JP2012120413A - ロータ - Google Patents

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Abstract

【課題】回転電機の平均トルク低下を抑制しつつトルクリップルを低減することができるロータを提供する。
【解決手段】ロータコア6の周方向における磁石スロット対9の端部16とロータコアの外周面とに挟まれた位置に磁気的貫通孔20を備え、該磁気的貫通孔20は、ロータコア6の径方向における永久磁石8の外側の磁極面と略平行に形成される内周側内壁面と、ロータコア6の外周面11と略平行に形成される外周側内壁面と、ロータコア6の周方向における磁石スロット対9の中央側で、内周側内壁面と外周側内壁面との間に形成される中央側内壁面とを備えて構成される。
【選択図】図2

Description

この発明は、インナーロータタイプの回転電機のロータに関するものである。
従来、ロータコア内部に永久磁石を備えるロータにあっては、側面視略V字状に配置される一対の永久磁石をロータコアの周方向に複数対並べて備えるロータが知られている。このロータにあっては、振動および騒音の原因となるトルクリップルを低減するために、ロータコアの外周面と永久磁石との間にスリットを設け、さらに、ロータコアの外周面に凹部を設けるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4198545号公報
しかしながら、上述した従来のロータは、スリットおよび凹部を設けてq軸方向の磁気抵抗を増加させることでトルクリップルを低減させているため、リラクタンストルクが低下して回転電機が発生できる平均トルクが低下してしまうという課題がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、回転電機の平均トルク低下を抑制しつつトルクリップルを低減することができるロータを提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、略円筒形状のロータコア(例えば、実施形態におけるロータコア6)と、前記ロータコアの外周面(例えば、実施形態における外周面11)に向かって広がる略V字状に配置された一対の磁石スロット(例えば、実施形態における磁石スロット7)からなる磁石スロット対(例えば、実施形態における磁石スロット対9)を周方向に複数対配置して、該磁石スロットにそれぞれ永久磁石(例えば、実施形態における永久磁石8)を挿入して備える回転電機のロータにおいて、前記ロータコアは、該ロータコアの周方向における前記磁石スロット対の端部(例えば、実施形態における端部16,17)と前記ロータコアの外周面とに挟まれた位置に磁気的貫通孔(例えば、実施形態における磁気的貫通孔20、31,32)を備え、該磁気的貫通孔は、前記永久磁石の前記ロータコアの径方向における外側の磁極面(例えば、実施形態における磁極面18)と略平行に形成される内周側内壁面(例えば、実施形態における内周側内壁面21)と、前記ロータコアの外周面と略平行に形成される外周側内壁面(例えば、実施形態における外周側内壁面22)と、前記ロータコアの周方向における前記磁石スロット対の中央側で、前記内周側内壁面と前記外周側内壁面との間に形成される中央側内壁面(例えば、実施形態における中央側内壁面23)とを備えて構成されることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の発明において、前記磁石スロット対の周方向の端部側で、前記内周側内壁面と、前記外周側内壁面との間に端部側内壁面(例えば、実施形態における端部側内壁面30)を備えることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記外周側内壁面と前記中央側内壁面との間の隅部の曲率半径が、前記磁気的貫通孔の他の隅部の曲率半径よりも大きいことを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の発明において、前記ロータコアの前記内周側内壁面と前記磁石スロットとの間に形成される内周側リブ(例えば、実施形態における内周側リブ25)の厚さは、前記外周側内壁面と前記ロータコアの外周面との間に形成される外周側リブ(例えば、実施形態における外周側リブ26)の厚さよりも厚いことを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の発明において、前記磁石スロット対のうち、前記ロータコアの主回転方向の回転前方側に配置される前記磁石スロットと前記ロータコアの外周面との間にのみ前記磁気的貫通孔を備えることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、ロータコアの周方向における磁石スロット対の端部とロータコアの外周面とに挟まれた位置に磁気的貫通孔を備えることにより、トルクリップルを低減することができる。さらに、ロータコアの周方向における磁石スロット対の端部とロータコアの外周面とに挟まれた領域の磁束を、磁気的貫通孔を迂回させることができる。したがって、ロータコアの周方向における磁石スロット対の端部とロータコアの外周面とに挟まれた領域の磁束を、回転方向前方側へ傾倒させることができ、トルクリップルの原因となる方向の磁束を低減して、さらに回転トルクに寄与する方向の磁束を増加することができるため、平均トルクの低下を抑制しつつ、トルクリップルを抑制することができる効果がある。
請求項2に記載した発明によれば、請求項1の効果に加え、内周側内壁面と外周側内壁面との間に設けられた端部側内壁面により、磁気的貫通孔の端部側の磁気的な抵抗を減少させることができるため、トルクリップルを抑制しつつ回転トルクに寄与する方向の磁束をさらに増加させることができる効果がある。
請求項3に記載した発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、外周側内壁面と中央側内壁面との間の隅部の曲率半径が大きく形成されることで、磁気的貫通孔の中央側の磁気的な抵抗を減少させることができるため、トルクリップルを抑制しつつ、回転トルクに寄与する方向の磁束をさらに増加させることができる効果がある。
請求項4に記載した発明によれば、請求項1乃至3の何れか一項の効果に加え、内周側リブの厚さが外周側リブの厚さよりも厚く形成されることで、内周側リブの磁束の流れをより妨げにくくすることができるため、平均トルクの低下を抑制することができる効果がある。
請求項5に記載した発明によれば、請求項1乃至4の何れか一項の効果に加え、ロータコアの主回転方向の回転前方側にのみ磁気的貫通孔が配置されることで、ロータコアが主回転方向に回転する際に、トルクリップルの原因となるトルク変動を減少させると共に、主回転方向の回転後方側に磁気的貫通孔を形成しないことで磁気的な抵抗を低減させることができるため、主回転方向に回転する際の平均トルクの低下を抑制することができると共に、トルクリップルを抑制することができる効果がある。
本発明の第1実施形態における回転電機の側面図である。 本発明の第1実施形態における磁石スロット対の拡大図である。 本発明の第1実施形態におけるロータコアの周方向における磁石スロット対の端部の拡大図である。 本発明の第1実施形態における電気角に対するトルク変動のグラフである。 本発明の第1実施形態における電気角0度の場合の磁束線および表面力を示す図であり、(a)は磁気的貫通孔が無い場合、(b)は磁気的貫通孔が有る場合を示している。 本発明の第1実施形態における電気角15度の場合の図5に相当する図であり、(a)は磁気的貫通孔が無い場合、(b)は磁気的貫通孔が有る場合を示している。 本発明の第1実施形態における電気角30度の場合の図5に相当する図であり、(a)は磁気的貫通孔が無い場合、(b)は磁気的貫通孔が有る場合を示している。 本発明の第1実施形態における電気角45度の場合の図5に相当する図であり、(a)は磁気的貫通孔が無い場合、(b)は磁気的貫通孔が有る場合を示している。 回転数に対する振動加速度レベルの変化を示すグラフである。 磁気的貫通孔の有無に応じたトルク変動成分のうち24次成分と48次成分とを示すグラフである。 本発明の第1実施形態の第1変形例における磁石スロット対の拡大図である。 本発明の第1実施形態の第2変形例における磁石スロット対の拡大図である。 本発明の第2実施形態における図11に相当する拡大図である。 本発明の第2実施形態における図3に相当する拡大図である。 本発明の第2実施形態における図4に相当するグラフである。 本発明の第2実施形態における図5(b)に相当する図である。 本発明の第2実施形態における図6(b)に相当する図である。 本発明の第2実施形態における図7(b)に相当する図である。 本発明の第2実施形態における図8(b)に相当する図である。
次に、この発明の第1実施形態のロータについて図面を参照しながら説明する。
図1は、この実施形態におけるロータ1を備える回転電機10を示している。この回転電機10はステータ2の内側にロータ1が配置されるいわゆるインナーロータタイプのDCブラシレスモータなどの回転電機10であって、ステータ2は、略円環状のヨーク3と、ヨーク3内周側に櫛歯上に配置されるティース4と、ティース4間のスロット5に巻回されるコイル(図示せず)とを備えて構成される。なお、ロータ1の回転軸方向は、図1の紙面表裏方向となっている。
図1、図2に示すように、ロータ1は、略円環状に形成されたロータコア6を備えて構成される。ロータコア6は軟磁性材料で形成され外周が側面視略円形に形成される。ロータコア6の内部には、ロータコア6の回転軸に沿って複数の磁石スロット7が形成され、これら磁石スロット7に側面視略長方形状の永久磁石8が挿入される。
ここで、上述した磁石スロット7は、ロータコア6の径方向外側に向かって広がる側面視略V字状に配置された2つの磁石スロット7からなる磁石スロット対9をそれぞれ構成し、ロータコア6の内部には、ロータコア6の外周面11に沿って複数、より具体的には8対の磁石スロット対9が等間隔で設置される。これら複数の磁石スロット対9は、それぞれロータコア6外周面11近傍に配置され、ロータコア6の回転軸方向の端面12に開口13を有し、開口13から永久磁石8が挿入されて取り付けられる。
磁石スロット7は、それぞれロータコア6の外周側の内面7aおよび、外周とは反対側の内面7bとがそれぞれ平行な平面に形成され、それぞれロータコア6の周方向における端部14周辺に、磁石スロット7に永久磁石8にかかる応力を低減するための空間部15が形成される。ここで、磁石スロット対9を構成する2つの磁石スロット7は、一方の内面7aと他方の内面7bとの延長面同士のなす角が鈍角となるように配置され、ロータコア6の周方向における磁石スロット対9の端部16,17に向かうほど、ロータコア6の外周面11に近づくように配置される。つまり、磁石スロット対9は、ロータコア6の外周面11に向かって広がる側面視略V字状を呈している。
ロータコア6には、ロータコア6の周方向における磁石スロット対9の両端部16,17とロータコア6の外周面11とに挟まれた領域に、磁気的貫通孔20が形成される。この磁気的貫通孔20は、ロータコア6を、ロータコア6の回転軸方向に貫通して形成される。ここで、上述した端部16,17とは、磁石スロット対9を構成する各磁石スロット7の側面視の長手方向の中心よりも外側の部分、より好ましくは、長手方向の外側1/3程度の部分を意味している。
図3に示すように、磁気的貫通孔20は、ロータコア6の径方向における永久磁石8の外側の磁極面18と略平行に形成される内周側内壁面21と、ロータコア6の外周面11と略平行に形成される外周側内壁面22と、ロータコア6の周方向における磁石スロット対9の中央側に形成され、内周側内壁面21と外周側内壁面22との間に形成される中央側内壁面23とを備えて構成される。これら内周側内壁面21と外周側内壁面22と中央側内壁面23とはそれぞれ所定の曲率半径の曲面24a〜24cを介して接続された側面視で略三角形状を呈している。なお、図3中、外周側内壁面22が平面である場合を示したが、ロータコア6の外周面11と平行な曲面としても良い。
ロータコア6の内周側内壁面21と磁石スロット7との間に形成される内周側リブ25の厚さは、外周側内壁面22とロータコア6の外周面11との間に形成される外周側リブ26の厚さよりも肉厚に形成される。このように内周側リブ25を相対的に厚く形成することで内周側リブ25における磁気的な抵抗を低減している。
次に、上述したロータ1を用いた回転電機10に生じるトルクリップルのシミュレーション結果について図4〜図8を参照しながら説明する。なお、図4〜図8では、ステータ2のティース4が電気角度30度ごとに形成される場合を一例に説明する。
図4は、上述したロータ1を用いた回転電機10のトルクの変位を示すグラフであって、縦軸をトルク、横軸を電気角[deg]としている。なお、縦軸のトルクは、マグネットトルクとリラクタンストルクとの総合トルクであり、磁気的貫通孔20を有さない場合(図4中、破線(従来)で示す)における平均トルクを100%として表している。
図4に示すように、磁気的貫通孔20を有さない場合、電気角が30度周期で比較的大きいトルクのピークおよびボトムが交互に出現している。これに対して、上述した磁気的貫通孔20をロータコア6に形成した場合(図4中、実線(Δ孔)で示す)、トルクのピークが低減されると共に、ボトムも底上げされており、全体的に磁気的貫通孔20を有さない場合と比較してトルク変動の振幅が小さくなっている。この際の平均トルクは、磁気的貫通孔20がない場合よりも磁気的貫通孔20を有する場合の方が若干(約1%)低下したが、トルクリップルは10%程度改善された。
図5〜図8は、図4に示した電気角度0度から45度まで、電気角度15度毎の磁束および表面力のシミュレーション結果の一例を示している。なお、図示都合上、図5〜図8では磁気的貫通孔20の曲面24a〜24cを省略して示す。また、電気角度45度から180度までは、電気角度0度から45度までの場合と同様の結果が繰り返し得られたため説明を省略する。さらに、ロータ1の回転方向後方側の磁石スロット対9の端部17と外周面11との間の磁束および外周面11の表面力のシミュレーション結果の例示は省略する。
図5(a)、(b)は電気角度が0度の場合であって、ロータコア6の周方向における磁石スロット対9の端部16とロータコア6の外周面11とに挟まれた領域周辺の磁束線および、ステータ2との相互作用によってロータ1に作用する表面力ベクトル(図5中、矢印で示す)を示しており、図5(a)は磁気的貫通孔20がない場合、図5(b)は磁気的貫通孔20を有する場合を示している。同様に、図6(a),(b)は電気角度が15度の場合、図7(a),(b)は電気角度が30度の場合、図8(a),(b)は電気角度が45度の場合である。なお、ロータ1は、図5〜図8中、反時計回りに回転される。
電気角度が0度のとき、図5(a)に示すように磁気的貫通孔20が無い場合には、磁石スロット対9の端部16と外周面11とに挟まれた領域における永久磁石8の外周面11側の磁極面18から出ている磁束線は、ロータ1の外周面11に対して比較的立った状態すなわち、より垂直に近い角度で交差される。そのため、表面力ベクトルはロータコア6の外周面11に対して垂直に近い角度で交差している。そして、これらの表面力ベクトルのロータコア6の外周面11に対する接線方向の成分が回転トルクに寄与し、図4においてトルクのピークを出現させている。
これに対して図5(b)に示すように磁気的貫通孔20を有する場合には、磁石スロット対9の端部16と外周面11とに挟まれた領域における永久磁石8の外周面11側の磁極面18から出ている磁束線は、磁極面18に対して垂直に発生するため、一部、密度の低い状態で磁気的貫通孔20の空間を貫通しているものの、そのほとんどが磁極面18と略平行に形成された内周側内壁面21を備える磁気的貫通孔20によって進路を妨げられて迂回して、ロータコア6の外周面11に向かっている。そのため、磁極面18からロータコア6の径方向外側に向かう磁束線は、磁極面18と略平行な内周側リブ25および外周面11と略平行な外周側リブ26を通過することにより、磁気的貫通孔20を有さない場合の磁束線よりもロータコア6の回転方向前方側へ傾倒している。すなわち、磁気的貫通孔20を有する場合の磁束線は、磁気的貫通孔20が無い場合の磁束線よりも、外周面11に対して斜めに交差されており、言い換えると、磁気的貫通孔20を有する場合の磁束線は、磁気的貫通孔20が無い場合の磁束線よりも、ロータコア6の外周面11に対する接線となす角度が小さい。これは、磁束が磁気的貫通孔20を迂回しているからであると考えられる。
このことから、表面力ベクトルは、ティース4aの回転方向後方側でロータコア6の回転方向前方側に傾倒したものが増加している。つまり、磁気的貫通孔20を有する場合の表面力ベクトルは、磁気的貫通孔20が無い場合の表面力ベクトルに比べて、ティース4aの回転方向後方側で、ロータコア6の外周面11に対する接線となす角度が小さいものが増加する。
ここで、表面力ベクトルのロータコア6の外周面11に対する接線方向の成分が回転トルクに寄与するため、ロータコア6の外周面11に対する接線となす角度が小さい方が、ロータコア6の外周面11に対する接線方向の成分が大きくなり、回転トルクに寄与する割合が大きくなる。
したがって、磁気的貫通孔20を有する場合の表面力ベクトルの内、磁気的貫通孔20が無い場合の表面力ベクトルに比べて、ロータコア6の外周面11に対する接線となす角度が小さいものは回転トルクに寄与する割合が大きいため、回転トルクの低下を抑制している。
以上のように、磁気的貫通孔20を形成したことにより、磁束線の経路において磁気抵抗が増加した場合においても、回転トルクが低下することが抑制され、平均トルクの低下が防止されている。
電気角度が15度のときも同様に、図6(a)に示すように磁気的貫通孔20が無い場合には、磁石スロット対9の端部16と外周面11とに挟まれた領域における永久磁石8の外周面11側の磁極面18から出ている磁束線は、ロータコア6の外周面11に対して比較的立った状態で交差される。すなわち、表面力ベクトルは、電気角度が0度の場合よりもさらにロータコア6の外周面11に対して垂直に近い角度で交差している。
これらの表面力ベクトルは、ロータコア6の外周面11に対する接線方向の成分が小さいため、ロータコア6の回転に寄与するトルクを低下させ、トルクのボトムを出現させている。
これに対して図6(b)に示すように磁気的貫通孔20を有する場合には、図5(b)と同様に、磁石スロット対9の端部16と外周面11とに挟まれた領域における永久磁石8の外周面11側の磁極面18から出ている磁束線は、そのほとんどが磁気的貫通孔20を迂回している。そして、磁極面18近傍の内周側リブ25の磁束線および外周側リブ26の磁束線が、磁気的貫通孔20を有さない場合よりもロータ回転方向前方側へ傾倒している。そのため、直近のティース4aに対して作用する表面力ベクトルは、ロータコア6の外周面11に対して垂直に近い角度で交差しているものが減少され、さらにティース4aの回転方向後方側でロータコア6の回転方向前方側に傾倒したものが増加している。しかも、このロータコア6の回転方向前方側に傾倒した表面力ベクトルの大きさが大きくなっている。つまり、ティース4aに作用する表面力ベクトルのうち、ロータコア6の回転方向へ作用するロータコア6の外周面11に対する接線方向の成分が大幅に増加され、これにより平均トルクが底上げされている。
電気角度が30度のとき、図7(a)に示すように磁気的貫通孔20が無い場合には、電気角度0度の場合と同様の磁束線が出現している。電気角度が30度の場合は、直近のティース4が、電気角度が0度のときに直近となっていたティース4aの隣のティース4bとなる。この直近のティース4bに対して作用する表面力ベクトルは、電気角度0度の場合と同様な表面力ベクトルとなっている。すなわち、表面力ベクトルは、ロータコア6の外周面11に対して垂直に近い角度で交差し、これらの表面力ベクトルのロータコア6の外周面11に対する接線方向の成分が回転トルクに寄与し、図4においてトルクのピークを出現させている。
これに対して図7(b)に示すように磁気的貫通孔20を有する場合には、図5(b)と同様に、ロータコア6の外周面11に対して磁気的貫通孔20を有さない場合よりもロータコア6の回転方向前方側に傾倒して交差される。すなわち、磁気的貫通孔20を有する場合の磁束線は、磁気的貫通孔20が無い場合の磁束線よりも、外周面11に対して斜めに交差されており、言い換えると、磁気的貫通孔20を有する場合の磁束線は、磁気的貫通孔20が無い場合の磁束線よりも、ロータコア6の外周面11に対する接線となす角度が小さい。
このことで、表面力ベクトルは、上述した電気角度0度の場合と同様に、ティース4bの回転方向後方側でロータコア6の回転方向前方側に傾倒したものが増加している。つまり、磁気的貫通孔20を有する場合の表面力ベクトルは、磁気的貫通孔20が無い場合の表面力ベクトルに比べて、ティース4bの回転方向後方側で、ロータコア6の外周面11に対する接線となす角度が小さいものが増加する。したがって、磁気的貫通孔20を有する場合の表面力ベクトルの内、磁気的貫通孔20が無い場合の表面力ベクトルに比べて、ロータコア6の外周面11に対する接線となす角度が小さいものは回転トルクに寄与する割合が大きいため、回転トルクの低下を抑制している。以上のように、磁気的貫通孔20を形成したことにより、磁束線の経路において磁気抵抗が増加した場合においても、回転トルクが低下することが抑制され、平均トルクの低下が防止されている。
電気角度が45度のとき、図8(a)に示すように磁気的貫通孔20が無い場合には、電気角度15度の場合と同様の磁束線が出現している。電気角度が45度の場合は、直近のティース4が、電気角度が15度のときに直近となっていたティース4aの隣のティース4bとなっている点で異なる。この直近のティース4bに対して作用する表面力ベクトルは、電気角度15度の場合と同様な表面力ベクトルとなっている。すなわち、表面力ベクトルは、電気角度15度の場合と同様に、電気角度が0度や30度の場合よりもさらにロータコア6の外周面11に対して垂直に近い角度で交差している。これらの表面力ベクトルは、ロータコア6の外周面11に対する接線方向の成分が小さいため、ロータコア6の回転に寄与するトルクを低下させ、トルクのボトムを出現させている。
これに対して図8(b)に示すように磁気的貫通孔20を有する場合は、図6(b)と同様に、磁気的貫通孔20を迂回することで内周側リブ25の磁束線および外周側リブ26の磁束線が、磁気的貫通孔20が無い場合よりもロータ回転方向前方側へ傾倒している。そのため、直近のティース4bに対して作用する表面力ベクトルは、ロータコア6の外周面11に対して垂直に近い角度で交差しているものが減少され、さらにティース4bの回転方向後方側でロータコア6の回転方向前方側に傾倒したものが増加している。しかも、このロータコア6の回転方向前方側に傾倒した表面力ベクトルの大きさが大きくなっている。つまり、ティース4bに作用する表面力ベクトルのうち、ロータコア6の回転方向へ作用するロータコア6の外周面11に対する接線方向の成分が大幅に増加され、これにより平均トルクが底上げされている。
図9は、縦軸を振動加速度レベル[dB]、横軸をロータコア6の回転数[r/min]としたグラフである。このグラフに示すように、磁気的貫通孔20を設けない場合の回転電機10のトルク変動の主成分が48次成分であったのに対して、磁気的貫通孔20を設けることで、共振ピークが図9中矢印方向に低下して24次成分に近い振動加速度レベルの特性が得られた。
一方、図10は、磁気的貫通孔20の有無に応じたトルクリップルの24次成分と48次成分との振幅の大きさを示すグラフであり、磁気的貫通孔20が無い場合(従来)における48次成分の振幅を100%として表している。この図10に示すように、磁気的貫通孔20を有する場合(Δ孔有)は、磁気的貫通孔20が無い場合(従来)と比較して、48次成分の振幅が大幅に低減して、24次成分の振幅が上回る状態となった。つまり、トルク変動の成分が低い次数となり、共振点が高回転側に移動して、回転電機10の常用域の振動が低下された。
なお、図5〜図8では端部16と外周面11との間の領域の磁束および当該磁束による表面力について説明したが、ロータコア6が逆方向(図5〜図8で時計回り)に回転する場合、端部17と外周面11との間の領域の磁束および当該磁束による表面力は、図5〜図8を左右反転したものとなる。
したがって、上述した第1実施形態のロータ1によれば、磁気的貫通孔20を設けたことによりトルクリップルを低減しつつ、トロータコア6の周方向における磁石スロット7の端部16,17とロータコア6の外周面11とに挟まれた領域の磁束を、磁気的貫通孔20を迂回させることで、ロータコア6の回転方向に寄与する磁束を増加することができる。したがって、磁気的貫通孔20を形成したことにより、磁束線の経路において磁気抵抗が増加した場合においても、回転電機10の平均トルク低下を抑制することができる。
また、内周側リブ25の厚さが外周側リブ26の厚さよりも厚く形成されることで、内周側リブ25の磁束の流れをより妨げにくくすることができるため、平均トルクの低下を抑制することができる。
なお、上述した第1実施形態のロータ1は、磁気的貫通孔20が略三角形状に形成される場合について説明したが、この形状に限られるものではなく、例えば、図11に示す第1変形例の磁気的貫通孔31のように、外周側内壁面22と中央側内壁面23との間の曲面24aの曲率半径を、他の曲面24b、24cの曲率半径よりも大きく形成しても良い。このように形成することで、磁気的貫通孔31の中央側における磁気的な抵抗を減少させることができるため、トルクリップルを抑制しつつ、回転トルクに寄与する方向の磁束をさらに増加させることができる。この第1変形例の場合、磁気的貫通孔31が形成されていない場合と比較して、平均トルクはほぼ同等で、トルクリップルは11%程度低減された。
さらに、図12に示す第2変形例の磁気的貫通孔32ように、上述した内周側内壁面21と、外周側内壁面22との間の、ロータコア6の周方向外側に端部側内壁面30を形成するようにしても良い。この端部側内壁面30は、図12に示すように側面視でロータコア6の周方向外側の隅部が面取りされるように形成される。このように端部側内壁面30を形成することで、磁気的貫通孔32の端部16,17側の磁気的な抵抗を減少させることができるため、トルクリップルを抑制しつつ、回転トルクに寄与する方向の磁束をさらに増加させることができる。この第1変形例の場合、磁気的貫通孔20が形成されていない場合と比較して、平均トルクはほぼ同等で、トルクリップルが12%程度低減された。
次に、この発明の第2実施形態のロータ101について図面を参照しながら説明する。この第2実施形態のロータ101は、上述した第1実施形態の第2変形例における磁気的貫通孔32を、ロータコア6の主回転方向の前方側にだけ設けたものであるため、上述した第1実施形態と同一部分に同一符号を付して説明する。
図13,14に示すように、第2実施形態のロータ101には、上述した第1実施形態のロータ1と同様に、側面視略V字状に配置された磁石スロット対9が外周面11に沿って複数形成され、各磁石スロット7には、側面視略長方形状の永久磁石8が挿入される。そして、磁石スロット対9のうち、ロータ101の回転方向(図13中、矢印で示す方向)の前方側に配置された磁石スロット7の周方向外側の端部16と外周面11との間の領域に、磁気的貫通孔32が形成される。
磁気的貫通孔32は、第1実施形態の第2変形例と同様に、内周側内壁面21と、外周側内壁面22と、中央側内壁面23とを備え、内周側内壁面21と外周側内壁面22との間の、ロータコア6の周方向外側に端部側内壁面30を有している。それぞれの内壁面が接する隅部には、曲面24a,24b,24d,24eが形成され、中央側内壁面23と外周側内壁面22との間の隅部が、他の隅部よりも曲率半径が大きく設定される。なお、図14中、第1実施形態の磁気的貫通孔20の外形を破線で示す。
次に、上述したロータ101を用いた回転電機10のトルクリップルのシミュレーション結果について図15〜図19を参照しながら説明する。なお、ロータ101は、第1実施形態のロータ1と同様に、ステータ2のティース4が電気角度30度ごとに形成される。
図15は、第2実施形態のロータ101を用いた回転電機10のトルクの変位を示すグラフであって、縦軸をトルク、横軸を電気角[deg]としている。なお、縦軸のトルクは、マグネットトルクとリラクタンストルクとの総合トルクであり、磁気的貫通孔32を有さない場合(図15中、破線(従来)で示す)における平均トルクを100%として表している。
図15に示すように、磁気的貫通孔32を有さない場合は、図4と同様に、電気角が30度周期で比較的大きいトルクのピークおよびボトムが交互に出現している。これに対して、上述した磁気的貫通孔32をロータコア6に形成した場合(図15中、実線(非対称)で示す)、トルクのピークが低減されると共に、ボトムも底上げされており、全体的に磁気的貫通孔32を有さない場合と比較してトルク変動の振幅が小さくなっている。この際の平均トルクは、磁気的貫通孔32がない場合よりも磁気的貫通孔32を有する場合のほうが若干(約1%)増加し、さらにリップルが11%程度改善された。
以下、図16〜図19は、図15に示した電気角度0度から45度まで、電気角度15度ごとの磁気的貫通孔32を有する場合の磁束線および表面力のシミュレーション結果を示している。この図16〜図19は、上述した第1実施形態の第2変形例の場合と同様の結果となる。なお、第1実施形態と同様に、電気角度45度から180度までは、電気角度0度から45度までの場合と同様の結果が繰り返し得られたため、ここでの説明は省略する。また、磁気的貫通孔32が無い従来の場合は上述した図5(a)〜図8(a)と同様であるためその説明を省略する。
図16は電気角度が0度の場合のロータコア6の回転方向における前方側の端部16とロータコア6の外周面11とに挟まれた領域周辺の磁束線および、ステータ2に対するロータ101の表面力ベクトル(図16中、矢印で示す)を示している。同様に、図17は電気角度が15度の場合、図18は電気角度が30度の場合、図19は電気角度が45度の場合である。図16〜図19に示すロータ101は、反時計回りに回転される。
まず、図16に示すように、電気角度が0度の場合、上述した図5(b)の場合と同様に、磁石スロット対9の端部16と外周面11とに挟まれた領域においては、永久磁石8の外周面11側の磁極面18から出ている磁束線のほとんどが磁気的貫通孔32を迂回して、一部だけ磁気的貫通孔32の内部空間を貫通している。そして、磁極面18近傍の内周側リブ25の磁束線は、磁気的貫通孔32を有さない場合(図5(a)参照)よりもロータコア6の回転方向における前方側へ傾倒している。
磁気的貫通孔32を有する場合の磁束線は、磁気的貫通孔32が無い場合の磁束線よりも、外周面11に対して斜めに交差されており、言い換えると、磁気的貫通孔32を有する場合の磁束線は、磁気的貫通孔32が無い場合の磁束線よりも、ロータコア6の外周面11に対する接線となす角度が小さい。これは、上述した図5(b)の場合と同様に、磁束が磁気的貫通孔32を迂回しているからであると考えられる。そして、表面力ベクトルは、ティース4aの回転方向後方側でロータコア6の回転方向前方側に傾倒したものが増加している。
つまり、磁気的貫通孔32を有し電気角度が0度の場合の表面力ベクトルは、磁気的貫通孔32が無い場合の表面力ベクトルに比べて、ティース4aの回転方向後方側で、ロータコア6の外周面11に対する接線となす角度が小さいものが増加する。磁気的貫通孔20を有する場合の表面力ベクトルの内、磁気的貫通孔20が無い場合の表面力ベクトルに比べて、ロータコア6の外周面11に対する接線となす角度が小さいものは回転トルクに寄与する割合が大きいため、回転トルクの低下を抑制している。以上のように、磁気的貫通孔20を形成したことにより、磁束線の経路において磁気抵抗が増加した場合においても、回転トルクが低下することが抑制され、平均トルクの低下が防止されている。
次いで、図17に示すように、電気角度が15度の場合は、上述した図6(b)の場合と同様に、磁石スロット7の端部16と外周面11とに挟まれた領域における永久磁石8の外周面11側の磁極面18から出る磁束線のほとんどが磁気的貫通孔32を迂回している。磁極面18近傍の内周側リブ25の磁束線および外周側リブ26の磁束線が、磁気的貫通孔32を有さない場合(図6(a)参照)よりもロータコア6の回転方向における前方側に傾倒される。これにより、直近のティース4aに対して作用する表面力ベクトルは、ロータコア6の外周面11に対して垂直に近い角度で交差しているものが減少され、さらに、ティース4aの回転方向後方側でロータコア6の回転方向前方側に傾倒したものが増加している。しかも、このロータコア6の回転方向前方側に傾倒した表面力ベクトルの大きさが大きくなっている。つまり、ロータコア6の回転方向に作用する表面力ベクトルのうち、ロータコア6の回転方向へ作用するロータコア6の外周面11に対する接線方向の成分が大幅に増加され、これにより平均トルクが底上げされている。
また、図17では、磁気的貫通孔32を採用していることで、図6(b)の場合よりもティース4aの回転方向後方側でロータコア6の回転方向前方側に傾倒した表面力ベクトルが増加している。これは、磁気的貫通孔32の中央側内壁面23と外周側内壁面22との間の曲面24aが、他の曲面24b,24d,24eよりも曲率半径が大きく設定されていることで、曲面24a近傍の磁気的抵抗が低下したためである。
図18に示すように、電気角度が30度の場合は、上述した図7(b)の場合と同様に、ロータコア6の外周面11に対して磁気的貫通孔32を有さない場合よりもロータコア6の回転方向前方側に傾斜して交差される。すなわち、磁気的貫通孔32を有する場合の磁束線は、磁気的貫通孔32が無い場合の磁束線よりも、外周面11に対して斜めに交差されており、言い換えると、磁気的貫通孔32を有する場合の磁束線は、磁気的貫通孔32が無い場合の磁束線よりも、ロータコア6の外周面11に対する接線となす角度が小さい。このことで、表面力ベクトルは、上述した電気角度0度の場合と同様に、ティース4bの回転方向後方側でロータコア6の回転方向前方側に傾倒したものが増加している。
つまり、磁気的貫通孔32を有し、電気角度が30度の場合の表面力ベクトルは、磁気的貫通孔32が無い場合の表面力ベクトルに比べて、ティース4bの回転方向後方側で、ロータコア6の外周面11に対する接線となす角度が小さいものが増加する。したがって、磁気的貫通孔32を有する場合の表面力ベクトルの内、磁気的貫通孔32が無い場合の表面力ベクトルに比べて、ロータコア6の外周面11に対する接線となす角度が小さいものは回転トルクに寄与する割合が大きいため、回転トルクの低下を抑制している。以上のように、磁気的貫通孔32を形成したことにより、磁束線の経路において磁気抵抗が増加した場合においても、回転トルクが低下することが抑制され、平均トルクの低下が防止されている。
図19に示すように、電気角度が45度の場合は、図8(b)の場合と同様に、内周側リブ25の磁束線および外周側リブ26の磁束線が、磁気的貫通孔32を有さない場合よりもロータコア6の回転方向前方側へ傾倒している。そして、直近のティース4bに対して作用する表面力ベクトルは、ロータコア6の外周面11に対して垂直に近い角度で交差しているものが減少され、さらにティース4bの回転方向後方側でロータコア6の回転方向前方側に傾倒したものが増加している。しかも、このロータコア6の回転方向前方側に傾倒した表面力ベクトルの大きさが大きくなっている。つまり、ティース4bに作用する表面力ベクトルのうち、ロータコア6の回転方向へ作用するロータコア6の外周面11に対する接線方向の成分が大幅に増加され、これにより平均トルクが底上げされている。
また、図19では、磁気的貫通孔32を採用していることで、図8(b)の場合よりもティース4aの回転方向後方側でロータコア6の回転方向へ作用する表面力ベクトルのうち、ロータコア6の外周面11に対する接線方向の成分が増加されている。これは、図17の電気角度15度の場合と同様に、磁気的貫通孔32の中央側内壁面23と外周側内壁面22との間の曲面24aが、他の曲面24b,24d,24eよりも曲率半径が大きく設定されていることで、曲面24a近傍の磁気的抵抗が低下したためである。
したがって、上述した第2実施形態によれば、とりわけ、ロータコア6の主回転方向の回転前方側にのみ磁気的貫通孔32が配置されることで、ロータコア6が主回転方向に回転する際に、トルクリップルの原因となるトルク変動を減少させると共に、主回転方向の回転後方側に磁気的貫通孔32を形成しないことで磁気的な抵抗を低減させることができるため、とりわけ、トルク変動のボトムを底上げして主回転方向に回転する際の平均トルクの低下を抑制しつつ、磁気的貫通孔32を全く形成しない場合と比較してトルクリップルを抑制することができる。そして、平均トルクを、主回転方向の後方側の端部17と外周面11との間の領域にも磁気的貫通孔32を設ける場合と比較して、平均トルクを向上できる点で有利となる。
なお、この発明は上述した各実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
例えば、磁石スロット対9やティース4の数は、必要に応じて適宜設定すれば良い。
また、第2実施形態では、第1実施形態の第2変形例の磁気的貫通孔32を主回転方向の前方側の端部16と外周面11との間の領域にのみ設ける場合について説明したが、第1実施形態、第1実施形態の第1変形例の磁気的貫通孔20,31を主回転方向の前方側の端部16と外周面11との間の領域にのみ設けるようにしても良い。
6 ロータコア
7 磁石スロット
8 永久磁石
9 磁石スロット対
11 外周面
16,17 端部
18 磁極面
20,31,32 磁気的貫通孔
21 内周側内壁面
22 外周側内壁面
23 中央側内壁面
25 内周側リブ
26 外周側リブ
30 端部側内壁面

Claims (5)

  1. 略円筒形状のロータコアと、
    前記ロータコアの外周面に向かって広がる略V字状に配置された一対の磁石スロットからなる磁石スロット対を周方向に複数対配置して、該磁石スロットにそれぞれ永久磁石を挿入して備える回転電機のロータにおいて、
    前記ロータコアは、該ロータコアの周方向における前記磁石スロット対の端部と前記ロータコアの外周面とに挟まれた位置に磁気的貫通孔を備え、
    該磁気的貫通孔は、
    前記永久磁石の前記ロータコアの径方向における外側の磁極面と略平行に形成される内周側内壁面と、
    前記ロータコアの外周面と略平行に形成される外周側内壁面と、
    前記ロータコアの周方向における前記磁石スロット対の中央側で、前記内周側内壁面と前記外周側内壁面との間に形成される中央側内壁面と
    を備えて構成されることを特徴とするロータ。
  2. 前記磁石スロット対の周方向の端部側で、前記内周側内壁面と、前記外周側内壁面との間に端部側内壁面を備えることを特徴とする請求項1に記載のロータ。
  3. 前記外周側内壁面と前記中央側内壁面との間の隅部の曲率半径が、前記磁気的貫通孔の他の隅部の曲率半径よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載のロータ。
  4. 前記ロータコアの前記内周側内壁面と前記磁石スロットとの間に形成される内周側リブの厚さは、前記外周側内壁面と前記ロータコアの外周面との間に形成される外周側リブの厚さよりも厚いことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のロータ。
    ロータ。
  5. 前記磁石スロット対のうち、前記ロータコアの主回転方向の回転前方側に配置される前記磁石スロットと前記ロータコアの外周面との間にのみ前記磁気的貫通孔を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のロータ。
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