前記直線Zと前記凸形状部2等分割線との間の領域、又は前記直線Zに掛かる領域に設定されていると共に、前記2等分割線側磁束阻害領域の角度位置は、前記直線Zと前記凸形状部2等分割線との間の領域に設定されており、前記半径直線側磁束阻害領域は、前記直線Zと前記半径直線との間の領域、又は前記直線Zに掛かる領域に設定されていると共に、前記半径直線側磁束阻害領域の角度位置は、前記直線Zと前記半径直線との間の領域に設定されている。
2等分割線側磁束阻害領域の角度位置とは、半径直線側磁束阻害領域における回転子の回転中心を中心とした角度幅の中央の角度位置のことである。半径直線側磁束阻害領域の角度位置とは、半径直線側磁束阻害領域における回転子の回転中心を中心とした角度幅の中央の角度位置のことである。
請求項5の発明は、請求項4において、前記凸形状部2等分割線から前記回転子の回転方向とは反対側へ角度αの位置にある前記2等分割線側磁束阻害領域の角度位置αと、前記永久磁石埋設型回転電機における極数pとの間には、式(1)が設定されており、且つ、前記回転子の回転中心を中心とした前記2等分割線側磁束阻害領域の角度幅Waと、前記極数pとの間には式(2)が設定されている。
7°×6/p≦α≦10°×6/p・・・(1)
Wa≦2.4°×6/p ・・・(2)
このような構成は、出力トルクの基本次数の2倍の次数成分におけるトルクリップルを抑制する上で好適である。
請求項6の発明は、請求項5において、前記永久磁石埋設型回転電機における極数pは、6に設定されており、前記永久磁石埋設型回転電機におけるスロット数は、18に設定されており、前記2等分割線側磁束阻害領域である第1磁束阻害部は、前記凸形状部を周方向において2等分割する前記凸形状部2等分割線から前記回転子の回転方向とは反対側に角度8.5°だけ後進した位置に掛かるように設けられており、前記半径直線に近い角部と前記回転子の回転中心とを結ぶ直線は、前記第1磁束阻害部と前記凸形状部2等分割線との間にある。
凸形状部2等分割線から角度8.5°だけ後進した位置に掛かるように第1磁束阻害部を設けた構成は、出力トルクの基本次数(18次)の2倍の次数成分(36次数成分)におけるトルクリップルを抑制する上で好適である。
請求項7の発明は、請求項4乃至請求項6のいずれか1項において、前記凸形状部2等分割線から前記回転子の回転方向とは反対側へ角度δの位置にある前記半径直線側磁束阻害領域の角度位置δと、前記永久磁石埋設型回転電機における極数pとの間には、式(3)が設定されており、且つ、前記回転子の回転中心を中心とした前記半径直線側磁束阻害領域の角度幅Wbと、前記永久磁石埋設型回転電機における極数pとの間には式(4)が設定されている。
17°×6/p≦δ≦24°×6/p・・・(3)
Wb≦7.3°×6/p ・・・(4)
このような構成は、出力トルクの基本次数におけるトルクリップルを抑制する上で好適である。
請求項8の発明は、請求項7において、前記半径直線側磁束阻害領域は、間隔をおいて設けられた第2磁束阻害部と第3磁束阻害部とから構成されている。
このような半径直線側磁束阻害領域も出力トルクの基本次数におけるトルクリップルを抑制する上で有効である。
請求項9の発明は、請求項8において、前記角度幅Wbをなす半径直線側磁束阻害領域は、単一の磁束阻害部からなり、前記第2磁束阻害部と前記第3磁束阻害部とから構成された半径直線側磁束阻害領域における前記回転子の回転中心を中心とした角度幅をWdとし、前記回転子の回転中心を中心とした前記間隔の角度幅をWcとすると、単一の磁束阻害部からなる半径直線側磁束阻害領域の角度幅Wbと、角度幅Wdと、角度幅Wcとの間には、式(5)が設定されている。
Wb+0.75×(Wc+Wc)―(0.5×Wc+0.5)≦Wd
≦Wb+0.75×(Wc+Wc)+(0.5×Wc+0.5)・・・(5)
このような構成では、半径直線側磁束阻害領域が単一の磁束阻害部で構成されている場合に比べて、出力トルクの基本次数におけるトルクリップルを小さくすることができる。
請求項10の発明は、請求項8及び請求項9のいずれか1項において、前記第2磁束阻害部は、前記凸形状部2等分割線から前記回転子の回転方向とは反対側に角度15.6°だけ後進した位置に掛かるように設けられており、前記第3磁束阻害部は、前記凸形状部2等分割線から前記回転子の回転方向とは反対側に角度20°だけ後進した位置に掛かるように設けられている。
このような磁束阻害部を備えた回転子は、36次数成分におけるトルクリップルを抑制し、且つ出力トルクのトルクリップルを抑制する上で特に好適である。
請求項11の発明は、請求項4乃至請求項10のいずれか1項において、前記円周部と前記半径直線側磁束阻害領域との間の距離tと、前記円周部の直径2Rとの間には式(6)が設定されている。
0.006≦t/2R≦0.019・・・(6)
このような構成では、出力トルクの基本次数におけるトルクリップルを低減する効果を十分に引き出すことができる。
請求項12の発明は、請求項4乃至請求項11のいずれか1項において、前記凸形状部の2つの角部は、前記凸形状部2等分割線に関して鏡映対称に設けられており、前記凸形状部2等分割線に関して前記2等分割線側磁束阻害領域と鏡映対称な予備の2等分割線側磁束阻害領域が設けられている。
前記凸形状部2等分割線に関して鏡映対称となるように予備の2等分割線側磁束阻害領域を設けた構成は、回転子をどちらに回転させても出力トルクの36次数成分におけるトルクリップルの抑制に関して同じ効果をもたらす。
請求項13の発明は、請求項4乃至請求項12のいずれか1項において、前記凸形状部の2つの角部は、前記凸形状部2等分割線に関して鏡映対称に設けられており、前記凸形状部2等分割線に関して前記半径直線側磁束阻害領域と鏡映対称な予備の半径直線側磁束阻害領域が設けられている。
前記凸形状部2等分割線に関して鏡映対称となるように予備の半径直線側磁束阻害領域を設けた構成は、回転子をどちらに回転させても出力トルクの36次数成分におけるトルクリップルの抑制に関して同じ効果をもたらす。
請求項14の発明は、請求項1乃至請求項13のいずれか1項において、前記回転子は、複数枚のコア板を積層して構成されており、前記回転子の外周と前記磁束阻害領域との間の距離は、前記コア板の厚みの大きさ以上に設定されている。
このようにすれば、磁束阻害領域と回転子の外周との間のコア板の部分に必要な強度を持たせることができる。
請求項15の発明は、請求項1乃至請求項14のいずれか1項において、前記3つの直線を繋いで形成される前記凸形状部の両側の直線の一方の長さは、前記仮想の円周面に交わる位置まで前記両側の直線の一方を中央の直線側へ延長した延長線よりも長く、前記両側の直線の他方の長さは、前記仮想の円周面に交わる位置まで前記他方を中央の直線側へ延長した延長線よりも長い。
このような構成は、出力トルクの基本次数成分を高次数化してトルクリップルを抑制する上で好ましい。
請求項16の発明は、請求項1乃至請求項15のいずれか1項において、前記複数の永久磁石は、周方向に交互に異なる極性となるように埋設されている。
請求項17の発明は、請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の永久磁石埋設型回転電機をカーエアコン用モータとして用いた。
請求項18の発明は、回転電機によって駆動される回転軸の回転に基づく圧縮動作体の圧縮動作によって圧縮室内のガスを圧縮して吐出する密閉型電動圧縮機において、請求項17に記載のカーエアコン用モータを前記回転電機として用いた。
車載用の密閉型電動圧縮機では、騒音及び振動を低減したい上に、出力トルクを下げたくないという要求が厳しい。本発明の永久磁石埋設型回転電機は、これらの要求に好適である。
本発明の永久磁石埋設型回転電機、カーエアコン用モータ並びに密閉型電動圧縮機は、トルクの低下を防止でき、しかもトルクリップルも一層抑制できるという優れた効果を奏する。
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図18に基づいて説明する。
図1(a)に示すように、回転電機Mを構成する固定子11は、環状のコア12と、コア12の内周に複数配列されたティース121間のスロット122に施されたコイル13(巻き線)とからなる。本実施形態では、ティース121及びスロット122の個数は、18個である。スロット122は、環状の固定子11の周方向に等ピッチで配列されている。図2に示すように、コア12は、磁性体(鋼板)製の複数枚のコア板14を積層して構成されている。又、スロット122に施されたコイル13は、波巻きで巻かれている。
一般的に、極数をp(整数)、相数をm(整数)、毎極毎相あたりのスロット数をq(0.5,1,1.5,2,2.5・・・というように0.5飛び)、固定子のスロット数をKとした場合、下記の関係式が成立する。
K=q×p×m
例えば、3相、q=1の場合には、スロット数Kと極数pとの関係は、4極12スロット、6極18スロット、8極24スロット等となる。又、例えば、3相、q=1.5の場合には、スロット数Kと極数pとの関係は、4極18スロット、6極27スロット、8極36スロット等となる。
上記例示の中で、6極18スロットを有する波巻きを取り上げて図3,4で説明する。固定子11における波巻きは、図4に示すように、インバータ100のU相の端子101に接続されるU相コイル線(符合13Uで示す)は、第1のスロット(符合122Uで示す)の群に通されている。インバータ100のV相の端子102に接続されるU相コイル線(符合13Vで示す)は、第2のスロット(符合122Vで示す)の群に通されており、インバータ100のW相の端子103に接続されるW相コイル線(符合13Wで示す)は、第3のスロット(符合122Wで示す)の群に通されている。各コイル線13U,13V,13Wの実線部分は、固定子11の手前の端面側に配線された部分であり、各コイル線13U,13V,13Wの破線部分は、固定子11の向こう側の端面側に配線された部分である。各コイル線13U,13V,13Wの実線部分と破線部分との繋ぎ部分は、スロット122U,122V,122Wを通っている部分である。符合Nは、各コイル線13U,13V,13Wの終端を結線した中性点である。
図1(a)に示すように、回転電機Mを構成する回転子15は、ロータコア16と、ロータコア16内に埋設された複数(本実施形態では6個)の平板形状の永久磁石17A,17Bとからなる。複数の永久磁石17A,17Bは、全て同形同大である。固定子11の周方向に等ピッチに配列された複数(18個)のスロット122のピッチの角度幅(回転子15の回転中心Cを中心とする角度幅)θは、20°である。以下においては、角度幅とは、回転子15の回転中心Cを中心とする角度幅のことを言う。
図2に示すように、ロータコア16は、磁性体(鋼板)製の複数枚のコア板18を積層して構成されている。ロータコア16の中心部には軸孔161が貫設されている。軸孔161には出力軸(図示略)が通されて固定される。
図1(b)に示すように、永久磁石17A,17Bは、軸孔161の方向にロータコア16に貫設された収容孔162に嵌入されており、永久磁石17A,17Bは、回転子15の周方向に隣り合うようにロータコア16内に磁極として埋設されている。回転子15の周方向に隣り合う一対の永久磁石17A,17Bの磁極は、互いに異なっている。つまり、複数の永久磁石17A,17Bは、周方向に交互に異なる極性となるように埋設されている。
永久磁石17A,17Bの磁極端部171と磁極端部172との間の中間位置にある磁極中心部173を通る回転子15の半径直線151は、平板形状の永久磁石17A,17Bに対して直交する。回転子15の回転中心Cに繋がる半径直線151は、回転中心Cを中心とする等角度間隔(60°)の位置にある。永久磁石17A,17Bは、回転子15の回転中心Cから等距離の位置にあり、永久磁石17A,17Bは、回転子15の周方向に等ピッチに配列されている。
収容孔162の両端(磁極端部171,172の近傍)には空間163が設けられている。収容孔162に永久磁石17A,17Bが収容された状態では、永久磁石17A,17Bの両端側に磁路短絡防止用の空間163が残される。
図5に示すように、半径直線151を含む角度幅Aにおける回転子15の外周は、回転中心Cを中心とする半径Rの円周部19A,19Bに形成されている。永久磁石17A側の半径直線151は、円周部19Aの中央191に繋がっており、永久磁石17B側の半径直線151は、円周部19Bの中央191に繋がっている。つまり、円周部19Aの端縁192に至る半径直線152と円周部19Aの中央191に至る半径直線151との間の角度幅は、円周部19Aの端縁193に至る半径直線153と円周部19Aの中央191に至る半径直線151との間の角度幅に等しい。又、円周部19Bの端縁192に至る半径直線152と円周部19Bの中央191に至る半径直線151との間の角度幅は、円周部19Bの端縁193に至る半径直線153と円周部19Bの中央191に至る半径直線151との間の角度幅に等しい。半径直線151は、円周部19A,19Bを周方向において2等分割する円周部2等分割線である。ここにおける2等分割とは、円周部19A,19Bの角度幅を2等分割することを意味する。
永久磁石17Aに対応する円周部19Aと、永久磁石17Bに対応する円周部19Bとは、離れており、隣り合う円周部19Aと円周部19Bとは、回転子15の半径方向の外側へ凸の凸形状部20によって結ばれている。
円周部19Aの端縁193(又は192)と円周部19Bの端縁192(又は193)とに繋がる凸形状部20は、端縁192と端縁193とを結ぶ仮想の直線Hに対して平行な第1直線H1と、第1直線H1の一側縁と端縁192とを結ぶ第2直線H2と、第1直線H1の他側縁と端縁193とを結ぶ第3直線H3とを繋いで形成されている。
隣り合う第1直線H1と第2直線H2とは、回転子15の半径方向の外側に向けて凸の鈍角形状の角部H11を形成し、隣り合う第1直線H1と第3直線H3とは、回転子15の半径方向の外側に向けて凸の鈍角形状の角部H12を形成する。
凸形状部20の第1直線H1の中央は、永久磁石17Aと永久磁石17Bとの間に位置する磁極切り替わり部164に対応する。つまり、ティース121と回転子15の外周との間の空隙の大きさは、隣り合う一対の永久磁石17A,17Bの間に位置する磁極切り替わり部164に対応する空隙G〔図1(b)に図示〕が最も大きい。
図1(b)及び図5に示す直線154は、凸形状部20の中央201と、回転中心Cとを結ぶ線である。直線154は、凸形状部20を周方向に2等分割する線である。ここにおける2等分割とは、凸形状部20の角度幅を2等分割することを意味する。以下においては、直線154を凸形状部2等分割線154と記すこともある。
図5に示すDhは、中央201と、端縁192,193との間における仮想の円周Eを2等分割する中間位置190との直線距離を表す。中間位置190は、凸形状部2等分割線154の延長線上にある。以下、Dhを深さDhと記す。
第1直線H1は、凸形状部2等分割線154に対して直交している。第1直線H1の中央201(第1直線H1と凸形状部2等分割線154との交点)から第1直線H1の両側の端縁(角部H11,H12)に至る距離は、同じであり、回転中心Cを中心とした第2直線H2の角度幅と、回転中心Cを中心とした第3直線H3の角度幅とは、同じ角度幅θc〔図5に図示〕となる。
凸形状部20は、円周部19A,19Bを含む半径Rの仮想の円周Eよりも内側、かつ端縁192と端縁193とを結ぶ仮想の直線Hよりも外側の範囲内で回転子15の半径方向の外側へ向けて突出している。つまり、凸形状部20は、仮想の円周Eと仮想の直線Hとの間の領域内(仮想の円周E上及び仮想の直線H上を除く)で回転子15の半径方向の外側へ向けて突出している。つまり、角部H11,H12(第1直線H1の両側の端縁)は、仮想の円周Eよりも半径方向の内側に位置し、且つ仮想の直線Hよりも半径方向の外側に位置する。そして、第2直線H2と第3直線H3とは、凸形状部20を周方向に2等分割する凸形状部2等分割線154に関して鏡映対称(左右対称)の関係にあり、2つの角部H11,H12は、凸形状部2等分割線154に関して鏡映対称(左右対称)の関係にある。
凸形状部20を形成する3つの直線H1,H2,H3のうち、両側の直線H2,H3の長さは、円周部19A,19Bに一致する仮想の円周Eに交わる位置E2,E3〔図6に図示〕まで直線H2,H3を中央の直線H1側へ延長した延長線H21,H31〔図6に図示〕よりも長い。
磁極切り替わり部164に形成される各凸形状部20は、いずれも同形同大である。
図5に示すように、点165は、回転中心Cから第1直線H1に向かう直線155と、永久磁石17A側の空間163の形成壁面との交点である。点166は、回転中心Cから第1直線H1に向かう直線156と、永久磁石17B側の空間163の形成壁面との交点である。以下、点165を起点165と記し、点166を起点166と記す。
起点165,166は、以下のように規定される。第1直線H1を平行移動して永久磁石17A側の収容孔162(空間163)の形成壁面と接する点(仮に、H01と記すが、図示しない)と、第3直線H3を平行移動して永久磁石17A側の収容孔162(空間163)の形成壁面と接する点(仮に、H30と記すが、図示しない)とがある。それらの2点H01,H30の内、第1直線H1と点H01との間の距離と、第3直線H3と点H30との間の距離との短い方の点が起点165の候補とされる。又、第1直線H1を平行移動して永久磁石17B側の収容孔162(空間163)の形成壁面と接する点(仮にH02と記すが、図示しない)と、第2直線H2を平行移動して永久磁石17B側の収容孔162(空間163)の形成壁面と接する点(仮に、H20と記すが、図示しない)とがある。それらの2点H02,H20の内、第1直線H1と点H02との間の距離と、第2直線H2と点H20との間の距離との短い方の点が起点166の候補とされる。
なお、収容孔162(空間163)の形状によっては、候補とされた点H01、点H30、点H02、あるいは点H20が複数あるいは無数に存在する場合がある〔例えば、第1直線H1を平行移動して収容孔162(空間163)の形成壁面と直線的に重なり合うような場合など〕。つまり、起点165の候補となる点(仮に、候補点X1と記す)が複数あるいは無数に存在する場合があり、起点166の候補となる点(仮に、候補点X2と記す)が複数あるいは無数に存在する場合がある。このような場合には、候補点X1と候補点X2とが回転子15の回転中心Cを中心としてなす角度幅のうち、最大の角度幅をなす候補点X1が起点165として採用され、最大の角度幅をなす候補点X2が起点166として採用される。図示の起点165,166は、このようにして規定されている。図5,6に示すΘbは、回転中心Cと起点165とを結ぶ直線155と、回転中心Cと起点166とを結ぶ直線156との間の角度幅を表す。つまり、Θbは、起点165と起点166とが回転子15の回転中心Cを中心としてなす角度幅を表す。以下、Θbをブリッジ間角度Θbと記す。
回転子15は、図5に矢印Yで示す方向に回転する。以下においては、回転子15の回転方向を回転方向Yと記す。
図1(b)及び図5に示すように、回転子15を構成するロータコア16には、第1磁束阻害部としての第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害部としての第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害部としての第3磁束阻害孔23がロータコア16を回転中心Cの軸線方向に貫通するように設けられている。第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22、第3磁束阻害孔23という複数(本実施形態では3つ)の磁束阻害部から構成された磁束阻害領域は、半径直線151と、この半径直線151に対して回転子15の回転方向Y側の凸形状部20の2つの角部H11,H12のうち前記の半径直線151に近い角部H12と回転中心Cとを結ぶ直線158とに挟まれた範囲内に配設されている。第1磁束阻害孔21は、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23に比べて、凸形状部2等分割線154に近い位置にある。
磁束阻害部としての第1磁束阻害孔21、磁束阻害部としての第2磁束阻害孔22及び磁束阻害部としての第3磁束阻害孔23は、いずれも円形孔である。第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23の孔径の大きさは、同一に設定されており、第1磁束阻害孔21の孔径の大きさは、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23の孔径よりも小さく設定されている。本実施形態では、第1磁束阻害孔21の孔径は、0.6mmに設定されており、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23の孔径は、1.4mmに設定されている。
第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23は、回転子15の外周からコア板18の厚みの大きさ以上に離されている。これは、第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23を回転子15の外周からコア板18の厚みの大きさ以上に離さないと、磁束阻害孔21,22,23と回転子15の外周との間の部位に必要な強度を持たせるように磁束阻害孔21,22,23を形成することが困難なためである。
図5に示すように、第1磁束阻害孔21は、凸形状部2等分割線154から回転子15の回転方向Yとは反対側に角度α〔図6にも図示〕だけ後進した位置に掛かるように設けられており、第1磁束阻害孔21の円中心211は、凸形状部2等分割線154から回転子15の回転方向Yとは反対側に角度αだけ後進した位置にある。第2磁束阻害孔22は、凸形状部2等分割線154から回転子15の回転方向Yとは反対側に角度β(>α)〔図6にも図示〕だけ後進した位置に掛かるように設けられており、第2磁束阻害孔22の円中心221は、凸形状部2等分割線154から回転子15の回転方向Yとは反対側に角度βだけ後進した位置にある。第3磁束阻害孔23は、凸形状部2等分割線154から回転子15の回転方向Yとは反対側に角度γ(>β)〔図6にも図示〕だけ後進した位置に掛かるように設けられており、第3磁束阻害孔23の円中心231は、凸形状部2等分割線154から回転子15の回転方向Yとは反対側に角度γだけ後進した位置にある。
本実施形態では、α=8.5°、β=15.6°、γ=20°に設定されている。
このように設定された第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23は、第3直線H3の付近にある。
図7(a)のグラフは、回転子の回転位置と、1つのティース121に働く力(以下においては、ティーストルクと言うことにする)との関係を示す。波形Δと横軸とは、横軸上の始端と終端との角度間隔が40°の2等辺三角形を形成している。全てのティース121に関するこのような波形Δを合成すると、図7(b)のグラフにおける直線TΔが得られる。つまり、1つのティース121に働くティーストルクが波形Δで表される力であれば、出力トルク(以下においては、全体トルクと言うことにする)は、一定となり、トルクリップは、零となる。以下においては、波形Δを理想波形Δと言うことにする。
図7(a)のグラフにおける波形Eλは、外周の全周が半径Rの円周面からなる回転子(図示略)を用いた場合に、この回転子の回転位置と、1つのティース121に働くティーストルクとの関係を示す。全てのティース121に関するこのような波形Eλを合成すると、図7(b)のグラフにおける合成波形Teが得られる。つまり、1つのティース121に働くティーストルクが波形Eλで表される力であれば、トルクリップルが零ではない全体トルクがもたらされる。つまり、波形Eλの形状を理想波形Δの形状に近づければ近づけるほど、トルクリップルを小さくすることができる。
図8のグラフにおける波形Eλ11,Eλ12,Eλ13は、回転子15における第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23がない回転子15A(図17に図示)を用いた場合に、この回転子15Aの回転位置と、1つのティース121に働くティーストルクとの関係を示す。回転子15Aは、第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23がないことを除けば、回転子15と同じ構成であって凸形状部20を備えている。
図8のグラフにおける波形Eλ21,Eλ22,Eλ23は、第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23を有する回転子15を用いた場合に、この回転子15の回転位置と、1つのティース121に働くティーストルクとの関係を示す。
なお、図8(及び図9)における横軸は、凸形状部2等分割線154が図5及び図6に示す位置にあるときの回転子15の回転位置を0°と規定して、回転子15の回転位置を表している。図5及び図6に示す状態では、凸形状部2等分割線154は、隣り合うティース121の間の真ん中の位置にある。図5及び図6に示す状態から回転子15が回転方向Yへ30°回転した回転子15の位置は、30°の回転位置にあり、凸形状部2等分割線154は、図5及び図6に示す半径直線151の位置に移行する。
図8に図示の例では、波形Eλ11は、図17に符号121Aで記すティース121Aに働くティーストルクを表し、波形Eλ12は、図17に符号121Bで記すティース121Bに働くティーストルクを表し、波形Eλ13は、図17に符号121Cで記すティース121Cに働くティーストルクを表す。波形Eλ11,Eλ12,Eλ13は、位相がずれた波形である。
又、図8に図示の例では、波形Eλ21は、図5に符号121Aで記すティース121Aに働くティーストルクを表し、波形Eλ22は、図5に符号121Bで記すティース121Bに働くティーストルクを表し、波形Eλ23は、図5に符号121Cで記すティース121Cに働くティーストルクを表す。波形Eλ21,Eλ22,Eλ23は、位相がずれた波形である。
全てのティース121に関する波形Eλ11,Eλ12,Eλ13を合成すると、図9のグラフにおける合成波形Te1が得られる。又、全てのティース121に関する波形Eλ21,Eλ22,Eλ23を合成すると、図9のグラフにおける合成波形Te2が得られる。
合成波形Te1と合成波形Te2とを比較すれば明らかなように、第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23がある回転子15を用いた回転電機Mにおけるトルクリップルは、第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23のない回転子15Aを用いた回転電機におけるトルクリップルよりも小さくなる。
波形Eλ11,Eλ12,Eλ13は、位相がずれた波形であるので、以下においては、波形Eλ11,Eλ12,Eλ13のうちの波形Eλ11を代表として用いて説明する。又、波形Eλ21,Eλ22,Eλ23は、位相がずれた波形であるので、以下においては、波形Eλ21,Eλ22,Eλ23のうちの波形Eλ21を代表として用いて説明する。
図8のグラフにおける波形Eλ11,Eλ21、及び図9のグラフにおける合成波形Te1,Te2は、コンピュータを用いたFEM(有限要素法)解析によって求めた例である。この場合の解析は、角度幅A=25.5°、角度幅θc=12.5°、ブリッジ間角度Θb=5.2°、深さDh=0.5mm、半径R=25.2mmという条件のもとに行なっている。
6極18スロットの例で説明すると、図10(a)は、図17に示す回転子15Aを用いた場合の全体トルク(図9の合成波形Te1)のトルクリップルの大きさと、全体トルク(図9の合成波形Te1)をフーリエ級数展開して得られる特定の次数におけるトルクリップルの次数成分の大きさとを比較した棒グラフである。棒L1は、全体トルク(図9の合成波形Te1)のトルクリップル比を示す。棒L2は、基本次数(=18)におけるトルクリップルの次数成分比を示す。棒L3は、基本次数の2倍の次数(=36)におけるトルクリップルの次数成分比を示す。なお、棒L1におけるトルクリップル比を1としている。
図10(b)は、回転子15を用いた場合の全体トルク(図9の合成波形Te2)を用いた場合の全体トルク(図9の合成波形Te2)のトルクリップルの大きさと、全体トルク(図9の合成波形Te2)をフーリエ級数展開して得られる特定の次数におけるトルクリップルの次数成分の大きさとを比較した棒グラフである。棒L4は、全体トルク(図9の合成波形Te2)のトルクリップル比を示す。棒L5は、基本次数(=18)におけるトルクリップルの次数成分比を示す。棒L6は、基本次数の2倍の次数(=36)におけるトルクリップルの次数成分比を示す。以下においては、基本次数(=18)におけるトルクリップルの次数成分を基本次数成分と記し、基本次数の2倍の次数(=36)におけるトルクリップルの次数成分を36次数成分と記すこともある。
図10(a),(b)は、コンピュータを用いたFEM解析によって得た結果である。
棒L1と棒L4とを比較すると、合成波形Te1のトルクリップル比の大きさは、合成波形Te2のトルクリップル比よりも小さい。
棒L2と棒L5とを比較すると、基本次数成分比の大きさは、第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23がある回転子15の方が第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23のない回転子15Aの場合よりも大きい。しかし、棒L3と棒L6とを比較すると、36次数成分比の大きさは、回転子15の方が回転子15Aの場合よりも小さい。しかも、回転子15Aを用いた場合の36次数成分比(棒L3)は、回転子15Aを用いた場合の全体トルクのトルクリップル比(棒L1)に近いが、回転子15を用いた場合の基本次数成分比(棒L5)及び36次数成分(棒L6)のそれぞれの大きさは、回転子15Aを用いた場合の36次数成分(棒L3)に比べて半分以下である。
つまり、回転子15を用いた場合の36次数成分比(棒L6)が回転子15Aを用いた場合の36次数成分比(棒L3)に比べて大きく低減したことにより、回転子15を用いた場合の全体トルクのトルクリップルの大きさは、回転子15Aを用いた場合の全体トルクのトルクリップルよりも小さくなる。
図8のグラフにおける円C1で囲む領域及び円C2で囲む領域では、波形Eλ11が理想波形Δから上側へずれる程度が大きい。円C1,C2で囲む領域でのずれ程度が大きいほど、図9のグラフにおける合成波形Te1のピーク部(円C3で囲む領域のピーク及び円C4で囲む領域)が高くなって、トルクリップルが大きくなる。合成波形Te1のピーク部(円C3で囲む領域のピーク及び円C4で囲む領域)の位置は、36次数成分のピーク部の位置であるため、円C1で囲む領域やその付近の波形Eλ11及び円C2で囲む領域やその付近の波形Eλ11を理想波形Δに近づけることによって、合成波形Te1のピーク部を下げることができる。
第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23は、円C1で囲む領域やそれらの付近の波形Eλ11及び円C2で囲む領域やそれらの付近の波形Eλ11を理想波形Δに近づけるために設けられたものである。図8の円C5で囲む領域のピーク及び円C6で囲む領域では、波形Eλ21は、波形Eλ11に比べて、理想波形Δに近づいている。つまり、第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23を回転子15に設けて波形Eλ21を理想波形Δに近づけた結果が図9の合成波形Te2をもたらしており、合成波形Te2のピークは、合成波形Te1のピーク部よりも下がっている。
本願発明者は、FEM解析によって、円C1,C2で囲む領域におけるティーストルクが図5に示す第3直線H3付近のロータコア16に集中して発生することを見いだしている。第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23は、このFEM解析結果に基づいて、ティーストルクが集中して発生する領域(第3直線H3付近)に設けられている。第3直線H3付近に設けられた第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23は、第3直線H3付近の磁気抵抗を高めており、これにより、図8に円C5,C6で囲む領域やそれらの付近の波形Eλ21は、理想波形Δに近づけられている。
第1磁束阻害孔21は、凸形状部2等分割線154から角度8.5°だけ後進した位置に掛かるように設けられており、第2磁束阻害孔22は、凸形状部2等分割線154から角度15.6°だけ後進した位置に掛かるように設けられており、第3磁束阻害孔23は、凸形状部2等分割線154から角度20°だけ後進した位置に掛かるように設けられている。このように特定された位置は、全体トルクの36次数成分のピークを下げる上で特に好適である。特に、第1磁束阻害孔21は、その孔径が第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23の孔径よりも小さいにも関わらず、全体トルクの36次数成分のピークを下げることに大きく寄与している。又、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23は、全体トルク(出力トルク)の基本次数(18次)のピークを下げることに寄与している。第1磁束阻害孔21は、出力トルクの基本次数の2倍の次数成分におけるトルクリップルの抑制対策用として設けられた磁束阻害領域である。第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23は、出力トルクの基本次数成分におけるトルクリップルの抑制対策用として設けられた磁束阻害領域24である。
図10(c)のグラフは、回転子15Aを用いた場合の全体トルクをフーリエ級数展開して得られる基本次数成分比及び36次数成分比のそれぞれの大きさを示すグラフである。図10(d)は、図17に示す回転子25を用いた場合の全体トルクをフーリエ級数展開して得られる基本次数成分比及び36次数成分比のそれぞれの大きさを示すグラフである。回転子25は、基本次数成分比及び36次数成分比に関して、回転子15Aと比較するために用意したものである。
図18に示す回転子25の外周面は、隣り合う円周部19Aと円周部19Bとを凸形状部26によって結んで形成されている。凸形状部26は、回転子15の半径方向の外側へ凸の形状となっている。
円周部19Aの端縁193と円周部19Bの端縁192とに繋がる凸形状部26は、円周部19A,19Bの半径Rよりも大きい半径の円弧周面である。ロータコア16の外周の各凸形状部26は、いずれも同形同大である。従って、凸形状部26は、円周部19A,19Bを含む半径Rの仮想の円周Eよりも内側、かつ端縁192と端縁193とを結ぶ仮想の直線Hよりも外側の範囲内で回転子15の半径方向の外側へ向けて突出している。つまり、凸形状部26は、仮想の円周Eと仮想の直線Hとの間の領域内(仮想の円周E上及び仮想の直線H上を除く)で回転子15の半径方向の外側へ向けて突出している。
図10(c)における棒L21は、回転子15Aを用いた場合のトルクリップルの基本次数成分比(18次数成分比)を示し、棒L31は、回転子15Aを用いた場合のトルクリップルの36次数成分比を示す。図10(d)における棒L7は、回転子25を用いた場合のトルクリップルの基本次数成分比(18次数成分比)を示し、棒L8は、回転子25を用いた場合のトルクリップルの36次数成分比を示す。
図10(c),(d)のFEM解析結果によれば、図17に示す回転子15Aを用いた場合の基本次数成分比(棒L21)は、図18に示す回転子25を用いた場合の基本次数成分比(棒L7)よりも小さく、回転子15Aを用いた場合の36次数成分比(棒L31)は、回転子25を用いた場合の36次数成分比(棒L8)よりも小さい。
図10(c),(d)に示す結果をもたらす理由を図11〜図16に基づいて説明する。
図11は、単一のティース121に関するリラクタンストルクの変化を示すグラフである。曲線Qr11は、図17に示す回転子15Aを用いた場合のリラクタンストルクの変化を示し、曲線Qr21は、図18に示す回転子25を用いた場合のリラクタンストルクの変化を示す。図11のグラフにおける曲線Qr11,曲線Qr21は、コンピュータを用いたFEM(有限要素法)解析によって求めた例である。この場合の解析は、角度幅A=28°、角度幅θc=13°、ブリッジ間角度Θb=5.2°、深さDh=0.3mm、半径R=25.5mmという条件のもとに行なっている。
図12(a)のグラフにおける曲線Qr12は、個々のティース121(18個)に関する図11の曲線Qr11を合成して得られた合成リラクタンストルクの変化を示す。曲線Qr22は、個々のティース121(18個)に関する図11の曲線Qr21を合成して得られた合成リラクタンストルクの変化を示す。
図12(b)のグラフにおける曲線Qm1は、回転子15Aを用いた場合の永久磁石17A,17Bに関するトルク(以下、磁石トルクという)の変化を示すグラフである。曲線Qm2は、回転子25を用いた場合の永久磁石17A,17Bに関する磁石トルクの変化を示すグラフである。
図12(c)のグラフにおける曲線Q1rmは、図12(a)の曲線Qr12と、図12(b)の曲線Qm1とを合成したトルク波形である。図12(c)のグラフにおける曲線Q2rmは、図12(a)の曲線Qr22と、図12(b)の曲線Qm2とを合成したトルク波形である。つまり、曲線Q1rmは、凸形状部20を有する回転子15Aを用いた場合にFEM解析によって得られるトルク波形であり、曲線Q2rmは、図17の回転子25を用いた場合にFEM解析によって得られるトルク波形である。
曲線Q1rm,Q2rmを比較してみると、曲線Q1rmによって表されるトルクリップルが曲線Q2rmによって表されるトルクリップルよりも小さいことがわかる。この違いは、図12(a)の曲線Qr12における盛り上がり部Qro12の盛り上がり程度と、曲線Qr22における盛り上がり部Qro22の盛り上がり程度との違いに基づく。盛り上がり部Qro12,Qro22の盛り上がり程度の違いは、エアギャップgh1〔凸形状部20とティース121との間の間隙の大きさであって図6を参照〕の変化と、エアギャップgh2(凸形状部26とティース121との間の間隙の大きさであって図17に図示)の変化との違いに主として起因する。
図13(a)のグラフにおける曲線Gh1は、エアギャップgh1の変化を示し、図13(b)のグラフにおける曲線Gh2は、エアギャップgh2の変化を示す。曲線Gh2で表されるエアギャップgh2の変化は、単調増大から極大へ移行した後に単調減少へ移行するパターンである。曲線Gh1で表されるエアギャップgh1の変化は、単調減少から単調増大へ急激に反転する一対の反転部hoを有するパターンである。一対の反転部hoは、角部H11,H12の存在によってもたらされる。つまり、角部H11,H12の存在が曲線Qr12における盛り上がり部Qro12の盛り上がりを大きくする。
このような盛り上がり部Qro12を有する合成リラクタンストルクの曲線Qr12と、磁石トルクの曲線Qm1との合成は、図12(c)に曲線Q1rmで示すように、トルクリップルを低減させる。盛り上がり部Qro22を有する合成リラクタンストルクの曲線Qr22と、磁石トルクの曲線Qm2との合成も、図12(c)に曲線Q2rmで示すように、トルクリップルを低減させる。しかし、図12(c)に曲線Q1rmで示されるトルクリップルの低減程度は、図12(c)に曲線Q2rmで示されるトルクリップルの低減程度に比べて、小さい。
曲線Q1rmにおけるトルクリップルと曲線Q2rmにおけるトルクリップルとの違いについて、図14〜図16に基づいて以下に詳細に説明する。
曲線Q1rmにおけるトルクリップルと曲線Q2rmにおけるトルクリップルとが違う理由は、以下の二点である。
〈1〉リラクタンストルクにおける基本次数(18次)の成分の振幅と、磁石トルクにおける基本次数(18次)の成分の振幅との差は、曲線Q1rmの方が曲線Q2rmよりも小さい。
〈2〉リラクタンストルクにおける基本次数(18次)の成分の位相と、磁石トルクにおける基本次数(18次)の成分の位相との差は、曲線Q1rmの方が曲線Q2rmよりも逆位相に近い。
図14(a)のグラフにおける曲線Π1は、図示しない回転子15Aを用いた場合の磁石トルクにおける基本次数(18次)の成分の波形を表し、曲線Π2は、回転子15Aを用いた場合のリラクタンストルクにおける基本次数(18次)の成分の波形を表す。曲線Π1は、横軸(回転位置)と左側の縦軸TL(トルクの大きさ)とによって表される座標上にあり、曲線Π2は、横軸(回転位置)と右側の縦軸TR(トルクの大きさ)とによって表される座標上にある。
図14(b)のグラフにおける曲線Ω1は、回転子25(図17参照)を用いた場合の磁石トルクにおける基本次数(18次)の成分の波形を表し、曲線Ω2は、回転子25を用いた場合のリラクタンストルクにおける基本次数(18次)の成分の波形を表す。曲線Ω1は、横軸(回転位置)と左側の縦軸TL(トルクの大きさ)とによって表される座標上にあり、曲線Ω2は、横軸(回転位置)と右側の縦軸TR(トルクの大きさ)とによって表される座標上にある。
前記した〈1〉,〈2〉の理由(特徴)は、回転子15Aを用いた場合の図14(a)の曲線Π1,Π2と、回転子25を用いた場合の図14(b)の曲線Ω1,Ω2とを比較すれば明らかである。
回転子15Aを用いた場合の合成リラクタンストルクの波形Qr12〔図12(a)参照〕は、前記した〈1〉,〈2〉の特徴を備えている。そのため、合成リラクタンストルクの波形Qr12と磁石トルクの曲線Qm1とを合成すれば、基本次数(18次)成分が打ち消されて36次数成分が残り、高次数化が顕著に成されている。
回転子25を用いた場合の合成リラクタンストルクの波形Qr22〔図12(a)参照〕の場合、前記した〈1〉,〈2〉の特徴により、合成リラクタンストルクの波形Qr22と磁石トルクの曲線Qm2とを合成すれば、基本次数(18次)成分の打ち消され度合いが小さく、曲線Q2rmのトルクリップルが曲線Q1rmに比べて大きくなってしまう。
前記した理由〈1〉について詳細に説明する。
回転子25を用いた場合には、エアギャップ変化は、図13(b)に示すように滑らかな変化となる。又、外に凸な円弧にて極間部が構成されているため、リラクタンストルク変動は滑らかで小さなものとなり、波長の基調となる回転18次成分は、磁石トルク波形の回転基本次数(18次)の成分波形の振幅に対して一般的に小さくなる。角部H11,H12を備えた回転子15Aを用いた場合には、角部H11,H12が存在することによってエアギャップgh1が図13(a)に示すようになる。このようなエアギャップ変化が合成リラクタンストルクの18次成分及び36次数成分を際だたせる。
図15(a)における棒グラフは、曲線Qr12のフーリエ級数展開の結果を示し、図15(b)における棒グラフは、曲線Qr22のフーリエ級数展開の結果を示す。棒Bo1は、曲線Qr12をフーリエ級数展開して得られた18次成分の大きさを表し、棒Bo2は、曲線Qr12をフーリエ級数展開して得られた36次数成分の大きさを表す。棒B51は、曲線Qr22をフーリエ級数展開して得られた18次成分の大きさを表し、棒B52は、曲線Qr22をフーリエ級数展開して得られた36次数成分の大きさを表す。図15(a),(b)から明らかなように、曲線Qr12における18次成分は、曲線Qr22における18次成分よりも大きく、曲線Qr12における36次数成分は、曲線Qr22における36次数成分よりも大きい。この結果は、リラクタンストルクにおける基本次数(18次)の成分の振幅が磁石トルクにおける基本次数(18次)の成分の振幅と同等になるのに有利に作用する。
次に、前記した理由〈2〉について詳細に説明する。
リラクタンストルクにおける18次成分の波形の位相は、盛り上がり部Qro12の発生位置によって調整することができる。例えば、図16(d)における波形Π6と図16(e)における波形Π7とを考える。波形Π6は、図16(a)の正弦波Π3に図16(b)の波形Π4を足し合わせて生成したモデル波形であり、波形Π7は、図16(a)の正弦波Π3に図16(c)の波形Π5を足し合わせて生成したモデル波形である。図16(d),(e)における波形Π6,Π7は、同じ正弦波Π3に対して発生位置の異なる盛り上がり部Qroを有する波形である。
図16(f)における波形Π8は、図16(d)の波形Π6から18次成分波形を取り出した波形であり、図16(f)における波形Π9は、図16(e)の波形Π7から18次成分波形を取り出した波形である。図16(f)から明らかなように、18次成分波形Π8の位相と18次成分波形Π9の位相とは、異なる。つまり、盛り上がり部Qroの位置を変えることにより、18次成分波形Π8,Π9の位相を調整することができる。つまり、角部H11,H12の位置を適切に設定することにより、リラクタンストルクの18次成分を磁石トルクの18次成分の逆位相に調整することができる。
角部H11,H12を有しない回転子25では、18次成分及び36次数成分を際だたせることはできず、又、リラクタンストルクの18次成分の位相を調整することはできず、回転子15Aの場合のように顕著な高次数化は達成できない。
以上の説明から明らかなように、角部H11,H12、第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23を有する回転子15を用いた場合にも、リラクタンストルクの18次成分及び36次数成分を際だたせることができ、又、リラクタンストルクの18次成分の位相を調整することができる。
第1の実施形態では以下の効果が得られる。
(1)角部H11,H12を有する凸形状部20を備えた回転子15、及び円弧形状の凸形状部26を備えた回転子25は、いずれも、磁石トルクと合成リラクタンストルクとの合成によって、出力トルクの波形の高次数化をもたらしている。しかし、出力トルクの高次数化によるトルクリップルの低減効果は、角部H11,H12を有する凸形状部20を備えた回転子15の方が円弧形状の凸形状部26を備えた回転子25よりも高い。
つまり、出力トルク(全体トルク)をフーリエ級数展開した場合、3つの直線H1,H2,H3を繋いで形成された凸形状部20を有する回転子15は、出力トルクの基本次数成分におけるトルクリップルに関して、凸形状部26を有する回転子25の回転子の場合よりも小さい。つまり、2つの角部H11,H12を有する凸形状部20は、回転子15の外周面での磁束変動を滑らかにすることに寄与し、トルクリップルが抑制される。
(2)第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23を設けた回転子15では、出力トルク(全体トルク)の基本次数の2倍の次数成分におけるトルクリップルは、磁束阻害孔のない回転子15Aの場合よりも小さくすることができる。
(3)凸形状部2等分割線154から8.5°後進した位置に掛かるように磁束阻害孔21を設けた構成は、全体トルクの基本次数(18次)の2倍の次数成分(36次数成分)におけるトルクリップルを抑制する上で良好な結果をもたらす。
(4)凸形状部2等分割線154から8.5°後進した位置に掛かるように第1磁束阻害孔21を設け、且つ凸形状部2等分割線154から15.6°後進した位置に掛かるように第2磁束阻害孔22を設け、且つ凸形状部2等分割線154から20°後進した位置に掛かるように第3磁束阻害孔23を設けた構成は、全体トルクの基本次数(18次)の2倍の次数成分(36次数成分)におけるトルクリップルを抑制する上で特に良好な結果をもたらす。
(5)3つの直線H1,H2,H3のうち、両側の直線H2,H3の長さは、延長線H21,H31〔図6に図示〕よりも長い。つまり、このような構成が図13(a)に曲線Gh1で示すエアギャップgh1の変化をもたらす。直線H2,H3を延長線H21,H31よりも長くした構成は、出力トルクの基本次数成分のトルクリップルを低減するように高次数化する上で有利である。
(6)固定子11の巻き線方式を三相の波巻きとした構成は、振動抑制に有利である。
(7)回転子15の外周と磁束阻害孔21,22,23との間の距離をコア板18の厚みの大きさ以上に設定した構成では、磁束阻害孔21,22,23と回転子15の外周との間のコア板18の部分に必要な強度を持たせるように、磁束阻害孔21,22,23を形成することができる。
次に、第1磁束阻害孔21の角度位置及び第1磁束阻害孔21の角度幅の適正値について、図19〜図22を用いて説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
図19に示すように、第1磁束阻害孔21の角度位置とは、凸形状部2等分割線154を基準線として、回転子15の回転方向Yとは反対側へ凸形状部2等分割線154から第1磁束阻害孔21の円中心211に至る角度αで表した位置のことである。以下においては第1磁束阻害孔21の角度位置を角度αを用いて角度位置αと記す。第1磁束阻害孔21の角度幅とは、回転中心Cを通って第1磁束阻害孔21の周縁に接する一対の接線212,213とがなす角度Waのことであり、以下においては第1磁束阻害孔21の角度幅を角度幅Waと記す。2等分割線側磁束阻害領域である第1磁束阻害孔21の角度位置とは、第1磁束阻害孔21における回転子15の回転中心Cを中心とした角度幅Waの中央の角度位置(つまり、円中心211の角度位置)のことである。
回転中心Cを通って第2磁束阻害孔22の周縁に接する接線222と、回転中心Cを通って第3磁束阻害孔23の周縁に接する接線232とがなす角度Wdは、一対の磁束阻害孔22,23からなる磁束阻害領域24の角度幅を表す。回転中心Cを通って第2磁束阻害孔22の円周に接する接線223と、回転中心Cを通って第3磁束阻害孔23の周縁に接する接線233とがなす角度Wcは、一対の磁束阻害孔22,23間の角度間隔を表す。
回転中心Cを通る線27は、角度幅Wdを2等分割する中間線である。以下においては線27を中間線27と記す。中間線27の角度位置は、凸形状部2等分割線154を基準線として、回転子15の回転方向Yとは反対側へ凸形状部2等分割線154から中間線27に至る角度δで表し、以下においては角度δを中間線27の角度位置δと記す。半径直線側磁束阻害領域である一対の磁束阻害孔22,23の角度位置とは、一対の磁束阻害孔22,23における回転子15の回転中心Cを中心とした角度幅Wdの中央の角度位置(つまり、中間線27の角度位置)のことである。角度位置δは、磁束阻害領域24の角度位置を表す。
図19に示すように、第1磁束阻害孔21の角度位置αは、直線Zと凸形状部2等分割線154との間の領域にあり、磁束阻害領域24の角度位置δは、直線Zと半径直線151との間の領域にある。直線Zは、回転子15の回転中心Cから回転子15の外周に至る仮想の直線である。
ティース121Dが図20(a)に示すように磁極切り替わり部164に差し掛かると、ティーストルクが立ち上がり始め、ティース121Dの中間部が図20(b)に示すように永久磁石17Aの磁極中心部173に差し掛かると、ティーストルクが零へと近づいてゆく。
隣り合う磁極切り替わり部164間の角度幅は、(360°/p)(pは磁極の数)であり、スロット122のピッチの角度幅は、(360°/K)(Kはスロットの数)である。そして、ティーストルクが立ち上がって零になるまでの回転子15の回転角度θrは、おおよそ、隣り合う磁極切り替わり部164間の角度幅の1/2と、スロット122のピッチの角度幅の1/2との和で表される。つまり、ティーストルクが立ち上がって零になるまでの回転子15の回転角度θr〔図20(a)に図示〕は、おおよそ次式(7)で表される。なお、図20(a),(b)に図示する直線Dは、回転子15の回転中心Cと磁極中心部173とを結ぶ直線であり、図20(b)に仮想線で示す直線Dは、図20(a)に示す直線Dの位置と同じ位置にある。回転角度θrは、図20(a)の状態から図20(b)の状態へ回転子15を回転させたときの直線Dの回転角度を表す。
θr=(360°/p)/2+(360°/K)/2・・・(7)
本実施形態では、極数p=6であり、スロット数K=18であり、θrは40°となる。又、出力トルクの基本次数は、極数p(=6)とスロット数K(=18)との最小公倍数となっている。
図19に示すように、第1磁束阻害孔21に接する接線212,213の角度位置は、直線Zの角度位置よりも回転子15の回転方向側にあり、磁束阻害領域24に接する接線222,232は、直線Zの角度位置よりも回転子15の回転方向とは反対側にある。第1磁束阻害孔21は、直線Zと凸形状部2等分割線154との間の領域に設定された2等分割線側磁束阻害領域であり、磁束阻害領域24は、直線Zと半径直線151との間の領域に設定された半径直線側磁束阻害領域である。直線Zは、凸形状部2等分割線154から回転子15の回転方向とは反対側に、回転角度θr=〔(360°/p)/2+(360°/K)/2〕の3/8の角度θz〔図19に図示〕だけ回転した位置に設定されている。
出力トルクの基本次数を永久磁石埋設型回転電機における極数pとスロットの数Kとの最小公倍数とした場合、出力トルクの基本次数の2倍の次数成分におけるトルクリップルの抑制対策用として設けられた2等分割線側磁束阻害領域の角度位置αは、直線Zと凸形状部2等分割線154との間の領域に設定されている。又、出力トルクの基本次数成分におけるトルクリップルの抑制対策用として設けられた半径直線側磁束阻害領域の角度位置δは、直線Zと半径直線151との間の領域に設定されている。
なお、2等分割線側磁束阻害領域の角度位置αが直線Zと凸形状部2等分割線154との間の領域にあるならば、2等分割線側磁束阻害領域が直線Zに掛かっていてもよく、半径直線側磁束阻害領域の角度位置δが直線Zと半径直線151との間の領域にあるならば、半径直線側磁束阻害領域が直線Zに掛かっていてもよい。つまり、2等分割線側磁束阻害領域の角度位置αが直線Zと凸形状部2等分割線154との間の領域にあることを前提として、2等分割線側磁束阻害領域が直線Zから半径直線151側へはみ出すようにしてもよく、半径直線側磁束阻害領域の角度位置δが直線Zと半径直線151との間の領域にあることを前提として、半径直線側磁束阻害領域が直線Zから凸形状部2等分割線154側へはみ出すようにしてもよい。つまり、2等分割線側磁束阻害領域は、直線Zと凸形状部2等分割線154との間の領域、又は直線Zに掛かる領域に設定されていると共に、2等分割線側磁束阻害領域の角度位置は、直線Zと凸形状部2等分割線154との間の領域に設定されていてもよい。又、半径直線側磁束阻害領域は、直線Zと半径直線151との間の領域、又は直線Zに掛かる領域に設定されていると共に、半径直線側磁束阻害領域の角度位置は、直線Zと半径直線151との間の領域に設定されていてもよい。
図22のグラフは、第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23がある回転子15を用いて角度幅Wa及び角度位置αを変化させた場合のトルクリップル比の変化をFEM(有限要素法)解析によって求めた例を示す。横軸は、角度位置αの値を示し、縦軸は、トルクリップル比の値を示す。グラフ中の黒点は、FEM解析によって得られた実データである。トルクリップル比=1は、第1磁束阻害孔21がない回転子15B(図21に図示)を用いてFEM(有限要素法)解析によって求めたトルクリップルを1とした場合である。図22のグラフを求める場合の共通の解析条件J1は、半径R=25.5mm、角度幅A=27°、角度幅θc=12°、深さDh=0.45mm、角度位置δ=19°、角度幅Wd=4°、角度幅Wc=1°である。
図22のグラフにおける実データ群Γa(1),Γa(2),Γa(3),Γa(4),Γa(5)は、この順に角度幅Wa=0.4°,0.9°,1.4°,1.9°,2.4°とした条件、及び前記共通の解析条件J1のもとに得られたデータである。
図22の解析結果によれば、角度位置αが式(1−1)を満たし、且つ、角度幅Waが
式(2−1)を満たせば、基本次数(18次)の2倍の次数(36次)成分に関するトルクリップル比を1以下にすることができる。
7°≦α≦10°・・・(1−1)
Wa≦2.4° ・・・(2−1)
式(1−1),(2−1)は、極数p=6の場合に対応するものであるが、極数pが6でない場合にも、式(1−1),(2−1)を次式(1),(2)に拡張することができる。
7°×6/p≦α≦10°×6/p・・・(1)
Wa≦2.4°×6/p ・・・(2)
次に、半径直線側磁束阻害領域の角度幅及び角度位置δの適正値について、図23〜図25を用いて説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
図23に示すように、回転子15の回転方向Yとは反対側へ第1磁束阻害孔21から離れた位置には半径直線側磁束阻害領域である長円形状の磁束阻害孔28が設けられている。回転中心Cを通って磁束阻害孔28の外周に接する一対の接線281,282がなす角度Wbは、磁束阻害孔28の角度幅を表す。回転中心Cを通る線283は、角度幅Wbを2等分割する中間線である。以下においては線283を中間線283と記す。中間線283の角度位置は、回転子15の回転方向Yとは反対側へ凸形状部2等分割線154から中間線283に至る角度δで表わされる。以下においては角度δを角度位置δと記す。角度位置δは、角度幅Wbの中央の角度位置であって磁束阻害孔28の角度位置を表す。
2等分割線側磁束領域としての第1磁束阻害孔21の角度位置αは、直線Zと凸形状部2等分割線154との間の領域にあり、半径直線側磁束領域としての磁束阻害孔28の角度位置δは、直線Zと半径直線151との間の領域にある。
図25のグラフは、第1磁束阻害孔21及び磁束阻害孔28がある回転子15を用いて角度幅Wb及び角度位置δを変化させた場合のトルクリップル比の変化をFEM(有限要素法)解析によって求めた例を示す。横軸は、角度位置δの値を示し、縦軸は、トルクリップル比の値を示す。グラフ中の黒点は、FEM解析によって得られた実データである。トルクリップル比=1は、磁束阻害孔28がなくて第1磁束阻害孔21のみがある回転子15C(図24に図示)を用いてFEM(有限要素法)解析によって求めたトルクリップルを1とした場合である。図25のグラフを求める場合の共通の解析条件J2は、半径R=25.5mm、角度幅A=27°、角度幅θc=12°、深さDh=0.45mm、角度位置α=8°、角度幅Wa=1.4°である。
図25のグラフにおける実データ群Γb(1),Γb(2),Γb(3),Γb(4),Γb(5)は、この順に角度幅Wb=3.3°,4.3°,5.3°,6.3°,7.3°とした条件、及び前記共通の解析条件J2のもとに得られたデータである。
図25の解析結果によれば、角度位置δが式(3−1)を満たし、且つ、角度幅Wbが
式(4−1)を満たせば、基本次数(18次)成分におけるトルクリップル比を1以下にすることができる。
17°≦δ≦24°・・・(3−1)
Wb≦7.3° ・・・(4−1)
式(3−1),(4−1)は、極数p=6の場合に対応するものであるが、極数pが6でない場合にも、式(3−1),(4−1)を次式(3),(4)に拡張することができる。
17°×6/p≦δ≦24°×6/p・・・(3)
Wb≦7.3°×6/p ・・・(4)
次に、図19に示すように半径直線側磁束阻害領域24が一対の磁束阻害孔22,23によって構成されている場合における角度幅Wdの適正値について、図19及び図26を用いて説明する。
図26のグラフは、第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23がある回転子15を用いて角度幅Wd及び角度幅Wcを変化させた場合のトルクリップル比の変化をFEM(有限要素法)解析によって求めた例を示す。横軸は、角度幅Wdの値を示し、縦軸は、トルクリップル比の値を示す。グラフ中の黒点は、FEM解析によって得られた実データである。トルクリップル比=1は、角度幅Wc=0°である場合のFEM(有限要素法)解析によって求めたトルクリップルを1とした場合である。図26のグラフを求める場合の共通の解析条件J3は、半径R=25.5mm、角度幅A=27°、角度幅θc=12°、深さDh=0.45mm、角度位置α=8°、角度位置δ=19°、角度幅Wa=1.4°、角度幅Wb=6.3°である。
図26のグラフにおける実データ群Γc(1),Γc(2),Γc(3)は、この順に角度幅Wc=1°,2°,3°とした条件、及び前記共通の解析条件J3のもとに得られたデータである。
図26の解析結果によれば、角度幅Wdが式(5)を満たせば、基本次数(18次)成分におけるトルクリップル比を1以下にすることができる。
Wb+0.75×(Wc+Wc)―(0.5×Wc+0.5)≦Wd
≦Wb+0.75×(Wc+Wc)+(0.5×Wc+0.5)・・・(5)
式(5)における角度幅Wbは、式(3),(4)が成立していることを前提とした角度幅Wbであり、角度幅Wdは、この角度幅Wbを基礎にして得たものである。式(5)における角度幅Wdに対応する半径直線側磁束阻害領域24は、式(3),(4)が成立していることを前提とした角度幅Wbに対応する磁束阻害孔28に比べて、基本次数(18次)成分におけるトルクリップルを同等以下にする。
次に、図23に示すように半径直線側磁束阻害領域が単一の磁束阻害孔28のみによって構成されている場合であって、回転子15の円周部19Aと磁束阻害孔28との距離tと、回転子15の直径2Rとの間の適正な関係について、図27を用いて説明する。距離tは、円周部19Aと磁束阻害孔28の周縁との間の最短距離のことである。
図27のグラフは、第1磁束阻害孔21及び28がある回転子15を用いて、距離tと直径2Rとの比(t/2R)を変化させた場合のトルクリップル比の変化をFEM(有限要素法)解析によって求めた例を示す。直径2Rは、一定値である。横軸は、比(t/2R)を%表示した値を示し、縦軸は、トルクリップル比の値を示す。グラフ中の黒点は、FEM解析によって得られた実データである。トルクリップル比=1は、磁束阻害孔28がない場合にFEM(有限要素法)解析によって求めたトルクリップルを1とした場合である。図27のグラフを求める場合の共通の解析条件J4は、半径R=25.5mm、角度幅A=27°、角度幅θc=12°、深さDh=0.45mm、角度位置α=8°、角度位置δ=19°、角度幅Wa=1.4°、角度幅Wb=6.3°である。
図27の実データ群Γdで示す解析結果によれば、比(t/2R)が式(6)を満たせば、基本次数(18次)成分におけるトルクリップル比を1/4以下という低減効果を十分に引き出すことができる。
0.006≦t/2R≦0.019・・・(6)
本発明では以下のような実施形態も可能である。
○図28に示すように、第1磁束阻害孔21、第2磁束阻害孔22及び第3磁束阻害孔23に加えて、予備の第1磁束阻害孔21A、予備の第2磁束阻害孔22A及び予備の第3磁束阻害孔23Aを第2直線H2の付近に設けた回転子15Bを用いてもよい。仮想の直線Zmは、凸形状部2等分割線154に関して直線Zと鏡映対称に設けられている。予備の第1磁束阻害孔21Aの角度位置は、直線Zmと凸形状部2等分割線154との間の領域に設定された予備の2等分割線側磁束阻害領域である。予備の第2磁束阻害孔22A及び予備の第3磁束阻害孔23Aからなる予備の半径直線側磁束阻害領域の角度位置は、直線Zmと半径直線151との間の領域に設定された予備の半径直線側磁束阻害領域を構成する。
予備の2等分割線側磁束阻害領域である第1磁束阻害孔21Aは、凸形状部2等分割線154に関して第1磁束阻害孔21と鏡映対称に設けられている。予備の半径直線側磁束阻害領域を構成する第2磁束阻害孔22Aは、凸形状部2等分割線154に関して第2磁束阻害孔22と鏡映対称に設けられている。予備の半径直線側磁束阻害領域を構成する第3磁束阻害孔23Aは、凸形状部2等分割線154に関して第3磁束阻害孔23と鏡映対称に設けられている。
第1磁束阻害孔21A、第2磁束阻害孔22A及び第3磁束阻害孔23Aは、半径直線151と、この半径直線151に対して回転子15Bの回転方向Yとは反対側の凸形状部20の2つの角部H11,H12のうち前記の半径直線151に近い角部H11と回転中心C〔図1(b)参照〕とを結ぶ直線157とに挟まれた範囲内に配設されている。
このような構成は、回転子15Bをどちらに回転させても出力トルクの36次数成分におけるトルクリップルの抑制に関して同じ効果をもたらす。
○図29に示すように、密閉型の電動圧縮機30に本発明を適用してもよい。電動圧縮機30は、スクロール型電動圧縮機であり、回転電機Mは、カーエアコン用モータとして用いられている。回転電機Mを構成する回転子15(又は回転子15B)は、回転軸32に止着されており、回転電機Mを構成する固定子11は、モータハウジング35の内周面に固定されている。電動圧縮機30を構成する可動スクロール31は、回転電機Mを構成する回転軸32の回転によって旋回(圧縮動作)し、圧縮動作体としての可動スクロール31と固定スクロール33との間の圧縮室34が容積減少する。図示しない外部冷媒回路からモータハウジング35内へ導入された冷媒は、吸入ポート36を経由して圧縮室34へ吸入される。圧縮室34内の冷媒は、吐出ポート37から吐出弁38を押し退けて吐出室39へ吐出される。吐出室39内の冷媒は、外部冷媒回路へ流出してモータハウジング35内へ還流する。
低脈動(低振動)に優れた本発明の回転電機Mは、密閉型の電動圧縮機30への適用に好適である。つまり、車載用の密閉型電動圧縮機では、騒音及び振動を低減したい上に、出力トルクの平均値を下げたくないという要求が厳しいが、永久磁石埋設型の回転電機Mは、これらの要求に好適である。
○第1磁束阻害孔21,21A、第2磁束阻害孔22,22A、第3磁束阻害孔23,23A内に非磁性体を入れて磁束阻害部としてもよい。
○複数の磁束阻害部から構成された磁束阻害領域を、半径直線151と、この半径直線151に対して回転子の回転方向側の凸形状部を周方向において2等分割する凸形状部2等分割線154とに挟まれた範囲内に配設してもよい。
第1の実施形態を示し、(a)は、固定子及び回転子の正断面図。(b)は、部分断面図。 固定子及び回転子の側断面図。 固定子の斜視図。 波巻きを説明するための簡略図。 部分断面図。 部分拡大断面図。 (a)は、ティースに働く力を説明するためのグラフ。(b)は、トルク変動を説明するためのグラフ。 回転子15A及び回転子15を用いた場合にティースに働く力を説明するためのグラフ。 回転子15A及び回転子15を用いた場合に生じる全体トルクを説明するためのグラフ。 (a),(b)は、トルクリップル比及びトルクリップルの次数成分比を示す棒グラフ。(c),(d)は、トルクリップルの次数成分比を示す棒グラフ。 単一のティースに関するリラクタンストルクの変化を示すグラフ (a)は、合成リラクタンストルクの変化を示すグラフ。(b)は、磁石トルクの変化を示すグラフ。(c)は、合成トルク波形を示すグラフ。 (a),(b)は、エアギャップの変化を示すグラフ。 (a),(b)は、曲線Q1rmにおけるトルクリップルと曲線Q2rmにおけるトルクリップルとの違いを説明するためのグラフ。 (a),(b)は、曲線Q1rmにおけるトルクリップルと曲線Q2rmにおけるトルクリップルとの違いを説明するためのグラフ。 (a),(b),(c),(d),(e),(f)は、曲線Q1rmにおけるトルクリップルと曲線Q2rmにおけるトルクリップルとの違いを説明するためのグラフ。 回転子15Aを示す部分断面図。 回転子25を示す部分断面図。 角度幅Wa及び角度位置αの適正値を説明するための部分断面図。 (a),(b)は、固定子及び回転子の部分断面図。 回転子15Bを示す部分断面図。 角度幅Wa及び角度位置αの適正値を示すグラフ。 角度幅Wb及び角度位置δの適正値を説明するための部分断面図。 回転子15Cを示す部分断面図。 角度幅Wb及び角度位置δの適正値を示すグラフ。 角度幅Wdの適正値を示すグラフ。 比(t/2R)の適正値を示すグラフ。 別の実施形態を示す部分断面図。 別の実施形態を示す圧縮機全体の側断面図。
符号の説明
11…固定子。121,121A,121B,121C…ティース。122…スロット。13…コイル(巻き線)。15,15B…回転子。151…半径直線。154…凸形状部2等分割線。17A,17B…永久磁石。173…磁極中心部。19A,19B…円周部。191…中央。20…凸形状部。21…2等分割線側磁束阻害領域である第1磁束阻害部としての第1磁束阻害孔。22…半径直線側磁束阻害領域を構成する第2磁束阻害部としての第2磁束阻害孔。23…半径直線側磁束阻害領域を構成する第3磁束阻害部としての第3磁束阻害孔。21A…予備の磁束阻害部としての第1磁束阻害孔。22A…予備の磁束阻害部としての第2磁束阻害孔。23A…予備の磁束阻害部としての第3磁束阻害孔。32…回転軸。34…圧縮室。M…回転電機。C…回転中心。p…極数。H1…第1直線。H2…第2直線。H3…第3直線。H11,H12…角部。H21,H31…延長線。Y…回転方向。K…スロット数。2R…直径。t…距離。α,δ…角度位置。

Claims (18)

  1. 環状の固定子の内周に複数配列されたティース間のスロットに巻き線が施されており、前記固定子の内側で回転する回転子の内部に複数の永久磁石が埋設されている永久磁石埋設型回転電機において、
    前記永久磁石の磁極中心部に対応する前記回転子の外周が前記回転子の回転中心と同心の円周面形状の円周部であり、前記永久磁石に対応する前記各円周部は、互いに離れており、隣り合う一対の前記円周部は、前記円周部を含む仮想の円周面よりも内側において半径方向の外側へ向けて凸の凸形状部で結ばれており、前記凸形状部は、半径方向の外側へ向けて凸の角部を2つ有しており、前記凸形状部の2つの角部は、3つの直線を繋いで形成されており、前記回転子には磁束阻害領域が設けられており、前記磁束阻害領域は、前記回転子の回転中心と前記円周部の中央とを結ぶ半径直線と、前記半径直線に対して前記回転子の回転方向側の凸形状部を周方向において2等分割する凸形状部2等分割線とに挟まれた範囲内に配設されていることを特徴とする永久磁石埋設型回転電機。
  2. 前記磁束阻害領域は、前記半径直線と、前記半径直線に対して前記回転子の回転方向側の凸形状部の2つの角部のうち前記半径直線に近い角部と前記回転子の回転中心とを結ぶ直線とに挟まれた範囲内に配設されている請求項1に記載の永久磁石埋設型回転電機。
  3. 前記磁束阻害領域は、複数の磁束阻害部によって構成されている請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の永久磁石埋設型回転電機。
  4. 前記磁束阻害領域は、出力トルクの基本次数を前記永久磁石埋設型回転電機における極数pと前記スロットの数Kとの最小公倍数とした場合、出力トルクの基本次数の2倍の次数成分におけるトルクリップルの抑制対策用として設けられた2等分割線側磁束阻害領域と、出力トルクの基本次数成分におけるトルクリップルの抑制対策用として設けられた半径直線側磁束阻害領域とによって構成されており、前記回転子の回転中心から前記回転子の外周に至る仮想の直線であって、前記凸形状部2等分割線から前記回転子の回転方向とは反対側に角度〔(360°/p)/2+(360°/K)/2〕×3/8だけ回転した角度位置にある前記仮想の直線を直線Zとすると、前記2等分割線側磁束阻害領域は、前記直線Zと前記凸形状部2等分割線との間の領域、又は前記直線Zに掛かる領域に設定されていると共に、前記2等分割線側磁束阻害領域の角度位置は、前記直線Zと前記凸形状部2等分割線との間の領域に設定されており、前記半径直線側磁束阻害領域は、前記直線Zと前記半径直線との間の領域、又は前記直線Zに掛かる領域に設定されていると共に、前記半径直線側磁束阻害領域の角度位置は、前記直線Zと前記半径直線との間の領域に設定されている請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の永久磁石埋設型回転電機。
  5. 前記凸形状部2等分割線から前記回転子の回転方向とは反対側へ角度αの位置にある前記2等分割線側磁束阻害領域の角度位置αと、前記永久磁石埋設型回転電機における極数pとの間には、式(1)が設定されており、且つ、前記回転子の回転中心を中心とした前記2等分割線側磁束阻害領域の角度幅Waと前記極数pとの間には式(2)が設定されている請求項4に記載の永久磁石埋設型回転電機。
    7°×6/p≦α≦10°×6/p・・・(1)
    Wa≦2.4°×6/p ・・・(2)
  6. 前記永久磁石埋設型回転電機における極数pは、6に設定されており、前記永久磁石埋設型回転電機におけるスロット数は、18に設定されており、前記2等分割線側磁束阻害領域である第1磁束阻害部は、前記凸形状部を周方向において2等分割する前記凸形状部2等分割線から前記回転子の回転方向とは反対側に角度8.5°だけ後進した位置に掛かるように設けられており、前記半径直線に近い角部と前記回転子の回転中心とを結ぶ直線は、前記第1磁束阻害部と前記凸形状部2等分割線との間にある請求項5に記載の永久磁石埋設型回転電機。
  7. 前記凸形状部2等分割線から前記回転子の回転方向とは反対側へ角度δの位置にある前記半径直線側磁束阻害領域の角度位置δと、前記永久磁石埋設型回転電機における極数pとの間には、式(3)が設定されており、且つ前記回転子の回転中心を中心とした前記半径直線側磁束阻害領域の角度幅Wbと、前記極数pとの間には式(4)が設定されている請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の永久磁石埋設型回転電機。
    17°×6/p≦δ≦24°×6/p・・・(3)
    Wb≦7.3°×6/p ・・・(4)
  8. 前記半径直線側磁束阻害領域は、間隔をおいて設けられた第2磁束阻害部と第3磁束阻害部とから構成されている請求項7に記載の永久磁石埋設型回転電機。
  9. 前記角度幅Wbをなす半径直線側磁束阻害領域は、単一の磁束阻害部からなり、前記第2磁束阻害部と前記第3磁束阻害部とから構成された半径直線側磁束阻害領域における前記回転子の回転中心を中心とした角度幅をWdとし、前記回転子の回転中心を中心とした前記間隔の角度幅をWcとすると、単一の磁束阻害部からなる半径直線側磁束阻害領域の角度幅Wbと、角度幅Wdと、角度幅Wcとの間には、式(5)が設定されている請求項8に記載の永久磁石埋設型回転電機。
    Wb+0.75×(Wc+Wc)―(0.5×Wc+0.5)≦Wd
    ≦Wb+0.75×(Wc+Wc)+(0.5×Wc+0.5)・・・(5)
  10. 前記第2磁束阻害部は、前記凸形状部2等分割線から前記回転子の回転方向とは反対側に角度15.6°だけ後進した位置に掛かるように設けられており、前記第3磁束阻害部は、前記凸形状部2等分割線から前記回転子の回転方向とは反対側に角度20°だけ後進した位置に掛かるように設けられている請求項8及び請求項9のいずれか1項に記載の永久磁石埋設型回転電機。
  11. 前記円周部と前記半径直線側磁束阻害領域との間の距離tと、前記円周部の直径2Rとの間には式(6)が設定されている請求項4乃至請求項10のいずれか1項に記載の永久磁石埋設型回転電機。
    0.006≦t/2R≦0.019・・・(6)
  12. 前記凸形状部の2つの角部は、前記凸形状部2等分割線に関して鏡映対称に設けられており、前記凸形状部2等分割線に関して前記2等分割線側磁束阻害領域と鏡映対称な予備の2等分割線側磁束阻害領域が設けられている請求項4乃至請求項11のいずれか1項に記載の永久磁石埋設型回転電機。
  13. 前記凸形状部の2つの角部は、前記凸形状部2等分割線に関して鏡映対称に設けられており、前記凸形状部2等分割線に関して前記半径直線側磁束阻害領域と鏡映対称な予備の半径直線側磁束阻害領域が設けられている請求項4乃至請求項12のいずれか1項に記載の永久磁石埋設型回転電機。
  14. 前記回転子は、複数枚のコア板を積層して構成されており、前記回転子の外周と前記磁束阻害領域との間の距離は、前記コア板の厚みの大きさ以上に設定されている請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の永久磁石埋設型回転電機。
  15. 前記3つの直線を繋いで形成される前記凸形状部の両側の直線の一方の長さは、前記仮想の円周面に交わる位置まで前記両側の直線の一方を中央の直線側へ延長した延長線よりも長く、前記両側の直線の他方の長さは、前記仮想の円周面に交わる位置まで前記他方を中央の直線側へ延長した延長線よりも長い請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の永久磁石埋設型回転電機。
  16. 前記複数の永久磁石は、周方向に交互に異なる極性となるように埋設されている請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の永久磁石埋設型回転電機。
  17. 請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の永久磁石埋設型回転電機をカーエアコン用モータとして用いたカーエアコン用モータ。
  18. 回転電機によって駆動される回転軸の回転に基づく圧縮動作体の圧縮動作によって圧縮室内のガスを圧縮して吐出する密閉型電動圧縮機において、
    請求項17に記載のカーエアコン用モータを前記回転電機として用いた密閉型電動圧縮機。
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